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特許7502999内歯及び外歯を有するトラクション機構及びトラクション機構を有するトランスミッション
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】内歯及び外歯を有するトラクション機構及びトラクション機構を有するトランスミッション
(51)【国際特許分類】
   F16G 1/28 20060101AFI20240612BHJP
   F16H 1/32 20060101ALI20240612BHJP
   F16H 55/06 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
F16G1/28 B
F16G1/28 C
F16G1/28 J
F16H1/32 B
F16H55/06
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020566746
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 IB2019054085
(87)【国際公開番号】W WO2019229574
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2018/053897
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(73)【特許権者】
【識別番号】512257532
【氏名又は名称】ティーキュー システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TQ Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Muhlstrasse 2, 82229 Seefeld, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】ロッスベルゲル, アントニウス ゲオルグ
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-539848(JP,A)
【文献】特開昭58-220720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 1/28
F16H 1/32
F16H 55/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内歯及び外歯を有する歯付ベルトであって、
前記内歯の歯先は、扇形状の断面を有する丸みを帯びた領域を備え、
前記外歯の歯先は、扇形状の断面を有する丸みを帯びた領域を備え、
歯底として形成された前記内歯の2つの隣り合った歯先の間の領域は前記内歯の歯の歯厚と少なくとも同じ広さであり、
歯底として形成された前記外歯の2つの隣り合った歯先の間の領域は前記外歯の歯の歯厚と少なくとも同じ広さであり、
前記歯付ベルトが、前記内歯と外歯の歯が互いにオフセットされたオフセット型間隔配置を構成するように、前記内歯の歯先は、前記外歯の各歯底と径方向反対側に配置され、
前記歯付ベルトが、内側に滑かな中央ベアリング領域を備えていることを特徴とする歯付ベルト。
【請求項2】
請求項1に記載の歯付ベルトであって、前記外歯の前記歯底及び前記内歯の前記歯底は、直円筒の面に相当する平坦な歯底として形成される、歯付ベルト。
【請求項3】
請求項1または2に記載の歯付ベルトであって、直円筒状に設けられた前記内側の前記中央ベアリング領域を、軸方向に対向する両領域において前記内歯が前記中央ベアリング領域と接するように備える、歯付ベルト。
【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の歯付ベルトであって、直円筒状に設けられた中央ベアリング領域を、前記歯付ベルトの外側に、軸方向に対向する両領域において前記外歯が前記中央ベアリング領域と接するように備える、歯付ベルト。
【請求項5】
請求項1~のいずれかに記載の歯付ベルトであって、前記歯付ベルトは単一部品として作製される、歯付ベルト。
【請求項6】
請求項1~のいずれかに記載の歯付ベルトであって、前記歯付ベルトはプラスチックを含む、歯付ベルト。
【請求項7】
請求項1~のいずれかに記載の歯付ベルトであって、前記歯付ベルトは合金鋼を含む、歯付ベルト。
【請求項8】
入力シャフト及び出力シャフトを有するトランスミッションであって、
外側歯車、前記外側歯車の内側に前記外側歯車と同軸に配置された内側歯車、及び前記外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
前記トラクション機構を前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記外側歯車の内周に押し付ける少なくとも1つの回転トランスミッタと
を備え、前記トラクション機構は請求項1~のいずれかに記載の歯付ベルトである、トランスミッション。
【請求項9】
請求項に記載のトランスミッションであって、
前記入力シャフトは前記回転トランスミッタに接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項10】
請求項に記載のトランスミッションであって、
前記入力シャフトは前記外側歯車に接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項11】
請求項に記載のトランスミッションであって、
前記入力シャフトは前記内側歯車に接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項12】
請求項または10に記載のトランスミッションであって、
前記出力シャフトは前記内側歯車に接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項13】
請求項10または11のいずれかに記載のトランスミッションであって、
前記出力シャフトは前記回転トランスミッタに接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項14】
請求項または11に記載のトランスミッションであって、
前記出力シャフトは前記外側歯車に接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項15】
入力シャフト及び出力シャフトを有するトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
前記トラクション機構を前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと、を備え、
前記回転トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、
前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、前記カムディスクは、前記中空駆動シャフトと単一部品として形成され、
前記トラクション機構は請求項1~のいずれかに記載の歯付ベルトとして設けられる、トランスミッション。
【請求項16】
第1の歯部を有する第1の歯車と、
第2の歯部を有する第2の歯車と、
丸みを帯びた係合領域を有するピンリングと、
前記ピンリングの前記係合領域を、前記第1の歯車の前記第1の歯部及び前記第2の歯車の前記第2の歯部に引き込むための回転トランスミッタと、を備え、
前記第1の歯車、前記回転トランスミッタ、及び前記第2の歯車は互いに同心に配置され、前記回転トランスミッタは、前記ピンリングの径方向内側に配置され、前記ピンリングは、前記第1の歯車と前記第2の歯車との間に配置され、前記回転トランスミッタは、トランスミッション中心軸に対して偏心して配置されたトランスミッタディスクを備え、前記第1の歯車の前記第1の歯部及び前記第2の歯車の前記第2の歯部は、周転円構造に従って形成され、
前記第1の歯部及び前記第2の歯部のそれぞれの歯面上の位置は、回転角度の関数としての前記トランスミッション中心軸からの径方向距離によって各々決定され、
さらに、前記径方向距離は、歯車軌道に対する等距離線によって決定され、
前記歯車軌道上の位置はそれぞれ、回転ベクトル及び周転円ベクトルのベクトル和によって決定され、前記回転ベクトルの後端は前記トランスミッション中心軸上にあり、前記周転円ベクトルの後端は前記回転ベクトルの先端にあり、前記周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度のn倍の大きさで、前記回転ベクトルの長さは前記周転円ベクトルの長さより長く、nは前記丸みを帯びた係合領域の数であって少なくとも3であり、
前記ピンリングは請求項1~のいずれかに記載の歯付ベルトとして設けられる、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【請求項17】
外歯を有する内側歯車と、
内歯を有する外側歯車と、
丸みを帯びた係合領域を有するピンリングと、
前記ピンリングの前記係合領域を、前記外側歯車の前記内歯及び前記内側歯車の前記外歯に引き込むための回転トランスミッタと、を備え、
前記内側歯車、前記回転トランスミッタ、及び前記外側歯車は互いに同心に配置され、前記回転トランスミッタは、前記ピンリングの径方向内側に配置され、前記ピンリングは、前記内側歯車と前記外側歯車との間に配置され、
前記外歯歯面は、回転角度の関数としての前記内側歯車の中心軸からの径方向距離によって決定され、さらに、前記中心軸からの前記径方向距離は、歯車軌道に対する内側等距離線によって決定され、前記歯車軌道上の位置は、回転ベクトル、第1の周転円ベクトル、及び第2の周転円ベクトルのベクトル和によって決定され、前記回転ベクトルの後端は前記中心軸上にあり、前記第1の周転円ベクトルの後端は前記回転ベクトルの先端にあり、前記第2の周転円ベクトルの後端は前記第1の周転円ベクトルの先端にあり、
前記第1の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度のn-1倍の大きさであり、前記第2の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度のn-3倍の大きさであり、nハーモニックピンリングトランスミッションのピンの数であって少なくとも4であり、前記第1の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度と同一方向に測定され、前記第2の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度と反対方向に測定され、前記回転ベクトルの長さは、前記第1の周転円ベクトル及び前記第2の周転円ベクトルの前記長さの和より長く、前記第1の周転円ベクトルの長さは、前記第2の周転円ベクトルの長さより長く、
前記内歯の前記歯面上の位置は、回転角度の関数としての前記外側歯車の中心軸からの径方向距離によって各々決定され、
さらに、前記径方向距離は、歯車軌道に対する外側等距離線によって定められ、前記歯車軌道上の位置はそれぞれ、回転ベクトル、第1の周転円ベクトル、及び第2の周転円ベクトルのベクトル和によって決定され、前記回転ベクトルの後端は前記中心軸上にあり、前記第1の周転円ベクトルの後端は前記回転ベクトルの先端にあり、前記第2の周転円ベクトルの後端は前記第1の周転円ベクトルの先端にあり、
前記第1の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度の(n+1)倍の大きさであり、前記第2の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度の(n+3)倍の大きさであり、nは前記ハーモニックピンリングトランスミッションのピンの数であって少なくとも4であり、前記第1の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度と反対方向に測定され、前記第2の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度と同一方向に測定され、前記回転ベクトルの長さは、前記第1の周転円ベクトル及び前記第2の周転円ベクトルの前記長さの和より長く、前記第1の周転円ベクトルの長さは、前記第2の周転円ベクトルの長さより長く、
前記ピンリングは請求項1~のいずれかに記載の歯付ベルトとして設けられる、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【請求項18】
請求項15のいずれかに記載のトランスミッションを有するモータトランスミッションユニットであって、
電気モータが設けられ、そのロータが前記トランスミッションの前記入力シャフトに接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項19】
請求項15のいずれかに記載のトランスミッションを有するモータトランスミッションユニットであって、
内燃機関が設けられ、前記出力シャフトが前記トランスミッションの前記入力シャフトに接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項20】
請求項18または19に記載のモータトランスミッションユニットを有する車両であって、
前記車両の少なくとも1つの走行輪は前記トランスミッションの前記出力シャフトに接続される
ことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項21】
駆動ユニット、発電するための発電ユニット、及び請求項15のいずれかに記載のトランスミッションを有する発電機であって、前記トランスミッションの入力シャフトは前記駆動ユニットに接続され、前記トランスミッションの出力シャフトは前記発電機の入力シャフトに接続される、発電機。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ここで特許出願PCT/IB2017/057452の主題が参照によって本明細書に取り入れられる。
具体的には、図1図9と明細書の28頁11行目~34頁14行目の対応する文章とは、ハーモニックピンリングトランスミッションに関し、図10図1図9のトランスミッションのための取付け構想に関する。
図11図14及び図20と明細書の36頁14行目~40頁21行目及び41頁行目~42頁30行目の対応する文章とは、偏心ディスクを有するハーモニックピンリングトランスミッションに関し、図15図19と40頁32行目~41頁35行目の対応する文章とは、図11図14のトランスミッションのためのピンリングに関する。
図21図29と48頁8行目~50頁24行目の対応する文章と、図30図31と50頁62行目~53頁10行目の対応する文章とは、ロードセルに関する。
図43及び図44は、ロードセルを有するHPDトランスミッションに言及しており、57頁36行目~58頁38行目の文章がそれに対応しており、図32及び図34と55頁8行目~56頁9行目の対応する文章とは、ロードセルのための締結及び取付け構想に関する。
図35図40と56頁11行目~57頁35行目の対応する文章と、図41及び図42と57頁30行目~35行目の対応する文章とは、ひずみゲージによるペダルシャフトトルクの間接的な測定に関する。
図45図59と59頁1行目~63頁26行目の対応する文章とは、フリーホイールアセンブリに関し、図60と63頁28行目~34行目の対応する文章とは、クランプローラフリーホイールを有するハーモニックピンリングトランスミッションに関する。
図61図66と64頁1行目~67頁27行目の対応する文章とは、ギヤードモータに関する。
図67図76と67頁29行目~69頁31行目の対応する文章とは、クランク歯車として遊星歯車を有するハーモニックピンリングトランスミッションに関する。
図77図81と69頁33行目~73頁21行目の対応する文章とは、サイクロイド歯車に関する。
図82図88と73頁23行目~75頁16行目の対応する文章とは、テンションシャフトトランスミッションに関する。
図89図93と76頁23行目~78頁24行目の対応する文章とは、2部分ピンリング及び2部分ピンリングを有する高減速歯車に関する。
図94図118と78頁26行目~105頁4行目の対応する文章とは、歯の構造、特に1周転円構造及び2周転円構造に関する。
包括的な図119図123と105頁34行目~107頁12行目の対応する文章とは、本明細書のトランスミッションに関し、図124図126と107頁14行目~107頁21行目の対応する文章とは、上述の図82図88と同様、テンションシャフトトランスミッションに関し、加えて、PCT/IB2017/057452の明細書のさらなる文章は、上述の実施形態例に関する。
【0002】
本明細書における次の用語は、PCT/IB2017/057452の明細書における以下に列挙された用語に対応する。
【0003】
歯付ベルトの内側の中央ベアリング領域はピンリング、特に単一部品ピンリングの「内側ベアリング面」に対応し、歯付ベルトの外側の中央ベアリング領域はピンリング、特に単一部品ピンリングの「外側ベアリング面」に対応する。
【0004】
「ロータトランスミッタユニット」は内側ロータシャフト27及びカムディスク28または内側ロータシャフト27及び偏心ディスク28’に対応し、「内側歯車被駆動シャフトユニット」は、中空シャフト部分234を有する内側歯車7に対応する。「外側歯車アセンブリ」は、第1の外側歯車8が取り付けられまたは挿入され、かつ第2の外側歯車8’が取り付けられまたは挿入された支持リング36に対応する。
【0005】
「1周転円歯部」は、例えば本明細書の末尾の第1のリストの項目1にも定義されるように、1つの周転円を有する歯車軌道に基づく歯部に対応する。「2周転円歯部」は、例えば本明細書の末尾の第1のリストの項目12または13にも定義されるように、2つの周転円を有する周転円歯車軌道に基づく歯部に対応する。
【発明の概要】
【0006】
本明細書は、内歯及び外歯を有する歯付ベルトを開示し、上記内歯の歯先は、扇形状の断面を有する丸みを帯びた領域を備える。上記外歯の歯先は、扇形状の断面を有する丸みを帯びた領域を備える。上記内歯の2つの隣り合った歯先の間の領域は、上記内歯の歯の歯厚と少なくとも同じ広さであり、上記外歯の2つの隣り合った歯先の間の領域は、上記外歯の歯の歯厚と少なくとも同じ広さである。
【0007】
特に、歯先の間の領域は、各歯部の歯先の広さに、歯付リングの各歯部に適合するトランスミッションの外側歯車または内側歯車の歯部の形によって決まる広さを加えたものと、少なくとも同じ広さであってよい。
【0008】
特に、上記内歯の歯先は、対称型の配置に従って、上記外歯の歯先と径方向反対側に配置されてもよい。代替的に、上記内歯の歯先は、オフセット型の配置において、上記外歯の歯底と径方向反対側に配置されてもよい。
【0009】
さらに、上記内歯の歯底は、直円筒の面に相当する平坦な歯底として形成されてもよい。この形により、例えば円筒状の被加工物から成形することで簡単に生産でき、上記歯付ベルトに係合する内側または外側歯車の適切に設計された相手歯部と上記歯付ベルトとの良好な係合を達成することが十分可能となる。
【0010】
さらなる実施形態によれば、上記歯付ベルトは、厚さが一定の、直円筒状になった波形シートの形を有する。上記内歯は上記外歯の裏側により形成され、上記外歯は上記内歯の裏側により形成される。
【0011】
さらなる実施形態によれば、直円筒状に設けられた滑らかな中央ベアリング領域を、上記歯付ベルトの内側に、軸方向に対向する両領域において上記内歯が上記中央ベアリング領域と接するように備える。ここで、滑らかとは、顕微鏡の尺度ではなく、補助器具無しで観察可能な尺度での比較を意味する。
【0012】
さらに、直円筒状に設けられた中央ベアリング領域を、上記歯付ベルトの外側に、軸方向に対向する両領域において上記外歯が上記中央ベアリング領域と接するように備えてもよい。
【0013】
特に、上記歯付ベルトは単一部品として作製、例えば鋳造、圧延、打抜きされてもよく、これにより効率的に製造でき、安定性が向上する。
【0014】
ある実施形態によれば、上記歯付ベルトはプラスチックを含み、90重量パーセントより多くのプラスチックを含んでも、全体がプラスチックで作製されてもよい。
【0015】
さらなる実施形態によれば、上記歯付ベルトは合金鋼を含み、具体的に、90重量パーセントより多くの合金鋼を含んでも、全体が合金鋼で作製されてもよい。
【0016】
具体的に、上記歯付ベルトはコバルトマンガン鋼合金を含んでもよく、90重量パーセントより多くのコバルトマンガン鋼合金を含んでも、全体がコバルトマンガン鋼合金で作製されてもよい。
【0017】
さらに、本明細書は、入力シャフトを有し及び出力シャフトを有し、外側歯車及び上記外側歯車の内側に上記外側歯車と同軸に配置された内側歯車を有し、並びに上記外側歯車と上記内側歯車との間に延在するトラクション機構を有するトランスミッションを開示する。
【0018】
上記トランスミッションは、上記トラクション機構を上記内側歯車の上記外周から持ち上げ、上記外側歯車の上記内周に押し付ける少なくとも1つの回転トランスミッタを備える。上記トラクション機構は、上述の仕様に係る歯付ベルトとして設けられる。
【0019】
上記トランスミッションにおいて、上記入力シャフトは、特に上記トランスミッタ、上記外側歯車、または上記内側歯車に接続されてよく、上記出力シャフトは、上記入力シャフトがまだ接続されていなければ、上記トランスミッタ、上記外側歯車、または上記内側歯車に接続されてよい。
【0020】
さらに、本明細書は、本明細書の第2のリストの項目1、15、34、37、46、52、57、または59のうちの1項に係るトランスミッションを開示し、上記トラクション機構が上述の歯付ベルトとして設けられる。
【0021】
さらに、本明細書は、本明細書の第1のリストの項目1に係るハーモニックピンリングトランスミッションを開示し、上記ピンリングが上述の歯付ベルトとして設けられる。
【0022】
さらに、本明細書は、本明細書の第1のリストの項目14に係るハーモニックピンリングトランスミッションを開示し、上記ピンリングが上述の歯付ベルトとして設けられる。
【0023】
特に、電気モータが設けられてもよく、そのロータが上記トランスミッションの上記入力シャフトに接続される。代替的に、内燃機関が設けられてもよく、上記内燃機関の出力シャフトが上記トランスミッションの上記入力シャフトに接続される。
【0024】
さらに、本明細書は、上述のモータトランスミッションユニットを有する車両、特に二輪車または三輪車を開示し、上記車両の少なくとも1つの走行輪が上記トランスミッションの上記出力シャフトに接続される。
【0025】
さらに、本明細書は、駆動ユニットを有し、発電するための発電ユニットを有し、及び上述のトランスミッションを有する発電機を開示し、上記トランスミッションの入力シャフトは上記駆動ユニットに接続され、上記トランスミッションの出力シャフトは上記発電機の入力シャフトに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
次の図面を参照しながら、本明細書の主題について以下に説明する。
【0027】
図1】ピンを間隔配置したピンリングの第1の実施形態の斜視図を示す。
図2図1のピンリングの拡大された詳細を示す。
図3図1のピンリングの側面図を示す。
図4図3の断面線A-Aに沿ったピンリングの断面を示す。
図5図1のピンリングの正面図を示す。
図6】ピンを間隔配置したピンリングの第2の実施形態の斜視図を示す。
図7図6のピンリングの正面図を示す。
図8図6のピンリングの側面図を示す。
図9図8の切断線A-Aに沿った図6のピンリングの断面図を示す。
図10】内歯及び外歯のピンまたは歯が互いにオフセットされる、オフセット型間隔配置のピンリングまたは歯付ベルトの斜視図を示す。
図11】内側及び外側に中央ベアリング領域を有する、オフセット型間隔配置の別のピンリングの斜視図を示す。
図12】内側に中央ベアリング領域を有する、オフセット型間隔配置の別のピンリングの斜視図を示す。
図13】内歯及び外歯の歯またはピンが互いに向かい合う対称型間隔配置の別のピンリングの斜視図を示す。
図14】ピン間に径方向の間隔が設けられた対称型間隔配置の別のピンリングの斜視図を示す。
図15】歯底がそれぞれ径方向に反対側の歯部の歯先を形成する別のピンリングまたは歯付ベルトの斜視図を示す。
図16図14の拡大された詳細を示す。
図17図15の拡大された詳細を示す。
図18】ハーモニックピンリングトランスミッションの被駆動側正面図を示す。
図19図18の切断線A-Aに沿った断面を示す。
図20図18のトランスミッションの分解組立図を示す。
図21】電磁力によってピンリングを動かす三極ステータを有するトランスミッションを示す。
図22】電磁力によってピンリングを動かす六極ステータを有するトランスミッションを示す。
図23】電磁力によってピンリングを変形させる三極ステータを有するトランスミッションを示す。
図24】電磁力によってピンリングを変形させる六極ステータを有するトランスミッションを示す。
図25】電磁力によって内歯を動かす六極ステータを有するトランスミッションを示す。
図26】電磁力によって内歯を動かす六極ステータを有するトランスミッションを示す。
図27図21のトランスミッションのステータ巻線の通電を示す。
図28】対称型間隔配置のピンリングを通る断面を示す。
図29】シフト型間隔配置のピンリングを通る断面を示す。
図30】内歯の裏側が外歯を形成するシフト型間隔配置のピンリングを通る断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、詳細を示して本明細書の実施形態を説明する。しかし、これら実施形態がそのような詳細が無くても実践され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0029】
図1は、ピン101を間隔配置したピンリング201の第1の実施形態の斜視図を示している。ピンまたは歯の間隔配置では、ピンまたは歯の広さと少なくとも同じ広さの間隔が2つのピンまたは歯の間に設けられる。例えば、歯底と歯先との間の中点における周方向の歯の延在長を歯厚とみなすことができる。別の定義によれば、歯厚はピッチ円の高さ位置における広さに相当する。
【0030】
間隔配置のピンリングをトランスミッションに取り付けると、トラクション機構のピンまたは歯はトランスミッションのそれぞれの外歯または内歯の歯底に1つおきに係合し、周方向の隣の歯底には係合しない。これは、ピンがそれぞれの内歯または外歯に係合する係合領域に当てはまる。好ましくは、歯部及び/またはピンは、トラクション機構の全てのピンまたは歯がそれぞれの内歯または外歯の対向する歯に接触または係合するように構成され、そのため、図18に示すように係合領域が全周囲または360度にわたって延在する。より広い意味では、外歯について図18の中央に示すように、2つの対向する歯先が互いに重なり合うときも係合と呼ぶ。
【0031】
間隔を有するこの係合を図18に示す。外歯について間隔を有する係合の様子は、外歯について図18の上部及び下部において特によくわかり、内歯について図18の中央部において特によくわかる。
【0032】
図2図1のピンリング102の拡大された詳細を示しており、ピン101間の遷移領域及び中央ベアリングリングが示されている。図1図5の実施形態によれば、ピンリングは単一部品として作製される。例えば、横方向に突出するピンは被加工物から圧延または打抜きされてもよい。
【0033】
図1のピンリング102及び本明細書に開示されたその他のピンリングまたは歯付ベルトに適した材料は、例えば、優れた打抜き性及び成形性により特徴付けられる合金鋼である。具体的に、16MnCr5、材料記号1.7131のようなマンガンクロム合金鋼であってよい。
【0034】
図3図1のピンリング102の側面図を示しており、ピン間の角距離が描かれている。この角距離は、ピンリングの半径、及び外周にわたって均等に分配されたピンの数に依存して決まり、図3の例では4.8度である。
【0035】
図4図3の切断線A-Aに沿ったピンリング102の断面を示している。図4でわかるように、ピンの直径は中央ベアリングリングの厚さとほぼ同じ大きさである。
【0036】
図5図1のピンリング102の正面図を示しており、中央ベアリングリング、及び中央ベアリングリングの左右に軸方向に突出するピンが示されている。
【0037】
図6は、ピン101’を間隔配置したピンリング102’の第2の実施形態の斜視図を示している。本実施形態は、ピンの直径が中央ベアリングリングの厚さよりも小さい点で、図1の実施形態と異なる。
【0038】
図7図6のピンリング102’の正面図を示している。
【0039】
図8図6のピンリング102’の側面図を示している。
【0040】
図9図8の切断線A-Aに沿った図6のピンリング102’の断面図を示している。ピンリング102’は、遷移領域において被加工物の直径が軸方向外側に向けて細くなり、ピンの直径がここで中央ベアリングリングの厚さの約3分の2になるように製造される。
【0041】
図10図13図15、及び図17は歯付ベルトの様式で構成され、外歯及び内歯を備えるピンリングを示しており、外歯の歯の数は内歯の歯の数に相当する。歯をピンとみなしてもよく、図10図13図15、及び図17のピンリングを二重ピンリングまたは二重歯付リングとも呼ぶ。
【0042】
図10図17のピンリングを、弾性材料で作製することができ、及び/または、特に長円形または楕円形に変形するのに適するように適切に寸法決めすることができ、変形の位置は、それぞれのピンリングの径方向内側に配置される回転トランスミッタによって円形経路上を回転する。
【0043】
図10図17のピンリングを、非弾性材料または低弾性材料で作製することもでき、及び/または、トランスミッタの偏心配置された円筒形カムディスクによって円形経路上を案内されるのに適するようにそれに応じて寸法決めすることができる。
【0044】
特に、歯の断面は、ピン半分の断面、すなわち略半円形に似ていてもよく、遷移領域を除くと、扇形状でもよい。歯先の少なくとも上方領域は、扇形状に丸みを帯びていることが好ましい。
【0045】
この扇形状に丸みを帯びた上方領域は、例えば、歯先から見ると、歯底と歯先との間の中央から測定した歯たけの少なくとも30%または少なくとも40%にわたって延在していてよく、これにより、一方で歯先と歯底との間においてより広い遷移領域が利用可能となり、他方で歯の形はピンの形にいまだ十分類似する。
【0046】
遷移領域によって弾性が得られ、歯付ベルトの歯の構造の寸法決めが内側歯車の外歯または外側歯車の内歯に適応するような設計の自由がある。
【0047】
他の実施形態例によれば、扇形状に丸みを帯びた上方領域は、歯先から見ると、歯底と歯先との間の中央から測定した歯たけの少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%にわたって延在してもよく、その結果、ピンの形に可能な限り良く似せることができる。歯の形とピンの形が類似していることにより、例えば、外側歯車及び/または内側歯車のPCT/IB2017/057452に開示される1周転円歯部または2周転円歯部と可能な限り良好に係合させることができる。
【0048】
他の実施形態例によれば、扇形状に丸みを帯びた上方領域は、歯先から見ると、歯底と歯先との間の中央から測定した歯たけの少なくとも50%、少なくとも60%にわたって延在してもよく、これにより、ピン状の歯の形と十分な広さの遷移領域との折衷が実現する。
【0049】
一方、内歯及び外歯の歯底は、例えば、図10図13に示すように平坦であってもよく、すなわち円筒の面を形成してもよい。
【0050】
特に、内歯の歯の形は外歯の歯の形に適合するか構造上一致し得る。内歯及び外歯の歯の形は、真っすぐな歯の形または平歯車の歯の形に好ましくは相当し、例えば圧延によって簡単に生産することができる。図示しないが、斜歯も可能である。
【0051】
とりわけ、二重歯付リングは、PCT/IB2017/057452で説明されるように1周転円歯部または2周転円歯部を備えてもよい。
【0052】
図10は、オフセット型間隔配置のピンリング102’’または歯付ベルト102’’の斜視図を示しており、内歯106及び外歯105のピンまたは歯は互いに対してオフセットされている。すなわち、外歯105の歯またはピンはそれぞれ内歯106の歯底またはピンと向かい合っている。
【0053】
図11は、内側及び外側に中央ベアリング領域107、108を有するオフセット型間隔配置の別のピンリング102’’’の斜視図を示しており、内歯105’は外歯106’に対してオフセットされている。
【0054】
図12は、内側に中央ベアリング領域107を有するオフセット型間隔配置の別のピンリング102(IV)の斜視図を示しており、内歯105’’は外歯106’’に対してオフセットされている。
【0055】
内側の中央ベアリング領域107は、特に、トランスミッタのカムディスクまたは外面との接触を向上させる役割があり、外側の中央ベアリング領域108は、特に、トランスミッタの外面と向かい合うトランスミッションハウジングの円筒状ベアリング面との接触を向上させる役割があってよい。
【0056】
図12の歯付ベルトの例に関して、歯付ベルトの内側に中央ベアリング領域がない場合、歯付ベルトの内歯に適合する外歯が、トランスミッタの支持を向上させるために歯付ベルトの径方向内側に配置されてもよい。特に、被駆動内側歯車を有するトランスミッションの場合、この外歯はボールベアリング上に配置されてもよく、一方、被駆動でない固定内側歯車の場合、この外歯はトランスミッションハウジングに取り付けられてもよい。
【0057】
図12の歯付ベルトの例に関して、歯付ベルトの外側に中央ベアリング領域がない場合、歯付ベルトの外歯に適合する外歯が、支持を向上させるために歯付ベルトの径方向外側に配置されてもよい。特に、被駆動外側歯車を有するトランスミッションの場合、この外歯はボールベアリング上に配置されてもよく、一方、図18図20のトランスミッションのように被駆動でない固定外側歯車を有するトランスミッションにおいては、トランスミッションハウジングに取り付けられてもよい。
【0058】
しかしながら、外側歯車歯部は歯付ベルトの幅全体にわたって延在してもよく、これにより接触も良好となる。
【0059】
図13は、内歯106’’’及び外歯105’’’の歯またはピンが互いに向かい合う対称型間隔配置の別のピンリング102(V)の斜視図を示している。
【0060】
図13のような対称型間隔配置の歯付ベルトの場合であっても、中央ベアリング領域が歯付ベルトの内側または歯付ベルトの外側に設けられてよい。
【0061】
図14は、ピン101’’’間に径方向の間隔が設けられた対称型間隔配置の別のピンリング102(VI)の斜視図を示している。
【0062】
図14のピンリングにおいて、ピン101’’’は、その断面が細長い長円形を成すように形成されており、その様子は図16の拡大された詳細において特によくわかる。すなわち、ピン101’’の断面は、短辺に2つの半円形の端部を有する長方形を成し、半円形の端部は各々同じであってよい。
【0063】
図15は、歯底がそれぞれ径方向に反対側の歯部の歯先を形成する別のピンリング102(VII)、歯付ベルト、または二重歯付リング102(VII)の斜視図を示している。したがって、外歯105(IV)の裏側は同時に内歯106(IV)を形成し、逆もまたしかりである。
【0064】
二重歯付リングの形は円筒状片の波形金属に似ており、その様子は図17の拡大された詳細において特によくわかる。
【0065】
図15に係る二重歯付リングの設計によって、簡単にかつ材料を節約して製造しつつ良好な弾性を得られる。
【0066】
図16図14の拡大された詳細を示している。
【0067】
図17図15の拡大された詳細を示している。
【0068】
図18は、長円形カムディスクを有するハーモニックピンリングトランスミッションの被駆動側正面図を示しており、図10に係るピンリング102’’がトラクション機構として設置され、内側から外側へ、内部ロータモータ(図示せず)のロータトランスミッタユニット109の内側領域、内側歯車被駆動シャフトユニット110、図10に係るピンリング102’’、及び外側歯車アセンブリ111が示されている。
【0069】
図19図18の切断線A-Aに沿った断面を示す。内側歯車被駆動シャフトユニット110は、被駆動シャフトボールベアリングを介してロータトランスミッタユニットに取り付けられる。変形可能なボールベアリングがロータトランスミッタユニット109のカムディスクに取り付けられ、図12に係るピンリングがこの変形可能なボールベアリング上に配置される。外側歯車アセンブリ111はピンリングの径方向外側に配置され、駆動側外側リングまたは外側歯車、外側歯車ホルダー、及び被駆動側外側リングまたは外側歯車からなる。外側歯車アセンブリは、図18図20に図示しないトランスミッションハウジングに取り付けられる。
【0070】
図20は、図18のトランスミッションの分解組立図を示しており、左から右へ、駆動側外側リングまたは被駆動側外側歯車、外側歯車ホルダー、被駆動側外側リングまたは被駆動側外側歯車、図13に係るピンリング、ロータトランスミッタユニット109、変形可能なボールベアリング、被駆動シャフトボールベアリング、及び内側歯車被駆動シャフトユニット110が示されている。
【0071】
図20に係るトランスミッションまたはモータトランスミッションユニットのさらなる部品群(図20に図示しない)は、PCT/IB2017/057452に示されるトランスミッション、特に、PCT/IB2017/057452の図1図10及び図11図20に示されるトランスミッションと同じように構成され得る。同様に、図20のトランスミッションのここで説明されないさらなる詳細は、PCT/IB2017/057452の図1図10のトランスミッションと同様に実装され得る。
【0072】
図18のトランスミッションは、トランスミッションにおけるトラクション機構としての図13のピンリングの潜在的用途の一例にすぎない。むしろ、図13のピンリング及び図1図17に示される他のピンリングも他のトランスミッションにおけるトラクション機構として使用することもできる。特に、これらピンリングは、参照によって本明細書に取り入れられるPCT/IB2017/057452で開示される上記トランスミッションにおいて使用することもでき、ピンの形または内歯もしくは外歯の形は必要に応じて適切に適応される。
【0073】
図1図17に示したピンリングは減速歯車における内歯と外歯との間のトラクション機構として使用するのに適しており、それぞれのピンリングは減速歯車の内歯及び外歯に係合する。具体的に、これは、ピンリングを内歯から持ち上げ、外歯に押し付けるトランスミッタを有するトランスミッションであってよい。
【0074】
続く図21図27はロータレスモータを有するトランスミッションのトランスミッション部品群を示しており、それぞれのトランスミッションは、ステータの電磁力によるトラクション機構の変形もしくは変位または内歯もしくは外歯の変位によって駆動される。その電磁力は、第1の歯部またはピンを第2の歯部に沿って動かすことにより回転運動状態に設定し、電磁力は径方向に支配的に働く。
【0075】
これはロータを有するトランスミッションとは対照的であり、ロータを有するトランスミッションでは、変形可能なボールベアリングに取り付けられた鋼ブッシングを有するテンションシャフトトランスミッションの場合のように、最初にロータの回転運動が生じ、径方向の運動はその後そこから生じるのみである。
【0076】
図21図27のトランスミッション部品群は、特に、偏心トランスミッション、サイクロイド歯車、またはハーモニックチェーンもしくはピンリングトランスミッションにおいて、歯車を減速または変速させるために使用され得る。図21図27のトランスミッション部品群は、特に、PCT/IB2017/057452において開示されるトランスミッションにおいても使用されてよく、その場合、ステータと内側歯車及び外側歯車との間のトルク曲線に位置している部品群が、図21図27に概略的に示された部品群に置き換えられるかまたは適切に修正される。
【0077】
ステータの電磁場によってピンまたは歯部に力を発生させるために、歯部またはピンは磁性領域もしくは永久磁石を備えるか、または磁性材料からなってよい。特に、歯部全体またはピンリング全体が所定の経路上、例えば偏心円形経路上を案内される場合、歯部またはピンは電磁力によって案内されるのに加えて機械的ガイドによっても案内されてよい。
【0078】
図21及び図22は、トラクション機構、特にピンリングがモータの電磁力によって内歯及び外歯に沿って動かされるトランスミッションを示す。
【0079】
図21及び図22において、下方の矢印は、ピンリングが第1の領域において外歯から離れて動かされて内歯に押し付けられ、径方向反対側の第2の領域において内歯から離れるように押されて外歯に押し付けられることを示している。
【0080】
第1の領域は外歯との接触または係合が最小で、内歯との接触または係合が最大の領域である。第2の領域は外歯との接触または係合が最大で、内歯との接触または係合が最小の領域である。ステータのステータ巻線は、第1の領域及び反対側の第2の領域が中心軸の周りを回転するように制御または通電される。
【0081】
図23及び図24は、トラクション機構、特にピンリングがモータの電磁力によって楕円形に変形することにより、内歯及び外歯に沿って動かされるトランスミッションを示す。
【0082】
図23及び図24において、上下一組の矢印は、第1の領域及びそれと径方向反対側の第2の領域においてピンリングが押し広げられることを示し、左右一組の矢印は、第3の領域及びそれと径方向反対側の第4の領域においてピンリングが引き寄せられることを示している。この場合、押し広げ、収縮、またはその両方が、ステータによって働く電磁力によって行われ、電磁力は、特に静電気力であってもよい。第3の領域及び第4の領域は第1の領域及び第2の領域に対して90度オフセットされている。
【0083】
第1の領域及び第2の領域は内歯との接触または係合が最小で、内歯との接触または係合が最大の領域である。第3の領域及び第4の領域は内歯との接触または係合が最大で、外歯との接触または係合が最小の領域である。ステータのステータ巻線は、第1の領域、第2の領域、第3の領域、及び第4の領域が中心軸の周りを回転するように制御または通電される。
【0084】
図25及び図26は、例えばサイクロイド歯車を有する場合に類似した、ステータの電磁力によって内歯が外歯に沿って動かされるトランスミッションを示す。これらトランスミッションの変種において、内歯と外歯との間にトラクション機構は配置されない。代わりに、内歯は直接外歯と係合するか、外歯上をロールオフする。
【0085】
図25及び図26において、下方の矢印は、内歯が第1の領域において外歯から離れて動かされ、それと径方向反対側の第2の領域において外歯に押し付けられることを示している。
【0086】
第1の領域は外歯との接触または係合が最小の領域である。第2の領域は外歯との接触または係合が最大の領域である。ステータのステータ巻線は、第1の領域及びそれと反対側の第2の領域が中心軸の周りを回転するように制御または通電される。
【0087】
図21図26は三極または六極の電気モータまたはステータを示している。しかしながら、4つの磁極片を有し、または6つより多い磁極片を有する電気モータも使用され得る。わかりやすくするため、三極モータの巻線は図21図26に示されておらず、六極モータの巻線の接続部は図21図26に示されていない。
【0088】
本明細書に係る電気モータの磁極片はそれぞれ自分の巻線を有して別々に制御されてもよいし、磁極片は直列に接続されてまとめて制御されてもよい。直列に接続された磁極片は同じ数の巻線を有しても異なる数の巻線を有してもよく、それらは同じ方向に巻かれていても反対方向に巻かれていてもよい。特に、対向する磁極片が、同じ大きさの対向する力を発生させるために、それぞれ直列に接続され、反対方向に巻かれていてよく、これにより、例えばピンリングが楕円形に変形するのに都合がよい。
【0089】
さらに、全ての磁極片が巻線を備えるのではなく、例えば、1つおきの磁極片のみが巻かれていることも可能である。例えばパワーエレクトロニクスによって磁極片を個別に制御できる場合、または対向する磁極片の組を個別に制御できる場合、その制御は精細さの向上した制御に帰結する。
【0090】
図27は、三極モータの簡単な制御の一例を示しており、三極モータの磁極片は別々に通電され、所定の信号が使用される。第3の磁極片の電流供給I3(t)は第1の磁極片の電流供給I1(t)に対し逆であり、第2の磁極片の電流供給I2(t)は第1の磁極片の電流供給に対してI1(t)の定常信号の時間長だけ位相シフトされる。例えば、逆の巻線によって、または別々の電流供給によっても、逆の電流供給を達成することができる。
【0091】
要件に依存して、より複雑な制御も可能である。例えば、振幅は、図27に示すように、複数の区間において一定である代わりに、変化してもよい。さらに、ステータコイルの制御を向上させるため、図27に示したフィードフォワード制御の代わりに、PIDコントローラのような制御ループを使用してもよい。
【0092】
ステータコイルにおける電流信号が制御ループのためのセンサ信号として使用されてもよく、それによりホールセンサのような別のセンサを設置することが回避される。例えば、それぞれのステータ巻線が通電していない制御休止時に電流信号を測定してもよい。制御ループのパラメータを所要の通りに変化させて、例えば、所定のトルクを発生させるか所定の回転速度を発生させることができる。
【0093】
図28は、対称型間隔配置の歯付ベルト102(V)を通る断面を示す。
【0094】
図29は、シフト型間隔配置の歯付ベルト102’’、102’’’、102(IV)を通る断面を示している。
【0095】
図30は、内歯の裏側が外歯を形成するシフト型間隔配置の歯付ベルト102(VII)を通る断面を示している。図28図30において、歯付ベルトの厚さは歯部の高さに対して正確な比率で描かれてはいない。
【0096】
上述の実施形態例及び本明細書のさらなる実施形態例は次の第1のリストの特徴においても開示され、これらは本明細書の他の特徴と組み合わせることができる。
【0097】
対向する歯部の、及び、存在する場合には中間的なトランスミッション手段の寸法決めは、本明細書によれば、ピンリングトランスミッションにおいて、及びテンションシャフトトランスミッション又はサイクロイド歯車において、どちらも歯が全面的に係合するように選択されてよく、それらピンリングトランスミッション及びテンションシャフトトランスミッションは、偏心トランスミッタを有する構成または長円形トランスミッタを有する構成として組み立てられてもよい。
【0098】
[項目1]
ハーモニックピンリングトランスミッションであって、
第1の歯部を有する第1の歯車と、
第2の歯部を有する第2の歯車と、
丸みを帯びた係合領域を有するピンリングと、
前記ピンリングの前記係合領域を、前記第1の歯車の前記第1の歯部及び前記第2の歯車の前記第2の歯部に引き込むための回転トランスミッタと
を備え、前記第1の歯車、前記トランスミッタ、及び前記第2の歯車は互いに同心に配置され、前記トランスミッタは、前記ピンリングの径方向内側に配置され、前記ピンリングは、前記第1の歯車と前記第2の歯車との間に配置され、前記トランスミッタは、トランスミッション中心軸に対して偏心して配置されたトランスミッタディスクを備え、前記第1の歯車の前記第1の歯部及び前記第2の歯車の前記第2の歯部は、周転円構造に従って形成され、
前記第1の歯部及び前記第2の歯部のそれぞれの歯面上の位置は、回転角度の関数としての前記トランスミッション中心軸からの径方向距離によって各々決定され、
さらに、前記径方向距離は、歯車軌道に対する等距離線によって決定され、
前記歯車軌道上の位置はそれぞれ、回転ベクトル及び周転円ベクトルのベクトル和によって決定され、前記回転ベクトルの後端は前記トランスミッション中心軸上にあり、前記周転円ベクトルの後端は前記回転ベクトルの先端にあり、前記周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度のn倍の大きさで、前記回転ベクトルの長さは前記周転円ベクトルの長さより長く、nは前記ハーモニックピンリングトランスミッションの前記丸みを帯びた係合領域の数であって少なくとも3である、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0099】
[項目2]
項目1に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記第1の歯車は外歯を有する内側歯車であり、前記第2の歯車は内歯を有する外側歯車であり、前記内側歯車の前記外歯に関して、前記周転円角度は前記回転角度と同一方向に測定され、前記等距離線は内側等距離線であり、
前記外側歯車の前記内歯に関して、前記周転円角度は前記回転角度と反対方向に測定され、前記等距離線は外側等距離線である、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0100】
[項目3]
項目1に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記第1の歯車及び前記第2の歯車はそれぞれ、内歯を有する外側歯車であり、
2つの前記外側歯車の前記内歯に関して、前記周転円角度は前記回転角度と反対方向に測定され、前記等距離線は外側等距離線である、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0101】
[項目4]
項目3に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、それぞれの前記等距離線は、前記丸みを帯びた係合領域の半径と補正値との合計の距離での等距離線であり、前記補正値はバックラッシュに依存する、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0102】
[項目5]
項目3または4に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記ハーモニックピンリングトランスミッションは、前記トランスミッタディスクに当接するローリングベアリングを備え、前記回転半径は、前記ローリングベアリングの前記直径の半分に等しい、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0103】
[項目6]
項目3または4に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記回転半径は、前記トランスミッタディスクの前記直径の半分に等しい、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0104】
[項目7]
項目3~6のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記周転円半径は、前記トランスミッタディスクが前記トランスミッション中心軸からオフセットされる偏心オフセットの半分に等しい、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0105】
[項目8]
項目3~7のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、駆動シャフトが前記トランスミッタに接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0106】
[項目9]
項目8に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、被駆動シャフトが前記第1の歯車に接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0107】
[項目10]
項目8に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、被駆動シャフトが前記第2の歯車に接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0108】
[項目11]
項目8に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、被駆動シャフトが前記ピンリングに接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0109】
[項目12]
ハーモニックピンリングトランスミッションのための外歯を有する内側歯車であって、前記外歯の前記歯面は、回転角度の関数としての前記内側歯車の中心軸からの径方向距離によって決定され、さらに、前記中心軸からの前記径方向距離は、歯車軌道に対する内側等距離線によって決定され、前記歯車軌道上の位置は、回転ベクトル、第1の周転円ベクトル、及び第2の周転円ベクトルのベクトル和によって決定され、前記回転ベクトルの後端は前記中心軸上にあり、前記第1の周転円ベクトルの後端は前記回転ベクトルの先端にあり、前記第2の周転円ベクトルの後端は前記第1の周転円ベクトルの先端にあり、
前記第1の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度のn-1倍の大きさであり、前記第2の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度のn-3倍の大きさであり、nは前記ハーモニックピンリングトランスミッションのピンの数であって少なくとも4であり、前記第1の周転円角度は前記回転角度と同一方向に測定され、前記第2の周転円角度は前記回転角度と反対方向に測定され、前記回転ベクトルの長さは、前記第1の周転円ベクトル及び前記第2の周転円ベクトルの前記長さの和より長く、前記第1の周転円ベクトルの長さは、前記第2の周転円ベクトルの長さより長い、内側歯車。
【0110】
[項目13]
ハーモニックピンリングトランスミッションのための内歯を有する外側歯車であって、前記内歯の前記歯面上の位置は、回転角度の関数としての前記外側歯車の中心軸からの径方向距離によって各々決定され、
さらに、前記径方向距離は、歯車軌道に対する外側等距離線によって定められ、前記歯車軌道上の位置はそれぞれ、回転ベクトル、第1の周転円ベクトル、及び第2の周転円ベクトルのベクトル和によって決定され、前記回転ベクトルの後端は前記中心軸上にあり、前記第1の周転円ベクトルの後端は前記回転ベクトルの先端にあり、前記第2の周転円ベクトルの後端は前記第1の周転円ベクトルの先端にあり、
前記第1の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度の(n+1)倍の大きさであり、前記第2の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度の(n+3)倍の大きさであり、nは前記ハーモニックピンリングトランスミッションのピンの数であって少なくとも4であり、前記第1の周転円角度は前記回転角度と反対方向に測定され、前記第2の周転円角度は前記回転角度と同一方向に測定され、前記回転ベクトルの長さは、前記第1の周転円ベクトル及び前記第2の周転円ベクトルの前記長さの和より長く、前記第1の周転円ベクトルの長さは、前記第2の周転円ベクトルの長さより長い、外側歯車。
【0111】
[項目14]
ハーモニックピンリングトランスミッションであって、
項目12に記載の内側歯車と、
項目13に記載の外側歯車と、
丸みを帯びた係合領域を有するピンリングと、
前記ピンリングの前記係合領域を、前記外側歯車の前記内歯及び前記内側歯車の前記外歯に引き込むための回転トランスミッタと
を備え、前記内側歯車、前記トランスミッタ、及び前記外側歯車は互いに同心に配置され、前記トランスミッタは、前記ピンリングの径方向内側に配置され、前記ピンリングは、前記内側歯車と前記外側歯車との間に配置される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0112】
[項目15]
ハーモニックピンリングトランスミッションであって、
項目13に記載の第1の外側歯車と、
項目13に記載の第2の外側歯車と、
丸みを帯びた係合領域を有するピンリングと、
前記ピンリングの前記係合領域を、前記第1の外側歯車の前記内歯及び前記第2の外側歯車の前記内歯に引き込むための回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタ、前記第1の外側歯車、及び前記第2の外側歯車は互いに同心に配置され、前記トランスミッタは、前記ピンリングの径方向内側に配置され、前記ピンリングは、軸方向に前記第1の外側歯車と前記第2の外側歯車との間に配置される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0113】
[項目16]
項目14または15に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、
駆動シャフトが前記トランスミッタに接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0114】
[項目17]
項目16に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、被駆動シャフトが前記ピンリングに接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0115】
[項目18]
項目14に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、駆動シャフトが前記トランスミッタに接続され、被駆動シャフトが前記内側歯車に接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0116】
[項目19]
項目14に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、駆動シャフトが前記トランスミッタに接続され、被駆動シャフトが前記外側歯車に接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0117】
[項目20]
項目15に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、駆動シャフトが前記トランスミッタに接続され、被駆動シャフトが2つの前記外側歯車のうちの一方に接続される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0118】
[項目21]
項目14~20のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、それぞれの前記等距離線は、前記丸みを帯びた係合領域の半径と補正値との合計の距離での等距離線であり、前記補正値はバックラッシュによって決定される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0119】
[項目22]
項目14~21のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッタは、長円形状のカムディスクと、前記長円形状のカムディスクに当接したフレキシブルローリングベアリングとを備え、前記回転半径は、前記フレキシブルローリングベアリングの前記直径の半分と補正値との和に等しい、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0120】
[項目23]
項目14~21のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッタは、トランスミッション中心軸に対して偏心して配置された第1の円形ディスクと、前記トランスミッション中心軸に対して偏心して配置された第2の円形ディスクとを備え、
前記回転半径は、2つの前記偏心して配置された円形ディスクの包絡線の平均半径と補正値との和に等しい、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0121】
[項目24]
項目14~23のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記第1の周転円半径は、ピンリングストロークの半分と第2の補正値との和以下であり、前記第2の補正値はゼロ以下である、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0122】
[項目25]
項目14~24のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記第2の周転円ベクトルの前記長さは、前記第1の周転円ベクトルの前記長さの1/3である、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0123】
上述の実施形態及び本明細書のさらなる実施形態は、次の第2のリストの特徴においても開示され、これらは本明細書の他の特徴と組み合わせられてもよい。
【0124】
[項目1]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
前記トラクション機構を前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、
前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、前記カムディスクは、前記中空駆動シャフトと単一部品として形成される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0125】
[項目2]
項目1に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トラクション機構はピンリングとして形成され、ピンが2つの対向する側部において中央部分から突出し、前記中央部分は前記第3の軸平面に配置され、前記回転トランスミッタは、前記ピンを前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0126】
[項目3]
項目1または2に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記カムディスクの外周は長円形状を有する、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0127】
[項目4]
項目1または2に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記カムディスクの外周は円形状を有し、トランスミッション中心軸に対して偏心して配置される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0128】
[項目5]
項目1~4のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、ローリングベアリングが前記カムディスクと前記トラクション機構との間に配置される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0129】
[項目6]
項目1~5のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッタ5は本質的にアルミニウムからなる、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0130】
[項目7]
項目1~6のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッタは、接続用支柱を介して前記中空駆動シャフトに接続されたリングを備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0131】
[項目8]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
前記トラクション機構を前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、前記第1の外側歯車は第1の外側リングによって形成され、前記第2の外側歯車は第2の外側リングによって形成され、前記第1のリング及び前記第2のリングは支持リング内に挿入される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0132】
[項目9]
項目8に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記第1の外側リング及び前記第2の外側リングはそれぞれ、プラスチックで作製される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0133】
[項目10]
項目8または9に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記第1の外側リング及び前記第2の外側リングが、それぞれの前記外側リングの前記外周にわたって分配される径方向外向きに突出したジャーナルを各々備え、前記支持リングは、前記ジャーナルが挿入される適合する凹部を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0134】
[項目11]
項目8~10のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記支持リングはアルミニウムで作製される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0135】
[項目12]
項目8~11のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記支持リングは、軸方向に隣接する2つの部分リングを備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0136】
[項目13]
項目8~12のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記第1の外側リング、前記第2の外側リング、及び前記支持リングは、互いに適合するねじ穴を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0137】
[項目14]
項目13に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、ねじが、トランスミッションカバーのねじ穴、並びに前記第1の外側リング、前記支持リング、及び前記第2の外側リングの前記適合するねじ穴を通過して、前記ハーモニックピンリングトランスミッションのトランスミッションハウジングのねじに螺合する、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0138】
[項目15]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
前記トラクション機構を前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、
前記トランスミッションは、モータフリーホイールを介して前記内側歯車に取り付けられる中空出力シャフトと、ペダルシャフトフリーホイールを介して前記中空出力シャフトに取り付けられるペダルシャフトとを備え、前記ペダルシャフトは、外周に前記モータフリーホイールのための受け領域を備え、内周に前記ペダルシャフトフリーホイールのための受け領域を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0139】
[項目16]
項目15に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記モータフリーホイールはクランプローラフリーホイールとして構成され、前記ペダルシャフトフリーホイールは歯止めフリーホイールとして構成される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0140】
[項目17]
項目15または16に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、
前記被駆動シャフトは、前記中空駆動シャフトの出力側において軸方向に延在し、ボールベアリングが前記中空出力シャフトと前記ペダルシャフトとの間に配置され、前記中空出力シャフトは、出力要素のための締結領域を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0141】
[項目18]
外側のクランプローラフリーホイール及び内側の歯止めフリーホイールを有するフリーホイールアセンブリであって、
中空駆動シャフトと、
中空出力シャフトと、
ペダルシャフトと
を備え、前記ペダルシャフト、前記中空出力シャフト、及び前記中空駆動シャフトは互いに対して同心に配置され、前記中空出力シャフトは前記中空駆動シャフトの径方向内側に配置され、前記ペダルシャフトは前記中空出力シャフトの径方向内側に配置され、
前記中空出力シャフトは、内周に階段状歯止め係合領域を備え、外周に階段状クランプローラ転動領域を備え、
前記ペダルシャフトは、歯止めのための星形受け領域を備え、
前記星形受け領域は、歯止め台座と、前記歯止め台座の隣に配置されたバネ台座とを備える、フリーホイールアセンブリ。
【0142】
[項目19]
項目18に記載のフリーホイールアセンブリであって、前記中空出力シャフトの前記外周の前記階段状クランプ本体転動領域、及び前記中空出力シャフトの前記内周の前記階段状歯止め係合領域は、本質的に同一軸平面に位置する、フリーホイールアセンブリ。
【0143】
[項目20]
項目18または19に記載のフリーホイールアセンブリであって、前記中空駆動シャフトは、外歯を有するディスク状領域を備え、
前記外歯は、前記ディスク状領域の外周に設けられる、フリーホイールアセンブリ。
【0144】
[項目21]
項目18~20のいずれかに記載のフリーホイールアセンブリであって、前記中空出力シャフトは、第1の端部に環状の肉厚部分を備え、前記第1の端部の反対側の第2の端部に、出力手段のための締結領域を備える、フリーホイールアセンブリ。
【0145】
[項目22]
項目18~21のいずれかに記載のフリーホイールアセンブリであって、前記中空出力シャフトの前記外周は、ボールベアリングのためのベアリング領域を備える、フリーホイールアセンブリ。
【0146】
[項目23]
項目18~22のいずれかに記載のフリーホイールアセンブリであって、前記中空出力シャフトの前記内周は、ボールベアリングのためのベアリング領域を備える、フリーホイールアセンブリ。
【0147】
[項目24]
項目18~23のいずれかに記載のフリーホイールアセンブリであって、前記中空出力シャフトの前記内周は、一方の端部に雌ねじを備える、フリーホイールアセンブリ。
【0148】
[項目25]
5つの先行する項目18~24のいずれかに記載のフリーホイールアセンブリであって、
前記歯止め台座に回転可能に取り付けられた歯止めと、前記バネ台座に配置されて前記歯止めに接続されたバネ要素と、
複数のウェブと、前記複数のウェブの間に配置されたクランプローラとを有するフリーホイールケージと
をさらに備え、前記フリーホイールケージ及び前記クランプローラは、径方向に前記中空出力シャフトの前記クランプローラ転動領域と前記中空駆動シャフトの内周との間に配置される、フリーホイールアセンブリ。
【0149】
[項目26]
項目18~25のいずれかに記載のフリーホイールアセンブリであって、前記歯止め台座は円筒形状であり、一方の端部は壁によって閉鎖され、反対側の端部は開放されている、フリーホイールアセンブリ。
【0150】
[項目27]
項目18~26のいずれかに記載のフリーホイールアセンブリであって、前記階段状クランプ本体転動領域及び前記フリーホイールケージは、バネ要素のための少なくとも2つの受け領域を各々備え、各場合において、バネ要素は、前記クランプ本体転動領域の受け領域と前記フリーホイールケージの受け領域との間に配置される、フリーホイールアセンブリ。
【0151】
[項目28]
項目18~27のいずれかに記載のフリーホイールアセンブリであって、前記ペダルシャフトは力センサユニットを備え、前記力センサユニットはロードセル及びペダルシャフトボールベアリングを備え、前記ロードセルは前記ペダルシャフトボールベアリングに配置される、フリーホイールアセンブリ。
【0152】
[項目29]
項目28に記載のフリーホイールアセンブリであって、前記ロードセルは、複数の締結用突起を介して外側環状部分に取り付けられた内側環状部分を備え、前記ペダルシャフトボールベアリングは前記内側環状部分に挿入される、フリーホイールアセンブリ。
【0153】
[項目30]
項目29に記載のフリーホイールアセンブリであって、前記ロードセルの前記内側部分及び前記外側部分は、互いに対して径方向にオフセットされ、前記複数の締結用突起は、径方向スロットによって横方向の境界を定められ、前記複数の締結用突起のうちの少なくとも2つはひずみゲージを備える、フリーホイールアセンブリ。
【0154】
[項目31]
項目29または30に記載のフリーホイールアセンブリであって、前記外側リングの軸方向厚さは、前記複数の締結用突起の前記領域において減少する、フリーホイールアセンブリ。
【0155】
[項目32]
フリーホイールアセンブリのためのペダルシャフトであって、前記ペダルシャフトは、第1の端部にペダルクランクのための第1の締結領域と、これと反対側の第2の端部にペダルクランクのための第2の締結領域とを備え、
前記ペダルシャフトは、前記第1の端部の付近に、歯止めのための星形受け領域を備える、ペダルシャフト。
【0156】
[項目33]
項目32に記載のペダルシャフトであって、前記星形受け領域は、複数の段を備え、前記複数の段は、第1の側面と、第2の側面と、周方向に対して所定の方向に傾斜し及びバネ台座を備える歯止め支持領域と、前記外周に対して本質的に平行な上面と、歯止め台座を有する端部領域とを各々備え、前記歯止め台座は円筒形状であり、軸方向の一方で開放され、軸方向反対側で閉鎖されている、ペダルシャフト。
【0157】
[項目34]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
前記トラクション機構を前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、
前記トランスミッションは、モータフリーホイールを介して前記内側歯車に取り付けられる中空出力シャフトと、ペダルシャフトフリーホイールを介して前記中空出力シャフトに取り付けられるペダルシャフトとを備え、前記ペダルシャフトは、外周に前記モータフリーホイールのための受け領域を備え、内周に前記ペダルシャフトフリーホイールのための受け領域を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0158】
[項目35]
項目34に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記モータフリーホイールはクランプローラフリーホイールとして構成され、前記ペダルシャフトフリーホイールは歯止めフリーホイールとして構成される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0159】
[項目36]
項目34または35に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、
前記被駆動シャフトは、前記中空駆動シャフトの出力側において軸方向に延在し、ボールベアリングが前記中空出力シャフトと前記ペダルシャフトとの間に配置され、前記中空出力シャフトは、出力要素のための締結領域を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0160】
[項目37]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するピンを有するピンリングと、
前記ピンリングの前記ピンを前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、
前記ピンリングは単一部品として形成され、かつ金属で作製され、前記ピンは、前記ピンリングの中央領域の2つの対向する側部から突出する突出部によって形成され、前記中央領域は、ベアリングに当接するための内側ベアリング面を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0161】
[項目38]
項目37に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部において円筒状であり、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第2の側部において部分的に円筒状であり、円筒状の領域が、前記ピンリングの前記外側に径方向に位置する、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0162】
[項目39]
項目37に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部に、丸みを帯びた内側係合領域及び丸みを帯びた外側係合領域を備え、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第2の側部に、丸みを帯びた外側係合領域を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0163】
[項目40]
項目37~39のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、ベアリングが前記カムディスクと前記ピンリングとの間に配置され、前記ピンリングは、前記ベアリングを支持するための肩部を内側に備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0164】
[項目41]
単一部品として形成され、かつ金属で作製されたハーモニックピンリングトランスミッションのためのピンリングであって、前記ピンリングは、前記ピンリングの中央領域の2つの対向する側部から突出する突出部によって形成されるピンを備え、前記中央領域は、ベアリングの外側ベアリング面に当接するための内側ベアリング面を備える、ピンリング。
【0165】
[項目42]
項目41に記載のピンリングであって、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部において円筒状であり、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第2の側部において部分的に円筒状であり、
円筒状の領域が、前記ピンリングの前記外側に径方向に位置する、ピンリング。
【0166】
[項目43]
項目41に記載のピンリングであって、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部に、丸みを帯びた内側係合領域及び丸みを帯びた外側係合領域を備え、
前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第2の側部に、丸みを帯びた外側係合領域を備える、ピンリング。
【0167】
[項目44]
項目41に記載のピンリングであって、ウェブが、各場合において、前記2つの対向する側部のうちの前記第1の側部において前記突出部の間に位置し、前記突出部の外側境界線は、前記ウェブの外側境界線と滑らかに繋がる、ピンリング。
【0168】
[項目45]
項目41~44のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、
ベアリングが前記カムディスクと前記ピンリングとの間に配置され、前記ピンリングは、前記ベアリングを支持するための肩部を内側に備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0169】
[項目46]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
【0170】
[項目37]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するピンを有するピンリングと、
前記ピンリングの前記ピンを前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、
前記ピンリングは単一部品として形成され、かつ金属で作製され、前記ピンは、前記ピンリングの中央領域の2つの対向する側部から突出する突出部によって形成され、前記中央領域は、ベアリングに当接するための内側ベアリング面を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0171】
[項目38]
項目37に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部において円筒状であり、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第2の側部において部分的に円筒状であり、円筒状の領域が、前記ピンリングの前記外側に径方向に位置する、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0172】
[項目39]
項目37に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部に、丸みを帯びた内側係合領域及び丸みを帯びた外側係合領域を備え、
前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第2の側部に、丸みを帯びた外側係合領域を備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0173】
[項目40]
項目37~39のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、ベアリングが前記カムディスクと前記ピンリングとの間に配置され、前記ピンリングは、前記ベアリングを支持するための肩部を内側に備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0174】
[項目41]
単一部品として形成され、かつ金属で作製されたハーモニックピンリングトランスミッションのためのピンリングであって、前記ピンリングは、前記ピンリングの中央領域の2つの対向する側部から突出する突出部によって形成されるピンを備え、前記中央領域は、ベアリングの外側ベアリング面に当接するための内側ベアリング面を備える、ピンリング。
【0175】
[項目42]
項目41に記載のピンリングであって、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部において円筒状であり、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第2の側部において部分的に円筒状であり、円筒状の領域が、前記ピンリングの前記外側に径方向に位置する、ピンリング。
【0176】
[項目43]
項目41に記載のピンリングであって、前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部に、丸みを帯びた内側係合領域及び丸みを帯びた外側係合領域を備え、
前記突出部は、前記2つの対向する側部のうちの第2の側部に、丸みを帯びた外側係合領域を備える、ピンリング。
【0177】
[項目44]
項目41に記載のピンリングであって、ウェブが、各場合において、前記2つの対向する側部のうちの前記第1の側部において前記突出部の間に位置し、前記突出部の外側境界線は、前記ウェブの外側境界線と滑らかに繋がる、ピンリング。
【0178】
[項目45]
項目41~44のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、ベアリングが前記カムディスクと前記ピンリングとの間に配置され、前記ピンリングは、前記ベアリングを支持するための肩部を内側に備える、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0179】
[項目46]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
前記トラクション機構を前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、
ペダルシャフトが前記被駆動シャフトの径方向内側に配置され、前記ペダルシャフトは、駆動側のペダルシャフトボールベアリング及びロードセルを介して前記モータハウジング内に取り付けられる、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0180】
[項目47]
項目46に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記ロードセルは、締結用突起を介して外側環状部分に取り付けられた内側環状部分を備え、前記ペダルシャフトボールベアリングは前記内側環状部分に挿入され、前記外側環状部分は、前記モータハウジングの円筒状領域に挿入される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0181】
[項目48]
項目46~47のいずれかに記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、波形バネが、前記ロードセルと前記駆動側ロータボールベアリングとの間に配置される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0182】
[項目49]
入力シャフト及び出力シャフトを有するハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記トランスミッションは、
第1の外側歯車と、第1の軸平面において前記第1の外側歯車に対して同心に配置された内側歯車と、
第2の軸平面に配置された第2の外側歯車と、
前記第1の外側歯車と前記内側歯車との間に延在するトラクション機構と、
前記トラクション機構を前記内側歯車の外周から持ち上げ、前記第1の外側歯車の内周に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、前記カムディスクは、前記第1の軸平面と前記第2の軸平面との間に位置する第3の軸平面に配置され、ペダルシャフトが前記出力シャフトの径方向内側に配置され、さらに遊星歯車及びペダルシャフトフリーホイールが、前記ペダルシャフトと前記出力シャフトとの間の力の流れの中に配置される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0183】
[項目50]
項目49に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、前記遊星歯車の遊星キャリアは前記ペダルシャフトに接続され、前記遊星歯車のリングギヤは、トランスミッションハウジングとの接続のための接続領域を備え、前記遊星歯車の太陽歯車は、前記ペダルシャフトに取り付けられ、前記ペダルシャフトフリーホイールは、前記太陽歯車に接続された中空シャフトと前記出力シャフトとの間に配置される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0184】
[項目51]
項目49に記載のハーモニックピンリングトランスミッションであって、
前記ペダルシャフトフリーホイールは、前記クランクシャフトと前記遊星歯車の遊星キャリアとの間に配置され、前記遊星歯車のリングギヤは、前記ハーモニックトランスミッション内に回転可能に取り付けられ、前記遊星歯車の太陽歯車は、固定されたハウジング部分への取り付けのために適合される、ハーモニックピンリングトランスミッション。
【0185】
[項目52]
テンションシャフトトランスミッションであって、前記テンションシャフトトランスミッションは、
内歯を有する外側歯車であって、前記外側歯車はトランスミッションハウジングへの取り付けのための締結領域を備える外側歯車と、
外歯を有するテンションシャフトであって、前記テンションシャフトは軸平面において前記外側歯車に対して同心に配置されるテンションシャフトと、
前記テンションシャフトを前記外側歯車の前記内歯に押し付ける回転トランスミッタと
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、ボールベアリングが前記カムディスクの外周に配置され、
前記テンションシャフトの前記外歯の前記歯先の断面は、本質的に扇形に相当し、
前記外側歯車の前記内歯は本質的に、前記外側歯車の軸に対して、前記式x(t)=r1*cost(t)+r2*cos((n+1)*t)+r3*cos((n+3)*t)及びy(t)=r1*sin(t)-r2*sin((n+1)*t)+r3*sin((n+3)*t)で規定される、前記歯車軌道に対する外側等距離線によって定められ、n+1は、前記外側歯車の前記内歯の歯の数であり、前記半径r1、r2、及びr3はゼロより大きく、前記半径の大きさに関して、r2>r3かつr1>r2+r3が適用される、テンションシャフトトランスミッション。
【0186】
[項目53]
項目52に記載のテンションシャフトトランスミッションであって、前記テンションシャフトはカップ形状に形成され、前記カップ形状の前記底部に、被駆動シャフトを締結するための締結領域が形成される、テンションシャフトトランスミッション。
【0187】
[項目54]
項目53に記載のテンションシャフトトランスミッションであって、中央円形開口部が前記カップ形状の前記底部に形成され、前記テンションシャフトの前記締結領域は、前記中央円形開口部の周りに配置された締結孔を備える、テンションシャフトトランスミッション。
【0188】
[項目55]
項目52に記載のテンションシャフトトランスミッションであって、前記テンションシャフトは円筒状の形状を有し、前記トランスミッションは、被駆動シャフトを締結するための締結領域を備える第2の外側歯車を備え、前記外側歯車の前記内歯は、第1の前記外側歯車の前記内歯と同一の構造によって決定される、テンションシャフトトランスミッション。
【0189】
[項目56]
テンションシャフトトランスミッションであって、前記テンションシャフトトランスミッションは、
内歯を有する外側歯車であって、前記外側歯車はトランスミッションハウジングへの取り付けのための締結領域を備える外側歯車と、
外歯を有するテンションシャフトであって、前記テンションシャフトは軸平面において前記外側歯車に対して同心に配置され、前記テンションシャフトの前記外歯の前記歯先の断面は本質的に扇形に相当するテンションシャフトと、
前記テンションシャフトを前記外側歯車の前記内歯に押し付ける回転トランスミッタと、
を備え、前記トランスミッタは、中空駆動シャフト及びカムディスクを備え、
前記外側歯車の前記内歯の前記歯面は、回転角度の関数としての前記内側歯車の中心軸からの径方向距離によって決定され、
さらに、前記中心軸からの前記径方向距離は、歯車軌道に対する内側等距離線によって決定され、前記歯車軌道上の位置はそれぞれ、回転ベクトル、第1の周転円ベクトル、及び第2の周転円ベクトルのベクトル和によって決定され、前記回転ベクトルの後端は前記中心軸上にあり、前記第1の周転円ベクトルの後端は前記回転ベクトルの先端にあり、前記第2の周転円ベクトルの後端は前記第1の周転円ベクトルの先端にあり、
前記第1の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度の(n+1)倍の大きさであり、前記第2の周転円ベクトルの周転円角度は前記回転角度の(n+3)倍の大きさであり、nは前記ハーモニックピンリングトランスミッションのピンの数であって少なくとも4であり、前記回転ベクトルの長さは前記第1の周転円ベクトル及び前記第2の周転円ベクトルの前記長さの和より長く、前記第1の周転円ベクトルの長さは前記第2の周転円ベクトルの長さより長い、テンションシャフトトランスミッション。
【0190】
[項目57]
2段減速歯車であって、前記2段減速歯車は、
第1の内歯を有する固定された外側歯車であって、前記外側歯車はトランスミッションハウジングへの取り付けのための締結領域を備える固定された外側歯車と、
第2の内歯を有する回転可能な外側歯車であって、前記外側歯車は被駆動シャフトへの取り付けのための締結領域を備える回転可能な外側歯車と、
2部分単一部品ピンリングであって、前記2部分単一部品ピンリングは第1の外歯及び第2の外歯を備え、前記2部分単一部品ピンリングの前記第1の外歯は前記固定された外側歯車の前記内歯に係合し、前記2部分単一部品ピンリングの前記第2の外歯は前記回転可能な外側歯車の前記内歯に係合する2部分単一部品ピンリングと、
前記固定された外側歯車の前記内歯及び前記回転可能な外側歯車の前記内歯に前記2部分単一部品ピンリングを押し付ける回転トランスミッタと
を備える、2段減速歯車。
【0191】
[項目58]
項目57に記載の2段減速歯車であって、前記固定された外側歯車の前記内歯の歯の数は、前記第1の外歯の歯の数より多く、前記回転可能な外側歯車の前記内歯の歯の数は、前記第2の外歯の歯の数より多く、
前記固定された外側歯車の歯の数は、前記回転可能な外側歯車の歯の数より多く、前記第1の外歯の歯の数は、前記第2の外歯の歯の数より多い、2段減速歯車。
【0192】
[項目59]
項目57または58に記載の2段減速歯車であって、前記トランスミッタは、前記固定された外側歯車の前記軸に対して偏心した円形リングを備える、2段減速歯車。
【0193】
[項目60]
項目57~59のいずれかに記載の2段減速歯車であって、前記第1の外歯の前記歯先の断面及び前記第2の外歯の前記歯先の断面は、本質的に扇形に相当する、2段減速歯車。
【0194】
[項目61]
項目57~60のいずれかに記載の2段減速歯車であって、前記第1の外歯の前記歯先の断面及び前記第2の外歯の前記歯先の断面は本質的に、前記式x(t)=r1*cos(t)+r2*cos(nt)及びy(t)=r1*sin(t)+r2*sin(nt)によって規定される前記歯車軌道に対する等距離線に相当し、前記半径r1、r2に関して、r1>0、r2>0かつr1>r2が適用される、2段減速歯車。
【0195】
[項目62]
項目57~61のいずれかに記載の2段減速歯車であって、前記第1の外歯の前記歯先の断面及び前記第2の外歯の前記歯先の断面は本質的に、前記式x(t)=r1*cos(t)+r2*cos(nt)及びy(t)=r1*sin(t)-r2*sin(nt)によって規定される前記歯車軌道に対する等距離線に相当し、前記半径r1、r2に関して、r1>0、r2>0かつr1>r2が適用される、2段減速歯車。
【0196】
[項目63]
クランクシャフトに作用する径方向の力を決定するためのロードセルであって、前記ロードセルは、
ベアリングのリングを受けるための受けスリーブと、
前記ロードセルをトランスミッションハウジング内に取り付けるための締結リングと、
前記ベアリングの前記リングを軸方向で支持するために前記締結リングに設けられた軸方向支持部分と、
前記受けスリーブの径方向の力を受けるための測定領域であって、前記測定領域は前記受けスリーブを前記締結リングに接続し、ひずみセンサが前記測定領域のうちの少なくとも2つに取り付けられる測定領域と
を備える、ロードセル。
【0197】
[項目64]
外側のトランスミッションフリーホイール及び内側のペダルシャフトフリーホイールを有するフリーホイールアセンブリであって、前記フリーホイールアセンブリは、
中空駆動シャフトと、
中空出力シャフトと、
ペダルシャフトと
を備え、前記ペダルシャフト、前記中空出力シャフト、及び前記中空駆動シャフトは、互いに同心に配置され、前記中空出力シャフトは、前記中空駆動シャフトの径方向内側に配置され、前記ペダルシャフトは、前記中空出力シャフトの径方向内側に配置され、前記ペダルシャフトフリーホイールは、前記ペダルシャフトと前記中空出力シャフトとの間に配置され、前記トランスミッションフリーホイールは、前記中空出力シャフトの、前記ペダルシャフトフリーホイールと反対側に配置され、前記中空出力シャフトは、それぞれの前記フリーホイールの前記領域における内側及び外側に適応部分を備える、フリーホイールアセンブリ。
【0198】
[項目65]
金属で作製された単一部品ピンリングであって、ピン保持リングと、2つの対向する側部において前記ピン保持リングから軸方向に突出する複数のピンの配置とが単一部品として作製される、単一部品ピンリング。
【0199】
[項目66]
項目65に記載の単一部品ピンリングであって、前記複数のピンは、周方向において互いに接続される、単一部品ピンリング。
【0200】
[項目67]
項目65または66に記載の単一部品ピンリングであって、前記2つの対向する側部のうちの第1の側部において、前記ピンは、内歯との係合に適したハーフピンとして形成され、前記対向する側部のうちの第2の側部において、前記ピンは、内歯との係合及び前記内歯と反対側の外歯との係合に適した、ホールピンとして形成される、単一部品ピンリング。
【0201】
[項目68]
金属で作製された単一部品ピンリングであって、前記単一部品ピン保持リングは、内側に滑らかな内周を備え、外側に丸みを帯びた複数の隆起部を備え、前記複数の隆起部は前記ピン保持リングと共に単一部品として作製される、単一部品ピンリング。
【0202】
[項目69]
項目68に記載の単一部品ピン保持リングであって、前記丸みを帯びた複数の隆起部の少なくとも1つのヘッド領域は半円形断面を備える、単一部品ピン保持リング。
【0203】
[項目70]
第1の外側歯車及び第2の外側歯車を有する減速歯車のための支持リングアセンブリであって、前記支持リングアセンブリは、支持リング、第1の内歯を有する第1の外側歯車、及び第2の内歯を有する第2の外側歯車を備え、前記第1の外側歯車及び前記第2の外側歯車は、前記支持リング内へ対向する両側部に挿入され、前記支持リングは、トランスミッションハウジングへの取り付けのための締結領域を備える、支持リングアセンブリ。
【0204】
[項目71]
項目70に記載の支持リングアセンブリであって、
少なくとも前記第1の外側歯車及び前記第2の外側歯車は、プラスチックで作製される、支持リングアセンブリ。
【0205】
[項目72]
項目71~72のいずれかに記載の支持リングアセンブリであって、前記第1の外側歯車及び前記第2の外側歯車は、ピン-溝接続を介して前記支持ホイールと各々接続される、支持リングアセンブリ。
【0206】
[項目73]
中空シャフトを備えた減速歯車のための単一部品ロータ-トランスミッタ要素であって、前記中空シャフトは、第1の側部にロータパッケージを締結するための締結領域を備え、前記第1の側部の反対側の第2の側部にカムディスクを備え、前記カムディスクの外周は、ボールベアリングのための受け部分として構成される、単一部品ロータ-トランスミッタ要素。
【0207】
[項目74]
項目73に記載の単一部品ロータ-トランスミッタ要素であって、前記単一部品ロータ-トランスミッタ要素は、アルミニウムで作製される、単一部品ロータ-トランスミッタ要素。
【0208】
[項目75]
項目73または74に記載の単一部品ロータ-トランスミッタ要素であって、前記中空シャフトは、ペダルシャフトが前記中空シャフトを通過することができるように寸法決めされる、単一部品ロータ-トランスミッタ要素。
【0209】
[項目76]
項目73~75のいずれかに記載の単一部品ロータ-トランスミッタ要素であって、前記カムディスクは、前記中空シャフトの前記中心軸に対して偏心して配置された円形の外周を備える、単一部品ロータ-トランスミッタ要素。
【0210】
[項目77]
項目73~75のいずれかに記載の単一部品ロータ-トランスミッタ要素であって、前記カムディスクは、前記中空シャフトの前記中心軸に対して長円形の外周を備える、単一部品ロータ-トランスミッタ要素。
【0211】
[項目78]
駆動シャフトに配置された遊星歯車を備えた前記駆動シャフトであって、前記遊星歯車の遊星キャリアは前記駆動シャフトに固定接続され、前記遊星歯車のリングギヤは、トランスミッションハウジングへの取り付けのための締結領域と、トルクセンサのための受け領域とを備え、前記遊星歯車の太陽歯車はリングギヤとして構成されて前記駆動シャフトに対して同心に配置され、前記太陽歯車は、前記駆動シャフトに回転可能に取り付けられた前記遊星歯車の中空出力シャフトに接続される、駆動シャフト。
【0212】
[項目79]
駆動シャフトに配置された遊星歯車を備えた前記駆動シャフトであって、前記遊星歯車の遊星キャリアは、フリーホイールを介して前記駆動シャフトに取り付けられ、前記遊星歯車の太陽歯車は、トランスミッションハウジングへの取り付けのための締結領域と、トルクセンサのための受け領域とを備え、前記遊星歯車のリングギヤは、トランスミッションハウジングでの支持のために、ボールベアリングのための受け領域を備える、駆動シャフト。
【0213】
[項目80]
駆動シャフトに配置された遊星歯車を有する前記駆動シャフトであって、前記遊星歯車の遊星キャリアは、トランスミッションハウジングへの取り付けのための締結領域を備え、前記遊星歯車の中空シャフトは、前記駆動シャフトに固定接続され、前記遊星歯車の太陽歯車は、前記駆動シャフトに対して同心に配置されかつ前記駆動シャフトに回転可能に取り付けられた中空シャフトとして構成される、駆動シャフト。
【0214】
[項目81]
サイクロイド歯車であって、前記サイクロイド歯車は、
トランスミッションハウジングと、
前記トランスミッションハウジングに固定された内歯を有する外側歯車と、
前記外側歯車と同心に配置された入力シャフトであって、前記入力シャフトは第1のボールベアリングが配置された駆動側偏心ディスク及び第2のボールベアリングが配置された出力側偏心ディスクを備える入力シャフトと、
前記第1のボールベアリングに取り付けられ、外歯を有する駆動側内側歯車と、前記第2のボールベアリングに取り付けられ、外歯を有する出力側内側歯車と
を備え、前記駆動側内側歯車及び前記出力側内側歯車は、前記外側歯車の内側に配置され、前記駆動側内側歯車及び前記出力側外側歯車の前記外歯は、前記外側歯車の前記内歯とそれぞれ係合する、サイクロイド歯車。
【0215】
[項目82]
項目81に記載の、サイクロイド歯車であって、前記サイクロイド歯車は、前記入力シャフト内に取り付けられたクランクシャフトと、駆動側において前記クランクシャフトに取り付けられた項目63に記載のロードセルとを備える、サイクロイド歯車。
【0216】
[項目83]
項目81または82のいずれかに記載のサイクロイド歯車であって、前記入力シャフトは、項目73~77のいずれかに記載の単一部品ロータ-トランスミッタ要素として構成される、サイクロイド歯車。
【0217】
[項目84]
項目81~83のいずれかに記載のサイクロイド歯車であって、
前記サイクロイド歯車は、前記入力シャフト内に取り付けられたクランクシャフトを備え、前記クランクシャフトは、項目78~80に記載の遊星歯車を備え、前記クランクシャフトは、前記遊星歯車の前記駆動シャフトを形成する、サイクロイド歯車。
【0218】
[項目85]
項目81~84のいずれかに記載のサイクロイド歯車であって、
第3のボールベアリングが、前記出力側偏心ディスクの出力側において前記入力シャフトに配置され、被駆動プーリが、前記第3のボールベアリングに配置され、前記被駆動プーリは、キャリアピンを備え、前記キャリアピンは、前記駆動側内側歯車及び前記出力側内側歯車の開口部に係合し、出力シャフトが、前記被駆動プーリの径方向内側に形成される、サイクロイド歯車。
【0219】
[項目86]
項目85に記載の、サイクロイド歯車であって、出力シャフトが、前記被駆動プーリの径方向内側に形成され、前記第3のボールベアリングは、前記出力シャフトの内側肩部に配置され、内側歯車ボールベアリングが、前記出力シャフトの外側肩部において、前記第3のボールベアリングと斜め反対側に配置され、前記内側歯車ボールベアリングは、前記トランスミッションハウジングに支持される、サイクロイド歯車。
【0220】
[項目87]
請求項81~83のいずれかに記載のサイクロイド歯車であって、
前記内側歯車のうちの少なくとも1つは、第1の歯部及び第2の外歯を備え、前記サイクロイド歯車は、内歯を有する回転可能な外側歯車を備え、前記第2の外歯は、前記回転可能な外側歯車の前記内歯に係合し、前記回転可能な外側歯車は、被駆動シャフトを取り付けるための締結領域を備える、サイクロイド歯車。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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