(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20240612BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240612BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20240612BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240612BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/10
H02J50/80
H02J7/00 301D
H01F38/14
(21)【出願番号】P 2021002591
(22)【出願日】2021-01-12
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】501009849
【氏名又は名称】株式会社日立エルジーデータストレージ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】増田 浩三
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-223272(JP,A)
【文献】国際公開第2018/092569(WO,A1)
【文献】特開2020-061905(JP,A)
【文献】特開2016-082739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/90
H02J 50/10
H02J 50/80
H02J 7/00
H01F 38/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電コイルを有し、受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送電装置であって、
前記受電装置を載置する位置決め手段を有し、前記送電コイルは、前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に、前記受電コイルは前記載置面と略平行になるように配置されており、前記送電コイルの中心が前記受電コイルの中心から所定距離スライドして配置しており、
前記位置決め手段は平面を有する窪みであって、該窪みの形状は前記受電装置の外形と一致していることを特徴とする送電装置。
【請求項2】
送電コイルを有し、受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送電装置であって、
前記受電装置を載置する位置決め手段を有し、前記送電コイルは、前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に、前記受電コイルは前記載置面と略平行になるように配置されており、前記送電コイルの中心が前記受電コイルの中心から所定距離スライドして配置しており、
前記送電コイルの設置可能位置が複数である送電コイル収納スペースを前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置して設け、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に前記送電コイルの中心と前記受電コイルの中心との相対距離が選択可能であることを特徴とする送電装置。
【請求項3】
送電コイルを有し、受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送電装置であって、
前記受電装置を載置する位置決め手段を有し、前記送電コイルは、前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に、前記受電コイルは前記載置面と略平行になるように配置されており、前記送電コイルの中心が前記受電コイルの中心から所定距離スライドして配置しており、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に、前記送電コイルと受電コイルは、前記載置面を介して所定のギャップ長で配置されており、
前記送電コイルの中心と前記受電コイルの中心とのスライド量は、結合係数と伝送可能な電力との関係を示した特性から、スライド量が0の状態で前記ギャップ長を調整して目標電力pが得られる範囲内の結合係数mを求め、スライド量と結合係数の関係を示した特性から、前記所定のギャップ長の条件で結合係数が前記求めたmとなるスライド量として求めることを特徴とする送電装置。
【請求項4】
送電コイルを有し、受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送電装置であって、
前記受電装置を載置する位置決め手段を有し、前記送電コイルは、前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に、前記受電コイルは前記載置面と略平行になるように配置されており、前記送電コイルの中心が前記受電コイルの中心から所定距離スライドして配置しており、
前記送電コイルを移動可能な機構を設け、
前記送電コイルの中心と前記受電コイルの中心との距離を調整可能としたことを特徴とする送電装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の送電装置において、
前記移動可能な機構は、前記送電コイルをレールに沿って移動可能な台に設置し、該台の位置を外部から調整可能なツマミを設けた構成であることを特徴とする送電装置。
【請求項6】
送電コイルを有し、受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送電装置であって、
前記受電装置を載置する位置決め手段を有し、前記送電コイルは、前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に、前記受電コイルは前記載置面と略平行になるように配置されており、前記送電コイルの中心が前記受電コイルの中心から所定距離スライドして配置しており、
前記受電装置を載置する前記位置決め手段の位置が異なる複数の構成を有し、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に前記送電コイルの中心と前記受電コイルの中心との相対距離が前記位置決め手段の位置を変えることで選択可能であることを特徴とする送電装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の送電装置において、
前記位置決め手段の位置が異なる複数の構成は、前記位置決め手段の位置を移動できる構成であることを特徴とする送電装置。
【請求項8】
請求項
6に記載の送電装置において、
前記位置決め手段は平面を有する窪みであって、前記位置決め手段の位置が異なる複数の構成は、前記窪みの位置が異なる複数のフェイスプレートであることを特徴とする送電装置。
【請求項9】
送電コイルを有し、受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送電装置であって、
前記受電装置を載置する位置決め手段を有し、前記送電コイルは、前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、
前記受電装置を前記位置決め手段の載置面に載置した際に、前記受電コイルは前記載置面と略平行になるように配置されており、前記送電コイルの中心が前記受電コイルの中心から所定距離スライドして配置しており、
前記受電装置からのデータを受信する通信部と、
送電制御部を有し、
前記送電制御部は、前記通信部を介して前記受電装置から送信された送電要求に応じて前記受電装置へ送電を開始し、前記通信部を介して前記受電装置から送信された満充電の通知または送電終了要求に応じて前記受電装置への送電を停止することを特徴とする送電装置。
【請求項10】
送電コイルを有する送電装置から受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送受電システムであって、
前記送電装置は、前記受電装置を載置する位置決め手段を有し、前記送電コイルは、前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、
前記受電装置は、電力伝送を行う場合には筐体の下面を前記送電装置の前記位置決め手段の載置面に対向させて載置するように構成され、前記受電コイルは、前記筐体の下面と略平行になるように配置されており、
前記受電装置を前記送電装置の前記位置決め手段の載置面に載置した際に前記送電コイルの中心が前記受電コイルの中心から所定距離スライドして配置しており、
前記送電装置は、前記送電コイルを移動可能な機構を設け、
前記送電コイルの中心と前記受電コイルの中心との距離を調整可能としたことを特徴とする送受電システム。
【請求項11】
送電コイルを有する送電装置から受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送受電システムであって、
前記送電装置は、前記受電装置を載置する位置決め手段を有し、前記送電コイルは、前記位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、
前記受電装置は、電力伝送を行う場合には筐体の下面を前記送電装置の前記位置決め手段の載置面に対向させて載置するように構成され、前記受電コイルは、前記筐体の下面と略平行になるように配置されており、
前記受電装置を前記送電装置の前記位置決め手段の載置面に載置した際に前記送電コイルの中心が前記受電コイルの中心から所定距離スライドして配置しており、
前記送電装置は、
前記受電装置からのデータを受信する送電装置通信部と、
送電制御部を有し、
前記送電制御部は、前記送電装置通信部を介して前記受電装置から送信された送電要求に応じて前記受電装置へ送電を開始し、前記送電装置通信部を介して前記受電装置から送信された満充電の通知または送電終了要求に応じて前記受電装置への送電を停止し、
前記受電装置は、
前記電力伝送された電力によって充電される二次電池と、
前記送電装置からのデータを受信する受電装置通信部と、
表示部と、
充電制御部を有し、
前記充電制御部は、前記電力伝送された電力である受電電力と前記二次電池の電池容量から前記二次電池の充電時間を算出し、前記受電装置通信部を介して前記送電装置から送信された投入電力の情報を用いて前記受電電力と前記投入電力の比から電力伝送効率を算出し、前記表示部に前記受電電力と前記充電時間と前記電力伝送効率を表示することを特徴とする送受電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス電力伝送の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯端末やゲーム機などの携帯型の小型の電子機器では、機器に内蔵された二次電池等への充電は、ACコンセントや補助用電源から有線で充電端子を介して行うのが一般的である。しかしながら、近年では、これらの電子機器の普及に伴って、使い勝手を考慮した簡便な充電方式として充電端子を介さずに非接触で行うワイヤレス電力伝送方式を用いる機種が増えている。
【0003】
本技術分野におけるワイヤレス電力伝送装置に関し、例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1では、電磁誘導型ワイヤレス電力伝送において、送電コイルから受電コイルに対する電力伝送効率を向上するためには、送電コイルに対する受電コイルの位置を正確に合わせる必要があり、簡素な構成で送電コイルと受電コイルの相対位置を検出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、検出した送電コイルと受電コイルの相対位置に基づき送電コイルと受電コイルの中心軸を一致させる。
【0006】
しかしながら、送電装置や受電する電子機器の薄型化のため送電コイルと受電コイルの距離が近づくと両コイルの結合係数が高くなり過ぎて伝送可能な電力が低下するという現象がある。そのため、電力伝送効率優先での送電コイルと受電コイルの相対位置は、最大電力を得る位置と必ずしも一致しない。そのため、特許文献1では、電力伝送効率についてのみ考慮しており、伝送可能な電力については考慮していない。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置を調整可能な送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、その一例を挙げるならば、送電コイルを有し、受電コイルを有する受電装置にワイヤレス電力伝送によって電力伝送を行う送電装置であって、受電装置を載置する位置決め手段を有し、送電コイルは、位置決め手段の載置面の下部に略平行になるように配置されており、受電装置を位置決め手段の載置面に載置した際に、受電コイルは載置面と略平行になるように配置されており、送電コイルの中心が受電コイルの中心から所定距離スライドして配置している構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置を調整可能な送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1における送受電システムの概略構成ブロック図である。
【
図2】実施例1における受電装置主機能部の概略機能構成図である。
【
図3】実施例1における送電装置の平面図および側面図である。
【
図4】実施例1における受電装置の平面図および側面図である。
【
図5】実施例1における受電装置を送電装置に載置した状態の平面図および側面図である。
【
図6】実施例1における送電装置の変形例の平面図および側面図である。
【
図7】実施例1における送電装置の他の変形例の平面図である。
【
図8】実施例1における伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離を決定する手法の説明図である。
【
図9】実施例1における伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置を決定する処理フロー図である。
【
図10】実施例2における送受電システムの概略構成ブロック図である。
【
図11】実施例2における送電装置に受電装置を載置した状態の平面図および側面図である。
【
図12】実施例2における受電装置での表示画面例を説明する図である。
【
図13】実施例3における送電装置の平面図および側面図である。
【
図14】実施例4における送受電システムの概略構成ブロック図である。
【
図15】実施例4におけるデータ伝送を用いたワイヤレス電力伝送の処理フロー図である。
【
図16】実施例4における受電装置での表示画面例を説明する図である。
【
図17】従来におけるワイヤレス電力伝送の問題点を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
まず、従来のワイヤレス電力伝送における問題点について説明する。
図17は従来におけるワイヤレス電力伝送の問題点を説明する図である。
図17において、(a)は、送電装置10上に受電装置20を載置した状態を横から見た断面の概略図であり、送電コイル16および受電コイル21は、載置面に対して略平行になるように配置されており、さらに、それぞれの筐体の厚さの距離を隔てて配置される。
【0013】
受電装置20を充電する場合、受電装置20の筐体の背面(下面)を送電装置10の筐体の上面に対向させて送電装置10上に載置するとともに、送電装置10の送電スイッチをONにする。すると、送電コイル16に流れた高周波の電流により交流磁束が発生し、トランスの原理と同様の電磁誘電作用により、対向する受電コイル21に交流電圧が誘起され、受電装置20の二次電池に給電されることで、受電装置2の0の充電を行うことが出来る。
【0014】
ここで、(b)に示すように、送電コイル16と受電コイル21の中心軸の差であるスライド量と結合係数との関係は、スライド量がゼロのとき結合係数が最大となるので、従来のワイヤレス電力伝送においては、送電時の電力伝送効率を確保するために、送電コイル16と受電コイル21の中心軸を一致させるようにしている。すなわち、(a)に示す送電コイル16と受電コイル21の中心軸の差nをゼロにするように位置合わせを行う。
【0015】
しかしながら、(c)に示すように、送電装置や受電する電子機器の薄型化のため送電コイルと受電コイルの距離が近づくと両コイルの結合係数が高くなり過ぎて相互インダクタンスが大きくなり、伝送可能な電力が低下するという現象がある。すなわち、電力伝送効率優先での送電コイルと受電コイルの相対位置は、最大電力を得る位置と必ずしも一致しない。
【0016】
そこで、本実施例では、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置を調整可能な送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システムを提供する。以下、具体的に説明する。
【0017】
図1は、本実施例における送受電システムの概略構成ブロック図である。
図1において、送受電システムは、ワイヤレスで電力(高周波電流)を送る送電コイル16を備えた送電装置10と、送電装置10から送られる電力を受信する受電コイル21を備えた受電装置20で構成される。
【0018】
送電装置10は、汎用的なAC100~120Vの電源を使用する据え置き型の充電台でもよいし、机やテーブルの上に載置される、あるいはこれら家具の上面の凹部に埋め込まれて固定的に使用される形態でもよい。
【0019】
図1において、送電装置10は、送電コイル16、送電スイッチ(送電SW)17、電源11、整流平滑回路12、DC/DC変換器13、送電制御部14、送電コイル励振回路15を有する。
【0020】
電源11は、例えば電源コンセントから交流電圧(AC100V)を入力する電源ケーブルや電源供給のオン/オフを切り替えるためのスイッチICなどを有し、電源ケーブルを通じて送電される交流電圧を整流平滑回路12に供給する。
【0021】
整流平滑回路12は、例えば半導体ダイオードおよびコンデンサーを用いた回路であって、交流電圧の整流(直流)化および平滑化の処理を行うことにより、入力した交流電圧を一定電圧の直流電圧に変換し、変換後の電力をDC/DC変換器13に供給する。
【0022】
DC/DC変換器13は、入力した直流電圧を、送電コイル16の励起に必要となる電圧に変換(降圧)し、降圧後の電力を送電制御部14に供給する。
【0023】
送電制御部14は、送電SW17の状態(ON又はOFF)に応じて、DC/DC変換器13から入力される直流電圧を、送電コイル励振回路15に供給し又は供給停止する。なお、送電制御部14は、CPUやMPUなどのプロセッサーであって、記憶装置に格納された基本プログラムをプロセッサーが実行するソフトウェア処理により、送電装置10の全体を統括的に制御する。
【0024】
送電コイル励振回路15は、送電コイル16を励振させるために、直流電圧を交流電圧に変換するインバーター回路を備える。また、送電コイル励振回路15は、送電制御部14から供給される直流電圧を所定の電圧および周波数の交流電圧に変換し、その交流電圧を送電コイル16に出力する。
【0025】
送電コイル16は、例えばリッツ線などの電線が平面略リング状となるように巻かれたスパイラル型のサーキュラーコイルである。
【0026】
次に、受電装置20は、例えば、スマートフォン等の携帯型の端末装置であって、筐体内に、受電部をなす受電コイル21が配置されている。
図1において、受電装置20は、受電部として、受電コイル21と整流平滑回路22と充電制御部23と二次電池24を備え、それ以外に、受電装置主機能部25を有する。例えば、受電装置20がスマートフォンであれば、操作入力機能と画像表示機能とを兼ね備えたタッチパネル式の操作入力部や、画像処理部、音声処理部、センサ部、通信部等が主機能部となる。詳細は後述する。
【0027】
図1において、受電コイル21は、上述した送電コイル16と同等の構成によるスパイラル型のサーキュラーコイルである。整流平滑回路22は、例えばダイオードやコンデンサーを備えた回路であり、受電コイル21に生じた誘起電流(交流)を、整流(脈流)化及び平滑化して、安定した電圧の直流電圧を生成する。充電制御部23は、整流平滑回路22から入力される直流電圧を、二次電池24に供給する。二次電池24は、繰り返し充放電が可能な電池であり、例えばリチウムイオン電池である。
【0028】
図2は、受電装置20がスマートフォンである場合の、受電装置主機能部25の概略機能構成図である。
図2に示すように、受電装置主機能部25は、主制御部251、記憶部253、操作入力部254、画像処理部255、音声処理部256、センサ部257、通信部258、拡張インタフェース(I/F)259等で構成され、これらがシステムバス252を介して電気的に接続されている。
【0029】
主制御部251は、CPUやMPUなどのプロセッサーであって、記憶部253に格納された基本プログラムをプロセッサーが実行するソフトウェア処理により、受電装置主機能部25の全体の各機能部を制御する。なお、主制御部251は、充電制御部23の機能を兼用し受電装置主機能部25だけでなく受電部を含めた受電装置20の全体を制御してもよい。
【0030】
なお、
図2の受電装置主機能部25の各機能は、一般的に知られるスマートフォンの機能と同様であり、その詳細は省略し、簡単に下記する。
【0031】
操作入力部254は、受電装置20に対するユーザの操作入力を受け付けるユーザ操作インタフェースである。具体的には、操作入力部220は、電源キー、音量キー、ホームキー等の操作キーや、タッチパネル等を有する。タッチパネルは、表示部に重ねて一体的に配置されたタッチスクリーンである。
【0032】
画像処理部255は、表示部と画像信号処理部と撮像部とを備え、撮像部で撮像された電気信号をデジタルの画像データとして生成し、生成された画像データを表示させる。また記憶部253から読み出された画像データを表示部に表示する。
【0033】
音声処理部256は、音声出力部と音声信号処理部と音声入力部とを備え、音声信号処理部で処理した音声を出力し、音声入力部からユーザの声などを入力する。
【0034】
センサ部257は、動き・振動・衝撃などを検出する加速度センサや、回転方向の角速度を検出し、縦・横・斜めの姿勢の状態を捉えるジャイロセンサ等を有する。
【0035】
通信部258は、ワイヤレス通信方式によりネットワークと接続して、ネットワーク上の管理サーバーとデータの送受信を行ない、また、近距離無線通信等を行う。
【0036】
拡張I/F259は、受電装置20の機能を検出する張するためのインタフェース群である。
【0037】
図3は、本実施例における送電装置10の平面図および側面図である。(a)が平面図、(b)が側面図である。
図3において、送電装置10は、受電装置20を載置する平面な載置面を有する窪み10aを有し、窪み10aは、受電装置20の外形と一致しており、載置する受電装置20の位置を固定する位置決め用として機能する。また、送電コイル16は、窪み10aの載置面の下部に略平行になるように配置されており、送電コイル16の中心を送電装置10の筐体中心からy軸方向にnだけスライドして配置している。また、送電SW17は、スライド式の手動スイッチであり送電装置10の筐体側面に配置している。なお、送電SW17は、例えばプッシュ式など、他の任意の形式のスイッチでもよい。
【0038】
図4は、本実施例における受電装置20の平面図および側面図である。
図4において、(a)が、スマートフォンをイメージして表示パネル28の面がx、y平面となる平面図であり、(b)がx軸正方向から見た側面図である。受電コイル21は、表示パネル28の下部に筐体の下面と略平行になるように配置されており、受電コイル21の中心を受電装置20の中心に配置している。
【0039】
図5は、本実施例における
図4に示した受電装置20を
図3に示した送電装置10に載置した状態の平面図および側面図である。(a)が平面図、(b)が側面図、(c)が側面図(b)の拡大図である。
図5に示すように、受電装置20は、送電装置10の窪み10aに格納され、送電装置10において載置する受電装置20の位置は固定される。すなわち、送電コイル16の中心と受電コイル21との中心はy軸方向にnだけスライドして配置される。なお、
図5においては、それぞれのコイルのx方向は筐体の中心であるが、2つのコイルの中心がnだけ離れていればよいので、例えば、その距離を保った状態で2つのコイルをx方向、y方向またはその両方にずらして配置してもよい。また、(c)に示すように、送電コイル16および受電コイル21は、窪み10aの載置面を介して、それぞれの筐体の厚さの距離であるギャップ長lを隔てて配置される。
【0040】
そのため、送電装置10における送電コイル16の中心からのスライド量nを、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離となるように設計すれば、伝送可能な電力を最大化できる送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システムを提供できる。
【0041】
なお、
図3から
図5の説明では、スライド量nを送電装置10側で確保しているが、送電コイルと受電コイルの相対距離がスライド量nとなればよいので、受電装置20側で受電コイル21の中心を受電装置20の筐体中心からy軸方向にnだけスライドして配置し送電装置10側のスライド量をゼロとするように構成してもよい。また、送電装置10と受電装置20でスライド量nを分担するようにしてもよい。
【0042】
また、送電装置10の窪み10aは、受電装置20の外形と一致しており、載置する受電装置20の位置を固定する位置決め用として機能すると説明したが、窪み10aは受電装置20の位置を固定する位置決め用として機能すればよいので、受電装置20の外形と一致している必要はなく、例えば、受電装置20の位置を固定する突起を有していてもよい。
【0043】
図6は、
図3の変形例であり、本実施例における送電装置の平面図および側面図である。
図6において、
図3と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
図6において、
図3と異なる点は、受電装置20を載置する窪み10aに代えて、位置決め用の突起である位置決め手段を有する点である。すなわち、
図6において、(a)は、送電装置10の外形の4辺に位置決め手段10b、10c、10d、10eを有し、受電装置20を載置した際に、送電装置10と受電装置20の位置を固定できる。また、(b)は、送電装置10の外形の4隅にL字状の位置決め手段10f、10g、10h、10iを有し、受電装置20を載置した際に、送電装置10と受電装置20の位置を固定できる。これにより、
図5と同様に、送電装置10における送電コイル16と受電装置20における受電コイル21との位置を特定できるので、送電コイルと受電コイルの相対距離であるスライド量nを、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離となるように設計すれば、伝送可能な電力を最大化できる送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システムを提供できる。
【0044】
図7は、
図3の他の変形例であり、本実施例における送電装置の平面図である。
図7において、
図3と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
図7において、
図3と異なる点は、送電コイル16の設置可能位置が複数である送電コイル収納スペース10sを窪み10aの載置面の下部に略平行になるように配置して設け、送電コイル16を送電コイル収納スペース10s内のどこに配置するかで所望の送電コイルの位置に固定する点である。すなわち、(a)では、送電コイル16の設置可能位置が3つである送電コイル収納スペース10sを設け、送電コイル16を送電装置10の筐体中心からy軸方向に最も離れた位置に配置した場合を示している。(b)では、送電コイル16を送電装置10の筐体中心からy軸方向に中間距離離れた位置に配置した場合を示している。また、(c)では、送電コイル16の中心を送電装置10の筐体中心の位置に配置した場合を示している。
【0045】
これにより、
図3では、スライド量nが1つに固定されるが、
図7では、送電コイル16の位置を複数の位置から選択できる。そのため、送電装置10における送電コイル16の中心からのスライド量nを選択できるように複数の送電コイル16を収納するスペースを設計しておき、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離となる位置になるように製造時に選択すれば、伝送可能な電力を最大化できる送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システムを提供できる。
【0046】
なお、
図7の説明においても、スライド量nを送電装置10側で確保しているが、受電装置20側で受電コイル21の位置を複数の位置から選択できるように構成してもよい。また、送電装置10と受電装置20でスライド量nを分担するようにしてもよい。
【0047】
図8は、本実施例における伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離を決定する手法の説明図である。
図8において、(a)は、送電コイルと受電コイルの所定のスライド量におけるギャップ長と結合係数の関係を示した図であり、所定のスライド量においてギャップ長の増加に伴い結合係数は減少する。また、(b)は、結合係数と伝送可能な電力との関係を示した図であり、所定のスライド量(例えばスライド量=0)の状態でギャップ長を調整して目標電力pが得られる範囲の中央部の結合係数mを求める。なお、所望の電力が得られる範囲内であれば中央部でなくてもよい。次に、(c)は、送電コイルと受電コイルとのスライド量と結合係数の関係を示した図であり、所望のギャップ長の条件でスライド量を変化させて結合係数がmとなるスライド量nを求める。
【0048】
図9は、本実施例における伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置を決定する処理フロー図である。
図9においては、
図8で説明した伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離を決定する手法に従い、送電コイルと受電コイルの相対距離が求めたスライド量nになるように、送電装置10または受電装置20のコイル位置を設計段階で実行する。具体的には、ステップS81において、スライド量=0の状態でギャップ長を調整して所望の電力が得られる結合係数mを求める。次に、ステップS82において、所望のギャップ長に固定した状態でスライド量を変化させて求めた結合係数mが得られるスライド量nを求める。そして、ステップS83において、送電コイル中心と受電コイル中心のスライド量がnとなるように送電装置及び受電装置の機構を設計する。
【0049】
このように、本実施例によれば、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置を備えた送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システムを提供できる。
【実施例2】
【0050】
実施例1では、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置を備えた送電装置、受電装置を提供できるが、送電コイルと受電コイルの形状や大きさ、ギャップ長ごとに、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置は変化するため、異なる相対位置に対応した製品をそれぞれ作製、製造する必要があり、それぞれに製番が変わり、それぞれに製品の認証を取る必要があるという課題がある。そこで、本実施例では、異なる相対位置に調整可能な構成を有し、1つの製品で異なる相対位置に対応可能な構成について説明する。
【0051】
図10は、本実施例における送受電システムの概略構成ブロック図である。
図10において、
図1と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
図10において、
図1と異なる点は、送電装置10に、送電コイルを移動可能な機構を設けた点である。すなわち、送電コイル16をレール19a、19bに沿って移動可能な台18に設置し、この台18の位置を外部から調整可能なツマミ18aを設けた点である。なお、レールに限らず、送電コイル16と台18を平行移動できる機構であればよい。移動はx方向、y方向どちらでもよいし、両方組み合わせてもよい。
【0052】
図11は、本実施例における送電装置10に受電装置20を載置した状態の平面図および側面図である。
図11において、
図5と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
図11において、
図5と異なる点は、送電コイル16をレール19a、19bに沿って移動可能な台18に設置し、この台18の位置を外部から調整可能なツマミ18aを設けた点である。
【0053】
図11において、(a)、(b)、(c)が、送電コイルと受電コイルのギャップ長が第1の長さであるのに対し、(d)、(e)、(f)は、受電装置20が大型化して、ギャップ長が第1の長さよりも長い場合を示している。なお、(a)が平面図、(b)が側面図、(c)が側面図(b)の拡大図である。また、同様に、(d)が平面図、(e)が側面図、(f)が側面図(e)の拡大図である。
【0054】
図11(c)に示すように、ギャップ長が第1の長さである場合には、ツマミ18aをスライドさせて伝送可能な電力を最大化できる所定の位置に送電コイル16の位置を調整する。それに対して、(f)に示すように、ギャップ長が第1の長さよりも長い場合は、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離は(c)の場合よりも小さくなるので、相対距離であるスライド量を(c)よりも小さくするように、ツマミ18aをスライドさせて所望の位置に送電コイル16の位置を調整する。
【0055】
図12は、本実施例における受電装置20での表示画面例を説明する図である。受電装置20での電池容量をQ[wh]、受電電力をP[w]、充電時間をh[h]としたとき、その関係は、Q=P*hとなる。よって、電池容量と受電電力が決まれば充電時間が算出できる。従って、送電コイルと受電コイルの相対距離であるスライド量をツマミ18aによって調整可能であるので、充電制御部23は、調整状態での受電電力から充電時間を算出し、それを表示することでユーザが所望の調整状態に設定できる。
【0056】
図12において、(a)、(b)、(c)はそれぞれ、スライド量が異なる場合の、送電装置10に受電装置20を載置した状態の平面図と受電装置20の表示画面を示している。(a)においては、スライド量が小さい場合であって、例えば、受電装置20の表示画面に受電電力:5W、充電時間:8h、と表示されている。(b)においては、ツマミ18aによって(a)よりもスライド量を大きくする方向に調整した場合、受電装置20の表示画面には、受電電力:8W、充電時間:3h、と表示される。そして、(c)においては、ツマミ18aによって(b)よりもさらにスライド量を大きくする方向に調整した場合、受電装置20の表示画面には、受電電力:10W、充電時間:2h、と表示される。よって、ユーザは、表示画面を見ながら、所望の充電時間となるように、ツマミ18aによってスライド量を調整できる。
【0057】
このように、本実施例では、送電コイルと受電コイルの相対距離であるスライド量を調整可能な機構を設けたので、1つの製品で伝送可能な電力を最大化できる異なる相対位置に対応でき、個別に製品の認証を取る必要がなくなるという効果がある。また、ユーザは、表示画面を見ながら、所望の充電時間となるようにスライド量を調整できる。
【実施例3】
【0058】
実施例1では、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離となるように送電コイルの位置を変えていた。これに対して、本実施例では、送電コイルの位置は変えないで、送電コイルと受電コイルの相対距離を変える例について説明する。
【0059】
図13は、本実施例における送電装置10の平面図および側面図である。
図13において、
図3と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
図13において、
図3と異なる点は、受電装置20を載置する窪み10aの位置を変える点である。
【0060】
図13において、(a)は、窪み10aの位置が送電装置10のy軸方向上部に配置しているのに対して、(b)は、窪み10aの位置が送電装置10のy軸方向下部に配置している。窪み10aは受電装置20の外形と一致しており、受電装置20の位置決め用の窪みとなるので、(a)、(b)に示すように送電装置10での窪み10aの位置を変えることで、送電コイルと受電コイルの相対距離を変えることが出来る。
【0061】
なお、窪み10aの位置を移動できるようにしてもよいし、窪み10aの位置が異なるフェイスプレートを複数同梱してユーザが受電装置20の機種に応じて交換しても良い。
【0062】
このように、本実施例によれば、送電コイルの位置を変えることなく、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対位置を備えた送電装置、受電装置、およびそれらを備えた送受電システムを提供できる。
【実施例4】
【0063】
本実施例では、送電装置と受電装置間でデータ伝送機能を備えた例について説明する。
【0064】
図14は、本実施例における送受電システムの概略構成ブロック図である。
図14において、
図10と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
図14において、
図10と異なる点は、送電装置10と受電装置20にそれぞれ通信部31、27を設け、送電SWを無くした点である。すなわち、通信部31、27は、送電装置10と受電装置20間でのデータ伝送を行う。なお、受電装置20の通信部27は、受電装置主機能部25に通信部を有している場合は、それと兼用してもよい。また、通信部31、27で行うデータ伝送を電力伝送用コイルを用いて行ってもよい。
【0065】
図15は、本実施例におけるデータ伝送を用いたワイヤレス電力伝送の処理フロー図である。
図15において、まずステップS141において、通信部27、31を介して、受電装置20から送電装置10へ送電要求を送信する。それを受けて、ステップS142において送電装置10は受電装置20へ送電を開始する。このように、本実施例では、データ伝送を行うことで、実施例1での手動による送電SW切り替えを不要としている。
【0066】
そして、ステップS143において送電装置10は通信部31、27を介して受電装置20へ投入電力のデータを送信する。ステップS144においては、受電装置20は、二次電池24に供給される受電電力と受信した送電装置10の投入電力から、電力伝送効率=受電電力/投入電力*100(%)を算出し、電池容量と受電電力から充電時間を算出し、受電電力、電力伝送効率、充電時間を表示する。
【0067】
ステップS145において、ユーザは送電装置10のツマミ18aを調整して所望の充電位置を選択する。そして、ステップS146において、受電装置20は、充電制御部23によって満充電かを判断し、満充電でなければ、ステップS143に戻って充電を継続する。また、満充電であればステップS147に進み、受電装置20は、通信部27、31を介して送電装置10へ満充電である旨を通知する。そして、ステップS148で受電装置20は、通信部27、31を介して送電装置10へ送電終了要求を送信する。なお、ステップS147またはS148のいずれかは省略し、満充電の通知を送電終了要求と見做してもよい。
【0068】
図16は、本実施例における受電装置20での表示画面例を説明する図である。
図16において、
図12と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
図16において、
図12と異なる点は、表示画面において、電力伝送効率を追加表示した点である。すなわち、電力伝送効率を算出するためには送電装置10の投入電力の情報が必要であるため、通信部31、27を介して送電装置10から受電装置20へ送信された投入電力の情報を用いて受電装置20で算出し表示する。
【0069】
図16において、(a)、(b)、(c)はそれぞれ、スライド量が大、小、中の場合の、送電装置10に受電装置20を載置した状態の平面図と受電装置20の表示画面を示している。
(a)においては、ツマミ18aによってスライド量を大きくする方向に調整し、伝送可能な電力を最大化できる送電コイルと受電コイルの相対距離となるように送電コイルの位置を調整した場合であり、電力伝送モードとして伝送可能電力優先を選択した場合であって、最も早く充電できる場合の例である。受電装置20の表示画面には、受電電力:10W、効率:80%、充電時間:2h、と表示される。(b)においては、ツマミ18aによってスライド量を小さくする方向に調整し、電力伝送モードとして電力伝送効率優先を選択した場合であって、最も電力伝送効率が良い場合の例である。例えば、受電装置20の表示画面には、受電電力:5W、効率:95%、充電時間:8h、と表示される。(c)においては、ツマミ18aによって(b)よりもスライド量を大きく、かつ、(a)よりもスライド量を小さくするように調整した場合であり、充電時間と電力伝送効率効率の両者を考慮して、許容時間内に充電が終わり、かつ、電力伝送効率効率もそれほど悪くない状態を選択した場合(インテリジェントモード)の例である。例えば、受電装置20の表示画面には、受電電力:8W、効率:90%、充電時間:3h、と表示される。
【0070】
以上のように、本実施例によれば、ユーザは、表示画面の受電電力、電力伝送効率、充電時間を確認しながら、所望の電力伝送モードとなるように、ツマミ18aによってスライド量を調整できる。
【0071】
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0072】
10:送電装置、10a:窪み、10b~10i:位置決め手段、10s:送電コイル収納スペース、11:電源、12:整流平滑回路、13:DC/DC変換器、14:送電制御部、15:送電コイル励振回路、16:送電コイル、17:送電スイッチ(送電SW)、18:台、18a:ツマミ、19a、19b:レール、20:受電装置、21:受電コイル、22:整流平滑回路、23:充電制御部、24:二次電池、25:受電装置主機能部、28:表示パネル、27、31:通信部、251:主制御部