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特許7503009作業管理方法、作業管理装置、及び作業管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】作業管理方法、作業管理装置、及び作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240612BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021019890
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122565
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】宮内 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
(72)【発明者】
【氏名】近藤 拓也
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134747(JP,A)
【文献】特開2015-047155(JP,A)
【文献】特開2015-049866(JP,A)
【文献】特開2020-166851(JP,A)
【文献】国際公開第2015/173876(WO,A1)
【文献】特開平07-334571(JP,A)
【文献】特開2018-133731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業推定部により、第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定することと、
異常作業検知部により、前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力することと、
を含み、
前記異常信号を出力することは、前記作業領域の周辺圃場で行われた作業の周辺作業種別と、前記周辺作業種別の作業が行われた時期を表す周辺時期とに基づき、前記予定作業種別を判定すること
を含む作業管理方法。
【請求項2】
前記予定作業種別を判定することは、
前記周辺作業種別と前記周辺時期とに基づき、前記予定作業種別が前記作業領域で行われた第1確度を算出することと、
算出した前記第1確度に基づき、前記予定作業種別を判定することと、
を含む請求項に記載の作業管理方法。
【請求項3】
作業推定部により、第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定することと、
異常作業検知部により、前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力することと、
を含み、
前記異常信号を出力することは、
前記作業領域を含む前記第1圃場で行われた過去の作業の過去作業種別と過去作業期間とに基づき、前記予定作業種別が前記作業領域で行われた第2確度を算出することと、
算出した前記第2確度に基づき、前記予定作業種別を判定することと、
を含む作業管理方法。
【請求項4】
作業推定部により、第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定することと、
異常作業検知部により、前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力することと、
を含み、
前記異常信号を出力することは、
前記作業領域で栽培されている作物と、前記作物を栽培するために行われる作業の暦作業種別と暦時期とに基づき、前記予定作業種別が前記作業領域で行われた第3確度を算出することと、
算出した前記第3確度に基づき、前記予定作業種別を判定することと、
を含む作業管理方法。
【請求項5】
作業推定部により、第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定することと、
異常作業検知部により、前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力することと、
を含み、
前記異常信号を出力することは、
前記作業領域の周辺に存在する周辺圃場で行われた作業の周辺作業種別と、前記周辺作業種別の作業が行われた時期を表す周辺時期とに基づき、第1予定作業種別を判定することと、
前記作業領域を含む前記第1圃場で行われた過去の作業の過去作業種別と過去作業期間とに基づき、第2予定作業種別を判定することと、
前記作業領域で栽培されている作物と、前記作物を栽培するために行われる作業の暦作業種別と暦時期とを表す栽培暦とに基づき、第3予定作業種別を判定することと、
前記第1予定作業種別と、前記第2予定作業種別と、前記第3予定作業種別とに基づき、前記予定作業種別を判定することと、
を含む作業管理方法。
【請求項6】
前記予定作業種別を判定することは、
前記第3予定作業種別、前記第2予定作業種別、前記第1予定作業種別の順番で優先的に前記予定作業種別として判定すること
を含む請求項に記載の作業管理方法。
【請求項7】
前記予定作業種別を判定することは、
前記周辺作業種別と前記周辺時期とに基づき、前記予定作業種別が前記作業領域で行われた第1確度を算出することと、
前記過去作業種別と前記過去作業期間とに基づき、前記予定作業種別が前記作業領域で行われた第2確度を算出することと、
前記暦作業種別と前記暦時期とに基づき、前記予定作業種別が前記作業領域で行われた第3確度を算出することと、
前記第1確度と、前記第2確度と、前記第3確度とに基づき、前記予定作業種別を判定することと、
を含む請求項に記載の作業管理方法。
【請求項8】
第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定することと、
前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力することと、
を演算装置に実行させ
前記異常信号を出力することは、前記作業領域の周辺圃場で行われた作業の周辺作業種別と、前記周辺作業種別の作業が行われた時期を表す周辺時期とに基づき、前記予定作業種別を判定すること
を含む作業管理プログラム。
【請求項9】
第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定する作業推定部と、
前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力する異常作業検知部と、
を備え
前記異常作業検知部は、前記作業領域の周辺圃場で行われた作業の周辺作業種別と、前記周辺作業種別の作業が行われた時期を表す周辺時期とに基づき、前記予定作業種別を判定する
作業管理装置。
【請求項10】
第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定する作業推定部と、
前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力する異常作業検知部と、
を備え、
前記異常作業検知部は、
前記作業領域を含む前記第1圃場で行われた過去の作業の過去作業種別と過去作業期間とに基づき、前記予定作業種別が前記作業領域で行われた第2確度を算出し、
算出した前記第2確度に基づき、前記予定作業種別を判定する
作業管理装置。
【請求項11】
第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定する作業推定部と、
前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力する異常作業検知部と、
を備え
前記異常作業検知部は、
前記作業領域で栽培されている作物と、前記作物を栽培するために行われる作業の暦作業種別と暦時期とに基づき、前記予定作業種別が前記作業領域で行われた第3確度を算出し、
算出した前記第3確度に基づき、前記予定作業種別を判定する
作業管理装置。
【請求項12】
第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、前記作業の作業種別を推定する作業推定部と、
前記作業種別が前記作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、前記作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力する異常作業検知部と、
を備え
前記異常作業検知部は、
前記作業領域の周辺に存在する周辺圃場で行われた作業の周辺作業種別と、前記周辺作業種別の作業が行われた時期を表す周辺時期とに基づき、第1予定作業種別を判定し、
前記作業領域を含む前記第1圃場で行われた過去の作業の過去作業種別と過去作業期間とに基づき、第2予定作業種別を判定し、
前記作業領域で栽培されている作物と、前記作物を栽培するために行われる作業の暦作業種別と暦時期とを表す栽培暦とに基づき、第3予定作業種別を判定し、
前記第1予定作業種別と、前記第2予定作業種別と、前記第3予定作業種別とに基づき、前記予定作業種別を判定する
作業管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理方法、作業管理装置、及び作業管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、栽培管理の分析に圃場における農作業に関する情報を用いることが研究されている。
【0003】
特許文献1には、栽培暦に沿って、栽培地域に適した時期に栽培に適した様々な農作業を通知する栽培支援装置が開示されている。この栽培支援装置は、栽培に必要な作業の目安となる栽培暦に対して、圃場がある地域に応じて補正を行うことで、農作業を行う時期を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-020923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、作業者が間違った作業を行ったとしても、適切な作業が行われたと判断して、栽培暦に対応した作業を行うよう通知する。
【0006】
しかし、農作業を行う作業者は、複数の圃場を保有していることが多く、各圃場に対する作業の順番や回数を誤って実行する場合がある。この場合、作業者が間違った作業を行ったことに気づかず、作物の育成に重大な影響が生じ得る。
【0007】
上記の状況に鑑み、本開示は、作業者が適切な作業を実行しているかを判定することで、間違った作業による影響を低減する作業管理装置を提供することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理方法は、第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、作業の作業種別を推定することを含む。また、作業管理方法は、作業種別が作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力することを含む。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理装置(100)は、作業推定部(160)と、異常作業検知部(170)とを備える。作業推定部(160)は、第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、作業の作業種別を推定する。異常作業検知部(170)は、作業種別が作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力する。
【0011】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理プログラム(320)は、第1圃場内の作業領域で作業を行っているときの作業装置の稼働情報に基づき、作業の作業種別を推定することを演算装置(120)に実行させる。また、作業管理プログラム(320)は、作業種別が作業領域で行うべき作業の予定作業種別と異なるとき、作業領域で行っている作業が異常であることを表す異常信号を出力することを演算装置(120)に実行させる。
【発明の効果】
【0012】
上記の形態によれば、作業管理装置は、作業者が間違った作業を行っている可能性があるとき、作業者にその旨を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施の形態における作業管理システムの概略図である。
図2】一実施の形態における栽培暦データの構成を表す図である。
図3】一実施の形態における作業管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図4】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
図5】一実施の形態における予定作業種別を判定する処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による作業管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、作業管理システム1000は、作業管理装置100と、端末200とを備える。作業管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、端末200と、作業車両30と通信可能に接続されている。
【0015】
作業管理装置100は、作業車両30から圃場での稼働情報を取得して、取得した稼働情報に基づき、作業に関する情報、例えば作業期間、作業種別、作業領域などを推定する。作業種別は、圃場で行われた作業の種類、例えば耕起、整地、施肥、植付などを表す。作業領域は、作業が行われた領域を表し、例えば圃場内で作業が行われた領域や、作業が行われた圃場全体の領域を表す。また、作業管理装置100は、過去に行われた作業に関する作業データや栽培暦に基づき、推定された作業領域において行われるべき予定作業種別を判定する。推定された作業種別が判定された予定作業種別と異なるとき、作業管理装置100は、作業領域で行われた作業の種類が間違っている可能性があることを、端末200を介してユーザ、例えば作業者、圃場の所有者などに通知する。このように、作業管理システム1000は、ユーザが確実な作業の実施を支援することができる。また、ユーザは、意図して予定作業種別と異なる作業を行っているとき、端末200に推定された作業種別を正しい作業として登録する。これにより、作業管理システム1000は、人為的な作業の変化を記録することで、栽培方法の変化を検知することができる。
【0016】
なお、作業車両30から取得する稼働情報は、圃場で作業を行っているときの作業車両30の状態を表す情報を含み、例えば作業車両30の速度、操舵角、エンジン回転数、各種クラッチのON/OFF状況、作業車両30の各時刻の位置情報、作業期間などを表す情報を含む。作業車両30が作業機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、稼働情報には、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。
【0017】
作業管理装置100の構成を説明する。作業管理装置100は、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。作業管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0018】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置130は、作業車両30から取得する稼働情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0019】
記憶装置140は、作業種別を推定するための様々なデータ、例えば作業データ300と、栽培暦データ310と、作業管理プログラム320とを格納する。記憶装置140は、作業管理プログラム320を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。作業管理プログラム320は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0020】
作業データ300は、圃場の作業に関するデータ、例えば作業車両30からの稼働情報から算出されるデータを含む。例えば、作業データ300は、作業期間を表す作業期間情報と、作業領域を表す作業領域情報と、作業種別を表す作業種別情報とを含む。作業期間情報と、作業領域情報と、作業種別情報とは、作業データ300に関連付けて登録されている。作業期間は、圃場の作業を開始した時刻と終了した時刻とを表す。作業領域は、圃場の作業が行われた領域、例えば位置と形状とを表す。作業種別は、圃場で行われた作業の種類、例えば耕起、整地、施肥、植付などを表す。
【0021】
栽培暦データ310は、栽培する作物、地域に応じた栽培暦、例えば、栽培のために行われる作業の作業種別である暦作業種別と、その作業を行う時期である暦時期とを表す。例えば、栽培暦データ310は、図2に示すように、栽培される作物と地域とに応じた暦時期を表す。図2に示す例では、「ダイズ」を北海道で栽培するとき、5月中旬に「耕起」が行われ、下旬に「畝立て」と「施肥(元肥)」が行われることを表す。また、6月上旬に「播種」が行われ、中旬に「除草」が行われることを表す。
【0022】
作業データ300と、栽培暦データ310とは、図1に示す演算装置120に読み出され、圃場で行われた作業の異常を検知するための様々なデータ処理に使用される。演算装置120は、作業管理プログラム320を記憶装置140から読み出し実行して、圃場で行われた作業の異常を検出する。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0023】
演算装置120は、作業管理プログラム320を読み出し実行することで、図3に示すように、データ保持部150と、作業推定部160と、異常作業検知部170とを実現する。データ保持部150は、作業データ300と、栽培暦データ310とを保持する。作業推定部160は、作業車両30から得られた稼働情報に基づき、作業種別を推定して、作業データ300に登録する。異常作業検知部170は、圃場で行われるべき作業の予定作業種別と、推定された作業種別とを比較して、行われた作業の異常を検知する。
【0024】
次に、端末200の構成を説明する。端末200は、図1に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0025】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、作業管理装置100から取得する作業データ300に含まれる情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を作業管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0026】
記憶装置240は、作業管理装置100が検知した作業の異常をユーザに通知するための様々なデータ、例えば報知プログラム330を格納する。記憶装置240は、報知プログラム330を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。報知プログラム330は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。報知プログラム330は、記憶媒体1に記録されて提供されてもよい。
【0027】
演算装置220は、報知プログラム330を読み出し実行することで、図3に示すように、入出力装置210と協働して、作業管理装置100が検知した作業の異常をユーザに通知する報知部250を実現する。報知部250は、作業管理装置100が検知した作業の異常を表す情報を取得して、ユーザに作業の異常を報知する。報知部250は、作業管理装置100により推定された作業種別を表示する。報知部250は、ユーザの操作により、作業データ300に登録された情報を更新する。
【0028】
(作業管理装置の動作)
作業管理装置100の演算装置120は、作業車両30から稼働情報を受信すると、作業管理プログラム320を読み出し実行する。作業管理プログラム320を実行することで、演算装置120は、図4に示す処理を実行する。
【0029】
ステップS110において、演算装置120で実現される作業推定部160は、作業車両30から受信される稼働情報に基づき、作業期間と作業領域とを推定する。例えば、作業推定部160は、作業車両30が起動された時刻から作業車両30が停止された時刻までを作業期間として推定する。また、作業推定部160は、作業車両30の作業を開始する時刻と終了する時刻、例えば作業車両30に牽引される作業機械が駆動する時刻と停止する時刻とに基づき、作業期間を推定してもよい。作業期間は、作業車両30が圃場に入った時刻と圃場から出た時刻とに基づき推定されてもよい。また、作業期間は、作業車両30のエンジンが始動する時刻と、作業車両30が停止、例えばエンジンが停止する時刻とに基づき推定されてもよい。作業推定部160は、推定した作業期間を作業データ300に登録する。
【0030】
作業推定部160は、推定した作業期間における作業車両30の位置情報に基づき、作業領域を推定する。具体的には、作業車両30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、作業期間に移動した各時刻の位置を表す位置情報を取得する。取得した位置情報は、作業車両30から作業管理装置100の演算装置120に伝達される。演算装置120により実現される作業推定部160は、取得した位置情報に基づき、作業領域を推定する。例えば、作業領域は、取得した位置情報に表される位置を含む任意の閉じた図形、例えば多角形、矩形などで表される。例えば、作業領域は、取得した位置情報のすべてを囲むような図形で表される。作業推定部160は、推定した作業領域を対応する作業期間と関連付けて作業データ300に登録する。これにより、作業領域は、判定した作業期間に関連付けられる。
【0031】
ステップS120において、作業推定部160は、作業車両30から受信される稼働情報に基づき、作業種別を推定する。例えば、作業推定部160は、機械学習により得られた学習済みモデルを用いて、作業種別を推定する。この場合、学習済みモデルは、稼働情報から作業種別を推定するように、学習されている。また、作業推定部160は、作業種別を、作業車両30または作業機械の機種に基づき推定してもよい。この場合、データ保持部150は、作業車両30または作業機械の機種と、作業種別とを関連付ける作業対応データを記憶装置140に格納して保持する。作業推定部160は、作業対応データに基づき、作業種別を推定する。
【0032】
作業推定部160は、推定された作業種別を対応する作業期間と関連付けて作業データ300に登録する。これにより、作業種別は、ステップS110において推定された作業期間と作業領域とに関連付けられる。
【0033】
ステップS130において、異常作業検知部170は、作業推定部160により推定された作業期間と作業領域とに基づき、推定された作業期間に推定された作業領域で行われるべき作業の予定作業種別を判定する。異常作業検知部170は、1以上の予定作業種別を判定してもよい。異常作業検知部170が予定作業種別を判定する方法は後述する。
【0034】
ステップS140において、異常作業検知部170は、作業推定部160により推定された作業種別が判定された予定作業種別に含まれているかを判定する。作業種別が予定作業種別に含まれているとき、異常作業検知部170は、作業車両30により行われた作業が正常であると判定して、処理を終了する。作業種別が予定作業種別に含まれていないとき、異常作業検知部170は、作業車両30により行われた作業が異常である可能性があるとして、ステップS150の処理を実行する。
【0035】
ステップS150において、異常作業検知部170は、作業車両30により行われた作業が異常であることを表す異常信号を生成して出力する。端末200の報知部250は、異常信号に基づき、ユーザに作業が異常であることを報知する。例えば、報知部250は、図1に示す端末200の入出力装置210に作業の異常を知らせる報知画像を表示する。報知画像は、推定された作業期間と作業領域と作業種別とを表す。ユーザは、報知画像を見ることで、作業期間と、作業領域と、作業種別とを確認して、圃場で行われた作業に間違いがあったかを確認することができる。報知部250は、端末200の入出力装置210から異常を知らせる警告音声を出力してもよい。ユーザは、警告音声に基づき、圃場で行われた作業に間違いがあった可能性を確認することができる。
【0036】
ユーザは、推定された作業種別が間違っているとき、端末200の入出力装置210に作業種別を修正する修正操作を入力する。報知部250は、入力された操作に基づき、作業種別を修正するための修正信号を生成する。作業管理装置100のデータ保持部150は、修正信号に基づき、作業データ300に登録された作業種別を修正する。
【0037】
ユーザは、推定された作業種別を意図して行ったとき、端末200の入出力装置210に正常な作業を行ったことを表す確認操作を入力する。報知部250は、入力された操作に基づき、正常な作業を行ったことを表す正常作業信号を生成する。作業管理装置100のデータ保持部150は、正常作業信号に基づき、正常な作業であることを作業データ300に登録する。このように、データ保持部150は、栽培するときに行われる作業の作業種別について、人為的な変化を記録する。作業データ300に栽培方法の変化が記録されることで、作業管理システム1000は、栽培方法の変化を検知することができる。
【0038】
ユーザは、推定された作業種別を間違って行ったとき、端末200の入出力装置210に間違った作業を行ったことを表す誤作業操作を入力する。報知部250は、入力された操作に基づき、間違った作業を行ったことを表す誤作業信号を生成する。作業管理装置100のデータ保持部150は、誤作業信号に基づき、間違った作業であることを作業データ300に登録する。このように、データ保持部150は、間違って行われた作業の作業種別を記録する。異常作業検知部170は、間違って行われた作業の作業種別を用いずに予定作業種別を判定する。これにより、異常作業検知部170は、間違って行われた作業が予定作業種別の判定に与える影響を低減することができる。
【0039】
(予定作業種別を推定する方法)
図4に示すステップS130において、異常作業検知部170は、図5に示す処理を実行して、予定作業種別を判定する。ステップS210において、異常作業検知部170は、作業領域が圃場として登録されている領域に含まれるかを判定する。作業データ300には、ユーザが過去に作業を行った圃場が記録されている。異常作業検知部170は、作業推定部160により推定された作業領域に対応する圃場を作業データ300から抽出する。対応する圃場が作業データ300に含まれているとき、異常作業検知部170は、推定された作業領域が圃場として登録されていると判定し、ステップS230の処理を実行する。対応する圃場が作業データ300に含まれないとき、異常作業検知部170は、推定された作業領域が圃場として登録されていないと判定し、ステップS220の処理を実行する。
【0040】
ステップS220において、異常作業検知部170は、推定された作業領域の周辺に存在する周辺圃場で行われた作業の作業種別を表す周辺作業種別に基づき、予定作業種別を判定する。異常作業検知部170は、推定された作業領域の周辺に存在する圃場を作業データ300から検索する。例えば、異常作業検知部170は、推定された作業領域から10km以内に存在する圃場を作業データ300から検索する。異常作業検知部170は、推定された作業期間に対応する時期を表す周辺時期に、検索された圃場において行われた作業の周辺作業種別を抽出して、抽出した周辺作業種別を予定作業種別として判定する。例えば、異常作業検知部170は、推定された作業期間に最も近い時期に、検索された圃場において行われた周辺作業種別を予定作業種別として判定する。
【0041】
また、異常作業検知部170は、周辺に存在する圃場において行われた作業の周辺作業種別の順番に基づき、予定作業種別を判定してもよい。例えば、異常作業検知部170は、推定された作業領域において、これまで行われた作業の作業種別を作業データ300から抽出する。抽出された作業の作業種別の順番と、周辺に存在する圃場で行われた作業の周辺作業種別の順番とを比較して、異常作業検知部170は、作業領域で行われるべき作業の予定作業種別を判定する。例えば、これまで作業領域で「耕起」と、「畝立て」とが順番に行われていたとする。また、周辺に存在する圃場において、「耕起」と、「畝立て」と、「施肥」とが順番に行われていたとき、異常作業検知部170は、作業領域で行うべき作業の予定作業種別が「施肥」であると判定する。
【0042】
異常作業検知部170は、推定された作業期間と、検索された圃場において行われた作業期間を表す周辺作業期間との差に基づき、予定作業種別の第1確度を算出してもよい。予定作業種別の第1確度は、推定された作業領域で推定された作業期間に予定作業種別の作業が行われる可能性、例えば確率を表す。予定作業種別の第1確度は、周辺の各圃場において対応する作業種別の作業が行われた周辺作業期間の分布から算出されてもよい。算出された第1確度が所定の閾値より大きいとき、異常作業検知部170は、対応する予定作業種別を推定された作業領域で行われるべき作業として判定する。また、異常作業検知部170は、周辺に存在する圃場において行われた作業の周辺作業種別の順番を用いて、第1確度を算出してもよい。
【0043】
推定された作業領域が圃場として登録されているとき、ステップS230において、異常作業検知部170は、対応する圃場で栽培されている作物が登録されているかを判定する。作業データ300には、登録されている圃場で栽培されている作物が登録されている。異常作業検知部170は、推定された作業領域に対応する圃場で栽培されている作物を作業データ300から検索する。栽培されている作物が作業データ300に登録されているとき、異常作業検知部170は、ステップS250の処理を実行する。栽培されている作物が作業データ300に登録されていないとき、異常作業検知部170は、ステップS240の処理を実行する。
【0044】
ステップS240において、異常作業検知部170は、作業領域に対応する圃場で過去に行われた作業の作業種別を表す過去作業種別に基づき、予定作業種別を判定する。異常作業検知部170は、作業データ300から、対応する圃場で行われた作業の過去作業種別と、その作業期間を表す過去作業期間とを抽出する。異常作業検知部170は、推定された作業期間に対応する時期、例えば1年前の同じ時期に、対応する圃場で行われた作業の過去作業種別を抽出して、抽出した過去作業種別を予定作業種別として判定する。また、異常作業検知部170は、対応する圃場において過去に行われた作業の過去作業種別の順番に基づき、予定作業種別を判定してもよい。
【0045】
異常作業検知部170は、推定された作業期間と、対応する圃場において行われた過去作業期間との差に基づき、予定作業種別の第2確度を算出してもよい。予定作業種別の第2確度は、推定された作業領域で推定された作業期間に予定作業種別の作業が行われる可能性、例えば確率を表す。予定作業種別の第2確度は、対応する圃場において対応する作業種別の作業が行われた過去作業期間、例えば各年の作業期間の分布から算出されてもよい。算出された第2確度が所定の閾値より大きいとき、異常作業検知部170は、対応する予定作業種別を推定された作業領域で行われるべき作業として判定する。また、異常作業検知部170は、対応する圃場において過去に行われた作業の過去作業種別の順番を用いて、第2確度を算出してもよい。
【0046】
対応する圃場に栽培されている作物が登録されているとき、ステップS250において、異常作業検知部170は、登録されている作物の栽培暦に基づき、予定作業種別を判定する。異常作業検知部170は、図1に示す記憶装置140に記憶された栽培暦データ310から、対応する圃場に栽培されている作物に関する栽培暦を抽出する。異常作業検知部170は、推定された作業期間と、抽出された栽培暦とに基づき、推定された作業領域で行われるべき作業の予定作業種別を判定する。例えば、異常作業検知部170は、抽出された栽培暦から、推定された作業期間に対応する暦時期、例えば推定された作業期間に最も近い暦時期に行われるべき作業の暦作業種別を予定作業種別として判定する。また、異常作業検知部170は、栽培暦に登録された作業の暦作業種別の順番に基づき、予定作業種別を判定してもよい。
【0047】
例えば、図2に示す栽培暦データ310に対応する圃場で、5月に「耕起」と「畝立て」が行われていたとする。この場合、異常作業検知部170は、ステップS250において、栽培暦データ310に基づき、予定作業種別は「施肥」であると判定する。
【0048】
異常作業検知部170は、栽培暦と、対応する圃場において行われた作業期間との差に基づき、予定作業種別の第3確度を算出してもよい。予定作業種別の第3確度は、推定された作業領域で推定された作業期間に予定作業種別の作業が行われる可能性、例えば確率を表す。予定作業種別の第3確度は、栽培暦から対応する作業種別の作業を行う暦時期を抽出し、抽出された暦時期と推定された作業期間との差に基づき、算出されてもよい。算出された第3確度が所定の閾値より大きいとき、異常作業検知部170は、対応する予定作業種別を推定された作業領域で行われるべき作業として判定する。また、異常作業検知部170は、栽培暦に登録された作業の暦作業種別の順番を用いて、第3確度を算出してもよい。
【0049】
以上のように、異常作業検知部170は、予定作業種別を判定する。判定された予定作業種別を用いて、異常作業検知部170は、図4に示すステップS140以降の処理を実行する。これにより、作業者が間違った作業を行うことで生じる作物への影響を低減することができる。
【0050】
例えば、図2に示す栽培暦データ310に対応する圃場で、作業者が5月下旬に行われるべき「施肥」と間違い「播種」を行ったとき、異常作業検知部170は予定作業種別と異なる作業が行われたことを作業者に報知する。これにより、「施肥」を忘れることで生じる作物の生育不良を低減することができる。また、異常作業検知部170は、6月上旬に行われるべき「播種」が行われていないことを作業者に報知することで、播種時期が過ぎてしまうことを低減する。同様に、異常作業検知部170は、8月、9月の「防除」や「施肥」が行われないことによる作物の発育不良を低減する。また、過剰に「防除」や「施肥」が行われたときも、異常作業検知部170は、異常な作業が行われたことを作業者に報知することで、過剰に「防除」や「施肥」を行うことを低減する。
【0051】
また、異常作業検知部170は、図5に示すように、周辺圃場での作業に基づき判定される第1予定作業種別と、同じ圃場での過去の作業に基づき判定される第2予定作業種別と、栽培暦に基づき判定される第3予定作業種別とのいずれか1つを、予定作業種別として採用する。異常作業検知部170は、第3予定作業種別、第2予定作業種別、第1予定作業種別の順番で優先して採用することで、より栽培に適した作業種別を優先的に用いて、間違った作業を検知することができる。
【0052】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。異常作業検知部170は、周辺圃場における作業と、同じ圃場における過去の作業と、栽培暦とのいずれか1つを用いて予定作業種別を判定する例を示したが、これに限定されない。異常作業検知部170は、周辺圃場における作業と、同じ圃場における過去の作業と、栽培暦とのうち、2つ以上を用いて予定作業種別を判定してもよい。
【0053】
例えば、図5に示すステップS240において、異常作業検知部170は、周辺圃場における作業と、同じ圃場における過去の作業とを用いて予定作業種別を判定する。この場合、異常作業検知部170は、ステップS220の処理を実行して、周辺圃場における作業に基づき第1予定作業種別を判定する。また、異常作業検知部170は、ステップS240の処理を実行して、同じ圃場における過去の作業に基づき第2予定作業種別を判定する。異常作業検知部170は、第1予定作業種別と、第2予定作業種別とを含む予定作業種別を、作業領域において行われる作業の作業種別として判定する。
【0054】
また、図5に示すステップS240において、異常作業検知部170は、周辺圃場における作業と、同じ圃場における過去の作業とに基づき、予定作業種別の確度を算出し、算出した確度に基づき予定作業種別を判定してもよい。例えば、異常作業検知部170は、ステップS220の処理を実行して、周辺圃場における作業に基づき、予定作業種別の第1確度を算出する。また、異常作業検知部170は、ステップS240の処理を実行して、同じ圃場における過去の作業に基づき、予定作業種別の第2確度を算出する。異常作業検知部170は、第1確度と第2確度とに基づき、予定作業種別の確度を算出する。例えば、異常作業検知部170は、第1確度に第1係数を乗算した値と、第2確度に第2係数を乗算した値とを加算することで、予定作業種別の確度を算出する。異常作業検知部170は、算出した確度を用いて、予定作業種別を判定する。
【0055】
また、図5に示すステップS250において、異常作業検知部170は、周辺圃場における作業と、同じ圃場における過去の作業と、栽培暦とに基づき、予定作業種別を判定してもよい。この場合、異常作業検知部170は、ステップS220の処理を実行して、周辺圃場における作業に基づき第1予定作業種別を判定する。また、異常作業検知部170は、ステップS240の処理を実行して、同じ圃場における過去の作業に基づき第2予定作業種別を判定する。さらに、異常作業検知部170は、ステップS250の処理を実行して、栽培暦に基づき第3予定作業種別を判定する。異常作業検知部170は、第1予定作業種別と、第2予定作業種別と、第3予定作業種別とを含む予定作業種別を、作業領域において行われる作業の作業種別として判定する。
【0056】
また、図5に示すステップS240において、異常作業検知部170は、周辺圃場における作業と、同じ圃場における過去の作業と、栽培暦とに基づき、予定作業種別の確度を算出し、算出した確度に基づき予定作業種別を判定してもよい。例えば、異常作業検知部170は、ステップS220の処理を実行して、周辺圃場における作業に基づき、予定作業種別の第1確度を算出する。また、異常作業検知部170は、ステップS240の処理を実行して、同じ圃場における過去の作業に基づき、予定作業種別の第2確度を算出する。さらに、異常作業検知部170は、ステップS250の処理を実行して、栽培暦に基づき、予定作業種別の第3確度を算出する。異常作業検知部170は、第1確度と第2確度と第3確度に基づき、予定作業種別の確度を算出する。異常作業検知部170は、算出した確度を用いて、予定作業種別を判定する。
【0057】
また、異常作業検知部170は、作業領域において行われるべき作業の予定作業種別を判定できれば、任意の方法で予定作業種別を判定してもよい。例えば、異常作業検知部170は、予め登録された作業計画に基づき、予定作業種別を判定してもよい。例えば、データ保持部150は、ユーザから入力された作業計画、例えば圃場に行われる作業の作業種別と作業時期とを保持する。異常作業検知部170は、図4に示すステップS130において、データ保持部150が保持する作業計画と、作業推定部160により推定された作業期間とに基づき、予定作業種別を判定する。
【0058】
図4に示すステップS110において、作業期間は、作業車両30が作業を開始してから停止するまでの期間として推定される例を示したが、これに限定されない。作業期間は、作業車両30が作業を行っている期間を推定できればよく、作業車両30が作業を行っている最中の一部の期間でもよい。例えば、作業期間は、作業車両30が起動してから、所定の期間経過するまでの期間でもよい。この場合、作業管理装置100は、作業車両30が作業を行っている最中に、図4に示す処理を実行して、作業の異常を作業者に報知してもよい。
【0059】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、作業管理装置100は、圃場で作業を行う任意の作業装置、例えばドローンから稼働情報を取得してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :作業車両
100 :作業管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :データ保持部
160 :作業推定部
170 :異常作業検知部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :報知部
300 :作業データ
310 :栽培暦データ
320 :作業管理プログラム
330 :報知プログラム
1000 :作業管理システム
図1
図2
図3
図4
図5