(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240612BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/09 F
(21)【出願番号】P 2021177954
(22)【出願日】2021-10-29
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 研吾
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 章
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 高彰
(72)【発明者】
【氏名】横井 康伸
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-207932(JP,A)
【文献】特開2016-215786(JP,A)
【文献】特開2020-098530(JP,A)
【文献】特開2016-146170(JP,A)
【文献】特開2002-310680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の位置情報を取得する第1取得部と、
車両の位置情報を取得する第2取得部と、
前記携帯端末の所持者の移動手段情報を取得する第3取得部と、
記憶部に記憶された道路情報に含まれる少なくとも一つの交差点の位置と前記第1取得部が取得した前記携帯端末の前記位置情報とに基づく前記携帯端末と前記交差点との間の第1距離と、前記交差点の位置と前記第2取得部が取得した前記車両の前記位置情報とに基づく前記車両と前記交差点との間の第2距離と、前記第3取得部が取得した前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報とに基づいて、前記交差点での前記携帯端末の前記所持者と前記車両との衝突可能性を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記携帯端末と前記車両に乗車している者との少なくとも一方に警告する通知部と、
を備え
、
前記判定部は、前記第1距離が第1閾値以内で、かつ、前記第2距離が第2閾値以内である場合に、前記携帯端末の前記所持者と前記車両とが衝突する可能性があると判定し、
前記第1閾値は、前記携帯端末の前記所持者の移動手段によって変更される情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記携帯端末の前記位置情報と、前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報とに基づいて前記携帯端末の前記所持者の速さと移動方向とを予測し、前記携帯端末の前記所持者の速さの予測結果と移動方向の予測結果とを使用して、前記交差点での前記携帯端末の前記所持者と前記車両との衝突可能性を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記移動手段情報は、前記所持者が所持する前記携帯端末が特定した移動手段を示す情報である、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記携帯端末からセンサ情報を取得する第4取得部と、
前記第4取得部が取得した前記センサ情報に基づいて前記携帯端末の前記所持者の移動手段を特定する処理部と
をさらに備え、
前記第3取得部は、前記処理部が特定した前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報を取得する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記センサ情報を基にAIを用いて前記携帯端末の前記所持者が歩行中か二輪車搭乗中かを判定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記携帯端末からセンサ情報を取得する第4取得部と、
前記第4取得部が取得した前記センサ情報に基づいて前記携帯端末の前記所持者の移動速度を取得し、取得した前記移動速度に基づいて前記所持者が車両での移動か、二輪車又は歩行での移動かを判定し、二輪車又は歩行での移動と判定した場合に、AIを用いて前記センサ情報を基に二輪車での移動か歩行での移動かを判定する処理部と
をさらに備え、
前記第3取得部は、前記処理部が特定した前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報を取得する、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知部は、前記車両に乗車している者に警告する場合に、前記携帯端末の前記所持者が歩行中か二輪車搭乗中かで警告方法を変更する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記携帯端末の前記所持者が歩行中の場合と二輪車搭乗中の場合とで警告タイミングを変える、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶部に記憶されている前記道路情報から所定の交差点を抽出する抽出部
をさらに備え、
前記判定部は、前記抽出部が抽出した所定の前記交差点での前記携帯端末の所持者と前記車両との衝突可能性を判定する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記抽出部は、人流データを取得し、取得した人流データに基づき、人流が人流閾値以上の交差点を抽出し、
前記判定部は、前記抽出部が抽出した前記交差点での前記携帯端末の所持者と前記車両との衝突可能性を判定する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記抽出部は、事故発生データを取得し、取得した事故発生データに基づいて、所定期間の事故の発生数が事故発生数閾値以上の交差点を抽出し、
前記判定部は、前記抽出部が抽出した前記交差点での前記携帯端末の所持者と前記車両との衝突可能性を判定する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記抽出部は、車速が所定速度以内に制限されたエリア内の交差点を抽出し、
前記判定部は、前記抽出部が抽出した前記エリア内の前記交差点での前記携帯端末の所持者と前記車両との衝突可能性を判定する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
携帯端末の位置情報を取得するステップと、
車両の位置情報を取得するステップと、
前記携帯端末の所持者の移動手段情報を取得するステップと、
記憶部に記憶された道路情報に含まれる少なくとも一つの交差点の位置と前記携帯端末の前記位置情報とに基づく前記携帯端末と前記交差点との間の第1距離と、前記交差点の位置と前記車両の前記位置情報とに基づく前記車両と前記交差点との間の第2距離と、前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報とに基づいて、前記交差点での前記携帯端末の前記所持者と前記車両との衝突可能性を判定するステップと、
判定するステップでの判定結果に基づいて、前記携帯端末と前記車両に乗車している者との少なくとも一方に警告するステップと
を有
し、
前記判定するステップでは、前記第1距離が第1閾値以内で、かつ、前記第2距離が第2閾値以内である場合に、前記携帯端末の前記所持者と前記車両とが衝突する可能性があると判定し、
前記第1閾値は、前記携帯端末の前記所持者の移動手段によって変更される、情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
携帯端末の位置情報を取得するステップと、
車両の位置情報を取得するステップと、
前記携帯端末の所持者の移動手段情報を取得するステップと、
記憶部に記憶された道路情報に含まれる少なくとも一つの交差点の位置と前記携帯端末の前記位置情報とに基づく前記携帯端末と前記交差点との間の第1距離と、前記交差点の位置と前記車両の前記位置情報とに基づく前記車両と前記交差点との間の第2距離と、前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報とに基づいて、前記交差点での前記携帯端末の前記所持者と前記車両との衝突可能性を判定するステップと、
判定するステップでの判定結果に基づいて、前記携帯端末と前記車両に乗車している者との少なくとも一方に警告するステップと
を実行させ
、
前記判定するステップでは、前記第1距離が第1閾値以内で、かつ、前記第2距離が第2閾値以内である場合に、前記携帯端末の前記所持者と前記車両とが衝突する可能性があると判定させ、
前記第1閾値は、前記携帯端末の前記所持者の移動手段によって変更される、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者が所持するスマホから取得した位置情報等と車両から取得した位置情報等に基づいて交差点での歩行者と車両との衝突の可能性を判定し、衝突の可能性が高い場合に歩行者又は車両に通知するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらスマホなどの携帯端末を所持しているユーザは必ずしも歩行中とは限らない。例えばスマホを所持しているユーザが自転車に搭乗中である場合には、歩行中のときよりも交差点に到達するまでの時間が早く、早めに衝突の可能性を通知する必要がある。
本発明の目的は、携帯端末の所持者の移動手段に応じて衝突の可能性に基づいて警告できる情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一態様は、携帯端末の位置情報を取得する第1取得部と、車両の位置情報を取得する第2取得部と、前記携帯端末の所持者の移動手段情報を取得する第3取得部と、記憶部に記憶された道路情報に含まれる少なくとも一つの交差点の位置と前記第1取得部が取得した前記携帯端末の前記位置情報とに基づく前記携帯端末と前記交差点との間の第1距離と、前記交差点の位置と前記第2取得部が取得した前記車両の前記位置情報とに基づく前記車両と前記交差点との間の第2距離と、前記第3取得部が取得した前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報とに基づいて、前記交差点での前記携帯端末の前記所持者と前記車両との衝突可能性を判定する判定部と、前記判定部による判定結果に基づいて、前記携帯端末と前記車両に乗車している者との少なくとも一方に警告する通知部と、を備え、前記判定部は、前記第1距離が第1閾値以内で、かつ、前記第2距離が第2閾値以内である場合に、前記携帯端末の前記所持者と前記車両とが衝突する可能性があると判定し、前記第1閾値は、前記携帯端末の前記所持者の移動手段によって変更される情報処理装置である。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理装置において、前記判定部は、前記携帯端末の前記位置情報と、前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報とに基づいて前記携帯端末の前記所持者の速さと移動方向とを予測し、前記携帯端末の前記所持者の速さの予測結果と移動方向の予測結果とを使用して、前記交差点での前記携帯端末の前記所持者と前記車両との衝突可能性を判定する。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は上記(2)に記載の情報処理装置において、前記移動手段情報は、前記所持者が所持する前記携帯端末が特定した移動手段を示す情報である。
(4)本発明の一態様は、上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記携帯端末からセンサ情報を取得する第4取得部と、前記第4取得部が取得した前記センサ情報に基づいて前記携帯端末の前記所持者の移動手段を特定する処理部とをさらに備え、前記第3取得部は、前記処理部が特定した前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報を取得する。
(5)本発明の一態様は、上記(4)に記載の情報処理装置において、前記判定部は、前記センサ情報を基にAIを用いて前記携帯端末の前記所持者が歩行中か二輪車搭乗中かを判定する。
(6)本発明の一態様は、上記(1)又は上記(2)に記載の情報処理装置において、前記携帯端末からセンサ情報を取得する第4取得部と、前記第4取得部が取得した前記センサ情報に基づいて前記携帯端末の前記所持者の移動速度を取得し、取得した前記移動速度に基づいて前記所持者が車両での移動か、二輪車又は歩行での移動かを判定し、二輪車又は歩行での移動と判定した場合に、AIを用いて前記センサ情報を基に二輪車での移動か歩行での移動かを判定する処理部とをさらに備え、前記第3取得部は、前記処理部が特定した前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報を取得する。
(7)本発明の一態様は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記通知部は、前記車両に乗車している者に警告する場合に、前記携帯端末の前記所持者が歩行中か二輪車搭乗中かで警告方法を変更する。
(8)本発明の一態様は、上記(7)に記載の情報処理装置において、前記通知部は、前記携帯端末の前記所持者が歩行中の場合と二輪車搭乗中の場合とで警告タイミングを変える。
(9)本発明の一態様は、上記(1)から上記(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記記憶部に記憶されている前記道路情報から所定の交差点を抽出する抽出部をさらに備え、前記判定部は、前記抽出部が抽出した所定の前記交差点での前記携帯端末の所持者と前記車両との衝突可能性を判定する。
(10)本発明の一態様は、上記(9)に記載の情報処理装置において、前記抽出部は、人流データを取得し、取得した人流データに基づき、人流が人流閾値以上の交差点を抽出し、前記判定部は、前記抽出部が抽出した前記交差点での前記携帯端末の所持者と前記車両との衝突可能性を判定する。
(11)本発明の一態様は、上記(9)に記載の情報処理装置において、前記抽出部は、事故発生データを取得し、取得した事故発生データに基づいて、所定の期間の事故発生数が事故発生数閾値以上の交差点を抽出し、前記判定部は、前記抽出部が抽出した前記交差点での前記携帯端末の所持者と前記車両との衝突可能性を判定する。
(12)本発明の一態様は、上記(9)に記載の情報処理装置において、前記抽出部は、車速が所定速度以内に制限されたエリア内の交差点を抽出し、前記判定部は、前記抽出部が抽出した前記エリア内の前記交差点での前記携帯端末の所持者と前記車両との衝突可能性を判定する。
【0006】
(13)本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、携帯端末の位置情報を取得するステップと、車両の位置情報を取得するステップと、前記携帯端末の所持者の移動手段情報を取得するステップと、記憶部に記憶された道路情報に含まれる少なくとも一つの交差点の位置と前記携帯端末の前記位置情報とに基づく前記携帯端末と前記交差点との間の第1距離と、前記交差点の位置と前記車両の前記位置情報とに基づく前記車両と前記交差点との間の第2距離と、前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報とに基づいて、前記交差点での前記携帯端末の前記所持者と前記車両との衝突可能性を判定するステップと、判定するステップでの判定結果に基づいて、前記携帯端末と前記車両に乗車している者との少なくとも一方に警告するステップとを有し、前記判定するステップでは、前記第1距離が第1閾値以内で、かつ、前記第2距離が第2閾値以内である場合に、前記携帯端末の前記所持者と前記車両とが衝突する可能性があると判定し、前記第1閾値は、前記携帯端末の前記所持者の移動手段によって変更される、情報処理方法である。
【0007】
(14)本発明の一態様は、コンピュータに、携帯端末の位置情報を取得するステップと、車両の位置情報を取得するステップと、前記携帯端末の所持者の移動手段情報を取得するステップと、記憶部に記憶された道路情報に含まれる少なくとも一つの交差点の位置と前記携帯端末の前記位置情報とに基づく前記携帯端末と前記交差点との間の第1距離と、前記交差点の位置と前記車両の前記位置情報とに基づく前記車両と前記交差点との間の第2距離と、前記携帯端末の前記所持者の前記移動手段情報とに基づいて、前記交差点での前記携帯端末の前記所持者と前記車両との衝突可能性を判定するステップと、判定するステップでの判定結果に基づいて、前記携帯端末と前記車両に乗車している者との少なくとも一方に警告するステップとを実行させ、前記判定するステップでは、前記第1距離が第1閾値以内で、かつ、前記第2距離が第2閾値以内である場合に、前記携帯端末の前記所持者と前記車両とが衝突する可能性があると判定させ、前記第1閾値は、前記携帯端末の前記所持者の移動手段によって変更される、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯端末の所持者の移動手段に応じて衝突の可能性に基づいて警告できる情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態の情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態の情報処理システムの詳細を示す図である。
【
図3】本実施形態の情報処理装置の処理の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態の情報処理装置の動作の一例を示す図である。
【
図7】実施形態の変形例1に係る情報処理装置の一例を示すブロック図である。
【
図8】実施形態の変形例1の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【
図9】実施形態の変形例1の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【
図10】実施形態の変形例2に係る情報処理装置の一例を示すブロック図である。
【
図11】実施形態の変形例2の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【
図12】実施形態の変形例2の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本実施形態の情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0011】
(第1の実施形態)
(情報処理システム)
図1は、本発明の実施形態の情報処理システムの構成例を示す図である。
図1において、情報処理システム1は、情報処理装置100を備える。
図1には、情報処理装置100に加え、携帯端末200と、車両VEに搭載される車載機300とが示されている。
情報処理装置100と携帯端末200と車載機300とは、ネットワークNWに接続される基地局BSを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0012】
情報処理システム1の処理の概要について説明する。携帯端末200は、測位を行い、測位結果(以下「端末位置情報」という)と携帯端末の識別情報(以下「端末識別情報」という)とを含む端末位置情報通知を作成し、作成した端末位置情報通知を、情報処理装置100へ送信する。
携帯端末200は、センサ情報に基づいて携帯端末200の所持者の移動手段を特定し、特定した携帯端末200の所持者の移動手段情報と端末識別情報とを含む移動手段通知を作成し、作成した移動手段通知を、情報処理装置100へ送信する。
車載機300は、測位を行い、測位結果(以下「車両位置情報」という)と車載機の識別情報(以下「車載機識別情報」という)とを含む車両位置情報通知を作成し、作成した車両位置情報通知を、情報処理装置100へ送信する。
情報処理装置100は、携帯端末200が送信した端末位置情報通知と移動手段通知とを受信し、車載機300が送信した車両位置情報通知を受信する。情報処理装置100は、受信した端末位置情報通知に含まれる端末位置情報と端末識別情報とを取得し、受信した移動手段通知に含まれる移動手段情報と端末識別情報とを取得し、車両位置情報通知に含まれる車両位置情報と車載機識別情報とを取得する。
情報処理装置100は、記憶部に記憶された道路情報に含まれる少なくとも一つの交差点の位置と、取得した端末位置情報と、車両位置情報と、携帯端末200の所持者の移動手段情報とに基づいて、交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。情報処理装置100は、衝突可能性の判定結果に基づいて携帯端末200と車両VEのドライバなどの車両VEに乗車している者との少なくとも一方に警告する。
【0013】
以下、情報処理システム1に含まれる情報処理装置100と、携帯端末200と、車載機300との各々について、順次説明する。
図2は、本実施形態の情報処理システムの詳細を示す図である。
(情報処理装置100)
情報処理装置100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理装置100は、例えば通信部102と取得部105と判定部107と通知部109と記憶部110とを備える。
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。また、通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。通信部102は、携帯端末200が送信した端末位置情報通知を受信する。通信部102は、車載機300が送信した車両位置情報通知を受信する。通信部102は、携帯端末200が送信した移動手段通知を受信する。通信部102は、通知部109が出力した警告を送信する。
【0014】
取得部105は、通信部102が受信した端末位置情報通知を取得し、取得した端末位置情報通知に含まれる端末位置情報と端末識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。取得部105は、通信部102が受信した車両位置情報通知を取得し、取得した車両位置情報通知に含まれる車両位置情報と車載機識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。取得部105は、通信部102が受信した移動手段通知を取得し、取得した移動手段通知に含まれる携帯端末200の所持者の移動手段情報と端末識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。
記憶部110は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部110は、道路情報と通知先リストとを記憶する。道路情報には、一又は複数の交差点のそれぞれの位置を特定する情報と危険性の程度を示す情報とが含まれる。通知先リストは、端末識別情報とその端末識別情報に該当する携帯端末への通知先とを関連付けた端末通知先情報と、車載機識別情報とその車載機識別情報に該当する車載機への通知先とを関連付けた車載機通知先情報とを含む。通知先の一例は、電話番号などの加入者識別情報である。
【0015】
判定部107は、取得部105が取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と、記憶部110に記憶されている道路情報とを取得する。判定部107は、取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と道路情報とに基づいて、道路情報に含まれる交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
図3は、本実施形態の情報処理装置の処理の一例を示す図である。
図3は、一例として、移動手段として自転車が特定された場合について説明する。移動手段として歩行が特定された場合でも同様である。
判定部107は、交差点の位置情報と端末位置情報とに基づいて携帯端末200と交差点INとの間の距離aを計算する。判定部107は、交差点INの位置情報と車両位置情報とに基づいて車両VEと交差点INとの間の距離bを計算する。
【0016】
判定部107は、携帯端末200と交差点INとの間の距離aと、車両VEと交差点INとの間の距離bとに基づいて、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。例えば、判定部107は、携帯端末200と交差点INと間の距離aと車両VEと交差点INとの間の距離bとが所定の条件を満たす場合に携帯端末200の所持者と車両VEとが衝突する可能性があると判定する。
具体的には、判定部107は、携帯端末200と交差点INとの間の距離aが端末交差点間距離閾値以内で、且つ車両VEと交差点INとの間の距離bが車両交差点間距離閾値以内である場合に携帯端末200の所持者と車両VEとが衝突する可能性があると判定する。端末交差点間距離閾値の一例は5mであり、車両交差点間距離閾値の一例は20mである。判定部107は、携帯端末200の所持者と車両VEとが衝突する可能性があると判定した場合に警告すると判定する。なお、端末交差点間距離閾値は、携帯端末200の保持者の移動手段によって変更されてもよい。例えば携帯端末200の保持者の移動手段が歩行である場合には2m、携帯端末200の保持者の移動手段が自転車である場合には5mである。判定部107は、危険性の高い交差点と危険性の高い交差点以外の交差点とで、警告するか否かの判定基準を変更してもよい。
図2に戻り説明を続ける。
【0017】
通知部109は、判定部107による判定結果に基づいて、携帯端末200と車両VEのドライバなどの車両VEに乗車している者との少なくとも一方に警告する。例えば、通知部109は、警告する場合に、端末位置情報を送信した携帯端末200の端末識別情報と車載機位置情報を送信した車載機300の車載機識別情報とを特定する。通知部109は、取得した端末識別情報に関連付けて記憶されている通知先と、車載機識別情報に関連付けて記憶されている通知先とを記憶部110の通知先リストから取得する。通知部109は、取得した通知先に基づいて、携帯端末200と車載機300との少なくとも一方に警告する。
通知部109は、取得した移動手段情報に基づいて、携帯端末200の所持者が歩行中か二輪車搭乗中かで警告方法を変更するようにしてもよい。具体的には、通知部109は、車載機300に通知する場合に、車両VEのドライバなどの車両VEに乗車している者が、携帯端末200の所持者が歩行中か二輪車搭乗中かを認識できる形態で車載機300に通知する。例えば、通知部109は、携帯端末200の所持者が歩行中か二輪車搭乗中かで警告音を変えるようにしてもよい。
【0018】
通知部109は、携帯端末200の所持者が歩行中の場合と二輪車搭乗中の場合とで警告タイミングを変えるようにしてもよい。具体的には、判定部107は、歩行中の場合の第1距離閾値よりも二輪車搭乗中の場合の第1距離閾値を大きな値とする。通知部109は、複数段階で警告するようにしてもよい。具体的には、判定部107は、複数の端末交差点間距離閾値の各々に基づいて携帯端末200と交差点INとの間の距離aを判定し、携帯端末200と交差点INとの間の距離aが複数の端末交差点間距離閾値の各々を満たす場合に警告すると判定する。
また、判定部107は、複数の車両交差点間距離閾値の各々に基づいて車両VEと交差点INとの間の距離bを判定し、車両VEと交差点INとの間の距離bが複数の車両交差点間距離閾値の各々を満たす場合に警告すると判定する。例えば、交差点INとの間の距離aが10m以内で、且つ車両VEと交差点INとの間の距離bが100m以内になったときに最初の警告「交差点に近づいている車(歩行者)があるので注意してください」を行う。その後、交差点INとの間の距離(a)が2m以内で、且つ車両VEと交差点INとの間の距離(b)が10m以内になったときに次の警告「危険です。減速してください」を行う。
通知部109は、道路幅と車速とのいずれか一方又は両方に応じて警告タイミングを変えるようにしてもよい。例えば、通知部109は、道路幅が狭い場合には広い場合よりも警告する頻度を多くする。例えば、通知部109は、道路幅が狭い場合には広い場合よりも早めに(交差点からの距離がより遠いときに)警告する。例えば、通知部109は、車速が高い場合には低い場合よりも警告する頻度を多くする。通知部109は、危険性の高い交差点と危険性の高い交差点以外の交差点とで、警告タイミングと警告内容とのいずれか一方又は両方を変更してもよい。具体的には、通知部109は、危険性の高い交差点での警告を、危険性の高い交差点以外の交差点での警告より、交差点から遠い距離で行う。
通知部109は、危険性の高い交差点での警告に、危険性の高い交差点であることを含める。例えば、通知部109は、警告「危険性が高い交差点に近づいている車(歩行者)があるので注意してください。」を行う。通知部109は、警告を、通信部102へ出力する。
【0019】
取得部105、判定部107、及び通知部109は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0020】
(携帯端末200)
携帯端末200は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。携帯端末200は、例えば通信部202と処理部203と作成部204と測位部206とセンサ部208と出力部209と記憶部210とを備える。
通信部202は、通信モジュールによって実現される。通信部202は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部202は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部202は、作成部204が出力した端末位置情報通知を、情報処理装置100へ送信する。通信部202は、作成部204が出力した移動手段通知を、情報処理装置100へ送信する。通信部202は、情報処理装置100が送信した警告を受信する。
【0021】
センサ部208は、速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサなどの携帯端末200の所持者の移動速度を計測できるセンサを含んで構成される。センサ部208は、センシングすることによってセンサ情報を取得する。
処理部203は、センサ部208からセンサ情報を取得する。処理部203は、取得したセンサ情報に基づいて携帯端末200の所持者の移動手段を特定する。具体的には、処理部203は、携帯端末200のセンサ情報による判定を行う。
【0022】
処理部203は、AI203aを備える。AI203aは、携帯端末200によって取得されたセンサ情報と携帯端末200の所持者の移動手段との関係を機械学習した結果(学習済モデル)を含んで構成される。ここで、携帯端末200の所持者の移動手段には、歩行中と二輪車(自転車)搭乗中とが含まれる。AI203aは、処理部203が取得したセンサ情報に基づいて、携帯端末200の所持者の移動手段を特定する。
図2に戻り説明を続ける。
作成部204は、処理部203から携帯端末200の所持者の移動手段情報を取得し、取得した移動手段情報と端末識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とする移動手段通知を作成する。作成部204は、作成した移動手段通知を通信部202へ出力する。
【0023】
測位部206は、複数の航法衛星(図示なし)によって無線送信される航法信号を受信し、航法信号に基づいて携帯端末200の測位を行うことによって携帯端末200の位置情報を取得する。また、測位部206は、基地局(図示なし)によって送信される下りリンクの無線信号を受信し、該下りリンクの無線信号に付帯される位置情報を取得する。また、測位部206は、一又は複数のセンサを搭載し、一又は複数のセンサによって取得される情報に基づいて、携帯端末200の測位を行うことによって位置情報を取得する。
作成部204は、測位部206から端末位置情報を取得し、取得した端末位置情報と端末識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とする端末位置情報通知を作成する。作成部204は、作成した端末位置情報通知を、通信部202へ出力する。
出力部209は、通信部202から警告を取得し、取得した警告を出力する。出力部209は音で警告を出力してもよいし、表示部(図示なし)に表示してもよい。
処理部203、作成部204、及び出力部209は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部210に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0024】
(車載機300)
車載機300は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。車載機300は、例えば通信部302と作成部304と測位部306と出力部309と記憶部310とを備える。
通信部302は、通信モジュールによって実現される。通信部302は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部302は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部302は、作成部304が出力した車両位置情報通知を、情報処理装置100へ送信する。通信部302は、情報処理装置100が送信した警告を受信する。
測位部306は、複数の航法衛星(図示なし)によって無線送信される航法信号を受信し、該航法信号に基づいて車載機300の測位を行うことによって車両VEの位置情報を取得する。また、測位部306は、基地局(図示なし)によって送信される下りリンクの無線信号を受信し、該下りリンクの無線信号に付帯される位置情報を取得する。また、測位部306は、一又は複数のセンサを搭載し、該一又は複数のセンサによって取得される情報に基づいて車載機300の測位を行うことによって車両VEの位置情報を取得する。
作成部304は、測位部306から車両位置情報を取得し、取得した車両位置情報と車載機識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とする車両位置情報通知を作成する。作成部304は、作成した車両位置情報通知を、通信部302へ出力する。
出力部309は、通信部302から警告を取得し、取得した警告を出力する。出力部309は音で警告を出力してもよいし、表示部(図示なし)に表示してもよい。
作成部304、及び出力部309は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部310に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0025】
(情報処理システム1の動作)
図4は、本実施形態の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
(ステップS1-1) 携帯端末200において、測位部206は、測位することによって携帯端末200の位置情報を取得する。
(ステップS2-1) 携帯端末200において、作成部204は、測位部206から端末位置情報を取得し、取得した端末位置情報と端末識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とする端末位置情報通知を作成する。
(ステップS3-1) 携帯端末200において、作成部204は、作成した端末位置情報通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、作成部204が出力した端末位置情報通知を情報処理装置100へ送信する。情報処理装置100において、通信部102は、携帯端末200が送信した端末位置情報通知を受信する。
【0026】
(ステップS4-1) 車載機300において、測位部306は、測位することによって車載機300の位置情報を取得する。
(ステップS5-1) 車載機300において、作成部304は、測位部306から車両位置情報を取得し、取得した車両位置情報と車載機識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とする車両位置情報通知を作成する。
(ステップS6-1) 車載機300において、作成部304は、作成した車両位置情報通知を、通信部302へ出力する。通信部302は、作成部304が出力した車両位置情報通知を情報処理装置100へ送信する。情報処理装置100において、通信部102は、車載機300が送信した車両位置情報通知を受信する。
【0027】
(ステップS7-1) 携帯端末200において、処理部203は、センサ部208からセンサ情報を取得する。処理部203は、取得したセンサ情報に基づいて携帯端末200の所持者の移動手段を特定する。
(ステップS8-1) 携帯端末200において、作成部204は、処理部203から携帯端末200の所持者の移動手段情報を取得し、取得した移動手段情報と端末識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とする移動手段通知を作成する。
(ステップS9-1) 携帯端末200において、作成部204は、作成した移動手段通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、作成部204が出力した移動手段通知を、情報処理装置100へ送信する。情報処理装置100において、通信部102は、携帯端末200が送信した移動手段通知を受信する。
(ステップS10-1) 情報処理装置100において、取得部105は、通信部102が受信した端末位置情報通知を取得し、取得した端末位置情報通知に含まれる端末位置情報と端末識別情報とを取得する。取得部105は、通信部102が受信した車両位置情報通知を取得し、取得した車両位置情報通知に含まれる車両位置情報と車載機識別情報とを取得する。取得部105は、通信部102が受信した移動手段通知を取得し、取得した移動手段通知に含まれる携帯端末200の所持者の移動手段情報と端末識別情報とを取得する。
【0028】
(ステップS11-1) 情報処理装置100において、判定部107は、取得部105が取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と、記憶部110に記憶されている道路情報とを取得する。判定部107は、取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と道路情報とに基づいて、道路情報に含まれる交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
(ステップS12-1) 情報処理装置100において、通知部109は、判定部107による判定結果に基づいて、携帯端末200と車両VEに乗車している者との少なくとも一方に警告する。ここでは、一例として、携帯端末200と車載機300との両方に警告する場合について説明を続ける。通知部109は、端末位置情報を送信した携帯端末200の端末識別情報と車載機位置情報を送信した車載機300の車載機識別情報とを取得する。通知部109は、取得した端末識別情報に関連付けて記憶されている通知先と、車載機識別情報に関連付けて記憶されている通知先とを記憶部110の通知先リストから取得する。通知部109は、取得した通知先に基づいて、携帯端末200と車両VEとに通知する警告を作成する。
(ステップS13-1) 情報処理装置100において、通知部109は、作成した警告を、通信部102へ出力する。通信部102は、通知部109が出力した警告を携帯端末200へ送信する。
(ステップS14-1) 情報処理装置100において、通知部109は、作成した警告を、通信部102へ出力する。通信部102は、通知部109が出力した警告を車載機300へ送信する。その後、ステップS1-1に戻り、所定の周期で、前述と同様の処理が行われる。
【0029】
前述した実施形態では、一例として、道路情報が、情報処理装置100の記憶部110に記憶される場合について説明したがこの例に限られない。例えば、道路情報がクラウドに記憶されてもよい。情報処理装置100は、クラウドから道路情報を取得する。
前述した実施形態では、一例として、情報処理システム1に一台の携帯端末200が含まれ、一台の車載機300が含まれ、一台の情報処理装置100が含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、情報処理システム1に複数の携帯端末200が含まれてもよいし、複数の車載機が含まれてもよいし、複数の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0030】
前述した実施形態では、一例として、情報処理装置100が、車載機300から車両VEの位置情報を取得する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、情報処理装置100は、車両VEのドライバなどの車両VEに乗車している者が所持する携帯端末200からの端末位置情報を車両VEの車両位置情報として処理してもよい。
一例として、携帯端末200-1の所持者と、携帯端末200-2の所持者が乗車している車両VEとが交差点で衝突するかの可能性を判定する場合について説明する。携帯端末200-1と携帯端末200-2とは携帯端末200と同様の構成である。ただし、携帯端末200の処理部203の処理が異なる。処理部203は、センサ部208からセンサ情報を取得する。処理部203は、取得したセンサ情報に基づいて携帯端末200-2の所持者の移動手段を特定する。具体的には、処理部203は、携帯端末200の所持者の移動速度に基づく判定(一次判定)とセンサ情報による判定(二次判定)とを行う。
一次判定では、処理部203は、センサ情報に基づいて携帯端末200の所持者の移動速度を取得する。処理部203は、携帯端末200の所持者の移動速度に基づいて所持者の移動速度が車両VEでの移動に該当するか、自転車又は歩行での移動に該当するかを判定する。処理部203は、所持者の移動速度が移動速度閾値以上である場合には携帯端末200の所持者が車両VEで移動していると判定し、移動速度閾値未満である場合には携帯端末200の所持者が自転車又は歩行で移動していると判定する。移動速度閾値の一例は時速30kmである。
【0031】
図5は、本実施形態の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
図5では、携帯端末200-1の所持者と、携帯端末200-2の所持者が乗車している車両VEとの交差点での衝突可能性を判定する。
ステップS1-1aからS3-1aとステップS8-1aからS9-1aとステップS15-1aからS17-1aは、
図4のステップS1-1からS3-1とステップS8-1からS9-1とステップS12-1からS14-1を適用できるため説明を省略する。
(ステップS4-1a) 携帯端末200-2において、測位部206は、測位することによって携帯端末200-2の位置情報を取得する。
(ステップS5-1a) 携帯端末200-2において、作成部204は、測位部206から端末位置情報を取得し、取得した端末位置情報と端末識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とする端末位置情報通知を作成する。
(ステップS6-1a) 携帯端末200-2において、作成部204は、作成した端末位置情報通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、作成部204が出力した端末位置情報通知を情報処理装置100へ送信する。情報処理装置100において、通信部102は、携帯端末200-2が送信した端末位置情報通知を受信する。
(ステップS10-1a) 携帯端末200-2において、処理部203は、センサ部208からセンサ情報を取得する。処理部203は、取得したセンサ情報に基づいて携帯端末200-2の所持者の移動手段を特定する。取得部105は、処理部103が特定した携帯端末200-2の所持者の移動手段情報を取得する。
(ステップS11-1a) 携帯端末200-2において、作成部204は、取得部105から携帯端末200-2の所持者の移動手段情報を取得し、取得した移動手段情報と端末識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とする移動手段通知を作成する。
(ステップS12-1a) 携帯端末200-2において、作成部204は、作成した移動手段通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、作成部204が出力した移動手段通知を、情報処理装置100へ送信する。情報処理装置100において、通信部102は、携帯端末200-2が送信した移動手段通知を受信する。
(ステップS13-1a) 情報処理装置100において、取得部105は、通信部102が受信した携帯端末200-1からの端末位置情報通知を取得し、取得した端末位置情報通知に含まれる携帯端末200-1の端末位置情報と端末識別情報とを取得する。取得部105は、通信部102が受信した携帯端末200-2からの端末位置情報通知を取得し、取得した端末位置情報通知に含まれる携帯端末200-2の端末位置情報と端末識別情報とを取得する。取得部105は、通信部102が受信した携帯端末200-1からの移動手段通知を取得し、取得した移動手段通知に含まれる携帯端末200-1の所持者の移動手段情報と端末識別情報とを取得する。取得部105は、通信部102が受信した携帯端末200-2からの移動手段通知を取得し、取得した移動手段通知に含まれる携帯端末200-2の所持者の移動手段情報と端末識別情報とを取得する。
(ステップS14-1a) 情報処理装置100において、判定部107は、取得部105が取得した携帯端末200-1からの端末位置情報と移動手段情報と、携帯端末200-2からの端末位置情報と移動手段情報と、記憶部110に記憶されている道路情報とを取得する。判定部107は、取得した携帯端末200-2からの移動手段情報に基づいて、移動手段が車両VEであるか否かを判定する。判定部107は、移動手段が車両VEであると判定した場合、その移動手段情報に該当する端末識別情報に関連付けられる端末位置情報を車両位置情報として処理する。ここでは、携帯端末200-2からの移動手段情報が車両VEを示すため、判定部107は、携帯端末200-2の端末識別情報に関連付けられる端末位置情報を車両位置情報として処理する。判定部107は、取得した携帯端末200-1からの端末位置情報と携帯端末200-2からの携帯位置情報と移動手段情報と道路情報とに基づいて、携帯端末200-2からの携帯位置情報を車両VEの車両位置情報として、道路情報に含まれる交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
【0032】
前述した実施形態において、処理部203のAI203aに含まれる学習済モデルが更新されてもよい。
前述した実施形態において、情報処理装置100の判定部107は、端末位置情報と移動手段情報とに基づいて携帯端末200の所持者の行動を予測するようにしてもよい。
図6は、本実施形態の情報処理装置の動作の一例を示す図である。
図6において、過去データを実線の丸で示し、行動予測で得られるデータを破線の丸で示す。判定部107は、端末位置情報の時系列データから加速度の平均を算出する。判定部107は、今回取得した端末位置情報と前回に取得した端末位置情報と前回からの経過時間とに基づいて移動速度(スカラー値)を算出し、算出した移動速度と加速度の平均とに基づいて速さを予測する。
判定部107は、携帯端末200から角速度を所定の周期で取得し、角速度の時系列データから角速度の平均を算出する。判定部107は、角速度の平均から携帯端末200の移動方向を予測する。判定部107は、速さの予測結果と移動方向の予測結果とをさらに使用して、道路情報に含まれる交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。例えば、判定部107は、過去X秒の行動データから行動予測を行った結果、未来Y秒後に交差点のエリア内(交差点からZメートル)に移動端末の所持者と車両VEとが同時に存在する場合、危険(衝突する)と判定する。
【0033】
本実施形態の情報処理システム1によれば、情報処理装置100は、携帯端末200の位置情報を取得する取得部105としての第1取得部と、車両VEの位置情報を取得する取得部105としての第2取得部と、携帯端末200の所持者の移動手段情報を取得する取得部105としての第3取得部と、記憶部110に記憶された道路情報に含まれる少なくとも一つの交差点の位置と、第1取得部が取得した携帯端末200の位置情報と、第2取得部が取得した車両VEの位置情報と、第3取得部が取得した携帯端末200の所持者の移動手段情報とに基づいて、交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する判定部107と、判定部107による判定結果に基づいて、携帯端末200と車両VEに乗車している者との少なくとも一方に警告する通知部109とを備える。
このように構成することによって、情報処理装置100は、交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性の判定結果に基づいて、携帯端末200と車両VEに乗車している者との少なくとも一方に警告できる。このため、携帯端末200と車載機300との間で直接通信を行うことが難しく、センサで検出することが難しい見通しの悪い交差点などにおいて、携帯端末200の所持者に車両VEの存在の通知と、車両VEに乗車している者に携帯端末200の所持者の存在とのいずれか一方又は両方を行うことができる。
【0034】
情報処理装置100において、移動手段情報は、所持者が所持する携帯端末が特定した移動手段を示す情報である。このように構成することによって、情報処理装置100は、所持者が所持する携帯端末が特定した移動手段を示す情報に基づいて、交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定できる。
情報処理装置100において、通知部109は、車両VEに乗車している者に警告する場合に、携帯端末200の所持者が歩行中か二輪車搭乗中かで警告方法を変更する。携帯端末200の所持者は、衝突可能性を判定してから歩行中よりも二輪車搭乗中の場合に先に交差点に到着すると想定される。このように構成することによって、衝突可能性を判定してから交差点に到着する時間が異なる携帯端末200の所持者に対して、携帯端末200の所持者が歩行中か二輪車搭乗中かで警告方法を変更できる。
情報処理装置100において、通知部109は、携帯端末200の所持者が歩行中の場合と二輪車搭乗中の場合とで警告タイミングを変える。携帯端末200の所持者は、衝突可能性を判定してから歩行中よりも二輪車搭乗中の場合に交差点に速く近づくと想定される。このように構成することによって、衝突可能性を判定してから交差点に近づく速度が異なる携帯端末200の所持者に対して、携帯端末200の所持者が歩行中か二輪車搭乗中かで警告タイミング方法を変更できる。
【0035】
(実施形態の変形例1)
実施形態の変形例1の情報処理システム1aは、
図1を適用できる。ただし、情報処理装置100の代わりに情報処理装置100aを備える点で異なる。前述した実施形態では、携帯端末200において、携帯端末200の所持者の移動手段が特定される場合について説明した。実施形態の変形例1では、情報処理装置100aにおいて、携帯端末200の所持者の移動手段が特定される場合について説明する。
図7は、実施形態の変形例1に係る情報処理装置の一例を示すブロック図である。
情報処理装置100aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理装置100aは、例えば通信部102と処理部103と取得部105と判定部107と通知部109と記憶部110とを備える。
通信部102は、携帯端末200が送信した端末位置情報通知を受信する。通信部102は、車載機300が送信した車両位置情報通知を受信する。通信部102は、携帯端末200が送信したセンサ情報通知を受信する。通信部102は、通知部109が出力した警告を送信する。
【0036】
取得部105は、通信部102が受信した端末位置情報通知を取得し、取得した端末位置情報通知に含まれる端末位置情報と端末識別情報とを取得する。取得部105は、通信部102が受信した車両位置情報通知を取得し、取得した車両位置情報通知に含まれる車両位置情報と車載機識別情報とを取得する。取得部105は、通信部102が受信したセンサ情報通知を取得し、取得したセンサ情報通知に含まれるセンサ情報と端末識別情報とを取得する。
処理部103は、取得部105からセンサ情報を取得する。処理部103は、取得したセンサ情報に基づいて携帯端末200の所持者の移動手段を特定する。具体的には、処理部103は、携帯端末200のセンサ情報による判定を行う。
【0037】
処理部103は、AI103aを備える。AI103aは、携帯端末200によって取得されたセンサ情報と携帯端末200の所持者の移動手段との関係を機械学習した結果(学習済モデル)を含んで構成される。ここで、携帯端末200の所持者の移動手段には、歩行中と二輪車(自転車)搭乗中とが含まれる。AI103aは、処理部103が取得したセンサ情報に基づいて、携帯端末200の所持者の移動手段を特定する。取得部105は、処理部103が特定した移動手段情報を取得する。
判定部107は、取得部105が取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と、記憶部110に記憶されている道路情報とを取得する。判定部107は、取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と道路情報とに基づいて、道路情報に含まれる交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
処理部103は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA 、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0038】
(情報処理システム1aの動作)
図8は、実施形態の変形例1の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
ステップS1-2からステップS6-2、ステップS12-2からステップS14-2は、
図4のステップS1-1からステップS6-1、ステップS12-1からステップS14-1と同様であるため、説明を省略する。
(ステップS7-2) 携帯端末200において、作成部204は、センサ部208からセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報と端末識別情報とを含む、情報処理装置100を宛先とするセンサ情報通知を作成する。
(ステップS8-2) 携帯端末200において、作成部204は、作成したセンサ情報通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、作成部204が出力したセンサ情報通知を情報処理装置100aへ送信する。情報処理装置100aにおいて、通信部102は、携帯端末200が送信したセンサ情報通知を受信する。
(ステップS9-2) 情報処理装置100aにおいて、取得部105は、通信部102が受信した端末位置情報通知を取得し、取得した端末位置情報通知に含まれる端末位置情報と端末識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。取得部105は、通信部102が受信した車両位置情報通知を取得し、取得した車両位置情報通知に含まれる車両位置情報と車載機識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。取得部105は、通信部102が受信したセンサ情報通知を取得し、取得したセンサ情報通知に含まれるセンサ情報と端末識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。
(ステップS10-2) 情報処理装置100aにおいて、処理部103は、取得部105からセンサ情報を取得する。処理部103は、取得したセンサ情報に基づいて携帯端末200の所持者の移動手段を特定する。取得部105は、処理部103が特定した移動手段情報を取得する。
(ステップS11-2) 情報処理装置100aにおいて、判定部107は、取得部105が取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と、記憶部110に記憶されている道路情報とを取得する。判定部107は、取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と道路情報とに基づいて、道路情報に含まれる交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
【0039】
前述した実施形態の変形例1では、一例として、情報処理装置100aが、車載機300から車両VEの位置情報を取得する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、情報処理装置100aは、車両VEに乗車している者が所持する携帯端末200からセンサ情報を取得して、取得したセンサ情報に基づいて車両VEの位置情報を取得してもよい。
図9は、実施形態の変形例1の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
図9では、交差点での携帯端末200-1の所持者と、携帯端末200-2の所持者が乗車している車両VEとの衝突可能性を判定する。
ステップS1-2aからS8-2aとステップS14-2aからS16-2aは、
図4のステップS1-1からS3-1と
図5のステップS4-1aからS6-1aと
図8のステップS7-2からS8-2と
図4のステップ12-1からS14-1を適用できるため、説明を省略する。
(ステップS9-2a) 携帯端末200-2において、作成部204は、センサ部208からセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報と端末識別情報とを含む、情報処理装置100aを宛先とするセンサ情報通知を作成する。
(ステップS10-2a) 携帯端末200-2において、作成部204は、作成したセンサ情報通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、作成部204が出力したセンサ情報通知を情報処理装置100aへ送信する。情報処理装置100aにおいて、通信部102は、携帯端末200-2が送信したセンサ情報通知を受信する。
(ステップS11-2a) 情報処理装置100aにおいて、取得部105は、通信部102が受信した携帯端末200-1からの端末位置情報通知を取得し、取得した端末位置情報通知に含まれる端末位置情報と端末識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。取得部105は、通信部102が受信した携帯端末200-2からの端末位置情報通知を取得し、取得した端末位置情報通知に含まれる端末位置情報と端末識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。取得部105は、通信部102が受信した携帯端末200-1からのセンサ情報通知を取得し、取得したセンサ情報通知に含まれるセンサ情報と端末識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。取得部105は、通信部102が受信した携帯端末200-2からのセンサ情報通知を取得し、取得したセンサ情報通知に含まれるセンサ情報と端末識別情報とを取得し、記憶部110に取得時刻と関連付けて記憶させる。
【0040】
(ステップS12-2a) 情報処理装置100aにおいて、処理部103は、取得部105から携帯端末200-1からのセンサ情報を取得する。処理部103は、取得したセンサ情報に基づいて、携帯端末200-1の所持者の移動速度に基づく判定とセンサ情報による判定とを行うことによって携帯端末200-1の所持者の移動手段を特定する。処理部103は、取得部105から携帯端末200-2からのセンサ情報を取得する。処理部103は、取得したセンサ情報に基づいて、携帯端末200-2の所持者の移動速度に基づく判定とセンサ情報による判定とを行うことによって携帯端末200-2の所持者の移動手段を特定する。取得部105は、処理部103が特定した携帯端末200-1の所持者の移動手段情報と携帯端末200-2の所持者の移動手段情報とを取得する。
(ステップS13-2a) 情報処理装置100aにおいて、判定部107は、取得部105が取得した携帯端末200-1からの端末位置情報と携帯端末200-2からの端末位置情報と処理部103が特定した携帯端末200-1の所持者の移動手段情報と携帯端末200-2の所持者の移動手段情報と、記憶部110に記憶されている道路情報とを取得する。判定部107は、処理部103が特定した携帯端末200-1の所持者の移動手段に基づいて、移動手段が車両VEであるか否かを判定する。ここでは、判定部107は、携帯端末200-1の所持者の移動手段が車両VEでないため、端末識別情報に関連付けられる端末位置情報を端末位置情報として処理する場合について説明を続ける。判定部107は、処理部103が特定した携帯端末200-2の所持者の移動手段に基づいて、移動手段が車両VEであるか否かを判定する。ここでは、判定部107は、携帯端末200-2の所持者の移動手段が車両VEであるため、端末識別情報に関連付けられる端末位置情報を車両位置情報として処理する場合について説明を続ける。
判定部107は、取得した携帯端末200-1からの端末位置情報と携帯端末200-2からの端末位置情報と移動手段情報と道路情報とに基づいて、携帯端末200-2からの端末位置情報を車両VEの車両位置情報として、道路情報に含まれる交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
【0041】
前述した実施形態において、処理部103のAI103aに含まれる学習済モデルが更新されてもよい。
実施形態の変形例1の情報処理システム1aによれば、情報処理装置100aは、情報処理装置100において、携帯端末200からセンサ情報を取得する取得部105としての第4取得部と、第4取得部が取得したセンサ情報に基づいて携帯端末200の所持者の移動手段情報を取得する処理部103とをさらに備える。第3取得部は、処理部103が取得した携帯端末200の所持者の移動手段情報を取得する。
このように構成することによって、情報処理装置100aは、携帯端末200から取得したセンサ情報に基づいて携帯端末200の所持者の移動手段情報を取得できる。このため、情報処理装置100aは、携帯端末200の位置情報と、車両VEの位置情報と、携帯端末200の所持者の移動手段情報とに基づいて、交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定できる。
情報処理装置100aにおいて、処理部103は、センサ情報を基にAI103aを用いて携帯端末200の所持者が歩行中か二輪車搭乗中かを判定する。このように構成することによって、処理部103は、センサ情報と携帯端末200の所持者の移動手段情報とを関連付けた学習済みモデルを含んで構成されるAI103aへセンサ情報を入力し、入力したセンサ情報に対してAI103aが出力する移動手段情報を取得することによって、携帯端末200の所持者が歩行中か二輪車搭乗中かを判定できる。
【0042】
(実施形態の変形例2)
実施形態の変形例2の情報処理システム1bは、
図1を適用できる。ただし、情報処理装置100の代わりに情報処理装置100bを備える点で異なる。実施形態の変形例2では、情報処理装置100bは、記憶部に記憶された道路情報に含まれる複数の交差点のうち、所定の交差点の位置と、取得した端末位置情報と、車両位置情報と、携帯端末200の所持者の移動手段情報とに基づいて、交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
図10は、実施形態の変形例2に係る情報処理装置の一例を示すブロック図である。情報処理装置100bは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理装置100bは、例えば通信部102と取得部105と抽出部106と判定部107bと通知部109と記憶部110とを備える。
抽出部106は、記憶部110に記憶された道路情報に含まれる複数の交差点のうち、所定の交差点の位置を抽出する。所定の交差点の一例は、危険性の高い交差点、見通しの悪い交差点、ZONE30などの車速が所定速度以内に制限されたエリア内の交差点である。
具体的には、抽出部106は、記憶部110に記憶されている道路情報から見通しの悪い交差点を抽出する。また、抽出部106は、人流データを取得し、取得した人流データに基づいて記憶部110に記憶されている道路情報から危険性の高い交差点を抽出する。具体的には、抽出部106は、人流が人流閾値より高い交差点、事故の発生確率が事故発生確率閾値より高い交差点などを抽出する。また、抽出部106は、事故発生データを取得し、取得した事故発生データに基づいて記憶部110に記憶されている道路情報から危険性の高い交差点を抽出する。具体的には、抽出部106は、所定の期間に発生した事故数が事故数閾値より高い交差点などを抽出する。また、抽出部106は、記憶部110に記憶されている道路情報からZONE30などの車速が所定速度以内に制限されたエリア内の交差点を抽出する。
【0043】
判定部107bは、取得部105が取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と、抽出部106が抽出した所定の交差点の位置とを取得する。判定部107は、取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と所定の交差点の位置とに基づいて、所定の交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。具体的な判定方法は、前述した実施形態と同様である。
通知部109は、判定部107bによる判定結果に基づいて、携帯端末200と車両VEのドライバとの少なくとも一方に警告する。通知部109は、複数段階で警告するようにしてもよい。複数段階の一例は、危険性の高い交差点であること、衝突可能性が低い段階と衝突可能性が中程度の段階と衝突可能性が高い段階である。
抽出部106、及び判定部107bは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0044】
(情報処理システム1bの動作)
図11は、実施形態の変形例2の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
ステップS1-3からステップS10-3、ステップS13-3からステップS15-3は、
図4のステップS1-1からステップS10-1、ステップS12-1からステップS14-1と同様であるため、説明を省略する。
(ステップS11-3) 情報処理装置100bにおいて、抽出部106は、記憶部110に記憶された道路情報に含まれる複数の交差点のうち、所定の交差点の位置を抽出する。
(ステップS12-3) 情報処理装置100bにおいて、判定部107bは、取得部105が取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と、抽出部106が抽出した所定の交差点の位置情報とを取得する。判定部107は、取得した端末位置情報と車両位置情報と移動手段情報と所定の交差点の位置とに基づいて、所定の交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
【0045】
前述した実施形態の変形例2では、一例として、情報処理装置100bが、車載機300から車両VEの位置情報を取得する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、情報処理装置100bは、車両VEに乗車している者が所持する携帯端末200からの端末位置情報を車両VEの車両位置情報として処理してもよい。
図12は、実施形態の変形例2の情報処理システムの動作の一例を示す図である。
図12では、交差点での携帯端末200-1の所持者と、携帯端末200-2の所持者が乗車している車両VEとの衝突可能性を判定する。
ステップS1-3aからS14-3aとステップS16-3aからS18-3aは、
図4のステップS1-1からS3-1と
図5のステップS4-1aからS6-1aと
図4のステップS7-1からS9-1と
図5のステップS10-1aからS13-1aと
図11のステップS14-3と
図4のステップS12-1からS14-1とを適用できるため、説明を省略する。
(ステップS15-3a) 情報処理装置100bにおいて、判定部107bは、取得部105が取得した携帯端末200-1からの端末位置情報と移動手段情報と、携帯端末200-2からの端末位置情報と移動手段情報と、抽出部106が抽出した所定の交差点の位置情報とを取得する。判定部107は、取得した携帯端末200-2からの移動手段情報に基づいて、移動手段が車両VEであるか否かを判定する。ここでは、判定部107は、携帯端末200-2からの移動手段が車両VEであるため端末識別情報に関連付けられる端末位置情報を車両位置情報として処理する場合について説明を続ける。判定部107は、取得した携帯端末200-1からの端末位置情報と携帯端末200-2からの端末位置情報と移動手段情報と所定の交差点の位置とに基づいて、携帯端末200-2からの端末位置情報を車両VEの車両位置情報として所定の交差点で、携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。
【0046】
実施形態の変形例2の情報処理システム1bによれば、情報処理装置100bは、情報処理装置100において記憶部110に記憶されている道路情報から所定の交差点を抽出する抽出部106をさらに備える。判定部107bは、抽出部106が抽出した所定の交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。このように構成することによって、所定の交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定できるため、所定の交差点での衝突の可能性に基づいて警告できる。
情報処理装置100bにおいて、抽出部106は、人流データを取得し、取得した人流データに基づき、人流が人流閾値以上の交差点を抽出する。判定部107bは、抽出部106が抽出した交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。このように構成することによって、危険性の高い交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定できるため、危険性の高い交差点での衝突の可能性に基づいて警告できる。このため、全ての交差点での衝突の可能性に基づいて警告する場合と比較して効率的に通知でき、更に情報処理装置の電力消費を低減することができる。
【0047】
情報処理装置100bにおいて、抽出部106は、事故発生データを取得し、取得した事故発生データに基づいて、所定期間の事故の発生数が事故発生数閾値以上の交差点を抽出する。判定部107bは、抽出部106が抽出した交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。このように構成することによって、危険性の高い交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定できるため、危険性の高い交差点での衝突の可能性に基づいて警告できる。このため、全ての交差点での衝突の可能性に基づいて警告する場合と比較して効率的に通知できる。
情報処理装置100bにおいて、抽出部106は、車速が所定速度以内に制限されたエリア内の交差点を抽出する。判定部107bは、抽出部106が抽出したエリア内の交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定する。このように構成することによって、車速が所定速度以内に制限されたエリア内の交差点での携帯端末200の所持者と車両VEとの衝突可能性を判定できるため、車速が所定速度以内に制限されたエリア内の交差点での衝突の可能性に基づいて警告できる。このため、全ての交差点での衝突の可能性に基づいて警告する場合と比較して効率的に通知でき、更に情報処理装置の電力消費を低減することができる。
本実施形態の情報処理システムと、実施形態の変形例1及び変形例2の情報処理システムによれば、交通の安全性を改善して、すべての人々が、安全で、手頃な価格の、使いやすく持続可能な輸送システムを利用できるようになることが想定されることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「住み続けられるまちづくりを」に貢献することが可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、実施形態の変形例1と変形例2とが組み合わされてもよい。例えば、上記実施形態では、情報処理装置が衝突可能性を判定する例について説明したが、車両(車載機)側にて判定するようにしてもよい。この場合、携帯端末からの端末位置情報通知や移動手段通知を情報処理装置経由又は直接車両側に通知することで実現可能となる。
また、例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0049】
1、1a、1b…情報処理システム、100、100a、100b…情報処理装置、102…通信部、103…処理部、103a…AI、105…取得部、107、107b…判定部、109…通知部、110…記憶部、200…携帯端末、202…通信部、203…処理部、203a…AI、204…作成部、206…測位部、208…センサ部、209…出力部、210…記憶部、300…車載機、302…通信部、304…作成部、306…測位部、309…出力部、310…記憶部