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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】プログラム、方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240612BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240612BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021211389
(22)【出願日】2021-12-24
(65)【公開番号】P2023095470
(43)【公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-11-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.公開の事実:ウェブサイトによる発表 公開日:a.2021年5月24日 b.2021年5月24日 ウェブサイトのアドレス:a.https://support.freee.co.jp/hc/ja/articules/214830063-2-%E9%96%8B%E6%A5%AD%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E6%9B%B8%E9%A1%9E%E3%82%92%E4%BD%9C%E6%88%90%E3%81%99%E3%82%8B-%E4%BD%9C%E6%88%90%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%97- b.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000653.000006428.html 公開者:フリー株式会社 公開された発明の内容:フリー株式会社は、上記アドレスのウェブサイトに情報を掲載することにより、孝橋 麻衣が発明した「プログラム、方法及び情報処理装置」について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】孝橋 麻衣
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-306997(JP,A)
【文献】特開2018-032068(JP,A)
【文献】特開2018-093310(JP,A)
【文献】特開2005-346350(JP,A)
【文献】特開2010-033111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップと、
前記開業届の提出先を選択するための選択肢を前記ユーザに提示し、前記ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付けるステップと、
前記基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢を前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザから、提出する確定申告の種類を選択する操作を受け付けると、当該受け付けた確定申告の種類に応じて、当該確定申告に対応する前記開業届を構成する書類データを生成して前記ユーザに提示するステップと、
前記書類データの承認のための操作を前記ユーザから受け付けるステップと、
前記書類データの承認を受け付けると、前記書類データの提出に必要な手続きの一覧を前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザから、前記書類データの提出を進める旨の入力を受け付けると、電子申請に必要な情報として、電子証明書を含む入力フォーマットを提示し、前記ユーザからの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザから前記電子証明書の認証をする旨の入力を受け付けると、前記入力フォーマットに入力された内容について、認証局による前記電子証明書の認証を行うステップと、
前記書類データを前記選択された提出先に提出する旨の入力を前記ユーザから受け付けると、前記提出先に対し、前記書類データの提出を行うステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記書類データの提出に必要な手続きの一覧を前記ユーザに提示するステップにおいて、前記プログラムは、
前記書類データの電子申請に必要な手続きの一覧と、現在行っている手続のステータス情報とを共に表示させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記電子申請に必要な情報の入力フォーマットを提示し、前記ユーザからの入力を受け付けるステップにおいて、前記プログラムは、
前記電子申請に必要な情報として、利用者識別番号およびマイナンバーカードの情報であることを提示する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ユーザから前記開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップにおいて、前記プログラムは、
必要な情報の一覧を選択肢の態様で前記ユーザに表示し、前記ユーザから前記一覧に対する選択を受け付けると、当該選択に応じた前記基本情報の入力フォームを提示し、当該入力フォームに対する前記ユーザからの入力を受け付ける、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザから前記開業届の作成に必要な前記基本情報を受け付けるステップにおいて、前記プログラムは、
連携する外部のサービスが提供するプログラムに登録されている、前記開業届の作成に必要な情報から、前記基本情報を取得する、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記ユーザに対し、前記開業届以外の、開業に必要な手続きに関する選択肢を提示し、前記ユーザからの前記選択肢に対する選択を受け付けるステップと、
前記基本情報を、前記選択を受け付けた手続きの入力情報として連携するステップを実行させる、請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記開業届以外の、開業に必要な手続きは、銀行口座開設、クレジットカード作成からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記確定申告の種類を選択するための選択肢を前記ユーザに提示するステップにおいて、前記プログラムは、
確定申告の種類ごとに控除額のシミュレーション演算を行い、当該シミュレーション演算の結果に基づいて前記選択肢を前記ユーザに提示する、請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップと、
前記開業届の提出先を選択するための選択肢を前記ユーザに提示し、前記ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付けるステップと、
前記基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢を前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザから、提出する確定申告の種類を選択する操作を受け付けると、当該受け付けた確定申告の種類に応じて、当該確定申告に対応する前記開業届を構成する書類データを生成して前記ユーザに提示するステップと、
前記書類データの承認のための操作を前記ユーザから受け付けるステップと、
前記書類データの承認を受け付けると、前記書類データの提出に必要な手続きの一覧を前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザから、前記書類データの提出を進める旨の入力を受け付けると、電子申請に必要な情報として、電子証明書を含む入力フォーマットを提示し、前記ユーザからの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザから前記電子証明書の認証をする旨の入力を受け付けると、前記入力フォーマットに入力された内容について、認証局による前記電子証明書の認証を行うステップと、
前記書類データを前記選択された提出先に提出する旨の入力を前記ユーザから受け付けると、前記提出先に対し、前記書類データの提出を行うステップと、を実行する、方法。
【請求項10】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部が、
ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップと、
前記開業届の提出先を選択するための選択肢を前記ユーザに提示し、前記ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付けるステップと、
前記基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢を前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザから、提出する確定申告の種類を選択する操作を受け付けると、当該受け付けた確定申告の種類に応じて、当該確定申告に対応する前記開業届を構成する書類データを生成して前記ユーザに提示するステップと、
前記書類データの承認のための操作を前記ユーザから受け付けるステップと、
前記書類データの承認を受け付けると、前記書類データの提出に必要な手続きの一覧を前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザから、前記書類データの提出を進める旨の入力を受け付けると、電子申請に必要な情報として、電子証明書を含む入力フォーマットを提示し、前記ユーザからの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザから前記電子証明書の認証をする旨の入力を受け付けると、前記入力フォーマットに入力された内容について、認証局による前記電子証明書の認証を行うステップと、
前記書類データを前記選択された提出先に提出する旨の入力を前記ユーザから受け付けると、前記提出先に対し、前記書類データの提出を行うステップと、を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国及び地方公共団体(含む公的各種機関)、さらには銀行等の営利団体(以下「各種機関」と省略することがある)に各種書類を提出するシステムの一つとして、免許証等から読み取った各種情報を、各種機関に提出する他の各種書類(開業届等)作成に利用するシステムが知られている。
【0003】
特許文献1には、ユーザの個人情報が記憶されたユーザIDカードを判別し、ICカード運転免許証等のユーザIDカードから住所、氏名等の個人情報を取得したのち、書類の全体画像および各記入欄のレイアウト情報で示される各記入欄の位置に、対応する個人情報を挿入した合成画像を生成するシステムについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-042668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、ユーザの免許証等から読み取った個人情報を、転出届や開業届等の他の書類を作成するために利用する技術が記載されている。しかし、特許文献1の技術は、ICタグが記載された書類を端末により読み取ることで関連情報を取得しており、ユーザが各種手続きにおいて必要な書類を所持していない、または必要な書類がわからない等の場合に、適切に手続きを行えないおそれがある。
【0006】
そこで、本開示では、より簡易にユーザが公的各種機関に提出するための各種書類を作成することを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップと、開業届の提出先を選択するための選択肢をユーザに提示し、ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付けるステップと、基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、より簡易にユーザが公的各種機関に提出するための各種書類を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の書類作成システム1の全体の構成を示す図である。
図2】実施の形態1の書類作成システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1の書類作成システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4】実施の形態1の書類作成システム1を構成するサーバ20が記憶するユーザ情報データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
図5】実施の形態1の書類作成システム1による開業届作成に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態1の書類作成システム1において開業届を作成する際に、基本情報の入力をユーザから受け付ける際の画面例を示す図である。
図7】実施の形態1の書類作成システム1において開業届を作成する際に、届け出先の選択、および必要な確定申告の種類の選択をユーザから受け付ける際の画面例を示す図である。
図8】実施の形態1の書類作成システム1において開業届を作成する際に、必要な手続きの一覧の表示、および電子証明書の承認方法をユーザから受け付ける際の画面例を示す図である。
図9】実施の形態1の書類作成システム1において開業届を作成する際に、作成した開業を表示し、ユーザから当該開業届の提出をユーザから受け付ける際の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<概要>
以下、本開示に係る書類作成システムについて説明する。この書類作成システムは、開業を希望するユーザに対して、開業届に作成に係る各種情報を提示するサービスを提供するためのシステムである。昨今、端末装置を用いて家業届を作成することが浸透してきているものの、ユーザによっては、何が必要な書類であるのかがわからず、また、一部書面による提出が必要等の理由もあり、開業に係る一連の作業が煩雑になりがちであった。そのため、簡易に開業届を作成し、提出するシステムの設立が必要とされている。そこで、本開示では、書類作成のためのシステムにおいて、より簡易にユーザが(公的)各種機関に提出するための各種書類を作成する技術を提供する。
【0012】
そこで、本開示に係る書類作成システムにおけるプログラムは、プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップと、開業届の提出先を選択するための選択肢をユーザに提示し、ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付けるステップと、基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示するステップと、を実行させる。
【0013】
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態の書類作成システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0014】
<1 書類作成システム1の全体構成>
図1は、第1の実施の形態の書類作成システム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、書類作成システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0015】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して書類作成システム1の機能である開業届等の作成のための一連の情報の入力等を行う者であり、例えば法人(企業)の経営者等をいう。端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であっても、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等であってもよい。
【0016】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0017】
通信IF12は、端末装置10がサーバ20などの外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0018】
サーバ20は、開業届等の書類作成に係る一連の処理を管理する装置である。サーバ20は、記憶部にユーザの情報、作成する書類の種類により必要な情報等を登録させており、記憶部に登録されている各種情報から、書類作成に必要各種情報を取得する。サーバ20は、取得した情報に基づいて、書類作成に係る一連の処理を行う。
【0019】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0020】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための図示しない入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための図示しない出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0021】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、第1の実施の形態の書類作成システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス1301及びディスプレイ1302を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、カード読取部150(ICカードリーダ・ライタを含む)と、記憶部170と、制御部180とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0022】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0023】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0024】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0025】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス1301と、ディスプレイ1302とを含む。タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス1301は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部180へ出力する。
【0026】
ディスプレイ1302は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0027】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0028】
カード読取部150は、ユーザの所有する非接触ICカードであるマイナンバーカード等に格納されているデータ、例えば電子証明書データの読取りを行う。カード読取部150は、いわゆる非接触ICカードリーダ・ライタであり、好ましくは、端末装置10に内蔵されている非接触ICカードリーダ・ライタチップである。カード読取部150が読取りを行う方法は限定されず、例えば、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)規格に基づく、電磁誘導方式を用いた読取方法等の一般的なカードリーダ・ライタ等と同じ方法で読み取ってもよいし、端末装置10に備えられているカメラ(図示せず)によりICカード等の画像を読み取ってもよい。日本において市販されているスマートフォン等には、NFC規格(ISO/IEC 18092)に準拠したデータ読取が可能なチップが内蔵されていることが多い。このチップは、非接触ICカードとしてFeliCa(登録商標)のみならず、ISO/IEC 14443に準拠した非接触ICカードに格納されたデータを読み取ることができる。マイナンバーカードはISO/IEC 14443 TypeBに準拠した非接触ICカードであるので、上述したNFC規格に準拠した読取動作が可能なチップであれば、マイナンバーカードに格納されたデータの読取が可能である。端末装置10は、読み取ったマイナンバーカード等のデータを後述するデータ処理部1803により処理する。
【0029】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15、記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、ユーザ情報1701を記憶する。
【0030】
ユーザ情報1701は、端末装置10を使用して書類作成システム1の機能である開業届等の書類作成に必要な情報の入力等を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの名称に関する情報等が含まれる。
【0031】
制御部180は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされている(記憶部170に格納されている)アプリケーションであるプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部1801と、送受信部1802と、データ処理部1803と、報知制御部1804としての機能を発揮する。
【0032】
入力操作受付部1801は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部1801は、タッチ・センシティブ・デバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0033】
送受信部1802は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0034】
データ処理部1803は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0035】
報知制御部1804は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。報知制御部1804は、表示画像をディスプレイ1302に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0036】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、第1の実施の形態の書類作成システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0037】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0038】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26により構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース2021、書類情報データベース2022等を記憶する。
【0039】
ユーザ情報データベース2021は、書類作成システム1において、開業届等の作成に必要な情報等の入力を行うユーザに関する各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0040】
書類情報データベース2022は、書類作成システム1において、開業届の提出先である各種機関ごとに必要な確定申告の種類、また、開業届の作成に必要な他の各種書類に関する各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0041】
制御部203は、例えばプロセッサ29により構成され、このプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、ユーザ情報取得モジュール2033、提出先候補提示モジュール2034、確定申告候補提示モジュール2035に示す機能を発揮する。
【0042】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0043】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0044】
ユーザ情報取得モジュール2033は、書類作成システム1を使用するユーザから、ユーザに関する各種情報であるユーザ情報1701等の情報を取得する処理を制御する。ユーザに関する各種情報とは、ユーザが書類作成システム1を使用する際に必要な情報であり、例えば、ユーザのID、氏名等の情報を含む。ユーザ情報取得モジュール2033は、取得したユーザに関する情報を、ユーザ情報データベース2021へ格納する。
【0045】
提出先候補提示モジュール2034は、書類作成システム1を使用するユーザの端末装置10に対し、開業届の提出先の候補の情報を送信する処理を制御する。具体的には、提出先候補提示モジュール2034は、ユーザ情報取得モジュール2033がユーザから開業届の作成に必要な各種情報を受け付けると、作成した開業届の提出先の候補の情報を、ユーザの端末装置10に送信する。
【0046】
確定申告候補提示モジュール2035は、提出先候補提示モジュール2034によりユーザに送信された開業届の提出先候補に対し、ユーザからの選択を受け付けると、手続きに必要な確定申告の種類の候補の情報をユーザの端末装置10に送信する処理を制御する。
ここで、手続きに必要な確定申告の種類は、例えば、下記である。
・青色申告55万円控除
・青色申告10万円控除
・白色申告
ある局面において、確定申告候補提示モジュール2035は、ユーザから受け付けた各種基本情報に基づいて、ユーザに適した確定申告の種類を提示してもよい。例えば、確定申告候補提示モジュール2035は、ユーザから受け付けた基本情報のうち、所得の種類が山林所得のみであった場合には、「青色申告10万円控除」である確定申告を優先的に提示してもよい。このとき、確定申告候補提示モジュール2035は、優先的に提示する確定申告の種類に対し「おすすめ」等の情報をともに表示してもよい。
これにより、ユーザは、自身の情報に基づいて、適切な確定申告の種類を選択することができる。
【0047】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するユーザ情報データベース2021、書類情報データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【0048】
図4に示すように、ユーザ情報データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「氏名」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「仕事概要」と、項目「開業予定場所」と、項目「確定申告種別」と、項目「利用者識別番号」と、項目「マイナンバー」、項目「備考」等を含む。
【0049】
項目「ユーザID」は、書類作成システム1にて管理するユーザそれぞれを識別する情報である。
【0050】
項目「氏名」は、書類作成システム1にて管理するユーザの氏名を示す情報である。
【0051】
項目「年齢」は、書類作成システム1にて管理するユーザの年齢を示す情報である。
【0052】
項目「性別」は、書類作成システム1にて管理するユーザの性別を示す情報である。
【0053】
項目「仕事概要」は、書類作成システム1にて管理するユーザの仕事概要を示す情報である。
【0054】
項目「開業予定場所」は、書類作成システム1にて管理するユーザが開業を予定している場所を示す情報である。
ここで、開業予定場所の情報は限定されず、例えば、下記が開業予定場所として挙げられる。
・自宅で開業する
・店を開いてそこで開業する
・事務所を開いてそこで開業する
ある局面において、ユーザがまだ開業予定場所を決めかねている場合のために、「その他/決まっていない」の選択肢を設けていてもよい。
【0055】
項目「確定申告種別」は、書類作成システム1にて管理する、開業届の作成に必要な確定申告の種別に関する情報を示す。当該情報は、具体的には、例えば、ユーザから取得した各種情報に基づいて、最適な確定申告の種類を特定するための情報である。サーバ20の制御部203は、ユーザから各種基本情報を受け付けると、ユーザが申告可能な確定申告の種類(青色申告、白色申告等)をユーザに提示する。
【0056】
項目「利用者識別番号」は、書類作成システム1にて管理する、ユーザの利用者識別番号に関する情報を示す。利用者識別番号は、開業を希望するユーザが、確定申告を行う際等に使用される16桁の識別番号であり、具体的には、公的各種機関(例えば、国税庁)が利用者に対して付与する利用者識別番号である。
【0057】
項目「マイナンバー」は、書類作成システム1にて管理する、ユーザのマイナンバーの情報である。サーバ20の制御部203は、ユーザ情報データベース2021に、マイナンバー以外にも、マイナンバーカードに登録されている下記のようなデータを保持していてもよい。
・氏名
・住所
・生年月日
・性別
・顔写真データ
・電子証明書の有効期限
・セキュリティコード
・臓器提供意思表示
・個人番号(マイナンバー)
ここで、マイナンバーとは、平成27年10月以降、日本国内の全住民(住民票を有するもの)に指定・通知されている、個人を識別するための12桁の番号を示す。マイナンバーの通知後、個人の申請により交付される顔写真入りのプラスチック製カードを、マイナンバーカードと呼ぶ。また、政府が中心となり運営する、マイナンバーカードに搭載される公的個人認証サービスの電子証明書によりログインするサービスを、マイナポータルと呼ぶ。
【0058】
項目「備考」は、書類作成システム1にて管理するユーザに関して、特記事項などがある場合に保持される情報である。
【0059】
上記、開業届の作成に必要なユーザ情報について例示したが、これに限られない。他にも、開業届の作成に必要なユーザ情報としては、ユーザの住所、収入(所得)の種類、屋号等の各種情報を含んでいてもよい。
【0060】
本開示において、サーバ20の制御部203は、上述した利用者識別番号、およびマイナンバーの情報を、ユーザからの入力操作を受け付けることで取得してもよいし、下記に例示する方法により取得してもよい。
利用者識別番号:国税電子申告・納税システム(e-Tax)にアクセスする方法。
マイナンバー:マイナンバーカードをカード読取部150によりスキャンする方法。
また、上記に例示した各種情報は、端末装置10のユーザ情報1701に保持されていてもよい。
【0061】
図4に示すように、書類情報データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「書類ID」と、項目「種別」と、項目「提出先」と、項目「備考」等を含む。
【0062】
項目「書類ID」は、書類作成システム1にて管理する各種書類のそれぞれを識別する情報である。
【0063】
項目「種別」は、書類作成システム1にて管理する各種書類の種別を識別する情報である。具体的には、開業を希望するユーザが役所に提出する必要がある各種書類の情報を示す。各種機関に提出する必要がある各種書類は、例えば、開業届であり、制御部203は、書類情報データベース2022において、当該開業届の作成・提出の際に必要となる他の書類(銀行の口座開設書類、クレジットカードの発行書類)等の情報も併せてそのレコードに保持する。
これにより、ユーザは、開業届の作成にあたり、手続きに付随する他の書類をワンストップで作成することができ、簡易に開業届を作成・提出することができる。
【0064】
項目「提出先」は、書類作成システム1にて管理する各種書類の提出先に関する情報である。具体的には、サーバ20の制御部203は、ユーザから開業届の作成に必要な各種情報を受け付けると、当該情報のうち、提出先に関わる情報(例えば、ユーザの住所、ユーザの開業予定場所等)の情報から、ユーザが開業届を提出可能な各種機関の候補を抽出し、ユーザに提示する。
このとき、ユーザに提示される各種機関の候補は、例えば、下記を含む。
・税務署(個人事業主の開業の場合)
・公証役場および法務局(株式会社の開業の場合)
これにより、ユーザは、開業する法人の種別に基づいて、適切な書類の提出先を選択することができる。
【0065】
また、制御部203は、書類情報データベース2022において、開業届以外の、開業に必要な書類に関するレコードを保持していて良い。具体的には、銀行口座の開設のための書類、クレジットカード発行のための書類等を制御部203は保持していてもよい。
さらに、制御部203は、当該開業届以外の必要書類の情報を、開業届の情報と関連付け、ユーザから開業届の作成に必要な情報を受け付けたのち、他に必要な書類の情報として、これらの情報(口座開設書類の作成等)をユーザに提示してもよい。
これにより、ユーザは、開業届の作成だけでなく、付随して必要な書類の作成もワンストップで行うことができる。
【0066】
項目「備考」は、書類作成システム1にて管理する書類情報に関して、特記事項などがある場合に保持される情報である。
【0067】
<3 動作>
以下、図5を参照しながら、第1の実施の形態における書類作成システム1による一連の処理について説明する。
【0068】
図5は、実施の形態1の書類作成システム1による開業届作成に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
ステップS501において、端末装置10の制御部180は、ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付ける。
具体的には、例えば、制御部180は、ディスプレイ1302等に開業届作成のための画面を表示し、ユーザから、開業届の作成に必要な情報の入力操作を受け付けることで、当該操作を受け付ける。
端末装置10の制御部180は、受け付けた情報をサーバ20に送信する。基本情報の送信を受け付けたサーバ20のユーザ情報取得モジュール2033は、ユーザの基本情報をユーザ情報データベース2021に格納する。
ある局面において、制御部180は、連携する外部のサービスが提供するプログラムに登録されている、開業届の作成に必要な情報から、基本情報を取得してもよい、
【0070】
ステップS551において、サーバ20の制御部203は、開業届の提出先候補の情報をユーザの端末装置10に送信する。具体的には、提出先候補提示モジュール2034は、ユーザ情報取得モジュール2033がユーザから開業届の作成に必要な各種情報を受け付けると、作成した開業届の提出先の候補の情報を、ユーザの端末装置10に送信する。例えば、ユーザから受け付けた各種情報のうち、ユーザが開業を希望する住所がA県A市であった場合、提出先候補提示モジュール2034は、当該市区町村において、ユーザが開業届を提出可能な各種機関の情報を抽出し、ユーザに候補として提示する。
ユーザが開業届を提出可能な各種機関は、例えば、下記を含む。
・税務署(個人事業主の場合)
・公証役場および法務局(株式会社の場合)
ユーザ情報取得モジュール2033は、ユーザが開業を予定している法人の種類(個人事業主、株式会社等)に関する情報をユーザから取得していてもよい。提出先候補提示モジュール2034は、ユーザが開業を予定している法人の種類と、開業予定場所の情報とに基づいて、ユーザが開業届を提出可能な各種機関の情報を抽出し、ユーザに提示してもよい。
これにより、ユーザは、簡易に開業届の提出先を選択することができる。
このとき、提出先候補提示モジュール2034は、ユーザ情報データベース2021に保持されているユーザの住所、または開業予定場所の情報に基づいて提示する提出先候補の優先順位を設定してもよい。例えば、提出先候補提示モジュール2034は、ユーザの住所の近隣の各種機関を優先的に提出先候補として提示してもよい。
これにより、ユーザは、直接開業届を提出する場合でも、手間を最小限に抑えることができる。
【0071】
ステップS502において、端末装置10の制御部180は、開業届の提出先を選択するための選択肢をユーザに提示し、ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付ける。具体的には、例えば、制御部180は、端末装置10のディスプレイ1302等に、開業届の提出先の候補を選択肢の態様で表示する。
制御部180は、ユーザから選択肢に対する選択を受け付けると、当該選択された開業届の提出先の情報をサーバ20に送信する。
【0072】
ステップS552において、サーバ20の制御部203は、ユーザ情報データベース2021に格納された当該ユーザの基本情報に基づいて、確定申告の種類の選択肢の情報をユーザの端末装置10に送信する。具体的には、確定申告候補提示モジュール2035は、ユーザ情報取得モジュール2033によりユーザから取得されてユーザ情報データベース2021に格納されたユーザの基本情報に基づいて、手続きに必要な確定申告の候補の情報をユーザの端末装置10に送信する。
例えば、確定申告候補提示モジュール2035は、ユーザから開業届の作成に必要な各種情報を受け付けると、その業種、収入等に基づいて、申告可能な確定申告の種別をユーザに提示する。
ここで、ユーザに提示される確定申告の種類は、例えば、下記である。
・青色申告55万円控除
・青色申告10万円控除
・白色申告
ここで、制御部203は、青色申告における控除額の条件を確認する表示を、選択肢と共にユーザに提示してもよい。
控除額の条件は、下記である。
・青色申告55万円控除
事業所得か事業的規模の不動産所得があるかの確認
複式簿記での記帳であるかの確認
青色申告決算書(貸借対照表と損益計算書)の添付があるかの確認
また、制御部203は、上記に加え、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行うかの確認を行ってもよい。これにより、ユーザは、どのくらい控除を受けられるかを確認して、開業届を提出することができる。
【0073】
ある局面において、端末装置10の制御部180は、確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示する際、確定申告の種類ごとに控除額のシミュレーション演算を行い、当該演算結果に基づいて選択肢をユーザに提示してもよい。
これにより、ユーザは、控除額の予測を確認しながら確定申告を行うことができる。
【0074】
ステップS503において、端末装置10の制御部180は、確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示する。具体的には、例えば、制御部180は、端末装置10のディスプレイ1302等に、ユーザに必要な確定申告の候補を選択肢の態様で表示する。
【0075】
ある局面において、端末装置10の制御部180は、ユーザに対し、開業届以外の、開業に必要な手続きに関する選択肢を提示し、ユーザからの選択肢に対する選択を受け付けてもよい。また、制御部180は、ステップS501において受け付けた基本情報を、選択を受け付けた手続きの入力情報として連携してもよい。このとき、制御部180は、サーバ20の記憶部に保持されている書類情報データベース2022を参照し、開業届に紐づいた、開業に必要な手続き書類の情報を取得する。開業届以外の、開業に必要な手続きは、例えば、銀行口座開設、クレジットカード作成等である。
これにより、ユーザは、開業届に関連する他の手続きも同時に行うことができ、ワンストップで開業届を作成、提出することができる。
【0076】
なお、図5において、開業届の作成に係る処理を、端末装置10とサーバ20とで情報のやり取りをする態様で例示したが、本開示においては限定されない。すなわち、端末装置10の記憶部170に、種々の書類作成のためのデータが保持されており、ユーザからの入力を受け付けると、端末装置10の制御部180が記憶部170から情報を取得することで、一連の処理を行ってもよい。
これにより、ユーザは、端末装置10のみで、開業届の作成に必要な情報の入力、手続きを行うことができ、より簡易に開業届などの書類を作成することができる。
【0077】
<4 画面例>
以下、図6を参照しながら、書類作成システム1の画面例について説明する。
【0078】
図6は、実施の形態1の書類作成システム1において開業届を作成する際に、基本情報の入力をユーザから受け付ける際の画面例を示す図である。
【0079】
図6に示すように、端末装置10のディスプレイ1302には、業務開始日入力画面601と、基本情報入力画面602とが表示されている。
業務開始日入力画面601において、端末装置10の制御部180は、書類作成システムにおいて、ユーザが業務を開始する日付の入力画面を表示する。
ある局面において、制御部180は、ユーザが既に業務・事業等を開始している場合には、後述する基本情報入力画面に、開業届の作成までに得た収支の情報等を入力する画面を表示してもよい。
これにより、ユーザは、業務・事業等が開始前、開始後のいずれであっても、適切に開業届およびそれに係る各種書類を作成することができる。
【0080】
基本情報入力画面602において、端末装置10の制御部180は、ユーザが開業届の作成に必要な各種情報を表示する。具体的には、制御部180は、開業届の作成に必要な各種情報をリスト等の態様で表示し、ユーザから各項目の選択を受け付けると、当該項目の入力画面(図示せず)をユーザに表示する。
このとき、制御部180は、項目の入力画面(図示せず)において、各々の詳細な説明をユーザに表示してもよい。表示形式は限定されず、項目の入力画面にともに表示されても良いし、ポップアップ、別ウィンドウ等の形式で表示されてもよい。
これにより、ユーザは、書類作成に際し入力が必要な各項目について十分な知識を有していなくとも、簡易に情報の入力を行うことができる。
【0081】
図7は、実施の形態1の書類作成システム1において開業届を作成する際に、届け出先の選択、および必要な確定申告の種類の選択をユーザから受け付ける際の画面例を示す図である。
図7に示すように、端末装置10のディスプレイ1302には、提出先選択画面701と、確定申告選択画面702とが表示されている。
提出先選択画面701において、端末装置10の制御部180は、ユーザから受け付けた基本情報に基づき、開業届の提出先の候補を選択肢の態様で表示する。このとき、制御部180は、当該選択肢をリストで表示しても良いし、プルダウンで表示してもよい。
また、ある局面において、制御部180は、ユーザから取得した基本情報に基づいて、表示する選択肢の優先順位を設定し、設定した優先順位に従って選択肢を表示してもよい。例えば、制御部180は、ユーザが業務・事業を開始する地区・地域に近い各種機関(例えば、税務署)を優先度の高い各種機関と設定し、選択肢の上位に表示されるようにしてもよい。他にも、ユーザが電子データによる提出を希望する場合には、当該電子データによるやりとりの実績が多い各種機関を優先的に表示してもよい。
これにより、ユーザは、自身が手続きを行いやすい各種機関を優先的に選択することができる。
本開示において、各種機関は税務署に限られない。ユーザが開業を希望する法人の種別(個人事業主、株式会社等)に応じて、制御部180は、税務署、公証役場、法務局等の各種機関をユーザに提示する。
【0082】
確定申告選択画面702において、端末装置10の制御部180は、ユーザが開業届を提出する際に必要な確定申告の種類を選択肢の態様で表示する。制御部180は、確定申告の選択肢を、リスト、プルダウン等あらゆる態様で表示してもよい。また、制御部180は、確定申告の選択肢を表示するにあたり、優先度を設定してもよい。例えば、入力が必要な情報が少ないものの優先順位を高くし、ユーザに表示してもよい。
これにより、ユーザは、必要最低限の情報で開業届の作成に係る確定申告の書類を作成することができる。
【0083】
図8は、実施の形態1の書類作成システム1において開業届を作成する際に、必要な手続きの一覧の表示、および電子証明書の承認方法をユーザから受け付ける際の画面例を示す図である。
図8に示すように、端末装置10のディスプレイ1302には、手続表示画面801が表示されている。
手続表示画面801において、端末装置10の制御部180は、図6図7において例示された画面にて入力された各種必要な情報の承認をユーザから受け付けると、開業届の提出に必要な手続きの一覧をユーザに提示する。
このとき、制御部180は、必要な手続きの一覧と、現在行っている手続のステータス情報とを共にディスプレイ1302に表示させてもよい。
これにより、ユーザは、残りの手続きとして何が残っているのか、また、現在手続きのどの部分なのかを、視覚的に把握することができる。
【0084】
ある局面において、端末装置10の制御部180は、手続表示画面801において、ユーザから必要な手続きの一覧の選択肢に対する選択を受け付けると、当該選択に応じた基本情報の入力フォーム(図示せず)をユーザに提示してもよい。また、このとき、制御部180は、入力フォームの各項目において、詳細説明を表示してもよい。
これにより、ユーザは、各項目の入力において、迷わずに情報を入力することができる。
【0085】
また、制御部180は、手続表示画面801に示すように、ユーザから、開業届の提出を進める旨の入力を受け付けると、電子申請に必要な情報として、電子証明書を含む入力フォーマットを提示し、ユーザからの入力を受け付ける。
このとき、制御部180は、電子申請に必要な情報として、利用者識別番号およびマイナンバーカードの情報であることを提示してもよい。また、マイナンバーカードの情報を取得する際には、手続表示画面801にマイナンバーカードを模した画面を表示し、ユーザからマイナンバーカードの情報を取得すると、当該画面に表示するようにしても良い。
ここで、利用者識別番号およびマイナンバーの情報の取得方法は、前述の通りであり、限定されない。また、ユーザが利用者識別番号を取得していない場合には、端末装置10の制御部180は、ユーザに対し国税庁のWebサイト(e-Tax)へのURLリンク等を提示し、利用者識別番号の取得を促してもよい。
【0086】
ある局面において、端末装置10の制御部180は、ユーザから電子証明書の認証をする旨の入力を受け付けると、入力フォーマットに入力された内容について、認証局による電子証明書の認証を行う画面(図示せず)をディスプレイ1302に表示してもよい。
具体的には、例えば、制御部180は、開業届に係る書類データの送信に際し、ユーザから取得したマイナンバーカードに含まれる電子証明書の情報を取得し、当該電子証明書を用い、認証局による電子証明書の認証を行う。
このとき、サーバ20の制御部180は、電子証明書の認証において、例えば、下記に含む方法で認証を行ってよい。
・マイナンバーカードを端末装置10のカード読取部150にかざして認証を行う
・連携する外部のWebサイト(Webサービス)経由で認証を行う
また、制御部180は、開業届に係る書類データを選択された提出先に提出する旨の入力をユーザから受け付けると、提出先に対し、書類データの提出を行う処理を制御する。
【0087】
図9は、実施の形態1の書類作成システム1において開業届を作成する際に、作成した開業を表示し、ユーザから当該開業届の提出をユーザから受け付ける際の画面例を示す図である。
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ1302には、開業届表示画面901と、開業届提出画面902とが表示されている。
開業届表示画面901において、端末装置10の制御部180は、ユーザにより入力された各種情報に基づいて作成された、開業届の電子データを表示する。
また、制御部180は、開業届提出画面902において、当該データをユーザから選択を受け付けた開業届等の提出先に提出する旨の指示をユーザから受け付ける。
これにより、ユーザは、各種情報をディスプレイ1302に表示される画面に従い入力するだけで、簡易に開業届を作成し、提出することができる。
【0088】
なお、本開示において、ユーザのマイナンバーカードの情報はユーザ情報1701またはユーザ情報データベース2021に保持されていなくともよい。つまり、ユーザが開業届に係る書類データの送信を行う都度、マイナンバーカードの情報を取得する処理をおこなってもよい。
【0089】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、端末装置10は、ユーザから、開業届の作成に必要な基本情報を受け付ける。次に、端末装置10は、開業届の提出先を選択するための選択肢をユーザに提示し、ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付ける。端末装置10は、基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示する。
これにより、ユーザはより簡易にユーザが役所に提出するための各種書類を作成することが可能となる。
【0090】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0091】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0092】
(付記1)
プロセッサ29を備えるコンピュータ20によって実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップ(S501)と、開業届の提出先を選択するための選択肢をユーザに提示し、ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付けるステップ(S551、S502)と、基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示するステップ(S552、S503)と、を実行させる、プログラム。
【0093】
(付記2)
プログラムは、プロセッサ29に、さらに、ユーザから、提出する確定申告の種類を選択する操作を受け付けると、当該受け付けた確定申告の種類に応じて、当該確定申告に対応する開業届を構成する書類データを生成してユーザに提示するステップと、書類データの承認のための操作をユーザから受け付けるステップと、書類データの承認を受け付けると、書類データの提出に必要な手続きの一覧をユーザに提示するステップと、ユーザから、書類データの提出を進める旨の入力を受け付けると、電子申請に必要な情報として、電子証明書を含む入力フォーマットを提示し、ユーザからの入力を受け付けるステップと、ユーザから電子証明書の認証をする旨の入力を受け付けると、入力フォーマットに入力された内容について、認証局による電子証明書の認証を行うステップと、書類データを選択された提出先に提出する旨の入力をユーザから受け付けると、提出先に対し、書類データの提出を行うステップと、を実行させる、付記1に記載のプログラム。
【0094】
(付記3)
書類データの提出に必要な手続きの一覧をユーザに提示するステップにおいて、プログラムは、書類データの電子申請に必要な手続きの一覧と、現在行っている手続のステータス情報とを共に表示させる、付記2に記載のプログラム。
【0095】
(付記4)
電子申請に必要な情報の入力フォーマットを提示し、ユーザからの入力を受け付けるステップにおいて、プログラムは、電子申請に必要な情報として、利用者識別番号およびマイナンバーカードの情報であることを提示する、付記2から3のいずれかに記載のプログラム。
【0096】
(付記5)
ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップ(S501)において、プログラムは、必要な情報の一覧を選択肢の態様でユーザに表示し、ユーザから一覧に対する選択を受け付けると、当該選択に応じた基本情報の入力フォームを提示し、当該入力フォームに対するユーザからの入力を受け付ける、付記1から4のいずれかに記載のプログラム。
【0097】
(付記6)
ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップ(S501)において、プログラムは、連携する外部のサービスが提供するプログラムに登録されている、開業届の作成に必要な情報から、基本情報を取得する、付記1から4のいずれかに記載のプログラム。
【0098】
(付記7)
プログラムは、プロセッサ29に、さらに、ユーザに対し、開業届以外の、開業に必要な手続きに関する選択肢を提示し、ユーザからの選択肢に対する選択を受け付けるステップと、基本情報を、選択を受け付けた手続きの入力情報として連携するステップを実行させる、付記1から6のいずれかに記載のプログラム。
【0099】
(付記8)
開業届以外の、開業に必要な手続きは、銀行口座開設、クレジットカード作成からなる群から選択される少なくとも1つである、付記7に記載のプログラム。
【0100】
(付記9)
確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示するステップ(S552、S503)において、プログラムは、確定申告の種類ごとに控除額のシミュレーション演算を行い、当該シミュレーション演算の結果に基づいて選択肢を前記ユーザに提示する、付記1から8のいずれかに記載のプログラム。
【0101】
(付記10)
プロセッサ29を備えるコンピュータ20によって実行される方法であって、方法は、プロセッサが、ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップ(S501)と、開業届の提出先を選択するための選択肢をユーザに提示し、ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付けるステップ(S551、S502)と、基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示するステップ(S552、S503)と、を実行する、方法。
【0102】
(付記11)
制御部203を備える情報処理装置20であって、制御部203が、ユーザから開業届の作成に必要な基本情報を受け付けるステップ(S501)と、開業届の提出先を選択するための選択肢をユーザに提示し、ユーザから当該提出先の選択のための操作を受け付けるステップ(S551、S502)と、基本情報に基づいて、確定申告の種類を選択するための選択肢をユーザに提示するステップ(S552、S503)と、を実行する、情報処理装置20。
【符号の説明】
【0103】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部、1301 タッチ・センシティブ・デバイス、1302 ディスプレイ、140 音声処理部、141 マイク、142 スピーカ、150 カード読取部、170 記憶部、1701 ユーザ情報、180 制御部、1801 入力操作受付部、1802 送受信部、1803 データ処理部、1804 報知制御部、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 ユーザ情報データベース、2022 書類情報データベース、203 制御部、2031 受信制御モジュール、2032 送信制御モジュール、2033 ユーザ情報取得モジュール、2034 提出先候補提示モジュール、2035 確定申告候補提示モジュール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9