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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】ナノ秒パルサーパルス発生
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
H05H1/46 R
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021504453
(86)(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 US2019043988
(87)【国際公開番号】W WO2020023974
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-03-22
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】62/711,406
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,334
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,464
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,468
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,467
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,457
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/717,523
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/523,840
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/789,523
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/789,526
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/711,347
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520064676
【氏名又は名称】イーグル ハーバー テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】EAGLE HARBOR TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】スロボドヴ,イリア
(72)【発明者】
【氏名】ジエンバ,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】カースカデン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】イェーガー,ファトサーン
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】イェーガー,タイシェン
(72)【発明者】
【氏名】ムッジリ ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】クインレイ,モーガン
(72)【発明者】
【氏名】リストン,コナー
【合議体】
【審判長】秋田 将行
【審判官】波多江 進
【審判官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-263778(JP,A)
【文献】特開平11-172436(JP,A)
【文献】特開2004-340036(JP,A)
【文献】国際公開第2017/126662(WO,A1)
【文献】特開平10-223952(JP,A)
【文献】特開2004-101788(JP,A)
【文献】国際公開第2018/008310(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/034771(WO,A1)
【文献】特開2012-65547(JP,A)
【文献】特開2001-181830(JP,A)
【文献】特表2017-504955(JP,A)
【文献】米国特許第6198761(US,B1)
【文献】米国特許第5968377(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0294842(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0327029(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00 - 1/54
H03K 3/00 - 3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧パルス電源及びプラズマシステムであって、
振幅が約1kVを超え、パルス幅が約1μs未満であり、パルス繰返し周波数が約20kHzを超えるパルスを供給する出力を有する高電圧パルサーと、
プラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバ内に配置され、前記プラズマチャンバ内に電界を発生させる為に前記高電圧パルサーの前記出力と電気的に結合されている電極と、
1m 未満の容積寸法を有する筐体であって、前記高電圧パルサーが前記筐体内に配置される、前記筐体と、
前記筐体内に配置された熱管理システムであって、前記高電圧パルサーを冷却する熱管理システムと、
前記高電圧パルサーを制御する制御システムであって、当該制御システムは、前記筐体内に配置され、前記高電圧パルサーと電気的に結合され、出力パルスの前記パルス幅と前記パルス繰返し周波数を制御する、制御システムと、
前記高電圧パルサーと前記電極の間において前記筐体内に配置されたバイアスコンデンサであって、当該バイアスコンデンサの第1端は前記高電圧パルサーの出力端に電気的に結合され、当該バイアスコンデンサの第2端は前記電極に電気的に結合される、バイアスコンデンサと、
前記筐体内に配置され、且つ前記高電圧パルサーと前記電極とに電気的に結合されたバイアス補償電源であって、当該バイアス補償電源は、前記バイアスコンデンサにわたって電圧を生成し、前記高電圧パルサーの出力電圧をバイアスする、バイアス補償電源と、
前記筐体内に配置されたエネルギー回収回路であって、当該エネルギー回収回路が前記電極から電荷を除去し、当該エネルギー回収回路は、前記高電圧パルサーと前記電極とに電気的に結合され、高速時間スケールで前記電極から電荷を除去する、エネルギー回収回路と、を備え、
前記熱管理システムは、1つ以上のスイッチコールドプレートと1つ以上のトランスコアコールドプレートを備え、
前記筐体内の任意の2つの構成要素間の電界ピークは、約20MV/m未満であり、
前記高電圧パルサーは、前記1つ以上のスイッチコールドプレートに結合された複数のスイッチと、前記1つ以上のトランスコアコールドプレートに結合された1つのトランスを備え、
前記熱管理システムが、前記スイッチコールドプレートと前記トランスコアコールドプレートを流れる流体を含み、
前記スイッチコールドプレートと前記トランスコアコールドプレートを流れる前記流体は、水であり、
前記高電圧パルサーは、水冷式である、
高電圧パルス電源及びプラズマシステム。
【請求項2】
前記高電圧パルサーの前記出力と前記電極との間のインダクタンスが約10μH未満である請求項1に記載の高電圧パルス電源及びプラズマシステム。
【請求項3】
前記高電圧パルサーの前記出力と接地との間のキャパシタンスが約10nF未満である、請求項1に記載の高電圧パルス電源及びプラズマシステム。
【請求項4】
前記高電圧パルサーからの出力パルスの電圧を測定する制御モジュールを更に含む請求項1に記載の高電圧パルス電源及びプラズマシステム。
【請求項5】
第2の高電圧パルサーをさらに備え、前記第2の高電圧パルサーは、振幅が約1kVを超え、パルス幅が約1μs未満であり、パルス繰返し周波数が約20kHzを超えるパルスを供給する出力を有し、
前記プラズマチャンバ内に配置される第2の電極であって、前記第2の電極の近傍の前記プラズマチャンバ内にパルス状の電界を発生させる為に前記第2の高電圧パルサーの出力と電気的に結合されている前記第2の電極を更に含み、
前記第2の高電圧パルサーは、水冷式である、
請求項1に記載の高電圧パルス電源及びプラズマシステム。
【請求項6】
前記高電圧パルサーからのパルスと前記第2の高電圧パルサーからのパルスとが、電圧、パルス幅、及びパルス繰返し周波数のうちの少なくとも1つにおいて異なっている、請求項5に記載の高電圧パルス電源及びプラズマシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサーシステム(NANOSECOND PULSER SYSTEM)」という名称の米国仮特許出願第62/711,464号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサー熱管理(NANOSECOND PULSER THERMAL MANAGEMENT)」という名称の米国仮特許出願第62/711,334号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサーパルス発生(NANOSECOND PULSER PULSE GENERATION)」という名称の米国仮特許出願第62/711,457号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサーADCシステム(NANOSECOND PULSER ADC SYSTEM)」という名称の米国仮特許出願第62/711,347号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「エッジリングパワーシステム(EDGE RING POWER SYSTEM)」という名称の米国仮特許出願第62/711,467号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサーバイアス補償(NANOSECOND PULSER BIAS COMPENSATION)」という名称の米国仮特許出願第62/711,406号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月27日に出願された、「ナノ秒パルサー制御モジュール(NANOSECOND PULSER CONTROL MODULE)」という名称の米国仮特許出願第62/711,468号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年8月10日に出願された、「RFプラズマ反応器の為のプラズマシース制御(PLASMA SHEATH CONTROL FOR RF PLASMA REACTORS)」という名称の米国仮特許出願第62/711,523号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年1月1日に出願された、「プラズマ制御用途向けのソース及びシンク能力を備えた効率的ナノ秒パルサー(EFFICIENT NANOSECOND PULSER WITH SOURCE AND SINK CAPABILITY FOR PLASMA CONTROL APPLICATIONS)」という名称の米国仮特許出願第62/789,523号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年1月1日に出願された、「ナノ秒パルサー回路における効率的なエネルギー回収(EFFICIECIENT ENERGY RECOVERY IN A NANOSECOND PULSER CIRCUIT)」という名称の米国仮特許出願第62/789,526号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年7月26日に出願された、「ナノ秒パルサーバイアス補償(NANOSECOND PULSER BIAS COMPENSATION)」という名称の米国特許出願第16/523,840号の優先権を主張すると共に、その一部係属出願であり、この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ナノ秒パルサーパルス発生に関する。
【背景技術】
【0003】
高速立上り時間及び/又は高速立下り時間を有する高電圧パルスを生成することは課題である。例えば、高電圧パルス(例えば、約5kVを超える)の高速立上り時間及び/又は高速立下り時間(例えば、約50ns未満)を達成する為には、パルスの立上り及び/又は立下りの傾きが驚異的に急峻でなければならない(例えば、1011V/sを超える)。このような急峻な立上り時間及び/又は立下り時間は、特に低キャパシタンスの負荷を駆動する回路において生成することが非常に困難である。そのようなパルスは、コンパクトな方式の標準的な電気部品を使用して、及び/又は可変パルス幅、電圧、及び繰返し数を有するパルスを用いて、及び/又は例えばプラズマのような容量性負荷を有するアプリケーション内で生成することが特に困難であり得る。幾つかのプラズマ成膜システムは、同様のパルスを生成しない場合があり、ウェハを効率的に生成しない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
幾つかの実施形態では、約1kVを超える振幅、約1μs未満のパルス幅、及び約20kHzを超えるパルス繰返し周波数を有するパルスを提供する出力を有する高電圧パルサーと、プラズマチャンバと、プラズマチャンバ内に配置され、プラズマチャンバ内に電界を発生させる為に高電圧パルサーの出力と電気的に結合されている電極とを含む高電圧パルス電源が提供される。
【0005】
幾つかの実施形態では、高電圧パルサーの出力と電極との間のインダクタンスは、約10μH未満であってもよい。幾つかの実施形態では、高電圧パルサーの出力と接地との間のキャパシタンスは、約10nF未満であってもよい。
【0006】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は、出力パルスの電圧を測定する制御モジュールをも含んでもよい。
【0007】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、高電圧パルサーと電極との間に配置されたバイアスコンデンサと、高電圧パルサーと電極とに電気的に結合されたバイアス補償電源を含んでもよく、バイアス補償電源は、バイアスコンデンサの両端電圧を生成する。
【0008】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は、高電圧パルサー及び電極と電気的に結合され、高速時間スケールで負荷から電荷を除去する抵抗性出力段をも含んでもよい。
【0009】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段は、直列に配置されたインダクタとコンデンサとを含み、インダクタは約200μH未満のインダクタンスを有する。
【0010】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は、高電圧パルサーと電極とに電気的に結合され、高速時間スケールで負荷から電荷を除去するエネルギー回収回路をも含んでもよい。
【0011】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は、出力パルスのパルス幅及びパルス繰返し周波数を制御する低電圧信号を生成する、高電圧パルサーと電気的に結合された制御モジュールをも含んでもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、約1kVを超える振幅、約1μs未満のパルス幅、及び約20kHzを超えるパルス繰返し周波数を有するパルスを提供する出力を有する第2の高電圧パルサーと、第2の高電圧パルサーの出力と電気的に結合されて、第2の電極の近傍のプラズマチャンバ内でパルス状の電界を生成するようにプラズマチャンバ内に配置された第2の電極を含んでもよい。
【0013】
幾つかの実施形態では、高電圧パルサーからのパルスと、第2の高電圧パルサーからのパルスとは、電圧、パルス幅、及びパルス繰返し周波数のうちの少なくとも1つにおいて異なっている。
【0014】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、1つ以上のスイッチコールドプレートと1つ以上のトランスコアコールドプレートとを備えた熱管理サブシステムを含んでもよく、高電圧パルサーは、1つ以上のスイッチコールドプレートに結合された複数のスイッチと、1つ以上のトランスコアコールドプレートに結合されたトランスとを含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、熱管理サブシステムは、スイッチコールドプレート及びコアコールドプレートを流れる流体を含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、1m未満の容積寸法を有する筐体を含んでもよく、高電圧パルサーは筐体内に配置され、熱管理システム、制御システム、バイアスコンデンサ、バイアス補償電源、第2のナノ秒パルサー、抵抗出力段、及びエネルギー回収回路のうちの少なくとも3つが筐体内に配置されている。幾つかの実施形態では、筐体内の任意の2つの構成要素間のピーク電界は、約20MV/m未満である。
【0017】
幾つかの実施形態は、約1kVを超える振幅、約1μs未満のパルス幅、及び約20kHzを超えるパルス繰返し周波数を有するパルスを提供する出力を有する高電圧パルサーと、プラズマチャンバと、プラズマチャンバ内に電界を発生させる為に高電圧パルサーの出力と電気的に結合されたプラズマチャンバ内に配置された電極とを含む高電圧パルス電源を含む。幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、高電圧パルサーと電気的に結合された制御モジュールを含んでもよく、制御モジュールは、電極におけるパルスの電圧を測定し、制御モジュールは、測定された電圧に応答して、パルスの電圧、パルス幅、及びパルス繰返し周波数のうちの少なくとも1つを変更する。幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、高電圧パルサーに結合された複数のコールドプレートを備えた熱管理サブシステムを含んでもよい。
【0018】
幾つかの実施形態では、高電圧パルサーは、複数のスイッチと、その複数のスイッチ及び出力に結合されると共にトランスコアを有するトランスを備えている。幾つかの実施形態では、複数のコールドプレートは、複数のスイッチに結合された1つ以上のスイッチコールドプレートと、トランスコアに結合された1つ以上のトランスコアコールドプレートを備えている。
【0019】
幾つかの実施形態では、熱管理サブシステムは、複数のコールドプレートのうち少なくとも1つを流れる流体を含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、制御モジュールは、熱管理サブシステムの1つ以上のパラメータを測定して、1つ以上のパラメータのうち1つが許容範囲外であった場合に、高電圧パルサーにパルスの出力を停止させる。
【0021】
幾つかの実施形態は、約1kVを超える第1の振幅、約1μs未満の第1のパルス幅、及び約20kHzを超える第1のパルス繰返し周波数を有するパルスを供給する第1の出力を有する第1の高電圧パルサーと、約1kVを超える第2の振幅、約1μs未満の第2のパルス幅、及び約20kHzを超える第2のパルス繰返し周波数を有するパルスを供給する第2の出力を有する第2の高電圧パルサーと、プラズマチャンバとを備えた高電圧パルス電源を含む。幾つかの実施形態では、第1の電極が、第1の高電圧パルサーの第1の出力と電気的に結合されたプラズマチャンバ内に配置されてもよく、第2の電極が、第2の高電圧パルサーの第2の出力と電気的に結合されたプラズマチャンバ内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、第1の高電圧パルサーと第1の電極との間に配置された第1のバイアスコンデンサと、第2の高電圧パルサーと第2の電極との間に配置された第2のバイアスコンデンサを含んでもよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、第1の高電圧パルサー及び第1の電極と電気的に結合された第1のバイアス補償電源を含んでもよく、第1のバイアス補償電源は、第1のバイアスコンデンサの両端電圧を生成し、又、第2の高電圧パルサー及び第2の電極と電気的に結合された第2のバイアス補償電源を含んでもよく、第2のバイアス補償電源は、第2のバイアスコンデンサの両端電圧を生成する。
【0023】
幾つかの実施形態では、高電圧パルス電源は更に、第1の高電圧パルサー及び第2の高電圧パルサーと結合された複数のコールドプレートを備えた熱管理サブシステムを含んでもよい。
【0024】
幾つかの実施形態では、第1のバイアスコンデンサ又は第2のバイアスコンデンサの何れか一方又は両方が、約1nFを超えるキャパシタンスを有する。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態はナノ秒パルス発生システムを含み、ナノ秒パルス発生システムは、第1のナノ秒パルサーと、第2のナノ秒パルサーと、第1のナノ秒パルサー及び第2のナノ秒パルサーに結合された配線基板と、配線基板及び接地に結合された抵抗出力段とを含み、抵抗出力段は少なくとも抵抗器及び/又はインダクタを含み、更に、コンデンサを介して配線基板に結合されたチャンバインターフェース基板を含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルス発生システムは、少なくとも8kVの振幅を有するパルスを出力する。
【0027】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルス発生システムは、10kHz以上の周波数を有するパルスを出力する。
【0028】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルス生成システムは、30kW又はパワーを有するパルスを出力する。
【0029】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段は、140オームの抵抗を有する抵抗器を含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段は、140オームの複合抵抗を有する複数の抵抗器を含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段は、15μHのインダクタンスを有するインダクタを含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段は、15μHの複合インダクタンスを有する複数のインダクタを含む。
【0033】
幾つかの実施形態はナノ秒パルサーを含み、ナノ秒パルサーは、複数のスイッチと、1つ以上のトランスと、2kVを超える振幅と1kHzを超える周波数を有する高電圧波形を出力するように構成された出力と、出力波形を感知するADC制御モジュールを備えている。
【0034】
ナノ秒パルサーシステムを開示する。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは、ナノ秒パルサーと、パルサー出力と、制御システムを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーは、パルサー入力と、高電圧直流電源と、高電圧直流電源とパルサー入力とに結合されており、パルサー入力によって提供される入力パルスに基づいて高電圧直流電源をスイッチングする1つ以上のソリッドステートスイッチと、1つ以上のスイッチと結合された1つ以上のトランスと、パルサー入力に基づいて、約2kVを超える振幅及び約1kHzを超えるパルス繰返し周波数を有する高電圧波形を出力する1つ以上のトランスと結合されたパルサー出力を備えている。幾つかの実施形態では、制御システムは、測定点でナノ秒パルサーに結合されてもよく、制御システムは、パルサー入力に入力パルスを提供する。
【0035】
幾つかの実施形態では、測定点は、トランスとパルサー出力との間の点を含む。
【0036】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは、パルサー出力に結合された電極を更に含み、測定点は電極にある。
【0037】
幾つかの実施形態では、制御システムは、測定点で電圧を測定し、測定された電圧に基づいて、入力パルスの電圧、パルス繰返し周波数、又はデューティサイクルを調整する。
【0038】
幾つかの実施形態では、制御システムは、測定点でパルス繰返し周波数を測定し、測定されたパルス繰返し周波数に基づいて入力パルスのパルス繰返し周波数を調整する。
【0039】
幾つかの実施形態では、入力パルスは、第1の複数の低電圧パルスの各々が第1のパルス幅を有する第1の複数の低電圧パルスを含む第1のバーストを含み、入力パルスは、第2の複数の低電圧パルスの各々が第2のパルス幅を有する第2の複数の低電圧パルスを含む第2のバーストを含み、第2のパルス幅は、第1のパルス幅よりも大きい。
【0040】
幾つかの実施形態では、制御システムは、所望の高電圧波形に対応する電圧及びパルス繰返し周波数を指定する入力データを受信し、測定点で測定された出力パルサー波形を所望の高電圧波形と比較し、所望の高電圧波形を生成する為のパルサー入力への調整を決定する。
【0041】
幾つかの実施形態では、制御システムは、高電圧波形を1000倍減少させる分圧器を含む。
【0042】
幾つかの実施形態では、制御システムは、測定された高電圧波形をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換器を含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは、ナノ秒パルサーと制御システムとの間に配置された金属シールドを含む。
【0044】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーは抵抗出力段を含み、測定点は抵抗出力段内の抵抗器に跨っている。
【0045】
ナノ秒パルサーシステムを開示する。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは、ナノ秒パルサーと、
パルサー出力を有するナノ秒パルサーとを含み、パルサー出力は、複数のバーストを含む高電圧波形を出力し、各バーストは、振幅が2kVを超え、パルス繰返し周波数が1kHzを超える複数のパルスを含んでもよく、更に、
各バースト内のパルス数、パルス繰返し周波数、パルス幅、及びパルス電圧を含む高電圧波形の幾つかの特性をリアルタイムで制御する制御システムを含む。
【0046】
幾つかの実施形態では、パルサーシステムは、約1μs未満の分解能で、高電圧波形の少なくとも1つの特性を制御する。
【0047】
幾つかの実施形態では、パルサーシステムは、約10μs未満の精度でパルス間の周期を制御する。
【0048】
幾つかの実施形態では、制御システムは、プラズマ処理レシピに応答して、高電圧波形の幾つかの特性を制御する。
【0049】
幾つかの実施形態では、プラズマ処理レシピは複数の段階を含み、各段階は、イオン電流、チャンバ圧力、及びガス混合物に関連付けられている。
【0050】
幾つかの実施形態では、プラズマ処理レシピは、ウェハ表面における電界又は電圧に対応する。
【0051】
幾つかの実施形態では、高電圧波形は、第1の複数のパルスの各々が第1のパルス幅を有する第1の複数のパルスからなる第1のバーストを含み、高電圧波形は、第2の複数のパルスの各々が第2のパルス幅を有する第2の複数のパルスからなる第2のバーストを含み、第2のパルス幅は第1のパルス幅よりも大きい。
【0052】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーは、トランスと、高電圧波形を出力する出力とを備え、制御システムは、トランスとパルサー出力との間の点でナノ秒パルサーと結合されている。
【0053】
幾つかの実施形態では、制御システムは、分圧器と高速アナログ-デジタル変換器を備えている。
【0054】
幾つかの実施形態はナノ秒パルサーシステムを含み、ナノ秒パルサーシステムは、2kVを超える振幅及び1kHzを超えるパルス繰返し周波数を有するパルスを出力するパルサー出力を有するナノ秒パルサーと、ナノ秒パルサーシステムの環境特性を測定する複数のセンサを備え、複数のセンサ各々は夫々の環境特性を表すセンサ信号を提供し、更に、ナノ秒パルサーシステムの物理的特性を表す電子センサ信号を提供する1つのセンサと、電子センサ信号が第1の閾値を超えた場合にナノ秒パルサーの動作を停止する、センサとナノ秒パルサーとに電気的に結合されたインターロックとを備えている。
【0055】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは、電子センサ信号が第2の閾値を超えている場合に、ナノ秒パルサーの動作を停止する、センサと電気的に結合された制御モジュールを更に含んでもよく、第2の閾値は第1の閾値とは異なる。
【0056】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは更に、液体冷却サブシステムを含んでもよい。幾つかの実施形態では、センサは、液体冷却サブシステム内に配置された液体流量センサを備え、前記第1の閾値は第1の流量を含み、前記第2の閾値は前記第1の流量よりも大きい第2の流量を含む。
【0057】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは、冷却サブシステムを含んでもよい。幾つかの実施形態では、センサのうち1つは、冷却サブシステム内に配置された温度センサを含み、第1の閾値は第1の温度を含み、第2の閾値は第1の温度未満の第2の温度を含む。
【0058】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは更に、液体冷却剤を含む冷却サブシステムと、液体冷却剤の温度を測定する温度センサを含んでもよい。
【0059】
これらの例示的な実施形態は、本開示を限定したり定義したりする為に言及されているのではなく、本開示の理解を助ける為に例示を提供する為に言及されている。追加の実施形態は、「発明を実施するための形態」で議論され、そこでは更なる説明が提供されている。様々な実施形態の1つ以上によって提供される利点は、本明細書を吟味するか、又は提示された1つ以上の実施形態を実践することによって、更に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0060】
本開示のこれらの、及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読むと更に良く理解される。
図1】幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーの回路図である。
図2】ナノ秒パルサーによって生成される例示的な波形を示す図である。
図3】幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーの別の回路図である。
図4】幾つかの実施形態による、空間的に可変なウェハバイアスパワーシステムのブロック図である。
図5】幾つかの実施形態による、プラズマ負荷を有する高電圧電力システムの回路図である。
図6】幾つかの実施形態によるプラズマ負荷を有する高電圧電力システムの回路図である。
図7】幾つかの実施形態による、絶縁された電力を有する高電圧スイッチのブロック図である。
図8】幾つかの実施形態による、ナノ秒パルサーシステム用のADC制御システムのブロック図である。
図9】幾つかの実施形態による、ナノ秒パルサーシステムの機能ブロック図である。
図10】幾つかの実施形態による熱管理システムのブロック図である。
図11】幾つかの実施形態によるスイッチコールドプレートシステムの実施形態及び/又は配置を示す図である。
図12】幾つかの実施形態によるコールドプレートの実施形態及び/又は配置を示す図である。
図13】幾つかの実施形態によるコールドプレートの実施形態及び/又は配置を示す図である。
図14】幾つかの実施形態によるコールドプレートの実施形態及び/又は配置を示す図である。
図15】幾つかの実施形態によるプロセスのフローチャートのブロック図である。
図16】本明細書に記載された実施形態の実施を容易にする為の機能を実行する為の例示的な計算システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
ナノ秒パルス発生システムを開示する。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルス発生システムは、2kV以上の振幅を有するパルスのバーストをプラズマチャンバに提供してもよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルス発生システムは、10kHzを超えるパルス繰返し周波数を有する波形を提供してもよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルス発生システムは、NSP相互接続ボード及び/又は抵抗出力段に結合された1つ以上のナノ秒パルサーを含んでもよい。
【0062】
幾つかの実施形態では、高電圧ナノ秒パルサーシステムは、約2kVを超え約40kVまでの振幅を有する電圧をパルシングしてもよい。幾つかの実施形態では、高電圧ナノ秒パルサーシステムは、約500kHz以上までのパルス繰返し周波数でスイッチングしてもよい。幾つかの実施形態では、高電圧ナノ秒パルサーシステムは、約50ナノ秒から約1マイクロ秒まで変化するパルス幅の単一パルスを提供してもよい。幾つかの実施形態では、高電圧ナノ秒パルサーシステムは、約10kHzを超える周波数でスイッチングしてもよい。幾つかの実施形態では、高電圧ナノ秒パルサーシステムは、約20ns未満から約200nsまでの立上り時間で動作してもよい。
【0063】
幾つかの実施形態では、高電圧ナノ秒パルサーシステムは、幾つかのコンポーネント又はサブシステムを含んでもよい。これらは、抵抗出力段(例えば、抵抗出力段102)、エネルギー回収回路(例えば、エネルギー回収回路165)、空間的に可変なウェハバイアスシステム(例えば、空間的に可変なウェハバイアス電力システム400)、バイアス補償回路(例えば、バイアス補償回路104、514又は614)、制御モジュール(例えば、コントローラ825)、第1のADC(例えば、第1のADC820)、マルチラム第2のADC(例えば、第2のADC845)、複数のセンサ、熱管理システム(例えば、熱管理システム1000)等のうち1つ以上を含んでもよい。
【0064】
図1は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム100の回路図である。ナノ秒パルサーシステム100は、高電圧ナノ秒パルサーシステム内で実装され得る。ナノ秒パルサーシステム100は、5段に一般化することができる(これらの段は、他の段に分解されても、より少ない段に一般化されても、及び/又は、図示された構成要素を含んでも含まなくてもよい)。ナノ秒パルサーシステム100は、パルサー・トランス段101、抵抗出力段102、リード段103、直流バイアス補償回路104、及び負荷段106を含む。
【0065】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム100は、2kVを超える電圧、約20ns未満の立上り時間、及び約10kHzを超える周波数を有する電源からのパルスを生成することができる。
【0066】
幾つかの実施形態では、パルサー・トランス段101は、高周波数及び高速の立上り時間及び立下り時間を有する複数の高電圧パルスを生成することができる。全ての示された回路において、高電圧パルサーはナノ秒パルサーを含んでもよい。
【0067】
幾つかの実施形態では、パルサー・トランス段101は、1つ以上のソリッドステートスイッチS1(例えば、IGBT、MOSFET、SiC MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電性スイッチ等のソリッドステートスイッチ)、1つ以上のスナバ抵抗R3、1つ以上のスナバダイオードD4、1つ以上のスナバコンデンサC5、及び/又は1つ以上のフリーホイールダイオードD2を含み得る。1つ以上のスイッチ及び/又は回路は、並列又は直列に配置され得る。
【0068】
幾つかの実施形態では、負荷段106は、プラズマ成膜装置、プラズマエッチング装置、又はプラズマスパッタリング装置の為の有効な回路を表し得る。キャパシタンスC2は、ウェハが着座し得る誘電体材料のキャパシタンスを表し得る、又はキャパシタンスC2は、誘電体材料によって隔てられた電極とウェハとの間のキャパシタンスを表し得る。コンデンサC3は、ウェハに対するプラズマのシースキャパシタンスを表し得る。コンデンサC9は、チャンバ壁とウェハ上面との間のプラズマ内のキャパシタンスを表し得る。電流源I2及び電流源I1は、プラズマのシースを通るイオン電流を表し得る。
【0069】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段102は、インダクタL1及び/又はインダクタL5によって表される1つ以上の誘導要素を含んでもよい。インダクタL5は、例えば、抵抗出力段102内のリードの漂遊インダクタンスを表し得る。インダクタL1は、パルサー・トランス段101から抵抗器R1に直接流れる電力を最小にするように設定されてもよい。
【0070】
幾つかの実施形態では、抵抗器R1は、例えば、高速時間スケール(例えば、1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1000ns等の時間スケール)で、負荷段106からの電荷を散逸させてもよい。負荷段106を跨ぐパルスが高速立下り時間tを有することを確実にする為に、抵抗器R1の抵抗値は低くてもよい。
【0071】
幾つかの実施形態では、抵抗器R1は、直列及び/又は並列に配置された複数の抵抗器を含み得る。コンデンサC11は、直列及び/又は並列抵抗器配列のキャパシタンスを含む抵抗器R1の漂遊キャパシタンスを表し得る。漂遊キャパシタンスC11のキャパシタンスは、例えば、5nF未満、2nF未満、1nF未満、500pF未満、250pF未満、100pF未満、50pF未満、10pF未満、1pF未満等であり得る。漂遊キャパシタンスC11のキャパシタンスは、例えば、負荷キャパシタンス、例えば、C2、C3、及び/又はC9のキャパシタンス未満であってもよい。
【0072】
幾つかの実施形態では、複数のパルサー・トランス段101が並列に配置され、インダクタL1及び/又は抵抗器R1を跨いで抵抗出力段102と結合されていてもよい。複数のパルサー・トランス段101各々は更に、ダイオードD1及び/又はダイオードD6を含んでもよい。
【0073】
幾つかの実施形態では、コンデンサC8は、ブロッキングダイオードD1の漂遊キャパシタンスを表し得る。幾つかの実施形態では、コンデンサC4は、ダイオードD6の漂遊キャパシタンスを表し得る。
【0074】
幾つかの実施形態では、直流バイアス補償回路104は、出力電圧を正又は負の何れかにバイアスする為に使用され得る直流電圧源V1を含んでもよい。幾つかの実施形態では、コンデンサC12は、直流バイアス電圧を抵抗出力段及び他の回路要素から絶縁/分離する。これは、回路の或る部分から別の部分への電位シフトを可能にする。幾つかのアプリケーションでは、これによって確立される電位シフトは、ウェハを所定の位置に保持する為に使用される。抵抗R2は、パルサー・トランス段101からの高電圧パルス出力から直流バイアス電源を保護/絶縁してもよい。
【0075】
この例では、DCバイアス補償回路104は、パッシブバイアス補償回路であり、バイアス補償ダイオードD1及びバイアス補償コンデンサC15を含み得る。バイアス補償ダイオードC15は、オフセット電源電圧V1と直列に配置され得る。バイアス補償コンデンサC15は、オフセット電源電圧V1と抵抗器R2の何れか一方又は両方に跨って配置され得る。バイアス補償コンデンサC15は、例えば、約100μF、50μF、25μF、10μF、2μ、500nH、200nH等のように、100nH~100μF未満のキャパシタンスを有し得る。
【0076】
幾つかの実施形態では、バイアスコンデンサC12は、パルサー・トランス段101の出力(例えば、125と標記された位置)と電極上の電圧(例えば、124と標記された位置)との間の電圧オフセットを許容してもよい。動作時、電極は、例えば、バースト中に-2kVの直流電圧であってもよく、その一方で、ナノ秒パルサーの出力は、パルス中の+6kVと、パルス間の0kVで交番する。
【0077】
バイアスコンデンサC12は、例えば、100nF、10nF、1nF、100μF、10μF、1μF等である。抵抗器R2は、例えば、約1kオーム、10kオーム、100kオーム、1Mオーム、10Mオーム、100Mオーム等の高抵抗を有してもよい。
【0078】
幾つかの実施形態では、バイアス補償コンデンサC15及びバイアス補償ダイオードD1は、パルサー・トランス段101の出力(例えば、125と標記された位置)と、電極上の電圧(例えば、124と標記された位置)との間の電圧オフセットを、各バーストの開始時に設定して、必要な平衡状態に到達させることができるようにしてもよい。例えば、電荷は、複数のパルス(例えば、約5~100パルス)に亘って、各バーストの開始時にバイアスコンデンサC12からバイアス補償コンデンサC15に転送され、回路内の正しい電圧を確立する。
【0079】
幾つかの実施形態では、直流バイアス補償回路104は、バイアス補償ダイオードD1に跨って配置され電源V1に結合された1つ以上の高電圧スイッチを含んでもよい。幾つかの実施形態では、高電圧スイッチは、高電圧を包括的に開閉するように直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。
【0080】
高電圧スイッチは、インダクタと抵抗器の何れか一方又は両方と直列に結合されていてもよい。インダクタは、高電圧スイッチを通るピーク電流を制限してもよい。インダクタは、例えば、約250μH、100μH、50μH、25μH、10μH、5μH、1μH等のような約100μH未満のインダクタンスを有してもよい。抵抗器は、例えば、抵抗出力段102に電力散逸をシフトさせてもよい。抵抗器の抵抗値は、約1000オーム未満、500オーム未満、250オーム未満、100オーム未満、50オーム未満、10オーム未満等の抵抗を有してよい。
【0081】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチはスナバ回路を含んでいてもよい。
【0082】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチは、高電圧を包括的に開閉するように直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。例えば、高電圧スイッチは、例えば、2018年11月1日に出願された、「絶縁された電力を有する高電圧スイッチ(High Voltage Switch with Isolated Power)」という名称の米国特許出願第16/178,565号に記載された任意のスイッチを含んでもよく、同出願は、全ての目的の為にその全体が本開示に組み込まれる。
【0083】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチは、パルサー・トランス段101がパルシングしている間は開いていてもよく、パルサー・トランス段101がパルシングしていない間は閉じていてもよい。高電圧スイッチが閉じているときには、例えば、バイアス補償ダイオードC15に跨る電流が短絡してもよい。この電流を短絡させることにより、ウェハとチャックとの間のバイアスが2kV未満になることがあるが、これは許容範囲内であり得る。
【0084】
幾つかの実施形態では、パルサー・トランス段101は、高いパルス電圧(例えば、1kV、10kV、20kV、50kV、100kV等を超える電圧)、高いパルス繰返し周波数(例えば、1kHz、10kHz、100kHz、200kHz、500kHz、1MHz等を超える周波数)、高速立上り時間(例えば、約1ns未満、10ns未満、50ns未満、100ns未満、250ns未満、500ns未満、1,000ns未満等の立上り時間)、高速立下り時間(約1ns未満、10ns未満、50ns未満、100ns未満、250ns未満、500ns未満、1,000ns未満等の立下り時間)、及び/又は短パルス幅(約1,000ns未満、500ns未満、250ns未満、100ns未満、20ns未満等のパルス幅)を生成することができる。
【0085】
図2は、ナノ秒パルサーシステム100によって生成される例示的な波形を示す。これらの例示的な波形において、パルス波形205は、パルサー・トランス段101によって提供される電圧を表し得る。図示のように、パルス波形205は、高電圧(例えば、波形に示されるように約4kVを超える)、高速立上り時間(例えば、波形に示されるように約200ns未満)、高速立下り時間(例えば、波形に示されるように約200ns未満)、及び短パルス幅(例えば、波形に示されるように約300ns未満)の品質を有するパルスを生成する。波形210は、コンデンサC2とコンデンサC3との間の点でナノ秒パルサーシステム100で表されるウェハ表面の電圧を表してもよいし、コンデンサC3の両端電圧を表してもよい。パルス波形215は、パルサー・トランス段101からプラズマに流れる電流を表す。ナノ秒パルサーシステム100は、ダイオードD1又はD2の何れか一方又は両方を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0086】
過渡状態の間(例えば、図示しない初期の幾つかのパルスの間)、パルサー・トランス段101からの高電圧パルスはコンデンサC2を充電する。コンデンサC2のキャパシタンスは、コンデンサC3及び/又はコンデンサC1のキャパシタンスに比べて大きいため、及び/又はパルスのパルス幅が短いため、コンデンサC2は完全に充電される為に高電圧パルサーから幾つかのパルスを取得してもよい。コンデンサC2が充電されると、回路は、図2の波形で示されるように、定常状態に達する。
【0087】
定常状態で、スイッチS1が開いているとき、コンデンサC2は充電され、波形210の僅かに上昇した傾きによって示されるように、抵抗出力段110を介して緩慢に散逸する。コンデンサC2が充電され、スイッチS1が開いている間、ウェーバーの表面(コンデンサC2とコンデンサC3との間の点)の電圧は負の値となる。この負の電圧は、パルサー・トランス段101から供給されるパルスの電圧の負の値であってもよい。例えば、図2に示す例示的な波形では、各パルスの電圧は約4kVであり、ウェハにおける定常状態の電圧は約-4kVである。これにより、プラズマを跨ぐ(例えば、コンデンサC3の両端の)負の電位が発生し、プラズマからウェハの表面に正のイオンが加速される。スイッチS1が開いている間、コンデンサC2上の電荷は、抵抗出力段を介して緩慢に散逸する。
【0088】
スイッチS1が閉じている場合、コンデンサC2が充電されるにつれて、コンデンサC2の両端電圧が反転することがある(波形205に示すようにパルサーからのパルスが高い)。更に、コンデンサC2とコンデンサC3との間の点(例えば、ウェハの表面)の電圧は、コンデンサC2が充電されるにつれて、波形210に示すように、約ゼロに変化する。このように、高電圧パルサーからのパルスは、高速立上り時間、高速立下り時間、及び/又は短パルス幅で、負の高電圧からゼロまで立上り、高周波で負の高電圧に戻るプラズマ電位(例えば、プラズマ中の電位)を生成する。
【0089】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段、抵抗出力段102によって表される要素の作用は、漂遊キャパシタンスC1を急速に放電し、コンデンサC2とコンデンサC3との間の点の電圧が、波形210によって示されるように、約-4kVの定常的な負の値に急速に戻ることを可能にしてもよい。抵抗出力段は、コンデンサC2とコンデンサC3との間の点での電圧がその時間の%程度の間存在することを可能にしてもよく、従って、イオンがウェハ内に加速される時間を最大化する。幾つかの実施形態では、抵抗出力段内に含まれる構成要素は、イオンがウェハ内に加速される間の時間を最適化し、この時間の間の電圧をほぼ一定に保持するように特別に選択されてもよい。従って、例えば、高速立上り時間と高速立下り時間を有する短いパルスが有用であり得る為、かなり均一な負の電位の長い期間が存在し得る。
【0090】
ナノ秒パルサーシステム100によって様々な他の波形が生成されてもよい。
【0091】
図3は、幾つかの実施形態による、パルサー・トランス段101とエネルギー回収回路165とを有するナノ秒パルサーシステム150の回路図である。エネルギー回収回路は、例えば、図1に示された抵抗出力段102を置き換えてもよい。この例では、エネルギー回収回路165は、トランスT1の二次側上に配置されてもよいし、トランスT1の二次側と電気的に結合されてもよい。エネルギー回収回路165は、例えば、トランスT1の二次側を横切るダイオード180(例えば、クローバーダイオード)を含んでもよい。エネルギー回収回路165は、例えば、トランスT1の二次側から電流を流して電源C7を充電することができるダイオード160及びインダクタ155(直列に配置されている)を含んでもよい。ダイオード160及びインダクタ155は、トランスT1の二次側と電源C7とに電気的に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路165は、トランスT1の二次側と電気的に結合されたダイオード175及び/又はインダクタ170を含んでもよい。インダクタ170は、トランスT1の漂遊インダクタンスを表しても、及び/又は漂遊インダクタンスを含んでもよい。
【0092】
ナノ秒パルサーが起動されると、電流が負荷段106を充電してもよい(例えば、コンデンサC3、コンデンサC2、又はコンデンサC9を充電してもよい)。一部の電流は、例えば、トランスT1の二次側の電圧が電源C7の充電電圧より上に上昇したときに、インダクタ155を介して流れてもよい。ナノ秒パルサーがオフになると、電流は、負荷段106内のコンデンサからインダクタ155を介して流れて、インダクタ155を跨ぐ電圧がゼロになるまで電源C7を充電してもよい。ダイオード180は、負荷段106内のコンデンサが、負荷段106内のインダクタンス又はバイアス補償回路104内のインダクタンスによってリンギングするのを防止してもよい。
【0093】
ダイオード160は、例えば、電源C7から負荷段106内のコンデンサに電荷が流れるのを防止してもよい。
【0094】
インダクタ155の値は、電流立下り時間を制御する為に選択されてもよい。幾つかの実施形態では、インダクタ155は、1μH~500μHの間のインダクタンス値を有してもよい。
【0095】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路165は、インダクタ155を通る電流の流れを制御する為に使用され得るエネルギー回収スイッチを含み得る。エネルギー回収スイッチは、例えば、インダクタ155と直列に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、スイッチS1が開いている場合及び/又はもはやパルシングしていない場合、エネルギー回収スイッチが閉じて、負荷段106から高電圧負荷C7に戻る電流の流れを可能にしてもよい。
【0096】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収スイッチは、高電圧を包括的に開閉するように直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。例えば、エネルギー回収スイッチは、例えば、2018年11月1日に出願された、「絶縁された電力を有する高電圧スイッチ(High Voltage Switch with Isolated Power)」という名称の米国特許出願第16/178,565号に記載された任意のスイッチを含んでもよく、同出願は、全ての目的の為にその全体が本開示に組み込まれる。
【0097】
幾つかの実施形態では、パルサー・トランス段101と接地との間の漂遊キャパシタンスは約10nF未満である。
【0098】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム150は、図2に示されたものと同様の波形を生成してもよい。
【0099】
図4は、幾つかの実施形態による空間的に可変なウェハバイアス電力システム400のブロック図である。空間的に可変なウェハバイアス電力システム400は、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430を含んでもよい。
【0100】
配線基板405は、第1の高電圧パルサー425と第2の高電圧パルサー430又は追加の高電圧パルサーと電気的に結合されていてもよい。幾つかの実施形態では、配線基板405は、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430夫々に高直流電圧を供給してもよい。幾つかの実施形態では、配線基板405は、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430にトリガ信号を供給してもよい。幾つかの実施形態では、配線基板405は、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430に低電圧パルスを供給してもよい。
【0101】
幾つかの実施形態では、配線基板405は、計算システム1600の1つ以上の構成要素を含むコントローラ又はプロセッサを含んでもよい。幾つかの実施形態では、例えば、ウェハの表面上の電界、電界の均一性、第1の電極上の電圧、第2の電極上の電圧、1つ以上の抵抗出力段内の又は1つ以上のエネルギー回収回路内の抵抗器に跨る電圧等の、プラズマチャンバの特性を測定する1つ以上のセンサが含まれてもよい。センサからの測定結果に基づいて、第1の高電圧パルサー425と第2の高電圧パルサー430の電圧、パルス幅、又はパルス繰返し周波数が調整されてもよい。
【0102】
例えば、第2の電極上の電圧が測定され、第1の電極上の電圧よりも低いと判定された場合、ウェハの表面に電界不均一性(例えば、約5%未満、約10%未満、約15%未満、又は約20%未満の差)が生じる可能性がある。コントローラは、第2の高電圧パルサー430に送られる制御パルスのパルス幅を調整してもよく、これは、第2の高電圧パルサー430によって生成される電圧を増加させる可能性があり(例えば、容量性充電時間を増加させることによって)、従って、第2の電極上の電界を増加させる。このプロセスは、ウェハの表面を跨ぐ電界が均一になるまで(例えば、10%、15%、20%、25%等の範囲内で)繰り返してもよい。
【0103】
別の例として、第1の抵抗出力段と第2の抵抗出力段に跨る電圧が測定されてもよい。これらの電圧は、チャンバ内のキャパシタンスが放電する際にチャンバから接地に流れる電流に対応し得る。この電流はイオンエネルギーに比例していてもよい。イオンエネルギーが第1の電極にあり、第2の電極にあるイオンエネルギーが不均一であるか、又はずれている場合(例えば、差が10%、20%又は30%よりも大きい)、コントローラは、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430の何れかに送信される制御パルスのパルス幅を調整してもよく、これは、ナノ秒パルサーによって生成される電圧を増加させる可能性があり(例えば、容量性充電時間を増加させることによって)、従って、対応する電極上の電界を増加させる。
【0104】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430からのパルスは、チャンバインターフェース基板を介して、エネルギー回収回路440に、及びプラズマチャンバ435に通過してもよい。エネルギー回収回路440は、例えば、ナノ秒パルサーシステム100の抵抗出力段102を含んでもよい。別の例として、エネルギー回収回路440は、エネルギー回収回路165を含んでもよい。別の例として、エネルギー回収回路440は使用されなくてもよい。別の例として、エネルギー回収回路440は、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430の何れか一方又は両方に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ435は、プラズマチャンバ、エッチングチャンバ、成膜チャンバ等を含んでもよい。幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ435の有効回路は負荷段106を含んでもよい。
【0105】
幾つかの実施形態では、バイアス補償回路410は、バイアス補償回路104、514、又は614内に示される任意の又は全ての構成要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、複数のバイアス補償回路が使用されてもよい。例えば、第1のバイアス補償回路は、第1の高電圧パルサー425と第1の電極とに結合されてもよく、第2のバイアス補償回路は、第2の高電圧パルサー430と第2の電極とに結合されてもよい。バイアス補償回路は、例えば、100pF、10pF、1pF、100μF、10μF、1μF等のキャパシタンスを有し得るバイアス補償コンデンサC12を含んでもよい。
【0106】
2個の高電圧パルサーを図示しているが、任意の個数を用いてもよい。例えば、複数のリング状の電極が、複数の高電圧パルサーに結合されてもよい。
【0107】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425は、第2の高電圧パルサー430によって生成されるパルスとは異なるパルスを生成してもよい。例えば、第1の高電圧パルサー425は、少なくとも2kVのパルス出力を供給してもよい。幾つかの実施形態では、第2の高電圧パルサー430は、第1の高電圧パルサー425によって提供されるパルスと同じか又は異なる、少なくとも2kVのパルス出力のパルスを提供してもよい。
【0108】
別の例として、第1の高電圧パルサー425は、第1のパルス繰返し周波数を有するパルスを生成してもよく、第2の高電圧パルサー430は、第2のパルス繰返し周波数を有するパルスを生成してもよい。第1のパルス繰返し周波数と第2のパルス繰返し周波数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1のパルス繰返し周波数及び第2のパルス繰返し周波数は、互いに位相が合っていてもよいし、位相がずれていてもよい。
【0109】
別の例として、第1の高電圧パルサー425は、第1のバースト繰返し周波数を有する第1の複数のバーストを生成してもよく、第2の高電圧パルサー430は、第2のバースト繰返し周波数を有する第2の複数のバーストを生成してもよい。各バーストは、複数のパルスを含んでいてもよい。第1のバースト繰返し周波数及び第2のバースト繰返し周波数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1のバースト繰返し周波数及び第2のバースト繰返し周波数は、互いに位相が合っていてもよいし、位相がずれていてもよい。
【0110】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425及び第2の高電圧パルサー430は、水冷式又は誘電体冷却式であってもよい。
【0111】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425の出力と第2の高電圧パルサー430の出力とプラズマチャンバ435(又は電極)との間のケーブル又は伝送線路は、5m、10m、15m等よりも大きくてもよい。
【0112】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425、第2の高電圧パルサー430、及びプラズマチャンバ435の何れかの構成要素間のインダクタンスは、約100μH未満であってもよい。
【0113】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー425又は第2の高電圧パルサー430と接地との間の漂遊キャパシタンスは、約10nF未満である。
【0114】
図5は、幾つかの実施形態によるプラズマ負荷500を有する高電圧電力システムの回路図である。プラズマ負荷500を有する高電圧電力システムは、プラズマ負荷500を有する高電圧電力システムと同様である。
【0115】
この実施形態では、バイアス補償回路514は、バイアス補償ダイオード506を跨いで結合され、電源V1に結合された高電圧スイッチ505を含み得る。幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ505は、高電圧を包括的に開閉する為に直列に配置された複数のスイッチ505を含み得る。例えば、高電圧スイッチ505は、図7で説明した高電圧スイッチ700を含んでもよい。幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ505は、スイッチトリガV4に結合されてもよい。
【0116】
高電圧スイッチ505は、インダクタL9及び抵抗器R11の何れか一方又は両方と直列に結合されてもよい。インダクタL9は、高電圧スイッチ505を通るピーク電流を制限してもよい。インダクタL9は、例えば、約250μH、100μH、50μH、25μH、10μH、5μH、1μH等の約100μH未満のインダクタンスを有してもよい。抵抗器R11は、例えば、抵抗出力段102への放熱をシフトさせてもよい。抵抗器R11の抵抗値は、例えば、約1000オーム未満、約500オーム未満、約250オーム未満、約100オーム未満、約50オーム未満、約10オーム未満等であってもよい。
【0117】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ505はスナバ回路を含んでもよい。スナバ回路は、抵抗器R9、スナバダイオードD8、スナバコンデンサC15、スナバ抵抗器R10を含んでもよい。
【0118】
幾つかの実施形態では、抵抗器R8は、オフセット電源電圧V1の漂遊抵抗を表すことができる。抵抗器R8は、例えば、約10kオーム、100kオーム、1Mオーム、10Mオーム、100Mオーム、1Gオーム等のような高い抵抗値を有していてもよい。
【0119】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ505は、高電圧を包括的に開閉するように直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。例えば、高電圧スイッチ505は、図7で説明した高電圧スイッチ700を含んでもよい。別の例として、高電圧スイッチ505は、例えば、2018年11月1日に出願された、「絶縁された電力を有する高電圧スイッチ(High Voltage Switch with Isolated Power)」という名称の米国特許出願第16/178,565号に記載された任意のスイッチを含んでもよく、同出願は、全ての目的の為にその全体が本開示に組み込まれる。
【0120】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ505は、パルサー・トランス段101がパルシングしている間は開いていてもよく、パルサー・トランス段101がパルシングしていない間は閉じていてもよい。高電圧スイッチ505が閉じている場合、例えば、電流は、バイアス補償ダイオード506を跨いで短絡してもよい。この電流を短絡させることにより、ウェハとチャックとの間のバイアスが2kV未満になることがあるが、これは許容範囲内であり得る。
【0121】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ505は、電極電圧(124と標記された位置)及びウェハ電圧(122と標記された位置)をチャック電位(121と標記された位置)に迅速に(例えば、約100ns、200ns、500ns、1μs未満で)復元することを可能にし得る。
【0122】
図6は、幾つかの実施形態によるプラズマ負荷600を有する高電圧電力システムの回路図である。プラズマ負荷600を有する高電圧電力システムは、第2のパルサー601及びスイッチ610を含むバイアス補償回路614を含む。
【0123】
バイアス補償回路614は第2のパルサー601を含み得る。第2のパルサー601は、例えば、図1乃至図3の何れかに図示したパルサー・トランス段101のうち1つ以上又は全ての構成要素を含んでもよい。例えば、パルサー・トランス段101は、本明細書(例えば、図7及び関連段落)に開示されているようなナノ秒パルサー又は高電圧スイッチを含んでもよい。幾つかの実施形態では、第2のパルサー601は、パルサー段101がパルシングしているとき(例えば、バースト中)にオフになるように構成されてもよく、第2のパルサー601は、パルサー段101がパルシングしていないとき(例えば、バースト同士の間)に起動するように構成されてもよい。
【0124】
バイアス補償回路614は更に、トランスT2の二次側にインダクタL9を含んでもよく、スイッチ610は、電圧源V6に結合されてもよい。インダクタL9は、バイアス補償回路614の漂遊インダクタンスを表してもよく、例えば、約500nH未満、250nH未満、100nH未満、50nH未満、25nH等未満のような低インダクタンスを有してもよい。幾つかの実施形態では、電圧源V6は、スイッチ610のトリガを表し得る。
【0125】
幾つかの実施形態では、バイアス補償回路614はブロッキングダイオードD7を含んでもよい。ブロッキングダイオードD7は、例えば、スイッチ610から負荷段106への電流の流れを確保してもよい。コンデンサC14は、例えば、ブロッキングダイオードD7の漂遊キャパシタンスを表し得る。コンデンサC14のキャパシタンスは、例えば、約1nF未満、約500pF未満、約200pF未満、約100pF未満、約50pF未満、約25pF未満等の低キャパシタンスを有し得る。
【0126】
幾つかの実施形態では、スイッチ610は、パルサー・トランス段101がパルシングしている間は開き、パルサー・トランス段101がパルシングしていないときは閉じて、パルサー段によって提供される電圧をオフセット(又はバイアス)するようにしてもよい。
【0127】
幾つかの実施形態では、スイッチ610は、高電圧を包括的に開閉する為に直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。幾つかの実施形態では、スイッチ610は、図7で説明した高電圧スイッチ700を含んでもよい。別の例として、高電圧スイッチ505は、例えば、2018年11月1日に出願された、「絶縁された電力を有する高電圧スイッチ(High Voltage Switch with Isolated Power)」という名称の米国特許出願第16/178,565号に記載されている任意のスイッチを含んでもよく、同出願は、全ての目的の為にその全体が本開示に組み込まれている。
【0128】
図7は、幾つかの実施形態による絶縁された電力を有する高電圧スイッチ700のブロック図である。高電圧スイッチ700は、複数のスイッチモジュール705を(包括的に又は個別に705を、及び個別に705A、705B、705C、及び705Dを)含んでもよく、このスイッチモジュール705は、高速立上り時間及び/又は高周波数及び/又は可変パルス幅を有する高電圧源760からの電圧をスイッチングすることができる。各スイッチモジュール705は、例えばソリッドステートスイッチ等のスイッチ710を含んでもよい。
【0129】
幾つかの実施形態では、スイッチ710は、電源740及び/又は絶縁ファイバトリガ745(ゲートトリガ又はスイッチトリガとも呼ばれる)を含むゲートドライバ回路730と電気的に結合されてもよい。例えば、スイッチ710は、コレクタ、エミッタ、及びゲート(又はドレイン、ソース、及びゲート)を含んでもよく、電源740は、ゲートドライバ回路730を介してスイッチ710のゲートを駆動してもよい。ゲートドライバ回路730は、例えば、高電圧スイッチ700の他の構成要素から絶縁されていてもよい。
【0130】
幾つかの実施形態では、電源740は、例えば、絶縁トランスを用いて絶縁されていてもよい。絶縁トランスは低キャパシタンストランスを含んでもよい。絶縁トランスの低キャパシタンスは、例えば、電源装置740が、有意な電流を必要とせずに高速時間スケールで充電することを可能にしてもよい。絶縁トランスは、例えば、約100pF未満のキャパシタンスを有してもよい。別の例として、絶縁トランスは、約30~100pF未満のキャパシタンスを有してもよい。幾つかの実施形態では、絶縁トランスは、1kV、5kV、10kV、25kV、50kV等までの電圧絶縁を提供してもよい。
【0131】
幾つかの実施形態では、絶縁トランスは、低漂遊キャパシタンスを有してもよい。例えば、絶縁トランスは、約1,000pF、100pF、10pF等未満の漂遊キャパシタンスを有してもよい。幾つかの実施形態では、低キャパシタンスは、低電圧構成要素(例えば、入力制御電力の源)への電気的結合を最小化し得る、及び/又はEMIの発生(例えば、電気ノイズの発生)を低減し得る。幾つかの実施形態では、絶縁トランスの漂遊キャパシタンスは、一次巻線と二次巻線との間で測定されたキャパシタンスを含んでもよい。
【0132】
幾つかの実施形態では、絶縁トランスは、DC-DCコンバータであっても、AC-DCトランスであってもよい。幾つかの実施形態では、トランスは、例えば、110VのACトランスを含んでもよい。それにも拘らず、絶縁トランスは、高電圧スイッチ700の他の構成要素から絶縁された電力を提供することができる。幾つかの実施形態では、絶縁は、絶縁トランスの一次側の導体が絶縁トランスの二次側の導体を通過しないように、又は絶縁トランスの二次側の導体と接触しないように、ガルバニックであってもよい。
【0133】
幾つかの実施形態では、トランスは、トランスコアの周りに緊密に巻かれた又はトランスコアを包囲し得る一次巻線を含んでもよい。幾つかの実施形態では、一次巻線は、トランスコアの周りに巻かれた導電性シートを含んでもよい。幾つかの実施形態では、一次巻線は1つ以上の巻線を含んでもよい。
【0134】
幾つかの実施形態では、二次巻線は、コアから可能な限り離れた位置に巻かれていてもよい。例えば、二次巻線を含む巻線の束は、トランスコアの開口部の中心を通って巻かれていてもよい。幾つかの実施形態では、二次巻線は1つ以上の巻線を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、二次巻線を含む巻線の束は、漂遊キャパシタンスを最小化する為に、例えば円形又は正方形である断面を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、一次巻線、二次巻線又はトランスコアの間に、絶縁体(例えば、油又は空気)が配置されていてもよい。
【0135】
幾つかの実施形態では、二次巻線をトランスコアから遠ざけることは幾つかの利点を有し得る。例えば、それにより、絶縁トランスの一次側と絶縁トランスの二次側との間の漂遊キャパシタンスを減少させる可能性がある。別の例として、動作中にコロナ及び/又は故障が形成されないように、絶縁トランスの一次側と絶縁トランスの二次側との間の高電圧のスタンドオフが可能になり得る。
【0136】
幾つかの実施形態では、絶縁トランスの一次側(例えば、一次巻線)と絶縁トランスの二次側(例えば、二次巻線)との間の間隔は、約0.1インチ、約0.5インチ、約1インチ、約5インチ、又は約10インチであってもよい。幾つかの実施形態では、絶縁トランスのコアと絶縁トランスの二次側(例えば、二次巻線)との間の典型的な間隔は、約0.1インチ、約0.5インチ、約1インチ、約5インチ又は約10インチであり得る。幾つかの実施形態では、巻線間のギャップは、例えば、真空、空気、任意の絶縁性ガス又は液体材料、又は比誘電率が3未満の固体材料のような、可能な限り最も低い誘電体材料で満たされていてもよい。
【0137】
幾つかの実施形態では、電源740は、高電圧のスタンドオフ(絶縁)を提供することが可能な、又は、低キャパシタンス(例えば、約1,000pF未満、100pF未満、10pF未満等)を有し得る任意のタイプの電源を含んでもよい。幾つかの実施形態では、制御電圧電源は、60HzでAC720V又はAC240Vを供給してもよい。
【0138】
幾つかの実施形態では、各電源740は、単一の制御電圧電源と誘導的に電気結合されていてもよい。例えば、電源740Aは、第1のトランスを介して電源と電気結合されてもよく、電源740Bは、第2のトランスを介して電源と電気結合されてもよく、電源740Cは、第3のトランスを介して電源と電気結合されてもよく、電源740Dは、第4のトランスを介して電源と電気結合されてもよい。例えば、様々な電源の間に電圧絶縁を提供することができる任意のタイプのトランスが使用されてもよい。
【0139】
幾つかの実施形態では、第1のトランス、第2のトランス、第3のトランス、及び第4のトランスは、単一のトランスのコアの周りに異なる二次巻線を備えていてもよい。例えば、第1のトランスは第1の二次巻線を含んでもよく、第2のトランスは第2の二次巻線を含んでもよく、第3のトランスは第3の二次巻線を含んでもよく、第4のトランスは第4の二次巻線を含んでもよい。これら二次巻線夫々は単一のトランスのコアに巻かれていてもよい。幾つかの実施形態では、第1の二次巻線、第2の二次巻線、第3の二次巻線、第4の二次巻線、又は一次巻線は、トランスコアに巻かれた単一の巻線を含んでも、又は複数の巻線を含んでもよい。
【0140】
幾つかの実施形態では、電源740A、電源740B、電源740C、及び/又は電源740Dは、リターン基準接地又はローカル接地を共有しないことがある。
【0141】
絶縁ファイバトリガ745は、例えば、高電圧スイッチ700の他の構成要素から絶縁されていてもよい。絶縁ファイバトリガ745は、各スイッチモジュール705のゲートの能動的な制御を可能にしながら、各スイッチモジュール705が、例えば、高電圧スイッチ700の他のスイッチモジュール705及び/又は他の構成要素に対して漂遊することを可能にする光ファイバレシーバを含んでもよい。
【0142】
幾つかの実施形態では、各スイッチモジュール705の、例えば、リターン基準接地又はローカル接地又は共通接地は、例えば、絶縁トランスを使用して、互いに絶縁されていてもよい。
【0143】
各スイッチモジュール705を共通接地から電気的に絶縁することにより、例えば、複数のスイッチを直列構成で配置して累積高電圧スイッチングを可能にすることができる。幾つかの実施形態では、スイッチモジュールのタイミングにおける幾分のラグを許容又は設計してもよい。例えば、各スイッチモジュール705は、1kVをスイッチングするように構成又は定格されていてもよく、各スイッチモジュールは、互いに電気的に絶縁されていてもよく、及び/又は、各スイッチモジュール705を閉じるタイミングは、スナバコンデンサのキャパシタンス及び/又は、スイッチの電圧定格によって定義される期間に亘り必ずしも揃わなくてもよい。
【0144】
幾つかの実施形態では、電気的絶縁は多くの利点を提供し得る。例えば、一つの可能な利点は、ジッタを切り替えるスイッチを最小化する、及び/又は任意のスイッチタイミングを可能にすることを含んでもよい。例えば、各スイッチ710は、約500ns未満、50ns未満、20ns未満、5ns未満等のスイッチ遷移ジッタを有してもよい。
【0145】
幾つかの実施形態では、2つの構成要素(又は回路)間の電気的絶縁は、2つの構成要素間の極めて高い抵抗を意味し得る、及び/又は、2つの構成要素間の小さなキャパシタンスを意味し得る。
【0146】
各スイッチ710は、例えば、IGBT、MOSFET、SiC MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電性スイッチ等の任意のタイプのソリッドステートスイッチング素子を含んでもよい。スイッチ710は、例えば、高電圧(例えば、約1kVを超える電圧)、高周波数(例えば、1kHzを超える)、高速(例えば、約500kHzを超える繰返し周波数)及び/又は高速立上り時間(例えば、約25ns未満の立上り時間)及び/又は長いパルス長(例えば、約10ms以上)のスイッチングが可能であってよい。幾つかの実施形態では、各スイッチは個別に1,200V~1,700Vのスイッチング用に定格されている場合があるが、組み合わせにより4,800V~6,800V以上のスイッチングが可能である(4個のスイッチの場合)。他にも様々な電圧定格のスイッチが使用され得る。
【0147】
少数の高電圧スイッチを使用するよりも、多数の低電圧スイッチを使用する方が有利な場合がある。例えば、低電圧スイッチは、典型的には、より良い性能を有し、低電圧スイッチは、高電圧スイッチよりも高速にスイッチングでき、より高速な遷移時間を有することができ、及び/又は高電圧スイッチよりも効率的にスイッチングできる可能性がある。しかしながら、スイッチの数が多いほど、要求されるタイミングの問題が大きくなる可能性がある。
【0148】
図7に示す高電圧スイッチ700は、4個のスイッチモジュール705を含む。この図では4個を示しているが、例えば、2個、8個、12個、16個、20個、24個等、任意の個数のスイッチモジュール705を使用してもよい。例えば、各スイッチモジュール705内の各スイッチの定格が1200Vで、16個のスイッチを使用した場合、高電圧スイッチは19.2kVまでスイッチングできる。別の例として、各スイッチモジュール705の各スイッチの定格が1700Vで、16個のスイッチを使用した場合、高電圧のスイッチは27.2kVまでスイッチングできる。
【0149】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ700は高速コンデンサ755を含んでもよい。高速コンデンサ755は、例えば、直列及び/又は並列に配置された1つ以上のコンデンサを含んでもよい。これらのコンデンサは、例えば、1つ以上のポリプロピレンコンデンサを含んでもよい。高速コンデンサ755は、高電圧源760からのエネルギーを蓄えてもよい。
【0150】
幾つかの実施形態では、高速コンデンサ755は、低キャパシタンスであってもよい。幾つかの実施形態では、高速コンデンサ755は、約1μF、約5μF、約1μF~約5μF、約100nF~約1000nF等のキャパシタンス値を有してもよい。
【0151】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ700は、クローバーダイオード750を含んでもよいし、含んでいなくてもよい。クローバーダイオード750は、例えば、直列又は並列に配置された複数のダイオードを含んでもよく、それは誘導負荷を駆動する為に有益であり得る。幾つかの実施形態では、クローバーダイオード750は、例えば、炭化ケイ素ショットキーダイオード等の1つ以上のショットキーダイオードを含んでもよい。クローバーダイオード750は、例えば、高電圧スイッチのスイッチからの電圧が所定の閾値を超えているかを感知してもよい。所定の閾値を超えている場合、クローバーダイオード750は、スイッチモジュールからの電力を接地に短絡してもよい。クローバーダイオードは、例えば、スイッチング後に誘導負荷に蓄積されたエネルギーを散逸させる為の交流電流経路を可能にしてもよい。これは、例えば、大きな誘導電圧スパイクを防止し得る。幾つかの実施形態では、クローバーダイオード750は、例えば、1nH、10nH、100nH等の低インダクタンスを有してもよい。幾つかの実施形態では、クローバーダイオード750は、例えば、100pF、1nF、10nF、100nF等のような低いキャパシタンスを有してもよい。
【0152】
幾つかの実施形態では、負荷765が主に抵抗性である場合等、クローバーダイオード750が使用されない場合がある。
【0153】
幾つかの実施形態では、各ゲートドライバ回路730は、約1000ns未満、100ns未満、10.0ns未満、5.0ns未満、3.0ns未満、1.0ns未満等のジッタを発生してもよい。幾つかの実施形態では、各スイッチ710は、最小スイッチオン時間(例えば、約10μs未満、1μs未満、500ns未満、100ns未満、50ns未満、10ns未満、5ns未満等)と、最大スイッチオン時間(例えば、25s超、10s超、5s超、1s超、500ms超等)とを有してもよい。
【0154】
幾つかの実施形態では、動作中に高電圧スイッチ夫々を互いに1ns以内でオン及び/又はオフに切り替えてもよい。
【0155】
幾つかの実施形態では、各スイッチモジュール705は、同じ又は実質的に同じ(±5%)漂遊インダクタンスを有してもよい。漂遊インダクタンスは、例えば、リード、ダイオード、抵抗器、スイッチ710、及び/又は回路基板トレース等のインダクタに関連しない任意のインダクタンスをスイッチモジュール705内に含んでもよい。各スイッチモジュール705内の漂遊インダクタンスは、例えば、約300nH未満、100nH未満、10nH未満、1nH未満等のような低インダクタンスを含んでもよい。各スイッチモジュール705間の漂遊インダクタンスは、例えば、約300nH未満、100nH未満、10nH未満、1nH未満等よりも小さいインダクタンス等の低インダクタンスを含んでもよい。
【0156】
幾つかの実施形態では、各スイッチモジュール705は、同じ又は実質的に同じ(±5%)の漂遊キャパシタンスを有してもよい。漂遊キャパシタンスは、例えば、リード、ダイオード、抵抗器、スイッチ710及び/又は回路基板のトレース等のコンデンサに関連しないスイッチモジュール705内の任意のキャパシタンスを含んでもよい。各スイッチモジュール705内の漂遊キャパシタンスは、例えば、約1000pF未満、約100pF未満、約10pF未満等のような低キャパシタンスを含んでもよい。各スイッチモジュール705間の漂遊キャパシタンスは、例えば、約1000pF未満、100pF未満、10pF未満等の低キャパシタンスを含んでもよい。
【0157】
電圧共有の不完全性は、例えば、パッシブスナバ回路(例えば、スナバダイオード715、スナバコンデンサ720、及び/又はフリーホイールダイオード725)を用いて対処され得る。例えば、スイッチ710の夫々がオン又はオフになるタイミングの少しの差異、或いはインダクタンス又はキャパシタンスの差異によって、電圧スパイクが発生することがある。これらのスパイクは、様々なスナバ回路(例えば、スナバダイオード715、スナバコンデンサ720、及び/又はフリーホイールダイオード725)によって緩和され得る。
【0158】
スナバ回路は、例えば、スナバダイオード715、スナバコンデンサ720、スナバ抵抗器716、及び/又はフリーホイールダイオード725を含んでもよい。幾つかの実施形態では、スナバ回路は、スイッチ710と並列に纏めて配置されていてもよい。幾つかの実施形態では、スナバコンデンサ720は、例えば、約100pF未満のキャパシタンス等の低キャパシタンスであってもよい。
【0159】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ700は、負荷765(例えば、抵抗性負荷又は容量性負荷又は誘導性負荷)と電気的に結合されるか、又は負荷765を含んでいてもよい。負荷765は、例えば、50オームから500オームまでの抵抗を有してもよい。代替的又は付加的に、負荷765は、誘導性負荷又は容量性負荷であってもよい。
【0160】
図8は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム100(又はナノ秒パルサーシステム300)の為のADC制御システム800のブロック図である。幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、1つ以上の位置でナノ秒パルサーシステム100と電気的に結合されてもよい。例えば、第1のHV信号805Aは、パルサー・トランス段101とバイアス補償回路104との間にあるナノ秒パルサーシステム100の点120における電圧信号を含んでもよい。別の例として、第2のHV信号805Bは、負荷段106とバイアス補償回路104との間にあるナノ秒パルサーシステム100の点125における電圧信号を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1のHV信号805A及び第2のHV信号805Bは、バイアス補償回路104のコンデンサC12の各側の電圧信号を含んでもよい。任意の個数の他の信号が受信されてもよい。
【0161】
幾つかの実施形態では、第1のHV信号805A又は第2のHV信号805Bは、負荷段106に供給される電圧信号を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1のHV信号805A又は第2のHV信号805Bは、バイアス補償回路104に供給される電圧信号を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1のHV信号805A又は第2のHV信号805Bは、リード段103に供給される電圧信号を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1のHV信号805A又は第2のHV信号805Bは、パルサーに供給される電圧信号を含んでもよく、トランス段101が測定されてもよい。幾つかの実施形態では、第1のHV信号805A又は第2のHV信号805Bは、抵抗出力段102に供給される電圧信号を含んでいてもよい。
【0162】
第1のHV信号805A及び第2のHV信号805Bを総称して又は個別に、HV入力信号805と称してもよい。
【0163】
幾つかの実施形態では、HV入力信号805は、分圧器810で分圧されてもよい。分圧器810は、例えば、高電圧のHV入力信号(例えば、1KVを超える)を低電圧信号(例えば、50V未満)に分圧する為に、高値の抵抗器又は低容量のコンデンサを含んでもよい。分圧器810は、例えば、500:1の比率で電圧を分圧してもよい。分圧器810は、例えば、0~10kVのHV入力信号805の電圧を0~20Vの電圧に分圧してもよい。分圧器810は、例えば、約5W未満の電力損失のような最小の電力損失で分圧してもよい。
【0164】
幾つかの実施形態では、分圧器810は、小容量コンデンサ、大容量コンデンサ、低容量抵抗器、大容量抵抗器を含んでもよい。小容量コンデンサは、例えば、約0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0pf等のキャパシタンス値を有するコンデンサを含んでもよい。大容量コンデンサは、例えば、キャパシタンス値が約500pfのコンデンサを含んでもよい。幾つかの実施形態では、大容量コンデンサは、小容量コンデンサのキャパシタンス値よりも約50、100、250、500、1,000、2,500、5,000pf等大きいキャパシタンス値を有していてもよい。
【0165】
低容量抵抗器は、約1.0、2.5、5.0、10、25、50、100kΩ等の抵抗値を有していてもよい。大容量抵抗器は、約0.5、1.0、2.5、5.0、10、25、50、100mΩ等の抵抗値を有していてもよい。幾つかの実施形態では、大容量の抵抗器は、低容量の抵抗器の抵抗値よりも約50、100、250、500、1,000、2,500、5,000pF等大きい抵抗値を有していてもよい。幾つかの実施形態では、小容量コンデンサと大容量コンデンサの比率は、低容量抵抗器と大容量抵抗器の比率と実質的に同じであってもよい。
【0166】
幾つかの実施形態では、分圧器810はHV入力信号を受信し、分圧信号を出力してもよい。分圧信号は、例えば、HV入力信号の100倍、250倍、500倍、750倍、1,000倍等小さくてよい。
【0167】
幾つかの実施形態では、例えば、分圧信号から任意のノイズをフィルタリングする為のフィルタ815が含まれていてもよい。
【0168】
幾つかの実施形態では、分圧信号は、第1のADC820によってデジタル化されてもよい。任意のタイプのアナログ-デジタル変換器が使用されてもよい。第1のADC820は、デジタル化された波形信号を生成してもよい。幾つかの実施形態では、第1のADC820は、100、250、500、1000、2000、5000MSPS(毎秒メガサンプル又は毎秒数百万サンプル)でデータを捕捉してもよい。幾つかの実施形態では、デジタル化された波形信号は、例えば、SPI、UART、RS-232、USB、I2C等の任意のタイプの通信プロトコルを使用してコントローラ825に通信されてもよい。
【0169】
幾つかの実施形態では、コントローラ825は、例えば、FPGA、ASIC、複合プログラマブル論理デバイス、マイクロコントローラ、システム・オン・チップ(SoC)、又はそれらの任意の組み合わせ等の任意のタイプのコントローラで構成されてもよい。幾つかの実施形態では、コントローラ825は、計算システム1600の任意の又は全ての構成要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、コントローラ825は、例えば、ブロードコムアームコルテックス(Broadcom Arm Cortex)、インテルアームコルテックス(Intel ARM Cortex)、PIC32等のような標準的なマイクロコントローラを含んでもよい。
【0170】
幾つかの実施形態では、コントローラ825は、トリガ830からトリガ信号を受信してもよい。他の実施形態では、第1のADC820は、トリガ830からトリガ信号を受信してもよい。トリガ信号は、第1のADC820におけるデータ取得のタイミングを提供してもよい。トリガ信号は、例えば、5VのTTLトリガであってもよい。トリガ信号は、例えば、50オームの終端を有してもよい。
【0171】
次に、デジタル化された信号は、例えば、第1の出力835A又は第2の出力835B(個別に又は包括的に出力835)等の1つ以上の出力ポートを介してコントローラ825から出力されてもよい。これらの出力は、ナノ秒パルサーコントローラと結合されていてもよい。出力835の何れか一方又は両方は、例えば、LVDS、TTL、LVTTLコネクタ等の電気コネクタを含んでもよい。出力835の何れか一方又は両方は、例えば、SPI、UART、RS-232、USB、I2C、イーサキャット、イーサネット、プロフィバス、PROFINET等の任意のタイプの通信プロトコルを使用してナノ秒パルサーコントローラにデータを提供してもよい。
【0172】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、ADC制御システム800上の8mmマルチラムレセプタクルを介してナノ秒パルサーシステム100と結合してもよい。
【0173】
幾つかの実施形態では、第2のADC845及び第1のADC820は、単一のADCデバイスを含んでもよい。幾つかの実施形態では、第2のADC845又は第1のADC820の何れか一方又は両方がコントローラ825の一部であってもよい。幾つかの実施形態では、第1のADC820は、第2のADC845よりも高い取得レートで動作してもよい。
【0174】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、第2のADC845を含んでもよく、このADC845は、第1のセンサ850A及び第2のセンサ850B(個別に又は包括的にセンサ850)(又は任意の個数のセンサ)からの入力を受信してもよい。幾つかの実施形態では、第2のADC845は、センサ850からのアナログ信号をデジタル化してもよい。センサ850は、例えば、入口水温、誘電体流体温度、誘電体流体圧力、シャーシ空気温度、電圧、流体の流れ等を感知するセンサ、流体リークセンサを含んでもよい。
【0175】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、所与の波形の電圧、周波数、パルス幅等を監視し、それに応答して、ナノ秒パルサーシステム100の入力に供給される電圧、パルス繰返し周波数、パルス幅、バースト繰返し周波数(ここで、バーストは複数のパルスを含む)等を調整してもよい。例えば、第1のADC820は、波形の電圧振幅を監視してもよい。この電圧データは、ナノ秒パルサー制御装置に提供されてもよい。ナノ秒パルサー制御装置は、ナノ秒パルサーシステム100に提供される信号の振幅又は周波数を調整してもよい。
【0176】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、出力835を介して、1つ以上のナノ秒パルサーシステム100に任意のパルス信号を出力してもよい。出力835は、例えば、ファイバ接続又は電気接続を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、例えば、互いに独立していてもよい複数(例えば、1、2、5、8、20、50、100等)の出力パルスチャネルを含んでもよい。複数の出力パルスチャネルは、例えば、サブナノ秒の分解能を有するパルスを出力してもよい。
【0177】
例えば、波形の電圧が所定の電圧よりも小さい場合、第1のADC820は、より高い電圧の波形を生成する為に、信号をナノ秒パルサーシステム100に送信してもよい。
【0178】
波形の電圧が所定の電圧よりも大きい場合、第1のADC820は、より低い電圧の波形を生成する為に、ナノ秒パルサーシステム100に信号を送信してもよい。
【0179】
別の例として、パルス繰返し周波数が予測パルス繰返し周波数よりも大きい場合、第1のADC820は、より低い周波数の波形を生成する為に、ナノ秒パルサーシステム100に信号を送信してもよい。バースト繰返し周波数が予測バースト繰返し周波数よりも小さい場合、第1のADC820は、より高いパルス繰返し周波数を有する波形を生成する為に、ナノ秒パルサーシステム100に信号を送信してもよい。
【0180】
別の例として、波形のパルス幅が予測パルス幅よりも長い場合、第1のADC820は、より短い又はより長パルス幅を有する波形を生成する為に、ナノ秒パルサーシステム100に信号を送信してもよい。波形のデューティサイクルが予測デューティサイクルよりも短いか又は長い場合、第1のADC820は、適切なデューティサイクルを有するパルスを生成する為に、ナノ秒パルサーシステム100に信号を送信してもよい。
【0181】
ADC制御システム800は、他の波形特性を監視してもよいし、及び/又はこれらの他の特性を調整してもよい。
【0182】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、出力835を介して1つ以上のナノ秒パルサーシステム100に任意のパルス信号を出力してもよい。例えば、ADC制御システムは任意のパルス発生器を備えてもよい。出力835は、例えば、ファイバ接続又は電気接続を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、例えば、互いに独立していてもよい複数の出力パルスチャネル(例えば、1、2、5、8、20、50、100等)を含んでもよい。複数の出力パルスチャネルは、例えば、サブナノ秒の分解能を有するパルスを出力してもよい。幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、約0.1ns未満の分解能を有するパルスを出力してもよい。幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、約100ps未満のジッタを有するパルスを出力してもよい。
【0183】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800の各出力パルスチャネルは、ナノ秒パルサーシステム100に、ナノ秒パルサーシステム100をトリガするパルスを出力してもよい。ADC制御システム800は、例えば、出力パルスのパラメータをリアルタイム又はパルス間で調整してもよい。これらのパラメータは、パルス幅、パルス繰返し周波数、デューティサイクル、バースト繰返し周波数、電圧、バーストのパルス数、バーストの数等を含んでもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のパラメータは、ADC制御システム800への入力に基づいて、又はレシピ若しくはプログラムに基づいて調整又は変更されてもよい。
【0184】
例えば、レシピは、交互の高バーストと低バーストを含んでもよい。高バーストは、例えば、長パルス幅を有する複数のパルスを含んでもよい。低バーストは、例えば、短パルス幅を有する複数のパルスを含んでもよい。高バーストと低バーストは、例えば、同数のバーストを含んでもよいし、異なる数のバーストを含んでもよい。短パルス幅は、例えば、長パルス幅の20%、30%、80%、50%等の幅であってもよい。交互の高バーストと低バーストは、高バーストの数に対して、5%、20%、50%、100%、125%、150%等の低バーストを含んでいてもよい。
【0185】
幾つかの実施形態では、制御システム800は、プラズマ処理レシピの異なるステップと併せてパルス幅、デューティサイクル、又はパルス繰返し周波数を調整することができるが、レシピの各段階は、異なるイオン電流、チャンバ圧力、又はチャンバ内の異なるガスに対応し得る。パルス幅、デューティサイクル、又はパルス繰返し周波数を調整することでウェハ表面の電界及び/又は電圧を調整して、レシピの各段階の性能を最適化し得る。
【0186】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、電気シールドを備えている。電気シールドは、例えば、高電圧構成要素と低電圧構成要素とを分離してもよい。電気シールドは、例えば、分圧器810と、コントローラ825又は第1のADC820との間に物理的に配置されてもよい。別の例として、電気シールドは、ナノ秒パルサーシステム100とコントローラ825又は第1のADC820との間に物理的に配置されてもよい。
【0187】
幾つかの実施形態では、電気シールドは、分圧器810内の抵抗器の間に物理的に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、電気シールドは、分圧器810内のコンデンサの間に物理的に配置されてもよい。
【0188】
幾つかの実施形態では、電気シールドは、銅、ニッケルを含んでよい。幾つかの実施形態では、電気シールドは、板金、金属スクリーン、又は金属発泡体を含んでよい。
【0189】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、センサ850を監視し、対策を講じてもよい。幾つかの例を以下に挙げる。
【0190】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは冷却サブシステムを含んでもよい。幾つかの実施形態では、冷却サブシステムは、ナノ秒パルサーシステム100から熱を除去する為に冷却サブシステムを流れる流体、例えば、水又は誘電体流体の何れかを含んでもよい(例えば、図11~14に示すように)。例えば、センサ850のうち1つは、冷却システム内の流体の流量センサを含んでもよい。コントローラ825が、流量が流量閾値未満であると判断した場合、ADC制御システム800は、ナノ秒パルサーシステム100をオンにすることを許可しない。コントローラ825が、流量が流量閾値未満であると判断した場合、ADC制御システム800は、ナノ秒パルサーシステム100を自動的にオフにする。幾つかの実施形態では、流量センサ(場合によってはコントローラ825付き)は、流量インターロックであってもよい。流量インターロックは、例えば、流量が流量閾値未満である場合、ナノ秒パルサーシステム100がオンになるのを阻止してもよく、又は、既にオンになっている場合にはナノ秒パルサーシステム100をオフにしてもよい。
【0191】
例えば、センサ850のうち1つは、冷却サブシステムに結合された温度計を含んでもよい。コントローラ825が、冷却サブシステムの温度(例えば、流体の温度)が水温閾値を超えていると判断した場合、ADC制御システム800は、ナノ秒パルサーシステム100をオンにすることを許可しない。コントローラ825が、水の温度が水温閾値を超えていると判断した場合、ADC制御システム800はナノ秒パルサーシステム100を自動的にオフにする。温度インターロックは、例えば、温度が水温閾値を超えている場合、ナノ秒パルサーシステム100がオンになるのを阻止してもよく、既にオンになっている場合、ナノ秒パルサーシステム100をオフにしてもよい。
【0192】
例えば、センサ850の1つは、冷却システム内の流体リザーバの為の液体レベルセンサを含んでもよい。コントローラ825が、リザーバの液体レベルが液体レベル閾値を超えていると判断した場合、ADC制御システム800はオンにならない。コントローラ825がリザーバの液体レベルが液体レベル閾値を超えていると判断した場合、ADC制御システム800は、ナノ秒パルサーシステム100を自動的にオフにする。液体レベルインターロックは、例えば、液体レベルが液体レベル閾値未満である場合、ナノ秒パルサーシステム100がオンになるのを阻止してもよく、既にオンになっている場合、ナノ秒パルサーシステム100をオフにしてもよい。
【0193】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム100は、ナノ秒パルサーシステムに窒素を圧送する窒素パージサブシステムを含んでもよい。窒素パージシステムは、例えば、高電圧ナノ秒パルサーシステムが配置されているシャーシ内に乾燥窒素を導入してもよい。例えば、センサ850の1つは、窒素圧力センサを含んでもよい。コントローラ825が、窒素圧力レベルが圧力閾値未満であると判断した場合、ADC制御システム800はオンにならない。コントローラ825が、窒素圧力レベルが圧力閾値未満であると判断した場合、ADC制御システム800は自動的にナノ秒パルサーシステム100をオフにする。圧力インターロックは、圧力が圧力閾値未満である場合に、例えば、ナノ秒パルサーシステム100がオンになることを阻止してもよく、既にオンになっている場合に、ナノ秒パルサーシステム100をオフにしてもよい。
【0194】
幾つかの実施形態では、センサ850のうち1つは、ナノ秒パルサーシステム100内の直流電源に結合された直流電圧センサを含んでもよい。例えば、複数の直流電源システムがナノ秒パルサーシステム100内で使用され、動作中に電圧が設定パーセンテージ(例えば、1%、5%、10%、20%等)を超えて、又は絶対電圧(例えば、5V、10V、50V、100V等)を超えて変動した場合、ADC制御システム800はナノ秒パルサーシステム100を自動的にオフにしてもよい。別の例として、電源システムが使用され、動作中に、電圧出力が、設定電圧からパーセンテージ(例えば、1%、5%、10%、20%等)を超えて、又は設定電圧から絶対電圧を超えて差がある(例えば、5V、10V、50V、100V等)場合、ADC制御システム800は、パルシングを自動的にオフにしてもよい。
【0195】
幾つかの実施形態では、出力835は、第三者システム(例えば、外部システム)と通信し得るイーサキャット(EtherCat)モジュールを含んでもよい。幾つかの実施形態では、イーサキャットモジュールは、任意のタイプの通信モジュールを備えてもよい。幾つかの実施形態では、イーサキャットモジュールは計算システム1600の1つ以上の構成要素を含んでもよい。
【0196】
幾つかの実施形態では、コントローラ825は、1つ以上のインターロックの操作に応答してもよい。インターロックは、例えば、24Vインターロック、乾燥窒素圧力インターロック、水流インターロック、誘電体流インターロック、貯水リザーバレベルインターロック、水温インターロック、誘電体温度インターロック等を含んでもよい。
【0197】
幾つかの実施形態では、制御システムは、例えば、パルス幅、デューティサイクル、高電圧設定点、オン/オフ、リターン電流出力電圧、高電圧電流設定点、リターン電流出力電流、高電圧出力イネーブル、リターン高電圧イネーブル状態、非常停止等のパルスシステムの動作を制御してもよい。
【0198】
幾つかの実施形態では、ユーザは、イーサキャットモジュールを介して制御システムとインターフェースしてもよい。ユーザは、例えば、出力パルス幅を設定する為にPWコマンドを発行してもよい。別の例として、ユーザは、デューティサイクルを設定する為にDUTYコマンドを発行してもよい。別の例として、ユーザは、電源をオンにしてユニットの動作を開始する為に、又はユニットの動作を終了する為にオフにする為に、PWRコマンドを発行してもよい。別の例として、ユニットは、デューティサイクル、パルス幅を変更する為の別のコマンドを発行するまで、又はシャットオフする為の別のPWRコマンドを発行するまで、設定された通りに動作し続けてもよい。
【0199】
幾つかの実施形態では、ADC制御システム800は、例えば、イーサキャット(Ethercat)、LXI、イーサネット(Ethernet)、プロフィバス(Profibus)、プロフィネット(PROFINET)、RS-232、モドバス(ModBus)、USB、UART、SPI、CC-Lin等の任意のタイプの通信プロトコルで外部ソースからコマンドを受信してもよい。
【0200】
図15は、幾つかの実施形態によるプロセス1500のフローチャートのブロック図である。プロセス500は幾つかのブロックを含む。任意の追加ブロックが追加されてもよいし、任意のブロックが削除されてもよい。プロセス1500は、例えば、計算システム600の1つ以上の構成要素によって実行されてもよい。プロセス1500は、例えば、制御システム400によって実行されてもよい。
【0201】
ブロック1505で、プロセス1500は、レシピに基づいて、複数の低電圧パルスを高電圧パルサーシステム(例えば、ナノ秒パルサー100又はナノ秒パルサー300)に送信してもよい。低電圧パルスは、例えば、例えば5V等の20V未満のピーク電圧を有してもよい。低電圧パルスは、パルス繰返し周波数を有していてもよく、各パルスはパルス幅を有していてもよい。
【0202】
幾つかの実施形態では、レシピは、上述したように、交互の高バーストと低バーストを含んでもよい。幾つかの実施形態では、レシピはリアルタイムで調整又は変更されてもよい。幾つかの実施形態では、レシピは、プラズマチャンバの様々なパラメータ又は特性に依存してもよい。
【0203】
ブロック1510で、高電圧パルスが高電圧パルサーで測定され得る。高電圧パルサーは、例えば、2kVを超えるピーク電圧を有し得る。幾つかの実施形態では、高電圧パルスは、低電圧パルスのピーク電圧の100倍を超えるピーク電圧を有し得る。幾つかの実施形態では、高電圧パルスは、プラズマチャンバ内の電極で測定されてもよい。幾つかの実施形態では、高電圧パルスは、高電圧パルサーの抵抗出力段又はエネルギー回収段内の抵抗器を跨いで測定されてもよい。幾つかの実施形態では、高電圧パルサー内のバイアスコンデンサで高電圧パルスを測定してもよい。
【0204】
幾つかの実施形態では、高電圧パルスの半値全幅、ピーク電圧、直流バイアス、立上り時間、立下り時間等が測定され得る。
【0205】
ブロック1515で、測定パルスは、所望の(又は予測される)パルスと比較され得る。測定されたパルスが所望のパルスと一致している場合(例えば、何らかの許容範囲内)、プロセス1500はブロック1505に進み、プロセスが繰り返される。
【0206】
測定されたパルスが所望のパルスと一致しない場合、プロセス1500はブロック1520に進む。ブロック1520で、低電圧パルスのパルス幅又はパルス繰返し周波数が調整される。例えば、高電圧パルスの電圧が所望よりも低い場合、低電圧パルスのパルス幅を増加させてもよい。別の例として、高電圧パルスの電圧が所望よりも高い場合、低電圧パルスのパルス幅を減少させてもよい。
【0207】
例えば、高電圧パルスのパルス繰返し周波数(又はパルス繰り返し期間)が所望よりも低い場合、低電圧パルスのパルス繰返し周波数を増加させてもよい。別の例として、高電圧パルスのパルス繰返し周波数(又はパルス繰り返し期間)が所望よりも高い場合には、低電圧パルスのパルス繰返し周波数を減少させてもよい。
【0208】
幾つかの実施形態では、プロセス1500はリアルタイムで実行されてもよい。例えば、プロセス1500は、約20μs未満、約10μs未満、約5μs未満、約1μs未満等で繰り返され得る。別の例として、プロセス1500は、約50μs、20μs、10μs、5μs、1μs等未満の精度で、パルス間の期間(例えば、パルス繰返し期間)の精度を制御してもよい。
【0209】
図9は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム900の機能ブロック図である。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、ナノ秒パルサーシステム100及び/又はナノ秒パルサーシステム150に示された又は配置された構成要素の全て又は幾つかを含んでもよい。
【0210】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、幾つかの構成要素が封入されたシャーシ905を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900はADC制御モジュール912を含んでもよい。ADC制御モジュール912は、ADC制御システム800に示された構成要素の全て又は幾つかを含んでもよい。
【0211】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、バイアス補償モジュール965(例えば、バイアス補償回路104、バイアス補償回路514又はバイアス補償回路614の構成要素のうち全て又は幾つか)及び/又はバイアスコンデンサ910(例えば、コンデンサC12)を含んでもよい。
【0212】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は熱交換器サブシステム940を含んでもよい。
【0213】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は高電圧直流電源950を含んでもよい。高電圧直流電源は、バイアス補償モジュール965又はナノ秒パルサー955に直流電力を供給してもよい。
【0214】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、抵抗出力段920(例えば、抵抗出力段102)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、2018年3月30日に出願された「高電圧抵抗出力段回路(High Voltage Resistive Output Stage Circuit)」という名称の米国特許出願シリアル番号第15/941,931号に記載されている任意の又は全ての構成要素、配置、機能性等を含んでもよく、同出願は全ての目的の為にその全体が本明細書に組み込まれている。
【0215】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、図3に示すように、エネルギー回収回路165を含んでもよい。
【0216】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900はHVMモジュール915を含んでもよい。幾つかの実施形態では、HVMモジュール915は、イーサキャットスレーブモジュール及び/又は高電圧直流電源モジュールを含んでもよい。HVMモジュール915は、外部システムとの通信の為の様々なコネクタ又はポートを含んでもよい。
【0217】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は制御モジュール925を含んでもよい。制御モジュール925は、イーサキャットスレーブモジュール、システムオンチップモジュール、及び/又はFPGAを含んでもよい。
【0218】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は第2のADCモジュール930を含んでもよい。第2のADCモジュール930は、マイクロコントローラ(例えば、コントローラ825の全部又は一部)及び/又はアナログ-デジタル変換器(例えば、第2のADC845)を含んでもよい。マイクロコントローラは、例えば、計算システム1600内に示される構成要素の何れか又は全てを含んでもよい。
【0219】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、様々なモジュールが容易に交換又は修理され得るように、モジュール設計を有してもよい。例えば、ナノ秒パルサーシステム900は、パワーエントリモジュール、ACヒータフィルタモジュール、高速ADCモジュール、制御モジュール、及び/又はHVMを含んでもよい。これらのモジュールは、例えば、スライドインモジュールであってもよい。別の例として、ナノ秒パルサーシステム900は、例えば、抵抗出力段抵抗器及び/又はインダクタモジュール、熱管理システム、及び/又はナノ秒パルサー等の他のモジュールを含んでもよい。これらのモジュールは、システム本体に設けられた1つ以上のカバーを取り外すか、開けることによってアクセスすることができる。
【0220】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、パルスバイアス発生(PBG)モジュールを含んでもよい。このモジュールは、最大8kV、900kHzの出力パルスを生成してもよい。このモジュールは、例えば、2つ以上のナノ秒パルサー及び/又は抵抗出力段を含んでもよい。
【0221】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、空間的に可変なウェハバイアス電力システム(例えば、空間的に可変なウェハバイアス電力システム400の構成要素の何れか又は全て)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、パルスバイアス生成サブシステムのより小さいバージョン、例えば、約25%の電力にスケーリングされたものであってもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、ウェハの中央部分とは別にウェハのエッジを駆動してもよい。ウェハの異なる空間領域が互いに独立してパルシングされ得る、様々な他の実施形態が使用されてもよい。
【0222】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、HVMモジュール(例えば、スライドインモジュール)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、直流チャッキング電圧を提供してもよい。
【0223】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、ACヒータフィルタモジュール(例えば、スライドインモジュール)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、接地リーク電流を最小化し、ヒータ素子を介したPBGから接地への過剰電力の引き込みを回避する為に、ヒータ素子に行くAC電力をフィルタリングしてもよい。
【0224】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、制御モジュール及び/又は第2のADC(例えば、スライドインモジュール)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、システムがイーサキャットを介して制御されることを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、充電電圧及び電流を制御する為に外部直流電源とのインターフェースを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、システムの状態を確認する為に内部センサ(例えば、温度、流量、状態等)を監視してもよい。
【0225】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は、電力分配(例えば、スライドインモジュール)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、外部電源(例えば、HVDC及び3相208V)を差し込む為のインターフェースを提供してもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、P1シャーシ内の他のモジュールに必要な制御電圧を生成する為のACDC電源を含んでもよい。幾つかの実施形態では、このモジュールは、システム内の必要なモジュールに必要な電圧を得る為の配電ネットワークを提供してもよい。
【0226】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900はシャーシを含んでもよい。幾つかの実施形態では、シャーシは、全てのモジュールを保持する機械的アセンブリを含んでもよい。幾つかの実施形態では、シャーシは、EMIがシステムに侵入しないように、又は、システムから漏れないようにRFシールを提供してもよい。幾つかの実施形態では、シャーシはモジュラー式であってもよく、及び/又は、システム内部コンポーネントへのアクセスを可能にする為に、取り外し可能なフロントカバーを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、シャーシは、必要に応じて、簡単に交換できるように、側面からの「スライドイン」モジュールを可能にしてもよい。
【0227】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900は熱管理サブシステム1000を含んでもよく、熱管理サブシステム1000は、熱交換器、複数の流体ライン、複数のコールドプレートを含んでもよい。幾つかの実施形態では、熱管理サブシステムは、他のシステム構成要素に冷却を提供してもよい。幾つかの実施形態では、熱管理サブシステムは、冷却水(例えば、5gpm以上)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、熱管理サブシステムは、誘電体冷却水をシステムに内部的に循環させることができるように、熱交換器を含んでもよく、これにより、例えば、水が全体に使用された場合に発生し得るアーキング/容量性結合の問題が排除され得る。幾つかの実施形態では、熱管理サブシステムは、NSP上のスイッチ及びコア、ROS及びスナバ抵抗器の為のコールドプレートを含んでもよい。
【0228】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステム900はセンササブシステムを含んでもよい。幾つかの実施形態では、センササブシステムは、システムの状態及び動作を監視する為に必要な全てのセンサを提供してもよい。幾つかの実施形態では、センササブシステムは、主要構成要素(例えば、スイッチ、コア、抵抗器等)の温度及び/又は熱管理サブシステムの誘電体流体の温度を測定する温度センサを含んでもよい。幾つかの実施形態では、センササブシステムは、クーラントが適切に循環していること及び/又は漏れていないことを確認することができる流量/圧力センサを含んでもよい。幾つかの実施形態では、センササブシステムは、システム内の窒素の流れを確認するセンサを含んでもよく、これは、例えば、結露を防止する為に必要であり得る。
【0229】
図10は、幾つかの実施形態による熱管理システム1000のブロック図である。幾つかの実施形態では、熱管理システム1000は、主マニホールド1005と熱交換器1010とを含んでもよい。熱交換器1010は、熱管理システムの低温側と高温側との間で熱を交換してもよい。高温側は、熱交換器1010内の設備流体によって、コールドプレートから戻った高温システム流体が冷却され得るように、任意の数のコールドプレートと流体的に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、システム流体は、水、誘電体流体、誘電体流体ガルデン(Galden)HT110、脱イオン水、グリコール/水溶液、芳香族ベースの誘電体流体(例えば、DEB)、ケイ酸エステル系誘電体流体(例えば、クーラノール(Coolanol)25R)、脂肪族系誘電体流体(例えば、PAO)、シリコーン系誘電体流体(例えば、シルサーム(Syltherm)XLT)、フルオロカーボン系誘電体流体(例えば、FC-77)、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール/水、ギ酸カリウム/酢酸カリウム溶液等を含んでもよい。幾つかの実施形態では、設備流体は、例えば、水道水等の水を含んでいてもよい。
【0230】
幾つかの実施形態では、熱交換器1010の設備側は、外部流体源1015から設備流体(例えば、水)を受け取ってもよい。幾つかの実施形態では、外部流体源1015は流体入口と流体出口とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、外部流体源1015は、設備流体熱管理システムを含んでもよい。幾つかの実施形態では、外部流体源は、熱交換器1010を含む外部流体源に設備流体が流れることを確実にする為に、1つ以上のポンプを含んでもよい。
【0231】
幾つかの実施形態では、熱交換器1010は、例えば、高温側(例えば、各種基板部品)から低温側(例えば、設備)に熱を交換してもよい。幾つかの実施形態では、低温側は設備流体(例えば、水)を含んでもよく、高温側はシステム流体(例えば、誘電体流体)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、高温側は、1つ以上のスイッチコールドプレート1041、1051、1つ以上のコアコールドプレート1046、1047、1056、1057、1つ以上の抵抗器コールドプレート1060、1061、1062、1063、スナバ抵抗器コールドプレート1070、1071、1つ以上の液体・空気熱交換器1080、1081、ポンプ1025、及び/又はリザーバ1020等を含んでいてもよい。高温側は、完全内包システムであってもよい。低温側は、外部流体供給及び/又は熱管理システムと結合されていてもよい。幾つかの実施形態では、システム流体は、設備流体よりも速く(例えば、2倍の速さで)循環されてもよい。幾つかの実施形態では、システム流体は、毎分約1~100ガロンの速度で循環してもよく、又は、設備流体は、毎分約1~100ガロンの速度で循環してもよい。幾つかの実施形態では、熱交換器1010は、流体を高温側と低温側との間で転移させずに高温側と低温側との間の熱交換を容易にしてもよい。
【0232】
幾つかの実施形態では、熱交換器1010の高温側は、例えば、1つ以上のパイプ又はチューブを介して、コールドプレート、リザーバ1020、ポンプ1025、又は主マニホールド1030と結合されていてもよい。
【0233】
幾つかの実施形態では、熱交換器1010は、スケーラブルプレート熱交換器を含んでもよい。幾つかの実施形態では、熱交換器1010は、シェルアンドチューブ熱交換器を含んでもよい。幾つかの実施形態では、熱交換器1010は、二重管熱交換器を含んでもよい。
【0234】
幾つかの実施形態では、リザーバ1020は、高電圧ナノ秒パルサーシステムの様々な構成要素が運転中に加熱されるにつれて、システム流体の膨張又は収縮を許容し得る。幾つかの実施形態では、リザーバ1020は、ポンプ1025が潜在的に乾いた状態で作動しないように維持する為に、過剰なシステム流体を貯留してもよい。幾つかの実施形態では、リザーバ1020は、例えば、溶接されたスチール容器又はポリマー容器等の如何なる数の方式で構成されてもよい。幾つかの実施形態では、リザーバ1020は、任意の構成又は空間に適合するようにサイズ又は形状を変更することができるカスタマイズされた形状を有してもよい。幾つかの実施形態では、リザーバ1020は、リザーバ1020が追加のシステム流体で満たされることを可能にする為に、リザーバ1020の上部に開口部を有していてもよい。幾つかの実施形態では、リザーバ1020は、リザーバ内からの圧力を逃がす為に自動的に開閉することができる圧力逃がし弁を含んでもよい。幾つかの実施形態では、リザーバ1020は、気泡を分離するか、又はシステム流体の流れの乱れを減少させるのに有用であり得る複数のチャンバ又はコンパートメントを含んでもよい。
【0235】
幾つかの実施形態では、ポンプ1025は、熱交換器1010、リザーバ1020、主マニホールド1030、チューブ、パイプ、又は他の構成要素を介してシステム流体を圧送してもよい。ポンプ1025は、例えば、毎分約10~30ガロン、又は毎分約15~20ガロンの流量でシステム流体を圧送してもよい。幾つかの実施形態では、ポンプは、毎時約18ガロンの流量でシステム流体を圧送してもよい。幾つかの実施形態では、ポンプ1025は、磁気駆動ポンプ、遠心ポンプ、再生タービンポンプ、メカニカルシールポンプ等を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ポンプ1025は、可変周波数駆動モータポンプ又は従来の単速遠心ポンプを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ポンプは、システム全体が電源を入れたときにポンプが自動的にオンになるように配線されていてもよい。
【0236】
幾つかの実施形態では、主マニホールド1030は、任意の数のコールドプレートの間でシステム流体を分配してもよい。例えば、コールドプレートは、1つ以上のスイッチコールドプレート1041、1051を含んでもよい。スイッチコールドプレートの例は図11に示されている。例えば、コールドプレートは、1つ以上のコアコールドプレート1046、1047、1056、1057を含み得る。コアコールドプレートの例を図12、13及び14に示す。
【0237】
幾つかの実施形態では、コアコールドプレートは、トランス性能への影響を最小化しながら最適な冷却を提供する為に、トロイドトランスコアとインターフェースすることができる。幾つかの実施形態では、コアコールドプレートは、トランスの連続した導電性シート一次巻線がコアコールドプレートから絶縁され得るように、内側又は外側の絶縁リングを含んでもよい。幾つかの実施形態では、コアコールドプレートは、アルミニウムリングに圧入されたチューブを用いてもよいし、より大きな直径の銅管をリング状に平坦化して、相互作用する材料が少なくなるようにしてもよい。別の例として、コアコールドプレートを銅のソリッドピースから作製して内部に溝を加工して内部の「チューブ」を作り、次にその上に銅等の金属の別のピースを蝋付けしてもよい。
【0238】
例えば、コールドプレートは、1つ以上の抵抗器コールドプレート1060、1061、1062、1063、1つ以上のスナバ抵抗器コールドプレート1070、1071を含み得る。抵抗器コールドプレートとスナバ抵抗器コールドプレートの例を図11、12に示す。幾つかの実施形態では、抵抗器コールドプレートは、高い圧力/速度に対応しつつ、抵抗器コールドプレートを可能な限り薄くできるように、銅の機械加工や蝋付けを含んでもよい。
【0239】
例えば、コールドプレートは、1つ以上の液体・空気熱交換器1080、1081を含み得る。1つ以上の液体・空気熱交換器1080、1081は、ナノ秒パルサーシステムの内部を循環する空気を冷却してもよい。ナノ秒パルサーシステム内に配置されたファンは、液冷式コールドプレートが取り付けられていない構成要素を通して、この冷却空気を循環させてもよい。例えば、ダイオード、ゲート駆動回路、スイッチングレギュレータ等の冷却に熱交換器を用いてもよい。
【0240】
幾つかの実施形態では、主マニホールド1030は、複数のコネクタに結合された複数の相互接続されたオリフィスを含んでもよい。複数のコネクタは、チューブを様々な構成要素と接続する為に使用され得る。幾つかの実施形態では、複数のコネクタ各々は、組立、分解、又はメンテナンスを容易にする為に、クイックコネクトコネクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、複数のコネクタ各々は、システム流体上の抵抗を少なくすることができるバーブコネクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、マニホールドは、異なる構成要素への異なる流体流量を可能にする為に、異なるサイズのオリフィスを有してもよい。
【0241】
幾つかの実施形態では、コールドプレートは、様々な構成要素と結合するように構成又は適合され得る様々なコールドプレートを含んでもよい。幾つかの実施形態では、コールドプレートは、特定の動作条件(例えば、定常状態の流量、圧力、温度等)又は各構成要素の形状に基づいて適切な冷却を確保する為に、計算流体力学(CFD)を使用して設計されてもよい。
【0242】
幾つかの実施形態では、スイッチコールドプレート及びコアコールドプレートは、サイズ、漂遊キャパシタンス、又は漂遊インダクタンスを最小化しながら、各コンポーネントから可能な限り多くの熱を均一な方法で除去するように設計され、使用され得る。
【0243】
幾つかの実施形態では、コアコールドプレートは、約10pF、1pF、100nF、10nF等未満の漂遊キャパシタンスを導入してもよい。例えば、コアコールドプレートが配置された状態で第2の巻線と接地との間で測定される漂遊キャパシタンスは、コアコールドプレートがない場合の第2の巻線と接地との間で測定される漂遊キャパシタンスより約10nF未満(又は約10pF未満、1pF未満、100nF未満)大きい。
【0244】
幾つかの実施形態では、コアコールドプレートは、二次側で測定される漂遊インダクタンスの約1nH未満、10nH未満、100nH未満、1μH未満、10μH未満等の漂遊インダクタンスを導入してもよい。例えば、コアコールドプレートがあるトランスの二次側で測定された漂遊インダクタンスは、コアコールドプレートがないトランスの二次側で測定された漂遊インダクタンスよりも10μH未満大きくてもよい。別の例として、コアコールドプレートがあるトランスの一次側で測定された漂遊インダクタンスは、コアコールドプレートがないトランスの二次側で測定された漂遊インダクタンスよりも10nH未満大きくてもよい。
【0245】
幾つかの実施形態では、スイッチコールドプレートは、約10nF未満のキャパシタンスを導入してもよい。例えば、スイッチはヒートシンクを含んでもよい。スイッチコールドプレートはヒートシンクと結合されてもよい。スイッチコールドプレートがヒートシンクに結合されていない状態で、スイッチヒートシンクと接地との間の第1のキャパシタンスが決定され得る。スイッチコールドプレートをヒートシンクに結合した状態で、スイッチヒートシンクと接地との間の第2のキャパシタンスが決定され得る。第1のキャパシタンスと第2のキャパシタンスとの間の差は、約10pF~約10nF未満、例えば、約5nF未満のキャパシタンス等であってもよい。別の例として、スイッチコールドプレートがスイッチヒートシンクに結合した状態でのスイッチコールドプレートと接地との間の漂遊キャパシタンスは、第1のスイッチコールドプレートが取り除かれた状態でのスイッチヒートシンクと接地との間の漂遊キャパシタンスよりも5nF未満大きい。
【0246】
幾つかの実施形態では、スイッチコールドプレートとスイッチヒートシンクとが同電位になるように、スイッチコールドプレートをスイッチヒートシンクに結合してもよい。更に、スイッチのヒートシンクをコレクタ又はドレインに接続することができる為、これで、スイッチコールドプレートをコレクタ(IGBTの場合)又はドレイン(MOSFETの場合)に電気的に結合してもよい。
【0247】
幾つかの実施形態では、スイッチとスイッチコールドプレートとの間に、熱的(又は電気的)絶縁材料が配置されていてもよい。
【0248】
幾つかの実施形態では、スイッチコールドプレート及び/又はコアコールドプレートは、最小化された形状を有していてもよい。
【0249】
幾つかの実施形態では、種々のコールドプレートが主マニホールド1030に直列又は並列に接続されていてもよい。
【0250】
この例では、パルサー・トランス段(例えば、パルサー・トランス段101)を含む2つの回路基板1040、1050が含まれ、夫々の基板にトランスコアが含まれる。各基板は、1個以上のスイッチ(例えば、図1のスイッチS1)と接触し得る1つ以上のスイッチコールドプレート及び/又は1個以上のトランスコア(例えば、図1のトランスT2)と接触し得る1つ以上のコアコールドプレートを含んでいてもよい。複数の抵抗器コールドプレートは、抵抗器出力段抵抗器(例えば、図1の抵抗器R1)及びスナバ抵抗器(例えば、図1の抵抗器R3)に結合されている。これらのコールドプレート各々は、銅又はプレックスチューブを介して主マニホールドと流体的に接続されていてもよい。幾つかの実施形態では、チューブは、約0.1インチ、約0.2インチ、約0.5インチ等のパイプサイズを有していてもよい。
【0251】
幾つかの実施形態では、電気部品(例えば、スイッチ、抵抗器、トランスコア等)とコールドプレート(例えば、1つ以上のスイッチコールドプレート1041、1051、1つ以上のコアコールドプレート1046、1047、1056、1057、1つ以上の抵抗器コールドプレート1060、1061、1062、1063、スナバ抵抗器コールドプレート1070、1071、1つ以上の液体・空気熱交換器1080、1081)との間のギャップを埋める為に、熱界面材料が使用されてもよい。幾つかの実施形態では、チューブとコールドプレート(例えば、1つ以上のスイッチコールドプレート1041、1051、1つ以上のコアコールドプレート1046、1047、1056、1057、1つ以上の抵抗器コールドプレート1060、1061、1062、1063、スナバ抵抗器コールドプレート1070、1071、1つ以上の液体・空気熱交換器1080、1081)との間に、熱界面材料を配置してもよい。
【0252】
幾つかの実施形態では、熱界面材料は、例えば、熱抵抗を最小化する為に、非常に薄型(例えば、0.0005インチ程度の薄さから、0.1インチの厚さまで)であってもよい。幾つかの実施形態では、熱界面材料は、凹凸のある表面を有する物体間のギャップを架橋する為に、又は構造的な剛性を提供する為に、より多くの厚さ又は不均一な厚さを有してもよい。熱界面材料は、例えば、窒化アルミニウム等の固体であってもよく、又は、例えば、導電性エポキシ、熱ペースト、若しくは圧縮可能な熱パッド等の変形可能なものであってもよい。熱界面材料は、用途に応じて、電気絶縁性又は導電性であってもよい。
【0253】
幾つかの実施形態では、熱エポキシは、トランスコアにコアコールドプレートを機械的・熱的に接着する為に使用され得る。熱エポキシは、例えば、標準的なRTVよりも高い熱伝導率を有する。幾つかの実施形態では、熱エポキシよりも高い熱伝導性を有するが構造的には劣る熱伝導性タッキーパッドを使用して、各スイッチをスイッチコールドプレートと結合してもよい。幾つかの実施形態では、クリップをスイッチコールドプレートにネジで固定することができる。幾つかの実施形態では、タッキーパッドよりも熱伝導性が高くあり得る熱ペーストの薄層を使用して、抵抗器と抵抗器コアコールドプレートを結合させてもよい。幾つかの実施形態では、抵抗器は、抵抗器コールドプレートの表面にネジ止めすることができ、これは、熱伝達を最適化する為の一定の均一な圧力を提供し得る。
【0254】
図11は、スイッチコールドプレートシステム1100(例えば、スイッチコールドプレート1041、1051)の実施形態及び/又は配置を示す。スイッチコールドプレートシステム1100は、対応する円形又は八角形配列の(例えば、中心点の周りに軸方向に配列された)スイッチ(例えば、図1のスイッチS1)と結合するように円形又は八角形配列に配列された(例えば、中心点の周りに軸方向に配列された)複数のスイッチコールドプレート1105A、1105B、1105C、1105D、1105E、1105F、1105G、1105H(個別に又は包括的にスイッチコールドプレート1105)を含んでもよい。スイッチコールドプレート1105は、チューブ1120、1125を介して結合されてもよい。チューブ1120、1125は、例えば、様々なスイッチコールドプレート1105を介してシステム流体を通してもよい。幾つかの実施形態では、チューブの2本の平行線は、様々なスイッチコールドプレート1105を接続し、スイッチコールドプレート1105の間でシステム流体を通してもよい。
【0255】
幾つかの実施形態では、各スイッチコールドプレート1105は、第1の面と第2の面とを備えてよい。各スイッチコールドプレート1105は、例えば、例えばチューブの直径に実質的に類似したチャネルの直径を有するような、チューブ1120、1125と確実に結合するようなサイズと構成の、第2の面を貫通して切断された1つ又は2つのチャネル(又は溝)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1の面は、実質的に平坦であってもよく、例えば、熱伝導性ペースト又は接着剤(例えば、窒化アルミニウム)等の熱界面材料を用いて、スイッチの表面(例えば、スイッチの平坦部分)と結合してもよい。チャネルは、例えば、例えば熱伝導性ペースト又は接着剤(例えば、窒化アルミニウム)等の熱伝導性界面材料を用いて、チューブと物理的に結合されていてもよい。幾つかの実施形態では、チューブ1120、1125は、各スイッチコールドプレートのチャネルに圧入されても、及び/又はその後、入口/出口マニホールド1110又はループバックマニホールド1115に蝋付けされて、スイッチが結合されている回路基板にネジ止めされ得る八角形を形成してもよい。
【0256】
幾つかの実施形態では、各スイッチコールドプレート1105の第2の面には、例えば、熱伝導性ペーストや接着剤を介して、1、2、4、8個等のスイッチが取り付けられていてもよい。幾つかの実施形態では、各スイッチコールドプレート1105は、スイッチと結合可能な1つ以上の取付孔を含んでいてもよい。
【0257】
幾つかの実施形態では、システム流体は、入口ポート1140を介して入口/出口マニホールド1110に入り、出口ポート1145を介して入口/出口マニホールド1110から出ることにより、入口/出口マニホールド1110を介してスイッチコールドプレートシステム1100に入ることができる。幾つかの実施形態では、入口ポート1140は入口コネクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、出口ポートは出口コネクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、入口/出口マニホールド1110は、材料のアルミニウムブロックを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ループバックマニホールド1115は、例えば、アルミニウム、真鍮、青銅、又は銅等の金属材料のブロックから構成されてもよい。幾つかの実施形態では、ループバックマニホールド1115はプラスチックを含んでよい。
【0258】
幾つかの実施形態では、入口/出口マニホールド1110は、システム流体を2つの別々の経路に分けてもよく、第1の経路は、4つのスイッチコールドプレート1105G、1105F、1105E、1105Dを連結したチューブ1120を介してシステム流体を通し、同様にこれら4つのスイッチコールドプレート1105G、1105F、1105E、1105Dを連結したチューブ1125を介して戻してもよく、第2の経路は、4つのスイッチコールドプレート1105H、1105A、1105B、1105Cを連結したチューブ1130を介してシステム流体を通し、同様にこれら4つのスイッチコールドプレート1105H、1105A、1105B、1105Cを連結したチューブ1135を介して戻してもよい。
【0259】
幾つかの実施形態では、ループバックマニホールド1115は、システム流体をチューブ1120から受け取り、システム流体をチューブ1125を介して戻してもよい。幾つかの実施形態では、ループバックマニホールド1115は、システム流体をチューブ1130から受け取り、システム流体をチューブ1135を介して戻してもよい。この配置は、例えば、スイッチ間の温度差を小さく保つのに役立ち得るものであり、及び/又は継手の数を減少させ得る。
【0260】
幾つかの実施形態では、チューブ1130又はチューブ1135と各スイッチコールドプレート1105との間に熱界面材料を配置してもよい。
【0261】
幾つかの実施形態では、入口/出口マニホールド1110は、ループバックマニホールド1115を介さずに、システム流体を、1つのチューブ(例えば、チューブ1125)内の様々なスイッチコールドプレート1105を一方向に通る第11の経路と、もう1つのチューブ(例えば、チューブ1120)内の様々なスイッチコールドプレート1105を反対方向に通る第2の経路とに分割してもよい。
【0262】
幾つかの実施形態では、スイッチコールドプレートは、様々なスイッチの表面温度を約250℃未満の温度に維持してもよい。幾つかの実施形態では、スイッチコールドプレートは、各スイッチから約1Wを超える熱を除去してもよい。
【0263】
図12図13、及び図14は、幾つかの実施形態によるコールドプレート1200(例えば、コアコールドプレート1046、1047、1056、1057)の実施形態及び/又は配置を例示している。幾つかの実施形態では、コアコールドプレート1200は、例えばトロイド形状のトランスコア等の1つ以上のトランスコアに熱放散を提供することができる。幾つかの実施形態では、コアコールドプレート1200は、2つのトランスコア1210、1211の間、即ち、コアコールドプレート1200の一方の側の一つのトランスコア1210と、コアコールドプレート1200の他方の側の別のトランスコア1211との間に配置され得る。幾つかの実施形態では、実施形態の追加コアコールドプレートは、トランスコア1210及び1211の他方の側に配置されてもよい。
【0264】
幾つかの実施形態では、システム流体は、コアコールドプレート1200の内部チューブ1215を介して、毎分0.1~10ガロンの速度で圧送されてもよい。
【0265】
幾つかの実施形態では、図13及び図14に示すように、コアコールドプレート1200は、内部チューブ1215を含み得るフラットリング1205から形成されてもよい。幾つかの実施形態では、フラットリング1205はトロイド又はドーナツ形状を有してもよく、内部開口部を有してもよい。幾つかの実施形態では、フラットリングは内周又は外周を有していてもよい。フラットリング1205は、例えば、アルミニウム、真鍮、鋼、青銅、銅等の任意の金属を含んでよい。幾つかの実施形態では、内部チューブ1215は、2つのトランスコア1210、1211の間にシステム流体を通してもよい。内部チューブ1215は、例えば、銅管を含んでもよい。
【0266】
幾つかの実施形態では、コアコールドプレート1200は、フラットリング1205、内部チューブ1215、内部リング1230、又は外部リング1235を含む。幾つかの実施形態では、内部リング1230又は外部リング1235は、プラスチック又は他の任意の絶縁材料を含んでよい。幾つかの実施形態では、内部リング1230は、フラットリング1205の内周と実質的に類似した外周を有していてもよい。幾つかの実施形態では、内部リング1230は、フラットリング1205の内側開口部内に配置されていてもよい。幾つかの実施形態では、外部リング1235は、フラットリング1205の外周と実質的に類似した内周を有していてもよい。
【0267】
幾つかの実施形態では、フラットリング1205、内部リング1230、外部リング1235、トランスコア1210、及びトランスコア1211の開口部は、例えば、フラットリング1205、内部リング1230、外部リング1235、トランスコア1210、及びトランスコア1211夫々の開口部の中心軸を通る軸に沿って実質的に整列していてもよい。
【0268】
幾つかの実施形態では、内部リング1230又は外部リング1235は、トランスコアの内径及び外径に取り付けられて、トランスコアの周りに巻かれた任意の一次トランス巻線及び/又は二次トランス巻線からのスタンドオフを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、内部リング1230又は外部リング1235は、コアコールドプレート1200と、トランスコアに巻かれ得る任意の一次トランス巻線及び/又は二次トランス巻線との間の容量性又は誘導性結合を低減し得る。
【0269】
幾つかの実施形態では、内部チューブ1215は、入口コネクタ1220及び出口コネクタ1225と結合されてもよい。入口コネクタ1220は、入口チューブ1240と、例えば、クランプ1260(金属製又はプラスチック製のクランプ)、クイックディスコネクトデバイスを介して結合されてもよく、又は一体に半田付けされてもよい。入口チューブ1240は、例えば、クランプ1260を介して、コネクタ1250と結合されてもよい。コネクタ1250は、例えば、主マニホールド1030と接続してもよい。出口コネクタ1225は、例えば、クランプ1260を介して出口チューブ1241と結合されてもよい。出口チューブ1241は、例えば、クランプ1260を介してコネクタ1251と結合されてもよい。コネクタ1251は、例えば、主マニホールド1030に結合してもよい。
【0270】
幾つかの実施形態では、コアコールドプレートはトランスコアの表面温度を約200℃未満に維持してもよい。幾つかの実施形態では、コアコールドプレートはトランスコアから約1Wを超える熱を除去してもよい。
【0271】
幾つかの実施形態では,トランスコアはフェライトコアを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、トランスコアは、トロイド形状、正方形形状、長方形形状等を含んでよい。幾つかの実施形態では、トランスは円筒形トランスを含んでもよい。
【0272】
幾つかの実施形態では、熱管理システムは、例えば、1つ以上のシステム流体ライン内の圧力センサ、熱センサ(温度計、サーミスタ、熱電対)、液体レベルセンサ(例えば、リザーバ内の)、又は流量計等の幾つかのセンサ(例えば、センサ850)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、流量計は、システム流体管の1つ以上の管内に、又はそれらと並んで配置されてもよい。幾つかの実施形態では、流量計は、水管の1つ以上の管内に、又はそれらと並んで配置されてもよい。幾つかの実施形態では、システム流体管内の、スイッチコールドプレートシステムの入口/出口マニホールド又は出口ポートにヒートセンサが配置されていてもよい。
【0273】
幾つかの実施形態では、これらのセンサは、例えばポンプの速度を変更する、又は、システム全体の様々なバルブを開閉することによって、システム流体又は施設流体の何れか一方又は両方の流量を調整し得るコントローラやインターロックシステムにデータを提供してもよい。幾つかの実施形態では、高電圧電源は、特定のセンサ値(又は平均値)が達成された場合又は達成されなかった場合に、起動しないか、又は自動的にオフになる場合がある。
【0274】
幾つかの実施形態では、システム流体の温度は、主マニホールドで、熱交換器の前に、ポンプ出力、抵抗器コールドプレート、コアコールドプレートスイッチコアコールドプレート、スイッチコアコールドプレート、又は任意の他の場所で測定され得る。幾つかの実施形態では、高電圧電源内の空気温度は、例えば表面実装型センサなどの空気温度センサを使用して監視されてもよい。
【0275】
幾つかの実施形態では、高電圧電源は、水の流量が例えば毎分約1、2.5、5、7.5又は10ガロンを超える等の、流量閾値を超えない限り起動しない場合がある。幾つかの実施形態では、高電圧電源は、水の流量が例えば毎分約10、20、50又は100ガロン未満等の、流量閾値未満でない限り起動しない場合がある。水の流量は例えば、水入口ポートで、又は水入口ポート付近で測定されてよい。
【0276】
幾つかの実施形態では、高電圧電源は、システム流体の流量が例えば毎分約1、2.5、5、7.5又は10ガロン等の流量閾値を超えない限り起動しない場合がある。幾つかの実施形態では、高電圧電源は、システム流体の流量が例えば毎分約10、20、50又は100ガロン未満等の流量閾値未満でない限り起動しない場合がある。システム流体の流量は例えば、ポンプで、又はポンプ付近で測定されてよい。
【0277】
幾つかの実施形態では、投入された水の温度又はシステム流体の温度が、例えば、約20~50℃、約20~25℃、又は約20℃等の温度閾値よりも高い場合、高電圧電源が起動しないことがある。
【0278】
幾つかの実施形態では、投入された水の温度又はシステム流体温度が、例えば、約50~70℃、約50~60℃、又は約50℃等の温度閾値よりも高い場合、高電圧電源がオフになることがある。
【0279】
幾つかの実施形態では、リザーバ(例えばリザーバ)内のシステム流体レベルが一定量未満、又は、例えば、満水の約30%~75%未満、約30%~50%未満、又は約30%未満等の満水率未満であれば、高電圧電源がオフになることがある。
【0280】
幾つかの実施形態では、1つ以上のスイッチコールドプレートから出るシステム流体の温度が、例えば、約50~70℃、約50~60℃、又は約50℃等の温度閾値よりも高い場合、高電圧電源がオフになることがある。
【0281】
幾つかの実施形態では、高電圧電源は、システム流体システムの圧力が、例えば約0~1.5バール、約0.5~1バール、又は約1バール未満等の圧力閾値未満であれば、オフになるか、又は起動しない場合がある。幾つかの実施形態では、高電圧電源は、システム流体システムの圧力が、例えば約1.7~3バール、約1.75~2バール、約1.75バール等を超えている等で圧力閾値を超えていれば、オフになるか、又は起動しない場合がある。システム流体の圧力は、例えば、主マニホールドに結合された誘電チューブ又はパイプ内で測定されてよい。
【0282】
幾つかの実施形態では、高電圧電源は、窒素センサからの圧力が、例えば大気圧未満等の圧力閾値未満である場合,オフになるか、又は起動しないことがある。
【0283】
幾つかの実施形態では、高電圧電源は、漏洩センサが流体(システム流体又は設備流体)の漏洩が発生したことを示唆する場合、オフになるか、又は起動しない場合がある。漏洩センサは、例えば、光学センサが不明瞭になった場合に液体の存在を示す光学センサを含んでいてもよい。
【0284】
幾つかの実施形態では、何れのセンサもスイッチセンサを備えている。スイッチセンサは、例えば、感知した閾値が満たされた場合に自動的にスイッチを閉じてもよい。スイッチは、例えば、回路を開閉してもよい。
【0285】
幾つかの実施形態では、複数のファンが高電圧ナノ秒パルサーシステム内に配置されてもよい。例えば、複数のファンを使用して高電圧ナノ秒パルサーシステム内の空気を循環させてもよい。この例では、様々なファンは、例えば、制御配線基板を経て、システム流体システム又は設備流体システムの何れか又は両方に結合されている様々な熱交換器に戻るように、底部から上向きに冷気を循環させる空気の流れのパターンを形成するように配置されている。
【0286】
幾つかの実施形態によれば不活性ガスパージサブシステムが含まれてもよい。幾つかの実施形態では、不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)がシステム内を流れて、冷却部品への結露の可能性を低減させることができる。幾つかの実施形態では,窒素が窒素隔壁(例えば、シャーシの底面)から流入し、フィルタ、窒素流量センサを経て、オリフィスリミッタ(例えば、窒素流量を毎分10リットルに制限)から高電圧ナノ秒パルサーシステムに流入してもよい。幾つかの実施形態では、窒素は別の隔壁を通り、シャーシやボディの隙間を通って、或いはシャーシ内の別の場所で、シャーシから出てもよい。
【0287】
幾つかの実施形態では,ナノ秒パルサーシステムは筐体を含んでもよく、種々のサブシステムを備えた1つ以上のナノ秒パルサーが筐体内に配置され得る。例えば、熱管理システム、制御システム、バイアスコンデンサ、バイアス補償電源、第2のナノ秒パルサー、抵抗出力段、エネルギー回収回路のうち2つ以上が筐体内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、筐体は約1m未満の体積を有してよい。
【0288】
幾つかの実施形態では、複数の抵抗出力段抵抗器をナノ秒パルサーに夫々結合してもよい。幾つかの実施形態では、複数のスナバ抵抗器R3をナノ秒パルサー夫々に結合してもよい。幾つかの実施形態では、シャーシ内に様々な構成要素をスライドマウントしてもよい。
【0289】
幾つかの実施形態では、内部モジュールとスライドインモジュールは配線PCBで接続され得る。幾つかの実施形態では、EMIの影響を最小限に抑える為に、PCBは接地層間で信号をシールドしてもよい。幾つかの実施形態では、スライドインモジュールの配置/位置合わせに最適な剛性設計を採用している。幾つかの実施形態では、モジュール同士をネジで固定してもよく、ソケットスタイルの接続により、ケーブルや半田付け接続に比べてモジュール化が可能となる。
【0290】
幾つかの実施形態では、筐体内の任意の2つの構成要素間の電界ピークは約20MV/m未満であり得る。
【0291】
別段の定めがない限り、用語「実質的に」とは、言及された値の5%又は10%以内、又は製造公差内を意味する。別段の定めがない限り、用語「約」とは、言及された値の5%又は10%以内、又は製造公差内を意味する。
【0292】
図16に示した計算システム1600は、本発明の何れの実施形態を実行する為に用いられてもよい。別の例として、計算システム1600は、ここで説明した計算、識別及び/又は判定を実行する為に使用され得る。計算システム1600は、バス1605を介して電気的に結合された(又は、他の方法で適宜通信状態にあってもよい)ハードウェア要素を含む。ハードウェア要素は、限定はしないが、1つ以上の汎用プロセッサ及び/又は1つ以上の専用プロセッサ(例えばデジタル信号プロセッサチップ、グラフィックス加速チップ及び/又は同様物)を含む1つ以上のプロセッサ1610、限定はしないがマウス、キーボード及び/又は同等物を含み得る1つ以上の入力装置1615、及び限定はしないがディスプレイデバイス、プリンタ及び/又は同等物を含み得る1つ以上の出力装置1620を含み得る。
【0293】
計算システム1600は、更に、限定はしないが、ローカル及び/又はネットワークアクセス可能な記憶装置を含み得る、及び/又は、限定はしないが、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光学記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は、プログラム可能でフラッシュ更新可能なリードオンリーメモリ(ROM)等のソリッドステート記憶装置等を含み得る1つ以上の記憶装置1625を含んでもよい(及び/又は1つ以上の記憶装置1625と通信してもよい)。計算システム1600は、限定はしないが、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス及び/又はチップセット(ブルートゥース(登録商標)デバイス、802.6デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMaxデバイス、セルラー通信設備等)及び/又は同等物を含み得る通信サブシステム1630をも含んでもよい。通信サブシステム1630は、本明細書に記載されたネットワーク(例としては、以下に説明するネットワーク等)及び/又はその他のデバイスとデータを交換することを可能にしてもよい。多くの実施形態では、計算システム1600は、上述したようなRAM又はROMデバイスを含み得るワーキングメモリ1635を更に含む。
【0294】
計算システム1600は、オペレーティングシステム1640及び/又は本明細書に記載のように、本発明のコンピュータプログラムを含み得る及び/又は本発明の方法を実施するよう及び/又は本発明のシステムを構成するよう設計され得る1つ以上のアプリケーションプログラム1645等の他のコードを含むワーキングメモリ1635内に現在配置されて示されているソフトウェア要素をも含み得る。例えば、上述の方法(複数可)に関して記述されている1つ以上の手順は、コンピュータ(及び/又はコンピュータ内のプロセッサ)によって実行可能なコード及び/又は命令として実装され得る。これらの命令及び/又はコードのセットは、上述の記憶装置1625のようなコンピュータ可読記憶媒体(複数可)に格納されている可能性がある。
【0295】
幾つかのケースでは、記憶媒体は、計算システム1600内に組み込まれているか、又は、計算システム1600と通信している可能性がある。他の実施形態では、記憶媒体は計算システム1600から分離されている可能性がある(例えば、コンパクトディスク等のリムーバブル媒体)、及び/又は、汎用コンピュータを、内部に記憶された命令/コードでプログラムする為に記憶媒体が用いられ得るように、インストレーションパッケージで提供されてもよい。これらの命令は、計算システム1600によって実行可能な実行コードの形態を取る場合があり、及び/又は、ソース及び/又はインストール可能なコードの形態を取る場合があり、それは、計算システム1600上にコンパイル及び/又はインストールされると(例えば、一般的に利用可能な様々なコンパイラー、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティ等の何れかを使用して)、実行コードの形態を取る。
【0296】
数多くの具体的な詳細は、請求項に記載の主題の完全な理解を提供する為に本明細書に記載されている。しかしながら、当業者であれば、請求項に記載の主題は、このような特定の詳細がなくても実施され得ることを理解するであろう。他の例では、通常の技術者であれば知り得る方法、装置、又はシステムが、主張される主題を不明瞭にしない為に、詳細に記述されていない場合がある。
【0297】
幾つかの部分は、コンピュータメモリ等の計算システムメモリ内に格納されたデータビットやバイナリデジタル信号に対する操作のアルゴリズム又は記号的表現として提示されている。これらのアルゴリズムの記述又は表現は、データ処理技術の当業者が、その技術に熟練した他の当業者に自身の仕事の本質を伝える為に使用する技術の例である。アルゴリズムとは、所望の結果に到る自己矛盾のない一連の操作又は類似の処理である。この文脈では、操作又は処理には物理量の物理的な操作を包含する。通常、必ずしもそうとは限らないが、このような物理量は、保存、転送、結合、比較又はその他の操作が可能な電気信号や磁気信号の形を取る。このような信号をビット、データ、値、要素、記号、文字、用語、数、数字等と呼ぶことは、主に一般的な使用法の理由から、時として便利であることが証明されている。しかしながら、これらの用語や類似の用語は全て適切な物理量と関連づけられており、便利な標識に過ぎないことを理解されたい。特に明記されていない限り、本明細書全体において、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」及び「識別」等の用語を用いた議論は、計算プラットフォームのメモリ、レジスタ、又は他の情報記憶装置、伝送装置、若しくは表示装置内の物理的な電子的又は磁気的な量として表現されるデータを操作又は変換する、1つ以上のコンピュータ又は類似の電子計算装置又は複数の装置等の計算装置の動作やプロセスを指すことが理解される。
【0298】
本明細書で議論されるシステム又は複数のシステムは、特定のハードウェアアーキテクチャや構成に限定されない。コンピューティングデバイスは、1つ以上の入力を条件とした結果を提供するコンポーネントの任意の適切な配置を含み得る。適切なコンピューティングデバイスは、本主題の1つ以上の実施形態を実装する汎用コンピューティング装置から専用コンピューティング装置まで、コンピューティングシステムをプログラム又は構成する、格納されたソフトウェアにアクセスする多目的マイクロプロセッサベースのコンピュータシステムを含む。任意の適切なプログラミング、スクリプト、又は他のタイプの言語若しくは言語の組み合わせを用いて、コンピューティングデバイスのプログラミングや設定に使用される、本明細書においてソフトウェアに含まれている教示を実装する。
【0299】
本明細書に開示されている方法の実施形態は、このようなコンピューティングデバイスの操作で実行され得る。上記の例に示されているブロックの順序は様々であり、例えば、ブロックの再順序付け、組み合わせ、及び/又はサブブロックへの分割が可能である。特定のブロック又はプロセスは並列で実行され得る。
【0300】
本明細書での、「適応された」又は「構成された」という表現は、オープン且つ包括的な表現であり、追加のタスクやステップを実行するように適応又は構成された装置を否定するものではない。更に、「に基づいて」の使用は、1つ以上の言及された条件や値「に基づく」プロセス、ステップ、計算、又はその他のアクションが、実際には、これらの条件や値を超えた追加の条件や値に基づいている可能性があるという意味で、オープン且つ包括的な表現であることを意味している。本明細書に含まれる見出し、リスト及び番号は、説明を容易にするためのものであり、限定的なものではない。
【0301】
本開示の主題は、その特定の実施形態に関して詳細に記載されているが、当業者であれば、上記の理解を得た上で、そのような実施形態の変更、変形、及び同等物を容易に作り出すことができることが理解されるであろう。従って、本開示は、限定ではなく例示の為に提示されたものであり、そのような変更、変形及び/又は追加を含めることを排除するものではなく、そのことは、当業者には自明であろう。
〔付記1〕
高電圧パルス電源であって、
振幅が約1kVを超え、パルス幅が約1μs未満であり、パルス繰返し周波数が約20kHzを超えるパルスを供給する出力を有する高電圧パルサーと、
プラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバ内に配置され、前記プラズマチャンバ内に電界を発生させる為に前記高電圧パルサーの出力と電気的に結合されている電極と、
を備えた高電圧パルス電源。
〔付記2〕
前記高電圧パルサーの出力と前記電極との間のインダクタンスが約10μH未満である付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記3〕
前記高電圧パルサーの出力と接地との間のキャパシタンスが約10nF未満である、付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記4〕
前記出力パルスの電圧を測定する制御モジュールを更に含む付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記5〕
更に、前記高電圧パルサーと前記電極との間に配置されたバイアスコンデンサと、
前記高電圧パルサーと前記電極とに電気的に結合されたバイアス補償電源とを備え、前記バイアス補償電源は前記バイアスコンデンサの両端電圧を生成する、付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記6〕
前記高電圧パルサー及び前記電極と電気的に結合され、高速時間スケールで負荷から電荷を除去する抵抗出力段を更に含む、付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記7〕
前記抵抗出力段が、直列に配置されたインダクタとコンデンサを含み、前記インダクタは約200μH未満のインダクタンスを有する、付記6に記載の高電圧パルス電源。
〔付記8〕
前記高電圧パルサーと前記電極とに電気的に結合された、高速時間スケールで負荷から電荷を除去するエネルギー回収回路を更に備えた付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記9〕
前記高電圧パルサーと電気的に結合され、出力パルスのパルス幅とパルス繰返し周波数を制御する低電圧信号を生成する制御モジュールを更に備えた付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記10〕
振幅が約1kVを超え、パルス幅が約1μs未満であり、パルス繰返し周波数が約20kHzを超えるパルスを供給する出力を有する第2の高電圧パルサーと、
前記プラズマチャンバ内に配置され、第2の電極近傍の前記プラズマチャンバ内にパルス状の電界を発生させる為に前記第2の高電圧パルサーの出力と電気的に結合されている第2の電極と、
を更に備えた付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記11〕
前記高電圧パルサーからのパルスと前記第2の高電圧パルサーからのパルスとが、電圧、パルス幅、及びパルス繰返し周波数のうちの少なくとも1つにおいて異なっている、付記10に記載の高電圧パルス電源。
〔付記12〕
更に、1つ以上のスイッチコールドプレートと1つ以上のトランスコアコールドプレートを備えた熱管理サブシステムを含み、前記高電圧パルサーは、前記1つ以上のスイッチコールドプレートに結合された複数のスイッチと、前記1つ以上のトランスコアコールドプレートに結合された1つのトランスを備えている、付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記13〕
前記熱管理サブシステムが、前記スイッチコールドプレートと前記コアコールドプレートを流れる流体を含む、付記12に記載の高電圧パルス電源。
〔付記14〕
更に、1m3未満の容積寸法を有する筐体を備え、前記高電圧パルサーが前記筐体内に配置され、
熱管理システム、制御システム、バイアスコンデンサ、バイアス補償電源、第2のナノ秒パルサー、抵抗出力段、及びエネルギー回収回路のうち少なくとも3つが前記筐体内に配置されている、付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記15〕
前記筐体内の任意の2つの構成要素間のピーク電界が約20MV/m未満である、付記1に記載の高電圧パルス電源。
〔付記16〕
高電圧パルス電源であって、
振幅が約1kVを超え、パルス幅が約1μs未満であり、パルス繰返し周波数が約20kHzを超えるパルスを供給する出力を有する高電圧パルサーと、
プラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバ内に配置され、前記プラズマチャンバ内に電界を発生させる為に前記高電圧パルサーの出力と電気的に結合されている電極と、
前記高電圧パルサーと電気的に結合され、前記電極における前記パルスの電圧を測定し、前記測定された電圧に応答して、前記パルスの電圧、パルス幅、及びパルス繰返し周波数のうちの少なくとも1つを変更する制御モジュールと、
前記高電圧パルサーに結合された複数のコールドプレートを備えた熱管理サブシステムと、を備えた高電圧パルス電源。
〔付記17〕
前記高電圧パルサーが、
複数のスイッチと、
前記複数のスイッチ及び出力に結合され、トランスコアを有するトランスとを備え、
前記複数のコールドプレートが、
前記複数のスイッチに結合された1つ以上のスイッチコールドプレートと、
前記トランスコアに結合された1つ以上のトランスコアコールドプレートとを備えている、付記16に記載の高電圧パルス電源。
〔付記18〕
熱管理サブシステムが、複数のコールドプレートのうちの少なくとも1つを流れる流体を含む、付記16に記載の高電圧パルス電源。
〔付記19〕
前記制御モジュールが、前記熱管理サブシステムの1つ以上のパラメータを測定し、前記1つ以上のパラメータのうちの1つが許容範囲外である場合に、前記高電圧パルサーがパルスを出力することを停止する、付記16に記載の高電圧パルス電源。
〔付記20〕
約1kVを超える第1の振幅と、約1μs未満の第1のパルス幅と、約20kHzを超える第1のパルス繰返し周波数を有するパルスを供給する第1の出力を有する第1の高電圧パルサーと、
約1kVを超える第2の振幅と、約1μs未満の第2のパルス幅と、約20kHzを超える第2のパルス繰返し周波数を有するパルスを供給する第2の出力を有する第2の高電圧パルサーと、
プラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバ内に配置され、前記第1の高電圧パルサーの第1の出力と電気的に結合されている第1の電極と、
前記プラズマチャンバ内に配置され、前記第2の高電圧パルサーの第2の出力と電気的に結合されている第2の電極と、
前記第1の高電圧パルサーと前記第1の電極との間に配置された第1のバイアスコンデンサと、
前記第2の高電圧パルサーと前記第2の電極との間に配置された第2のバイアスコンデンサと、
を備えた高電圧パルス電源。
〔付記21〕
更に、前記第1の高電圧パルサー及び前記第1の電極と電気的に結合され、前記第1のバイアスコンデンサの両端電圧を生成する第1の高電圧バイアス補償電源と、
前記第2の高電圧パルサー及び前記第2の電極と電気的に結合され、前記第2のバイアスコンデンサの両端電圧を生成する第2の高電圧バイアス補償電源と、
を備えた付記20に記載の高電圧パルス電源。
〔付記22〕
前記第1の高電圧パルサー及び前記第2の高電圧パルサーと結合された複数のコールドプレートを備えた熱管理サブシステムを更に備えた付記20に記載の高電圧パルス電源。
〔付記23〕
前記第1のバイアスコンデンサ又は前記第2のバイアスコンデンサの何れか一方又は両方が約1nFを超えるキャパシタンスを有する、付記20に記載の高電圧パルス電源。
【符号の説明】
【0302】
100、150、900 ナノ秒パルサーシステム
101 パルサー・トランス段
102 抵抗出力段
103 リード段
104、410、514、614 バイアス補償回路
106 負荷段
165、440 エネルギー回収回路
400 ウェハバイアス電力システム
425 第1の高電圧パルサー
430 第2の高電圧パルサー
435 プラズマチャンバ
700 高電圧スイッチ
710 スイッチ
715 スナバダイオード
716 スナバ抵抗器
720 スナバコンデンサ
725 フリーホイールダイオード
765 負荷
800 ADC制御システム
805A 第1のHV信号
805B 第2のHV信号
820 第1のADC
825 コントローラ
830 トリガ
845 第2のADC
915 HVMモジュール
925 制御モジュール
930 第2のADCモジュール
1000 熱管理システム
1010 熱交換器
1020 リザーバ
1025 ポンプ
1041、1051 スイッチコールドプレート
1046、1047、1056、1057 コアコールドプレート
1060、1061、1062、1063 抵抗器コールドプレート
1070、1071 スナバ抵抗器コールドプレート
1080、1081 液体・空気熱交換器
1115 ループバックマニホールド
1120、1125 チューブ
1600 計算システム
1605 バス
1610 プロセッサ
1615 入力装置
1620 出力装置
1625 記憶装置
1630 通信サブシステム
1635 ワーキングメモリ
1640 オペレーティングシステム
1645 アプリケーションプログラム
C5 スナバコンデンサ
D2 フリーホイールダイオード
D4 スナバダイオード
R3 スナバ抵抗
S1 ソリッドステートスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16