(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】電子装置および電子装置の実装構造
(51)【国際特許分類】
H01L 23/50 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
H01L23/50 N
(21)【出願番号】P 2021527730
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 JP2020025022
(87)【国際公開番号】W WO2020262533
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】P 2019121339
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】土山 寿朗
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 泰正
(72)【発明者】
【氏名】山崎 達生
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-027614(JP,A)
【文献】特開2010-258159(JP,A)
【文献】特開2018-010935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において離間する素子主面および素子裏面を有し、前記素子主面に主面電極が配置された電子素子と、
前記素子裏面と同じ方向を向く樹脂裏面を有し、前記電子素子を覆う樹脂部材と、
前記電子素子を支持し、かつ、前記電子素子に導通する導電部材と、
を備えており、
前記導電部材は、各々が前記樹脂裏面から露出する第1露出面、第2露出面および第3露出面を有しており、
前記樹脂部材は、各々が前記樹脂裏面から起立し、かつ、互いに繋がる第1樹脂側面および第2樹脂側面をさらに有しており、
前記第1露出面は、前記第1方向に見て、前記第1樹脂側面と前記第2樹脂側面とが繋がる角部に配置され、
前記第2露出面は、前記第1方向に見て、前記第1樹脂側面に沿う第2方向において、前記第1露出面と並び、
前記第3露出面は、前記第2方向において、前記第1露出面と前記第2露出面との間に位置しており、
前記第1方向に見て、前記第3露出面の面積は、前記第1露出面および前記第2露出面の各面積よりも大き
く、
前記導電部材は、各々が前記樹脂裏面から露出する第6露出面および連絡露出面を有し、
前記第3露出面と前記第6露出面とは、前記連絡露出面を介して、繋がっている、電子装置。
【請求項2】
前記導電部材は、前記第1露出面および前記第3露出面を有する第1端子部を含んでおり、
前記第1端子部は、前記第1方向に見て、前記第1露出面と前記第2露出面との間に配置され、かつ、前記樹脂部材に覆われた被覆面を有する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記樹脂部材に覆われた第1接続部材をさらに備えており、
前記導電部材は、前記第2露出面を有し、前記第1端子部から離間する第2端子部を含んでおり、
前記第1接続部材は、前記主面電極と前記第2端子部とを導通させる、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記導電部材は、前記電子素子が搭載された搭載部、および、前記搭載部と前記第1端子部とに繋がる連結部を含んでおり、
前記連結部は、前記樹脂部材に覆われている、請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記搭載部は、前記素子裏面に対向する搭載部主面を有し、
前記第1端子部は、前記搭載部主面と同じ方向を向く第1端子部主面を有し、
前記連結部は、前記搭載部主面と同じ方向を向く連結部主面を有しており、
前記搭載部主面、前記第1端子部主面および前記連結部主面は、面一である、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記導電部材は、前記樹脂裏面から露出する第4露出面を有しており、
前記第4露出面は、前記第1方向に見て、前記第2方向において前記第2露出面と並んでおり、かつ、前記第2方向において、前記第2露出面を挟んで、前記第3露出面の反対側に位置する、請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記樹脂部材に覆われた第2接続部材をさらに備えており、
前記導電部材は、前記第4露出面を有する第3端子部を含んでおり、
前記第2接続部材は、前記主面電極と前記第3端子部とを導通させる、請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1端子部は、前記主面電極には導通していない、請求項2ないし請求項7のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項9】
前記第3露出面の前記第2方向の寸法は、前記第2露出面の前記第2方向の寸法よりも大きい、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項10】
前記第3露出面の前記第2方向の寸法は、前記第2露出面の前記第2方向の寸法の1.5倍以上6倍以下である、請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記第1方向および前記第2方向に直交する直交方向において、前記第3露出面の寸法は、前記第2露出面の寸法よりも大きい、請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項12】
前記直交方向において、前記第3露出面の寸法は、前記第1露出面の寸法よりも大きい、請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記導電部材は、前記樹脂裏面から露出する
第5露出面をさらに有しており、
前記第5露出面は、前記第1方向に見て、前記第2樹脂側面に沿う第3方向において、前記第1露出面と並んでおり、
前記第6露出面は、前記第3方向において、前記第1露出面と前記第5露出面との間に位置し、
前記第1方向に見て、前記第6露出面の面積は、前記第1露出面および前記第5露出面の各面積よりも大きい、請求項2ないし請求項12のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項14】
前記第1端子部は、前記第6露出面を有しており、
前記被覆面は、前記第1方向に見て、前記第1露出面と前記第6露出面との間に配置されている、請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
前記樹脂部材に覆われた第3接続部材をさらに備えており、
前記導電部材は、前記第5露出面を有する第4端子部を含んでおり、
前記第3接続部材は、前記主面電極と前記第4端子部とを導通させる、請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記導電部材は、前記樹脂裏面から露出する第7露出面を有しており、
前記第7露出面は、前記第1方向に見て、前記第3方向において前記第5露出面と並んでおり、かつ、前記第3方向において、前記第5露出面を挟んで、前記第6露出面の反対側に位置する、請求項14または請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記樹脂部材に覆われた第4接続部材をさらに備えており、
前記導電部材は、前記第7露出面を有する第5端子部を含んでおり、
前記第4接続部材は、前記主面電極と前記第5端子部とを導通させる、請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
前記第3方向は、前記第1方向および前記第2方向に直交する、請求項13ないし請求項17のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項19】
前記第1露出面は、互いに離間する主部および一対の副部を含んでおり、
前記主部は、前記第1方向に見て、矩形状であり、
前記一対の副部の一方は、前記第2方向において、前記第3露出面と前記主部との間に位置し、
前記一対の副部の他方は、前記第3方向において、前記第6露出面と前記主部との間に位置する、請求項13ないし請求項18のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項20】
請求項1ないし請求項19のいずれか一項に記載の電子装置と、
回路基板と、
前記電子装置と前記回路基板とを接合するはんだ層とを備えており、
前記はんだ層は、前記回路基板と前記第1露出面との間、前記回路基板と前記第3露出面との間、および、前記回路基板と前記第6露出面との間に跨って形成されている、電子装置の実装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子装置および電子装置の実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、種々の半導体装置が知られている。たとえば特許文献1に開示の半導体装置は、半導体チップと、ダイパッドと、複数のリードと、封止樹脂とを備えている。半導体チップは、ダイパッドに配置されている。封止樹脂は、半導体チップとダイパッドと複数のリードとを覆っている。この半導体装置は、はんだを介して、回路基板に実装される。この際、各リードの一部が封止樹脂から外部に露出しているので、当該露出部分にはんだが接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の半導体装置を使用する際、各構成要素は、熱膨張および熱収縮を繰り返す。これにより、各リードに接合しているはんだに亀裂が生じうる。
【0005】
上記事情に鑑み、本開示は、接合はんだ層に亀裂が生じることを抑制できる電子装置および電子装置の実装構造を提供することを一の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の側面により提供される電子装置は、第1方向において離間する素子主面および素子裏面を有し、前記素子主面に主面電極が配置された電子素子と、前記素子裏面と同じ方向を向く樹脂裏面を有し、前記電子素子を覆う樹脂部材と、前記電子素子を支持し、かつ、前記電子素子に導通する導電部材と、を備えている。前記導電部材は、各々が前記樹脂裏面から露出する第1露出面、第2露出面および第3露出面を有している。前記樹脂部材は、各々が前記樹脂裏面から起立し、かつ、互いに繋がる第1樹脂側面および第2樹脂側面をさらに有している。前記第1露出面は、前記第1方向に見て、前記第1樹脂側面と前記第2樹脂側面とが繋がる角部に配置されている。前記第2露出面は、前記第1方向に見て、前記第1樹脂側面に沿う第2方向において、前記第1露出面と並んでいる。前記第3露出面は、前記第2方向において、前記第1露出面と前記第2露出面との間に位置している。前記第1方向に見て、前記第3露出面の面積は、前記第1露出面および前記第2露出面の各面積よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本開示の電子装置および電子装置の実装構造によれば、はんだ層に亀裂が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態にかかる電子装置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す平面図において樹脂部材を想像線で示した図である。
【
図3】第1実施形態にかかる電子装置を示す底面図である。
【
図5】第1実施形態にかかる電子装置を示す正面図である。
【
図6】第1実施形態にかかる電子装置を示す側面図(左側面)である。
【
図7】
図2のVII-VII線に沿う断面図である。
【
図8】
図2のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図9】第1実施形態にかかる電子装置の実装構造を示す平面図である。
【
図11】第2実施形態にかかる電子装置を示す底面図である。
【
図13】第3実施形態にかかる電子装置を示す底面図である。
【
図15】第4実施形態にかかる電子装置を示す平面図である。
【
図16】第5実施形態にかかる電子装置を示す斜視図である。
【
図17】第5実施形態にかかる電子装置の実装構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の電子装置および電子装置実装構造の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。同一あるいは類似の構成要素については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0010】
図1~
図8は、第1実施形態にかかる電子装置A1を示している。電子装置A1は、面実装可能な電子装置として構成されている。電子装置A1は、電子素子1、樹脂部材2、リードフレーム3、および、複数の接続部材51~54を備えている。
【0011】
図1は、電子装置A1を示す平面図である。
図2は、
図1に示す平面図において、樹脂部材2を想像線(二点鎖線)で示した図である。
図3は、電子装置A1を示す底面図である。
図4は、
図3の一部を拡大した部分拡大図である。
図5は、電子装置A1を示す正面図である。
図6は、電子装置A1を示す側面図(左側面図)である。
図7は、
図2のVII-VII線に沿う断面図である。
図8は、
図2のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【0012】
説明の便宜上、互いに直交する3つの方向を、x方向、y方向、z方向と定義する。z方向は、電子装置A1の厚さ方向である。x方向は、電子装置A1の平面図(
図1参照)における左右方向である。y方向は、電子装置A1の平面図(
図1参照)における上下方向である。また、x方向の一方をx1方向、x方向の他方をx2方向とする。同様に、y方向の一方をy1方向、y方向の他方をy2方向とし、z方向の一方をz1方向、z方向の他方をz2方向とする。以下の説明において、「平面視」とは、z方向に見ることをいう。
【0013】
電子装置A1は、MAP(Molded Array Packaging)あるいはQFN(Quad Flat Non-leaded package)と呼ばれるパッケージ構造である。電子装置A1は、電子機器などの回路基板に実装される。電子装置A1は、たとえば平面視矩形状である。電子装置A1は、x方向寸法およびy方向寸法がそれぞれ、たとえば2.9mm以上10.1mm以下である。また、電子装置A1のz方向寸法(厚さ)は、たとえば0.5mm以上2.0mm以下である。
【0014】
電子素子1は、電子装置A1の電気的機能を発揮する要素である。電子素子1は、たとえば、集積回路素子、能動機能素子、あるいは、受動機能素子などである。電子素子1は、たとえば、半導体材料からなる半導体素子である。電子素子1は、たとえば平面視矩形状である。
【0015】
電子素子1は、
図7および
図8に示すように、素子主面1aおよび素子裏面1bを有する。素子主面1aおよび素子裏面1bは、z方向に離間しており、かつ、互いに反対側を向く。素子主面1aは、z2方向を向き、素子裏面1bは、z1方向を向く。
【0016】
電子素子1は、
図2および
図7に示すように、素子主面1a側に複数の主面電極11が配置されている。複数の主面電極11の数、配置、形状および平面視寸法は、
図1に示す例示に限定されず、用いられる電子素子1に応じて、適宜変化する。
【0017】
電子素子1は、たとえば接合材によって、リードフレーム3(後述の搭載部46)に接合されている。この接合材は、絶縁性であってもよいし、導電性接合材であってもよい。ただし、電子素子1の素子裏面1bに裏面電極が配置されている場合には、導電性接合材によって、リードフレーム3に接合される。
【0018】
樹脂部材2は、電子素子1を保護する封止材である。樹脂部材2は、絶縁性の樹脂材料からなり、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。樹脂部材2は、電子素子1、リードフレーム3の一部、および、複数の接続部材51~54を覆っている。樹脂部材2は、平面視において矩形状である。樹脂部材2は、樹脂主面21、樹脂裏面22および複数の樹脂側面231~234を有する。
【0019】
樹脂主面21および樹脂裏面22は、
図5~
図8に示すように、z方向に離間しており、かつ、互いに反対側を向く。樹脂主面21は、z2方向を向き、樹脂裏面22は、z1方向を向く。
【0020】
複数の樹脂側面231~234はそれぞれ、樹脂主面21および樹脂裏面22の両方に繋がっており、z方向においてこれらに挟まれている。各樹脂側面231~234は、樹脂裏面22から起立しており、本実施形態では直立している。樹脂側面233,234(第1樹脂側面)は、y方向に離間しており、かつ、互いに反対側を向く。樹脂側面233は、y1方向を向き、樹脂側面234は、y2方向を向く。樹脂側面231,232(第2樹脂側面)は、x方向に離間しており、かつ、互いに反対側を向く。樹脂側面231は、x1方向を向き、樹脂側面232は、x2方向を向く。
【0021】
樹脂側面231と樹脂側面233とは、互いに繋がり、平面視において直交する。同様に、樹脂側面231と樹脂側面234と、樹脂側面232と樹脂側面233と、樹脂側面232と樹脂側面234とはそれぞれ、互いに繋がり、平面視において直交する。平面視における、樹脂側面231と樹脂側面233との繋がる角付近を角部241、平面視における、樹脂側面231と樹脂側面234との繋がる角付近を角部242とする。平面視における、樹脂側面232と樹脂側面233との繋がる角付近を角部243、平面視における、樹脂側面232と樹脂側面234との繋がる角付近を角部244とする。
【0022】
リードフレーム3は、電子素子1を支持するとともに、電子素子1に導通する。リードフレーム3は、一部が樹脂部材2から露出しており、この露出した部分が電子装置A1の端子となる。リードフレーム3は、金属からなる。この金属としては、たとえば銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、または、42アロイなどが用いられる。リードフレーム3は、たとえば、金属板にエッチング加工を施すことで形成されている。なお、リードフレーム3は、金属板に打ち抜き加工や折り曲げ加工などの機械加工を施すことにより形成されてもよい。リードフレーム3のz方向寸法(厚さ)は、たとえば0.08mm以上0. 5mm以下である。なお、この厚さは、リードフレーム3において部分的に薄くなっている部分を除く値である。
【0023】
リードフレーム3は、複数の第1端子部41、複数の第2端子部42、複数の第3端子部43、複数の第4端子部44、複数の第5端子部45、搭載部46および複数の連結部47を含んでいる。これらのうち、複数の第1端子部41と搭載部46と複数の連結部47とは一体的に形成されており、1つのリードとして構成されている。この1つのリードと、その他の各端子部(複数の第2端子部42、複数の第3端子部43、複数の第4端子部44および複数の第5端子部45)とは、互いに離間している。また、複数の第2端子部42、複数の第3端子部43、複数の第4端子部44および複数の第5端子部45は、互いに離間している。
【0024】
複数の第1端子部41は、
図1~
図3に示すように、平面視において、電子装置A1の4つの角部241~244にそれぞれ配置されている。具体的には、複数の第1端子部41は、平面視において、樹脂側面231と樹脂側面233とが繋がる角部241、樹脂側面231と樹脂側面234とが繋がる角部242、樹脂側面232と樹脂側面233とが繋がる角部243、および、樹脂側面232と樹脂側面234とが繋がる角部244にそれぞれ1つずつ配置されている。各第1端子部41には、複数の接続部材51~54のいずれも接合されておらず、電子素子1の主面電極11に導通していない。本実施形態においては、各第1端子部41には、平面視において各角部241~244に重なる部分に、z方向に延びる切り欠きが形成されているが、この切り欠きが形成されていなくてもよい。
【0025】
各第1端子部41は、主面411、複数の露出面412,413,414、および、被覆面415を有する。
【0026】
主面411は、平坦であり、z2方向を向く。主面411は、平面視において、L字状である。
【0027】
各露出面412,413,414は、平坦であり、z1方向を向く。各露出面412,413,414は、樹脂裏面22から露出する。各露出面412は、各角部241~244にそれぞれ配置されている。各露出面412は、主部412aおよび一対の副部412b,412cを含んでいる。主部412aは、平面視矩形状である。主部412aは、角部241~244に配置されている。副部412bは、平面視において、主部412aのx方向の隣に配置されており、y方向に延びる帯状である。副部412cは、平面視において、主部412aのy方向の隣に配置されており、x方向に延びる帯状である。各露出面413は、各露出面412のx方向の隣であって、特に、各露出面412の副部412bのx方向の隣に位置する。よって、副部412bは、x方向において、主部412aと、露出面413との間に位置する。各露出面414は、各露出面412のy方向の隣であって、特に、各露出面412の副部412cのy方向の隣に位置する。よって、副部412cは、y方向において、主部412aと、露出面414との間に位置する。被覆面415は、平坦であり、z1方向を向く。
【0028】
被覆面415は、樹脂部材2に覆われている。被覆面415は、平面視において、2つの露出面412,413の間、2つの露出面412,414の間、および、露出面412と連結部47との間に配置されている。
【0029】
複数の第2端子部42はそれぞれ、
図1~
図3に示すように、x方向に隣り合う2つの第1端子部41の間に位置しており、各第1端子部41のx方向の隣りに位置する。複数の第2端子部42には、平面視において、樹脂側面233から樹脂部材2の内方にy方向に延びるものと、平面視において、樹脂側面234から樹脂部材2の内方にy方向に延びるものとがある。各第2端子部42は、樹脂側面233あるいは樹脂側面234から露出している。
図5には、樹脂側面233から2つの第2端子部42が露出する様子が示されている。
【0030】
各第2端子部42は、主面421および露出面422を有する。主面421と露出面422とは、z方向に離間しており、かつ、互いに反対側を向く。主面421は、z2方向を向き、露出面422はz1方向を向く。主面421には、接続部材51が接合されている。露出面422は、
図3に示すように、樹脂側面233あるいは樹脂側面234からy方向に延びる帯状である。露出面422は、平面視において、主面421に重なる。
【0031】
複数の第3端子部43はそれぞれ、
図1~
図3に示すように、x方向に隣り合う2つの第2端子部42の間に位置する。複数の第3端子部43には、平面視において、樹脂側面233から露出し、樹脂側面233に沿って配列されたものと、平面視において、樹脂側面234から露出し、樹脂側面234に沿って配列されたものとがある。
図2においては、各樹脂側面233,234に沿って、それぞれ12個の第3端子部43が並んでいる場合を示しているが、各樹脂側面233,234に沿う第3端子部43の数は、12個に限定されず、たとえば、2個以上30個以下の範囲で適宜変更されうる。各第3端子部43は、樹脂側面233あるいは樹脂側面234から露出している。
図5においては、樹脂側面233から12個の第3端子部43が露出した様子が示されている。
【0032】
各第3端子部43は、主面431および露出面432を有する。主面431と露出面432とは、z方向に離間しており、かつ、互いに反対側を向く。主面431はz2方向を向き、露出面432はz1方向を向く。主面431には、接続部材52が接合されている。露出面432は、
図3に示すように、樹脂側面233あるいは樹脂側面234からy方向に延びる帯状である。露出面432は、平面視において、主面431に重なる。
【0033】
図3および
図4に示すように、各露出面412のx方向の隣には、各露出面413が配置されている。この露出面413のx方向の隣(露出面412と反対側の隣)には、各露出面422が配置されている。そして、この露出面422のx方向の隣(各露出面413と反対側の隣)には、各露出面432が配置されている。具体的には、
図3に示すように、角部241に配置された露出面412から、角部243に配置された露出面412まで、樹脂側面233に沿って、1つの露出面413と、1つの露出面422と、複数(
図3に示す例示においては12個)の露出面432と、1つの露出面422と、1つの露出面413とが、この順に並んでいる。また、
図3に示すように、角部242に配置された露出面412から、角部244に配置された露出面412まで、樹脂側面234に沿って、1つの露出面413と、1つの露出面422と、複数(
図3に示す例示においては12個)の露出面432と、1つの露出面422と、1つの露出面413とが、この順に並んでいる。このとき、x方向に並ぶ複数の露出面422および複数の露出面432は、等間隔で配置されている。当該間隔は、たとえばピッチ幅0.3mm以上0.6mm以下(好ましくはピッチ幅0.4mm以上0.5mm以下)である。このピッチ幅とは、x方向に隣り合う2つの露出面422,432同士の各x方向中央間の距離、および、x方向に隣り合う2つの露出面432同士の各x方向中央間の距離である。以上のことから、各露出面422は、平面視において、樹脂側面233あるいは樹脂側面234に沿うx方向に、各露出面412と並んでおり、各露出面413は、x方向において、各露出面412と各露出面422との間に位置する。また、各露出面432は、平面視において、x方向に各露出面422と並んでおり、かつ、x方向において、各露出面422を挟んで、各露出面413の反対側に位置する。
【0034】
複数の第4端子部44はそれぞれ、
図1~
図3に示すように、y方向に隣り合う2つの第1端子部41の間に位置しており、各第1端子部41のy方向の隣に位置する。複数の第4端子部44には、平面視において、樹脂側面231から樹脂部材2の内方にx方向に延びるものと、平面視において、樹脂側面232から樹脂部材2の内方にx方向に延びるものとがある。各第4端子部44は、樹脂側面231あるいは樹脂側面232から露出している。
図6には、樹脂側面231から2つの第4端子部44が露出する様子が示されている。
【0035】
各第4端子部44は、主面441および露出面442を有する。主面441と露出面442とは、z方向に離間しており、かつ、互いに反対側を向く。主面441はz2方向を向き、露出面442はz1方向を向く。主面441には、接続部材53が接合されている。露出面442は、
図3に示すように、樹脂側面231あるいは樹脂側面232からx方向に延びる帯状である。露出面442は、平面視において、主面441に重なる。
【0036】
複数の第5端子部45は、
図1~
図3に示すように、y方向に隣り合う2つの第4端子部44の間に位置する。複数の第5端子部45には、平面視において、樹脂側面231から露出し、樹脂側面231に沿って配列されたものと、平面視において、樹脂側面232から露出し、樹脂側面232に沿って配列されたものとがある。
図2においては、各樹脂側面231,232に沿って、それぞれ12個の第5端子部45が並んでいる場合を示しているが、各樹脂側面231,232に沿う第5端子部45の数は、12個に限定されず、たとえば、2個以上30個以下の範囲で適宜変更されうる。また、各第3端子部43の数と各第5端子部45の数とが同じ場合を示しているが、これらの数は異なっていてもよい。各第5端子部45は、樹脂側面231あるいは樹脂側面232から露出している。
図6においては、樹脂側面231から12個の第5端子部45が露出した様子が示されている。
【0037】
各第5端子部45は、主面451および露出面452を有する。主面451と露出面452とは、z方向に離間しており、かつ、互いに反対側を向く。主面451はz2方向を向き、露出面452はz1方向を向く。主面451には、接続部材54が接合されている。露出面452は、
図3に示すように、樹脂側面231あるいは樹脂側面232からx方向に延びる帯状である。露出面452は、平面視において、主面451に重なる。
【0038】
図3および
図4に示すように、各露出面412のy方向の隣には、各露出面414が配置されている。この露出面414のy方向の隣(露出面412と反対側の隣)には、各露出面442が配置されている。そして、この露出面442のy方向の隣(各露出面414と反対側の隣)には、各露出面452が配置されている。具体的には、
図3に示すように、角部241に配置された露出面412から、角部242に配置された露出面412まで、樹脂側面231に沿って、1つの露出面414と、1つの露出面442と、複数(
図3に示す例示においては12個)の露出面452と、1つの露出面442と、1つの露出面414とが、この順に並んでいる。また、
図3に示すように、角部243に配置された露出面412から、角部244に配置された露出面412まで、樹脂側面232に沿って、1つの露出面414と、1つの露出面442と、複数(
図3に示す例示においては12個)の露出面452と、1つの露出面442と、1つの露出面414とが、この順に並んでいる。このとき、y方向に並ぶ複数の露出面442および複数の露出面452は、等間隔で配置されている。当該間隔は、たとえばピッチ幅0.3mm以上0.6mm以下(好ましくはピッチ幅0.4mm以上0.5mm以下)である。このピッチ幅とは、y方向に隣り合う2つの露出面442,452同士の各y方向中央間の距離、および、y方向に隣り合う2つの露出面452同士の各y方向中央間の距離である。以上のことから、各露出面442は、平面視において、樹脂側面231あるいは樹脂側面232に沿うy方向に、各露出面412と並んでおり、各露出面414は、y方向において、各露出面412と各露出面442との間に位置する。また、各露出面452は、平面視において、y方向に各露出面442と並んでおり、かつ、y方向において、各露出面442を挟んで、各露出面414の反対側に位置する。
【0039】
搭載部46は、
図2、
図7および
図8に示すように、電子素子1が搭載される。搭載部46は、平面視矩形状である。平面視における搭載部46の各辺は、x方向またはy方向に平行する。搭載部46は、平面視において、電子装置A1の中央に位置する。
【0040】
搭載部46は、
図7および
図8に示すように、主面461および裏面462を有する。主面461および裏面462は、z方向において離間しており、かつ、互いに反対側を向く。主面461は、z2方向を向き、裏面462は、z1方向を向く。主面461は、電子素子1が搭載されており、素子裏面1bに対向する。裏面462は、樹脂裏面22から露出している。裏面462は、樹脂部材2に覆われていてもよい。
【0041】
複数の連結部47はそれぞれ、
図2および
図4に示すように、各第1端子部41と搭載部46とに繋がっている。各連結部47は、平面視において、搭載部46の4つの角からそれぞれ放射状に延びており、各第1端子部41にそれぞれ繋がっている。
【0042】
各連結部47は、
図8に示すように、主面471および裏面472を有する。主面471および裏面472は、z方向において離間しており、かつ、互いに反対側を向く。主面471は、z2方向を向き、裏面472は、z1方向を向く。裏面472は、樹脂部材2に覆われている。
【0043】
図8に示すように、リードフレーム3において、各第1端子部41の主面411、搭載部46の主面461、および、各連結部47の主面471は、繋がっており、面一である。また、
図8に示すように、各第1端子部41の被覆面415と各連結部47の裏面472とは、繋がっており、面一である。
【0044】
各露出面412(主部412aおよび副部412b,412c),413,414,422,432,442,452、および、裏面462(搭載部46)は、樹脂裏面22と面一である。なお、各露出面412,413,414,422,432,442,452、および、裏面462には、めっきが施されていてもよい。当該めっきは、リードフレーム3の母材(たとえば銅)よりもはんだ濡れ性が高い材料からなる。
【0045】
リードフレーム3における、各露出面412,413,414,422,432,442,452の平面視サイズは、
図4に示すように、次の通りである。
【0046】
各露出面413の平面視面積は、各露出面412および各露出面422の各平面視面積よりも大きい。なお、各露出面412の平面視面積とは、各主部412aの平面視面積と、各副部412bの平面視面積と、各副部412cの平面視面積との合計である。また、各露出面414の平面視面積は、各露出面412および各露出面442の各平面視面積よりも大きい。各露出面413の平面視面積と各露出面414の平面視面積とは略同じである。
【0047】
各露出面413のx方向寸法Dx13は、各露出面422のx方向寸法Dx2よりも大きい。各露出面413のx方向寸法Dx13は、たとえば各露出面422のx方向寸法Dx2の1.5倍以上6倍以下である。また、各露出面414のy方向寸法Dy14は、各露出面442のy方向寸法Dy4よりも大きい。各露出面414のy方向寸法Dy14は、各露出面442のy方向寸法Dy4の1.5倍以上6倍以下である。
【0048】
各露出面422のx方向寸法Dx2と各露出面432のx方向寸法Dx3とは略同じである。これらのx方向寸法Dx2,Dx3は、たとえば0.15mm以上0.3mm以下である。各露出面422のy方向寸法Dy2と各露出面432のy方向寸法Dy3とは略同じである。これらのy方向寸法Dy2,Dy3は、たとえば0.3mm以上0.6mm以下(好ましくは0.4mm以上0.5mm以下)である。また、各露出面442のx方向寸法Dx4と各露出面452のx方向寸法Dx5とは略同じである。これらのx方向寸法Dx4,Dx5は、たとえば0.3mm以上0.6mm以下(好ましくは0.4mm以上0.5mm以下)である。各露出面442のy方向寸法Dy4と各露出面452のy方向寸法Dy5とは略同じである。これらのy方向寸法Dy4,Dy5は、たとえば0.15mm以上0.3mm以下である。
【0049】
各露出面412の副部412bのy方向寸法Dy12は、各露出面422のy方向寸法Dy2よりも小さい。各露出面412の副部412cのx方向寸法Dx12は、各露出面442のx方向寸法Dx4よりも小さい。各副部412bのy方向寸法Dy12と、各副部412cのx方向寸法Dx12とは、略同じである。また、各露出面412の主部412aのx方向寸法は、副部412cのx方向寸法Dx12と略同じであり、各露出面412の主部412aのy方向寸法は、副部412bのy方向寸法Dy12と略同じである。各露出面412において、副部412bの平面視面積と、副部412cの平面視面積とは、略同じである。
【0050】
複数の接続部材51~54はそれぞれ、離間した2つの部材間を導通させる。各接続部材51~54は、たとえばボンディングワイヤである。各接続部材51~54は、電子装置A1の製品仕様などにより、ボンディングワイヤの代わりに、ボンディングリボンや板状リード部材などに変更されうる。各接続部材51~54の構成材料は、たとえばAuを含む金属、Alを含む金属あるいはCuを含む金属などのいずれであってもよい。
【0051】
複数の接続部材51はそれぞれ、複数の主面電極11のうちの一部の主面電極11と、各第2端子部42とを導通させる。各接続部材51は、
図2に示すように、一端が各主面電極11に接合され、他端が各第2端子部42の主面421に接合されている。
【0052】
複数の接続部材52はそれぞれ、複数の主面電極11のうちの一部の主面電極11と、各第3端子部43とを導通させる。各接続部材52は、
図2に示すように、一端が各主面電極11に接合され、他端が各第3端子部43の主面431に接合されている。
【0053】
複数の接続部材53はそれぞれ、複数の主面電極11のうちの一部の主面電極11と、各第4端子部44とを導通させる。各接続部材53は、
図2に示すように、一端が各主面電極11に接合され、他端が各第4端子部44の主面441に接合されている。
【0054】
複数の接続部材54はそれぞれ、複数の主面電極11のうちの一部の主面電極11と、各第5端子部45とを導通させる。各接続部材54は、
図2に示すように、一端が各主面電極11に接合され、他端が各第5端子部45の主面451に接合されている。
【0055】
次に、電子装置A1の実装構造について、
図9および
図10を参照して、説明する。電子装置A1の実装構造は、電子装置A1と、回路基板8と、はんだ層9とを備える。
図9は、電子装置A1の実装構造を示す平面図であって、電子装置A1を想像線(二点鎖線)で示している。
図10は、
図9のX-X線に沿う断面図である。
【0056】
回路基板8は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材81に、たとえばCuからなる配線パターン82を形成した基板である。基材81および配線パターン82の構成材料は、限定されない。
【0057】
はんだ層9は、電子装置A1と回路基板8との間に介在する。電子装置A1は、はんだ層9によって、回路基板8に接合されている。
【0058】
はんだ層9は、複数の第1接合部91および複数の第2接合部92を含んでいる。
【0059】
複数の第1接合部91はそれぞれ、
図9に示すように、第1端子部41の露出面412と回路基板8(配線パターン82)との間、第1端子部41の露出面413と回路基板8(配線パターン82)との間、および、露出面414と回路基板8(配線パターン82)との間に介在しており、これらの部位が連続して形成されている。各第1接合部91は、平面視において、露出面412,413,414および被覆面415に重なっている。各第1接合部91は、平面視において、L字状である。
【0060】
複数の第2接合部92は、
図9および
図10に示すように、各第2端子部42の露出面422と回路基板8(配線パターン82)との間、各第3端子部43の露出面432と回路基板8(配線パターン82)との間、各第4端子部44の露出面442と回路基板8(配線パターン82)との間、および、各第5端子部45の露出面452と回路基板8(配線パターン82)との間にそれぞれ介在しており、これらの部位が分離(離間)して形成されている。
図9に示す例示においては、複数の第2接合部92が、互いに分離している場合を示すが、2つ以上の第2接合部92が、適宜連続して形成されていてもよい。
【0061】
電子装置A1の作用・効果は、次の通りである。
【0062】
電子装置A1は、露出面412、露出面413および露出面422を有するリードフレーム3を備えている。露出面413は、x方向において、露出面412と、露出面422との間に配置されている。露出面413の平面視面積は、露出面412および露出面422の各平面視面積よりも大きい。この構成によると、電子装置A1をはんだによって回路基板8に接合したとき、露出面413が回路基板8に接合され、露出面413によって、はんだ層9に発生する熱応力の分散が図られる。つまり、露出面413によって、電子装置A1を回路基板8に接合するはんだ層9にかかる熱応力を緩和させることができる。したがって、電子装置A1は、はんだ層9に亀裂が生じることを抑制できる。
【0063】
電子装置A1は、露出面412、露出面414および露出面442を有するリードフレーム3を備えている。露出面414は、y方向において、露出面412と、露出面442との間に配置されている。露出面414の平面視面積は、露出面412および露出面442の各平面視面積よりも大きい。この構成によると、電子装置A1をはんだによって回路基板8に接合したとき、露出面414が回路基板8に接合され、露出面414によって、はんだ層9に発生する熱応力の分散が図られる。つまり、露出面414によって、電子装置A1を回路基板8に接合するはんだ層9にかかる熱応力を緩和させることができる。し たがって、電子装置A1は、はんだ層9に亀裂が生じることを抑制できる。
【0064】
電子装置A1は、各露出面422のy方向寸法Dy2および各露出面432のy方向寸法Dy3が0.3mm以上0.6mm以下(好ましくは0.4mm以上0.5mm以下)である。本願発明者の研究によれば、各y方向寸法Dy2,Dy3が長いほど、各第2端子部42および各第3端子部43にかかる熱応力が低減する傾向があることが分かった。しかしながら、各y方向寸法Dy2,Dy3が長いほど、電子装置A1のy方向寸法が増大する。そこで、各y方向寸法Dy2,Dy3を0.3mm以上0.6mm以下(好ましくは0.4mm以上0.5mm以下)とすることで、電子装置A1のy方向寸法が増大することを抑制しつつ、各第2端子部42および各第3端子部43にかかる熱応力を低減することができる。したがって、電子装置A1は、y方向寸法を抑制しつつ、はんだ層9に亀裂が生じることを抑制できる。
【0065】
電子装置A1は、各露出面442のx方向寸法Dx4および各露出面452のx方向寸法Dx5が0.3mm以上0.6mm以下(好ましくは0.4mm以上0.5mm以下)である。本願発明者の研究によれば、各x方向寸法Dx4,Dx5が長いほど、各第4端子部44および各第5端子部45にかかる熱応力が低減する傾向があることが分かった。しかしながら、各x方向寸法Dx4,Dx5が長いほど、電子装置A1のx方向寸法が増大する。そこで、各x方向寸法Dx4,Dx5を0.3mm以上0.6mm以下(好ましくは0.4mm以上0.5mm以下)とすることで、電子装置A1のx方向寸法が増大することを抑制しつつ、各第4端子部44および各第5端子部45にかかる熱応力を低減することができる。したがって、電子装置A1は、x方向寸法を抑制しつつ、はんだ層9に亀裂が生じることを抑制できる。
【0066】
図11および
図12は、第2実施形態にかかる電子装置A2を示している。
図11は、電子装置A2を示す底面図である。
図12は、
図11に示す底面図の一部を拡大した部分拡大図である。電子装置A2は、電子装置A1と異なり、露出面412が主部412aのみを含んで構成されている。つまり、電子装置A2における露出面412は、一対の副部412b,412cを含んでいない。なお、理解の便宜上、
図12において、電子装置A1における露出面412(主部412aおよび一対の副部412b,412c)を想像線(二点鎖線)で示している。
【0067】
電子装置A2における露出面412の主部412aは、平面視において、電子装置A1における露出面412の主部412aおよび一対の副部412b,412cを覆うように形成されている。
【0068】
電子装置A2は、電子装置A1と同様に、露出面413を含むリードフレーム3を備えている。したがって、電子装置A2は、電子装置A1と同様に、露出面413によって、はんだ層9への熱応力を抑制できる。また、電子装置A2は、電子装置A1と同様に、露出面414を含むリードフレーム3を備えている。したがって、電子装置A2は、電子装置A1と同様に、露出面414によって、はんだ層9への熱応力を抑制できる。
【0069】
図13および
図14は、第3実施形態にかかる電子装置A3を示している。
図13は、電子装置A3を示す底面図である。
図14は、
図13に示す底面図の一部を拡大した部分拡大図である。電子装置A3は、電子装置A1と異なり、各露出面412を挟んで配置された露出面413と露出面414とが繋がっている。
【0070】
電子装置A3において、各第1端子部41は、
図13および
図14に示すように、露出面416をさらに含んでいる。露出面416は、平坦であり、z1方向を向く。露出面416は、露出面413と露出面414とに繋がる。よって、露出面413と露出面414とは、露出面416を介して繋がっている。各露出面413と露出面414と露出面416とは、面一である。
【0071】
電子装置A3は、電子装置A1と同様に、露出面413を含むリードフレーム3を備えている。したがって、電子装置A3は、電子装置A1と同様に、露出面413によって、はんだ層9への熱応力を抑制できる。また、電子装置A3は、電子装置A1と同様に、露出面414を含むリードフレーム3を備えている。したがって、電子装置A3は、電子装置A1と同様に、露出面414によって、はんだ層9への熱応力を抑制できる。
【0072】
図15は、第4実施形態にかかる電子装置A4を示している。
図15は、電子装置A4を示す平面図であって、樹脂部材2を想像線(二点鎖線)で示している。電子装置A4は、電子装置A1と異なり、複数の電子素子1を備えている。
図15に示す例示では、2つの電子素子1を備えている。
【0073】
図15に示す例示では、2つの電子素子1は、平面視において異なる大きさである。なお、複数の電子素子1は、平面視において、異なる大きさであってもよいし、同じ大きさであってもよい。たとえば、平面視において小さい方の電子素子1は、DC/DCコンバータなどのコントロールICであり、平面視において大きい方の電子素子1は、電源制御ICである。各電子素子1は、上記したICに限定されず、ディスクリート素子であってもよい。2つの電子素子1は、x方向に並んでいるが、y方向に並んでいてもよい。
【0074】
電子装置A4は、
図15に示すように、複数の接続部材55をさらに備えている。各接続部材55は、2つの電子素子1の各主面電極11同士を接続し、これらを導通させる。各接続部材55は、各接続部材51~54と同様に、たとえばボンディングワイヤである。各接続部材55は、ボンディングワイヤの代わりに、ボンディングリボンや板状リード部材であってもよい。各接続部材55の構成材料は、たとえばAuを含む金属、Alを含む金属あるいはCuを含む金属などのいずれであってもよい。なお、複数の電子素子1同士を導通させる必要がなければ、複数の接続部材55を備えていなくてもよい。
【0075】
電子装置A4は、電子装置A1と同様に、露出面413を含むリードフレーム3を備えている。したがって、電子装置A4は、電子装置A1と同様に、露出面413によって、はんだ層9への熱応力を抑制できる。また、電子装置A4は、電子装置A1と同様に、露出面414を含むリードフレーム3を備えている。したがって、電子装置A4は、電子装置A1と同様に、露出面414によって、はんだ層9への熱応力を抑制できる。
【0076】
図16および
図17は、第5実施形態にかかる電子装置A5を示している。
図16は、電子装置A5を示す斜視図であって、底面側から見た状態を示している。
図17は、電子装置A5の実装構造を示す断面図である。
図17に示す断面は、第1実施形態の
図10に示す断面に対応する。電子装置A5は、電子装置A1と異なり、底面側の外周部に凹部7が形成されている。
【0077】
凹部7は、電子装置A5の各側面から窪むとともに、電子装置A5の底面から窪んでいる。凹部7は、平面視において、電子装置A5の外周を連続して形成されている。よって、凹部7は、樹脂部材2およびリードフレーム3の各端子部(各第1端子部41、各第2端子部42、各第3端子部43、各第4端子部44および各第5端子部45)に跨って形成されている。
【0078】
電子装置A5は、電子装置A1と同様に、露出面413を含むリードフレーム3を備えている。したがって、電子装置A5は、電子装置A1と同様に、露出面413によって、はんだ層9への熱応力を抑制できる。また、電子装置A5は、電子装置A1と同様に、露出面414を含むリードフレーム3を備えている。したがって、電子装置A5は、電子装置A1と同様に、露出面414によって、はんだ層9への熱応力を抑制できる。
【0079】
電子装置A5は、凹部7が形成されている。この構成によると、凹部7によって、はんだ層9の濡れ性が向上し、はんだ層9にフィレットが形成されやすい。そのため、リードレスパッケージである電子装置A5のはんだ付けの状態を、目視確認できる可能性を高めることができる。
【0080】
第1実施形態ないし第5実施形態で示した各電子装置A1~A5において、リードフレーム3の代わりに、絶縁性の基材上に配線層が形成された導電性基板を用いてもよい。絶縁性の基材は、たとえば熱伝導性に優れたセラミックス、プリント基板などに用いられる各種樹脂材料、あるいは、シリコンなどからなる。配線層は、導電性材料であって、たとえば、Cuを含む金属、あるいは、Alを含む金属などからなる。当該配線層に、上記露出面412,422,432,442,452などが形成されている。
【0081】
本開示にかかる電子装置および電子装置の実装構造は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の電子装置および電子装置の実装構造の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0082】
本開示にかかる電子装置および電子装置の実装構造は、以下の付記に関する実施形態を含む。
[付記1]
第1方向において離間する素子主面および素子裏面を有し、前記素子主面に主面電極が配置された電子素子と、
前記素子裏面と同じ方向を向く樹脂裏面を有し、前記電子素子を覆う樹脂部材と、
前記電子素子を支持し、かつ、前記電子素子に導通する導電部材と、
を備えており、
前記導電部材は、各々が前記樹脂裏面から露出する第1露出面、第2露出面および第3露出面を有しており、
前記樹脂部材は、各々が前記樹脂裏面から起立し、かつ、互いに繋がる第1樹脂側面および第2樹脂側面をさらに有しており、
前記第1露出面は、前記第1方向に見て、前記第1樹脂側面と前記第2樹脂側面とが繋がる角部に配置され、
前記第2露出面は、前記第1方向に見て、前記第1樹脂側面に沿う第2方向において、前記第1露出面と並び、
前記第3露出面は、前記第2方向において、前記第1露出面と前記第2露出面との間に位置しており、
前記第1方向に見て、前記第3露出面の面積は、前記第1露出面および前記第2露出面の各面積よりも大きい、電子装置。
[付記2]
前記導電部材は、前記第1露出面および前記第3露出面を有する第1端子部を含んでおり、
前記第1端子部は、前記第1方向に見て、前記第1露出面と前記第2露出面との間に配置され、かつ、前記樹脂部材に覆われた被覆面を有する、付記1に記載の電子装置。
[付記3]
前記樹脂部材に覆われた第1接続部材をさらに備えており、
前記導電部材は、前記第2露出面を有し、前記第1端子部から離間する第2端子部を含んでおり、
前記第1接続部材は、前記主面電極と前記第2端子部とを導通させる、付記2に記載の電子装置。
[付記4]
前記導電部材は、前記電子素子が搭載された搭載部、および、前記搭載部と前記第1端子部とに繋がる連結部を含んでおり、
前記連結部は、前記樹脂部材に覆われている、付記3に記載の電子装置。
[付記5]
前記搭載部は、前記素子裏面に対向する搭載部主面を有し、
前記第1端子部は、前記搭載部主面と同じ方向を向く第1端子部主面を有し、
前記連結部は、前記搭載部主面と同じ方向を向く連結部主面を有しており、
前記搭載部主面、前記第1端子部主面および前記連結部主面は、面一である、付記4に記載の電子装置。
[付記6]
前記導電部材は、前記樹脂裏面から露出する第4露出面を有しており、
前記第4露出面は、前記第1方向に見て、前記第2方向において前記第2露出面と並んでおり、かつ、前記第2方向において、前記第2露出面を挟んで、前記第3露出面の反対側に位置する、付記2ないし付記5のいずれかに記載の電子装置。
[付記7]
前記樹脂部材に覆われた第2接続部材をさらに備えており、
前記導電部材は、前記第4露出面を有する第3端子部を含んでおり、
前記第2接続部材は、前記主面電極と前記第3端子部とを導通させる、付記6に記載の電子装置。
[付記8]
前記第1端子部は、前記主面電極には導通していない、付記2ないし付記7のいずれかに記載の電子装置。
[付記9]
前記第3露出面の前記第2方向の寸法は、前記第2露出面の前記第2方向の寸法よりも大きい、付記1ないし付記8のいずれかに記載の電子装置。
[付記10]
前記第3露出面の前記第2方向の寸法は、前記第2露出面の前記第2方向の寸法の1.5倍以上6倍以下である、付記9に記載の電子装置。
[付記11]
前記第1方向および前記第2方向に直交する直交方向において、前記第3露出面の寸法は、前記第2露出面の寸法よりも大きい、付記1ないし付記10のいずれかに記載の電子装置。
[付記12]
前記直交方向において、前記第3露出面の寸法は、前記第1露出面の寸法よりも大きい、付記11に記載の電子装置。
[付記13]
各々が前記樹脂裏面から露出する第5露出面および第6露出面をさらに有しており、
前記第5露出面は、前記第1方向に見て、前記第2樹脂側面に沿う第3方向において、前記第1露出面と並んでおり、
前記第6露出面は、前記第3方向において、前記第1露出面と前記第5露出面との間に位置し、
前記第1方向に見て、前記第6露出面の面積は、前記第1露出面および前記第5露出面の各面積よりも大きい、付記2ないし付記12のいずれかに記載の電子装置。
[付記14]
前記第1端子部は、前記第6露出面を有しており、
前記被覆面は、前記第1方向に見て、さらに、前記第1露出面と前記第6露出面との間に配置されている、付記13に記載の電子装置。
[付記15]
前記樹脂部材に覆われた第3接続部材をさらに備えており、
前記導電部材は、前記第5露出面を有する第4端子部を含んでおり、
前記第3接続部材は、前記主面電極と前記第4端子部とを導通させる、付記14に記載の電子装置。
[付記16]
前記導電部材は、前記樹脂裏面から露出する第7露出面を有しており、
前記第7露出面は、前記第1方向に見て、前記第3方向において前記第5露出面と並んでおり、かつ、前記第3方向において、前記第5露出面を挟んで、前記第6露出面の反対側に位置する、付記14または付記15に記載の電子装置。
[付記17]
前記樹脂部材に覆われた第4接続部材をさらに備えており、
前記導電部材は、前記第7露出面を有する第5端子部を含んでおり、
前記第4接続部材は、前記主面電極と前記第5端子部とを導通させる、付記16に記載の電子装置。
[付記18]
前記第3方向は、前記第1方向および前記第2方向に直交する、付記13ないし付記17のいずれかに記載の電子装置。
[付記19]
前記第1露出面は、互いに離間する主部および一対の副部を含んでおり、
前記主部は、前記第1方向に見て、矩形状であり、
前記一対の副部の一方は、前記第2方向において、前記第3露出面と前記主部との間に位置し、
前記一対の副部の他方は、前記第3方向において、前記第6露出面と前記主部との間に位置する、付記13ないし付記18のいずれかに記載の電子装置。
[付記20]
付記13ないし付記19のいずれかに記載の電子装置と、
回路基板と、
前記電子装置と前記回路基板とを接合するはんだ層とを備えており、
前記はんだ層は、前記回路基板と前記第1露出面との間、前記回路基板と前記第3露出面との間、および、前記回路基板と前記第6露出面との間に跨って形成されている、電子装置の実装構造。
【符号の説明】
【0083】
A1~A5:電子装置
1 :電子素子
1a :素子主面
1b :素子裏面
11 :主面電極
2 :樹脂部材
21 :樹脂主面
22 :樹脂裏面
231~234:樹脂側面
241~244:角部
3 :リードフレーム
41 :第1端子部
411 :主面
412 :露出面
412a :主部
412b,412c:副部
413 :露出面
414 :露出面
415 :被覆面
416 :露出面
42 :第2端子部
421 :主面
422 :露出面
43 :第3端子部
431 :主面
432 :露出面
44 :第4端子部
441 :主面
442 :露出面
45 :第5端子部
451 :主面
452 :露出面
46 :搭載部
461 :主面
462 :裏面
47 :連結部
471 :主面
472 :裏面
51~55:接続部材
7 :凹部
8 :回路基板
81 :基材
82 :配線パターン
9 :はんだ層
91 :第1接合部
92 :第2接合部