(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】電源装置及びこれを用いた電動車両並びに蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/264 20210101AFI20240612BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240612BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240612BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20240612BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240612BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240612BHJP
【FI】
H01M50/264
H01M50/209
H01M50/249
H01M50/262 S
H01M50/262 Z
H01M50/291
H01M50/293
(21)【出願番号】P 2021540676
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(86)【国際出願番号】 JP2020028030
(87)【国際公開番号】W WO2021033476
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2019152167
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 浩志
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/145927(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/163696(WO,A1)
【文献】特開2015-082391(JP,A)
【文献】国際公開第2013/031613(WO,A1)
【文献】特開2018-049786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装缶を角型とし、一定のセル厚さを有する充電できる複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを積層した電池積層体の両側端面を覆う一対のエンドプレートと、
前記電池積層体の対向する側面に配置されて、前記エンドプレートに連結されてなるバインドバーと、
を備える電源装置であって、
前記バインドバーが、隣接する各々の前記電池セルの上面を押圧する押圧片を有し、さらに
前記押圧片と前記電池セルの上面との間に配置
され、各々の前記電池セルを独立して押圧する複数のエラストマー成型体を備え、
前記押圧片が、
前記エラストマー成型体を介して前記電池セルの上面を弾性的に押圧してなることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
外装缶を角型とし、一定のセル厚さを有する充電できる複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを積層した電池積層体の両側端面を覆う一対のエンドプレートと、
前記電池積層体の対向する側面に配置されて、前記エンドプレートに連結されてなるバインドバーと、
を備える電源装置であって、
前記バインドバーが、隣接する各々の前記電池セルの上面を
独立して押圧する
複数の押圧片を有し、さらに
前記押圧片と前記電池セルの上面との間に配置してなるエラストマー成型体を備え、
前記押圧片が、
前記エラストマー成型体を介して前記電池セルの上面を弾性的に押圧してなることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の電源装置であって、
前記エラストマー成型体が、
前記電池セルの上面に向かって突出する柱状又は板状のゴム状押圧部を有することを特徴とする電源装置。
【請求項4】
外装缶を角型とし、一定のセル厚さを有する充電できる複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを積層した電池積層体の両側端面を覆う一対のエンドプレートと、
前記電池積層体の対向する側面に配置されて、前記エンドプレートに連結されてなるバインドバーと、
を備える電源装置であって、
前記バインドバーが、隣接する各々の前記電池セルの上面を押圧する押圧片を有し、さらに
前記押圧片と前記電池セルの上面との間に配置してなるエラストマー成型体を備え、
前記押圧片が、
前記エラストマー成型体を介して前記電池セルの上面を弾性的に押圧しており、
前記エラストマー成型体が、
前記電池セルの上面に向かって突出する柱状又は板状で、突出高さが異なる複数のゴム状押圧部を有することを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の電源装置であって、
前記複数のゴム状押圧部が、
前記電池セルの上面の長手方向に離して配置されてなる電源装置。
【請求項6】
請求項
4または
5に記載の電源装置であって、
前記複数のゴム状押圧部の少なくともひとつが、
前記電池セルの上面の押圧状態で座屈する長さであることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項1ないし
6のいずれかに記載の電源装置であって、
前記エラストマー成型体が、
エラストマーとゴムのいずれかであることを特徴とする電源装置。
【請求項8】
外装缶を角型とし、一定のセル厚さを有する充電できる複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを積層した電池積層体の両側端面を覆う一対のエンドプレートと、
前記電池積層体の対向する側面に配置されて、前記エンドプレートに連結されてなるバインドバーと、
前記バインドバーと前記電池積層体との間に配置される絶縁シートと、
を備える電源装置であって、
前記バインドバーが、隣接する各々の前記電池セルの上面を押圧する押圧片を有し、さらに
前記押圧片と前記電池セルの上面との間に配置してなるエラストマー成型体を備え、
前記押圧片が、
前記エラストマー成型体を介して前記電池セルの上面を弾性的に押圧しており、
前記絶縁シートが、
前記押圧片と前記エラストマー成型体との間に配置されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項9】
請求項1ないし
8のいずれかに記載の電源装置であって、
前記バインドバーが金属板で、
前記金属板が曲げ加工されて前記押圧片が前記バインドバーと一体構造に設けられてなることを特徴とする電源装置。
【請求項10】
請求項1ないし
9のいずれかに記載の電源装置を備える電動車両であって、
前記電源装置と、
該電源装置から電力供給される走行用のモータと、
前記電源装置及び前記モータを搭載してなる車両本体と、
前記モータで駆動されて前記車両本体を走行させる車輪と
を備えることを特徴とする電動車両。
【請求項11】
請求項1ないし
9のいずれかに記載の電源装置を備える蓄電装置であって、
前記電源装置と、
該電源装置への充放電を制御する電源コントローラと
を備え、
前記電源コントローラでもって、外部からの電力により前記電池セルへの充電を可能とすると共に、該電池セルに対し充電を行うよう制御することを特徴とする蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及びこれを用いた電動車両並びに蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源装置は、電動車両の駆動用の電源装置や蓄電用の電源装置等に利用されている。このような電源装置は、充放電可能な複数の電池セルを複数枚積層している。一般的には、
図22の斜視図に示すように、電源装置900は角型の外装缶の電池セル901を、絶縁性のスペーサ902と交互に積層した電池積層体910の両側の端面に、それぞれエンドプレート903を配置し、エンドプレート903同士を金属製のバインドバー904で締結している。
【0003】
複数の電池セルを積層している電源装置は、各々の電池セルを定位置に配置することが大切である。
図22の電源装置は、図において電池セルの上下方向の位置ずれを阻止するために、バインドバーの上下の両側に折曲片を設けている。この電源装置は、バインドバーの上下に設けた折曲片で角形の電池セルの両側を挟んで定位置に配置している。この構造は、バインドバーで電池積層体の上下の位置ずれを阻止できるが、各々の電池セルを常に最適位置に配置するのが難しい欠点がある。とくに、角形の電池セルは、製造工程において発生する寸法誤差を皆無にはできず、このことが、各々の電池セルの寸法を変化させる原因となっている。
【0004】
さらに、電池セルは、充放電をくり返すと、外装缶が膨張、収縮するが、特に近年の電池セルは高容量化が進んでおり、この結果、膨張量も大きくなる傾向にある。このような電池セルを多数枚、積層して締結している電池積層体においては、膨張量も各々の電池セルによって異なることから、長期間にわたって各々の電池セルを理想的な位置に配置するのが難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数の電池セルを積層して電池積層体としながら、各々の電池セルを理想的な位置に配置できる電源装置及びこれを用いた電動車両並びに蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様に係る電源装置は、外装缶1aを角型とし、一定のセル厚さを有する複数の電池セル1と、複数の電池セル1を積層した電池積層体10の両側端面を覆う一対のエンドプレート20と、電池積層体10の対向する側面に配置されて、エンドプレート20に連結されてなるバインドバー15とを備えている。バインドバー15は、隣接する各々の電池セル1の上面を押圧する押圧片15lを有している。さらに、電源装置は、押圧片15lと電池セル1の上面との間に配置してなるエラストマー成型体18を備え、押圧片15lが、エラストマー成型体18を介して電池セル1の上面を弾性的に押圧している。
【0008】
本発明のある態様に係る電動車両は、上記電源装置100と、電源装置100から電力供給される走行用のモータ93と、電源装置100及びモータ93を搭載してなる車両本体91と、モータ93で駆動されて車両本体91を走行させる車輪97とを備えている。
【0009】
本発明のある態様に係る蓄電装置は、上記電源装置100と、電源装置100への充放電を制御する電源コントローラ88と備えて、電源コントローラ88でもって、外部からの電力により電池セル1への充電を可能とすると共に、電池セル1に対し充電を行うよう制御している。
【発明の効果】
【0010】
以上の電源装置によれば、複数の電池セルを積層して電池積層体としながら、各々の電池セルを理想的な位置に配置できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係る電源装置を示す斜視図である。
【
図5】
図4の電源装置で絶縁シートを不図示とした平面図及び要部拡大平面図である。
【
図6】
図1の電源装置のVI-VI線における水平断面図である。
【
図7】
図1の電源装置のVII-VII線における垂直断面図である。
【
図10】
図9のバインドバーを背面から見た斜視図である。
【
図12】実施形態2に係る電源装置で絶縁シートを不図示とした要部拡大平面図である。
【
図14】実施形態2に係る電源装置を示す斜視図である。
【
図16】
図14の電源装置のXVI-XVI線拡大断面図である。
【
図17】
図14の電源装置のXVII-XVII線拡大断面図である。
【
図18】エラストマーユニットの一例を示す拡大斜視図である。
【
図19】エンジンとモータで走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【
図20】モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【
図21】蓄電用の電源装置に適用する例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0013】
本発明の第1の実施形態に係る電源装置は、外装缶を角型とし、一定のセル厚さを有する充電できる複数の電池セルと、複数の電池セルを積層した電池積層体の両側端面を覆う一対のエンドプレートと、電池積層体の対向する側面に配置されて、エンドプレートに連結されてなるバインドバーとを備える電源装置であって、バインドバーが、隣接する各々の電池セルの上面を押圧する押圧片を有し、さらに電源装置は、押圧片と電池セルの上面との間に配置してなるエラストマー成型体を備え、押圧片が、エラストマー成型体を介して電池セルの上面を弾性的に押圧している。
【0014】
以上の電源装置は、バインドバーが、電池セルを押圧する押圧片を備えており、この押圧片は、直接に電池セルの上面を押圧することなく、弾性変形するエラストマー成型体を介して電池セルの上面を押圧して定位置に配置する。この構造は、電池積層体を構成する各々の電池セルの上面を押圧する押圧片がエラストマー成型体を介して電池セルの上面を押圧するので、充放電されて膨張と収縮をくり返し、さらに製造工程で発生する寸法誤差のある各々の電池セルを押圧して定位置に配置できる特徴がある。とくに、エラストマー成型体を介して電池セルの上面を押圧する押圧片は、電池セルの上面を広い面積で均等に押圧して定位置に配置できる特徴がある。電池セルは、強い力で押圧して位置ずれを防止できるが、強すぎる押圧力、とくに強制的に強い押圧力は、電池セルを変形し、あるいは損傷する原因となる。エラストマー成型体は電池セル表面に面接触して広い面積で均等に押圧して、電池セルを定位置に配置できるので、電池セルを定位置に配置しながら、強い押圧力による電池セルの損傷を防止できる。
【0015】
さらに、エラストマー成型体は、それ自他が変形して消費するエネルギーが大きくて、振動を吸収する能力が極めて高い。この独特の物性のエラストマー成型体が電池セルの上面を常に押圧状態に保持する以上の電源装置は、振動や衝撃を受ける環境において、電池セルを振動や衝撃から保護できる特長がある。電源装置が受ける振動や衝撃は、電池セルの種々の部位、たとえば、電池セルの電極端子の固定部、電池セルを直列や並列に接続するために電極端子に固定している厚い金属板との連結部などに障害を与える。電池セルは、金属板やプラスチック板などの弾性アームで電池セルの上面を押圧して定位置に配置できる。しかしながら、これ等の弾性アームは、変形してそれ自体が消費するエネルギーが小さく、すなわち弾性アームのQ値が大きくて、振動の減衰特性が悪く、電池セルの振動や衝撃を効果的に抑制できない。以上の電源装置は、電池セルの上面を振動の減衰特性に優れたエラストマー成型体で押圧しているので、電池セルの振動や衝撃を吸収しながら、電池セルを定位置に配置できる。このため、以上の電源装置は、車両の走行モータに電力を供給する電源装置に使用されても、電池セルを振動や衝撃から保護して長期間にわたって使用できる特徴がある。
【0016】
本発明の第2の実施形態に係る電源装置は、各々の電池セルを独立して押圧する複数のエラストマー成型体を備えている。
【0017】
以上の電源装置は、複数のエラストマー成型体が各々の電池セルを独立して押圧するので、寸法誤差や充放電による膨張量のアンバランスで各々の電池セルの上面位置が不均一となる状態においても、全ての電池セルを正確な位置に配置できる特徴がある。
【0018】
本発明の第3の実施形態に係る電源装置は、バインドバーが、各々の電池セルを独立して押圧する複数の押圧片を備える。
【0019】
以上の電源装置は、複数の押圧片が各々の電池セルを独立して押圧するので、寸法誤差や充放電による膨張量のアンバランスで各々の電池セルの上面位置が不均一となる状態においても、全ての電池セルを正確な位置に配置できる特徴がある。
【0020】
本発明の第4の実施形態に係る電源装置は、エラストマー成型体が、電池セルの上面に向かって突出する柱状又は板状のゴム状押圧部を有する。
【0021】
以上の電源装置は、押圧片が柱状又は板状のゴム状押圧部を介して電池セルの上面を押圧するので、ゴム状押圧部は短く押し潰される形状に変形し、さらに柱状又は板状が曲がる形状に変形する復元力で電池セルの上面を押圧するので、電池セルの変位量が大きくなっても押圧力の変化が少なく、常に所定の押圧力で電池セルの上面を押圧して定位置に配置できる特徴がある。このことは、電池セルが膨張して変位量が大きくなる状態においても、エラストマー成型体が強すぎる力で押圧して、電池セルを損傷することがない。このため、電池セルの損傷を防止しながら定位置に配置できる特徴がある。
【0022】
本発明の第5の実施形態に係る電源装置は、エラストマー成型体が、突出高さが異なる複数のゴム状押圧部を有する。
【0023】
この電源装置は、高さが異なる複数のゴム状押圧部で電池セルの上面を押圧するので、寸法誤差の大きい電池セルを確実に定位置に配置できる特徴がある。それは、押圧片と電池セルの上面との隙間が広くなる電池セルにあっては、高いゴム状押圧部が電池セルの上面を押圧し、押圧片と電池セルの上面との隙間が狭くなる電池セルにあっては、多数のゴム状押圧部が電池セルの上面を押圧して定位置に配置するからである。とくに、高く突出するゴム状押圧部は柱状であって、それ自体が曲がるように変形して電池セルの上面を押圧するので、押圧片と電池セルの上面との隙間が狭くなる電池セルにあっても、高いゴム状押圧部は曲がるように変形して、電池セルを強すぎる圧力で押圧して損傷することなく、定位置に配置する。
【0024】
本発明の第6の実施形態に係る電源装置は、複数のゴム状押圧部が、電池セルの上面の長手方向に離して配置されている。
【0025】
本発明の第7の実施形態に係る電源装置は、複数のゴム状押圧部の少なくともひとつが、電池セルの上面の押圧状態で座屈する長さである。
【0026】
以上の電源装置は、座屈するように変形して電池セルの上面を押圧するゴム状押圧部を備えるので、高く突出するゴム状押圧部が電池セルの上面を押圧する状態となっても、強すぎる圧力で電池セルを押圧することがなく、電池セルの損傷を防止しながら、電池セルを定位置に配置できる。
【0027】
本発明の第8の実施形態に係る電源装置は、エラストマー成型体が、エラストマーとゴムのいずれかである。
【0028】
本発明の第9の実施形態に係る電源装置は、バインドバーと電池積層体との間に配置してなる絶縁シートを備え、絶縁シートが、押圧片とエラストマー成型体との間に配置されている。
【0029】
本発明の第10の実施形態に係る電源装置は、バインドバーが金属板で、金属板を曲げ加工して押圧片をバインドバーと一体構造に設けている。
【0030】
本発明の実施形態に係る電源装置は、ハイブリッド車や電気自動車などの電動車両に搭載されて走行用モータに電力を供給する電源、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの発電電力を蓄電する電源、あるいは深夜電力を蓄電する電源など、種々の用途に使用され、とくに大電力、大電流の用途に好適な電源として使用される。以下の例では、電動車両の駆動用の電源装置に適用した実施形態について説明する。
【0031】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る電源装置100を、
図1~
図11にそれぞれ示す。これらの図において、
図1は実施形態1に係る電源装置100を示す斜視図、
図2は
図1の電源装置100の分解斜視図、
図3は
図1の電源装置100の要部拡大斜視図、
図4は
図1の電源装置100の平面図、
図5は
図4の電源装置100で絶縁シート30を不図示とした平面図及び要部拡大平面図、
図6は
図1の電源装置100のVI-VI線における水平断面図、
図7は
図1の電源装置100のVII-VII線における垂直断面図、
図8は
図1の電源装置100の側面図、
図9は
図2のバインドバー15を示す斜視図、
図10は
図9のバインドバー15を背面から見た斜視図、
図11は
図10のバインドバー15の分解斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示す電源装置100は、複数の電池セル1を積層した電池積層体10と、この電池積層体10の両側端面を覆う一対のエンドプレート20と、エンドプレート20同士を締結する複数のバインドバー15と、複数のバインドバー15の各々と電池積層体10の間に介在される絶縁性の絶縁シート30とを備える。
【0032】
(電池積層体10)
電池積層体10は、
図1と
図2に示すように、正負の電極端子2を備える複数の電池セル1と、これら複数の電池セル1の電極端子2に接続されて、複数の電池セル1を並列かつ直列に接続するバスバー(図示せず)を備える。これらのバスバーを介して複数の電池セル1を並列や直列に接続している。電池セル1は、充放電可能な二次電池である。電源装置100は、複数の電池セル1が並列に接続されて並列電池グループを構成すると共に、複数の並列電池グループが直列に接続されて、多数の電池セル1が並列かつ直列に接続される。
図1~
図3に示す電源装置100は、複数の電池セル1を積層して電池積層体10を形成している。また、電池積層体10の両端面には一対のエンドプレート20が配置される。このエンドプレート20同士に、バインドバー15の端部を固定して、積層状態の電池セル1を押圧した状態に固定する。バインドバー15は、電池セル1を定位置に配置する押圧片15lを有し、この押圧片15lは、エラストマー成型体18を介して電池セル1上面を押圧して電池セル1を定位置に配置する。
【0033】
(電池セル1)
電池セル1は、幅広面である主面の外形を四角形とし、一定のセル厚さを有する角形電池であって、幅よりも厚さを薄くしている。さらに、電池セル1は、充放電できる二次電池であって、リチウムイオン二次電池としている。ただ、本発明は、電池セルを角形電池には特定せず、またリチウムイオン二次電池にも特定しない。電池セルには、充電できる全ての電池、たとえばリチウムイオン二次電池以外の非水系電解液二次電池やニッケル水素電池セルなども使用できる。
【0034】
電池セル1は、
図2~
図7に示すように、正負の電極板を積層した電極体を外装缶1aに収納して、電解液を充填して気密に密閉している。外装缶1aは、底を閉塞する四角い筒状に成形しており、この上方の開口部を金属板の封口板1bで気密に閉塞している。外装缶1aは、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属板を深絞り加工して製作される。封口板1bは、外装缶1aと同じように、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属板で製作される。封口板1bは、外装缶1aの開口部に挿入され、封口板1bの外周と外装缶1aの内周との境界にレーザー光を照射して、封口板1bを外装缶1aにレーザー溶接して気密に固定している。
【0035】
(電極端子2)
電池セル1は、
図3~
図5等に示すように天面である封口板1bを端子面1Xとして、この端子面1Xの両端部に正負の電極端子2を固定している。電極端子2は、突出部を円柱状としている。ただ、突出部は、必ずしも円柱状とする必要はなく、多角柱状又は楕円柱状とすることもできる。
【0036】
電池セル1の封口板1bに固定される正負の電極端子2の位置は、正極と負極が左右対称となる位置としている。これにより、
図3~
図5等に示すように、電池セル1を左右反転させて積層し、隣接して接近する正極と負極の電極端子2をバスバーで接続することで、隣接する電池セル1同士を直列に接続できるようにしている。なお、本発明は、電池積層体を構成する電池セルの個数とその接続状態を特定しない。後述する他の実施形態も含めて、電池積層体を構成する電池セルの個数、及びその接続状態を種々に変更することもできる。
【0037】
(電池積層体10)
複数の電池セル1は、各電池セル1の厚さ方向が積層方向となるように積層されて電池積層体10を構成している。電池積層体10は、正負の電極端子2を設けている端子面1X、
図1~
図6においては封口板1bが同一平面となるように、複数の電池セル1を積層している。
【0038】
電池積層体10は、隣接して積層される電池セル1同士の間に、絶縁スペーサ16を介在させてもよい。絶縁スペーサ16は、樹脂等の絶縁材で薄いプレート状又はシート状に製作されている。絶縁スペーサ16は、電池セル1の対向面とほぼ等しい大きさのプレート状とする。この絶縁スペーサ16を互いに隣接する電池セル1の間に積層して、隣接する電池セル1同士を絶縁できる。なお、隣接する電池セル間に配置されるスペーサとしては、電池セルとスペーサの間に冷却気体の流路が形成される形状のスペーサを用いることもできる。また、電池セルの表面を絶縁材で被覆することもできる。例えばPET樹脂等のシュリンクチューブで電池セルの電極部分を除く外装缶の表面を熱溶着させてもよい。この場合は、絶縁スペーサを省略してもよい。また、複数の電池セルを多並列、多直列に接続する電源装置においては、互いに直列に接続される電池セル同士の間に絶縁スペーサを介在させて絶縁する一方、互いに並列に接続される電池セル同士においては、隣接する外装缶同士に電圧差が生じないので、これらの電池セルの間の絶縁スペーサを省略することもできる。
【0039】
さらに、
図2に示す電源装置100は、電池積層体10の両端面にエンドプレート20を配置している。なおエンドプレート20と電池積層体10の間に端面スペーサ17を介在させて、これらを絶縁してもよい。端面スペーサ17も、樹脂等の絶縁材で薄いプレート状又はシート状に製作できる。
【0040】
実施形態1に係る電源装置100は、複数の電池セル1が互いに積層される電池積層体10において、互いに隣接する複数の電池セル1の電極端子2同士をバスバーで接続して、複数の電池セル1を並列かつ直列に接続する。また、電池積層体10とバスバーとの間にバスバーホルダを配置してもよい。バスバーホルダを用いることで、複数のバスバーを互いに絶縁し、かつ電池セルの端子面とバスバーとを絶縁しながら、複数のバスバーを電池積層体の上面の定位置に配置できる。
【0041】
バスバーは、金属板を裁断、加工して所定の形状に製造される。バスバーを構成する金属板には、電気抵抗が小さく、軽量である金属、例えばアルミニウム板や銅板、あるいはこれらの合金が使用できる。ただ、バスバーの金属板は、電気抵抗が小さくて軽量である他の金属やこれらの合金も使用できる。
【0042】
(エンドプレート20)
エンドプレート20は、
図1~
図3に示すように、電池積層体10の両端に配置されると共に、電池積層体10の両側面に配置される左右一対のバインドバー15を介して締結される。エンドプレート20は、電池積層体10の電池セル1の積層方向における両端であって、端面スペーサ17の外側に配置されて電池積層体10を両端から挟着している。
【0043】
(段差部20b)
エンドプレート20は、バインドバー15で締結した状態で、バインドバー15に設けた係止ブロック15bを係止するための段差部20bを形成している。段差部20bは、後述するバインドバー15の係止ブロック15bを係止できる大きさと形状に形成される。
図2の例では、エンドプレート20を水平断面視T字状となるように、鍔状の段差部20bが形成されている。また段差部20bの近傍に、エンドプレートねじ穴20cを開口している。
【0044】
(バインドバー15)
バインドバー15は、両端を電池積層体10の両端面に配置されたエンドプレート20に固定される。複数のバインドバー15でもってエンドプレート20を固定し、もって電池積層体10を積層方向に締結している。各バインドバー15は、
図9~
図11等に示すように、電池積層体10の側面に沿う所定の幅と所定の厚さを有する金属製で、電池積層体10の両側面に対向して配置されている。
【0045】
バインドバー15は、長手方向の両端でそれぞれエンドプレート20と固定される締結部分15cと、締結部分15c同士の間を連結する中間部分15aと、中間部分15aの上下の両側縁に設けている押圧片15lとを備える。
図9~
図11のバインドバー15は、上下の両側縁に押圧片15lを設けて、電池セル1の両側部の上下を挟んで定位置に配置している。ただ、本発明の電源装置100は、バインドバー15の上側縁にのみ押圧片15lを設けて、電池セル1の下に厚い金属板のロアプレート(図示せず)を配置し、電池セル1をロアプレートの上に載せて、ロアプレートと押圧片15lで電池セル1を上下両側から挟んで定位置に配置することもできる。ロアプレートは、バインドバー15とエンドプレート20に固定して定位置に配置される。
【0046】
バインドバー15は、締結部分15cと中間部分15aと押圧片15lとを金属板で一体構造に連結する構造が好ましい。
図9等の例では、金属板を折曲して中間部分15aに波状部分15jを形成し、また中間部分15aの上下端縁を折曲して押圧片15lを形成している。また
図3や
図5等に示すように、波状部分15jは複数の波状片15iと平坦片15kで構成される。波状片15i同士の間は、平坦片15kで接続されている。
【0047】
一方、バインドバー15の締結部分15cには、
図11に示すように係止ブロック15bが設けられており、この部分の締結部分15cの厚さを厚くしている。この係止ブロック15bを、エンドプレート20の段差部20bに係止して、バインドバー15をエンドプレート20に螺合等により固定する。バインドバー15の係止ブロック15bをエンドプレート20の段差部20bに係止する構造は、強い引張応力が作用するバインドバー15を強固にエンドプレート20に連結できる。ただ、図示しないが、バインドバー15は、長手方向の両側縁を内側に折曲して、折曲片をエンドプレート20の外側表面にネジ止めする構造で固定することもできる。
【0048】
(絶縁シート30)
また、バインドバー15と電池積層体10の間には、絶縁シート30が介在される。絶縁シート30は絶縁性を備える材質、例えば樹脂などで構成され、金属製のバインドバー15と電池セル1との間を絶縁している。
図2等に示す絶縁シート30は、電池積層体10の側面を覆う平板31と、この平板31の上下にそれぞれ設けられた押圧片支持部32とで構成される。押圧片支持部32は、バインドバー15の各押圧片15lと電池セル1の上面との間に介在されて、押圧片15lと電池セル1とを絶縁する。この押圧片支持部32は、バインドバー15に形成された押圧片15l毎に設けられる。よって、バインドバー15の押圧片15lを形成したピッチと合致するように、押圧片支持部32が形成される。また、絶縁シート30は、上述したバスバーを保持するバスバーホルダと兼用するように構成してもよい。
【0049】
なお、電池積層体や電池積層体の表面が絶縁されている場合、例えば電池セルが絶縁性のケースに収納されていたり、樹脂製の熱収縮性チューブで覆われている場合、又はバインドバーの表面に絶縁性の塗料やコーティングが施されている場合、あるいはバインドバーが絶縁性の材質で構成されている場合等は、絶縁シートを不要とできる。
【0050】
(波状部分15j)
中間部分15aは、波状に形成された波状部分15jを有している。波状部分15jは、波状片15iを複数、電池セル1のセル厚さに従ったピッチで周期的に形成している。中間部分15aをばね状に形成し、各波状片15iにばね性を持たせることで、電池積層体10が膨張しても、これに追従するように波状部分15jを変形させて中間部分15aを変位させることができ、バインドバー15に応力が集中して破断する事態を回避できる。一方で、電池積層体10が膨張状態から復帰すると、これに応じて波状部分15jが変形して元の形状に復帰することで、バインドバー15による電池積層体10の締結状態が維持される。このように波状部分15jを有するバインドバー15は、電池積層体10の積層方向の変化に応じて変形させ、かつ締結状態を維持できる。
【0051】
各波状片15iは、複数の電池セル1に対して少なくとも一形成されている。好ましくは、
図5の拡大平面図等に示すように、波状片15iを、電池積層体10の電池セル
1毎に形成する。これによって、各電池セル1の外装缶の変形に個別に対応できる。ただ、必ずしも各電池セル毎に波状片を形成する必要はなく、例えば
図12に示す実施形態2に係る電源装置200で絶縁シートを不図示とした平面図のように、電池セル一つおき、すなわち電池セル2個毎に、波状片15iを形成してもよい。波状片15iを形成するピッチは、電池セルの仕様、電池容量や予想される電源装置の使用環境(温度や湿度など)や想定される外装缶の変形量などに応じて、適宜設計される。また波状片15iは、
図5に示すように電池積層体10の外側に膨らむ方向に山形に折曲されている。このように、波状片15iを外側に突出させることで、波状片15iが電池積層体10と干渉する事態を回避できる。
【0052】
また各波状片15iは、一の山形に形成する他、複数の山形に形成してもよい。また湾曲させた状態に限らず、ジグザグ状や蛇腹状、アコーディオン状等としてもよい。さらに波状片15iを同一の形状とせず、位置に応じて波状片15iの形状を変化させてもよい。
【0053】
図8~
図11のバインドバー15は、中間部分15aを波状部分15jとするが、バインドバー15は中間部分15aを平面状とすることもできる。中間部分15aを波状部分15jとするバインドバー15は、電池セル1の膨張をスムーズに吸収できる。中間部分15aを平面状とするバインドバー15は、電池セル1の膨張を抑制して電池セルの積層方向の位置ずれを防止できる。
【0054】
(押圧片15l)
電池積層体10の両側に配置されるバインドバー15は、電池積層体10を構成する各々の電池セル1の上面を押圧する押圧片15lを設けている。
図9~
図11のバインドバー15は、各々の電池セル1を独立して別々に押圧する複数の押圧片15lを設けている。各々の電池セル1を独立して押圧する押圧片15lは、全ての電池セル1を理想的に状態で押圧して定位置に配置できる特徴がある。複数の押圧片15lは、横幅を電池セル1の上面の横幅よりも狭くして、各々の電池セル1の上面を独立して押圧できる。ただ、押圧片は、複数の電池セルの上面を押圧する形状とすることもできる。ひとつで複数の電池セルの上面を押圧する押圧片は、横幅を広くして複数の電池セルの上面を押圧する。さらに、押圧片は、ひとつで電池積層体を構成している全ての電池セルの上面を押圧して定位置に配置することもできる。とくに、
図13に示す電源装置100は、押圧片15lがエラストマー成型体18を介して各々の電池セル1の上面を押圧して定位置に配置するので、ひとつの押圧片15lで全ての電池セル1の上面を押圧して定位置に配置できる。ただ、複数の押圧片15lを設けて、各々の押圧片15lが各々の電池セル1を独立して押圧する電源装置100は、理想的な状態で電池セル1を定位置に配置できる。
【0055】
押圧片15lは、金属板を曲げ加工してバインドバー15と一体構造に設けられる。押圧片15lは、
図7の垂直断面図と
図13の要部拡大断面図に示すように、エラストマー成型体18と絶縁シート30を介して、電池セル1の上面を押圧する。この構造により、各電池セル1はエラストマー成型体18と押圧片15lとに押圧されて、高さ方向の位置ずれが抑制される。とくに、電池セル1がエラストマー成型体18を介して押圧状態に保持されるので、振動や衝撃等を受ける状態においても、各電池セル1が上下方向に位置ずれしないように保持できる。
【0056】
図9~
図11に示すように、中間部分15aを波状部分15jとするバインドバー15は、押圧片15lを設ける位置を、波状片15iと異なる位置とすることが好ましい。
図3や
図5等に示す例では、波状片15i同士の間に位置する平坦片15kに
押圧片15lを形成している。これによって、中間部分15aから折曲された
押圧片15lが、波状片15iの変形を阻害する事態を回避し、波状片15iのばね性を効果的に発揮させることができる。
【0057】
このバインドバー15には、鉄などの金属板、好ましくは鋼板や鉄、鉄合金、SUS、アルミニウム、アルミニウム合金等が使用できる。またバインドバー15を同一の部材で構成しつつ、締結部分15cと中間部分15aで厚さを異ならせてもよい。あるいは、締結部分15cを第一金属で、中間部分15aを、第一金属と異なる第二金属で、それぞれ構成してもよい。この場合、第一金属は第二金属よりも剛性を高く、第二金属は第一金属よりも延伸性を高くする。このような異種金属の選定によって、締結部分15cに剛性を、中間部分15aに延伸性を、それぞれ持たせることが可能となる。
【0058】
(係止ブロック15b)
バインドバー15は、
図9~
図11に示すように、中間部分15aと、締結部分15cと、ブロック状の係止ブロック15bを備える。中間部分15aは板状の部材で、その長手方向の両端に締結部分15cを接合している。係止ブロック15bは、締結部分15cの端縁部の内面に固定されている。係止ブロック15bは所定の厚さを有する板状で、締結部分15cの内側に突出する姿勢で固定されており、バインドバー15をエンドプレート20に連結する状態では、エンドプレート20に設けた段差部20bに係止されて、バインドバー15を電池積層体10の両側の定位置に配置する。係止ブロック15bは、スポット溶接やレーザー溶接等の溶接により締結部分15cに固定される。
【0059】
図に示す係止ブロック15bは、エンドプレート20を締結した状態で、エンドプレートねじ穴20cと一致するように、締結側貫通孔15bcを開口している。また、締結部分15cは、締結側貫通孔15bcと対応する位置に、締結主面側貫通孔15acを開口している。締結側貫通孔15bcと締結主面側貫通孔15acは、係止ブロック15bを締結部分15cに固定した状態で合致するように設計される。
【0060】
係止ブロック15bの開口された締結側貫通孔15bcは、複数個を、係止ブロック15bの延長方向に沿うように開口させている。同様に締結主面側貫通孔15acも、複数個を締結部分15cの端縁、あるいは係止ブロック15bの延長方向に沿うように開口させている。これに応じてエンドプレートねじ穴20cも、エンドプレート20の側面に沿って複数個が形成されている。
【0061】
係止ブロック15bは、複数のボルト15fを介してエンドプレート20の外周面に固定している。なお、これらバインドバー15と係止ブロック15b、エンドプレート20との固定は、必ずしもボルトを用いた螺合に限られず、ピンやリベット等としてもよい。
【0062】
上述の通り、バインドバー15を構成する中間部分15aと締結部分15cと係止ブロック15bは、鉄、鉄合金、SUS、アルミニウム、アルミニウム合金等が利用できる。また係止ブロック15bは、電池積層方向の横幅を10mm以上とすることができる。さらにエンドプレート20は、金属製とすることができる。好ましくは、係止ブロック15bと締結部分15cを、同じ金属製とする。これによって、係止ブロック15bと締結部分15cとの溶接が容易に行える。
【0063】
このように、バインドバー15を、長手方向の左右端部、すなわち電池積層体10の積層層方向の両端部において折曲して、エンドプレート20の主面側から螺合するのでなく、
図1~
図3に示すようにバインドバー15を、電池積層体10の積層方向においては平板状として折曲部を設けることなく、エンドプレート20の段差部20bと係止ブロック15bとによる係止構造と螺合とによって、電池積層体10を締結することで、剛性を高め、電池セル1の膨張による破断等のおそれを緩和できる。
【0064】
多数の電池セル1を積層している電源装置は、複数の電池セル1からなる電池積層体10の両端に配置されるエンドプレート20をバインドバー15で連結することで、複数の電池セル1を拘束するように構成されている。複数の電池セル1を、高い剛性をもつエンドプレート20やバインドバー15を介して拘束することで、充放電や劣化に伴う電池セル1の膨張、変形、相対移動、振動による損傷などを抑制できる。
【0065】
以上のように、本実施形態に係る電源装置100によれば、電池セル1の膨張によって生じる電池積層方向に拡がろうとする応力が、締結部分15cそのものに加えて、段差部20bと係止ブロック15bによる係合、締結部分15cと係止ブロック15bの溶接、ボルト15fによる螺合の各部材に印加されることになる。よってこれら各部材の剛性を高めて応力を適度に分散させることで、全体としての剛性を高めて電池セル1の膨張、収縮に対応可能な電源装置100を実現できる。さらに、電池セル1の膨張に応じて波状片15iを有する波状部分15jが変形することで、電池積層体10の変位に対応可能となる。
【0066】
(エラストマー成型体18)
エラストマー成型体18は、押圧片15lと電池セル1の上面との間に配置され、電池セル1の上面を弾性的に押圧して電池セル1を定位置に配置する。エラストマー成型体18は、弾性のある高分子のエラストマーを成形して製作される。エラストマーは、熱可塑性エラストマー又は熱硬化性エラストマーが使用できる。熱可塑性エラストマーは、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー及びフッ素系エラストマーから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱硬化性エラストマーは、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴムや天然ゴムである。エラストマー成型体18は、硬度を調整して電池セル1の上面を押圧する押圧力をコントロールできる。エラストマー成型体18の硬度は、例えば30°以上であって80°以下、好ましくは40°以上であって80°以下として、エラストマー成型体18が電池セル1の上面を押圧する面積、電池セル1の上面の強度等を考慮して最適硬度に設定する。
【0067】
図13の断面図に示すエラストマー成型体18は、押圧片15lの上下面を挟む溝型に成形して製作される。図のエラストマー成型体18は、押圧片15lと絶縁シート30の両方を内側に配置する溝型に成形して、絶縁シート30を内面に配置して、絶縁シート30の内側に押圧片15lを配置している。エラストマー成型体18は、
図4に示すように、隣接する複数の押圧片15lに連結される形状に成形され、あるいは各々の押圧片15lに別々に独立して連結される形状に成形される。溝型に成形して内側に押圧片15lを配置するエラストマー成型体18は、押圧片15lに位置ずれなく連結できる特長がある。
【0068】
図13に示すエラストマー成型体18は、押圧片15lの下面をカバーする押圧面から、電池セル1の上面に向かって突出するゴム状押圧部18aを設けている。ゴム状押圧部18aは、電池セル1の上面を局部的に押圧する柱状あるいは板状である。ゴム状押圧部18aの先端は、電池セル1の上面に面接触する平面状で、所定の面積で電池セル1の上面を押圧する。
図13のエラストマー成型体18は、突出高さが異なる複数のゴム状押圧部18aを設けている。高さが異なる複数のゴム状押圧部18aを設けているエラストマー成型体18は、電池セル1の上面を押圧して、各々の電池セル1を確実に定位置に配置できる。電池セル1の上面と押圧片15lとの隙間が広くなる電池セル1にあっては、高く突出するゴム状押圧部18aが電池セル1の上面を押圧し、押圧片15lと電池セル1の上面との隙間が狭くなる電池セル1にあっては、多数のゴム状押圧部18aが電池セル1の上面を押圧して定位置に配置するからである。
【0069】
突出高さが異なる複数のゴム状押圧部18aのあるエラストマー成型体18は、高く突出するゴム状押圧部18aが、電池セル1の上面で強く押し潰されて圧縮される状態では、それ自体が曲がるように、すなわち座屈するように変形して電池セル1の上面を押圧する形状として、電池セル1の上面を強すぎる圧力で押圧することなく定位置に配置する。ゴム状押圧部18aは、座屈して押圧力の増加が抑制されるからである。
図13の断面図に示すエラストマー成型体18は、電池セル1の上面の長手方向に並べて突出高さが異なる複数のゴム状押圧部18aを設けると共に、電池セル1の上面の両端側に突出高さの高いゴム状押圧部18aを配置している。電池セル1は、金属板を深絞り加工している外装缶1aの細長い上端開口部に封口板1bをレーザー溶接して製造される。この構造の電池セル1は、封口板1bの両端部においては、両側縁と端縁の三方がレーザー溶接され、中間部は両側のみがレーザー溶接して封口板1bと外装缶1aが連結されるので、封口板1bは両端部の曲げ強度が強くなる。突出高さの大きいゴム状押圧部18aを封口板1bの両端部に配置するエラストマー成型体18は、封口板1bの両端部を強く押圧して、電池セル1を定位置に配置しながら、押圧力による電池セル1の損傷を抑制できる。
【0070】
[実施形態2]
さらに、本発明の実施形態2に係る電源装置300を、
図14と
図15に示す。これらの図において、
図14は電源装置300の斜視図を、
図15は
図14の電源装置300の分解斜視図を示している。これらの図に示す電源装置300は、電池積層体10を構成する全ての電池セル1の上面をひとつの押圧片15nで押圧する構造のバインドバー15を備えており、各々の電池セル1を独立して押圧する複数のエラストマー成型体18を各電池セル1の上面と押圧片15nとの間に配置する構造としている。したがって、この電源装置300は、前述の実施形態1の電源装置100に対して、バインドバー15と絶縁シート30とエラストマー成型体18とを異なる構造としている。他の構成要素については、前述の実施形態と同じ構造であるため、同符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0071】
(バインドバー15)
図14と
図15に示すバインドバー15は、中間部分15mを波状とすることなく平面状としている。中間部分15mを平面状とするバインドバー15は、電池セル1の膨張を抑制して電池セル1の積層方向の位置ずれを防止できる。さらに、図のバインドバー15は、平面状の中間部分15mの上下の端縁部を電池積層体10側にL字状に折曲して、押圧片15nを設けている。図に示すバインドバー15は、電池積層体10を構成している全ての電池セル1の上面をひとつの押圧片15nで押圧するように、押圧片15nの全長は電池積層体10の積層方向の長さと略等しい。このように、電池積層体10を構成する全ての電池セル1の上面をひとつの押圧片15nで押圧する構造は、バインドバー15を簡単な構造として安価に製造できる特長がある。ここで、全ての電池セル1の上面をひとつの押圧片15nで押圧する場合、電池セル1の寸法誤差等により、全ての電池セル1を押圧片15nで確実に定位置に配置できない懸念があるが、本発明の電源装置では、押圧片15nがエラストマー成型体18を介して各々の電池セル1の上面を押圧するので、電池セル1の寸法誤差をエラストマー成型体18で吸収して全ての電池セル1を定位置に配置できる。
【0072】
(絶縁シート30)
バインドバー15と電池積層体10の間に介在される絶縁シート30は、電池積層体10の側面を覆う平板31と、この平板31の上下にそれぞれ設けられた押圧片被覆部33とで構成される。押圧片被覆部33は、バインドバー15の押圧片15nの内側面を覆うように、平板31からL字状に折曲して設けている。これによりバインドバー15は、内面全体を絶縁性の絶縁シート30で被覆している。
【0073】
(エラストマー成型体18)
図15に示す電源装置300は、押圧片15nと電池セル1の上面との間に配置されて、各々の電池セル1を独立して押圧する複数のエラストマー成型体18を備えている。複数のエラストマー成型体18は、
図16に示すように、電池積層体10を形成する全ての電池セル1の上面に対向して配置されており、
図16及び
図17に示すように、電池積層体の両側部の上面側に配置される押圧片15nが、各エラストマー成型体18を介して電池セル1の上面の両端部を押圧して、各々の電池セル1を定位置に配置するようにしている。
【0074】
複数のエラストマー成型体18は、
図16~
図18に示すように、電池積層体10を形成する各電池セル1の上面の定位置に配置されるように、連結部19を介して所定の間隔で連結されている。
図18に示す例では、複数のエラストマー成型体18と連結部19とを、弾性のある高分子のエラストマーで一体的に成形してエラストマーユニット40としている。
図17及び
図18のエラストマーユニット40は、電池セル1の上面に対向して配置される複数のエラストマー成型体18と、これらのエラストマー成型体18の一端に連結される横断面視逆L字状の連結部19とにより、押圧片15nの上下面を挟む溝型に成形している。
図17のエラストマーユニット40は、エラストマー成型体18と連結部19とで押圧片15nと絶縁シート30の両方を内側に配置する溝型に成形して、絶縁シート30を内面に配置して、絶縁シート30の内側に押圧片15nを配置している。このように、複数のエラストマー成型体18を連結部19で連結する構造は、複数のエラストマー成型体18を効率よく押圧片15nに連結しながら、複数の電池セル1の上面の定位置に配置できる特長がある。ただ、複数のエラストマー成型体は、一体的に連結することなく、それぞれを押圧片の上下面を挟む溝型に成形して、押圧片に対して所定の位置に配置することもできる。
【0075】
図16と
図18のエラストマーユニット40は、複数のエラストマー成型体18を、隣接する複数の電池セル1の上面に対向して配置できるように、エラストマー成型体18の横幅(w)を所定の幅とすると共に、複数のエラストマー成型体18を所定のピッチ(t)で等間隔に配置している。各エラストマー成型体18の横幅(w)は、広すぎると、電池セル1の放電時において、積層方向に収縮する電池セル1の上面との対向位置がずれて、電池セル1の上面を的確に押圧できなくなるおそれがあり、反対に狭すぎると、電池セル1の上面を充分な押圧力で押圧できなくなる。したがって、各エラストマー成型体18の横幅(w)は、これらのことを考慮して、電池セル1の厚さ(d)の0.3~0.8倍、好ましくは、0.4~0.7倍として、電池セル1の上面を確実に押圧できるようにする。また、複数のエラストマー成型体18のピッチ(t)は、電池積層体10を構成する複数の電池セル1のピッチと等しくし、好ましくは両端面に配置したエンドプレート20をバインドバー15で締結した状態の電池積層体10における各電池セル1のピッチ(T)と等しくする。
【0076】
また、
図17及び
図18に示すように、各エラストマー成型体18は、押圧片15nの下面をカバーする押圧面から、電池セル1の上面に向かって突出するゴム状押圧部18aを設けている。ゴム状押圧部18aは、電池セル1の上面を局部的に押圧する柱状あるいは板状である。ゴム状押圧部18aの先端は、電池セル1の上面に面接触する平面状で、所定の面積で電池セル1の上面を押圧する。図のエラストマー成型体18は、突出高さが異なる複数のゴム状押圧部18aを設けており、各々の電池セル1を確実に定位置に配置できるようにしている。
図17に示すエラストマー成型体18は、電池セル1の上面の長手方向に並べて突出高さが異なる複数のゴム状押圧部18aを設けると共に、電池セル1上面の両端側に突出高さの高いゴム状押圧部18aを配置している。
【0077】
さらに、電源装置は、図示しないが、バインドバーが各々の電池セルを独立して押圧する複数の押圧片を備えると共に、各押圧片と電池セルの上面との間に配置されて、各々の電池セルを独立して押圧する複数のエラストマー成型体を備えることもできる。この電源装置は、各電池セルに対向して押圧片とエラストマー成型体とを配置するので、電池積層体を形成する各電池セルを最も理想的な状態で定位置に配置できる特長がある。
【0078】
以上の電源装置は、電動車両を走行させるモータに電力を供給する車両用の電源として利用できる。電源装置を搭載する電動車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。なお、車両を駆動する電力を得るために、上述した電源装置を直列や並列に多数接続して、さらに必要な制御回路を付加した大容量、高出力の電源装置を構築して搭載することもできる。
【0079】
(ハイブリッド車用電源装置)
図19は、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両HVは、車両本体91と、この車両本体91を走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、これらのエンジン96及び走行用のモータ93で駆動される車輪97と、モータ93に電力を供給する電源装置100と、電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置100の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置100の電池を充電する。なお、車両HVは、図に示すように、電源装置100を充電するための充電プラグ98を備えてもよい。この充電プラグ98を外部電源と接続することで、電源装置100を充電できる。
【0080】
(電気自動車用電源装置)
また、
図20は、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両EVは、車両本体91と、この車両本体91を走行させる走行用のモータ93と、このモータ93で駆動される車輪97と、このモータ93に電力を供給する電源装置100と、この電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置100の電池を充電する。また車両EVは充電プラグ98を備えており、この充電プラグ98を外部電源と接続して電源装置100を充電できる。
【0081】
(蓄電装置用の電源装置)
さらに、本発明は、電源装置の用途を、車両を走行させるモータの電源には特定しない。実施形態に係る電源装置は、太陽光発電や風力発電等で発電された電力で電池を充電して蓄電する蓄電装置の電源として使用することもできる。
図21は、電源装置100の電池を太陽電池82で充電して蓄電する蓄電装置を示す。
【0082】
図21に示す蓄電装置は、家屋や工場等の建物81の屋根や屋上等に配置された太陽電池82で発電される電力で電源装置100の電池を充電する。この蓄電装置は、太陽電池82を充電用電源として充電回路83で電源装置100の電池を充電した後、DC/ACインバータ85を介して負荷86に電力を供給する。このため、この蓄電装置は、充電モードと放電モードを備えている。図に示す蓄電装置は、DC/ACインバータ85と充電回路83を、それぞれ放電スイッチ87と充電スイッチ84を介して電源装置100と接続している。放電スイッチ87と充電スイッチ84のON/OFFは、蓄電装置の電源コントローラ88によって切り替えられる。充電モードにおいては、電源コントローラ88は充電スイッチ84をONに、放電スイッチ87をOFFに切り替えて、充電回路83から電源装置100への充電を許可する。また、充電が完了し満充電になると、あるいは所定値以上の容量が充電された状態で、電源コントローラ88は充電スイッチ84をOFFに、放電スイッチ87をONにして放電モードに切り替え、電源装置100から負荷86への放電を許可する。また、必要に応じて、充電スイッチ84をONに、放電スイッチ87をONにして、負荷86への電力供給と、電源装置100への充電を同時に行うこともできる。
【0083】
さらに、電源装置は、図示しないが、夜間の深夜電力を利用して電池を充電して蓄電する蓄電装置の電源として使用することもできる。深夜電力で充電される電源装置は、発電所の余剰電力である深夜電力で充電して、電力負荷の大きくなる昼間に電力を出力して、昼間のピーク電力を小さく制限することができる。さらに、電源装置は、太陽電池の出力と深夜電力の両方で充電する電源としても使用できる。この電源装置は、太陽電池で発電される電力と深夜電力の両方を有効に利用して、天候や消費電力を考慮しながら効率よく蓄電できる。
【0084】
以上のような蓄電装置は、コンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用または工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機や道路用の交通表示器などのバックアップ電源用などの用途に好適に利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る電源装置とこれを用いた電動車両及び蓄電装置は、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車、電気自動車、電動オートバイ等の電動車両を駆動するモータの電源用等に使用される大電流用の電源として好適に利用できる。例えばEV走行モードとHEV走行モードとを切り替え可能なプラグイン式ハイブリッド電気自動車やハイブリッド式電気自動車、電気自動車等の電源装置が挙げられる。またコンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用、工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機等のバックアップ電源用等の用途にも適宜利用できる。
【符号の説明】
【0086】
100、200、300…電源装置、1…電池セル、1X…端子面、1a…外装缶、1b…封口板、2…電極端子、10…電池積層体、15…バインドバー、15a…中間部分、15b…係止ブロック、15c…締結部分、15ac…締結主面側貫通孔、15bc…締結側貫通孔、15f…ボルト、15i…波状片、15j…波状部分、15k…平坦片、15l…押圧片、15m…中間部分、15n…押圧片、16…絶縁スペーサ、17…端面スペーサ、18…エラストマー成型体、18a…ゴム状押圧部、19…連結部、20…エンドプレート、20b…段差部、20c…エンドプレートねじ穴、30…絶縁シート、31…平板、32…押圧片支持部、33…押圧片被覆部、40…エラストマーユニット、81…建物、82…太陽電池、83…充電回路、84…充電スイッチ、85…DC/ACインバータ、86…負荷、87…放電スイッチ、88…電源コントローラ、91…車両本体、93…モータ、94…発電機、95…DC/ACインバータ、96…エンジン、97…車輪、98…充電プラグ、900…電源装置、901…電池セル、902…スペーサ、903…エンドプレート、904…バインドバー、910…電池積層体、HV、EV…車両