IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジボダン エス エーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】有機化合物におけるまたは関連する改善
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20240612BHJP
   A61K 8/11 20060101ALI20240612BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20240612BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/11
A61Q13/00 102
A61Q15/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021545367
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2019085842
(87)【国際公開番号】W WO2020049192
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】1901500.7
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リナウド,エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】リフラード,ブノワ
(72)【発明者】
【氏名】ゾンゴ,マチュー
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-217538(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0121154(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0337120(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0241201(US,A1)
【文献】特表2003-514104(JP,A)
【文献】米国特許第05783211(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0029705(US,A1)
【文献】特開平06-121922(JP,A)
【文献】特開平09-206022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 9/50,9/52
B01J 13/02-13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックスに封入された少なくとも1つの香料および/または化粧品成分を含むカプセル化された組成物であって、マトリックスがデンプンおよびヘミセルロースを含み、
デンプンが水溶性加工デンプンであり、および
ヘミセルロースがタマリンド種子から得ることができるキシログルカンである、前記組成物。
【請求項2】
水溶性加工デンプンが、漂白デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化グリセロール架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、無水酢酸でエステル化されたデンプンアセタート、酢酸ビニルでエステル化されたデンプンアセタート、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化グリセロール架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項3】
さらに、マルトデキストリン、マンニトールおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含む、請求項1または2に記載のカプセル化された組成物。
【請求項4】
さらに、二酸化ケイ素、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびゼオライトからなる群から選択される流動剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの香料および/または化粧品成分の割合が、カプセル化された組成物の10~50重量%である、請求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項6】
デンプンの割合が、カプセル化された組成物の30~90重量%である、請求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項7】
ヘミセルロースの割合が、カプセル化された組成物の0.02~20重量%である、請求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項8】
組成物が、粒子形態である、請求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項9】
求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物を調製するプロセスであって、該プロセスが、以下のステップ:
a)水中で少なくとも1つの香料および/または化粧品成分、デンプンおよびヘミセルロースを含むエマルションを調製すること;
b)エマルションを噴霧乾燥させてまたは二酸化ケイ素へ吸着させて、カプセル化された組成物を得ること、
を含む、前記プロセス。
【請求項10】
請求項に記載のプロセスによって得ることができるカプセル化された組成物。
【請求項11】
求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物の香料放出特性を改変するためのヘミセルロースの使用。
【請求項12】
請求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物を含む、消費者製品。
【請求項13】
請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物を含む、デオドラントまたは制汗剤。
【請求項14】
パーソナルケア製品中の少なくとも1つの香料および/または化粧品成分の量を低減するための、請求項1~のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物の使用。
【請求項15】
デオドラントまたは制汗剤中の少なくとも1つの香料および/または化粧品成分の量を低減するための、請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物の使用。
【請求項16】
デオドラントまたは制汗剤に使用するための請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル化された組成物、カプセル化された組成物を調製するプロセス、デンプンマトリックスの特性を改変するためのヘミセルロースの使用およびカプセル化された組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトまたは動物の体に香りを付けするため、および悪臭を打ち消すための両方のために、カプセル化された香料組成物をリーブオンパーソナルケア製品(leave-on personal care products)に用いることが知られている。リーブオン製品は、対象の髪または皮膚への局所適用に適合しており、長期間体に残る。リーブオン製品の特に重要なカテゴリーは、デオドラントおよび制汗剤である。体臭は望ましくなく、および非衛生的および反社会的であるとさえ考えられ得る。体臭は、ヒトの汗に対する微生物相(micro-flora)の作用の結果として発生する。汗を除去するための定期的な入浴は、体の悪臭の蓄積に対処することができるが、頻繁に入浴またはシャワーを浴びることが常に実用的または実行可能であるとは限らない。したがって、デオドラントおよび制汗剤の適用は、現代のボディケアレジメンの重要な側面になっている。
【0003】
制汗剤およびデオドラントは、香料組成物の配合者にとって特有の課題を提示する。消費者は、適用の瞬間から、およびその後多くの時間、次の入浴またはシャワーの機会が現れるまで、これらの製品と親密にコミュニケーションを取る。香料放出を制御するために、カプセル化された香料組成物がかかる製品に使用されてきた。所望の放出プロファイルのために、カプセル化された香料組成物は、皮膚、毛髪または布の表面とのわずかな摩擦接触でカプセルが壊れ、香料を排出するほど脆弱であるべきではない。他方、発汗は身体的活動から生じるものであるため、摩擦力または汗による水分への暴露に応えて、カプセルが壊れ、香料を放出すべきである。かかる「オンデマンド」香料放出は、消費者に嗅覚の合図を提供し、製品の有効性を示し、これは次に製品に対する消費者の信頼感を刺激する。
【0004】
デオドラントおよび制汗剤の分野において、2つのタイプのカプセル化された香料組成物が、一般に、商業的用途に使用されてきた。一方は、デンプンカプセルが、湿らせたときに香料を放出する能力のために使用されてきた。他方は、コアシェルマイクロカプセルに基づく組成物が、機械的作用に応えて香料を破壊および送達するそれらの能力のために用いられてきた。両方の種類のカプセルでは、使用サイクル全体にわたって所望の香料放出を達成することが難しくなり得る。コアシェルマイクロカプセルの場合、個人は身体的活動なしで発汗することがあり、これは体の悪臭の不十分なマスキングにつながり得る。さらにまた、コアシェルマイクロカプセルは壊すために強い摩擦を必要とする。他方、デンプンカプセルは、突然の身体的活動の場合にフレグランスの放出が遅すぎるという欠点を持ち得る。さらに、日中の活動および発汗のない動きは、デンプンカプセルからの放出を提供しないであろう。
【0005】
EP 2 897 578B1およびEP 2 897 579 B1は、コアシェルマイクロカプセルと水分誘発香料送達系との組み合わせを含む香料組成物を提案している。かかる組成物は、機械的作用によるまたは水分による活性化のいずれかによるフレグランス放出を可能し、本明細書では「二重活性化」と称する。
しかしながら、かかる組み合わせを含むデオドラントおよび制汗剤は、依然として欠点に悩まされている。主な不利な点は、2つの異なるカプセル化された香料組成物を提供する必要があることであり、これは、製剤の価格および複雑さを増大させる。さらにまた、あるタイプのコアシェルマイクロカプセルは、ホルムアルデヒド、イソシアネート、アクリラート、またはイミンの使用に起因して、消費者製品中のこれらの材料の量は、課せられたしきい値制限をはるかに下回ってはいるが、物議を醸している。
【発明の概要】
【0006】
したがって、先行技術における上述の欠点を克服することは、本発明の根底にある問題である。とりわけ、機械的および水分活性化の両方に影響されやすいカプセル化された香料組成物を提供することが、本発明の根底にある問題である。かかる組成物は、製造が簡便であり、費用効率が高く、持続可能であるべきである。
これらの問題は、請求項1に記載のカプセル化された組成物によって解決される。組成物は、マトリックスに封入された少なくとも1つの香料および/または化粧品成分を含む。マトリックスは、デンプンおよびヘミセルロースを含む。
【0007】
本発明の文脈において、表現「ヘミセルロース」は、グルカン、とりわけキシログルカン、マンナン、とりわけグルコマンナン、およびキシラン、とりわけアラビノキシランおよびグルクロノキシランからなる群から選択される多糖類として理解されるべきである。
デンプンマトリックスへのヘミセルロースの添加が、マトリックスの改変を引き起こし、水分および機械的(例として、摩擦)活性化の下で、その香料放出特性を改善することが見出された。その結果得られる香料カプセルは、製造において簡便であり、および費用効果が高い。さらにまた、それらは非毒性であり、および生分解性である天然ベースの多糖類から調製される。したがって、かかるカプセルは、増大した消費者アピールを有する。
【0008】
デンプンは水溶性加工デンプンであり得る。かかるデンプンは、未加工のデンプンまたはアルファ化デンプン(pre-gelatinized starch)から作られる。それは、塊茎(tubers)、マメ科植物、シリアルおよび穀物に由来し、例えば、コーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、ワキシーコーンスターチ、燕麦デンプン、キャッサバデンプン、ワキシー大麦デンプン、ワキシー米デンプン、餅米デンプン、アミオカデンプン(amioca starch)、ジャガイモデンプン、タピオカデンプンおよびそれらの混合物である。
【0009】
水溶性加工デンプンは、漂白デンプン(bleached starch)、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化グリセロール架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、無水酢酸でエステル化されたデンプンアセタート、酢酸ビニルでエステル化されたデンプンアセタート、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化グリセロール架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムおよびそれらの混合物からな群から選択し得る。
水溶性加工デンプンは、乳化および乳化安定化能力を有する。それらは、デンプン加工剤の疎水性に起因して、水中油型エマルションの形態でフレグランスおよび/または化粧品の油滴を封入する能力を有する。本明細書において上述のとおりの加工デンプンは、高い乳化およびカプセル化性能、高固形分でも低粘度、および優れた耐酸化性を包含する多くの利点をもたらし、良好なフレグランスおよび/または化粧品の保存および敏感な成分の安定化を確実にする。
【0010】
ヘミセルロースはキシログルカンであり得る。キシログルカンは、非グラミナス植物(non-graminaceous plant)の一次壁において最も豊富なヘミセルロースであり、しばしば壁の乾燥質量の20%を含む。キシログルカンは、1,4-結合したβ-D-グルコース残基で構成される骨格を有する。バックボーン残基の最大75%が、C6で単-、二-、または三糖類の側鎖で置換されている。好ましくは、ヘミセルロースは、タマリンド種子から得ることができるキシログルカンであり、とりわけタマリンド種子から得られ、「タマリンドカーネルパウダー」または「タマリンドガム」としても知られる。タマリンドガムにおいて、側鎖は、1または2のα-D-キシロピラノシル単位からなり、任意にβ-D-ガラクトピラノシル、α-L-アラビノフラノシルまたはβ-D-キシロピラノシルでキャップされていてもよい。
【0011】
本発明によるカプセル化された組成物は、さらに、マルトデキストリン、マンニトールおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むことができる。マルトデキストリンとマンニトールは両方とも、マトリックスのガラス転移温度を上昇させる。さらにまた、マルトデキストリンはフィルム形成剤である。
本発明の好ましい態様において、カプセル化された組成物は、さらに、マンニトールを含む。かかる組成物において、マンニトールの割合は、1~30重量%、好ましくは5~15重量%、さらにより好ましくは8~12重量%であり得る。
【0012】
本発明によるカプセル化された組成物は、さらに、二酸化ケイ素、ナトリウム塩、カルシウム塩およびゼオライトからなる群から選択される流動剤を含むことができる。二酸化ケイ素は、沈降、ヒュームドおよびコロイド状シリカから選択できる。ナトリウム塩は硫酸ナトリウムであり得る。カルシウム塩は炭酸カルシウムであり得る。流動剤の使用は、ケーキングを起こしにくい流動性粉末を与える。
【0013】
少なくとも1つの香料成分は、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アセタート、テルペン炭化水素、窒素または硫黄複素環式化合物、および精油などの多様な、異なるクラスの有機化合物に属すことができ、これは天然または合成起源であり得る。これらの香料成分の多くは、S. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, 1994, Montclair, New Jersey, USAなどの参考テキストに記載されている。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの香料成分は、275℃以下の1013.25hPaの通常の標準圧力で決定される沸点、および50パーツ・パー・ビリオン(ppb)以下の臭気検出閾値を有する。
好ましくは、少なくとも50重量%、より具体的には少なくとも60重量%、さらにより具体的には少なくとも80重量%の香料成分は、2.0以上、より具体的には、2.5以上、さらにより具体的には3.0以上のcLog[P]を有する。フレグランス成分のcLog[P]の値は、Daylight Chemical Information Systems, Inc., Daylight CIS, Irvine, Californiaから入手できるPomona92データベースを包含する多くのデータベースで報告されている。
【0015】
少なくとも1つの香料成分は以下からなる群から選択することができる:ADOXALTM(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール)、AGRUMEXTM(2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート)、ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール)、ALDEHYDE C 11 MOA(2-メチルデカナール)、ALDEHYDE C 11 UNDECYLIC(ウンデカ-10-エナール)、ALDEHYDE C 11 UNDECYLIC(ウンデカナール)、ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール)、ALDEHYDE C 12 MNA PURE(2-メチルウンデカナール)、ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール)、ALDEHYDE MANDARINE 10%/TEC((E)-ドデカ-2-エナール)、ALLYL AMYL GLYCOLATE(アリル2-(イソペンチルオキシ)アセタート)、ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(アリル3-シクロヘキシルプロパノアート)、ALLYL OENANTHATE(アリルヘプタノアート)、AMBER CORETM(1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール),AMBERMAXTM(1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-.ベタ.,1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタラ-エン-8-エタノール)、AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート)、APHERMATE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルマート)、BELAMBRETM((1R,2S,4R)-2’-イソプロピル-1,7,7-トリメチルスピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,4’-[1,3]ジオキサン])、BIGARYL(8-(sec-ブチル)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン)、BOISAMBRENETM FORTETM((エトキシメトキシ)シクロドデカン)、BOISIRISTM((1S,2R,5R)-2-エトキシ-2,6,6-トリメチル-9-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン)、BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート)、
【0016】
BUTYL BUTYRO LACTATE(1-ブトキシ-1-オキソプロパン-2-イルブチラート)、BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE PARA(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート)、CARYOPHYLLENE((Z)-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン)、CASHMERANTM(1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン)、CASSYRANETM(5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン)、CITRAL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール)、CITRAL LEMAROMETM N((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール)、CITRATHALTM R((Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン)、CITRONELLAL(3,7-ジメチルオクタ-6-エナール)、CITRONELLOL(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール)、CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート)、CITRONELLYL FORMATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルホルマート)、CITRONELLYL NITRILE(3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル)、CITRONELLYL PROPIONATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルプロピオナート)、CLONAL(ドデカンニトリル)、CORANOL(4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール)、COSMONETM((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン)、CYCLAMEN ALDEHYDE(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール)、CYCLOGALBANATE(アリル2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート)、CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート)、CYCLOMYRAL(8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド)、
【0017】
DAMASCENONE(E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン)、DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン)、DAMASCONE DELTA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン)、DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール)、DELPHONE(2-ペンチルシクロペンタノン)、DIHYDRO ANETHOLE(プロパン二酸1-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチル)3-エチルエステル)、DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン)、DIMETHYL BENZYL CARBINOL(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール)、DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート)、DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブチラート)、DIMETHYL OCTENONE(4,7-ジメチルオクタ-6-エン-3-オン)、DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール)、DIPENTENE(1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン)、DUPICALTM((E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール)、EBANOLTM((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール)、
【0018】
ETHYL CAPROATE(エチルヘキサノアート)、ETHYL CAPRYLATE(エチルオクタノアート)、ETHYL LINALOOL((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール)、ETHYL LINALYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート)、ETHYL OENANTHATE(エチルヘプタノアート)、ETHYL SAFRANATE(エチル2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート)、EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン)、FENCHYL ACETATE((2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート)、FENCHYL ALCOHOL((1S,2R,4R)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール)、FIXOLIDETM(1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エタノン)、FLORALOZONETM(3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール)、FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール)、FLOROCYCLENETM((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオナート)、FLOROPALTM(2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン)、FRESKOMENTHETM(2-(sec-ブチル)シクロヘキサノン)、FRUITATE((3aS,4S,7R,7aS)-エチルオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート)、
【0019】
FRUTONILE(2-メチルデカンニトリル)、GALBANONETM PURE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン)、GARDOCYCLENETM((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルイソブチラート)、GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール)、GERANYL ACETATE SYNTHETIC((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート)、GERANYL ISOBUTYRATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルイソブチラート)、GIVESCONETM(エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート)、HABANOLIDETM((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン)、HEDIONETM(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート)、HERBANATETM((2S)-エチル3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-カルボキシラート)、HEXENYL-3-CIS BUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルブチラート)、HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE((E)-2-ベンジリデンオクタナール)、HEXYL ISOBUTYRATE(ヘキシルイソブチラート)、HEXYL SALICYLATE(ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート)、INDOFLORTM(4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン)、IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン)、IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン)、IRONE ALPHA((E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン)、
【0020】
ISO E SUPERTM(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン)、ISOCYCLOCITRAL(2,4,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド)、ISONONYL ACETATE(3,5,5-トリメチルヘキシルアセタート)、ISOPROPYL METHYL-2-BUTYRATE(イソプロピル2-メチルブタノアート)、ISORALDEINETM 70((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン)、JASMACYCLENETM((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート)、JASMONE CIS((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン)、KARANALTM(5-(sec-ブチル)-2-(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-5-メチル-1,3-ジオキサン)、KOAVONE((Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルヘプタ-3-エン-2-オン)、LEAF ACETAL((Z)-1-(1-エトキシエトキシ)ヘキサ-3-エン)、LEMONILETM((2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル)、
【0021】
LIFFAROMETM GIV((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルメチルカルボナート)、LILIALTM(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール)、LINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール)、LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート)、MAHONIALTM((4E)-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-4-デセナール)、MALTYL ISOBUTYRATE(2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イルイソブチラート)、MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート)、MELONALTM(2,6-ジメチルヘプタ-5-エナール)、MENTHOL(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール)、MENTHONE(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン)、METHYL CEDRYL KETONE(1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン)、METHYL NONYL KETONE EXTRA(ウンデカン-2-オン)、METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ-2-イノアート)、METHYL PAMPLEMOUSSE(6,6-ジメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン)、MYRALDENE(4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド)、NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン)、NEOBERGAMATETM FORTE(2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イルアセタート)、NEOFOLIONETM((E)-メチルノナ-2-エノアート)、
【0022】
NEROLIDYLETM((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセタート)、NERYL ACETATE HC((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート)、NONADYL(6,8-ジメチルノナン-2-オール)、NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エナール)、NYMPHEALTM(3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール)、ORIVONETM(4-(tert-ペンチル)シクロヘキサノン)、PARADISAMIDETM(2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド)、PELARGENE(2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン)、PEONILETM(2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル)、PETALIATM(2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル)、PIVAROSETM(2,2-ジメチル-2-フェイルエチルプロパノアート)、PRECYCLEMONETM B(1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド)、PYRALONETM(6-(sec-ブチル)キノリン)、RADJANOLTM SUPER((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール)、RASPBERRY KETONE (N112)(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)、RHUBAFURANETM(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン)、ROSACETOL(2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセタート)、ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール)、ROSYFOLIA((1-メチル-2-(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル)-メタノール)、ROSYRANETM SUPER(4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン)、
【0023】
SERENOLIDE(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピル シクロプロパンカルボキシラート)、SILVIALTM(3-(4-イソブチルフェニル)-2-メチルプロパナール)、SPIROGALBANONETM(1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン)、STEMONETM((E)-5-メチルヘプタン-3-オンオキシム)、SUPER MUGUETTM((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール)、SYLKOLIDETM((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート)、TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン)、TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン)、TERPINYL ACETATE(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-イルアセタート)、TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、TETRAHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタン-2-オール)、THIBETOLIDE(オキサシクロヘキサデカン-2-オン)、TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル)、UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール)、VELOUTONETM(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン)、VIRIDINETM((2,2-ジメトキシエチル)ベンゼン)、ZINARINETM(2-(2,4-ジメチルシクロヘキシル)ピリジン)およびそれらの混合物。
【0024】
本発明の文脈において、化粧品成分は、エモリエント、平滑化活性剤、水和活性剤、鎮静および弛緩活性剤、装飾活性剤、老化防止活性剤、排出活性剤、リモデリング活性剤、皮膚レベリング活性剤、防腐剤、抗酸化活性剤、抗菌または静菌活性剤、クレンジング活性剤、潤滑活性剤、構造化活性剤、ヘアコンディショニング活性剤、美白活性剤、テクスチャー活性剤、軟化活性剤、フケ防止活性剤、および角質除去活性剤からなる群から選択してもよい。
【0025】
具体的に有用な化粧品成分は、疎水性ポリマー、たとえばアルキルジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、スチレン-エチレン-スチレンおよびスチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマーなど、鉱物油、たとえば水素化イソパラフィン、シリコーン油など、植物油、たとえばアルガンオイル、ホホバオイル、アロエベラオイルなど、脂肪酸および脂肪アルコールおよびそれらのエステル、グリコリピド、ホスホリピド、スフィンゴリピド、たとえばセラミド、ステロールおよびステロイドなど、テルペン、セスキテルペン、トリテルペンおよびそれらの誘導体、精油、たとえばアルニカ油、アルテミシア油、樹皮油、白樺葉油、カレンデュラ油、シナモン油、エキナセア油、ユーカリ油、ジンセン油、ジュジュベ油、ヘリアンサス油、ジャスミン油、ラベンダー油、ロータスシード油、ペリラ油、ローズマリー油、サンダルウッド油、ティーツリー油、タイム油、バレリアン油、ワームウッド油、イランイラン油、ユッカ油などを包含する。
【0026】
本発明によるカプセル化された組成物において、少なくとも1つの香料および/または化粧品成分の割合は、10~50重量%、好ましくは20~47.5重量%、さらにより好ましくは30~45重量%であり得る。
本発明によるカプセル化された組成物において、デンプンの割合は、30~90重量%、好ましくは35~80重量%、さらにより好ましくは40~70重量%であり得る。
本発明によるカプセル化された組成物において、ヘミセルロースの割合は、0.02~20重量%、好ましくは0.1~10重量%、さらにより好ましくは0.5~5重量%であり得る。本発明の特に好ましい態様において、ヘミセルロースの割合は0.75~2重量%である。
【0027】
本発明によるカプセル化された組成物は、粒子形態であり得る。より具体的には、粒子の90体積%は、1~1000μm、好ましくは2~400μm、さらにより好ましくは3~200μmのサイズを有し得る。体積中位径D(50)は、5~200μm、好ましくは10~120μm、さらにより好ましくは20~100μmであり得る。
本文脈において、粒子のサイズは、Beckman Coulter LS13 320粒子サイズアナライザーを使用したレーザー散乱によって測定する。このデバイスは、光散乱の原理を使用することによって、乾燥粉末形態の粒子のサイズ分布を測定する。標準的な操作手順において、粒子径は体積および/または数で表される。
【0028】
本発明のさらなる側面は、カプセル化された組成物、とりわけ本明細書において上述のとおりの組成物を調製するプロセスに関する。このプロセスは、以下のステップ:
a)水中で少なくとも1つの香料および/または化粧品成分、デンプンおよびヘミセルロースを含むエマルションを調製すること;
b)エマルションを乾燥、とりわけ噴霧乾燥または二酸化ケイ素へ吸着させて、カプセル化された組成物を得ること、
を含む。
【0029】
好ましくは、ステップa)において調製されたエマルションは、さらに、マルトデキストリン、マンニトールおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含む。エマルションを調製するために、デンプン、ヘミセルロース、および任意にマルトデキストリンおよび/またはマンニトールも、典型的には、攪拌下で水に添加する。その後、少なくとも1つの香料および/または化粧品成分を、通常、継続的な攪拌下で添加する。しかし、異なる順序の添加もまた可能である。次いで、所望の液滴サイズを有するエマルションを得るために、高剪断均質化を使用することができる。
【0030】
ステップb)において、噴霧乾燥を使用して、カプセル化された組成物を得ることができる。噴霧乾燥技術は当技術分野において周知である。エマルションは大抵、噴霧乾燥装置にポンプで送られ、ノズルまたは回転ディスクを介して乾燥チャンバーに噴霧される。エマルションは、乾燥チャンバー内を移動する流体(空気など)に同伴されてもよい。加熱され得る流体は、水を蒸発させ、カプセル化された組成物を残し、これは次いで乾燥機の出口で収集され得る。噴霧乾燥の典型的な入口温度はおよそ200℃、および出口温度はおよそ100℃に設定され得る。
【0031】
本明細書において上述のとおりのプロセスにおいて、ステップa)において調製されたエマルションは、2~60重量%、好ましくは5~40重量%、さらにより好ましくは10~30重量%の少なくとも1つの香料および/または化粧品成分の割合を有し得る。
本明細書において上述のとおりのプロセスにおいて、ステップa)において調製されたエマルションは、2~60重量%、好ましくは5~40重量%、さらにより好ましくは10~30重量%のデンプンの割合を有し得る。
本明細書において上述のとおりのプロセスにおいて、ステップa)において調製されたエマルションは、0.001~10重量%、好ましくは0.01~5重量%、さらにより好ましくは0.1~1.0重量%のヘミセルロースの割合を有し得る。
【0032】
本明細書において上述のとおりのプロセスにおいて、ステップa)において調製されたエマルションは、0.5~15重量%、好ましくは1~10重量%、さらにより好ましくは2~8重量%のマンニトールの割合を有し得る。
本明細書において上述のとおりのプロセスにおいて、ステップa)において調製されたエマルションは、10~90重量%、好ましくは30~80重量%、さらにより好ましくは50~60重量%の水の割合を有し得る。
【0033】
少なくとも1つの香料および/または化粧品成分の割合、デンプンの割合およびヘミセルロースの割合が低く、水の割合が高い場合、高レベルの水を除去する必要があるため、プロセスへのエネルギーコストは高くなる。デンプンの割合を制限する要因は、混合物を処理できるようにする必要があることである。混合物を噴霧乾燥させることができる限り、より高レベルのデンプンを収容することができる。デンプン/水混合物の粘度を低下させ、および取り扱いの容易さを改善するために、他の添加剤を組み込んでもよい。好適な例は、乳化剤および可塑剤を包含する。
【0034】
いかなる曖昧さを回避するために、該当する場合、カプセル化された組成物に関連して上記本明細書に述べられたオプションの特徴もまた、本プロセスにおいて実現され得る。
本発明はまた、本明細書において上述のとおりの方法によって得ることができるカプセル化された組成物に関する。
【0035】
発明のさらなる側面は、デンプンマトリックスの特性、とりわけデンプンマトリックスに封入された少なくとも1つの香料および/または化粧品成分を含むカプセル化された組成物の特性、より具体的には、本明細書において上述のとおりの組成物の特性を改変するためのヘミセルロースの使用に関する。本発明はまた、デンプンマトリックスの特性、とりわけデンプンマトリックスに封入された少なくとも1つの香料および/または化粧品成分を含むカプセル化された組成物の特性、より具体的には本明細書において上述のとおりの組成物の特性を、マトリックスが形成されるときに、とりわけ本明細書において上述のとおりのプロセスにおいて、ヘミセルロースを添加することによって改変する方法に関する。
【0036】
本発明はまた、本明細書において上述のとおりのカプセル化された組成物を含む、消費者製品、好ましくはパーソナルケア製品、さらにより好ましくはデオドラントまたは制汗剤に関する。本明細書に使用されるとき、「消費者製品」は、それが販売される形態で使用または消費されることを意図し、およびこれに続く商業的製造または改変を意図しない物品を意味する。そのような製品中のカプセル化された組成物の量は、0.02~20重量%、好ましくは0.1~10重量%、さらにより好ましくは0.5~5重量%であり得る。
【0037】
本発明のさらなる側面は、パーソナルケア製品、とりわけデオドラントまたは制汗剤中の少なくとも1つの香料および/または化粧品成分の量を減らすための、本明細書において上述のとおりのカプセル化された組成物の使用に関する。本発明はまた、少なくとも1つの香料および/または化粧品成分を、本明細書において上述のとおりのカプセル化された組成物中でカプセル化することによって、パーソナルケア製品、特にデオドラントまたは制汗剤中の少なくとも1つの香料および/または化粧品成分の量を低減する方法に関する。
本発明のさらなる特徴および特定の利点は、いくつかの例の以下の記載から明らかになる。
【0038】
例1 添加剤スクリーニング
添加剤スクリーニングのために、1重量%の添加剤(キトサン、アルギナート、ポリビニルアルコールまたはタマリンドカーネルパウダー)と共にデンプンマトリックスを含むいくつかのカプセル化された香料組成物を、例2に従う方法によって調製した。
嗅覚評価のために、0.4重量%のカプセル化された香料組成物を、それぞれの場合において、標準的な制汗剤ベースに添加した。0.2gの生成物を布パッチの中央に置き、スパチュラによって生成物を布の上に広げた。生成物を布の上に残して4時間乾燥した。次いで、20人のパネリストのパネルが、各段階に対し0~5のスケールに従ってスコアを付けることによって、以下の評価を実施した:
活性化前:適用の4時間後の乾式評価;
摩擦-活性化:布を折り、それを2回こする;活性化直後のブーストを評価する;
水分-活性化:布に水を直接2回スプレーする;活性化直後のブーストを評価する。
摩擦活性化の値は、活性化前に加えて得られたスコアを表し、水分活性化の値は、摩擦活性化に加えて得られたスコアを表す。
【0039】
表1は、添加剤スクリーニングの結果をまとめたものである。エントリー1は、添加剤無しの従来のデンプンカプセル化が使用されたベンチマークに対応する。エントリー2、3、および4は、各場合において、1重量%のキトサン、アルギナートまたはポリビニルアルコールで改変されたデンプンマトリックスに関する。これらの3つの例すべてにおいて、摩擦-および水-活性化強度の減少を伴う増大した活性化前強度が観察された。1重量%のタマリンドカーネルパウダー(エントリー5)の添加も、わずかに増加した活性化前強度を示した。一方、摩擦活性化は、ベンチマークに対して大幅に増大した。最後に、このエントリーでは水分活性化の有意な増大は観察されなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
例2-カプセル化された組成物の調製
水道水(55.0g)をステンレス鋼ビーカーに量り入れた。続いて、デンプンナトリウムオクテニルスクシナートE1450(18.7g)、デンプン加工Hi-Cap 100(2.2g)、マルトデキストリンGlucidex IT-19(5.3g)、および例1で述べた添加剤(0.5g)を同じビーカーに量り入れた。得られた混合物を最初にステンレス鋼棒で手動で撹拌し、次いでIKAT25 Ultra-Turrax Homogenizerで13,500rpmで均質化して均一な溶液を得た。この得られた混合物に、香油(17.8g)を添加した。次いで、同じホモジナイザーを使用して、22,000~24,000rpmで20~30分間高剪断混合を行い、エマルションを生成した。液滴サイズは、動的光散乱によって0.5~2μmの間に制御された。
【0042】
エマルションは、LabPlant SD-06 Spray Dryerを使用して噴霧乾燥にかけた。噴霧乾燥プロセスのパラメーターは以下のとおりである:
- 入口温度:190℃
- 出口温度:90℃
- ペリスタルティックポンプ速度:485mL/h
- 空気流量:3.7m/s
得られた噴霧乾燥粉末を、密閉された混合容器内で二酸化ケイ素Aerosil 200(0.5g)と混合した。
【0043】
例3-本発明による代替のカプセル化された組成物の調製
水道水(45.0g)をステンレス鋼ビーカーに量り入れた。続いて、デンプンナトリウムオクテニルスクシナートE1450(21.9g)、マンニトール60(5.5g)、およびタマリンドカーネルパウダー(0.5g)を同じビーカーに量り入れた。得られた混合物を最初にステンレス鋼棒で手動で撹拌し、次いでIKAT25 Ultra-Turrax Homogenizerで13,500rpmで均質化して均一な溶液を得た。この得られた混合物に、香油(27.3g)を添加した。次いで、同じホモジナイザーを使用して、22,000~24,000rpmで20~30分間高剪断混合を行い、エマルションを生成した。液滴サイズは、動的光散乱によって0.5~2μmの間に制御された。
【0044】
エマルションは、LabPlant SD-06 Spray Dryerを使用して噴霧乾燥にかけた。噴霧乾燥プロセスのパラメーターは以下のとおりである:
- 入口温度:190℃
- 出口温度:90℃
- ペリスタルティックポンプ速度:485mL/h
- 空気流量:3.7m/s
得られた噴霧乾燥粉末を、密閉された混合容器内で二酸化ケイ素Aerosil 200(0.5g)と混合した。
【0045】
例4-本発明によるカプセル化された組成物の安定性
添加剤としてタマリンドカーネルパウダーを用いた例2に従って調製された、本発明によるカプセル化された組成物の安定性を評価し、同じフレグランスを含有する従来のデンプンカプセル化と比較した。例1と同じ嗅覚評価プロトコルを使用した。表2は、サンプルを37℃、相対湿度70%で1か月間エージングした後の結果をまとめたものである。従来のデンプンカプセル化(エントリー3および4)と比較して、本発明によるカプセル化された組成物(エントリー1および2)の優れた嗅覚性能が、すべての段階(活性化前、摩擦-活性化および水分-活性化)で保持されていることが分かる。
【0046】
【表2】
【0047】
例3に従って調製された、本発明による代替のカプセル化された組成物の安定性を評価した。例1と同じ嗅覚評価プロトコルを使用した。表3は、新鮮な試料、ならびに、試料をそれぞれ4℃または37℃、および相対湿度70%で1か月間エージングした後の結果をまとめたものである。とりわけ37℃で1か月保存した後、特に低い活性化前強度が達成されたことがわかる。さらにまた、困難な条件下で保管した後でも、摩擦-活性化および水分-活性化時に良好な嗅覚性能が観察された。
【0048】
【表3】