IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィの特許一覧

特許7503078LED照明器具のための共有電源トポロジ
<>
  • 特許-LED照明器具のための共有電源トポロジ 図1
  • 特許-LED照明器具のための共有電源トポロジ 図2
  • 特許-LED照明器具のための共有電源トポロジ 図3
  • 特許-LED照明器具のための共有電源トポロジ 図4
  • 特許-LED照明器具のための共有電源トポロジ 図5A
  • 特許-LED照明器具のための共有電源トポロジ 図5B
  • 特許-LED照明器具のための共有電源トポロジ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】LED照明器具のための共有電源トポロジ
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/52 20200101AFI20240612BHJP
   H05B 45/46 20200101ALI20240612BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240612BHJP
【FI】
H05B45/52
H05B45/46
H05B47/11
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021568617
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2020063697
(87)【国際公開番号】W WO2020234183
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】16/414,963
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ディードリッヒ ゲオルグ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルマー ベンヤミン ダビッド
(72)【発明者】
【氏名】ドスト アイザック ピー
(72)【発明者】
【氏名】オウエンズ ヴァルテン ペーター
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-118894(JP,A)
【文献】特開2013-225449(JP,A)
【文献】特開2017-165384(JP,A)
【文献】特開2005-310571(JP,A)
【文献】特開2016-058289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/52
H05B 45/46
H05B 47/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発するためのシステムであって、
電気的に直列に接続される1つ以上のLEDを含む第1LEDストリングと、
前記第1LEDストリングに電気的に並列に接続される第1LEDドライバと、
第1の一方向導体であって、
前記第1LEDドライバの出力に電気的に接続される入力、及び
前記第1LEDストリングの入力に電気的に接続される出力を含む第1の一方向導体と、
電気的に直列に接続される1つ以上のLEDを含む第2LEDストリングと、
前記第2LEDストリングに電気的に並列に接続される第2LEDドライバと、
第2の一方向導体であって、
前記第2LEDドライバの出力に電気的に接続される入力、及び
前記第2LEDストリングの入力に電気的に接続される出力を含む第2の一方向導体と、
前記第1LEDストリングの前記入力と前記第2LEDストリングの前記入力との間に電気的に接続されるスイッチであって、
前記LEDドライバのいずれも故障していないときには、前記第1LEDドライバを前記第2LEDストリングに電気的に接続せず、且つ前記第2LEDドライバを前記第1LEDストリングに電気的に接続せず、
前記第1LEDドライバ又は前記第2LEDドライバのいずれかが故障しているときには、閉じて、前記第1LEDドライバの前記出力と、前記第1LEDストリングの前記入力、前記第2LEDドライバの前記出力、及び前記第2LEDストリングの前記入力を電気的に接続するよう構成されるスイッチとを有するシステム。
【請求項2】
前記一方向導体の各々が、電界効果トランジスタ又はダイオードを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1LEDドライバと前記第1LEDストリングとの間の導電路における電流を検出するよう配置される第1電流センサと、
前記第2LEDドライバと前記第2LEDストリングとの間の導電路における電流を検出するよう配置される第2電流センサとを更に有し、
前記電流センサの各々が、不足電流状態の検出時に前記スイッチの閉鎖をトリガするよう構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記LEDストリングのうちの1つ以上によって発せられる光の明るさを測定するよう構成される光学センサを更に有し、前記光学センサが、LEDストリングの明るさが閾値レベルよりも低いことを検出すると、前記スイッチの閉鎖をトリガするよう構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記LEDストリングのうちの1つ以上の近くの温度を測定するよう構成される温度センサを更に有し、前記温度センサが、前記温度が閾値レベルよりも低いことを検出すると、前記スイッチの閉鎖をトリガするよう構成される請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を発するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)照明器具は、一般に、LED光源、又は互いに接続されるLEDの複数のセット含む。LEDは、一般に、12乃至24Vのような低電圧の直流(DC)電力で動作するよう設計される。このため、LED照明器具は1つ以上のLEDドライバを有するだろう。時としてLED電源とも呼ばれるLEDドライバは、(120V又は220Vのような)相対的により高い線間電圧の交流(AC)電源からの電力を低電圧の直流に変換する回路である。LEDドライバは、AC電流をDC電流に整流するのに加えて、電源の変動性(variability)に起因する電流及び電圧の変動からLEDを保護する。LEDドライバは、LED照明器具と一体になっていてもよく、又はLED照明器具の外部にあり、外部電源とLEDとの間に電気的に接続されていてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的なLED照明器具においては、複数のLEDストリング又は光源に電力を供給するために、複数のドライバが必要とされる。しかしながら、LED光源又はストリングが単一のドライバによって給電される場合、そのドライバの故障は、ドライバに関連付けられているLED光源又はストリングの対応する故障を引き起こす。
【0004】
本明細書は、上述の問題の少なくとも一部を解決することを目的とする方法及びシステムについて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態においては、光を発するためのシステムは、電気的に直列に接続される1つ以上のLEDの第1発光ダイオード(LED)ストリングを含み、前記第1LEDストリングに電気的に並列に接続される第1LEDドライバも含む。前記システムは、前記第1LEDドライバの出力に電気的に接続される入力と、前記第1LEDストリングの入力に電気的に接続される出力とを有する第1の一方向導体(first one-way conductor)も含む。前記システムは、前記第1LEDストリングに電気的に並列に接続される第2LEDドライバも含む。前記システムは、前記第1LEDストリングの入力に電気的に接続される出力と共に、前記第2LEDドライバの出力に電気的に接続される入力を有する第2の一方向導体も含む。
【0006】
このシステムは、随意に、電気的に直列に接続される1つ以上のLEDの第2LEDストリングを含んでもよい。その場合、前記第2LEDストリングは、前記第1LEDストリング、前記第1LEDドライバ、及び前記第2LEDドライバの各々に電気的に並列に接続される。前記第1LEDストリングの前記入力と前記第2LEDストリングの入力との間にはスイッチが電気的に接続されてもよい。前記スイッチは、(i)前記LEDドライバのいずれも故障していないときには、前記第1LEDドライバと前記第2LEDストリングとの間の第1電気的接続を開き、且つ前記第2LEDドライバと前記第1LEDストリングとの間の第2電気的接続を開き、(ii)前記第1LEDドライバ又は前記第2LEDドライバのいずれかが故障しているときには、前記第1電気的接続及び前記第2電気的接続を閉じるよう構成される。
【0007】
別の実施形態においては、光を発するためのシステムは、電気的に直列に接続される1つ以上のLEDの第1LEDストリングと、前記第1LEDストリングに電気的に並列に接続される第1LEDドライバと、第1の一方向導体とを含む。前記第1の一方向導体は、前記第1LEDドライバの出力に電気的に接続される入力と、前記第1LEDストリングの入力に電気的に接続される出力とを含む。前記システムはまた、電気的に直列に接続される1つ以上のLEDの第2LEDストリングと、前記第2LEDストリングに電気的に並列に接続される第2LEDドライバと、第2の一方向導体とを含む。前記第2の一方向導体は、前記第2LEDドライバの出力に電気的に接続される入力と、前記第2LEDストリングの入力に電気的に接続される出力とを含む。前記第1LEDストリングの前記入力と前記第2LEDストリングの前記入力との間には、スイッチ、この例においては常開スイッチ(normally-open switch)が電気的に接続される。前記LEDドライバのいずれも故障していないときには、前記常開スイッチは、前記第1LEDドライバを前記第2LEDストリングに電気的に接続せず、且つ前記第2LEDドライバを前記第1LEDストリングに電気的に接続しない。前記第1LEDドライバ又は前記第2LEDドライバのいずれかが故障しているときには、前記常開スイッチは、閉じて、前記第1LEDドライバの前記出力と、前記第1LEDストリングの前記入力と、前記第2LEDドライバの前記出力と、前記第2LEDストリングの前記入力とを電気的に接続する。
【0008】
別の実施形態においては、光を発するためのシステムは、電気的に直列に接続される1つ以上のLEDの第1LEDストリングと、前記第1LEDストリングに電気的に並列に接続される第1LEDドライバと、前記第1LEDドライバと前記第1LEDストリングとの間の導電路における電圧を測定するよう配置される第1電圧センサとを含む。前記システムはまた、電気的に直列に接続される1つ以上のLEDの第2LEDストリングと、前記第2LEDストリングに電気的に並列に接続される第2LEDドライバと、前記第1LEDドライバと前記第1LEDストリングとの間の導電路における電圧を測定するよう配置される第2電圧センサとを含む。前記システムは、前記第1電圧センサによって測定される電圧が、前記第2電圧センサによって測定される電圧よりも閾値レベル以上高いときには、前記第1LEDドライバと前記第2LEDストリングとの間に導電路を作成するよう配置され、前記第1電圧センサによって測定される電圧が、前記第2電圧センサによって測定される電圧よりも閾値レベル以上高いときには、閉じるよう構成される第1スイッチ、好ましくは、常開スイッチも含む。前記システムは、前記第2電圧センサによって測定される電圧が、前記第1電圧センサによって測定される電圧よりも閾値レベル以上高いときには、前記第2LEDドライバと前記第1LEDストリングとの間に導電路を作成するよう配置され、前記第2電圧センサによって測定される電圧が、前記第1電圧センサによって測定される電圧よりも閾値レベル以上高いときには、閉じるよう構成される第2スイッチ、好ましくは、常開スイッチも含む。この実施形態においては、随意に、前記常開スイッチの各々は、電界効果トランジスタを含んでもよい。
【0009】
これらの実施形態のいずれにおいても、前記一方向導体の各々は、例えば、電界効果トランジスタ又はダイオードを含んでもよい。前記LEDストリングは、LED照明器具の構成要素であってもよい。前記LEDドライバも、前記LED照明器具の構成要素であってもよい、又は前記ドライバは、前記LED照明器具の外部に配置されてもよい。
【0010】
随意に、第1電流センサが、前記第1LEDドライバと前記第1LEDストリングとの間の導電路における電流を検出するよう配置されてもよく、第2電流センサが、前記第2LEDドライバと前記第2LEDストリングとの間の導電路における電流を検出するよう配置されてもよい。その場合、前記電流センサの各々は、不足電流状態(undercurrent condition)の検出時に前記常開スイッチの閉鎖をトリガしてもよい。
【0011】
随意に、前記システムは、前記LEDストリングのうちの1つ以上によって発せられる光の明るさを測定するよう構成される光学センサを含んでもよい。前記光学センサは、LEDストリングの明るさが閾値レベルよりも低いことを検出すると、前記常開スイッチの閉鎖をトリガするよう構成されてもよい。
【0012】
随意に、前記システムは、前記LEDストリングのうちの1つ以上の近くの温度を測定するよう構成される温度センサを含んでもよい。前記温度センサは、前記温度が閾値レベルよりも低いことを検出すると、前記常開スイッチの閉鎖をトリガするよう構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来技術において存在し得るようなLED照明器具の例を図示する。
図2】従来技術において存在し得るような一般的なLEDドライバトポロジを図示する。
図3】従来技術において存在し得るような一般的なLEDドライバトポロジを図示する。
図4】本開示によるLEDドライバトポロジの第1実施形態を図示する。
図5A】本開示によるLEDドライバトポロジの第2実施形態を図示する。
図5B】本開示によるLEDドライバトポロジの第2実施形態を図示する。
図6】2つの回路セクションにおけるかなりの電圧差によってスイッチングがトリガされる第3実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示に関連する用語は以下の通りである。
【0015】
本明細書においては、単数形は、文脈が明らかに別段の指示をしていない限り、複数形の参照(plural references)を含む。「有している」という用語は、「含んでいるが、これに限定されない」ことを意味する。同様に、「有する」という用語は、「含むが、これに限定されない」ことを意味する。別段の定義がない限り、本明細書において使用されている全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を持つ。
【0016】
本明細書においては、「ライティングデバイス」、「照明設備」、「照明器具」及び「照明デバイス」という用語は、1つ以上の発光ダイオード(LED)、電球、紫外光源若しくは赤外光源、又は他の光放射線源などの光放射線源を含むデバイスを指すために交換可能に使用される。ライティングデバイスは、ハウジング、及び電源からデバイスの光放射線源に電力を送るための1つ以上の電気的構成要素も含み、随意に、制御回路も含む。「LED照明器具」は、光放射線源としてLEDを含むライティングデバイスである。
【0017】
本明細書において、「電気的に接続される」という用語は、2つ以上の構成要素に関して、電流が、構成要素のうちの1つから他の構成要素に、直接又は1つ以上の中間構成要素を介して流れることができるように、構成要素の間に導電路が存在することを意味する。
【0018】
図1を参照すると、従来技術において存在し得るような例示的なライティングデバイス101は、任意の数の照明モジュールであって、LEDを含む照明モジュールのような、光放射線源を含み得る。様々な実施形態において、ライティングデバイス101は、高輝度LEDデバイスを提供するのに十分な数のLEDモジュール103、105を含む。ライティングデバイス101は、設備コントローラ、電源、並びにLEDモジュールに電力及び/又は制御信号を供給するための配線及び回路などの電気的構成要素を保持するハウジング107を含んでもよい。ライティングデバイス101は、送受信機及びアンテナなどの通信構成要素108も含んでもよい。
【0019】
図2は、従来技術において存在し得るようなLED照明器具のLEDドライバのための一般的なトポロジを図示している。示されているように、LEDストリング201は、電気的に直列に互いに接続される任意の数のLEDを含む。LEDドライバ202は、LEDストリング201に電力を供給するために、LEDストリング201に電気的に並列に接続される。LEDドライバの例は、米国特許番号7,075,252(「LED Driver Circuit」)において開示されており、これの開示内容は、参照により本明細書に盛り込まれる。図3は、従来技術において、(ボックス305によって表されている)LED照明器具は、複数のLEDストリング301、311を含むことがあり、前記複数のLEDストリング301、311の各々は、それ自身に独立して関連付けられているLEDドライバ302、312によって給電されることを図示している。この特許文献の背景の欄において述べたように、このトポロジの問題は、ドライバ302が故障すると、それに関連付けられているLEDストリング301内のLEDの全てが、電力を失い、暗くなることである。一般に、LEDドライバは、寿命が限られており、最終的には交換される必要がある。従って、図3において示されているドライバ回路トポロジを含む全てのLED照明器具は、最終的には、寿命に達したLEDドライバを交換するメンテナンスを必要とする。
【0020】
図4は、上記の問題に対処するのに役立つLEDドライバ回路トポロジの例を図示している。図4においては、LEDストリング401は、2つ以上のLEDドライバ402、412に電気的に接続される。LEDドライバは、定電流タイプ又は定電圧タイプのいずれかのものであり得るが、ドライバが定電圧タイプのものである場合には、ドライバは、ドライバに定電流を持たせる追加の回路を有する場合がある。LEDの明るさは、プロセッサと、電流の振幅を変化させる信号、又はパルス幅変調により、発せられる光の明るさを暗くさせる信号を各ドライバに向かわせる出力とを含む外部コントローラ409によって制御される。各LEDドライバは、コントローラの信号に対応する出力電流を生成する。LEDストリング401内のLEDの明るさは、出力電流の振幅によって変化する。LEDドライバ402、412が、LEDストリング401に電気的に並列に接続され、故に、(402のような)LEDドライバのうちの1つが故障した場合、他のLEDドライバ(この例においては412)が依然としてLEDストリング401に電力を供給し得る。従って、故障がない場合には、両方のドライバ402、412がLEDストリング401を駆動する。しかしながら、ドライバのうちの1つ402又は412が故障した場合には、LEDストリング401に供給される総電流が少なくなり、それ故、LEDストリング401によって発せられる光の実効輝度(effective brightness)も低くなる。しかしながら、LEDストリング401内の全てのLEDが依然として動作する。
【0021】
各LEDドライバ402、412の出力は、電流がドライバからLEDストリングへの単一の方向に流れることのみを許容し、逆方向に流れることは許容しない電界効果トランジスタ(FET)又は(ショットキーダイオードなどの)ダイオードのような一方向導体403、413に電気的に接続されてもよい。ドライバのうちの1つが万一故障した場合、ドライバに関連付けられている一方向導線403、413は、まだアクティブなドライバからの電流が、故障したドライバではなく、LEDストリング401のLEDに向けられることを確実にすることによって、システム全体の故障を防止する。
【0022】
上記の実施形態は、2つのLEDドライバを備えるトポロジに限定されない。図4の実施形態においてLEDストリング401を駆動するために、任意の数の2つ以上のドライバが並列に利用可能であり得る。
【0023】
図5A及び5Bは、2つ以上のLEDドライバ502、512が、各々が並列電気接続して、2つ以上のLEDストリング501、511に集合的に関連付けられる代替実施形態を図示している。図5Aは、通常動作中、第1LEDドライバ502は第1LEDストリング501に電力を供給する一方で、第2LEDドライバ512は第2LEDストリング511に電力を供給することを図示している。スイッチ517は、電気的に、第1LEDストリング501の電力入力と第2LEDストリング511の電力入力との間に配置され、スイッチ517は、回路の通常動作中は(即ち、ドライバのいずれも故障していないときは)開いている常開スイッチであり、これは、LEDストリング/ドライバのペア501/502を他のLEDストリング/ドライバのペア511/512から電気的に分離する。
【0024】
図5A及び5Bにおいては、図4の実施形態と同様に、各LEDドライバ502、512の出力は、電流がドライバからLEDストリングへの単一の方向に流れることのみを許容し、逆方向に流れることは許容しないFET又は(ショットキーダイオードなどの)ダイオードのような一方向導体503、513に電気的に接続される。しかしながら、図5Bにおいて示されているように、ドライバのうちの1つ502が万一故障した場合には、スイッチ517が閉じ、両方のLEDストリング501、511が、並列にされ、故障していないドライバ512によって駆動される。この状況においては、故障していないドライバ512の電流が、2つのLEDストリング501、511の間で分けられ、従って、各ストリングの明るさを約40%低下させるが、各ストリングは点灯したままである。LEDドライバのうちの1つが万一故障した場合に明るさのより多くが維持される(即ち、40%未満の明るさ低下がある)ように、LEDストリングのうちの1つ以上に対して追加の冗長ドライバが設けられてもよい。
【0025】
スイッチ517は、受動的検出又は能動的検出のいずれかによって、いずれかのLEDドライバの故障時に、閉じる。能動的検出のために、回路の各セクション(LEDドライバ/LEDストリングのペア)、又は照明器具の中若しくは近くの別の構成要素が、LEDドライバの故障を検出することができるセンサ504、514を含んでもよい。例えば、センサが電流センサである場合には、センサは、もはやLEDドライバから電流が流れていないことを検出すると、又はLEDドライバの出力電流が下側閾値未満であることを検出すると、スイッチ517をトリガして閉じることができる。あるいは、各セクションのセンサは電圧センサであってもよく、2つのセンサの間の電圧における少なくとも閾値の差異の検出が、スイッチをトリガして閉じてもよい。他の例においては、センサは、LEDストリングの温度を検出する温度センサであってもよく、その場合、温度センサは、LEDストリングの温度が閾値レベルを下回ったことを温度センサが検出した場合に、スイッチ517の閉鎖をトリガしてもよい。他の例においては、センサは、LEDストリングによって出力される光の明るさを検出する光学センサであってもよく、その場合、光学センサは、(ルーメン出力によって測定され得るような)LEDストリングの明るさが閾値レベルを下回ったことを光学センサが検出した場合に、スイッチ517の閉鎖をトリガしてもよい。他のタイプのセンサが、様々な実施形態で使用されてもよい。これらの閾値は、そもそも照明の電源はオンにされているか否かという条件によって緩和されてもよく、又はシステムは、故障状態が検出され、照明器具の電源が通常動作のためにオンにされているときにしか、センサにスイッチの閉鎖をトリガさせないプロセッサ及びプログラミング命令を含んでもよい。
【0026】
上記の図5A及び5Bにおいて説明されている実施形態は、2つのLED及び2つのドライバを備えるトポロジに限定されない。任意の数のLEDストリング/ドライバのペアが並列に接続されてもよく、各々が常開スイッチによって隣接するペアから分離される。その場合には、各ドライバに関連付けられているセンサが、故障しているLEDドライバの回路に隣接するスイッチ(又は複数のスイッチ)の閉鎖をトリガし得る。更に、図4及び5A乃至5Bの実施形態は、図5A乃至5Bのトポロジにおける任意のLEDストリング/ドライバのペアが、単一のLEDストリングに電気的に並列に接続される複数のLEDドライバを含み、従って、常開スイッチを介して1つ以上の更なるLEDストリング/ドライバのペアにも電気的に接続される冗長ドライバをLEDストリング/ドライバのペアに設け得るように、組み合わされてもよい。
【0027】
図6は、センサ604、614が電圧センサである実施形態を図示している。上述したように、このような実施形態においては、2つのセンサの間の電圧における少なくとも閾値の差異の検出が、スイッチをトリガして閉じてもよい。この状況においては、FET603及び613の各々は、常開スイッチである。第1FET603は、通常は開いている。 第1セクションの電圧センサ604(この場合には、バイアス抵抗器)の両端の電圧が、第2セクションの電圧センサ614(バイアス抵抗器)の両端の電圧よりも閾値量以上多い場合、第1LEDドライバ602からの電力が、第1LEDストリング601だけでなく、第2LEDストリング611にも向けられるように、第1セクションのFET603が、オンになって、第1LEDドライバ602と第2LEDストリング612との間に導電路を作成する。同様に、第2セクションの電圧センサ614(バイアス抵抗器)の両端の電圧が、第1セクションの電圧センサ604(バイアス抵抗器)の両端の電圧よりも少なくとも閾値量多い場合、第2LEDドライバ612からの電力が、第2LEDストリング611だけでなく、第1LEDストリング601にも向けられるように、(FET613のような)第2セクションの常開スイッチが、オンになり、第2LEDドライバ612と第1LEDストリング601との間に導電路を作成する。図6の変形例は、例えば、LEDドライバ602、612のいずれかにスイッチを備える並列冗長ドライバを設けることによって、図4又は図5A乃至5Bの変形例と組み合わされてもよい。
【0028】
上記の実施形態は、個々の照明器具の回路に取り付けられ、含まれてもよい。他の例においては、降圧ドライバ(buck driver)及び/又はコントローラなどの構成要素のうちの幾つかは、照明器具の外部にある制御システムの一部であってもよい。上に開示された実施形態が使用され得る照明器具及び制御システムの例は、例えば、「High Intensity LED Illumination Device with Automated Sensor-Based Control」と題された米国特許番号9,188,307、「System and Method for Control of Illumination Device」と題された米国特許番号9,730,302、及び「Controllers for Interconnected Lighting Devices」と題された米国特許番号9,800,431において記載されているものを含み、これらの開示内容は、全て、参照により本明細書に完全に盛り込まれる。
【0029】
上記の特徴及び機能、並びに代替のものは、他の多くの異なるシステム又はアプリケーションに統合され得る。当業者は、様々な代替例、修正例、変形例又は改善例を作成することができ、これらの各々もまた、開示されている実施形態に包含されるよう意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6