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特許7503093無線通信システムにおいて1対1のサイドリンク通信を支援するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて1対1のサイドリンク通信を支援するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/14 20180101AFI20240612BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20240612BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240612BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W4/40
H04W92/18
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022068354
(22)【出願日】2022-04-18
(62)【分割の表示】P 2019219284の分割
【原出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2022095930
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2022-04-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】62/784,631
(32)【優先日】2018-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517114621
【氏名又は名称】華碩電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】潘 立▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 豊旗
(72)【発明者】
【氏名】曾 立至
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】本郷 彰
【審判官】河合 弘明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/051503(WO,A1)
【文献】特表2017-514347(JP,A)
【文献】3GPP TR 23.786 V0.10.0,2018年12月05日,pages 41-44
【文献】3GPP TS 24.334 V15.2.0,2018年09月20日,pages 111-113
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット側UE(ユーザ機器)と1対1のUE指向レイヤ2リンクを確立する開始側UEのための方法であって、
前記1対1のUE指向レイヤ2リンクを確立するために使用される第1のPC5シグナリングを送信することであって、該第1のPC5シグナリングは、前記ターゲット側UEの上位レイヤアイデンティティおよびV2X(Vehicle-to-Everything)サービスのアイデンティティを含み、前記第1のPC5シグナリングは、前記V2XサービスまたはV2Xアプリケーションに関連付けられたブロードキャストアドレスに送信される、送信することと、
前記第1のPC5シグナリングを送信した後に、前記1対1のUE指向レイヤ2リンクの確立を完了するために前記ターゲット側UEから第2のPC5シグナリングを受信することと、を含む方法。
【請求項2】
前記開始側UEは、ディスカバリ手順または1対多のサイドリンク通信を介して前記ターゲット側UEの存在を認識する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のPC5シグナリングは、前記V2Xサービスを提供する前記V2Xアプリケーションのアイデンティティを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のPC5シグナリングは、前記開始側UEの上位レイヤアイデンティティを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のPC5シグナリングは、前記V2Xアプリケーションまたは前記V2XサービスのためのPC5 QoSフローの要求されたPC5 5QI、QoS(Quality of Service)パラメータまたはQoSプロファイルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のPC5シグナリングは直接通信要求メッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のPC5シグナリングは、V2Xアプリケーションまたは前記V2XサービスのためのPC5 QoSフローの承諾されたPC5 5QI、QoSパラメータまたはQoSプロファイルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のPC5シグナリングは直接通信承諾メッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
開始側通信デバイスであって、
制御回路と、
前記制御回路に設けられたプロセッサと、
前記制御回路内に設置され、前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリ内に記憶されたプログラムコードを実行して、
1対1のUE指向レイヤ2リンクを確立するために使用される第1のPC5シグナリングを送信することであって、該第1のPC5シグナリングは、ターゲット側通信デバイスの上位レイヤアイデンティティおよびV2X(Vehicle-to-Everything)サービスのアイデンティティを含み、前記第1のPC5シグナリングは、前記V2XサービスまたはV2Xアプリケーションに関連付けられたブロードキャストアドレスに送信される、送信することと、
前記第1のPC5シグナリングを送信した後に、前記1対1のUE指向レイヤ2リンクの確立を完了するために前記ターゲット側通信デバイスから第2のPC5シグナリングを受信することと、をするように構成された、開始側通信デバイス。
【請求項10】
当該開始側通信デバイスは、ディスカバリ手順または1対多のサイドリンク通信を介して前記ターゲット側通信デバイスの存在を認識する、請求項9に記載の開始側通信デバイス。
【請求項11】
前記第1のPC5シグナリングは、前記V2Xサービスを提供する前記V2Xアプリケーションのアイデンティティを含む、請求項9に記載の開始側通信デバイス。
【請求項12】
前記第1のPC5シグナリングは、前記開始側通信デバイスの上位レイヤアイデンティティを含む、請求項9に記載の開始側通信デバイス。
【請求項13】
前記第1のPC5シグナリングは、前記V2Xアプリケーションまたは前記V2XサービスのためのPC5 QoSフローの要求されたPC5 5QI、QoS(Quality of Service)パラメータまたはQoSプロファイルを含む、請求項9に記載の開始側通信デバイス。
【請求項14】
前記第1のPC5シグナリングは直接通信要求メッセージである、請求項9に記載の開始側通信デバイス。
【請求項15】
前記第2のPC5シグナリングは、V2Xアプリケーションまたは前記V2XサービスのためのPC5 QoSフローの承諾されたPC5 5QI、QoS(Quality of Service)パラメータまたはQoSプロファイルを含む、請求項9に記載の開始側通信デバイス。
【請求項16】
前記第2のPC5シグナリングは直接通信承諾メッセージである、請求項9に記載の開始側通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年12月24日に出願された米国仮特許出願第62/784,631号の利益を主張するものであり、そのすべての開示はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
この開示は、概して、無線通信ネットワークに関連し、より詳細には、無線通信システムにおいて1対1のサイドリンク通信でUEのモビリティを処理するための方法および装置に関連する。
【背景技術】
【0003】
移動体通信デバイスとの大量データの通信に対する要求が急速に高まる中、従来の移動体音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)データパケットをやり取りするネットワークへと発展している。そのようなIPデータパケット通信は、移動体通信デバイスのユーザに、ボイスオーバIP、マルチメディア、マルチキャスト、およびオンデマンド通信サービスを提供可能である。
【0004】
例示的なネットワーク構造は、発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)である。E-UTRANシステムは、上記のボイスオーバIPおよびマルチメディアサービスを実現するために、高いデータスループットを提供可能である。現在、次世代(例えば、5G)の新しい無線技術が3GPP標準化機構によって論じられている。このため、現行の3GPP標準内容に対する変更が現在提出され、3GPP標準の発展および確定に向けて検討されている。
【発明の概要】
【0005】
ターゲット側UE(ユーザ機器)との1対1のサイドリンク通信を確立するための開始側UEの観点からの方法および装置が開示される。一実施形態では、方法は、1対1のサイドリンク通信を確立するために使用される第1のPC5シグナリングを送信することを含み、第1のPC5シグナリングはターゲット側UEのアイデンティティおよびV2X(Vehicle-to-Everything)サービスのアイデンティティを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】1つの例示的な実施形態による無線通信システムの図を示す。
図2】1つの例示的な実施形態による送信機システム(アクセスネットワークとしても知られている)および受信機システム(ユーザ機器またはUEとしても知られている)のブロック図である。
図3】1つの例示的な実施形態による通信システムの機能ブロック図である。
図4】1つの例示的な実施形態による図3のプログラムコードの機能ブロック図である。
図5】3GPP TR 23.786 V1.0.0の図6.11.3.1-1の複製である。
図6】3GPP TR 23.786 V1.0.0の図6.11.3.1-2の複製である。
図7】3GPP TR 23.786 V1.0.0の図6.11.3.3-1の複製である。
図8】3GPP TR 23.786 V1.0.0の図6.19.2.1.2-1の複製である。
図9】3GPP TS 36.321 V15.3.0の図6.1.3.1a-1の複製である。
図10】3GPP TS 36.321 V15.3.0の図6.1.3.1a-2の複製である。
図11】1つの例示の実施形態による図である。
図12】1つの例示の実施形態による図である。
図13】1つの例示の実施形態による図である。
図14】1つの例示の実施形態による図である。
図15A】1つの例示の実施形態による図である。
図15B】1つの例示の実施形態による図である。
図15C】1つの例示の実施形態による図である。
図15D】1つの例示の実施形態による図である。
図16】1つの例示の実施形態によるフローチャートである。
図17】1つの例示の実施形態によるフローチャートである。
図18】1つの例示の実施形態による図である。
図19】1つの例示の実施形態による図である。
図20】1つの例示の実施形態によるフローチャートである。
図21】1つの例示の実施形態によるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に説明する例示的な無線通信システムおよびデバイスは、無線通信システムを採用し、ブロードキャストサービスをサポートする。無線通信システムは、音声、データ等の様々なタイプの通信を提供するように広く展開されている。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時間分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、3GPP LTE(ロング・ターム・エボリューション)無線アクセス、3GPP LTE-AもしくはLTE-Advanced(ロング・ターム・エボリューション・アドバンスト)、3GPP2 UMB(Ultra Mobile Broadband:超モバイル広帯域)、WiMax、3GPP NR(New Radio)、またはその他何らかの変調技術に基づいてよい。
【0008】
特に、以下に説明する例示的な無線通信システムおよびデバイスは、本明細書において3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシッププロジェクト」という名称のコンソーシアムにより提示される標準などの1つ以上の標準をサポートするように設計されてよく、その標準は、RAN2 #104 Chairman’s Note; 3GPP TR 23.786 V1.0.0, “Study on architecture enhancements for EPS and 5G System to support advanced V2X services”;およびTS 36.321 V15.3.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Medium Access Control (MAC) protocol specification”を含む。上記に挙げた標準および文書は、その全体が参照により本明細書に明示的に援用される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る多重アクセス無線通信システムを示している。アクセスネットワーク100(AN)は、複数のアンテナグループを含み、あるグループは104および106、別のグループは108および110、また別のグループは112および114を含む。図1においては、各アンテナグループに対して、アンテナが2つしか示されていないが、より多くのあるいはより少ないアンテナが各アンテナグループに利用されてよい。アクセス端末116(AT)は、アンテナ112および114と通信しており、アンテナ112および114は、順方向リンク120を介して情報をアクセス端末116に送信すると共に、逆方向リンク118を介して情報をアクセス端末116から受信している。アクセス端末(AT)122は、アンテナ106および108と通信しており、アンテナ106および108は、順方向リンク126を介して情報をアクセス端末(AT)122に送信すると共に、逆方向リンク124を介して情報をアクセス端末(AT)122から受信している。FDDシステムにおいては、通信リンク118、120、124、および126は通信に異なる周波数を使用してよい。例えば、順方向リンク120では、逆方向リンク118によって使用される周波数とは異なる周波数を使用してよい。
【0010】
アンテナの各グループおよび/またはアンテナが通信するように設計されたエリアは、アクセスネットワークのセクターと称することが多い。本実施形態において、アンテナグループはそれぞれ、アクセスネットワーク100によってカバーされるエリアのセクターにおいて、アクセス端末と通信するように設計されている。
【0011】
順方向リンク120および126を介した通信において、アクセスネットワーク100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116および122に対する順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用してよい。また、カバレッジにランダムに分散したアクセス端末への送信にビームフォーミングを使用するアクセスネットワークは、1つのアンテナからすべてのそのアクセス端末に送信を行うアクセスネットワークよりも、隣接セルのアクセス端末への干渉が少ない。
【0012】
アクセスネットワーク(AN)は、端末と通信するのに使用される固定局または基地局でよく、アクセスポイント、ノードB、基地局、拡張型基地局、進化型ノードB(eNB)、またはその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。アクセス端末(AT)は、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、またはその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。
【0013】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスネットワークとしても知られている)および受信機システム250(アクセス端末(AT)またはユーザ機器(UE)としても知られている)の実施形態の簡易ブロック図である。送信機システム210では、多くのデータストリームのトラフィックデータがデータ源212から送信(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0014】
一実施形態において、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、データストリームに対して選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームについてのトラフィックデータをフォーマット、符号化、およびインターリーブして、符号化データを提供する。
【0015】
各データストリームについての符号化データを、OFDM技術を使用してパイロットデータと多重化してよい。パイロットデータは、代表的には、既知の様態で処理される既知のデータパターンであり、受信機システムでチャネル応答を推定するのに使用されてよい。そして、各データストリームについての多重化パイロットおよび符号化データは、データストリームに対して選択された特定の変調方式(例えば、BPSK、QPSK、M-PSK、またはM-QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)されて、変調シンボルを提供する。各データストリームについてのデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ230により実行される命令によって決定されてよい。
【0016】
そして、すべてのデータストリームについての変調シンボルはTX MIMOプロセッサ220に与えられ、これが(例えば、OFDMの場合に)変調シンボルをさらに処理してよい。そして、TX MIMOプロセッサ220は、N個の変調シンボルストリームをN個の送信機(TMTR)222a~222tに提供する。特定の実施形態において、TX MIMOプロセッサ220は、ビームフォーミング加重をデータストリームのシンボルおよびシンボルが送信されているアンテナに適用する。
【0017】
各送信機222は、各シンボルストリームを受信および処理して1つ以上のアナログ信号を提供し、さらに、アナログ信号を調節(例えば、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を提供する。そして、送信機222a~222tからのN個の変調信号がそれぞれ、N個のアンテナ224a~224tから送信される。
【0018】
受信機システム250においては、送信された変調信号はN個のアンテナ252a~252rによって受信され、各アンテナ252からの受信信号は、各受信機(RCVR)254a~254rに提供される。各受信機254は、それぞれの受信信号を調節(例えば、フィルタリング、増幅、およびダウンコンバート)して、調節された信号をディジタル化してサンプルを与え、さらに、これらのサンプルを処理して対応する「受信」シンボルストリームを提供する。
【0019】
そして、RXデータプロセッサ260は、特定の受信機処理技術に基づいて、N個の受信機254からのN個の受信シンボルストリームを受信および処理して、N個の「検出」シンボルストリームを提供する。そして、RXデータプロセッサ260は、各検出シンボルストリームを復調、デインターリーブ、および復号して、データストリームについてのトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210でのTX MIMOプロセッサ220およびTXデータプロセッサ214により実行される処理と相補的である。
【0020】
プロセッサ270は、どのプリコーディングマトリクス(後述)使用するかを定期的に決定する。プロセッサ270は、マトリクス指標部およびランク値部を含む逆方向リンクメッセージを構築する。
【0021】
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々なタイプの情報を含んでよい。そして、逆方向リンクメッセージは、データ源236からの多くのデータストリームについてのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238により処理され、変調器280により変調され、送信機254a~254rにより調節され、送信機システム210に送り戻される。
【0022】
送信機システム210では、受信機システム250からの変調信号がアンテナ224により受信され、受信機222により調節され、復調器240により復調され、RXデータプロセッサ242により処理されて、受信機システム250により送信された逆方向リンクメッセージを抽出する。そして、プロセッサ230は、ビームフォーミング加重を決定するのにどのプリコーディングマトリクスを使用するかを決定し、そして、抽出されたメッセージを処理する。
【0023】
図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による通信デバイスの代替的な簡易機能ブロック図を示している。図3に示されるように、無線通信システムにおける通信デバイスは、図1のUE(若しくはAT)116および122または図1の基地局(若しくはAN)100を実現するのに利用可能であり、無線通信システムは、好ましくはLTEシステムまたはNRシステムである。通信デバイスは、入力デバイス302、出力デバイス304、制御回路306、中央演算処理装置(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、およびトランシーバ314を含んでよい。制御回路306は、CPU308を介してメモリ310内のプログラムコード312を実行することにより、通信デバイスの動作を制御する。通信デバイス300は、キーボード、キーパッド等の入力デバイス302を介してユーザにより入力された信号を受信することができ、モニタ、スピーカ等の出力デバイス304を介して画像および音声を出力することができる。トランシーバ314は、無線信号を受信および送信するのに使用され、受信信号を制御回路306に伝達すると共に、制御回路306により生成された信号を無線で出力する。無線通信システムにおける通信デバイス300は、図1のAN100を実現するのにも利用可能である。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による図3に示すプログラムコード312の簡易ブロック図である。本実施形態において、プログラムコード312は、アプリケーションレイヤ400、レイヤ3部402、およびレイヤ2部404を含み、レイヤ1部406に結合されている。レイヤ3部402は一般的に、無線リソース制御を実行する。レイヤ2部404は一般的に、リンク制御を実行する。レイヤ1部406は一般的に、物理的接続を実行する。
【0025】
3GPP RAN2 #104 Chairman’s Noteに記載されているように、3GPP RAN2 #104 meetingは、NR(New RAT/Radio)eV2X(Enhanced Vehicle to Everyting)サイドリンク通信について以下の合意をした:
[外1]
【0026】
3GPP TR 23.786 V1.0.0は、eV2X通信に対して以下の解決策を導入した:
6.11 解決策#11:PC5参照ポイントを介したeV2X通信ためのユニキャストまたはマルチキャストのための解決策
6.11.1 機能の説明
この解決策は、eV2Xグループ通信のサポートについての重要な問題1、PC5を介したユニキャスト/マルチキャスト通信のサポートについての重要な問題9、およびeV2XのためのPC5 QoSフレームワーク拡張のサポートについての重要な問題4を扱い、以下の態様に焦点を当てる。
- ユニキャスト通信のための識別子、例えばL2 ID
- ユニキャスト/マルチキャスト通信をサポートするためのシグナリングプロトコル
- QoSサポートおよびASレイヤ設定
- セキュリティアソシエーション
- リンクの確立と保守のための手順
6.11.2 解決策の説明
6.11.2.1 ユニキャスト通信のための識別子
6.11.2.1.1 ユニキャストおよびマルチキャストのためのL2 IDアドレス空間とブロードキャストのためのものの分離
ユニキャスト/マルチキャスト通信のための必須識別子の1つはL2 IDである。TS 23.303[8]におけるProSe設計では、1対1通信と1対多通信のための宛先L2 IDアドレス空間は、ASレイヤメカニズム、すなわちMACレイヤバージョン番号と分離されている。これは、1対1の通信に悪影響を与える可能性がある使用されるアドレスの競合を避けるために行われる。同様に、V2Xユニキャストはまた、ブロードキャストおよびマルチキャストとは別のL2 IDを使用するべきである。
この分離は、宛先L2 IDと送信元L2 IDの両方に適用される。ブロードキャストトラフィックとユニキャスト/マルチキャストトラフィックの両方を有するUEに対して、異なるL2 IDが対応するフォーマットで使用されるべきである。送信元L2 IDは、ユニキャスト通信における宛先L2 IDとしてピアUEによって使用される。ユニキャスト/マルチキャストのための関係するL2 ID管理の詳細については、以下の項で説明される。
UEは、例えば、異なるユニキャストリンクが異なる上位レイヤ識別子に関連するときに、異なるユニキャスト1対1の通信リンクに対して別個の送信元L2 IDを使用してもよい。
6.11.2.1.2 ユニキャスト/マルチキャスト通信のために使用する宛先L2 IDを判断
6.11.2.1.2.1 オプションA
TS 23.285[5]では、PSID/ITS-AIDとL2 IDとのマッピングの設定に基づいて、宛先L2 IDがUEによって決定される。これはブロードキャストトラフィックには好適であるが、ユニキャストトラフィックやマルチキャストトラフィックのために動作しない。ユニキャストまたはマルチキャストにおいて、PSID/ITS-AIDに基づいて宛先L2 IDは決定されないだろう。V2X UEは、特定のサービス(PSID/ITS-AID)に対して同時にサポートされる複数のユニキャスト接続またはマルチキャストグループを有することが許容される。したがって、この場合に宛先L2 ID情報は上位レイヤから来るはずである。これは、V2X層と上位層との間のインタフェースが拡張されて、そのような情報がデータパケットと一緒に渡されること可能にする必要があることを意味する。
実際のV2Xアプリケーションは、アプリケーションがクロステクノロジやプラットフォームのために構築できるので、L2 IDの概念を理解しないことが期待される。したがって、UE内のいくつかのミドルウェアレイヤは、アプリケーションレイヤによって使用される識別子、例えば、ステーションIDをV2X L2 IDに変換しなければならない。これは、アプリケーション層の宛先識別子とL2 IDのマッピングを維持する必要があることを意味する。このミドルウェアレイヤはSA2の範囲外であるため、本仕様では一般的に「上位レイヤ」とすることができ、この「上位レイヤ」はマッピングを維持し、ユニキャストまたはマルチキャスト通信のL2 IDを提供するという仮定が文書化されるべきである。
6.11.2.1.2.2 オプションB
上記の解決策の代わりに、V2XレイヤがL2 IDマッピングへのこのようなユニキャストリンク/マルチキャストグループを管理する。その場合に、ユニキャストリンク/マルチキャストグループには、確立時にフロー識別子が割り当てられ得る。対応する接続プロファイル情報、例えば、L2 ID、送信セッティング、QoSパラメータなどがそれに関連する可能性がある。このような場合、上位レイヤは、宛先を示すフロー識別子をして、データパケットと共にそれを渡すだけでよい。V2Xレイヤは、L2IDを含む関連するプロファイル情報を送信に適用するだろう。これは、例えばQoSフローと同様に、Uuリンク処理メカニズムを再利用することを可能にし、より拡張可能である。ここでも、アプリケーションレイヤ識別子、例えばステーションIDのこのフロー識別子への変換は、このミドルウェアレイヤ、すなわち「上位層」によって行われなければならない。
6.11.2.2 ユニキャスト/マルチキャスト通信をサポートするためのシグナリングプロトコル
ユニキャストまたはマルチキャスト通信に対して、リンクまたはグループを確立するために、関与するUE間で交換される何らかの制御メッセージが必要である。したがって、いくつかのシグナリングプロトコルが必要とされる。
TS 23.303[8]で定義されているProSeの1対1通信において、PDCPレイヤ上で動作するPC5 Signaling Protocol (5.1.1.5.2項)が導入された。それは、ProSeのために定義されているが、V2X通信に使用するためにメッセージが拡張され得る。詳細なプロトコル設計は、実際のユニキャスト動作手順に基づいて見直す必要がある。別の代替的なアプローチは、RRCをPC5上で動作させることである。PC5 Signaling ProtocolはいずれにせよPDCP上で使用されるので、RRCプロトコルはそれを置き換えるために使用することができる。すべてのRRC機能がPC5動作に必要とされるわけではないが、選択されたV2X関連RRCメッセージ、例えば、SidelinkUEInformationなどを拡張し、使用することができる。その利点は、UuとPC5の制御シグナリングプロトコルの統合可能性である。
したがって、この解決策において、ユニキャスト/マルチキャスト通信管理のためのPC5上のシグナリングプロトコルが導入される。
6.11.2.3 QoSサポートおよびASレイヤ設定
QoSは、ユニキャストおよびマルチキャスト通信でもサポートできることが望ましい。TS 23.285[5]において、V2X通信のためのQoS モデルは、例えばPPPPおよび PPPRのように、パケットごとのモデルに基づく。ユニキャストまたはマルチキャスト通信では、Uu接続に類似した接続指向QoSモデルを同様にサポートすべきかどうかが議論されるべきである。重要な問題4「eV2XのためのPC5 QoSフレームワーク拡張のサポート」にも議論されているように、既存のPPPPおよびPPPR以上のものが必要となることが予想される。
特に、ユニキャストまたはマルチキャストでは、関与するリンクまたはグループにより、ピア間の同じユニキャストリンク上で送信されるパケットのほとんどは、同じQoS特性を持つべきである。これは、通常のブロードキャストベースのトラフィックではなく、Uu接続モデルに近い。したがって、ここではUu型QoS管理概念を再利用することができる。これにより、UuとPC5の統一モデルが可能となる。
追加的に、オプションであっても、後方互換でなくてもよい異なるASレイヤの特徴が存在する可能性がある。したがって、ユニキャストリンクをセッティングするときに、そのような設定はまた、QoSプロファイルと共に/またはQoSプロファイルの一部として、折衝され、設定され得る。
注記:解決策19(6.19項)において説明されているユニキャストのためのQoSモデルが使用される。
6.11.2.4 セキュリティアソシエーション
ユニキャストあるいはマルチキャスト通信は、同様にリンクレイヤでの保護を必要としてもよい。ProSeの1対1通信は、TS 33.303[11]で定義されているように、セキュアなL2リンク確立をサポートする。しかし、V2X通信コンテキスト内では、各UEは、セキュリティ保護のための対応する証明書を有する。したがってって、このようなセキュリティアソシエーションの使用をサポートするために、既存のL2セキュアリンク確立プロトコルを拡張または調整する必要があってもよい。厳密なセキュリティ処理は、SA3によって分析され、決定されるべきである。SA2の設計は、利用可能であるときに、これらの決定と整合させる必要がある。
6.11.2.5 リンクの確立と保守のための手順
TS 23.303[8]は、5.4.5項のように、PC5上のセキュアL2 リンクの確立と保守の手順を定義した。これらの手順は、シグナリングプロトコルの選択、セキュリティ処理などに関する上記の判断を受けて、V2Xの使用について拡張、適応させることができる。
しかし、リンク/グループ処理のためのV2Xに対するいくつかの追加考慮が必要である。V2X通信では、すべてのUEがユニキャスト通信をサポートまたは使用しているわけではありません。追加的に、すべてのサービスが同じチャネルまたはRAT (例えば、LTE V2X対NR V2X)上で動作してもよい。V2Xでは、ProSe (すなわち、PC5-D)のようなディスカバリーチャネルはなく、治安的使用のようなネットワークからの設定についての仮定もない。したがって、リンク確立をサポートするために、UEの存在およびユニキャスト通信のためのUEの能力、例えば、動作するチャネル、またはサポートされるサービスなどをピアに知らせるためのサービスアナウンスが必要である。
このようなサービスアナウンスは、サービスの使用に関心のあるすべてのUEがアクセスできるようにすべきである。例えば、このようなアナウンスは、WAVE Service Advertisement (WSA)がどのように処理されるかに類似した専用チャネルを介して送信するように構成することもできるし、または、サポートUEからの周期的メッセージにピギーバックされるように構成することもできる。
注記1:サービスアナウンスは、SA2の範囲外の上位レイヤによって処理される。
レイヤ2リンクのメンテナンスでは、UEが直接通信範囲にないときを検出するために、キープアライブ機能が必要である。そのため、UEは暗黙のレイヤ2リンク解放を進めることができる。
注記2:キープアライブ機能がどのようにサポートされるかを決定するのは、ステージ3に任されている。
6.11.3 手順
6.11.3.1 PC5上のレイヤ2リンクの確立
TS 23.303[8]5.4.5.2項に定義されるレイヤ2リンク確立手順は、以下の適応があれば、eV2Xユニキャストリンク確立のために再利用することができる:
- メッセージは、RAN WGの決定に依存して、PC5シグナリングメッセージの代わりにRRC信号メッセージに変換されてもよい。
- 「UE指向レイヤ2リンク確立」は、以下のように動作し、図6.11.3.1-1が手順を示す:
- 直接通信要求メッセージは、UE-1によって、UE-2のL2 IDの代わりに、ブロードキャストメカニズム、すなわちアプリケーションに関連付けられたブロードキャストアドレスに送信することができる。UE-2の上位識別子は、直接通信要求メッセージに含まれて、UE-2が要求に応答するかどうかについて判断することを可能にする。このメッセージの送信元L2 IDは、UE-1のユニキャストL2 IDとすべきである。
- 直接通信要求メッセージは、UE-2によって理解され得る、デフォルトASレイヤセッティング、例えばブロードキャストセッティングを使用して送信されるべきである。
- UE-2は、受信した直接通信要求メッセージの送信元L2 IDを宛先L2 IDとして、UE-1への後続のシグナリングにおいて使用し、自身のユニキャストL2 IDを送信元L2 IDとして使用する。UE-1は、将来の通信、シグナリング、データトラフィックのためにUE-2のL2 IDを取得する。
[“UE oriented layer 2 link establishment procedure”と題する、3GPP TR 23.786 V1.0.0の図6.11.3.1-1は、図5として複製される]
- 「V2Xサービス指向レイヤ2リンク確立」は、以下の相違点があるが、「UE指向レイヤ2リンク確立」と同様に動作し、図6.11.3.1-2は、以下の手順を示す:
- L2リンク確立を要求するV2Xサービスに関する情報、すなわち、アナウンスされたV2Xサービスに関する情報は、直接通信要求メッセージに含まれ、他のUEが要求に応答するかどうかについて判断することを可能にする。
- 直接通信メッセージによってアナウンスされたV2Xサービスを使用することに関心のあるUEは、要求に応答することができる(図6.11.3.1-2のUE-2およびUE-4)。
- 上述のように、レイヤ2リンクを他のUEと確立した後、新しいUEが、UE-1の近傍、すなわち、UE-1の直接通信範囲に入ることができる。この場合、UE-1は、UEによって送信されたアプリケーションレイヤメッセージから新しいUEを知っているので、V2Xサービス指向レイヤ2リンク確立手順を開始することができる。あるいは、新しいUEがV2Xサービス指向レイヤ2リンク確立手順を開始してもよい。したがって、UE-1は、ユニキャストのために他のUEとL2リンクを確立したいV2Xサービスをアナウンスするために、直接通信要求メッセージを定期的に送信し続ける必要はない。
[“V2X Service oriented layer 2 link establishment procedure”と題する、3GPP TR 23.786 V1.0.0の図6.11.3.1-2は、図6として複製される]
レイヤ2リンクは、非IPトラフィックをサポートする。IPアドレスネゴシエーション及び割り当て手順は実施されない。
6.11.3.2 リンク確立のためのシグナリングメッセージの内容
TS 24.334 [13]で定義されている直接通信要求メッセージで搬送される情報は、少なくとも以下の更新を必要とする:
- 「UE指向レイヤ2リンク確立」の場合
- ユーザ情報は、開始側UEのID(UE-1の上位レイヤID)の他に、ターゲットUEのID(UE-2の上位レイヤID)を含める必要がある。
注:ステージ3は、これらのIDを同じIEまたは別々のIEで搬送することができるかどうかを決定することができる。例えば、ステーションID/車両一時IDは4オクテットだけでよい。
- 「V2Xサービス指向レイヤ2リンク確立」の場合
- アナウンスされたV2Xサービス情報は、L2リンク確立を要求するV2Xサービスに関する情報、例えば、V2XアプリケーションのPSIDまたはITS-AIDを含める必要がある。V2Xサービスでは、センサ共有などが可能である。
- ProSeのために必須として指定されたIPアドレス設定は、受信側UE(例えば、UE-2)がこの特定のリンクのためのいかなるIP設定手順も開始しないように、IPが使用されない指示を許容すべきである。
- eV2Xのためのセキュリティメカニズムは異なることがあり、異なるIEを必要とするため、セキュリティ専用のIEは、SA3によってレビューされる必要がある。
- 例えば、RRCメッセージが使用されるときに、リンクに関する追加の設定情報は、ASレイヤ設定にあってもよい。
6.11.3.3 ユニキャスト通信のプライバシー保護のためのリンク識別子更新手順
[“Layer-2 link identifier update procedure”と題する、3GPP TR 23.786 V1.0.0の図6.11.3.3-1は、図7として複製される]
この手順は、このリンクのために使われた識別子の差し迫った変更のユニキャスト通信のピアを更新するために使用される。プライバシー要件のために、eV2Xの使用において、第三者が追跡可能であることを避けるために、UEはしばしば識別子を変更すべきである。識別子の変更が起きたときに、すべてのレイヤのすべての識別子、すなわちアプリケーションレイヤIDからL2 IDまで変更する必要がある。このシグナリングは、サービスの中断を防ぐために、識別子の変更が起こる前に必要である。
1. UE-1は、例えば、上位レイヤ識別子またはタイマの変更による識別子の変更を判断し、リンク識別子更新要求メッセージにおいて使用する新しい識別子(新しい上位レイヤ識別子、アプリケーションの場合、新しいIPアドレス/プレフィックス、新しいL2 IDを含む)を含め、識別子を変更する前にUE-2に送信する。
使用する新しい識別子は、プライバシーを保護するために暗号化されるべきである。
注記1:タイマは、ソースL2 IDごとに動作しています。
2.UE-2はリンク識別子更新応答メッセージで応答する。メッセージを受信すると、UE-1およびUE-2は、データトラフィックに対して新しい識別子を使用し始めることができる。UE-1は、UE-2からリンクID更新応答を受信するまで、古いL2 ID上のトラフィックを受信するものとする。
注記2:同じ上位レイヤ識別子またはL2 IDを使用するUE-1からのリンクが複数ある場合、UE-1は、リンクの各々に対して更新手順を実行する必要があり、各リンクは、リンクID更新応答を受信するまで、その特定のリンクの古いL2 ID上のトラフィックを受信し続ける必要がある。
6.11.3.4 レイヤ2リンクのためのセキュリティ態様
eV2Xアプリケーションは関連するセキュリティ証明書を有するので、ユニキャストリンクは、ユニキャストリンクのシグナリングまたはデータを保護するために、セキュリティアソシエーションを導出するために、それらを再利用することができる。
6.11.4 既存のエンティティおよびインタフェースへの影響
Editor’s note:既存のノードまたは機能への影響が追加されるだろう。
6.11.5 今後の研究についてのトピック
なし。
6.11.6 結論
6.11.1項から6.11.4項に文書化されたソリューションは、PC5上でのセンサ共有のためのユニキャスト/マルチキャストのサポートに関する重要な課題#9のすべての側面を扱っており、規範的なフェーズに移行すべきである。以下の態様は、他のWorking Groupからのフィードバックに基づいてさらに更新されるだろう。
- ユニキャストリンクの確立および管理のためのシグナリングメッセージ定義、例えば、RRCシグナリングがユニキャストリンクに使用されているかどうか、およびどのように使用されるか
- ブロードキャスト、グループキャストおよびユニキャストのためのパケットQoSモデルまたはベアラベースQoSモデルの選択は、RAN判断に基づく
- ネットワークスケジュールモードが使用されるときに、使用するサービスに関する基地局へのシグナル
- PC5上のユニキャスト通信の潜在的なセキュリティ関係手順の更新
注記:アプリケーションレイヤは、異なるアプリケーション、例えば、プラトゥーニングアプリケーションのためにユニキャストまたはグループキャスト通信メカニズムを使用してもよい。
[...]
6.19 解決策19:PC5インタフェース上のグループ通信のためのQoSサポート
6.19.1 機能の説明
6.19.1.1 概要説明
この解決策は、重要な問題(5.4項)eV2XのためのPC5 QoSフレームワーク拡張のサポートに対処する。eV2XのためのQoS要件は、EPS V2Xためのものとは異なり、TS 23.285[5]において以前に定義されたPPPP/ PPPRは、ニーズを満たさないと考えられる。具体的には、eV2Xサービスのために考慮すべきQoSパラメータがはるかに多い。
この解決策は、PC5インタフェース上のeV2X通信に対して5QIを使用することを提案する。
これにより、異なるリンク上のeV2Xサービスのための統合QoSモデルが可能となる。
6.19.1.2 解決策の詳細
新しいサービス要件は、TS 22.186[4]に捕捉されている。新しいパフォーマンスKPIは以下のパラメータで指定された。
- ペイロード(バイト)
- 伝送速度(メッセージ/秒)
- 最大エンドツーエンド待ち時間(ms)
- 信頼性(%)
- データ速度(Mbps)
- 最低必要通信範囲(メートル)
PC5ベースのV2X通信とUuベースのV2X通信の両方に、同じサービス要件が適用されることに留意する。解決策2(6.2項)で分析したように、これらのQoS特性はTS 23.501[7]において定義された5QIで十分に表すことができた。
したがって、PC5とUuのための統一QoSモデル、すなわち、PC5上のV2X通信のための5QIを使用することも可能であり、アプリケーション層は、使用されるリンクに関係なく、QoS要求を一貫した方法で示すことができる。これは、AS層がQoS要求を達成するためにPC5とUu上で異なるメカニズムを実装することを妨げない。5GS V2X対応のUEを考えると、ブロードキャスト、マルチキャスト、ユニキャストの3種類のトラフィックがあります。
UE-PC5-AMBRは、すべてのタイプのトラフィックに適用され、リソース管理におけるUE PC5送信に制限するためにRANに使用される。
ユニキャストタイプのトラフィックに対して、Uuと同じQoSモデルが利用できることは明らかである。すなわち、各ユニキャストリンクはベアラとして扱うことができ、QoSフローはそれに関連付けることができる。5QIにおいて定義されたすべてのQoS特性とデータ転送速度の追加パラメータを適用することができた。追加的に、最小の必要な通信範囲は、特にPC5使用のための追加パラメータとして扱うことができる。
ブロードキャストトラフィックについては、ベアラ概念がない。したがって、各メッセージは、アプリケーション要件に従って異なる特性を有してもよい。次に、5QIは、PPPP/PPPRと同様の方法で使用されるべきであり、すなわち、各パケットでタグ付けされるべきである。5QIは、PC5のブロードキャスト動作に必要な、待ち時間、優先度、信頼性などのすべての特性を表現することができる。
V2Xブロードキャスト固有の5QI(すなわち、VQI)のグループは、PC5使用のために定義できる。
注記1:PC5のために使用される5QIは、同じV2XサービスであってもUuに使用されるものとは異なってもよく、例えば、PC5のためのPDBは、直接リンクであるため、Uuのためのものよりも長くすることができる。PC5に使用される5QIは、差別化のためにVQIと名付けられる。
注記2:EPS V2X QoSパラメータ、例えば、PPPPおよびPPPRと、例えば、TS 23.501[7]において定義された非GBR 5QIに類似する新しいVQIとの間のマッピングは、放送動作のための規範的な段階において定義されるだろう。
注記3:動作前提は、NR PC5設計はV2X 5QIの使用をサポートするということである。
注記4:ASレイヤは、例えばVQIで示されたすべての優先度を考慮に入れることによって、ユニキャスト、グループキャスト、ブロードキャストトラフィックを処理してもよい。
6.19.1.3 PC5ブロードキャスト使用のためのV2X 5QI(VQI)値
V2X使用のための新しいVQIのセットは、TS 22.186[4]に文書化されているサービス要件を反映した規範的な段階において定義される。
注記1:動作前提は、このリリースでは、標準化されていないVQIはサポートされていないことである。
注記2:パケットごと、QoSフローごとのどちらのQoSモデルが使用されるかは、RANの判断に依存する。
6.19.2 手順
Editor’s note:この項では、PC5通信のための新しいQoSモデルを使用する手順について説明する。それは、RANの発達にも依存する。
6.19.2.1 PC5インタフェース上のユニキャスト通信のためのQoSサポート
6.19.2.1.0 概要
PC5インタフェース上のeV2Xの1対1通信のQoSサポートを有効にするためには、以下の手順をサポートする必要がある。
Editor’s note:PC5 QoS Modelの進捗に応じて、以下の手順をさらに更新してもよい。
6.19.2.1.1 UEおよびNG-RANへのQoSパラメータの提供
PC5 QoSパラメータおよびPC5 QoS規則は、重要な問題#5で定義された解決策を使用して、サービス認可パラメータの一部としてUEに提供される。PC5 QoSルールは、V2Xサービス(例えば、V2XアプリケーションのPSIDまたはITS-AID)をPC5 QoSフローにマッピングするために使用される。UDRからPCFによって取得されたPC5 QoSパラメータは、AMF経由でNG-RANに提供される。AMFはそのような情報をUEコンテキストの一部として記憶する。後続の手順(サービス要求、ハンドオーバなど)に対して、N2を介したPC5 QoSパラメータの提供は、6.6.2項の説明に従う。
注記1:UE-PC5-AMBRは、UDMによって提供され、詳細は解決策6の説明に従う。
UEおよびNG-RANにプロビジョニングするPC5 QoSパラメータは、UEが提供するNASメッセージに含まれるUEポリシーコンテナによってトリガされる可能性がある。PCFは、必要に応じてNG-RANの更新されたPC5 QoSパラメータをAMFに送信する。
注記2:NG-RANによって使用される詳細なPC5 QoSパラメータは、規範的な作業段階中に識別される。
注記3:NG-RANは、PC5 QoSをサポートするために、ネットワークスケジュールリソース割り当てモードの静的パラメータで設定される。
6.19.2.1.2 UE間のQoSパラメータ折衝
PC5 QoSパラメータは、1対1通信手順の確立時に折衝されるので、TS 23.303[8]において定義された1対1通信確立手順は、2つのUE間のPC5 QoSパラメータ折衝をサポートするように拡張される。PC5 QoSパラメータ折衝手順の後、同じQoSが両方向で使用される。
[“Establishment of secure layer-2 link over PC5”と題する、3GPP TR 23.786 V1.0.0の図6.19.2.1.2-1は、図8として複製される]
1対1の通信に従事するUEは、リンク確立手順中にPC5 QoSパラメータを折衝する。
1. UE-1は、相互認証をトリガするために、UE-2に直接通信要求メッセージを送信する。このメッセージは、要求されたPC5のQoSパラメータを含む。
2. UE-2は、相互認証の手順を開始する。UE-2は、応答メッセージにPC5 QoSパラメータを含める。
注記:この手順は、解決策11(6.11項)と整合する。
6.19.2.1.3 eV2X通信のためのQoS処理
eV2Xメッセージの送信のためにPC5ユニキャストが使用されるときに、ネットワークスケジュール動作モードとUE自律リソース選択モードの両方に以下の原則が適用される。
- 6.19.1.2項において定義されたPC5のQoSパラメータは、PC5上のeV2X通信に適用される。
- eV2Xメッセージは、6.19.2.1.2項に記載された手順に従って確立されたPC5 QoSフローに送信される。
- アプリケーションレイヤeV2XメッセージのPC5 QoSパラメータへのマッピングは、PC5 QoSルールに基づく。
ネットワークスケジュール動作モードが使用されるときに、以下の追加原則が適用される。
- UEは、リソース要求のためにPC5 QoSパラメータ情報をgNBに提供する。
- gNBは、UEからPC5リソースの要求を受信するときに、AMFから受信したPC5 QoSパラメータに基づいて、要求されたPC5 QoSパラメータを認可することができる。
- gNBは、PC5 QoS処理にPC5 QoSパラメータ情報を使用することができる。
自律リソース選択モードを使用するときに、以下の追加原則が適用される。
- UEは、6.19.2.1.1項に記載されている情報に基づいて、PC5 QoSの処理に対してPC5 QoSパラメータを使用することができる。
6.19.2.2 PC5インタフェース上のブロードキャスト通信のためのQoSサポート
eV2Xメッセージの送信のためにPC5ブロードキャストが使用されるときに、ネットワークスケジュール動作モードとUE自律リソース選択モードの両方に以下の原則に従う。
- 6.19.1.2項において定義されたPC5のQoSパラメータ(例えば、VQI)は、PC5上のeV2X通信に適用される。
- アプリケーションレイヤは、送信のためにV2Xレイヤに渡すときに、各eV2Xメッセージに対してPC5 QoSパラメータをセットする。
ネットワークスケジュール動作モードが使用されるときに、以下の追加原則が適用される。
- UEは、PC5 QoSパラメータを反映したPC5 QoS情報をリソース要求のためにgNBに提供する。
- gNBは、QoS処理にPC5 QoSパラメータを反映するPC5 QoS情報を使用することができる。
自律リソース選択モードを使用するときに、以下の追加原則が適用される。
- UEは、PC5 QoS処理にPC5 QoSパラメータを使用することができる。
注記:ブロードキャストのためのパケットQoSモデルまたはベアラベースQoSモデルの選択は、RAN判断に基づく。
6.19.2.3 PC5インタフェース上のグループ通信のためのQoSサポート
PC5インタフェース上のグループ通信のためのQoSサポートについての手順は、6.21.2(解決策21)に説明される。
6.19.3 既存のエンティティおよびインタフェースへの影響
以下は、UEおよび他のNFへの影響である。
- UEは、PC5通信のための新しいQoSモデルをサポートする必要がある。
- AMFは、PCFからフェッチされたPC5通信のためのQoSパラメータを、N2メッセージを異なる手順に対して関連させる際にNG-RANに提供する。
- NG-RANはAMFからPC5通信のためのQoSパラメータを受信し、ネットワークスケジュールモードのためのQoSパラメータを有効にする。
- UDRは、PC5通信のためのQoSパラメータを記憶する。
Editor’s note:PPPP、PPPRの新しいVQIへのマッピングがブロードキャストトラフィックに必要な場合、今後の研究とする。
6.19.4 今後の研究についてのトピック
Editor’s note:この項では、今後の研究のトピックスについて説明する。
6.19.5 結論
6.19.1~6.19.3項に捕捉されている解決策は、規範的な段階に移行すべきである。
【0027】
3GPP TS 36.321 V15.3.0は、以下を記載している:
[外7]
[“Sidelink BSR and Truncated Sidelink BSR MAC control element for even N”と題する、3GPP TS 36.321 V15.3.0の図6.1.3.1a-1は、図9として複製される]
[“Sidelink BSR and Truncated Sidelink BSR MAC control element for odd N”3GPP TS 36.321 V15.3.0の図6.1.3.1a-2は、図10として複製される]
【0028】
3GPP RAN2 #104 Chairman’s Noteでは、PC5リファレンスポイントを介したV2X通信のためのユニキャスト(すなわち1対1)またはマルチキャスト(すなわち1対多)のためのソリューションが導入された。このソリューションに基づいて、UE-1(すなわち、開始側UE)は、ユニキャストリンク確立に使用されるレイヤ2リンク確立中に、UE-2(すなわち、ターゲット側UE)に直接通信要求(Direct Communication Request)メッセージを送信する。直接通信要求メッセージの受信に応答して、UE-2はUE-1に直接通信承諾(Direct Communiation Accept)を応答する。図11に図示し、以下に論じられるように、3GPP RAN2 #104 Chairman’s Noteのソリューションに加えるV2Xサービスのための1対1のサイドリンク通信のフェーズを紹介する:
【0029】
I. プリアンブル(図12に図示)
【0030】
このフェーズでは、UE-1はRRC_CONNECTED状態(またはモード)にあってもよい。UE-1がV2Xサービスに関心がある場合、UE-1はサービス認可のためにコアネットワーク(例えばV2X制御機能)に要求することができる。おそらく、UE-1にサービス認可中に、V2XサービスのためのPC5 QoS(Quality of Service)情報(例えば、PC5 5QI/QoSパラメータ、PC5 QoSルールなど)を提供または設定することができる。サービス認可の完了後、UE-1は、ディスカバリ手順、1対多のサイドリンク通信(すなわち、UE-1の近傍でUE-2によって送信されるV2Xメッセージの受信)等を介してUE-2の存在を認識することができる。なお、5QI(5G QoS識別子)はVQI(V2X QoS識別子)とも呼ばれることがあると留意されたい。
【0031】
II. PC5シグナリングのためのSL LCH設定(図13に図示)
【0032】
一実施形態では、UE-1内のV2Xアプリケーションは、UE-2への1対1のサイドリンク通信をトリガしてもよい。この状況では、PC5制御シグナリングのための送信リソースの割り当てを要求する第1のRRC(無線リソース制御)メッセージ(すなわち、SidelinkUEInformation)を基地局(またはgNB)に送信することができる。
【0033】
第1のRRCメッセージでは、コンテンツは以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ 宛先リストに含まれ得るUE-2の宛先アイデンティティ;
・ V2Xアプリケーションのアイデンティティ(例えばITS-AID);および/または
・ V2Xアプリケーションによって提供されるサービスのアイデンティ(例えばPSID)。
【0034】
第1のRRCメッセージの受信に応答して、基地局は、RRC設定を割り当てる第2のRRCメッセージ(例えば、RRCConnectionReconfiguration)をUE-1に送信することができる。
【0035】
第2のRRCメッセージでは、コンテンツは以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ PC5制御シグナリングに使用されるサイドリンク論理チャネル、例えばSCCH(サイドリンク制御チャネル)のアイデンティティ;
・ サイドリンク論理チャネルの優先度;および/または
・ サイドリンク論理チャネルのための論理チャネル・グループ(LCG)のアイデンティティ。
【0036】
第2のRRCメッセージにより、UE-1はPC5制御シグナリングに使用されるサイドリンク論理チャネルを生成することができる。サイドリンク論理チャネルは、UE-2への直接通信要求メッセージの送信に使用されることができる。直接通信要求メッセージは、RRCメッセージまたはNAS(Non-Access Stratum)メッセージとすることができる。
【0037】
III. 1対1のサイドリンクの確立(図14に図示)
【0038】
直接通信要求メッセージがサイドリンク送信に利用可能である場合に、UE-1は、直接通信要求メッセージのサイドリンク送信のためにサイドリンクリソースを割り当てるためにサイドリンクバッファステータスレポートを基地局に送信することができる。直接通信要求メッセージのサイドリンク送信のためのサイドリンクリソースを受信した後、UE-1はサイドリンクリソースに基づいてサイドリンク送信を実行することができる。
【0039】
一実施形態では、直接通信要求メッセージは、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ どのアプリケーションをアクティブにするかをUE-2に示すために使用されるV2Xアプリケーションのアイデンティティ;
・ どのサービスをアクティブにするかをUE-2に示すために使用されるV2Xアプリケーションによって提供されるサービスのアイデンティティ;
・ (要求された)V2XアプリケーションまたはV2XサービスのQoSフローのPC5 5QI;および/または
・ (要求された)V2XアプリケーションまたはV2XサービスのQoSフローのPC5 QoSパラメータ/レベル/プロファイル。
【0040】
UE-1は、UE-2から直接通信承諾メッセージを受信することができる。
おそらく、直接通信承諾メッセージは、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ (承諾された)V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 5QI;
・ (承諾された)V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 QoSパラメータ/レベル/プロファイル。
【0041】
直接通信要求メッセージと直接通信承諾メッセージを交換した後、UE-1とUE-2は、1対1のサイドリンク通信のために5つのタプル(例えば、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号およびプロトコルID)を決定するためのIPアドレス設定手順を実行することができる。また、IPアドレス設定手順は、直接通信要求メッセージと直接通信承諾メッセージ(すなわち、両方の手順を1つにまとめたもの)でなすこともあり得る。
【0042】
IV. STCH設定(図15A図15Dに図示)
【0043】
図15Aに示されるように、1対1のサイドリンク通信リンクの確立を完了した後、UE-1は、1対1のサイドリンク通信のための送信リソースの割り当てを要求するためにRRCメッセージ(例えば、UEAssistanceInformation)を基地局に送信することができる。
【0044】
RRCメッセージでは、コンテンツは以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
UE-2のアイデンティティ;
V2Xアプリケーションのアイデンティティ;
V2Xアプリケーションによって提供されるサービスのアイデンティティ;
V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 5QI;および/または
V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 QoSパラメータ、レベル、またはプロファイル。
【0045】
RRCメッセージにより、基地局は、コアネットワーク(例えば、V2X制御機能)とのQosフローのPC5 5QIおよび/またはQoSフローのPC5 QoSパラメータ、レベルまたはプロファイルを検証することができる。次いで、基地局は、RRCメッセージの受信に応答して、再設定メッセージ(例えば、RRCConnectionReconfiguration、RRCメッセージ)をUE-1に送信することができる。
【0046】
サイドリンク論理チャネル(例えば、STCH(サイドリンクトラフィックチャネル))のリストは、再設定メッセージに含めることができ、各サイドリンク論理チャネルに対して、再設定メッセージは、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ サイドリンクトラフィックに使用されるサイドリンク論理チャネルのアイデンティティ;
・ サイドリンク論理チャネルの優先度;
・ サイドリンク論理チャネルに関連付けられたサイドリンク論理チャネルグループ(LCG)のアイデンティティ;および/または
・ サイドリンク論理チャネルにマップされたQoSフローのアイデンティティ。
【0047】
上記の再設定メッセージに基づいて、UE-1は、1対1のサイドリンク通信のために、少なくともサイドリンク論理チャネル(例えば、STCH)を生成することができる。
さらに、UE-1は、サイドリンク論理チャネルを対応するサイドリンクLCGに関連付けることができる。さらに、UE-1は対応するサイドリンク論理チャネルへのQoSフローのマッピングを記憶することができる。
【0048】
図15Bに図示するように、UE-1とUE-2が同じ基地局によってサービスされる場合、UE-1とUE-2は、UE-1によって使用される再設定メッセージの内容を共有することができる(QoS要件が、V2XアプリケーションについてUE-1とUE-2に対して同じとすべきため)。UE-1は、制御シグナリングに使用されるサイドリンク論理チャネル(例えば、SCCH)でPC5-RRCメッセージをUE-2に送信することができる。PC5-RRCメッセージのコンテンツは、再設定メッセージのコンテンツに基づいて作成することができる。PC5-RRCメッセージのコンテンツは、UE-1とUE-2との間の1対1のサイドリンク通信を介してV2Xアプリケーションのユーザトラフィックを送信するためにUE-2によって適用することができる。
【0049】
サイドリンク論理チャネルのリストはPC5-RRCメッセージに含めることができ、各サイドリンク論理チャネルに対して、PC5-RRCメッセージは、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ ユーザトラフィックに使用されるサイドリンク論理チャネルのアイデンティティ;
・ サイドリンク論理チャネルの優先度;
・ サイドリンク論理チャネルに関連付けられたサイドリンク論理チャネルグループ(LCG)のアイデンティティ;および/または
・ サイドリンク論理チャネルにマップされたQoSフローのアイデンティティ。
【0050】
PC5-RRCメッセージに基づいて、UE-2は、V2Xアプリケーションのための少なくともサイドリンク論理チャネルを生成することができる。さらに、UE-2は、サイドリンク論理チャネルを対応するサイドリンクLCGに関連付けることができる。追加的に、UE-2は対応するサイドリンク論理チャネルへのQoSフローのマッピングを記憶することができる。
【0051】
図16は、第2のUEと1対1のサイドリンク通信を実行する第1のUEの観点からの1つの例示の実施形態によるフローチャート1600である。ステップ1605では、第1のUEは、第1のネットワークノードから専用信号を受信し、専用信号は1対1のサイドリンク通信のための第1のサイドリンク設定を含む。ステップ1610では、第1のUEは、第2のサイドリンク設定を第2のUEに送信し、第2のサイドリンク設定は第1のサイドリンク設定に基づいて生成され、第2のUEが1対1のサイドリンク通信を設定するために使用される。
【0052】
図3および図4に戻って参照すると、第2のUEと1対1のサイドリンク通信を実行する第1のUEの1つの例示の実施形態において、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308はプログラムコード312を実行して、UEが、(i)第1のネットワークノードから専用信号を受信することであって、専用信号は、1対1のサイドリンク通信のための第1のサイドリンク設定を含む、受信することと、(ii)第2のサイドリンク設定を第2のUEに送信することであって、第2のサイドリンク設定は、第1のサイドリンク設定に基づいて生成され、第2のUEが1対1のサイドリンク通信を設定するために使用される、送信することと、をするのを可能にすることができる。さらに、CPU308はプログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたはその他のすべてを実行することができる。
【0053】
図17は、第1のUEと1対1のサイドリンク通信を実行する第2のUE(ここで、第1のUEは第1のネットワークノードによってサービスされる)の観点からの一実施形態によるフローチャート1700である。ステップ1705では、第2のUEは、第1のUEから第2のサイドリンク設定を受信し、第2のサイドリンク設定は、1対1のサイドリンク通信を設定するために使用される。ステップ1710では、第2のUEは、第2のサイドリンク設定に基づいて、1対1のサイドリンク通信でサイドリンク送信および/またはサイドリンク受信を実行する。
【0054】
図3および図4に戻って参照すると、第1のUEと1対1のサイドリンク通信を実行する第2のUE(ここで、第1のUEは第1のネットワークノードによってサービスされる)の1つの例示の実施形態において、デバイス300はメモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308はプログラムコード312を実行して、UEが(i)第1のUEから第2のサイドリンク設定を受信することであって、第2のサイドリンク設定は1対1のサイドリンク通信を設定するために使用される、受信することと、(ii)第2のサイドリンク設定に基づいて、1対1のサイドリンク通信でサイドリンク送信および/またはサイドリンク受信を実行することと、をすることを可能にすることができる。さらに、CPU308はプログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたはその他のすべてを実行することができる。
【0055】
図16および図17に図示され、上述された実施形態に関連して、第2のサイドリンク設定は、第1のネットワークノードによって第1のUEに提供された第1のサイドリンク設定に基づいて生成することができる。さらに、第1または第2のサイドリンク設定は、1対1のサイドリンク通信のためのサイドリンク論理チャネルのアイデンティティ、1対1のサイドリンク通信のためのサイドリンク論理チャネルの優先度および/または信頼性、1対1のサイドリンク通信のためのサイドリンク論理チャネルのためのサイドリンク論理チャネルグループのアイデンティティ、および/または1対1のサイドリンク通信のためのサイドリンク論理チャネルのためのQoSフローのアイデンティティを含むことができる。
【0056】
一実施形態では、第2のサイドリンク設定は、PC5-RRCメッセージによって送信されることができる。さらに、第2のUEは、第1の基地局(例えば、gNB)または第2の基地局(例えば、gNB)によってサービスされる。
【0057】
一実施形態において、第1のUEは開始側UEであり、第2のUEはターゲット側UEである。
【0058】
代替的には、図15Cに図示するように、UE-1はサービス要求メッセージ(例えば、Service Request、NASメッセージ)をコアネットワーク(例えば、V2X制御機能)に送信することができる。サービス要求メッセージでは、コンテンツは以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ UE-2のアイデンティティ;
・ V2Xアプリケーションのアイデンティティ;
・ V2Xアプリケーションによって提供されるサービスのアイデンティティ;
・ V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 5QI;
・ V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 QoSパラメータ、レベル、またはプロファイル。
【0059】
サービス要求メッセージにより、コアネットワークはコアネットワーク(例えば、V2X制御機能)とのQosフローのPC5 5QI、および/またはQoSフローのPC5 QoSパラメータ、レベル、またはプロファイルを検証することができる。コアネットワークは、基地局に再設定メッセージをUE-1に提供することを示すことができる。サービス要求メッセージの受信に応答して、コアネットワークは、サービス承諾メッセージ(例えば、Service Accept、NASメッセージ)をUE-1に送信することができる。一実施形態では、サービス応答メッセージは、再設定メッセージに含有されるか、あるいは含まれ得る。代替的には、サービス応答メッセージは、別のRRCメッセージを介してUE-1に送信され得る。
【0060】
サイドリンク論理チャネルのリストを、再設定メッセージに含めることができ、各サイドリンク論理チャネルに対して、再設定メッセージは、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ サイドリンクトラフィックに使用されるサイドリンク論理チャネルに関連付けられたサイドリンク無線ベアラのアイデンティティ;
・ サイドリンク論理チャネルのアイデンティティ;
・ サイドリンク論理チャネルの優先度;
・ サイドリンク論理チャネルに関連付けられたサイドリンク論理チャネルグループ(LCG)のアイデンティティ;および/または
・ サイドリンク論理チャネルにマップされたQoSフローのアイデンティティ。
【0061】
サービス承諾メッセージでは、コンテンツは以下を含むことができる:
・ サイドリンクの論理チャネルに関連付けられたサイドリンクの無線ベアラのアイデンティティ;および/または
・ サイドリンク無線ベアラにマップされたQoSフローのアイデンティティ。
【0062】
上記の再設定メッセージおよびサービス承諾メッセージに基づいて、UE-1は、1対1のサイドリンク通信のために少なくともサイドリンク論理チャネルを生成することができる。さらに、UE-1は、サイドリンク論理チャネルを対応するサイドリンクLCGと関連付けることができる。追加的に、UE-1は対応するサイドリンク論理チャネルへのQoSフローのマッピングを記憶することができる。
【0063】
代替的には、図15Dに図示するように、UE-1はサービス要求メッセージ(例えば、Service Request、NASメッセージ)をコアネットワーク(例えば、V2X制御機能)に送信することができる。サービス要求メッセージでは、コンテンツは以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ UE-2のアイデンティティ;
・ V2Xアプリケーションのアイデンティティ;
・ V2Xアプリケーションによって提供されるサービスのアイデンティティ;
・ V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 5QI;
・ V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 QoSパラメータ/レベル/プロファイル;および/または
・ V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローの5つのタプル(例えば、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号およびプロトコルID)。
【0064】
サービス要求メッセージにより、コアネットワークは、コアネットワーク(例えば、V2X制御機能)とのQosフローのPC5 5QIおよび/またはQoSフローのPC5 QoSパラメータ/レベル/プロファイルを検証することができる。コアネットワークは基地局にUE-1に再設定メッセージを提供することを示すことができる。サービス要求メッセージの受信に応答して、コアネットワークは、サービス承諾メッセージ(例えば、Service Accept、NASメッセージ)をUE-1に送信することができる。一実施形態では、サービス応答メッセージは、再設定メッセージに含有されるか、あるいは含まれ得る。代替的には、サービス応答メッセージは、別のRRCメッセージを介してUE-1に送信され得る。
【0065】
サイドリンク論理チャネルのリストを、再設定メッセージに含めることができ、各サイドリンク論理チャネルについて、再設定メッセージは、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ サイドリンクトラフィックに使用されるサイドリンク論理チャネルに関連付けられたサイドリンク無線ベアラのアイデンティティ;
・ サイドリンク論理チャネルのアイデンティティ;
・ サイドリンク論理チャネルの優先度;および/または
・ サイドリンク論理チャネルに関連付けられたサイドリンク論理チャネルグループ(LCG)のアイデンティティ。
【0066】
サービス承諾メッセージでは、コンテンツは以下を含むことができる:
・ サイドリンクの論理チャネルに関連付けられたサイドリンク無線ベアラのアイデンティティ;および/または
・ サイドリンク無線ベアラに関連付けられたトラフィックフローテンプレート(TFT:Traffic Flow Template)。
【0067】
上記の再設定メッセージおよびサービス承諾メッセージに基づいて、UE-1は、1対1のサイドリンク通信のために少なくともサイドリンク論理チャネルを生成することができる。さらに、UE-1は、サイドリンク論理チャネルを対応するサイドリンクLCGと関連付けることができる。追加的に、UE-1は、サイドリンク論理チャネルに関連付けられたTFTを記憶することができる。
【0068】
V. eV2Xメッセージ転送(図18に図示)
【0069】
UE-1では、V2Xアプリケーションからのサイドリンクトラフィックが、UE-2への転送に利用可能とすることができる。この状況では、UE-1は、サイドリンクトラフィックの送信のためにサイドリンクリソースを割り当てるために、サイドリンクバッファステータスレポートを基地局に送信することができる。LTE SL BSRのフォーマット(3GPP TS 36.321で論じられている)がサイドリンクバッファステータスレポートに再利用することができる。
【0070】
UE-2との1対1のSL通信中、UE-1は送信元gNBのカバレッジからターゲット側gNBのカバレッジに移動することがある。この状況では、送信元gNBはターゲット側gNBにUE-1をハンドオーバしなければならない。ターゲット側gNBが1対1のSL通信をサポートするために必要なサイドリンクリソースを提供し続けられるようにするために、送信元gNBは1対1のSL通信に関連する特定のサイドリンク情報をターゲット側gNBに転送する必要がある。
【0071】
例えば、送信元gNBは以下のうちの少なくとも1つを転送してよい:
・ 宛先リストに含まれ得るUE-2のアイデンティティ。;
・ V2Xアプリケーションのアイデンティティ;
・ V2Xアプリケーションによって提供されるサービスのアイデンティティ;
・V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 5QI(少なくとも1つのQoSフローがある);および/または
・ V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5のQoSパラメータ、レベルまたはプロファイル(少なくとも1つのQoSフローがある)。
【0072】
送信元gNBからのサイドリンク情報により、ターゲット側gNBは、1対1のサイドリンク通信のために少なくとも1つのサイドリンク設定を決定し、UE-1に送信されたハンドオーバコマンド(例えば、RRCConnectionReconfigurationメッセージ)に含まれるように送信元gNBにサイドリンク設定を提供することができる。サイドリンク設定は、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ 宛先リストに含まれ得るUE-2のアイデンティティ;
・ サイドリンクトラフィック送信に使用されるサイドリンク論理チャネルのアイデンティティ(少なくとも1つのサイドリンク論理チャネルがある);
・ サイドリンク論理チャネルの優先度;
・ サイドリンク論理チャネルに関連付けられたサイドリンク論理チャネルグループ(LCG)のアイデンティティ;および/または
・ サイドリンク論理チャネルにマップされたQoSフローのアイデンティティ(サイドリンク論理チャネルの1つにマップされた少なくとも1つのQoSフローがある)。
【0073】
あるいは、送信元gNBは、ハンドオーバ手順が完了した後に使用するために、UE-1のための送信元gNBに格納されたサイドリンク設定をターゲット側gNBに送信するだけでもよい。例えば、送信元gNBは、メッセージをターゲット側gNBに送信することができ、メッセージは、UE-1とUE-2との間の1対1のSL通信に関連付けられたサイドリンク設定を含み、サイドリンク設定は、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:
・ 宛先リストに含まれ得るUE-2のアイデンティティ;
・ サイドリンクトラフィック送信に使用されるサイドリンク論理チャネルのアイデンティティ(少なくとも1つのサイドリンク論理チャネルがある);
・ サイドリンク論理チャネルの優先度;
・ サイドリンク論理チャネルに関連付けられたサイドリンク論理チャネルグループ(LCG)のアイデンティティ;および/または
・ サイドリンク論理チャネルにマップされたQoSフローのアイデンティティ(1つのサイドリンク論理チャネルにマップされた少なくとも1つのQoSフローがある)。
【0074】
メッセージは、送信元gNBからターゲット側gNBに送信されるHandoverPreparationInformationとすることができる。UE-1が送信元gNBからターゲット側gNBにハンドオーバされた後、サイドリンク情報はターゲット側gNBによって使用することができる。必要に応じて、ターゲット側gNBはサイドリンク論理チャネル設定を修正し、UE-1に送信されたハンドオーバコマンドにおいて修正されたサイドリンク論理チャネル設定をUE-1に提供してよい。gNB間のハンドオーバの例を図19に図示し、情報要素「mobilityControlInfo」を有するRRCConnectionReconfigurationメッセージはハンドオーバコマンドに対応する。
【0075】
図20は、1対1のサイドリンク通信でUEのモビリティを処理するための送信元gNBの観点からの、1つの例示の実施形態によるフローチャート2000である。ステップ2005では、送信元gNBはUEからサイドリンク情報を受信する。ステップ2010では、送信元gNBは、1対1のサイドリンク通信のためにUEに第1のサイドリンク設定を送信する。ステップ2015では、送信元gNBは、UEに対するハンドオーバを準備するためにターゲット側gNBに第1のメッセージを送信し、メッセージは、サイドリンク情報または第1のサイドリンク設定を含む。
【0076】
一実施形態では、サイドリンク情報は以下のうちの少なくとも1つを含むことができる。すなわち、第2のUEのアイデンティティ、V2Xアプリケーションのアイデンティティ、V2Xアプリケーションのためのサービスアイデンティティ、V2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 5QI、およびV2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 QoSパラメータ、レベル、またはプロファイルである。
【0077】
さらに、第1のサイドリンク設定は以下のうちの少なくとも1つを含むことができる。すなわち、第2のUEのアイデンティティ、サイドリンクトラフィック送信に使用されるサイドリンク論理チャネルのアイデンティティ、サイドリンク論理チャネルの優先度、サイドリンク論理チャネルに関連付けられるサイドリンク論理チャネルグループ(LCG)のアイデンティティ、およびサイドリンク論理チャネルにマップされたQoSフローのアイデンティティである。
【0078】
一実施形態では、第1のメッセージはHandoverPreparationInformationとすることができる。さらに、送信元gNBは、ターゲット側gNBからハンドオーバコマンドを受信することができる。ハンドオーバコマンドは、第2のサイドリンク設定を含むことができ、第2のサイドリンク設定は、第1のサイドリンク設定と同じである。ハンドオーバコマンドはまた、第2のサイドリンク設定を含むことができ、第2のサイドリンク設定は、第1のサイドリンク設定とは異なる。
【0079】
一実施形態では、送信元gNBは、UEをターゲット側gNBにハンドオーバするためにUEに第2のメッセージを送信する。第2のメッセージは、RRCConnectionReconfigurationとすることができる。RRCConnectionReconfigurationは、ハンドオーバコマンドに従って生成することができる。RRCConnectionReconfigurationは、情報要素「mobilityControlInfo」を含むことができる。
【0080】
図3および図4に戻って参照すると、1対1のサイドリンク通信でUEのモビリティを処理するための送信元gNBの1つの例示の実施形態では、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308はプログラムコードを実行して、送信元gNBが、(i)UEからサイドリンク情報を受信することと、(ii)1対1のサイドリンク通信のためにUEに第1のサイドリンク設定を送信することと、(iii)UEに対するハンドオーバを準備するためにターゲット側gNBに第1のメッセージを送信することであって、メッセージは、サイドリンク情報または第1のサイドリンク設定を含む、送信することと、をすることを可能にすることができる。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたはその他のすべてを実行することができる。
【0081】
図21は、ターゲット側UEと1対1のサイドリンク通信を確立する開始側UE(ユーザ機器)の観点からの1つの例示の実施形態によるフローチャート2100である。ステップ2105では、開始側UEは、1対1のサイドリンク通信を確立するために使用される第1のPC5シグナリングを送信し、第1のPC5シグナリングは、ターゲット側UEのアイデンティティおよびV2X(Vehicle-to-Everything)サービスのアイデンティティを含む。
【0082】
一実施形態では、開始側UEは、ディスカバリ手順または1対多のサイドリンク通信を介して、ターゲット側UEの存在を認識することができる。さらに、開始側UEは、ターゲット側UEからの1つ以上のV2Xメッセージの受信を介して、ターゲット側UEの存在を認識することができる。第1のPC5シグナリングは、V2Xサービスを提供するV2Xアプリケーションのアイデンティティ、開始側UEのアイデンティティ、および/または要求されたV2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのQoSフローのPC5 5QI、QoS(Quality of Service)パラメータ、またはのPC5 QoSプロファイルを含むことができる。
【0083】
一実施形態では、第1のPC5シグナリングは、V2XサービスまたはV2Xアプリケーションに関連付けられたブロードキャストアドレスに送信することができる。第1のPC5シグナリングは、直接通信要求メッセージとすることができる。
【0084】
一実施形態では、開始側UEは、ターゲット側UEから第2のPC5信号を受信することができ、第2のPC5シグナリングは、1対1のサイドリンク通信の確立を完了するために使用される。第2のPC5シグナリングには、承諾されたV2XアプリケーションまたはV2XサービスのためのPC5 QoSフローのPC5 5QI、QoSパラメータまたはQoSプロファイルを含むことができる。第2のPC5シグナリングは、直接通信承諾メッセージとすることができる。
【0085】
図3および図4に戻って参照すると、ターゲット側UEと1対1のサイドリンク通信を確立する開始側UEの1つの例示の実施形態では、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308はプログラムコード312を実行して、開始側UEが、1対1のサイドリンク通信を確立するために使用される第1のPC5シグナリングを送信し、第1のPC5シグナリングは、ターゲット側UEのアイデンティティおよびV2X(Vehicle-to-Everything)サービスのアイデンティティを含む,
送信することをするのを可能にすることができる。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたはその他のすべてを実行することができる。
【0086】
以上、本開示の種々の態様を説明した。当然のことながら、本明細書の教示内容を多種多様な形態で具現化することができ、本明細書に開示したいかなる特定の構造、機能、または両者も代表的なものに過ぎない。本明細書の教示内容に基づいて、当業者には当然のことながら、本明細書に開示した態様を、他のいかなる態様からも独立に実装することができ、これら態様のうちの2つ以上を種々組み合わせることができる。例えば、本明細書に記載した態様のうちの任意の数の態様を用いて、装置を実装することができ、方法を実現することができる。追加的に、本明細書に記載した態様のうちの1つ以上の追加または代替で、他の構造、機能、または構造と機能を用いて、このような装置を実装することができ、このような方法を実現することができる。上記概念の一部の一例として、いくつかの態様においては、パルス繰り返し周波数に基づいて、同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様においては、パルス位置またはオフセットに基づいて、同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様においては、時間ホッピングシーケンスに基づいて、同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様においては、パルス繰り返し周波数、パルス位置またはオフセット、および時間ホッピングシーケンスに基づいて同時チャネルを確立することができる。
【0087】
当業者であれば、多様な異なるテクノロジおよび技術のいずれかを使用して、情報および信号を表わしてよいを理解するであろう。例えば、上記説明全体で言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは粒子、光場若しくは粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって表わしてよい。
【0088】
さらに、当業者には当然のことながら、本明細書に開示された態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア(例えば、ソースコーディングまたはその他何らかの技術を用いて設計することがあるディジタル実装、アナログ実装、またはこれら2つの組み合わせ)、命令を含む種々の形態のプログラム若しくは設計コード(本明細書においては便宜上、「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と称されることがある)、または両者の組み合わせとして実装されてよい。このハードウェアおよびソフトウェアの互換性を明確に示すため、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、概略的にそれぞれの機能の側面から上述した。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定用途およびシステム全体に課される設計上の制約によって決まる。当業者であれば、特定各用途に対して、説明した機能を様々なやり方で実装してもよいが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱の原因として解釈されるべきではない。
【0089】
追加的に、本明細書に開示される態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、またはアクセスポイント内で実装される、あるいはこれらによって実行されてよい。ICとしては、汎用プロセッサ、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気部品、光学部品、機械部品、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを含み、IC内、IC外、またはその両方に存在するコードまたは命令を実行してよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとしてよいが、代替として、プロセッサは、従来の任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械としてよい。また、プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他任意のこのような構成である、コンピュータデバイスの組み合わせとして実装されてよい。
【0090】
任意の開示プロセスにおけるステップの如何なる特定の順序または階層は、実例的な手法の一例であることが了解される。設計の選好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序または階層を、本開示の範囲内に留まりつつ、再構成してよいことが了解される。添付の方法の請求項は、種々のステップの要素を実例的な順序で示しており、提示の特定順序または階層に限定されることを意図していない。
【0091】
本明細書に開示される態様に関連して記載された方法またはアルゴリズムのステップを、ハードウェアにおいて直接具現化してよく、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにおいて具現化してよく、これら2つの組み合わせにおいて具現化してよい。(例えば、実行可能な命令および関連するデータを含む)ソフトウェアモジュールおよび他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムバーブルディスク、CD-ROM等のデータメモリ、または当技術分野において知られているその他任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体に存在してよい。実例的な記憶媒体がコンピュータ/プロセッサ(本明細書においては便宜上、「プロセッサ」と称されることがある)等の機械に結合されてよい、このようなプロセッサは、記憶媒体からの情報(例えば、コード)の読み出しおよび記憶媒体への情報の書き込みが可能である。実例的な記憶媒体は、プロセッサと一体化されてよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在してよい。ASICは、ユーザ機器に存在していてもよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとしてユーザ機器に存在してよい。さらに、いくつかの態様においては、任意の適当なコンピュータプログラム製品が、本開示の態様のうちの1つ以上に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体を含んでもよい。いくつかの態様において、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含んでよい。
【0092】
以上、種々の態様に関連して本発明を説明したが、本発明は、さらに改良可能であることが了解される。本願は、概して本発明の原理に従うと共に、本発明が関係する技術分野における既知で慣習的な実施となるような本開示からの逸脱を含む本発明の任意の変形、使用、または適応を網羅することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18
図19
図20
図21