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特許7503130セル条件変更方法、ユーザ機器およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
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  • 特許-セル条件変更方法、ユーザ機器およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】セル条件変更方法、ユーザ機器およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/28 20090101AFI20240612BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20240612BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20240612BHJP
【FI】
H04W36/28
H04W72/0457 110
H04W16/32
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022519487
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2020104747
(87)【国際公開番号】W WO2021057235
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】201910935070.9
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520122781
【氏名又は名称】スプレッドトラム コミュニケーションズ(シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】デン,ユン
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0055187(US,A1)
【文献】国際公開第2021/051357(WO,A1)
【文献】NEC,Reuse of conditional handover for SCG change in NR-DC[online],3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1909144,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107/Docs/R2-1909144.zip>,2019年08月
【文献】ZTE Corporation, Sanechips,Discussion on the RRC handling during CHO execution[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1907109,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1907109.zip>,2019年05月
【文献】ZTE Corporation, Sanechips,MCG failure report procedure in MR-DC[online],3GPP TSG RAN WG2 #105 R2-1900805,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105/Docs/R2-1900805.zip>,2019年02月
【文献】OPPO (rapporteur),Summary of [106#42] [NR/LTE/mob enh] CHO configuration[online],3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1911733,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107/Docs/R2-1911733.zip>,2019年08月
【文献】MediaTek Inc.,Conditional PSCell addition[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1906082,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1906082.zip>,2019年05月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
候補プライマリーセカンダリーセル(PSCell)がPSCell変更トリガ条件を満たすことに基づいて、PSCell変更を実行するステップであって、前記候補PSCellは候補セカンダリーノード(SN)に対応する、ステップと、
PSCell変更情報をマスターノード(MN)に送信するステップであって、前記PSCell変更トリガ条件を満たす前記候補PSCellまたはターゲットPSCellは、前記PSCell変更情報において示される、ステップと、
前記PSCell変更中に、前記PSCell変更を終了させるためのプリセット条件が満たされたか否かを判定するステップであって、前記プリセット条件は、前記MNから受信した無線リソース制御(RRC)信号が、プリセットタイプのRRC信号であって、プライマリーセル(PCell)変更用のRRC信号、PSCell変更用のRRC信号、または、PSCell用のリリース信号を含むプリセットタイプの前記RRC信号であることを含む、ステップと、
前記PSCell変更を終了させるための前記プリセット条件が満たされたことに基づいて、前記PSCell変更を終了させるステップと
を含むセル条件変更方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、PCell変更用の前記RRC信号を受信した後に、
PCell変更用の前記RRC信号がセカンダリーセルグループ(SCG)情報を含まないことを検出することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および前記候補SNに対応するSCG情報を削除するステップ
をさらに含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、PCell変更用の前記RRC信号を受信した後に、
PCell変更用の前記RRC信号が新しいSCG情報を含むことを検出することに基づいて、前記新しいSCG情報に基づいて前記新しいSCG情報に対応するターゲットSNにアクセスするステップ
をさらに含む方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記新しいSCG情報に基づいて前記新しいSCG情報に対応するターゲットSNにアクセスする前記ステップは、
前記ターゲットSNがデルタ信号モードを採用することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および前記新しいSCG情報に基づいてターゲット構成情報を生成するステップと、
前記ターゲット構成情報に基づいて前記ターゲットSNにアクセスするステップと
を含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、PCell変更用の前記RRC信号を受信した後に、
PCell変更用の前記RRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、ランダムアクセス手順によってソースSNにアクセスするステップ
をさらに含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、PCell変更用の前記RRC信号が前記ソースSN情報を含むことを検出した後に、
前記候補SNに対応するSCG情報を保存するステップ
をさらに含む方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記PSCell変更中に、候補PCellが条件付きハンドオーバートリガ条件を満たすことを検出することに基づいて、PCellハンドオーバーを実行し、前記PSCell変更を終了させるステップ
をさらに含む方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記MNからPSCell変更用の前記RRC信号を受信した後に、
PSCell変更用の前記RRC信号によって示されるPSCellにアクセスするステップ
をさらに含む方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記MNからPSCell用の前記リリース信号を受信した後に、
ソースSNに対応するSCG情報および前記候補SNに対応するSCG情報を削除するステップ
をさらに含む方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記PSCell変更を終了させた後に、
ソースSNに対応するSCG情報を保持し、前記候補SNに対応するSCG情報を削除するステップ
をさらに含む方法。
【請求項11】
候補プライマリーセカンダリーセル(PSCell)がPSCell変更トリガ条件を満たすか否かを判定するように構成された条件判定回路であって、前記候補PSCellは候補セカンダリーノード(SN)に対応する、条件判定回路と、
前記候補PSCellが前記PSCell変更トリガ条件を満たすと前記条件判定回路が判定することに基づいて、PSCell変更情報をマスターノード(MN)に送信するように構成された送信回路であって、前記PSCell変更トリガ条件を満たす前記候補PSCellまたはターゲットPSCellは、前記PSCell変更情報において示される、送信回路と、
前記候補PSCellが前記PSCell変更トリガ条件を満たすことに基づいて、PSCell変更を実行するように構成された実行回路と、
前記PSCell変更の間に、前記PSCell変更を終了させるためのプリセット条件が満たされているか否かを判定するように構成された判定回路であって、前記プリセット条件は、前記MNから受信した無線リソース制御(RRC)信号が、プリセットタイプのRRC信号であって、PCell変更用のRRC信号、PSCell変更用のRRC信号、または、PSCell用のリリース信号を含むプリセットタイプの前記RRC信号であることを含む、判定回路と、
前記PSCell変更を終了させるための前記プリセット条件が満たされたことに基づいて、前記PSCell変更を終了させるように構成された制御回路と
を含むユーザ機器(UE)。
【請求項12】
請求項11に記載のUEであって、前記制御回路は、さらに、
PCell変更用の前記RRC信号がセカンダリーセルグループ(SCG)情報を含まないことを検出することに基づいて、ソースセカンダリーノードに対応するSCG情報および前記候補SNに対応するSCG情報を削除する
ように構成される、UE。
【請求項13】
請求項11に記載のUEであって、前記制御回路は、さらに、
PCell変更用の前記RRC信号が新しいSCG情報を含むことを検出することに基づいて、前記新しいSCG情報に基づいて前記新しいSCG情報に対応するターゲットSNにアクセスする
ように構成される、UE。
【請求項14】
請求項13に記載のUEであって、前記制御回路は、
前記ターゲットSNがデルタ信号モードを採用することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および前記新しいSCG情報に基づいてターゲット構成情報を生成し、
前記ターゲット構成情報に基づいて前記ターゲットSNにアクセスする
ように構成される、UE。
【請求項15】
請求項11に記載のUEであって、前記制御回路は、さらに、
PCell変更用の前記RRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、前記候補SNへのアクセスを終了させる
ように構成される、UE。
【請求項16】
請求項15に記載のUEであって、前記制御回路は、さらに、
PCell変更用の前記RRC信号が前記ソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、ランダムアクセス手順によってソースSNにアクセスする
ように構成される、UE。
【請求項17】
請求項11に記載のUEであって、
前記PSCell変更中に、候補PCellが条件付きハンドオーバートリガ条件を満たすことを検出することに基づいて、PCellハンドオーバーを実行し、前記PSCell変更を終了させるように構成されたPCellハンドオーバー回路
をさらに含むUE。
【請求項18】
請求項11に記載のUEであって、前記制御回路は、さらに、
受信した前記RRC信号がPSCell変更用の前記RRC信号であると前記判定回路が判定することに基づいて、PSCell変更用の前記RRC信号によって示されるPSCellにアクセスする
ように構成される、UE。
【請求項19】
請求項11に記載のUEであって、前記制御回路は、さらに、
受信した前記RRC信号がPSCell用の前記リリース信号であると前記判定回路が判定することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および前記候補SNに対応するSCG情報を削除する
ように構成される、UE。
【請求項20】
請求項11に記載のUEであって、
ソースSNに対応するSCG情報を保持し、前記候補SNに対応するSCG情報を削除するように構成された保存回路
をさらに含むUE。
【請求項21】
記憶されたコンピュータ命令を有する不揮発性または非一時性のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令がプロセッサによって実行されると、請求項1から10のうちのいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
メモリおよびプロセッサを含むユーザ機器(UE)であって、前記メモリは、そこに記憶されたコンピュータ命令を有し、前記プロセッサが前記コンピュータ命令を実行すると、請求項1から10のうちのいずれか一項に記載の方法が実行される、ユーザ機器(UE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月29日出願の「CELL CONDITIONAL CHANGE METHOD, USER EQUIPMENT AND COMPUTER-READABLE STORAGE MEDIUM(セル条件変更方法、ユーザ機器およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体)」という名称の中国特許出願第201910935070.9号に対する優先権の利益を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、全体的に、無線通信分野に関し、より詳細には、セル条件変更方法、ユーザ機器(UE)、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
3GPP(登録商標)の議論において、条件付きハンドオーバー(CHO)が導入されている。既存のハンドオーバー処理と比較して、CHOのハンドオーバーコマンドは、候補ターゲットセルの信号品質がサービングセルの信号品質よりも所定のオフセットだけ高いか否かを判定するなどのハンドオーバー条件(またはハンドオーバートリガ条件と呼ばれる)を含む。ハンドオーバーコマンドを受信した後、UEは、ハンドオーバー条件が満たされているか否かを判定する。ハンドオーバー条件を満たす場合、UEはハンドオーバーコマンドに含まれる候補ターゲットセルの構成パラメータを使用してターゲットセルにアクセスし、ターゲットセルと同期し、ターゲットセルにおいてランダムアクセス手順を開始する。ハンドオーバー条件が満たされない場合、UEは、ソース基地局との無線リソース制御(RRC)接続を維持し続ける。
【0004】
CHOは、デュアル接続におけるプライマリーセカンダリーセル変更(PSCell change)およびプライマリーセカンダリーセル追加(PSCell Addition)に使用することが可能である。デュアル接続において、UEは、マスターノード(MN)およびセカンダリモード(SN)を含む2つの基地局と接続し続け(UEは、少なくともMNによってPCellで構成され、少なくともSNによってPSCellで構成される)、2つの基地局から同時に信号およびデータを受信し、同時に2つの基地局へ信号およびデータを伝送することが可能である。
【0005】
CHOがPSCell変更に導入される場合、MNは、1つまたは複数の候補PSCellと、各候補PSCellに対応する変更トリガ条件とを決定してもよい。厳密には、PSCellの変更は「ハンドオーバー」と見なすことはできないことに留意すべきである。デュアル接続状態にあるUEの場合、MNはUEのRRC接続確立およびハンドオーバー決定などのリンク管理を担当し、SNはデータ送信を担当する。SNを変更した場合、またはPSCellを変更した場合、それはSN変更またはPSCell変更としか言いようがない。PCellを変更する場合は、ハンドオーバーと呼ぶことができる。本実施形態では、PCell変更とPSCell変更は、セル変更と表される。PSCell変更については、同一SN内で発生してもよいし、異なるSN間で発生してもよく、異なるSN間のPSCell変更をSN変更と呼ぶこともできる。
【0006】
MNは、候補PSCellが属するSNに対して、PSCell条件変更要求を送信する。PSCell条件変更要求は、MNがUEに対して構成した無線パラメータ(例えば、ConfigRestrictInfoSCG)と、UEに対してソースSNが構成したUE能力情報および無線パラメータ(sourceConfigSCG)と、を含む。
【0007】
PSCell条件変更要求を受信した後、候補SNは、セル負荷などの情報に基づいて、要求を受け入れるか拒否するかのアドミッション制御決定を行う。要求を受け入れる場合、候補SNは、UEに対して候補セカンダリーセルグループ(SCG構成)の無線パラメータを構成し、MNに確認応答情報を返し、確認応答情報はUEに対して構成されたSCG構成を搬送する。確認応答メッセージを受信した後、MNは、SCG構成、候補PSCellの識別子、およびPSCell変更トリガ条件をRRC信号によりUEに送信する。RRC信号を受信した後、UEは、受信した情報を保存し、候補PSCellの評価を開始する。候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たす場合、PSCell変更が開始される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
いくつかの解決策では、UEがPSCell条件変更のプロセスにあり、PSCell変更の実行を開始したとき、UEは依然としてMNとの接続を維持し、MNからRRC信号を受信することが可能である。しかし、MNから発行されたRRC信号は、現在のPSCell変更と競合し得る。既存の規格では、上記のシナリオに対する解決策は提供されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態は、UEがPSCell変更およびMNでのリンク管理を正しく処理できるように、MNから受信されるRRC信号に応答して実行されるPSCell変更を処理し、UEが制御できないシナリオを回避し、無線リンクの安定性を改善し得る解決策を提供する。
【0010】
本開示の一実施形態では、セル条件変更方法が提供される。セル条件変更方法は、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすことに基づいて、PSCell変更を実行するステップであって、候補PSCellは候補SNに対応する、ステップと、PSCell変更中に、MNからRRC信号を受信するステップと、RRC信号がプリセットタイプのRRC信号であるか否かを判定するステップであって、プリセットタイプのRRC信号は、プライマリーセル(PCell)変更用のRRC信号、PSCell変更用のRRC信号、またはPSCell用のリリース信号を含む、ステップと、RRC信号がプリセットタイプのRRC信号であることに基づいて、PSCell変更を終了させるステップと、を含む。
【0011】
任意選択で、PCell変更用のRRC信号を受信した後、方法は、PCell変更用のRRC信号がセカンダリーセルグループ(SCG)情報を含んでいないことを検出することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および候補SNに対応するSCG情報を削除するステップをさらに含む。
【0012】
任意選択で、PCell変更用のRRC信号を受信した後、方法は、PCell変更用のRRC信号が新しいSCG情報を含むことを検出することに基づいて、新しいSCG情報に基づいて新しいSCG情報に対応するターゲットSNにアクセスするステップをさらに含む。
【0013】
任意選択で、新しいSCG情報に基づいて新しいSCG情報に対応するターゲットSNにアクセスするステップは、ターゲットSNがデルタ信号モードを採用することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および新しいSCG情報に基づいてターゲット構成情報を生成するステップと、ターゲット構成情報に基づいてターゲットSNにアクセスするステップと、を含む。
【0014】
任意選択で、PCell変更用のRRC信号を受信した後、方法は、PCell変更用のRRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、ランダムアクセス手順によってソースSNにアクセスするステップをさらに含む。
【0015】
任意選択で、PCell変更用のRRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに続いて、方法は、候補SNに対応するSCG情報を保存するステップをさらに含む。
任意選択で、方法は、PSCell変更中に、候補PCellが条件付きハンドオーバートリガ条件を満たすことを検出することに基づいて、PCellハンドオーバーを実行し、PSCell変更を終了させるステップをさらに含む。
【0016】
任意選択で、MNからPSCell変更用のRRC信号を受信した後、方法は、PSCell変更用のRRC信号によって示されるPSCellにアクセスするステップをさらに含む。
【0017】
任意選択で、MNからPSCell用のリリース信号を受信した後、方法は、ソースSNに対応するSCG情報および候補SNに対応するSCG情報を削除すること、をさらに含む。
【0018】
任意選択で、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすと判定した後、方法は、PSCell変更情報をMNに送信するステップであって、PSCell変更トリガ条件を満たす候補PSCellまたはターゲットPSCellは、PSCell変更情報において示される、ステップをさらに含む。
【0019】
任意選択で、方法は、PSCell変更中に、MNとの異常接続が検出されたことに基づいて、PSCell変更を終了させるステップをさらに含み、MNとの異常接続は、PCellの無線リンク障害の検出、完全性保護の失敗、MNからRRC信号を受信したがその中の構成パラメータに従わない、またはRRC接続再確立のトリガ、のシナリオの少なくとも1つを含む。
【0020】
任意選択で、PSCell変更を終了させるステップに続いて、方法は、ソースSNに対応するSCG情報を保持し、候補SNに対応するSCG情報を削除するステップをさらに含む。
【0021】
本開示の一実施形態では、UEが提供され、UEは、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすか否かを判定するように構成された条件判定回路と、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすことに基づいて、PSCell変更を実行するように構成された実行回路と、PSCell変更中に、MNからRRC信号を受信するように構成された受信回路と、RRC信号がプリセットタイプのRRC信号であるか否かを判定するように構成されたタイプ判定回路であって、プリセットタイプのRRC信号は、PCell変更用のRRC信号、PSCell変更用のRRC信号、またはPSCell用のリリース信号を含む、タイプ判定回路と、RRC信号がプリセットタイプのRRC信号であることに基づいて、PSCell変更を終了させるように構成された制御回路と、を含む。
【0022】
任意選択で、制御回路は、さらに、PCell変更用のRRC信号がSCG情報を含まないことを検出することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および候補SNに対応するSCG情報を削除する、ように構成される。
【0023】
任意選択で、制御回路は、さらに、PCell変更用のRRC信号が新しいSCG情報を含むことを検出することに基づいて、新しいSCG情報に基づいて新しいSCG情報に対応するターゲットSNにアクセスするように構成される。
【0024】
任意選択で、制御回路は、ターゲットSNがデルタ信号モードを採用することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および新しいSCG情報に基づいてターゲット構成情報を生成し、ターゲット構成情報に基づいてターゲットSNにアクセスするように構成される。
【0025】
任意選択で、制御回路は、さらに、PCell変更用のRRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、候補SNへのアクセスを終了させるように構成される。
【0026】
任意選択で、制御回路は、さらに、PCell変更用のRRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、ランダムアクセス手順によってソースSNにアクセスするように構成される。
【0027】
任意選択で、制御回路は、さらに、PCell変更用のRRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、候補SNに対応するSCG情報を保存するように構成される。
【0028】
任意選択で、UEは、PCellハンドオーバー回路をさらに含み、PCellハンドオーバー回路は、PSCell変更中に、候補PCellが条件付きハンドオーバートリガ条件を満たすことを検出することに基づいて、PCellハンドオーバーを実行し、PSCell変更を終了させるように構成される。
【0029】
任意選択で、制御回路は、さらに、受信したRRC信号がPSCell変更用のRRC信号であるというタイプ判定回路の判定に基づいて、PSCell変更用のRRC信号によって示されるPSCellにアクセスするように構成される。
【0030】
任意選択で、制御回路は、さらに、受信したRRC信号がPSCell用のリリース信号であるというタイプ判定回路の判定に基づき、ソースSNに対応するSCG情報および候補SNに対応するSCG情報を削除するように構成される。
【0031】
任意選択で、UEは、送信回路をさらに含み、送信回路は、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすという条件判定回路の判定に基づいて、PSCell変更情報をMNに送信するように構成され、PSCell変更トリガ条件を満たす候補PSCellまたはターゲットPSCellは、PSCell変更情報において示される。
【0032】
任意選択で、UEは、終了回路をさらに含み、終了回路は、PSCell変更中に、検出されたMNとの異常接続に基づいて、PSCell変更を終了させるように構成され、MNとの異常接続は、PCellの無線リンク障害の検出、完全性保護の失敗、MNからRRC信号を受信したがその中の構成パラメータに従わない、またはRRC接続再確立のトリガ、のシナリオのうちの少なくとも1つを含む。
【0033】
任意選択で、UEは、保存回路をさらに含み、保存回路は、ソースSNに対応するSCG情報を保持し、候補SNに対応するSCG情報を削除するように構成される。
本開示の一実施形態では、記憶されたコンピュータ命令を有する不揮発性または非一時性のコンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ命令がプロセッサによって実行されるとき、上記の方法のうちの任意の1つが実行される。
【0034】
本開示の一実施形態では、メモリおよびプロセッサを含むUEが提供され、メモリは、そこに記憶されたコンピュータ命令を有し、プロセッサがコンピュータ命令を実行するとき、上記の方法のうちの任意の1つが実行される。
【0035】
本開示の実施形態は、以下の利点を提供し得る。
本開示の実施形態では、PSCell変更中に、プリセットタイプを有するMNから受信したRRC信号に基づいて、UEがPSCell変更とMNでのリンク管理を正しく処理し、UEが制御できないシナリオを回避し、無線リンクの安定性を改善するように、実行中のPSCell変更を終了させる。
【0036】
さらに、MNとの接続が異常であることを検出したことに基づいて、PSCell変更を終了し、ソースSNに対応するSCG情報を保持し、候補SNに対応するSCG情報を削除するので、UEの通信リンクの堅牢性をさらに確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】一実施形態によるセル条件変更方法のフローチャートである。
図2】一実施形態によるUEのブロック図である。
図3】一実施形態によるPSCell条件変更のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
背景技術で説明したように、いくつかのセル条件変更ソリューションでは、デュアル接続状態のUEがPSCell条件変更のプロセスにあるとき、UEは依然としてMNとの接続を維持し、MNからRRC信号を受信することができる。しかし、MNが発行するRRC信号は、現在のPSCell変更と競合し得る。既存の規格では、上記のシナリオに対する解決策は提供されていない。
【0039】
本開示の実施形態では、PSCell変更中に、プリセットタイプを有するMNから受信したRRC信号に基づいて、UEがPSCell変更とMNでのリンク管理を正しく処理し、UEが制御できないシナリオを回避し、無線リンクの安定性を改善するように、実行中のPSCell変更を終了させる。
【0040】
本開示の実施形態の目的、特徴および利点を明らかにするために、本開示の実施形態は、添付の図面と併せて詳細に明確に説明される。
図1を参照すると、図1は、一実施形態によるセル条件変更方法のフローチャートである。
【0041】
S101において、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすことに基づいて、UEはPSCell変更を実行する。
候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすと判定することによって、UEはPSCell変更を実行する。PSCell変更トリガ条件の具体的な設定は、本開示の実施形態では限定されない既存の測定イベントA3またはA5など、異なるメカニズムを採用してもよい。
【0042】
S101において、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすと判定したことに基づいて、UEは、決定したターゲットPSCell、すなわちUEがアクセスするターゲットPSCellをMNに示すことができる。UEは、例えば、ターゲットPSCellのアイデンティティを示して、RRC信号を介してMNにターゲットPSCellを示してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、候補PSCellは候補SNの管轄下にあり、PCellはMNの管轄下にあり、ソースPSCellはソースSNの管轄下にある。UEがPSCellの変更を実行する前に、UEは、MNおよびSNとのデュアル接続を設定する。
【0044】
実際には、LTEデュアル接続、LTEと新無線(NR)のデュアル接続、またはNRデュアル接続など、異なるタイプのデュアル接続が存在する。LTEとNRのデュアル接続は、EN-DC(LTE基地局がUEのMNを務め、NR基地局がUEのSNを務める)、NE-DC(NR基地局がUEのMNを務め、LTE基地局がUEのSNを務める)、およびNGEN-DC(5Gコアネットワークに接続するLTE基地局がUEのMNを務め、NR基地局がUEのSNを務める)などを含み得る。デュアル接続を設定するためのプロセスは、当技術分野において周知であり、ここでは詳細に説明しない。3GPP(登録商標)のTS37.340規格を参照することができる。
【0045】
S102において、PSCell変更中に、UEは、MNからRRC信号を受信する。
いくつかの実施形態では、UEがPSCell変更を実行するプロセスの間、UEがまだMNと接続しているので、UEはMNからRRC信号を受信し続けることが可能である。MNからのRRC信号が、単にMN側の無線パラメータを変更するためのものである場合、UEは、PSCell変更を継続して実行することができる。しかし、UEが受信するMNからのRRC信号は、他の種類の信号であってもよい。
【0046】
そのため、MNからのRRC信号を受信した後、S103が実行されてもよい。
S103において、UEは、受信したRRC信号がプリセットタイプのRRC信号であるか否かを判定する。
【0047】
いくつかの実施形態では、プリセットタイプのRRC信号は、PCell変更用のRRC信号、PSCell変更用のRRC信号、PSCell用のリリース信号、またはリリースセカンダリーセルグループ(リリースSCG)信号のいずれであってもよい。受信したRRC信号が上記RRC信号のいずれかであることに基づいて、UEはS104を実行することができる。
【0048】
受信したRRC信号がプリセットタイプのRRC信号でないことに基づいて、受信したRRC信号を既存の動作プロセスに従って処理し、PSCellの変更を継続することができる。
【0049】
例えば、受信したRRC信号が、上記プリセットタイプのRRC信号ではない、現在のMN側における無線パラメータを修正するためのRRC信号であり、したがって、UEはPSCell変更を継続して実行してもよい。
【0050】
S104において、UEは、PSCell変更を終了させる。
いくつかの実施形態では、UEがPSCell変更を実行するプロセス中に、PCell変更用のRRC信号を受信することに基づいて、UEは、PSCell変更の実行を終了させる、すなわち、候補SNへのアクセスを停止することができる。UEがPSCell変更を行うプロセス中、PSCell変更用のRRC信号の受信、またはPSCellのためのリリース信号を受信することに基づいて、UEは、PSCell変更を終了してもよい、すなわち、候補SNへのアクセスを停止してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、PCell変更用のRRC信号を受信した後、UEは、PCell変更用のRRC信号のコンテンツを取得してもよい。PCell変更用のRRC信号がSCG情報を含まないことを検出することに基づいて、UEは、ソースSNに対応する保存されたSCG情報および候補SNに対応するSCG情報を削除してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、PCell変更用のRRC信号が新しいSCG情報を含むことを検出することに基づいて、UEは、新しいSCG情報に基づいて、新しいSCG情報に対応するターゲットSNにアクセスすることができる。
【0053】
ターゲットSNがデルタ信号モードを採用することに基づいて、UEは、ソースSNに対応するSCG情報および新しいSCG情報に基づいてターゲット構成情報を生成し、ターゲット構成情報に基づいてターゲットSNにアクセスすることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、PCell変更用のRRC信号がソースSNの情報を含むことを検出することに基づいて、UEは、候補SNへのアクセスを終了させ、ソースSNにアクセスするためにランダムアクセス手順を実行することができる。ランダムアクセスに成功した後、UEは、ソースSNから物理層制御信号およびデータを受信することができる。このとき、UEは候補SNへのアクセスを終了させるが、候補SNに対応するSCG情報を保存することができる。UEは、モビリティ要件を満たすためにPSCell条件変更を再び行う必要があり得るため、ネットワークが候補PSCellのパラメータを再構成する場合、候補SNに対応するSCG情報を保存することにより、エアインターフェース信号のオーバーヘッドを効果的に節約してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、PSCell変更を実行する間に、UEは、プライマリーセル条件変更(PCell条件ハンドオーバーまたはPCell条件変更)を実行することもできる。すなわち、PSCell変更を実行するプロセスにおいて、候補PCellが条件付きハンドオーバートリガ条件を満たすことを検出すると、UEはPCellハンドオーバーを実行し始め、候補PCellはSCGで構成されていない、または他のPSCellに関連するSCGで構成される。上記のシナリオが発生した場合、UEは、現在のPSCellの変更を終了させてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、PSCell変更の実行中に、以下の状況のうちのいずれか1つが発生した場合、UEは、PSCell変更を終了させ、ソースSNに対応するSCG情報を保持し、候補SNに対応するSCG情報を削除してもよい。状況としては、PCellの無線リンク障害の検出、完全性保護の失敗(完全性検証障害の検出)、MNからRRC信号を受信したがその中の構成パラメータに従わない(RRC再構成失敗など)、またはRRC接続再確立のトリガ、が含まれてもよい。
【0057】
以上より、MNとの接続異常を検出したことに基づき、PSCell変更が終了し、ソースSNに対応するSCG情報が保持され、候補SNに対応するSCG情報が削除される。この場合、UEは優先的にRRC接続を再開する必要があるが、PSCell変更を終了させることにより、RRC接続の再開が加速され、UEの通信リンクの堅牢性をさらに確保し得る。
【0058】
本開示の実施形態で提供されるセル条件変更方法では、PSCell変更中に、プリセットタイプを有するMNから受信したRRC信号に基づいて、実行中のPSCell変更を終了させるので、UEがPSCell変更とMNでのリンク管理を正しく処理でき、UEが制御できないシナリオを回避でき、無線リンクの安定性を向上させることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、対応するPSCellは、PSCell変更用のRRC信号において示される。MNからPSCell変更用のRRC信号を受信することに応答して、UEは、PSCell変更用のRRC信号によって示されるPSCellにアクセスし得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、MNからPSCell用のリリース信号またはリリースSCG信号を受信することに基づいて、UEは、ソースSNに対応するSCG情報および候補SNに対応するSCG情報を削除してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすと判定した後、UEは、PSCell変更情報をMNに送信してもよく、PSCell変更トリガ条件を満たす候補PSCellまたはUEが選択したターゲットPSCellがPSCell変更情報において示される。
【0062】
いくつかの実施形態では、PSCell変更情報は、変更トリガ条件を満たす候補PSCellに対応するアイデンティティ情報を搬送してもよい。受信したPSCell変更情報に基づいて、MNは、そこからアイデンティティ情報を取得し、その後、変更トリガ条件を満たす候補PSCellを学習することができる。
【0063】
実際には、PSCell変更情報は、上述のアイデンティティ情報に限定されない、変更トリガ条件を満たす候補PSCellを示すことができる他の情報をさらに搬送してもよいことが理解され得る。
【0064】
図3は、一実施形態によるPSCell条件変更のフローチャートである。以下、詳細なステップとともに具体的な説明を行う。
ステップ1において、UEは、デュアル接続を設定する。
【0065】
実際には、LTEデュアル接続、LTEとNRのデュアル接続、またはNRデュアル接続など、異なるタイプのデュアル接続が存在する。LTEとNRのデュアル接続は、EN-DC(LTE基地局がUEのMNを務め、NR基地局がUEのSNを務める)、NE-DC(NR基地局がUEのMNを務め、LTE基地局がUEのSNを務める)、およびNGEN-DC(5Gコアネットワークに接続するLTE基地局がUEのMNを務め、NR基地局がUEのSNを務める)などを含み得る。デュアル接続を設定するためのプロセスは、当技術分野において周知であり、ここでは詳細に説明しない。3GPP(登録商標)のTS37.340規格を参照することができる。
【0066】
ステップ2において、UEは、測定構成に基づいて測定を実行し、報告条件が満たされたことに基づいて、測定レポートをネットワークに報告する。
いくつかの実施形態では、UEは、MNによって構成された測定タスクに基づいて測定を実行し、報告条件を満たす隣接セルまたはサービングセルが存在することに基づいて測定レポートをMNに報告してもよく、レポートは、報告条件を満たす隣接セルおよび/またはサービングセルのアイデンティティと信号品質を搬送する。すなわち、レポートは、報告条件を満たす隣接セルのアイデンティティおよび信号品質、または報告条件を満たすサービングセルのアイデンティティおよび信号品質、あるいは、報告条件を満たす隣接セルのアイデンティティおよび信号品質、および報告条件を満たすサービングセルのアイデンティティおよび信号品質を搬送する。
【0067】
ステップ3において、MNは、測定レポートに基づいて、PSCell条件変更を実行することを決定する。
ステップ4および4Aにおいて、MNは、1つまたは複数の候補PSCellを選択し、1つまたは複数の候補PSCellが属する基地局、すなわち候補SNにPSCell条件変更要求を送信する。この要求は、MNがUEに対して構成した無線パラメータ、特に、MNが設定したSN構成制限情報(ConfigRestrictInfoSCG)、および、UEに対してソースSNが構成したUE能力情報および無線パラメータ(sourceConfigSCG)などを含む。要求には、さらに、PSCell変更のトリガ条件または実行条件と、候補PSCellのアイデンティティとが含まれる。UEは、候補PSCellがトリガ条件を満たすか否かを判定し、トリガ条件を満たすことに基づいて、PSCell変更またはSN変更を実行することができる。トリガ条件は、候補PSCellの信号品質がソースPSCellの信号品質よりもプリセットオフセットだけ高いことであってもよい。
【0068】
PSCell条件変更要求は、SN条件変更要求など、他の名称を使用してもよいことに留意されたい。デュアル接続のUEは、SN上でキャリアアグリゲーションを構成することができ、したがって、PSCell条件変更要求は、PSCellの変更に限定されず、他のセカンダリーセルの変更も含むことができる。すなわち、候補SNは、UEに対して候補PSCellのパラメータのみを構成してもよいし、候補PSCellのパラメータとUEに対する1つまたは複数のセカンダリーセルのパラメータを構成してもよい。
【0069】
複数の候補PSCellを選択するために、MNは、複数の候補SNにPSCell条件変更要求を同時にまたは順番に送信してもよい。
ステップ5および5Aにおいて、候補SN1および候補SN2は、セル負荷に基づいてアドミッション制御を行い、リソースが許す場合に変更要求を受信する。
【0070】
ステップ6および6Aにおいて、変更要求の受信に応答して、候補SN1および候補SN2は、UEに対してランダムアクセスリソースなどの必要な無線リソースを割り当て、UEに対して構成された無線リソース、すなわちSCGconfigを含むPSCell条件変更確認をMNにフィードバックする。
【0071】
ステップ7において、MNは、UEにPSCell条件変更用の信号を送信する。MNは、RRC再構成信号を介して複数のPSCcell条件変更情報を一度に送信してもよいし、複数のRRC再構成信号を使用して複数のPSCcell条件変更情報を順番に送信してもよい。PSCell条件変更情報は、候補PSCellのアイデンティティ、PSCell変更のトリガ条件、および候補SNによってUE用に構成された無線リソースを含む。異なる候補PSCellは、PSCell変更のトリガ条件が異なってもよいし、同じであってもよい。
【0072】
ステップ8において、UEは、PSCell条件変更の情報を受信し、候補PSCellがトリガ条件を満たすか否かを判定する。
ステップ9において、UEは、少なくとも1つの候補PSCellがトリガ条件を満たすことを見出す。トリガ条件を満たす複数の候補PSCellがある場合、UEは、最も高い信号品質を有する候補PSCellを変更のターゲットPSCellとして選択してもよく、または候補PSCellを変更のターゲットPSCellとしてランダムに選択してもよい。
【0073】
ステップ10において、UEは、決定されたターゲットPSCell、すなわち、UEがアクセスするターゲットPSCellをMNに示す。UEは、例えば、決定されたターゲットPSCellのアイデンティティを示すRRC信号を介して、MNに決定されたターゲットPSCellを示してもよい。指示情報の受信に応答して、MNは、UEがターゲットSNにアクセスした後ターゲットSNからダウンリンクデータを直ちに受信できるように、UEが設定したデータ無線ベアラのデータをターゲットSNに予め転送してもよい。
【0074】
ステップ11において、UEは、決定されたターゲットSNによってUE用に構成された無線リソースを通じてランダムアクセスを実行し、ターゲットSNにアクセスする。
ステップ10および11は、並行して実行されてもよい。ステップ10は任意である。
【0075】
ステップ12において、ターゲットSNへのアクセスに成功したことに基づいて、ターゲットSNは、PSCell変更完了メッセージをMNに送信する。
ステップ13および13Aにおいて、MNは、UEのコンテキストを解放するためにソースSNおよび他の候補SNに通知する。
【0076】
本開示の実施形態において、図3のステップ8および9は、図1のS101、すなわち、トリガ条件を満たすPSCellが存在するか否かを判定することに実質的に対応する。トリガ条件を満たすPSCellが存在する場合、後続のステップ10~13および13Aが実行され得る。
【0077】
図2を参照すると、図2は、一実施形態によるUE20のブロック図である。UE20は、条件判定回路201と、実行回路202と、受信回路203と、タイプ判定回路204と、制御回路205と、を含む。
【0078】
条件判定回路201は、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすか否かを判定するように構成される。実行回路202は、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすことに基づいて、PSCell変更を実行するように構成される。受信回路203は、PSCell変更中に、MNからRRC信号を受信するように構成される。タイプ判定回路204は、RRC信号がプリセットタイプのRRC信号であるか否かを判定するように構成され、プリセットタイプのRRC信号は、PCell変更用のRRC信号、PSCell変更用のRRC信号、またはPSCell用のリリース信号を含む。制御回路205は、RRC信号がプリセットタイプのRRC信号であることに基づいて、PSCell変更を終了させるように構成される。
【0079】
いくつかの実施形態において、制御回路205は、さらに、PCell変更用のRRC信号がSCG情報を含まないことを検出することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および候補SNに対応するSCG情報を削除するように構成される。
【0080】
いくつかの実施形態において、制御回路205は、さらに、PCell変更用のRRC信号が新しいSCG情報を含むことを検出することに基づいて、新しいSCG情報に基づいて、新しいSCG情報に対応するターゲットSNにアクセスするように構成される。
【0081】
いくつかの実施形態では、制御回路205は、ターゲットSNがデルタ信号モードを採用することに基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および新しいSCG情報に基づいてターゲット構成情報を生成し、ターゲット構成情報に基づいてターゲットSNにアクセスするように構成される。
【0082】
いくつかの実施形態において、制御回路205は、さらに、PCell変更用のRRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、候補SNへのアクセスを終了させるように構成される。
【0083】
いくつかの実施形態において、制御回路205は、さらに、PCell変更用のRRC信号がソースSN情報を含むことを検出することに基づいて、候補SNに対応するSCG情報を保存するように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態において、UE20は、PCellハンドオーバー回路(図2には示されていない)をさらに含み、PCellハンドオーバー回路は、PSCell変更中に、候補PCellが条件付きハンドオーバートリガ条件を満たすことを検出することに基づいて、PCellハンドオーバーを実行し、PSCell変更を終了させるように構成される。
【0085】
いくつかの実施形態において、制御回路205は、さらに、受信したRRC信号がPSCell変更用のRRC信号であるというタイプ判定回路204の判定に基づいて、PSCell変更用のRRC信号によって示されるPSCellにアクセスするように構成される。
【0086】
いくつかの実施形態において、制御回路205は、さらに、受信したRRC信号がPSCell用のリリース信号であるというタイプ判定回路204の判定に基づいて、ソースSNに対応するSCG情報および候補SNに対応するSCG情報を削除するように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、UE20は、送信回路(図2に示されていない)をさらに含み、送信回路は、候補PSCellがPSCell変更トリガ条件を満たすという条件判定回路201の判定に基づいて、PSCell変更情報をMNに送信するように構成され、PSCell変更トリガ条件を満たす候補PSCellまたはターゲットPSCellは、PSCell変更情報において示される。
【0088】
いくつかの実施形態では、UE20は、終了回路(図2には示されていない)をさらに含み、終了回路は、PSCell変更中に、検出されたMNとの異常接続に基づいて、PSCell変更を終了させるように構成され、MNとの異常接続は、PCellの無線リンク障害の検出、完全性保護の失敗、MNからRRC信号を受信したがその中の構成パラメータに従わない、またはRRC接続再確立のトリガ、のシナリオのうちの少なくとも1つを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、UE20は、保存回路(図2には示されていない)をさらに含み、保存回路は、ソースSNに対応するSCG情報を保持し、候補SNに対応するSCG情報を削除するように構成される。
【0090】
本開示の一実施形態では、記憶されたコンピュータ命令を有する不揮発性または非一時性のコンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ命令がプロセッサによって実行されるとき、上記の方法のうちの任意の1つが実行される。
【0091】
本開示の一実施形態では、メモリおよびプロセッサを含むUEが提供され、メモリは、そこに記憶されたコンピュータ命令を有し、プロセッサがコンピュータ命令を実行するとき、上記の方法のうちの任意の1つが実行される。
【0092】
当業者は、上記の実施形態における様々な方法のステップの全てまたは一部が、関連するハードウェアを指示するプログラムによって完了され、プログラムは、ROM、RAM、磁気ディスクまたは光ディスクを含み得るコンピュータ可読記憶媒体に格納され得ることを理解し得る。
【0093】
以上、本開示をその好ましい実施形態を参照して開示したが、本開示は例示としてのみ提示され、限定するものではないことを理解されたい。当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、実施形態を修正および変更することができる。
図1
図2
図3