(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】骨伝導による発声可能な棒付き飴、処理方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20240612BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20240612BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20240612BHJP
H04R 1/26 20060101ALI20240612BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240612BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
H04R1/00 317
G10K15/04 302F
H04R17/00
H04R1/00 310E
H04R1/26
H04R3/00 310
A23G3/34 101
(21)【出願番号】P 2022574540
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2020093930
(87)【国際公開番号】W WO2021243563
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】522178441
【氏名又は名称】雷銘科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】馬 雷
(72)【発明者】
【氏名】馬 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】張 米樂
(72)【発明者】
【氏名】趙 佑銘
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110197678(CN,A)
【文献】中国実用新案第203722822(CN,U)
【文献】特開平11-090053(JP,A)
【文献】特開2000-175280(JP,A)
【文献】中国実用新案第201393517(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00
G10K 15/04
H04R 17/00
H04R 1/26
H04R 3/00
A23G 1/00-9/52
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨伝導による発声可能な棒付き飴であって、
ハウジング、トリガ、コントローラ及び発声部材を備え、
前記ハウジングは、前記棒付き飴を支持するための支持部を少なくとも1つ備え、
前記コントローラは、前記トリガが受信した開始命令に応じて、又は、前記トリガが、前記棒付き飴が音声伝達対象の口腔内部に入ったか又は歯に接触したと決定すると、前記発声部材を駆動して振動信号を発生させて、前記少なくとも1つの支持部及び前記棒付き飴により、前記振動信号を前記音声伝達対象の聴覚システムに伝導するために用いられる、
ことを特徴とする骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項2】
前記トリガはセンサを備え、
前記コントローラは、前記センサに基づいて前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項3】
前記センサが圧力センサを含み、前記コントローラは、前記圧力センサによって感知された前記棒付き飴が接触されて発生する圧力変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる、
ことを特徴とす
る請求項2に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項4】
前記センサは光センサを含み、前記コントローラは、前記光センサによって感知された前記棒付き飴周囲の光線変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる、
ことを特徴とする請求項
2または3に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項5】
前記センサは、温度センサ、湿度センサ及び容量センサのうちの1つ又はいくつかを含み、前記コントローラは、前記温度センサ、湿度センサ、及び/又は容量センサによって感知された前記棒付き飴周囲の温度、湿度、及び/又は静電容量の変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる、
ことを特徴とする請求項
2~請求項4のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な
棒付き飴。
【請求項6】
前記コントローラは、さらに、前記圧力センサに基づいて前記人の口腔内の歯が予め設定された間隔範囲内で棒付き飴に接触する回数が予め設定された回数に達することを認識すると、前記予め設定された回数に対応する操作モードを用いて、音源を操作するために用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項7】
前記操作モードには、
早送り操作、早戻し操作、次のオーディオ番組にジャンプする操作、前のオーディオ番組にジャンプする操作、予め設定された音量を小さくする操作及び予め設定された音量を大きくする操作のうちの1つ又はいくつかが含まれる、
ことを特徴とする請求項6に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項8】
前記コントローラは、さらに、前記圧力センサに基づいて前記棒付き飴に接触する圧力の変化範囲が予め設定された閾値範囲より大きいことを認識すると、音源の音量を小さくするために用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項9】
タイマーをさらに備え、
前記コントローラは、さらに、前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記タイマーで前記棒付き飴が口腔内にある時間を記録するために用いられ、
前記コントローラは、さらに、前記タイマーによって記録された前記棒付き飴が口腔内にある時間に基づいて、前記棒付き飴の溶け程度を決定して、前記溶け程度に応じて音源の音量の大きさを調整するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記支持部に接続される柄状部をさらに備え、
前記発声部材は前記支持部に設置され、前記コントローラは前記柄状部に設置される、
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項11】
前記柄状部は、接続区間、システム区間及び柄状部の内部空洞の壁に付着された音漏れ防止構造又は音漏れ防止材料を含み、
前記接続区間は、一端が前記支持部に接続され、他端が前記システム区間に接続され、前記コントローラは前記システム区間に設置される、
ことを特徴とする請求項10に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項12】
前記発声部材は、外部構造、及び前記外部構造に収容されている少なくとも1つのエネルギー変換ユニットを含む、
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項13】
前記エネルギー変換ユニットは、前記外部構造に接続される受電素子、及び前記受電素子の作用範囲内にある振動素子を備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項14】
前記エネルギー変換ユニットの数が少なくとも1つである場合、
各々の前記エネルギー変換ユニットにおける前記受電素子は1つの第1磁性体を含み、
前記振動素子は1つの第2磁性体又は2つの第2磁性体を含み、
又は、
各々の前記エネルギー変換ユニットにおける前記受電素子は2つの第1磁性体を含み、前記振動素子は1つの第2磁性体を含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項15】
前記第1磁性体又は前記第2磁性体は、少なくとも1つの磁石及び/又は少なくとも1つのコイルを含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項16】
前記エネルギー変換ユニットは、さらに、前記受電素子と前記振動素子との接続を実現するための弾性素子を備える、
ことを特徴とする請求項14に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項17】
前記エネルギー変換ユニットの数が少なくとも1つである場合、各々の前記エネルギー変換ユニットにおける前記受電素子は1つの振動板を含み、前記振動素子は少なくとも1つの圧電シートを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項18】
エネルギー変換ユニットの各々について、1つの前記圧電シートは前記振動板の中間に付着され、他の前記圧電シートはそれぞれ前記振動板の側辺に付着される、
ことを特徴とする請求項17に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項19】
前記エネルギー変換ユニットの数が少なくとも2つである場合、前記外部構造には少なくとも2つの収容室がさらに設置されていることにより、前記収容室の各々に前記エネルギー変換ユニットを1つ収容することを実現する、
ことを特徴とする請求項12に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項20】
前記コントローラは、取得した音源のタイプ及び前記エネルギー変換ユニットに対応する周波数応答範囲に基づいて、前記発声部材における全部又は一部のエネルギー変換ユニットを駆動して振動信号を発生させるために用いられる、
ことを特徴とする請求項12に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項21】
前記エネルギー変換機器の各々に対応する周波数応答範囲はいずれも異なる、
ことを特徴とする請求項20に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項22】
前記エネルギー変換ユニットの各々は、少なくとも1つの異なる周波数応答範囲を含む、
ことを特徴とする請求項20に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項23】
前記トリガがスイッチ素子を含むと、前記コントローラは、前記スイッチ素子の開始に基づいて、前記開始命令を受信したと決定すると、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる、
ことを特徴とする請求項1~請求項22のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項24】
前記コントローラ及び発声部材に電気を供給するための電源部材をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~請求項23のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項25】
少なくとも1つの表示灯をさらに備え、
前記コントローラは、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるとともに、前記少なくとも1つの表示灯を起動するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1~請求項24のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項26】
少なくとも1つの発光装置をさらに備え、
前記コントローラは、音源のタイプ及び/又は前記振動信号の強弱に応じて、前記少なくとも1つの発光装置をトリガして少なくとも1種の色及び/又は光強度を有する光を発光させるために用いられる、
ことを特徴とする請求項1~請求項25のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項27】
音源データを記憶するためのメモリユニットをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~請求項26のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項28】
有線方式及び/又は無線方式で外部機器によって送信される音源を受信するためのデータ入力インターフェースをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~請求項27のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項29】
前記データ入力インターフェースは、USBインターフェース、eSATAインターフェース、SDカードインターフェース、Micro SDカードインターフェース、オーディオ入力インターフェース、ビデオ入力インターフェース、Wi-Fiインターフェース、ブルートゥース(登録商標)インターフェース、金属電極及びマイクロフォンのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1~請求項28のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項30】
外部機器との通信接続を確立して、前記外部機器と検証インタラクション処理を行うための認識チップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~請求項29のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴。
【請求項31】
請求項1~請求項30のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴と、前記骨伝導による発声可能な棒付き飴を担持する機器と、を備える、
ことを特徴とする骨伝導による発声可能な棒付き飴システム。
【請求項32】
前記機器は、前記骨伝導による発声可能な棒付き飴を収容する収容ボックスと、前記収容ボックスの内部に設置される、骨伝導による発声可能な棒付き飴を搬送する搬送装置と、前記収容ボックスの外部の片側に設置される出口と、前記収容ボックスの内部に設置される制御装置と、前記収容ボックスの外部の片側に設置されるインタラクション用の表示スクリーンと、を備え、
前記制御装置は、前記インタラクション用の表示スクリーンに基づいて棒付き飴要求命令を取得した場合、前記搬送装置をトリガして前記収容ボックスから前記棒付き飴要求命令にマッチングする骨伝導による発声可能な棒付き飴を取り出して、前記マッチングする骨伝導による発声可能な棒付き飴を前記出口まで搬送するにため用いられる、
ことを特徴とする請求項31に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴システム。
【請求項33】
前記機器は、前記骨伝導による発声可能な棒付き飴を収容する収容ボックスと、前記収容ボックスの内部に設置される、骨伝導による発声可能な棒付き飴を搬送する搬送装置と、前記収容ボックスの外部の片側に設置される出口と、前記収容ボックスの内部に設置される制御装置と、インタラクション用の操作レバー装置と、を備え、
前記制御装置は、前記インタラクション用の操作レバー装置に基づいて棒付き飴要求命令を取得した場合、前記搬送装置をトリガして前記収容ボックスから前記棒付き飴要求命令にマッチングする骨伝導による発声可能な棒付き飴を取り出して、前記マッチングする骨伝導による発声可能な棒付き飴を前記出口まで搬送するために用いられる、
ことを特徴とする請求項31に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴システム。
【請求項34】
前記機器は記録装置をさらに備え、前記制御装置は、取得した情報記録要求に応じて、前記情報記録要求における記録対象情報を前記骨伝導による発声可能な棒付き飴内のメモリに記録するために用いられる、
ことを特徴とする請求項
32又は請求項33に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴システム。
【請求項35】
前記記録対象情報は、記録対象音楽、記録対象音声及び記録対象電子チケットのうちの1つ又はいくつかの組合せを含む、
ことを特徴とする請求項34に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴システム。
【請求項36】
請求項1~請求項30のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴に適用された骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法であって、
前記コントローラは、前記トリガにより開始命令を受信するか、又は、前記トリガにより前記棒付き飴が音声伝達対象の口腔内部に入ったか否か、又は歯に接触したか否かを決定するステップと、
前記コントローラは、前記開始命令を受信したと決定したか、又は、前記トリガにより前記棒付き飴が音声伝達対象の口腔内部に入ったか又は歯に接触したと決定すると、前記発声部材を駆動して振動信号を発生させて、前記少なくとも1つの支持部及び前記棒付き飴により、前記振動信号を前記音声伝達対象の聴覚システムに伝導するステップと、を含む、
ことを特徴とする骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【請求項37】
前記トリガはセンサを備え、
前記コントローラは、前記センサに基づいて前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる、
ことを特徴とする請求項36に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【請求項38】
前記センサに圧力センサが含まれる場合、前記コントローラは、前記圧力センサによって感知された前記棒付き飴が接触されて発生する圧力変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる、
ことを特徴とする請求項37に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【請求項39】
前記センサに光センサが含まれる場合、前記コントローラは、前記光センサによって感知された前記棒付き飴周囲の光線変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる、
ことを特徴とする請求項
37または38に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【請求項40】
前記センサは、温度センサ、湿度センサ及び容量センサのうちの1つ又はいくつかを含む場合、前記コントローラは、前記温度センサ、湿度センサ及び/又は容量センサによって感知された前記棒付き飴周囲の温度、湿度及び/又は静電容量の変化に応じて、前記発
声部材をトリガして振動信号を発生させる、
ことを特徴とする請求項
37~請求項39のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【請求項41】
前記コントローラは、前記圧力センサに基づいて前記人の口腔内の歯が予め設定された間隔範囲内で棒付き飴に接触する回数が予め設定された回数に達することを認識すると、前記予め設定された回数に対応する操作モードを用いて、音源を操作する、
ことを特徴とする請求項38に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【請求項42】
前記操作モードには、
早送り操作、早戻し操作、次のオーディオ番組にジャンプする操作、前のオーディオ番組にジャンプする操作、予め設定された音量を小さくする操作及び予め設定された音量を大きくする操作のうちの1つ又はいくつかが含まれる、
ことを特徴とする請求項41に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【請求項43】
前記コントローラは、前記圧力センサに基づいて前記棒付き飴に接触する圧力の変化範囲が予め設定された閾値範囲より大きいことを認識すると、音源の音量を小さくする、
ことを特徴とする請求項38に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【請求項44】
前記方法は、
前記コントローラは、前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記タイマーで前記棒付き飴が口腔内にある時間を記録するステップと、
前記コントローラは、前記タイマーによって記録された前記棒付き飴が口腔内にある時間に基づいて、前記棒付き飴の溶け程度を決定して、前記溶け程度に応じて音源の音量の大きさを調整するステップと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項36~請求項43のいずれか1項に記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、骨伝導技術の分野に関し、特に、骨伝導による発声可能な棒付き飴、処理方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
人々の物質面での生活水準の向上に伴って、従来の飴と異なる新規飴--発声可能な棒付き飴が次第に登場した。発声可能な棒付き飴は、一般に、元の棒付き飴の棒の代わりに発声可能な棒状取っ手を用いる。飴本体が棒状取っ手の一端に直接くっつき、発声部位が棒状取っ手の他端に位置する。
【0003】
従来の発声可能な棒付き飴のスピーカーは、一般のホーンであり、再生される音声は使用者及びその周囲の全ての人に聞こえられ、周囲の人に迷惑かけやすく、使用者自身のプライバシーの保護にも不利であり、それにより、該当する製品のレベルが低くなり、ユーザ体験が悪い。
【0004】
既存の骨伝導発声技術を発声可能な棒付き飴に直接適用する場合、周波数領域が狭く、歪みが高く、低周波及び高周波の減衰が大きく、電力消費が高いなどの既存の骨伝導振動発声部材の欠陥が顕著である。従来のエアホーンは、異なる周波数特性を有するホーンを追加することにより、空間ホーンによるサラウンドカバーネットワークを形成することにより上記の問題を解決し、即ち、高音と低音の複数のホーンでステレオサラウンドを形成して、音質を向上させる。しかし、同じ手段を骨伝導により発声可能な棒付き飴に適用する場合、棒付き飴の体積及び取り付け空間に大きく制約され、骨伝導型発声部材の数の増加により棒付き飴の体積及び重量が大きく増加し、さらには、棒付き飴を口に入れることができなくなり、棒付き飴を口に入れることができないと、骨伝導機器の音漏れも深刻になり、したがって、骨伝導を利用して発声する意味を失い、最終的には、骨伝導による発声可能な棒付き飴の音質が悪いという問題につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
口に入れることができる骨伝導による発声可能な棒付き飴の音質をいかに向上させ、発声可能な棒付き飴の体積が大きすぎ、重量が重すぎるようになることを回避するということが、本発明が解決しようとする技術的問題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本発明の実施例では、骨伝導による発声可能な棒付き飴を提供し、前記骨伝導による発声可能な棒付き飴は、ハウジング、トリガ、コントローラ及び発声部材を備え、
前記ハウジングは、前記棒付き飴を支持するための支持部を少なくとも1つ含み、
前記コントローラは、前記トリガが受信した開始命令に応じて、又は、前記トリガが、前記棒付き飴が音声伝達対象の口腔内部に入ったか又は歯に接触したと決定すると、前記発声部材を駆動して振動信号を発生させて、前記少なくとも1つの支持部及び前記棒付き飴により、前記振動信号を前記音声伝達対象の聴覚システムに伝導するために用いられる。
【0007】
1つの可能な設計では、前記トリガはセンサを備え、
前記コントローラは、具体的には、前記センサに基づいて前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる。
【0008】
選択可能に、前記センサが圧力センサを含み、前記コントローラは、具体的には、前記圧力センサによって感知された前記棒付き飴が接触されて発生する圧力変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる。
【0009】
選択可能に、前記センサは光センサを含み、前記コントローラは、具体的には、前記光センサによって感知された前記棒付き飴周囲の光線変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる。
【0010】
選択可能に、前記センサは、温度センサ、湿度センサ及び容量センサのうちの1つ又はいくつかの組合せを含み、
前記コントローラは、具体的には、前記温度センサ、湿度センサ及び/又は容量センサによって感知された前記棒付き飴周囲の温度、湿度及び/又は静電容量の変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる。
【0011】
1つの可能な設計では、前記コントローラは、さらに、前記圧力センサに基づいて前記人の口腔内の歯が予め設定された間隔範囲内で棒付き飴に接触する回数が予め設定された回数を達成することを認識すると、前記予め設定された回数に対応する操作モードを用いて、音源を操作するために用いられる。
【0012】
選択可能に、前記操作モードには、
早送り操作、早戻し操作、次のオーディオ番組にジャンプする操作、前のオーディオ番組にジャンプする操作、予め設定された音量を小さくする操作及び予め設定された音量を大きくする操作のうちの1つ又はいくつかが含まれる。
【0013】
さらに選択可能に、前記コントローラは、さらに、前記圧力センサに基づいて前記棒付き飴に接触する圧力の変化範囲が予め設定された閾値範囲より大きいことを認識すると、音源の音量を小さくするために用いられる。
【0014】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴は、タイマーをさらに備え、
前記コントローラは、さらに、前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記タイマーで前記棒付き飴が口腔内にある時間を記録するために用いられ、
前記コントローラは、さらに、前記タイマーによって記録された前記棒付き飴が口腔内にある時間に基づいて、前記棒付き飴の溶け程度を決定して、前記溶け程度に応じて音源の音量の大きさを調整するために用いられる。
【0015】
1つの可能な設計では、前記ハウジングは、前記支持部に接続される柄状部をさらに備え、
前記発声部材は前記支持部に設置され、前記コントローラは前記柄状部に設置される。
【0016】
選択可能に、前記柄状部は、接続区間、システム区間及び柄状部の内部空洞の壁に付着された音漏れ防止構造又は音漏れ防止材料を含み、
前記接続区間は、一端が前記支持部に接続され、他端が前記システム区間に接続され、前記コントローラは前記システム区間に設置される。
【0017】
選択可能に、前記発声部材は、外部構造、及び前記外部構造に収容されている少なくとも1つのエネルギー変換ユニットを含む。
【0018】
1つの可能な設計では、前記エネルギー変換ユニットは、前記外部構造に接続される受電素子、及び前記受電素子の作用範囲内にある振動素子を備える。
【0019】
選択可能に、前記エネルギー変換ユニットの数が少なくとも1つである場合、
各々の前記エネルギー変換ユニットにおける前記受電素子は1つの第1磁性体を含み、前記振動素子は1つの第2磁性体又は2つの第2磁性体を含み、
又は、
各々の前記エネルギー変換ユニットにおける前記受電素子は2つの第1磁性体を含み、前記振動素子は1つの第2磁性体を含む。
【0020】
選択可能に、前記第1磁性体又は前記第2磁性体は、少なくとも1つの磁石及び/又は少なくとも1つのコイルを含む。
【0021】
1つの可能な設計では、前記エネルギー変換ユニットは、さらに、前記受電素子と前記振動素子との接続を実現するための弾性素子を備える。
【0022】
1つの可能な設計では、前記エネルギー変換ユニットの数が少なくとも1つである場合、各々の前記エネルギー変換ユニットにおける前記受電素子は1つの振動板を含み、前記振動素子は少なくとも1つの圧電シートを含む。
【0023】
選択可能に、エネルギー変換ユニットの各々について、1つの前記圧電シートは前記振動板の中間に付着され、他の前記圧電シートはそれぞれ前記振動板の側辺に付着される。
【0024】
1つの可能な設計では、前記エネルギー変換ユニットの数が少なくとも2つである場合、前記外部構造には少なくとも2つの収容室がさらに設置されていることにより、前記収容室の各々に前記エネルギー変換ユニットを1つ収容することを実現する。
【0025】
1つの可能な設計では、前記コントローラは、具体的には、取得した音源のタイプ及び前記エネルギー変換ユニットに対応する周波数応答範囲に基づいて、前記発声部材における全部又は一部のエネルギー変換ユニットを駆動して振動信号を発生させるために用いられる。
【0026】
選択可能に、前記エネルギー変換機器の各々に対応する周波数応答範囲はいずれも異なる。
【0027】
選択可能に、前記エネルギー変換ユニットの各々は、少なくとも1つの異なる周波数応答範囲を含む。
【0028】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴では、前記トリガがスイッチ素子を備え、前記コントローラは、具体的には、前記スイッチ素子の開始に基づいて、前記開始命令を受信したと決定すると、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるために用いられる。
【0029】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴は、前記コントローラ及び発声部材に電気を供給するための電源部材をさらに備える。
【0030】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴は、少なくとも1つの表示灯をさらに備え、
前記コントローラは、具体的には、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させるとともに、前記少なくとも1つの表示灯を起動するために用いられる。
【0031】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴は、少なくとも1つの発光装置をさらに備え、
前記コントローラは、具体的には、音源のタイプ及び/又は前記振動信号の強弱に応じて、前記少なくとも1つの発光装置をトリガして少なくとも1種の色及び/又は光強度を有する光を発光させるために用いられる。
【0032】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴は、さらに、音源データを記憶するためのメモリユニットを備える。
【0033】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴は、さらに、有線方式及び/又は無線方式で外部機器によって送信される音源を受信するためのデータ入力インターフェースを備える。
【0034】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴は、前記データ入力インターフェースには、USBインターフェース、eSATAインターフェース、SDカードインターフェース、Micro SDカードインターフェース、オーディオ入力インターフェース、ビデオ入力インターフェース、Wi-Fiインターフェース、ブルートゥース(登録商標)インターフェース、金属電極及びマイクロフォンのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0035】
1つの可能な設計では、上記のいずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴は、さらに、外部機器との通信接続を確立して、前記外部機器と検証インタラクション処理を行うための認識チップを備えることを特徴とする。
【0036】
第2態様では、本発明の実施例は、骨伝導による発声可能な棒付き飴システムを提供し、上記のようないずれか1つの骨伝導による発声可能な棒付き飴と、前記骨伝導による発声可能な棒付き飴を担持する機器と、を備える。
【0037】
1つの可能な設計では、前記機器は、前記骨伝導による発声可能な棒付き飴を収容する収容ボックスと、前記収容ボックスの内部に設置される、骨伝導による発声可能な棒付き飴を搬送する搬送装置と、前記収容ボックスの外部の片側に設置される出口と、前記収容ボックスの内部に設置される制御装置と、前記収容ボックスの外部の片側に設置されるインタラクション用の表示スクリーンと、を備え、
前記制御装置は、前記インタラクション用の表示スクリーンに基づいて棒付き飴要求命令を取得した場合、前記搬送装置をトリガして前記収容ボックスから前記棒付き飴要求命令にマッチングする骨伝導による発声可能な棒付き飴を取り出して、前記マッチングする骨伝導による発声可能な棒付き飴を前記出口まで搬送するにため用いられる。
【0038】
1つの可能な設計では、前記機器は、前記骨伝導による発声可能な棒付き飴を収容する収容ボックスと、前記収容ボックスの内部に設置される、骨伝導による発声可能な棒付き飴を搬送する搬送装置と、前記収容ボックスの外部の片側に設置される出口と、前記収容ボックスの内部に設置される制御装置と、インタラクション用の操作レバー装置とを備え、
前記制御装置は、前記インタラクション用の操作レバー装置に基づいて棒付き飴要求命令を取得した場合、前記搬送装置をトリガして前記収容ボックスから前記棒付き飴要求命令にマッチングする骨伝導による発声可能な棒付き飴を取り出して、前記マッチングする骨伝導による発声可能な棒付き飴を前記出口まで搬送するために用いられる。
【0039】
選択可能に、前記機器は記録装置をさらに備え、前記制御装置は、具体的には、取得した情報記録要求に応じて、前記情報記録要求における記録対象情報を前記骨伝導による発声可能な棒付き飴内のメモリに記録するために用いられる。
【0040】
1つの可能な設計では、前記記録対象情報は、記録対象音楽、記録対象音声及び記録対象電子チケットのうちの1つ又はいくつかの組合せを含む。
【0041】
第3態様では、本発明の実施例は、骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法を提供し、前記方法は、上記の第1態様のいずれか1つに記載される骨伝導による発声可能な棒付き飴に適用され、前記方法は、
前記コントローラは、前記トリガにより開始命令を受信するか、又は、前記トリガにより前記棒付き飴が音声伝達対象の口腔内部に入ったか否か、又は歯に接触したか否かを決定するステップと、
前記コントローラは、前記開始命令を受信したと決定したか、又は、前記トリガにより前記棒付き飴が音声伝達対象の口腔内部に入ったか又は歯に接触したと決定すると、前記発声部材を駆動して振動信号を発生させて、前記少なくとも1つの支持部及び前記棒付き飴により、前記振動信号を前記音声伝達対象の聴覚システムに伝導するステップと、を含む。
【0042】
選択可能に、前記コントローラは、前記センサに基づいて前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる。
【0043】
1つの可能な設計では、上記のいずれかに記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法は、前記センサに圧力センサが含まれる場合、前記コントローラは、前記圧力センサによって感知された前記棒付き飴が接触されて発生する圧力変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる。
【0044】
1つの可能な設計では、上記のいずれかに記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法は、前記センサに光センサが含まれる場合、前記コントローラは、前記光センサによって感知された前記棒付き飴周囲の光線変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる。
【0045】
1つの可能な設計では、上記のいずれかに記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法は、前記センサは、温度センサ、湿度センサ及び容量センサのうちの1つ又はいくつかの組合せを含む場合、前記コントローラは、前記温度センサ、湿度センサ及び/又は容量センサによって感知された前記棒付き飴周囲の温度、湿度及び/又は静電容量の変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる。
【0046】
選択可能に、前記コントローラは、前記圧力センサに基づいて前記人の口腔内の歯が予め設定された間隔範囲内で棒付き飴に接触する回数が予め設定された回数を達成することを認識すると、前記予め設定された回数に対応する操作モードを用いて、音源を操作する。
【0047】
選択可能に、前記操作モードには、
早送り操作、早戻し操作、次のオーディオ番組にジャンプする操作、前のオーディオ番組にジャンプする操作、予め設定された音量を小さくする操作及び予め設定された音量を大きくする操作のうちの1つ又はいくつかが含まれる。
【0048】
1つの可能な設計では、前記コントローラは、前記圧力センサに基づいて前記棒付き飴に接触する圧力の変化範囲が予め設定された閾値範囲より大きいことを認識すると、音源の音量を小さくする。
【0049】
1つの可能な設計では、上記のいずれかに記載の骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法は、
前記コントローラは、前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記タイマーで前記棒付き飴が口腔内にある時間を記録するステップと、
前記コントローラは、前記タイマーによって記録された前記棒付き飴が口腔内にある時間に基づいて、前記棒付き飴の溶け程度を決定して、前記溶け程度に応じて音源の音量の大きさを調整するステップと、をさらに含む。
【0050】
本発明は、骨伝導による発声可能な棒付き飴、処理方法及びシステムを提供し、当該骨伝導による発声可能な棒付き飴は、ハウジング、トリガ、コントローラ及び発声部材を備え、発声部材とコントローラ及びトリガとはハウジングによって形成されるパッケージ空洞に集積され、発声部材の単独のパッケージを省略し、ハウジングの支持部が人の口腔に入ると、トリガがコントローラに開始命令を送信し、コントローラが発声部材を駆動して振動させ、振動信号は、ハウジングの支持部及び支持部に付着されている可食物を介して、人の口腔組織又は歯により、骨伝導の方式で人の聴覚システムに伝達され、既存の骨伝導で発声する棒付き飴に比べて、従来の発声構造のパッケージ用のハウジングを省略又は減少し、それにより、骨伝導型発声部材は、構造が簡単で、集積度が高く、骨伝導による発声可能な棒付き飴の小型化を達成し、且つ機器の音質損失が低減されることにより、音質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本発明の実施例又は既存技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は既存技術の記述に使用する必要のある図面について簡単に紹介するが、以下に記述した図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者であれば、創造的な労力なしに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることは明らかである。
【
図1】本発明の一実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴の概略構造図である。
【
図2】本発明の別の実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴の概略構造図である。
【
図3】本発明の別の実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴の概略構造図である。
【
図4a】本発明の各実施例における発声部材内のエネルギー変換ユニットの様々な実現形態の概略図である。
【
図4b】本発明の各実施例における発声部材内のエネルギー変換ユニットの様々な実現形態の概略図である。
【
図4c】本発明の各実施例における発声部材内のエネルギー変換ユニットの様々な実現形態の概略図である。
【
図4d】本発明の各実施例における発声部材内のエネルギー変換ユニットの様々な実現形態の概略図である。
【
図4e】本発明の各実施例における発声部材内のエネルギー変換ユニットの様々な実現形態の概略図である。
【
図5】本発明の一実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムの概略構造図である。
【
図6】本発明の別の実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムの概略構造図である。
【
図7】本発明の別の実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムの概略構造図である。
【
図8】本発明の一実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の明確な実施例を上記の図面により明確に示したが、後で、より詳細に記述する。これらの図面及び文字の記述は、本発明の構想の範囲をいかなる方式で制限するためのものではなく、特定の実施例を参照して本発明の概念を当業者に説明するためのものである。
【0053】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下では、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に記述するが、明らかに、記述された実施例は、本発明の全ての実施例のではなく、実施例の一部である。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得た他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0054】
本発明の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記の図面における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語(存在する場合)は、類似するオブジェクトを区別するためのものであり、特定の順序又は優先順位を説明するために使用される必要はない。このように使用されるデータは、適切な状況で交換することができるため、本明細書に記載の本発明の実施例は、例えば本明細書に図示又は記載された順序以外の順序で実施されてもよいことを理解されたい。さらに、「含む」及び「有する」という用語、並びにそれらのいかなる変形は、非排他的に含むことを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明確に列挙されたステップ又はユニットに限定されず、明確に列挙されていないか、又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよいことを理解されたい。
【0055】
以下、本発明の技術的解決手段及び本願の技術的解決手段で上記技術的問題をどのように解決するかを具体的な実施例で詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施例は、互いに組み合わせてもよく、同じ又は類似する概念又はプロセスについて、いくつかの実施例では、その説明を省略する。以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について記述する。
【0056】
既存技術における骨伝導による発声可能な棒付き飴は、周波数領域が狭く、歪みが高く、低周波及び高周波の減衰が大きく、電力消費が高いなどの既存の骨伝導振動発声部材の欠陥に制約され、それに既存の骨伝導振動発声部材はいずれも独立パッケージであるため、パッケージ用のハウジングを1層有し、棒付き飴の棒体自体にも1層の外観のケースがあり、これにより、振動の伝達経路が増加し、即ち、パッケージ用のハウジングにより振動の周波数領域内の一部の周波数を損失し、それにより、音質が低下する。そして、パッケージ用のハウジングが存在するため、既存の骨伝導による発声可能な棒付き飴は骨伝導型発声機器を複数設置することにより音質を向上させることができるが、必要な機器の数、体積及び重量が大幅に増加し、さらには、ユーザが棒付き飴を口に入れにくくなるまで体積が増加して、口に入れることができず、骨伝導による発声可能な棒付き飴の音漏れが深刻になり、音質に影響を与えるだけでなく、ユーザのプライバシーを保護するにも不利である。
【0057】
本実施例は、上記の技術的問題に基づいて、骨伝導に基づいて発声する統合型棒付き飴を提供し、統合型骨伝導型発声機器の利用により、棒付き飴の元の体積をある程度維持するだけでなく、音質の効果を向上させることもでき、ユーザが口に入れやすくなるとともに、音質を効果的に向上させる。
【0058】
図1は、本発明の一実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴の概略構造図である。
図1に示すように、本実施例の骨伝導による発声可能な棒付き飴は、ハウジング1、ハウジング1内に設置される発声部材5、コントローラ2及びトリガ21を備える。ハウジング1は、口に入れることに適する支持部11を少なくとも1つ含み、支持部11は、可食物7を支持するために用いられる。
【0059】
選択可能に、発声部材5は、少なくとも1つの受電素子3及び少なくとも1つの振動素子4を含み、コントローラ2はワイヤを介して受電素子3に電気的に接続され、ユーザがトリガ21により開始命令を送信し、
又は、棒付き飴がユーザの口腔に入ったことがトリガ21によって検出された場合、コントローラ2は、トリガ21によって送信される開始命令を受信して、音声情報を含む電気信号を少なくとも1つの受電素子3に伝送し、受電素子3は、当該電気信号に励起されて変化する磁場が発生し、振動素子4が駆動されて振動信号を生成し、振動信号は、ハウジング1を介して可食物7に伝達され、当該振動信号は、骨伝導の方式で聴覚システムまで伝導されるのに適する。可食物7又は支持部11が人の口腔又は歯に接触すると、振動信号は、ハウジング1及び可食物7を介して人の口腔の筋肉組織又は歯及び骨格に伝達され、続いて、人の聴覚システムに伝達され、即ち、振動信号は、骨伝導の方式で聴覚システムに伝導され、振動信号は、直接ハウジング1を介して骨伝導の方式で聴覚システムに伝導されることもできる。
【0060】
なお、本実施例に説明されるユーザは、人であっても、犬又は猫などの口腔を有する他の動物であってもよく、本実施例では、使用者について限定しなく、本実施例及び後の例において、主に、当該骨伝導で発声する棒付き飴を人に適用することを例として詳細に説明する。
【0061】
図2は、本発明の別の実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴の概略構造図である。
図2に示すように、本実施例において、ハウジング1は柄状部12をさらに備え、支持部11は柄状部12と一体に接続され、さらに選択可能に、柄状部は、接続区間121、システム区間122、及び柄状部の接続区間121の内壁に付着されている音漏れ防止構造又は音漏れ防止材料121aを含み、接続区間121の一端は支持部11に接続され、他端はシステム区間122に接続される。コントローラ2は、システム区間内に設置され、コントローラ2は、電線が接続区間121を通ることにより、支持部11内の発声部材5のうちの受電素子3に接続され、それにより、コントローラ2が電気信号を受電素子3に伝達することを実現する。
【0062】
このような分散配置は、支持部11の体積をさらに縮小することができるか、又は受電素子及び振動素子の数を増やすために支持部11の空間をより大きくすることができ、それにより、振動周波数特性の周波数領域範囲を広げ、音質を向上せる。音漏れ防止構造又は音漏れ防止材料121aで、支持部が振動する際に、振動を柄状部に伝達して、音漏れになることを回避でき、それにより骨伝導型棒付き飴の音質を向上させ、さらに、ユーザのプライバシーを保護するとともに、周囲環境への干渉も回避する。
【0063】
なお、本実施例の発声部材5と従来の骨伝導型発声機器における発声構造との相違点は、従来の発声構造は、発声構造にパッケージ役割を果たす独立のハウジングを有し、骨伝導型発声機器の音質を改善する既存の技術手段は、周波数域の異なる発声構造の数を増やすものであるが、従来の発声構造は、いずれも単独でパッケージするものであるため、ハウジングが占める体積及び重量が幾何学的に増加し、それに応じて生産コストも増加し、且つ、パッケージ用のハウジングによって振動の伝達距離が増加するため、振動信号が減衰し、即ち、音声に音質の損失が発生することである。
【0064】
選択可能に、上記の実施例に説明された発声部材5は、振動を発生できる関連アクチュエータ素子を含み、本願の発明者らは、実践中に創造的な検討を通じて、発声構造5のパッケージ形態は、複数の振動アクチュエータ素子を一体に集積してパッケージする形態であってもよいし、骨伝導による発声可能な棒付き飴のハウジング1に依存してパッケージを実現し、即ち、発声部材5をハウジング1によって形成される空洞13に嵌め込む形態であってもよいし、又は、ハウジング1で発声部材5を包む形態であってもよく、発声部材5のパッケージは、コントローラ2とパッケージを共用し、即ち、発声部材5をコントローラ2と一体に集積する形態であってもよく、発声部材5のパッケージは、コントローラ2及びハウジング1と集積されて1つのパッケージ全体になり、
図1に示すように、3つの部材をハウジングによって形成される空洞13に集積する形態であってもよいことを発見した。
【0065】
本実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴は、ハウジング、トリガ、コントローラ及び発声部材を備え、発声部材とコントローラ及びトリガとはハウジングによって形成されるパッケージ空洞に集積され、発声部材の単独のパッケージを省略し、ハウジングの支持部が人の口腔に入ると、トリガがコントローラに開始命令を送信し、コントローラが発声部材を駆動して振動させ、振動信号は、ハウジングの支持部及び支持部に付着されている可食物を介して、人の口腔組織又は歯により、骨伝導の方式で人の聴覚システムに伝達され、既存の骨伝導で発声する棒付き飴に比べて、従来の発声構造のパッケージ用のハウジングを省略又は減少し、それにより、骨伝導型発声部材は、構造が簡単で、集積度が高く、骨伝導による発声可能な棒付き飴の小型化を達成し、且つ機器の音質損失が低減されることにより、音質を向上させる。
【0066】
図3は、本発明の別の実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴の概略構造図である。
図3に示すように、本実施例において、可食物7は、飴、チョコレート、歯磨き棒、干し肉などの食物を含み、医薬品であってもよく、食物7は、2種以上の異なる可食性物質からなるものであってもよい。
【0067】
選択可能に、可食物7は、振動信号の伝導に適する剛性材料又は硬度の高いコロイド材料である。コロイド材料とは、寒天などの、一定の形態を維持可能な半固体のゲル材料を指す。
【0068】
可能な一実施形態において、可食物7は、液体の芯を有してもよく、具体的には、
図3に示すように、可食物7は外層71及び内層72を含み、外層71は内層72の外側を覆う。内層72は、例えば液体シロップ又は他の流動性可食物などの液体材料であってもよく、外層71は、歯と接触して振動信号を伝導するのに適するとともに、液体状態の内層72の流出を防止できる剛性材料又は硬いコロイド材料であってもよい。内層72の液体材料には、溶液、懸濁液及び乳濁液が含まれる。
【0069】
選択可能に、骨伝導による発声可能な棒付き飴は、10分間などの予め設定された発声時間を有し、可食物7の量は、当該予め設定された発声時間を維持するのに十分であり、それにより、音声情報が再生されるときには可食物7がまだ完全に食べられていなく、ユーザは、骨伝導による発声可能な棒付き飴の使用中に、食物の美味しさを楽しむだけでなく、音楽の素敵さも体験し、ユーザの快感と使用体験を向上させる。
【0070】
また、本実施例において、トリガ21(図示せず)はセンサをさらに含むことができ、センサは、骨伝導による発声可能な棒付き飴の使用環境を検出することにより、該当するトリガ信号である開始命令を発生でき、コントローラ2は、開始命令に応じて発声部材を駆動して振動させることができる。
【0071】
選択可能に、センサは、圧力センサ、光センサ、温度センサ、湿度センサ及び容量センサのうちの1つ又はいくつかを含む。
【0072】
1つの可能な設計では、センサが圧力センサである場合、ユーザは棒付き飴を口に入れ、歯で棒付き飴を噛むと、可食物7が圧力をハウジング1に伝達し、それにより、ハウジング1に付着されている圧力センサによって応力変化が検出され、電気信号である開始命令を生成する。
【0073】
選択可能に、ユーザは、歯が予め設定された時間間隔内で棒付き飴のハウジング1又は可食物7に接触する回数が予め設定された回数に達し、この場合、圧力センサがユーザの上記行為を検出して、接触を電気信号に変換してコントローラ2に伝達し、コントローラ2は、予め設定されたモード判定条件に応じて、対応する操作モードに入って、音源を操作する。例えば、ユーザは、2秒以内に歯で可食物7を連続的に噛み合わせて叩いて、圧力センサによって2回の圧力変化が検出されると、コントローラ2は、次の音楽を自動的に再生する。
【0074】
上記の操作モードには、早送り操作、早戻し操作、次のオーディオ番組にジャンプする操作、前のオーディオ番組にジャンプする操作、予め設定された音量を小さくする操作及び予め設定された音量を大きくする操作が含まれることは理解できる。当業者は、具体的な状況に応じて、操作モード及びそれに対応するトリガ条件を設定することができ、類似する操作について、本発明では詳細な説明を省略し、即ち、本発明では、操作モードの範囲を具体的に限定しない。
【0075】
選択可能に、ユーザは、棒付き飴に接触する圧力の大きさを変えることにより、該当する操作モードを変えることもでき、コントローラ2は、圧力センサにより圧力の変化範囲が予め設定された閾値範囲より大きい/小さいことを検出した場合、予め設定された圧力閾値に応じて、該当する操作モードを用いて、音源を操作する。例えば、ユーザが可食物7を食べ終わる頃に、骨伝導の振動は、伝導距離が短くなることにより、より多くの振動エネルギーを伝達し、それによりユーザは音量が大きくなったと感じ、この場合、ユーザは、骨伝導型棒付き飴の支持部11を強く噛むことができ、圧力センサが、圧力値が予め設定された圧力閾値より大きいことを検出して、この信号をコントローラ2に伝達し、コントローラがユーザの予め設定する意図を認識して、音源の音量を小さくし、即ち、発声部材5の振動強度が低下するように制御して、音量の低下を実現する。
【0076】
別の可能な設計では、センサが光センサである場合、ユーザが棒付き飴を口に入れ、光センサによって周囲の明るさが変化したことが検出され、電気信号である開始命令を生成し、コントローラ2は開始命令に応じて、音源に対して該当する操作を取る。
【0077】
別の可能な設計では、センサは、温度センサ、湿度センサ及び容量センサのうちの1つ又はいくつかの組合せを含み、口腔の温度が外部環境より高く、口腔の湿度も外部と異なり、且つ口腔内の皮膚の体液も静電容量の変化を引き起こすため、口腔のこれらの特徴を利用して骨伝導型棒付き飴がユーザに使用されているか否かを検出し、それにより、自動開始の機能を実現し、ユーザの体験感を向上させる。
【0078】
当業者は、上記のセンサを組み合わせて使用してもよく、こうすると、判断の複雑さを増加することができ、それにより、ユーザが骨伝導による発声可能な棒付き飴を使用する場合、ユーザの使用意図に対する判断の正確性を向上させることは理解できる。
【0079】
さらに、上記の実施例を基に、本発明の別の実施例において、骨伝導による発声可能な棒付き飴は、タイマーをさらに備えることができる。ユーザが棒付き飴を口腔内に置くか、又は棒付き飴を噛む場合、センサによってユーザの動作が検出され、コントローラ2は、センサによりユーザが棒付き飴を使用していることを認識すると、タイマーに計時を開始することを指示し、可食物7は、口内にある時間が経つのにつれて溶け続けるため、コントローラ2は、タイマーによって記録された時間に応じて棒付き飴の溶け程度を予備判断することができ、これに応じて、音源の音量の大きさを調整する。こうすると、棒付き飴は、音量の大きさを自動的に調整する機能を実現することができ、ユーザの体験感及び製品のレベルを向上させる。
【0080】
本発明の別の実施例において、コントローラ2は、メモリをさらに含んでもよく、音声情報はメモリに予め記憶されてもよく、コントローラ2は予め記憶されている音声情報を該当する電気信号に変換して、対応する発声部材5に伝送する。メモリは、情報の記憶に適するとともに、コントローラが情報を取得しやすいいずれのデバイスであり得、半導体メモリや磁気表面メモリなどを含む。
【0081】
選択可能に、コントローラ2は、外部機器との通信接続を確立するとともに、外部機器と検証インタラクション処理を行うための認識チップをさらに備えることができる。
【0082】
本実例において、ユーザが購入した棒付き飴を持ってある場所に入ると、当該棒付き飴に設置された認識チップを介して外部機器、即ち当該場所の検証機器と通信接続を確立し、次に、無線周波数認識(Radio Frequency Identification、RFID)技術又は他の方式を用いて認識チップ内の電子チケットを検証することにより、ユーザがチケットを別途に持つ必要がなくなり、さらに棒付き飴の使用率を効果的に向上させ、即ち、食べながら、自分が必要とする音声データを聞くことができるだけでなく、出入の証明としても使用できる。
【0083】
選択可能に、コントローラ2は、有線方式及び/又は無線方式で外部機器によって送信される音声情報を受信するためのデータ入力インターフェースをさらに含んでもよく、コントローラは外部機器によって送信される音声情報を該当する電気信号に変換して、対応する発声部材5に伝送し、発声部材5を駆動して振動させる。
【0084】
ここで、当該データ入力インターフェースには、USBインターフェース、eSATAインターフェース、SDカードインターフェース、Micro SDカードインターフェース、オーディオ入力インターフェース、ビデオ入力インターフェース、Wi-Fiインターフェース、ブルートゥース(Bluetooth)インターフェース、金属電極、声情報を含む電気信号の受信に適するマイクロフォン等、無線電波、磁気信号、光信号などのインターフェースが含まれ、データ入力インターフェースは、以上のインターフェースのうちの1つを含んでもよく、複数のインターフェースの組合せであってもよい。
【0085】
即ち、コントローラ2は、発声部材5を駆動するために、メモリに記憶されている音声情報又はデータ入力インターフェースから取得した音声情報を該当する電気信号に変換することができる。
【0086】
なお、受電素子3は、複数の方式で振動素子4を駆動して振動させることができ、コントローラ2によって送信された電気信号を振動信号に変換する過程において、受電素子3と振動素子4との間のエネルギー形態は、様々な形態であり得、磁場エネルギー、熱エネルギー、機械エネルギーなどを含む。受電素子3及び振動素子4は、互いに協働して、音声情報を含む電気信号を対応する振動信号に変換できる部材であり得る。
【0087】
また、本発明の上記の実施例における発声部材5は、様々な実現形態があり、以下では、発声部材5の構造について詳細に説明する。
【0088】
図4a~4eは、本発明の各実施例における発声部材内のエネルギー変換ユニットの様々な実現形態の概略図である。
図4aに示すように、可能な一実施形態において、発声部材5は、少なくとも1つの受電素子及び少なくとも1つの振動素子を含み、
図4aにおける受電素子は第1コイル31であり、振動素子は磁石41であるが、受電素子及び振動素子の具体的な形態は、これらに限定されない。
【0089】
なお、本実施例の磁石41は、コイルからなる磁性体であってもよいし、コイル及び磁石の両方からなる磁性体であってもよい。同様に、第1コイル31は、コイル及び/又は磁石からなる磁性体であってもよい。本願において、磁性体とは、磁場が発生することができるコンポーネント、又は磁場が発生することができる構造モジュールを指し、下記の実施形態に言及される磁石及びコイルは、いずれにも類似する実施形態があり得るため、ここで説明し、以下では、その説明を省略する。本発明では、磁性体の具体的な形態を限定せず、磁場を発生できるコンポーネントであれば、いずれも本発明に記述された磁性体の範囲に属する。
【0090】
第1コイル31及び磁石41によってエネルギー変換ユニット51が1セット形成され、エネルギー変換ユニット51は、コントローラ2(図示せず)によって送信される電気信号に応じて振動信号を生成する。受電素子及び振動素子がいずれも決定された素子である場合、これに応じて、エネルギー変換ユニット51の周波数応答特性が決定され、発声部材は1つの固定の周波数応答曲線を有する。本実施例において、エネルギー変換ユニット51の作用は、第1コイル31で電気エネルギーを磁場に変換することであり、通電された第1コイル31には磁場が発生し、磁石41と磁力効果が発生することにより、磁石41は機械的な接続により支持部11に圧力を加え、支持部11に変形が発生し、電気信号で磁場の強弱を調整し、それにより変形量も変化し、支持部11が磁石41とともに振動し、それにより、コントローラ2によって送信される電気信号の音声情報付きの振動信号への変換を実現し、即ち、振動発声を実現する。
【0091】
選択可能に、エネルギー変換ユニット51は、さらに、支持部11に接続される少なくとも1つの弾性構造又は弾性素子6を含むことができ、振動素子で発生した振動信号を支持部11に伝導し、弾性素子又は弾性構造6は、ばねやゴムブロックなどを含み、弾性素子又は弾性構造6の具体的な形態、構造、材料などのパラメータを調整することにより、該当するエネルギー変換ユニット51の周波数応答特性を調整することができる。
【0092】
図4b~
図4eは、それぞれ本実施例の第2種類~第5種類のエネルギー変換ユニットの概略構造図である。
図4b~
図4eに示すように、選択可能な別の実施形態において、発声部材5は、少なくとも2つの受電素子及び/又は少なくとも2つの振動素子を含み、それにより、受電素子及び振動素子によってエネルギー変換ユニットが少なくとも2セット形成され、各エネルギー変換ユニットは、コントローラ2(図示せず)によって送信される電気信号に応答して該当する振動信号を生成するために用いられる。エネルギー変換ユニットは少なくとも2つの受電素子を含み、且つ受電素子は第1コイルである場合、複数の第1コイルを同軸に配置しても、並列に配置しても、他の方式で設置してもよい。エネルギー変換ユニット毎に磁石及びコイルで形成される振動セットが複数セットある場合、各振動セットは、異なる周波数応答特性を有することができる。さらに選択可能に、各セットのエネルギー変換ユニット同士は、同じ周波数応答特性を有してもよいし、異なる周波数応答特性を有してもよい。複数のエネルギー変換ユニットが、2つ以上の周波数応答特性を有する場合、コントローラが異なるエネルギー変換ユニットを駆動して作動させる場合、異なる周波数応答曲線を有することができ、これにより、特定の状況に応じて特定の周波数応答特性を有する1セット又は複数セットのエネルギー変換ユニットを選択して振動させることができ、音質を顕著に向上させることが可能である。
【0093】
図4bに示すように、可能な一実施形態において、受電素子及び振動素子の数は同じであり、受電素子は振動素子と1対1に対応し、各受電素子は、それぞれコントローラ2に電気的に接続され、対応する1つの振動素子を駆動して振動させ、それによりエネルギー変換ユニットを複数セット形成する。
図4bに示す骨伝導による発声可能な棒付き飴は、2つの受電素子及び2つの振動素子を含み、2セットのエネルギー変換ユニット、即ちエネルギー変換ユニット521及びエネルギー変換ユニット522を形成し、複数セットのエネルギー変換ユニットの周波数応答特性は異なってもよく、コントローラ2は、音声情報の周波数帯域特徴に応じて、周波数応答特性に対応するエネルギー変換ユニットのうちの1セット又は複数セットを駆動して振動させることができ、具体的には、コントローラ2は共振ピークの周波数と音声情報の周波数帯域特徴とのマッチング度が最高である1セット又は複数セットのエネルギー変換ユニットに、該当する電気信号を送信する。
図4bにおいて、受電素子は第1コイル321及び第1コイル322であり、振動素子は磁石421及び磁石422であるが、受電素子及び振動素子の具体的な形態は、これに限定されない。
【0094】
別の選択可能な実施形態では、
図4cに示すように、発声部材は、少なくとも2つの振動素子を含んで、エネルギー変換ユニットを少なくとも2セット形成し、少なくとも2セットのエネルギー変換ユニットは、共用する受電素子を1つ有し、即ち、2つ以上の異なる振動素子を駆動することができる受電素子は少なくとも1つある。
図4cにおいて、受電素子は第1コイルであり、振動素子は磁石である。当然のことながら、受電素子及び振動素子は、他の素子であってもよい。
図4cに示すように、発声部材は、1つの第1コイル331及び2つの磁石431と432を含み、2つの磁石431と432は、それぞれ第1コイル331の両側に設置され、2つの磁石431と432は、何れも第1コイル331で発生した磁場の有効作用範囲内にあり、即ち、第1コイル331は磁石431を駆動することも磁石432を駆動することもでき、それによりエネルギー変換ユニットを2セット、即ちエネルギー変換ユニット531及びエネルギー変換ユニット532を形成する。当然のことながら、2つの磁石431と432は、第1コイル331の同じ側に設けられてもよい。2つの磁石431と432の重量、大きさ、材料及び第1コイル331との間の磁気エアギャップなどのパラメータは異なってもよく、それにより、2セットのエネルギー変換ユニット531、532は、異なる周波数応答特徴を有する。コントローラ2が第1コイル331に電気信号を送信するとき、2つの磁石431と432が駆動されて振動し、それにより、骨伝導による発声可能な棒付き飴によって出力される振動信号は、2セットのエネルギー変換ユニット531、532が重なった効果であるため、骨伝導による発声可能な棒付き飴の音質を向上させることができ、且つ発声部材全体の体積を減少することができる。
図4cにおける2セットのエネルギー変換ユニット531、532は1つのエネルギー変換ユニットペアを形成することができ、当業者は、実際の必要に応じて、発声部材に、
図4cに示すエネルギー変換ユニットペアを1つ又は複数設置することができる。
【0095】
別の選択可能な実施形態では、
図4d及び
図4eに示すように、発声部材は、少なくとも2つの受電素子を含んで、エネルギー変換ユニットを少なくとも2セット形成し、少なくとも2セットのエネルギー変換ユニットは、共用する振動素子を1つ有し、即ち、少なくとも2つの受電素子のそれぞれに駆動されて振動することができる振動素子は少なくとも1つあり、それにより発声部材全体の体積を減少させることができる。
図4dにおいて、受電素子は第1コイルであり、振動素子は磁石である。
図4eにおいて、受電素子は圧電シートであり、振動素子は振動板である。受電素子及び振動素子は、他の素子であってもよいことは理解できる。
【0096】
さらに選択可能に、
図4dに示すように、発声部材は、2つの第1コイル341、342及び1つの磁石44を含み、磁石44が2つの第1コイル341、342で発生した磁場の有効作用範囲内にあり、即ち、磁石44は第1コイル341によって駆動されることも、第1コイル342によって駆動されることもでき、それにより、2セットのエネルギー変換ユニット、即ちエネルギー変換ユニット541及びエネルギー変換ユニット542を形成する。当業者であれば、エネルギー変換ユニットを複数セット形成するように、1つの振動素子を共用する受電素子をより多く設置できることは理解できる。2つの第1コイル341、342は、磁石44の同じ側に設置されてもよいし、磁石44の両端にそれぞれ設置されてもよい。選択可能に、磁石44と2つの第1コイル341、342とを同軸に配置し、これは、磁石44に対するバランスのとれた駆動を容易にする。2つの第1コイル341、342の巻数、材料、及び磁石44との磁気エアギャップは異なってもよく、それにより、2セットのエネルギー変換ユニット541、542は、異なる周波数応答特徴を有する。コントローラ2は、音声情報の周波数帯域特徴に応じて、そのうちの1つの第1コイルに電気信号を送信して磁石を駆動して振動させることができる。具体的には、コントローラ2は、共振ピークの周波数と音声情報の周波数帯域特徴とのマッチング度が最高である1セットのエネルギー変換ユニットに、該当する電気信号を送信する。コントローラ2は、磁石44が2つの第1コイル341、342で発生した重なった交番磁場に駆動されるように、2つの第1コイル341、342の両方に電気信号を送信することもでき、磁石44の振幅を向上させて、音量を大きくすることができる。
図4dにおける2セットのエネルギー変換ユニット541、542は、1つのエネルギー変換ユニットペアとして形成されてもよく、当業者は、実際のニーズに応じて、発声部材に
図4dに示すエネルギー変換ユニットペアを1つ又は複数設置することができる。
【0097】
さらに選択可能に、
図4eに示すように、発声部材は、2つの振動板451、452と、6つの圧電シート351、352、353、354、355、356とを含み、そのうちの3つの圧電シート351~353は、振動板451の異なる位置に機械的に接続され、他の3つの圧電シート354~356は、別の振動板452の異なる位置に機械的に接続され、即ち、3つの圧電シートが1つの振動板を共用する。それにより、発声部材は、エネルギー変換ユニットを6セット、即ちエネルギー変換ユニット551~556を形成する。振動板は、ハウジング1に接続され、圧電シートは、電気信号に励起されて機械的変形が発生し、それに振動板が駆動されて振動信号を生成し、振動板が振動信号をハウジング1に伝導する。圧電シートのモデル、圧電シートと振動板との接続位置、及び振動板のサイズや材料などを変えることにより、各セットのエネルギー変換ユニットの周波数応答特性を調整することができ、
図4eにおける6セットのエネルギー変換ユニット551~556は、周波数応答特性が完全に異なってもよく、それにより、発声部材の周波数応答範囲をさらに広げることができる。
【0098】
上記の圧電シート的の数は、3つに限定されず、即ち、圧電シートは、少なくとも1つ設置されてもよく、本願でも、圧電シートに対して限定しないことは理解でき、当業者は、具体的な状況に応じて圧電シートの数及び各圧電シートの振動板における位置を設定することができる。
【0099】
また、上記のいずれか1つの実施例の骨伝導による発声可能な棒付き飴は、スイッチ素子をさらに含み得、ユーザは、スイッチ素子を介してスイッチ信号を入力して、この信号をコントローラに伝達することができ、スイッチ素子の実現形態は、ボタンスイッチであっても、トグルスイッチであっても、例えば感光性センサ、温度センサ、湿度センサ、音声制御センサ、容量センサ、又は少なくとも2つのこれらの組合せを含むセンサであってもよい。具体的には、ユーザが機能性構造の口に入れることができる部分を口に入れた場合、感光性センサによって周囲の光がなくなったことが検出されると、開始の命令がトリガされたと考えることができ、当然のことながら、機器を手に持っているときの誤判断を防止するために、温度及び湿度センサを増加してもよく、口腔の温度が体表の温度より高く、且つ口腔は湿潤しているため、3つの要素の組み合わせによりユーザのスイッチ要求を正確に判断することができ、それにより自動スイッチを実現する。コントローラは、スイッチ素子によって送信される開始信号に応答して、対応する1セット又は複数セットのエネルギー変換ユニットに電気信号を送信する。
【0100】
選択可能に、本実施例の骨伝導による発声可能な棒付き飴は、電源部材をさらに含み得、
図2及び
図3における電源8は、コントローラ及び発声構造に電気を供給するために用いられ、電源部材は、取り替え可能な乾電池やボタン電池であっても、充電可能な電池であっても、スーパーキャパシタであっても、腕振り及び重力の作用により機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する機械式腕時計の構造のような、振りなどの運動により機械エネルギーを電気エネルギーに変換する装置であっても、さらに、噛み合うことにより、半導体材料の異なる部位に圧力差が生じ、それにより噛み合う機械エネルギーを電気エネルギーに変換する装置であっても、太陽電池であってもよい。
【0101】
選択可能に、本実施例の骨伝導による発声可能な棒付き飴は、さらに、骨伝導型発声機器の動作状態を指示するための表示灯を少なくとも1つ含み得、例えば、コントローラが発声構造を駆動して振動信号を発生させる場合、表示灯が点灯され、発声機器が正常に動作していることを示すことができる。骨伝導型発声機器の動作状態には、発声構造の動作状態、機能性構造の動作状態、及び電源の電気量状態などが含まれる。表示灯は、骨伝導型発声機器の口に入れることができない部分に設置されてもよく、骨伝導型発声機器の動作状況を観察しやすくするとともに、装飾作用も提供することができ、ユーザの体験感を向上させる。
【0102】
選択可能に、本実施例の骨伝導による発声可能な棒付き飴は、少なくとも1つの発光装置をさらに含み得、この発光装置は、発声構造が振動して音楽信号を伝送する際に、コントローラが音源の周波数変化に応じて、発光装置から発する光の色又は発光の輝度、又は両者の組合せを変え、即ち、輝度を変えるとともに光の色も変える。発光装置は、直接発声構造振動の強弱に応じて、光の色又は発光輝度又は両者の組合せを変えることもできる。こうすると、骨伝導型発声機器に格好いい外観効果を加えることができ、ユーザの体験感を向上させる。具体的には、発光装置は、予め設定されたプログラムにしたがって点滅することもできる。発光装置は、骨伝導型発声機器の口に入れることができる部分に設置されることができ、骨伝導型発声機器の口に入れることができない部分に設置されることもできる。発光装置は、骨伝導型発声機器への設置に適する発光器具又は発光材料であり得る。発光装置の設置により、骨伝導型発声機器の面白さを向上させることができる。
【0103】
なお、ハウジング1が、振動を伝導するのに適する材料を選択して製造してもよく、又は、少なくともヘッド11及びエネルギー変換ユニットとヘッド11との間のハウジング1の一部が、エネルギー変換ユニットで発生した振動信号の伝導中の減衰を減少するように、振動信号を伝導するのに適する材料で製造されるべきである。
【0104】
ヘッド11は、口に入れることに適する形状、例えば球状、楕円球状、シート状などの形状に形成される。ヘッド11と、口に入れることができるハウジング1の他の部分とは、使用者の健康を害することを避けるために、無毒材料で製造されるべきである。好ましくは、ハウジング1全体が無毒材料で製造したものである。ハウジング1は、ヘッド11を1つ含んでもよいし、ヘッド11を複数含んでもよく、複数のヘッド11は、口の中の異なる位置と接触して、振動信号を伝導することができる。
【0105】
図2及び
図3に示すように、ハウジング1は、ヘッド11に接続される柄状部12をさらに含んでもよく、エネルギー変換ユニットは、ヘッド11に設置されてもよく、振動信号の伝導中の減衰を減少することができる。コントローラ2は、柄状部12に設置されてもよく、ヘッド11を容易に口に入れるように、ヘッド11の体積を小さくすることができ、使用中の安全性を向上させることもできる。柄状部12は、ユーザの使用中の快適さを向上させるために、ユーザが握るのに適する形状に形成されてもよい。
【0106】
また、ハウジング1の内部には、1つ又は複数の中空のキャビティ13が形成されてもよく、エネルギー変換ユニット及びコントローラ2は、中空のキャビティ13内に設置されることができる。骨伝導による発声可能な棒付き飴がエネルギー変換ユニットを複数セット含む場合、ハウジング1には、複数のキャビティ13が形成されることができ、異なるエネルギー変換ユニットは、異なるキャビティ13内に設置されることができる。
図2及び
図3に示すように、エネルギー変換ユニット及びコントローラ2は、それぞれ異なるキャビティ13内に設置されることもできる。コントローラ2を一体にハウジング1内にパッケージすることもでき、例えば射出成形によりコントローラ2の外部にハウジング1を形成し、中空のキャビティを形成せず、コントローラ2がハウジング1の材料で包まれる。
【0107】
本実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴は、ハウジング、トリガ、コントローラ及び発声部材を備え、発声部材とコントローラ及びトリガとは、ハウジングによって形成されるパッケージ空洞に集積され、発声部材の単独のパッケージを省略し、ハウジングの支持部が人の口腔に入ると、トリガがコントローラに開始命令を送信し、コントローラが発声部材を駆動して振動させ、振動信号は、ハウジングの支持部及び支持部に付着されている可食物を介して、人の口腔組織又は歯により、骨伝導の方式で人の聴覚システムに伝達され、既存の骨伝導による発声可能な棒付き飴に比べて、従来の発声構造のパッケージ用のハウジングを省略又は減少し、それにより、骨伝導型発声部材は、構造が簡単で、集積度が高く、骨伝導による発声可能な棒付き飴の小型化を達成し、且つ機器の音質損失が低減されることにより、音質を向上させる。
【0108】
図5は、本発明の一実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムの概略構造図である。
図5に示すように、本実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムは、骨伝導による発声可能な棒付き飴5_1及び収容ボックス5_2を備え、複数の骨伝導による発声可能な棒付き飴5_1が収容ボックス5_2に積載して展示され、収容ボックス5_2の内部には、さらに、ユーザが骨伝導による発声可能な棒付き飴5_1を購入した後、骨伝導による発声可能な棒付き飴5_1を収容ボックス5_2から収容ボックスの出口5_4に搬送するための搬送装置5_3が設置され、収容ボックス5_2には、さらに、制御装置が設置され、制御装置は、ユーザの購買命令を受信した後、搬送装置5_3に搬送命令を送信し、収容ボックスから対応する骨伝導による発声可能な棒付き飴を搬出する。
【0109】
選択可能に、収容ボックス上に、タッチボタン又はタッチスクリーン、例えば液晶スクリーン(LCD)又は発光ダイオード(LED)スクリーンが設置され、ユーザがボタンを押すか、又はスクリーン上で、購買しようとする骨伝導による発声可能な棒付き飴のタイプと数量をタッチして選択し、コントローラが上記の命令に応じて、搬送装置に制御信号を送信する。
【0110】
選択可能に、別の実施形態において、ユーザは、スマート端末、例えば携帯電話でQR(クイックレスポンス)コード(登録商標)をスキャンして、該当する購買ページに入り、購買必要のある骨伝導型棒付き飴を選択して、オンラインで支払ってから、コントローラが、受信した購買命令に応じて、搬送装置に制御信号を送信する。
【0111】
選択可能に、ユーザは、指定のAPPを介して、上記の購買操作を行うこともできる。
【0112】
可能な一実施形態において、ユーザは、さらに、購買ページで、サービスプロバイダが提供する曲のライブラリ内の曲、ユーザが自分で記録した音声データなどを含む、骨伝導による発声可能な棒付き飴に記録した個性化音源データを選択するか、又はカスタマイズすることができる。
【0113】
ユーザが自分で記録した音声データの収集方法は、ユーザが自分でスマート端末を用いて記録され、例えば携帯電話の録音機能で記録する方法であってもよいし、収容ボックスに設置されたマイクロフォンなどの録音機器により、ユーザがボタンをクリックするか又はスクリーンをクリックして記録命令を発信し、その後、制御装置がマイクロフォンによって収録されたユーザの個性化録音を受信して、録音データを有線方式/無線方式で骨伝導による発声可能な棒付き飴のメモリに記憶する方法であってもよい。
【0114】
本実施例において、購買した棒付き飴の品種及びモデル、又は骨伝導による発声可能な棒付き飴に記憶された音源データは、システムがランダムに割り当てたものであってもよく、こうすると、購買過程を面白くすることができ、ユーザの体験感を向上させ、購買と娯楽ととの組み合わせモードが形成され、購買の面白さを増加し、ユーザが購買するように促進し、それにより、骨伝導による発声可能な棒付き飴の販売量を向上させる。
【0115】
本実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムは、骨伝導による発声可能な棒付き飴がマンマシンインタラクションの骨伝導による発声可能な棒付き飴システムに含まれ得るため、骨伝導による発声可能な棒付き飴は、販売段階で音源を個性化カスタマイズすることができ、且つ販売段階の趣味性を増加して、ユーザの体験感を向上させ、骨伝導による発声可能な棒付き飴の販売量を促進することができる。
【0116】
また、音声データを記録する以外に、他の情報を記録することもでき、例えば電子チケットなどの情報を記録してもよい。ユーザが、購買した棒付き飴を持ってある場所に入ると、当該棒付き飴に設置された認識チップを介して外部機器、即ち、当該場所の検証機器と通信接続を確立し、次に、認識チップ内の電子チケットをRFID又は他の方式で検証することで、ユーザがチケットを別途に持つ必要がなく、さらに棒付き飴の使用率を効果的に向上させ、即ち、食べながら、自分が必要とする音声データを聞くことができるだけでなく、出入の証明として使用することもできる。
【0117】
図6は、本発明の別の実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムの概略構造図である。
図6に示すように、本実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムは、骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1及び収容ボックス6_2を備え、収容ボックス6_2の上面はガラス観察窓であり、観察窓の下面にはジョイスティックである射撃装置6_6が設置され、複数の骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1が複数の列に分けて収容ボックス6_2に展示され、収容ボックス6_2の内部には搬送装置6_3がさらに設置され、搬送装置6_3は、ユーザがジョイスティックである射撃装置6_6を使用して骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1を撃ち落とした後、骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1が陳列棚から搬送装置6_3に落ち、それを収容ボックス6_2から収容ボックスの出口6_4に搬送するために用いられる。収容ボックス6_2には、制御装置がさらに設置され、制御装置は、骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1が陳列棚から搬送装置6_3に落ちた後、搬送装置6_3に搬送命令を送信し、対応する骨伝導による発声可能な棒付き飴を収容ボックスから搬出する。また、ガラス観察窓の下面にはタッチスクリーンである液晶スクリーン(LCD)6_7、イヤホンジャック、マイクロフォン6_5及びコイン入れ釣銭口6_8が取り付けられている。
【0118】
選択可能に、収容ボックスには、タッチボタン又は液晶スクリーン(LCD)6_7などのタッチスクリーンがあり、ユーザがボタンを押すか又はスクリーン上で射撃装置6_6をタッチして、ユーザが欲しい骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1を射撃する。
【0119】
選択可能に、ユーザは、骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1を撃ち落とした後、液晶スクリーン(LCD)6_7にユーザの個性化設定プロンプトを表示することができ、ユーザは、設定プロンプトに応じて、マイクロフォン6_5を利用して個性化音声を録音するか、又は、直接液晶スクリーン(LCD)6_7により音楽ライブラリ内の曲を選択し、骨伝導による発声可能な棒付き飴システムの有線/無線装置を介して骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1のメモリに伝送する。
【0120】
使用しているときに、ユーザは、タッチスクリーンを使用して購買製品を選択し、その後、マイクロフォンを利用してカスタマイズされたオーディオを記録し、イヤホンをイヤホンジャックに挿入して、記録したオーディオを試聴することができ、満足すると、コイン入れ釣銭口を介して支払を完了することは理解できる。
【0121】
選択可能に、骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1は、撃ち落とされた後に漏斗装置を介して搬送装置に漏れ、光センサが製品の通過を感知すると、配達システムを起動し、製品は搬送装置によって記録装置に搬送され、NFC近距離無線通信方式で製品にデータを伝送し、ユーザが記録したオーディオを製品に記録し、記録が完了した後に、製品を製品出荷装置まで搬送し、落ちる方法で出荷構造に直接落とし、ユーザが製品を直接取り出すことができる。
【0122】
本実施例において、骨伝導による発声可能な棒付き飴6_1の再生設定は、再生時に録音を先に再生してから、音楽ファイルを再生し、こうすると、カスタマイズした録音を骨伝導による発声可能な棒付き飴に入れる個性化カスタマイズ要求が完了するということである。
【0123】
図7は、本発明の別の実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴システムの概略構造図である。
図7に示すように、本実施例は、携帯電話又はタッチスクリーンを使用して製品を選択して、個性化カスタマイズする骨伝導による発声可能な棒付き飴の機器であり、当該機器は、骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1、ハウジングボックス7_2、観察窓、及びハウジングボックス7_2に配置されたコントローラを含み、コントローラにはユーザインタラクションシステム及び製品配達システムが含まれる。コントローラのコア回路には、NBIoTネットワークインターフェース、網線インターフェースが含まれ、ユーザインタラクションシステムには、携帯電話操作ソフトウェア、タッチスクリーン操作システム7_7、マイクロフォン7_5、指向性スピーカー、スキャナ7_6が含まれる。製品配達システムには、骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1の記憶装置、選別装置、搬送装置、記録装置、包装装置、出荷装置などが含まれる。
【0124】
左側のガラス観察窓は、観察窓の観察範囲内の下部で、TYPE-Cインターフェースを使用して充電する必要のある製品を充電スタンドに分類分解し、ハウジングボックス7_2の内部、且つ観察窓の範囲内で、充電スタンドの上面に、製品を選別するための3軸マニピュレータ7_3を設置し、ハウジングボックス7_2の内部において、観察窓の範囲外は製品包装装置、製品出荷装置及びコア回路である。製品記録装置は、製品記憶装置のTYPE-Cインターフェースを使用して完成する。ハウジングの外側、且つ観察窓の右側に、タッチスクリーン、マイクロフォン、指向性スピーカー、スキャナが取り付けられる。
【0125】
ユーザが特定外形の骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1を選択して、記録を完了した後、骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1の記憶装置における位置に基づいて、操作マニピュレータ7_3が製品を直接取り出して、製品包装装置に置き、機械的折り畳み方式を用いて、製品を包装し、包装済みの骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1を製品出荷装置のマニピュレータで搬送口7_4を介してハウジングボックス7_2から送り出し、ユーザの前に搬送する。
【0126】
ユーザは、使用しているとき、先に、タッチスクリーン7_7から骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1の形状及び背景音楽を選択する。その後、機器上のマイクロフォン7_5を使用してカスタマイズされたオーディオを記録し、タッチスクリーン上での操作によりミキシング操作を完了し、ユーザは、指向性スピーカーにより、録音、音楽、ミキシング後のオーディオを試聴することができ、満足すると、携帯電話でQRコード7_6をスキャンして支払い、タッチスクリーン7_7で機器に支払い済みを通知し、機器の内部が網線インターフェースを介してインターネットに接続して、支払い情報を確認する。
【0127】
選択可能に、ユーザは、携帯電話などのスマート端末で上記の操作を完了することができる。ユーザが、使用する前に、ネットワークに接続するためにスマート端末を使用する必要があるのが相違点であり、ネットワークに接続する方式は、wifi、ブルートゥース、5G通信などであり得、さらに選択可能に、スマート端末内の専用ソフトウェアで操作する。その後、ユーザは、スマート端末のマイクロフォンを使用して、カスタマイズされたオーディオを記録し、スマート端末での操作によりミキシング操作を完了し、ユーザは、スマート端末のプレーヤーにより、録音、音楽、ミキシング後のオーディオを試聴することができ、満足すると、スマート端末を使用してオンラインで支払い、機器に支払い済みを通知し、機器の内部が網線インターフェースを介してインターネットに接続して、支払い情報を確認する。
【0128】
確認した後、記録装置は、TYPE-Cインターフェースを使用して生成されたミキシングファイルを骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1に記録し、記録が完了し、骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1の記憶装置における位置に応じて、マニピュレータを操作して製品を直接取り出して、製品包装装置に置き、機械で紙箱を折り畳む方式で、製品を包装してから、包装済みの骨伝導による発声可能な棒付き飴7_1を製品出荷装置のマニピュレータで搬送口7_4を介してハウジングボックス7_2から送り出し、ユーザの前に搬送し、ユーザは、製品を直接取り出すことができる。
【0129】
上記の2つの実施例の骨伝導による発声可能な棒付き飴システムは、個性化記録機能を提供するマンマシンインタラクション自動販売機器により、骨伝導による発声可能な棒付き飴のメモリを十分に利用して音源を記憶し、且つ、外部インターフェースを介してデータ伝送の機能を完了し、それにより、ユーザが骨伝導による発声可能な棒付き飴を購買するとき、インタラクティブ及び趣味性を持つ様々な方式で購買することができ、販売時の体験が豊富になり、骨伝導による発声可能な棒付き飴の販売量を向上させた。
【0130】
図8は、本発明の一実施例にて提供される骨伝導による発声可能な棒付き飴の処理方法の概略フローチャートであり、
図8に示すように、当該方法は、
コントローラが、トリガにより開始命令を受信するか、又は、トリガにより、棒付き飴が音声伝達対象の口腔内部に入ったか否か又は歯に接触したか否かを決定するS101と、
コントローラが、前記開始命令を受信したと決定するか、又は、トリガにより、棒付き飴が音声伝達対象の口腔内部に入ったか又は歯に接触したと決定すると、発声部材を駆動して振動信号を発生させて、少なくとも1つの支持部及び棒付き飴により、振動信号を音声伝達対象の聴覚システムに伝導するS102と、を含む。
【0131】
本実施例において、当該方法は、上記の
図1に示される骨伝導による発声可能な棒付き飴に適用されることができ、その実現原理及び技術的効果は類似するため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0132】
選択可能に、ユーザが棒付き飴を食べながら、自分のニーズに応じて一部の音楽又はストーリーなどを聞くことができるようにし、且つ、ユーザによっては棒付き飴を口腔に頻繁に入れたり出したりする可能性があり、この時音楽又はストーリーなどの再生連続性の確保を考慮して、本発明は、以下のような好ましい実施形態を提供する。
【0133】
1つの可能な設計では、前記センサに圧力センサが含まれる場合、前記コントローラは、前記圧力センサによって感知された前記棒付き飴が接触されて発生する圧力変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる。
【0134】
別の可能な設計では、前記センサに光センサが含まれる場合、前記コントローラは、前記光センサによって感知された前記棒付き飴周囲の光線変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる。
【0135】
別の1つの可能な設計では、前記センサに温度及び/又は湿度センサが含まれる場合、前記コントローラは、前記温度及び/又は湿度センサによって感知された前記棒付き飴周囲の温度及び/又は湿度の変化に応じて、前記発声部材をトリガして振動信号を発生させる。
【0136】
別の1つの可能な設計では、前記コントローラは、前記圧力センサに基づいて前記人の口腔内の歯が予め設定された間隔範囲内で棒付き飴に接触する回数が予め設定された回数に達することを認識すると、前記予め設定された回数に対応する操作モードを用いて、音源を操作する。
【0137】
ここで、前記操作モードには、
早送り操作、早戻し操作、次のオーディオ番組にジャンプする操作、前のオーディオ番組にジャンプする操作、予め設定された音量を小さくする操作及び予め設定された音量を大きくする操作のうちの1つ又はいくつかが含まれる。
【0138】
別の可能な設計では、前記コントローラは、前記圧力センサに基づいて前記棒付き飴に接触する圧力の変化範囲が予め設定された閾値範囲より大きいことを認識すると、音源の音量を小さくする。
【0139】
別の1つの可能な設計では、前記コントローラは、前記棒付き飴が人の口腔内部に入ったと決定すると、前記タイマーで前記棒付き飴が口腔内にある時間を記録し、
前記コントローラは、前記タイマーによって記録された前記棒付き飴が口腔内にある時間に基づいて、前記棒付き飴の溶け程度を決定して、前記溶け程度に応じて音源の音量の大きさを調整する。
【0140】
制御の正確性を確保するために、上記の可能な設計を共同に使用することができ、ここでは限定しない。
【0141】
当業者であれば、本明細書を考慮し、且つ本明細書に開示された発明を実践した後、本開示の他の実施手段を容易に想到できるであろう。本発明は、本開示の任意の変形、用途又は適応的な変化を含むことを目的とし、これらの変形、用途又は適応的な変化は、本開示の一般的な原理に従い、本開示に開示されていない当技術分野における公知常識又は慣用技術手段を含むことを意図している。本明細書及び実施例は、単に例示的なものとしてみなされるだけで、本開示の真の範囲及び主旨は、以下の特許請求の範囲により示される。
【0142】
本開示は、上に記述され、且つ添付図面に示された精確な構造に限定されず、その範囲から逸脱せずに、各種の修正及び変更を行うことが理解すべきである。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲のみにより限定される。