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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】挟持具組立品
(51)【国際特許分類】
   C25D 17/06 20060101AFI20240612BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240612BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240612BHJP
   C25D 17/08 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
C25D17/06 C
H01L21/68 N
H01L21/304 648
C25D17/08 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023069287
(22)【出願日】2023-04-20
(65)【公開番号】P2024001850
(43)【公開日】2024-01-10
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】111123310
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 慶▲ぶん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼ 振隆
(72)【発明者】
【氏名】林 恭安
(72)【発明者】
【氏名】王 晨聿
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-187910(JP,A)
【文献】特開2020-084215(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0390359(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 17/00-17/28
H01L 21/683
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースを挟持するための少なくとも1つの挟持具を備えている挟持具組立品であって、
前記挟持具は、
キャリアに設置するために用いられているベースであって、前記ベースは、本体と、ガイド穴と、第一位置限定孔と、を有し、前記本体は第一挟持部を有し、前記ガイド穴及び前記第一位置限定孔は前記本体に設けられ、前記第一位置限定孔は前記ガイド穴に連通し、且つ前記第一位置限定孔と前記ガイド穴との間には夾角を有している前記ベースと、
ガイドロッドと、第二位置限定孔と、第二挟持部と、を有し、前記第二位置限定孔は前記ガイドロッドに設けられ、前記ガイドロッドは前記ガイド穴中に貫設されて前記第二位置限定孔を前記第一位置限定孔に連通させるために用いられている挟持部材と、
前記第一位置限定孔及び前記第二位置限定孔の中に貫設されて前記ベース及び前記挟持部材を一体に結合するために用いられ、且つ前記第二挟持部及び前記第一挟持部が前記ワークピースを挟持する位置限定部材と、を備えていることを特徴とする挟持具組立品。
【請求項2】
前記第一位置限定孔は第一部及び第二部を含み、前記第一部及び前記第二部は前記ガイド穴の両側にそれぞれ位置していると共に前記ガイド穴に連通し、前記位置限定部材は前記第一部及び前記第二位置限定孔の中に少なくとも貫設されていることを特徴とする請求項1に記載の挟持具組立品。
【請求項3】
前記ベースは前記第二挟持部を収容するための位置限定溝を更に有していることを特徴とする請求項1に記載の挟持具組立品。
【請求項4】
前記第一挟持部はパッドを有し、前記ワークピースは前記第二挟持部と前記第一挟持部の前記パッドとの間に挟持されることを特徴とする請求項1または3に記載の挟持具組立品。
【請求項5】
前記第一挟持部は凹部を更に有し、前記パッドは前記凹部に設置され、前記凹部の溝壁は前記ワークピースのエッジを当接させるために用いられていることを特徴とする請求項4に記載の挟持具組立品。
【請求項6】
前記挟持具は前記挟持部材に設置されている位置決め穴部材を更に備え、前記位置限定部材は前記位置決め穴部材を収容するための位置決め穴を有していることを特徴とする請求項1に記載の挟持具組立品。
【請求項7】
前記挟持具は前記挟持部材に設置されている弾性部材を更に備え、前記弾性部材は前記位置決め穴部材を押動し、前記位置決め穴部材を前記位置決め穴中に収容するために用いられていることを特徴とする請求項6に記載の挟持具組立品。
【請求項8】
前記キャリアに設置するためのストッパーを更に備え、前記ストッパーは前記ワークピースに接触するために用いられていることを特徴とする請求項1に記載の挟持具組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挟持具組立品(clamp assembly)に関し、より詳しくは、ウェーハの化学めっき、エッチング、電気めっき、または洗浄等のプロセスを行うための挟持具組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の特許文献では、例えば、特許文献1には電気めっき装置用ウェーハ固定具が開示されている。その中では、連動リング3及び電気めっきキャリア4はキャリア2に装設され、電気めっきキャリア4は不動に固定され、ウェーハBは電気めっきキャリア4に載置され、上蓋5は電気めっきキャリア4に蓋をし、ウェーハBが上蓋5と電気めっきキャリア4との間に位置している。作動ロッド6が連動リング3を回転するように駆動することで、連動リング3が上蓋5を回し締め、上蓋5をロックするように固定し、ウェーハBが上蓋5と電気めっきキャリア4との間に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】台湾特許出願公告第I641079号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電気めっきまたは洗浄プロセスの後に、連動リング3、電気めっきキャリア4、上蓋5、及び作動ロッド6に電気めっき液または洗浄液が残留してしまい、ウェーハ挟持具を重複して使用すると、残留液が汚染問題を引き起こした。また、連動リング3が作動ロッド6により回転されて上蓋5に結合されると、操作者がウェーハBを出し入れするのが面倒になった。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0006】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、挟持具組立品を提供することにある。本発明に係る挟持具組立品は、ウェーハの化学めっき、エッチング、電気めっき、または洗浄等のプロセスに適用し、電気めっき液や洗浄液が挟持具組立品に残留する状況を回避する。また、挟持具組立品の挟持具は高速に組み立て及び分解が可能であり、操作者ワークピースの出し入れ作業フローチャートを簡略化する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様によれば、挟持具組立品が提供される。上記課題を解決する本発明は、以下の構成を主に備える。ワークピースを挟持するための少なくとも1つの挟持具を備え、前記挟持具は、ベースと、挟持部材と、位置限定部材と、を有している。前記ベースはキャリアに設置され、前記ベースは、本体と、ガイド穴と、第一位置限定孔と、を有し、前記本体は第一挟持部を有している。前記ガイド穴及び前記第一位置限定孔は前記本体に設置され、前記第一位置限定孔は前記ガイド穴に連通し、且つ前記第一位置限定孔と前記ガイド穴との間には夾角を有している。前記挟持部材は、ガイドロッドと、第二位置限定孔と、第二挟持部と、を有し、前記第二位置限定孔は前記ガイドロッドに設置され、前記ガイドロッドは前記ガイド穴中に貫設されている。前記第二位置限定孔は前記第一位置限定孔に連通し、前記位置限定部材が前記第一位置限定孔及び前記第二位置限定孔中に貫設されることで、前記ベース及び前記挟持部材が一体に結合され、且つ前記第二挟持部及び前記第一挟持部が前記ワークピースを挟持する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果がある。
本発明の位置限定部材は第一位置限定孔及び第二位置限定孔中に貫設され、操作者がベースと挟持部材とを高速に一体に結合または個別に分解できる。ベース、挟持部材、及び位置限定部材は構造が簡単であるため、電気めっき液や洗浄液が残留しにくく、残留液が引き起こす汚染問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例に係る挟持具組立品を示す平面図である。
図2】本発明の一実施例に係る挟持具組立品の挟持具を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係る挟持具組立品の挟持具のベースを示す正面図である。
図4】本発明の一実施例に係る挟持具組立品の挟持具の挟持部材を示す背面図である。
図5】本発明の一実施例に係る挟持具組立品の挟持具を示す分解断面図である。
図6図1のA-A線に沿う断面図である。
図7図1のB-B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0011】
本発明に係る挟持具組立品10はワークピース20を挟持するための少なくとも1つの挟持具100を備え、化学めっき、エッチング、電気めっき、または洗浄等のプロセスを実行する(図1及び図2参照)。ワークピース20はウェーハであるが、これに限られない。好ましくは、挟持具組立品10がストッパー200を更に備えている。
【0012】
図1図2及び図5を参照すれば、挟持具100は、ベース110と、挟持部材120と、位置限定部材130と、を含んで構成されている。好ましくは、挟持具100は位置決め穴部材140及び弾性部材150を更に備えている。ベース110及びストッパー200はキャリア30に設置され、且つキャリア30と一体に結合されている。
【0013】
図2図3及び図5を参照すれば、ベース110は、本体111と、ガイド穴112と、第一位置限定孔113と、を有し、本体111は第一挟持部111aを有している。ガイド穴112及び第一位置限定孔113は本体111に設置され、第一位置限定孔113はガイド穴112に連通し、且つ第一位置限定孔113とガイド穴112との間には夾角Cを有している。ガイド穴112は円形穴または非真円形穴(例えば、楕円形穴、矩形穴、多辺形穴等)であり、本実施例では、ガイド穴112は円形穴である。第一位置限定孔113は第一部113a及び第二部113bを含み、第一部113a及び第二部113bはガイド穴112の両側にそれぞれ位置し、且つ第一部113a及び第二部113bはガイド穴112に連通している。
【0014】
図2図4及び図5を参照すれば、挟持部材120は、ガイドロッド121と、第二位置限定孔122と、第二挟持部123と、を有し、第二位置限定孔122はガイドロッド121に設置されている。ガイドロッド121は円柱または非真円柱(例えば、楕円柱、矩形柱、多辺形柱等)であり、本実施例では、ガイドロッド121は円柱である。
【0015】
本実施例では、位置決め穴部材140及び弾性部材150は挟持部材120に設置され、弾性部材150は位置決め穴部材140を押動するために用いられている(図5参照)。他の実施例では、挟持具100が弾性部材150を有せず、位置決め穴部材140は、球体であり、且つ挟持部材120に転動可能に結合されている。他の実施例では、位置決め穴部材140及び挟持部材120が一体成形されている。
【0016】
図1図5及び図6を参照すれば、挟持具組立品10を使用してワークピース20を挟持し、化学めっき、エッチング、電気めっき、または洗浄等のプロセスを実行する前に、先にベース110及びストッパー200をキャリア30に設置し、且つワークピース20をベース110に載置する。本実施例では、ワークピース20は本体111の第一挟持部111aに載置する。第一挟持部111aは凹部111b及びパッド111cを有し、パッド111cは凹部111bに設置され、ワークピース20はパッド111cに載置され、且つワークピース20のエッジ21は凹部111bの溝壁111dに当接されている(図5参照)。
【0017】
ストッパー200はワークピース20に接触し、ワークピース20の回転を防止する(図1及び図7参照)。本実施例では、ワークピース20はウェーハであり、ストッパー200はウェーハの切り欠き部のエッジに接触し、ウェーハの回転を防止する。
【0018】
図5及び図6に示すように、続いて、ベース110に向けて挟持部材120を移動させ、挟持部材120のガイドロッド121をベース110のガイド穴112中に貫設し、且つ第二位置限定孔122を第一位置限定孔113に位置を揃えて連通させる。位置限定部材130は第一位置限定孔113の開口部113cから第一位置限定孔113及び第二位置限定孔122中に貫設させる。位置限定部材130は第一位置限定孔113の第一部113a及び第二位置限定孔122中に少なくとも貫設させ、ベース110及び挟持部材120を一体に結合し、且つ第二挟持部123及び第一挟持部111aによりワークピース20を挟持する。好ましくは、位置限定部材130も第一位置限定孔113の第二部113b中に貫設させる。
【0019】
本実施例では、ワークピース20が第二挟持部123と第一挟持部111aのパッド111cとの間に挟持され、ワークピース20がベース110から脱離する状況を防止している。好ましくは、パッド111cはシリコンやゴムのような軟質材料で製造され、第二挟持部123及び第一挟持部111aによりワークピース20を挟持する際に、パッド111cが圧縮され、復位する弾力が発生する。位置限定部材130が第一位置限定孔113及び第二位置限定孔122に貫設された後、復位する弾力により第二挟持部123及びパッド111cがワークピース20を挟持する際の挟持力が増加し、位置限定部材130を第一位置限定孔113及び第二位置限定孔122中に位置させる。
【0020】
図5及び図6に示すように、位置限定部材130が第一位置限定孔113及び第二位置限定孔122に貫設されると共に所定の位置に移動すると、位置決め穴部材140が位置限定部材130の位置決め穴131中に収容され、位置限定部材130が固定され、位置限定部材130が第一位置限定孔113及び第二位置限定孔122から脱離する状況を回避する。
【0021】
図5及び図6に示すように、ワークピース20を取り出す場合、まず、位置限定部材130を移動させ、位置決め穴131を位置決め穴部材140の制限から脱離させ、且つ位置限定部材130を第一位置限定孔113及び第二位置限定孔122から脱離させる。次に、挟持部材120を分離し、ワークピース20を取り出す。
【0022】
図2から図6に示すように、ベース110は位置限定溝111eを有し、挟持部材120がベース110に結合されると、第二挟持部123が位置限定溝111e中に収容され、挟持部材120が回転しないようにしている。
【0023】
挟持部材120のガイドロッド121がガイド穴112中に貫設され、且つ位置限定部材130が第一位置限定孔113及び第二位置限定孔122中に貫設されることで、挟持部材120がベース110に高速に一体に結合され、且つ挟持部材120がベース110から脱離する状況を防止している。第一位置限定孔113及び第二位置限定孔122から位置限定部材130を引き離した後、挟持部材120を分離させてワークピース20を取り出す。本発明は挟持具100の組み立て及び分解フローチャートが簡略化されている。また、ベース110、挟持部材120、及び位置限定部材130の構造が簡単であるため、電気めっき液や洗浄液が残留しにくく、残留液による汚染問題を回避している。
【0024】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0025】
10 挟持具組立品
20 ワークピース
21 エッジ
30 キャリア
100 挟持具
110 ベース
111 本体
111a 第一挟持部
111b 凹部
111c パッド
111d 溝壁
111e 位置限定溝
112 ガイド穴
113 第一位置限定孔
113a 第一部
113b 第二部
113c 開口部
120 挟持部材
121 ガイドロッド
122 第二位置限定孔
123 第二挟持部
130 位置限定部材
131 位置決め穴
140 位置決め穴部材
150 弾性部材
200 ストッパー
C 夾角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7