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特許7503205原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G21C 9/016 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
G21C9/016
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023512475
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 RU2021000493
(87)【国際公開番号】W WO2022103302
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】2020136905
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】516233088
【氏名又は名称】ジョイント ストック カンパニー アトムエネルゴプロエクト
【氏名又は名称原語表記】JOINT STOCK COMPANY ATOMENERGOPROEKT
【住所又は居所原語表記】ul. Bakuninskaya,7,str.1 Moscow,105005 Russia
(73)【特許権者】
【識別番号】520514768
【氏名又は名称】サイエンス アンド イノヴェーションズ - ニュークリア インダストリー サイエンティフィック デベロップメント,プライベート エンタープライズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】シドロフ, アレクサンドル・スタレビッチ
(72)【発明者】
【氏名】シドロワ, ナデジダ ヴァシリエフナ
(72)【発明者】
【氏名】ズバノフスカヤ, タチアナ・ヤロポルコフナ
(72)【発明者】
【氏名】バデジコ, クセニヤ コンスタンチノフナ
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-538940(JP,A)
【文献】特表2018-503811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 9/00-9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムであって、
ガイドプレートと、片持ちトラスと、炉心溶融物の受け取りと分配を目的としたフィラーを備えた容器とを含み、
さらに、前記片持ちトラスに取り付けられた上部熱伝導要素に接続されている上部フランジと前記容器のフランジに取り付けられた下部熱伝導要素に接続されている下部フランジとを備えた凸状膜と、
前記凸状膜の外側と内側のそれぞれに取り付けられた各包帯プレートであり、それぞれの上端部が前記凸状膜の上部フランジにしっかりと固定され、それぞれの下端部が前記凸状膜の下部フランジにしっかりと固定されている各包帯プレートと、
外側および内側のセクターシェルで構成され、上端部が前記上部熱伝導要素に接続され、下端部が前記容器のフランジと前記下部熱伝導要素に接続されているハイドロガスメカニカルダンパーとを
含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ハイドロガスメカニカルダンパーの前記上端部が、上部ファスナーを使用して前記上部熱伝導要素に接続され、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの前記下端部が、当該下端部と下部ファスナーのナット部との間にエンドストッパーを配置した状態で、前記下部ファスナーを使用して前記下部熱伝導要素に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハイドロガスメカニカルダンパーの前記上端部が、溶接部により前記上部熱伝導要素にしっかりと接続され、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの前記下端部が、当該下端部と下部ファスナーのナット部との間に、前記容器のフランジに接続されたエンドストッパーを配置した状態で、前記下部ファスナーを使用して前記下部熱伝導要素に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記下部ファスナーに、安全ロック部が追加装備されていることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記各包帯プレートと前記凸状膜のフランジとの各下端部に孔部が設けられており、調整ナットとリテーナーとを備えたファスナーが当該孔部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハイドロガスメカニカルダンパーの外側と内側のセクターシェルの各セクターにおける取り付け箇所に孔部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記外側および内側のセクターシェルの各セクターは、セクターギャップを有して設置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ハイドロガスメカニカルダンパーの外側および内側のセクターシェルは、互いに対して前記容器の半径方向のギャップを有して設置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ハイドロガスメカニカルダンパーの外側および内側のセクターシェルの間に、中間のセクターシェルが設置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
中間のセクターシェルの数が2~4のうちのいずれかの値から選択され得ることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核エネルギーの分野、特に原子力発電所(NPP)の安全を確保するシステムに関し、原子炉圧力容器および格納容器の破壊をもたらす重大な事故に適用できる。
【0002】
炉心冷却システムに複数の故障が生じた場合に起こり得る炉心メルトダウンを伴う事故は、最大の放射線障害を引き起こす。
【0003】
このような事故では、炉心溶融物(コリウム)が原子炉圧力容器と炉心構造を溶かすことによって容器から流出し、その残留熱放出は、NPP格納容器の完全性を壊す可能性がある。NPP格納容器は、環境への放射性物質の放出経路における最後の障壁である。
【0004】
これを防ぐためには、原子炉圧力容器から流出した炉心溶融物(コリウム)を局所に留め、それが完全に結晶化するまで継続的な冷却をする必要がある。この機能は、原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムによって実行される。これにより、原子炉の格納容器への損傷が防止され、原子炉の重大事故での放射線被爆から公衆と環境が保護される。
【背景技術】
【0005】
原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステム〔1〕として、原子炉圧力容器の下に設置され、片持ちトラスの上にあるガイドプレートと、コンクリート立坑のベースの埋め込み部品に取り付けられ、熱保護が備え付けられたフランジを備える多層容器、および互いに積み重ねられたカセットのセットで構成されている多層容器内のフィラーを備えるものが知られている。
【0006】
このシステムは、次の欠点により信頼性が低いものになっている。
- 原子炉圧力容器からの炉心溶融物の非軸対称流出の場合(圧力容器の横側の溶融)、内圧の影響下で、原子炉圧力容器内でガイドプレート、片持ちトラスおよび熱保護がセクター破壊され、原子炉圧力容器から炉心溶融物とともに流出したガスの衝撃波が多層容器の容積内および多層容器とフィラーと片持ちトラスとの間に位置する周辺容積内を伝播し、多層容器と片持ちトラス間の接続領域内で当該システムの破壊をもたらし、周辺機器に影響を与える可能性があり、その結果、多層容器の外側からの冷却を意図した冷却水が多層容器内に流れ込み、蒸気爆発や当該システムの破壊につながる可能性がある。
- 原子炉圧力容器の底部の破片の落下または炉心溶融物の残留物が原子炉圧力容器から多層容器内に落下した場合、炉心溶融物表面の水冷の初期段階で、衝撃による圧力上昇が起こって周辺機器に影響を与える。その結果、多層容器と片持ちトラス間の接続領域内で当該システムが破壊され、多層容器の外側からの冷却を意図した冷却水が多層容器内に流れ込み、蒸気爆発や当該システムの破壊につながる可能性がある。
【0007】
原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステム〔2〕として、原子炉圧力容器の下に設置され、片持ちトラスの上にあるガイドプレートと、コンクリート立坑のベースの埋め込み部品に取り付けられ、熱保護が備え付けられたフランジを備える多層容器、および互いに積み重ねられたカセットのセットで構成されている多層容器内のフィラーを備えるものが知られている。
【0008】
このシステムは、次の欠点により信頼性が低いものになっている。
- 原子炉圧力容器からの炉心溶融物の非軸対称流出の場合(圧力容器の横側の溶融)、内圧の影響下で、原子炉圧力容器内でガイドプレート、片持ちトラスおよび熱保護がセクター破壊され、原子炉圧力容器から炉心溶融物とともに流出したガスの衝撃波が多層容器の容積内および多層容器とフィラーと片持ちトラスとの間に位置する周辺容積内を伝播し、多層容器と片持ちトラス間の接続領域内で当該システムの破壊をもたらし、周辺機器に影響を与える可能性があり、その結果、多層容器の外側からの冷却を意図した冷却水が多層容器内に流れ込み、蒸気爆発や当該システムの破壊につながる可能性がある。
- 原子炉圧力容器の底部の破片の落下または炉心溶融物の残留物が原子炉圧力容器から多層容器内に落下した場合、炉心溶融物表面の水冷の初期段階で、衝撃による圧力上昇が起こって周辺機器に影響を与える。その結果、多層容器と片持ちトラス間の接続領域内で当該システムが破壊され、多層容器の外側からの冷却を意図した冷却水が多層容器内に流れ込み、蒸気爆発や当該システムの破壊につながる可能性がある。
【0009】
原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステム〔3〕として、原子炉圧力容器の下に設置され、片持ちトラスの上にあるガイドプレートと、アーチ型コンクリートのベースの埋め込み部品に取り付けられ、熱保護が備え付けられたフランジを備える多層容器、および互いに積み重ねられたカセットのセットで構成されている多層容器内のフィラーを備えるものが知られている。
【0010】
このシステムは、次の欠点により信頼性が低いものになっている。
- 原子炉圧力容器からの炉心溶融物の非軸対称流出の場合(圧力容器の横側の溶融)、内圧の影響下で、原子炉圧力容器内でガイドプレート、片持ちトラスおよび熱保護がセクター破壊され、原子炉圧力容器から炉心溶融物とともに流出したガスの衝撃波が多層容器の容積内および多層容器とフィラーと片持ちトラスとの間に位置する周辺容積内を伝播し、多層容器と片持ちトラス間の接続領域内で当該システムの破壊をもたらし、周辺機器に影響を与える可能性があり、その結果、多層容器の外側からの冷却を意図した冷却水が多層容器内に流れ込み、蒸気爆発や当該システムの破壊につながる可能性がある。
- 原子炉圧力容器の底部の破片の落下または炉心溶融物の残留物が原子炉圧力容器から多層容器内に落下した場合、炉心溶融物表面の水冷の初期段階で、衝撃による圧力上昇が起こって周辺機器に影響を与える。その結果、多層容器と片持ちトラス間の接続領域内で当該システムが破壊され、多層容器の外側からの冷却を意図した冷却水が多層容器内に流れ込み、蒸気爆発や当該システムの破壊につながる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】ロシア特許第2575878号
【文献】ロシア特許第2576516号
【文献】ロシア特許第2576517号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
請求項に係る発明の技術的結果は、原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムの信頼性を高めることである。
【0013】
特許請求の範囲に記載された発明によって達成されるべき目的は、原子炉圧力容器から非軸対称に炉心溶融物が流出し、炉心溶融物を水冷する初期段階で原子炉圧力容器の底部の破片が容器内に落下するという状況下において、容器と片持ちトラスとの接続領域での当該システムの破壊を防止することであり、その結果、容器の外側の冷却を目的とする水の当該容器への浸入が防止される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的は、本発明に係る、原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムによって達成される。すなわち、当該システムは、ガイドプレートと、片持ちトラスと、炉心溶融物の受け取りと分配を目的としたフィラーを備えた容器とを含み、さらに、前記片持ちトラスに取り付けられた上部熱伝導要素に接続されている上部フランジと前記容器のフランジに取り付けられた下部熱伝導要素に接続されている下部フランジとを備えた凸状膜と、前記凸状膜の外側と内側のそれぞれに取り付けられた各包帯プレートであり、それぞれの上端部が前記凸状膜の上部フランジにしっかりと固定され、それぞれの下端部が前記凸状膜の下部フランジにしっかりと固定されている各包帯プレートと、外側および内側のセクターシェルで構成され、上端部が前記上部熱伝導要素に接続され、下端部が前記容器のフランジと前記下部熱伝導要素に接続されているハイドロガスメカニカルダンパーとを含むことを特徴とする。
【0015】
請求項に係る発明の本質的な特徴は、システム内に凸状膜が存在することであり、凸状膜の上部フランジは、片持ちトラスのフランジに接続された上部熱伝導要素に接続され、凸状膜の下部フランジは、容器のフランジに接続された下部熱伝導要素に接続されており、凸状膜の外側と内側には、各包帯プレートが取り付けられ、それらの各上端部が凸状膜の上部フランジに、各下端部が凸状膜の下部フランジに、それぞれ溶接部によりしっかりと固定されている。これにより、片持ちトラスの独立した半径方向および方位角方向の熱膨張と、炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムの機器の構成要素への機械的衝撃の影響下における片持ちトラスと容器の独立した動きと、容器の軸方向および半径方向の熱膨張を可能にし、その結果、外側の冷却を目的とする冷却水の容器内への浸入が防止される。包帯プレートは、原子炉圧力容器が破壊された場合の衝撃波の影響下において凸状膜の完全性を維持することを可能にし、また、原子炉圧力容器の底部の破片または炉心溶融物の残流物が落下した場合に、炉心溶融物表面の水冷の初期段階で発生する衝撃波の影響下において凸状膜の完全性を維持することを可能にする。
【0016】
請求項に係る発明の別の本質的な特徴は、上端部が上部熱伝導要素に接続され、下端部が容器のフランジと下部熱伝導要素に接続された外側および内側のセクターシェルで構成されているハイドロガスメカニカルダンパーが当該システムに存在することである。これにより、当該容器と片持ちトラス間の気密接続領域で、原子炉圧力容器からのダイナミックなガス流だけでなく、炉心溶融物の直接的な衝撃の影響も防ぐことが可能になる。外側と内側の面を有するハイドロガスメカニカルダンパーの機能により、蒸気とガスの混合気が、原子炉圧力容器の内側容積から、当該ダンパーの外面の背後(外側のセクターシェルの後側)と凸状膜の内面との間に存する空間に流れる過程において必要な流体力学的抵抗を提供できる。これにより、凸状膜の内面への圧力上昇率を低下させ、同時に圧力上昇時間を延長することができる。このようにハイドロガスメカニカルダンパーを用いることにより、当該容器の内側と外側の圧力が均しくなるのに要する時間を延長でき、その結果、最大圧力値を下げて、凸状膜の完全性(強度と耐漏洩性)を維持することができる。
【0017】
さらに、本発明によれば、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの前記上端部が、上部ファスナーを使用して前記上部熱伝導要素に接続され、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの前記下端部が、下部ファスナーを使用してエンドストッパーを介して前記下部熱伝導要素に接続されている。
【0018】
さらに、本発明によれば、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの前記上端部が、溶接部により前記上部熱伝導要素にしっかりと接続され、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの前記下端部が、下部ファスナーを使用してエンドストッパーを介して前記容器のフランジに接続されている。この場合、下部ファスナーに、安全ロック部を追加装備することができる。
【0019】
さらに、本発明によれば、前記各包帯プレートと前記凸状膜のフランジとの各下端部に孔部が設けられており、調整ナットとリテーナーとを備えたファスナーが当該孔部に取り付けられている。
【0020】
さらに、本発明によれば、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの外側と内側のセクターシェルの各セクターにおける取り付け箇所に孔部が設けられている。
【0021】
さらに、本発明によれば、前記外側および内側のセクターシェルの各セクターは、セクターギャップを有して設置されている。
【0022】
さらに、本発明によれば、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの外側および内側のセクターシェルは、互いに対して半径方向のギャップを有して設置されている。
【0023】
さらに、本発明によれば、前記ハイドロガスメカニカルダンパーの外側および内側のセクターシェルの間に、中間のセクターシェルが設置されている。
【0024】
さらに、本発明によれば、前記中間のセクターシェルの数が2~4のうちのいずれかの値から選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る、原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムの構成を示す図である。
図2】本発明に係るハイドロガスメカニカルダンパーを備える膜の構成を示す図である。
図3】本発明に係るハイドロガスメカニカルダンパーを備える膜の構成を示す図である。
図4】本発明に係るハイドロガスメカニカルダンパーを備える膜の構成を示す図である。
図5】本発明に係るハイドロガスメカニカルダンパーを備える膜の構成を示す図である。
図6】本発明に係る当該膜のファスナーの構成を示す図である。
図7】本発明に係るハイドロガスダイナミックダンパーのファスナーの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1図7に示すように、原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムは、原子炉圧力容器(2)の下に設置されたガイドプレート(1)を備える。ガイドプレート(1)は、片持ちトラス(3)上に置かれている。コンクリート立坑のベース上において片持ちトラス(3)の下には、容器(4)が配置されている。
【0027】
容器(4)のフランジ(5)には熱保護(6)が装備されている。容器(4)の内側には、炉心溶融物を受け入れて分配するように意図されたフィラー(7)が配置されている。例えば、フィラー(7)は、様々なタイプの開口部(10)が配置された複数のカセット(9)から構成されてもよい。容器(4)の上部(フィラー(7)と容器(4)のフランジ(5)の間の領域)の周囲に沿って、各枝管に取り付けられた複数の給水バルブ(8)が配置されている。
【0028】
容器(4)のフランジ(5)と片持ちトラス(3)の下面との間には、垂直に方向付けされたセクター(12)を複数個、溶接部(13)で接続してなる凸状膜(11)が設置されている。凸状膜(11)の凸面は、容器(4)の外側を向いている。凸状膜(11)の上部であって片持ちトラス(3)の下部との接続領域では、凸状膜(11)の上部フランジ(14)に接続された上部熱伝導要素(16)とともに一種の対流熱交換ポケット(23)が形成されている。
【0029】
外側の安全な包帯ギャップ(24)を提供する外側のファスナー(21)を備えた外側の包帯プレート(18)は、凸状膜(11)の外面に沿って設置され、内側の安全な包帯ギャップ(25)を提供する内側のファスナー(22)を備えた内側の包帯プレート(19)は、凸状膜(11)の内面に沿って設置されている。
【0030】
外側および内側の包帯プレート〔bandage plate〕(18)、(19)は、一方の側では溶接部(20)により凸状膜(11)の上部フランジ(14)にしっかりと固定されており、他方の側では、外側および内側の安全な包帯ギャップ(24)、(25)を規制する外側と内側のファスナー(21)、(22)によって、凸状膜(11)の下部フランジ(15)にフローティングカップリングが行われており、これらの動きは、各リテーナー(26)によって制限される。
【0031】
凸状膜(11)の内側には、その上部フランジ(14)と下部フランジ(15)に、二面を有するハイドロガスメカニカルダンパー〔hydraulic-and-gas mechanical damper〕(31)が追加で取り付けられている。当該ダンパー(31)は、外側のセクターシェル(32)と内側のセクターシェル(33)で構成され、上部セクターファスナー(34)と下部セクターファスナー(35)により、凸状膜(11)の上部フランジ(14)と下部フランジ(15)間にかけられている。外側と内側のセクターシェル(32)、(33)の各セクターは、衝撃の影響下で各セクターの独立した動きを提供するセクターギャップ(36)を有して取り付けられている。外側および内側のセクターシェル(32)、(33)は、半径方向のギャップ(37)を持って相互に取り付けられている。これにより、小さな温度外乱下での各シェルの独立した動作と、衝撃の影響下での共同の動作が保証される。
【0032】
容器(4)が熱膨張する間、凸状膜(11)が軸方向に圧縮し始める。凸状膜(11)の自由な機械的動きを確保するために、外側と内側の面を有する当該ハイドロガスメカニカルダンパー(31)における外側および内側のセクターシェル(32)、(33)および中間のセクターシェル(39)が自由に動くように作られている。この自由な動きは、リテーナー(42)によって動きが制御される調整ナット(43)によって設定された調整ギャップ(44)を有する上部セクターファスナー(34)によって提供される。
【0033】
請求項に係る、原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムは、次のように作動する。
【0034】
原子炉圧力容器(2)が破損すると、炉心溶融物の静水圧と原子炉圧力容器(2)内の残留過剰ガス圧の作用下で、炉心溶融物が片持ちトラス(3)に保持されたガイドプレート(1)の表面に流れ始める。ガイドプレート(1)上を流れ落ちる炉心溶融物は、容器(4)に入り、フィラー(7)と接触する。原子炉圧力容器(2)内の高圧下での炉心溶融物のセクター非軸対称流動により、ガイドプレート(1)と片持ちトラス(3)のそれぞれの部分破壊が起こり、その結果、原子炉圧力容器(2)内の過剰圧力が、最初に当該ダンパー(31)に直接影響し、次に凸状膜(11)に影響を及ぼす。
【0035】
図3図5に示すように、凸状膜(11)の内側において凸状膜(11)の面前に取り付けられたハイドロガスメカニカルダンパー(31)は、原子炉圧力容器(2)から、容器(4)と片持ちトラス(3)の間の漏れのない接続領域へ移動する炉心溶融物の破片と動的ガス流からの直接的な衝撃の影響を受ける。ハイドロガスメカニカルダンパー(31)の機能的能力により、蒸気とガスの混合物が原子炉圧力容器(2)の内部から当該ダンパー(31)の外面の背後に存する空間に流れる過程で必要な流体力学的抵抗を提供し、周囲の圧力上昇率を低下させると同時に圧力上昇に要する時間を延長させることができる。これにより、容器(4)の内側と外側の圧力の均一化と凸状膜(11)の動的負荷の低減に必要な時間が提供される。
【0036】
ハイドロガスメカニカルダンパー(31)は、その下部が凸状膜(11)の下部フランジ(15)上にある内側の包帯プレート(19)の内側のファスナー(22)を覆い、その上部が内側の包帯プレート(19)と凸状膜(11)の上部フランジ(14)との溶接部(20)を覆っており、炉心溶融物表面からの熱放射の影響から凸状膜(11)を保護する。
【0037】
外側および内側のセクターシェル(32)、(33)の厚み、追加される中間のセクターシェル(39)の厚み、シェル(32)、(33)、(39)間における半径方向のギャップ(37)、逃げ孔部(38)の寸法などの幾何学的特性は、炉心溶融物表面からの熱放射による加熱の場合にハイドロガスメカニカルダンパー(31)が凸状膜(11)への熱流束を、原子炉シャフト(10)内の水位が凸状膜(11)の設置レベルより下になる条件下で凸状膜(11)から飽和蒸気への熱伝達によって決定される安全値まで減衰させるように選択される。
【0038】
図1図2に示すように、ハイドロガスメカニカルダンパー(31)の外面の面前に存する空間内において、容器(4)のフランジ(5)と片持ちトラス(3)の下面との間に取り付けられた凸状膜(11)は、容器(4)を密閉して、外部冷却用に供給された水による浸入から容器(4)を保護し、また、片持ちトラス(3)の独立した半径方向および方位角方向の熱膨張、容器(4)の軸方向および半径方向の熱膨張、および原子炉における当該システムの機器の構成要素への機械的衝撃の影響下での片持ちトラス(3)と容器(4)の独立した動きも提供する。構造的に凸状膜(11)は、垂直に方向付けされた複数のセクター(12)で構成されており、これらは溶接部(13)によって相互に接続されている。
【0039】
原子炉圧力容器(2)から容器(4)への炉心溶融物の流れとこれに伴う圧力上昇の初期段階において凸状膜(11)がその機能を維持するために、凸状膜(11)は、ハイドロガスメカニカルダンパー(31)によって提供される保護スペース内に配置される。
【0040】
スラグキャップと炉心溶融物表面上に形成された薄いクラストに給水バルブ(8)を介した冷却水の供給が開始される前に、容器(4)と片持ちトラス(3)の熱保護が破壊される。これにより、炉心溶融物表面側からハイドロガスメカニカルダンパー(31)への熱衝撃が大きくなる。ハイドロガスメカニカルダンパー(31)は、熱負荷を部分的に凸状膜(11)に伝達し、凸状膜(11)は、その内面側から加熱が開始されるが、その厚さが薄いために、放射熱流束によって破壊されることはない。
【0041】
同じ期間中に、ガイドプレート(1)と、これによって保持されている原子炉圧力容器(2)の底部が、炉心溶融物の残留物でさらに加熱される。容器(4)内に炉心溶融物表面上のクラストへの冷却水の供給が開始された後、凸状膜(11)は、容器(4)の内部空間を密閉し、容器(4)の内部と外部を分離する機能を果たし続ける。容器(4)の外面を安定的に水冷するモードでは、凸状膜(11)は、外側の水で冷却されるため破壊されない。ただし、原子炉圧力容器(2)の底部とその内部の少量の炉心溶融物の状態が変化する可能性がある。これにより、原子炉圧力容器(2)の底部の破片が炉心溶融物の残留物とともに容器(4)内に落下し、容器(4)のフランジ(5)の熱保護(6)にその炉心溶融物が動的な影響を与え、炉心溶融物と水との相互作用による圧力上昇を引き起こす可能性がある。
【0042】
炉心溶融物と水との相互作用は、炉心溶融物表面に固いクラストがまだ形成されておらず、原子炉圧力容器(2)の底部に炉心溶融物の残留物が存在しているという条件下であり、炉心溶融物表面が水で冷却される最初の段階で、炉心溶融物表面上の薄いクラストの表面を覆っているスラグキャップの表面にほとんど水がなく、30分を超えない時間内にのみ可能である。これらの条件下では、上部からスラグキャップに供給された冷却水の全量が蒸発し、上部にある構造物を冷却する。
【0043】
スラグキャップに水が蓄積し始めると、つまり蒸発する水の流量が容器(4)への水の供給に遅れをとり始めると、炉心溶融物表面のクラストが急速に成長し始める。クラストの成長は不均一であり、最も厚いクラストは容器(4)の内面近くに形成され、薄いクラストは容器(4)の中央部における炉心溶融物表面に形成される。これらの状況下では、原子炉圧力容器(2)の底部の落下破片が薄いクラストを突き破り、その衝突の結果としてクラスト表面へ放出された炉心溶融物が水と反応して衝撃波を発生させる可能性があり、または、原子炉圧力容器(2)の底部の崩壊は発生しなくても、炉心溶融物の残留物が、水で覆われた炉心溶融物のクラストに注ぎ込まれ、蒸気爆発による衝撃波の発生を引き起こす可能性もある。
【0044】
容器(4)内の圧力上昇の過程で凸状膜(11)を破壊から保護するため、第1段階ではハイドロガスメカニカルダンパー(31)が使用され、その破壊があった場合、第2段階では凸状膜(11)の外側および内側に取り付けられた外側および内側の包帯プレート(18)、(19)が使用される。
【0045】
ハイドロガスメカニカルダンパー(31)は、凸状膜(11)を保護する第1段階で衝撃波を吸収する。外側および内側のセクターシェル(32)、(33)は、その主な減衰構成要素であり、それらの間に、1つまたはいくつかの中間セクターシェル(39)を設置するとしても良い。
【0046】
内側のセクターシェル(33)に衝撃波が作用すると、そのシェル(33)を構成する各セクターが半径方向に動き始める。ハイドロガスメカニカルダンパー(31)の設計の特徴は、セクターシェル(32)、(33)、(39)の形状変化の方向が外乱の衝撃方向から独立していることである。各シェル(32)、(33)、(39)の変形は、半径方向にのみ発生し、この場合、各シェル(32)、(33)、(39)の最大変形は、上部および下部のセクターファスナー(34)、(35)からほぼ等しい距離のところで発生する。
【0047】
衝撃波の影響下で、各シェル(32)、(33)、(39)は半径方向に曲がり、セクター間のスリット(36)が方位角方向に開く。しかし、このことは、流れ面積の増加をもたらさず、例えば、2つのシェル(32)および(33)のみが取り付けられている場合、外側のシェル(32)の各セクター間のスリット(36)が内側のシェル(33)の各セクターとオーバーラップするというような方法で、各シェル(32)、(33)、(39)がオフセットされているという事実のために、蒸気ガス混合物の半径方向の流れに対する各シェルの流体力学的抵抗の減少を引き起こさない。内側のセクターシェル(33)に衝撃波が作用すると、このシェルの各セクターが半径方向に曲がり始め、外側のセクターシェル(32)の隣接するセクターにその力を伝達する。内側のセクターシェル(33)への衝撃が大きいほど、外側のセクターシェル(32)の隣接するセクターへの接触圧力が大きくなり、これにより、集中した衝撃荷重をより大きな領域内に再分配することができ、その結果、局所的な衝撃荷重が加えられたときにハイドロガスメカニカルダンパー(31)が破壊されるのを防ぐことができる。
【0048】
各セクター間のスリット(36)のサイズが、衝撃荷重を受けて変形する間における外側と内側のセクターシェル(32)、(33)の各セクターの軸方向の自由な動きを決定し、また、外側と内側のセクターシェル(32)、(33)間の半径方向のギャップ(37)が、内側のセクターシェル(33)への衝撃波の影響下で、内側のセクターシェル(33)から外側のセクターシェル(32)に伝達されるこれらのシェルの各セクター間の動摩擦力を定義する。セクターシェル(32)、(33)間における半径方向のギャップ(37)が小さいほど、接触圧力が大きくなり、セクターシェル(32)、(33)間に発生する摩擦力が大きくなって、それらの変位が小さくなり、その結果、 各シェル(32)、(33)におけるセクター間のスリット(36)が小さくなる。中間のセクターシェル(39)を使用することで、ランダムな方向の局所的な衝撃荷重とセクター非軸対称衝撃波に対するハイドロガスメカニカルダンパー(31)の必要な強度と耐性を確保できる。
【0049】
ハイドロガスメカニカルダンパー(31)の剛性は、一組のセクターシェル(32)、(33)、(39)と、シェル(32)、(33)、(39)間におけるスリット(36)および半径方向のギャップ(37)だけでなく、シェル(32)、(33)、(39)から凸状膜(31)の上部、下部フランジ(14)、(15)への動的な力の伝達を提供する上部、下部セーフティエンドストッパー(40)、(41)を備えた上部、下部セクターファスナー(34)、(35)によっても調整される。
【0050】
この場合、上部セクターファスナー(34)には、調整ギャップ(44)を固定する調整ナット(43)の動きを制限するリテーナー(42)が設けられ、下部セクターファスナー(35)には、非軸対称波の影響または局所に集中した機械的または動圧の影響を受ける各シェル(32)、(33)、(39)の基部の破損および破壊を防止する下部セーフティエンドストッパー(41)が設けられている。この下部ファスナー(35)には、安全ロック部(45)を追加装備することもできる。
【0051】
衝撃波から凸状膜(11)を保護する第2段階では、凸状膜(11)の外側と内側に取り付けられた外側と内側の包帯プレート(18)、(19)が使用され、外側と内側の安全包帯ギャップ(24)、(25)による制限の範囲内で、凸状膜(11)の幾何学的特性の一定の変化を保証する。圧力上昇時の衝撃波は、容器(4)の軸に対して非対称に伝播するため、凸状膜(11)に対する衝撃波の影響は、外側および内側の包帯プレート(18)、(19)がそれぞれ直面する前方および後方の両方の圧力波が含まれる。外側および内側の包帯プレート(18)、(19)は、凸状膜(11)の両側に対称的に配置され、前方および後方の圧力波の影響下で振動する凸状膜(11)の腹の大きさを大幅に減少させて、凸状膜(11)の振動プロセスと共鳴現象の発生を防ぐ。
【0052】
衝撃波の動きの特徴は、下から上向きに動くことである。これらの条件下では、下部フランジ(15)、凸状膜(11)の下部、外側および内側の包帯プレート(18)、(19)の下部が最初に衝撃荷重を引き受ける。凸状膜(11)の変形は下から上に向かって増加する。外側および内側の包帯プレート(18)、(19)の各上端部は、凸状膜(11)の破壊を防止するために、一定の外側および内側の安全包帯ギャップ(24)、(25)を備えた凸状膜(11)の上部フランジ(14)にしっかりと(例えば溶接部(20)によって)、固定されており、衝撃波が下から上に移動するときの凸状膜(11)の形状変化の振幅が減少する。
【0053】
炉心溶融物がフィラー(7)に入ると、容器(4)が徐々に加熱され、凸状膜(11)に圧縮圧力がかかる。凸状膜(11)がその補償機能を実行するためには、外側および内側の包帯プレート(18)、(19)の動きに対して凸状膜(11)の軸方向と半径方向の動きが独立していることが保証される必要がある。動きの独立性の要件は、衝撃波の影響から凸状膜(11)を保護する必要による、凸状膜(11)の剛性と、外側および内側の包帯プレート(18)、(19)の剛性との大きな違いに関連している。動きの実際的な独立性は、外側および内側の安全包帯ギャップ(24)、(25)を有する凸状膜(11)の下部フランジ(15)上に存する外側および内側の包帯プレート(18)、(19)の自由な動きを提供する外側および内側のファスナー(21)、(22)の取り付けによって達成される。
【0054】
輸送および取り扱い作業の過程では、凸状膜(11)の損傷を防ぐために、外側および内側の包帯プレート(18)、(19)が外側および内側の調整ナット(27)、(28)を使用してしっかりと固定され、設計位置への取り付け時には、外側および内側の調整ナット(27)、(28)がそれぞれに対応するリテーナー(26)に当たるまで完全に緩められる。これにより、外側および内側の調整ギャップ(29)、(30)が形成される。調整ギャップ(29)、(30)は、容器(4)の熱膨張の間、凸状膜(11)の下部フランジ(15)に従って、外側および内側の包帯プレート(18)、(19)がスライドすることによる、凸状膜(11)の下部フランジ(15)の自由な上向きの移動を提供する。
【0055】
凸状膜(11)が衝撃波の影響を受けたときに、凸状膜(11)の、片持ちトラス(3)と容器(4)への確実な固定が確保されている必要がある。この目的のために、凸状膜(11)の上部フランジ(14)が片持ちトラス(3)に固定された上部熱伝導要素(16)に取り付けられており、上部フランジ(14)と上部熱伝導要素(16)が一種のポケット(23)を形成し、外部媒体(冷却水または蒸気と水の混合物)との効率的な熱交換を提供する。対流熱交換用のポケット(23)は、炉心溶融物表面の冷却開始前に上部フランジ(14)と上部熱伝導要素(16)を過熱から保護するために必要であり、これにより、これらの部品の強度特性を維持して衝撃荷重に耐えることができる。
【0056】
凸状膜(11)の下部では、下部フランジ(15)および下部熱伝導要素(17)から熱除去が行われ、内側の包帯プレート(19)を支える内側のファスナー(22)から熱除去が行われる。
【0057】
このように原子炉における炉心溶融物の局在化および冷却のためのシステムにおいて、包帯プレートおよびハイドロガスダイナミックダンパーを凸状膜と組み合わせて使用することにより、炉心溶融物を水冷する初期段階で、非軸対称に炉心溶融物が原子炉圧力容器から流出し、原子炉圧力容器の底部の破片が容器内に落下するという状況下で、容器と片持ちトラス間の気密接続領域内での破壊が防止され、その信頼性を高めることができる。
図1
図2
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図4
図5
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図7