(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】LED管ランプ用の補助構成
(51)【国際特許分類】
H05B 45/357 20200101AFI20240612BHJP
H05B 47/20 20200101ALI20240612BHJP
H05B 45/50 20220101ALI20240612BHJP
H05B 45/327 20200101ALI20240612BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20240612BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20240612BHJP
H05B 45/385 20200101ALI20240612BHJP
【FI】
H05B45/357
H05B47/20
H05B45/50
H05B45/327
H05B45/375
H05B45/38
H05B45/385
(21)【出願番号】P 2023555179
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2022054338
(87)【国際公開番号】W WO2022189134
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/079827
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ツァン フイ
(72)【発明者】
【氏名】メン ツァオミン
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/194355(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00939476(EP,A2)
【文献】特開2018-160384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/357
H05B 47/20
H05B 45/50
H05B 45/327
H05B 45/375
H05B 45/38
H05B 45/385
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED管ランプを駆動するための交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断の際に、前記LED管ランプを駆動するためのDC電源電圧を供給するための、補助構成であり、
前記交流主電源の欠落、故障、又は切断の際に、DC電圧源から、前記DC電圧源によって生成された入力DC電圧を受け取るように構成されている、入力インタフェースと、
前記LED管ランプに接続するための、及び接続されている前記LED管ランプに前記DC電源電圧を供給するための、出力インタフェースと、を備える、補助構成であって、
前記補助構成は、
前記入力インタフェースと前記出力インタフェースとの間に接続されている変調回路を備え、前記変調回路が、1つ以上の変調パターンに従って前記入力DC電圧を変調するように構成されており、前記1つ以上の変調パターンが、前記交流主電源電圧と同じ少なくとも1つの電気的特性を有するように、前記出力インタフェースにおける前記DC電源電圧を制御することにより、前記DC電源電圧を生成するように構成されている、補助構成。
【請求項2】
前記少なくとも1つの電気的特性が、安全検出モードで動作している前記LED管ランプの監視回路によって検出されて、前記DC電源電圧を使用する安全検出を前記監視回路が開始することを可能にするように構成されている、1つ以上の電気的特性を含む、請求項1に記載の補助構成。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電気的特性が、
前記入力DC電圧の振幅よりも低く、かつ所定の電圧よりも低い電圧、及び/又は、
所定の値を上回る大きさの勾配を有する傾斜を伴う、立ち下がりエッジ若しくは立ち上がりエッジのうちの、少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載の補助構成。
【請求項4】
前記変調回路が、前記1つ以上の変調パターンの2回以上の反復のシーケンスで、前記入力DC電圧を変調するように適合されており、オプションとして、前記変調パターンが、前記交流主電源電圧において前記電気的特性が発生する周波数と、実質的に同じ周波数で存在する、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の補助構成。
【請求項5】
前記変調回路が、或る電気的特性を有するDC電源電圧を供給する、第1の変調パターンの1回以上の反復と、前記第1の変調パターンの電気的特性とは異なる別の電気的特性を有するDC電源電圧を供給する、第2の異なる変調パターンの1回以上の反復とを、順次に実施するように適合されている、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の補助構成。
【請求項6】
前記LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されるときを検出するように構成されている、電力検出器を更に備え、
前記変調回路が、前記LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されていることを前記電力検出器が検出することに応答して、前記入力DC電圧を変調することを停止するように構成されている、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の補助構成。
【請求項7】
前記変調回路が、前記入力インタフェース又は前記出力インタフェースと直列又は並列の、スイッチを含む、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の補助構成。
【請求項8】
前記変調回路が、前記DC電源電圧の下で、入力電流を、前記監視回路の前記安全検出が開始した後に、前記入力電流を使用する前記安全検出に合格するために前記監視回路によって検出されるよう、供給するための、電流制御回路を含む、
請求項2に記載の補助構成。
【請求項9】
前記補助構成が、DC-DCコンバータと前記LED管ランプとの間に接続されるように適合されている、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の補助構成。
【請求項10】
前記補助構成が、前記入力DC電圧の電圧レベルを修正するように構成されている、DC-DCコンバータを備える、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の補助構成。
【請求項11】
前記変調回路が、前記DC-DCコンバータを含み、前記DC-DCコンバータが、前記入力DC電圧を変調して、前記補助構成の前記出力インタフェースにおける前記DC電源電圧に前記少なくとも1つの電気的特性を付加するために、前記DC-DCコンバータの変換動作を変化させるように構成されている、
請求項10に記載の補助構成。
【請求項12】
前記DC-DCコンバータが、前記DC電源電圧において前記少なくとも1つの電気的特性を生成するように、前記入力DC電圧を変化させるために、バーストモードで動作するように適合されている、請求項11に記載の補助構成。
【請求項13】
前記LED管ランプを駆動するための前記交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを受信するように適合されている、AC状態検出回路を更に備え、
前記DC-DCコンバータが、前記交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを前記AC状態検出回路が受信することにのみ応答して、前記入力DC電圧を変換するように構成されている、請求項10に記載の補助構成。
【請求項14】
バックアップドライバであって、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の補助構成と、
前記DC電圧源であって、
バックアップエネルギー貯蔵部に接続されるように適合されている、電源入力インタフェース、及び
前記補助構成のためのDC電圧を生成するために、前記ドライバの入力インタフェースにおいて受け取られた前記バックアップエネルギー貯蔵部からのエネルギーを変換するように適合されている、DC-DC変換回路、を含む、前記DC電圧源と、を備える、バックアップドライバ。
【請求項15】
前記LED管ランプを駆動するための前記交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを受信するように適合されている、電源AC状態検出回路を更に備え、
前記DC-DC変換回路が、前記交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを前記電源AC状態検出回路が受信することにのみ応答して、前記バックアップエネルギー貯蔵部からの前記エネルギーを変換するように構成されている、請求項14に記載のバックアップドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED管ランプの分野に関し、特に、LED管ランプ用の補助電源に関する。
【背景技術】
【0002】
照明の分野では、旧式の照明ユニット、特に蛍光管ランプを置き換えるか又はレトロフィットするための、LED照明ユニットへの関心が高まっている。そのようなLED照明ユニットは、一般に「LED管ランプ」と称される。これらのレトロフィットLED照明ユニットは、本来は蛍光ランプに電力供給するように設計されていた安定器などの電源から、電力を引き出すことが可能となるように、適切に設計される必要がある。このLEDランプは、安定器に適合可能であることを示す、「タイプA」のランプと呼ばれている。
【0003】
市場が成長するにつれて、安定器が存在しない新規の設備、又は、安定器が迂回/除去された再配線設備に関する、ビジネスもまた存在している。それゆえ、LED管ランプは、AC主電源に直接接続され、これは「タイプB」のランプと呼ばれており、換言すれば、ランプの電源は、少なくともAC主電源を含む電源であるが、安定器の少なくとも1つの構成要素を含まない電源である。例えば、点火器、EM安定器、及び/又は補償コンデンサなどの、安定器の1つ以上の構成要素(存在する場合)が、除去されているか、作動停止されているか、又は迂回されていてもよい。実施形態では、「タイプB」の電源は、AC主電源のみを含み得る。
【0004】
LED管ランプは、AC主電源が切断されるか、又は欠落しているか、又は故障した場合、すなわち、緊急事態にあるか、あるいは、ピーク時間におけるAC主電源の過剰使用を回避するために、ユーザがAC主電源から別の電源に切り替えることを要望する、デマンド・オン・リクエスト(demand on request)状況にある場合であっても、作動状態を維持する(例えば、光を出力する)ことが望ましいであろう。それゆえ、LED管ランプ用のバックアップ電源又は補助電源を有することが好ましいであろう。典型的には、補助電源は、LED管ランプに電力供給するためのDC電圧を提供するように構成されている、バッテリ又はセル構成を含み、オプションとして、バッテリのDC電圧を、LED管ランプに関して好適な、より低い又はより高い電圧/電流に変換するための、コンバータが存在している。AC LED管ランプに関する、このDC緊急時の概念は既知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LED管ランプ用のバックアップ電源又は補助電源の動作が、効果的に、迅速に、及び/又は低い故障リスクを有して実行されることを確実にすることが、継続的に望まれている。
【0006】
国際公開第2020194355(A1)号は、動作モード試験及び/又は構成モード試験を実施するために、非常用ランプが光コマンドを受信することが可能であることを開示している。
【0007】
欧州特許出願公開第0939476(A2)号は、エンド回路に印加される電圧形状が変更されることができ、個々の待機灯が、スイッチングユニットに関連付けられており、スイッチングユニットが、電圧形状を検出し、それに応じて、関連付けられている待機灯をオン又はオフに切り替えるためのデバイスを有する、非常用照明電源を開示している。
【0008】
従来のタイプBのLED管ランプの問題点は、それらが多くの場合、LED管ランプにAC主電源が正しく供給/接続されているか否かについての、安全検出又は安全確認を実行するように構成されている、監視回路であって、例えば、LED管ランプを通って電流が流れることを可能にする前に、人体/対象物がLED管ランプへの一方の入力端に触れておらず、それと同時に、ランプの別の入力端が、作動状態のランプソケット内に既に存在していることにより、AC主電源とLEDランプとの間にインピーダンスを形成していることを確認するように構成されている、監視回路を含むことである。そのような安全検出は、独国特許第102013108775号で開示されている。しかしながら、これらの監視回路は、多くの場合、正しく機能するために、AC主電源の特定の電気的特性に依存しており、例えば、安全検出の開始をトリガするために、又は、安全検出の中で特定のステップをトリガするために、AC主電源の特定の特性に依存している。例えば、一部のLED管ランプは、潜在的な人体への電圧が低レベルであることにより安全であるような、ゼロ交差付近の低いAC主電源の電圧において、安全検出を行う。電気的特性はまた、時間領域、周波数領域などにおける、AC主電源電圧の波形の特性の観点からも、解釈されることが可能である。
【0009】
本発明者らは、AC主電源の故障(すなわち、緊急時)又はAC主電源の欠落の場合に、AC主電源に置き換わるDC電源は、DC電源の出力電圧が、多くの場合、1%の極めて小さいリップルを有する一定のDC電圧であるため、これらの同じ電気的特性を有する可能性が低いという洞察を得ている。したがって、一部のLED管ランプは、DC電源が始動した場合に正しく動作しない可能性があるが、これは、DC電源のDC電圧によって、安全検出が開始するようにトリガされず、安全性が合格とされないことは言うまでもなく、それにより、LED管ランプのLED管によって電力が引き出されることが阻止され、LED管ランプが、所望されるように作動状態に維持されないためである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、安全検出の開始をトリガする観点から、LED管ランプのトリガ回路によって理解されるように、DC電圧がAC主電源をシミュレート又はエミュレートするように、LED管ランプに供給されるDC電圧を、同じ特性で適切に変調することによって、この問題を克服する手法を提案する。
【0011】
本発明は、請求項によって定義される。
【0012】
本発明の一態様による実施例によれば、LED管ランプを駆動するための交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断の際に、LED管ランプを駆動するためのDC電源電圧を供給するための、補助構成が提供される。
【0013】
補助構成は、交流主電源の欠落、故障、又は切断の際に、DC電圧源から、DC電圧源によって生成された入力DC電圧を受け取るように構成されている、入力インタフェースと、LED管ランプに接続するための、及び接続されているLED管ランプにDC電源電圧を供給するための、出力インタフェースとを備え、補助構成が、入力インタフェースと出力インタフェースとの間に接続されている変調回路を備え、変調回路が、1つ以上の変調パターンに従って入力DC電圧を変調するように構成されており、1つ以上の変調パターンが、交流主電源電圧と実質的に同じである少なくとも1つの電気的特性を有するように、出力インタフェースにおけるDC電源電圧を制御することにより、DC電源電圧を生成するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明は、(LED管ランプに電力供給するための)AC電源の故障が、LED管ランプ用の補助電源としてDC電源が使用される結果をもたらし得ることを認識するものである。特に、DC電源は一般に、DC電圧を供給するように構成されており、DC電圧は、LED管ランプの整流器ブリッジを通過して、LED管ランプのドライバ回路に電力供給することができるため、LED管ランプに電力供給するために電気的に適格である。
【0015】
しかしながら、本明細書ではまた、現代のLED管ランプは、多くの場合、AC電源の正しい動作又は接続を検出若しくは識別する(例えば、ランプと中性点/接地との間の人体を検出する)ように構成されている、監視回路を含むことも認識されている。AC電源の突然の故障又は予期せぬ故障が存在する場合、通常は、(非常用)DC電圧源が始動する前に実質的な時間遅延が存在する。このことは、LED管ランプが一時的に電力を時間的に喪失する結果をもたらすものであり、その後にDC電源電圧が印加される際に、LED管ランプが、正しい接続を再検出する必要があることを意味する。(LED管ランプの)監視回路は、AC電源の特定の特性において、検出を行うように作動される。換言すれば、監視回路は、電源が特定の特性を有する場合にのみ、「正しい接続」の検出を開始してもよい。例示的な特性としては、ゼロ交差付近のAC電源、高いdv/dt点(ゼロ交差付近であることを意味する)、又はAC電源の低い電圧が挙げられる。検出が開始して合格した場合には、LED管ランプが動作する(すなわち、光を出力する)ことが可能となる。LED管ランプは、DC電源が始動する時点で、人体が存在せずに既にランプがソケット内に存在していることになるため、本質的に検出に合格するはずであると想定されることができる。LED管ランプは、検出を開始するために作動/トリガされることを必要とするのみである。それゆえ、DC電源電圧において、AC電源電圧の特定の特性を生じさせる、基本的な原理及び利点が存在する。
【0016】
本明細書では、AC電源電圧のこれらの特性を提供するために、変調回路を使用して(例えば、非常用電源又はバックアップ電源からの)DC電圧を変調することが提案される。このことは、DC電源が、監視回路を作動させ、次いでLED管ランプに電力供給すること、及び/又はLED管ランプを駆動することが可能であることを確実にする。
【0017】
本明細書の目的上、用語「DC電圧」は、1つの極性のみを有する電圧を指すために使用される。DC電圧は、ゼロに復帰するか又はゼロ付近に復帰する、方形波又は鋸歯状の波形さえも有するように変調されることができるが、その極性が反転されないため、依然として「DC電圧」と見なされる点が理解されるであろう。
【0018】
1つ以上の変調パターンとは、好ましくは、1つ以上の所定の変調パターンである。
【0019】
詳細な実施形態では、少なくとも1つの電気的特性は、安全検出モードで動作しているLED管ランプの監視回路によって検出されて、DC電源電圧を使用する安全検出を監視回路が開始又は実施することを可能にするように構成されている、1つ以上の電気的特性を含み得る。
【0020】
この実施形態は、DC電圧において変調された電気的特性の機能が、安全検出を開始するためにLED管ランプによって検出されるためのものであると定義している。
【0021】
追加的又は代替的実施形態では、電気的特性は、接続が正しいことを監視回路が判断する基準であり、すなわち、電気的特性は、人体が存在しない場合に交流主電源において提示される電気的特性である。電気的特性の一例は、十分に高いピーク電流が監視回路を通って流れることであり、これは、監視回路の他には、交流主電源の下で人体インピーダンスが存在しないことを意味する。それゆえ、変調回路は、一時的に電流源として機能することによって、この高電流をDC電源電圧上に変調することができる。
【0022】
オプションとして、少なくとも1つの電気的特性は、入力DC電圧の振幅よりも低く、かつ所定の電圧よりも低い電圧、及び/又は、所定の値を上回る大きさの勾配を有する傾斜を伴う、立ち下がりエッジ若しくは立ち上がりエッジのうちの、少なくとも一方を含む。好ましくは、所定の電圧は、変調されていないDC電圧よりも実質的に低く、また、変調されていないDC電圧のリップルの谷よりも低い。変調されていないDC電圧のリップルは、通常は1%である。代替的に、LED管ランプの監視回路が、いずれかの他の電気的特性によってトリガされる場合には、その電気的特性は、変調されたDC電圧が依然として、「DC」電圧の定義、すなわち単一極性の電圧に属する限り、DC電圧において変調されることが可能である。
【0023】
典型的な監視回路は、LED管ランプへの入力電圧の、これらの特徴のうちの少なくとも1つを認識することによって、AC主電源の正しい接続を検出することを開始するように構成されている。これらの特徴のうちの1つ以上を有するように、(適切な変調を介して)DC電圧を修正することによって、補助構成によって供給される電圧は、AC主電源を(少なくとも最初は)シミュレートすることができる。
【0024】
いくつかの実施例では、変調回路は、1つ以上の変調パターンの2回以上の反復のシーケンスを使用して、DC電圧を変調するように適合されている。
【0025】
一部のLED管ランプは、検出の複数のインスタンスを必要とし、検出の複数のインスタンスの結果が全て安全である場合に、ドライバをオンにするものであるため、この実施形態は、LED管ランプにおける検出の複数のインスタンスをトリガするために、複数の変調パターンのシーケンスを提供する。このことは、LED管ランプとの、より良好な適合性をもたらす。
【0026】
変調パターンを繰り返すことはまた、例えば、変調パターンの第1反復が、(例えば、ノイズなどに起因して)安全試験をトリガしないか又は安全試験に合格しない場合に、冗長性を提供するためにも役立つ。
【0027】
オプションとして、変調パターンは、交流主電源電圧において電気的特性が発生する周波数と、実質的に同じ周波数で実施される。この実施形態は、より良好にAC主電源を模倣している。例えば、電気的特性が、ゼロ付近の電圧である場合には、変調パターンは、整流されたAC主電源電圧における、ゼロ付近の電圧の発生を模倣して、100又は120Hzの周波数で実施することが可能である。しかしながら、LED管ランプが電気的特性の発生に対して厳格なタイミング要件を有さない場合には、変調回路は、LED管ランプに可能な限り早く安全検出を完了させるように、反復を可能な限り接近させることができる。
【0028】
変調回路は、或る1つの電気的特性を有する第1の変調パターンの1回以上の反復と、第1の変調パターンとは異なる別の電気的特性を有する第2の異なる変調パターンの1回以上の反復とを、順次に実行するように適合されてもよい。第1の変調パターンは、或る電気的特性を有するDC電源電圧を提供してもよく、第2の変調パターンは、第1の変調パターンとは異なる別の電気的特性を有するDC電源電圧を提供してもよい。
【0029】
それゆえ、各変調パターンは、DC電源電圧における異なるタイプの電気的特性を提供してもよい。
【0030】
監視回路をトリガするための電気的特性は、異なるブランド又はモデルのLED管ランプごとに異なり得るため、この実施形態は、種々のLED管ランプとのより広範な適合性を与えるために、複数の異なる電気的特性を試みることになる。
【0031】
それゆえ、変調回路は、第1の変調パターンの1回以上の反復の実行を含む、第1の段階と、第2の異なる変調パターンの1回以上の反復の実行を含む、第2の段階との、少なくとも2つの段階で形成されているシーケンスを実行するように構成されている。当然ながら、変調回路は、異なる変調パターンが各段階中に1回以上実行される、任意の数の段階(例えば、n個の段階)で形成されているシーケンスを実行するように構成されてもよい。
【0032】
シーケンスは、任意の回数で繰り返されてもよく、例えば、2回以上繰り返されてもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、補助構成は、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されるときを検出するように構成されている、電力検出器を更に備え、変調回路は、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されていることを電力検出器が検出することに応答して、入力DC電圧を変調することを停止するように構成されている。
【0034】
監視回路が安全検出を実行して、電力をLED管ランプが引き出すことが可能にされると、監視回路は、電力がリセット/リサイクルされるまでは、安全監視を繰り返さないことが認識されている。それゆえ、補助構成の効率を向上させるために、及び、LED管ランプに一貫した電力を供給するために、補助変調回路は、変換された電圧を変調することを停止してもよい。ここで、LED駆動電力とは、LED管ランプの監視回路などの、周辺回路用の電力ではなく、LEDに光を放出させるための電力を意味する。この電力は、好ましくは、数百mAよりも高い電流、例えば、300mAを上回るか又は500mAを上回る電流を有するべきであり、その一方で、LED管ランプの監視回路などの、周辺回路の動作に関する電流は、通常は100mA又は50mAを下回る。
【0035】
変調回路は、入力インタフェース又は出力インタフェースと直列又は並列の、スイッチを含んでもよい。スイッチが開閉されることにより、DC電圧を変調してもよい。スイッチは、DC電圧を変調するために、あるいは線形モードのみで、又は線形モードと開/閉モードとの交代制で動作してもよい。
【0036】
オプションとして、変調回路は、監視回路の安全検出が開始した後に、DC電源電圧を使用する安全検出に合格するために監視回路によって検出されることになる電気的メトリックを、DC電源電圧に提供させるように適合されている。
【0037】
補助構成は、DC-DCコンバータとLED管ランプとの間に接続されるように適合されてもよい。特に、入力インタフェースは、DC-DCコンバータに接続するように構成されてもよく、補助構成は、DC-DCコンバータとLED管ランプとの間のアドオンモジュールとして機能してもよい。このことは、DC-DCコンバータを修正/変更することのない、安価なアドオンモジュールをもたらす。
【0038】
代替的に、補助構成は、出力DC電圧の電圧レベルを修正するように構成されている、DC-DCコンバータを備えてもよい。
【0039】
この実施形態では、補助構成は、全体として、タイプBのLED管ランプをサポートするための、DCバックアップドライバである。
【0040】
いくつかの実施例では、変調回路は、DC-DCコンバータを含み、DC-DCコンバータは、入力DC電圧を変調して、補助構成の出力インタフェースにおけるDC電源電圧に少なくとも1つの電気的特性を付加するために、その変換動作を変化させるように構成されている。この実施形態では、DC-DCコンバータは、LED管ランプ内のLEDに電力供給するために実質的に一定のDC電源電圧を供給する、その本来の機能の他に、電気的特性を生成するために再利用される。このことにより、バックアップドライバ内のDC-DCコンバータに、二重の機能が与えられる。
【0041】
DC-DCコンバータは、例えば、DC電源電圧において少なくとも1つの電気的特性を生じさせるように、入力DC電圧を変化させるために、オプションとして低周波数の、バーストモードで動作するように適合されてもよい。
【0042】
DC-DCコンバータをバーストモードで動作させることは、変換の周波数又はデューティサイクルを変化させることよりも容易であるため、この実施形態は比較的単純である。更には、タイプBのLED管ランプによって必要とされる電気的特性は、通常は低周波数領域にあるため、DC-DCコンバータを低周波数のバーストモードで動作させることのみで、既に十分である。ここで「低」周波数とは、スイッチング電源(switch mode power supply;SMPS)であるDC-DCコンバータのスイッチングの、「高」周波数に対するものである。SMPSのスイッチングの高周波数は、数十KHz~数百KHzの範囲であり得る一方で、バースト動作の低周波数は、10Hz~200Hzの範囲であってもよい。
【0043】
補助構成は、LED管ランプを駆動するための交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを受信するように適合されている、AC状態検出回路を更に備えてもよく、DC-DCコンバータは、交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものをAC状態検出回路が受信することにのみ応答して、入力DC電圧を変換するように構成されている。AC主電源が依然として存在しているが、ユーザがDC電源に切り替えることを望む、デマンド・オン・リクエストにおいてDC電源が使用される場合、AC状態検出回路は、デマンド・オン・リクエストを示すものを受信するためのインタフェースによって置き換えられることになる。
【0044】
このようにして、補助構成は、LED管ランプを駆動するための交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断が存在していることを、AC状態検出回路が示すことにのみ応答して、出力インタフェースにDC電源電圧を供給するように構成されてもよい。これは、DCバックアップドライバの典型的な動作である。
【0045】
補助構成は、DC電源電圧を少なくとも部分的に平滑化するように構成されている、平滑コンデンサを更に備えてもよい。
【0046】
また、バックアップドライバであって、前述の補助構成と、DC電圧源であって、バックアップエネルギー貯蔵部に接続されるように適合されている電源入力インタフェースと、補助構成に関するDC電圧を生成するために、ドライバの入力インタフェースにおいて受け取られたバックアップエネルギー貯蔵部からのエネルギーを変換するように適合されている、DC-DC変換回路とを含む、DC電圧源とを備える、バックアップドライバも提案される。バックアップドライバは更に、バッテリ又はセル構成などの、バックアップエネルギー貯蔵部を含んでもよい。
【0047】
バックアップドライバは、LED管ランプを駆動するための交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを受信するように適合されている、電源AC状態検出回路を更に備えてもよく、DC-DC変換回路は、交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを電源AC状態検出回路が受信することにのみ応答して、バックアップエネルギー貯蔵部からのエネルギーを変換するように構成されている。AC主電源が依然として存在しているが、ユーザがDC電源に切り替えることを望む、デマンド・オン・リクエストにおいてDC電源が使用される場合、AC状態検出回路は、デマンド・オン・リクエストを示すものを受信するためのインタフェースによって置き換えられることになる。
【0048】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以降で説明される実施形態から明らかとなり、当該の実施形態を参照して解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明のより良好な理解のために、及び、どのようにして本発明が遂行され得るかをより明確に示すために、次に、単に例として、添付図面が参照される。
【0050】
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明が、図を参照して説明される。
【0052】
詳細な説明及び具体的な実施例は、装置、システム、及び方法の例示的実施形態を示すものであるが、単に例示の目的を意図しており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない点を理解されたい。本発明の装置、システム、及び方法の、これら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の請求項、及び添付の図面から、より良好に理解されるであろう。これらの図は、概略的なものに過ぎず、正しい縮尺で描かれてはいない点を理解されたい。また、同じ参照番号は、これらの図の全体を通して、同じ部分又は同様の部分を示すために使用されている点も理解されたい。
【0053】
本発明は、LED管ランプにおける安全検出のための、LED管ランプの監視回路用に、DC電圧を適合させる、LED管ランプ用の補助構成を提供するための手法を提供する。特に、補助構成の変調回路が、交流主電源電圧の1つ以上の特性をシミュレートするために、LED管ランプ用にDC電源電圧を変調し、LED管ランプは、この特性に応じて安全検出を開始するように適合されている。
【0054】
本開示は、LED管ランプの監視回路が、接続されている電源の安全検出を実行するために、交流主電源の特定の特性に依存しており、これらの特性が、適切な変調の使用により、(代替の)DC電源電圧においてシミュレート又はエミュレートされることができるという認識に依拠している。LED管ランプへのDC電源電圧は、AC主電源信号と完全には同じではないが、監視回路の要件を満たす特性を有している。
【0055】
実施形態は、任意の好適な照明システム、例えば、教育環境、医療環境、産業環境、都市環境、屋外環境、又は家庭環境において採用される照明システムにおいて、採用されることができる。
【0056】
図1は、一実施形態による照明ユニット10を示すブロック図である。照明ユニットは、一実施形態による補助構成110と、LED管ランプ190とを備える。
【0057】
LED管ランプ190は、監視回路191及びLEDアレイ192を含む。LEDアレイ192は、LEDを通って流れる電流に応答して光を出力するように構成されている、1つ以上のLED(図示せず)を有してもよい。
【0058】
「監視モジュール」と標識される場合もある監視回路191は、LED管ランプ190へのAC電源VACの正しい動作又は接続を識別する(例えば、LED管ランプ190への入力と接地/中性電圧との間に人間又は対象物が存在しないことを検出する)ように構成されている。換言すれば、監視回路191は、LED管ランプを動作させる(すなわち、LED管ランプに電力/電流を引き出させる)ことが安全であるか否かを確証するために「安全検出」を実行するように構成されている(安全検出が実施されない場合には、電力/電流は、潜在的な人体を通って流れ、危険を引き起こす恐れがある)。このことは、安全検出モードで動作する監視回路によって実行されてもよい。不正な動作/接続が検出された場合には、監視回路は、LED管ランプ190(の下流構成要素)を通る(特に、LEDアレイ192を通る)電流の流れを阻止して、すなわち、(著しい)電力をLED管ランプが引き出すことを阻止してもよい。正しい動作/接続が検出された場合には、電流が流れることが可能にされ、LED管ランプ(の下流構成要素)が電力を引き出すことが可能にされる。
【0059】
「正しい」動作/接続とは、入力インピーダンスが、何らかの所定の値を下回る(例えば、LED管ランプの入力に、人間/物体/対象物が触れている可能性が低いことを示す)ものであり得る。反対に、「不正な」動作/接続とは、入力インピーダンスが何らかの所定の値を上回るものであり得る。LED管ランプに関する安全検出を実行するための他の手法が、当業者には明らかとなるであろう。
【0060】
監視回路191は、電源オンの開始時に、例えば、LED管ランプ190に電力が供給されることが開始される際に(例えば、LED管ランプに電力が初めて供給される際に、又は、LED管ランプに電力が供給されることが停止してから、ある程度の期間が経過した後に)、この安全検出を実行するように構成されてもよい。その後、監視回路191は、(例えば、この電力が除去されるまで)電流の流れを可能にしてもよく、又は可能にしなくてもよい。
【0061】
いくつかの実施例では、監視回路191は、(例えば、AC主電源の特定の電気的特性が満たされていることなどの、LED管ランプに供給されているAC主電源における)トリガに応答して、安全検出を実行してもよい。安全検出に合格した場合には、監視回路は、電流の流れを可能にしても(例えば、電力をLED管ランプが引き出すことを可能にしても)よい。安全検出に合格しない場合には、監視回路は、安全検出を繰り返すために、更なるトリガを待機し続けてもよい。
【0062】
それゆえ、監視回路191は、LED管ランプに供給されるAC主電源における特定の特性である、上記のトリガを監視して、トリガに応答してもよい。この特性は、安全検出を開始するためのトリガとして、又は、安全検出中にメトリックの測定をトリガするための、安全検出中に使用されるトリガとして使用されてもよく、一連の1つ以上のトリガが、安全検出の全体を通して使用される。
【0063】
いくつかの実施例では、1つ以上の特定の特性を検出すると、監視回路191は、LED管ランプ190の残部に電力が流れることを可能にするか否かを判定するために、安全検出を実行する(例えば、安全検出の開始をトリガする)。
【0064】
いくつかの実施例では、監視回路によって実行される安全検出は、(LED管ランプへの)電圧源の特定の1つ以上の特性に応答する、1つ以上のステップを含むことにより、安全検出の実行は、これらの特定の特性の存在に依存している。
【0065】
代替的実施例では、監視回路によって実行される安全検出は、LED管ランプを動作させることが安全であるか否かを決定するために、電圧源の特定の特性(例えば、入力電流)のメトリックを監視又は取得する、1つ以上のステップを含む。
【0066】
これらの安全検出の厳密な動作、及び、安全検出のトリガ/合格のために必要とされる電圧源の電気的特性は、LED管ランプの実装の詳細に応じて異なる。いくつかの更なる実施例が、本説明において後に与えられる。
【0067】
LED管ランプは、LED管ランプに供給される電圧を、LEDアレイ192を駆動するための電圧に変換するように構成されている、例えば、降圧、昇圧、又は昇降圧コンバータなどのDC-DCコンバータを含む、スイッチング電源193を更に含んでもよい。コンバータ193は、例えば、DC電圧を降圧コンバータに入力する前に、AC全波信号をDC半波に整流するための、整流器(例えば、ブリッジ整流器)を更に含んでもよい。当然ながら、コンバータにDC電圧が与えられる場合には、この電圧は、単純に整流器を通過する(すなわち、DC電圧は事実上、整流器を短絡のように取り扱い、ダイオードのみが順方向電圧を取り去るのみである)。
【0068】
通常の(AC主電源が存在している場合の)動作中、LED管ランプは、国/地域の送電網から電力供給されるAC主電源V
ACなどの、交流AC主電源電圧によって電源オンにされる。このことは、
図1の破線によって示されている。監視回路191は、監視回路による安全検出の開始をトリガすることが可能な、このAC主電源の特定の特性を識別する。安全検出が実施されて合格した場合には、LED管ランプは、AC主電源から電力電流を引き出し、LEDアレイ内のLEDをオンにする。
【0069】
また
図1にも示されるように、補助構成110は、交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断の場合に、DC電源電圧を供給するように構成されており、このDC電源電圧は、(例えば、停電又はヒューズ(ボックス)が飛んだ場合に)LED管ランプを駆動するためのものである。このことは、緊急事態又はバックアップ状況と呼ばれる。
【0070】
補助構成110は、入力インタフェース111及び出力インタフェース112を含む。入力インタフェース111及び出力インタフェース112はそれぞれ、当該技術分野において慣行の、正端子及び負端子を有してもよい。正端子は、高い電圧レベルを受け取る/供給するように構成されてもよく、負端子は、低い電圧レベル、例えば接地又はアースを表す電圧を、受け取る/供給するように構成されてもよい。
【0071】
入力インタフェース111は、DC電圧源140によって生成されたDC電圧Vin(「入力DC電圧」)を受け取るように構成されている。出力インタフェース112は、LED管ランプ190に電力供給するためのDC電圧VDC(「出力DC電圧」又は「DC電源電圧」)を供給するように適合されている。それゆえ、出力インタフェースは、LED管ランプにDC電源電圧を供給するように構成されてもよい。
【0072】
DC電圧源140は、バックアップエネルギー貯蔵部150、例えばバッテリ又はセル構成からエネルギーを受け取るように構成されている、電源入力インタフェース141を含む。DC電圧源は、例えば、バックアップエネルギー貯蔵部からのエネルギーを、補助構成に供給されるDC電圧、すなわち入力DC電圧Vinに変換するように適合されている変換回路を含む、電子回路145を含んでもよい。この電圧は、電源出力インタフェース142及び入力インタフェース111を介して、補助構成に供給されてもよい。
【0073】
いくつかの実施例では、電子回路145は、LED管ランプを駆動するための交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを受信するように適合されている、電源AC状態検出回路(図示せず)を更に含み、DC-DC変換回路は、交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを電源AC状態検出回路が受信することにのみ応答して、バックアップエネルギー貯蔵部からのエネルギーを変換するように構成されている。例えば、電子回路145は、交流主電源電圧VACを入力として受信してもよく、この交流主電源電圧VACが故障するか、切断されるか、又は欠落しているときを(例えば、交流主電源電圧の正/負の部分のRMS電圧レベルの大きさが、何らかの所定の閾値を下回るときを感知することによって)識別するように構成されてもよい。
【0074】
補助構成110及びDC電圧源140は一体となって、バックアップドライバ(「非常用ドライバ」とも呼ばれるもの)を構成してもよい。バックアップドライバは、バッテリ又はセル構成などの、バックアップエネルギー貯蔵部150を更に含んでもよい。
【0075】
通常は、バックアップDC電源電圧は、LED管ランプの同じ入力インタフェースを介して、LED管ランプに入力される。このことは、LED管ランプが、AC主電源の欠落により電力を喪失した後に、バックアップDC電源電圧によって再び電源オンにされることと、LEDアレイ内のLEDをオンにすることが可能となる前に、安全検出を再び実施しなければならないこととを意味する。しかしながら、バックアップDC電源電圧は、AC主電源ではなく、安全検出を開始又は実行するように監視回路をトリガするための、特定の特性を提供することが、可能ではない場合がある。
【0076】
この問題を解決するために、補助構成110は、変調回路120を更に含む。図示の実施例では、変調回路120は、入力インタフェース111と出力インタフェース112との間に接続されている。変調回路120は、出力インタフェース112における(LED管ランプを駆動するための)DC電圧源VDCを供給するために、入力インタフェース111に供給された入力DC電圧Vinを修正するように構成されている。修正は、1つ以上の(例えば、所定の)変調パターンに従って、入力DC電圧Vinを変調することを含む。
【0077】
1つ以上の(所定の)変調パターンは、交流主電源電圧と実質的に同じである少なくとも1つの電気的特性を有するように、DC電源電圧を制御することにより、DC電源電圧を生成するように構成されている。
【0078】
LED管ランプの監視回路191は、LED管ランプに供給される電源の、特定の(1つ以上の)特性を監視するように、換言すれば、特定の特性の発生を識別するように構成されていることが、既に説明されている。これらの特性は、LED管ランプの残部に(すなわち、LED管ランプの下流構成要素に)電力が流れることを可能にするか否かを、その後に/最終的に決定するための、安全検出を開始するか否かを決定するために、使用されてもよい。特定の実施例では、これらの特性が識別されるまでは、安全検出を実施することが可能ではない場合がある。いくつかの代替的実施例では、識別される特性は、人体が存在せず安全検出に合格しているか否かを判定するために(更に、又は他の方式で)使用され、これは、当該の特性が、AC主電源が正しく接続されている場合にのみ、接続されているAC主電源において存在する特性であり得ることを意味する。
【0079】
以下の説明は、これらの1つ以上の特性が、安全検出を開始する(begin/initiate)か否かを決定するために使用される、実施形態に焦点を当てる。他の実施形態では、既に説明されたように、これらの特性は、安全検出中のトリガとして使用されることができ、又は、安全検出の一部として、安全検出中に監視することもできる。
【0080】
これらの1つ以上の特性は、典型的には、人体が存在しているか否かに関わりなく、従来のAC主電源において固有の特性であり、ゼロ交差付近、特定の電圧レベル、電源電圧の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジの勾配、特定の特性間の時間周期などを含み得る。
【0081】
変調回路120は、出力インタフェース112において供給されるDC電源電圧VDCの少なくとも1つの電気的特性が、AC主電源の同じ少なくとも1つの電気的特性と同様又は同一となるように、(入力インタフェース111に供給された)入力DC電圧を変調するように構成されている。それゆえ、DC電源電圧は、AC主電源の少なくとも1つの電気的特性を模倣又はシミュレートすることが可能である。
【0082】
このようにして、変調回路は、1つ以上の(所定の)変調パターンに従って、DC電圧を変調する。上述の1つ以上の(所定の)変調パターンは、交流主電源電圧と実質的に同じである少なくとも1つの電気的特性を有するように、出力インタフェースにおけるDC電源電圧を制御することにより、DC電源電圧を生成するように構成されている。
【0083】
少なくとも1つの電気的特性は、監視回路191によって検出された場合に、監視回路191による安全検出をトリガすることになる、1つ以上の特性を含む。換言すれば、少なくとも1つの電気的特性は、安全検出モードで動作しているLED管ランプの監視回路によって検出されて、監視回路が、補助構成の出力インタフェースにおいて供給されるDC電圧を使用して、適切な安全検出を実施することを可能にするように設計されている、パターンであってもよい。
【0084】
一実施例では、少なくとも1つの電気的特性は、入力DC電圧の振幅よりも低く、かつ所定の電圧よりも低い、下降電圧レベルを含む。一部の監視回路は、30Vを下回る、LED管ランプへの下降入力電圧の電圧レベルを、安全検出に関するトリガとして使用するように構成されている。
【0085】
人間が存在していない場合には、30Vを下回る(LED管ランプへの)入力電圧は、(入力が従来の交流主電源電流によって供給されていた場合には)このAC主電源がゼロ交差付近であることを意味し、監視回路は更に、下降勾配が高い(例えば、何らかの所定の閾値を超過するか又は突破する)ことを検出することによって、このことを検証することができる。人間が存在している場合には、人体がAC主電源電圧の実質的な部分を伝導するため、AC主電源が依然としてゼロ交差付近ではない場合であっても、30Vを下回る下降入力電圧が生じ、監視回路は、下降勾配の大きさが低いことを検出することによって、このことを検証することができる。それゆえ、しばらくの間下降し続ける、閾値よりも低い電圧レベルを供給することは、この安全検出が実施されて合格することを可能にする。DC電源の公称出力電圧が60Vである場合には、変調は、監視回路によって受け取られる電圧が30Vを下回って、例えば20Vまで下降し続けるような変調である。
【0086】
別の実施例では、少なくとも1つの電気的特性は、所定の値を上回る大きさの勾配を有する傾斜を伴う、立ち下がりエッジ又は立ち上がりエッジを含む。正弦波AC主電源では、立ち下がりエッジ又は立ち上がりエッジが大きい時間は、ゼロ交差付近であるため、電圧は低く、安全検出を実行するために(すなわち、試験するために)安全である。一部の監視回路は、立ち下がり/立ち上がりエッジを、安全検出に関するトリガとして使用するように構成されており、安全検出とは、立ち下がり/立ち上がりエッジの当該の時間において電圧源によって供給される電流の振幅を検出することであり、この振幅は、LED管ランプの入力及び監視回路に直列に接続されている、外部の人間インピーダンスが存在しない場合、閾値よりも高く、接続されている(人間)インピーダンスが存在する場合、閾値よりも低い。それゆえ、DC電源電圧によって好適な立ち上がり/立ち下がりエッジを提供することは、この安全検出が実施されることを可能にし、これは、DC電源電圧が一定であった場合には発生しなかったものである。
【0087】
このようにして、入力DC電圧の変調は、AC主電源の1つ以上の特性を模倣又はシミュレートする、DC電源電圧を生じさせて、LED管ランプの監視回路による安全検出に関するトリガを開始又は提供することが可能である。
【0088】
入力DC電圧の変調は、1つ以上の所定のパターンに従ってもよい。いくつかの実施例では、変調回路は、変調パターンの2回以上の反復を順次に実行することによって、入力DC電圧を変調するように適合されている。変調パターンは、交流主電源電圧において1つ以上の電気的特性が発生する周波数と、実質的に同じ周波数で実施してもよい。このことは、LED管ランプの監視回路が、電気的特性の次回の検出の前に、それ自体をリセットするために、ある程度の時間を必要とする場合に、特に監視回路がRCに基づく場合に、有用であり得る。
【0089】
いくつかの実施例では、補助構成は、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されるときを検出するように構成されている、電力検出器を更に含む。LED駆動電力とは、LED管ランプのLEDを駆動するために十分な電力である。そのような大きい電力が検出される場合には、そのことは、LED管ランプが安全検出に合格しており、光の放出を開始することを意味し、もはや変調が必要とされないことを意味する。
【0090】
電力検出器の一実施例は、出力インタフェースの負の出力端子と接地又は基準電圧との間に接続されている、感知抵抗器である。この感知抵抗器の両端間の電圧は、接続されているLED管ランプによって引き出される電力量に応答する。
【0091】
別の実施例として、感知抵抗器は、出力インタフェースの正の出力端子と変調回路(例えば、高レベルの電圧を供給する変調回路の端子)との間に接続されてもよい。この感知抵抗器の両端間の電圧もまた、接続されているLED管ランプによって引き出される電力量に応答する。
【0092】
別の実施例として、電力検出器は、LED管ランプによって電力が引き出されていることを示す、出力インタフェースから(例えば、接続されているLED管ランプに)流れる電流を検出するように構成されている、電流感知デバイスを含み得る。
【0093】
いくつかの実施例では、変調回路は、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されていることを電力検出器が検出することに応答して、変換されたDC電圧を変調することを停止するように構成されてもよい。
【0094】
LED駆動電力は、例えばLED管ランプの補助モジュール(監視回路など)のみが電力供給されているのではなく、LED管ランプが光を出力している(すなわち、LEDが駆動されている)ことを示す、LED管ランプによって引き出される電力であってもよい。
【0095】
いくつかの実施例では、補助構成は、DC電源電圧を少なくとも部分的に平滑化するように構成されている、平滑コンデンサ(図示せず)を含んでもよい。このコンデンサは、例えば、出力インタフェース412の端子間に接続されてもよい。平滑コンデンサはまた、交流主電源電圧に、(変調中の)DC電源電圧がより酷似するという利点も提供し得る。このことは、LED管ランプの監視回路が安全検出を実施することができるようになる可能性を増大させる。
【0096】
他の実施例では、この平滑コンデンサは、例えば、接続されているLED管ランプが、平滑化動作を実行するために、LED管ランプの入力端子間に接続されているコンデンサを含むと想定されることができる場合には、省略されてもよい。
【0097】
いくつかの好ましい実施例では、変調回路の起動手順中に、変調回路は、(例えば、1つ以上の変調パターンに従った)変調を、最初の期間にわたって停止又は阻止してもよい。この期間は、LED管ランプの監視回路のいずれかの構成要素が、電荷を蓄積するか又は電源投入されることを可能にし得る。この起動期間中のDC電源電圧の変調は、提供される場合には、監視回路が正しく動作するための十分な電荷が蓄積されることを、妨げる可能性がある。
【0098】
異なるLED管ランプの監視回路は、安全検出を成功裏に実施する(例えば、開始する、又は実行する)ために、電源電圧において異なる電気的特性を必要とする場合がある点が理解されよう。例えば、或るLED管ランプは、低い入力電圧を必要とし、別のLED管ランプは、高い勾配を有する立ち上がりエッジを必要とする場合がある。
【0099】
種々のLED管ランプに適合可能とするために、いくつかの実施形態では、変調回路は、複数の異なる変調パターンを実行するように構成されてもよい。換言すれば、変調回路は、複数の異なる変調パターンに従って、入力DC電源を変調するように構成されてもよい。各変調パターンは、出力インタフェースにおけるDC電源電圧を、異なる電気的特性のセットを有するように制御してもよく、電気的特性のセットは、交流主電源電圧と実質的に同じである少なくとも1つの電気的特性を含む。「少なくとも1つの電気的特性」は、変調パターンによって異なり得る。
【0100】
電気的特性の各セットは、LED管ランプの監視回路が検出するように構成されている(例えば、トリガとして機能するための)少なくとも1つの電気的特性を含んでもよい。電気的特性のセットは、種々のLED管ランプに関して(例えば、種々のLED管ランプの監視回路の要件を満たすように)構成されてもよい。それゆえ、電気的特性の各セットが、異なるLED管ランプに関連付けられてもよく、それにより、各変調パターンが、異なるLED管ランプに関連付けられる。
【0101】
種々の電気的特性が、1つの波形/パターンに合成されることができる場合には、異なるLED管ランプが全て、それ自体の設計された電気的特性を、単一のタイプの変調パターンで提供される出力を介して検出することができるように、種々の電気的特性を有するこの(単一の)パターンを提供することが、より良好であろう。
【0102】
更なる実施例では、各変調パターンは、例えば所定の回数以上で繰り返されてもよい。それゆえ、変調回路は、第1の変調パターンを第1の回数で実行した後に、第2の異なる変調パターンを第2の回数で実行する、などであってもよい。このようにして、変調回路は、それぞれがNXの回数で繰り返される、X個の変調パターンを実行してもよい(この場合、NXは、変調パターンごとに変化し得る)。
【0103】
この手法は、単一の補助構成が、複数の異なるLED管ランプ用に構成されることを可能にする。
【0104】
【0105】
補助構成210は、入力インタフェース211及び出力インタフェース212を備える。入力インタフェースは、第1の入力端子211A及び第2の入力端子211Bを含み、第1の入力端子211Aと第2の入力端子211Bとの間の電圧は、入力DC電圧Vinである。第2の入力端子は、例えば、アース又は接地/基準電圧レベルに接続されてもよい。出力インタフェースは、第1の出力端子212A及び第2の出力端子212Bを含み、第1の出力端子212Aと第2の出力端子212Bとの間の電圧は、(LED管ランプに供給される)出力DC電圧又はDC電圧源VDCである。
【0106】
補助構成210は、スイッチ221及び制御回路222で形成されている、変調回路220を更に備える。
【0107】
スイッチ221は、第1の入力端子211Aと第1の出力端子211Bとの間に接続されている。スイッチは、例えば、MOSFETを含み得るが、他の好適なスイッチも既知である。スイッチ221の動作は、制御回路によって制御される。それゆえ、スイッチ221をオン及びオフにする制御回路が、入力DC電圧の変調を制御する。スイッチ221のオン及びオフは、LED管ランプへのDC電源電圧における、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを形成し、このエッジは、安全検出を開始するために監視回路によって検出されてもよい。オフ状態の代替として、スイッチ221はまた、線形状態に入ることもでき、これもまた、LED管ランプへのDC電源電圧を低減することになる。
【0108】
いくつかの実施例では、補助構成210は、第2の出力端子212Bと第1の出力端子212Aとの間に接続されている、感知抵抗器230を更に備える。感知抵抗器230の両端間の電圧は、出力インタフェースに接続されているLED管ランプによって電力(「LED駆動電力」)が引き出されるか否かに応答する。
【0109】
制御回路222は、感知抵抗器の両端間の電圧に応答してもよい。特に、制御回路222は、感知抵抗器の両端間の電圧が、何らかの所定の閾値を超過することに応答して、スイッチ221のオン及びオフのスイッチング(又は、スイッチの線形モード動作)を停止し、その後に、常時電力を供給するためにスイッチ221をオンにするように構成されてもよい。制御回路222は、感知抵抗器230の両端間の電圧を感知するために、第2の出力端子から感知信号を受信しても(第2の出力端子に接続されている入力を有しても)よい。
【0110】
このようにして、感知抵抗器230は、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されるときを検出するように構成されている、電力検出器として機能する。それにより、変調回路は、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されていることを電力検出器が検出することに応答して、変換されたDC電圧を変調することを停止するように構成されている。
【0111】
LED駆動電力は、例えばLED管ランプの補助モジュール(監視回路など)のみが電力供給されているのではなく、LED管ランプが光を出力している(すなわち、LEDが駆動されている)ことを示す、LED管ランプによって引き出される電力であってもよい。
図2によって示されている補助構成210の文脈では、このことは、感知抵抗器の両端間の電圧に関する、所定の閾値の適切な選択を介して達成されてもよい。
【0112】
いくつかの実施例では、補助構成は、DC-DCコンバータを更に備えてもよい。DC-DCコンバータは、DC電源電圧の(最大)電圧レベルを修正するように構成されている。この要素は、例えば、好適な変換がDC電圧源によって実行される場合には、省略されてもよい。
【0113】
【0114】
補助構成310は、スイッチ321が第1の入力端子211Aと第2の入力端子211Bとの間に接続されていることにより、スイッチを制御することが、入力端子が(効果的に)短絡されるか否かを制御するという点で、(
図2の)補助構成210とは異なる。原理は、上記の直列スイッチ221と同様である。スイッチ321はまた、入力端子を完全に短絡する代わりに、線形領域で動作することもできる点に留意されたい。このこともまた、LED管ランプへのDC電源電圧の降下を生じさせる。
【0115】
第1の入力端子211Aは、出力端子212Aに直接接続されている(ただし、この接続は、抵抗器などの1つ以上の他の構成要素を介して行われてもよい)。
【0116】
この図示されている手法は、出力端子間の電圧レベルに対する制御を容易にするための、別のメカニズムを提供している。補助構成310の動作は、他の点では、
図2の補助構成210の動作と同様又は同一であってもよい。
【0117】
図1~
図3を参照して説明された前述の実施例では、変調回路は、DC電圧源140の外部にある別個の補助構成110の一部として設けられている。しかしながら、いくつかの実施例では、補助構成110は、DC電圧源に、例えばDC電圧源の電子回路145内に組み込まれてもよい。それゆえ、DC電圧源が、補助構成として機能するように適合されてもよい。
【0118】
このシナリオでは、DC電圧源の変換回路が、変調回路として機能してもよい。特に、変換回路は、その動作を、DC電圧の変調を実行するように適合させるように、構成されてもよい。
【0119】
図4は、補助構成がまたDC電圧源の機能の一部も実行する、補助構成410を示す。
【0120】
補助構成410は、入力インタフェース411及び出力インタフェース412を備える。入力インタフェースは、入力DC電圧、すなわちエネルギーを、バックアップエネルギー貯蔵部450、例えばセル又はバッテリ構成から、直接取得するように構成されている。
【0121】
補助構成は、入力インタフェース411と出力インタフェース412との間に接続されて、入力DC電圧の(最大)電圧レベルを修正するように構成されている、DC-DCコンバータ420を備える。DC-DCコンバータは、降圧コンバータ、昇圧コンバータ、又は昇降圧コンバータなどの、任意の好適なスイッチング電源を含み得る。DC-DCコンバータの1つの好適な実施例は、フライバックコンバータであるが、当業者には他の実施例も明らかとなるであろう。
【0122】
図示の実施例では、DC-DCコンバータ420はまた、補助構成に関する変調回路としても機能する。特に、DC-DCコンバータ420は、DC電圧を変調して、補助構成の出力インタフェースにおけるDC電源電圧に少なくとも1つの電気的特性を付加するために、その変換動作を変化させるように構成されている。このことは、入力インタフェースから出力インタフェースに電流が流れることを(例えば、DC-DCコンバータ内に含まれているスイッチの適切な動作を介して)選択的に可能にすることによって、実行されることができる。一実施例では、基準出力電圧は、電気的特性を有する出力電圧パターンを提供するように、低周波数で調節されることができる。
【0123】
代替的に、DC-DCコンバータの変調は、
図5を参照して以下で論じられる、バーストモードで動作するDC-DCコンバータによって実行されてもよい。
【0124】
補助構成はまた、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されるときを検出するように構成されている、電力検出器も備える。LED駆動電力とは、LED管ランプのLEDを駆動するために十分な電力である。
【0125】
この場合、電力検出器は、出力インタフェースの負端子と接地/基準電圧(図示せず)との間に接続されている、感知抵抗器SRを含む。この感知抵抗器SRの両端間の電圧は、接続されているLED管ランプによって引き出される電力量に応答する。
【0126】
DC-DCコンバータは、LED駆動電力が存在していることを電力検出器が示すことに応答して、例えば、感知抵抗器の両端間の電圧が何らかの所定の閾値を超過した場合に、入力DC電圧を変調することを停止するように構成されてもよい。DC-DCコンバータは、その後、例えばDC電圧を変調することなく単に変換して、一定のDC電圧源を供給するために、従来の動作に入ってもよい。
【0127】
いくつかの実施例では、補助回路410は、LED管ランプを駆動するための交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものを受信するように適合されている、AC状態検出回路(図示せず)を更に備え、DC-DCコンバータ420は、交流主電源電圧の欠落、故障、又は切断を示すものをAC状態検出回路が受信することにのみ応答して、バックアップエネルギー貯蔵部からのエネルギーを変換するように構成されている。
【0128】
例えば、DC-DCコンバータ420は、交流主電源電圧VACを入力として受信してもよく、この交流主電源電圧VACが故障するか、切断されるか、又は欠落しているときを(例えば、交流主電源電圧の正/負の部分のRMS電圧レベルの大きさが、何らかの所定の閾値を下回るときを感知することによって)識別するように構成されてもよい。当業者には他の手法も明らかとなるであろう。
【0129】
本説明は、変調されたDC電圧を生成するための、様々なメカニズムを提供し、LED管ランプが(そのLEDに電力供給するために)電力を引き出すことを開始することに応答して、DC電圧の変調を停止するための手法を提案する。
【0130】
LED管ランプに供給される変調されたDC電圧は、交流主電源電圧、すなわち一次電源の特性を模倣するか、又は一次電源の特性と(実質的に)同一である、1つ以上の特性を有する。
【0131】
変調回路によって実行される変調の厳密な特性、すなわち変調制御スキームは、LED管ランプの監視回路における安全検出の開始及び/又は合格に必要とされる、電源の必要な電気的特性に依存し得る。
【0132】
LED管ランプの監視回路191は、LED管ランプの残部に電力が流れることを可能にするか否かについての、安全検出を開始するか否かを決定するために、LED管ランプに供給される電源の特定の電気的特性を監視して、その発生を識別するように構成されていることが、既に説明されている。特定の実施例では、これらの特性が識別されるまでは、安全検出を実施することが可能ではない場合がある。
【0133】
特に、LED管ランプは、その監視回路191が、所定の安全検出を開始/合格させて、LED管ランプのLED管が電力を引き出すことを可能にするために、受け取られる電源において何らかの所定のパターンを必要としてもよい。
【0134】
これらの特性又はパターンは、典型的には、LED管ランプに接続されている従来のAC主電源に固有のものである。特性又はパターンとしては、所定の電圧レベル及び/又は電圧閾値、電源の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジの勾配、識別可能な特性間の(例えば、特定の電圧レベル間の)時間周期などを挙げることができる。
【0135】
一実施例では、LED管ランプの監視回路は、監視回路による安全検出を開始するために、何らかの所定の閾値を上回る勾配を有する、立ち下がりエッジを必要としてもよい。DC電源電圧の適切な変調により、この所定の要件を満たす立ち下がりエッジを提供することが可能となる。
【0136】
別の実施例では、LED管ランプの監視回路は、安全検出を正しく実行するために、何らかの所定の閾値を上回る勾配を有する、(例えば、何らかの所定の量で間隔を空けた)所定の数の連続する立ち下がりエッジを必要としてもよい。換言すれば、監視回路は、一連のトリガを必要としてもよく、各トリガは、何らかの所定の閾値を上回る立ち下がりエッジを有する勾配である。
【0137】
更に別の実施例として、LED管ランプの監視回路は、(安全検出を実行するために)LED管ランプへの電圧源において、何らかの所定の周波数(例えば、主電源の周波数)で何らかの所定の閾値を下回る、電圧レベルのシーケンスを必要としてもよい。
【0138】
別の実施例では、LED管ランプの監視回路は、(安全検出を実行するために)特定の電気的特性又は電気的特性群における特定のパターン(例えば、何らかの所定の期間にわたって、特定の周波数で何らかの閾値を下回る電圧レベル、又は、所定の期間内に所定の回数を超えて発生する、何らかの所定の閾値を上回る立ち上がりエッジ)を必要としてもよい。
【0139】
当然ながら、異なる電気的特性の組み合わせが必要とされてもよい。例えば、特定の安全検出は、電圧源が、何らかの所定の閾値を下回る電圧レベルで、(例えば、何らかの所定の勾配を上回る)立ち下がりエッジを有することを必要としてもよい。
【0140】
上記で提供された実施例は、網羅的なものではなく、監視回路によって実行される安全検出に関するトリガとして機能することが可能な、電圧源の多種多様な潜在的電気的特性を示すために、単に役立つものに過ぎない。本発明は、DC電源電圧の適切な変調が、例えば1つ以上の変調パターンに従ってDC電源電圧を変調することによって、これらの電気的特性のうちの1つ以上をシミュレートするために使用されることができる点を認識するものである。それゆえ、変調は、安全検出を監視回路が実行することを可能にする、必要なトリガを提供することができる。
【0141】
図5は、補助構成の変調回路によって実行される変調を制御するための1つの適切な手法を示す、波形510、520、530を提供する。
【0142】
これらの波形は、
図4で説明された補助構成の文脈で説明されるが、原理は、本明細書で説明される補助構成の他の形態にも適合されることができる。
図5の目的上、DC-DCコンバータは、その出力において、平滑コンデンサを含むことが想定されている。
【0143】
第1の波形510は、DC-DCコンバータの動作を制御するための、制御信号VCTRLを示す。第2の波形520は、LED管ランプ用の補助構成によって供給される、DC電源電圧VDCを示す。第3の波形530は、LED管ランプによって、その入力構成において引き出される電流を示す。
【0144】
DC-DCコンバータの動作を制御する制御信号VCTRLに関しては、高レベルのVHは、DC-DCコンバータが動作中である(すなわち、電圧を能動的に変換している)ことを意味し、低い電圧レベルのVLは、DC-DCコンバータが動作を停止している(すなわち、電圧の変換を停止して、補助デバイスの入力インタフェースから出力インタフェースへの電流の流れを阻止している)ことを意味する。それゆえ、DC-DCコンバータは、バーストモードで動作されている。
【0145】
DC-DCコンバータが動作中である場合、DC-DCコンバータは、調整された/(ほぼ)一定の電圧を出力し、DC-DCコンバータが動作を停止すると、その出力における電圧が降下することになる。LED管ランプが始動していない(すなわち、著しい電流を引き出していない)ことにより、DC-DCコンバータの出力コンデンサは、出力における比較的緩徐な電圧の降下を可能にする(これは、漏洩電流、安全回路(例えば、コンデンサと接地との間に接続されている高インピーダンス抵抗器)、又は、LED管ランプの監視回路によって電流が引き出されていることの結果であり得る)。DC-DCコンバータが再び動作中になると、出力における電圧は、再び一定の電圧まで急速に引き上げられることになる。この制御プロセスのこの効果は、DC電源電圧VDCを示す第2の波形に示されている。
【0146】
いくつかの実施例では、誘導されたDC電源電圧VDCの立ち下がりエッジ又は立ち上がりエッジのいずれかが、安全検出を開始又は実行するように監視回路をトリガする、電気的特性であり得る。電圧の振幅は、監視回路を通って試験電流が流れること、又は監視回路に試験電圧が供給されることを可能にしてもよく、このことは、正しい接続が行われているか否かを判定するメトリックとして、監視回路によって検出されることができる。
【0147】
図示の実施例では、変調パターンは、バースト動作の4回の繰り返しを実行することを含み、各バースト動作は、第1の期間t1にわたって、下降電圧レベルをもたらすようにDC電源電圧を制御した後に、第2の期間t2にわたって、立ち上がりエッジ及び高い電圧レベルをもたらすようにDC電源電圧を制御する。その後、4回のバースト動作は、LED管ランプにおける安全検出の4回の反復に関するトリガを既に提供しており、LED管ランプは、試験に合格して、DC電源電圧から実質的な電力電流Isupplyを引き出すことを開始する。DC-DCコンバータは、その後、DC電源電圧を高い電圧レベル(すなわち、一定の電圧レベル)に維持するように制御される。
【0148】
第1の期間t1及び第2の期間t2は、交流主電源電圧の少なくとも1つの電気的特性を、DC電源電圧が模倣するように選択されている。
【0149】
4つの変調パターンの一回の反復のみが示されているが、反復は繰り返されてもよい。いくつかの実施例では、反復は、所定の回数で繰り返される。他の実施例では、変調パターンは、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されていることを電力検出器が検出するまで繰り返される。代替的に、バックアップドライバは、何らかの所定の期間が経過した後に、この変調を停止してもよい。
【0150】
単一のタイプの変調パターンのみが示されているが、変調回路は、複数の異なるタイプの変調パターンを、例えば、所定の回数で、及び/又は、LED管ランプによってLED駆動電力が引き出されていることを電力検出器が検出するまで、実行するように構成されてもよい。
【0151】
図示の実施例では、変調パターンは、変調回路の起動から初期期間t3が経過した後にのみ実行される。この初期期間t3は、(LED管ランプの)監視回路の構成要素が充電されることを確実に可能にするための、十分な時間を可能にするように、適切な値に設定されるべきである。好ましくは、初期期間t3はまた、システムの起動時間に大きく影響を及ぼすほど長くはならないようにも設定されるべきである。
【0152】
初期期間に関する好適な長さは、100ms以下、例えば50ms以下である。
【0153】
文脈上の理解を深めるために、
図6は、例示的なLED管ランプ内の監視回路600を含む、安全検出に関する既知の回路を示す。監視回路は、電圧源V
SUPと、抵抗器R
HMとして示される潜在的な人体との間に接続されている。電圧源V
SUPは、通常は交流主電源電圧であるが、(本開示の手法を採用する場合には)DC電源電圧であってもよい。
【0154】
監視回路は、電流が、2つの端子V+とV-との間に、これらの2つの端子間に接続されている下流構成要素又は下流回路を介して流れることが可能にされるか否かを制御する。
【0155】
監視回路600は、制御回路610(例えば、集積回路)を備える。制御回路610は、例えば、V-に接続されている(制御回路610の)ドレイン端子DRAINを、(同様に、アース、接地、又は基準電圧に接続されている)接地端子GNDに選択的に接続又は接続解除することによって、LED管ランプの下流回路に電力が流れることが可能にされるか否かを制御する。この選択的な接続は、ドレインが端子DRAINに接続されて、ソースが接地端子GNDに接続されているか、又はその逆である、内部MOSFET(図示せず)を介して実行される。接地端子GNDはまた、電圧源VSUPに戻るようにも接続されていることにより、(内部MOSFETが閉じている場合)電流が下流回路を通って流れ、ドレイン端子DRAIN及び接地端子GNDを介して電圧源VSUPに戻ることを可能にする。
【0156】
それゆえ、この図示の実施例では、接地端子GNDからドレイン端子DRAINを(内部MOSFETを介して)接続解除することは、電流が、(電流に対するドレインが存在しないため)下流回路を通って流れることを阻止される結果をもたらす。それに対して、接地端子GNDに端子DRAINを(内部MOSFETを介して)接続することは、下流回路を通って電流が流れる結果をもたらす。
【0157】
下流回路は、LEDドライバ、及びLEDアレイ内のLEDを含む。
【0158】
制御回路610は、電圧源VSUPの特性を監視して、いずれの時点でLED管ランプの他の構成要素に電力が流れることを可能にするか、すなわち、いずれの時点で接地端子GNDにドレイン端子DRAINを接続又は接続解除するかを決定するために、これらの特性を使用する。特に、制御回路は、この電流の流れを可能にするか否かを決定するために、安全検出を実行してもよい。
【0159】
図示の監視回路は、以下のプロセスを実施することによって、安全検出を実行するように構成されている。
【0160】
制御回路は、分圧器R1及び分圧器R2を介して、端子DETにおける電圧源VSUPを監視する。端子DETにおける電圧の波形又はdv/dtを分析することによって、制御回路は、既に説明されたように、この電圧源がゼロ交差付近であるときを知ることができる。換言すれば、電圧源VSUPの1つ以上の電気的特性(例えば、ゼロ交差付近であるとき)が、トリガとして使用される。
【0161】
制御回路は、(整流器端子RECに接続されている)大抵抗器RLMTを、潜在的な人体RHM、感知抵抗器RS、及び電圧源VSUPと直列に接続する。ゼロ交差点の付近で(例えば、トリガが受信されると)、制御回路は、所定の幅/長さのパルス又は期間にわたって、REC端子から接地端子GNDに電流が流れることを可能にする。それゆえ、このパルスの持続時間にわたって、大抵抗器RLMT、潜在的な人体RHM、感知抵抗器RS、及び電圧源VSUP、(並びに、例えばブリッジ整流器の、1つ以上のダイオード)を含む、試験回路が完成される。
【0162】
この試験回路の完成により、試験電流が、これらの構成要素を通って流れる。大抵抗器RLMTは、この試験電流が十分に低く、人間に対して安全であることを確実にするために使用され、それゆえ、適切な抵抗であるべきである。
【0163】
制御回路610は、例えば感知端子VSを使用して、例えば、感知抵抗器RSの両端間の電圧を監視することによって、この試験電流を監視する(感知端子VS及び接地端子GNDにおける電圧の差が、感知抵抗器の両端間の電圧である)。この電圧が、所定の幅のパルスの間に、何らかの所定の電圧レベル(例えば、1V)を上回る場合には、このことは、試験電流が大きいことを示しており、大きい人間インピーダンス、またそれゆえ人間が、存在していないことを示している。この確認は、信頼性の向上のために(例えば3回)繰り返されてもよい。その後、制御回路は、(例えば、接地端子GNDにドレイン端子DRAINを接続することによって)上述のように下流回路を接続する。そうではなく、電圧が小さい場合には、潜在的な人体インピーダンスRHMが存在することにより試験電流が小さいことを意味しており、LED管ランプは、(ドレイン端子DRAINが接地端子GNDに接続されないため)始動することができない。
【0164】
この監視回路の条件を満たすために、好適な変調パターンが、安全検出を開始するための、及び、大きい試験電流を供給するために特定のレベルよりも上に電圧を維持するための、電圧の降下を有する電圧源を提供する。
図5に示されるような電圧パターンが、好適であり得る。
【0165】
これは、安全検出に関するトリガ(電子的特性)及び安全検出のメトリックの、単なる一実施例である点に留意されたい。他の開始基準及びメトリックが存在しており、当業者は、他の開始基準及びメトリックを満たすために、DC電圧を変調するという着想を使用することができる。また、安全検出の詳細な開始基準及びメトリックは、本開示によって設計されておらず、本開示の本質は、安全検出を開始するためのそのような開始基準を有するように、DC電圧を変調する原理であり、オプションとして、変調されたDC電圧によって安全検出のメトリックもまた提供されることを、確実にするものである点にも留意されたい。
【0166】
オプションとして、制御回路はまた、電圧源VSUPのゼロ交差間の時間間隔も確認する。時間間隔は、交流主電源電圧の周期(周波数の逆数)に対応するべきであり、例えば6ms以上、又は(主電源を直接接続する場合には)主電源の周期(周波数の逆数)以上である。
【0167】
上記の条件が満たされている場合には、制御回路は、低い入力インピーダンスを検出して、LED管ランプの他の構成要素が電力を引き出すこと、例えばLED管をスイッチオンすることを可能にする。そうではない場合には、制御回路は、LED管ランプの他の構成要素が電力を引き出すことを阻止する。
【0168】
上記のプロセスは、好適な安全検出の一実施例を提供している。制御回路は、安全検出の条件が満たされるまで、安全検出を繰り返し実行してもよい。代替的には、安全検出に関する最大時間が存在しており、監視回路は、最大時間の後には、更なる検出を行うことなくロックダウンする。監視回路のリセット/再電力供給のみが、監視回路に再び試験させることになる。
【0169】
安全検出の条件が満たされると、制御回路は、電源が切断されるか又は故障するまで、例えば電力リサイクルが発生するまで、LED管ランプの残部が電力を引き出すことを可能にしてもよい。このことは、例えば分圧器R1、R2を介して、電圧源によって供給される電圧レベルを監視することによって検出されることができる。
【0170】
図面、本開示、及び添付の請求項を検討することにより、開示される実施形態に対する変形形態が、当業者によって理解されることができ、特許請求される発明を実施する際に遂行されることができる。請求項では、単語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0171】
特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0172】
用語「~ように適合されている」が、請求項又は明細書本文において使用されている場合には、用語「~ように適合されている」は、用語「~ように構成されている」と同等であることが意図されていることに留意されたい。請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。