(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】可変スパン翼と関連する航空機
(51)【国際特許分類】
B64C 3/54 20060101AFI20240613BHJP
B64C 39/10 20060101ALI20240613BHJP
B64C 3/56 20060101ALI20240613BHJP
F16H 1/12 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B64C3/54
B64C39/10
B64C3/56
F16H1/12
(21)【出願番号】P 2022513965
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2019102471
(87)【国際公開番号】W WO2021035459
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】523455921
【氏名又は名称】チンタオ ユニバーシティー マリーン アンド ウィンド パワー リサーチ インスティテュート、チャンスー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランドール、ライアン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チュンメイ
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第00767237(GB,A)
【文献】米国特許第03072364(US,A)
【文献】米国特許第09139284(US,B1)
【文献】仏国特許発明第00995026(FR,A)
【文献】国際公開第2005/025983(WO,A1)
【文献】特表2013-533442(JP,A)
【文献】特開2013-036501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 3/54- 3/56
B64C 39/08-39/10
F16H 1/04- 1/18
F16H 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種の航空機の可変スパン翼であり、以下を含み、
(a)一つの固定セクションであり、以下を含み、
(i)固定セクションスキンと、
(1)固定セクションスキンは揚力翼面を形成し、
(ii)固定セクション翼型、いくつかの固定セクション翼型は以下を含み、
(1)一つの円形の前縁と、
(2)及び相対的尖った後縁と、
(iii)一つの左翼先、左翼先は一つの先端開口部を含み、
(iv)一つの右翼先,右翼先は一つの先端開口部を含み、
(b)一つの上部可動セクションと一つの下部可動セクションであり、各可動セクションは以下を含み、
(i)可動セクション翼型、ある可動セクション翼型(203)は以下を含み、
(1)一つの円形の前縁と、
(2)一つの相対的尖った後縁と、
(ii)二つの可動セクションは互いに垂直方向にオフセットし、
(iii)上部可動セクションは一つの先端開口部を通じてほぼ横方向に平行移動する方式で固定セクションに出入し、
(iv)下部可動セクションは他の先端開口部を通じてほぼ横方向に平行移動する方式で固定セクションに出入し、
(v)二つの可動セクションが完全に収縮すると固定セクションの内側に重なり合い、
(c)一つのスライドメカニズムのセットであり、二つの可動セクションをほぼ横方向に平行移動する方式で固定セクションに出入し、スライドメカニズムは以下を含み、
(i)少なくとも二本のトラックと、
(ii)及び少なくとも二つのトラック係合部と、
(iii)各トラックは固定セクション内に位置し、
(iv)各トラックは二つの可動セクションに従って平行移動しない、
(v)少なくとも一つのトラック係合部は上部可動セクションの根元付近に接続し、少なくとも一つのトラックに沿って平行移動し、上部可動セクションを平行移動するように導く、
(vi)少なくとも一つのトラック係合部は下部可動セクションの根元付近に接続し、少なくとも一つのトラックに沿って平行移動し、下部可動セクションを平行移動するように導
き、
航空機の可変スパン翼は、さらに以下を含み、
(d)一つ以上の電子ストッパであり、
(e)一つ以上の電子ストッパは、対応する可動セクションが過度に展開また後退するのを防止する。
【請求項2】
請求項1に記載の航空機の可変スパン翼により、
(a)少なくともいくつかの固定セクション翼型であり、
(i)6%より大きい弦長を有する最大厚さ、
(ii)さらに可動セクションの翼型厚さより大きい最大厚さを有する、
(b)少なくともいくつかの可動セクション翼型の弦長であり、
(i)固定セクション翼型の平均弦長の30%から70%の間にあり、
(c)各可動セクションが完全に伸張位置にあるとき、そのパラメータは以下の角度限界値の範囲内にあり、
(i)反転角≦3度、
(ii)上ねじり≦5度、
(iii)前縁後退≦6度。
【請求項3】
請求項1に記載の航空機の可変スパン翼により、さらに以下を含み、
(a)一つの左端カバーと一つの右端カバーであり、各端カバーは一つのカバー穴を含み、
(b)左端カバーは固定セクションの左先端開口部の上方に位置し、
(c)右端カバーは固定セクションの右先端開口部の上方に位置し、
(d)各カバー穴の大きさと形状により、カバー穴を通じて可動セクションが平行移動することが可能である。
【請求項4】
請求項1に記載の航空機の可変スパン翼により、さらに以下を含み、
(a)二つの駆動メカニズムであり、二つの可動セクションはそれぞれ一つの駆動メカニズムを有し、各駆動メカニズムはさらに以下を含み、
(i)少なくとも一つのモータと、
(ii)少なくとも一つのギアヘッドと、
(iii)少なくとも一つのギアヘッドは少なくとも一つのモータに接続し、
(iv)少なくとも一つのモータは、対応する可動セクションに接続され、または対応する可動セクションに接続されたトラック係合部に接続し、
(v)少なくとも一つのモータは可動セクションの根元付近に位置し、
(vi)少なくとも一つのモータは可動セクションに従って平行移動し、
(b)少なくとも一本のラックであり、
(i)少なくとも一本のラックは可動セクションに従って平行移動しない、
(ii)少なくとも一つのギアヘッドは少なくとも一本のラックと噛合し、
(iii)少なくとも一つのギアヘッドは少なくとも一本のラックに回転し、可動セクションの平行移動を促進し、
(iv)少なくとも一本のラックは固定セクションの内部に位置し、
(c)一つのスライドメカニズムのセットであり、
(i)各トラックはほぼ翼展方向に沿って大部分の固定セクションを跨ぎ、
(ii)少なくとも一つのトラックは上部可動セクションの上方に位置し、固定セクションスキンの内部上表面に近い、
(iii)少なくとも一つのトラックは下部可動セクションの下方に位置し、固定セクションスキンの内部下表面に近い。
【請求項5】
請求項
4に記載の航空機の可変スパン翼により、さらに以下を含み、
(a)前翼桁と、
(b)少なくとも一本のラックは前翼桁に配置され、
(c)その中、各駆動メカニズムにより、
(i)モータが配置され、
(ii)ギアヘッドが配置され、
(iii)ギアヘッドは可動セクションの前縁付近に前方に突出する。
【請求項6】
請求項
4に記載の航空機の可変スパン翼により、
(a)少なくとも二本のラックを含み、
(b)少なくとも二本のラックのうち、一本は上部可動セクションの上方のトラックに配置され、固定セクションスキンの内部上表面に近い、
(c)少なくとも二本のラックのうち、一本は下部可動セクションの下方のトラックに配置され、固定セクションスキンの内部下表面に近い。
【請求項7】
請求項1に記載の航空機の可変スパン翼により、
(a)四本のトラックを含み、前上部トラック、後上部トラック、前下部トラックと後下部トラックで構成され、
(i)前上部トラックと前下部トラックは固定セクションの前縁付近に位置し、
(ii)前上部トラックは前下部トラックの上方に位置し、
(iii)後上部トラックと後下部トラックは固定セクションの後縁付近に位置し、
(iv)後上部トラックは後下部トラックの上方に位置し、
(v)前上部と後上部トラックは共に上部可動セクションを平行移動させ、
(vi)前下部と後下部トラックは共に下部可動セクションを平行移動させ、
(vii)全四本のトラックは互いに平行であり、
(viii)全四本のトラックはほぼ翼展方向に沿って大部分の固定セクションを跨ぐ。
【請求項8】
請求項
4に記載の航空機の可変スパン翼により、
(a)各トラック係合部は以下を含み、
(i)一つの付加フレームであり、付加フレームは、
(1)二つまた二つ以上の垂直ねじ穴と、
(ii)少なくとも二つのねじ留め具と、
(ii)二つの駆動メカニズムの一つと、
(iv)各付加フレームは一つ可動セクションの根元に接続し、可動セクションの根元に近づき、
(v)駆動メカニズムは付加フレームに接続し、
(vi)駆動メカニズムは可動セクションに従って平行移動し、
(vii)少なくとも二つのねじ留め具のヘッドはトラック内に位置し、後者によってトラック係合部と可動セクションを移動する。
【請求項9】
請求項1に記載の航空機の可変スパン翼により、さらに以下を含み、
(a)一つまたは一つ以上の環状駆動メカニズムであり、各環状駆動メカニズムは以下を含み、
(i)二つの円盤状部品と、
(ii)一つ環状部品であり、環状部品は以下を含み、
(1)一つの上部セクションと、
(2)一つの下部セクションと、
(iii)少なくとも一つの駆動モータと、
(vi)二つの円盤状部品はそれぞれ回転可能であり、
(v)円盤状部品は少なくとも一つの駆動モータにより駆動され、
(vi)環状部品は二つの円盤状部品の周囲に配置され、上部セクションと下部セクションを形成し、
(b)各可動セクションは、少なくとも一つまたは一つ以上の環状駆動メカニズムの環状部品と直接的または間接的に接続され、
(c)その中、円盤状部品が回転中、
(i)環状部品は円盤状部品の外部に回って移動し、環状部品の上部セクションと下部セクションの移動方向が反対方向にさせ、
(ii)環状部品は反対方向に二つの可動セクションを固定セクションに移入また移出する。
【請求項10】
請求項1に記載の航空機の可変スパン翼により、その中各トラック係合部(320)は以下を含み、
(a)一つまた一つ以上のフレームと、
(b)複数のアンギュラスライドであり、アンギュラスライドは以下を含み、
(i)二つのほぼ垂直な材料平面と、
(ii)各垂直平面は少なくとも一つのスロットを有し、
(ii)少なくとも一つの転動体は少なくとも一つのスロットを部分的に通し、
(c)各フレームは一つの可動セクションに接続し、可動セクションの根元に近く、
(d)その中、各トラック係合部内の転動体は可動セクションの平行移動をリードするトラック内部にある。
【請求項11】
請求項1に記載の航空機の可変スパン翼により、
(a)その中、スライドメカニズムセットについて、
(i)少なくとも二本のトラックはスロット状構造であり、
(ii)少なくとも二本のスロット状トラックは可動セクションの平行移動方向に平行し、
(iii)少なくとも二つのスロット状トラックはそれぞれ以下を含み、
(1)一つの材料を通さないスロットと、
(2)一つの材料を通す小幅なコリニアスロットと、
(b)その中、少なくとも二つのトラック係合部はそれぞれ少なくとも二つの独立した転動体から構成され、
(c)少なくとも二つの独立した転動体は一つのスロット状トラックに配置され、
(d)ポートはコリニアスロットと転動体を通す。
【請求項12】
請求項3に記載の航空機の可変スパン翼により、
(a)左右端カバーはさらにそれぞれ以下を含み、
(i)内面と、
(ii)外表面と、
(b)可変スパン翼はさらに以下を含み、
(i)二つのエンドキャップと、
(ii)各エンドキャップは一つのエンドカバーの内面に取り付けられ、
(iii)各エンドキャップはトラックの先端縁にトラックに取り付けられ、
(iv)トラック、エンドキャップとエンドカバーの接続方法は、トラックを正確な位置合わせと位置決めに役立つ。
【請求項13】
請求項3に記載の航空機の可変スパン翼により、
(a)エンドカバーはさらに以下を含み、
(i)一つのフランジと、
(ii)一つの内面と、
(b)フランジはエンドカバー内面からエンドカバー外周に近い位置から内に向き突出し、
(c)フランジの形状は固定セクションの先端翼型に類似し、
(d)フランジは固定セクションの先端開口部内に取り付けられ、
(e)右端エンドカバーの外週はフランジの外週より大きい、右端エンドカバーの内端面と固定セクションに接続させ、
(f)左端エンドカバーの外週はフランジの外週より大きい、左端エンドカバーの内端面と固定セクションに接続させる。
【請求項14】
請求項3に記載の航空機の可変スパン翼により、
(a)さらにエンドカバーとトラック接続部を含み、
(b)右端エンドカバーは、エンドカバー・トラック接続部を通じて少なくとも一つのトラックの右先端に接続され、
(c)左端エンドカバーは、エンドカバー・トラック接続部を通じて少なくとも一つのトラックの左先端に接続され、
(d)スライドメカニズムと二つの可動セクションが二つのエンドカバーの間に強固に組み合わせ、
(e)スライドメカニズムと二つの可動セクションが少なくとも一つのエンドカバーが取り外されたときに、一つの先端開口部を通して固定セクションから滑り出し、
(f)スライドメカニズムと二つの可動セクションが少なくとも一つのエンドカバーが取り外されたときに、一つの先端開口部を通して固定セクションに滑り入る。
【請求項15】
航空機のノンオーバーラップ可変スパン翼であり、以下を含み、
(a)一つの固定セクションであり、固定セクションは以下を含み、
(i)固定セクションスキンと、
(1)固定セクションスキンは揚力翼面を形成し、
(ii)固定セクション翼型であり、ある固定セクション翼型は以下を含み、
(1)一つの円形の前縁と、
(2)及び一つの相対的尖った後縁と、
(b)一つの上部可動セクションと一つの下部可動セクションであり、各可動セクションは以下を含み、
(i)可動セクション翼型、いくつかの可動セクション翼型は以下を含み、
(1)一つの円形の前縁と、
(2)及び一つの相対的尖った後縁と、
(ii)一つの駆動メカニズムであり、駆動メカニズムはさらに以下を含み、
(1)少なくとも一つのモータと、
(2)少なくとも一つのギアヘッドと、
(3)少なくとも一つのギアヘッドは少なくとも一つのモータに接続され、
(iii)各モータは対応する可動セクションの根元付近に位置し、
(iv)各モータは可動セクションに接続され、また可動セクションに接続されたトラック係合部に接続され、
(v)少なくとも一つのモータは可動セクションに従って平行移動し、
(c)一つのスライドメカニズムのセットであり、二つの可動セクションがほぼ横方向に平行移動するように固定セクションに出入し、スライドメカニズムは以下を含み、
(i)少なくとも二本のトラックと、
(ii)及び少なくとも二つのトラック係合部と、
(iii)各トラックは固定セクション内に位置し、
(iv)各トラックは二つの可動セクションに従って平行移動しない、
(v)少なくとも一つのトラック係合部は上部可動セクションの根元付近に接続され、一つのトラックに沿って平行移動し、上部可動セクションを平行移動させ、
(vi)少なくとも一つのトラック係合部は下部可動セクションの根元付近に接続され、一つのトラックに沿って平行移動し、下部可動セクションを平行移動させ、
(vii)各トラックはほぼ翼展方向に沿って大部分の固定セクションを跨ぎ、
(d)少なくとも一本のラックであり、
(i)各ラックは固定セクション内に位置し、
(ii)各ラックは二つの可動セクションに従って平行移動しない、
(iii)各ギアヘッドは一本のラックと噛合し、
(iv)各ギアヘッドは少なくとも一本のラックに回転し、二つの可動セクションの平行移動を促進する。
【請求項16】
一種の航空機用のノンオーバーラップ可変スパン翼代替実施形態であり、以下を含み、
(a)一つ固定セクション(1)、固定セクションは以下を含み、
(i)固定セクションスキンと、
(1)固定セクションスキンは揚力翼面を形成し、
(ii)固定セクション翼型であり、ある固定セクション翼型は以下を含み、
(1)一つの円形の前縁と、
(2)及び一つの相対的尖った後縁と、
(b)一つの上部可動セクションと一つの下部可動セクションであり、各可動セクションは以下を含み、
(i)可動セクション翼型であり、ある可動セクション翼型は以下を含み、
(1)一つの円形の前縁と、
(2)一つの相対的尖った後縁と、
(c)一つのスライドメカニズムのセットであり、二つの可動セクションがほぼ横方向に平行移動するように固定セクションに出入し、スライドメカニズム(3)キットは以下
を含み、
(i)少なくとも二本のトラックと、
(ii)及び少なくとも二つのトラック係合部と、
(iii)各トラックは固定セクション内に位置し、
(iv)各トラックは二つの可動セクションに従って平行移動しない、
(v)少なくとも一つのトラック係合部は上部可動セクションの根元付近に接続され、一つのトラックに沿って平行移動し、上部可動セクションを平行移動させ、
(vi)少なくとも一つのトラック係合部は下部可動セクションの根元付近に接続され、一つのトラックに沿って平行移動し、下部可動セクションを平行移動させ、
(d)一つまたは一つ以上の環状駆動メカニズムであり、各環状駆動メカニズムは以下を含み、
(i)二つの円盤状部品と、
(ii)一つ環状部品であり、環状部品は以下を含み、
(1)一つの上部セクションと、
(2)一つの下部セクションと、
(iii)少なくとも一つの駆動モータと、
(iv)二つの円盤状部品はそれぞれ回転可能であり、
(v)円盤状部品は少なくとも一つの駆動モータにより駆動され、
(vi)環状部品は二つの円盤状部品の周囲に配置され、上部セクションと下部セクションを形成し、
(e)各可動セクションは、少なくとも一つまたは一つ以上の環状駆動メカニズムの環状部品と直接的または間接的に接続され、
(f)その中、円盤状部品が回転中、
(i)環状部品は円盤状部品の外部に回って移動し、環状部品の上部セクションと下部セクションの移動方向が反対方向にさせ、
(ii)環状部品は反対方向に二つの可動セクションを移入また移出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適応翼システム及び航空機の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
小型ドローンは個人及び商業の用途が幅広いである。空中センサープラットフォーム(例えばビデオキャプチャなど)、配信システム及び通信中継として使用される。公共部門の応用には捜索救助、国境安全、法令執行活動及び環境モニタリングを含む。航空機は空力揚力の発生方法に基づいて固定翼、回転翼、混合翼及び羽ばたき翼などのタイプに分類される。
【0003】
人々は多くの場所で多種な方式と速度で長時間飛行できる多用途航空機を望んでいる。混合翼ドローンは固定翼と回転翼両方の利点を組み合わせ、固定翼と回転翼ドローンのどちらでも実行できないタスクを成功させる。最も有望な航空機は、垂直離着陸(VTOL)の固定翼航空機であり、商業やアマチュア市場でますます人気を集めている。この航空機は滑走路を使用せずに遥かな場所へ迅速かつ効率的に飛行して、目標位置で低空でゆっくり飛行し、目的地に到着した後に再び迅速かつ効率的に利用者に戻ることができる。
【0004】
効率的な長距離・長寿命飛行を実現するためにアスペクト比の大きい翼が必要である。しかし、アスペクト比の大きい固定翼ハイブリッドドローンは突風に敏感で、特に横風に直面し、低速で飛行する時またホバリングする時に弱いである。クワッドローター技術を利用して安定性を向上させることにより、以前の設計者は適度で高いアスペクト比を持つ垂直離着陸航空機の設計に成功した。 一つの方法は、「ジャンプ」クワッドローターハイブリッドドローン(例えばLatitude Engineering社のHQ-90型)、チルトクワッドローターハイブリッドドローン(例えばQuantum Systems社のTRON型)、または「テールシット」クワッドローターハイブリッドドローン( 例えばXcraft X PLUSONE、Aerovironment Quantix及びSwift020型)を使用することである。これらの航空機は、比較的に簡単で低コストのクワッドローター技術を採用し、従来の固定翼航空機の設計にも適用する。
【0005】
クワッドローター技術は4つのモーターに依存すると安全性と信頼性が低下する可能性がある。もし一つのモーターが飛行中に故障すると、クラッシュが発生する。それ以外に4つのモーターを使用すると、2つのモーターを使用する場合よりもモーターが小さくなり、したがって、小型モーターは一般的にエネルギー効率が低くなる。同様に、4つのプロペラを使用すると、2つのプロペラを使用する場合よりも各プロペラが小さくなる。小型プロペラの効率はレイノルズ数に敏感であるため、プロペラのサイズを小さくすると空力効率が低下する(他のパラメーターはすべて変化しない)。
【0006】
突風敏感問題は低アスペクト比の翼を使用するによって解決し、遠く離れて4つのモーターとプロペラを配置された必要はない、航空機は中風状態で飛行することができる。低アスペクト比の固定翼のテールシッターは中低風状態で安定性を保持しながらホバリングすることができる。従来のヘリコプターやマルチローターモデルと比較すると、非常に高速かつ効率的に飛行することができる。もう1つの利点は、低アスペクト比の翼のスパンが短いため、保管と輸送が容易になる。低アスペクト比のテールシッタ―は通常1つまたは複数の推進スリップストリームが操縦翼面を流れてホバリング中の制御を維持するようにトラクタープロペラ(翼の前方)を使用する。例としてはXK X520型が対称翼を採用する。対称翼はホバリング中のピッチとドリフトの問題に簡単な解決策を提供するが、キャンバー翼は常規飛行中により効率的である。著者により、現在唯一なキャンバー翼を利用するな低アスペクト比の固定翼のテールシッターは著者により特許を取得した。この型は「 Examiner」と呼ばれる。 Examinerは特許取得済の独自の制御システムがある。
【0007】
しかし、低アスペクト比の翼は一般に高アスペクト比の翼よりも空力効率が低い、最終的に耐久性や航続距離が制限される。ホバリングの安定性のために複数のモーターの使用することを避け、適当な高アスペクト比の翼を使用する方法がある。米国国防高等研究計画局(DARPA)は、「Tern」という固定翼のテールシッター型ドローンを開発している。 ほとんど他のすべてのホバリングできるテールシッター固定翼の航空機とは異なり、中心線推進の方法を採用する。 Ternの翼も高アスペクト比がある。 他のテールシッター固定翼の設計とは異なり、Ternはプロペラを使用しなくてローターブレード(ピッチを定期的に変更される)を使用し、Ternはヘリコプターのようにホバリングするまた制御することができる。 ローターブレードは非常に長いため、スリップストリームが大きい、翼の失速を防ぐことに役立つ。 しかし、同軸ローターブレードの解決策は複雑で高価になり、主に商業やアマチュア市場に向う。
【0008】
本文説明する航空機は前記全部の問題を解決する。これは2つのモーターとプロペラを備えた垂直離着陸テールシッター固定翼の航空機である。この航空機は新しい可変スパン翼を持つ、低アスペクト比と高アスペクト比の翼の利点を備え、両者の欠点を避ける。
【0009】
可変スパン翼
既存の適応翼システムは翼の形状を変更によって期待される効果を生み出す。例えば、ヒンジを中心に翼を回転させてマッハコーン内に保持させ、翼をひねってローリングモーメントを生成させ、後縁キャンバーを変更してピッチを制御する。一般的には、翼の物理サイズと平面面積は変更しない、また影響がほとんど受けいない。その結果、従来の制御システム(例えばフラップやスラットなど)に比較すると、既存の適応翼システムはわずかな飛行効果と限界利益を生み出す。
【0010】
ライト兄弟はたわみ翼を設計され、ロール制御の手段として急旋回を実行し、適応翼システムが誕生した。たわみ翼は小さなスラットの存在と翼形の急変による小さな空力損失を回避する。それにもかかわらず、たわみ翼はGlenn Curtisにより発明した羽ばたき翼(エルロン)に置き換えられた。羽ばたき翼の構造は非常にシンプルで、コストが大幅に削減される。現代の適応翼システムは同様な構造の複雑さとコストパフォーマンスの問題があり、軍事分野においての応用を大幅に制限される。
【0011】
柔軟性適応システムは軽い風緩和を緩和し、翼の後縁付近のキャンバーを変更し、フラップによりの回転制御は必要がない。したがって、従来の羽ばたき翼システムによく見られる断面突変と積とスラットの問題を回避し、空力効率を向上させる。このようなシステムはほぼ使用されない。
【0012】
複葉型航空機であるParkerの可変スパン翼は柔軟な上部翼があり、剛性の下部翼が失速するとキャンバーが増加する。これにより、機体の揚力が増加し、失速速度を低下させる。材料と構造技術の進歩により、複葉型航空機は不利になる。単葉型航空機は現在広く使用される。
【0013】
他の最新な適応翼システムは、フラップの組み合わせにより理想的な空気圧弾性効果を達成すると同時に理想的でない効果を解消する。簡単な例として、翼は前縁スラットとエルロンが同時に配置され、翼桁の週りで不均衡なねじれを防ぐ。これらのシステムは比較的に簡単、安価、便利であるが、翼のアスペクト比や平面面積を大幅に変更することができないため効果が制限される。
【0014】
現代で適応翼システムの成功例は可変スイープシステムまたは「スイングウィング」システムである。 これらのシステムにより亜音速飛行中より遅く飛行するが、超音速飛行中翼をマッハコーン内の維持する。当然ながら、可変スイープは通常戦闘機に使用され、例えばアメリカ空軍F-14「Tomcat」などである。 可変スイープはより広い速度の範囲でより効率的な飛行を実現するなど他の空気力学上の利点がある。 スイングウィング航空機はより高い最大速度、より低い失速速度を達成し、よりコンパクトになる。 いくつかの欠点があるが、例えばヒンジに応力が集中し、それに対してヒンジは非常に堅固であるが重量も増加する。最も重要な翼のパラメータはアスペクト比(スパンに関連する)と翼の平面面積で、どちらも空力特性に大きな影響を持っている。 可変スイープが「スイングする」と、アスペクト比が大きく変化するが、平面面積はあまり変化しない。 アスペクト比と平面面積を大幅に変更すれば適応翼システムは大きな効果と影響をもたらす。
【0015】
以前の設計者は可変スパン翼を創造したが、効果はわずかだった。例えば全翼機配置を採用したAerovisions「DroidofDeath」航空機について、ハーフスパンごとに2つの伸縮可能な可動セクションと1つの固定セクションがある。David Geversは従来の有人航空機をもう一つの可変スパンシステムが発明され、固定セクション1つと可動セクション2つ(US 5645250、US 5850990)で構成される。 他の例には、Telecope Flugel及びGNATSparである。 バージニア工科大学の学生は、まっすぐな(スイープなし)可動セクションを備えたデルタ翼を設計し、HALEドローンに小型伸縮式スパンエクステンションが付加された。理論的には、翼幅、翼面積及びアスペクト比は最大2倍になることが可能である。これらのシステムはいずれも垂直離着陸機には適用されていない。
【0016】
航空機の翼の内部空間は燃料を貯蔵し、またバッテリー、サーボ、センサーなど他の設備部品を収納する。取り外し可能なパネルで覆われた切欠は通常翼に収納されたコンポーネントを検査する。 ただし、これらの切欠は応力集中を引き起こし、翼とスキンの結構強度を弱める。したがって、構造の補強が必要であり、コストと重量が増加し、また航続距離を縮む。
【0017】
本発明で開示される可変スパン翼は前記全部の問題を解決する。本文は固定翼内部のコンポーネントを取り付けや検査する新型通用方法が導入され、切欠やパネルを使用せずに、翼セクションの先端開口部からコンポーネントの取り立てや取り除くを行うことができる。可変スパン翼により航空機がホバリング及び垂直離着陸の期間で相対的短く翼幅と小さくアスペクトを有し、従来の亜音速飛行中に長い翼と高アスペクト比の利便性を享受する。またより高いダッシュ速度とより大きい範囲での巡航速度を有する。可動セクションは中央の固定セクションに放置され、固定セクションより翼型の特徴を充分利用し、効果的な揚力生成翼面であり、価値のない胴体とストレージが排除される。既存の可変スパンシステムと異なり、本文に開示される可変スパン翼は可動セクションが互いに垂直方向にオフセットされて重なり合うため、理論的には、アスペクト比及び平面面積が完全に収縮した状態と完全に伸ばした状態の間で2倍増加を可能にする。本文は新規でユニークな可動セクション作動システムを提出し、既存のシステムと比較すると相対的に簡単で安価である。航空機の全体的な性能、操縦能力、多機能性、高効率飛行速度範囲及び航空機の格納数など、新しい航空機特性の組み合わせを実現するために重要な影響を与える。
【発明の概要】
【0018】
図1は可変スパン翼の可動セクション(2)が完全に伸ばされた状態を示す。
図2は可動セクション(2)が完全に収縮された状態を示す。航空機の可変スパン翼は1つの固定セクション(1)を含む。固定セクション(1)はさらに固定セクションスキン(118)を含む。固定セクションスキン(118)は揚力翼面を形成する。固定セクションはさらに翼型(103)を含み、
図3に示すように、円形の前縁(104)及び相対的尖った後縁(105)を含む。
図4は固定セクションと可動セクションの間のインターフェースの拡大図である。
図5に示すように、固定セクションは1つの左先端を含み、左先端は先端開口部(126)を含む。同様に、固定セクション(1)は右先端を含含み、右先端は先端開口部(126)を含む。
【0019】
図6に示すように、可変スパン翼は上部と下部の可動セクション(2)を含む。
図3Bに示すように、各可動セクションは翼型(203)を含み、その一部は円形の前縁(204)及び相対的尖った後縁(205)を含む。
図7に示すように、左の先端開口部から内部に向かうと2つの可動セクション(2)は互いに垂直方向にオフセットされている。上部の可動セクションは1つの先端開口部(126)を通してほぼ横方向に平行移動する方式で固定セクション(1)に出入りする。下部の可動セクションは他の先端開口部(126)を通してほぼ横方向に平行移動する方式で固定セクション(1)に出入りする。完全に収縮すると、2つの可動セクション(2)は固定セクション(1)の内部に重なり合う。
【0020】
可変スパン翼は1つスライドメカニズムのセットがあり、2つの可動セクション(2)をほぼ横方向に平行移動する方式で固定セクション(1)に出入りする。スライドメカニズムのセットは少なくとも二本のトラック(310)及び少なくとも2つのトラック(320)係合部を含む。各トラック(310)は、固定セクション(1)内に配置され、2つの可動セクション(2)と平行移動しない。少なくとも1つのトラック係合部(320)が上部可動セクション(2)のルート付近に接続し、少なくとも1つのトラック(310)に沿って平行移動し、上部可動セクション(2)が平行移動するように導く。少なくとも1つのトラック係合部(320)が下部の可動セクション(2)のルルート付近に接続し、少なくとも1つのトラック(310)に沿って移動し、下部の可動セクション(2)が平行移動するように導く。
【0021】
図3Bに示すように、少なくとも一部の固定セクションの翼型(103)の最大厚さ(106)は弦長(107)の6%を超え、最大厚さ(106)は可動セクション(2)の翼型(203)より大きいように推薦される。また、少なくとも一部の可動セクションの翼型(203)の弦長(207)は固定セクション(1)の翼型(103)の平均弦長(107)の30%から70%の間にあるように推薦される。各可動セクション(2)が完全に伸ばされた位置においては、そのパラメータは以下の角度限界値の範囲内にあり、反転角(124)≦3度、上ねじり≦5度、前縁後退(123)≦6度である。
【0022】
航空機の可変スパン翼は
図4に示すように、さらに左端カバーと一つの右端カバー(4)を含む。各端カバー(4)は一つのカバー穴(401)を含む。左端エンドカバー(4)は固定セクション(1)の左先端開口部(126、
図5)に位置する。 右端エンドカバー(4)は固定セクション(1)の右先端開口部(126)に位置する。 各エンドカバー穴(401)の大きさと形状により、1つの可動セクション(2)がエンドカバー穴(401)を通して平行移動することが可能である。
【0023】
航空機の可変スパン翼は
図29に示すように、1つまたは複数の電子ストップ(345)を含む。1つまたは複数の電子ストップ(345)は対応する可動セクション(2)が過度展開また過度後退することを防止する。
【0024】
図7-12は航空機の可変スパン翼の最初のレイアウトを示す。2つの駆動メカニズムを含み、2つの可動セクションはそれぞれに一つの駆動メカニズムがある。各駆動メカニズムは、少なくとも1つのモーター(331)及び少なくとも1つのギアヘッド(332)を含み、またギアへッドが棒状(333)の可能がある。少なくとも1つのギアヘッド(332)が少なくとも1つのモーター(331)に取り付け、少なくとも1つのモーター(331)が対応する可動セクション(2)また対応する可動セクション(2)とつながるトラック係合部(320)に取り付ける。少なくとも1つのモーター(331)が可動セクション(2)のルート付近に位置し、少なくとも1つのモーター(331)が可動セクション(2)と平行移動する。
【0025】
可変スパン翼の通用レイアウトはさらに少なくとも1本のラック(341)を含み、ラックは歯状や棒状(342)の可能があり、少なくとも1本のラック(341)は可動セクション(2)と平行移動しない。少なくとも1つのギアヘッド(332)が少なくとも1本のラック(341)と噛み合う。少なくとも1つのギアヘッド(332)が少なくとも1本のラック(341)に回転し、可動セクション(2)を平行移動させる。少なくとも1本のラック(341)が固定セクション(1)内部にある。スライドメカニズムのセットの場合、
図6に示すように、各トラック(310)は基本的にスパン方向に固定セクション(1)の大部分を跨ぐ。少なくとも1本のトラック(310)は上部可動セクション(2)の上に配置され、固定セクションスキン(118)の内部上表面に近くする。少なくとも1本のトラック(310)は、下部の可動セクション(2)の下に配置され、固定セクションスキン(118)の内部下表面に近くする。
【0026】
航空機の可変スパン翼はさらに
図7に示すように以下を含み、少なくとも1本のラック(341)がフロントスパー(116)に配置されている。各駆動メカニズムはモーター(331)及びギアヘッド(332)を含む可能性がある。ギアヘッド(332)は可動セクション(2)の前縁(201)の前縁付近に前方に突出する。
【0027】
または、航空機の可変スパン翼は少なくとも2本のラック(341)を備え、2本のラック(341)の1本はトラック(310)に配置され、トラックは上部可動セクションの上に位置し、固定セクションスキン(118)の内部上表面に近く。同様に、
図11に示すように、2つのラック(341)の1つはトラック(310)に配置され、このトラックは下部可動セクションに位置し、固定セクションスキン(118)の内部下表面に近くする。
【0028】
スライドメカニズムのセットの最優レイアウトは4つのトラックで構成され、関連例は
図12、17と26のように示される。4本のトラックは前上部トラック、後上部トラック、前下部トラックと後下部トラックで構成される。前上部トラックと前下部トラックは固定セクションの前縁近くにある。前上部トラックは前下部トラックの上にある。後上部トラックと後下部トラックは固定セクションの後縁近くにある。後上部トラックは後下部トラックの上にある。前上部トラックと後上部トラックは上部可動セクションの平行移動を共同でガイドする。前下部トラックと後下部トラックは下部可動セクションの平行移動を共同でガイドする。 4本のトラックは互いに平行し、基本的にスパン方向に固定セクションを跨ぐ。
【0029】
各トラック係合部(2)は付属のフレーム(325)を含み、2つまた複数の垂直ネジ穴を有し、少なくとも2つのネジ山付けファスナー及び2つの駆動メカニズムの1つを備えた。(
図12と
図13)。付属の各フレーム(325)は可動セクション(2)の1つに、また可動セクション(2)のルート近くに取り付けられている。駆動メカニズムは付属のフレーム(325)に取り付けられ、両者は可動セクション(2)と平行移動する。少なくとも2つのねじ山付きファスナーのヘッドはトラック(310)に配置され、後者によりトラック係合部(320)と可動セクション(2)の移動をガイドする。各トラック係合部(320)はトラック(310)内に配置された転動体(323)を含み、転動体(323)が少なくとも2つのねじ山付きファスナのヘッドと縦ねじ穴の間に配置される。
【0030】
図14、15及び16に示すように、可変スパン翼の第2種の通用レイアウトは1つまたは複数の環状駆動メカニズムで構成される。各環状駆動メカニズムは以下を含み、2つの円盤状部品(334)と1つの環状部品(343)である。環状部品(343)は上部セクション及び下部セクションを含む。環状駆動メカニズムは少なくとも1つの駆動モーター(331)をさらに含む。2つの円盤状部品(334)はそれぞれ回転可能である。少なくとも1つの円盤状部品(334)は少なくとも1つの駆動モーター(331)によって駆動される。環状部品(343)は2つの円盤状部品(334)の周りに配置され、上部セクション及び下部セクションを形成する。各可動セクション(2)は、少なくとも一つまたは複数の環状駆動メカニズムの環状部品と直接的または間接的に接続される。円盤状部品(334)が回転中、環状部品(343)は円盤状部品(334)の外部に回って移動し、環状部品(343)の上部セクションと下部セクションの移動方向が反対方向にさせる。環状部品(343)は反対方向で2つの可動セクション(2)を固定セクション(1)に移入また移出する。
【0031】
図17-23に示すのは可変スパン翼の結合防止バージョンであり、1つまたは複数のフレーム(325)で構成されるトラック係合部(320)があり、
図17に示すようなる。結合防止翼は、
図20に示すようにアンギュラスライド(322)を含む。アンギュラスライドは2つのほぼ垂直な材料平面とがあり、各垂直な平面は少なくとも1つのスロット(324)及び少なくとも1つの転動体(323)(少なくとも1つのスロット(324)を部分的に通過する)を含む。各フレーム(325)は1つの可動セクション(2)に接続し、可動セクション(2)のルートに近くに取り付けられている。各トラック係合部(320)の転動体(323)は、可動セクション(2)の平行移動をガイドするトラック(310)にある。
【0032】
理想的には、トラック係合部は転動体(323)を含み、転動体(323)はトラック(310)に配置され、転動体(323)の回転軸は縦方向にほぼ平行する(+/- 15度以内)。
図24-32に示すのはスロット型可変スパン翼であり、
図26に示すように、スライドメカニズムのセットの場合、少なくとも2つのトラック(310)がスロット状(316)になっている。少なくとも2つのスロット状のトラック(316)は可動セクションの平行移動方向に平行する。
図27に示すように、少なくとも2つのスロット状のトラック(316)はそれぞれ以下を含み、材料を通さないスロット(317)及び材料を通す小幅なコリニアスロット(318)を含む。少なくとも2つのトラック係合部(320)はそれぞれ少なくとも2つの独立した転動体(323)で構成される。少なくとも2つの独立した転動体(323)がスロット状のトラック(316)の1つに配置される。ポート(326)はコリニアスロット(318)及び転動体(323)を通す。
【0033】
図33と34に示すように、左右のエンドカバー(4)がそれぞれ内面(404)と外面(405)を含むと、可変スパン翼を組み立て及び取り外しの有利な方法になる。可変スパン翼はさらに2つのエンドキャップ(319)を含み、エンドカバーはエンドカバー・トラックの取り付け手段の一例である。各エンドキャップ(319)はエンドカバー(4)の一つの内面(404)に取り付けられ、エンドキャップ(319)がトラック(310)の先端縁にさらにトラックと取り付けられる。トラック(310)、エンドキャップ(319)及びエンドカバー(4)の接続方法は、トラック(310)をを適切な位置合わせすることに役立つ。左右のエンドカバー(4)はそれぞれさらにフランジ(403)を含み、フランジ(403)はエンドカバー(4)の内面(404)からエンドカバー(4)外周に近い位置から内に向き突出する(
図35A)。フランジ(403)は固定セクション(1)の先端翼型に類似する。フランジ(403)は固定セクション(1)の対応する先端開口部(126)内に取り付けられ、固定セクションスキン(118)を支持することに役立つ。
図34に示すように、右エンドカバー(4)の外周がフランジ(403)の外周より大きい、右端エンドカバー(4)の内面(404)が固定セクション(1)に取り付けられる。同様に、左エンドカバー(4)の外周はフランジ(403)の外周よりも大きい、左エンドカバー(4)の内面(404)が固定セクション(1)に取り付けられる。この有利な方法は説明された2つの共通レイアウトを同時兼用する。
図33~35Bは環状駆動メカニズムを備えた第2種類の通用レイアウトを示す。
【0034】
右端エンドカバー(4)は、エンドカバー・トラック接続部を通じて少なくとも一つのトラック(310)の右先端に接続される。同様に、左端エンドカバー(4)は、エンドカバー・トラック接続部を通じて少なくとも一つのトラック(310)の左先端に接続される。この設計により、アセンブリ(スライドメカニズムと2つの可動セクション(2)がある)を2つのエンドカバー(4)の間の固定セクション(1)に強固に組み合わせ、アセンブリは少なくとも1つのエンドカバー(4)が取り外されたとき、先端開口部(126)を通して固定セクション(1)に滑り出入りする。
【0035】
図1に示すように、可変スパン翼は特定の航空機に発明されたものである。この航空機は可変スパン翼とフィン(6)、推進システム(8)、及び少なくとも1セットで2つのエレボン(5)で構成される。
図37に示すように、航空機は離陸と着陸のためにフィン(6)に直立することができる。離陸後、空中にホバリングして前方にピッチングから通常の飛行方向に移行する。通常の飛行において、航空機は着陸前にピッチングしてホバリング方向に再び入る。
図3Aのように、推進システム(8)は、少なくとも2セットのモーター(802)及びプロペラ(803)を含み、少なくとも2セットのモーター(802)及びプロペラ(803)は、前縁(101)の前方に配置される。少なくとも2つのセットのモーター(802)及びプロペラ(803)は、航空機の対称面(114)に対称的に配置される。少なくとも1セットのモーター(802)及びプロペラ(803)が航空機の左側にあり、少なくとも1つのセットのモーター(802)及びプロペラ(803)のが航空機の右側にある。航空機の右側に少なくとも1セットのモーター(802)と左側にプロペラ(803)は少なくとも1セットのモーター(802)とプロペラ(803)の回転方向は反対である。
図3Aに示すように、少なくとも1セットで2つのエレボン(5)が航空機の対称面(114)に対称的に配置される。2つのエレボンは固定セクション(1)の後縁(102)近くに位置し、少なくとも推進スリップストリーム(804)が部分的に浸される。エレボン(5)は対称性偏向によりピッチ制御(
図38)し、差動性偏向によりロール制御(
図39)する。
【0036】
図3Aと37に示すように、航空機は少なくとも1対のフィン(6)を含み、フィン(6)それぞれはフィンチップ(606)を含む。少なくとも1対のフィン(6)は、航空機の対称面(114)により対称に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は通常の飛行方向に可動セクションが完全に伸ばされた可変スパン翼の航空機を示す。
【
図2】
図2は可動セクションが完全に収縮された可変スパン翼を示す。
【
図3A】
図3Aは可動セクションが部分的に伸ばされた可変スパン翼の平面図である。
【
図3B】
図3Bは固定セクション及び可動セクションの翼型を示す。
【
図4】
図4は固定セクション及び可動セクションの間のインターフェースを示す。
【
図5】
図5はインターフェースにおいてエンドカバーが取り外された実施例の作動システム(実施例A1)を示す。
【
図6】
図6は作動システムまた見せず固定セクションスキン及び部分的に伸ばされた可動セクション(実施例A1)を示す。
【
図7】
図7は
図5及び
図6においてエンドカバーが取り外された作動システムの側面図(実施例A1)である。
【
図8】
図8はエンドカバーを取り外された後縁スタビライザー(受動的に回転するばね・歯車機構)の実施例の側面図(実施例A2)である。
【
図9】
図9は
図8(実施例A2)の後縁スタビライザー及び棒状ギア、棒状ラックを示す。
【
図10】
図10は後縁スタビライザーを含まない可動セクションの作動システムの実施例(実施例A3)である。
【
図11】
図11は作動システムにおいて優先なギア・ラックの実施例(実施例A4)である。
【
図12】
図12は可動セクションの作動システムの優先な配置の側面図である(実施例A5)。
【
図13】
図13は可動セクションの作動システムの実施例A5の斜視図である。
【
図14】
図14はエンドカバーが取り外された可動セクションの作動システムの環状駆動メカニズムの側面図である(実施例B)。
【
図15】
図15は環状駆動メカニズムを示し、固定セクションスキンを取り外された歯形プーリと歯形ベルトを露出させ、1つのモーターにより2つの可動セクションの平行移動を駆動する。(実施例B)。
【
図16】
図16は環状駆動メカニズムの例を含む主要な部品の拡大図である(実施例B)。
【
図17】
図17は固定セクションスキンが取り外された結合防止型可変スパン翼である(実施例C)。
【
図18】
図18は固定セクションと可動セクションのスキンが取り外された結合防止型可変スパン翼である(実施例C)。
【
図19】
図19は結合防止型可変スパン翼のトラック係合部のセットの拡大図である(実施例C)。
【
図20】
図20は結合防止型可変スパン翼のアングルスライダーを示す(実施例C)。
【
図21】
図21はエンドカバーが取り外された結合防止型可変スパン翼である(実施例C)。
【
図22】
図22は結合防止型可動セクションを駆動するモーター、プーリー及びベルトの拡大図である(実施例C)。
【
図23】
図23は結合防止型可変スパン翼のリアトラックを示す(実施例C)。
【
図24】
図24は固定セクションスキンが取り外されたスロット型の可変スイープ翼である(実施例D)。
【
図25】
図25は固定セクションスキン及びストリンガーが取り外されたスロット型の翼である(実施例D)。
【
図26】
図26はスロット型の作動システムの拡大図である(実施例D)。
【
図27】
図27はスロット型翼の部品アセンブリの分解図である(実施例D)。
【
図28】
図28はスロット型翼の組み立て斜視図である(実施例D)。
【
図29】
図29はスロット型可変スパン翼のモーター、スペーサー及び電子ストップのサブアセンブリである(実施例D)。
【
図30】
図30は可動セクションの停止位置を正確に調整するキャリブレーションボルトである。
【
図31】
図31はエンドカバーを取り外れたスロット型翼の側面図である(実施例D)。
【
図32】
図32はねじ山付きファスナーによりストリンガーに取り付けるエンドカバーを示す(実施例D)。
【
図33】
図33は固定セクションスキンを取り外れた組み立てと取り外すを支持する可変スパン翼を示す(実施例E)。
【
図34】
図34は組み立てと取り外しの優勢を備えた改良されたエンドカバーを示す(実施例E)。
【
図35A】
図35Aはトラック・エンドカバー・エンドキャップの設計を示し、内部部品アセンブリを固定セクションに滑り出入り、組み立てと取り外しの優勢を備える(実施例E)。
【
図35B】
図35Bは固定セクションに滑り出入りする1セットのモーター及びギアを備えた環状駆動メカニズムの例を示す(実施例E)。
【
図36A】
図36Aはトラック及び転動体の断面側面図であり、転動体が円筒形である。
【
図36B】
図36Bはトラック及び転動体の断面側面図であり、転動体は線形ボールベアリング軸である。
【
図37】
図37は離陸前及び着陸後の航空機のテールシッター(直立)を示す。
【
図38】
図38はエレボンを使う対称性偏向によりピッチ制御を達する特定の航空機を示す。
【
図39】
図39はエレボンを使う差動性偏向によりロール制御を達する特定の航空機を示す。
【
図40】
図40は通常な離陸/着陸を選択できる三輪特定航空機を示す。
【
図41】
図41はジャンプ式垂直離着陸マルチロード混合翼航空機の可変スパン翼の正面図である。
【
図42】
図42は複葉航空機の2つの可変スパン翼の正面図である。
【
図43】
図43は大型スイープ全翼機に適用された可変スパン翼の正面図である。
【
図44】
図44は大型二面角通常航空機に適用された可変スパン翼の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
定義
ここで説明した定義は主に専門用語を容易に理解するための一般的な説明である。この特許全体で使用される用語は提供される定義によって厳密に制限されるべきではない。
【0039】
「空力中心」とは、失速前の迎え角の範囲内で、空力的に誘発されたモーメントが迎え角(111、211)にほぼ依存しない翼型の弦方向の点を指す。空力中心は翼の前縁から後に測定され、モーメントは単位スパンに表示される。1つ完全な3次元翼型には類似的定義された空力中心があり、特定の縦方向の位置で横方向線にある。縦方向の位置は翼のルートの前縁から後方まで測定される。
【0040】
翼の「迎え角」(111、211)は、自由流速度ベクトル(113)と翼弦線(108、208、
図3Bを参照)の間の角度である。翼または航空機の場合、これは自由流速度ベクトルと基準線の間の角度である。
【0041】
「迎え角」は基準線(通常は胴体の縦軸)から翼型弦線まで測定される正角度である。
【0042】
「キャンバー」翼型は対称ではない。「キャンバード」は通常翼型のキャンバーライン(110、210)に変曲点がない、後縁近くで下向きに曲がる。
【0043】
「弦向」は翼弦線(108、208)に平行する方向を示す。
【0044】
「巡航」とは最優の空力効率に対応する速度で直線水平飛行を示す。
【0045】
「二面角」は航空機に関連する教科書で頻繁に言及される。これは上向きに曲げられる翼は水平面に対する角度の程度である。 「二面角」は通常角度単位を示す(124
図40)。
【0046】
「円盤状部品」は環状部品が配置された円盤状の構成部品を示す。例えば、円盤状部品は、滑車、スプロケット、歯付き滑車、歯車、ドラム、車輪または他の実質的に同等の部品を含む。
【0047】
「駆動部品」とは、電気モーター、油圧アクチュエータ、ばね式装置及びドライバーを含むまたこれらに限定されない可動セクションの平行移動を駆動するための押す力または引く力を共同提供するアセンブリまたはアセンブリに密接に関連する部品を示す。
【0048】
「尾翼」とは航空機の水平尾翼の部品であり、通常少なくとも1つの水平尾翼、垂直尾翼、昇降舵及び方向舵を含む。
【0049】
「噛み合わせた部品」とは、駆動部品と相互作用して可動セクションの平行移動を制御する部品を指す。
【0050】
「固定翼」は翼の一種であり、ローター、プロペラまた他の回転空力面(「回転翼」とも呼ばれる)などを含む。「固定翼」という術語は、羽ばたき翼及び可変スイープ(別名「可変翼」)及び本文記載された可変スパン翼を含まない。
【0051】
「自由流速度」は胴体の固定パラメーターから見ると、胴体から上流遠方に流れる乱されない対向空気の流れと同じ方向と大きさがある。
【0052】
「混合型」航空機は、従来の航空機のさまざまな尋常ではない機能を組み合わせ、V-22「オスプレイ」は航空機とヘリコプターの機能を兼有する。
【0053】
「内部」は通常航空機の「内部」で翼のルート近くの領域を指す。
【0054】
「横方向」は航空機の「横向き」の面を指す。「スパン」方向と類似し、同時に縦方向と垂直方向に垂直する。
【0055】
「揚力翼面」とは固定セクションが揚力を生成することができるまた翼型を形成する(すべての翼型は同じである)。これは胴体を含む固定セクションまたは融合翼の胴体を属する固定セクションを排除されない。。
【0056】
「縦方向」は一般にものの「長さ」を指す。本文では標準航空機に関連する術語がである。「縦方向」とは水平面と対称面を同時に平行する機首から機尾までの方向を指す。
【0057】
「環状部品」とは円盤状部品の周りに配置された閉環回路を形成する部品を指す。環状部品はロープ、チェーン、ケーブル、ベルト、歯付きベルトまたは同質的な部品を指す。
【0058】
「モーメント」は文脈に従って解釈する。これは気流によって翼型、翼また航空機に加えられるモーメント(またはトルク)という可能性がある。またピッチング、ローリング、ヨーイングのモーメントなど特定の軸に関するモーメントを指す。
【0059】
「近づく」の数量か的な定義は比較された部品の最も近い点との距離は固定セクションのルート弦長の35%以下である。(複数の固定セクションがある場合は最大な弦長を指す)。
【0060】
「中性点」は翼型と翼の空力中心に類似し、航空機全体を指す。
【0061】
「外側」は通常翼端近くの航空機の「外側」の領域を指す。
【0062】
「対称面」は航空機の教科書でよく理解と使用される用語であり、航空機の左半分と右半分の間にわずかなずれがある場合(例えば一方側にピトー管は突き出し、反対側がない)、この用語が適用することができる。ここでよく注目するのは単葉機、伝統的な複葉機及びタンデム翼の場合、翼と航空機の対称面は必ず平行で重なり合う同じ平面である。したがって、「対称面」という用語を使用する時には翼または航空機に特に言及することなく。航空機は複数の非タンデム翼があり、また非常に顕著な非対称性という奇妙な設計が考えられる。これらの特殊な場合に対し、「対称面」は文脈に従って解釈べきである。航空機に対し、「対称面」は主な飛行方向に平行し、航空機の重心と重なり合う垂直面である。
【0063】
「プロペラ」は固定ピッチ及び可変ピッチプロペラを含み、その近義及び同義語は「ファン」を含み、ピッチ周期的に回転するブレードを備えた回転システムまたヘリコプターやその他の回転翼航空機の斜板を指しない。
【0064】
「反射」翼はキャンバーライン(110、210)と変曲点(
図3B)がある。「反射」翼型は、「S型」のキャンバーラインを持つと表現され、通常S型は気づきにくい。反射翼の後縁は通常わずかに上向きである。
【0065】
「転動体」は1つまたは複数のトラックとトラック係合部との間の相対運動の抵抗力を低減するように設計された少なくとも1つの回転部品を含む部品または部品のアセンブリを指す。例えばローラー、ホイールまた適合したベアリングなど、テーパー、非テーパー、ローラー、ボールベアリング、リングなど任意の形状を含む。線形運動軸は転動体のように見えるが、通常は回転部品(ボールベアリングなど)を含み、したがって、ここの定義された「転動体」を構成する。
【0066】
「ルート」は翼または翼セクション(固定セクションまたは可動セクション)の「始まり」部分を指す。普通の翼ルートは航空機の対称面にある。同様に、固定セクションの翼ルートは通常航空機の対称面に配置される。可動セクションが完全に伸ばされると、可動セクションの「ルート」はそのスパン方向の最も内部の部分になる。
【0067】
翼または固定セクションの「ルート翼型」は対称面にある翼型を指す。障害物(胴体やマウントなど)が存在する場合、「ルート翼型」は障害物のない翼型が次のパラメータに基づいてスパン方向に分布して対称面に外挿し、翼の対称面に獲得する翼型であり、形状、弦長、厚さ、ねじれ、スイープ、二面角及びその他の関連パラメーターを含む。可動セクションの場合、「ルート翼型」は可動セクションが完全に伸ばされたときの最内部の翼型を指す。
【0068】
「シャープ」という術語は理解しやすい。円形翼型縁の場合、シャープは最小曲率半径として量化させ、翼型弦長のパーセンテージとして表す。半径が小さいほど縁が鋭くなる。四角い縁のシャープは翼型の上面と下面において後方の弦向位置での距離の半分として量化させ、翼型弦長さのパーセンテージとして表す。
【0069】
「スライドメカニズム」はトラックとトラック係合部を指し、「スライドメカニズム」は相対運動に対する抵抗力を減らすトラック上転動する転動体を含む。
【0070】
「スリップストリーム」はプロペラの回転によって生成される気流または空気を指す。その簡単化された有界理論形状は円柱に似て、空気にプロペラの下流を流れるとともに断面が非線形に減少する(804、
図3A)。
【0071】
「スパン方向」は翼型または翼弦方向に垂直する方向を指す。翼のスケッチを想像すると、スパン方向が「ページから出てくる」ことになる。
【0072】
「静的マージン」は航空機の重心と中性点との間の距離を指し、翼の平均空力弦長さのパーセンテージとして表す。
【0073】
「スイープ」は航空機に関連する常用術語であり、通常は航空機の横軸と翼の前縁の間で測定される角度を表する(123、
図43)。
【0074】
「スワール」とは、プロペラの回転によって発生して、らせん状のスリップストリームの流れを引き起こす可能性がある、スリップストリーム内の円周方向の速度成分を指す。。
【0075】
「対称」翼型は直線のキャンバーライン(110、210)があるため、キャンバーラインと翼弦線(108、208)が重なり合い、上部と下部の翼型表面は翼弦線の周りで相互に反射する。
【0076】
「テールシッター」は直立方向から離陸し、ほぼ垂直方向から水平方向に傾斜して飛行する航空機を指す。
【0077】
「テーパー」は翼型の弦長はスパン方向の位置とともに変化する翼を指す。
【0078】
「先端」という用語は理解しやすいである。翼と翼セクションの場合、「ルート」と「先端」は反対である。固定セクションの場合、固定セクションの最も外側の先端を指す。可動セクションの場合、可動セクションの最も外側の先端を指す。
【0079】
「先端開口部」は固定セクションの先端にある可動セクションを通過させる充分大きな開口部(または穴部)を指す。エンドカバーは先端開口部の上部及び/または内部に取り付けられる。
【0080】
「トラック」は移動をガイドする経路を指す。
【0081】
「トラック係合部」はトラックに沿って移動するように制限された部品を指す。
【0082】
「ねじれ」(「ウォッシュアウト」を参照する)。
【0083】
VTOL=垂直離着陸。
【0084】
「ウォッシュアウト」は「構造的ウォッシュアウト」を指し、航空機の翼の特徴であり、翼がわずかにねじれると、迎え角が翼ルートに向かって大きくなり、スパンに沿って小さくなりため、翼の先端に向かうのが小さくなる。
【0085】
可変スパン翼
可変スパン翼は少なくとも1つの翼を備えた航空機に適する。可変スパン翼は1つまたは複数の固定セクション(1)、少なくとも2つの可動セクション(2)、及び可動セクションの作動システム(3)を備える。可動セクションの作動システム(3)は可動セクション(2)をほぼ横方向に平行移動して固定セクション(1)に出入りするための駆動部品(330)を備える。可動セクション(2)がスパン方向に外側に移動すると、翼の平面面積とアスペクト比が大幅に増加する。
【0086】
「巡航」は最高の空力効率に対応する速度で直線に水平飛行することを指す。可動セクション(2)が完全に伸ばされたとき(
図1)に低速巡航を実現する。可動セクション(2)が完全に収縮されたときに高速巡航を実現する(
図1)。可動セクション(2)は連続的に移動することにより広い速度範囲で効率的に飛行することが実現する。
【0087】
固定セクション(1)は航空機の対称面(114)により対称的に配置される。固定セクション(1)は内部スペースを最大限に活用し、可動セクション(2)をより適切に格納できるように設計される。固定セクション(1)は荷重スキン(118)とほぼ中空な内部(モノコック構造)を有する。
図5に示すように、固定セクション(1)は2つ以上のスパン方向に配置されたスパー(116、117)により補強される。フロントスパー(116)は固定セクション(1)の前縁(101)と、リアスパー(117)は固定セクション(1)の後縁(102)と近づく。重量を最小限にコントロールするため、スパー(116、117)は開口部または穴(120)を備えた長方形の薄くな断面を採用し、アルミニウムやグラスファイバーなどの軽量材料を採用する。過度な変形は空気力学的性能を低下させる。剛性を高めるために必要に応じて固定セクションスキン(118)の内面にスパンストリンガー(119)を添加する(119、
図24)。
【0088】
固定セクション(1)はエンドカバー(4)によりさらにサポートされる。スパー(116、117)とエンドカバー(4)を合わせて堅固で軽量な構造である「ウィングボックス」を構成する。
図4に示すように、エンドカバー(4)が固定セクション(4)の先端に配置され、異物が固定セクション(1)に侵入することを防ぐ。エンドカバー(4)は、固定セクション(1)と可動セクション(2)の間の界面付近の空力干渉を減らし、固定セクション(1)に入る時の過剰な気流を低減する。エンドカバー(4)は開口部(401)があり、可動セクション(2)が平行移動で出入りすることを可能になり、可動セクション(2)が部分的に伸ばされたときにサポートを提供する。設計が簡単な可動セクション(2)はエンドカバーの穴(4)を翼型形状を採用する必要がある。
【0089】
図3Bに示すように、固定セクション(1)は無数の翼型(103)により構成され、翼型が円形前縁(104)と鋭い後縁(105)を有する。全翼機の設計において、固定セクション(1)は通常に対称または反射の翼型が使用され、受動的な縦方向の安定性を実現する必要がある。標準のキャンバー翼は全翼機の設計に使用され、縦方向の安定性を提供するために大量なスイープ(123)とねじれが必要になる。
【0090】
可動セクションの翼型(203)は円形前縁(201)及び鋭い後縁(202)を有し、通常に対称または反射の翼型を採用する。可動セクション(2)は対称面(114)を周り互いにミラーリングするようになるが、オーバーラップを使用する場合の垂直オフセットを除く。
【0091】
固定セクション(1)に可動セクション(2)を格納するために生じる幾何学的制約を満たしながら、システム全体のパフォーマンスを最大化するために、さまざまなパラメータをバランスよく考慮する必要がある。可動セクション(2)を固定セクション(1)に格納するために、固定セクションの翼型(103)を比較的に厚くし、可動セクションの翼型(203)を比較的に薄くし、そして/また固定セクションの翼型の翼弦長(107)を長くし、可動セクションの翼弦長(207)を短くする必要がある(
図3)。固定セクション(1)と可動セクション(2)の翼型の厚さ(106、206)と翼弦長(107、207)を適切にバランスすることにより最適の結果を得ることができる。固定セクション(1)が厚すぎると、揚力比が満足しにくい。可動セクションの翼型(203)が薄すぎると、可動セクション(2)が弱くなり、失速しやすい、また有効迎え角(211)の範囲も狭くなる。
【0092】
可変スパン翼の効果を最大化するため、可動セクション(2)を互いに垂直方向にオフセットさせ、完全に格納するときに重なり合い、これにより幾何学的には非常に制限される。この場合により、固定セクションの翼型(103)の最大厚さ(106)は翼弦長(107)の6%より大きく、また可動セクションの翼型(203)の最大厚さ(206)よりも大きい。可動セクション(2)の平均幾何学的弦長(207)は対応する固定セクション(1)の平均幾何学的弦長(107)の30%から70%の間にある。
【0093】
可動セクション(2)が真っ直ぐな形であれば、航空機の失速が深刻である可能性がある(チップストール)。可動セクション(2)の迎え角は固定セクション(1)の迎え角より低く、それにより固定セクションを最初に失速させる(チップストールをなし)。さらに、可動セクションは翼先端の失速を防ぐためにねじる(ウォッシュアウト)ことができるが、固定セクションはねじれた可動セクション(2)を格納する十分なスペースが必要であり、エンドキャップ穴(401)をねじれたセクション(2)を通過するように拡大する必要がある。
【0094】
もう一つの選択はトラック(310)をわずかにねじれるように設計し、可動セクション(2)の迎え角が可動セクションを伸展するとともに失速遅延前進スリップストリーム(804)から離れて小さくなる。あるいは、推進モーター(802)を可動セクション(2)の先端近くに配置し、可動セクションと一緒に移動し、チップボルテックスの反対性を維持して、翼先端の失速を軽減することもできるが、他の翼構造、及び電気配線などに関連する他の問題が発生する可能性がある。
【0095】
重り合うの可動セクション(2)に対し、幾何学的パラメーターは次の合理的な角度制限内にあり、二面角≦3度(124)、上ねじり≦5度、前縁後退≦6度(123)。重なり合わない可動セクション(2)を備えた可変スパン翼の例については
図43及び44を参照する。
【0096】
作動システム(3)及びトラック(310)とトラック係合部(320)を含む。トラック係合部(320)はトラック(320)に沿って移動するように制限される。作動システム(3)は左右の可動セクション(2)がいつも等しく大小、反対な方向を有するように設計される。幾何学的な対称性により航空機は適度で対称的な空気圧荷重があり、これによりローリング、偏向、またはピッチモーメントの発生を防止する。
【0097】
トラック(310)は可動セクション(2)または固定セクション(1)上に配置される。トラック係合部(320)は固定セクション(1)また可動セクション(2)上に応じて配置される。外部の空気の流れを破壊されないように、トラック(310)を固定セクション(1)に配置し、また完全に固定セクション(1)内に配置することが最適である。同様に、トラック係合部(320)は可動セクション(2)のルート近くに配置し、可動セクション(2)と平行移動すると同時に平行移動に制限され、トラック係合部(310)をいつでも固定セクション(1)内に保持される。気動力はねじれた可動セクションに向かうため、トラック係合部(320)は加えられた曲げモーメントや他の予想される荷重を制限なくサポートするためにトラック(310)に精密に配合するように設計する必要がある。
適応翼システムは2つまたは4つのトラック(310)を使用することが推薦される。
図7に示すように、2つのトラック(310)を使用する場合、一つのトラックは固定セクション(1)の内部上面近くに配置され、もう1つのトラックは固定セクション(1)の内部下面近くに配置される。これにより各可動セクション(320)にトラック(310)を提供する。4つのトラック(310)を使用する場合、1つのトラックは固定セクション(1)の内部前方上面に、1つのトラックは内部後方上面に、1つのトラックは内部前方下面に、1つのトラックは内部後方下面に配置され、可動セクション(2)にそれぞれ2つのトラックを提供する。
【0098】
空力の考慮
本節は可変スパン翼の設計に関連する一般的な空気力学について基本的な意見を提供する。これらの意見は詳細的でも全面的でもない、最も簡単な状況のみ紹介と説明する。
【0099】
平衡状態で水平飛行する場合、揚力(L)は航空機の重量(W)に等しい。可動セクション(2)が外側に伸ばすと、翼面面積(S)が増加し、他の条件が同じであれば、翼面荷重(W / S)が共に減少する。
【数1】
【0100】
航空機の重量(W)空気密度(ρ)は常数であり、バランスの取れた水平飛行を維持するために、翼の揚力係数(CL)と/または航空機の速度(V)を下げる必要がある。 揚力係数(CL)は迎え角(α)に依存し、最高の空力効率(L/D)は、特定の迎え角(α)で発生する。したがって、通常は速度(V)を下げることがいい方策である。抗力(D)は翼面積(S)が増加するにつれてが増加するため、速度(V)が操作せずに自然に速度を低下することがある。
【数2】
【0101】
推力を減らすことによりさらなる減速が達成するのはパイロットが手動で完成でき、機内の飛行コントローラーが自動的に完成する。可動セクションを外側に伸ばすと、航空機の速度が低下させ、推力が小さくなり、エネルギー消費を減少する。
【0102】
各可動セクション(2)の位置において縦方向のバランス、安定性及び制御性を確保する必要がある。翼の空力中心が前方にドリフトすぎると、縦方向の安定性が失われる。同様に、翼の空力中心が後方にドリフトすぎると、「トップヘビー」になり、上向きすることができない。
【0103】
翼の空力中心は通常クォーター翼弦長(翼弦長の+/- 5%)の近くにある。可動セクション(2)は恒定の翼弦長(207)とスイープなしで設計され、各翼型の空力中心は横方向の直線にある(
図3A、209)。この場合、各可動セクション(2)の空力中心は平行移動の位置と関係ない。その他、各可動セクション(2)の空力中心が固定セクションの空力中心と同じ縦方向の位置される場合、翼全体の空力中心は可動セクションの平行移動の位置に関係なく、縦方向の安定性が確保される。物事をできるだけ簡単にするため、固定セクションは恒定の翼弦長(107)にすることができ、またスイープがない。この場合、
図3Aに示すように、可動セクション(209)のクォーター翼弦長は固定セクション(109)のクォーター翼弦長と直接に位置合わせる。
【0104】
スパン(b)は可動セクションが外側に伸ばすとともに増加する。可動セクションの翼のモーメント係数(Cm)が大きい場合、翼に適用されるモーメント(M)は平行移動中に大幅に変化する。それ以外すべてのパラメーターが変わらない。
【数3】
【0105】
モーメントの変化により、航空機は可動セクションの平行移動に伴うピッチング傾向を持つ。ピッチングの傾向はピッチコントロールによって打ち消すことができるが、操縦翼面の偏向角は巡航中にゼロに近く保持する必要がある。迎え角(α)を変えることによってピッチ傾向を打ち消し、これはモーメント係数(N)を変化させる。上記のように、飛行速度(V)は可動セクションが外側に伸ばすにつれて減少させたほうがいい、そのため航空機速度(V)の減少が翼幅(b)の増加を相殺し、空力モーメント(M)を変わらないようにシステムを設計する必要がある。これは、合理的な翼型の設計及び航空機の他の関連パラメータを考慮することによって実現する。
【0106】
航空機に尾翼、カナードがある場合、または固定セクションのモーメントは速度によって大幅に変化する場合、状況はより複雑になる。このような場合には、可動セクションの翼型を設計するとき、これらのコンポーネントが航空機のピッチングモーメントに対する影響も考慮する必要がある。各平行移動位置に対応する各巡航速度により、可動セクションの平行移動がピッチングモーメントに対する影響はゼロに近いはずである。最も簡単な方法は翼型を選択また設計する時に、失速前の迎え角範囲でモーメント係数がゼロに近いようになる(例えば、対称翼型また微かな反射した翼型)。
【0107】
可変スパン翼の設計プログラムの編集は簡単な理論(例えば薄翼理論、有限翼理論)及び合理的な仮定に基づいている。テールシッターは突風に敏感で、離着陸に大きな翼幅を使用することができないため、可変スパン翼が設計される。可変スパン翼は航空機が離陸、着陸、ホバリングする時に短い翼を使用し、巡航中に長い翼を使用することができる。翼は完全に収縮した状態から完全に伸された状態において、翼幅が約160%を増加し、平面面積が約100%を増加し、巡航速度が約35%を減少し、巡航誘導抗力が約60%を減少する。
【0108】
設計例
可変スパン翼には多様な設計方法がある。通常スパー(116、117)とスキン(118)を含む一つの固定セクション(1)、二つの可動セクション(2)、エンドカバー穴(401)を備えるエンドカバ―(4)及び可動セクション(2)の作動システム(3)を含む。作動システム(3)は、トラック(310)、トラック係合部(320)、駆動部品(330)及び噛み合わせ部品(340)を含む。駆動部品(330)は噛み合わせ部品(340)と相互作用し、可動セクション(2)を固定セクション(1)に出入りさせ、トラック(310)及びトラック係合部(320)の動きによって制約される。
【0109】
ギア、プーリー、ラック、チェーン、ロープ、ベルト、シュート、スタブなどを含む多様な機構が可動セクション(2)の横方向の平行移動を実現させる。可動セクションの作動システム(3)は少なくとも1つの駆動部品(330)により可動セクション(2)の平行移動を駆動する。駆動部品(330)が多種多様である。駆動部品(330)の例としては人が一連のロープ、プーリーなどを利用して手動制御する。もう一つの例としてはコンピューター駆動の電気油圧式アクチュエーターがある。多くの潜在的な駆動部品(330)の中で、最も一般的なのはモーター(331)である。モーター(331)は固定セクション(1)、可動セクション(2)または航空機のほぼ全部の部品に取り付けられる。
【0110】
実施例A1
一組の実施例を
図5-13に示す。実施例A1の場合、トラック(310)はTスロット(311)であり、トラック係合部(320)はTスライダー(321)である。駆動部品(330)は、モーター(331)及びギアヘッド(332)である。噛み合い部品(340)は前スパン(116)及び後スパン(117)のラック(341)である。前スパン(116)は固定セクション(1)の前縁(101)の近くにあり、後スパン(117)は固定セクション(1)の後縁(102)の近くにある。作動システム(3)は各可動セクション(2)に対して2つのモーター(331)を使用し、それぞれが可動セクション(2)のルートの近くに嵌入される。ギアヘッド(332)がモーター(331)上に配置され、可動セクション(2)の前縁(201)と後縁(202)から突き出す。
【0111】
ギアヘッド(332)はラック(341)と噛み合い、ラックが固定セクション(1)内のスパー(116、117)にしっかりと接続され、ギアヘッド(332)は回転によって可動セクション(2)の平行移動を促進する。実施例A1は、格納されたときに互いに重なり合う垂直方向にオフセットされた可動セクション(2)がある。上部の可動セクションのギアヘッド(332)は下面以下にあり、下部の可動セクションのギアヘッド(332)は上面以上にあるため、両方の可動セクション(2)が同じラック(341)を使用することができる。
【0112】
実施例A1は可動セクション(2)の横方向の平行移動をガイドするためのトラック(310)及びトラック係合部(310)を含む。トラック(310)は固定セクション(1)に取り付けられ、翼幅のほぼ全体にまたがる。一つのトラック(310)は固定セクションスキン(118)の内部上面に取り付けられ、もう一つは固定セクションスキン(118)の内部下面に取り付けられる。各トラック(310)にはTスライド(321)を格納するためのTスロット(311)がある。
【0113】
上部可動セクションのトラック係合部(320)はその上面の上にある。下部の可動セクションのトラック係合部(320)はその下面の下にある。トラック係合部(320)は各可動セクション(2)のルートの近くに取り付けられたTスライド(321、
図7)である。 Tスライド(321)は、可動セクション(2)に比べてスパンが比較的に短いであるが、その長さは予想された負荷をサポートすることができる。
【0114】
実施例A1において、可動セクションはそれぞれ1つのトラック(310)のみがある(
図5~7)。各トラック(320)は、各可動セクション(2)のクォーター翼弦線(209)に沿って定位され、可動セクションのねじれを減少する。トラック(310)及びトラック係合部(320)が壊さないように、航空機は飛行中で可動セクション(2)が失速しないように確保し、トルク負荷(翼段がねじる原因となる負荷)が最小限にコントロールする。
【0115】
実施例A2
実施例A1は各可動セクション(2)が2つのモーター(331)が使用し、合計4つのモーターを使用する。 4つのモーターを使用することは厳密な必要ではなく、可動セクション(2)内部及び可動セクション間のモーター同歩を複雑にする。実施例A2は
図8に示す。実施例A2は各可動セクションが1つのモーター(331)のみを利用する。トラック(310)とギアヘッド(332)の間の距離を最小限にコントロールするために、各モーター(331)とギアヘッド(332)を可動セクションの前縁(201)の近くに配置するのが最適である。この配置により、不要なモーメントが減少し、さらにトラック(310)とトラック係合部(320)の応力が減少すると同時に制約が緩和される。 2つの後縁(202)モーターは後縁スタビライザー(350)に置き換えられる。実施例A2(
図9)の後縁スタビライザーは可動セクション(2)がスムーズに平行移動するように自由回転なギアヘッド(332)を後部ラック(341)に近くする作用があるばねを含む。
【0116】
ギアヘッド(332)とラック(341)はロッドギア(333)とロッドラック(342、
図9)、簡単なさねはぎシステム、ロッド・スロットシステムまた他の配合部品があり、ばねを取り付けられるか否か、可動セクションをスムーズに移動させることができる。潤滑装置と/またベアリングを含む場合がある。
【0117】
実施例A3
実施例A3を
図10に示す。実施例A1と実施例A2と同じであるが、可動セクションの後縁(202)の近くで完全に必要ではない部分(例えば330、340、350)が省略される。
【0118】
実施例A4
図11に示すように、実施例A4は、作動システム(3)の最適な実施例である。実施例A4は横方向に配置された2つのTスロット(311)のトラック(310)がある。1つのトラック(310)は固定セクション(1)の内部上面に配置され、もう一つのトラック(310)は固定セクション(1)の内部下面に配置される。2つのトラック(310)は対応するTスライダー(321)のトラック係合部(320)を備える。トラック係合部(320)は可動セクション(2)のルートとクォーター翼弦線(209)の近くに配置される。駆動部品(330)はモーター(331)であり、各可動セクション(2)のルートの近くにギアヘッド(332)が配置されている。噛み合わせ部品(340)は、上部トラック(310)に沿って横方向に配置するラック(341)と、下部トラック(310)に沿って横方向に配置するラック(342)から構成される。
【0119】
実施例A5
実施例A5は各可動セクション(2)が2つの平行したTスロット(311)トラック(310)を採用する。1セットの平行トラック(310)は、固定セクション(1)の内部上面の近くに配置される。もう1セットの平行トラック(310)は、固定セクション(1)の内部下面の近くに配置される。各トラック係合部(320)は長方形の外部構造とほぼ対角分布をなすX形の内部構造を備えたフレーム(325)を有する。
図13に示すような実施例A5は、フレーム(325)の各角の近くにねじ山付き穴がある。ねじ山付き部品(本例ではナイロンボルト)が各ねじ山付き穴にねじ込まれ、各ねじ山付き部品のヘッドとシャンクはTスライダー(321)を形成する。
【0120】
また、ナイロンボルトを管状ロッドに置き換えられ、各管状ロッドは転動体(323、ベアリングなど)を配置することができる。管状ロッドの内部にはねじ山付きをつけ、ねじ山付きファスナーを使用によって各転動体(323)を対応する管状ロッドに固定する。転動体(323)は、前述のナイロンボルトヘッドのように機能があるが、摩擦が少ないである。この場合には、転動体(323)とねじ山付きファスナーが同時にトラック(310)に取り付けられる。
【0121】
モーター(331)がフレーム(325)と接続し、ギアヘッド(332)はモーター(331)出力シャフトに接続する。ギアヘッド(332)はラック(341)と噛み合っており、ラック(341)は各平行する固定トラック(310)の一セットに沿って配置される。モーター(331)はギアヘッド(332)を駆動して回転させ、ギアヘッドは可動セクション(2)を駆動して横方向に平行移動させる。
【0122】
フレーム(325)の長方形構造に対してその左右両側にフレーム穴(329)がある。フレーム穴(329)はスパー(213)を格納し、またスパ―が各フレーム(325)と対応する可動セクション(2)を通過し、これにより強力な連接を実現する。実施例A5では、各可動セクションの2つの平行トラックは優れた構造サポート設計を備え、可動セクション(2)をめぐる高いねじれ荷重に耐える。
【0123】
実施例B
可動セクション(2)の平行移動の振幅が同じであり、方向が反対である。したがって、航空機の翼(固定セクション+可動セクション)は常に対称面(114)を中心に対称しているが、垂直オフセットを使用するとわずかな垂直オフセットが発生する。
図14-16に示すように、幾何学的対称性によると、航空機が各平行移動の位置でバランスを保つ飛行することができ、1つのモーター(331)を使用して2つの可動セクションを駆動することができる。
【0124】
円盤状部品(334)は固定セクション(1)の内部の前縁(101)の先端付近にある。円盤状部品(334)はフロントスパー(116)に取り付けられたモーター(331)によって駆動される。モーター(331)はトルクを上げたり速度を下げたりするためにギアボックスが配置される。
【0125】
環状部品(343)は円盤状部品(334)を他の同等直径と受動的に回転する円盤状部品(334)に接続される。受動的に回転する円盤状部品(334)は、もう一方の前縁(101)の先端近くの固定セクション(1)の内部に配置される。モーター(331)が回転すると、環状部品(343)が一緒に動い、その上部と下部のセクションが反対方向に移動する。可動セクション(2)またトラック係合部(310)は、リング・セクションコネクタ(344)を利用して環状部品(343)に接続する。
【0126】
リング・セクションコネクタの性質は使用される特定の環状部品によって異なる(343)。例えばリング・セクションコネクタ(344)は、可動セクション(2)またトラック係合部(320)に取り付けるクランプであり、ねじ山付きファスナーまたはペンチを使用して環状部品にさらに固定される。クランプは、簡単な金属製のクリップ、ベルトのバックル、またはホースのクリップなどである。或はフェルールを環状部品(343)に取り付け、さらに可動セクション(2)またトラック係合部(310)と連動させる。ワイヤをトラック係合部(320)に巻き付けてまた通過した後、環状部品に巻き付け、或いは簡単な接着剤を使ってリング・セクションコネクタとしてことができる。
【0127】
上部可動セクションは環状部品(343)の上部セクションに取り付けられる。下部可動セクションは環状部品(343)の下部セクションに取り付けられる。モーター(331)及びそれに対応する駆動部品(334)が同一方向に回転すると、可動セクション(2)は外部に平行移動し、モーター(331)が他の方向に回転すると、可動セクション(2)は内部に平行移動する。
【0128】
第2セットの環状部品と円盤状部品のがリアスパー(117)の近くに増加する。後部の環状部品及び円盤状部品は受動的に回転させ、また別のモーター(331)によって駆動される。或は、前部モーターがモーターシャフトを伸ばさせ、固定セクション(1)の前部と後部にある円盤状部品を同時に駆動させる。
【0129】
実施例Bの利点はモーター(331)のみが使用されることであり、安全性及び信頼性を高める。例えば、もし実施例A4のモーター(331)が故障した場合、1つの可動セクション(2)が移動し、もう一つが静止したままになる。力とモーメントのバランスが崩れ、航空機が墜落する可能性がある。もし実施例Bのモーター(331)が故障した場合、2つの可動セクション(2)は等距離で反対方向の横方向位置に停止し、航空機を引き続いて制御することが可能にする。
【0130】
実施例Bの欠点はその構成部品が固定セクション(1)でより多くのスペースを占めることであり、設計からの妥協を余儀なくさせる。例えば、スパー(116、117)をさらに離れたところに移動し、これにより固定セクション(1)の構造が弱くなり、剛性が低下される。或は、可動セクション(2)の弦長(207)を短くし、これにより完全伸びた可動セクションは増加する翼面積が小さくなる。実施例Bに対し、固定セクションが混雑する傾向があり、製造や組み立てへの障害にもなる。
【0131】
実施例C
可変スパン翼が特定の航空機に適用される場合、特定の荷重条件下で移動セクションに拘束される可能性がある。これに対し、
図17-23に示すように、トラック(310)とトラック係合部(320)は特に制約を回避するように設計される。
【0132】
図17に示すように、トラック係合部(320)はフレームに取り付けられ、各可動セクション(2)は2つの翼型リブ(212)と2つの管状スパー(213)で構成される。スパー(213)はリブ(212)と可動クション(2)を通し、それらを接続させう(
図18)。
図19に示すように、トラック係合部(320)はアンギュラスライド(322)を含み、アンギュラスライドはリブ(212)に取り付けられた2つの垂直な材料面を含む。アンギュラスライド(322)の方向付けは2つの主平面がそれぞれ水平面(115)から約45度に偏差させる。各アンギュラスライド(322)は材料の各平面に2つのスロット(324)がある。これらのスロット(324)は、転動体(323)がアンギュラスライド(322)を通過し、トラック(310)外部に向かって伸びることが可能にする。転動体(323)の内輪はアンギュラスライド(322)に取り付けられる。転動体(323)の外輪は内輪にめぐって自由回転する。転動体(323)の外側円筒面はトラック(310)に接触する。トラック(310)とトラック係合部(320)の間に伝達された力は接触面を通過する。可動セクション(2)が平行移動すると、転動体(323)はトラック(310)に沿って回転する。
図20に示すように、リング・セクションコネクタ(344)はベルトバックルの形で後部アンギュラスライド(322)に取り付けられる。
【0133】
トラック(310)は固定セクション(1)のほぼ全体にまたがい、前縁(101)と後縁(102)と近くする(
図17)。トラック(310)は互いに90度オフセットされた材料の平面から構成される。材料平面は水平面(115)から約45度離れる。それらは2つのV字型傾斜チャネル(312)を形成し、1つは上部可動セクションのトラック係合部(320)に用い、もう1つは下部の可動セクションのトラック係合部(320)に用いる。フロントトラック(310)は、固定セクション(1)のフロントスパー(116)に取り付けられ、またはトラック(310)は固定セクションスキン(118)の内部上面と内部下面と接続し、同時にトラック(310)とフロントスパー(116)として機能する。
【0134】
後部トラック(310)は可動セクションの後縁(202)を格納する必要がある。
図21に示すように、可動セクションの後縁(202)は鋭くて薄く、傾斜したトラック係合部(320)を取り付けることには適しない。したがって、トラック係合部(320)はさらに上流の可動セクション(2)に接続される。センタートラック(314)は固定セクション(1)の後縁(117)に取り付けられ、可動セクション(2)の後縁(202)の間で前方に突出する。リアトラック(310)には2つの三角形(313、315)がある。上部の三角形(313)は、固定セクションスキン(118)の内部上面に取り付けられ、下部の三角形(315)は、固定セクションスキン(118)の内部下面に取り付けられる。 3つの部分(313、314、315)は、2つのV字型チャネルを形成する。その中で1つは上部可動セクション(2)に用い、もう1つは下部の可動セクション(2)に用いる。
【0135】
実施例Cは実施例Bのモーター(331)、環状部品(343)及び円盤状部品(334)を使用し、ただし、駆動モーター(331)はフロントスパー(116)ではなく、リアスパー(117)に取り付けられる。実施例Cは可動セクション(2)を制約する利点があるが、上記の実施例においてより複雑で高価になり、また重量も大きくなる。
【0136】
実施例D
図24に示すように、実施例Dは可変スパン翼の例を示し、翼は統合されたトラック(310)とスパンストリンガー(119)を備える。ストリンガー(119)は可動セクション(2)を格納するため大きな内部スペースを維持しながら、過度の変形を避けるように固定セクションスキン(118)をサポートする。各可動セクション(2)のルートでは、剛性と強度を増加するためにダブルXフレーム(325)を使用される(
図25)。フレームはスパー(213、
図26)を格納するために開口部(329)がある。スパー(213)は可動セクション(2)及びフレーム(325)に結合され、スパー(213)はフレーム(325)の開口部(329)を通過し、可動セクション(2)の対応する穴に入れる。
【0137】
図27に示すように、トラック係合部(320)はモーター(331)、環状部品(343)及び円盤状部品(334)により駆動される。各可動セクション(2)のフロントトラック係合部(320)には一つのリング・セクションコネクタ(344)があり、係合部を環状部品(343)と共に移動するように使用されている。対応するフレーム(325)はベルト(343)の張力を対応するリアトラック係合部(320)に伝達する。フロントトラック係合部とリアトラック係合部(320)は2つの独立したベアリング(323)が含まれ、スロットトラック(316、
図26)に沿って移動するように制限される。スロットトラック(316)は可動セクション(2)の平行移動の方向に平行する。スロットトラック(316)は材料が貫通さない挿入スロット(317)及び材料を貫通する小幅コリニアスロット(318)を含む(
図27)。
【0138】
図27に示すように、フロントベアリング(323)は2つのプレート(327、328)によって挿入スロット(317)に固定される。1つのプレートはスライディングプレート(327)であり、スパー(116)と直接接触する。もう1つのプレートはベアリングプレート(328)であり、ベアリング(323)に直接接触する。これらのプレート(327、328)は長方形である必要がない。スライドプレート(327)はナイロン、テフロン(登録商標)または他の低摩擦材料によって作られる。
【0139】
フレーム(325)は内面にねじ山付きの管状ポート(326)がある(
図27)。ポート(326)はスライドプレート(327)、スロット状付きトラック(316)及びベアリング(323)を通過する。ベアリングプレート(328)はねじ山付きファスナーでポート(326)に固定される(
図28)。リアトラック係合部(320、
図26)はリング・セクションコネクタ(344)を使用せず、ベアリングプレート(328)をワッシャーの形に採用することに有利である。
【0140】
2つのガスケット(336)により、モーター(331)をトラック(310)から離れ、歯形プーリ(334、
図27)にスペースを提供する。ガスケット(336)はねじ山付きファスナーをスパー(116)に取り付けられる(
図28)。ねじ山付きファスナーもモーター(331)をガスケット(336)に接続する。内部ガスケット(336)は幅が狭くて、リング・セクションコネクタ(344)は、ガスケットの上部と下部を接触せずに通過する。
【0141】
図29に示すように、電子ストップ(345)を実施例Dに追加することができる。ベアリングプレート(328)が電子ストップ(345)のトリガー(346)に当たると、モーター(331)は電子ストップ(345)の作動により動きを停止する(駆動の平行移動の方向に)。2つの電子ストップ(345)を使用して可動セクション(2)の過度伸展または収縮を防ぐべきである。ラインを短くするために、二つの電子ストップ(345)を固定セクション(1)のモーター側に配置される。
図29に示すように、電子ストップ(345)をレトロフィットパッド(337)に簡単に取り付けられる。
【0142】
図30に示すように、位置合わせボルト(347)を各ベアリングプレート(328)に配置される。可動セクションの平行移動の端点はその端が正確な平行移動位置で対応するトリガー(346)に当たるまで位置合わせボルト(347)を調整する。
【0143】
図29は実施例Dのスパンストリンガー(119)を示す。エンドカバー(4)を簡単に取り付けるように、エンドカバー(4)の取り付け穴(121)はスパンストリンガー(119)とスパー(116、117)の先端にある。エンドカバー(4)を取り外した状態で、専用のストリンガー(122)を使用すると固定セクションのスパー(116、117)が固定セクション(1)に滑り出入りすることができる。この機能により、固定セクション(1)内部の部品を取り付け、メンテナンス、また交換が簡単になり、スパー(116、177)、トラック(310)、トラック係合部(320)、モーター(331)、ベルト(343)、円盤状部品(334、335)及びフレーム(325)などを含む。スパー(116、117)は専用のストリンガー(122)と接続したエンドカバー(4)で所定の位置に固定し、エンドカバーはさらに他のストリンガー(119)の端に接続される。エンドカバー(4)のサイズについて、固定セクション(1)にわずかに滑り入りし、これにより、固定セクションスキン(118)の内部と外側の円周をサポートする。位置を取り付けたエンドカバー(4)は
図32に示すようになる。
【0144】
実施例E
実施例Eは
図33に示す。実施例Eのエンドカバー(4)は
図34に示す。
図35Aに示すように、左右のエンドカバーはそれぞれ一つのフランジ(403)があり、エンドカバー(4)の内面が外周に近い位置から内部に向かって突出する。フランジ(403)の形は固定セクション(1)の先端翼型に似ている。フランジ(403)は固定セクションスキン(118)の先端に取り付け、固定セクションスキン(118)をサポートする。フランジ(403)の外部域は固定セクションスキン(118)の先端を上向きに圧縮し、エンドカバーが自動的に位置合わせ、位置からずれるまた固定セクション(1)にさらにスライドしないようになる。エンドカバー(4)は簡単な三軸CNCマシンで加工する。
【0145】
エンドカバー(4)にはねじ山付きファスナー(402)を格納する開口部がある。ねじ山付きファスナー(402)はエンドカバー(4)の開口部を通してエンドキャップ(319)のねじ山穴に入る。
図34に示すように、エンドキャップ(319)はトラック(310)の外側縁に沿って上方へスライドし、ネジ山付きファスナーでトラックに固定される。したがって、トラック(310)自体は一定の断面を持つ、押し出されたアルミニウムまたは直接に切断された固体材料ブロックから製造される。エンドキャップ(319)は三軸CNCマシンを使用して加工することができ、エンドカバー(4)を通すねじ山付きファスナー(402)を格納するために追加の貫通穴(ねじ山の穴また非ねじ山の穴)をドリルで開ける必要がある。エンドキャップ(319)をトラック(310)に、そしてエンドキャップ(319)をエンドカバー(4)に取り付けることにより、トラックが適切な位置合わせ、方向付けと定位を実現し、可動セクション(2)が平穏な平行移動を実現する。
【0146】
図35A及び35Bに示されているエンドキャップ(319)は多くの潜在的なエンドカバー・トラックのコネクタの1つにすぎない、これらのコネクタによりトラックが固定セクション内で適切に位置合わせ、方向付け及び配置されることを保証する。例えば、ねじ山ファスナー(402)の穴のあるプラスチックプラグを使用し、プラスチックプラグを各トラック(310)の両端に押し込んで規定の位置に接着する。この場合により、エンドカバー(4)はプラスチックプラグを使用してトラック(310)に取り付けられる。つまり、プラグ・トラックのコネクタは避け、プラグを取り外し、トラック係合部(320)をトラック(310)の一端からスライドさせ、トラック(310)から取り外せ。もう一つのエンドキャップ・トラックの接続方法はプレートまたはエンドキャップ(319)を各トラック(310)の端に溶接させ、ねじ山付きファスナー(402)に開口部を追加することである。または、トラック(310)は固定の断面がない結構を加工し、これによりトラック(310)自体がエンドキャップ・トラックのコネクタ方法がある。数多くの可能なスナップイン、スナップインまたはツイストインの方法の1つにより、エンドキャップ(319)、プラグまたはプレートはトラック(310)またはエンドカバー(4)に取り付けられる。エンドキャップ・トラックのコレクタはエンドカバー(4)に配置される。例えば、トラックフランジをエンドカバー(4)に配置され、トラックをエンドキャップに直接にスライドさせまたスナップさせる。
【0147】
エンドカバー(4)とトラック(310)の間の直接または間接のロック接続は厳密に必要がない。例えば、エンドカバー(4)をストリンガー(119、
図31)または固定セクション(1)の先端近くのリブに取り付け、エンドカバー(4)が固定セクションの先端の開口部から滑り落ちることを防ぐ。したがって、対応するエンドカバー(4)はロック接続がない状況でトラックに固定され、これによりトラック(310)は適切な方向つけ、位置つけ、配置させる。方法としてはエンドキャップを所定の位置に固定する前に、トラック(310)をエンドカバー(4)の対応するフランジまたはスロットにスライドする。この方法はエンドキャップ・トラックのコネクタ方法である。
【0148】
図33に示される実施例Eは環状部品(343)、円盤状部品(334)及びリング・セクションコネクタ(344)を使用し、
図35A及び35Bに示すようになる。各円盤状部品(334)はエンドキャップ(319)に接続されている。環状部品の上部セクション及び下部セクションはトラック(310)に平行する。固定セクション(1)の前縁(101)の近く、2つのトラック(310)がスパン方向に配置され、また互いに平行し、2つのトラックが積み重ねられ、1本は上部に、もう1本は下部にある。もっと遠くの下流では、他の2つのトラックがスパン方向に配置されてまた互いに平行になり、積み重ねられ、1本はもう1本の上にある。4本のトラックはスパンに沿って互いに平行に配置される。上部の2つのトラックは上部の可動セクション(2)のトラック係合部(320)に格納され、下部の2つのトラック(310)は下部の可動セクション(2)のトラック係合部(320)に格納される。
図5‐15に示された実施例のように、注意すべきはトラック(310)は上下ではなく、スキン(118)の前後に配置される。
【0149】
トラック(310)、トラック係合部(320)及び回転部品(323)は数多く異なる方法で相互に配置される。円筒転動体(323)は円筒外面に荷重がかかるように設計される。可動セクション(2)にかかる最大の力は揚力であり、その方向は主に上向きである。主な転動体(323)とトラック(310)は下記のように配置される。揚力は円筒主要転動体(323)の鋭い丸いエッジをトラック(310)に押さなく、外側の円筒面がトラック(310)に押すので、拘束の傾向がない。
図36Aは、円筒転動体(323)の位置付けの断面側面図の例である。揚力は中央に配置された円筒転動体(323)の外側円筒面を介してトラックに伝達される。2つの外側円筒転動体(323)は主な転動体がトラック(310)の内部と擦れることを防ぎる。
【0150】
あるいは、
図36Bまた定義に示すように、転動体(323)は球系玉軸受を含む線形ベアリングである。上記のトラック(310)は長方形のチューブであり、上面と下面に三角形のスロットが切り取れる。玉軸受は線形ベアリングと三角形スロットで回転し、運動抗力を低減する。
【0151】
実施例Eでは、
図35Bは可動セクションの円盤状部品(334)を回転させるモーター(331)及びギアセット(338)を示す。モーター(331)とギアセット(338)はモーター取り付けブラケット(339)によりトラック(310)と接続する。対応するエンドキャップ(319)を取り付ける前に、モーター取り付けブラケット(339)をまず2つのフロントトラック(310)の一端にスライドさせる。モーター取り付けブラケット(339)はネジ山付きファスナー、接着剤、または溶接方式で所定の位置に固定される。モーター(331)はモーター取り付けブラケット(339)に滑り込ませ、ネジ山付きファスナーをモーター取り付けブラケットプレートを通しモーターハウジングの丸い前面にあるネジ穴に入れ、モーターを所定の位置に固定される。後部のトラックセット(310)はモーター(331)、プーリ(334)またベルト(343)が含まない。
【0152】
実施例Eにより、
図33-35Bに示された内部アセンブリは、2つの可動セクション(2)、4つのトラック(310)、4つのエンドキャップ(319)、1つのモーター取り付けブラケット(339)、1台のモーター(331)、1つのギアセット(338)、2つの円盤状部品(334)、1つの環状部品(343)及び2セットのトラック係合部(310)を含み、この中トラック係合部はフレーム(325)、リング・セクションコネクタ( 344)及び転動体(323)を含む。
【0153】
取り付けが便利に行うため、内部アセンブリ全体をエンドカバー(4)に取り付けてから、固定セクション(1)の開口部先端から固定セクション(1)にスライドさせる。モーター(331)のワイヤーは電源と信号源に接続する必要がある。次に、ネジ山付きファスナー(402)を使用し、もう1つのエンドカバー(4)を固定セクション(1)のもう一方の先端に取り付ける。内部アセンブリは2つのエンドカバー(4)の間に埋め込まれる。エンドカバー(4)はスキン(118)とフランジ(403)の間の内部に接触し、フランジ(403)の周りの領域が固定セクションスキン(118)の先端の間の接触により固定される。エンドカバー(4)はトラック(310)に取り付けられ、固定セクション(1)から外側にスライドすることを防ぐ。したがって、内部アセンブリの全部の部品が自動的に位置合わせされ、いつでも使用される。内部アセンブリは一つのエンドカバー(4)を取り外し、モーター(331)のワイヤーをカットした後、1つの先端の開口部を通して固定セクション(1)から横にスライドさせる。スキンのカットやプレートが不要になるため、固定セクション構造を弱めることがない。製造、取り付け及びメンテナンスが非常に簡単で便利また安価であるため、実施例Eは可変スパン翼の最適な実施例である。実施例Dとは異なり、この実施例はトリンガー(119)を精確な製造し、位置合わせ、定位及び専用ストリンガー(122)をエンドカバー(4)と接続する必要がない。
【0154】
実施例Eはモジュール設計を採用し、航空機が内部アセンブリを設置しないままで自由に飛ぶことができる。モジュールにより設計を改善する際に新しい内部アセンブリの使用することが容易になる。内部アセンブリは
図35A及び35Bに示された全部の部品を厳密に含むと解釈されるべきではない。例えば内部アセンブリはさまざまな異なる部品セットで構成される。
図7-12に示すように、1つのモーターは各可動セクションに接続することができ、その軸受にラック(341)と噛み合うギアヘッド(332)があり、可動セクションの平行移動を駆動する。実際には、内部アセンブリは可動セクション(2)を含める必要がない。原因としてはほとんどすべての部品また部品セットが固定セクションの先端開口部により取り付けや取り外すことができ、専用センサーアレイや追加のバッテリーなども含む。
【0155】
航空機の適用性
可変スパン翼は数多くのタイプの航空機に適用している。応用ケースを下記のように説明する。
【0156】
テールシッター
可変スパン翼は小型のテールシッター垂直離着陸機の不可欠な部分である。この航空機はテールストックに座れる(
図37)。垂直に離陸し、ホバリングし、また垂直方向から水平方向に移行される。水平にピッチングすると、通常の航空機のように速度を上げて飛行する。着陸を準備すると、上向きしてホバリングする。それから、地面に止まるまで緩やかに垂直に下降し始める。その垂直離着陸機能により、従来の固定翼航空機の速度、航続距離、耐久性の利点を持ちながら、混雑した環境で低空飛行しまた滑走路がない状況飛行する。
【0157】
航空機は全翼機の設計を採用し、受動的な縦方向の安定性(ピッチ)を実現するために、航空機の図心を中心点の前方(上流)に配置する必要がある。中心点は航空機の空力中心とも呼ばれる。航空機はさまざまな部品を保管するための内部スペースが必要である。翼には可動セクションや必要な部品を全部格納する十分なスペースがない。
図1に示すように、胴体(7)は部品(レシーバー、バッテリーなど)を格納する追加のスペースを提供する。胴体(7)は航空機の対称面(114)の内部にある。個別の部品の形式を採用する必要がなく、翼と融合させ見分けない。胴体は本体(701)があり、内部カメラを格納するために1つまたは複数のウィンドウ(702)または透明なセクションを含む。バッテリー(703)と電子アセンブリ(704)の質量は航空機の図心(112)を変更して縦方向の安定性を確保することに役立つ。
【0158】
航空機には足場とするフィン(6)がある。フィン(6)は通常の飛行中の横方向の安定性(ロールと偏向)を保証する。差動推進力により偏向を制御するために、操縦翼面を移動する必要がない。フィン(6)は短くに保持し、プロペラ(803)の下流と推進スリップストリーム(804、
図3A)に配置され、高偏向レートまたは高ロールレートの操作中にフィンが失速することを防ぐ。フィン(6)は固定セクション(1)の外側縁の近くに配置され、可動セクション(2)が収縮したときの翼先端の渦を減らす。外側に配置されることでベースも広くなり、立ちの安定性が向上する。フィン(6)のスイープは固定セクション(1)の後縁(102)と地面の間に隙間を提供する。フィン(6)は対称翼型(603)を採用してテーパー構造にする。テーパー構造は空力効率を向上させ、適切な軽量構造形状として着陸時の曲がる応力に耐えることができる。対称翼型(603)は両方向(正と負)の不要な偏向とロールを抑制し、前進飛行でフィン(6)から発生した誘導抗力を防ぐ。
【0159】
航空機の翼の上流設計は2つの逆回転するプロペラ(803)と推進モーター(802)がある。航空機の対称面をめぐって対称的に配置される(114、
図3A)。前方軸を中心としたプロペラの回転方向は右手の法則に従って正であり、左手の法則に従って負である。したがって、スリップストリーム渦は翼先端渦に対抗し、これは翼先端の周りで翼の下の高圧空気が翼の上の低圧空気に向かって加速運動することによって生成されたものである。翼先端渦は特にアスペクト比の小さい翼に対し、抗力を増加させ、空力効率を低下させる。可動セクションが収縮すると(
図2)、翼のアスペクト比が非常に小さく、反対回転のプロペラ(803)は翼先端にある。
【0160】
推進モーター(802)は航空機の重量をはるかに超える推力を生成するために、十分な電力をプロペラ(803)に提供する。推進モーター(802)は翼の前縁から上流に延びるエンジンルーム(801)に取り付けられ、重心を前方に動かして縦方向の安定性を改善することに役立つ。
【0161】
航空機にはエレボン(5)と呼ばれる2つの移動操縦翼面があり、これらは翼の外側の後縁近くの航空機対称面(114)の周りに対称的に配置されている。エレボン(5)はピッチ制御を提供するために対称的に偏向することができ(
図38)、またロール制御を提供するために差動的に偏向することができる(
図39)。機能をよく発揮するため、エレボン(5)上に通常の自由な流れからの気流が必要である。上記の非常規なテールシッター航空機もホバリング時にエレボン(5)の上に気流がある必要があるため、エレボン(5)はプロペラ(803)の後ろに配置される。プロペラのスリップストリーム(804)は、離陸、着陸、超低速の飛行及びホバリング中に、各エレボン(5)に強力な気流を提供する。
【0162】
ユーザーが定期的な離着陸を希望する場合、着陸装置(9)を取り付けたほうがいい。
図40に示すように、1つの前輪(901)と2つの後輪(902)で構成される三輪離着陸装置が推薦される。
【0163】
マルチローター
テールシッター航空機に比べ、マルチローターの「ジャンプ」垂直離着陸の翼ある航空機はホバリング時に翼が風に横向きではないため、突風に敏感度が低い。マルチローターと可変スパン翼を組み合わせることで、設計者は嵐の状況でも優れたホバリング性能を実現することができる。上記のように、ユーザーがより高いスプリント速度、より効率的な飛行、より広い範囲の巡航速度及び可変スイープの他の利点を楽しむことができる。
【0164】
垂直離着陸マルチローターの応用例を
図41に示す。この応用に対し、少なくとも3つのプロペラを用意する必要があり、4つ以上またさらに多くのプロペラを使用することができる。
図41に示すように、ホバリング時のバランスと制御に対しては、航空機の図心の前方に少なくとも1つのプロペラ、航空機の図心の後ろに少なくとも1つのプロペラ、航空機の図心の左側に少なくとも1つのプロペラ及び航空機の図心の右側に少なくとも1つのプロペラが必要である。全部のプロペラは、航空機のホバリングをサポートするため十分な上向きの推力を共同生成する必要がある。
【0165】
垂直離着陸マルチローターは前進推力を生成する方法を採用する必要がある。これは1つまたは複数の前向きのプロペラを使用することにより実現する。ホバリング時に不要な「自重」を避けるために1つまたは複数のプロペラを使用するのが最適である。これらのプロペラがホバリング時に上向きになり、前方に飛行するときに少なくとも60度前傾する。例えば、航空機の2つの前方プロペラが約90度で前方に傾ける。
【0166】
差動推力はホバリング飛行中で航空機が1つまたは複数の軸を中心とした回転を制御する。左右の推力の差異によりロール制御を生成し、前後の推力の違いがピッチ制御を生成する。偶数のプロペラを使用する場合、半分のプロペラは時計回りに回転し、他の半分のプロペラは反時計回りに回転し、これにより胴体の反力モーメントがゼロになる。さらに、時計回りのプロペラにより多くの動力を供給し、反時計回りのプロペラにより少ない動力を供給すると、偏向制御に使用するゼロ以外の反作用の正味トルクが生成される。
【0167】
従来の前進飛行中において、いくつかの方法で制御を達成する。
図41に示すように、リアプロペラはピッチ制御に使用される(前に推力を発生させる後方への回転がない場合)。また、1つのエレボンをピッチ制御に使用することは2つのエレボンを使用することもできる。 2つのエレボンはロール制御を提供し、また可動セクションの非対称延長を利用してロール制御を進行する。
【0168】
複葉翼
図42は複葉翼の応用例を示す。互いに垂直方向にオフセットされた2つの可変スパン翼により構成される。 2つの可変スイープは互いに縦方向にオフセットすることもできる。これは全体的な空力性能にもっと適している。各翼には1つの固定セクション、2つの可動セクション及び可動セクションの作動システムが含まれる。可動セクションは固定セクション内に重なり合う。作動システムはトラックとトラック係合部を使用する。
【0169】
複葉翼航空機は二重エンジンルーム(801)、推進モーター(802)及びプロペラ(803)があり、プロベラが前縁(101)の上流及び固定セクション(1)の外側縁の近くに配置される。上翼と下翼の可動セクションの先端がすでにつなぎ合わせている。この方法はフィン/ウィングレット(6)の組み合わせを使用することにより、横方向の安定性を提供し、先端渦を減らし、構造を強化することである。
【0170】
スイープ翼
図43に示すように、可変スパン翼システムは大きなスイープ翼とデルタ翼にも使用される。可動セクションの作動方式は、トラックとトラック係合部を使用した状況と類似であるが、可動セクションを重合させることは大きなスイープ翼には現実的ではない。したがって、完全に収縮したときの可動セクションが重合されない。その結果、各可動セクションの最大スパンが約半分に減少し、可変スパン翼の潜在的な影響を削減する。
【0171】
二面角航空機
可変スパン翼は従来の航空機設計で使用される。
図44に示す応用は1つの翼と1つのT系尾翼を備えた航空機である。翼の平均二面角は3度を超え、優れたロール安定性を提供するが、大きな二面角(124)は完全に収縮した可動セクションの重合を防ぐ。尾翼は航空機にピッチとロールの制御を提供する操縦翼面が含まれる。
【0172】
従来の航空機の場合、水平スタビライザと尾翼部品を利用し、可動セクションの伸びた期間に縦方向の安定性を維持することを検討すべきである。技術の例としては水平スタビライザは可変スパン翼システムを使用することにより、同時に/或いは迎え角を変更し、可動セクションに対称またはわずかに上向きの翼型(203)を使用することにより、同時に/或いは可動セクションに適合のスイープ(123)とねじれの組み合わせを使用することなどを含む。
【0173】
免責事項
可変スパン翼の発明の範囲と精神は翼型と実質的に類似してスパン方向に大きな変化がある空力面の類似なシステムを含み、その中から水平スタビライザ、垂直尾翼、フィン、ウィングレット及びV尾翼部品を含む。
【0174】
当業者は航空機及び可変スパン翼の上記の書面な説明に従って、現在最良の技術モードだと考えられる技術を開発及び使用することができるが、記事の特定の実施例、プロセス及び実施例の変化、組み合わせ及び同等性を理解及び評価する必要がある。したがって、本発明は上記の実施例、プロセス及び示範例で限定されるべきではない、本発明の精神及び範囲内のすべての実施例とプロセスで限定されるべきである。
【符号の説明】
【0175】
1 -固定セクション
101 -(固定セクション)前縁
102 -(固定セクション)後縁
103 -翼型
104 -(翼型)前縁
105 -(翼型)後縁
106 -厚さ
107 -翼弦長
108 -翼弦線
109 -クォーター翼弦線
110 -キャンバーライン
111 -迎え角
112 -図心
113 -自由流速度ベクトル
114 -対称面
115 -水平面
116-フロントスパー
117 -リアスパー
118 -スキン
119 -ストリンガー
120 -穴
121-取り付け穴
122 -専用のストリンガー
123 -スイープ
124-二面角
126 -先端開口部
2 -可動セクション
201 -(可動セクション)前縁
202 -(可動セクション)後縁
203 -翼型
204 -(翼型)前縁
205 -(翼型)後縁
206 -厚さ
207 -翼弦長
208 -翼弦線
209 -クォーター翼弦線
210 -キャンバーライン
211 -迎え角
212 -リブ
213 -スパー
3 -作動システム
310-トラック
311 -Tスロット
312 -傾斜チャネル
313 -上部の三角部品
314 -センタートラック
315 -下部の三角部品
316 -スロット状トラック
317 -挿入スロット
318 -コリニアスロット
319 -エンドキャップ
320 -トラック係合部
321 -Tスライダー
322 -アンギュラスライド
323 -転動体(ベアリングなど)
324 -スロット
325 -フレーム
326 -ポート
327 -スライディングプレート
328 -ベアリングプレート
329 -フレームホール
330 -駆動部品
331 -モーター
332 -ギアヘッド
333 -ロッドギアヘッド
334 -円盤状部品
336 -ガスケット
337 -レトロフィットパッド
338 -ギアセット
339 -モーター取り付けブラケット
340 -噛み合わせ部品
341 -ラック
342 -ロッドラック
343 -環状部品
344 -リング・セクションコネクタ
345 -電子ストップ
346 -トリガー
347 -キャリブレーションボルト
350 -後縁スタビライザー
4 -エンドカバー
401 -エンドカバーホール
402 -ねじ山付きファスナー
403 -フランジ
404 -内面
405 -外面
5 -エレボン
6 -フィン
603 -翼型
606 -フィンチップ
7 -胴体
701 -本体
702 -窓口
703 -バッテリー
704 -電子部品
8 -推進システム
801 -エンジンルーム
802 -推進モーター
803 -プロペラ
804 -スリップストリーム
9 -着陸装置
901 -前輪
902 -後輪