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  • 特許-冷却装置 図1
  • 特許-冷却装置 図2
  • 特許-冷却装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/04 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
F25D17/04 301
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023140605
(22)【出願日】2023-08-31
【審査請求日】2023-10-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518313489
【氏名又は名称】株式会社ナガオカ
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】長岡 昭彦
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-074355(JP,A)
【文献】実開昭62-160282(JP,U)
【文献】中国実用新案第210674247(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第102393121(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン、該ファンによって送られたエアを冷却する熱交換器並びに該ファン及び熱交換器を内部に収める筐体をし、庫内の上部に設置され、内部の気密が実質的に保たれている冷却ユニットと、
前記冷却ユニットによって冷却される放冷部と、を備え
前記放冷部が、前記冷却ユニットの下部に設けられ該冷却ユニットからの熱伝導によって冷却される伝導部材と、
表面が下側を向くように前記伝導部材の下部に設けられ一方向に延びる板状の放冷板と、を有し、冷却対象物が保管される下方に冷気を放出する冷却装置。
【請求項2】
請求項記載の冷却装置において、
前記放冷部が、着脱可能である冷却装置。
【請求項3】
請求項記載の冷却装置において、
該冷却装置の設置時点における前記冷却ユニットの内部の絶対湿度が、前記熱交換器に霜が付着することが抑制されるように、予め決められた値よりも低くなるように維持されている冷却装置。
【請求項4】
請求項記載の冷却装置において、
前記冷却ユニットの内部が、真空に維持されている冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、中仕切り壁により上部を冷凍室、下部を冷蔵室に区画した冷蔵庫が記載されている。この冷蔵庫は、中仕切り壁の下面に空間室を形成するように冷却板を気密に取付け、冷凍室と空間室とを連通する冷気通風路には冷蔵室の室内温度により開閉制御されるサーマルダンパーを設けたことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭53-141560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、熱交換器の腐食が抑制された冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ファン、該ファンによって送られたエアを冷却する熱交換器並びに該ファン及び熱交換器を内部に収める筐体をし、庫内の上部に設置され、内部の気密が実質的に保たれている冷却ユニットと、前記冷却ユニットによって冷却される放冷部と、を備え、前記放冷部が、前記冷却ユニットの下部に設けられ該冷却ユニットからの熱伝導によって冷却される伝導部材と、表面が下側を向くように前記伝導部材の下部に設けられ一方向に延びる板状の放冷板と、を有し、冷却対象物が保管される下方に冷気を放出する冷却装置である。
【0006】
【0007】
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項記載の冷却装置において、前記放冷部が、着脱可能である。
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項記載の冷却装置において、該冷却装置の設置時点における前記冷却ユニットの内部の絶対湿度が、前記熱交換器に霜が付着することが抑制されるように、予め決められた値よりも低くなるように維持されている。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項記載の冷却装置において、前記冷却ユニットの内部が、真空に維持されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、熱交換器の腐食が抑制された冷却装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る冷却装置の内部構造を正面側から見た説明図である。
図2】(A)、(B)は、それぞれ、同冷却装置が備える冷却ユニットを平面視した説明図及び図1のA-A断面を示す説明図である。
図3】(A)、(B)は、それぞれ、同冷却装置が備える冷却ユニットを正面視した説明図及び図1のB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0014】
本発明の一実施の形態に係る冷却装置10は、図1に示すように、冷却ユニット12及び放冷部14を備え、例えば食品(冷却対象物の一例)を冷凍できる。
冷却装置10は、例えば、冷蔵庫及び冷凍庫並びに冷蔵倉庫及び冷凍倉庫である。
【0015】
冷却ユニット12は、庫内の上部に設置され、ファン122a、122b(図2(B)参照)、熱交換器124及び筐体126を有している。
なお、冷却ユニット12の配置位置は、庫内の上部に限定されるものではない。
【0016】
ファン122a、122bは、それぞれ熱交換器124の上面から予め決められた距離だけ離れた上方に設けられ、下方へと送風することによって、熱交換器124に向かってエアを送ることができる。
また、ファン122a、122bは互いに間隔を空けて配置されている。
なお、ファンの台数は、2台に限定されるものではない。
【0017】
熱交換器124は、冷却コイルであり、ファン122a、122bによって送られたエアを冷却できる。
熱交換器124とファン122a、122bとの間には、図1に示すように前面側から見て、仕切板125が設けられている。仕切板125(図2(B)のハッチング参照)には、矩形状の孔HL1が形成されており、ファン122a、122bによって送られたエアは、この孔HL1のみを通って熱交換器124に送られる。なお、孔HL1の大きさは、平面視した熱交換器124の外形と実質的に同一となるように設定されている。
【0018】
筐体126は、図2(A)、図3(A)及び図3(B)に示すように、例えば直方体状であり、内部にファン122a、122b及び熱交換器124が収められている。
筐体126は、各面を形成する隔壁によって構成され、隔壁と隔壁の間に生じた継ぎ目は、パッキン等によってシールされている。
筐体126の上面には、図2(A)に示すように、吊りボルト128(図3(A)参照)の下端部を固定するための複数の固定孔HLa~HLfが形成されており、筐体126は、この吊りボルト128を介して天井面に固定されている。また、筐体126には、複数の貫通孔(不図示)が形成されており、この貫通孔を通って、ファン122a、122bを駆動するためのケーブル(不図示)や冷媒が流れる配管(不図示)が延びている。ケーブルや配管と貫通孔との間に生じた隙間は、例えばシリコン樹脂等が充填され、塞がれている。
【0019】
従って、筐体126の内部には、気密が保たれた空間が形成されている。ここで、「気密が保たれる」とは、厳密な意味ではない。即ち、「気密が保たれる」とは、「気密が実質的に保たれる」という意味であり、筐体126の内部と外部との間において冷却装置10の効果に大きな影響が生じない程度のエアの流動は許容される。
【0020】
放冷部14は、冷却ユニット12によって冷却され、下方に冷気を放出できる。
放冷部14は、冷却ユニット12の下部に設けられ、複数の伝導板142及び複数の放冷板144を有している。
【0021】
各伝導板142は、一方向に延びる板状の部材であり、短手方向が上下方向となるように、筐体126の下面に設けられている。伝導板142は、主として冷却ユニット12からの熱伝導によって冷却される。
【0022】
各放冷板144は、一方向に延びる板状の部材であり、表面が下側を向くように伝導板142の下部に設けられている。放冷板144は、主として、冷却ユニット12からの放射及び伝導板142からの熱伝導によって冷却される。
【0023】
なお、放冷部14は、メンテナンスの障害とならないように、冷却ユニット12から着脱が可能となっていることが好ましい。
【0024】
次に、冷却装置10の動作について説明する。
冷却装置10が運転を開始すると、ファン122a、122bが回転し、熱交換器124を通ったエアが冷却される。ただし、この冷却されたエアは、気密が維持された筐体126の内部に留まる。
時間が経過するに伴って、徐々に冷却ユニット12の温度が低下し、主として、冷却ユニット12からの放射及び伝導板142からの熱伝導によって、放冷板144が冷却される。
庫内のエアは、冷却ユニット12の筐体126及び放冷部14によって冷却される。すなわち、筐体126及び放冷板144によって冷気が放出され、食材が冷却される。
【0025】
このように、本実施の形態に係る冷却装置10によれば、冷却ユニット12の内部(筐体126の内部)の気密が保たれているため、ファン122a、122bによって生じる気流が庫内(筐体126の外部)に発生することが抑制される。その結果、前面扉16から搬入され庫内に保管された食品が乾燥することが抑制され、劣化の進行が抑えられる。
【0026】
また、冷却ユニット12は気密が保たれているため、外部から水分を含んだエアが入り込むことが抑制されている。その結果、熱交換器124に霜が付着することが抑制される。
この点、冷却装置10の設置時点において、冷却ユニット12の内部は、絶対湿度が予め決められた値よりも低くなるように維持されていることが好ましく、真空に維持されていることが更に好ましい。
【0027】
更に、熱交換器124が筐体126の内部に収められ、庫内に露出していないことから、冷却対象物が腐食性のガスを発生する場合であっても、熱交換器124の腐食が抑制される。
【0028】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
前述の実施の形態に係る冷却装置10は、冷却した状態で生ゴミを保管するゴミ保管庫であってもよい。
【符号の説明】
【0029】
10 冷却装置
12 冷却ユニット
14 放冷部
16 前面扉
122a、122b ファン
124 熱交換器
125 仕切板
126 筐体
128 吊りボルト
142 伝導板
144 放冷板
HL1 孔
HLa~HLf 固定孔
【要約】
【課題】熱交換器の腐食が抑制された冷却装置を提供する。
【解決手段】冷却装置10は、ファン122a、122bと、ファン122a、122bによって送られたエアを冷却する熱交換器124と、ファン122a、122b及び熱交換器124を内部に収める筐体126と、を有する冷却ユニット12を備え、冷却ユニット12の内部の気密が実質的に保たれている。
【選択図】図1
図1
図2
図3