(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】ロボットの可動アーム用の、特に前立腺の経会陰的生検用の外科用装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20240613BHJP
A61B 90/11 20160101ALI20240613BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20240613BHJP
【FI】
A61B10/02 110A
A61B90/11
A61B34/30
A61B10/02 300D
(21)【出願番号】P 2021549157
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 IB2020051437
(87)【国際公開番号】W WO2020170195
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】102019000002475
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521365004
【氏名又は名称】ウニヴェルシタ デッリ ストゥディ ディ ヴェローナ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィオリーニ パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ボボ フランチェスコ
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-505314(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0366544(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0004481(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0173727(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
10/00-10/06
17/00-17/94
34/00-34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの可動アーム用の特に前立腺の経会陰的生検用の装置(4)であって、
第1の長手方向の軸線(Y)の周りで回転可能に取り付けられ、使用中に、患者の自然開口部に挿入されるように構成される超音波プローブ(7)と、
第1の軌道(TA)に沿って移動可能であり、使用中に、前記自然開口部から間隔を空けて挿入されるように構成された針(53)を備えた外科用器具(5)と、
各ガイドアーム(14)の自由端(54)で前記針(53)を案内及び支持するために、前記第1の軌道(TA)とは異なる第2の軌道(TE)に沿って前記第1の軸線(Y)の周りを移動するように、互いに向き合って前記第1の軸線(Y)の周りに配置された少なくとも1対のガイドアーム(14)を備える前記外科用器具(5)の移動装置(6)と、
ロボットの前記可動アームに接続されるように設計された接続インターフェース(1)であって、それぞれの前記超音波プローブ(7)又は前記ガイドアーム(14)をそれぞれが動かす複数のアクチュエータ(12)を備えた操作モジュール(2)と、前記操作モジュール(2)上に配置されたカップ状本体(21)を備えた分離モジュール(3)とを有する、接続インターフェース(1)と、
を備え、
前記操作モジュール(2)は、前記第1の軸線(Y)に対して実質的に交差した、特に、直交したそれぞれの第2の軸線(X)を有する複数の第1の貫通開口部(11)を有する第1の基部壁(8)を備え、各アクチュエータ(12)は第1の出力シャフト(13)を備えており、その第1の出力シャフト(13)は第1の動作伝達要素(17)を備え、前記第1の動作伝達要素(17)が前記アクチュエータ(12)に対して前記第1の基部壁(8)の反対側に配置された状態で、それぞれの第1の貫通開口部(11)を介して取り付けられ、前記カップ状本体(21)は、複数の第2の貫通開口部(24)を有する第2の基部壁(22)を備え、その貫通開口部(24)の各々がそれぞれの第1の貫通開口部(11)と同軸であり、前記分離モジュール(3)は複数の伝達部材(25)を備え、その伝達部材(25)の各々がそれぞれの第1の動作伝達要素(17)からそれぞれの前記超音波プローブ(7)又は前記ガイドアーム(14)に前記動作を伝達するために、それぞれの第2の貫通開口部(24)を介して配置される、
ロボットの可動アーム用の、特に前立腺の経会陰的生検用の装置(4)。
【請求項2】
前記それぞれの第2の軸線(X)の周りで回転可能な第2の動作伝達要素(61)と、前記第1の軸線(Y)の周りで回転可能であり、それぞれの伝達部材(25)から前記超音波プローブ(7)に前記動作を伝達するために互いに運動学的に結合された第3の動作伝達要素(63)と、
前記それぞれの第2の軸線(X)の周りで回転可能な第4の動作伝達要素(62)と、前記第1の軸線(Y)の周りで回転可能であり、それぞれの伝達部材(25)からそれぞれのガイドアーム(14)に前記動作を伝達するために互いに運動学的に結合された第5の動作伝達要素(66、16A)と、
を備える、請求項1に記載の装置(4)。
【請求項3】
それぞれの第2の動作伝達要素(61)又は第4の動作伝達要素(62)が上に配置された第2のシャフト(57)の両端にそれぞれ配置された第6の動作伝達要素(56)を備え、
前記第6の動作伝達要素(56)は、前
記伝達部材(25)と前記第2又は第4の動作伝達要素(61、62)との間に配置される、請求項2に記載の装置(4)。
【請求項4】
前記第2の動作伝達要素(61)は、第1の歯車(61)を備え、
前記第3の動作伝達要素(63)は、前記第1の軸線(Y)と同軸の第3の中空シャフト(64)に取り付けられ、内部に前記超音波プローブ(7)が一体的に取り付けられた第2の歯車(63)を備え、
前記第4の動作伝達要素(62)は、第3の歯車(62)を備え、
前記第5の動作伝達要素(66、16A)は、第3の中空シャフト(68)上に取り付けられた第4のホイール(66)を備え、その中空シャフト(68)には、それに接続された前記それぞれの
ガイドアーム(14)の動作を引き起こすカム(16A)が一体的に取り付けられている、請求項2又は3に記載の装置(4)。
【請求項5】
前記第1の動作伝達要素(17)及び前記第6の動作伝達要素(56)は、歯車(17、56)を備え、
前記伝達部材(25)は、2つの歯車(27、28)を備える、請求項3に記載の装置(4)。
【請求項6】
タペット(16B)に作用する前記カム(16A)が、前記カム(16A)の角度位置、したがって前記
ガイドアーム(14)の角度位置を、センサ(15)に伝達する、請求項4に記載の装置(4)。
【請求項7】
前記
ガイドアーム(14)は、前記自由端(54)に向かって縮小する断面を有し、前記第1の軸線(Y)に沿って連続して配置され、前記第1の軸線(Y)に対して交差した長手方向の伸張部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(4)。
【請求項8】
いくつかの対の
ガイドアーム(14)を備え、各対は、前記第1の軸線(Y)に沿って連続して配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(4)。
【請求項9】
各
ガイドアーム(14)は、前記自由端(54)に第1の貫通開口部(72)又はシートを備えており、そこを通って前記針(54)が延在し、前記1対の
ガイドアーム(14)の前記第1の貫通開口部(72)又は前記シートは、互いに向き合っている、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(4)。
【請求項10】
各
ガイドアーム(14)が進む前記第2の軌道(TE)は、少なくとも部分的に湾曲している、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(4)。
【請求項11】
前記第2のシャフト(57)が配置される複数の第3の貫通開口部(58)が設けられた基部要素(36)を備える、
請求項3に記載の装置(4)。
【請求項12】
前記基部要素(36)を前記それぞれの分離モジュール(3)又は前記操作モジュール(2)にブロックするために、前記分離モジュール(3)又は前記操作モジュール(2)の壁(23、18)上に得られた当接要素(43)と係合するように構成された、前記基部要素(36)をロックするための固定手段(41)を備える、請求項11に記載の装置(4)。
【請求項13】
前記分離モジュール(3)は支持要素(33)を備え、この支持要素は、前記カップ状本体(21)の前記第2の基部壁(22)から、特に前記第2の基部壁(22)の側縁部において突出している、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置(4)。
【請求項14】
前記第1の基部壁(8)は、前記第1の基部壁(8)の第1の中心線(45)に形成された少なくとも第4の貫通開口部(44)を有し、前記第2の基部壁(22)は、前記第2の基部壁(22)の第2の中心線(45)に形成された少なくとも第5の貫通開口部(46)を有し、前記カップ状本体(21)は、前記第5の貫通開口部(46)が前記第4の貫通開口部(44)と位置合わせされるように、前記操作モジュール(2)上に配置されるように構成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置(4)。
【請求項15】
前
記センサ(15)は、前記第4の
貫通開口部(44)内に配置され、シール要素(48)は、前記第5の
貫通開口部(46)内に配置され、前記カム(16A)及び前記タペット(16B)は、前記シール要素(48)の両側にそれぞれ配置されている、請求項6を引用する請求項14に記載の装置(4)。
【請求項16】
前記1対のガイドアーム(14)は、各ガイドアーム(14)の自由端(54)で前記針(53)を案内及び支持するために、前記第2の軌道(TE)に沿って前記第1の軸線(Y)の周りを揺動するように、互いに向き合って前記第1の軸線(Y)の周りに配置される、請求項1に記載の装置(4)。
【請求項17】
前記第2の動作伝達要素(61)は傘歯車を含み、
前記第3の動作伝達要素(63)は傘歯車を含み、
前記第4の動作伝達要素(62)はウォームスクリューを含む、
請求項4に記載の装置(4)。
【請求項18】
前記第1の動作伝達要素(17)及び前記第6の動作伝達要素(56)は、フェースギアの噛み合い、ジョイント、又はクラッチを有する歯車を含み、
前記伝達部材(25)は、第4のシャフト(26)の両端に取り付けられたフェースギアの噛み合い、2つのジョイント、又は2つのクラッチを有する2つの歯車(27、28)を含む、
請求項5に記載の装置(4)。
【請求項19】
前記センサ(15)が位置センサである、
請求項6に記載の装置(4)。
【請求項20】
前記1対の
ガイドアーム(14)の前記第1の貫通開口部(72)又は前記シートは、互いに同軸である、
請求項9に記載の装置(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2019年2月20日に出願されたイタリア特許出願第102019000002475号の優先権を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ロボットの可動アーム用の特に前立腺の経会陰的生検用の外科用装置に関する。
【背景技術】
【0003】
低侵襲性外科手術を行うためにロボットを使用することは、一般的な慣習である。特に、例えば、米国特許出願公開第2008/004481号、米国特許出願第2014/039314号、米国特許出願公開第2010/056900号、又は米国特許出願公開第2015/173727号に記載されているような手術ロボットは、1つ又は複数の特定の外科用器具を搭載し、高解像度3D表示システムと、外科用器具を制御するための直感的制御システムとの統合による低侵襲的な方法で、外科医が複雑な手術を行うことを可能にする。手術ロボットは、通常、外科用コンソール、患者側カート、及びビューイングトロリーを備える。特に、患者側カートには複数の擬人化アームが設けられ、各擬人化アームには外科用器具が備えられている。
【0004】
既知のタイプの手術ロボットは、例えば、ロボット生検用の装置など、所定の手術ロボットに関連するように意図的に開発された外科用装置とのみ互換性があり、使用可能である。したがって、所定の手術ロボット用に開発されたものとは異なる外科用装置を使用することはできず、それゆえ、市場で入手可能な外科用器具の範囲が制限され、そのコストが増大する。
【0005】
その結果、外科用装置は非常に高価であり、開発目的のロボットとは異なるロボットとともに使用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、最新技術の欠点がなく、製造が容易で安価な、ロボットの可動アーム用の、特に前立腺の経会陰的生検用の外科用装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、外科用装置は、添付の特許請求の範囲に記載されているように、ロボットの可動アーム用に、特に前立腺の経会陰的生検用に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に従って製造され、接続インターフェースと結合された経会陰的外科用装置の斜視図である。
【
図2】
図1の接続インターフェースに結合された経会陰的外科用装置の部分分解図である。
【
図3】
図1及び
図2の接続インターフェースの操作モジュールの平面図である。
【
図4】線IV-IVに沿った
図3の操作モジュールの断面図である。
【
図5】
図1及び
図2の接続インターフェースの分離モジュールの平面図である。
【
図6】線VI-VIに沿った
図5の分離モジュールの断面図である。
【
図7】
図1及び
図2の経会陰的外科用装置の一部の斜視拡大図であり、より明瞭にするために一部が取り除かれている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を、その非限定的な実施形態の例を示す添付の図面を参照して説明する。
図1及び
図2において、番号1は、一般的に、外科用装置を商用型ロボット(図示せず)の可動アームに、特にロボットの擬人化アームの手首の部分に結合するための接続インターフェースを全体的に示す。接続インターフェース1は、操作モジュール2と、使用中に操作モジュール2上に配置されるように構成された分離モジュール3とを備える。操作モジュール2は、
図3及び
図4により詳細に示されている。分離モジュール3は、
図5及び
図6により詳細に示されている。
【0010】
有利には、分離モジュール3は、操作モジュール2と外科用装置との間で無菌的な分離を可能にする。したがって、分離モジュールは、使用後に廃棄することができる。
【0011】
外科用装置は、番号4によって一般的に示されており、外科用器具5と、可動アームに対して外科用器具5を移動させるための少なくとも1つの移動装置6と、特に超音波プローブ7である術中視認装置7とを備える。
図1に示す例では、外科用器具5は、軟組織生検用の自動抽出ユニットからなる。
【0012】
図3及び
図4を参照すると、操作モジュール2は、プレートによって画定され複数の貫通開口部11を有している基部壁8を備え、各貫通開口部11は、それぞれの軸線Xを有している。操作モジュール2は、1つ又は複数のアクチュエータ12をさらに備え、各アクチュエータ12は、軸線Xの周りを回転するようにそれぞれの貫通開口部11を介して取り付けられた出力シャフト13を備える。軸線Xは、基部壁8に平行な平面に実質的に直交している。各アクチュエータ12は、接続インターフェース1に取り付けられた外科用装置4の特定の動作を生み出すように構成される。
【0013】
アクチュエータ12は、ロボットアームのアクチュエータではなく、接続インターフェース1のアクチュエータ12であり、外科用装置4の操作専用である。
【0014】
図1及び
図2は、単に非限定的な例として、2つの移動装置6を明確に備える外科用装置4を示しており、各移動装置6は、外科用器具5、特に外科用器具5の針を案内及び支持する2つのガイドアーム14を備える。図示するように、移動装置6の各アーム14及び超音波プローブ7は、それぞれのアクチュエータ12によって個別に動作する。さらに、各アーム14の実際の位置決めは、カム・タペットシステム16によって伝達される情報を取得するそれぞれの位置センサ15を用いて検証される。これについては後述する。
【0015】
このようにして、角度位置を正確に検出し、特に各アーム14の角度開始位置、すなわちゼロ位置を設定することができるので、結果として、前記情報を考慮してそれぞれのアクチュエータ12を制御することができる。
【0016】
図3及び
図4に示すように、出力シャフト13には、アクチュエータ12に対して基部壁8の反対側に配置された動作伝達要素17が設けられている。言い換えれば、基部壁8は、アクチュエータ12を動作伝達要素17から分離する。
【0017】
図2を参照すると、可能な実施形態によれば、操作モジュール2は、少なくとも2つの側壁18を備える。
【0018】
有利には、側壁18は、軸線Xに平行な方向に沿って、アクチュエータ12の長手方向寸法に少なくとも等しい伸張部を有し、したがって、それらを偶発的な側面衝突から保護する。
【0019】
代替の実施形態によれば、側壁18は、アクチュエータ12の長手方向寸法よりも小さい伸張部を有する。この場合、アクチュエータ12の保護は部分的であるに過ぎない。
【0020】
好ましくは、側壁18は互いに向き合っている。したがって、基部壁8及び側壁18は、シート19を画定する。アクチュエータ12はシート19の内部に収容され、伝達要素17は、基部壁8の反対側に配置される。言い換えれば、伝達要素17は、シート19の内側に配置されていない。
【0021】
図面、特に
図5及び
図6に示す実施形態によれば、分離モジュール3は、操作モジュール2上に配置されるように、基部壁22及び複数の側壁23を備えるカップ状本体21を備える。言い換えれば、カップ状本体21は、その内部に操作モジュール2を収容するように、特に操作モジュール2上に配置又は嵌合されるように構成される。特に、基部壁22は複数の貫通開口部24を有し、カップ状本体21は、各貫通開口部24が操作モジュール2の貫通開口部11のそれぞれの開口部と同軸になるように、操作モジュール2を受容するように構成される。言い換えれば、各貫通開口部24は、各貫通開口部11の軸線Xと同軸である。
【0022】
図1、
図5及び
図6に示されているものによれば、側壁23は剛性であり、好ましくは、基部壁22と一体的に作られている。
【0023】
代替の実施形態(図示せず)によれば、側壁23の少なくとも一部は可撓性要素で作られる。可撓性要素は、例えば、セロハンなどのプラスチック製の要素を含むことができる。可撓性要素は、好ましくは無菌である。可撓性要素は、基部壁22に接続されている。例えば、可撓性要素と基部壁22との間の接続は、熱溶着によって提供される。
【0024】
分離モジュール3は、複数の伝達部材25を備え、その各々は、使用中に、それぞれのアクチュエータ12から外科用装置4に動作を伝達するように設計されている。特に、各伝達部材25は、それぞれのアクチュエータ12の動作を外科用装置4の相対的な移動装置6に伝達するように構成される。
【0025】
特に、各伝達部材25は、それぞれの貫通開口部24を通って配置され、それぞれの動作伝達要素17からそれぞれの超音波プローブ7又はガイドアーム14に動作を伝達する。
【0026】
図示の好ましい実施形態によれば、各伝達部材25は、その両端にそれぞれの動作伝達要素27及び28が設けられたシャフト26を含む。シャフト26は、アクチュエータ12の出力シャフト13、すなわち軸線Xと平行に、特に同軸に配置される。動作伝達要素27は、それぞれの動作伝達要素17と運動学的に結合され、動作伝達要素28は、外科用装置4に動作を伝達するように構成される。特に、動作伝達要素28は、以下で詳細に説明するように、外科用装置4の移動装置6に運動学的に結合することができる。
【0027】
図1から
図6に示す実施形態によれば、動作伝達要素17、27及び28の各々は、歯車、特にフェースギアの噛み合いを有する歯車を備える。すなわち、特定のアクチュエータ12に対する歯車17、27及び28は、軸線Xに直交するそれぞれの平面に沿って配置されたそれぞれの歯を有する。
【0028】
さらなる異なる実施形態(図示せず)によれば、動作伝達要素17、27及び28の各々は、例えばジョイント又はクラッチなど、運動学的に、好ましくは前方に結合することができる任意の要素を備える。
【0029】
さらなる異なる実施形態(図示せず)によれば、要素17及び27は、伝達要素28、及び外科用装置4のそれぞれの伝達要素とは異なるタイプのものである。言い換えれば、動作伝達要素17又は27と、要素28又は外科用装置4のそれぞれの伝達要素とは、したがって、互いに運動学的に結合しないものであり、互いに異なるタイプであってもよい。
【0030】
明らかに、動作伝達要素17を動作伝達要素27と運動学的に結合し、同様に伝達要素28を外科用装置4のそれぞれの動作伝達要素と結合するためには、それらは、結合を可能にするために必ず同じタイプでなければならない。
【0031】
第2の基部壁22は、動作伝達要素27と動作伝達要素28とを隔てている。言い換えれば、動作伝達要素27及び動作伝達要素28は、基部壁22の両側に配置されている。
【0032】
図6に示されているものによれば、いかなる種類の材料及び/又は流体も、分離モジュール3から外科用装置4に、またその逆方向に通過できないことをさらに保証するために、分離モジュール3は、1つ又は複数のシール要素31を備え、その各々がそれぞれの貫通開口部24に配置される。
【0033】
あるいは、又はそれに加えて、
図4に示すように、操作モジュール2は、1つ又は複数のシール要素32を備え、その各々がそれぞれの貫通開口部11に配置される。
【0034】
可能な実施形態によれば、分離モジュール3は、カップ状本体21の基部壁22から突出して外科用装置4を支持する支持要素33を備える。特に、支持要素33は、カップ状本体21の基部壁22の側縁部に配置される。支持要素33は、基部壁22に設けられた突起からなる。支持要素33の各々は、それ自体の自由端に、開口部35A又は35Bと係合するように構成されたピン34A又は34Bを有する。開口部35A又は35Bは、実質的に、それぞれのピン34A又は34Bのセンタリング穴である。
【0035】
有利には、支持要素33は、分離モジュール3の基部壁22の少なくとも一方の側に配置される。好ましくは、支持要素33は、
図6に示されるように、基部壁22の両側に配置される。基部壁22の内側、すなわちカップ状本体21の内側に配置された支持要素33の各々は、操作モジュール2に設けられたそれぞれの貫通開口部又は止まり開口部35Aと係合するように構成されたピン34Aを有する。好ましくは、開口部35Aは貫通していないため、材料及び/又は流体が操作モジュール2から外科用装置4に、またその逆方向に通過できないようになっている。
【0036】
基部壁22の外側に配置された支持要素33の各々は、外科用装置4の基部要素36に設けられたそれぞれの貫通開口部又は止まり開口部35B(図示せず)と係合するように構成されたピン34Bを有する。
【0037】
好ましくは、開口部35Bは貫通していないため、材料及び/又は流体が分離モジュール3から外科用装置4に、またその逆方向に通過できないようになっている。
【0038】
図示されていないさらなる実施形態によれば、支持要素33は、外科用装置4の基部要素36上に配置される。この実施形態では、開口部35Bは、基部壁22に配置されている。開口部35Bは、好ましくは貫通していない。この実施形態は、外科用装置4の洗浄を改善することができる。
【0039】
可能な実施形態によれば、分離モジュール3は、側壁23に当接縁部37を備える。当接縁部37は、使用中に、外科用装置4の基部要素19の1つ又は複数の側部38によって係合される。
【0040】
外科用装置4と接続インターフェース1との正しい固定を保証するために、
図1及び
図2に示すように、少なくとも1つの固定手段41が設けられる。
【0041】
図1及び
図2に示す実施形態によれば、固定手段41は、分離モジュール3又は操作モジュール2に接続するために、外科用装置4の基部要素36上に、特に側部38の少なくとも1つに配置される。
【0042】
固定手段41は、ばねレバーを備える。特に、ばねレバーは、外科用装置4の側部38に蝶着されたレバー42を備える。レバー42は、閉位置と開位置との間で動くように構成される。閉位置では、レバー42の自由端は、(例えば、側壁23が剛性である場合、)カップ状本体21の相対的な側壁23上で、又は(例えば、側壁23が可撓性要素を含む場合、)操作モジュール2の相対的な側壁18上で得られる当接要素43と結合する。このようにして、接続インターフェース1上で外科用装置4をブロック(ロック)することが可能である。開位置では、レバー42の自由端は、接続インターフェース1からの外科用装置4の解放を可能にするように、当接要素43から切り離される。
【0043】
別の実施形態(図示せず)によれば、固定手段41は、(例えば、側壁23が剛性である場合、)カップ状本体21の少なくとも2つの側壁23上に、好ましくは(例えば、側壁23が可撓性要素を含む場合、)互いに向き合って配置され、又は操作モジュール2の2つの側壁18上に、好ましくは互いに向き合って配置される。言い換えれば、それぞれのレバー42は、(側壁23が剛性である場合、)カップ状本体21の側壁23に、又は(側壁23が可撓性要素を含む場合、)操作モジュール2の側壁18に蝶着される。それぞれの当接要素43は、外科用装置4の基部要素38の側部38のうちの1つで得られる。
【0044】
好ましい実施形態では、側壁23は可撓性要素を含み、外科用装置4は操作モジュール2に接続され、それらの間に介在する分離モジュール3を維持している。したがって、この実施形態によれば、それぞれの当接要素43は、操作モジュール2の側壁18で得られる。
【0045】
有利には、固定手段41は、固定手段41、特にレバー42が正しく閉鎖されたことを検出するように設計されたセンサ(図示せず)を備える。使用中に固定手段41が正しく閉鎖されていないか、又は不注意に開いている場合、センサは、固定手段41の正しくない閉鎖状態をオペレータに警告する信号を送信する。
【0046】
図3及び
図4を参照すると、基部壁8は、
図4に示すように、位置センサ15を少なくとも部分的に収容するように構成された少なくとも1つ又は複数の貫通開口部44をさらに備える。
【0047】
好ましくは、貫通開口部44は、基部壁8の中心線45に設けられる。中心線45とは、その長手方向の伸張部に沿った基部壁8の中央ゾーンを意味する。特に、中心線45は、実質的に
図3の切断線IV-IVに配置されている。好ましくは、3つ以上の貫通開口部44が存在する。
【0048】
図5及び
図6を参照すると、基部壁22は、1つ又は複数の貫通開口部46を備える。好ましくは、貫通開口部46は、基部壁22の中心線47に作られる。中心線47とは、その長手方向の伸張部に沿った基部壁22の中央ゾーンを意味する。
【0049】
特に、中心線47は、実質的に
図5の切断線VI-VIに配置されている。好ましくは、3つ以上の貫通開口部46が存在する。カップ状本体21は、各貫通開口部44がそれぞれの貫通開口部46と位置合わせされ、すなわち同軸になるように、操作モジュール2を受容するように構成される。
【0050】
有利には、各貫通開口部46には、例えば、膜からなるシール要素48が配置される。シール要素48は、いかなる材料及び/又は流体も、操作モジュール2から外科用装置4に、またその逆方向に通過することを防止する。さらに、可撓性のあるシール要素48は、相互作用する要素同士、特にタペットと位置センサ15との間の分離を維持しながら、カム・タペットシステム16の動作を位置センサ15に正確に伝達することを可能にする。
【0051】
図5及び
図6に示すように、基部壁22は、より低いゾーンを中心線47に有する。より低いゾーンでは、基部壁22は、好ましくは基部壁22の他のゾーンと等しい厚さを有する。言い換えれば、壁22は、伸張部全体に沿って一定の厚さを有する。
【0052】
このようにして得られた接続インターフェース1は、ロボットの可動アームによって担持され、それに接続されるように適合されている。特に、操作モジュール2の基部壁8及び側壁18は、ロボットの可動アームによって担持することができるフレームを形成する。
【0053】
可能な代替形態によれば、接続インターフェース1とロボットの可動アームとの間には、接続本体が介在する(図示せず)。この場合、接続本体は、接続インターフェース1とロボットの可動アームとを接続するためのアダプタとして機能する。
【0054】
アクチュエータ12は、可動アームによって担持される電線(図示せず)によってロボットの制御ユニット(図示せず)に接続することができ、外科用装置4の特定の用途に応じて、制御ユニットによって互いに独立して制御することができる。制御ユニットは、ロボットに属してもよく、外部制御ユニットでもよい。
【0055】
使用中に、分離モジュール3のカップ状本体21内に操作モジュール2が配置されるように、分離モジュール3と操作モジュール2とが互いに重なり合う。2つのモジュール2及び3の結合中に、要素17及び27は、動作の伝達を保証するために互いに相互作用する。伝達は、同期的であることが好ましい。外科用装置4は、接続インターフェース1上に配置され、固定手段41によって接続インターフェース1に固定される。
【0056】
外科用装置4は、経会陰的生検用の装置であり、超音波プローブ7と、外科用器具5と、外科用器具5の移動装置6とを備える。
【0057】
超音波プローブ7は、使用中に患者の自然開口部(例えば、直腸)に挿入されるように構成される。超音波プローブ7は、軸線Y(横方向であり、特に軸線Xに直交する)の周りを回転するように取り付けられ、それぞれのアクチュエータ12によって動作する動作伝達部材51によって回転される。
【0058】
外科用器具5は、超音波プローブ7の上方に配置された採取ユニット52を備える。採取ユニット52は、生検を実施するように設計されている。すなわち、採取ユニット52には、患者から物質、軟組織又はその他を取り出す針53が設けられている。好ましくは、採取ユニット52は、いわゆるバイオプシーガン、ギロチン生検装置、又は物質を取り出すように適合された任意の装置である。
【0059】
図1及び
図2に示すように、前記患者の自然開口部から離間した所定の正確な位置で患者の体内に針を配置するために、針53は、軌道TAに沿って移動可能である。針53は、以下でさらに詳細に説明するように、移動装置6のアーム14によって案内され支持される。
【0060】
好ましくは、移動装置6は、少なくとも1対のアーム14を備え、各アーム14は、軸線Yの周りで向かい合って配置される。特に、2つのアーム14は、軸線Yの周りに連続して配置されるが、2つの異なる側かつ向かい側に配置されている。
【0061】
有利には、移動装置6は、軌道TEに沿ってそれぞれ移動する、軸線Yの周りに連続して配置される2対のアーム14を備える。
【0062】
各アーム14は、それ自体のアクチュエータ12によって操作され、軌道TEに沿って移動可能に、好ましくは軸線Yの周りで揺動可能に取り付けられている。軌道TE上を移動するアーム14は、針53を案内して支持する。
【0063】
図1及び
図2から分かるように、アーム14は、その自由端54で軌道TAに沿って針39を案内し支持する。自由端54は、針39が軌道TAを進むように針39を支持し案内する案内部を備える。針53が進む軌道TAは、各アーム14が進む軌道TEとは異なる。
【0064】
図7には、経会陰的生検のために接続インターフェース1から外科用装置4に動作を伝達するための部材51を備える外科用装置4の可能な実施形態が示されている。動作伝達部材51は、動作伝達要素56を備える。分離モジュール3の動作伝達要素28と、経会陰的生検用の外科用装置4のそれぞれの動作伝達要素56との間の運動学的結合によって、動作は、分離モジュール3から経会陰部生検用の外科用装置4に伝達される。特に、動作は、それぞれの動作伝達要素28と運動学的に結合された複数の動作伝達要素56によって伝達される。各動作伝達要素56は、それぞれのシャフト57に取り付けられている。動作伝達要素56は、動作伝達部材25と動作伝達要素61、62との間に配置される。
【0065】
図7に示す実施形態によれば、動作伝達要素56は、好ましくは軸線Xに平行な軸線の周りを回転するフェースギアの噛み合いを有する歯車を備える。すなわち歯車56は、それらが回転する軸線に直交するそれぞれの平面に沿って配置されたそれぞれの歯を有する。
【0066】
さらなる異なる実施形態(図示せず)によれば、動作伝達要素56は、例えばジョイント又はクラッチなど、運動学的に、好ましくは前方に結合することができる任意の要素を含む。明らかに、動作伝達要素56が接続インターフェース1の動作伝達要素28と運動学的に結合するためには、それらは、結合を可能にするために必ず同じタイプでなければならない。
【0067】
図7から分かるように、シャフト57は、基部要素36に設けられた貫通開口部58を横切って配置されるように構成される。シャフト57の反対側の端部には、超音波プローブ7又は移動装置6のアーム14を操作する必要があるかどうかに応じて、動作伝達要素61又は62が配置される。言い換えれば、超音波プローブ7を操作するシャフト57は、それ自体の端部に動作伝達要素61を備え、一方、移動装置6のアーム14を操作するシャフト57は、それ自体の端部に動作伝達要素62を備える。
【0068】
動作伝達要素61は、超音波プローブ7に一体的に接続された動作伝達要素63と運動学的に結合して、それぞれの伝達部材25から超音波プローブ7に動作を伝達して回転させるように構成される。特に、超音波プローブ7及び動作伝達要素63は、中空シャフト64と一体的に配置され、すなわち取り付けられている。動作伝達要素63は、中空シャフト64の周りに配置され、一方、超音波プローブ7は、中空シャフト64の内側に配置される。中空シャフト64は、好ましくはそれ自体の端部において、基部要素36に固定された少なくとも1つの支持ブラケット65によって支持される。
【0069】
動作伝達要素62は、カム・タペットシステム16に一体的に接続された動作伝達要素66と運動学的に結合して、それぞれの伝達部材25からそれぞれのアーム14に動作を伝達し、これにより、それぞれのアーム14を軌道TEに沿って移動させるように構成されている。特に、動作伝達要素66は、それぞれのアーム14が接続されたカム16Aを回転させる。カム16Aとアーム14との間の接続は、ねじ接続によって提供することができる。
【0070】
特に、各アーム14は、一方の側でそれ自体のカム16Aによって担持され、反対側で支持要素67によって担持される。カム16Aは、移動することによって、タペット16Bを上方又は下方に平行移動させ、したがってカム16Aの角度位置を位置センサ15に伝達する。このようにして、角度位置を正確に検出し、特に各アーム14の開始角度位置、すなわちゼロを設定することができるので、結果として、前記情報を考慮してアクチュエータ12に命令することができる。
【0071】
各アーム14に関連する要素66、67、及び16Aは、軸線Yと同軸の中空シャフト68上に配置されている。
【0072】
各アーム14の動作伝達要素66、カム16A、及び支持体67は、中空シャフト68上に配置され、その結果、中空シャフト上で自由に回転することができる。シャフト68は、超音波プローブ7をその内部に配置することができるように中空になっている。超音波プローブ7は、中空シャフト68に接続されておらず、したがって、その回転に影響を与えない。それゆえ、超音波プローブ7と各アーム14との間に運動学的相互作用はない。中空シャフト68は、支持ブラケット(図示せず)によってその端部が支持されている。中空シャフト68の支持ブラケットは、中空シャフト64の支持ブラケット65と実質的に同様である。
【0073】
図7に示す実施形態によれば、動作伝達要素61及び63は、それぞれ歯車、好ましくは傘歯車を含む。歯車61は、軸線Xに平行な垂直軸の周りを回転する。特に、経会陰的生検用の外科用装置4が接続インターフェース1に接続される場合、垂直軸は軸線Xと同軸である。一方、歯車63は、軸線Yの周りを回転する。この実施形態によれば、動作伝達要素62及び66は、それぞれウォームスクリュー及び円筒形ホイールを備える。ウォームスクリュー62は、軸線Xに平行な垂直軸の周りを回転する。特に、経会陰的生検用の外科用装置4が接続インターフェース1に接続される場合、垂直軸は軸線Xと同軸である。一方、歯車66は、軸線Yの周りを回転する。
【0074】
したがって、アクチュエータ12から超音波プローブ7に動作を伝達する運動連鎖は、動作伝達要素17、27、28、56、61及び63を含む。
【0075】
アクチュエータ12からそれぞれのアーム14に動作を伝達する運動連鎖は、動作伝達要素17、27、28、56、62及び66を含む。
【0076】
図1、
図2及び
図7から分かるように、アーム14は、主に長手方向の伸張部を有し、軸線Yに対して実質的に横切る独自の伸張部を有して配置される。好ましくは、アーム14は曲線のような形状である。特に、図示のように、アーム14は、自由端に向かって縮小する実質的に長方形の断面を有し、すなわち、アーム14は、カム16A及び支持体67に接続された端部において、自由端54よりも大きい寸法を有する断面を有する。自由端には、ガイド部分71が配置されている。ガイド部分71は、断面に実質的に接するように配置された円筒形部分を含む。ガイド部分71は、針53が配置される貫通開口部72をその内部に画定するボールジョイントを備える。協働する2つの隣接するアームの貫通開口部72は、互いに向き合って配置され、好ましくは、実質的に同軸である。図から明らかに分かるように、貫通開口部72は、アーム14の長手方向伸張部に対して実質的に横方向にある。次いで、針53は、各アーム14の軌道TEに沿った移動を介して、軌道TAに沿って配向及び/又は方向付けられる。
【0077】
図示されていない代替の実施形態によれば、各アーム14のガイド部分71は、「V」、「U」又は「C」形状のシートを有し、実質的に横方向の長手方向伸張部を有し、横向きに開いている。同じ対のアーム14の各アーム14のシートは、互いに実質的に同軸である。
【0078】
各移動装置6は、1対のアーム14を備える。既に説明したように、2つのアーム14は、軸線Yの周りで互いに向かい合ってそれぞれ配置されている。したがって、各アーム14は、それぞれの軌道TEに沿って移動する。1対のアーム14の軌道TEは、互いに実質的に平行であり、反対方向に進む。言い換えれば、貫通開口部72又はシートは互いに向き合ったままでなければならないので、アーム14が他方のアーム14に近づいたり、遠ざかったりする場合、他方のアームは、針53の案内及び支持を保証するためにそれに追従しなければならない。同じ対のアーム14は、好ましくは同時に、すなわち同期的に、しかし反対方向に動く。軌道TEは、少なくとも部分的に湾曲しており、したがって針53の傾斜及び/又は軌道TAを変化させる。このようにして、軌道TAに沿った針53の半径方向の移動及び/又は傾斜の微調整を実行することが可能である。
【0079】
有利には、経会陰的生検用の外科用装置4は、いくつかの対のアーム14を備える。
【0080】
このようにして、いくつかの点で針53に作用することが可能であり、軌道TAを針53が進む精度を高めることができる。
【0081】
可能な実施形態によれば、装置34は、針53のファインダーとして機能する有孔グリッド(図示せず)を備える。有孔グリッドはオプションである。有孔グリッドは、整然と等距離に分布する複数の貫通開口部を有する。有孔グリッドはオプションである。
【0082】
図1及び
図2に示すように、外科用装置4はグリップ74を備える。
【0083】
使用中に、超音波プローブ7が患者の自然開口部の内部に挿入され、制御ユニット(図示せず)に接続されたアクチュエータ12がそれによって制御されて、超音波プローブ7及び各アーム14を所望の方法で動かす。超音波プローブ7を動かすことにより、前記超音波プローブ7の角度位置を検出することが可能であり、器官及び周辺組織を即座に見ることが可能である。アーム14をそれらの軌道TEに沿って動かすことによって、針53を軌道TAに沿って案内することが可能である。軌道TAは、術前段階で得られた、例えばX線写真の又は磁気共鳴によって得られた画像マッピングを考慮し、超音波プローブ7によって得られた、術中と言われる現在の画像とそれらを比較して確立される。このようにして、超音波プローブ7との接触による器官の変形も考慮して、生検標的を確立することが可能である。したがって、超音波プローブ7に接触する器官の変形に応じて、軌跡TAを補正することができる。
【0084】
これまでに説明した経会陰的生検用の外科用装置4には、複数の利点がある。
【0085】
主な利点は、接続インターフェース1を介して任意の商用ロボットに取り付けることができることである。したがって、外科用装置4は、医療用ロボットの精密で所定のモデル専用に作られた他のどの装置よりも安価である。
【0086】
アーム14を介して、超音波プローブ7の角度位置に応じて、針53の軌道TAの補正を即座に得ることができる。実際、各アーム14の軌道TEに作用することによって、針53の軌道TAに影響を及ぼすことが可能である。
【0087】
さらに、外科用装置4は、針53が患者に手動で挿入されるのではなく、超音波プローブ7によって取得された術中画像に従って、針53を配向及び傾斜させる移動装置6によって挿入されるという利点を有する。経会陰的生検用の外科用装置4は、実際には、超音波プローブ7と接触している器官の変形も考慮して、術前画像と術中画像との間で即時に相関させることを可能にする。