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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】デジタル試験機
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20240613BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20240613BHJP
   G09B 19/24 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B25J9/22 A
G09B19/00 H
G09B19/24 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022003963
(22)【出願日】2022-01-13
(65)【公開番号】P2023103097
(43)【公開日】2023-07-26
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】592206178
【氏名又は名称】三明機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150223
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 修三
(72)【発明者】
【氏名】久保田 和雄
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-70096(JP,A)
【文献】久保田 和雄,バーチャルシミュレーションでCYBER-PHYSICALフロントローディング,ロボット ,一般社団法人日本ロボット工業会,2020年09月20日,256号,p.46-48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/22
G09B 19/00
G09B 19/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット技術者の所定のロボットの操作の習熟レベルを検定するためのデジタル試験機であって、
前記所定のロボットの操作のための動作プログラムの作成と実行を可能とする入力ユニットと、
該入力ユニットからの操作信号を処理して前記所定のロボットの表示信号を出力する処理装置と、
該表示信号に基づいて、該所定のロボットの3次元動作を表示する表示装置と、
を備え、
前記処理装置は、前記動作プログラムの作成時間と動作時間とを出力可能とすることを特徴とするデジタル試験機。
【請求項2】
請求項1において、
前記処理装置は、前記作成時間と動作時間を、基準となる動作プログラムの作成時間と動作時間と比較し評価した評価結果を前記表示装置に表示可能とすることを特徴とするデジタル試験機。
【請求項3】
請求項1または2において、更に、
前記ロボット技術者の姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、
前記処理装置は、前記表示装置に表示される前記所定のロボットの動作と同期した実際の前記ロボット技術者の姿勢を、該所定のロボットの動作とともに記録することを特徴とするデジタル試験機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記表示装置は、VRゴーグルであることを特徴とするデジタル試験機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル試験機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、近年の高度なFA(Factory Automation)を実現するのに、例えば、非特許文献1に示す実際の産業ロボットを使った実習装置(試験機とも称する)により、多くのロボット技術者の育成を行っている。具体的には、非特許文献1に示す実習装置を用いて、ロボットシステムインテグレーションを行ううえで必要となる知識の習得レベル・技能の習熟レベルを測定するための検定試験である「ロボット検定(例えば、URL:https://www.si-kentei.com/)」が行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】産業用ロボット:Robo-Trainer(URL:https://bynas.com/training_materials/robot-robo-trainer/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に示すような実習装置を用いるとなると、大型で重量があることで持ち運びと設置が困難であり、設置される場所は限定、すなわち検定を行う場所は限定されてしまう。このため、例えば感染率の高い病疫(COVID-19等)などの出現によって人の移動制限が出てしまうと、ロボット検定を受けようとしても、その検定会場に行くこと自体に制限が出てしまい、結果的にFAのニーズを満たすような多くのロボット技術者の育成に支障が起こりかねない状態となってきていた。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、従来のロボット検定で必要とされる項目を検定可能としながら、移動・設置が自在なデジタル試験機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ロボット技術者の所定のロボットの操作の習熟レベルを検定するためのデジタル試験機であって、前記所定のロボットの操作のための動作プログラムの作成と実行を可能とする入力ユニットと、該入力ユニットからの操作信号を処理して前記所定のロボットの表示信号を出力する処理装置と、該表示信号に基づいて、該所定のロボットの3次元動作を表示する表示装置と、を備え、前記処理装置が、前記動作プログラムの作成時間と動作時間とを出力可能としたことにより、前記課題を解決したものである。
【0007】
本発明では、所定のロボットの3次元動作を表示する表示装置を備える。即ち、デジタル試験機は所定のロボットそのものを備えずに、表示装置だけですむので、その重量を軽くすることができる。また、所定のロボットを用いた際に必要となる相応に広いスペース、所定のロボットを動かすための電源、配線準備、メンテナンスなどを不要にすることができる。
【0008】
さらに、本発明では、処理装置が、動作プログラムの作成時間と動作時間とを出力可能とする。このため、動作プログラムの作成時間と動作時間をロボット技術者自身および検定を行う試験官も客観的に確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来のロボット検定で必要とされる項目を検定可能としながら、移動・設置が自在なデジタル試験機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るデジタル試験機を示す模式図(斜視図(A)、正面図(B))
図2図1の入力ユニット示す模式図
図3図1のデジタル試験機の一例を示すブロック図(入力ユニットのブロック図(A)、処理装置と表示装置と姿勢検出手段のブロック図(B))
図4図1の表示装置の表示部に示される表示画像の一例を示す模式図
図5図1のデジタル試験機によるモード毎の概略処理手順を示すフロー図
図6図3(B)の処理部で行われる処理内容を示すフロー図
図7図1のデジタル試験機において、検定対象となる動作プログラムの手順の一例を示すフロー図
図8】本発明の第2実施形態に係るデジタル試験機を示す模式図
図9】本発明の第3実施形態に係るデジタル試験機の結線状態の判定を行う際に示される表示情報の一例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図7を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0012】
デジタル試験機100は、図1に示す如く、移動可能な架台102に、入力ユニット106と、処理装置104と、表示装置108と、を備える。入力ユニット106は、所定のロボットRBTの操作のための動作プログラムPmの作成と実行を可能とする。処理装置104は、入力ユニット106からの操作信号Smを処理して所定のロボットRBTの表示信号Siを出力する。表示装置108は、表示信号Siに基づいて、所定のロボットRBTの3次元動作を表示する。なお、処理装置104は、動作プログラムPmの作成時間Tprと動作時間Twとを出力可能としている。この構成により、デジタル試験機100は、ロボット技術者Eの所定のロボットRBTの操作の習熟レベルを検定することが可能とされている。
【0013】
本実施形態では、所定のロボットRBTが、例えば、図4に示すような3以上の軸を持つ垂直多関節ロボットのタイプの産業用ロボットであり、先端にワークWを把持するためのエンドエフェクタEEを備えている。なお、これに限らず、所定のロボットRBTは、スカラロボット、パラレルリンクロボット、直交ロボット、円筒座標ロボット、極座標ロボット、協働ロボットなどであってもよく、ワークWを把持するのではなく、吸着するようなものであってもよい。そもそも、所定のロボットRBTは、ワークWを把持するのではなく、溶接などを行うロボットなどであってもよい。
【0014】
以下、各要素を詳細に説明する。
【0015】
前記入力ユニット106は、図1図2に示す如く、例えば所定のロボットRBTに命令を出すティーチングペンダントであり、容易に取り出せるように架台102の下部に収納されている。入力ユニット106は、図2図3(A)に示す如く、入力部106Bと、表示部106Cと、停止ボタン106Dと、処理部106Eと、記憶部106Fと、I/F部106Gと、を備え、ケーシング106Aに一体的に組み込まれている。
【0016】
図2に示す入力部106Bには、入力を補助するためのテンキーや文字やセレクトボタンなどが表示されている。入力部106Bからは、動作プログラムPmの入力だけでなく、処理装置104で行う、検定モードとシミュレーションモードの選択が可能とされている。また、入力部106Bでは、処理装置104で動作させる所定のロボットRBTの選択も複数種類のロボットから可能とされている(つまり、所定のロボットRBTは、複数種類のロボットのうちから、入力ユニット106で選択される1つのロボットとされている)。更に、入力部106Bでは、表示装置108に表示させる所定のロボットRBTの表示方向の変更、拡大、縮小の3つの機能を指示することが可能とされている(つまり、入力ユニット106の操作で、表示装置108に表示される所定のロボットRBTの表示方向の変更、拡大、縮小の3つの機能が可能とされている)。
【0017】
図2に示す表示部106Cは、例えば液晶や有機ELであり、入力部106Bで入力・決定した各種数値や動作プログラムPmを表示する。また、表示部106Cは、処理装置104における処理状況なども表示可能とされている。
【0018】
図2に示す停止ボタン106Dは、表示装置108上に動作プログラムPmで所定のロボットRBTを動作させている際に、緊急に所定のロボットRBTの動きを停止させる際に押すことのできるボタンである。
【0019】
図3(A)に示す処理部106Eは、入力部106Bで入力されたデータに対して、適宜記憶部106Fに記憶された各種値を参照して処理する。処理部106Eは、処理した結果を表示部106Cに表示させたり、記憶部106Fに記憶したり、I/F部106Gを介して、処理装置104に入力したりする。
【0020】
図3(A)に示す記憶部106Fには、各種初期値や、各種プログラムが記憶されている。また、記憶部106Fには、複数種類のロボットの仕様も記憶されている。
【0021】
図3(A)に示すI/F部106Gは、処理装置104のI/F部104Cと有線(あるいは無線)で接続可能とされ、入力ユニット106と処理装置104との間のデータのやり取りを可能にしている。
【0022】
前記処理装置104は、図1図3(B)に示す如く、架台102の下部に収納され、処理部104Aと、記憶部104Bと、I/F部104Cと、を備える。また、処理装置104は、入力ユニット106で入力されたモードに従って処理をする。例えば、入力ユニット106で検定モードが選択された際には、記憶部104Bに記憶された検定問題を表示部108Aに表示させる。なお、処理部104Aに入力した各種データと処理された各種データ(例えば、動作プログラムPm、作成時間Tpr、動作時間Tw、動作軌跡Tr、姿勢At、およびその判定結果など)は、図示せぬ記憶メディア(例えばUSBメモリ)や通信部により、外部に出力可能とされている。
【0023】
処理部104Aは、図3(B)に示す如く、I/F部104Cから入力した操作信号Smに対して、適宜記憶部104Bに記憶された各種値を参照して処理する。また、処理部104Aは、姿勢検出手段110から入力した姿勢信号Ssに対して、適宜記憶部104Bに記憶された各種値を参照して処理する。具体的に、処理部104Aは、制御部112と、時間演算部114と、軌跡演算部116と、距離演算部118と、姿勢特定部120と、判定部122と、信号変換部124と、を備える。
【0024】
図3(B)に示す制御部112は、例えば、操作信号Smに従い、指定された所定のロボットRBTに対する詳細な仕様・機能を機種記憶部126から読み込み、入力ユニット106から入力された動作プログラムPmを、指定された所定のロボットRBTのプログラムとして動作させる。また、制御部112は、検定モードのときに、動作プログラムPmが基準となる動作プログラムPmsと同一かどうかを判定する。同時に、制御部112は、検定モードのときに、動作プログラムPmの作成時間Tprを基準となる作成時間Tpsと比較し、許容範囲内かどうかを判定する。さらに、制御部112は、入力ユニット106で指定された表示の変更、拡大、縮小に関する信号を出力する。
【0025】
図3(B)に示す時間演算部114は、制御部112で動作プログラムPmsでないと判断された動作プログラムPmの動作時間Twを求める。図3(B)に示す軌跡演算部116は、制御部112で動作プログラムPmsでないと判断された動作プログラムPmで変位する所定のロボットRBTの動作軌跡Trを求める。時間演算部114、あるいは、軌跡演算部116は、制御部112が判定した内容(動作プログラムPmが動作プログラムPmsと同一かどうか、作成時間Tprが作成時間Tps内かどうか)も出力する。
【0026】
図3(B)に示す距離演算部118は、姿勢検出手段110の出力に基づいて、表示装置108とロボット技術者Eとの距離と、表示装置108の正面に対するロボット技術者Eの方向を求める。例えば、本実施形態では、姿勢検出手段110は、表示装置108に一体的に設けられたカメラとされている。このため、距離演算部118は、カメラに撮影されるロボット技術者Eの大きさと位置から、表示装置108の正面に対するロボット技術者Eの距離と方向を求めることができる。更に、距離演算部118では、カメラに撮影されるロボット技術者Eの顔の方向を、例えば画像認識に関してAI技術を活用することで判別する。
【0027】
図3(B)に示す姿勢特定部120は、制御部112を介して入力される表示装置108における拡大率と表示角度とを加味して、架台102に所定のロボットRBTが実在した際に所定のロボットRBTに対するロボット技術者Eの姿勢(位置と方向と視線)を特定する。即ち、姿勢特定部120において求められるロボット技術者Eの姿勢は、現実に所定のロボットRBTが実在した際の所定のロボットRBTからロボット技術者Eまでの距離、表示装置108に対するロボット技術者Eの顔の向き、表示装置108の正面に対するロボット技術者Eの方向を含むことができる。
【0028】
図3(B)に示す判定部122は、記憶部104Bの基準記憶部128に記憶されている動作プログラムPmsの動作時間Twsを読み出して、動作時間Twが動作時間Twsよりも小さければ、良とする判定とともに、動作時間Twと動作時間Twsとを、判定信号Stの一部として出力する。同時に、判定部122は、記憶部104Bの基準記憶部128に記憶されている動作プログラムPmsによる所定のロボットRBTの動作軌跡Trsを読み出して、所定のロボットRBTの動作軌跡Trが動作軌跡Trsに対して許容範囲内であれば、良とする判定とともに、動作軌跡Trと動作軌跡Trsとを、判定信号Stの一部として出力する。また、判定部122は、記憶部104Bの基準記憶部128に記憶されているロボット技術者Eの基準となる姿勢Atsを読み出して、表示装置108に表示される所定のロボットRBTの動作と同期した実際のロボット技術者Eの姿勢Atを、所定のロボットRBTの動作とともに記録する。そして、判定部122は、姿勢Atが姿勢Atsに対して許容範囲内であれば、良とする判定とともに、姿勢Atと姿勢Atsとを、判定信号Stの一部として出力する。また、判定信号Stの一部として、制御部112から出力された作成時間Tprが許容範囲内かどうかを判定する。即ち、処理装置104は、作成時間Tprと動作時間Twを、基準となる動作プログラムPmsの作成時間Tpsと動作時間Twsと比較し評価した評価結果を表示装置108に表示可能としている。同時に、処理装置104は、ロボット技術者Eの姿勢Atを、基準となる姿勢Atsと比較し評価した評価結果を表示装置108に表示可能としている。また、処理装置104では、1つのロボットの仕様に基づき、動作プログラムPmを確定する構成となっている。
【0029】
信号変換部124は、図3(B)に示す如く、制御部112から主に出力される動作プログラムPmによる所定のロボットRBTの3次元動作の信号を、入力ユニット106で指定された所定のロボットRBTの表示方向の変更、拡大、縮小に従う表示信号Siに変換する。
【0030】
前記記憶部104Bは、図3(B)に示す如く、上述した機種記憶部126及び基準記憶部128を備える。記憶部104Bは、他に、処理部104Aにおける処理に必要な初期値やプログラムを記憶している。また、記憶部104Bは、検定問題を記憶しており、検定モードの際に、処理部104Aにより、表示装置108に検定問題を表示させる。
【0031】
前記表示装置108は、図1に示す如く、架台102の上部に固定されており、所定のロボットRBTを実物大で表示可能な表示部108Aを備えている。表示装置108の表示部108Aは、図4に示す如く、表示信号Siのうちの少なくとも一部を構成する信号によって所定のロボットRBTの3次元動作を表示するロボット表示部108AAと、表示信号Siのうちの他を構成する信号と、判定信号St等を表示する情報表示部108ABと、を備えている。つまり、表示装置108では、動作プログラムPmの作成時間Tpr、Tps、動作時間Tw、Tws、動作軌跡Tr、Trs、姿勢At、Ats、そしてそれらの判定結果を表示可能とされている。
【0032】
前記姿勢検出手段110は、図1図3(B)に示す如く、表示装置108の上部に設けられたカメラであり、表示装置108の前方で入力ユニット106を操作するロボット技術者Eを撮像する。つまり、姿勢検出手段110は、ロボット技術者Eの姿勢(距離や方向や顔の向きなど)を検出することができる。
【0033】
次に、本実施形態に係るデジタル試験機100によるモード毎の概略処理手順を、図5を用いて説明する。
【0034】
まず、ロボット技術者Eは、入力ユニット106で、所定のロボットRBTを選択する(図5、ステップS2)。そして、ロボット技術者Eは、入力ユニット106において、モードを検定モードなのか、シミュレーションモードなのかを選択する(図5、ステップS4)。
【0035】
選択したモードが検定モードであれば、動作プログラムPmの作成と、作成時間Tprの計測を行う(図5、ステップS6)。具体的には、処理装置104は、表示装置108に、検定問題を表示させ、同時に、動作プログラムPmの作成時間Tprの計測を開始する。ロボット技術者Eは、検定問題に従い、入力ユニット106により動作プログラムPmの作成を開始する。そして、ロボット技術者Eが動作プログラムPmを完成させたら、ロボット技術者E自身が動作プログラムPmの作成時間Tprの計測を終了させる。
【0036】
次に、処理装置104は、作成時間Tprの計測終了の確認後に、入力ユニット106から出力された動作プログラムPmを動作させ、動作時間Twの計測を行う(図5、ステップS8)。同時に、処理装置104は、表示装置108に、所定のロボットRBTの3次元動作を表示させる。そして、このときの所定のロボットRBTの動作軌跡Trを記録するとともに、ロボット技術者Eの姿勢Atも記録する。
【0037】
次に、処理装置104は、動作プログラムPmの作成スキルの判定を行う(図5、ステップS10)。作成スキルについては、後述する。
【0038】
そして、表示装置108で、判定結果の表示を行い(図5、ステップS12)、終了する。
【0039】
選択したモードがシミュレーションモードであれば、ロボット技術者E自らが望む動作プログラムPmの作成・修正を行う(図5、ステップS14)。ここでは、特に作成時間Tprを計測しない。
【0040】
次に、動作プログラムPmを動作させ、その動作を表示装置108で確認する(図5、ステップS16)。そして、ロボット技術者E自身の判断に基づき、動作プログラムPmの動作がOKであれば(図5、ステップS18でYes)、その動作プログラムPmを出力し(図5、ステップS20)、終了する。なお、出力された動作プログラムPmは、そのまま、実際の所定のロボットRBTを動作させる際に使用することが可能とされている。
【0041】
ロボット技術者E自身が判断して、動作プログラムPmの動作がOKでなければ(図5、ステップS18でNo)、ロボット技術者E自らが納得するまで、動作プログラムPmの作成・修正を行い(図5、ステップS14)、終了となる。
【0042】
ここで、ロボット技術者Eの動作プログラムPmの作成スキルについて、図6を用いて説明する。
【0043】
動作プログラムPmの作成スキルは、処理装置104の判定部122で評価される。まず、判定部122で、作成時間Tprが許容範囲内かどうか(図6、ステップS22)を確認する。この点は、制御部112で評価済みであり、判定部122で改めて確認する。
【0044】
次に、判定部122で、動作プログラムPmが、動作プログラムPmsと同一かどうか(図6、ステップS24)を確認する。この点も、制御部112で評価済みであり、判定部122で改めて確認する。動作プログラムPmが、動作プログラムPmsと同一であれば、動作時間Twと動作軌跡Trとは、許容範囲内となるので、図6のステップS26、ステップS28はスキップすることになる。
【0045】
動作プログラムPmが、動作プログラムPmsと同一でなければ、判定部122で、動作時間Twが許容範囲内かどうか(図6、ステップS26)を確認する。そして、判定部122で、動作軌跡Trが許容範囲内かどうか(図6、ステップS28)を確認する。さらに、判定部122で、ロボット技術者Eの姿勢Atは適切かどうか(図6、ステップS30)を確認して、終了する。本実施形態では、作成スキルとして、上記5項目について単に良否を判定したものとしているが、例えば、それぞれの項目に重み付けをして、総合的に3段階、もしくは5段階での判定を行うようにしてもよい。
【0046】
次に、本実施形態における動作プログラムPmの一例の内容について、図4図7を用いて説明する。動作プログラムPmは、例えば、所定のロボットRBTを、初期状態から第1形態の状態として第2形態に変形させて初期状態に戻すプログラムであるが、同時に、ワーク供給機WSやワーク識別機WDも所定のロボットRBTの動作に同期して動作させるプログラムである。以下、詳細に説明する。
【0047】
まず、所定のロボットRBTは初期状態であり、所定のロボットRBTの先端部に設けられたエンドエフェクタEEを初期位置から、図4に示すワーク供給機WSに移動させる(図7、ステップS32)。同時にワーク供給機WSを動作させ、エンドエフェクタEEで、ワーク供給機WSの所定の場所にくるワークWを保持する(図7、ステップS34)。
【0048】
次に、ワークWを保持したままのエンドエフェクタEEが所定の場所を通過するように移動させる(図7、ステップS36)。そして、ワーク識別機WDへワークWを移動させてワークWを配置させる(図7、ステップS38)。その際には、エンドエフェクタEEで、ワークWは保持されていない状態とする。
【0049】
次に、ワーク識別機WDを動作させて、ワークWを識別する(図7、ステップS40)。本実施形態では、例えば、ワークWの色を識別するようにされている。そして、エンドエフェクタEEで、ワーク識別機WDで識別されたワークWを保持する(図7、ステップS42)。
【0050】
次に、エンドエフェクタEEで、識別された内容に従ってワークWをワークトレイWTの所定の位置に配置させる(図7、ステップS44)。具体的には、ワークWの識別された色に従って、ワークトレイWTの中のその色のワークWを配置すべき場所に、そのワークWを配置させる。
【0051】
そして、エンドエフェクタEEでワークWを保持していない状態として、所定のロボットRBTを初期状態に戻し(図7、ステップS46)、終了する。
【0052】
このように、本実施形態では、所定のロボットRBTの3次元動作を表示する表示装置108を備える。即ち、デジタル試験機100は所定のロボットRBTそのものを備えずに、表示装置108だけですむので、重量を軽くすることができる。また、所定のロボットRBTを用いた際に必要となる相応に広いスペース、所定のロボットRBTを動かすための電源、配線準備、メンテナンスなどを不要にすることが可能である。更には、従来であれば、接近しすぎると所定のロボットRBTの動作に巻き込まれて生じるケガを完全に防止することが可能である。
【0053】
また、本実施形態では、処理装置104は、動作プログラムPmの作成時間Tprと動作時間Twとを出力可能とする。このため、動作プログラムPmの作成時間Tprと動作時間Twをロボット技術者E自身および検定を行う試験官も客観的に確認することが可能である。
【0054】
また、本実施形態では、表示装置108では、動作プログラムPmの作成時間Tpr、動作時間Tw、そして動作軌跡Trを表示可能とされている。このため、動作プログラムPmの作成時間Tpr、動作時間Tw、動作軌跡Trを確認するのに表示装置108を単に見ればよいので、極めて簡便に作成時間Tpr、動作時間Tw、動作軌跡Trを確認することが可能である。なお、これに限らず、動作プログラムPmの作成時間Tpr、動作時間Tw、動作軌跡Trが表示装置に表示されなくてもよい。作成時間Tpr、動作時間Tw、動作軌跡Trが出力可能とされていれば、作成時間Tpr、動作時間Tw、動作軌跡Trを確認するのは容易であるからである。
【0055】
また、本実施形態では、入力ユニット106の操作で、表示装置108に表示される所定のロボットRBTの表示方向の変更、拡大、縮小の3つの機能が可能とされている。このため、実際に所定のロボットRBTが表示装置108の位置に配置された際にロボット技術者Eが観察・確認できる以上に、詳しく所定のロボットRBTの動作を観察・確認することが可能である。なお、これに限らず、入力ユニットの操作で、表示装置に表示される所定のロボットRBTの表示方向の変更、拡大、縮小のうちの少なくとも1つの機能が可能とされているだけでもよい。その際であっても、入力ユニットの操作で可能とされた機能により、より詳細な所定のロボットRBTの動作を観察・確認することが可能である。勿論、入力ユニットの操作で、表示装置に表示される所定のロボットRBTの表示方向の変更、拡大、縮小の3つの機能がすべて可能とされていなくてもよい。その分、入力ユニットによる入力操作の簡素化が可能となる。
【0056】
また、本実施形態では、処理装置104は、作成時間Tprと動作時間Twを、基準となる動作プログラムPmsの作成時間Tpsと動作時間Twsと比較し評価した評価結果を表示装置108に表示可能としている(つまり、自動で採点される)。このため、ロボット技術者E自身が動作プログラムPmの作成時間Tprと動作時間Twに関して、直接的に検定を受けた結果を知ることが可能である。なお、これに限らず、作成時間Tprと動作時間Twのうちのいずれかだけの評価結果が表示装置に表示可能であってもよいし、作成時間Tprと動作時間Twのいずれの評価結果も表示装置に表示されなくてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、処理装置104は、また、動作軌跡Trを、基準となる動作プログラムPmsの動作軌跡Trsと比較し評価した評価結果を表示装置108に表示可能としている(つまり、自動で採点される)。このため、ロボット技術者E自身が動作プログラムPmの動作軌跡Trに関して、直接的に検定を受けた結果を知ることが可能である。なお、これに限らず、動作軌跡Trの評価結果が表示装置に表示されなくてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、ロボット技術者Eの姿勢を検出する姿勢検出手段110を備え、処理装置104は、表示装置108に表示される所定のロボットRBTの動作と同期した実際のロボット技術者Eの姿勢Atを、所定のロボットRBTの動作とともに記録する。このため、その記録された実際のロボット技術者Eの姿勢Atを、検定試験を採点する試験官が後から確認することでも、適切かどうかの評価を行うことが可能である。あるいは、ロボット技術者E自身が確認して、自分の姿勢が妥当かどうかを評価することも可能である。なお、これに限らず、姿勢検出手段がなく、ロボット技術者Eの姿勢Atについては、検定しなくてもよい。その際には、デジタル試験機の構成自体を簡素にでき、より低コストとすることが可能である。
【0059】
また、本実施形態では、ロボット技術者Eの姿勢Atは、現実に所定のロボットRBTが実在した際の所定のロボットRBTからロボット技術者Eまでの距離、表示装置108に対するロボット技術者Eの顔の向き、表示装置108の正面に対するロボット技術者Eの方向のすべてを含むとされている。このため、ロボット技術者Eの姿勢Atをこの3つの要素で評価でき、従来の実習装置で検定する際に試験官から検定される3つの要素を、試験官なしで客観的に過不足なく評価することが可能である。なお、これに限らず、ロボット技術者Eの姿勢Atは、現実に所定のロボットRBTが実在した際の所定のロボットRBTからロボット技術者Eまでの距離、表示装置に対するロボット技術者Eの顔の向き、表示装置の正面に対するロボット技術者Eの方向のうちの少なくとも1つを含むとされていてもよいし、いずれも含まなくてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、処理装置104は、ロボット技術者Eの姿勢Atを、基準となる姿勢Atsと比較し評価した評価結果を表示装置108に表示可能とする。このため、ロボット技術者E自身が自らの姿勢に関して、直接的に検定を受けた結果を知ることが可能である。なお、これに限らず、ロボット技術者Eの評価結果が表示装置に表示されなくてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、表示装置108は、所定のロボットRBTを実物大で表示可能な表示部108Aを備える。このため、ロボット技術者Eも試験官も従来の実習装置と同様に扱うことが可能でありながら、記録の必要な部分をデジタルデータとして格納でき、更に従来必要であった試験官を不要とすることもできる。また、表示部108Aが相応に大きいので、ロボット技術者Eと試験官以外も、所定のロボットRBTの動作を安全に観察することができる。
【0062】
また、本実施形態では、所定のロボットRBTは、複数種類のロボットのうちから、入力ユニット106で選択される1つのロボットとされ、処理装置104では、1つのロボットの仕様に基づき、動作プログラムPmを確定する。即ち、所定のロボットRBTは、単一のロボットに限定されないので、従来の実習装置のように、ロボットの機種毎に用意する必要がない。また、最新の機種のロボットに内容を更新することも、従来よりも簡単で且つ低コストである。なお、これに限らず、所定のロボットRBTが1つのロボットに固定されていてもよい。それでも、結果的には、従来の実習装置よりも簡素で低コスト化が可能である。
【0063】
よって、本実施形態では、従来のロボット検定で必要とされる項目を検定可能としながら、移動・設置が自在なデジタル試験機100を提供することが可能である。なお、デジタル試験機100は、検定モードとシミュレーションモードを備えていることから、検定試験だけでなく、社内実習として、ロボットプログラミング作成実習や実際の所定のロボットRBTを動作させための、実機製作システムの事前動作プログラムPmの作成も行うことが可能である。
【0064】
なお、第1実施形態では、表示装置108は、所定のロボットRBTを実物大で表示可能な表示部108Aを備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示す第2実施形態の如くであってもよい。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、表示装置208は、VRゴーグルである。このため、表示装置208に関係する要素以外については、符号の上1桁を変更し、説明を省略する。
【0065】
本実施形態では、表示装置208であるVRゴーグルのケーシング202の内部に表示部208Aが収納されている。また、ケーシング202の内部に姿勢検出手段210も収納されている。この場合の姿勢検出手段210は、例えば、ロボット技術者Eに向けて赤外線を照射する赤外線LEDと赤外線カメラとを備え、角膜反射法によりロボット技術者Eの視線が検出される。ケーシング202にはロボット技術者Eの目に近接して光学系Lnが設けられて、ロボット技術者Eの焦点が丁度表示部208Aに合うようにされている。なお、符号Bnは、ロボット技術者Eに表示装置208を装着するためのバンドである。本実施形態では、ロボット技術者Eは、ケーシング202に外部カメラを備え、外部カメラで入力ユニット206を認識することで、表示装置208を装着したままで入力ユニット206を認識可能となっている(これに限らず、他のパススルー機能を実現するものであってよいし、ケーシング202の一部が透明部材で構成され、そこから入力ユニット206を直接認識してもよい)。なお、本実施形態では、ロボット技術者Eの姿勢Atは、光学系Lnの倍率と入力ユニット206で選択された所定のロボットRBTの表示方向の変更、拡大、縮小により求めることが可能である。
【0066】
このため、本実施形態では、デジタル試験機200をさらにコンパクトにでき、且つ低コスト化することが可能である。つまり、本実施形態では、第1実施形態よりも、さらに場所に制限されずに、ロボット検定を受けることが可能である。
【0067】
なお、上記実施形態では、動作プログラムPmの作成に関する検定とシミュレーションを可能としていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9に示す第3実施形態の如くであってもよい。第3実施形態では、更に、所定のロボットと周辺機器との結線の知識を取得可能としたものである。このため、ハードウェア的には、上記実施形態と同様であるので、デジタル試験機の機能と構成についての説明を省略する。
【0068】
本実施形態では、入力ユニットにおいて検定モードを選択し、さらに結線検定を選択した際に実施可能とされている(勿論、新たなモードを設けて、そのモードで結線についての学習を行うようにしてもよい)。まず、図9に示す如く、表示装置は、動作プログラムPmで動作させる所定のロボットRBTと周辺機器に必要となる構成部材の未配線状態を表示する。そして、入力ユニットで、所定のロボットRBTと周辺機器に必要となる構成部材を結線可能とする。更に、処理装置は、所定のロボットRBTと周辺機器に必要となる構成部材の結線状態の良否を判定し、結線状態を良好な状態にするのにかかった結線時間を表示装置に表示可能とする。なお、結線が必要となる構成部材は、所定のロボットRBTと、所定のロボットRBTにワークWを供給するワーク供給機WSと、ワークWを識別するワーク識別機WDと、所定のロボットRBTと周辺機器とをコントロールするロボットコントローラRCと、ロボットコントローラRCと所定のロボットRBTと周辺機器との間に配置されるIOボックスIOと、ロボットコントローラRCへ操作指令を送る操作パネルMPと、配線の複雑化を省くための端子台TPとされている。
【0069】
これにより、ロボット技術者Eは、動作プログラムPmだけでなく、所定のロボットRBTの電気的接続についても検定を受けることが可能である。
【0070】
なお、上記実施形態では、入力ユニットが、ティーチングペンダントであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、入力ユニットで入力されていた数値などの一部あるいはすべては、処理装置に設けたキーボードやマウスから入力してもよい。また、特に、第2実施形態では、VRゴーグルを使用することから、入力ユニットで入力されていた数値などの一部あるいはすべてを視線入力で行うようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、入力ユニットと処理装置と表示装置とが直接的に接続されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、入力ユニットと処理装置と表示装置とがそれぞれインターネットを介して接続されている状態であってもよい。その場合には、デジタル試験機に判定部がなく、試験官による検定が必要な場合であっても、試験官がロボット技術者Eと異なる場所にいて検定を行うことが可能である。つまり、遠隔地からの実習や演習参加も可能である。
【0072】
また、上記実施形態では、特に動作プログラムPmの種類については言及していなかったが、例えば、入力ユニットや表示装置に、ラダー画面で表示可能なラダープログラムであって、通常の工場の制御盤に設置されているPLC(プログラマブルロジックコントローラ)用のものであってもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、特に検定モードやシミュレーションモード、それと結線についての機能を説明したが、これに限らず、デジタル試験機は、デジタル試験機の操作ガイダンスや検定内容の説明・解説などを行う機能を備えてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、所定のロボットRBTは1つとしていたが、これに限定されず、所定のロボットRBTを複数備える、より大規模なFAシステムを扱ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、ロボット技術者の所定のロボットの操作の習熟レベルを検定するために広く適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
100、200…デジタル試験機
102…架台
104、204…処理装置
104A、106E…処理部
104B、106F…記憶部
104C、106G…I/F部
106、206…入力ユニット
106A、202…ケーシング
106B…入力部
106C、108A、208A…表示部
106D…停止ボタン
108、208…表示装置
108AA…ロボット表示部
108AB…情報表示部
110、210…姿勢検出手段
112…制御部
114…時間演算部
116…軌跡演算部
118…距離演算部
120…姿勢特定部
122…判定部
124…信号変換部
126…機種記憶部
128…基準記憶部
At、Ats…姿勢
Bn…バンド
E…ロボット技術者
EE…エンドエフェクタ
IO…IOボックス
Ln…光学系
MP…操作パネル
Pm、Pms…動作プログラム
RBT…所定のロボット
RC…ロボットコントローラ
Si…表示信号
Sm…操作信号
Ss…姿勢信号
St…判定信号
Tpr、Tps…作成時間
Tr、Trs…動作軌跡
Tw、Tws…動作時間
TP…端子台
W…ワーク
WD…ワーク識別機
WS…ワーク供給機
WT…ワークトレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9