(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】ニーズマッチングサポートシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240613BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023026675
(22)【出願日】2023-02-22
【審査請求日】2023-12-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503431080
【氏名又は名称】大島 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】大島 哲也
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-082960(JP,A)
【文献】国際公開第2021/192213(WO,A1)
【文献】特開2014-006842(JP,A)
【文献】特開2022-189593(JP,A)
【文献】特開2004-021571(JP,A)
【文献】特開2013-175025(JP,A)
【文献】特開2005-149010(JP,A)
【文献】特開2022-111339(JP,A)
【文献】特開2001-175707(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0084309(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのニーズを満たすことができるイベントに関する希望イベント情報と、前記ユーザが提供できるスキルに関する提供スキル情報と、前記イベントを実行するために最低必要な要件であるイベント要件情報と
、前記ユーザが前記イベントに使用可能な時間に関するスケジュール情報とを入力する情報入力手段と、
前記情報入力手段によって入力された前記希望イベント情報と前記提供スキル情報と前記イベント要件情報と
前記スケジュール情報とを記憶する情報記憶手段と、
前記イベントを実行するために、前記情報記憶手段に記憶された前記希望イベント情報と、前記提供スキル情報と、前記イベント要件情報と
、前記スケジュール情報とをマッチングさせるためのマッチング手段と、を備え、
前記提供スキル情報は、前記提供できるスキルに対する報酬額を含み、
前記イベント要件情報は、前記イベントの実行に必要なスキルごとの報酬額を含み、
前記マッチング手段は、
前記希望イベント情報と、前記提供スキル情報と、前記イベント要件情報と、前記スケジュール情報とを参照し、前記前記イベントが開催可能な開催候補地点および開催候補日時を選択し、前記開催候補地点および前記開催候補日時ごとに見込まれる、前記スキルを提供する前記ユーザごとの報酬額を試算し、試算した前記報酬額が前記スキルを提供する前記ユーザの最低保証額以上であるかを判定するニーズマッチングサポートシステム。
【請求項2】
前記情報記憶手段は、前記ユーザの位置情報を更に記憶し、
前記マッチング手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記希望イベント情報と、前記提供スキル情報と、前記イベント要件情報と、
前記スケジュール情報と、前記ユーザの前記位置情報とをマッチングさせる、請求項1に記載のニーズマッチングサポートシステム。
【請求項3】
前記マッチング手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記希望イベント情報と、前記提供スキル情報と、前記イベント要件情報と
、前記スケジュール情報とをマッチングさせた結果、前記イベントを実行するためのスキルが集まらなかったときは、他のユーザに対し、該他のユーザが提供できるスキルの範囲を超えて該他のユーザにスキルの提供を呼び掛ける、請求項1に記載のニーズマッチングサポートシステム。
【請求項4】
ユーザのニーズを満たすことができるイベントに関する希望イベント情報と、前記ユーザが提供できるスキルに関する提供スキル情報と、前記イベントを実行するために最低必要な要件であるイベント要件情報とを入力する情報入力手段と、
前記情報入力手段によって入力された前記希望イベント情報と前記提供スキル情報と前記イベント要件情報とを記憶する情報記憶手段と、
前記イベントを実行するために、前記情報記憶手段に記憶された前記希望イベント情報と、前記提供スキル情報と、前記イベント要件情報とをマッチングさせるためのマッチング手段と、を備え、
前記提供スキル情報は、前記提供できるスキルに対する報酬を含み、
前記希望イベント情報は、前記ユーザが前記イベントに使用可能な費用を含み、
前記マッチング手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記希望イベント情報と、前記提供スキル情報と、前記イベント要件情報とをマッチングさせた結果、前記イベントへの参加希望者の参加費の総額が、各スキル提供者の前記報酬を含む経費を下回ると、他のユーザに対し、該他のユーザが当該イベントに使用可能な前記費用を超えて該他のユーザに前記イベントへの参加を呼び掛けるニーズマッチングサポートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数人の様々なニーズのマッチングを行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばイベントに関するニーズについて、従来、イベントの開催及び参加に関する情報をインターネット上で交換することによりイベントのマッチングを行う技術が知られている(例えば、特許文献1、2に記載の技術)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6744650号公報
【文献】特開2013-175025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばイベントに関するユーザのニーズとしては、イベントに参加したいというニーズとイベントを開催したいというニーズがある。更に、例えば照明や、音声、楽器演奏等のスキルを保有するユーザが開催されるイベントのスタッフ又は主催者として参加したいというニーズもある。
しかしながら、上述した従来技術は、ユーザ自身のスキルを提供したいというニーズには応えることができないという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザ自身のスキルもマッチング可能とすることにより、複数人数のニーズを最大限満たすことができるニーズマッチングサポートシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
態様の一例のニーズマッチングサポートシステムは
ユーザのニーズを満たすことができるイベントに関する希望イベント情報と、前記ユーザが提供できるスキルに関する提供スキル情報と、前記イベントを実行するために最低必要な要件であるイベント要件情報と、前記ユーザが前記イベントに使用可能な時間に関するスケジュール情報とを入力する情報入力手段と、
前記情報入力手段によって入力された前記希望イベント情報と前記提供スキル情報と前記イベント要件情報と前記スケジュール情報とを記憶する情報記憶手段と、
前記イベントを実行するために、前記情報記憶手段に記憶された前記希望イベント情報と、前記提供スキル情報と、前記イベント要件情報と、前記スケジュール情報とをマッチングさせるためのマッチング手段と、を備え、
前記提供スキル情報は、前記提供できるスキルに対する報酬額を含み、
前記イベント要件情報は、前記イベントの実行に必要なスキルごとの報酬額を含み、
前記マッチング手段は、前記希望イベント情報と、前記提供スキル情報と、前記イベント要件情報と、前記スケジュール情報とを参照し、前記前記イベントが開催可能な開催候補地点および開催候補日時を選択し、前記開催候補地点および前記開催候補日時ごとに見込まれる、前記スキルを提供する前記ユーザごとの報酬額を試算し、試算した前記報酬額が前記スキルを提供する前記ユーザの最低保証額以上であるかを判定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザ自身のニーズだけでなくスキルもマッチング可能とすることにより、複数人数のニーズを最大限満たすことができるニーズマッチングサポートシステムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ニーズマッチングサポートシステムの実施形態のブロック図である。
【
図2】ニーズマッチング処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」と記載)について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるニーズマッチングサポートシステム100のブロック図である。
なお、本発明において「イベント」とは、ユーザのニーズを満たすために複数人数が関わって行う行為のことであり、イベントの一般的な意味内容である催し物、或いは行事に限られるものではない。
また、本発明において「ユーザー」とは、本実施形態に係るニーズマッチングサポートシステム100を利用可能な会員のことであり、イベントの参加者だけではなく、イベントの主催者、会場手配者等を含めた各種のスキル提供者でもある。
【0010】
本実施形態によるニーズマッチングサポートシステム100は、サーバ装置101と、システム管理者端末121と、会員端末131がインターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワーク140によって相互に接続された構成を有する。
サーバ装置101は、特には図示しないが、CPU(中央演算装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等を含む情報処理装置、記憶装置、キーボード、音声や脳波等の入力装置、画像、音声、触覚や脳波等を出力する出力装置、有線又は無線のネットワークインタフェースなどの通信装置等を備えた情報処理システムである。タッチパネルなど入力装置と出力装置を兼ねる構成にしても良い
システム管理者端末121及び会員端末131は、スマートフォン端末やタブレット端末などの各種端末である。
図1の例では、説明を簡単にするために、#A、#B、及び#Cの3人のユーザによって夫々操作される、3台の会員端末131(#A)、131(#B)、及び131(#C)が示されているが、実際には1台からより多数の会員端末131がネットワーク140を介してサーバ装置101及びシステム管理者端末121に接続されてよい。
【0011】
図1において、システム管理者端末121は、インターネットとアンテナ123を介して無線通信をするための通信部122、夫々例えばタッチパネルディスプレイである情報を表示するための表示部124、及び情報を入力するための入力部125を備える。
システム管理者は、例えばシステム管理者端末121を使って、後述するサーバ装置101のマッチング部102における動作を制御することができる。
システム管理者は、システム管理者端末121の入力部125を操作して、管理者データとして、様々なカテゴリーのイベントと、各イベントを実行するために必要な最低限の要素を入力する。例えば、野球の試合に関するイベントにおける最低限の要素として、プレイヤー18人、審判3人、ボール・バット・グローブの必要数、グラウンド、ベースを入力する。各イベントの実行に必要な最低限の要素は、イベント要件情報としてサーバ装置101のイベント要件DB105に記憶される。ユーザは、ネットワーク140を介して、自分の会員端末131によってイベント要件情報を閲覧することができる。
【0012】
図1において、会員端末131は、システム管理者端末121における通信部122、アンテナ123、表示部124、及び入力部125と同様の、通信部132、アンテナ133、表示部134、入力部135を備え、更に会員端末131の現在位置情報を取得する例えばGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)などを利用した位置情報取得部136等を備える。
入力部135は、携帯端末としての一般的な情報入力機能のほかに、ユーザが、ユーザ自身が参画したいイベントを示す希望イベント情報、ユーザが提供できるイベントのスキルに関する情報を示す提供スキル情報、ユーザがイベントに使っても良い時間を示すスケジュール情報、希望参加者等を入力する情報入力手段として機能する。
なお、
図1に示されたサーバ装置101、システム管理者端末121および会員端末131の全ての構成要素は例示であり、同様の機能を有する他の要素に置き換えることが可能である。
【0013】
ユーザは、会員端末131を操作して、サーバ装置101のイベント要件DB105に記憶されたイベント要件情報から、自身が参画したいイベントを1つ又は複数選択する。選択されたイベントは、希望イベント情報としてサーバ装置101の希望イベント情報DB113に記憶される。また、ユーザは、選択した各イベントにおいて当該ユーザが使用できる時間と費用の予算を入力する。入力された時間と費用の予算は、希望イベント情報として希望イベント情報DBに記憶される。ここで、「時間と費用の予算」とは、ユーザがイベント開催地を往復するために必要な時間と費用のことである。それとは別に各種イベントに使ってもより参加費用、参加時間数も入力できる。
ユーザが希望イベント情報として選択したイベントが実行されれば、ユーザのニーズを満たすことができる。
【0014】
提供スキル情報は、提供できるスキルの種別(例えば、主催者、会場手配者、音響・照明操作、各種講師、楽器演奏、司会等)、スキルを提供するために使っても良い時間と費用の予算、実績(例えば、「講師をやったことがある回数」、「会場手配をしたことがある」、参加者からの評価等)に関する情報である。
【0015】
また、入力部135において、ユーザは、各種情報を入力することができる。
【0016】
図1において、サーバ装置101は、インターネット等又は社内のブロックネットワークとアンテナ104等を介して無線通信等をするための通信部103のほかに、情報記憶手段として機能し、以下の105から113として示される各種DB(データベース)、及びマッチング部102を備える。なお、これらの各種DBをシステム管理者端末121および会員端末131が備える構成としても良い。
【0017】
イベント要件DB105は、前述したように、システム管理者がシステム管理者端末121を操作することにより入力されたイベント要件情報を記憶する。
【0018】
スキル情報DB106は、各ユーザから入力されたユーザごとの提供スキル情報を記憶する。提供スキル情報とは、前述したように、提供できるスキルの種別、スキルを提供するために使っても良い時間と費用の予算、実績、最低保証報酬額等である。
【0019】
会員情報DB107は、各ユーザから入力された年齢、性別、交通手段(自転車や自家用車所有など)等のユーザごとの個人情報である会員情報を記憶する。
【0020】
スケジュールDB108は、各会員から入力されたユーザごとの、イベントごとに使っても良い時間であるスケジュール情報を記憶する。ユーザは、会員端末131の入力部135から、イベントに使っても良い時間として、例えば、「□□付近の○月○日△時~×時にいる確率☆☆%」、「平日だったら○○付近の△時~×時にいる確率☆☆%」という情報を入力する。或いは、サーバ装置101がユーザの会員端末131の位置情報取得部136が取得する位置情報をトレースすることにより、ユーザの空き時間とスケジュールに対応した位置情報を予測し、自動でスケジュール情報が入力されるようにすることもできる。例えば仕事時間の前後は職場近くに、休日や就寝時間前後は自宅近くに、長期休日は実家やセカンドハウス付近にいる可能性が高いという予測した時間と位置情報とその確率である。
【0021】
会場情報DB109は、各種イベントに利用できる会場、及び会場の利用可能な空きスケジュール、利用規約、設備、収容人数、キャンセル料発生期日等、会場に関する情報を記憶する。これらは外部から自動的に読み込んでも良い。この情報は管理者のみならず会員も新たな会場方法を追加登録でき、例えば自宅のリビングなどを提供することもできる。
【0022】
希望参加者DB110は、一緒に参加したい会員、或いは一緒に参加したくない会員をスキル提供種別に記憶する。例えば参加者としては同席しても良いが、その会員が講師の場合は参加したくない、あるいは特に参加したいなどの希望情報を登録する。
【0023】
交通情報取得部111は、将来にわたってのあらゆる交通情報を網羅し、目的地までの経路検索を可能とする。交通情報は外部から取り込んでもよい。
【0024】
位置情報DB112は、各ユーザの現在および予測できる位置情報を記憶する。
【0025】
希望イベント情報DB113は、例えば#A、#B、及び#Cの3人のユーザが夫々操作する3台の会員端末131(#A)、131(#B)、及び131(#C)の各入力部135から入力されたユーザごとの希望イベント情報を記憶する。
【0026】
次に、マッチング部102の動作について
図2のフローチャートを用いて説明する。
図2は、マッチング部102により実現されるニーズマッチング処理の例を示すフローチャートである。この処理は、サーバ装置101において、特には図示しないプロセッサ等が、特には図示しないROMや外部記憶装置等に記憶されたイベントマッチング処理プログラムをRAM等の主記憶装置にロードして実行する処理として実現される。本発明の全てで言えるが、これはあくまで一例であり代替できる技術であればなんでも良い。
【0027】
図2のフローチャートにおいて、まず、システム管理者は、
図1のシステム管理者端末121の入力部125を操作することにより、管理者データとして、イベント要件、実行に必要なスキルごとの報酬相場、会場情報、及び交通情報等を入力する(
図2のステップS1)。
【0028】
一方、ユーザは、前述したように、
図1の会員端末131から入力部135を操作することにより、会員ユーザデータを予め入力している(
図2のステップS2)。
例えば、会員Aがダンスイベントを行いたい場合は、イベント要件DB105からダンスイベントを選択し、当該ダンスイベントに使用できる時間と費用の予算、自分が提供できるスキル(例えば照明のセッティング)、スケジュール情報等を入力する。また、自分が提供するスキルに対する最低報酬等を入力する。また、一緒にイベントを行いたい希望同席者や同席したくない会員を入力することもできる。なお、ユーザの位置情報は、会員端末131の位置情報取得部136によって取得された位置情報をユーザが入力部135から入力してもよいし、位置情報取得部136によって取得された位置情報が常時サーバ装置101に通信され、位置情報DB112に入力されるようにしてもよい。
一方、会員Bが音楽イベントを行いたい場合は、同様に、イベント要件DB105から音楽イベントを選択し、当該音楽イベントに使用できる時間と費用の予算、自分が提供できるスキル(例えば会場の手配)、スケジュール情報等を入力する。このように複数の会員が各種情報を入力する。
【0029】
次に、サーバ装置101の特には図示しないプロセッサ(以下単に「プロセッサ」と記載)は、
図1の会員情報DB107、イベント要件DB105、スキル情報DB106、希望イベント情報DB113、スケジュールDB108、位置情報DB112、会場情報DB109等を参照することにより、イベントの開催が可能な開催候補地点および開催候補日時を選択し、イベントの開催候補地点および開催候補日時ごとの見込み人数を集計する(
図2のステップS3)。
【0030】
次に、プロセッサは、ステップS3で集計した人数がイベントの開催に必要な人数以上であるか否かを判定する(
図2のステップS4)。
【0031】
ステップS4の判定がNOならば、プロセッサは、イベント開催候補地点および開催候補日時を変更して上述のステップS3とS4の処理を繰り返し実行する。
【0032】
ステップS4の判定がYESになったならば、プロセッサは、
図1の会員情報DB107、イベント要件DB105、スキル情報DB106、希望イベント情報DB113、希望会員DB等を参照することによりイベントの開催候補地点および開催候補日時ごとに見込まれるスキル提供者ごとの報酬額を試算する(
図2のステップS5)。
【0033】
続いて、プロセッサは、報酬額が最低保証額以上であるか否かを判定する(
図2のステップS6)。
【0034】
ステップS6の判定がNOならば、プロセッサは、ステップS4の条件を満たす範囲で開催候補地点および開催候補日時を変更すると共に、スキル情報DB106を参照してスキル提供者を変更して、様々な組み合わせで上述のステップS5及びS6の処理を繰り返し実行する。
【0035】
ステップS6の判定がYESになったならば、プロセッサは、現在のイベント要件が示すイベントを実行するのに必要なスキルを提供可能なスキル提供者に、スキル提供依頼のメッセージを送信する(
図2のステップS7)。
【0036】
該当ユーザは、ステップS7でサーバ装置101から送信されたスキル提供依頼のメッセージメール等を、自身の会員端末131のメールアプリ等によって受信する(
図2のステップS8)。
【0037】
ステップS8で受信したスキル提供依頼を受けられるか否かを、上記ユーザは、スキル提供依頼返信メッセージとしてメール等により返信する(
図2のステップS9)。
【0038】
サーバ装置101のプロセッサは、上記ユーザによるステップS9での返信を判定することにより、現在のイベントに対して必要なスキル提供者が募集できたか否かを判定する(
図2のステップS10)。
【0039】
ステップS10の判定がYESならば、プロセッサは、ステップS18の処理に進む。
【0040】
ステップS10の判定がNOの場合、プロセッサは、各ユーザに向けて、各ユーザの提供スキル情報の範囲を超えてスキルの提供が可能か否かのスキル提供成立依頼のメッセージを送信する(
図2のステップS11)。ここで、当該スキル提供成立依頼のメッセージを送信するユーザは、提供できるスキルの範囲(時間と費用の予算、スキルの種別、報酬等)の限界が、現在のイベントに対して必要なレベルには達していないが、提供できる各種限界の範囲を少し広げれば、現在のイベントに対して必要なスキルを提供できるユーザである。
【0041】
該当ユーザは、ステップS11でサーバ装置101から送信されたスキル提供成立依頼のメッセージメール等を、自身の会員端末131のメールアプリ等によって受信する(
図2のステップS12)。
【0042】
ステップS12で受信したスキル提供成立依頼を受けられるか否かを、上記ユーザは、スキル提供成立依頼返信メッセージとしてメール等により返信する(
図2のステップS13)。
【0043】
サーバ装置101のプロセッサは、上記ユーザによるステップS13での返信を判定することにより再度、現在のイベントに対して必要なスキル提供者が募集できたか否かを判定する(
図2のステップS14)。
【0044】
ステップS14の判定がYESならば、プロセッサは、ステップS18の処理に進む。
【0045】
ステップS14の判定がNOの場合、プロセッサは、例えば会場情報DB109に記憶されている会場のキャンセル料発生時期等と、後述する仮イベントにおける参加者投票の返信に必要な時間等から逆算し、必要なスキル募集期間の終了時刻に到達したか否かを判定する(
図2のステップS15)。
【0046】
ステップS15の判定がNOならば、プロセッサは、ステップS11の処理に戻り、スキル提供成立依頼の送信を繰り返し実行する。ここでスキル提供成立依頼を送信するユーザは、前回のステップS11におけるスキル提供成立依頼に対して未回答のユーザや、前回のステップS11の時よりも提供できる各種限界の範囲を広げれば、現在のイベントに対して必要なスキルを提供できるユーザである。
【0047】
やがてステップS15の判定がYESになると、プロセッサは、スキル提供を依頼したユーザに向けて、スキル提供が成立しなかったことを通知するスキル提供不成立通知メッセージを送信する(
図2のステップS16)。
【0048】
ユーザは、ステップS16でサーバ装置101から送信されたスキル提供不成立通知のメッセージメール等を、自身の会員端末131のメールアプリ等によって受信する(
図2のステップS17)。これにより、スキル提供者は、今回のイベントは開催されないことを知る。
【0049】
ステップS10又はS14において現在のイベントに対して、必要なスキル提供者が募集できたと判定され、ステップS10又はS14の何れかの判定がYESの場合、プロセッサは、現在のイベントに対して、成立する条件の中で地域や開催日時、スキル提供者の組み合わせごとの仮イベント(
図2のステップS18中のA、B、C等で示される)を決定し、それらの仮イベントに対して、ユーザに参加投票を呼びかけるメッセージを送信する(
図2のステップS19)。仮イベントへの参加投票を呼びかけるメッセージを送信するユーザは、会員情報DB107、希望イベント情報DB113等に記憶されている情報を参照して当該イベントに興味があると予想されるユーザを、サーバ装置101が選択する。
【0050】
該当ユーザは、ステップS19でサーバ装置101から送信された仮イベントへの参加投票のメッセージメール等を、自身の会員端末131のメールアプリ等によって受信する(
図2のステップS20)。
【0051】
ステップS20で受信した仮イベントへの参加投票に対して参加の可否を、上記ユーザは、仮イベント参加投票返信メッセージとしてメール等により返信する(
図2のステップS21)。
【0052】
サーバ装置101のプロセッサは、ステップS21でのユーザによる仮イベント参加投票返信メッセージを受信するごとに参加費を売上げに加算してゆき、参加投票による売上げの総額がスキル提供者に支払われる報酬を含む経費以上となったか否かを判定する(
図2のステップS22)。
【0053】
ステップS22の判定がYESならば、プロセッサは、ステップS29の処理に進む。
【0054】
ステップS22の判定がNOの場合、プロセッサは、売上げの伸びがキャンセル料発生時期、告知や集客に必要なデッドラインに到達したか否かを判定する(
図2のステップS23)。
【0055】
ステップS23の判定がNOならば、プロセッサは、ユーザに向けて、イベントの成立に向けた参加協力を促す成立参加依頼のメッセージを送信する(
図2のステップS24)。ここで成立参加依頼のメッセージを送信するユーザは、これは仮イベント参加投票返信S21において未回答のユーザや、イベントにおいて使用できる時間と費用の予算の範囲の限界を広げれば、現在のイベントに参加可能なユーザである。
【0056】
該当ユーザは、ステップS24でサーバ装置101から送信された成立参加依頼のメッセージメール等を、自身の会員端末131のメールアプリ等によって受信する(
図2のステップS25)。
【0057】
ステップS25で受信した成立参加依頼に対して参加の可否を、上記ユーザは、成立参加依頼返信メッセージとしてメール等により返信する(
図2のステップS26)。
この時に上記仮イベント情報を本システムや各種SNSなどを利用して情報共有し友人知人に参加を促すこともできる。
【0058】
サーバ装置101のプロセッサは、上記ユーザによるステップS26での返信を判定することにより再度、ステップS26でのユーザによる成立参加依頼返信メッセージを受信するごとに参加費を計算し、参加投票による売上げの総額がスキル提供者に支払われる報酬を含む経費以上となったか否かを判定する(
図2のステップS22)。
【0059】
ステップS22の判定がNOとなる繰返しにおいて、やがてステップS23の判定がYESになってしまうと、プロセッサは、ユーザに向けて、仮イベントが成立しなかったことを告知する仮イベント不成立告知メッセージを送信する(
図2のステップS27)。
【0060】
当該仮イベントへの参加ユーザまたはスキル提供ユーザは、ステップS27でサーバ装置101から送信された仮イベント不成立告知のメッセージメール等を、自身の会員端末131のメールアプリ等によって受信する(
図2のステップS28)。これにより、当該ユーザは、今回の仮イベントは開催されないことを知る。
【0061】
ステップS21又はS26による会員ユーザからの返信により、やがてステップS22の判定がYESになると、プロセッサは、その仮イベントを本イベントとして開催することを決定し、ユーザに向けて、本イベントが成立したことを告知する本イベント告知メッセージを送信する(
図2のステップS29)。本イベント告知メッセージを送信するユーザは、、会員情報DB107、希望参加者DB100、希望イベント情報DB113、スケジュールDB108、位置情報DB112等に記憶されている情報を参照して当該イベントに興味があり、参加の可能性が高いと予想されるユーザを、マッチング部102が選択する。
【0062】
ユーザは、ステップS29でサーバ装置101から送信された本イベント告知のメッセージメール等を、自身の会員端末131のメールアプリ等によって受信する(
図2のステップS30)。
【0063】
ステップS30で受信した本イベントの告知に対してそのイベントへの参加の可否を、上記ユーザは、本イベント告知返信メッセージとしてメール等により返信する(
図2のステップS31)。この時に上記本イベント情報を本システムや各種SNSなどを利用して情報共有し友人知人に参加を促すこともできる。また参加を表明した場合に決済システムと連動して参加費をシステム管理やイベント主催者などに送金する機能を付けても良い。
【0064】
サーバ装置101のプロセッサは、上記ユーザによるステップS31での返信を判定することにより、開催が決定された本イベントの受付終了時刻に到達したか否かを判定する(
図2のステップS32)。各会員の現在の位置情報や交通情報によって会場到着時間は変わるので受付終了時間は各会員によって変えることもできる。
【0065】
ステップS32の判定がNOならば、プロセッサは、開催が決定された本イベントについて、会場の決められている会員収容人数を満たしたか否かを判定する(
図2のステップS33)。
【0066】
ステップS33の判定がNOならば、プロセッサは、ステップS29の処理に戻り、本イベント告知メッセージの送信処理を該当する会員に一定時間ごとに繰り返す(
図2のステップS29)。なおその対象会員はユーザの位置情報、交通情報、スケジュール情報、希望イベント情報、希望会員情報などを参照することにより、受付終了までに会場に到達する可能性のある会員に対して参加を呼び掛ける。
【0067】
やがて、受付が終了してステップS32の判定がYESとなった場合、又は会員収容人数が満たされてステップS33の判定がYESとなった場合には、プロセッサは、本イベントへの参加募集が終了したことを示すメッセージを送信する(
図2のステップS34)。
【0068】
該当するユーザは、ステップS34でサーバ装置101から送信された募集終了のメッセージメール等を、自身の会員端末131のメールアプリ等によって受信する(
図2のステップS35)。これにより、ユーザは、本イベントの募集が終了したことを知る。
【0069】
図2の処理を通じて各会員の実績がスキル情報DB106に蓄積されていくこともできる。またイベント参加者の参加アンケートなどが上記DBに蓄積されることもできる。
【0070】
またイベントが完了された実績(スキル提供、参加者の勧誘)に対しての報酬を決済システムと連動し支払うこともできる。
【0071】
キャンセルなどが発生した時に管理者や主催者スキル提供者はシステム管理者に代わり、スキル提供の緊急の依頼を本システムを利用して該当者に送信したり、中止メッセージを該当会員に送信すること、決済システムと連動して参加費の返金処理をできる機能を付けても良い。
【0072】
上述の実施形態において、ユーザは、自身が操作する
図1の会員端末131の位置情報取得部136により、現在の位置情報を取得してサーバ装置101に送信することができる。サーバ装置101のプロセッサは、その位置情報を位置情報DB112に記憶させることができ、ユーザのその時々の位置において現時点と将来の予測スケジュール情報や予測位置情報でのマッチングが可能となる。
また、上記の実施形態において、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、
図2のフロー図に示す処理の順番を一部変更することもできる。
【0073】
上述の実施形態において、
図1の105~113の各DBとマッチング部102は、同じサーバ装置101内に実装されているが、各DBとマッチング部102は相互に通信可能な専用の異なるサーバ装置に実装されてもよい。また、各DBは、管理者端末121および各会員端末131に実装されてもよい。
【0074】
図3は、
図2の処理によって実現されるニーズマッチングの説明図である。本実施形態によれば、会員ユーザA~Eがいたような場合に、それぞれが提供スキル情報、位置情報、スケジュール情報等を登録しておくことにより、各会員ユーザの参加可能範囲、スキル提供可能範囲およびイベントに使用できる時間と費用の範囲が決まる。
図3においては、各会員ユーザの参加可能範囲やスキル提供可能範囲およびイベントに使用できる時間と費用の範囲を円で表している。或るイベントが開催されようとしたときに、例えば
図3の円が重なる領域において、各会員ユーザがスキル提供によりそのイベントに参加することが可能となり、これにより複数人数のニーズを最大限満たすことができるニーズマッチングが実現される。
なお、
図3においては、各会員ユーザのスキル提供範囲およびイベントに使用できる時間と費用の範囲を円で表しているが、実際は円とは異なる形状となる。実際には、各会員における位置情報、イベントに使って良い交通費、時間、スケジュール、或いは使用可能な交通手段は様々であるので、各会員のスキル提供範囲およびイベントに使用できる時間と費用の範囲は歪な形となる。
【符号の説明】
【0075】
100 ニーズマッチングサポートシステム
101 サーバ装置
102 マッチング部
103、122、132 通信部
104、123、133 アンテナ
105 イベント要件DB
106 スキル情報DB
107 会員情報DB
108 スケジュールDB
109 会場情報DB,
110 希望参加者DB
111 交通情報取得部
112 位置情報DB
113 希望イベント情報DB
121 システム管理者端末
124、134 表示部
125、135 入力部
136 位置情報取得部
140 ネットワーク
【要約】
【課題】ニーズマッチングを行う技術に関し、ユーザ自身のスキルもマッチング可能とすることにより、複数人数のニーズを最大限満たすことができるニーズマッチングサポートシステムを実現する。
【解決手段】ユーザのニーズを満たすことができるイベントに関する希望イベント情報と、ユーザが提供できるスキルに関する提供スキル情報と、イベントを実行するために最低必要な要件であるイベント要件情報とを入力する情報入力手段と、情報入力手段によって入力された希望イベント情報と提供スキル情報とイベント要件情報とを記憶する情報記憶手段と、イベントを実行するため前記情報記憶手段に記憶された希望イベント情報と、提供スキル情報と、イベント要件情報とをマッチングさせるためのマッチング手段と、を備えている。
【選択図】
図1