(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】進捗管理プログラム、進捗管理システム、サーバ、及び進捗管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240613BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2023208884
(22)【出願日】2023-12-11
【審査請求日】2023-12-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・東急リバブル株式会社の公式サイトにおける2022年12月15日のニュースリリース(https://www.livable.co.jp/corp/release/2022/20221215.html)のコピー ・東急不動産ホールディングスの公式サイトにおける2023年DXレポート(https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/ir/library/dxit/)の第27頁のコピー
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399083527
【氏名又は名称】東急リバブル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151688
【氏名又は名称】今 智司
(72)【発明者】
【氏名】中島 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岩下 真奈実
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-358351(JP,A)
【文献】特開2023-139494(JP,A)
【文献】特開2023-072172(JP,A)
【文献】国際公開第2023/127974(WO,A1)
【文献】特開2003-058736(JP,A)
【文献】国際公開第2021/167071(WO,A1)
【文献】特開2021-190135(JP,A)
【文献】特開2012-168682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産取引の進捗管理をコンピュータに実行させるための進捗管理プログラムであって、
前記進捗管理プログラムは、プロセッサに、
買主及び売主それぞれの顧客情報並びに前記不動産取引の対象物件の物件情報に基づいて一の不動産取引に対する前記買主の買主申込書及び前記売主の売主申込書を作成するステップと、
買主自身から
仲介業者端末を介して取得する前記買主申込書に対する承認を示す
直筆による電子サインを前記買主申込書に対応付け、売主自身から
前記仲介業者端末を介して取得する前記売主申込書に対する承認を示す
直筆による電子サインを前記売主申込書に対応付けるステップと、
前記買主及び前記売主それぞれの任意のタイミングで参照可能な前記一の不動産取引に関する買主専用ページ及び前記一の不動産取引に関する売主専用ページであって、前記買主申込書の内容を含み得る前記買主専用ページ及び前記売主申込書の内容を含み得る前記売主専用ページそれぞれを生成するステップと、
買主端末及び売主端末それぞれからのログイン処理が実行された後、再度、前記買主端末及び前記売主端末それぞれを介してログイン処理が実行されたことを条件に、前記一の不動産取引のキャッシュレスによる手続を進行可能にするステップと、
前記キャッシュレスによる手続が進行可能な状態において、所定の口座への前記一の不動産取引における手付金の入金後、前記一の不動産取引における前記手付金の前記所定の口座から前記売主の売主口座への送金に関する手付金指図書を作成するステップと、
前記買主と前記売主との間で前記一の不動産取引に関する売買契約が締結され、前記手付金指図書に基づいて前記手付金の前記売主口座への送金が完了し、前記所定の口座へ前記一の不動産取引における残金が入金された後、前記残金の送金に関する残金指図書を作成するステップと、
前記残金指図書に基づいて実行された前記所定の口座から前記売主口座への前記残金の送金が完了したことを示す送金完了情報を取得し、前記送金完了情報を前記買主端末及び前記売主端末それぞれに供給するステップと、
前記買主及び前記売主による前記一の不動産取引における一の手続が実行された後、
前記買主及び前記売主が互いに前記一の手続が実行されたことを把握できる態様で前記買主専用ページ及び前記売主専用ページの前記一の手続に関する出力内容を更新し、前記一の手続の次に前記買主及び前記売主が実行すべき他の手続の内容を前記買主専用ページ及び前記売主専用ページそれぞれに前記一の手続の内容の出力態様とは異なる出力態様で出力するステップと
を実行させる進捗管理プログラム。
【請求項2】
前記買主専用ページ及び前記売主専用ページそれぞれを生成するステップが、前記一の不動産取引の各種手続の流れを示す情報を含み、前記各種手続の流れに沿って配列される複数の項目それぞれに前記買主申込書の内容に応じた情報が対応付けられた前記買主専用ページ、及び前記一の不動産取引の各種手続の流れを示す情報を含み、前記各種手続の流れに沿って配列される複数の項目それぞれに前記売主申込書の内容に応じた情報が対応付けられた前記売主専用ページそれぞれを生成する請求項1に記載の進捗管理プログラム。
【請求項3】
前記所定の口座へ前記手付金が入金されたこと、及び前記所定の口座へ前記残金が入金されたことを、前記買主端末及び前記所定の口座を有する金融機関からの情報に基づいて確認するステップを更に実行させる請求項1に記載の進捗管理プログラム。
【請求項4】
前記買主申込書及び前記売主申込書を作成するステップが、前記買主と前記売主との間の不動産取引を仲介する仲介業者の仲介業者端末を介して取得する前記買主及び前記売主それぞれの顧客情報並びに前記物件情報に基づいて前記買主申込書及び前記売主申込書を作成する請求項1に記載の進捗管理プログラム。
【請求項5】
前記買主申込書及び前記売主申込書を作成するステップが、前記仲介業者端末と双方向通信可能に接続される、顧客情報及び物件情報を管理する情報管理サーバから前記買主及び前記売主それぞれの顧客情報並びに前記物件情報を取得して前記買主申込書及び前記売主申込書を作成する請求項4に記載の進捗管理プログラム。
【請求項6】
前記出力するステップが、前記一の不動産取引に関して実行された登記申請に関する情報及び前記登記申請の登記完了に関する情報を前記買主専用ページ及び前記売主専用ページそれぞれに更に出力する請求項1に記載の進捗管理プログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する手段を備える進捗管理システム。
【請求項8】
制御部と、格納部とを備えるサーバであって、前記制御部が、請求項1~6のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行するサーバ。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される進捗管理方法であって、前記プロセッサが、請求項1~6のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する進捗管理方法。
【請求項10】
不動産取引の進捗管理をコンピュータに実行させるための進捗管理プログラムであって、
前記進捗管理プログラムは、プロセッサに、
買主及び売主それぞれの顧客情報並びに前記不動産取引の対象物件の物件情報に基づいて作成された一の不動産取引の前記買主の買主申込書に
仲介業者端末を介して取得する買主自身の
直筆による電子サインを対応付け、前記一の不動産取引の前記売主の売主申込書に
前記仲介業者端末を介して取得する売主自身の
直筆による電子サインを対応付けるステップと、
前記買主及び前記売主それぞれの任意のタイミングで参照可能な前記一の不動産取引に関する買主専用ページ及び前記一の不動産取引に関する売主専用ページであって、前記買主申込書の内容を含み得る前記買主専用ページ及び前記売主申込書の内容を含み得る前記売主専用ページそれぞれを生成するステップと、
前記買主及び前記売主による前記一の不動産取引における一の手続が実行された後、
前記買主及び前記売主が互いに前記一の手続が実行されたことを把握できる態様で前記買主専用ページ及び前記売主専用ページの前記一の手続に関する出力内容を更新するステップと
を実行させる進捗管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進捗管理プログラム、進捗管理システム、サーバ、及び進捗管理方法に関する。特に、本発明は、キャッシュレスによる取引を含む不動産取引の進捗を管理する進捗管理プログラム、進捗管理システム、サーバ、及び進捗管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、売主から買主へ仲介業者及び司法書士を介して不動産の決済を支援する不動産決済支援システムであって、決済の対象となる不動産の基本情報及び物件書類データを取得する不動産情報取得部と、不動産の決済用に仲介業者が選定した司法書士を仮登録する仮登録部と、仮登録した司法書士に受任の意思を確認する受任意思確認部と、司法書士に受任の意思がある場合、売主と司法書士の面談、買主と司法書士の面談を夫々設定する面談設定部と、不動産の決済に関する手付金の第1指図書を作成する第1作成部と、指定の信託口口座に手付金の着金を確認する手付金着金確認部と、当該不動産の決済における送金可能判断の結果を司法書士から取得する送金結果取得部と、取得した送金可能判断に基づいて、信託会社に第1指図書通りに送金可能となったことを通知する第1通知部と、設定した面談での内容を記録する面談内容記録部と、不動産の決済に関する売買代金に対する残金の第2指図書を作成する第2作成部と、司法書士による登記可能判断の結果を取得する登記結果取得部と、指定の信託口口座に残金の着金を確認する残金着金確認部と、取得した登記可能判断に基づいて、信託会社に第2指図書通りに送金可能となったことを通知する第2通知部と、当該不動産の仲介業者、司法書士の各々に、各手数料が支払われたかを確認する手数料確認部と、司法書士から登記申請受領証データを取得する登記申請受領証データ取得部と、買主に対して登記が完了したことを通知する第3通知部とを備える不動産決済支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の不動産決済支援システムによれば、不動産ビジネスとして慣習的な手順に基づく決済手続を効率化できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の不動産決済支援システムにおいては、不動産取引における手続の一部をシステム化することで不動産取引の効率化を図ることができるものの、不動産取引の当事者である買主及び売主にとって、複雑な不動産取引の全体像を把握することが困難である。すなわち、特許文献1に記載の不動産決済支援システムを含む従来の様々な不動産取引用のシステムにおいては、仲介業者や司法書士等の事業者側の視点から業務の効率化が図られている。その一方、不動産取引の当事者であるものの、多くの場合、不動産取引に関するプロフェッショナルではない買主及び売主が、不動産取引を構成する様々な手続の流れや様々な手続の内容を自ら把握できるようにすることは意図されていない。その結果、不動産取引に不慣れな買主及び売主が、不動産取引においてどのような手続が要求され、いかなる書類等をどのタイミングで準備すればよいかについて把握し難く、不動産取引が完了するまで不安な状況に置かれる場合がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、買主及び売主が不動産手続の流れ及び不動産手続の内容を把握して不動産取引の進捗を確認可能な進捗管理プログラム、進捗管理システム、サーバ、及び進捗管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、不動産取引の進捗管理をコンピュータに実行させるための進捗管理プログラムであって、進捗管理プログラムは、プロセッサに、買主及び売主それぞれの顧客情報並びに不動産取引の対象物件の物件情報に基づいて一の不動産取引に対する買主の買主申込書及び売主の売主申込書を作成するステップと、買主自身から取得する買主申込書に対する承認を示す電子サインを買主申込書に対応付け、売主自身から取得する売主申込書に対する承認を示す電子サインを売主申込書に対応付けるステップと、買主及び売主それぞれの任意のタイミングで参照可能な一の不動産取引に関する買主専用ページ及び一の不動産取引に関する売主専用ページであって、買主申込書の内容を含み得る買主専用ページ及び売主申込書の内容を含み得る売主専用ページそれぞれを生成するステップと、買主端末及び売主端末それぞれからのログイン処理が実行された後、再度、買主端末及び売主端末それぞれを介してログイン処理が実行されたことを条件に、一の不動産取引のキャッシュレスによる手続を進行可能にするステップと、キャッシュレスによる手続が進行可能な状態において、所定の口座への一の不動産取引における手付金の入金後、一の不動産取引における手付金の所定の口座から売主の売主口座への送金に関する手付金指図書を作成するステップと、買主と売主との間で一の不動産取引に関する売買契約が締結され、手付金指図書に基づいて手付金の売主口座への送金が完了し、所定の口座へ一の不動産取引における残金が入金された後、前記残金の送金に関する残金指図書を作成するステップと、残金指図書に基づいて実行された所定の口座から売主口座への残金の送金が完了したことを示す送金完了情報を取得し、送金完了情報を買主端末及び売主端末それぞれに供給するステップと、買主及び売主による一の不動産取引における一の手続が実行された後、買主専用ページ及び売主専用ページの一の手続に関する出力内容を更新し、一の手続の次に買主及び売主が実行すべき他の手続の内容を買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれに一の手続の内容の出力態様とは異なる出力態様で出力するステップとを実行させる進捗管理プログラムが提供される。また、本発明は、上記目的を達成するため、上記に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する手段を備える進捗管理システムが提供される。更に、本発明は、上記目的を達成するため、制御部と、格納部とを備えるサーバであって、制御部が、上記に係る発明において実行されるすべてのステップを実行するサーバが提供される。また、本発明は、上記目的を達成するため、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される進捗管理方法であって、プロセッサが、上記に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する進捗管理方法が提供される。
【0007】
また、本発明は、上記目的を達成するため、不動産取引の進捗管理をコンピュータに実行させるための進捗管理プログラムであって、進捗管理プログラムは、プロセッサに、買主及び売主それぞれの顧客情報並びに不動産取引の対象物件の物件情報に基づいて作成された一の不動産取引の買主の買主申込書に買主自身の電子サインを対応付け、前記一の不動産取引の売主の売主申込書に売主自身の電子サインを対応付けるステップと、買主及び売主それぞれの任意のタイミングで参照可能な一の不動産取引に関する買主専用ページ及び一の不動産取引に関する売主専用ページであって、買主申込書の内容を含み得る買主専用ページ及び売主申込書の内容を含み得る売主専用ページそれぞれを生成するステップと、買主及び売主による一の不動産取引における一の手続が実行された後、買主専用ページ及び売主専用ページの一の手続に関する出力内容を更新するステップとを実行させる進捗管理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る進捗管理プログラム、進捗管理システム、サーバ、及び進捗管理方法によれば、買主及び売主が不動産手続の流れ及び不動産手続の内容を把握して不動産取引の進捗を確認可能な進捗管理プログラム、進捗管理システム、サーバ、及び進捗管理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る進捗管理システムの概要図である。
【
図2】本実施形態に係る進捗管理サーバの機能構成ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報管理サーバ、買主端末、売主端末、及び仲介業者端末それぞれの機能構成ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る格納部のデータ構成図である。
【
図5】本実施形態に係る進捗管理システムにおける処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
<進捗管理システム1の概要>
図1は、本実施形態に係る進捗管理システムの概要を示す。すなわち、
図1(a)は、進捗管理システム1の概要を示し、
図1(b)は進捗管理システム1が備える買主端末30の出力内容の一例の概要を示す。
【0011】
本実施形態に係る進捗管理システム1は、買主と売主との間における不動産取引の各種手続の流れや内容を、買主及び/又は売主が確認できるシステムである。例えば、進捗管理システム1は、仲介業者を介した買主と売主との間における不動産取引の各種手続の流れや内容を、買主及び/又は売主が所望のタイミングで自由に確認できるシステムであってよい。また、進捗管理システム1は、不動産取引の手続の進行に応じ、買主及び売主それぞれが実行すべき手続の内容を買主及び/又は売主に提示する。更に、進捗管理システム1は、不動産取引における買主と売主との間における金銭の授受をキャッシュレスで実行可能にすることで不動産決済を非対面で実行することができるシステムである。なお、本実施形態において「不動産取引」は、不動産の売買取引である。また、本実施形態では、買主及び売主の双方が個人であってもよく、買主及び売主のいずれか一方が法人若しくは宅建業者等であってもよく、買主及び売主の双方が法人若しくは宅建業者等であってもよく、買主と売主とが同一の法人(例えば、仲介業者の法人)若しくは宅建業者等であってもよい。以下では進捗管理システム1の一例として、仲介業者を介した買主と売主との間における不動産取引の進捗管理について説明する。なお、進捗管理システム1は、買主と売主との間における不動産取引の進捗管理ができる限り、仲介業者の存在は必須ではない。
【0012】
まず、進捗管理システム1は、
図1(a)に示すように、不動産取引の進捗を管理する進捗管理サーバ10、不動産取引の買主の買主端末30、不動産取引の売主の売主端末40、不動産取引を仲介する仲介業者の仲介業者端末50を備える。また、進捗管理システム1は、不動産取引に用いる各種情報を管理する情報管理サーバ20を備えることもできる。進捗管理サーバ10、情報管理サーバ20、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50は、通信ネットワーク5を介して双方向通信可能に接続される。進捗管理システム1は、サーバクライアント型のシステムであってよい。なお、進捗管理システム1の各構成要素は、所定の金融機関の金融機関サーバ3(若しくは、金融機関が有するコンピュータ)と通信ネットワーク5を介して双方向通信可能に接続されていてもよい。また、所定の金融機関は1以上、存在していてもよい。
【0013】
一例として進捗管理システム1は、以下の一連の不動産取引における各手続の流れの全体像、及び各手続における必要事項に関する情報(例えば、手続を実行すべき日時や場所等の情報、及び手続に必要な書類等の情報)を顧客(つまり、買主及び売主)自身が任意のタイミングで把握できるページを、進捗管理サーバ10上に作成する。なお、以下の各手続は本実施形態に係る不動産取引の概要における手続であって、他の手続が含まれていてもよい。
【0014】
<本実施形態に係る不動産取引の時系列に沿った各手続例の概要>
1)買主及び売主による不動産取引の申込み、並びに買主及び売主それぞれの署名
2)顧客(売主及び買主)専用ページの生成
3)キャッシュレス手続の実行可能化
4)所定の口座(例えば、信託口座等)から売主の売主口座への手付金の入金を指示する指図書作成
5)買主と売主との間の売買契約及び手付金の売主口座への送金
6)買主と司法書士との面談及び売主と司法書士との面談
7)買主と所定の金融機関との間の金銭消費貸借契約(以下、「金消契約」という場合がある。)
8)買主の残金の所定の口座への入金
9)所定の口座から売主口座への残金の入金を指示する指図書作成
10)買主及び売主の生存確認に基づいて実行される残金の売主口座への送金
11)不動産の登記申請及び登記の完了
【0015】
以下、上記手続の流れに沿って進捗管理システム1の概要を説明する。
【0016】
(1:買主及び売主による不動産取引の申込み、並びに買主及び売主それぞれの署名)
まず進捗管理システム1は、特定の不動産取引の買主及び売主それぞれの情報と物件情報とに基づいて、特定の不動産取引の申込書を作成する。進捗管理システム1は、申込書として、買主用の申込書(以下、「買主申込書」と称する場合がある。)及び売主用の申込書(以下、「売主申込書」と称する場合がある。)のそれぞれを作成する。進捗管理システム1は、買主申込書に対する承認を示す買主の電子的な署名(電子サイン若しくは電子印鑑等)、及び売主申込書に対する承認を示す売主の電子的な署名(電子サイン若しくは電子印鑑等)を取得する。そして、進捗管理システム1は、買主申込書に買主の電子的な署名を対応付け、売主申込書に売主の電子的な署名を対応付ける。例えば、買主及び/又は売主が仲介業者と対面若しくは非対面(例えば、電子メールや電話等の手段を用いる。)で不動産取引に関する説明を受け、進捗管理システム1の仲介業者端末50又は買主端末30や売主端末40が買主及び売主それぞれの電子的な署名を取得する。つまり、本実施形態に係る進捗管理システム1は、一の不動産取引に対応付けられる買主申込書に買主の電子的な署名を対応付け、当該一の不動産取引に対応付けられる売主申込書に売主の電子的な署名を対応付けて格納する。
【0017】
(2:顧客(売主及び買主)専用ページの生成)
次に進捗管理システム1は、買主申込書及び売主申込書に基づいて、サーバ上に顧客専用ページ、つまり、買主専用の買主専用ページ及び売主専用の売主専用ページを作成する。なお、進捗管理システム1は、買主申込書及び/又は売主申込書の作成前に買主専用ページ及び/又は売主専用ページを作成してもよい(この場合、買主専用ページ及び/又は売主専用ページにおいて、買主申込書及び/又は売主申込書の内容に関する項目については空欄等にしていてもよい。)。進捗管理システム1は、買主専用ページのURL(買主URL)を予め取得している買主の連絡先(例えば、電子メールアドレス)に送信すると共に、売主専用ページのURL(売主URL)を予め取得している売主の連絡先(例えば、電子メールアドレス)に送信する。進捗管理システム1は、買主が買主端末30において初めて買主URLを介して買主専用ページにログインするとき、買主に対してユーザ情報の一つとしてのパスワードの設定を要求する。そして、進捗管理システム1は、買主がパスワードを設定した後、買主専用ページへのログインを許可する。進捗管理システム1は、買主がパスワードを設定した後、買主専用ページへのログイン要求がなされるたび、パスワードを要求する。進捗管理システム1は、売主URLについても同様の処理を実行する。これにより、買主は、買主端末30の所定のアプリケーションに買主URL及びパスワードを入力することで買主専用ページを参照でき、売主は、売主端末40の所定のアプリケーションに売主URL及びパスワードを入力することで売主専用ページを参照できる。なお、進捗管理システム1は、買主専用ページ及び売主専用ページにおいて、買主及び売主が実行すべき手続(タスク)を管理し、買主端末30及び売主端末40を介して各手続の期限前に買主及び売主それぞれにリマインドしてもよい。
【0018】
一例として、
図1(b)に示すように買主端末30の買主端末出力部304(例えば、買主端末30のタッチパネル式の表示部)に出力される買主専用ページは、不動産取引の各手続の手続項目が時系列に沿って表示される。すなわち、買主専用ページには、複数の手続項目が手続の実行順(つまり、時系列順)に買主端末出力部304の上から下に配列されて表示される。
図1(b)の例では、最初の手続に係る手続項目600として「ご契約準備」が表示され、手続項目600に係る手続の次に実施される手続の手続項目602として「ご契約」が表示され、手続項目602に係る手続の次に実施される手続の手続項目604として「決済と引渡しの準備」が表示されている。なお、手続項目604以降の手続に係る手続項目は、例えば、買主が買主端末出力部304に対して所定方向へのスワイプ操作をすること等により、買主端末出力部304に出力させることができる。これにより、進捗管理システム1は、一の不動産取引におけるすべての手続の全体像を買主端末出力部304に出力可能にする。
【0019】
また、買主専用ページには、複数の手続項目それぞれの近傍に、当該手続において実行すべき手続の内容(つまり、タスクの内容)、及び/又は当該手続において必要な持ち物(例えば、所定の書類や印鑑等)等に関する準備情報が手続項目と併せて出力される。進捗管理システム1は、1以上の手続項目それぞれの近傍に出力される準備情報に対する買主によるタップ操作等を受け付けて、当該準備情報の詳細な内容を示す情報を買主端末出力部304に出力させる。
【0020】
一例として、
図1(b)に示すように、手続項目600の近傍(例えば、下方)に準備情報700として「やること」と表示されると共に準備情報702として「持ち物」と表示される。買主が準備情報700に対するタップ操作等をすることにより、買主端末出力部304には準備情報700に含まれる買主が実行すべき1以上の内容を示す情報が出力される。
図1(b)の例では、準備情報700をタップすることで契約の準備に必要な1以上のステップが出力される。また、買主が準備情報702に対するタップ操作等をすることにより、買主端末出力部304には準備情報702に含まれる買主が契約準備において用意すべき1以上の持ち物(所定の書類等)を示す情報が出力される。
図1(b)の例では、準備情報702をタップすることで契約の準備に必要な1以上の持ち物を示す情報が出力される。なお、
図1(b)の例では、準備情報704をタップすることで売買契約に関する詳細な情報が買主端末出力部304に出力される。
【0021】
更に、進捗管理システム1は、買主専用ページにおいて、買主専用ページにアクセスした買主が当該アクセス時点で実行すべき手続項目の出力態様と、当該手続項目に係る手続の次以降に実行すべき1以上の手続に係る手続項目の出力態様とを異ならせることができる。一例として、進捗管理システム1は、買主専用ページにアクセスした買主がまず実行すべき手続に係る手続項目(
図1(b)の例では、手続項目600)を他の手続項目より強調する出力態様で出力させ、当該手続項目を除く他の手続に係る手続項目(
図1(b)の例では、手続項目602及び手続項目604)を手続項目600よりも目立たなくする出力態様で出力させる。また、進捗管理システム1は、買主専用ページにアクセスした買主がまず実行すべき手続に係る手続項目を除く複数の手続項目について、時系列の順序に基づいてそれぞれ異なる出力態様で出力させてもよい。
図1(b)の例では、「ご契約」に係る手続項目602が「決済と引渡しの準備」に係る手続項目604より先に実行される。この場合、進捗管理システム1は、手続項目602の出力態様を手続項目604の出力態様よりも目立つ出力態様で出力させてよい。つまり、進捗管理システム1は、複数の手続項目が時系列に沿って配列されている場合、実行すべきタイミングが早い手続項目ほど目立つ出力態様で出力することができる。
【0022】
なお、進捗管理システム1は、売主端末40に対しても買主端末30に対する処理と同様の処理を実行し、かつ、売主専用ページについても買主専用ページと同様の処理を実行するので詳細な説明は省略する。
【0023】
(3:キャッシュレス手続の実行可能化)
続いて、進捗管理システム1は、一例として
図1(b)に示すように買主専用ページの所定領域に出力させたキャッシュレス手続の実行を受け付けるボタン800に対する買主の入力指示を受け付けて、キャッシュレス手続の実行を可能にする。具体的に進捗管理システム1は、買主端末30を介して受け付ける買主による買主専用ページ(すなわち、進捗管理サーバ10の買主専用ページ)へのログイン情報の取得後(第1のログイン後)、キャッシュレス手続の実行を希望する旨の買主からの指示を受け付けた場合(例えば、ボタン800に対する買主の入力指示を受け付けた場合)、第2のログイン情報を取得する。これにより進捗管理システム1は、買主によるキャッシュレス手続の実行を可能にする。つまり、進捗管理システム1は、一の不動産取引における買主専用ページへの第1のログインとキャッシュレス手続の実行を可能にするための第2のログインとの2回のログインを受け付けることで、買主によるキャッシュレス手続の実行を可能にする。進捗管理システム1は、売主に対しても買主と同様のステップにより売主によるキャッシュレス手続の実行を可能にする。これにより、進捗管理システム1によれば、非対面での不動産売買決済を提供でき、より多くの個人情報をやりとりするキャッシュレス取引であっても安心・安全な手続を提供できる。
【0024】
(4:所定の口座から売主の売主口座への手付金の入金を指示する指図書作成)
そして進捗管理システム1は、買主に所定の口座(例えば、信託口座等)へ不動産取引における手付金の入金を依頼し、買主がネットバンキング等により所定の口座に手付金を入金した後、手付金を所定の口座から売主の売主口座へ所定のタイミングで送金することを所定の口座が開設されている機関(例えば、金融機関)に指示する指図書を作成する(例えば、仲介業者端末50を介して受け付ける仲介業者の入力指示及び入力情報(買主に関する情報、振込先である売主口座情報や仲介会社口座情報に関する情報、手付金額に関する情報、入金予定日に関する情報等)に基づいて指図書を作成する。)。進捗管理システム1は、この指図書に関する情報を買主端末30及び売主端末40に供給すると共に、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目において、当該指図書に関する情報を、随時、買主及び/又は売主が参照可能にする。また、当該指図書は所定の口座が開設されている機関に供給される。
【0025】
(5:買主と売主との間の売買契約及び手付金の売主口座への送金)
続いて、買主と売主との間で不動産の売買契約が締結されたことに応じて所定の口座が開設されている機関が指図書に基づいて手付金を売主口座に送金し、かつ、仲介手数料の仲介業者の口座への送金を含む不動産取引に関する各種の支払が実行された後、進捗管理システム1は、手付金の送金完了を示す情報及び各種の支払が完了したことを示す情報を買主端末30及び売主端末40に供給する。また、進捗管理システム1は、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目において、手付金の送金が完了したことを示す情報及び各種の支払が完了したことを示す情報を、随時、買主及び/又は売主が参照可能にする。
【0026】
(6:買主と司法書士との面談及び売主と司法書士との面談)
そして、買主と司法書士との面談、及び売主と司法書士との面談が司法書士の主導で設定されて実行された後、進捗管理システム1は、面談に関する情報を買主端末30及び売主端末40に供給する。また、進捗管理システム1は、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目において、面談に関する情報を、随時、買主及び/又は売主が参照可能にする。例えば、司法書士が買主の本人確認をする面談の面談日程を確定させた後、当該面談日程を仲介業者が司法書士から電話や電子メールを用いてヒアリングする。仲介業者がヒアリングして得た買主の面談日程に関する情報を、進捗管理システム1は、仲介業者端末50を介した仲介業者による当該情報の入力を受け付けて取得する。そして、進捗管理システム1は、買主専用ページを更新し、面談日程に関する情報を所定の手続項目において参照可能にする。進捗管理システム1は、面談日程に関する情報を買主端末30に供給し、面談を買主に促してもよい(例えば、「○月▽日に本人確認の面談を□○で行います。」等の情報を買主端末30に通知してよい。)。また、司法書士が売主の本人確認をする面談の面談日程を確定させた後、当該面談日程を仲介業者が司法書士から電話や電子メールを用いてヒアリングする。仲介業者がヒアリングして得た売主の面談日程に関する情報を、進捗管理システム1は、仲介業者端末50を介した仲介業者による当該情報の入力を受け付けて取得する。そして、進捗管理システム1は、売主専用ページを更新し、面談日程に関する情報を所定の手続項目において参照可能にする。進捗管理システム1は、面談日程に関する情報を売主端末40に供給し、面談を売主に促してもよい(例えば、「○月▽日に本人確認の面談を□○で行います。」等の情報を売主端末40に通知してよい。)。続いて、買主と司法書士との面談、及び売主と司法書士との面談が終了したことを示す情報を仲介業者が司法書士から取得した後(例えば、電話や電子メールを用いて取得した後)、進捗管理システム1は、仲介業者端末50を介した仲介業者による当該情報の入力を受け付けて取得した当該情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目を更新し、面談が終了したことを買主専用ページ及び売主専用ページのそれぞれで参照可能にする。なお、買主と司法書士との面談日程、及び/又は売主と司法書士との面談日程は、仲介業者が設定してもよい。
【0027】
(7:買主と所定の金融機関との間の金消契約)
次に、買主と所定の金融機関との間で金消契約(なお、当該金消契約は、不動産取引の費用のすべて又は一部についての契約であってよく、一部についての契約である場合は残金が存在していてよい。)が締結された後、進捗管理システム1は、金消契約及び金消契約の締結完了に関する情報を買主端末30に供給する。また、進捗管理システム1は、買主専用ページの所定の手続項目において、これらの情報を、随時、買主が参照可能にする。なお、進捗管理システム1は、売主専用ページにおいては、買主の金消契約に関する情報及び金消契約の締結完了に関する情報の少なくとも一部について参照可能にしてもよい。例えば、金融機関が買主との金消契約日程を確定させた後、当該金消契約日程を仲介業者が金融機関及び/又は買主から電話や電子メールを用いてヒアリングする。仲介業者がヒアリングして得た買主の金消契約日程に関する情報を、進捗管理システム1は仲介業者端末50を介して取得する。そして、進捗管理システム1は、買主専用ページを更新し、金消契約日程に関する情報を所定の手続項目において参照可能にする。そして、金消契約の締結後であって、金消契約の締結が終了したことを示す情報を仲介業者が金融機関から取得した後(例えば、電話や電子メールを用いて取得した後)、進捗管理システム1は、仲介業者端末50を介して受け付ける当該情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目を更新し、金消契約の締結が終了したことを買主専用ページ及び売主専用ページのそれぞれで参照可能にする。なお、買主と金融機関との金消契約日程は、仲介業者が設定してもよい。また、本実施形態において買主、所定の金融機関等、及び/又は売主間での取引についてここでは金消契約を例に挙げて説明したが、当該取引は金消契約以外の取引であっても、金消契約以外の取引を一部に含む取引であってもよい。例えば、買主が不動産取引において用いる費用について、全てを金消契約にする場合、金消契約の一部を買主の自己資金にする場合、金消契約を結ばずにすべてを買主の自己資金にする場合等、様々の取引であってよい。
【0028】
(8:買主の残金の所定の口座への入金、9:所定の口座から売主口座への残金の入金を指示する指図書作成)
更に、進捗管理システム1は、自己資金の入金がある場合には買主端末30及び/又は買主専用ページを介して買主に、残金の所定の口座への入金を依頼する。買主が所定の口座に残金(自己資金)をネットバンキング等によって入金した後、残金に関する残金明細書の作成、及び所定の口座から売主口座への残金の送金を指示する指図書(残金指図書)を作成する。進捗管理システム1は、残金指図書に関する情報を買主端末30及び売主端末40に供給する。また、進捗管理システム1は、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目において、残金指図書に関する情報を、随時、買主及び/又は売主が参照可能にする。なお、残金(自己資金)の入金、残金明細書の作成、及び残金指図書の作成は上記順序に限られず、適宜、入れ替えることができる。また、上記説明では買主の自己資金の例を説明したが、自己資金の代わりに住宅ローンによる資金(つまり、融資金)を用いてもよい。この場合、融資金の入金依頼が実行される。なお、残金としては、売主に支払う残代金、仲介業者に支払う仲介手数料、並びにその他の費用(登記費用や司法書士の手数料等)が存在していてよい。
【0029】
(10:買主及び売主の生存確認に基づいて実行される残金の売主口座への送金)
続いて、司法書士による買主及び売主の生存確認が実行され、買主及び売主の生存が確認されたことを条件に、残金指図書に基づいて残金が売主口座に送金される。また、仲介手数料の仲介業者の口座への送金、登記に関する費用(登記費用、及び司法書士の手数料等)の司法書士の口座への送金も併せて実行される。なお、仲介手数料及び登記に関する費用の送金は、不動産登記が完了した後に実行してもよい。進捗管理システム1は、残金指図書に基づいてこれらの送金が完了したことを示す情報を買主端末30及び売主端末40に供給する。また、進捗管理システム1は、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目において、これらの送金が完了したことを示す情報を、随時、買主及び/又は売主が参照可能にする。
【0030】
(11:不動産の登記申請及び登記の完了)
そして、司法書士により不動産取引に係る不動産の登記申請がなされ、登記が完了する。この場合、進捗管理システム1は、登記申請の完了及び登記の完了に関する情報それぞれを買主端末30及び売主端末40に供給する。また、進捗管理システム1は、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目において、登記申請及び登記の完了それぞれに関する情報を、随時、買主及び/又は売主が参照可能にする。
【0031】
以上のように本実施形態に係る進捗管理システム1は、仲介業者を介した買主と売主との間における不動産取引の各種手続の流れや内容を買主専用ページ及び売主専用ページに表示して手続の流れに応じてそれらの内容を更新する。そのため、進捗管理システム1によれば、買主及び売主はそれぞれ、自身の所望のタイミングで不動産取引の進捗状況を確認することができると共に次に自身がすべき手続の内容等を容易に把握できる。したがって、進捗管理システム1によれば、買主及び売主はそれぞれ、不動産手続の流れ及び不動産手続の内容を把握しつつ不動産取引を安心して進めることができる。
【0032】
また、進捗管理システム1は、買主及び売主から2段階のログインを受け付けた場合に不動産取引の金銭の授受をキャッシュレス化できる。これにより、進捗管理システム1によれば、買主及び売主のキャッシュレス手続を実行する意思を確実に把握した上でキャッシュレス手続を実行できるので、従来のように買主が現金を持参して所定の場所に赴き、売主が当該現金を持ち帰るような売買契約をすることを要さず、不動産取引における安全性の確保、及び不動産取引における利便性の向上を図ることができる。
【0033】
なお、買主端末30、売主端末40、及び仲介業者端末50はそれぞれ、買主、売主、及び仲介業者が操作可能な装置である。買主端末30、売主端末40、及び仲介業者端末50は、例えば、移動体通信システムに対応した携帯電話やスマートフォン、タブレット等の情報端末であってよい。この他に、買主端末30、売主端末40、及び仲介業者端末50は、例えば、据え置き型のPersonal Computer(PC)、ラップトップPC、及び/又はノートPC等であってもよい。更に、通信ネットワーク5は、携帯電話網、及び/又はインターネット等の通信網である。通信ネットワーク5は、有線LAN及び無線LAN等の通信ネットワークを含むこともできる。そして、以下において本実施形態に係る進捗管理システム1の詳細を説明するが、上記説明及び下記説明における名称や数値等はあくまで例示であり、これらの固有名や数値に本発明が限定されることはないこと、及びこれら固有名や数値は実在の固有名や数値とは必ずしも関係するとは限らないことを付言する。
【0034】
[進捗管理システム1の詳細]
図2は、本実施形態に係る進捗管理サーバの機能構成の概要の一例を示し、
図3は、本実施形態に係る情報管理サーバ、買主端末、売主端末、及び仲介業者端末それぞれの機能構成の概要の一例を示す。すなわち、
図3(a)は本実施形態に係る情報管理サーバ20の機能構成の概要の一例を示し、
図3(b)は本実施形態に係る買主端末30の機能構成の概要の一例を示し、
図3(c)は本実施形態に係る売主端末40の機能構成の概要の一例を示し、
図3(d)は本実施形態に係る仲介業者端末50の機能構成の概要の一例を示す。更に、
図4は、本実施形態に係る各格納部のデータ構成の概要の一例を示す。すなわち、
図4(a)は本実施形態に係る手続情報格納部106のデータ構成の一例を示し、
図4(b)は本実施形態に係る顧客情報格納部202のデータ構成の一例を示し、
図4(b)は本実施形態に係る物件情報格納部204のデータ構成の一例を示す。
【0035】
<進捗管理システム1の構成の概要>
進捗管理システム1は、買主と売主との間で実行される不動産取引の進捗を管理するシステムである。例えば、進捗管理システム1は、進捗管理サーバ10、買主端末30、売主端末40、及び仲介業者端末50を備えて構成される。また、進捗管理システム1は、情報管理サーバ20を更に備えていてもよい。なお、進捗管理システム1は、1以上の買主端末30、1以上の売主端末40、及び/又は1以上の仲介業者端末50を備えて構成できるが、本実施形態では説明の簡略化のため、進捗管理システム1が、1つの買主端末30、1つの売主端末40、及び1つの仲介業者端末50を備える例を説明する。
【0036】
まず、進捗管理サーバ10は、進捗管理サーバ10の各構成要素を制御する進捗管理制御部100と、進捗管理サーバ10へのログイン処理を実行するログイン部102と、不動産取引の申込書を作成する申込書作成部104と、不動産取引の各種手続に関する情報を格納する手続情報格納部106と、各種の出力部への情報の出力を制御する出力制御部108と、申込書の修正を受け付ける修正受付部110と、所定の情報を取得する情報取得部112と、顧客の署名を取得する署名取得部114と、所定の情報を所定の構成要素に供給する情報供給部116と、契約を準備する契約準備部118と、顧客専用ページを生成するページ生成部120と、キャッシュレス手続の実行を可能にするキャッシュレス部122と、買主に資金の入金を依頼する入金依頼部124と、所定額の資金の所定の口座への送金の有無を確認する入金確認部126と、送金関連の明細書を作成する明細書作成部128と、手付金に関する指図書を作成する指図書作成部130と、残金に関する指図書を作成する残金指図書作成部132と、顧客が実施すべきタスクを管理するタスク管理部134と、顧客に所定のサービスを提供するサービス提供部136とを有する。
【0037】
情報管理サーバ20は、情報管理サーバ20の各構成要素を制御する情報管理制御部200と、顧客に関する情報を格納する顧客情報格納部202と、不動産物件に関する情報である物件情報を格納する物件情報格納部204と、外部との通信を実行する情報管理サーバ通信部206とを有する。
【0038】
買主端末30は、買主端末30の各構成要素の動作を制御する買主端末制御部300と、買主等のユーザからの入力を受け付ける買主端末入力部302と、所定の情報を出力する買主端末出力部304と、外部との通信を実行する買主端末通信部306とを有する。同様に売主端末40は、売主端末40の各構成要素の動作を制御する売主端末制御部400と、売主等のユーザからの入力を受け付ける売主端末入力部402と、所定の情報を出力する売主端末出力部404と、外部との通信を実行する売主端末通信部406とを有する。また、仲介業者端末50は、仲介業者端末50の各構成要素の動作を制御する仲介業者端末制御部500と、仲介業者及び/又は顧客からの入力を受け付ける仲介業者端末入力部502と、所定の情報を出力する仲介業者端末出力部504と、外部との通信を実行する仲介業者端末通信部506とを有する。
【0039】
なお、買主端末30は、買主が所有する情報端末であっても、買主が所有していない情報端末であって買主が買主自身の個人情報に基づいて所定のログイン処理を実行することで自身の情報端末として用いることができる情報端末であってもよい。売主端末40も同様である。また、仲介業者端末50は進捗管理サーバ10にログインでき、買主端末30及び売主端末40はそれぞれ、後述する進捗管理サーバ10上の買主専用ページ及び売主専用ページのみにアクセスできるようにしてもよい。また、進捗管理制御部100、買主端末制御部300、売主端末制御部400、及び仲介業者端末制御部500はそれぞれ、例えばCentral Processing Unit(CPU)やGraphics Processing Unit(GPU)等のマイクロプロセッサや、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、ICメモリ等の電子部品によって実現され、各端末の入力部や記憶部を含む各構成要素との間における情報の入出力を制御する。そして、所定のプログラムや情報、各端末の入力部からの操作入力信号、プログラム、及び/又はその他の各種情報に基づいて各種の演算処理を実行し、各端末の動作を制御する。
【0040】
なお、進捗管理システム1は、上記複数の構成要素を物理的に同一の装置や場所に有するだけでなく、上記複数の構成要素の一部を物理的に離れた位置に設置してもよい。この場合、各構成要素は、例えば、インターネット等の通信網により接続されてよい。例えば、進捗管理システム1は、構成要素の機能の一部を外部のサーバに担わせてもよい。また、進捗管理システム1は、一以上のサーバとして構成してもよい。この場合、情報端末(買主端末30、売主端末40、及び仲介業者端末50)、並びに一のサーバの構成要素及び他のサーバの構成要素を組み合わせることで、進捗管理システム1が構成される。また、本実施形態において、各装置(情報端末やサーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体(所定の構成要素の集合体)を1つの「情報処理装置(制御部と格納部とを備える情報処理装置)」として把握することができ、進捗管理システム1を複数の情報処理装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係る進捗管理システム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又は進捗管理システム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定できる。また、情報管理サーバ20、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50が有する各構成要素の一部を進捗管理サーバ10が有していてもよく、進捗管理サーバ10が有する各構成要素の一部若しくは全部を情報管理サーバ20、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50が有していてもよい。
【0041】
<進捗管理サーバ10の構成の詳細>
(進捗管理制御部100)
進捗管理制御部100は、買主端末30、売主端末40、仲介業者端末50、情報管理サーバ20、及び/又は金融機関サーバ3と進捗管理サーバ10との間で通信し、買主端末30、売主端末40、仲介業者端末50、情報管理サーバ20、及び/又は金融機関サーバ3から受信した各種の情報に基づいて、不動産取引の進捗を制御する。進捗管理制御部100は、進捗管理システム1が備える各構成要素の動作の制御もできる。例えば、進捗管理制御部100は、不動産取引の進行に伴って買主、売主、司法書士、及び/又は金融機関等から取得する各種指示(買主、売主等による指示)や各種情報に基づいて、所定の構成要素における所定の不動産取引の進行処理等を制御する。
【0042】
また、進捗管理制御部100は、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50を介して受け付ける買主、売主、及び/又は仲介業者の操作入力に応じ、各種の不動産取引に関する処理を実行する。例えば、進捗管理制御部100は、買主自身及び売主自身に関する情報の情報管理サーバ20への格納処理、不動産取引の進行によって進捗管理システム1が取得する各種の手続に関する情報の手続情報格納部106への格納処理、並びに買主端末出力部304、売主端末出力部404、及び/又は仲介業者端末出力部504に対する所定の情報の出力指示(例えば、一の手続の完了時に一の手続が完了したことを示す情報の出力指示及び当該一の手続の次の手続に関する情報の出力指示を所定の構成要素に供給する。)等の処理を実行する。
【0043】
(ログイン部102)
ログイン部102は、外部の情報端末である買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50からのログイン情報に基づいて進捗管理サーバ10へのログイン処理を実行する。ログイン部102がログイン処理を実行した後、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50は進捗管理サーバ10が提供する所定の機能の実行が許可される。ログイン情報は、ユーザを識別するユーザ情報(例えば、ユーザを一意に識別するユーザID及びパスワード)であってよい。なお、ユーザとは、買主、売主、及び仲介業者である。例えば、買主端末入力部302を介して受け付ける買主のユーザ情報(つまり、買主を一意に識別する買主ID及びパスワード)に基づいて、ログイン部102は進捗管理サーバ10へのログイン処理を実行し、買主端末30において所定の機能の実行を許可する。ログイン部102は、売主端末40及び仲介業者端末50に対しても同様の処理を実行する。
【0044】
(申込書作成部104)
申込書作成部104は、所定の情報に基づいて一の不動産取引の申込書、及び/又はキャッシュレスサービスに関する申込書を作成する。具体的に、申込書作成部104は、仲介業者端末50から仲介業者のログイン情報をログイン部102が取得してログイン処理を実行した後、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける所定の情報、つまり、買主及び売主それぞれの顧客情報並びに買主と売主との間における不動産取引の対象物件の物件情報を受け付ける。例えば、申込書作成部104は、所定の情報として、申込書の作成指示の情報、買主及び売主を特定する情報、物件を特定する情報、及び/又は当該物件の取引に関する情報等を仲介業者端末50に対する仲介業者の入力を介して受け付ける。そして、申込書作成部104は、受け付けた顧客情報及び物件情報等に基づいて、これらの情報を含む一の不動産取引の申込書を作成する。すなわち、申込書作成部104は、仲介業者が仲介業者端末50へ入力する顧客情報及び物件情報に基づいて、買主申込書及び売主申込書を作成する。また、申込書作成部104は、一例として、買主端末入力部302を介して受け付ける買主のキャッシュレスサービスに関する申込の指示及び買主に関する情報(例えば、氏名や署名等)に基づいてキャッシュレスサービスに関する申込書を作成することもできる。申込書作成部104は、売主に対しても同様にキャッシュレスサービスに関する申込書を作成できる。なお、申込書作成部104は、詳細は後述する情報管理サーバ20から通信ネットワーク5を介して顧客情報及び/又は物件情報を取得して買主申込書及び/又は売主申込書、あるいはキャッシュレスサービスに関する申込書を作成してもよい。
【0045】
ここで、顧客情報とは、買主及び売主それぞれの個人情報(例えば、住所、氏名、生年月日、電話番号、連絡先の電子メールアドレス、勤務先、役職、勤務先住所、勤務先電話番号等に関する情報)である。また、物件情報とは、不動産取引の対象の物件である物件に関する情報(例えば、物件名、物件のタイプ(新築/中古、戸建て/マンション等のタイプ)、住所、最寄り駅・最寄りのバス停留所、間取り、設備、所有者、価格、土地面積、専有面積、建築年月、施工業者、固定資産税等に関する情報)である。申込書作成部104は、作成した申込書の申込書情報、すなわち買主申込書の買主申込書情報及び売主申込書の売主申込書情報を手続情報格納部106、修正受付部110に供給する(以下、買主申込書情報を単に「買主申込書」と称し、売主申込書情報を単に「売主申込書」と称する場合がある。また、買主申込書及び売主申込書を併せて「申込書」と称し、買主申込書情報及び売主申込書情報を併せて「申込書情報」と称する場合もある。)。
【0046】
(手続情報格納部106)
手続情報格納部106は、少なくとも不動産取引の申込みから不動産取引が完了するまでの各種手続に関する手続情報を格納する。例えば、
図4(a)に示すように手続情報格納部106は、不動産取引を識別する取引ID及び当該不動産取引における各種手続それぞれを識別する手続IDに対応付けて手続情報を格納する。手続情報としては、一例として、各種手続に用いられる書式の雛形データ(例えば、申込書作成部104が作成する買主申込書及び売主申込書の雛形データ等)、申込書作成部104が作成した売主申込書の売主申込書情報及び買主申込書の買主申込書情報、不動産取引における各種手続の全体の流れ(つまり、不動産取引の申込みから不動産取引が完了するまでに要求される各種手続の流れ)を示すフロー情報、その他の様々な手続に関するその他の手続情報が挙げられる。なお、申込書作成部104は、手続情報格納部106に申込書の雛形データが格納されている場合、当該雛形データを用いて申込書を作成してよい。また、申込書作成部104は、作成した申込書を手続情報格納部106に格納する。この場合、手続情報格納部106は、申込書情報を取引ID及び手続IDに対応付けると共に、申込書の作成年月日及び/又は申込書情報の手続情報格納部106への格納年月日に対応付けて格納できる。手続情報格納部106は、進捗管理サーバ10、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50からの所定の要求に応じ、所定の情報を進捗管理サーバ10、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50のそれぞれに供給する。
【0047】
(出力制御部108)
出力制御部108は、所定の情報を買主端末出力部304、売主端末出力部404、及び/又は仲介業者端末出力部504に出力させる。すなわち、出力制御部108は、買主端末入力部302を介して受け付ける買主の所定の指示、売主端末入力部402を介して受け付ける売主の所定の指示、及び/又は仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の所定の指示に基づいて、所定の情報を買主端末出力部304、売主端末出力部404、及び/又は仲介業者端末出力部504に出力させる。例えば、出力制御部108は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける所定の指示(例えば、サービス概要の表示指示)に基づいて手続情報格納部106に格納されているフロー情報を、仲介業者端末出力部504に出力させる。これにより、仲介業者は、買主及び/又は売主に対し、不動産取引サービスの概要や不動産取引における手続の流れの全体像、各種手続の内容、各種手続に必要な書類等の情報を提示して不動産取引サービスを説明できる。出力制御部108は、買主端末入力部302及び売主端末入力部402を介して受け付ける所定の指示についても同様の処理を実行することができる。
【0048】
また、出力制御部108は、不動産取引における手続が完了するたび、後述するページ生成部120が生成した顧客専用ページ(つまり、買主専用ページ及び売主専用ページ)における手続項目(完了した手続に関する手続項目)及び当該手続項目の内容、並びに当該手続項目の次の手続項目(完了した手続の次に実行されるべき手続に関する手続項目)及び当該次の手続項目の内容を更新する。出力制御部108は、買主端末入力部302、売主端末入力部402、及び/又は仲介業者端末入力部502を介して受け付ける所定の情報に応じて進捗管理システム1を構成する各構成要素が実行する処理結果に基づいて、顧客専用ページの出力内容を更新する。これにより顧客が実行した手続の進捗に応じ、次に顧客が実行すべき手続が各顧客専用ページに出力されるので、顧客は、手続の流れ及び実行すべき手続の内容を、随時、容易に把握できる。
【0049】
(修正受付部110)
修正受付部110は、買主による買主申込書の修正指示を買主端末入力部302又は仲介業者端末入力部502を介して受け付けて、当該修正指示に基づいて申込書作成部104が作成した買主申込書を修正する。また、修正受付部110は、売主による売主申込書の修正指示を売主端末入力部402又は仲介業者端末入力部502を介して受け付けて、当該修正指示に基づいて申込書作成部104が作成した売主申込書を修正する。修正指示は、例えば、氏名、住所、連絡先(電話番号や電子メールアドレス)、及び/又は申込内容等に対する修正指示である。修正受付部110が受け付けた修正指示に基づいて修正された買主申込書及び売主申込書はそれぞれ、手続情報格納部106に格納される。例えば、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける申込書の出力指示に応じ、申込書作成部104が作成した申込書を出力制御部108が仲介業者端末出力部504に出力させる。修正受付部110は、仲介業者端末入力部502を介し、当該出力を参照して確認した買主若しくは売主による修正指示を受け付けて申込書の修正を実行する。修正受付部110は、買主端末入力部302又は売主端末入力部402を介して申込書の出力指示及び修正指示を受け付けた場合も同様にして修正を実行できる。なお、修正受付部110は、修正された申込書を手続情報格納部106に格納する場合、修正履歴と共に修正された申込書を手続情報格納部106に格納してよい。
【0050】
(情報取得部112)
情報取得部112は、不動産取引に関する各種の情報を、金融機関サーバ3、情報管理サーバ20、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50を介して取得する。情報取得部112は、取得した情報を手続情報格納部106に格納する。そして、情報取得部112は、取得した情報に関する所定の通知を金融機関サーバ3、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50に供給してよい。また、出力制御部108は、情報取得部112が取得した情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新する。
【0051】
例えば、情報取得部112は、売主の振込先口座に関する情報(一例として、金融機関名、口座種別、店番号、口座番号、名義人名等の情報)を売主端末入力部402又は仲介業者端末入力部502を介して取得する。そして、情報取得部112は、取得した振込先に関する情報を、一の不動産取引の取引ID及び振込先口座に関する情報を取得する手続の手続IDに対応付けて格納する(一例として、その他の手続情報として振込先口座に関する情報を格納する。)。この場合において出力制御部108は、手続情報格納部106に格納した情報に基づいて売主専用ページの出力内容を更新する(例えば、売主の振込先口座が進捗管理システム1に登録された旨を示す情報等を出力する。)。
【0052】
また、例えば、情報取得部112は、所定の口座への所定の資金(例えば、手付金や残金等)の買主による入金及び/又は所定の口座から売主の売主口座等への送金に関する情報を金融機関サーバ3、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50を介して取得して、手続情報格納部106に格納する。情報取得部112は、取得した当該情報に関する所定の通知を金融機関サーバ3、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50に供給する。そして、出力制御部108は、情報取得部112が取得した入金及び/又は送金に関する情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新する。
【0053】
更に、情報取得部112は、買主と司法書士との面談、及び売主と司法書士との面談に関する情報(例えば、面談日程、面談の終了、面談内容等に関する情報)を取得することもできる。例えば、情報取得部112は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の入力に基づいて、仲介業者が電話や電子メール等を用いてヒアリングして得た面談日程に関する情報(面談日程情報。例えば、日程、持ち物等に関する情報)を取得し、手続情報格納部106に格納する。そして、情報取得部112は、面談日程情報を買主端末30及び売主端末40に電子メール等を用いて供給する。更に出力制御部108は、情報取得部112が取得した面談日程情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページに面談日程に関する情報を出力可能にさせる。情報取得部112及び出力制御部108は、面談の内容に関する情報(面談内容情報)、面談が完了したことを示す情報(面談完了情報)、及び/又は買主と所定の金融機関との間における金消契約に関する情報についても同様の処理を実行する。
【0054】
(署名取得部114)
署名取得部114は、顧客の電子的な署名を取得する。すなわち、署名取得部114は、情報端末の入力部を介して一の不動産取引の申込書及び/又はキャッシュレスサービスに関する申込書に対する承認を示す顧客自身の電子的な署名(例えば、電子サインや電子印鑑等)を取得する。例えば、署名取得部114は、情報端末のタッチパネルを介して顧客自身が署名した顧客の氏名を電子的な署名として取得する。そして、署名取得部114は、取得した電子的な署名を当該一の不動産取引の申込書に対応付ける。署名取得部114は、電子的な署名が対応付けられた申込書に関する情報を手続情報格納部106に格納する。手続情報格納部106は、例えば、取引ID及び手続IDに対応付けて、電子的な署名に関する情報及び当該電子的な署名が対応付けられた申込書に関する情報を格納する。
【0055】
具体的に、署名取得部114は、買主自身から取得する買主申込書に対する承認を示す電子サインを買主申込書に対応付け、売主自身から取得する売主申込書に対する承認を示す電子サインを売主申込書に対応付ける。すなわち、署名取得部114は、買主端末入力部302若しくは仲介業者端末入力部502を介し、一の不動産取引の買主申込書に対する承認を示す買主自身の直筆による電子サインを取得し、買主申込書に当該電子サインを対応付ける。また、署名取得部114は、売主端末入力部402若しくは仲介業者端末入力部502を介し、一の不動産取引の売主申込書に対する承認を示す売主自身の直筆による電子サインを取得し、売主申込書に当該電子サインを対応付ける。なお、署名取得部114は、一の不動産取引(つまり、今回の買主と売主との間における不動産取引)に対する電子サインである限り、買主自身の電子サインの取得タイミングと売主自身の電子サインの取得タイミングとを同時にすることは要さず、両取得タイミング間にタイムラグがあってよい。なお、署名取得部114は、買主自身から取得するキャッシュレスサービスに関する申込書に対する承認を示す電子サインをキャッシュレスサービスに関する申込書に対応付け、売主自身から取得するキャッシュレスサービスに関する申込書に対する承認を示す電子サインをキャッシュレスサービスに関する申込書に対応付けてもよい。また、署名取得部114は、紙面を介して顧客の署名を取得することを妨げない。
【0056】
(情報供給部116)
情報供給部116は、買主端末30及び売主端末40、並びに金融機関サーバ3のそれぞれに買主と売主との間の不動産取引に関する各種情報(例えば、申込書情報等)や所定の通知に関する情報を、通信ネットワーク5を介して供給する。例えば、情報供給部116は、署名取得部114が買主自身の電子サインを取得した後、申込書作成部104が作成した買主申込書の内容を示す情報を買主端末30に供給する。また、情報供給部116は、署名取得部114が売主自身の電子サインを取得した後、申込書作成部104が作成した売主申込書の内容を示す情報を売主端末40に供給する。
【0057】
また、情報供給部116は、不動産取引に関する各種手続(例えば、売買契約の案内に関する手続等)の案内に関する情報(案内情報)を買主端末30及び/又は売主端末40のそれぞれに供給することもできる。この場合において出力制御部108は、情報供給部116が供給した案内情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページに当該案内情報を出力可能にさせる。
【0058】
(契約準備部118)
契約準備部118は、申込書の内容に所定の契約関連情報を加えた契約準備情報を生成する。具体的に、契約準備部118は、申込書作成部104が作成した申込書の内容に仲介業者端末入力部502を介して受け付ける所定の契約関連情報を対応付けた契約準備情報を生成する。契約準備部118は、生成した契約準備情報を申込書に対応付けて手続情報格納部106に格納する。また、契約準備部118は、契約準備情報を生成したことを示す情報をページ生成部120に供給する。すなわち、契約準備部118は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける契約関連情報を買主申込書(修正受付部110が修正指示を受け付けていた場合、修正後の買主申込書)の内容に加えた契約準備情報を生成し、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける契約関連情報を売主申込書(修正受付部110が修正指示を受け付けていた場合、修正後の売主申込書)の内容に加えた契約準備情報を生成する。契約関連情報としては、例えば、契約日、残金の送金予定日、売買価格、仲介業者の手数料等に関する情報が挙げられる。契約準備部118は、生成した買主の契約準備情報及び売主の契約準備情報を一の不動産取引の取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納する。
【0059】
(ページ生成部120)
ページ生成部120は、進捗管理サーバ10上に顧客専用のページ(顧客専用ページ)を生成する。顧客専用ページは、通信ネットワーク5を介して進捗管理サーバ10に接続した情報端末において顧客が参照可能な不動産取引に関する各種の情報が出力されるページである。すなわち、ページ生成部120は、買主及び売主それぞれの任意のタイミングで参照可能な一の不動産取引に関する買主専用ページ及び一の不動産取引に関する売主専用ページを生成する。買主専用ページは、買主申込書の内容を含み得るページであり、売主専用ページは売主申込書の内容を含み得るページである。
【0060】
そして、出力制御部108は、買主及び/又は売主によって一の不動産取引における一の手続が実行された後、ページ生成部120が生成した買主専用ページ及び売主専用ページの当該一の手続に関する出力内容を更新する。この場合において出力制御部108は、一の手続の次に買主及び/又は売主が実行すべき他の手続の内容を買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれに一の手続の内容の出力態様とは異なる出力態様で出力する。
【0061】
例えば、ページ生成部120は、契約準備部118から契約準備情報を生成したことを示す情報を受け取ったことを契機とし、買主自身の電子サインが対応付けられた買主申込書の内容及び/又は契約準備部118が生成した買主の契約準備情報を含む買主専用の買主専用ページと、売主自身の電子サインが対応付けられた売主申込書の内容及び/又は契約準備部118が生成した売主の契約準備情報を含む売主専用の売主専用ページとを生成する。なお、ページ生成部120は、買主専用ページを生成するときに買主申込書の内容が存在しない場合、買主申込書の内容を含まない買主専用ページを生成し、申込書作成部104が買主申込書を作成した後に予め生成した買主専用ページに買主申込書の内容を反映させてもよい。同様に、ページ生成部120は、売主専用ページを生成するときに売主申込書の内容が存在しない場合、売主申込書の内容を含まない売主専用ページを生成し、申込書作成部104が売主申込書を作成した後に予め生成した売主専用ページに売主申込書の内容を反映させてもよい。また、ページ生成部120は、買主専用ページを指定する買主URLを含むデータ、及び売主専用ページを指定する売主URLを含むデータをそれぞれ生成する。ページ生成部120は、生成した買主URLを含むデータを買主端末30に供給し、生成した売主URLを含むデータを売主端末40に供給する。
【0062】
ページ生成部120が生成する顧客専用ページ(買主専用ページ及び売主専用ページ)は、例えば、一の不動産取引の各種手続の流れを示すフロー情報を含むページである。買主専用ページは、各種手続の流れに沿って配列される複数の項目それぞれに買主申込書の内容に応じた情報が対応付けられて出力されるページである。また、売主専用ページは、各種手続の流れに沿って配列される複数の項目それぞれに売主申込書の内容に応じた情報が対応付けられて出力されるページである。具体的に当該ページには、一の不動産取引において買主及び/又は売主が実行することを要する一以上の手続それぞれに対応する項目が時系列に沿って配列され、一の手続の項目(手続項目)には当該一の手続において買主及び/又は売主が実行すべき具体的な内容や当該一の手続において買主及び売主が用意すべき書類等に関する情報(準備情報)が表示される。また、ページ生成部120は、買主申込書及び/又は買主の契約準備情報によって異なる内容を含む買主専用ページを生成でき、売主申込書及び/又は売主の契約準備情報によって異なる内容を含む売主専用ページを生成できる。更に、出力制御部108は、ページ生成部120が生成した買主専用ページ及び売主専用ページのそれぞれを、一の不動産取引の進行に応じて更新する。つまり、出力制御部108は、一の不動産取引の手続ごとに手続の終了を示す情報を買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50から取得し、当該情報に基づいてページ生成部120が生成した買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの当該手続の手続項目の内容を更新し、買主端末出力部304及び売主端末出力部404に更新後の買主専用ページ及び売主専用ページをそれぞれ出力させる。例えば、出力制御部108は、一の不動産取引に関して実行された司法書士との面談に関する情報、一の不動産取引に関して実行された登記申請に関する情報、及び登記申請の登記完了に関する情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページを更新して所定の出力部に出力させる。ページ生成部120は、生成した買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれを手続情報格納部106に格納する。
【0063】
(キャッシュレス部122)
キャッシュレス部122は、顧客による所定の入力指示を受け付けて、一の不動産取引における決済のキャッシュレスによる手続の進行を可能にする。当該決済は、例えば、手付金の決済、残金の決済、仲介手数料の決済、司法書士の手数料の決済、及び登記費用の決済のうち少なくとも1つの決済を含む。具体的にキャッシュレス部122は、買主端末入力部302を介して受け付ける買主のログイン情報に基づいて進捗管理サーバ10へのログイン処理が実行された後、再度、買主端末入力部302を介して受け付けるキャッシュレス部122が提供するキャッシュレス手続進行用のログイン処理が実行されたことを条件に、不動産取引決済のキャッシュレスによる手続の進行を可能にする。また、キャッシュレス部122は、売主端末入力部402を介して受け付ける売主のログイン情報に基づいて進捗管理サーバ10へのログイン処理が実行された後、再度、売主端末入力部402を介して受け付けるキャッシュレス部122が提供するキャッシュレス手続進行用のログイン処理が実行されたことを条件に、不動産取引決済のキャッシュレスによる手続の進行を可能にする。
【0064】
より具体的に、まず、ログイン部102は、買主端末入力部302を介して受け付ける進捗管理サーバ10への買主のログイン情報に基づいて、進捗管理サーバ10への買主端末30のログインを許可する(第1のログイン)。次に、ログイン部102は、買主端末出力部304の所定の領域に出力されるキャッシュレス指示ボタンに対する買主の操作指示を、買主端末入力部302を介して受け付ける。ログイン部102は、当該操作指示に応じ、買主端末入力部302を介して受け付けるキャッシュレス手続用のページ(例えば、進捗管理サーバ10上の買主専用ページ内に開設されるページ)へのログインのための買主のログイン情報に基づいて、キャッシュレス手続用のページへのログインを許可する(第2のログイン)。これにより、キャッシュレス部122は、進捗管理サーバ10によるキャッシュレス手続の進行を可能にする。キャッシュレス部122は、売主端末40に対しても、売主端末入力部402を介して受け付ける売主からの第1のログイン及び第2のログインの要求に基づいて、同様の処理を実行する。キャッシュレス部122は、キャッシュレス手続の進行が可能になったことを示す情報を、入金依頼部124に供給する。また、出力制御部108は、キャッシュレス手続の進行が可能になったことを示す情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページを更新する。なお、ログイン部102は、第1のログインから予め定められた時間が経過する前に第2のログインを受け付けるようにしてもよい。すなわち、ログイン部102は、第1のログインから予め定められた時間が経過した後、第2のログインを受け付けず、買主端末30及び/又は売主端末40に対し、第1のログインからログインをやり直すことを要求する情報を通知してもよい。
【0065】
(入金依頼部124)
入金依頼部124は、キャッシュレス手続の進行中において、所定の口座(例えば、信託口座等)へ不動産取引における所定の金銭の入金を買主に依頼する依頼情報を買主端末30に供給する。また、入金依頼部124は、依頼情報を出力制御部108に供給し、出力制御部108は買主専用ページの所定の手続項目に依頼情報を反映させて出力する。例えば、入金依頼部124は、所定の口座への手付金の入金を買主に依頼する手付金依頼情報を買主端末30に供給すると共に(例えば、買主の電子メールアドレス宛に手付金入金依頼メールを送信する)、出力制御部108を介して買主専用ページに手付金依頼情報を買主に通知したことを反映させる。また、入金依頼部124は、所定の口座への残金の入金を買主に依頼する残金依頼情報を買主端末30に供給すると共に(例えば、買主のメールアドレス宛に残金入金依頼メールを送信する)、出力制御部108を介して買主専用ページに残金依頼情報を買主に通知したことを反映させる。入金依頼部124は、入金の依頼情報を買主端末30に供給したことを示す情報を入金確認部126、指図書作成部130に供給する。
【0066】
(入金確認部126)
入金確認部126は、所定の口座へ手付金が入金されたこと、及び所定の口座へ残金が入金されたことを、買主端末30及び所定の口座を有する金融機関からの情報に基づいて確認する。すなわち、入金確認部126は、買主端末30において依頼情報(例えば、手付金依頼情報や残金依頼情報等)を確認した買主が所定の資金(例えば、手付金や残金等)を所定の口座に入金した後(例えば、ネットバンキング等によって入金した後)、所定の口座に所定の資金が入金されたことを確認する。例えば、仲介業者は、所定の口座を有する金融機関に電話や電子メール等を用いてヒアリングし、所定の口座へ所定の資金の入金が確認されたことを示す情報(入金確認情報)を取得する。入金確認部126は、仲介業者端末入力部502を介して仲介業者が入力する入金確認情報を仲介業者端末50から取得し、所定の口座に所定の資金が入金されたことを確認し、入金が確認されたことを示す情報を生成する。入金確認部126は、当該情報を買主端末30に供給すると共に、出力制御部108を介して買主専用ページに入金が確認されたことを反映させる。出力制御部108は、売主専用ページにおいても入金が確認されたことを反映させてもよい。入金確認部126は、所定の資金の所定の口座への入金が確認されたことを示す情報を明細書作成部128に供給する。
【0067】
(明細書作成部128)
明細書作成部128は、所定の資金(例えば、手付金、自己資金、融資金等)が所定の口座に入金された場合、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の入力指示に応じ、不動産取引の契約に関する情報(例えば、契約日時、受取支払額、振込先等)に基づいて不動産取引に関する契約明細書を作成する。契約明細書としては、手付金等の契約明細書、残金用の契約明細書等が挙げられる。明細書作成部128は、作成した契約明細書を取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納する。また、明細書作成部128は、契約明細書を作成したことを示す情報を指図書作成部130、残金指図書作成部132に供給する。
【0068】
(指図書作成部130)
指図書作成部130は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける買主による手付金の振り込みに関する情報(例えば、振込日、振込口座、振込額等)、契約明細書、及び/又は売主から申し込み時に取得した売主の振込先の口座情報等に基づいて、不動産取引における手付金の振り込みに関する指図書(手付金指図書)を作成する。すなわち、指図書作成部130は、キャッシュレスによる手続が進行可能な状態において、所定の口座への一の不動産取引における手付金の入金後、当該一の不動産取引における手付金の所定の口座から売主の売主口座への送金を指示する手付金指図書を作成する。指図書作成部130は、作成した手付金指図書を手続情報格納部106、金融機関サーバ3に供給する。手続情報格納部106及び金融機関サーバ3はそれぞれ、受け取った手付金指図書を格納して保管する。また、指図書作成部130は、作成した手付金指図書に関する情報を買主端末30及び売主端末40に電子メール(指図書確認メール)等により供給する。また、出力制御部108は、指図書作成部130が作成した手付金指図書の情報を用い、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページにおいて手付金指図書を参照可能にする。
【0069】
(残金指図書作成部132)
残金指図書作成部132は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける買主の残金(例えば、契約金額総額から手付金等を差し引いた金額)の振り込みに関する情報(例えば、振込日、振込口座、振込額等)、契約明細書、売主から申し込み時に取得した売主の振込先の口座情報、及び/又は別途ヒアリング等により取得した登記費用の振込先に関する情報等に基づいて、不動産取引における残金の振り込みに関する指図書(残金指図書)を作成する。すなわち、残金指図書作成部132は、キャッシュレスによる手続が進行可能な状態において、所定の口座への一の不動産取引における残金の入金後、当該一の不動産取引における残金の所定の口座から売主の売主口座への送金を指示する残金指図書を作成する。具体的に、残金指図書作成部132は、買主と売主との間で一の不動産取引に関する売買契約が締結され、手付金指図書に基づいて手付金の売主口座への送金が完了し、所定の口座へ一の不動産取引における残金が入金された後、残金の送金に関する残金指図書を作成する。残金指図書作成部132は、作成した残金指図書を手続情報格納部106、金融機関サーバ3に供給する。手続情報格納部106及び金融機関サーバ3はそれぞれ、受け取った残金指図書を格納して保管する。また、残金指図書作成部132は、作成した残金指図書に関する情報を買主端末30及び売主端末40に電子メール(残金指図書確認メール)等により供給する。また、出力制御部108は、残金指図書作成部132が作成した残金指図書の情報を用い、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページにおいて残金指図書を参照可能にする。
【0070】
なお、情報取得部112は、残金指図書に基づいて実行された所定の口座から売主口座への残金の送金が完了したことを示す送金完了情報を取得して買主端末30及び売主端末40それぞれに取得した送金完了情報を供給することもできる。この場合、出力制御部108は、情報取得部112が取得した送金完了情報に基づいて買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新する。
【0071】
(タスク管理部134)
タスク管理部134は、不動産取引において買主及び売主それぞれが実行することを要する各種の手続ごとに、タスク開始日、タスクの期限日、タスクの実行において必要な書類や持ち物、進捗度等のタスク情報を管理する。そして、タスク管理部134は、タスク情報を買主及び売主が確認できるように、買主端末30及び売主端末40にタスク情報を通知する。また、タスク管理部134は、出力制御部108に指示し、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目にタスク情報を出力させ、タスク情報に係るタスクが完了した場合、当該タスクの完了を示す情報を仲介業者端末50等から受け取る。そして、タスク管理部134は、出力制御部108に指示し、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目に当該タスクが完了したことについて買主及び売主が把握できる態様でタスク情報を出力させる。
【0072】
例えば、タスク管理部134は、出力制御部108を介して買主端末出力部304に出力される買主専用ページにおいて、一の手続項目に係る一の手続についての一のタスク情報を第1の出力態様で出力する。そして、出力制御部108は、タスク管理部134が一の手続についての一のタスク情報で表される内容が完了したことを示す情報を仲介業者端末50から取得した後(例えば、仲介業者端末入力部502を介して取得する仲介業者による一の手続について手続が完了したことを示す情報を取得した後)、買主専用ページに出力させていた一の手続項目の一の手続についての一のタスク情報の出力態様を第1の出力態様とは異なる第2の出力態様に変化させる。例えば、第2の出力態様は第1の出力態様より目立たない態様、所定のマーク(例えば、手続が完了したことを示す完了マークやチェックマーク)が付与された態様、若しくは出力をさせない態様(消去する態様)であってよい。
【0073】
一例として、タスク管理部134は、一の手続としての不動産売買契約手続についての一のタスク情報として、印鑑証明書の持参を売主に示すタスク情報を売主専用ページに出力させる。売主端末入力部402を介して売主が当該タスク情報を確認したことを示す入力指示をタスク管理部134が受け付けた場合、出力制御部108は、売主専用ページにおける当該タスク情報の出力を終了する(例えば、売主専用ページにおける当該タスク情報の表示を消去する。)。タスク管理部134及び出力制御部108は、不動産取引の各種手続それぞれについて、売主専用ページに対して同様の処理を実行する。また、タスク管理部134及び出力制御部108は、買主専用ページにおいても同様の処理を実行する。このようにしてタスク管理部134は、買主及び売主が一の不動産取引において実行すべきタスクを管理する。
【0074】
また、タスク管理部134は、買主及び売主それぞれがすべき手続の期限日前(つまり、タスクの期限日前)に、買主及び売主それぞれに当該手続を実行すべきことを通知することもできる。例えば、タスク管理部134は、出力制御部108を介して買主端末出力部304に出力される買主専用ページにおいて、一の手続項目に係る一の手続についての一のタスク情報に当該一のタスク情報の期限日を出力する。タスク管理部134は、この期限日よりも予め定められた日数だけ前の日までに当該一のタスク情報で表されるタスクが完了したことを示す情報を取得しない場合(例えば、買主端末30や売主端末、若しくは仲介業者端末50から取得しない場合)、出力制御部108を介し、買主専用ページに当該一のタスク情報で表されるタスクの実行を買主に促す内容を出力する。また、タスク管理部134は、当該タスクの実行を買主に促す情報を買主端末30に供給する。タスク管理部134は、売主専用ページ及び売主端末40に対しても同様の処理を実行する。
【0075】
(サービス提供部136)
サービス提供部136は、買主及び/又は売主に対し、一の不動産取引に関連する各種のサービスを提供可能にする。サービス提供部136は、例えば、ログイン部102において第1のログインが実行された後の買主端末30及び/又は売主端末40において、買主及び/又は売主へのサービスを提供可能にする。すなわち、サービス提供部136は、買主端末入力部302を介して受け付ける買主による入力指示、又は売主端末入力部402を介して受け付ける売主による入力指示に基づいて、買主又は売主が所定のサービスの提供を申込み可能なサービス提供用のサイトに買主端末30又は売主端末40を接続させる。買主又は売主は、当該サイトにおいて所定のサービスに対して申込みすることができる。各種のサービスとしては、例えば、仲介業者等が提供する所定のグループへの会員登録サービス、火災保険や地震保険への加入受付サービス、住宅の各種設備(キッチン、浴室、トイレ等)の購入サービス、リフォームの提供サービス、家具等の購入サービス、住宅内や設備の清掃サービス、税務相談サービス、その他の不動産や住居・住宅設備等に関連する各種サービスが挙げられる。
【0076】
<情報管理サーバ20の構成の詳細>
情報管理サーバ20は、進捗管理システム1において用いることができる顧客情報及び物件情報を管理する。情報管理サーバ20は、仲介業者端末50から所定の指示を受け付けて、仲介業者端末50に所定の情報を供給する。また、情報管理サーバ20は、仲介業者端末50等の外部の情報端末から顧客情報及び/又は物件情報を取得して管理することができる。
【0077】
(顧客情報格納部202)
顧客情報格納部202は、顧客を識別する顧客IDに対応付けて顧客情報を格納する。顧客は買主及び売主である。顧客情報としては、顧客の個人情報(例えば、住所、氏名、生年月日、性別、家族構成、職業、勤務先、電話番号、電子メールアドレス等の情報)、顧客による不動産の購入希望若しくは売却希望の内容に関する情報(例えば、購入若しくは売却希望金額、購入若しくは売却希望時期等に関する情報)等である。顧客情報格納部202は、進捗管理システム1を構成する各構成要素からの要求に応じ、所定の情報を所定の構成要素へ供給する。
【0078】
(物件情報格納部204)
物件情報格納部204は、物件を識別する物件IDに対応付けて物件情報を格納する。物件情報としては、物件に関する情報(例えば、物件名、住所、価格、管理費、修繕積立金、専有面積、敷地面積、階建、築年月日、及び/又は間取り、その他物件の詳細に関する情報等)、当該物件の周辺環境に関する情報、当該物件に関する情報提供者に関する情報等が挙げられる。物件情報格納部204は、進捗管理システム1を構成する各構成要素からの要求に応じ、所定の情報を所定の構成要素へ供給する。
【0079】
(情報管理サーバ通信部206)
情報管理サーバ通信部206は通信網(例えば、通信ネットワーク5)を介して、顧客情報格納部202及び/又は物件情報格納部204が格納している各種の情報を進捗管理サーバ10、買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50に供給する。また、情報管理サーバ通信部206は、通信網を介して買主端末30、売主端末40、及び/又は仲介業者端末50からの顧客情報及び/又は物件情報を受け取る。情報管理サーバ通信部206は、受け取った顧客情報を顧客情報格納部202に格納し、受け取った物件情報を物件情報格納部204に格納する。
【0080】
<買主端末30の構成の詳細>
(買主端末入力部302)
買主端末入力部302は、買主からの所定の指示や操作等の入力を受け付ける。当該入力は音声による入力であってもよい。買主端末入力部302は、買主端末30の所定の構成要素に当該指示を供給する。当該指示を受け付けた各構成要素はそれぞれ所定の機能を発揮する。買主端末入力部302は、買主からの操作入力を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、モーションセンサ、マイク等)である。本実施形態では買主端末入力部302が、買主端末30が有するタッチパネルである例を説明する。なお、タッチパネルは、マルチタッチ検出可能であってよい。具体的に、買主端末入力部302としてのタッチパネルは、買主からの操作等が入力される入力面と入力面に入力された操作に関する情報を取得する入力制御部とを有する。タッチパネルは、買主端末出力部304である表示部に重ねて配置され、タッチパネルの表面が入力面に対応する。
【0081】
例えば、表示部には所定の指示を受け付ける領域が表示され、入力面は、入力面の当該領域に対する買主の操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スワイプ操作等)により指定された位置における所定の指示を検知する。入力面は検知した情報、すなわち、検知した位置における所定の指示を示す情報を入力制御部に供給する。入力制御部は、入力面から所定の指示を示す情報を取得し、買主端末通信部306を介して進捗管理システム1の所定の構成要素に当該情報を供給する。
【0082】
(買主端末出力部304)
買主端末出力部304は、出力制御部108に制御され、不動産取引に関する各種情報を出力する。買主端末出力部304は、買主に知覚可能に各種の情報を出力する。具体的に出力制御部108は、各構成要素における各種処理結果等を、所定形式のデータ、静止画像、動画像、音声、テキスト、及び/又は振動等として買主端末出力部304に出力させる。買主端末出力部304は、外部のサーバ、すなわち、進捗管理サーバ10、及び/又は情報管理サーバ20から受け取る情報を出力することもできる。なお、買主端末出力部304は、各種情報を表示する表示部、音声を出力するスピーカー等の音声出力部、及び/又は所定の情報に応じて振動を発生する振動部等を有して構成されてよい。そして、表示部は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであってよい。また、買主端末出力部304が出力する情報としては、不動産取引に関する各種の情報、買主専用ページに出力される各種の情報、及び/又は進捗管理システム1の各構成要素が出力する所定の情報等である。
【0083】
(買主端末通信部306)
買主端末通信部306は通信網(例えば、通信ネットワーク5)を介して、買主端末入力部302が受け付けた各種の情報を金融機関サーバ3、進捗管理サーバ10、情報管理サーバ20、及び/又は仲介業者端末50に供給し、通信網を介して金融機関サーバ3、進捗管理サーバ10、情報管理サーバ20、及び/又は仲介業者端末50からの各種の情報を受け取る。買主端末制御部300は、受け取った情報を買主端末30の所定の構成要素に供給する。
【0084】
<売主端末40及び仲介業者端末50の構成の詳細>
売主端末入力部402は、売主からの所定の指示や操作等の入力を受け付ける点を除き買主端末入力部302と略同様の機能を奏するので詳細な説明は省略する。売主端末出力部404及び売主端末通信部406はそれぞれ、買主端末出力部304及び買主端末通信部306と略同様の機能を奏するので詳細な説明は省略する。
【0085】
また、仲介業者端末入力部502は、仲介業者又は買主若しくは売主からの所定の指示や操作等の入力を受け付ける点を除き買主端末入力部302と略同様の機能を奏するので詳細な説明は省略する。仲介業者端末出力部504及び仲介業者端末通信部506はそれぞれ、買主端末出力部304及び買主端末通信部306と略同様の機能を奏するので詳細な説明は省略する。
【0086】
[進捗管理システム1の処理の流れ]
図5は、本実施形態に係る進捗管理システムにおける処理の流れの一例を示す。以下の説明においては、買主が仲介業者を介して売主から不動産物件を購入する例(不動産物件の売買取引の例)を説明する。
【0087】
(i:不動産取引の申込み、申込書の作成、申込書の修正)
まず、ログイン部102は、仲介業者端末入力部502を介して仲介業者から受け付ける仲介業者のログイン情報(仲介業者ログイン情報。すなわち、仲介業者のID及びパスワード)に基づいて、仲介業者端末50からの進捗管理サーバ10へのログイン処理を実行する(ステップ10。以下、ステップを「S」と表す。)。仲介業者端末50が進捗管理サーバ10にログインした後、申込書作成部104は、買主と売主との間における不動産物件の売買取引(つまり、一の不動産取引)の申込書を作成する(S12)。すなわち、申込書作成部104は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者による申込書作成指示、顧客情報、及び物件情報に基づいて、一の不動産取引に対応する買主の買主申込書と一の不動産取引に対応する売主の売主申込書とを作成する。なお、申込書作成部104は、買主端末入力部302を介して受け付ける買主の顧客情報、売主端末入力部402を介して受け付ける売主の顧客情報、及び/又は通信ネットワーク5を介して取得する情報管理サーバ20に予め格納されている顧客情報・物件情報を用いて買主申込書及び/又は売主申込書を作成してもよい。申込書作成部104は、作成した買主申込書及び売主申込書を手続情報格納部106に格納する。
【0088】
そして、例えば、仲介業者端末入力部502を介して仲介業者から受け付ける所定の出力指示(フロー情報の出力指示)に基づいて、出力制御部108は、手続情報格納部106に格納されているフロー情報を仲介業者端末出力部504に出力させる。これにより、仲介業者は、仲介業者端末出力部504に出力されたフロー情報を買主及び/又は売主に提示して不動産取引の一連の流れ、不動産取引において買主及び/又は売主に提供される各種のサービスの概要(例えば、買主及び/又は売主が実行すべき手続や手続の内容、必要書類等に関する説明を含む。)を説明できる。なお、出力制御部108は、買主端末入力部302を介して受け付ける所定の出力指示に基づいてフロー情報を買主端末出力部304に出力させてもよく、売主端末入力部402を介して受け付ける所定の出力指示に基づいてフロー情報を売主端末出力部404に出力させてもよい。この場合、仲介業者は、不動産取引の一連の流れ、不動産取引において買主及び/又は売主に提供される各種のサービスの概要を買主及び/又は売主に対面で説明することを要さない。すなわち、仲介業者は非対面で各種のサービスの概要を買主及び/又は売主に説明できる。
【0089】
ここで、修正受付部110は、買主又は売主による申込書の修正指示を受け付ける(S14)。修正受付部110が修正指示を受け付けた場合(S14のYes)、修正受付部110は、当該修正指示に基づいて申込書作成部104が作成した申込書を修正する(S16)。例えば、修正受付部110は、仲介業者端末入力部502を介して買主の修正指示を受け付ける。また、修正受付部110は、仲介業者端末入力部502を介して売主の修正指示を受け付ける。修正受付部110は、受け付けた修正指示に応じて修正した申込書を手続情報格納部106に格納する。
【0090】
例えば、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける買主申込書の出力指示に応じ、出力制御部108は申込書作成部104が作成した買主申込書を仲介業者端末出力部504に出力させる。買主は出力された買主申込書を参照、及び確認した上で仲介業者端末入力部502を介して修正受付部110に修正指示を供給する。そして、修正受付部110は、当該修正指示に応じ、買主申込書を修正する。同様に、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける売主申込書の出力指示に応じ、出力制御部108は申込書作成部104が作成した売主申込書を仲介業者端末出力部504に出力させる。売主は出力された売主申込書を参照、及び確認した上で仲介業者端末入力部502を介して修正受付部110に修正指示を供給する。そして、修正受付部110は、当該修正指示に応じ、売主申込書を修正する。
【0091】
ここで、売主申込書の作成後、情報取得部112は、売主が所有する口座(つまり、売主の振込先口座)を特定する情報(売主口座情報)を売主端末入力部402又は仲介業者端末入力部502を介して取得する。なお、情報取得部112は、売主申込書の作成前に売主口座情報を売主端末入力部402又は仲介業者端末入力部502を介して取得してもよい。この場合、申込書作成部104は、売主口座情報が取得された後に売主申込書を作成する。また、情報取得部112は、申込書作成部104における売主申込書を作成するタイミング若しくは売主申込書の作成中に売主口座情報を売主端末入力部402又は仲介業者端末入力部502を介して取得してもよい。この場合、申込書作成部104は、取得した売主口座情報を含む売主申込書を作成する。情報取得部112は取得した売主口座情報を、取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納する。
【0092】
(ii:申込書に対する署名、申込書の確認)
修正受付部110が修正指示を受け付けなかった場合、つまり買主及び/又は売主による修正指示がなかった場合(S14のNo)、又は修正受付部110が申込書に修正を施した後、署名取得部114は、買主申込書に対する買主自身の電子的な署名(電子サイン)、及び売主申込書に対する売主自身の電子的な署名(電子サイン)を取得する(S18)。例えば、署名取得部114は、仲介業者端末入力部502を介して買主自身の電子サインを取得し、買主申込書に対応付ける。同様に、署名取得部114は、仲介業者端末入力部502を介して売主自身の電子サインを取得し、売主申込書に対応付ける。署名取得部114は、取得した電子サインを申込書に対応付けて手続情報格納部106に格納する。
【0093】
そして、情報供給部116は、署名取得部114が買主の電子サインを取得した後、買主端末入力部302又は仲介業者端末入力部502を介して受け付ける申込書の供給指示に基づいて買主申込書を買主端末30に供給する。また、情報供給部116は、署名取得部114が売主の電子サインを取得した後、売主端末入力部402又は仲介業者端末入力部502を介して受け付ける申込書の供給指示に基づいて売主申込書を売主端末40に供給する。これにより、買主及び売主はそれぞれ、自身の申込書の内容を買主端末30及び売主端末40で確認可能になる。
【0094】
(iii:契約準備)
続いて、契約準備部118は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者による所定の情報を、申込書作成部104が作成した買主申込書の内容に対応付けることにより契約準備情報(買主の契約準備情報)を生成する。同様にして、契約準備部118は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者による所定の情報を、申込書作成部104が作成した売主申込書の内容に対応付けることにより契約準備情報(売主の契約準備情報)を生成する。これにより、契約準備部118は、一の不動産取引の契約手続進行の準備を完了させる(S20)。
【0095】
(iv:顧客専用ページの生成)
ページ生成部120は、買主専用の買主専用ページ及び買主専用ページを指定する買主URL、並びに売主専用の売主専用ページ及び売主専用ページを指定する売主URLを生成する(S22)。そして、ページ生成部120は、生成した買主URLを含む情報を買主端末30に通信ネットワーク5を介して供給し、生成した売主URLを含む情報を売主端末40に通信ネットワーク5を介して供給する(S22)。買主専用ページ及び売主専用ページはそれぞれ、進捗管理サーバ10上で通信ネットワーク5を介して売主端末40及び買主端末30にアクセス可能にされる。なお、ページ生成部120は、買主URLを含むデータを買主端末30に供給するときに、不動産取引に関する契約の準備を依頼する情報も買主端末30に供給し、売主URLを含むデータを売主端末40に供給するときに、不動産取引に関する契約の準備を依頼する情報も売主端末40に供給してよい。これにより買主及び売主は、一の不動産取引の契約の準備に取り掛かることができる。
【0096】
(v:顧客による顧客専用ページへのログイン、顧客専用ページの出力)
顧客専用ページが生成された後、顧客による顧客専用ページへのログインが可能になる。なお、ここでは買主端末30に買主専用ページが出力される例を説明するが、売主端末40に売主専用ページが出力される処理も買主専用ページが出力される処理と同様であるので詳細な説明は省略する(つまり、買主が売主に置き換わる点を除き、同様の処理が実行される。)。
【0097】
まず、ログイン部102は、買主端末入力部302を介して受け付ける買主によるログイン指示に応じ、買主URLで指定される買主専用ページへのログインを受け付ける。ログイン部102による買主専用ページへの買主端末30のログイン処理後(第1のログイン処理後)、出力制御部108は、ページ生成部120が生成した、一の不動産取引(つまり、今回の不動産取引)の各種手続の流れに関する情報(フロー情報)を含む買主専用ページを買主端末出力部304に出力させる(S24)。なお、出力制御部108は、買主申込書の内容及び買主の契約準備情報に基づいて生成される買主用の各種手続の流れに関する情報を買主専用ページに出力してもよい。また、出力制御部108は、買主端末入力部302を介して受け付ける買主の所定の入力指示に基づいて、不動産取引の申込みから登記が完了するまでの各種手続に関する流れの一部若しくは全部を買主専用ページに出力することもできる。買主専用ページにおいては、一の不動産取引の各種手続のすべて又は1若しくは2以上の手続の項目(手続項目)が手続順に沿って一覧表示されていてよい。そして、ログイン部102は、買主の所望のタイミングにおけるログインを受け付け、出力制御部108は、ログイン部102によるログインの受け付け後、各種手続の流れを含む買主専用ページを買主端末出力部304に出力させることができる。これにより、買主は、任意のタイミングで不動産取引の全体の流れを確認できる。
【0098】
また、出力制御部108は、買主及び/又は売主による不動産取引における手続の進行に基づいて買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新し、買主及び/又は売主が実行すべき手続内容を買主専用のページ及び売主専用のページの所定の領域に出力する。すなわち、出力制御部108は、進捗管理システム1を構成する各構成要素から所定の情報を受け取り、受け取った情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容の更新、及び/又は所定の情報の所定領域への出力を実行する。
【0099】
一例として、買主専用ページには、一の不動産取引における一連の手続の手続項目が時系列に沿って表示される。つまり、第1の手続、第2の手続、・・・第nの手続(但し、nは正の整数)の順に手続が進行する場合、買主専用ページは、この順に手続が進むことを買主に知覚可能にする情報を含む。例えば、
図1(b)に示すように、「ご契約準備」、「ご契約」、「決済と引渡しの準備」等のように手続の進行順に各手続項目が買主専用ページに出力される。そして、出力制御部108は、一の手続が実行される前、当該一の手続において要求される各種情報(例えば、所定の書類等)の準備を買主に促す準備情報を買主専用ページに出力させる。そして、出力制御部108は、一の手続が実行された場合、当該一の手続が完了したことを示す情報を買主専用ページに出力させると共に、当該一の手続の次の他の手続の内容、及び当該他の手続において要求される各種情報の準備を買主に促す情報を出力させる。なお、売主専用ページも買主専用ページと同様である。
【0100】
(vi:キャッシュレス手続の実行)
出力制御部108は、買主専用ページの所定の領域に、キャッシュレスによる不動産取引の実行を受け付けるキャッシュレス指示ボタンを出力させ、キャッシュレス手続の実行を受け付ける(S26)。キャッシュレス部122は、買主端末入力部302を介してキャッシュレス指示ボタンに対する指示がない場合、キャッシュレス手続の実行をせずに出力制御部108に買主専用ページの出力を継続させる(S26のNo)。一方、キャッシュレス部122が買主端末入力部302を介してキャッシュレス指示ボタンに対する指示を受け付けた場合(S26のYes)、ログイン部102は、買主端末入力部302を介して再度のログイン(第2のログイン)の買主による指示を受け付ける(S28)。
【0101】
ログイン部102が第2のログインの指示を受け付けない場合(S28のNo)、キャッシュレス部122はキャッシュレス手続の実行をせずに出力制御部108に買主専用ページの出力を継続させる。一方、ログイン部102が第2のログインの指示を受け付けた場合(S28のYes)、キャッシュレス部122は、進捗管理サーバ10によるキャッシュレス手続の実行を可能にする(S30)。そして、キャッシュレス部122によるキャッシュレス手続の実行が可能にされた後、出力制御部108は、キャッシュレス手続に関する情報(例えば、手続情報格納部106に格納されているキャッシュレス手続に関する情報)を買主専用ページの所定の手続項目に出力することで買主専用ページを更新する。これにより買主は、キャッシュレス手続の流れ、及びキャッシュレス手続において買主が実行すべき手続の内容等を確認できるようになる。
【0102】
すなわち、出力制御部108は買主専用ページを更新し、現時点で買主がすべき手続や作業(この場合、キャッシュレス手続の確認等。以下、現時点ですべき手続等を「現手続」という場合がある。)の実行を買主に促す情報を、所定の手続項目に出力させる。この場合において出力制御部108は、現手続に関する手続項目の出力態様を、次にすべき手続(この場合、手付金に関する手続。以下、次にすべき手続を「後続手続」という場合がある。)に関する手続項目の出力態様と異なる態様(一例として、現手続を目立たせる態様)で出力する。そして、タスク管理部134は、買主端末入力部302を介して現手続の実行完了についての情報を買主から受け付けた場合、出力制御部108に指示し、現手続に関する手続項目において現手続の完了についての情報を出力させ、後続手続の実行を買主に促す情報を後続手続に関する手続項目に出力させる。この場合において出力制御部108は、現手続に関する手続項目の出力態様と後続手続に関する手続項目の出力態様とを異なる態様で出力する(一例として、後続手続に関する手続項目を現手続より目立たせる態様で出力する。)。更に、タスク管理部134は、後続手続の実行を買主に促す情報を実行の期限日と共に買主端末30に供給してもよい。
【0103】
なお、以下の説明において、出力制御部108が買主専用ページ及び売主専用ページを更新し、買主及び売主による後続手続の実行を買主及び売主に促す情報を買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの所定の手続項目に出力させる、と説明した場合、上記と同様の処理が出力制御部108及びタスク管理部134により実行されることを意味する(すなわち、現手続の内容及び後続手続の内容が異なる点を除き、上記と同様の処理が実行されることを意味する。)。また、上記では買主によるキャッシュレス手続の実行に関するフローを説明したが、売主についても上記処理と同様であるので詳細な説明は省略する(つまり、買主が売主に置き換わる点を除き、同様の処理が実行される。)。
【0104】
(vii:手付金に関する処理)
続いて、進捗管理システム1による手付金に関する処理が実行される(S32)。まず、入金依頼部124は、キャッシュレス手続の進行中において、所定の口座(例えば、信託口座等)への手付金の入金を買主に依頼する手付金依頼情報を買主端末30に供給する(例えば、買主の電子メールアドレスに、手付金の入金を指定期日までに指定口座へ入金することを依頼する手付金入金依頼メールを送信する。)。そして、出力制御部108は、入金依頼部124が手付金依頼情報を買主端末30へ供給したことに応じ、買主専用のページの所定の手続項目に当該手付金依頼情報が買主へ通知されたことを出力する。入金確認部126は、買主端末30において手付金依頼情報を確認した買主が手付金を所定の口座に入金した後(例えば、ネットバンキング等によって入金した後)、所定の口座に手付金が入金されたことを確認する。
【0105】
一例として、入金確認部126は、手付金の入金完了を示す情報(入金完了情報)の提供を買主に依頼するメール(第1入金確認メール)を、買主による手付金の所定の口座への入金前に買主端末30に送信する。第1入金確認メール内には入金確認部126に入金完了情報を供給するボタンが含まれており、入金確認部126は、買主端末入力部302を介して当該ボタンに対する買主による入力を受け付けて、手付金の入金が完了したことを示す入金完了情報を取得する(例えば、買主端末通信部306、通信ネットワーク5を介して取得する。)。そして入金確認部126は、入金完了情報を買主端末30から受け取った場合、入金完了情報(入金完了メール)を仲介業者端末50に送信する。仲介業者は、入金完了メールに基づいて金融機関に入金の有無を確認する(例えば、電話や電子メールを用いて確認する。)。金融機関は、所定の口座への手付金の入金の有無を示す情報を仲介業者に連絡する(例えば、電話や電子メールを用いて連絡する。)。仲介業者は、金融機関からの連絡により所定の口座への手付金の入金が確認された場合、入金が確認できたことを示す情報(入金確認情報)を入金確認部126に供給する(例えば、入金確認部126は、仲介業者端末入力部502を介して仲介業者から入金確認情報を取得する。)。入金確認部126は、仲介業者端末50を介して金融機関から入金確認情報を受け取り、手付金の入金完了が確認されたことを示すメール(第2入金確認メール)を買主端末30に送信する。また、出力制御部108は、入金確認部126が第2入金確認メールを買主端末30に送信した場合、買主専用ページの所定の手続項目に手付金の所定の口座への入金が完了し、確認されたことを示す情報を出力する。これにより、買主は、買主端末30及び買主専用ページにおいて手付金の入金が完了したことを確認できる。なお、出力制御部108は、入金確認部126が第2入金確認メールを買主端末30に送信した場合、売主専用ページの所定の手続項目に手付金の入金が完了したことを示す情報を出力してもよい。
【0106】
そして、明細書作成部128は、手付金の所定の口座への入金が確認された後、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける一の不動産取引の契約に関する情報(例えば、契約日時、受取支払額、振込先等)に基づいて、一の不動産取引に関する契約明細書を作成する。続いて、指図書作成部130は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける手付金の振り込みに関する情報(例えば、振込日、振込口座、振込額等)、契約明細書、及び/又は売主の振込先の口座情報等に基づいて、一の不動産取引における手付金指図書を作成する。指図書作成部130は、作成した手付金指図書の内容を含む情報を買主端末30及び売主端末40に、例えば、電子メール(指図書確認メール)を用いて供給する。また、出力制御部108は、指図書作成部130が指図書確認メールを買主端末30及び売主端末40に供給した場合、買主専用ページの所定の手続項目及び売主専用ページの所定の手続項目の出力内容を更新し、手続指図書を参照可能にする。出力制御部108は買主専用ページ及び売主専用ページを更新し、買主及び売主による後続手続(例えば、手付金指図書の確認)の実行を買主及び売主に促す情報を、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの所定の手続項目に出力させる。
【0107】
買主は手付金指図書を買主専用ページにおいて確認し、承認する。例えば、指図書作成部130は、出力制御部108に、買主専用ページの所定の手続項目に手付金指図書の内容を確認したことの意思表示を買主から取得する確認ボタンを出力させる。指図書作成部130は、買主端末入力部302を介して当該確認ボタンに対する入力を受け付けて、手付金指図書に対して買主が承認したことを示す情報(承認情報)を取得する。また、指図書作成部130は、手付金指図書の内容を確認して承認した場合における承認情報を指図書作成部130に供給するボタンを指図書確認メール内に含ませていてもよい。この場合、指図書作成部130は、買主端末入力部302を介して当該ボタンに対する入力を受け付けた場合、承認情報を買主端末30から取得する。更に、指図書作成部130は、仲介業者が買主にヒアリングして取得した手付金指図書に承認したことを示すヒアリング結果に基づいて、仲介業者端末入力部502を介して仲介業者が入力する承認情報を取得してもよい。出力制御部108は、手付金指図書が買主によって承認された後(つまり、指図書作成部130が承認情報を取得した後)、買主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページに当該手付金指図書が承認されたことを示す情報を出力させる。そして、出力制御部108は買主専用ページを更新し、買主による後続手続(例えば、売買契約手続)の実行を買主に促す情報を、所定の手続項目に出力させる。なお、上記の指図書確認メール以降の処理の説明では買主による手付金指図書の確認及び承認に関するフローを説明したが、売主についても上記処理と同様であるので詳細な説明は省略する(つまり、買主が売主に置き換わる点を除き、同様の処理が実行される。)。
【0108】
そして、指図書作成部130は、買主端末30及び売主端末40のそれぞれから、手付金指図書に対する承認情報を受け取った後、仲介業者端末50に承認情報を供給する(例えば、電子メールにより供給する。この場合の電子メールの名称は、指図書確認完了メールであってよい。)。また、指図書作成部130は、手付金指図書を手続情報格納部106に格納し、かつ、金融機関(例えば、金融機関サーバ3)に当該手付金指図書を供給する。金融機関は当該手付金指図書を受け取り、保管する。
【0109】
(viii:売買契約に関する処理)
続いて、一の不動産取引における売買契約に関する処理が実行される(S34)。例えば、まず、買主と売主との間で一の不動産取引に関する売買契約が締結される。そして、例えば、仲介業者は、一の不動産取引に関する売買契約が完了したことを示す契約完了情報を金融機関に供給する(一例として、電話や電子メール等を用いて連絡する。)。契約完了情報を受け取った金融機関は、保管してあった手付金指図書に基づいて送金処理を実行し、送金が完了したことを示す送金完了情報を仲介業者に供給する(例えば、電子メール等を用いて連絡する。)。そして、情報取得部112は、仲介業者端末入力部502を介して仲介業者から受け付ける送金完了情報を取得し、取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納する。
【0110】
また、情報取得部112は、取得した送金完了情報に基づいて、手付金の送金が完了したことを示す送金完了情報(送金完了メール)を買主端末30及び売主端末40に供給する。出力制御部108は、情報取得部112が送金完了情報を買主端末30及び売主端末40に供給した場合、買主専用ページの所定の手続項目及び売主専用ページの所定の手続項目に当該送金完了情報を反映させる。すなわち、出力制御部108は、情報取得部112が送金完了情報を取得した後、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページに手付金の送金が完了したことを示す情報を出力可能にさせる。そして、出力制御部108は買主専用ページ及び売主専用ページを更新し、買主及び売主による後続手続(例えば、司法書士との面談)の実行を買主及び売主に促す情報を、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの所定の手続項目に出力させる。
【0111】
(ix:司法書士による本人確認の面談、金消契約に関する処理)
そして、司法書士は、買主及び売主それぞれとの面談日程を調整し、面談日程を設定する。例えば、司法書士が、電話や電子メール等を用いて買主及び売主それぞれと面談日程を調整して設定する。情報取得部112は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の入力に基づいて、仲介業者が司法書士(又は買主若しくは売主)にヒアリングして得た面談日程に関する情報(面談日程情報。例えば、面談日時、持ち物等に関する情報)を取得し、取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納する。また、情報取得部112は、面談日程情報を買主端末30及び売主端末40に電子メール等により供給する。そして、出力制御部108は、情報取得部112が面談日程情報を取得した後、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目に面談日程に関する情報を出力可能にさせる。続いて、買主と司法書士との面談、及び売主と司法書士との面談が実行される(S36)。つまり、買主又は売主と司法書士との間で直接面談が実行される。
【0112】
ここで、本実施形態に係る進捗管理システム1においては、司法書士の業務の遂行し易さの観点から、買主及び/又は売主と司法書士との面談日程の設定を実行しないことが好ましい。すなわち、司法書士はそれぞれ、自身にあったツールや従来から用いてきたツール等を用いて顧客との面談日程を調整し、面談日程を設定している。ここで、司法書士と共に業務を実行する仲介業者は一社だけとは限らず、複数の仲介業者が存在し得る。この複数の仲介業者がそれぞれ、各仲介業者独自の面談日程を設定するシステムを有している場合、司法書士は各仲介業者のシステムに合わせて業務を遂行することを要するだけでなく、場合によってはシステムの使用料を徴収される。しかし、従来から自身の業務にあった面談日程の調整・設定手法を用いてきた司法書士にとって、仲介業者ごとに異なるシステムを用いなければならないとすると、司法書士に無用の労力を強いることになりかねないし、システムの使用料が徴収されるとすると司法書士事務所の経営を圧迫しかねない。そこで、本実施形態においては、一の不動産取引を担当する司法書士がこれまで用いてきた手法によって買主及び/又は売主と司法書士との面談日程の調整及び設定を実行する。そして、本実施形態に係る進捗管理システム1は、司法書士が調整・設定した面談日程を司法書士から取得するようにした。これにより本実施形態に係る進捗管理システム1によれば、司法書士が仲介業者ごとに面談日程の調整や設定をする手法を変えることを要せず、司法書士自身の業務効率の低下を抑制できる。なお、司法書士の業務効率の低下が発生しない範囲であれば、進捗管理システム1は、買主及び/又は売主と司法書士との面談日程の調整/設定をする機能を備えていてもよい。
【0113】
続いて、情報取得部112は、買主及び売主と司法書士との面談が実行された後、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の入力に基づいて、仲介業者がヒアリング(例えば、電話や電子メール等を用いて実行されるヒアリング)して得た面談の内容に関する情報(面談内容情報)を、取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納し、面談が完了したことを示す情報(面談完了情報)を面談内容情報に対応付ける。出力制御部108は、情報取得部112が取得した面談内容情報及び/又は面談完了情報に基づいて、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目に面談内容情報及び/又は面談完了情報を出力可能にさせる。そして、出力制御部108は買主専用ページを更新し、買主による後続手続(例えば、金消契約の手続)の実行を買主に促す情報を、所定の手続項目に出力させる。
【0114】
そして、情報取得部112は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の入力に基づいて、仲介業者が金融機関及び/又は買主へヒアリング(例えば、電話や電子メール等を用いて実行されるヒアリング)して得た金消契約日に関する情報(金消契約日情報)を、取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納する。出力制御部108は、情報取得部112が取得した金消契約日情報に基づいて、買主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページの所定の手続項目に金消契約日情報を出力可能にさせる。また、情報供給部116は、情報取得部112が取得した金消契約日情報等に基づいて、金消契約の案内に関する情報(金消契約案内情報)を買主端末30に供給する。出力制御部108は、情報供給部116が買主端末30に供給する金消契約案内情報に基づいて、買主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページの所定の手続項目に金消契約案内情報を出力させる。
【0115】
次に、例えば、買主と金融機関との間で司法書士の立会いの下、金消契約が締結された場合、金融機関は、仲介業者からのヒアリングに応じ、金消契約完了に関する情報(金消完了情報)を仲介業者に供給する。情報取得部112は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の入力に基づいて、仲介業者が金融機関にヒアリングして得た金消完了情報を、取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納する。出力制御部108は、情報取得部112が取得した金消完了情報に基づいて、買主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページの所定の手続項目に金消完了情報を出力可能にさせる(S36)。そして、出力制御部108は買主専用ページを更新し、買主による後続手続(例えば、残金に関する手続)の実行を買主に促す情報を、所定の手続項目に出力させる。
【0116】
(x:残金に関する処理)
続いて、自己資金の入金がある場合には、金消契約後の残金に関する処理が実行される(S38)。まず、入金依頼部124は、所定の口座(例えば、信託口座等)へ一の不動産取引における買主の資金(例えば、自己資金や融資金等)の入金を買主に依頼する資金入金依頼情報を買主端末30に供給する(資金入金依頼メール)。また、出力制御部108は、買主専用ページの所定の手続項目に当該資金入金依頼情報を出力させる。すなわち、出力制御部108は、入金依頼部124が買主端末30に供給する資金入金依頼情報に基づいて、買主専用ページの出力内容を更新し、買主専用ページの所定の手続項目に資金入金依頼情報を出力可能にさせる。
【0117】
この資金入金依頼情報を参照した買主は、資金を所定の金融機関の所定の口座に入金する。そして、入金確認部126は、買主端末30において資金入金依頼情報を確認した買主が資金を所定の口座に入金した後(例えば、ネットバンキング等によって入金した後)、所定の口座に資金が入金されたことを確認する。例えば、入金確認部126は、資金の入金完了を示す情報(資金入金完了情報)の提供を依頼するメール(第3入金確認メール)を買主端末30に送信する。当該メール内には資金入金完了情報を入金確認部126に供給するボタンが含まれており、入金確認部126は、買主端末入力部302を介して当該ボタンに対する入力を受け付けた場合に資金の入力が完了したことを示す資金入金完了情報を取得する。入金確認部126は、資金入金完了情報を買主端末30から取得した場合、資金入金完了情報(資金入金完了メール)を仲介業者端末50に送信する。仲介業者は、仲介業者端末50に供給された資金入金完了メールに基づいて金融機関に資金の入金の有無を確認する(例えば、電話や電子メールを用いて確認する。)。金融機関は、所定の口座への資金の入金の有無を示す情報を仲介業者に連絡する(例えば、電話や電子メールを用いて連絡する。)。仲介業者は、金融機関からの連絡により所定の口座への買主の資金の入金が確認された場合、資金の入金が確認できたことを示す情報(資金入金確認情報)を、仲介業者端末入力部502を介して入金確認部126に供給する。入金確認部126は、当該資金入金確認情報を受け取り、資金の入金が確認できたことを示す情報(第4入金確認メール)を買主端末30に送信する。また、出力制御部108は、入金確認部126が買主端末30に資金入金確認情報を供給した場合、買主の資金が所定の口座に入金されたことを示す情報を用い、買主専用ページの所定の手続項目を更新する。買主は、買主端末30及び買主専用ページで第4入金確認メールを確認できる。
【0118】
次に、明細書作成部128は、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の指示、及び手続情報格納部106に格納されている一の不動産取引に関する情報(例えば、契約明細書等)に基づいて、一の不動産取引の残金に関する残金明細書(例えば、決済日時、受取支払額、振込先等の情報を含む)を作成する。明細書作成部128は、作成した残金明細書を取引ID及び手続IDに対応付けて手続情報格納部106に格納する。そして、残金指図書作成部132は、残金明細書が作成された後、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける残金(例えば、契約金額総額から手付金を差し引いた額や仲介手数料、登記に要する費用、及び/又は司法書士の手数料等を含む。)の振り込みに関する情報(例えば、振込日、振込口座、振込額等の情報)、契約明細書、及び/又は売主の振込先の口座情報等に基づいて、残金の振り込みに関する指図書(残金指図書)を作成する。残金指図書作成部132は、作成した残金指図書を手続情報格納部106に格納する。また、金融機関(金融機関サーバ3)は、残金指図書作成部132から残金指図書を受け取り、保管する。
【0119】
そして、司法書士は、買主及び売主のそれぞれの生存確認を実行する(例えば、電話等を用いて実行する。)。買主及び売主がそれぞれ、司法書士からの生存確認の連絡に対応することで買主及び売主の生存が確認される。司法書士は、買主及び/又は売主の生存確認が完了したことを示す情報(生存確認情報)を仲介業者に供給する(例えば、電話や電子メールを用いて供給する。)。仲介業者は、司法書士から受け取った生存確認情報に基づいて、金融機関に残金の送金を依頼する情報(残金の送金依頼情報)を金融機関に供給する(例えば、電話や電子メール等を用いて供給する。)。金融機関は残金の送金依頼情報を受け取り、保管してある残金指図書に基づいて送金処理を実行し、送金が完了したことを示す送金完了情報を仲介業者に供給する(例えば、電話や電子メール等を用いて供給する。)。続いて、情報取得部112は、仲介業者端末入力部502を介して仲介業者が入力する送金完了情報を取得し、手続情報格納部106に格納する。
【0120】
情報取得部112は、取得した送金完了情報に基づいて、残金の送金が完了したことを示す送金完了情報(送金完了メール)を買主端末30及び売主端末40に供給する。更に、出力制御部108は、情報取得部112が買主端末及び売主端末40に送金完了情報を供給した場合、買主専用ページ及び売主専用ページに当該送金完了情報を反映させる。すなわち、出力制御部108は、情報取得部112が送金完了情報を取得した後、買主専用ページ及び売主専用ページの所定の手続項目の出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページに残金の送金が完了したことを示す情報を出力可能にさせる。これにより、残金に関する処理が終了する。
【0121】
(xi:登記に関する処理)
残金に関する処理(つまり、決済処理)の終了後、一の不動産取引の対象物件である不動産の登記に関する処理が実行される(S40)。すなわち、決済処理後、司法書士が登記申請を実行する。情報取得部112は、司法書士による登記申請が完了した後、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の指示に応じ、仲介業者が司法書士にヒアリング(例えば、電話や電子メールを用いてヒアリングする)で確認した登記申請が完了したことを示す登記申請完了情報を取得する。情報取得部112は、取得した登記申請完了情報を手続情報格納部106に格納する。また、情報取得部112は、取得した登記申請完了情報に基づいて、登記申請が完了したことを示す登記申請完了情報(登記申請完了メール)を買主端末30及び売主端末40に供給する。そして、出力制御部108は、情報取得部112が登記申請完了情報を買主端末30及び売主端末40に供給した後、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの所定の手続項目に当該登記申請完了情報を反映させる。すなわち、出力制御部108は、情報取得部112が登記申請完了情報を取得した後、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの所定の手続項目に登記申請が完了したことを示す情報を出力可能にさせる。
【0122】
続いて、情報取得部112は、不動産の登記が完了した後、仲介業者端末入力部502を介して受け付ける仲介業者の指示に応じ、仲介業者が司法書士にヒアリングで確認した登記が完了したことを示す登記完了情報を取得する。また、情報取得部112は、残金に関する処理の終了後若しくは登記申請完了情報の取得後、予め定められた期間が経過したときに、司法書士の端末(例えば、司法書士が用いる携帯電話やスマートフォン等の情報端末。以下、「司法書士端末」という場合がある。)に対して登記完了情報の供給を促してもよい。一例として、情報取得部112は、登記完了情報を情報取得部112に対して供給することを要求する電子メールを司法書士端末に送付する。司法書士が、司法書士端末を介して情報取得部112に登記完了情報を供給することで、情報取得部112は、登記完了情報を取得できる。情報取得部112は、取得した登記完了情報を手続情報格納部106に格納する。情報取得部112は、取得した登記完了情報に基づいて、登記が完了したことを示す登記完了情報(登記完了メール)を買主端末30及び売主端末40に供給する。そして、出力制御部108は、情報取得部112が登記完了情報を買主端末30及び売主端末40に供給した後、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの所定の手続項目に当該登記完了情報を反映させる。すなわち、出力制御部108は、情報取得部112が登記完了情報を取得した後、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの出力内容を更新し、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれに登記が完了したことを示す情報を出力可能にさせる。
【0123】
なお、出力制御部108は、買主専用ページの内容や買主専用ページの更新内容の少なくとも一部を売主専用ページにおいて参照可能にすることや、売主専用ページの内容や売主専用ページの更新内容の少なくとも一部を買主専用ページにおいて参照可能にすることもできる。
【0124】
[進捗管理プログラム]
図1~
図5に示した本実施形態に係る進捗管理システム1が備える各構成要素は、中央演算処理装置(CPU)等の演算処理装置(プロセッサ)にプログラム(すなわち、進捗管理プログラム)を実行させること、つまり、ソフトウェアによる処理により実現できる。また、集積回路(Integrated Circuit:IC)等の電子部品としてのハードウェアにプログラムを予め書き込むことで実現することもできる。なお、ソフトウェアとハードウェアとを併用することもできる。
【0125】
すなわち、本実施形態に係る進捗管理プログラムは、プロセッサと、メモリとを備え、不動産取引の進捗管理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。そして、本実施形態に係る進捗管理プログラムは、例えば、ICやROM等に予め組み込むことができる。また、進捗管理プログラムは、インストール可能な形式、又は実行可能な形式のファイルで、磁気記録媒体、光学記録媒体、半導体記録媒体等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータプログラムとして提供することもできる。プログラムを格納している記録媒体は、CD-ROMやDVD等の非一過性の記録媒体であってよい。更に、進捗管理プログラムを、インターネット等の通信ネットワークに接続されたコンピュータに予め格納させ、通信ネットワークを介してダウンロードによる提供ができるようにすることもできる。
【0126】
本実施形態に係る進捗管理プログラムは、CPU等に働きかけて、進捗管理プログラムを、
図1~
図5にかけて説明した進捗管理制御部100、ログイン部102、申込書作成部104、手続情報格納部106、出力制御部108、修正受付部110、情報取得部112、署名取得部114、情報供給部116、契約準備部118、ページ生成部120、キャッシュレス部122、入金依頼部124、入金確認部126、明細書作成部128、指図書作成部130、残金指図書作成部132、タスク管理部134、サービス提供部136、情報管理制御部200、顧客情報格納部202、物件情報格納部204、情報管理サーバ通信部206、買主端末制御部300、買主端末入力部302、買主端末出力部304、買主端末通信部306、売主端末制御部400、売主端末入力部402、売主端末出力部404、売主端末通信部406、仲介業者端末制御部500、仲介業者端末入力部502、仲介業者端末出力部504、及び/又は仲介業者端末通信部506として機能させる。
【0127】
[実施の形態の効果]
従来、ある特定の不動産取引において一連の流れを把握している者は仲介業者等の取引担当者のみであり、不動産取引についての知識に乏しい買主及び売主は、一連の手続のいずれの段階に自身が置かれ、次にどのような手続をすべきかを容易には把握できなかった。つまり、ほとんどの買主及び売主にとって、不動産取引は一生涯において一度、多くても数度程度である。そのため、ほとんどの買主及び売主は、不動産取引についての経験に乏しく、取引においてどのような手続がいかなる順序で実行されるかについて予備知識に乏しい。しかも、多くの場合、不動産取引において取り扱われる金額は非常に大きく、取引自体に失敗したくないという思いを買主及び売主は強く抱いており、不安な状況に置かれている。しかし、本実施形態に係る進捗管理システム1によれば、買主及び売主はそれぞれ、不動産取引の一連の手続の流れを自身が所望するタイミングで自由に把握しつつ(つまり、全体像を把握しつつ)、一連の流れの中で自身が実行した手続の完了ごとに当該手続が完了したことを把握でき、かつ、完了した手続の次に自身がすべき具体的な手続の内容を自身の専用ページを参照することで容易に把握できる。
【0128】
すなわち、進捗管理システム1は、ページ生成部120が生成した買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれに、時系列に沿った手続項目を配列して出力できるので、買主及び売主が不動産取引に不慣れであっても、不動産取引の流れを容易に把握できる。また、出力制御部108が不動産取引の進行に応じて買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれの出力を更新するので、買主及び売主は、手続の進行状況を容易に把握できると共に自身が次になすべき手続も把握しやすい。更に、買主専用ページ及び売主専用ページはそれぞれ、複数の手続項目それぞれに買主及び売主が実行すべきタスクに関する情報(例えば、実行すべき手続、及び当該手続に要する必要書類等に関する情報)を出力するので、買主及び売主は不動産手続において自身がすべきタスク、及び自身が用意すべき持ち物等を容易に把握することができる。
【0129】
このように、本実施形態に係る進捗管理システム1によれば、買主及び売主はそれぞれ自身の顧客専用ページにおいて、不動産取引の申込み後、取引に係る手続の流れの全体像を容易に把握でき、手続の完了ごとに完了した手続が分かると共に次にすべき手続及びその内容を把握できるので(つまり、いわば「やることリスト」に則って手続を進めることができ、かつ、手続の進行に伴って「やることリスト」が自動的に更新されるので)、安心して不動産取引を実行することができる。
【0130】
換言すれば、多くの不動産取引においてはこれまで、仲介業者の営業担当者が買主及び/又は売主への電話や買主及び/又は売主の自宅へ直接訪問することによって不動産取引の各種手続の少なくとも一部の手続が実行されてきた。そのため、不動産取引の全体の流れ、各種手続の具体的内容、各種手続の進捗状況等について買主及び売主は仲介業者(多くは、仲介業者の営業担当者)から直接、聞くことを要した(そのため、営業担当者によって説明の巧拙が存在し得た。)。しかし、本実施形態に係る進捗管理システム1においては、買主専用ページ及び売主専用ページのそれぞれに不動産取引の一連の流れの全体、及び不動産取引の各種手続の内容(つまり、いかなる手続が実行されるかについての情報、及び当該手続において買主及び又は売主が準備すべき書類等に関する情報)が出力され、かつ、買主専用ページ及び売主専用ページのそれぞれにおいては、一の手続が終了した後に各ページが更新され、一の手続の後に実施される次の手続であって、買主及び売主がすべき手続の内容が一の手続及び当該次の手続に引き続いて実行される他の手続とは異なる態様で出力される。そして、買主は買主専用ページを任意のタイミングで参照でき、売主は売主専用ページを任意のタイミングで参照できる。これにより、進捗管理システム1においては、買主及び売主は、仲介業者の手腕によらずに一の不動産取引の流れや手続内容を自身で把握できるので、不動産取引において不安な状況に置かれることなく、安心して不動産取引をすることができる。
【0131】
また、進捗管理システム1は、買主端末30及び売主端末40それぞれを介して買主及び売主それぞれから電子的な署名を取得でき、不動産決済においては非対面取引できること等から、買主及び売主それぞれの手続も従来よりも簡素化できる。これにより、進捗管理システム1によれば、買主及び売主それぞれの不動産取引における手間を低減できる。
【0132】
更に、進捗管理システム1は、買主及び売主から2段階のログインを受け付けた場合に不動産取引のキャッシュレス化を実行できる。これにより、進捗管理システム1によれば、非対面での不動産売買の決済手続を進行させることができ、買主、売主、仲介業者、及び/又は司法書士それぞれの不動産取引における利便性を大幅に向上することができる。
【0133】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せのすべてが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。更に、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品とのような複数の部分に分割されて適用されるようにすることもできる。
【0134】
なお、本実施形態に係る進捗管理システムは、特許請求の範囲と混同されるべきでない以下の付記項でも言及できる。
【0135】
(付記項1)
買主の買主端末、売主の売主端末、及び不動産取引の進捗を管理する進捗管理サーバを備える進捗管理システムであって、
前記買主及び前記売主それぞれの顧客情報並びに前記不動産取引の対象物件の物件情報に基づいて一の不動産取引の申込書を作成する申込書作成部と、
前記買主自身及び前記売主自身それぞれから取得する前記申込書に対する承認を示す電子サインを前記申込書に対応付ける署名取得部と、
前記買主及び前記売主それぞれの任意のタイミングで参照可能な前記一の不動産取引に関する買主専用ページ及び前記一の不動産取引に関する売主専用ページであって、前記買主自身及び前記売主自身それぞれの電子サインが対応付けられた前記申込書の内容を含む前記買主専用ページ及び前記売主専用ページそれぞれを生成するページ生成部と、
前記買主端末及び前記売主端末それぞれを介して前記進捗管理サーバへのログイン処理が実行された後、再度、前記買主端末及び前記売主端末それぞれを介して前記進捗管理サーバへのログイン処理が実行されたことを条件に、前記一の不動産取引のキャッシュレスによる手続を進行可能にするキャッシュレス部と、
前記キャッシュレスによる手続が進行可能な状態において、所定の口座への前記一の不動産取引における手付金の入金後、前記一の不動産取引における前記手付金の前記所定の口座から前記売主の売主口座への送金に関する手付金指図書を作成する指図書作成部と、
前記買主と前記売主との間で前記一の不動産取引に関する売買契約が締結され、前記手付金指図書に基づいて前記手付金の前記売主口座への送金が完了し、前記買主と所定の金融機関との間で金消契約の締結後に前記所定の口座へ前記一の不動産取引における前記買主の自己資金が入金された後、前記一の不動産取引における残金の送金に関する残金指図書を作成する残金指図書作成部と、
前記残金指図書に基づいて実行された前記所定の口座から前記売主口座への前記残金の送金が完了したことを示す送金完了情報を取得し、前記送金完了情報を前記買主端末及び前記売主端末それぞれに供給する情報取得部と、
前記買主及び前記売主による前記一の不動産取引における一の手続が実行された後、前記買主専用ページ及び前記売主専用ページの前記一の手続に関する出力内容を更新し、前記一の手続の次に前記買主及び前記売主が実行すべき他の手続の内容を前記買主専用ページ及び前記売主専用ページそれぞれに前記一の手続の内容の出力態様とは異なる出力態様で出力する出力制御部と
を備える進捗管理システム。
(付記項2)
前記ページ生成部は、前記一の不動産取引の各種手続の流れを示す情報を含み、前記各種手続の流れに沿って配列される複数の項目それぞれに前記申込書の内容に応じた情報が対応付けられた、前記買主専用ページ及び前記売主専用ページをそれぞれ生成する付記項1に記載の進捗管理システム。
(付記項3)
前記所定の口座へ前記手付金が入金されたこと、及び前記所定の口座へ前記自己資金が入金されたことを前記買主端末及び前記所定の口座を有する金融機関からの情報に基づいて確認する入金確認部
を更に備える付記項1に記載の進捗管理システム。
(付記項4)
前記進捗管理システムが、前記買主と前記売主との間の不動産取引を仲介する仲介業者の仲介業者端末を更に備え、
前記申込書作成部が、前記仲介業者端末を介して取得する前記買主及び前記売主それぞれの顧客情報並びに前記物件情報に基づいて前記申込書を作成する付記項1に記載の進捗管理システム。
(付記項5)
前記進捗管理システムが、顧客情報及び物件情報を管理する情報管理サーバを更に備え、
前記申込書作成部が、前記仲介業者端末と双方向通信可能に接続される前記情報管理サーバから前記買主及び前記売主それぞれの顧客情報並びに前記物件情報を取得して前記申込書を作成する付記項4に記載の進捗管理システム。
(付記項6)
前記出力制御部が、前記手付金の前記売主の口座への送金完了後における前記買主と司法書士との間で実施された面談に関する情報及び前記売主と前記司法書士との間で実施された面談に関する情報を、前記買主専用ページ及び前記売主専用ページそれぞれに出力する付記項1に記載の進捗管理システム。
(付記項7)
前記出力制御部が、前記一の不動産取引に関して実行された登記申請に関する情報及び前記登記申請の登記完了に関する情報を前記買主専用ページ及び前記売主専用ページそれぞれに出力する付記項1に記載の進捗管理システム。
【符号の説明】
【0136】
1 進捗管理システム
3 金融機関サーバ
5 通信ネットワーク
10 進捗管理サーバ
20 情報管理サーバ
30 買主端末
40 売主端末
50 仲介業者端末
100 進捗管理制御部
102 ログイン部
104 申込書作成部
106 手続情報格納部
108 出力制御部
110 修正受付部
112 情報取得部
114 署名取得部
116 情報供給部
118 契約準備部
120 ページ生成部
122 キャッシュレス部
124 入金依頼部
126 入金確認部
128 明細書作成部
130 指図書作成部
132 残金指図書作成部
134 タスク管理部
136 サービス提供部
200 情報管理制御部
202 顧客情報格納部
204 物件情報格納部
206 情報管理サーバ通信部
300 買主端末制御部
302 買主端末入力部
304 買主端末出力部
306 買主端末通信部
400 売主端末制御部
402 売主端末入力部
404 売主端末出力部
406 売主端末通信部
500 仲介業者端末制御部
502 仲介業者端末入力部
504 仲介業者端末出力部
506 仲介業者端末通信部
600、602、604 手続項目
700、702、704 準備情報
800 ボタン
【要約】
【課題】買主及び売主が不動産手続の流れ及び不動産手続の内容を把握して不動産取引の進捗を確認可能な進捗管理プログラム、進捗管理システム、サーバ、及び進捗管理方法を提供する。
【解決手段】進捗管理プログラムは、プロセッサに、顧客情報及び物件情報に基づいて一の不動産取引の申込書を作成するステップと、電子サインを申込書に対応付けるステップと、買主専用ページ及び売主専用ページそれぞれを生成するステップと、キャッシュレスによる手続を進行可能にするステップと、手付金指図書を作成するステップと、残金の送金に関する残金指図書を作成するステップと、売主口座への残金の送金が完了したことを買主端末及び売主端末に供給するステップと、買主専用ページ及び売主専用ページの出力内容を更新するステップとを実行させる。
【選択図】
図1