(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】相互接続可能なヒートブランケット
(51)【国際特許分類】
H05B 3/00 20060101AFI20240613BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20240613BHJP
B60K 11/00 20060101ALN20240613BHJP
B60K 1/04 20190101ALN20240613BHJP
【FI】
H05B3/00 330Z
B64C1/00 Z
B60K11/00
B60K1/04 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019022612
(22)【出願日】2019-02-12
【審査請求日】2022-01-27
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス アール.ペイジ
(72)【発明者】
【氏名】アドリアーノ ジェイ.ランポッラ
(72)【発明者】
【氏名】クルト ジェイ.ハワード
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-213851(JP,A)
【文献】特開2018-020546(JP,A)
【文献】特開昭55-033560(JP,A)
【文献】実開昭57-112609(JP,U)
【文献】実開昭53-012255(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0373781(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0056244(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0027024(US,A1)
【文献】米国特許第03236991(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0109112(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1420119(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 1/00- 3/86
B64B 1/00- 1/70
B64C 1/00-99/00
B64D 1/00-47/08
B64F 1/00- 5/60
B64G 1/00-99/00
B60K 1/00- 6/12
B60K 7/00- 8/00
B60K 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、
第2面と、
複数の側部と、を含む相互接続式ヒートブランケットであって、
前記複数の側部は、複数の第1電源コネクタを備える第1フラップを有する第1側部と、複数の第2電源コネクタを備える第2レッジを有する第2側部と、複数の第3電源コネクタを備える第3フラップを有する第3側部と、複数の第4電源コネクタを備える第4レッジを有する第4側部と、を含んでおり、前記第1フラップは、前記第1側部
に沿って前記第2レッジから前記第3フラップまで延びており、前記複数の第1電源コネクタは前記第1側部に沿って相互に離間配置されており、前記第2レッジは、前記第2側部
に沿って前記第1フラップから前記第4レッジまで延びており、前記複数の第2電源コネクタは前記第2側部に沿って相互に離間配置されており、前記第3フラップは、前記第3側部
に沿って前記第1フラップから前記第4レッジまで延びており、前記複数の第3電源コネクタは前記第3側部に沿って相互に離間配置されており、前記第4レッジは、前記第
4側部
に沿って前記第2レッジから前記第3フラップまで延びており、前記複数の第4電源コネクタは前記第4側部に沿って相互に離間配置されており、
前記第1フラップ、前記第2レッジ、前記第3フラップ、及び第4レッジは、各々が機械的結合部を含
んでいる、
相互接続式ヒートブランケット。
【請求項2】
各機械的結合部は、磁性材料又は強磁性材料のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の相互接続式ヒートブランケット。
【請求項3】
ポリマー材料で覆われた一連の加熱要素をさらに含む、
請求項1又は2に記載の相互接続式ヒートブランケット。
【請求項4】
前記一連の加熱要素は、前記複数の側部の各々から1インチ以内のところまで延びている、請求項3に記載の相互接続式ヒートブランケット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載された複数の相互接続式ヒートブランケットと、
前記複数の相互接続式ヒートブランケットに電気的に接続された単一の電源と、を含むシステムであって、
1つの相互接続式ヒートブランケットにおける前記第1フラップは、他の相互接続式ヒートブランケットにおける第2レッジ又は第4レッジに重なり合ってインターフェースを構成するとともに、前記1つの相互接続式ヒートブランケットにおける前記第1フラップは、前記他の相互接続式ヒートブランケットにおける第2レッジ又は第4レッジに前記機械的結合部を介して機械的に結合している、
システム。
【請求項6】
各相互接続式ヒートブランケットの前記第1フラップは、ポリマー材料で形成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1つに記載された複数の相互接続式ヒートブランケットを相互接続してシステムを構成することと、
前記システムを用いて、ワークにおける加熱対象領域を加熱することと、を含み、
前記ワークにおける前記加熱対象領域を加熱することは、前記複数の相互接続式ヒートブランケットに単一の電源から電力を供給することを含み、この際に、前記複数の相互接続式ヒートブランケットのうちの1つの相互接続式ヒートブランケットに前記単一の電源から直接に電力を供給し、残りの相互接続式ヒートブランケットに前記単一の電源から前記1つの相互接続式ヒートブランケットを介して電力を供給する、方法。
【請求項8】
前記複数の相互接続式ヒートブランケットを相互接続することは、前記1つの相互接続式ヒートブランケットの第1フラップ又は第3フラップを他の相互接続式ヒートブランケットの第2レッジ又は第4レッジの上に配置して、インターフェースを構成することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記システムを、前記加熱対象領域に接触させることをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記システムの設置形状を、前記加熱対象領域の形状と実質的に一致させる、請求項7~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記ワークは、航空機の部材である、請求項7~10のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、加熱装置に関し、具体的には、ヒートブランケット(heating blanket)を用いた加熱装置に関する。より具体的には、本開示は、相互接続可能なヒートブランケットを用いた加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料で形成された部材の一領域を再加工する場合、該当一領域部分を除去して新たな複合材料部分に交換する。次いで、この新たな複合材料部分を加熱して硬化又は固化させる。この際、熱の伝達は、この新たな複合材料部分に極力限定することが望ましい。また、未硬化の複合材料部分を硬化させるのに必要なだけの加熱が望ましい。複合材料構造体のうちの既存部分に対しては、一切加熱しないか、わずかな加熱のみに留めることが望ましい。
【0003】
したがって、上述の事項の少なくともいくつかと、その他の潜在的な事項を考慮した方法及び装置の提供が望まれる。例えば、熱の伝達を所定の範囲及び形状に限定する方法及び装置の提供が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の例示的な実施形態では、相互接続可能なヒートブランケットが提供される。当該相互接続可能なヒートブランケットは、第1面、第2面、及び、複数の側部を有する。前記複数の側部のうちの少なくとも1つの側部は、電源コネクタを有する。
【0005】
本開示の別の例示的な実施形態では、システムが提供される。当該システムは、第1側部を有する第1の相互接続ヒートブランケットと、第2側部を有する第2の相互接続ヒートブランケットと、単一の電源と、を含む。前記第1の相互接続ヒートブランケットの前記第1側部は、前記第2の相互接続ヒートブランケットの前記第2側部と重なり合って、インターフェースを構成する。前記単一の電源は、前記第1の相互接続ヒートブランケット及び前記第2の相互接続可能ヒートブランケットに電気的に接続されている。
【0006】
本開示のさらに別の例示的な実施形態では、相互接続可能なヒートブランケットが提供される。当該相互接続ヒートブランケットは、第1側部、及び、第2側部を含む。前記第1側部は、第1エッジから突出するようにポリマー材料で形成された第1フラップを有する。前記第1フラップは、当該第1フラップに組み込まれた第1電源コネクタを有する。前記第2側部は、第2レッジを有し、前記第2レッジに第2電源コネクタが組み込まれている。
【0007】
本開示の別の例示的な実施形態では、方法が提供される。当該方法は、ワークについて加熱対象領域を特定することを含む。前記加熱対象領域に対して、少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットが選択される。前記少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットは、前記加熱対象領域に接触するように配置される。前記少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットを用いて、前記加熱対象領域が加熱される。
【0008】
本開示のさらに別の実施形態では、方法が提供される。第1の相互接続式ヒートブランケットが、第2の相互接続式ヒートブランケットと接続されてシステムを構成する。前記システムを用いて、ワークにおける加熱対象領域が加熱される。前記ワークにおける前記加熱対象領域を加熱することは、前記第1の相互接続式ヒートブランケット及び前記第2の相互接続式ヒートブランケットに単一の電源から電力を供給することを含み、この際に、前記第1の相互接続式ヒートブランケットに前記単一の電源から直接に電力を供給し、前記第2の相互接続式ヒートブランケットに前記単一の電源から前記第1の相互接続式ヒートブランケットを介して電力を供給する。
【0009】
これらの特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態において個別に達成可能であり、また、他の実施形態との組み合わせも可能である。この詳細については、以下の記載と図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
例示的な実施形態に特有のものであると考えられる新規な特徴は、添付の請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びに、好ましい使用形態、さらに、その目的及び利点は、以下に示す本開示の例示的な実施形態の詳細な説明を、添付の図面と併せて参照することによって最もよく理解されるであろう。
【0011】
【
図1A-1B】例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットを使用して部材を加熱する製造環境を示すブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットを上方から見た等角図である。
【
図3】例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットを下方から見た等角図である。
【
図4】例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットの第2側部を上方から見た図である。
【
図5】例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットの第1側部を上方から見た図である。
【
図6】例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットの第1側部を下方から見た図である。
【
図7】例示的な実施形態による第1の相互接続式ヒートブランケットと第2の相互接続式ヒートブランケットを、インターフェースを構成するように配置した状態を上方から見た等角図である。
【
図8】例示的な実施形態による第1の相互接続式ヒートブランケットと第2の相互接続式ヒートブランケットを、インターフェースを構成するように配置した状態を下方から見た等角図である。
【
図9A-9B】例示的な実施形態による第1の相互接続式ヒートブランケットと第2の相互接続式ヒートブランケットを、インターフェースを構成するように配置した状態の側部図である。
【
図10】例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットを上方から見た等角図である。
【
図11】例示的な実施形態による複数の相互接続式ヒートブランケットを連結した状態を上方から見た等角図である。
【
図12】例示的な実施形態による複数の相互接続式ヒートブランケットを連結した状態を上方から見た等角図である。
【
図13】例示的な実施形態による複数の相互接続式ヒートブランケットを加熱対象領域に被せた状態の上面の等角図である。
【
図14】例示的な実施形態による加熱対象領域の加熱方法のフローチャートを示す図である。
【
図15】例示的な実施形態による加熱対象領域の加熱方法のフローチャートを示す図である。
【
図16】例示的な実施形態による航空機の製造及び使用方法を示すブロック図である。
【
図17】例示的な実施形態を実現可能な航空機を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態では、1つ以上の異なる事項が認識及び考慮されている。例えば、例示的な実施形態では、ヒートブランケットは、複合材料の加熱にしばしば用いられることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、ヒートブランケットは、部材の再加工における複合材料の加熱にしばしば用いられることが認識及び考慮されている。
【0013】
例示的な実施形態では、ヒートブランケットは、固定のサイズ及び形状で提供されることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、標準的なヒートブランケットは、シリコンから成る矩形のマットであって、加熱要素を含むことが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、標準的なヒートブランケットは、華氏450度に達する場合があり、いくつかの高温ヒートブランケットでは、華氏1100度に達する場合があることが認識及び考慮されている。
【0014】
例示的な実施形態では、ヒートブランケットが加熱対象領域よりも不要に大きい場合に、所望の寸法のヒートブランケットを別途発注する可能性があることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、発注したヒートブランケットの寸法が加熱対象領域の寸法に近いことが望ましいことが認識及び考慮されている。
【0015】
例示的な実施形態では、ヒートブランケットが加熱対象領域よりも小さい場合に、より大きなヒートブランケットを発注する可能性があることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、新たなヒートブランケットを発注すると、コストがかかり望ましくないことが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、新たなヒートブランケットを発注すると、時間的な遅れが生じうることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、ヒートブランケットが保管場所を要することが認識及び考慮されている。
【0016】
例示的な実施形態では、個々のヒートブランケットの加熱領域よりも広い領域を加熱するために、作業者が2つのヒートブランケットを連結する場合があることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、2つの従来のヒートブランケットを「連結する」際に、アルミニウムテープを使用してヒートブランケットを貼り合わせる場合があることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態は、別個の2つのヒートブランケットは、別個の2つの電源を使用することが認識及び考慮されている。
【0017】
例示的な実施形態では、2つのヒートブランケットをテープで貼り合わせる際に、両ヒートブランケットの間に隙間ができることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、2つのヒートブランケットの合わせ目(junction)の下側に位置する部材領域では、これら2つのヒートブランケットの下側に位置する部材領域に比べて、温度が大幅に低いことが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、2つのヒートブランケットをテープで貼り合わせる場合、これら2つのヒートブランケットによって所望の熱伝達が得られることを確認するためのテストに時間がかかることが認識及び考慮されている。
【0018】
例示的な実施形態では、ヒートブランケットを発注したり、組み合わせたりする代わりに、作業者が既存のヒートブランケットの使用を選択する場合があることが認識及び考慮されている。既存のヒートブランケットを使用しても所望の熱伝達が得られないとしても、既存のヒートブランケットを使用する方が、他の選択肢に比べて安価であり、時間がかからない可能性がある。
【0019】
例示的な実施形態は、加熱対象領域の形状が矩形には限られないことが認識及び考慮されている。例示的な実施形態では、矩形でない加熱対象領域を覆うのに十分な大きさの矩形のヒートブランケットを使用すると、加熱対象の領域が矩形でないので、不要な領域を加熱することになると認識及び考慮されている。
【0020】
以下の記載では図面を参照し、具体的には
図1A及び
図1Bを参照する。同図は、例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケット(interconnectable heating blanket)を使用して部材を加熱する製造環境を示すブロック図である。製造環境100は、加熱対象領域103を有するワーク102を含む。いくつかの例示的な実施例では、加熱対象領域103は、再加工領域104である。いくつかの例示的な実施例では、ワーク102は、航空機108の部材106である。図示の通り、ワーク102は、複合材料110から成る。加熱対象領域103は、所与のサイズ112及び形状113を有する。
【0021】
加熱対象領域103を処理する際は、加熱対象領域103を加熱することが望ましい。また、加熱対象領域103を処理する際は、ワーク102における加熱対象領域103以外の部分への加熱を低減することが望ましい。また、ワーク102が航空機108の部材106である場合、航空機108における加熱対象領域103以外の部分への加熱を低減することが望ましい。
【0022】
第1の相互接続式ヒートブランケット114が、製造環境100に配置されている。第1の相互接続式ヒートブランケット114を使用して、部材106の加熱対象領域103が加熱される。
【0023】
第1の相互接続式ヒートブランケット114は、第1面115、第2面116、及び、複数の側部117を有する。複数の側部117のうちの少なくとも1つの側部は、電源コネクタを有する。いくつかの例示的な実施例では、複数の側部117の各々が電源コネクタを有する。図示の通り、複数の側部117は、第1側部118、第2側部121、第3側部124、及び、第4側部127を含む。図示の通り、第1側部118には、電源コネクタ119及び電源コネクタ120が設けられている。図示の通り、第2側部121には、電源コネクタ122及び電源コネクタ123が設けられている。図示の通り、第3側部124には、電源コネクタ125及び電源コネクタ126が設けられている。図示の通り、第4側部127には、電源コネクタ128及び電源コネクタ129が設けられている。
【0024】
第1の相互接続式ヒートブランケット114などの各相互接続式ヒートブランケットは、他のヒートブランケットと接続可能であり、最大で、各側部に設けられた電源コネクタの数だけのヒートブランケットと接続可能である。例えば、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、電源コネクタ119と電源コネクタ120との2つの電源コネクタを第1側部118に有する。第1の相互接続式ヒートブランケット114の第1側部118に2つの電源コネクタが設けられている場合、第1の相互接続式ヒートブランケット114の第1側部118に、最大で2つのヒートブランケットを接続可能である。各電源コネクタは、第1の相互接続式ヒートブランケット114の構造体内部に配線されたワイヤの端部である。
【0025】
電源コネクタが1つあれば、1つの相互接続式ヒートブランケットをシステム156に接続することができる。第1側部118、第2側部121、第3側部124、及び、第4側部127などの各側部には、複数の電源コネクタを設けることができ、これにより、システム156で構成可能な設置形状(footprint)157の選択肢が増える。例えば、第1側部118、第2側部121、第3側部124、又は、第4側部127のいずれかに複数の相互接続式ヒートブランケットが接続可能であれば、システム156の設置形状157の選択肢が増える。
【0026】
電源コネクタを有する少なくとも1つの側部は、レッジ(ledge)又はフラップ(flap)をさらに有する。いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114の複数の側部117の各々が、レッジ又はフラップを有する。図示の通り、第1側部118は、第1フラップ130を有する。図示の通り、第2側部121は、第2レッジ131を有する。図示の通り、第3側部124は、第3フラップ132を有する。図示の通り、第4側部127は、第4レッジ133を有する。
【0027】
第1フラップ130などのフラップは、第2の相互接続式ヒートブランケット135の側部134などの他のヒートブランケットの側部に対する機械的接続部(mechanical connection feature)として機能する。フラップは、対応するレッジと機械的接続部として機能する。この機械的接続によって、実質的に連続する面がシステム156に形成される。図示の通り、第1フラップ130を側部134のレッジ136に重ね合わせると、インターフェース138が形成される。
【0028】
第1フラップ130などのフラップは、第2の相互接続式ヒートブランケット135などの他のヒートブランケットとの熱結合部(thermal connection)としても機能する。第1フラップ130などのフラップは、第1側部118と第2の相互接続式ヒートブランケット135の側部134の間に形成されたインターフェース138などのインターフェースを介して熱を伝達する。第1フラップ130は、熱結合部として機能するので、第1の相互接続式ヒートブランケット114と第2の相互接続式ヒートブランケット135とを機械的及び電気的に接続するだけでなく、一方の相互接続式ヒートブランケットから他方の相互接続式ヒートブランケットへ熱勾配を遷移させる隙間断熱材(gap insulator)としても機能する。
【0029】
図示の通り、一連の加熱要素148は、インターフェース138には延在しない。したがって、インターフェース138の下側は、第1の相互接続式ヒートブランケット114と第2の相互接続式ヒートブランケット135との間の熱伝導によって加熱される。いくつかの例示的な実施例では、第1フラップ130は、所望の熱伝導性を示すように構成されている。
【0030】
いくつかの例示的な実施例では、電源コネクタを有する少なくとも1つの側部は、さらに機械的結合部(mechanical coupler)を有する。いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114の複数の側部117の各々が機械的結合部を有する。機械的結合部は、任意の形態を取りうる。いくつかの例示的な実施例では、各機械的結合部は、磁性材料又は強磁性材料のうちの少なくとも一方である。いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114の複数の側部117の各々が、磁性材料又は強磁性材料のうちの少なくとも一方を有する。いくつかの例示的な実施例では、フラップが磁性材料を含み、レッジが磁性材料又は強磁性材料を含む。
【0031】
いくつかの例示的な実施例では、第1フラップ130などの雄型フラップの下面に、強力な天然磁石が貼着されている。なお、磁性材料140は、柔軟性を高めるためにいくつかのセグメントに分割されていてもよい。同様に、第2レッジ131などの雌型コネクタの上面に、鉄系金属の帯片やその他の好適な材料などの強磁性材料144が貼着されている。
【0032】
図示の通り、第1側部118は、磁性材料140を有する。図示の通り、磁性材料140は、第1フラップ130に設けられている。磁性材料140は、第2の相互接続式ヒートブランケット135のレッジ136などの対応するレッジに対して、磁力で第1フラップ130を固定する。レッジ136は、磁性材料141又は強磁性材料142の一方を含む。この磁性材料141又は強磁性材料142の一方は、磁性材料140と引き合うものが選択される。
【0033】
いくつかの例示的な実施例では、側部134の機械的結合部165は、磁性材料141又は強磁性材料142とは異なる形態を取りうる。例えば、機械的結合部165は、面ファスナー(hook and loop fastener)、ジッパー、テープ、あるいは、その他の任意の種類の機械的結合部の形態を取りうる。
【0034】
図示の通り、第2側部121は、磁性材料143又は強磁性材料144の一方を含む。この磁性材料143又は強磁性材料144は、第2レッジ131に設けられている。
【0035】
図示の通り、第3側部124は、磁性材料145を有する。図示の通り、磁性材料145は、第3フラップ132に設けられている。
【0036】
図示の通り、第4側部127は、第4レッジ133を有する。図示の通り、第4側部127は、磁性材料146又は強磁性材料147の一方を含む。この磁性材料146又は強磁性材料147は、第4レッジ133に設けられている。
【0037】
いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114の複数の側部117の各々が、磁性材料とは異なる種類の機械的結合部を有する。機械的結合部は、任意の形態を取りうる。
【0038】
いくつかの例示的な実施例では、第1側部118の機械的結合部170は、磁性材料140とは異なる形態を取りうる。例えば、機械的結合部170は、面ファスナー、ジッパー、テープ、あるいは、その他の任意の種類の機械的結合部の形態を取りうる。いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114の機械的結合部は、すべて同じ形態を取りうる。いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、複数種類の機械的結合部を含む。
【0039】
いくつかの例示的な実施例では、第2側部121の機械的結合部172は、磁性材料143又は強磁性材料144とは異なる形態を取りうる。例えば、機械的結合部172は、面ファスナー、ジッパー、テープ、あるいは、その他の任意の種類の機械的結合部の形態を取りうる。
【0040】
いくつかの例示的な実施例では、第3側部124の機械的結合部174は、磁性材料145とは異なる形態を取りうる。例えば、機械的結合部174は、面ファスナー、ジッパー、テープ、あるいは、その他の任意の種類の機械的結合部の形態を取りうる。
【0041】
いくつかの例示的な実施例では、第4側部127の機械的結合部176は、磁性材料146又は強磁性材料147とは異なる形態を取りうる。例えば、機械的結合部176は、面ファスナー、ジッパー、テープ、あるいは、その他の任意の種類の機械的結合部の形態を取りうる。
【0042】
第1の相互接続式ヒートブランケット114は、ポリマー材料150で覆われた(encompassed)一連の加熱要素148を含む。一連の加熱要素148は、複数の側部117の各々から1インチ以内のところまで延びている。第1の相互接続式ヒートブランケット114は、航空機108の部材106における加熱対象領域103の少なくとも一部を、一連の加熱要素148から第1面115を介して伝達される熱で加熱するよう構成されている。
【0043】
いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、第1側部118及び第2側部121を有する。第1側部118は、第1エッジ152から突出するようにポリマー材料150で形成された第1フラップ130を有し、この第1フラップ130は、第1電源コネクタである電源コネクタ119を有する。この電源コネクタは、第1フラップ130に組み込まれている。第2側部121は、第2レッジ131を有し、第2電源コネクタである電源コネクタ122が第2レッジ131に組み込まれている。
【0044】
いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、さらに、第3側部124及び第4側部127を有する。第3側部124は、第3エッジ154から突出するようにポリマー材料150で形成された第3フラップ132を有し、この第3フラップ132は、第3電源コネクタである電源コネクタ125を有する。この電源コネクタは、第3フラップ132に組み込まれている。第4側部127は、第4レッジ133を有し、第4電源コネクタである電源コネクタ128が第4レッジ133に組み込まれている。
【0045】
図示の通り、第1側部118と第3側部124は、互いに直角である。いくつかの例示的な実施例では、第1側部118と第3側部124は、互いに隣接するが、直角ではない。第1側部118、第2側部121、第3側部124、及び、第4側部127は、それぞれ任意のサイズ又は形状を有する。いくつかの例示的な実施例では、第1側部118、第2側部121、第3側部124、及び、第4側部127は、直線状(linear)である。いくつかの例示的な実施例では、第1側部118、第2側部121、第3側部124、及び、第4側部127の各々は、実質的に同じ長さである。いくつかの例示的な実施例では、第1側部118、第2側部121、第3側部124、及び、第4側部127の各々は、実質的に直線状である。いくつかの例示的な実施例では、第1側部118、第2側部121、第3側部124、及び、第4側部127のうちの少なくとも1つは、曲線状である。
【0046】
第2の相互接続式ヒートブランケット135などの他の相互接続式ヒートブランケットは、第1側部118、第2側部121、第3側部124、及び、第4側部127のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分と相補的に構成されている。例えば、側部134の形状(図示せず)は、第1側部118の少なくとも一部分の形状(図示せず)に対して相補形である。
【0047】
本明細書において、「のうちの少なくとも1つ」という語句がアイテムの列挙とともに用いられている場合、列挙されたアイテムの1つ以上の様々な組み合わせを使用できることを意味し、また、列挙された各アイテムの1つだけを必要とする場合もあることを意味する。すなわち、「のうちの少なくとも1つ」は、列挙されたアイテムから任意の数のアイテムを任意の組み合わせで使用することができるが、列挙されたアイテムのすべてを必要とするわけではないということを意味する。ここで言うアイテムとは、ある特定の対象、物、又はカテゴリであってもよい。
【0048】
また、この例は、アイテムAとアイテムBとアイテムC、又は、アイテムBとアイテムC、を含みうる。当然ながら、これらのアイテムのあらゆる組み合わせが存在しうる。他の例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定するものではないが、2個のアイテムAと、1個のアイテムBと、10個のアイテムCであってもよいし、4個のアイテムBと7個のアイテムCであってもよいし、あるいは、他の適当な組み合わせであってもよい。
【0049】
いくつかの例示的な実施例では、第1側部118は、さらに、第3電源コネクタである電源コネクタ120を有し、これは、第1フラップ130に組み込まれている。図示の通り、第1側部118には、電源コネクタ119及び電源コネクタ120の2つの電源コネクタが設けられている。
【0050】
いくつかの例示的な実施例では、第2側部121は、さらに、第4電源コネクタである電源コネクタ123を有し、これは、第2レッジ131に組み込まれている。図示の通り、第2側部121には、電源コネクタ122及び電源コネクタ123の2つの電源コネクタが設けられている。
【0051】
図示の通り、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、ポリマー材料150で覆われた一連の加熱要素148を含む。一連の加熱要素148は、第1エッジ152から1インチ以内のところまで延びている。いくつかの例示的な実施例では、一連の加熱要素148は、第1の相互接続式ヒートブランケット114の各エッジから1インチ以内のところまで延びている。
【0052】
いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、対称性を有する。図示の通り、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、第3側部124と第1側部118との間に延びる対称対角線159に関して対称である。
【0053】
システム156は、少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットを含む。システム156は、任意の数、及び、任意の形状の相互接続式ヒートブランケットを含む。単一の220Vコンセントに接続されるシステム156が含む相互接続式ヒートブランケットの総平方平フィートは、これらの相互接続式ヒートブランケットが供給すべき加熱温度に比例する。システム156に含まれる相互接続式ヒートブランケットが供給すべき加熱温度が高いほど、これらの相互接続式ヒートブランケットに流れる電流も大きくなる。いくつかの例示的な実施例では、システム156では、最大で9平方フィートの相互接続式ヒートブランケットを220Vのコンセントに接続することができる。温度にもよるが、9平方フィートを超える面積を単一の220Vコンセントを使って効率的に加熱できない可能性がある。相互接続式ヒートブランケットのシステム156は、ワーク102の加熱対象領域103を覆うように選択される。
【0054】
いくつかの例示的な実施例では、システム156は、第1側部118を有する第1の相互接続式ヒートブランケット114と、側部134を有する第2の相互接続式ヒートブランケット135と、第1の相互接続式ヒートブランケット114及び第2の相互接続式ヒートブランケット135に電気的に接続された単一の電源158と、を有する。第1の相互接続式ヒートブランケット114の第1側部118は、第2の相互接続式ヒートブランケット135の側部134と重なり合って、インターフェース138を構成する。
【0055】
第1の相互接続式ヒートブランケット114の第1側部118は、ポリマー材料150で形成された第1フラップ130を有し、この第1フラップ130には、第1電源コネクタである電源コネクタ119が組み込まれている。第2の相互接続式ヒートブランケット135の側部134は、レッジ136を有し、このレッジ136には、電源コネクタ160が組み込まれている。これらの例示的な実施例では、側部134を第2側部とも呼び、電源コネクタ160を第2電源コネクタとも呼び、レッジ136を第2レッジとも呼ぶ。第1電源コネクタである電源コネクタ119と第2電源コネクタである電源コネクタ160は接続されているので、単一の電源158からの電力が、第1の相互接続式ヒートブランケット114及び第2の相互接続式ヒートブランケット135に供給される。
【0056】
第2の相互接続式ヒートブランケット135は、ポリマー材料164で覆われた一連の加熱要素162を含む。いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット114に含まれる一連の加熱要素148と第2の相互接続式ヒートブランケット135に含まれる一連の加熱要素162との間の、インターフェース138における間隔166は、第1の相互接続式ヒートブランケット114に含まれる一連の加熱要素148間の間隔168と実質的に同じである。
【0057】
図示の通り、第1の相互接続式ヒートブランケット114における各電源コネクタは、それぞれの接続位置に配置されている。いくつかの例示的な実施例では、各接続位置は、さらに他の機能も有する。例えば、各接続位置は、グランド接続又はデータ接続のうちの少なくとも一方の機能を提供する。
【0058】
例えば、図示の通り、電源コネクタ125は、接続位置178に配置されている。図示の通り、接続位置178は、データコネクタ179及びグランド端子180も含む。図示の通り、電源コネクタ126は、接続位置181に配置されており、当該接続位置は、データコネクタ182及びグランド端子183も含む。
【0059】
図示の通り、第1フラップ130の電源コネクタ119は、接続位置184に配置されている。図示の通り、接続位置184は、データコネクタ185及びグランド端子186も含む。図示の通り、電源コネクタ120は、接続位置187に配置されており、当該接続位置は、データコネクタ188及びグランド端子189も含む。
【0060】
図示の通り、第2レッジ131の電源コネクタ122は、接続位置190に配置されている。図示の通り、接続位置190は、データコネクタ191及びグランド端子192も含む。図示の通り、電源コネクタ123は、接続位置193に配置されており、当該接続位置は、データコネクタ194及びグランド端子195も含む。
【0061】
図示の通り、第4レッジ133の電源コネクタ128は、接続位置196に配置されている。図示の通り、接続位置196は、データコネクタ197及びグランド端子198も含む。図示の通り、電源コネクタ129は、接続位置199に配置されており、当該接続位置は、データコネクタ169及びグランド端子171も含む。
【0062】
図示の通り、第2の相互接続式ヒートブランケット135の電源コネクタ160は、接続位置173に配置されている。接続位置173は、データコネクタ175及びグランド端子177も含む。いくつかの例示的な実施例では、データコネクタ185及びデータコネクタ175が設けられている場合、第1の相互接続式ヒートブランケット114及び第2の相互接続式ヒートブランケット135に関するデータが、コンピュータ(図示せず)に転送される。いくつかの例示的な実施例では、データコネクタ185及びデータコネクタ175が設けられている場合、コントローラ(図示せず)は、第1の相互接続式ヒートブランケット114及び第2の相互接続式ヒートブランケット135の双方と通信可能である。
【0063】
図1に示した製造環境100は、例示的な実施形態を実現可能な態様に、何ら物理的な限定やアーキテクチャの限定を課すことを意味するものではない。図示した部材に加えて、あるいは、代わりに、他の部材を使用することができる。また、いくつかの部材が不要な場合もある。また、図中のブロックは、いくつかの機能的な部材を示す。例示的な一実施形態を実現する際に、これらのブロックの1つ以上を組み合わせたり、分割したり、あるいは組み合わせた上で異なるブロックに分割したりすることができる。
【0064】
例えば、2つの相互接続式ヒートブランケットを図示したが、システム156は、所望の数の相互接続式ヒートブランケットで構成することができる。さらに、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、所望の数の側部を有することができる。加えて、第1の相互接続式ヒートブランケット114の側部の各々には、所望の数の電源コネクタを設けることができる。
【0065】
相互接続式ヒートブランケットは、所望のサイズ又は形状を有することができる。相互接続式ヒートブランケットは、方形、矩形、三角形、あるいは、その他の所望の形状であってもよい。いくつかの例示的な実施例では、相互接続式ヒートブランケットは、丸みを帯びた側部を有する。例えば、第1の相互接続式ヒートブランケット114は、所望の形状及び所望のサイズを有することができる。
【0066】
他の例では、図示はしていないが、システム156において使用されていない電源コネクタを覆う所定数のカバーを用いてもよい。カバーは、第1の相互接続式ヒートブランケット114などの相互接続式ヒートブランケットに一体的に設けてもよいし、スリーブなどの別個の部材でもよい。カバーは、第1の相互接続式ヒートブランケット114などの相互接続式ヒートブランケットの保管時、あるいは、動作時の少なくとも一方において使用することができる。カバーは、所望の材料で形成することができる。相互接続式ヒートブランケットの動作時にカバーを使用するのであれば、当該相互接続式ヒートブランケットの加熱温度に耐えるよう構成された材料でカバーを形成する。
【0067】
システム156は、加熱対象領域103を加熱するものとして説明されているが、システム156は、他の所望の領域も加熱することができる。例えば、システム156は、ワーク102を最初に形成するに際して、ワーク102の加熱に使用することができる。加えて、システム156は、複合材料110以外の材料で形成されたワークの加熱にも使用することができる。
【0068】
次に、
図2は、例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットを上方から見た等角図である。相互接続式ヒートブランケット200は、第1の相互接続式ヒートブランケット114又は第2の相互接続式ヒートブランケット135のうちの物理な一実施態様である。
【0069】
相互接続式ヒートブランケット200は、第1側部202、第2側部204、第3側部206、及び、第4側部208を含む複数の側部201を有する。第1側部202は、第1エッジ(図示せず)から突出するようにポリマー材料211で構成された第1フラップ210を有する。第2側部204は、第2レッジ212を有し、第2電源コネクタ214が第2レッジ212に組み込まれている。第3側部206は、第3エッジ(図示せず)から突出するようにポリマー材料211で形成された第3フラップ216を有する。第4側部208は、第4レッジ218を有し、第4電源コネクタ220が第4レッジ218に組み込まれている。
【0070】
図示の通り、第1側部202と第3側部206は、互いに直角である。図示の通り、相互接続式ヒートブランケット200は対称性を有する。より具体的には、図示の通り、相互接続式ヒートブランケット200は、対称対角線221に関して対称である。
【0071】
図示の通り、第2レッジ212と第4レッジ218の各々は、複数の接続位置を有する。この例示的な実施例では、各接続位置がそれぞれの電源コネクタを有する。例えば、第2レッジ212は、第2電源コネクタ214が設けられた接続位置222と、電源コネクタ226が設けられた接続位置224と、を有する。第4レッジ218は、第4電源コネクタ220が設けられた接続位置228と、電源コネクタ232が設けられた接続位置230と、を有する。なお、図では、第2レッジ212及び第4レッジ218の両方が2つの接続位置を有するものとして示したが、第2レッジ212及び第4レッジ218は、所望の数の接続位置を含むことができる。さらに、第2レッジ212及び第4レッジ218における接続位置は、所望の場所に設けることができる。
【0072】
図示では、相互接続式ヒートブランケット200の第2面233が見えている。相互接続式ヒートブランケット200は、ポリマー材料211で覆われた一連の加熱要素234を含む。一連の加熱要素234は、複数の側部201の各々から1インチ以内のところまで延びている。なお、図では、加熱要素234はコイル236として示したが、他の例示的な実施例では、一連の加熱要素234は、他の形態を取りうる。例えば、一連の加熱要素234は、グリッド状であってもよい。
【0073】
図2に示した相互接続式ヒートブランケット200は、例示的な実施形態を実現可能な態様に、何ら物理的な限定やアーキテクチャの限定を課すことを意味するものではない。第1の相互接続式ヒートブランケット114の物理的な一実施態様では、所望の数の側部を有することができる。加えて、各側部は、所望の数の接続点を有することができる。さらに、相互接続式ヒートブランケット200は、所望の形状及び所望のサイズを有することができる。
【0074】
次に、
図3は、例示的な実施形態による相互接続式を下方から見た等角図である。ビュー300は、
図2の相互接続式ヒートブランケット200を矢印3の方向から見た図である。
【0075】
ビュー300に示す通り、第1フラップ210は、当該第1フラップ210に組み込まれた第1電源コネクタ302を有する。第3フラップ216は、当該第3フラップ216に組み込まれた第3電源コネクタ304を有する。
【0076】
図示の通り、第1フラップ210及び第3フラップ216の各々は、複数の接続位置を有する。この例示的な実施例では、各接続位置がそれぞれの電源コネクタを有する。例えば、第1フラップ210は、第1電源コネクタ302が設けられた接続位置306と、電源コネクタ310が設けられた接続位置308と、を有する。第3フラップ216は、第3電源コネクタ304が設けられた接続位置312と、電源コネクタ316が設けられた接続位置314と、を有する。なお、図では、第1フラップ210及び第3フラップ216の両方が2つの接続位置を有するものとして示したが、第1フラップ210及び第3フラップ216は、所望の数の接続位置を含むことができる。さらに、第1フラップ210及び第3フラップ216の接続位置は、所望の場所に設けることができる。
【0077】
次に、
図4は、例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットの第2側部を上方から見た図である。ビュー400は、
図2に示す第2側部204を上方から見た図である。ビュー400に示すように、接続位置222と接続位置224との間に強磁性材料402が配置されている。図示の通り、第2レッジ212には、強磁性材料404及び強磁性材料406も配置されている。相互接続式ヒートブランケット200を、別の相互接続式ヒートブランケット(図示せず)と接続すると、強磁性材料402、強磁性材料404、又は、強磁性材料406のうちの少なくとも1つに、この別の相互接続式ヒートブランケットの磁性材料(図示せず)による引力が作用する。
【0078】
次に、
図5は、例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットの第1側部を上側から見た図である。ビュー500は、
図2の相互接続式ヒートブランケット200の第1側部202を矢印5の方向から見た図である。ビュー500では、ポリマー材料211が見えている。
【0079】
次に、
図6は、例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットの第1側部を下方から見た図である。ビュー600は、
図5の相互接続式ヒートブランケット200の第1側部202を矢印6の方向から見た図である。
【0080】
ビュー600に示すように、接続位置306と接続位置308との間に磁性材料602が配置されている。図示の通り、第1フラップ210には、磁性材料604及び磁性材料606も設けられている。相互接続式ヒートブランケット200を、別の相互接続式ヒートブランケット(図示せず)と接続すると、磁性材料602、磁性材料604、又は、磁性材料606のうちの少なくとも1つに、この別の相互接続式ヒートブランケットの磁性材料又は強磁性材料(図示せず)による引力が作用する。
【0081】
次に、
図7を参照する。同図は、例示的な実施形態による第1の相互接続式ヒートブランケットと第2の相互接続式ヒートブランケットを、インターフェースを構成するように配置した状態を上方から見た等角図である。第1の相互接続式ヒートブランケット700は、
図1に示す第1の相互接続式ヒートブランケット114の物理的な実施態様である。いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット700は、
図2に示す相互接続式ヒートブランケット200の物理的な実施態様である。
【0082】
第1の相互接続式ヒートブランケット700は、第1側部702を有する。第2の相互接続式ヒートブランケット704は、第2側部706を有する。第1の相互接続式ヒートブランケット700の第1側部702は、第2の相互接続式ヒートブランケット704の第2側部706と重ね合わされて、インターフェース708を構成する。より具体的には、第1側部702の第1フラップ710を、第2の相互接続式ヒートブランケット704の第2レッジ(図示せず)と重ね合わされる。インターフェース708によって、第1の相互接続式ヒートブランケット700と第2の相互接続式ヒートブランケット704に、単一の電源を電気的に接続することが可能になる。
【0083】
第2の相互接続式ヒートブランケット704は、
図1の第2の相互接続式ヒートブランケット135の物理的な実施態様である。いくつかの例示的な実施例では、第2の相互接続式ヒートブランケット704は、
図2に示す相互接続式ヒートブランケット200の物理的な実施態様である。
【0084】
第1の相互接続式ヒートブランケット700の第1側部702は、ポリマー材料712で形成された第1フラップ710を有し、この第1フラップ710には、第1電源コネクタ(図示せず)が組み込まれている。第2の相互接続式ヒートブランケット704の第2側部706は、第2レッジ(図示せず)を有し、この第2レッジ(図示せず)には、第2電源コネクタ(図示せず)が組み込まれている。第1フラップ710を第2レッジと重ね合わせると、第1電源コネクタ(図示せず)と第2電源コネクタ(図示せず)が接続されて、単一の電源からの電力が第1の相互接続式ヒートブランケット700と第2の相互接続式ヒートブランケット704に供給される。
【0085】
いくつかの例示的な実施例では、第1フラップ710は、磁力を利用して第2レッジ(図示せず)に対して保持される。いくつかの例示的な実施例では、第1フラップ710は、磁性材料(図示せず)を有し、第2レッジ(図示せず)は、磁性材料(図示せず)又は強磁性材料(図示せず)を有する。
【0086】
次に、
図8を参照する。同図は、例示的な実施形態による第1の相互接続式ヒートブランケットと第2の相互接続式ヒートブランケットを、インターフェースを構成するように配置した状態を下方から見た等角図である。ビュー800は、第1の相互接続式ヒートブランケット700及び第2の相互接続式ヒートブランケット704を
図7の矢印8の方向から見た図である。
【0087】
ビュー800では、第1の相互接続式ヒートブランケット700の第1エッジ802が見えている。ビュー800では、第2の相互接続式ヒートブランケット704の第2エッジ804が見えている。図示の通り、第1エッジ802と第2エッジ804は、接触している。
【0088】
第1の相互接続式ヒートブランケット700の加熱要素806は、第1側部702の第1エッジ802から1インチ以内のところまで延びている。第2の相互接続式ヒートブランケット704の加熱要素808は、第2側部706の第2エッジ810から1インチ以内のところまで延びている。第1の相互接続式ヒートブランケット700に含まれる一連の加熱要素806と、第2の相互接続式ヒートブランケット704に含まれる一連の加熱要素808との間の、インターフェース708における間隔は、第1の相互接続式ヒートブランケット700に含まれる一連の加熱要素806間の間隔と実質的に同じである。
【0089】
次に、
図9A及び
図9Bを参照する。同図は、例示的な実施形態による第1の相互接続式ヒートブランケットと第2の相互接続式ヒートブランケットを、インターフェースを構成するように配置した状態の側部図である。ビュー900は、第1の相互接続式ヒートブランケット700及び第2の相互接続式ヒートブランケット704を
図7の矢印9Aの方向から見た図である。
【0090】
ビュー900では、第2の相互接続式ヒートブランケット704の第2レッジ902が見えている。ビュー900では、第1フラップ710と第2レッジ902とが重なり合っている状態が見える。
【0091】
第1フラップ710には、第1電源コネクタ904が組み込まれている。第2レッジ902には、第2電源コネクタ906が組み込まれている。図示の通り第1フラップ710が第2レッジ902に重なり合うと、第1電源コネクタ904と第2電源コネクタ906が接続されて、第1の相互接続式ヒートブランケット700と第2の相互接続式ヒートブランケット704に単一の電源から電力が供給される。
【0092】
次に、
図10は、例示的な実施形態による相互接続式ヒートブランケットを上方から見た等角図である。相互接続式ヒートブランケット1000は、
図1に示す第1の相互接続式ヒートブランケット114の物理的な実施態様である。
【0093】
図示の通り、第1側部1002、第2側部1004、第3側部1006、又は、第4側部1008のうちの少なくとも1つは、曲面である。この実施例では、第1側部1002が曲面1003であり、また、第3側部1006が曲面1007である。第1側部1002は、レッジ1010を有する。第2側部1004は、レッジ1012を有する。第3側部1006は、レッジ1014を有する。第4側部1008は、フラップ1016を有する。
【0094】
図10に示した相互接続式ヒートブランケット1000は、例示的な実施形態を実現可能な態様に何ら物理的な限定やアーキテクチャの限定を課すことを意味するものではない。第1の相互接続式ヒートブランケット114の物理的な一実施態様では、所望の数の側部を曲面とすることができる。さらに、第1の相互接続式ヒートブランケット114の物理的な一実施態様では、所望の数の側部を有することができる。さらに、第1側部1002、第2側部1004、第3側部1006、又は、第4側部1008の各々は、フラップ又はレッジのいずれでもよい。
【0095】
次に、
図11は、例示的な実施形態による複数の相互接続式ヒートブランケットを連結した状態を上方から見た等角図である。ビュー1100において、相互接続式ヒートブランケット1102、相互接続式ヒートブランケット1104、相互接続式ヒートブランケット1106、及び、相互接続式ヒートブランケット1108が連結されてシステム1110を構成している。相互接続式ヒートブランケット1102、相互接続式ヒートブランケット1104、相互接続式ヒートブランケット1106、及び、相互接続式ヒートブランケット1108の各々は、
図1の第1の相互接続式ヒートブランケット114又は第2の相互接続式ヒートブランケット135の物理的な実施態様である。いくつかの例示的な実施例では、相互接続式ヒートブランケット1102、相互接続式ヒートブランケット1104、相互接続式ヒートブランケット1106、及び、相互接続式ヒートブランケット1108は、いずれも
図2の相互接続式ヒートブランケット200と同じものである。
【0096】
相互接続式ヒートブランケット1102と相互接続式ヒートブランケット1104の間には、インターフェース1112が形成されている。相互接続式ヒートブランケット1102と相互接続式ヒートブランケット1106の間には、インターフェース1114が形成されている。相互接続式ヒートブランケット1106と相互接続式ヒートブランケット1108の間には、インターフェース1116が形成されている。相互接続式ヒートブランケット1104と相互接続式ヒートブランケット1108の間には、インターフェース1118が形成されている。
【0097】
インターフェース1112、インターフェース1114、インターフェース1116、及び、インターフェース1118によって、相互接続式ヒートブランケット1102、相互接続式ヒートブランケット1104、相互接続式ヒートブランケット1106、及び、相互接続式ヒートブランケット1108の各々が単一の電源に電気的に接続される。インターフェース1112、インターフェース1114、インターフェース1116、及び、インターフェース1118の各々は、それぞれの相互接続式ヒートブランケットに設けられた電源コネクタの接触により確立された少なくとも1つの電源接続を有する。例えば、インターフェース1112は、相互接続式ヒートブランケット1102と相互接続式ヒートブランケット1104のそれぞれに設けられた電源コネクタが接触することにより確立された少なくとも1つの電源接続を有する。いくつかの例示的な実施例では、インターフェース1112、インターフェース1114、インターフェース1116、及び、インターフェース1118のうちの少なくとも1つは、複数の電源接続を有する。
【0098】
システム1110を用いて部材の領域を加熱した後、相互接続式ヒートブランケット1102、相互接続式ヒートブランケット1104、相互接続式ヒートブランケット1106、及び、相互接続式ヒートブランケット1108の各々を、相互接続式ヒートブランケット1102、相互接続式ヒートブランケット1104、相互接続式ヒートブランケット1106、及び、相互接続式ヒートブランケット1108の各々から互いに切り離すことができる。相互接続式ヒートブランケット1102、相互接続式ヒートブランケット1104、相互接続式ヒートブランケット1106、及び、相互接続式ヒートブランケット1108の各々は、再度接続するか、あるいは、別の相互接続式ヒートブランケットと別の構成に接続するかの少なくともいずれかを行って、将来的な用途に使用することができる。
【0099】
図示の通り、システム1110は、相互接続式ヒートブランケット1102、相互接続式ヒートブランケット1104、相互接続式ヒートブランケット1106、及び、相互接続式ヒートブランケット1108などの、すべて同じ寸法の相互接続式ヒートブランケットを含む。ただし、図示していない例示的な実施例においては、システム1110は、複数のサイズ又は形状の相互接続式ヒートブランケットで構成することができる。加えて、図示していない例示的な実施例においては、システム1110は、所望の数の相互接続式ヒートブランケットで構成することができる。システムに1110を構成する相互接続式ヒートブランケットの数、サイズ、又は、形状のうちの少なくとも1つは、加熱対象領域のサイズ及び形状に基づいて選択される。
【0100】
次に、
図12は、例示的な実施形態による複数の相互接続式ヒートブランケットを連結した状態を上方から見た等角図である。ビュー1200では、相互接続式ヒートブランケット1202、相互接続式ヒートブランケット1204、及び、相互接続式ヒートブランケット1206が連結されてシステム1208を構成している。相互接続式ヒートブランケット1202、相互接続式ヒートブランケット1204、及び、相互接続式ヒートブランケット1206の各々は、
図1の第1の相互接続式ヒートブランケット114又は第2の相互接続式ヒートブランケット135の物理的な実施態様である。
【0101】
システム1208では、相互接続式ヒートブランケット1202の第1エッジ1210に、複数の相互接続式ヒートブランケットが接続されている。相互接続式ヒートブランケット1204が、相互接続式ヒートブランケット1202の第1エッジ1210に設けられた電源コネクタ1212に接続されており、相互接続式ヒートブランケット1206が、相互接続式ヒートブランケット1202の第1エッジ1210に設けられた電源コネクタ1214に接続されている。
【0102】
図示の通り、相互接続式ヒートブランケット1204は、相互接続式ヒートブランケット1206に接続されている。図示の通り、相互接続式ヒートブランケット1204は、相互接続式ヒートブランケット1206の電源コネクタ1216に接続されている。図示では、相互接続式ヒートブランケット1204は、相互接続式ヒートブランケット1206に直接に接続されているが、相互接続式ヒートブランケット1204と相互接続式ヒートブランケット1206を直接接続しなくても、単一の電源から電力を供給できるよう構成することも可能である。
【0103】
次に、
図13を参照する。同図は、例示的な実施形態による、加熱対象領域に被せた複数の相互接続式ヒートブランケット上面の等角図である。システム1302を構成する複数の相互接続式ヒートブランケット1300の各々は、
図1の第1の相互接続式ヒートブランケット114、又は、
図1の第2の相互接続式ヒートブランケット135の物理的な実施態様である。いくつかの例示的な実施例では、複数の相互接続式ヒートブランケット1300の各々は、
図2の相互接続式ヒートブランケット200と同じ設計を有する。
【0104】
図示の通り、複数の相互接続式ヒートブランケット1300は、互いに連結されてシステム1302を構成し、複数の相互接続式ヒートブランケット1300は、単一の電源から給電される。
【0105】
図示の通り、複数の相互接続式ヒートブランケット1300が互いに連結されて、システム1302の設置形状1304を構成している。システム1302の設置形状1304は、加熱対象領域1306を覆うように選択されている。図示の通り、設置形状1304は、加熱対象領域1306の形状1307と概ね一致している。加熱対象領域1306は、不規則な形状をしている。システム1302の設置形状1304は、「L字型」であると言える。「L字型」であることにより、システム1302が加熱する領域は、加熱対象領域1306を覆うのに十分な大きさの矩形のヒートブランケットを用いる場合に比べ小さくなっている。
【0106】
具体的には、システム1302では、領域1308は覆われない。従来のヒートブランケットが加熱対象領域1306を覆うのに十分な大きさである場合、従来の矩形のヒートブランケットは領域1308も覆うことになる。
【0107】
図2~
図13の記載は、例示的な実施形態を実現可能な態様に、何ら物理的な限定やアーキテクチャの限定を課すことを意味するものではない。例えば、
図2~
図13は、縮尺通りに記載されているとは限らない。例えば、
図2の相互接続式ヒートブランケット200は、縮尺通りに記載されているとは限らない。例えば、
図2の相互接続式ヒートブランケット200の厚みは、
図2に示したよりも薄くてもよい。
【0108】
次に
図14は、例示的な実施形態による加熱対象領域の加熱方法のフローチャートを示す図である。方法1400は、
図1の第1の相互接続式ヒートブランケット114又は第2の相互接続式ヒートブランケット135などの相互接続式ヒートブランケットを用いる方法である。いくつかの例示的な実施例では、方法1400では、
図2に示す相互接続式ヒートブランケット200を用いることができる。いくつかの例示的な実施例では、方法1400では、
図7の第1の相互接続式ヒートブランケット700及び第2の相互接続式ヒートブランケット704などの、複数の相互連結用ヒートブランケットを用いることができる。いくつかの例示的な実施例では、方法1400では、
図11のシステム1110、
図12のシステム1208、又は、
図13のシステム1302などの、複数の相互連結用ヒートブランケットを用いることができる。
【0109】
方法1400では、ワークについて加熱対象領域を特定する(処理1402)。ワークについての加熱対象領域は、熱を加えるべき領域である。いくつかの例示的な実施例では、加熱対象領域を特定することは、加熱対象領域のサイズ及び形状を特定することを含む。いくつかの例示的な実施例では、加熱対象領域は不規則な形状を有する。
【0110】
方法1400では、上記加熱対象領域に対して、少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットを選択し、この少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットは、システムを構成する(処理1404)。少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットは、加熱対象領域を覆うように選択される。少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットは、加熱対象領域に所望量の熱を加えるように選択される。
【0111】
方法1400では、システムを加熱対象領域に接触させる(処理1406)。方法1400では、少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットを用いて、加熱対象領域を加熱する(処理1408)。その後、本方法を終了する。
【0112】
いくつかの例示的な実施例では、少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットは、第1の相互接続式ヒートブランケット及び第2の相互接続式ヒートブランケットを含む(処理1410)。いくつかの例示的な実施例によれば、方法1400では、システムを加熱対象領域に接触させる前に、第1の相互接続式ヒートブランケットの第1側部における第1フラップを第2の相互接続式ヒートブランケットの第2側部の上に配置して、インターフェースを構成することをさらに含む(処理1412)。
【0113】
いくつかの例示的な実施例では、加熱対象領域を加熱することは、第1の相互接続式ヒートブランケット及び第2の相互接続式ヒートブランケットに、単一の電源から電力を供給することを含む(処理1414)。いくつかの例示的な実施例では、第1の相互接続式ヒートブランケット及び第2の相互接続式ヒートブランケットに単一の電源から電力を供給することは、第1の相互接続式ヒートブランケットに単一の電源から直接に給電することと、第2の相互接続式ヒートブランケットに単一の電源から第1の相互接続式ヒートブランケットを介して電力を供給することと、を含む(処理1416)。いくつかの例示的な実施例では、加熱対象領域に対して少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットを選択することは、システムの設置形状を加熱対象領域の形状と実質的に一致させることを含む(処理1418)。
【0114】
次に、
図15は、例示的な実施形態による加熱対象領域の加熱方法のフローチャートを示す図である。方法1500は、
図1の第1の相互接続式ヒートブランケット114又は第2の相互接続式ヒートブランケット135などの相互接続式ヒートブランケットを用いる方法である。いくつかの例示的な実施例では、方法1500は、
図2に示す相互接続式ヒートブランケット200を用いることができる。いくつかの例示的な実施例では、方法1500は、
図7の第1の相互接続式ヒートブランケット700及び第2の相互接続式ヒートブランケット704などの、複数の相互連結用ヒートブランケットを用いることができる。いくつかの例示的な実施例では、方法1500では、
図11のシステム1110、
図12のシステム1208、又は、
図13のシステム1302などの、複数の相互連結用ヒートブランケットを用いることができる。
【0115】
方法1500では、第1の相互接続式ヒートブランケットを第2の相互接続式ヒートブランケットと接続してシステムを構成する(処理1502)。方法1500は、システムを用いてワークの加熱対象領域を加熱する方法であって、システムを用いてワークの加熱対象領域を加熱することは、第1の相互接続式ヒートブランケット及び第2の相互接続式ヒートブランケットに単一の電源から電力を供給することを含み、この際に、第1の相互接続式ヒートブランケットに単一の電源から直接に電力を供給し、第2の相互接続式ヒートブランケットに単一の電源から第1の相互接続式ヒートブランケットを介して電力を供給する(処理1504)。その後、本方法を終了する。
【0116】
いくつかの例示的な実施例では、方法1500では、第1の相互接続式ヒートブランケットを第2の相互接続式ヒートブランケットと接続することは、第1の相互接続式ヒートブランケットの第1側部における第1フラップを、第2の相互接続式ヒートブランケットの第2側部の上に配置して、インターフェースを構成することを含む(処理1506)。いくつかの例示的な実施例では、方法1500では、さらに、第1の相互接続式ヒートブランケット及び第2の相互接続式ヒートブランケットを、加熱対象領域に接触させる(処理1508)。
【0117】
いくつかの例示的な実施例では、システムの設置形状を、加熱対象領域の形状と実質的に一致させる(処理1510)。いくつかの例示的な実施例では、ワークは、航空機の部材である(処理1512)。
【0118】
上述の異なる実施例におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施例による装置や方法を実施可能な態様のアーキテクチャ、機能、及び、処理を示している。この点に関し、フローチャートやブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、及び/又は、操作や工程の一部を表す場合もある。
【0119】
例示的な実施例のいくつかの代替の実施態様では、ブロックで示した1つ以上機能が、図示とは異なる順で実行されてもよい。例えば、場合によっては、連続するものとして示されている2つのブロックは、実質的に同時に実行されてもよいし、関連する機能によっては、これらのブロックが逆の順序で実行されてもよい。また、フローチャートやブロック図に示したブロックに、さらに別のブロックが追加されてもよい。
【0120】
いくつかの例示的な実施例では、方法1400又は方法1500のブロックのすべてが実行されるとは限らない。例えば、
図14の処理1410~1418は、任意の処理である。他の例では、
図15の処理1506~1512は、任意の処理である。
【0121】
本開示の例示的な実施形態を、
図16に示す航空機の製造及び使用方法1600、及び、
図17に示す航空機1700に関連させて説明する。先ず、
図16は、例示的な実施形態による航空機の製造及び使用方法を示すブロック図である。生産開始前において、例示的な航空機の製造及び使用方法1600は、
図17の航空機1700の仕様決定及び設計1602、及び、材料調達1604を含む。
【0122】
製造中には、航空機1700の部品及び小組立品の製造1606及びシステム統合1608が行われる。その後、航空機1700は、認可及び納品1610の工程を経て、使用1612に入る。顧客による使用1612の間、航空機1700は、定期的な整備及び保守1614のスケジュールに組み込まれ、この整備及び保守には、改良、再構成、改修、及び、その他の適当な保守が含まれうる。
【0123】
航空機の製造及び使用方法1600の各工程は、システムインテグレータ、第三者、及び/又は、オペレータによって実行又は実施することができる。これらの実施例において、オペレータは、例えば顧客である。なお、システムインテグレータは、限定するものではないが、航空機メーカ又は主要システム下請業者をいくつ含んでいてもよい。第三者は、限定するものではないが、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよい。オペレータは、例えば、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織、及び、その他の適当なオペレータを含む。
【0124】
次に、
図17は、例示的な実施形態を実現しうる航空機を示している。この実施例では、航空機1700は、
図16に示す航空機の製造及び使用方法1600によって製造されており、複数のシステム1704及び内装1706を備えた機体1702を含みうる。複数のシステム1704の例としては、駆動系1708、電気系1710、油圧系1712、及び、環境系1714のうちの1つ以上が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでもよい。また、航空宇宙産業に用いた場合を例として説明したが、本開示の原理は、例えば自動車産業などの他の産業に適用可能である。
【0125】
本明細書において具体化する装置及び方法は、航空機の製造及び使用方法1600における1つ以上のどの段階において採用してもよい。1つ以上の例示的な実施形態を、
図16に示す部品及び小組立品の製造1606、システム統合1608、又は、整備及び保守1614の段階で用いることができる。例えば、
図1に示す第1の相互接続式ヒートブランケット114又は第2の相互接続式ヒートブランケット135のうちの少なくとも1つを、部品及び小組立品の製造1606で用いて、部材を加熱することができる。他の例では、
図1に示す第1の相互接続式ヒートブランケット114又は第2の相互接続式ヒートブランケット135のうちの少なくとも1つを、
図16に示す整備及び保守1614で用いて、
図1に示す加熱対象領域103を加熱することができる。
【0126】
本明細書において具体化する装置及び方法は、航空機1700における少なくとも1つの部品の製造において採用することができる。例えば、
図1に示す第1の相互接続式ヒートブランケット114又は第2の相互接続式ヒートブランケット135の少なくとも1つを用いて、機体1702又は内装1706の一部を構成するワークを加熱することができる。
【0127】
例示的な実施例は、機械的及び電気的に接続可能なヒートブランケットを提供する。いくつかの例示的な実施例では、ヒートブランケットは、加熱パッチ(heating patch)又は加熱モジュール(heating module)と呼ばれる場合がある。複数の相互接続可能なヒートブランケットを磁気的に連結させることで、ほとんどどのような設置形状であっても好適に覆うことができる。相互接続式ヒートブランケットは、任意のサイズ及び形状を有することができる。相互接続式ヒートブランケットは、方形、矩形、三角形、あるいは、その他の所望の形状を有することができる。いくつかの例示的な実施例では、相互接続式ヒートブランケットは、丸みを帯びた側部を有する。
【0128】
例示的な実施例では、異なるサイズの相互連結用ヒートブランケットが提供される。いくつかの例示的な実施例では、相互連結用ヒートブランケットは、通常とは異なる特異部や設置形状にも適合させることが可能である。相互接続式ヒートブランケットを加熱用の設置形状に適合させることにより、周辺の構造や部材に熱により与える損傷を低減することが可能である。
【0129】
いくつかの例示的な実施例では、各相互接続式ヒートブランケットには、各エッジに複数の他の相互接続式ヒートブランケットを接続することができる。各エッジに接続するヒートブランケットの数は、各エッジに設けられている電源コネクタの数、及び、相互接続するヒートブランケットのサイズによって決まる。1つのエッジに2つの電源コネクタが設けられている場合、そのエッジには最大で2つの相互接続式ヒートブランケットを接続することができる。1つのエッジに1つの電源コネクタしか設けられていない場合、そのエッジには相互接続式ヒートブランケットを1つだけ接続することができる。
【0130】
いくつかの例示的な実施例では、相互接続式ヒートブランケットは、当該相互接続式ヒートブランケットの対角線に関し対称的に配置された2つの雄型エッジと2つの雌型エッジを有する。いくつかの例示的な実施例では、雄型エッジは可撓性のフラップであって、これを固定の雌型エッジの上に重ねることで、機械的及び電気的な接続を確立するとともに、ヒートブランケット間に熱的な連続性を確保することができる。
【0131】
この例示的な実施例では、2つの相互接続式ヒートブランケットの間のインターフェースには、加熱要素は配置されていない。インターフェースは、例えば、継ぎ目(joint)、連結部(connection)、遷移部(transition)とも呼ばれる。インターフェースでは、導伝加熱が生じる。いくつかの例示的な実施例では、フラップには、所望の熱伝達性を得るためにテーパが設けられている。
【0132】
フラップは、2つの相互接続式ヒートブランケットを機械的及び電気的に接続することに加えて、一方のヒートブランケットから他方のヒートブランケットへの熱勾配を遷移させる隙間断熱材としても機能する。よって、所望の品質が得られない要因となりうるコールドスポット(cold spot)の発生を低減させることができる。
【0133】
いくつかの例示的な実施例では、雄型フラップの下面に強力な天然磁石が貼着されている。この磁石は、柔軟性を高めるためにいくつかのセグメントに分割されていてもよい。いくつかの例示的な実施例では、フラップは、その両端に接続点を有する。各接続点には、電源コネクタが設けられている。いくつかの例示的な実施例では、各接続点には、3つのコネクタ(データコネクタ、電源コネクタ、及び、グランド端子)が設けられている。これらのコネクタは、モジュール構造体内部に配線されたワイヤの端部である。
【0134】
同様に、いくつかの例示的な実施例では、雌型コネクタの上面に鉄系金属の帯片が貼着されている。いくつかの例示的な実施例では、受け入れ面は、その両端に接続点を有する。いくつかの例示的な実施例では、各接続点には、3つのコネクタ(データコネクタ、電源コネクタ、及び、グランド端子)が設けられている。
【0135】
1つの接続点があれば、相互接続式ヒートブランケットを追加でシステムに接続することができる。相互接続式ヒートブランケットが接続された少なくとも1つの接続点に電源コネクタが設けられていれば、その相互接続式ヒートブランケットを単一の電源によって加熱することができる。相互接続式ヒートブランケットの各エッジには複数の電源コネクタを設けることができ、これにより、設置形状を追加することができる。
【0136】
本出願は、下記の付記にも言及するが、これは、請求の範囲と混同すべきものではない。
【0137】
A1.第1面(115)と、
第2面(116)と、
複数の側部(117)と、を含み、前記複数の側部(117)のうちの少なくとも1つの側部は、電源コネクタ(119)を含む、
相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0138】
A2.前記少なくとも1つの側部は、レッジ(131、133)、又は、フラップ(130、132)を含む、付記A1に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0139】
A3.前記少なくとも1つの側部は、各々が機械的結合部(170、172、174又は176)を含む、付記A1に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0140】
A4.各機械的結合部(170、172、174、又は176)は、磁性材料(140、143、145又は146)又は強磁性材料(144、又は147)のうちの少なくとも1つである、付記A3に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0141】
A5.ポリマー材料(150)で覆われた一連の加熱要素(148)をさらに含む、
付記A1に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0142】
A6.前記一連の加熱要素(148)は、前記複数の側部(117)の各々から1インチ以内のところまで延びている、付記A5に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0143】
A7.前記相互接続式ヒートブランケット(114)は、航空機(108)の部材(106)における加熱対象領域(103)の少なくとも一部を、前記一連の加熱要素(148)から前記第1面(115)を介して伝達される熱で加熱するよう構成されている、
付記A5に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0144】
本願の別の態様において、以下のシステムが提供される。
【0145】
B1.第1側部(118)を有する第1の相互接続式ヒートブランケット(114)と、
第2側部(134)を有する第2の相互接続式ヒートブランケット(135)であって、当該第2側部(134)に前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)の前記第1側部(118)が重なり合ってインターフェース(138)を構成するものである前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)と、
前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)及び前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)に電気的に接続された単一の電源(158)と、
を含むシステム(156)。
【0146】
B2.前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)の前記第1側部(118)は、ポリマー材料(150)で形成された第1フラップ(130)を有し、当該第1フラップ(130)に第1電源コネクタ(119)が組み込まれている、付記B1に記載のシステム(156)。
【0147】
B3.前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)の前記第2側部(134)は第2レッジ(136)を有し、当該第2レッジ(136)に第2電源コネクタ(160)が組み込まれており、前記第1電源コネクタ(119)と前記第2電源コネクタ(160)は接続されており、前記単一の電源(158)からの電力を前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)及び前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)に供給する、付記B2に記載のシステム(156)。
【0148】
B4.前記第1フラップ(130)及び前記第2レッジ(136)の各々は、機械的結合部(174、165)を含む、付記B3に記載のシステム(156)。
【0149】
B5.前記第1フラップ(130)は、磁性材料(140)を含み、前記第2レッジ(136)は、磁性材料(141)又は強磁性材料(142)を含む、付記B3に記載のシステム(156)。
【0150】
B6.前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)において、一連の加熱要素(148)が前記第1側部(118)の第1エッジ(152)から1インチ以内のところまで延びている、付記B1に記載のシステム(156)。
【0151】
B7.前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)における一連の加熱要素(148)と前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)における一連の加熱要素(154)との間の、前記インターフェース(138)における間隔(166)は、前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)における一連の加熱要素(148)間の間隔(168)と実質的に同じである、付記B1に記載のシステム(156)。
【0152】
B8.前記システム(156)の設置形状(157)は、加熱対象領域(103)の形状(113)と実質的に一致する、付記B1に記載のシステム(156)。
【0153】
本願の別の態様において、以下が提供される。
【0154】
C1.第1側部(118)、及び、第2側部(121)を含み、
前記第1側部は、第1エッジ(152)から突出するようにポリマー材料(150)で形成された第1フラップ(130)を有し、前記第1フラップ(130)は、当該第1フラップ(130)に組み込まれた第1電源コネクタ(119)を有し、
前記第2側部は、第2レッジ(131)を有し、前記第2レッジ(131)に第2電源コネクタ(122)が組み込まれている、
相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0155】
C2.第3側部(124)、及び、第4側部(127)をさらに含み、
前記第3側部は、第3エッジ(154)から突出するようにポリマー材料(150)で形成された第3フラップ(132)を有し、前記第3フラップ(132)は、当該第3フラップ(132)に組み込まれた第3電源コネクタ(125)を有し、
前記第4側部は、第4レッジ(133)を有し、当該第4レッジ(133)に第4電源コネクタ(128)が組み込まれている、
付記C1に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0156】
C3.前記第1側部(118)と前記第3側部(124)は、互いに直角である、付記C2に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0157】
C4.前記第1側部(118)、前記第2側部(121)、前記第3側部(124)、又は、前記第4側部(127)のうちの少なくとも1つは、曲面である、付記C3に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0158】
C5.前記第1側部(118)は、さらに、前記第1フラップ(130)に組み込まれた第3電源コネクタ(120)を含む、付記C1に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0159】
C6.前記第2側部(121)は、さらに、前記第2レッジ(131)に組み込まれた第4電源コネクタ(123)を含む、付記C5に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0160】
C7.ポリマー材料(150)で覆われた一連の加熱要素(148)をさらに含み、前記一連の加熱要素(148)は、前記第1エッジ(152)から1インチ以内のところまで延びている、
付記C1に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0161】
C8.前記相互接続式ヒートブランケット(114)は、航空機(108)の部材(106)における加熱対象領域(103)の少なくとも一部を、前記一連の加熱要素(148)から前記相互接続式ヒートブランケット(114)の第1面(115)を介して伝達される熱で加熱するよう構成されている、
付記C7に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0162】
C9.前記相互接続式ヒートブランケット(114)は対称性を有する、
付記C1に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0163】
C10.前記第1フラップ(130)は、磁性材料(140)を含み、前記第2レッジ(131)は、磁性材料(143)又は強磁性材料(144)を含む、
付記C1に記載の相互接続式ヒートブランケット(114)。
【0164】
本願の別の態様において、以下の方法が提供される。
【0165】
D1.ワーク(102)について加熱対象領域(103)を特定することと、
前記加熱対象領域(103)に対して、少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットを選択してシステム(156)を構成することと、
前記システム(156)を前記加熱対象領域(103)に接触させることと、
前記システム(156)を用いて前記加熱対象領域(103)を加熱することと、
を含む方法。
【0166】
D2.前記少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットは、第1の相互接続式ヒートブランケット(114)、及び、第2の相互接続式ヒートブランケット(135)を含み、前記方法は、さらに、
前記システム(156)を前記加熱対象領域(103)に接触させる前に、前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)の第1側部(118)の第1フラップ(130)を、前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)の第2側部(134)の上に配置して、インターフェース(138)を構成することを含む、
付記D1に記載の方法。
【0167】
D3.前記加熱対象領域(103)を加熱することは、前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)及び前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)に、単一の電源(158)から電力を供給することを含む、付記D2に記載の方法。
【0168】
D4.前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)及び前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)に単一の電源(158)から電力を供給することは、前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)に前記単一の電源(158)から直接に電力を供給することと、前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)に前記単一の電源(158)から前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)を介して電力を供給することと、を含む、付記D3に記載の方法。
【0169】
D5.前記加熱対象領域(103)に対して、前記少なくとも1つの相互接続式ヒートブランケットを選択することは、前記システム(156)の設置形状(157)を、前記加熱対象領域(103)の形状(113)と実質的に一致させることを含む、付記D1に記載の方法。
【0170】
D6.前記ワーク(102)は、航空機(108)の部材(106)である、
付記D1に記載の方法。
【0171】
本願の別の態様において、以下の方法が提供される。
【0172】
E1.第1の相互接続式ヒートブランケット(114)を第2の相互接続式ヒートブランケット(135)と接続してシステム(156)を構成することと、
前記システム(156)を用いて、ワーク(102)における加熱対象領域(103)を加熱することと、を含み、
前記ワーク(102)における前記加熱対象領域(103)を加熱することは、前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)及び前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)に単一の電源(158)から電力を供給することを含み、この際に、前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)に前記単一の電源(158)から直接に電力を供給し、前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)に前記単一の電源(158)から前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)を介して電力を供給する、方法。
【0173】
E2.前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)を前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)と接続することは、前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)の第1側部(118)の第1フラップ(130)を前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)の第2側部(134)の上に配置して、インターフェース(138)を構成することを含む、付記E1に記載の方法。
【0174】
E3.前記第1の相互接続式ヒートブランケット(114)及び前記第2の相互接続式ヒートブランケット(135)を、前記加熱対象領域(103)に接触させることをさらに含む、
付記E2に記載の方法。
【0175】
E4.前記システム(156)の設置形状(157)を、前記加熱対象領域(103)の形状(113)と実質的に一致させる、付記E1に記載の方法。
【0176】
E5.前記ワーク(102)は、航空機(108)の部材(106)である、付記E1に記載の方法。
【0177】
本開示の様々な例示的な実施形態を記載したが、これは、例示及び説明のために提示したものであり、全てを網羅することや、開示した形態での実施に限定することを意図するものではない。当業者には、多くの改変及び変形が明らかであろう。また、異なる例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態とは異なる特徴を有する場合がある。記載した実施形態は、実施形態の原理及び実際の用途を最も的確に説明するために選択されたものであり、また、当業者が、想定した具体的な用途に適した種々の変形を加えた様々な実施形態の開示を理解できるように選択されたものである。