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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】駐車場管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20240613BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240613BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20240613BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G06Q50/10
G07B15/00 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020005201
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021114030
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 もとこ
(72)【発明者】
【氏名】勝間田 優樹
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】井手 崇博
(72)【発明者】
【氏名】山田 曉
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第6502607(JP,B1)
【文献】特開2016-14575(JP,A)
【文献】国際公開第2011/010629(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 99/00
G07B 15/00
E04H 6/00 - 6/44
G01S 5/00 - 5/14
G01S 19/00 - 19/55
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に隣接する建物において前記駐車場の近傍に配置される無線LAN装置と、当該無線LAN装置を介して外部ネットワークと通信を行う通信端末と、前記通信端末を利用して駐車場管理を行う駐車場管理装置と、からを含む駐車場管理システムにおいて、
前記通信端末は、
前記無線LAN装置から発信される無線電波を受信し、その受信レベルを前記駐車場管理装置へ送信する送信部を備え、
前記駐車場管理装置は、
前記通信端末から、前記無線電波の受信レベル情報を取得する取得部と、
前記受信レベル情報に基づいて、前記駐車場の満空状態を判断する判断部と、
を備え
前記駐車場管理装置は、
前記駐車場の満空状態と、受信レベルの変動とを、前記駐車場ごとに対応付けて設定しておき、
前記判断部は、前記設定に基づいて前記駐車場の満空状態を判断する、
駐車場管理システム。
【請求項2】
前記受信レベル情報は、無線電波の受信レベルの変動に基づく平均値を示す、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記受信レベル情報は、無線電波の受信レベルの変動に基づく分散値を示す、請求項1または2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
駐車場近傍に配置される電波を発信する発信装置と、当該駐車場近傍に配置され、前記発信装置からの電波を受信して受信レベルを検出する通信端末とを含む車両検出装置と、
を備え、
前記取得部は、前記通信端末から受信レベル情報を取得する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
当該駐車場管理装置において判断された駐車場における満空状態を記憶する駐車情報記憶部と、
前記満空状態に基づいた、駐車場の予約管理を行う予約管理部と、
を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記無線LAN装置と前記通信端末との間に前記駐車場がある場合においては、前記駐車場管理装置は、前記受信レベルが高い場合に、前記駐車場は空きであると判断する、
請求項1に記載の駐車場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が駐車場に駐車していることを判断する駐車場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、駐車場の各駐車場所に所定の図形を記し、この駐車場を撮影した画像を画像処理することにより上記図形による像を抽出し、その像の有無により駐車している車両の有無を検出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-97697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、その駐車場において、専用のセンサが必要であり、コストがかかるという問題がある。
【0005】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明は、専用のセンサを用いることなく、駐車場における車両の有無を判断する駐車場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駐車場管理システムは、駐車場に隣接する建物に配置される無線LAN装置と、当該無線LAN装置を介して外部ネットワークと通信を行う通信端末と、前記通信端末を利用して駐車場管理を行う駐車場管理装置と、からを含む駐車場管理システムにおいて、前記通信端末は、前記無線LAN装置から発信される無線電波を受信し、その受信レベルを前記駐車場管理装置へ送信する送信部を備え、前記駐車場管理装置は、前記通信端末から、前記無線電波の受信レベル情報を取得する取得部と、前記受信レベル情報に基づいて、前記駐車場の満空状態を判断する判断部と、を備える。
【0007】
この構成により、車両を検出するための専用のセンサを必要とすることなく、簡単な構成で車両の有無を判断することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、専用のセンサを用いることなく、車両の有無を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の駐車の有無を判断するための原理について説明する概念図である。
図2】通信端末100が検出した電波の受信レベルの具体例を示す図である。
図3】受信レベルに対して、所定間隔(例えば20分)ごとに前後所定時間(例えば10分)の受信レベルの平均値を示した図である。
図4】所定間隔ごとの受信レベルの分散値を示した図である。
図5】本実施形態の駐車の有無を判断するための原理について説明する別の概念図である。
図6】駐車場管理のための駐車場管理システムのシステム構成を示す図である。
図7】駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400の機能構成を示すブロック図である。
図8】駐車場管理システム10の処理シーケンスを示す図である。
図9】本開示の一実施の形態に係る駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態の駐車の有無を判断するための原理について説明する概念図である。本実施形態においては、駐車の判断対象は、一般の家庭にある駐車場である。本実施形態は、いわゆるパーキングシェリングを想定しており、一般の家庭の駐車場を、他人に貸し出すことを想定している。一般の家庭の駐車場とは、コインパーキングなど、業として駐車場を貸し出すための設備(駐車の有無判断のためのセンサ)を有していない駐車場である。 本実施形態においては、図1に示されるとおり、一般の家庭にある無線LANルータ200は、スマートフォン、パソコンなどの通信端末をインターネットなどに通信接続するための装置である。図1においては、スマートフォンである通信端末100は、敷地Sにおける家Hの中に配置されている。駐車場Pは、家Hに隣接するように配置されており、通信端末100は駐車場Pの近傍に配置されることになる。そして、通信端末100は、無線LANルータ200を経由して、電柱Dに配設されている光回線と接続しており、インターネットなど外部ネットワークと通信接続する。
【0012】
通信端末100は、無線LANルータ200から発せられている電波を常時受信しており、その受信レベルを検出してその検出時刻と対応付けて記憶する。
【0013】
図1(a)に示されているように、車両Kが駐車場Pに駐車していない場合には、無線LANルータ200からの電波は車両Kの影響を受けることがない。通信端末100は、影響を受けていない電波の受信レベルを検出する。
【0014】
一方で、図1(b)に示されているように、車両Kが、駐車場Pに駐車している場合には、無線LANルータ200から発せられた電波は、車両Kに反射する場合がある。通信端末100は、無線LANルータ200から発せられた電波と、車両Kで反射された電波との両方を受信するため、その電波の受信レベルが大きくなる。
【0015】
本実施形態においては、このように通信端末100が受信した電波の受信レベルに基づいて、車両Kが駐車場Pに駐車しているか否かを判断することができる。
【0016】
通信端末100と無線LANルータ200との位置関係は可能な限り同じであることがよい。したがって、通信端末100のユーザは、家Hの中で決まった位置に通信端末100を置いておくことがよい。なお、通信端末100の位置を変えた受信レベルを測定しておき、それらを基準に駐車場Pの満空状態を判断するようにしてもよい。
【0017】
なお、当然に一般家庭での使用に限定するものではない。業として時間単位で貸し出される駐車場に対しても適用可能である。すなわち、その駐車場の近傍に、電波を発信する発信装置とそれを受信する受信装置とを配置しておき、受信装置における受信レベルを取得する構成としてもよい。
【0018】
図2は、通信端末100が検出した電波の受信レベルの具体例を示す図である。縦軸は、受信レベル(dB)あり、横軸は時間を示す。図では便宜上、1~100までを列挙しているが、これは時刻を示している。
【0019】
図2に示されるように、受信レベル部分L1は、駐車場Pに車両Kが駐車しているときの受信レベルを示す。上述したとおり、無線LANルータ200が発した電波は車両Kに反射することで、通信端末100は受信レベルの高い電波を検出する。受信レベル部分L2は、駐車場Pから車両Kが出庫するとき(または入庫するとき)の受信レベルを示す。車両Kが移動することにより、通信端末100の受信レベルの強弱が大きくなるためである。受信レベル部分L3は、車両Kが駐車場Pにいない場合の受信レベルを示す。上述したとおり、車両Kがいなくなるため、電波の反射がなくなり、通信端末100が検出した電波の受信レベルは、車両Kがいたときより低くなる。
【0020】
このように、受信レベルの変動に基づいて、車両Kの駐車場における駐車の有無を判断することができる。
【0021】
なお、判断基準としては、受信レベルに限らず、所定期間(例えば、現時刻を基準に過去60秒間)における平均値または分散値を対象としてもよい。
【0022】
例えば、図3は、受信レベルに対して、現時刻から所定時間過去の受信レベルの平均値を示した図である。ここでは所定時間過去とは、3秒から60秒の間とするが、それに限るものではなく、もっと短い時間であってもよい。
【0023】
このように過去所定時間における受信レベルの平均値を用いて、受信レベルの変動を判断してもよい。例えば、現時刻tの車両Kの有無を判断したい場合には、時刻t-60秒から時刻t-1秒までの受信レベルの平均値を用いてもよい。このように受信レベルの平均値を用いることで、時系列の解析を容易にすることができる。したがって、何らかの影響により受信レベルの瞬間値が外れ値を示した場合でも、平均値を用いることで外れ値の影響を小さくすることができる。
【0024】
また、同様の考え方で、現時刻から所定時間過去における受信レベルの分散値を用いてもよい。図4は、その受信レベルの分散値を示した図である。この図においては、過去所定時間における受信レベルの分散値を用いて、受信レベルの変動を判断する。例えば、現時刻tの車両Kの有無を判断したい場合には、時刻t-60秒から時刻t-1秒までの受信レベルの分散値を用いる。分散値を用いることで、車両Kの動きを的確に捉えることができる。すなわち、車両Kが入出庫のために移動すると、受信レベルの変動が大きくなり、そのため分散値も大きくなる。よって、分散値に基づいて車両Kの駐車場Pからの入出庫を判断することが可能となる。
【0025】
上述の説明では、受信レベルが高くなった場合には、車両Kが駐車場Pに駐車していると判断できるが、これに限るものではない。図5に示すように、家Hと駐車場Pとの位置関係によっては、車両Kが存在しない方が、受信レベルが高くなる場合がある。
【0026】
したがって、受信レベルの変動と車両Kの有無との関係は、家または駐車場ごとに異なっており、それに応じて受信レベルの変動と駐車場の満空状態とを対応付けを設定しておく必要がある。
【0027】
つぎに、このような一般家庭にある駐車場を他人に貸し出す(シェリング)ときの処理およびそのシステム構成について説明する。図6は、駐車場管理のための駐車場管理システムのシステム構成を示す図である。
【0028】
図6に示すように、駐車場管理システム10は、駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400を含んで構成されている。駐車場管理サーバ300は、家Hの通信端末100から受信レベルを受信し、その通信端末100の識別情報および受信レベルを検出した時刻とともに受信レベルを記憶する。
【0029】
駐車場事業者サーバ400は、定期的に駐車場管理サーバ300から通信端末100の受信レベル(平均値および/または分散値としてもよい)とその時刻とを取得し、駐車場の満空状態を判断する。駐車場事業者サーバ400は、駐車場の予約、そのほか満空状態を管理するサーバであり、駐車を希望するドライバに対して駐車場の満空状態情報を通知し、または予約を受け付けることができる。
【0030】
図7は、駐車場管理システム10における通信端末100、駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400の機能構成を示すブロック図である。通信端末100は、受信レベル送信部101および受信レベル検出部102を含んで構成されている。この通信端末100は、無線LANルータ200とあわせて車両検出装置として機能する。
【0031】
駐車場管理サーバ300は、受信レベル取得部301、受信レベル記憶部302、駐車判断部303、および駐車情報送信部304を含んで構成されている。駐車場管理サーバ300は、車両検出装置とともに、車両管理装置としての機能を有するが、駐車場管理サーバ300単体で駐車場管理装置として機能してもよい。
【0032】
駐車場事業者サーバ400は、駐車情報記憶部401および駐車場予約管理部402を含んで構成されている。以下、各構成について説明する。まず、通信端末100の機能構成について説明する。
【0033】
受信レベル送信部101は、受信レベル検出部102により検出された受信レベルを、その検出時刻および通信端末100の識別情報とともに、駐車場管理サーバ300に送信する部分である。なお、受信レベル送信部101は、受信レベルから過去数秒間における平均値およびその分散値を算出し、受信レベルとして送信してもよい。
【0034】
受信レベル検出部102は、無線LANルータ200から発信された電波の受信レベルを検出する部分である。この受信レベル検出部102は、定期的に電波の受信レベルを検出する。
【0035】
つぎに、駐車場管理サーバ300について説明する。受信レベル取得部301は、通信端末100から送信された受信レベル、判断時刻および識別情報を取得する部分である。
【0036】
受信レベル記憶部302は、取得された受信レベル、判断時刻および通信端末100の識別情報を記憶する部分である。
【0037】
駐車判断部303は、受信レベル記憶部302に記憶されている情報に基づいて、定期的に駐車場における車両の有無(満空状態)を判断する部分である。なお、駐車判断部303は、必要に応じて、受信レベル記憶部302に記憶されている受信レベルの平均値および分散値を算出し、その値に基づいて満空状態を判断してもよい。
【0038】
駐車情報送信部304は、駐車判断部303により判断された満空状態を駐車場事業者サーバ400に送信する部分である。
【0039】
つぎに、駐車場事業者サーバ400について説明する。駐車情報記憶部401は、通信端末100の識別情報に対応する駐車場の満空状態を示す情報を記憶する部分である。なお、通信端末100の識別情報に対応する駐車場の識別情報を予め設定しておくことで、通信端末100の識別情報に応じた駐車場を特定することができる。
【0040】
駐車場予約管理部402は、駐車情報記憶部401に記憶されている駐車場の満空状態基づいて、ドライバからの駐車場の予約管理を行う部分である。すなわち、駐車場予約管理部402は、ドライバ(通信端末)からの依頼に応じて、駐車情報記憶部401に記憶されている満空情報に基づいて、空いている駐車場に対する予約を受け付ける処理を行う。また、駐車場予約管理部402は、その駐車場に空きが出た際には、駐車場が空いた旨の通知を行う。また、駐車場予約管理部402は、ドライバからの問合せに応じて、駐車場の満空情報を通知してもよい。
【0041】
つぎに、駐車場管理システム10の処理について説明する。図8は、駐車場管理システム10の処理シーケンスを示す図である。無線LANルータ200は、常時、電波を発信している。通信端末100は、その電波を受信する(S101)。そして、通信端末100において、受信レベル検出部102は、その電波の受信レベルを検出して、記憶する(S102)。受信レベル送信部101は、無線LANルータ200を介して、または公衆回線、移動体通信網などを介して、駐車場管理サーバ300に受信レベルを送信する(S103)。この送信タイミングは、電波を検出するごとに常に行ってもよいし、周期的に行ってもよい。
【0042】
駐車場管理サーバ300において、受信レベル取得部301は、受信レベルを取得し、受信レベル記憶部302は、受信レベルを記憶する。そして、駐車判断部303は、受信レベル記憶部302に記憶されている受信レベルに基づいて駐車場における車両の有無を判断する(S104)。この判断処理は、定期的に行ってもよいし、受信レベルを受信する度に行ってもよい。
【0043】
駐車情報送信部304は、駐車場における車両の有無に変化があったときに、その満空状態情報(駐車車両の有無)を駐車場事業者サーバ400に送信する(S105)。
【0044】
駐車場事業者サーバ400は、満空状態に変化のあった駐車場の満空状態を更新する。駐車場事業者サーバ400は必要に応じて、その駐車場の満空状態を予め設定されたドライバまたは駐車を希望するドライバに通知する。なお、駐車情報送信部304は、駐車場事業者サーバ400に、満空状態情報を送信しているが、これに限るものではなく、直接、予め設定されたドライバ(通信装置)または駐車を希望するドライバ(通信装置)に通知してもよい。
【0045】
つぎに、本実施形態の駐車場管理サーバ300の作用効果について説明する。駐車場管理サーバ300は、駐車場P近傍に配置される通信端末100から、当該通信端末100が受信している無線電波の受信レベル情報を取得する受信レベル取得部301と、受信レベル情報に基づいて、駐車場Pの満空状態を判断する駐車判断部303と、を備える。
【0046】
これにより、駐車場の車両を検出するための特別なセンサを用いることなく、車両の駐車の有無を判断することができる。特に、一般家庭におけるパーキングシェリングに適用する場合には、そのためのセンサを設定することなく、その家庭において利用しているスマートフォン、無線LANルータを利用することができ、簡単に駐車の有無を判断することができる。なお、当然のことながら、本実施形態における駐車の判断手法は、パーキングシェリングのみに限るものではなく、コインパーキングなどの業として運営しているパーキングにおいても適用可能である。
【0047】
本実施形態において、受信レベルは、無線電波の受信レベルの変動を示す。この受信レベルは、電波強度そのものでもよいし、所定時間における平均値としてもよい。また、受信レベルは、無線電波の受信レベルの変動に基づく分散値を示す情報としてもよい。
【0048】
また、本実施形態において、駐車場管理サーバ300と、駐車場事業者サーバ400とからなる駐車場管理システム10を構築してもよい。駐車場事業者サーバ400は、当該駐車場管理サーバ300において判断された駐車場における満空状態を記憶する駐車情報記憶部401と、満空状態をユーザに通知する通知部として機能する駐車場予約管理部402とを備えてもよい。
【0049】
なお、本実施形態においては、駐車場管理サーバ300と駐車場事業者サーバ400とは別の構成で表しているが、これに限るものではない。一つのサーバ内において、駐車場管理サーバ300と駐車場事業者サーバ400との機能を有するようにしてもよい。
【0050】
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0051】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0052】
例えば、本開示の一実施の形態における駐車場管理サーバ300、駐車場事業者サーバ400などは、本開示の駐車場管理方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図9は、本開示の一実施の形態に係る駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0053】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0054】
駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0055】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の駐車判断部303などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0056】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、駐車判断部303は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0057】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る駐車場管理方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0058】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0059】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の受信レベル取得部301、駐車情報送信部304などは、通信装置1004によって実現されてもよい。受信レベル取得部301、駐車情報送信部304は、送受信部として物理的、または論理的に一つのものとしてもよいし、分離された実装がなされてもよい。
【0060】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0061】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0062】
また、駐車場管理サーバ300および駐車場事業者サーバ400は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0063】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0064】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0065】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0066】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0067】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0068】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0069】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0070】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0071】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0072】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0073】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0074】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0075】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0076】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0077】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0078】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0079】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0080】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0081】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0082】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0083】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
101…受信レベル送信部、102…受信レベル検出部、301…受信レベル取得、302…受信レベル記憶部、303…駐車判断部、304…駐車情報送信部、401…駐車情報記憶部、402…駐車場予約管理部。
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