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特許7503427充放電プローブ及びこれを備えた充放電検査装置
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  • 特許-充放電プローブ及びこれを備えた充放電検査装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】充放電プローブ及びこれを備えた充放電検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20240613BHJP
   G01R 1/067 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G01R1/073 A
G01R1/067 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020103841
(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公開番号】P2021196293
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】外村 仁
(72)【発明者】
【氏名】中野 剛志
(72)【発明者】
【氏名】川上 洋一
(72)【発明者】
【氏名】島田 道治
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-032444(JP,A)
【文献】特開2010-019797(JP,A)
【文献】実開昭62-197073(JP,U)
【文献】特開2001-183421(JP,A)
【文献】実開平06-022965(JP,U)
【文献】特開平05-256875(JP,A)
【文献】特許第2993933(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
G01R 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電検査装置の基板と、該充放電検査装置により充放電試験する二次電池との間に配置された、絶縁性を備えた支持プレートに取付けて用いられ、前記基板の端子と前記二次電池の電極にそれぞれ接続可能なプローブピンを筒状となったソケット本体の軸心方向両側に備えた充放電プローブであって、
前記ソケット本体は筒状となって、その内部の軸心方向途中位置に仕切り部が設けられ、該仕切り部により、前記ソケット本体の軸心方向一側に空洞部が形成されると共に、前記ソケット本体の軸心方向他側に嵌挿部が形成され、
前記ソケット本体の軸心方向一側の空洞部内に、一方の前記プローブピンの基側が、前記仕切り部に接触した弾性体に、その基側端面を接触させて、押圧可能に収容され、
前記ソケット本体の軸心方向他側の嵌挿部に抜き差し可能で、他方の前記プローブピンの基側が弾性体を介して押圧可能に収容されたバレルを具備し、
前記ソケット本体の軸心方向一側に設けられた前記一方のプローブピンが、前記基板の端子に接続可能であり、前記バレルに収容した前記他方のプローブピンが、前記二次電池の電極に接続可能であって、前記一方のプローブピンの長さが前記他方のプローブピンよりも短いことを特徴とする充放電プローブ。
【請求項2】
請求項1記載の充放電プローブにおいて、前記空洞部内及び前記バレル内の前記弾性体はバネ材であることを特徴とする充放電プローブ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の充放電プローブを備えた充放電検査装置であって、
前記支持プレートの前記基板の端子に対応した位置に、前記ソケット本体を取付け取外し可能にする挿通孔が形成されていることを特徴とする充放電検査装置。
【請求項4】
請求項3記載の充放電検査装置において、前記基板の端子は該基板に多数設けられ、前記支持プレートの前記挿通孔は、前記基板の各端子の位置に対応して、該基板の端子と同数形成されていることを特徴とする充放電検査装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の充放電検査装置において、前記基板の下側に前記支持プレートが取付け固定されていることを特徴とする充放電検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電可能な二次電池を充放電検査装置で充放電試験する際に使用する充放電プローブに用いられる充放電プローブピン用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やハイブリッド自動車、その他の電気製品等において、リチウムイオン電池やニッケル水素電池を始めとする充放電可能な二次電池が広く使用されている。
この電池の製造においては、従来の充放電用電池と同様、製造した電池の充放電試験を行い、電池が所定の性能や特性を満たしているか否かを検査してから出荷している。この充放電試験は、充放電検査装置の電源(充放電電源)を、充放電プローブを介して二次電池に接続することで行われている。なお、充放電プローブは、充放電検査装置の電源等が設けられた基板と、充放電試験する二次電池との間に配置され、基板の端子と二次電池の電極にそれぞれ接続されるプローブピンを軸心方向両側に備えたものである。
【0003】
上記した充放電プローブとして、充放電試験に用いられるものではないが、例えば、特許文献1に、半導体の電気特性試験に用いるコンタクトプローブピンが開示されており、具体的には、内部に異なるバネ定数を持つ2つのスプリングを有し、軸心方向両側に配置されたプランジャー(充放電プローブのプローブピンに相当)に異なる圧力を加える構造となっている。
更に、特許文献2には、IC検査に用いるプローブユニットが開示されており、具体的には、軸心方向両側に配置されたプランジャー(充放電プローブのプローブピンに相当)と、各プランジャーにそれぞれ接続された異なる強度のスプリングとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4046548号公報
【文献】特許第5657220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1に開示のコンタクトプローブピンは、2つのスプリングが組込まれた構成であるため、例えば、一方のプランジャーが接触するスプリングのバネ定数(強度)のみを変更したい場合、これに対応してコンタクトプローブピンの種類を増やす必要があり、また、使用によって先端が摩耗した一方のプランジャーのみを交換したい場合、コンタクトプローブピンを解体しなければならず手間がかかる。
上記した課題は、引用文献2に開示のプローブユニットも同様であり、更に、引用文献2のプローブユニットの構成は複雑である(必要な部品点数が多くなる)。
なお、充放電プローブには、例えば、半田付けにより基板に取付けられるものもあるが、この場合、充放電プローブの交換に際し、充放電プローブの基板に対する取付け取外し(半田付け)に手間がかかる。更に、半田付けするための領域を基板に確保しなければならず、例えば、基板に実装する部品の取付け可能な領域が狭くなり、パターンレイアウトも制限される。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、構成を簡単にでき、種類を増やすことなく、プローブピンの交換も容易で、更には、充放電検査装置に対して容易に取付け取外し可能な充放電プローブピン用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う本発明に係る充放電プローブピン用ソケットは、充放電検査装置の基板と、該充放電検査装置により充放電試験する二次電池との間に配置され、前記基板の端子と前記二次電池の電極にそれぞれ接続可能なプローブピンを軸心方向両側に備えた充放電プローブに用いられる充放電プローブピン用ソケットであって、
筒状となったソケット本体の軸心方向一側に、一方の前記プローブピンが、弾性体を介して押圧可能に設けられ、
前記ソケット本体の軸心方向他側に、他方の前記プローブピンを押圧可能に収容したバレルを、抜き差し可能にする嵌挿部が設けられている。
【0008】
本発明に係る充放電プローブピン用ソケットにおいて、前記弾性体はバネ材であるのがよい。
【0009】
本発明に係る充放電プローブピン用ソケットにおいて、前記基板と前記二次電池との間には絶縁性の支持プレートが配置され、該支持プレートの前記基板の端子に対応した位置に、前記ソケット本体を取付け取外し可能にする挿通孔が形成されていることが好ましい。
【0010】
本発明に係る充放電プローブピン用ソケットにおいて、前記基板の端子は該基板に多数設けられ、前記支持プレートの前記挿通孔は、前記基板の各端子の位置に対応して、該基板の端子と同数形成されているのがよい。
【0011】
本発明に係る充放電プローブピン用ソケットにおいて、前記ソケット本体の軸心方向一側に設けられた前記一方のプローブピンは、前記基板の端子に接続可能であり、前記バレルに収容した前記他方のプローブピンは、前記二次電池の電極に接続可能であるのがよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る充放電プローブピン用ソケットは、筒状となったソケット本体の軸心方向一側に、一方のプローブピンを、弾性体を介して押圧可能に設けているので、構成を簡単にできる。
また、ソケット本体の軸心方向他側に、他方のプローブピンを押圧可能に収容したバレルを、抜き差し可能にする嵌挿部が設けられているので、例えば、他方のプローブピン側のバネ定数(強度)のみを変更したい場合や、使用によって先端が摩耗した他方のプローブピンのみを交換したい場合でも、容易に対応できる。
従って、構成を簡単にでき、種類を増やすことなく、プローブピンの交換も容易な充放電プローブピン用ソケットを提供できる。
【0013】
更に、基板と二次電池との間に配置された絶縁性の支持プレートに、ソケット本体を取付け取外し可能にする挿通孔が形成されている場合、例えば、従来のような半田付けを用いることなく、支持プレートに対するソケット本体の取付け取外しを容易にできるため、作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る充放電プローブピン用ソケットを用いた充放電プローブの側断面図である。
図2】(A)、(B)はそれぞれ同充放電プローブピン用ソケットの側断面図、同充放電プローブピン用ソケットに装着されるバレル側の側断面図である。
図3】同充放電プローブピン用ソケットを用いた充放電プローブが取付けられた充放電検査装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る充放電プローブピン用ソケット(以下、単にソケットとも記載)10は、上下方向に間隔を有して対向配置された、充放電検査装置11の基板(プリント基板)12と、この充放電検査装置11により充放電試験する二次電池13との間に配置され、基板12の端子(図示しない)と二次電池13の電極(正極と負極)14、15にそれぞれ接続可能なプローブピン16、17を軸心方向両側に備えた充放電プローブ18に用いられるものである。以下、詳しく説明する。
【0016】
充放電検査装置11は、図3に示すように、例えば、1つのトレイ(搬送トレイ)19に一列、複数列、又は、ランダム等に並べて(図3では左右方向に複数列並べて)配置された複数の二次電池13を同時に充放電試験(充放電検査)するものである。なお、二次電池13には、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等、種々あるが、充放電可能な電池であれば特に限定されるものではなく、小型の電池(SMD型(表面実装型)の全固体電池等)でもよく、また、形状は、直方体状、薄板状、円盤状、立方体状、円柱状等でもよい。
【0017】
この充放電検査装置11は、平面視して長方形状(又は正方形状)のベース台20と、このベース台20(例えば、四隅部)に立設された複数の支柱21と、この支柱21の上端部に取付け固定された天井部22と、ベース台20と天井部22との間を支柱21に沿って昇降可能に設けられ、二次電池13が配置されたトレイ19を載置するための昇降台23と、この昇降台23を昇降させる昇降手段(例えば、エアシリンダーや油圧シリンダー:図示しない)とを有している。なお、図3においては、二次電池13の左側の電極14が正極(+)、右側の電極15が負極(-)となっている。
【0018】
天井部22には基板12が吊持されている。
この基板12の上側には、例えば、複数のカードエッジコネクタ(図示しない)が設けられ、充放電電源が取付け取外し可能になっている。この基板12の下面側には端子が設けられ、充放電プローブ18の上側(一側)に設けられたプローブピン(一方のプローブピン)16の上端部(先端部)が当接可能になっている。
これにより、充放電プローブ18の上端部が充放電電源に接続されることになる。
なお、上記したカードエッジコネクタと端子は、1個の充放電電源に複数の二次電池13が並列接続されるように、基板12に形成した配線で接続されている。
【0019】
基板12の下側(基板12と二次電池13との間)には、絶縁性を備えた樹脂製の支持プレート24が取付け固定されている。
支持プレート24には、棒状の充放電プローブ18が、その両側を支持プレート24の表裏面から突出させた状態で多数設けられている。この充放電プローブ18は二次電池13を充放電検査するものであり、ここでは、電流を流す充放電プローブ(正極と負極:電力ピン)と電圧を測定する充放電プローブ(正極と負極:センシングピン)の合計4本を1セットとして使用している(図3において、二次電池11の正極と負極のそれぞれの奥行側にも充放電プローブが配置され、二次電池11の正極と負極にそれぞれ2本ずつ接触可能である)。
【0020】
充放電プローブ18は、図1図2(A)に示すように、筒状(円筒状)となったソケット本体30を有している。
このソケット本体30は、その内部の軸心方向途中位置(中央部)に仕切り部31が設けられ、上側(軸心方向一側)端部と下側(軸心方向他側)端部がそれぞれ開口している。なお、仕切り部31により、ソケット本体30の上側に空洞部32が、下側に嵌挿部33が、それぞれ形成される。
このソケット本体30の材質は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、真鍮や燐青銅等を採用できる。
【0021】
ソケット本体30の空洞部32内には、先細り状となったプローブピン16の下側(基側)が、ソケット本体30とプローブピン16の軸心を合わせた状態で収容配置されている。このプローブピン16の上端部が基板12の端子に接続可能になっている。また、プローブピン16の上側(先側)の形状は、接続対象等によって種々変更可能であり、特に限定されるものではない。
なお、ソケット本体30の上端部は、その内径が、上方に向けて徐々に縮径し、プローブピン16の下側は、ソケット本体30の上端部よりも拡幅しているため、ソケット本体30の空洞部32内からプローブピン16が抜け出ることはない。
また、空洞部32内であって、仕切り部31とプローブピン16の下端面(基端面)との間には、バネ材(弾性体の一例)34が、ソケット本体30の軸心方向とバネ材(スプリング)34の伸縮方向を合わせて、収容配置されている。
【0022】
これにより、自由状態(バネ材34に負荷がかからない状態)では、プローブピン16の先側が、ソケット本体30の空洞部32内から上方へ向けて突出した状態を維持するため、プローブピン16の上端部が基板12の端子に接触した際に、プローブピン16がソケット本体30に対して押圧可能になる。
上記したプローブピン16とバネ材34の材質は共に、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、プローブピン16には、例えば、ベリリウム銅合金等を採用でき、バネ材34には、例えば、ピアノ線や銅線、ステンレス製(SUS304やSUS316等)の線等を採用できる。なお、バネ材の代わりに導電性ゴム等も使用できる。
【0023】
ソケット本体30の嵌挿部33は、ソケット本体30の仕切り部31から下端位置まで同一内径となって、プローブピン(他方のプローブピン)17を押圧可能に収容したバレル35が、抜き差し可能になっている。このプローブピン17は二次電池13の電極14、15に接続可能である。
バレル35は、図1図2(B)に示すように、上端部が塞がれた筒状(円筒状)のものであり、その下側端部が開口している。バレル35内(空洞部)には、逆T字状となったプローブピン17の上側(基側)が、バレル35とプローブピン17の軸心を合わせた状態で収容配置されている。このプローブピン17の下側(先側)の形状は、接続対象等によって種々変更可能であり、特に限定されるものではない。なお、バレル35の下端部は、その内径が縮径し、プローブピン17の上側は、バレル35の下端部よりも拡幅しているため、バレル35内からプローブピン17が抜け落ちることはない。
【0024】
また、バレル35内にはバネ材(スプリング:弾性体)36が、その伸縮方向をバレル35の軸心方向に合わせて、収容配置されている。
これにより、自由状態(バネ材36に負荷がかからない状態)では、プローブピン17の下側(先側)が、バレル35内から下方へ向けて突出した状態を維持するため、プローブピン17がバレル35に対して押圧可能になる。
上記したバレル35の材質は、ソケット本体30と同様のものを採用でき、バネ材36の材質は前記したバネ材34と同様のものを採用できる。なお、プローブピン17の材質は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、炭素工具鋼等を採用できる。
【0025】
上記したように、バレル35は、ソケット本体30の嵌挿部33に抜き差し可能になっている。なお、ソケット本体30の内面、及び/又は、バレル35の外表面には、突起部等が設けられ、嵌挿部33からのバレル35の抜け落ちを防止している。
これにより、例えば、プローブピン17側のバネ材36のバネ定数(強度)のみを変更したい場合や、使用によって先端が摩耗したプローブピン17のみを交換したい場合でも、使用目的に応じて、種々の種類のプローブピン17が収容されたバレル35を交換することで、容易に対応できる。なお、プローブピン17が収容されたバレル35は、市販の物を使用できるが、特に限定されるものではない。
【0026】
上記した充放電プローブ18の支持プレート24に対する取付け取外しは、図1図3に示すように、支持プレート24に形成された挿通孔37を介して行われることが好ましい。
挿通孔37は、基板12の端子に対応した位置(平面視して重なる位置)に形成され、充放電プローブピン用ソケット10のソケット本体30を、支持プレート24の下方から差し込む構成(圧入可能な形状)となっている。なお、ソケット本体30の下側外周部には、ソケット本体30の他の部分よりも径方向に突出(拡幅)したストッパー部38が設けられ、支持プレート24に対するソケット本体30の位置決めができる。
【0027】
基板12の端子は、例えば、1個のトレイ19に収容される二次電池13の最大個数と同じであり、基板12に多数設けられているため、ソケット本体30を取付け取外し可能にする挿通孔37も支持プレート24に、基板12の端子と同数形成されている(前記したように、充放電プローブの4本を1セットとして、1個のトレイ19に収容される二次電池13の最大個数と同じにしている)。
なお、プローブピン17は、二次電池13の電極14、15に接続可能であるため、基板12の端子、挿通孔37、及び、二次電池13の電極14、15は、平面視して重なる位置に配置されている。しかし、プローブピン17を二次電池13の電極14、15に直接接触させない場合(例えば、二次電池13の電極14、15が接触した拡張端子部を介して接触させる場合)は、挿通孔37と二次電池13の電極14、15は、平面視して異なる位置に配置されることになる。
【0028】
使用にあっては、図3に示すように、支持プレート24に固定配置された充放電プローブ18に対し、二次電池13が収容配置されたトレイ19を上昇させることで、充放電プローブ18のプローブピン17と二次電池13の電極14、15とを接触させ、複数の二次電池13に、これに対応する充放電電源をそれぞれ接続する。
そして、充放電試験プログラムが記憶(格納)された制御パソコン(図示しない)により、この充放電試験プログラムに従って各充放電電源で同じ充放電試験を遂行、又は、各充放電電源で異なる充放電試験を遂行する。
充放電試験が終了した後は、支持プレート24に固定配置された充放電プローブ18に対し、二次電池13が収容配置されたトレイ19を下降させ、このトレイ19を昇降台23から降ろし、新たな二次電池13が収容配置されたトレイ19を昇降台23に載せ、上記した操作を繰り返し実施する。
【0029】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の充放電プローブピン用ソケットを構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、ソケット本体に設けられたプローブピンを、基板の端子に接続可能とし、バレルに収容したプローブピンを、二次電池の電極に接続可能とした場合について説明したが、ソケット本体に設けられたプローブピンを、二次電池の電極に接続可能とし、バレルに収容したプローブピンを、基板の端子に接続可能とすることもできる。
【0030】
また、前記実施の形態においては、充放電検査装置の一例として、支持プレートに対して二次電池が配置されたトレイを昇降台で昇降させ、充放電プローブに二次電池を接続した場合について説明したが、トレイに配置された二次電池に対して、充放電プローブ(支持プレート)を昇降させ、充放電プローブに二次電池を接続することもできる。
なお、充放電検査装置の構成は、充放電検査装置の基板と二次電池との間に充放電プローブが配置される構成であれば、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0031】
10:充放電プローブピン用ソケット、11:充放電検査装置、12:基板、13:二次電池、14、15:電極、16、17:プローブピン、18:充放電プローブ、19:トレイ、20:ベース台、21:支柱、22:天井部、23:昇降台、24:支持プレート、30:ソケット本体、31:仕切り部、32:空洞部、33:嵌挿部、34:バネ材(弾性体)、35:バレル、36:バネ材、37:挿通孔、38:ストッパー部
図1
図2
図3