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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】差分抽出装置及び差分抽出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/90 20060101AFI20240613BHJP
   G01S 13/66 20060101ALI20240613BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240613BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240613BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20240613BHJP
   G06T 7/62 20170101ALI20240613BHJP
   G06V 20/54 20220101ALI20240613BHJP
【FI】
G01S13/90 191
G01S13/66
G06T1/00 285
G06T7/00 640
G06T7/60 180D
G06T7/62
G06V20/54
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020132352
(22)【出願日】2020-08-04
(65)【公開番号】P2022029161
(43)【公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】591102095
【氏名又は名称】三菱電機ソフトウエア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 健志
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-134150(JP,A)
【文献】特開2012-189584(JP,A)
【文献】特開2008-164545(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102163333(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101493520(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101064837(CN,A)
【文献】特開2013-250121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-17/95
G06T 1/00
G06T 7/00- 7/90
G06V10/00-20/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
停っている目標の動向を監視する差分抽出装置であり、
レーダによって異なる時刻に対象領域を撮像して得られた得られた画像である2つのレーダ画像それぞれを対象として、対象のレーダ画像に対してCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を行い、前記目標を表す画素値と前記目標以外を表す画素値との二値で表された二値画像を生成する二値画像生成部と、
前記二値画像生成部によって前記2つのレーダ画像それぞれから生成された二値画像の差分を抽出して、前記2つのレーダ画像における前記目標の変化を特定する差分抽出部とを備え
前記差分抽出部は、
前記差分を表す差分画像において一方の二値画像が目標を表し他方の二値画像が目標以外を表す第1画素の凸包である第1領域と、前記差分画像において前記他方の二値画像が目標を表し前記一方の二値画像が目標以外を表す第2画素の凸包である第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とが重なっている重複領域とを特定する領域特定部と、
前記第1領域における前記重複領域と重なっている領域の割合と、前記第2領域における前記重複領域と重なっている領域の割合との少なくともいずれかの割合が領域閾値よりも低いか否かに応じて目標数の増減の有無を判定する増減判定部と
を備える差分抽出装置。
【請求項2】
前記増減判定部は、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上である場合には、目標数の増減が有ったと判定する
請求項に記載の差分抽出装置。
【請求項3】
前記一方の二値画像は、前記他方の二値画像の生成元のレーダ画像よりも先に得られたレーダ画像から生成された画像であり、
前記増減判定部は、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上であり、かつ、前記第1画素の画素数が前記第2画素の画素数よりも多い場合には、目標数が減ったと判定し、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上であり、かつ、前記第2画素の画素数が前記第1画素の画素数よりも多い場合には、目標数が増えたと判定する
請求項に記載の差分抽出装置。
【請求項4】
停っている目標の動向を監視する差分抽出装置であり、
レーダによって異なる時刻に対象領域を撮像して得られた得られた画像である2つのレーダ画像それぞれを対象として、対象のレーダ画像に対してCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を行い、前記目標を表す画素値と前記目標以外を表す画素値との二値で表された二値画像を生成する二値画像生成部と、
前記二値画像生成部によって前記2つのレーダ画像それぞれから生成された二値画像の差分を抽出して、前記2つのレーダ画像における前記目標の変化を特定する差分抽出部とを備え
前記差分抽出部は、
前記差分を表す差分画像において一方の二値画像が目標を表し他方の二値画像が目標以外を表す第1画素の凸包である第1領域と、前記差分画像において前記他方の二値画像が目標を表し前記一方の二値画像が目標以外を表す第2画素の凸包である第2領域とを特定する領域特定部と、
前記一方の二値画像において目標を表す画素の画素数numAに対する前記第1画素の画素数の割合rAPと、前記画素数numAに対する前記第2画素の画素数の割合rAMと、前記他方の二値画像において目標を表す画素の画素数numBに対する前記第1画素の画素数の割合rBPと、前記画素数numBに対する前記第2画素の画素数の割合rBMとに基づき、前記2つのレーダ画像における前記目標が入れ替わったか否かを判定する入替判定部と
を備える差分抽出装置。
【請求項5】
前記入替判定部は、前記画素数numAが前記画素数numBよりも多く、かつ、前記割合rAPと前記割合rAMとの少なくともいずれかの割合が入替閾値よりも高い場合には、前記目標が入れ替わった可能性があると判定し、前記画素数numBが前記画素数numAよりも多く、かつ、前記割合rBPと前記割合rBMとの少なくともいずれかの割合が前記入替閾値よりも高い場合には、前記目標が入れ替わった可能性があると判定する請求項に記載の差分抽出装置。
【請求項6】
停っている目標の動向を監視する差分抽出プログラムであり、
レーダによって異なる時刻に対象領域を撮像して得られた得られた画像である2つのレーダ画像それぞれを対象として、対象のレーダ画像に対してCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を行い、前記目標を表す画素値と前記目標以外を表す画素値との二値で表された二値画像を生成する二値画像生成処理と、
前記二値画像生成処理によって前記2つのレーダ画像それぞれから生成された二値画像の差分を抽出して、前記2つのレーダ画像における前記目標の変化を特定する差分抽出処理と
を行う差分抽出装置としてコンピュータを機能させ
前記差分抽出処理では、
前記差分を表す差分画像において一方の二値画像が目標を表し他方の二値画像が目標以外を表す第1画素を網羅する第1領域と、前記差分画像において前記他方の二値画像が目標を表し前記一方の二値画像が目標以外を表す第2画素を網羅する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とが重なっている重複領域とを特定する領域特定処理と、
前記第1領域における前記重複領域と重なっている領域の割合と、前記第2領域における前記重複領域と重なっている領域の割合との少なくともいずれかの割合が領域閾値よりも低いか否かに応じて目標数の増減の有無を判定する増減判定処理と
を行う差分抽出プログラム。
【請求項7】
前記増減判定処理では、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上である場合には、目標数の増減が有ったと判定する
請求項6に記載の差分抽出プログラム。
【請求項8】
前記一方の二値画像は、前記他方の二値画像よりも先に得られたレーダ画像から生成された画像であり、
前記増減判定処理では、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上であり、かつ、前記第1画素の画素数が前記第2画素の画素数よりも多い場合には、目標数が減ったと判定し、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上であり、かつ、前記第2画素の画素数が前記第1画素の画素数よりも多い場合には、目標数が増えたと判定する
請求項7に記載の差分抽出プログラム。
【請求項9】
停っている目標の動向を監視する差分抽出プログラムであり、
レーダによって異なる時刻に対象領域を撮像して得られた得られた画像である2つのレーダ画像それぞれを対象として、対象のレーダ画像に対してCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を行い、前記目標を表す画素値と前記目標以外を表す画素値との二値で表された二値画像を生成する二値画像生成処理と、
前記二値画像生成処理によって前記2つのレーダ画像それぞれから生成された二値画像の差分を抽出して、前記2つのレーダ画像における前記目標の変化を特定する差分抽出処理と
を行う差分抽出装置としてコンピュータを機能させ
前記差分抽出処理では、
前記差分を表す差分画像において一方の二値画像が目標を表し他方の二値画像が目標以外を表す第1画素を網羅する第1領域と、前記差分画像において前記他方の二値画像が目標を表し前記一方の二値画像が目標以外を表す第2画素を網羅する第2領域とを特定する領域特定処理と、
前記一方の二値画像において目標を表す画素の画素数numAに対する前記第1画素の画素数の割合rAPと、前記画素数numAに対する前記第2画素の画素数の割合rAMと、前記他方の二値画像において目標を表す画素の画素数numBに対する前記第1画素の画素数の割合rBPと、前記画素数numBに対する前記第2画素の画素数の割合rBMとに基づき、前記2つのレーダ画像における前記目標が入れ替わったか否かを判定する入替判定処理と
を行う差分抽出プログラム。
【請求項10】
前記入替判定処理では、前記画素数numAが前記画素数numBよりも多く、かつ、前記割合rAPと前記割合rAMとの少なくともいずれかの割合が入替閾値よりも高い場合には、前記目標が入れ替わった可能性があると判定し、前記画素数numBが前記画素数numAよりも多く、かつ、前記割合rBPと前記割合rBMとの少なくともいずれかの割合が前記入替閾値よりも高い場合には、前記目標が入れ替わった可能性があると判定する
請求項9に記載の差分抽出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、合成開口レーダと実開口レーダといったレーダで取得された画像であるレーダ画像から目標の変化を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダで取得された画像であるレーダ画像には、レーダに特有のスペックルノイズが含まれる。スペックルノイズの影響により、2つのレーダ画像の間で差分がある箇所を判定することが困難になる。そこで、差分を抽出する際は、事前にboxcar型平均化処理等を施し、ノイズを低減した後に差分抽出することが行われている。
【0003】
特許文献1には、目標を撮影した2つの画像を重ね合わせて、差分がある不一致領域を求めることで同一性を判断する技術が記載されている。特許文献1では、輝度による区別及び領域の連続性を考慮した処理を行い画像を二値化した上で、不一致領域を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-309795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
boxcar型平均化処理を施すと画像の解像度が低下し、詳細な差分抽出をすることができない。
例えば、港湾に停泊している船舶の動向を監視する場合には、異なる日に撮影されたレーダ画像の差分抽出を行うことが、船舶の動向を知る有効な手段になる。しかし、上述したようにboxcar型平均化処理を適用した差分抽出では、詳細な動向を判別することができない。
【0006】
特許文献1に記載されたように二値化を行っても、依然としてノイズの影響があり、適切に差分がある箇所を判定することが困難である。
【0007】
本開示は、レーダ画像を用いて、適切に目標の変化を特定可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る差分抽出装置は、
レーダによって得られた2つのレーダ画像それぞれを対象として、対象のレーダ画像に対してCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を行い、目標を表す画素値と目標以外を表す画素値との二値で表された二値画像を生成する二値画像生成部と、
前記二値画像生成部によって前記2つのレーダ画像それぞれから生成された二値画像の差分を抽出して、前記2つのレーダ画像における前記目標の変化を特定する差分抽出部とを備える。
【0009】
前記2つのレーダ画像は、異なる時刻に対象領域を撮像して得られた画像であり、
前記差分抽出部は、
前記差分を表す差分画像において一方の二値画像が目標を表し他方の二値画像が目標以外を表す第1画素を網羅する第1領域と、前記差分画像において前記他方の二値画像が目標を表し前記一方の二値画像が目標以外を表す第2画素を網羅する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とが重なっている重複領域とを特定する領域特定部と、
前記第1領域における前記重複領域と重なっている領域の割合と、前記第2領域における前記重複領域と重なっている領域の割合との少なくともいずれかの割合が領域閾値よりも低いか否かに応じて目標数の増減の有無を判定する増減判定部と
を備える。
【0010】
前記増減判定部は、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上である場合には、目標数の増減が有ったと判定する。
【0011】
前記一方の二値画像は、前記他方の二値画像の生成元のレーダ画像よりも先に得られたレーダ画像から生成された画像であり、
前記増減判定部は、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上であり、かつ、前記第1画素の画素数が前記第2画素の画素数よりも多い場合には、目標数が減ったと判定し、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上であり、かつ、前記第2画素の画素数が前記第1画素の画素数よりも多い場合には、目標数が増えたと判定する。
【0012】
前記2つのレーダ画像は、異なる時刻に対象領域を撮像して得られた画像であり、
前記差分抽出部は、
前記差分を表す差分画像において一方の二値画像が目標を表し他方の二値画像が目標以外を表す第1画素を網羅する第1領域と、前記差分画像において前記他方の二値画像が目標を表し前記一方の二値画像が目標以外を表す第2画素を網羅する第2領域とを特定する領域特定部と、
前記一方の二値画像において目標を表す画素の画素数numAに対する前記第1画素の画素数の割合rAPと、前記画素数numAに対する前記第2画素の画素数の割合rAMと、前記他方の二値画像において目標を表す画素の画素数numBに対する前記第1画素の画素数の割合rBPと、前記画素数numBに対する前記第2画素の画素数の割合rBMとに基づき、前記2つのレーダ画像における前記目標が入れ替わったか否かを判定する入替判定部と
を備える。
【0013】
前記入替判定部は、前記画素数numAが前記画素数numBよりも多く、かつ、前記割合rAPと前記割合rAMとの少なくともいずれかの割合が入替閾値よりも高い場合には、前記目標が入れ替わった可能性があると判定し、前記画素数numBが前記画素数numAよりも多く、かつ、前記割合rBPと前記割合rBMとの少なくともいずれかの割合が前記入替閾値よりも高い場合には、前記目標が入れ替わった可能性があると判定する。
【0014】
本開示に係る差分抽出プログラムは、
レーダによって得られた2つのレーダ画像それぞれを対象として、対象のレーダ画像に対してCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を行い、目標を表す画素値と目標以外を表す画素値との二値で表された二値画像を生成する二値画像生成処理と、
前記二値画像生成処理によって前記2つのレーダ画像それぞれから生成された二値画像の差分を抽出して、前記2つのレーダ画像における前記目標の変化を特定する差分抽出処理と
を行う差分抽出装置としてコンピュータを機能させる。
【0015】
前記2つのレーダ画像は、異なる時刻に対象領域を撮像して得られた画像であり、
前記差分抽出処理では、
前記差分を表す差分画像において一方の二値画像が目標を表し他方の二値画像が目標以外を表す第1画素を網羅する第1領域と、前記差分画像において前記他方の二値画像が目標を表し前記一方の二値画像が目標以外を表す第2画素を網羅する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とが重なっている重複領域とを特定する領域特定処理と、
前記第1領域における前記重複領域と重なっている領域の割合と、前記第2領域における前記重複領域と重なっている領域の割合との少なくともいずれかの割合が領域閾値よりも低いか否かに応じて目標数の増減の有無を判定する増減判定処理と
を行う。
【0016】
前記増減判定処理では、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上である場合には、目標数の増減が有ったと判定する。
【0017】
前記一方の二値画像は、前記他方の二値画像よりも先に得られたレーダ画像から生成された画像であり、
前記増減判定処理では、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上であり、かつ、前記第1画素の画素数が前記第2画素の画素数よりも多い場合には、目標数が減ったと判定し、前記少なくともいずれかの割合が領域閾値以上であり、かつ、前記第2画素の画素数が前記第1画素の画素数よりも多い場合には、目標数が増えたと判定する。
【0018】
前記2つのレーダ画像は、異なる時刻に対象領域を撮像して得られた画像であり、
前記差分抽出処理では、
前記差分を表す差分画像において一方の二値画像が目標を表し他方の二値画像が目標以外を表す第1画素を網羅する第1領域と、前記差分画像において前記他方の二値画像が目標を表し前記一方の二値画像が目標以外を表す第2画素を網羅する第2領域とを特定する領域特定処理と、
前記一方の二値画像において目標を表す画素の画素数numAに対する前記第1画素の画素数の割合rAPと、前記画素数numAに対する前記第2画素の画素数の割合rAMと、前記他方の二値画像において目標を表す画素の画素数numBに対する前記第1画素の画素数の割合rBPと、前記画素数numBに対する前記第2画素の画素数の割合rBMとに基づき、前記2つのレーダ画像における前記目標が入れ替わったか否かを判定する入替判定処理と
を行う。
【0019】
前記入替判定処理では、前記画素数numAが前記画素数numBよりも多く、かつ、前記割合rAPと前記割合rAMとの少なくともいずれかの割合が入替閾値よりも高い場合には、前記目標が入れ替わった可能性があると判定し、前記画素数numBが前記画素数numAよりも多く、かつ、前記割合rBPと前記割合rBMとの少なくともいずれかの割合が前記入替閾値よりも高い場合には、前記目標が入れ替わった可能性があると判定する。
【発明の効果】
【0020】
本開示では、CFAR処理を行い、目標を表す画素値と目標以外を表す画素値との二値で表された二値画像の差分を抽出して、目標の変化を特定する。CFAR処理では、画像の解像度を低下させずに、スペックルノイズを除去することが可能である。そのため、詳細な差分抽出が可能になり、適切に目標の変化を特定可能にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態1に係る差分抽出装置10の構成図。
図2】実施の形態1に係る差分抽出装置10の全体的な処理のフローチャート。
図3】実施の形態1に係る二値画像の説明図。
図4】実施の形態1に係る差分画像の説明図。
図5】実施の形態1に係る増減判定処理のフローチャート。
図6】実施の形態1に係る第1領域の説明図。
図7】実施の形態1に係る第2領域の説明図。
図8】実施の形態1に係る有無判定処理の説明図。
図9】実施の形態1に係る有無判定処理の説明図。
図10】実施の形態1に係る差分抽出装置10の全体的な処理の説明図。
図11】変形例1に係る差分抽出装置10の構成図。
図12】実施の形態2に係る差分抽出装置10の構成図。
図13】実施の形態2に係る差分抽出装置10の全体的な処理のフローチャート。
図14】実施の形態2に係る入れ替わり判定処理のフローチャート。
図15】実施の形態2に係る第2割合判定処理の説明図。
図16】実施の形態2に係る第2割合判定処理の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る差分抽出装置10の構成を説明する。
差分抽出装置10は、コンピュータである。
差分抽出装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0023】
プロセッサ11は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ11は、具体例としては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0024】
メモリ12は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12は、具体例としては、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
【0025】
ストレージ13は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13は、具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)である。また、ストレージ13は、SD(登録商標,Secure Digital)メモリカード、CF(CompactFlash,登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記録媒体であってもよい。
【0026】
通信インタフェース14は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標,High-Definition Multimedia Interface)のポートである。
【0027】
差分抽出装置10は、機能構成要素として、画像取得部21と、二値画像生成部22と、差分抽出部23と、結果出力部24とを備える。差分抽出部23は、画素特定部25と、領域特定部26と、増減判定部27とを備える。差分抽出装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、差分抽出装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、差分抽出装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
【0028】
図1では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0029】
***動作の説明***
図2から図10を参照して、実施の形態1に係る差分抽出装置10の動作を説明する。
実施の形態1に係る差分抽出装置10の動作手順は、実施の形態1に係る差分抽出方法に相当する。また、実施の形態1に係る差分抽出装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る差分抽出プログラムに相当する。
【0030】
図2を参照して、実施の形態1に係る差分抽出装置10の全体的な処理を説明する。
(ステップS11:画像取得処理)
画像取得部21は、合成開口レーダと実開口レーダといったレーダによって得られた2つのレーダ画像を取得する。実施の形態1では、2つのレーダ画像は、異なる時刻に対象領域を撮像して得られた画像である。画像取得部21は、2つのレーダ画像をメモリ12に書き込む。
先に得られたレーダ画像をレーダ画像Aと呼び、後に得られたレーダ画像をレーダ画像Bと呼ぶ。レーダ画像Aは、時刻Tに得られた画像であり、レーダ画像Bは、時刻TのΔtだけ後の時刻T+Δtに得られた画像である。
【0031】
(ステップS12:幾何補正処理)
二値画像生成部22は、ステップS11で取得された2つのレーダ画像それぞれを対象として、対象のレーダ画像に対して精密幾何補正を施す。そして、2つのレーダ画像について、サブピクセル単位で位置合わせを行う。
【0032】
(ステップS13:二値画像生成処理)
二値画像生成部22は、2つのレーダ画像それぞれを対象として、対象のレーダ画像に対してCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を行い、目標を表す画素値と目標以外を表す画素値との二値で表された二値画像を生成する。実施の形態1では、二値画像生成部22は、目標を表す画素値を1とし、目標以外を表す画素値を0として、二値画像を生成する。
レーダ画像Aから生成された二値画像を二値画像Aと呼び、レーダ画像Bから生成された二値画像を二値画像Bと呼ぶ。つまり、二値画像Aは、二値画像Bの生成元のレーダ画像Bよりも先に得られたレーダ画像Aから生成された二値画像である。
具体例としては、図3に示すように、二値画像A及び二値画像Bが生成される。
【0033】
(ステップS14:画素特定処理)
差分抽出部23の画素特定部25は、ステップS13で生成された2つの二値画像において差分がある画素を特定する。
具体的には、画素特定部25は、二値画像Aの各画素を対象として、二値画像Aの対象の画素の画素値から、対象の画素に対応する二値画像Bの画素の画素値を減算する。画素特定部25は、減算して得られた値を示す差分画像を生成する。その結果、図4に示すように、画素値として、0と1と-1とのいずれかの値を持つ3値の差分画像が生成される。
画素値が0の画素は、2つの二値画像の間で差のない画素である。画素値が1又は-1の画素は、2つの二値画像の間で差のある画素である。画素値が1の画素は、二値画像Bでは目標を表しておらず、二値画像Aでは目標を表している画素である。画素値が-1の画素は、二値画像Aでは目標を表しておらず、二値画像Bでは目標を表している画素である。
【0034】
(ステップS15:増減判定処理)
差分抽出部23の領域特定部26及び増減判定部27は、目標の数である目標数の増減があったか否かを判定する。
【0035】
(ステップS16:結果出力処理)
結果出力部24は、通信インタフェース14を介して、ステップS15で判定された結果を出力する。
【0036】
図5を参照して、実施の形態1に係る増減判定処理を説明する。
(ステップS21:凸包処理)
領域特定部26は、ステップS14で生成された差分画像において一方の二値画像Aが目標を表し他方の二値画像Bが目標以外を表す第1画素を網羅する第1領域を特定する。つまり、第1画素は、差分画像において、画素値が1の画素である。実施の形態1では、図6に示すように、領域特定部26は、第1画素の凸包を第1領域Pとして計算する。
同様に、領域特定部26は、ステップS14で生成された差分画像において他方の二値画像Bが目標を表し一方の二値画像Aが目標以外を表す第2画素を網羅する第2領域を特定する。つまり、第2画素は、差分画像において、画素値が-1の画素である。実施の形態1では、図7に示すように、領域特定部26は、第2画素の凸包を第2領域Mとして計算する。
【0037】
(ステップS22:重複特定処理)
領域特定部26は、ステップS21で特定された第1領域Pと第2領域Mとが重なっている重複領域PMを特定する。
【0038】
(ステップS23:割合計算処理)
増減判定部27は、第1領域Pにおける、ステップS22で特定された重複領域PMと重なっている領域の割合rPを計算する。つまり、増減判定部27は、rP=重複領域PMの画素数/第1領域Pの画素数を計算する。
同様に、増減判定部27は、第2領域Mにおける、ステップS22で特定された重複領域PMと重なっている領域の割合rMを計算する。つまり、増減判定部27は、rM=重複領域PMの画素数/第2領域Mの画素数を計算する。
【0039】
(ステップS24:有無判定処理)
増減判定部27は、ステップS23で計算された割合rPと割合rMとの少なくともいずれかの割合が領域閾値よりも低いか否かに応じて目標数の増減の有無を判定する。領域閾値は、シミュレーション等によって事前に設定される値であり、例えば50%である。
具体的には、増減判定部27は、いずれかの割合が領域閾値よりも低い場合には、目標数の増減があると判定する。つまり、増減判定部27は、図8に示すように、第1領域Pと第2領域Mとの少なくともいずれかに重複していない部分が多く含まれる場合には、目標の位置が変わったとは考えづらいため、目標数の増減があると判定する。一方、いずれの割合も領域閾値以上の場合には、目標数の増減がないと判定する。増減判定部27は、図9に示すように、第1領域P及び第2領域Mの両方の大部分が重複している場合には、目標の位置が変わっただけであると考えられるため、目標数の増減がないと判定する。
増減判定部27は、目標数の増減があると判定した場合には、処理をステップS25に進める。一方、増減判定部27は、目標数の増減がないと判定した場合には、増減判定処理を終了する。
【0040】
(ステップS25:画素数カウント処理)
増減判定部27は、ステップS14で生成された差分画像における第1画素(画素値が1の画素)の数numPをカウントする。同様に、増減判定部27は、ステップS14で生成された差分画像における第2画素(画素値が-1の画素)の数numMをカウントする。
【0041】
(ステップS26:目標数判定処理)
増減判定部27は、ステップS25でカウントされた第1画素の数numPが第2画素の数numMよりも多い場合には、目標数が減ったと判定する。一方、増減判定部27は、ステップS25でカウントされた第2画素の数numMが第1画素の数numP以上の場合には、目標数が増えたと判定する。
なお、ここでは、増減判定部27は、第1画素の数numPと第2画素の数numMとが同じ場合には、目標数が増えたと判定した。しかし、増減判定部27は、第1画素の数numPと第2画素の数numMとが同じ場合には、目標数が減ったと判定してもよい。
【0042】
つまり、図10に示すように、差分抽出装置10は、異なる時刻に対象領域を撮像して得られたレーダ画像A,Bに対してCFAR処理を行い、二値画像A,Bを生成する。そして、差分抽出装置10は、二値画像Aと二値画像Bとの間の差分を抽出し、差分のあった画素群を用いて目標数の増減を判定する。なお、図10では、港湾を対象領域とし、船舶を目標としている。これにより、港湾における船舶の動向を特定している。
この際、差分抽出装置10は、差分のあった画素だけを用いて目標数の増減を判定するのではなく、差分のあった画素を網羅する領域を用いて目標数の増減を判定する。つまり、変化のあった画素だけでなく、変化のなかった一部の画素も用いて、目標数の増減を判定する。
【0043】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る差分抽出装置10は、レーダ画像に対してCFAR処理を行い二値画像を生成した上で、差分を抽出して、目標の変化を特定する。CFAR処理では、画像の解像度を低下させずに、スペックルノイズを除去することが可能である。そのため、詳細な差分抽出が可能になり、適切に目標数の増減を特定可能にすることが可能である。
【0044】
CFAR処理では、背景のノイズ強度に合わせて閾値を適応的に調整して処理が行われる。そのため、CFAR処理では、多様な背景の画像から適切に目標の信号を抽出することが可能であり、スペックルノイズを適切に除去することが可能である。また、CFAR処理を行っても、処理前の解像度を維持することが可能である。
【0045】
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例1として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例1について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0046】
図11を参照して、変形例1に係る差分抽出装置10の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、差分抽出装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路15を備える。電子回路15は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0047】
電子回路15としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が想定される。
各機能構成要素を1つの電子回路15で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路15に分散させて実現してもよい。
【0048】
<変形例2>
変形例2として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0049】
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と電子回路15とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0050】
実施の形態2.
実施の形態2は、目標の入れ替わりを判定する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明して、同一の点については説明を省略する。
【0051】
***構成の説明***
図12を参照して、実施の形態2に係る差分抽出装置10の構成を説明する。
差分抽出装置10は、機能構成要素として、入替判定部28を備える点が図1に示す差分抽出装置10と異なる。入替判定部28は、他の機能構成要素と同様に、ソフトウェア又はハードウェアによって実現される。
【0052】
図13から図16を参照して、実施の形態2に係る差分抽出装置10の動作を説明する。
実施の形態2に係る差分抽出装置10の動作手順は、実施の形態2に係る差分抽出方法に相当する。また、実施の形態2に係る差分抽出装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態2に係る差分抽出プログラムに相当する。
【0053】
図13を参照して、実施の形態2に係る差分抽出装置10の全体的な処理を説明する。
ステップS31からステップS35の処理は、図2のステップS11からステップS15の処理と同じである。
【0054】
(ステップS36:入れ替わり判定処理)
入替判定部28は、2つのレーダ画像における目標が入れ替わったか否かを判定する。つまり、入替判定部28は、レーダ画像Aに含まれる目標と、レーダ画像Bに含まれる目標とが異なる目標になっているか否かを判定する。
【0055】
(ステップS37:結果出力処理)
結果出力部24は、通信インタフェース14を介して、ステップS35及びステップS36で判定された結果を出力する。
【0056】
図14を参照して、実施の形態2に係る入れ替わり判定処理を説明する。
(ステップS41:画素カウント処理)
入替判定部28は、ステップS13で生成された二値画像Aにおいて目標を表す画素の画素数numAをカウントする。つまり、入替判定部28は、二値画像Aにおける画素値が1の画素の画素数をカウントする。
同様に、入替判定部28は、ステップS13で生成された二値画像Bにおいて目標を表す画素の画素数numBをカウントする。つまり、入替判定部28は、二値画像Bにおける画素値が1の画素の画素数をカウントする。
【0057】
(ステップS42:割合計算処理)
入替判定部28は、二値画像Aにおいて目標を表す画素の画素数numAに対する第1画素の画素数の割合rAPを計算する。つまり、入替判定部28は、rAP=numP/numAを計算する。
同様に、入替判定部28は、二値画像Aにおいて目標を表す画素の画素数numAに対する第2画素の画素数の割合rAMを計算する。つまり、入替判定部28は、rAP=numM/numAを計算する。
同様に、入替判定部28は、二値画像Bにおいて目標を表す画素の画素数numBに対する第1画素の画素数の割合rBPを計算する。つまり、入替判定部28は、rBP=numP/numBを計算する。
同様に、入替判定部28は、二値画像Bにおいて目標を表す画素の画素数numBに対する第2画素の画素数の割合rBMを計算する。つまり、入替判定部28は、rBM=numM/numBを計算する。
【0058】
(ステップS43:画素数判定処理)
入替判定部28は、二値画像Aにおいて目標を表す画素の画素数numAが、二値画像Bにおいて目標を表す画素の画素数numBよりも多いか否かを判定する。
入替判定部28は、画素数numAが画素数numBよりも多い場合には、処理をステップS44に進める。一方、入替判定部28は、画素数numBが画素数numA以上の場合には、処理をステップS45に進める。
なお、ここでは、入替判定部28は、画素数numAと画素数numBとが等しい場合には、処理をステップS45に進めた。しかし、入替判定部28は、画素数numAと画素数numBとが等しい場合には、処理をステップS44に進めてもよい。
【0059】
(ステップS44:第1割合判定処理)
入替判定部28は、ステップS42で計算された割合rAPと割合rAMとの少なくともいずれかの割合が入替閾値よりも高いか否かを判定する。入替閾値は、シミュレーション等によって事前に設定される値であり、例えば50%である。
入替判定部28は、少なくともいずれの割合が入替閾値よりも高い場合には、目標が入れ替わった可能性があると判定する。一方、入替判定部28は、いずれの割合も入替閾値以下の場合には、目標が入れ替わった可能性がないと判定する。
【0060】
(ステップS45:第2割合判定処理)
入替判定部28は、ステップS42で計算された割合rBPと割合rBMとの少なくともいずれかの割合が入替閾値よりも高いか否かを判定する。
入替判定部28は、少なくともいずれの割合が入替閾値よりも高い場合には、目標が入れ替わった可能性があると判定する。一方、入替判定部28は、いずれの割合も入替閾値以下の場合には、目標が入れ替わった可能性がないと判定する。
【0061】
図15に示すような二値画像A及び二値画像Bである場合には、差分がある箇所と、元の二値画像で目標を表す画素の領域との一致度合いが低い。この場合には、目標が入れ替わっていないと判定される。
一方、図16に示すような二値画像A及び二値画像Bである場合には、差分がある箇所と、元の二値画像で目標を表す画素の領域との一致度合いが高い。この場合には、目標が入れ替わっていると判定される。
【0062】
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る差分抽出装置10は、抽出された差分を用いて、目標の入れ替わりの有無を判定する。これにより、より詳細な目標の変化を特定することが可能である。
【0063】
***他の構成***
<変形例3>
実施の形態2では、実施の形態1で説明した目標数の増減の判定に加えて、目標の入れ替わりの判定を行った。しかし、目標数の増減の判定をせずに、目標の入れ替わりの判定だけを行うことも可能である。
目標数の増減の判定をせずに、目標の入れ替わりの判定だけを行う場合には、増減判定処理で計算された画素数numP及び画素数numMを、入れ替わり判定処理で計算する必要がある。つまり、入れ替わり判定処理において、増減判定処理の一部を行う必要がある。但し、行う処理は、増減判定処理で説明した通りである。
【0064】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 差分抽出装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、15 電子回路、21 画像取得部、22 二値画像生成部、23 差分抽出部、24 結果出力部、25 画素特定部、26 領域特定部、27 増減判定部、28 入替判定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16