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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】自動倉庫
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240613BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B65G1/00 511J
B65G1/04 555A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020186490
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076187
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】堤 康次
(72)【発明者】
【氏名】上林 紺
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-152556(JP,A)
【文献】特開2007-161410(JP,A)
【文献】特開2019-108204(JP,A)
【文献】特開平09-086611(JP,A)
【文献】特開2020-076750(JP,A)
【文献】特開2007-001752(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109748022(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段の棚と、
入庫される物品を入庫用の高さ位置から格納箇所に対応する前記段の高さ位置に移動させる入庫処理を行う入庫用昇降装置と、
各前記段のそれぞれに配置され、前記入庫用昇降装置から前記棚に物品を移載する物品移載装置と、
前記複数の物品移載装置それぞれの状態を取得する移載装置状態取得部と、
前記移載装置状態取得部からの出力データに基づいて前記複数の物品移載装置それぞれの故障予兆の有無を判定し、前記複数の物品移載装置のいずれかについて故障予知有りと判定されると、故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段への入庫処理を、故障予兆無しと判定された前記物品移載装置の入庫処理よりも制限するように、前記入庫用昇降装置及び前記物品移載装置の少なくともいずれかの動作を制御して入庫処理の制限を行う制御ユニットと、
を備える自動倉庫。
【請求項2】
請求項1に記載の自動倉庫であって、
前記制御ユニットは、
前記移載装置状態取得部からの出力に基づいて、第1レベルの故障予兆の有無と、前記第1レベルよりも故障の可能性が低い第2レベルの故障予兆の有無と、を判定し、
第1レベルの故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段への前記入庫処理の制限を、第2レベルの故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段への前記入庫処理の制限よりも厳しくする、
自動倉庫。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の自動倉庫であって、
出庫される物品を格納箇所に対応する前記段の高さ位置から出庫用高さ位置に移動させる出庫処理を行う出庫用昇降装置をさらに備え、
前記物品移載装置は、前記棚から前記出庫用昇降装置に物品を移載し、
前記制御ユニットが行う前記入庫処理の制限には、故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段については入庫される物品を対象とする前記入庫処理を行わずに前記出庫処理を行う制御を含む、
自動倉庫。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自動倉庫であって、
前記制御ユニットは、前記移載装置状態取得部からの出力データに対して、機械学習により生成された推測モデルを適用することで、前記複数の物品移載装置それぞれの故障予兆の有無を判定する、
自動倉庫。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自動倉庫であって、
前記移載装置状態取得部は、前記物品移載装置におけるモータの状態検出データを出力する、
自動倉庫。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の自動倉庫であって、
前記制御ユニットは、故障予兆を表示部に表示する、
自動倉庫。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の自動倉庫であって、
前記制御ユニットは、故障予兆を遠隔地の端末装置に送信する、
自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数段の棚を含む格納部と、前記複数段に対応して設けられた仮置き棚と、前記複数段の棚とその各段に対応する前記仮置き棚との間で物品を移載する移載台車と、複数の物品を前記複数段に対応する各位置に昇降移動させる昇降機構部と、を備える自動倉庫を開示している。
【0003】
特許文献2は、マテハン機器に設置されたセンサからの出力を用いて人工知能(AI)技術によって、前記マテハン機器の部品の交換時期を予知するマテハン機器の部品交換予知システムが開示されている。マテハン機器としては、搬送装置、昇降装置、バッファコンベヤ等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-159340号公報
【文献】特開2020-076750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動倉庫における移載台車に部品交換時期が予知された場合、移載台車を継続して動作させると、実際に交換する前に移載台車が故障してしまう恐れがある。この場合、自動倉庫から物品を出庫することが困難となる。
【0006】
そこで、本開示は、物品移載装置の故障によって自動倉庫からの物品出庫が困難となる事態を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、自動倉庫は、複数段の棚と、入庫される物品を入庫用の高さ位置から格納箇所に対応する前記段の高さ位置に移動させる入庫処理を行う入庫用昇降装置と、各前記段のそれぞれに配置され、前記入庫用昇降装置から前記棚に物品を移載する物品移載装置と、前記複数の物品移載装置それぞれの状態を取得する移載装置状態取得部と、前記移載装置状態取得部からの出力データに基づいて前記複数の物品移載装置それぞれの故障予兆の有無を判定し、前記複数の物品移載装置のいずれかについて故障予知有りと判定されると、故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段への入庫処理を、故障予兆無しと判定された前記物品移載装置の入庫処理よりも制限するように、前記入庫用昇降装置及び前記物品移載装置の少なくともいずれかの動作を制御して入庫処理の制限を行う制御ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
この自動倉庫によると、故障予兆有りと判定された物品移載装置については、入庫処理が制限されるため、稼働率が下がり、完全に故障し難くなる。このため、出庫動作が継続され易い。これにより、物品移載装置の故障によって自動倉庫からの物品出庫が困難となる事態を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る自動倉庫を示す概略側面図である。
図2】同上の自動倉庫を示す概略平面図である。
図3】物品移載装置の一例を示す斜視図である。
図4】自動倉庫を含む倉庫管理システムを示すブロック図である。
図5】入出庫処理を示すフローチャートである。
図6】機械学習装置の様子を概念的に示す説明図である。
図7】状態データに学習済モデルを適用した様子を概念的に示す説明図である。
図8】第1レベルの故障予兆と第2レベルの故障予兆とを行う場合の入庫処理例を示すフローチャートである。
図9】第1レベルの故障予兆と第2レベルの故障予兆とを行う場合の通知処理を示すフローチャートである。
図10】入庫用昇降装置の状態に基づき故障予兆が有る格納ユニットに対して入庫処理の制限を行う制御ユニット及び棚ユニット制御部の処理を示すフローチャートである。
図11】入庫用昇降装置の状態に基づき故障予兆が有る格納ユニットに対して入庫処理の制限を行う統括制御ユニットの処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る自動倉庫について説明する。
【0011】
<全体構成について>
自動倉庫の全体構成について説明する。図1は自動倉庫20を示す概略側面図であり、図2は自動倉庫20を示す概略平面図である。
【0012】
自動倉庫20は、複数段の棚24を有する格納部21と、入庫用昇降装置30と、物品移載装置50と、移載装置状態取得部70とを備える。本実施形態では、自動倉庫20は、さらに、出庫用昇降装置40を備える。入庫時において、物品10は、入庫用昇降装置30によって複数段の棚24のうちのいずれかの段の棚24に対応する高さ位置に昇降移動される。当該段において、物品10は、物品移載装置50によって、入庫用昇降装置30から当該段における棚24の所定の空き格納位置に向けて移載される。これにより、物品10が棚24に格納される。出庫時において、物品10は、当該物品10が格納された段において、物品移載装置50によって棚24から出庫用昇降装置40に向けて移載される。物品10は、出庫用昇降装置40によって、当該段に対応する高さ位置から出庫に適した高さ位置に昇降移動される。これにより、物品10が棚24から出庫される。
【0013】
格納部21は、物品移載装置50が走行する走行路28の少なくとも一側に設けられる。本実施形態では、一対の格納部21が走行路28の両側に設けられる。走行路28を走行する物品移載装置50は、一対の格納部21の両方に対して物品10を出し入れすることができる。以下の説明では、走行路28の両側に設けられた一対の格納部21を1つの単位として格納ユニット18ということがある。図2は、複数(図では3つ)の格納ユニット18が並列状態で設けられる例が示される。格納ユニット18は、1つであってもよい。
【0014】
格納部21は、複数段の棚24を有する。複数段の棚24は、上下方向において間隔をあけて支持されており、それぞれの棚24に物品10を載置することができる。棚24は、複数の物品10を、走行路28に沿って並べた状態で支持する部分である。棚24は、例えば、水平方向に沿う棚板であってもよい。棚24は、物品10の底側両側部を支持する一対のスライド支持部が、走行路28の延在方向に沿って並ぶように複数組設けられた構成であってもよい。棚24は、物品を吊下げ状態で支える吊下げレールが走行路28の延在方向に沿って並ぶように複数設けられた構成であってもよい。
【0015】
入庫用昇降装置30は、入庫される物品10を、入庫用の高さ位置から当該物品10の格納箇所に対応する段の高さ位置に昇降移動させる入庫処理を行う装置である。入庫用昇降装置30は、例えば、柱36と、昇降テーブル32と、昇降駆動部34とを備える。柱36は、格納部21の一端側に立設される。昇降テーブル32は、柱36に沿って昇降移動可能に支持される。昇降駆動部34は、モータと、伝達機構によって構成される。伝達機構は、モータの回転駆動力を、昇降テーブル32を昇降移動させる力として伝達する。伝達機構は、例えば、柱36の上下に支持されたスプロケット(又はプーリー)に循環回転可能に支持されたチェーン(又は回転ベルト)を含む構成であってもよい。この場合、モータの回転がチェーン(又は回転ベルト)に伝達され、チェーン(又は回転ベルト)が循環回転することによって、昇降テーブル32が昇降移動される。
【0016】
上記格納部21と入庫用昇降装置30との間に入庫用仮置き棚38が設けられてもよい。本実施形態では、格納部21の一端と入庫用昇降装置30との間に入庫用仮置き棚38が設けられる。入庫用仮置き棚38は、上記複数段の棚24のそれぞれに対応して設けられる。各入庫用仮置き棚38は、入庫用昇降装置30から物品10を受取り、物品移載装置50によって物品10が受取られるまで、当該物品10を一時的に載置支持する。
【0017】
なお、入庫用昇降装置30から入庫用仮置き棚38への物品10の移載は、例えば、それらに設けられたローラをモータ等の回転駆動部によって回転駆動させることによって、或は、シリンダ等のアクチュエータの駆動により、昇降テーブル32に載置された物品10を押すこと等によって行われてもよい。
【0018】
なお、上記入庫用仮置き棚38が省略され、物品10が入庫用昇降装置30から物品移載装置50に直接移載されてもよい。
【0019】
出庫用昇降装置40は、出庫される物品10を、格納箇所に対応する段の高さ位置から出庫用高さ位置に昇降移動させる出庫処理を行う装置である。出庫用昇降装置40は、例えば、上記入庫用昇降装置30と同様に、柱46と、昇降テーブル42と、昇降駆動部44とを備える構成によって、物品10を昇降移動させる装置であってもよい。
【0020】
上記格納部21と出庫用昇降装置40との間に出庫用仮置き棚48が設けられてもよい。本実施形態では、格納部21の他端と出庫用昇降装置40との間に出庫用仮置き棚48が設けられる。出庫用仮置き棚48は、上記複数段の棚24のそれぞれに対応して設けられる。各出庫用仮置き棚48は、物品移載装置50から物品10を受取り、出庫用昇降装置40によって物品10が昇降されるまで、当該物品10を一時的に載置支持する。
【0021】
なお、出庫用仮置き棚48から出庫用昇降装置40への物品10の移載は、例えば、それらに設けられたローラをモータ等の回転駆動部によって回転駆動させることによって、或は、シリンダ等のアクチュエータの駆動により、出庫用仮置き棚48に載置された物品10を押すこと等によって行われてもよい。
【0022】
なお、上記出庫用仮置き棚48が省略され、物品10が物品移載装置50から出庫用昇降装置40に直接移載されてもよい。
【0023】
本実施形態では、一対の格納部21のそれぞれに入庫用昇降装置30及び入庫用仮置き棚38が設けられる。物品移載装置50は、2つの入庫用昇降装置30の両方から入庫用仮置き棚38を介して物品10を受取ることができる。また、本実施形態では、一対の格納部21のそれぞれに出庫用昇降装置40及び出庫用仮置き棚48が設けられる。物品移載装置50は、2つの出庫用仮置き棚48の両方に対して出庫用仮置き棚48を介して物品10を受渡すことができる。
【0024】
1つの格納ユニット18において、入庫用昇降装置30は、1つだけ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。1つの格納ユニット18において、出庫用昇降装置40は1つだけ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。入庫用昇降装置30及び出庫用昇降装置40の一方又は両方は、格納部21の長手方向中間部に設けられてもよい。上記出庫用昇降装置40が省略され、入庫用昇降装置30が入庫用及び出庫用の昇降装置として兼用されてもよい。
【0025】
物品移載装置50が走行可能な走行路28が、棚24における物品10の配列方向に沿って設けられる。例えば、走行路28は、一対の格納部21の間で、その間の延在方向に沿って設けられている。物品移載装置50は、走行路28に沿って移動することで、物品10を、走行路28に沿って異なる位置で格納部21に入庫することができる。物品移載装置50が格納部21と入庫用仮置き棚38と出庫用仮置き棚48とに対して物品10を出し入れできるように、走行路28は、格納部21の延在方向に沿い、かつ、入庫用仮置き棚38及び出庫用仮置き棚48迄延在している。
【0026】
複数の走行路28は、上下複数段の棚24に対応して設けられている。各走行路28は、例えば、一対のレール29、29を備える。一対のレール29、29は、一対の格納部21に水平方向に沿って当該格納部21の延在方向に沿って支持されている。これにより、一対のレール29、29は、間隔をあけた並列姿勢で支持される。
【0027】
レール29、29は、格納部21の横フレームを兼ねていてもよい。レール29、29は、格納部21のフレームとしての機能を持たず、格納部21とは別体として構成されていてもよい。また、走行路が一対のレールによって構成されている必要は無く、例えば、物品移載装置50が走行可能な細長い板状の走行路として構成されていてもよいし、また、台車を吊下げ状態で支持するレールとして構成されていてもよい。
【0028】
本実施形態では、自動倉庫20は、外部から格納部21に向けて物品10を搬送する入庫搬送用コンベヤ80を備える。入庫搬送用コンベヤ80は、例えば、倉庫外又は倉庫内において、トラック、コンテナ等から荷物が搬入される搬入箇所から各格納ユニット18に向けて物品10を搬送するローラコンベヤである。入庫搬送用コンベヤ80は、主ライン部82と、枝ライン部84とを備える。主ライン部82は、複数の格納ユニット18の一端側外方を経由するラインに沿って設けられる。主ライン部82に設けられたローラ等によって、物品10が主ライン部82の長手方向に沿って一方側に搬送される。主ライン部82と各入庫用昇降装置30との各間に枝ライン部84が設けられる。主ライン部82を搬送される物品10が、例えば、シリンダ等のアクチュエータの駆動によって押出動作を行う押出機構83によっていずれかの枝ライン部84に向けて押出される。そして、枝ライン部84に設けられたローラ等によって、物品10が当該枝ライン部84の下流側の入庫用昇降装置30に向けて搬送される。これにより、入庫搬送用コンベヤ80を介して、物品10がいずれかの入庫用昇降装置30に向けて搬送される。入庫用高さ位置は、例えば、入庫搬送用コンベヤ80が入庫用昇降装置30に向けて物品10を送込む高さ位置である。
【0029】
また、本実施形態では、自動倉庫20は、格納部21から外部に向けて物品10を搬送する出庫搬送用コンベヤ90を備える。出庫搬送用コンベヤ90は、例えば、各格納ユニット18から倉庫外又は倉庫内における荷物搬出箇所に向けて物品10を搬送するローラコンベヤである。搬出箇所では、荷物がトラック又はコンテナ等に積込まれる。出庫搬送用コンベヤ90は、主ライン部92と、枝ライン部94とを備える。主ライン部92は、複数の格納ユニット18の他端側外方を経由するラインに沿って設けられる。主ライン部92と各出庫用昇降装置40との各間に枝ライン部94が設けられる。そして、物品10が、出庫用昇降装置40によって枝ライン部94に対応する高さ位置に昇降移動され、枝ライン部94に移載される。枝ライン部94に移載された物品10は、枝ライン部94に設けられたローラ等によって、主ライン部92に向けて搬送される。物品10は、当該主ライン部92に設けられたローラによって、主ライン部92に沿ってその下流側の荷物搬出箇所に搬送される。
【0030】
本実施形態において、入庫用高さ位置は、例えば、入庫搬送用コンベヤ80が入庫用昇降装置30に向けて物品10を送込む高さ位置であり、例えば、枝ライン部84が設けられた高さ位置である。同様に、出庫用高さ位置は、例えば、出庫搬送用コンベヤ90が出庫用昇降装置40から物品10を受取る高さ位置であり、例えば、枝ライン部94が設けられた高さ位置である。
【0031】
物品移載装置50は、複数段の棚24のそれぞれに配置され、配置された段において、入庫用昇降装置30から棚24に物品10を移載する装置である。ここで、物品移載装置50が、入庫用昇降装置30から棚24に物品10を移載するとは、物品移載装置50が入庫用昇降装置30から物品10を直接取込んで棚24上に移動させる場合だけでなく、物品移載装置50が、入庫用昇降装置30から入庫用仮置き棚38に仮置きされた物品10を取込んで棚24上に移動させる場合を含む。
【0032】
また、物品移載装置50は、当該物品移載装置50が配置された段において、棚24から出庫用昇降装置40に物品10を移載する装置である。ここで、物品移載装置50が、棚24から出庫用昇降装置40に物品10を移載するとは、物品移載装置50が棚24から取込んだ物品10を出庫用昇降装置40に直接移動させる場合だけでなく、物品移載装置50が、棚24から取込んだ物品10を、出庫用仮置き棚48に仮置きし、これにより、物品10が当該出庫用仮置き棚48を介して出庫用昇降装置40に移動する場合を含む。
【0033】
物品移載装置50の具体例について説明する。図3は物品移載装置50の一例を示す斜視図である。図1から図3に示すように、物品移載装置50は、台車52と、物品入出装置60とを備える。
【0034】
台車52は、物品入出装置60を、棚24又は仮置き棚38、48(昇降装置30、40であってもよい)に対応する各位置の間で移動させるように構成される。例えば、上記台車52には、モータ及びギヤ等を含む走行駆動部53が組込まれている。走行駆動部53の駆動によって、台車52が走行路28に沿って走行することができる。各段において、台車52がレール29、29上を往復走行することによって、物品入出装置60が、当該段における棚24のいずれかに対向する位置(具体的には、棚24において物品10が載置された位置又は載置されるべき空き位置に対向する位置)、仮置き棚38、48(昇降装置30、40であってもよい)に対向する位置に移動する。
【0035】
物品入出装置60は、物品10を外部から自己内に向けて取込み、又は、物品10を自己内から外部に向けて送出す装置である。物品入出装置60は、例えば、載置台62と、一対の進退アーム64と、引っ掛け片66とを備える。載置台62は物品10を載置可能に構成される。例えば、載置台62の上面は、物品10の底面と同じか当該底面よりも大きく広がる平面に形成されており、水平方向に沿うように広がっている。一対の進退アーム64は、載置台62の両側部に走行路28の延在方向に間隔をあけて設けられる。一対の進退アーム64は、走行路28の延在方向に対して直交する両方向に対して、載置台62から突出退避可能に設けられている。一対の進退アーム64は、モータ等を含むアーム駆動部65の駆動によって進退駆動される。一対の進退アーム64の両端に、引っ掛け片66が設けられている。引っ掛け片66は、モータ等を含む引っ掛け片駆動部67の駆動によって進退アーム64の端部から突出するように倒れた状態と、進退アーム64の端部で上下方向に沿う状態との間で姿勢変更駆動可能とされる。
【0036】
そして、物品10を物品移載装置50に取込む際には、物品移載装置50を棚24又は仮置き棚38、48に載置された物品10に対向させた状態で、一対の進退アーム64を進出移動させて、当該物品10を両側から挟む位置に配設する。この状態で、引っ掛け片66を進退アーム64の突出側端部から突出させて物品10の奥側に引っ掛ける。そして、一対の進退アーム64を台車52側に退避移動させると、物品10の両側部に載置台62側に引込むように移載させる力が作用する。これにより、物品10が物品移載装置50側に取込まれる。
【0037】
また、物品移載装置50上の物品10を棚24又は仮置き棚38、48に送出す際には、送出し方向とは反対側の引っ掛け片66を進退アーム64から突出させるように姿勢変更させて物品10の両側部に引っ掛ける。この状態で、一対の進退アーム64を載置台62から進出移動させる。すると、物品10の両側部に棚24又は仮置き棚38、48に送込むように移載させる力が作用する。これにより、物品10が棚24又は仮置き棚38、48に送込まれる。
【0038】
移載装置状態取得部は、複数段それぞれに配置された物品移載装置50それぞれの状態を取得する。移動状態取得部は、物品移載装置50の故障予兆に関連する状態を取得するものであれば、どのような構成であってもよい。例えば、上記走行駆動部53のモータ、アーム駆動部65のモータ及び引っ掛け片駆動部67のモータのうちの少なくとも1つの駆動電流は、故障予兆に関連する状態の一例である。また、物品移載装置50におけるいずれかの部位の振動、温度等も、物品移載装置50の故障予兆に関連する状態の一例である。このため、移載装置状態取得部は、モータ等の電気的な状態を検知するセンサ(例えば、電流センサ)であってもよいし、物品移載装置50のいずれかの部位の振動を検知するセンサ、温度を検知するセンサ等であってもよい。移動状態取得部に係るより詳細な説明が後になされる。
【0039】
なお、故障予兆とは、物品移載装置50の将来の故障が予測される状況をいう。故障予兆を推測するための状況は、当該時点において物品移載装置50を観察して得られるものであってもよいし、過去から当該時点までに蓄積された状況として得られるものであってもよい。
【0040】
なお、本実施形態では、物品移載装置50は、移載制御部51を備えており、移載制御部51に対して物品移載装置50の動作を制御する制御信号が与えられる。この制御信号に基づいて、移載制御部51は、走行駆動部53、アーム駆動部65、引っ掛け片駆動部67等の動作を制御する。また、本物品移載装置50において取得された当該物品移載装置50の状態を示すデータは、移載制御部51を通じて外部に出力される。
【0041】
図4は自動倉庫20を含む倉庫管理システムを示すブロック図である。自動倉庫20は、少なくとも1つの格納ユニット18と、制御ユニット100と、統括制御ユニット116と、コンベヤ制御盤119とを備える。統括制御ユニット116とコンベヤ制御盤119とは、入庫時において物品10をいずれかの格納ユニット18に振分ける制御を行う。統括制御ユニット116とコンベヤ制御盤119とは、出庫時において物品10をいずれかの格納ユニット18から出庫される物品10を外部に搬送する制御を行う。格納ユニット18は、棚ユニット制御部110を備えている。棚ユニット制御部110は、各格納ユニット18において、入庫用昇降装置30及び物品移載装置50を制御して、入庫処理及び出庫処理を行う。本実施形態では、自動倉庫20は、複数の格納ユニット18を備える。制御ユニット100は、格納ユニット18における物品移載装置50について故障予兆の有無を判定する。判定結果は、棚ユニット制御部110に与えられる。棚ユニット制御部110は、判定結果に基づいて、故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置される段への入庫処理を、故障予兆無しと判定された物品移載装置50の入庫処理よりも制限するように、入庫用昇降装置30及び物品移載装置50のいずれかの動作を制御する。
【0042】
より具体的には、統括制御ユニット116は、プロセッサ117、記憶部118等を備えるコンピュータによって構成されている。コンベヤ制御盤119もコンピュータによって構成されている。コンベヤ制御盤119は、入庫搬送用コンベヤ80及び出庫搬送用コンベヤ90の動作を制御する。入庫時には、統括制御ユニット116は、コンベヤ制御盤119に入庫指令を与える。これにより、コンベヤ制御盤119は、入庫された物品10をいずれかの格納ユニット18に向けて搬送するように入庫搬送用コンベヤ80を制御する。例えば、格納ユニット18から空きスペースの要否等に応じて物品10の受入可否に関する通知が与えられる。コンベヤ制御盤119では、受入可能な格納ユニット18のうちの1つを選んで、当該選ばれた格納ユニット18に物品10を搬送するように入庫搬送用コンベヤ80を制御する。複数の格納ユニット18のうちのいずれを入庫対象として選ぶかは任意であり、ランダムで選ばれてもよいし、順番で選ばれてもよい。また、出庫時には、統括制御ユニット116は、出庫される物品10の特定情報と、各格納ユニット18における格納位置と格納の物品10の識別符号を対応付けたデータベースに基づき、当該物品10が格納された格納ユニット18を特定する。そして、格納ユニット18に当該物品10の出庫指令を与えると共に、当該格納ユニット18から物品10を出庫させるように出庫搬送用コンベヤ90を制御する。出庫される物品10の格納位置の特定は、記憶部118に記憶されたデータベースに基づいてもよいし、記憶部114に記憶されたデータベースに基づいてもよい。
【0043】
棚ユニット制御部110は、プロセッサ112、記憶部114等を備えるコンピュータによって構成されている。記憶部114には、プログラム114aが格納されている。プロセッサ102がプログラム104aに従って後述する入庫処理の制限に係る処理を実行する。記憶部114には、位置データベース114b及び予兆通知情報114cが格納されている。位置データベース114bは、棚24における複数の格納位置と物品10の格納の有無(格納されている場合は物品10の識別符号)を対応付けたデータベースである。プロセッサ112は、入庫処理時において本位置データベース114bを参照することによって、棚24のうち空き位置を特定することができる。プロセッサ112は、出庫処理時において本データベース114bを参照することによって、棚24のうち出庫対象となる物品10が格納されている位置を特定することができる。予兆通知情報114cは、複数の段それぞれに対応する物品移載装置50に対する故障予兆の通知に関する情報である。即ち、制御ユニット100において、いずれかの段に対応する物品移載装置50に関する故障予兆有りと判定されると、当該故障予兆有りとの通知が棚ユニット制御部110に通知される。この通知情報が予兆通知情報として記憶部114に記憶される。
【0044】
棚ユニット制御部110は、統括制御ユニット116からの指令に応じて、複数段のそれぞれの物品移載装置50、入庫用昇降装置30及び出庫用昇降装置40を制御する。例えば、棚ユニット制御部110は、統括制御ユニット116からの入庫指令に応じて、空きスペースを特定し、入庫用昇降装置30に対して物品10を当該所定の段に向けて昇降させる指令を与え、当該所定の段の物品移載装置50に対して、入庫用昇降装置30から入庫用仮置き棚38を介して物品10を受取り、当該所定の段における棚24の所定位置に物品10を搬送して棚24上に送り出す旨の指令を与えてもよい。また、例えば、棚ユニット制御部110は、統括制御ユニット116からの出庫指令に応じて、格納位置を特定し、当該格納位置に対応する段の物品移載装置50に対して、格納位置から物品10を取出し、当該物品10を、出庫用仮置き棚48を介して出庫用昇降装置40に送出し、続いて、出庫用昇降装置40に対して出庫搬送用コンベヤ90に対応する高さ位置まで昇降移動させる指令を与えてもよい。
【0045】
複数段それぞれに対応する物品移載装置50には、移載制御部51が設けられており、移載制御部51によって、走行駆動部53、アーム駆動部65及び引っ掛け片駆動部67の駆動が制御される。移載制御部51は、プロセッサ、メモリ等を備えるコンピュータによって構成されており、棚ユニット制御部110からの指令に応じて、所定位置で物品10を受取り、又は、所定位置に向けて物品10を送り出すように、走行駆動部53、アーム駆動部65及び引っ掛け片駆動部67の駆動を制御する。
【0046】
物品移載装置50には、上記したように、状態取得部70が設けられている。本実施形態では、状態取得部は、モータの状態検出データを出力する構成である例が説明される。より具体的には、走行駆動部53は、自己のモータの状態、例えば、モータの駆動電流を検出するセンサを含んでおり、そのセンサからの出力、即ち、走行駆動用のモータの駆動電流を検出するセンサが状態取得部の一例である。また、アーム駆動部65も自己のモータの状態、例えば、モータの駆動電流を検出するセンサを含んでおり、そのセンサからの出力、即ち、アーム進退駆動用のモータの駆動電流を検出するセンサが状態取得部の一例である。つまり、本実施形態では、物品移載装置50の状態は、物品移載装置50を動作させるためのモータの状態、より具体的には、モータの駆動電流である例が説明される。物品移載装置50に何らかの異常徴候がある場合、過負荷又は空滑り等によって、駆動電流に異常が生じることが想定される。このため、走行駆動部53の駆動電流の状態、アーム駆動部65の駆動電流の状態に基づくことで、物品移載装置50の故障予兆が検出され得る。状態取得部70の検出データは、移載制御部51から制御ユニット100に送信される。検出データは、棚ユニット制御部110を介して制御ユニット100に送信されてもよい。
【0047】
なお、物品移載装置50の故障予兆の検出のために利用され得る物品移載装置50の状態は、上記駆動電流に限られない。例えば、下記に列挙される物品移載装置50の状態の1つ又は複数は、物品移載装置50の故障予兆の検出のために利用され得る。
【0048】
物品移載装置50の状態の一例は、走行駆動部53、アーム駆動部65、引っ掛け片駆動部67におけるモータの駆動状態である。モータの駆動状態は、上記駆動電流の他、負荷率、回転速度、加速度等であってもよい。物品移載装置50に異常予兆があれば、負荷率が過大となったり、回転速度が不規則に変化したり、円滑な加速がなされなかったりするので、これらの状態から故障予兆を予測することが可能となる。
【0049】
また、物品移載装置50の状態の一例は、当該物品移載装置50全体の使用時間、又は、一部部品(例えば、冷却用のファン、コンデンサ等)の使用時間等である。使用時間が長ければ、物品移載装置50が故障し易くなるため、これらの状態を、故障予兆の予測に役立てることができる。
【0050】
物品移載装置50の状態の一例は、台車52がブレーキ装置を有している場合において、当該ブレーキによって制動をかけた回数である。制動回数が多ければ、使用頻度が多く、故障を招き易いと予測されるからである。
【0051】
また、物品移載装置50の状態の一例は、物品移載装置50のいずれかの部分における温度(例えば、走行駆動部53の温度等)である。温度が通常以上に高ければ、物品移載装置50に故障予兆が生じていると予測されるからである。
【0052】
また、物品移載装置50の状態の一例は、移載制御部51におけるメモリの書込エラー、読込みエラー等の発生回数等である。メモリにこれらのエラーが頻発する場合には、コンピュータを含む物品移載装置50の故障に繋がると予測されるからである。
【0053】
また、物品移載装置50の状態の一例は、移載制御部51と制御ユニット100との間等の通信状態(通信リトライ回数等)である。通信状態が悪くなれば、通信回路又は通信ラインに何らかの異常が生じており、物品移載装置50の故障に繋がると予測されるからである。
【0054】
また、物品移載装置50の状態の一例は、物品移載装置50のいずれかの部位における振動を検出する振動検知センサである。物品移載装置50の可動部に偏摩耗等の欠陥が生じていると、異常な振動が生じ得るため、物品移載装置50の故障に繋がると予測されるからである。
【0055】
一対の入庫用昇降装置30に、入庫用昇降制御部31が設けられる。入庫用昇降制御部31は、メモリ等を備えるコンピュータによって構成されており、棚ユニット制御部110からの指令に応じて、入庫用高さ位置から入庫対象となる段に対応する高さ位置まで、昇降駆動部34の駆動によって、昇降テーブル32を昇降移動させる。
【0056】
一対の出庫用昇降装置40に、出庫用昇降制御部41が設けられる。出庫用昇降制御部41は、メモリ等を備えるコンピュータによって構成されており、棚ユニット制御部110からの指令に応じて、出庫対象となる物品10が格納されていた段に対応する高さ位置から出庫用高さ位置に向けて、昇降駆動部44の駆動によって、昇降テーブル42を昇降移動させる。
【0057】
制御ユニット100は、プロセッサ102、記憶部104等を備えるコンピュータによって構成されている。記憶部104には、プログラム104aが格納されている。プロセッサ102がプログラム104aに従って後述する故障予兆の有無の判定に係る処理を実行する。
【0058】
つまり、本実施形態では、棚ユニット制御部110と制御ユニット100とが連携して移載装置状態取得部70からの出力データに基づいて複数の物品移載装置50それぞれの故障予兆の有無を判定し、複数の物品移載装置50のいずれかについて故障予知有りと判定されると、故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置される段への入庫処理を、故障予兆無しと判定された物品移載装置50の入庫処理よりも制限するように、入庫用昇降制御部31及び物品移載装置50の少なくともいずれかの動作を制御して入庫処理の制限を行う制御ユニットとしての機能を実現する。棚ユニット制御部110と制御ユニット100との処理については、フローチャートと共に後にさらに詳述される。
【0059】
本制御ユニット100には、表示部108が接続されていてもよい。表示部108は、液晶表示装置、有機EL表示装置等によって構成される。表示部108は、故障予兆を表示するとよい。例えば、表示部108は、制御ユニット100の表示制御によって、複数の物品移載装置50のうちのいずれかを特定して、故障の予兆があることを表示してもよい。物品移載装置50の特定は、例えば、複数の格納ユニット18のうちの1つの特定情報(例えば、番号)と、物品移載装置50の段を特定することによってなされてもよい。故障予兆がある旨の表示は、「故障予兆有」等のメッセージによって行われてもよいし、色、故障を想起させるマーク等によってなされてもよい。制御ユニット100は、LAN通信線等を介して、各格納ユニット18の棚ユニット制御部110、物品移載装置50、入庫用昇降装置30、出庫用昇降装置40、統括制御ユニット116、コンベヤ制御盤119等に通信可能に接続される。
【0060】
なお、上記制御ユニット100は、通信ネットワーク120を介して、外部端末装置122、124に通信可能に接続されていてもよい。通信ネットワーク120は、有線式であっても無線式であってもよいしそれらの複合であってもよい。通信ネットワーク120は、公衆通信ネットワークであっても専用回線によるネットワークであってもよいそれらの複合によるネットワークであってもよい。例えば、通信ネットワーク120は、電話回線網、移動体通信網、専用通信線、LAN(Local Area Network)、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等のうちの1つ又はそれらの組合せによって構成される。なお、遠隔地とは、徒歩圏外、例えば、格納ユニット18から1km以上離れた場所である。
【0061】
外部端末装置122、124は、自動倉庫20に対して遠隔地に設けられたコンピュータであってもよい。例えば、外部端末装置122は、自動倉庫20の運用者が格納ユニット18から離れた位置から監視するための事務所に設置されてもよい。例えば、外部端末装置124は、自動倉庫20の保守点検を行うメンテナンス作業者が常駐する管理基地に設置されてもよい。
【0062】
制御ユニット100は、故障予兆を遠隔地の端末装置122、124に送信してもよい。端末装置122、124の表示部123、125に、故障予兆が生じた旨が、格納ユニット18の位置特定情報(所在地及び倉庫名称の少なくとも一方、さらに、格納ユニット18の特定番号等)、段の特定情報と共に表示されてもよい。端末装置122、124は、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等のモバイル端末装置であってもよい。制御ユニット100は、故障予兆を、電子メール等によって、端末装置122、124に送信してもよい。
【0063】
故障予兆の有無は、棚ユニット制御部110によって判定されてもよい。棚ユニット制御部110の指令は、移載制御部51、入庫用昇降制御部31等を介さず直接各駆動部に与えられてもよい。物品移載装置50、入庫用昇降装置30、出庫用昇降装置40の制御指令は、制御ユニット100が与えてもよい。状態取得部70の検出データは、棚ユニット制御部110及び移載制御部51、入庫用昇降制御部31等を介して制御ユニット100に与えられてもよい。棚ユニット制御部110及び移載制御部51、入庫用昇降制御部31の一部又は全部が省略されてもよい。制御ユニット100及び棚ユニット制御部110が行う上記処理は、1つのコンピュータが行ってもよく、この場合において、棚ユニット制御部110、統括制御ユニット116、遠隔地に設置されたコンピュータ等、いずれのコンピュータが行ってもよい。制御ユニット100及び棚ユニット制御部110が行う上記処理は、複数のコンピュータによって分散して処理されてもよく、この場合において、制御ユニット100、棚ユニット制御部110、統括制御ユニット116、遠隔地に設置されたコンピュータ等、いずれの場所に設置された複数のコンピュータによって分散して処理されてもよい。
【0064】
本実施形態のように、格納位置を決定して入出庫を行う自動倉庫としての基本的な処理と、故障予兆を判定する付加的な処理とを別々のコンピュータ(ここでは、棚ユニット制御部110と制御ユニット100)とで行うと、既存の自動倉庫に、故障予兆判定を行ってその判定結果に基づく情報又は指令を出力するコンピュータを追加することによって、故障予兆に基づく入庫処理を行う自動倉庫20を容易に実現できるというメリットがある。
【0065】
<入出庫処理について>
入出庫に係る処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。図5において、ステップT1からT5は制御ユニット100の処理を示し、ステップS1からS15は棚ユニット制御部110の処理を示す。
【0066】
棚ユニット制御部110は、ステップS1において、物品10の入庫があるか否かを判定する。入庫の有無は、統括制御ユニット116から与えられる指示に基づき判定されてもよい。統括制御ユニット116による入庫指示は、作業者の指示に基づいて出されてもよいし、入庫搬送用コンベヤ80の途中に設けられた物品10の検出センサからの検出データに基づいて出されてもよい。なお、物品10が入庫される際には、当該物品10に対応付けられた識別情報(識別番号等)が登録されるとよい。ステップS1において入庫有りと判定されると、ステップS2に進む。
【0067】
ステップS2では、複数段に対応する複数の物品移載装置50のうちのいずれかに故障予兆があるかどうかが判定される。ステップS2の判定は、例えば、予兆通知情報114cに基づいてなされてもよい。ステップS2を行う毎に、状態取得部70の検出データに基づいて故障予兆の有無が判定されてもよい。ステップS2において、いずれの段に対応する物品移載装置50においても故障予兆無しと判定されると、ステップS3に進む。
【0068】
ステップS3では、棚ユニット制御部110は、位置データベース114bに基づいて物品10の格納位置を決定する。即ち、位置データベース114bを参照することによって、棚24における空き位置が特定されるため、いずれかの空き位置を、物品10の格納位置として決定する。複数の空き位置のうちのいずれが格納位置とされてもよい。
【0069】
ステップS2において、いずれかの段に対応する物品移載装置50において故障予兆有りと判定されると、ステップS10に進む。
【0070】
ステップS10では、棚ユニット制御部110は、位置データベース114b及び予兆通知情報114cに基づいて物品10の格納位置を決定する。即ち、位置データベース114bを参照することによって、棚24における空き位置が特定される。また、予兆通知情報114cを参照することによって、故障予兆を示す物品移載装置50に対応する段が特定される。棚ユニット制御部110は、棚24における空き位置のうち故障予兆を示す物品移載装置50に対応する段に存在する位置を除外したなかから、物品10の格納位置を決定する。つまり、棚ユニット制御部110は、故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置される段については入庫される物品10を対象とする入庫処理を行わない。
【0071】
ステップS3又はステップS10の後、ステップS4に進む。ステップS4では、棚ユニット制御部110は、入庫用昇降装置30及び物品移載装置50に格納位置を指定して入庫を指令する。例えば、棚ユニット制御部110は、入庫用昇降装置30に、物品10を格納位置に対応する段に昇降移動する動作を行わせる。また、棚ユニット制御部110は、格納位置に対応する段に設けられた物品移載装置50に、物品10を入庫用昇降装置30から棚24における所定の格納位置に移載する動作を行わせる。なお、本実施形態では、物品10は、入庫用仮置き棚38を介して、入庫用昇降装置30から物品移載装置50に渡される。これにより、物品10が所定の格納位置に入庫される。
【0072】
ステップS4の後、ステップS5において、物品移載装置50の動作状況等に基づき、入庫完了か否かが判定され、入庫完了と判定されると、次ステップS6に進む。
【0073】
ステップS6では、棚ユニット制御部110は、位置データベース114bにおいて、入庫対象となった物品10が所定の格納位置に入庫された旨の情報を更新する。
【0074】
次ステップS7において、制御ユニット100からの故障予兆の通知に基づき、故障予兆の更新の有無が判定される。例えば、制御ユニット100からいずれかの段に対応する物品移載装置50について故障予兆有りと判定された場合に、故障予兆が通知されるので、当該通知がなされたときに、故障予兆の更新有りと判定される。故障予兆の更新有りと判定されると、ステップS8に進み、故障予兆有りと判定された段に対応する物品移載装置50に故障予兆有りという通知情報を保存する。
【0075】
ステップS7において故障予兆の更新無しと判定された場合、及び、ステップS8において通知情報を保存した後、ステップS9に進む。ステップS9では、自動倉庫の動作がオフされたか否かが判定され、動作オフと判定されると、処理を終了し、オフされないと判定されると、ステップS1に戻る。
【0076】
ステップS1において入庫無しと判定されると、ステップS11に進む。ステップS11では、出庫の有無が判定される。出庫の有無は、例えば、入庫の場合と同様に、統括制御ユニット116から与えられる指示に基づき判定されてもよい。統括制御ユニット116による出庫指示は、作業者の指示に基づいて出されてもよい。物品10の出庫指示の際、キーボード、タッチパネル等の入力装置を用いて、当該物品10に対応付けられた識別情報(識別番号等)が特定されるとよい。ステップS11において出庫有りと判定されると、ステップS12に進み、出庫無しと判定されるとステップS7に進む。
【0077】
ステップS12では、位置データベース114bに基づき、出庫対象となる物品10の格納位置を特定する。すなわち、物品10の出庫指令に含まれる特定情報をキーとして、位置データベース114bを参照することによって、当該物品10の格納位置が特定される。
【0078】
次ステップS13では、棚ユニット制御部110は、出庫用昇降装置40及び物品移載装置50に、前記格納位置に格納された物品10を出庫するように指令を与える。例えば、棚ユニット制御部110は、当該格納位置に対応する段に設けられた物品移載装置50に、物品10を棚24における当該格納位置から取出して出庫用昇降装置40に向けて移載する動作を行わせる。また、棚ユニット制御部110は、出庫用昇降装置40に、当該物品10の格納位置に対応する段から出庫用高さ位置に向けて、物品10を昇降移動させる動作を行わせる。なお、本実施形態では、物品10は、出庫用仮置き棚48を介して、物品移載装置50から出庫用昇降装置40に渡される。
【0079】
ステップS13の後、ステップS14において、棚ユニット制御部110は、物品移載装置50の動作状況等に基づき、出庫完了か否かが判定され、出庫完了と判定されと、次ステップS15に進む。
【0080】
ステップS15では、棚ユニット制御部110は、位置データベース114bにおいて、出庫対象となった物品10が所定の格納位置から出庫された旨(つまり当該位置が空きとなった旨)の情報を更新する。この後、ステップS7に進む。
【0081】
上記のように、棚ユニット制御部110が処理を行う際、制御ユニット100は次の処理を実行する。
【0082】
すなわち、棚ユニット制御部110の格納位置指令(ステップS4参照)、取出位置指令(ステップS13参照)により物品移載装置50が動作を実行すると、制御ユニット100は、ステップT1に示すように、状態取得部70から出力される検出データを取得する。取得された状態検出データでは、少なくともT2において故障予兆の判定を行う迄記憶部104に記憶される。状態検出データは、故障予兆判定後にも、履歴データとして記憶部104に記憶され続けてもよい。
【0083】
次ステップT2において、制御ユニット100は、取得された物品移載装置50の状態検出データに基づいて、故障予兆の有無を判定する。故障予兆の有無の判定については、周知技術を含む各種処理を適用可能である。故障予兆の有無は、状態検出データに対して、故障予兆有りと判定する所定の条件を設定しておき、状態検出データが所定の条件を満たした場合に故障予兆有りと判定されてもよい。例えば、モータの駆動電流が所定の上限電流値を超えた場合、モータの負荷率が所定の上限値を超えた場合、定速走行時の速度変化範囲が所定の条件範囲を超えた場合、加速度が所定の条件加速度に達することができない場合、物品移載装置50の全体又は一部の使用時間が所定の条件時間を超えた場合、物品移載装置50の制動回数が所定の条件回数を超えた場合、物品移載装置50のいずれかの部位の温度が所定の条件温度を超えた場合、移載制御部51におけるメモリ、通信機能の異常回数が所定の条件回数を超えた場合、物品移載装置50に異常な振動が検出された場合等のうちの1つ又は組合せによって、故障予兆の有無を判定してもよい。故障予兆の有無は、状態検出データに対して機械学習により生成された推測モデルを適用することで判定されてもよい。この場合の例が後述される。
【0084】
次ステップT3において、いずれかの段に対応する物品移載装置50に故障予兆有りと判定されると、ステップT4に進み、故障予兆無しと判定されると、ステップT5に進む。
【0085】
ステップT4では、当該段に対応する物品移載装置50に故障予兆有る旨を、棚ユニット制御部110に通知する。この後、ステップT5に進む。
【0086】
ステップT5では、自動倉庫の動作がオフされたか否かが判定され、動作オフと判定されると、処理を終了し、オフされないと判定されると、ステップT1に戻る。
【0087】
このように、棚ユニット制御部110は、故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置される段については、入庫される物品10を対象とする入庫処理を行わないでに出庫処理を行う。この出庫処理においては、故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置される段に格納される物品10についても、他の段と同様に出庫を行う。
【0088】
<機械学習による故障予兆の判定例について>
物品移載装置50の故障予兆の有無は、機械学習された推測モデルの適用によって判定されてもよい。例えば、図6に示すように、機械学習装置150に、学習用データが入力される。学習用データは、状態取得部70によって得られた物品移載装置50の状態データによって構成される。例えば、学習用データは、モータの駆動電流の時系列データを、一定時間毎に区切ったデータ列群によって構成される。学習用データは、物品移載装置50の複数種の状態データを含む、多次元データであってもよい。学習用データが多多次元データである場合には、機械学習の処理に適する次元となるように次元削減されてもよい。
【0089】
機械学習装置150としては、如何なる識別器が用いられてもよく、例えば、SVM(サポートベクターマシン)であってもよいし、ニューラルネットワークであってもよい。学習は、正常動作中の状態検出データに基づく教師無し学習であってもよいし、正常動作中の状態検出データと故障予兆継続中の状態検出データとに基づく教師有り学習であってもよい。
【0090】
図6の下部には、正常動作中の状態検出データに基づく教師無し学習を行った場合に、学習された推測モデルを概念的に示す図である。なお、本例では、機械学習装置150としては、OCSVM(One-Class Support Vector Machine)が適用されている。同図において、学習用データは2つの特徴量1、2によって表現される。図中における等高線Lは、分類スコアが同じになる線を示している。より多数の等高線Lによって囲まれるほど、正常運転に近く、等高線Lから外側に外れるほど、正常状態から外れ以上度が増すことを示している。
【0091】
図7に示すように、上記ステップT1で得られた状態データに、上記のように学習された推測モデル150Mを適用する。物品移載装置50の動作状態が正常である場合には、図7の左に示すように、状態データ152aは、正常と判断される等高線L内に収る。このため、故障予兆は無いと判定される。これに対して、物品移載装置50の動作状態が正常から外れている場合には、図7の右に示すように、状態データ152bは、正常と判断される基準等高線Lの外に外れることが多くなる。このため、物品移載装置50の動作中における状態データが、正常と判断される基準等高線Lの外に外れた場合、又は、基準等高線Lの外に外れることが所定数を超えた場合等に、故障予兆有りと判定され得る。
【0092】
<効果等について>
このように構成された自動倉庫20によると、故障予兆有りと判定された物品移載装置50については、入庫処理が制限されため、当該物品移載装置50の稼働率が下がり、完全に故障し難くなる。このため、出庫動作が継続され易い。これにより、物品移載装置50の故障によって自動倉庫20からの物品10の出庫が困難となる事態を回避することができる。
【0093】
制御ユニット100及び棚ユニット制御部110が行う入庫処理の制限は、故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置される段については、入庫される物品10を対象とする入庫処理を行わないで、出庫処理を行う制御を含む。このため、故障予兆有りと判定された物品移載装置50が入庫処理を行わずにすむため、物品移載装置50がより完全に故障し難くなる。また、故障予兆有りと判定された物品移載装置50については、出庫処理を行うことができるため、故障予兆の有無に関係無く、物品10の出庫については継続して行うことができる。
【0094】
なお、制御ユニット100及び棚ユニット制御部110が行う入庫処理の制限は、故障予兆有りと判定されない物品移載装置50に対応する他の段と比較して入庫が制限されていればよく、当該段に入庫が全くなされない場合には限定されない。例えば、下記の各処理は、入庫処理が制限されている場合に含まれる。例えば、棚ユニット制御部110は、故障予兆有りと判定された物品移載装置50に対応する段とは異なる他の段に優先して物品10を入庫し、他の段に空き位置が無くなった場合、或いは、他の段の入出庫動作が進行中である場合等に、故障予兆有りと判定された物品移載装置50に対応する段に物品10を入庫してもよい。例えば、棚ユニット制御部110は、故障予兆有りと判定された物品移載装置50に対応する段に対する入庫位置の割当て割合を、他の各段の入庫位置の割当て割合よりも低くするようにしてもよい。
【0095】
また、機械学習によって生成された推測モデル150Mの適用によって故障予兆の有無を判定することによって、故障予兆を容易に判別できるようになる。
【0096】
また、制御ユニット100は、故障予兆を、表示部108に表示する。このため、故障予兆有りと判定された物品移載装置50が出庫動作等を継続している状況下でも、現場の管理者等が表示部108を見ることによって故障予兆を知ることができる。
【0097】
また、制御ユニット100は、故障予兆を遠隔地の端末装置122、124にも送信するため、遠隔地の管理者、メンテナンス担当者等が故障予兆を知ることができる。
【0098】
<変形例>
上記実施形態では、物品移載装置50の故障予兆が1つの状態であると把握されることを想定した説明がなされた。物品移載装置50が示す故障予兆の兆候は、故障が生じる可能性からして、複数レベルに分けて把握可能であることが想定される。このため、制御ユニット100及び棚ユニット制御部110は、状態取得部70からの出力に基づいて複数レベルの故障予兆の有無を判定し、故障予兆のレベルに応じて入庫処理の制限処理を変更してもよい。
【0099】
図8は第1レベルの故障予兆と第2レベルの故障予兆とを行う場合の入庫処理例を示すフローチャートである。図8では棚ユニット制御部110において図5のステップS1において入庫有りと判定された後の処理に係る変形例が示される。入庫有りと判定されると、ステップS21において、第1レベルの故障予兆段の有無が判定される。ステップS21において第1レベルの故障予兆段有りと判定されるとステップS31に進み、第1レベルの故障予兆段無しと判定されるとステップS22に進む。ステップS22では、第2レベルの故障予兆段の有無が判定される。ステップS22で第2レベルの故障予兆段有りと判定されるとステップS30に進み、第2レベルの故障予兆段無しと判定されるとステップS23に進む。
【0100】
図5に示すフローチャートと同様に、ステップS21、S22の判定は、予兆通知情報114cに基づいてなされてもよいし、判定の都度、状態データに基づいて判定されてもよい。
【0101】
上記第1レベルの故障予兆は第2レベルの故障予兆よりも故障に結び付きやすい状態である。例えば、モータの状態値(例えば駆動電流)に対して互いに異なる2つの条件値を設定し、状態値が大きい方の条件値を超えた場合に第1レベルの故障予兆有りと判定し、状態値が小さい方の条件値を超えた場合に第2レベルの故障予兆有りと判定してもよい。また、例えば、図6及び図7に示す推測モデルを例にすると、第1レベルのデータは、第2レベルのデータよりも、等高線Lの外側周辺に位置することとなるデータである。第1レベルの故障予兆有りと判定されると故障が生じ易い状態であるので、第1レベルの故障予兆有りと判定された場合の入庫処理の制限は、第2レベルの故障予兆有りと判定された場合の入庫処理の制限よりも厳しくなる。なお、いずれかの段に関し入庫処理の制限を厳しくするとは、例えば、当該段の入庫処理の発生数を他の段より少なくすることをいう。
【0102】
本実施形態では、第1レベルの故障予兆有りと判定された場合、ステップS31に示すように、位置データベース104b及び予兆通知情報114cに基づいて、物品10の入庫位置を決定する。この際、第1レベルの故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置された段については、入庫位置の割当てを禁止する。また、第2レベルの故障予兆有りと判定された場合、ステップS30に示すように、位置データベース104b及び予兆通知情報114cに基づいて、物品10の入庫位置を決定する。この際、第2レベルの故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置された段については、入庫位置の割当て割合を他の段と比較して減らす。
【0103】
ステップS23、S30、S31のいずれかの処理後、ステップS4に進み、図5のステップS4の処理と同様に、物品10の入庫処理がなされる。
【0104】
図9は第1レベルの故障予兆と第2レベルの故障予兆とを判定する場合の処理例を示すフローチャートである。図9図5のステップT1において状態受信された後の処理に係る変形例が示される。状態受信されると、ステップT2において、故障予兆の判定がなされる。
【0105】
次ステップT11では、ステップT1で取得された状態データに基づき、第1レベルの故障予兆段の有無が判定される。第1レベルの故障予兆段有りと判定されるとステップT12に進み、第1レベルの故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置された段に第1レベルの故障予兆有りとの情報を、棚ユニット制御部110に通知する。通知情報は、棚ユニット制御部110において予兆通知情報114cとして保存される。
【0106】
ステップT11で、第1レベルの故障予兆段の無しと判定されると、ステップT13に進む。ステップT13では、第2レベルの故障予兆の有無が判定される。第2レベルの故障予兆段有りと判定されるとステップT14に進み、第2レベルの故障予兆有りと判定された物品移載装置50が配置された段に第2レベルの故障予兆有りとの情報を、棚ユニット制御部110に通知する。通知情報は、棚ユニット制御部110において予兆通知情報114cとして保存される。
【0107】
ステップT12、T14の後及びステップT13において第2レベルの故障予兆無しと判定された場合、ステップT5に進み、必要に応じて次の入出庫に向けた処理がなされる。
【0108】
図8及び図9に示す処理において、故障予兆の程度がより多段階に分けて判定されてもよい。また、故障予兆の程度に基づいて、入庫処理の制限がより多段階に分けてなされてもよい。
【0109】
本変形例によると、故障予兆の程度に応じて、物品移載装置50の入庫処理の制限を行うことができる。例えば、故障可能性が低い場合には、物品移載装置50による入庫処理の制限を緩くして入出庫効率を優先し、故障可能性が高い場合には、入庫処理の制限を厳しくして物品移載装置50の完全な故障の予防を優先することができる。
【0110】
図10及び図11は入庫用昇降装置30の状態に基づき故障予兆が有る格納ユニット18に対して入庫処理の制限を行う処理例を示すフローチャートである。図10図5に対応する制御ユニット100及び棚ユニット制御部110の処理を示し、図11は統括制御ユニット116の処理を示す。
【0111】
すなわち、複数の格納ユニット18が存在する場合、入庫用昇降装置30に故障予兆有りと判定された場合には、当該故障予兆有りと判定された入庫用昇降装置30に対応する格納ユニット18については、入庫処理を制限してもよい。
【0112】
図10に関し、図5の処理との違いを中心に説明すると、制御ユニット100は、ステップT1に対応するステップTb1において、物品移載装置50からの動作状況に加えて、入庫用昇降装置30の動作状況を取得する。即ち、入庫用昇降装置30が入庫用動作を行う際に、入庫用昇降装置30の動作状況が入庫用昇降装置状態取得部によって取得される。入庫用昇降装置状態取得部は、物品移載装置50における状態取得部70と同様に、入庫用昇降装置30の入庫のための動作状況を示す状態を取得する。入庫用昇降装置状態取得部は、例えば、昇降駆動部34のモータの状況を取得するセンサ(例えば、駆動電流を検出するセンサ等)、入庫用昇降装置30のいずれかの部位の温度、振動状態を取得するセンサ等であってもよい。
【0113】
次に、ステップT2に対応するステップTb2において、制御ユニット100は、物品移載装置50の故障予兆の有無を判定すると共に、取得された入庫用昇降装置30の状態検出データに基づいて、入庫用昇降装置30についても故障予兆の有無を判定する。故障予兆の有無の判定については、周知技術を含む各種処理を適用可能である。故障予兆の有無は、上記物品移載装置50における故障予兆の有無を判定するのと同様の処理によって行うことができる。
【0114】
次に、ステップT3に対応するステップTb3において、物品移載装置50及び入庫用昇降装置30のいずれかについて、故障予兆有りと判定されると、ステップT4に対応するステップTb4に進み、故障予兆有りと判定された物品移載装置50又は入庫用昇降装置30を棚ユニット制御部110に通知する。
【0115】
ステップTb3において故障予兆無しと判定された場合、及び、ステップTb4の処理後、上記ステップT5に進む。
【0116】
棚ユニット制御部110では、上記ステップS1の前のステップSb0において、入出庫要求の確認がなされる。確認は、統括制御ユニット116からの出庫要求又はコンベヤ制御盤119からの入庫要求に基づいてなされる。出庫要求は、物品10を出庫する旨の指令であり、物品10の特定情報を含む。入庫要求は物品10を入庫する旨の指令である。
【0117】
ステップSb0の後、ステップS1に進む。ステップS1からステップS6、S10からS15の処理は、図5に示す処理と同様であるため、ステップS6及びステップS15後のステップSb1について説明する。
【0118】
ステップSb1では、棚ユニット制御部110は、入出庫情報を統括制御ユニット116に向けて送信する。入出庫情報は、入庫要求に応じた入庫完了情報であるか、出庫要求に応じた出庫完了情報である。これにより、統括制御ユニット116は、入出庫要求に応じた処理が完了したことを把握することができる。入出庫情報に、入庫した位置等が含まれていれば、統括制御ユニット116において、物品10の入出庫位置を管理することができる。
【0119】
次ステップSb2では、制御ユニット100からの故障予兆通知に基づき、故障予兆が無い入庫用昇降装置30が有るかどうかが判定される。YESの場合、ステップSb3に進み、NOの場合、ステップSb6に進む。
【0120】
ステップSb3では、故障予兆の無い段が有るかどうかが判定される。YESの場合、ステップSb4に進み、NOの場合、ステップSb6に進む。
【0121】
ステップSb4では、位置データベース114bを参照して入庫可能な空きスペースが有るかどうかが判定される。YESの場合、ステップSb5に進み、NOの場合、ステップSb6に進む。
【0122】
ステップSb5の場合、この格納ユニット18には物品10が格納され得る。このため、棚ユニット制御部110からコンベヤ制御盤119に向けて入庫分岐可を示す通知がなされる。
【0123】
ステップSb6の場合、この格納ユニット18には物品10が格納されない。このため、棚ユニット制御部110からコンベヤ制御盤119に向けて入庫分岐不可を示す通知がなされる。
【0124】
この後、ステップS9に進む。
【0125】
図11に示すように、統括制御ユニット116は、ステップU1において、入庫の有無を判定する。入庫の有無(後述する出庫の有無についても同様)は、作業者の指示に基づいて判断されてもよいし、より上位のコンピュータに基づく指示によって判断されてもよい。入庫の場合には、ステップU2に進む。
【0126】
ステップU2では、コンベヤ制御盤119に対してコンベヤの入庫指示を与える。コンベヤ制御盤119には、棚ユニット制御部110からの入庫分岐可否信号が与えられており、コンベヤ制御盤119は、入庫指示に応じて、入庫可能な少なくとも1つの格納ユニット18から1つを選択して、入庫される物品10を当該格納ユニット18に向けて搬送するように、入庫搬送用コンベヤ80を制御する。例えば、押出機構83に当該格納ユニット18に対応する枝ライン部84に物品10を押出すように指令が与えられる。入庫可能な少なくとも1つの格納ユニット18からの1つの選択は、いかなる基準によってなされてもよく、例えば、ランダムに選択されてもよいし、順番で選択されてもよい。コンベヤ制御盤119による選択結果に応じて、選択された格納ユニット18に対応する棚ユニット制御部110に入庫要求が送信される。この後、ステップU3に進む。
【0127】
ステップU1において入庫でないと判定された場合、ステップU4に進む。ステップU4では、出庫か否かが判定される。出庫では無いと判定されると、ステップU1に戻り、出庫と判定されると、ステップU5に進む。
【0128】
ステップU5では、物品10を取出す格納ユニット18が特定される。この特定は、出庫を指示された物品10の特定情報及び位置データベース114bに基づきなされる。格納ユニット18の特定は、統括制御ユニット116自体が位置データベース114bを保存しており、当該位置データベース114bに基づいてなされてもよい。統括制御ユニット116が棚ユニット制御部110等に問合せを行うこと、又は、棚ユニット制御部110の位置データベース114bを参照することによってなされてもよい。
【0129】
次ステップU6において、コンベヤ制御盤119に対して特定された格納ユニット18からの出庫指示がなされると共に、特定された格納ユニット18に対する棚ユニット制御部110に対して出庫指示がなされる。これにより、該当する格納ユニット18が出庫搬送用コンベヤ90に向けて物品10を出庫すると共に、出庫搬送用コンベヤ90が該当する格納ユニット18から物品10を外部に向けて搬送する。この後、ステップU3が実行される。
【0130】
ステップU3では、処理の終了の有無が判定される。自動倉庫の動作終了指令等がなされた場合には、処理を終了し、自動倉庫の入出庫動作が継続する場合には、ステップU1に戻る。
【0131】
なお、ステップSb2において、格納ユニット18において複数(ここでは2つ)の入庫用昇降装置30が存在する場合、全ての入庫用昇降装置30について故障予兆有りと判定された場合に入庫の制限を行ってもよいし、一部の入庫用昇降装置30について故障予兆有りと判定された場合に入庫の制限を行ってもよい。
【0132】
また、本例では、入庫用昇降装置30について故障予兆有りと判定された場合に、入庫を全くしない処理を説明した。このように完全に入庫を制限する必要は無く、入庫用昇降装置30について故障予兆有りと判定された場合に、他の格納ユニット18と比較して入庫処理が制限されればよい。つまり、いずれかの格納ユニット18に対する入庫処理の制限とは、他の格納ユニット18と比較して入庫割合が少なくなる場合を含む。
【0133】
なお、制御ユニット100、入庫用昇降装置30の故障予兆の有無が判定される代り又は加えて、出庫用昇降装置40の故障予兆の有無が判定され、棚ユニット制御部110において、出庫用昇降装置40の故障予兆有りと判定された場合に、当該故障予兆有りと判定された出庫用昇降装置40が設けられた格納ユニット18についても入庫の制限を行ってもよい。
【0134】
入庫分岐可否信号が統括制御ユニット116に送信され、統括制御ユニット116において、故障予兆がある入庫用昇降装置30による入庫制限を行うように、入庫先となる格納ユニット18を特定してもよい。
【0135】
本例によると、故障予兆有りと判定された入庫用昇降装置30の入庫処理が制限されるため、稼働率が下がり、完全に故障し難くなる。このため、入庫用昇降装置30の故障によって自動倉庫からの物品入庫が完全に困難となる事態を回避することができる。特に、1つの格納ユニット18に対して1つの入庫用昇降装置30が設けられる場合に、完全に入庫できなくなる事態が抑制される。1つの格納ユニット18に対して1つの入庫用昇降装置30が設けられ、かつ、当該1つの入庫用昇降装置30に故障予兆有りと判定された場合、出庫用昇降装置40を入出庫兼用としてもよい。
【0136】
また、故障予兆有りと判定された出庫用昇降装置40に対応する格納ユニット18への入庫処理が制限されるようにすると、出庫用昇降装置40の稼働率が下がり、完全に故障し難くなる。このため、出庫用昇降装置40の出庫動作が継続され易い。これにより、出庫用昇降装置40の故障によって自動倉庫からの物品出庫が困難となる事態を回避することを目的とする。特に、1つの格納ユニット18に対して1つの出庫用昇降装置40が設けられる場合に、出庫できなくなる事態が抑制される。1つの格納ユニット18に対して1つの出庫用昇降装置40が設けられ、かつ、当該1つの出庫用昇降装置40に故障予兆有りと判定された場合、入庫用昇降装置30を入出庫兼用としてもよい。
【0137】
かかる処理をする自動倉庫は、複数段の棚を含む複数の格納ユニットと、前記複数の格納ユニットのそれぞれに設けられ、入庫される物品を入庫用の高さ位置から格納箇所に対応する前記段の高さ位置に移動させる入庫処理を行う入庫用昇降装置(例えば、入庫用昇降装置30)と、前記複数の格納ユニットのそれぞれにおいて各前記段のそれぞれに配置され、前記入庫用昇降装置から前記棚に物品を移載する物品移載装置(例えば、物品移載装置50)と、前記複数の入庫用昇降装置のそれぞれの状態を取得する状態取得部と、前記状態取得部からの出力データに基づいて前記複数の入庫用昇降装置の故障予兆の有無を判定し、前記複数の入庫用昇降装置のいずれかについて故障予知有りと判定されると、故障予兆有りと判定された前記入庫用昇降装置が配置される格納ユニットへの入庫処理を、故障予兆無しと判定された前記入庫用昇降装置の入庫処理よりも制限するように、前記入庫用昇降装置の動作を制御して入庫処理の制限を行う制御ユニット(制御ユニット100、棚ユニット制御部110、統括制御ユニット116及びコンベヤ制御盤119)と、を備える自動倉庫として把握され得る。
【0138】
この場合において、上記実施形態において説明した故障予兆の有無判断処理、故障予兆のレベル分け等に関する処理が適用されてもよい。
【0139】
また、自動倉庫は、複数段の棚を含む複数の格納ユニットと、前記複数の格納ユニットのそれぞれに設けられ、出庫される物品を入庫用の高さ位置から格納箇所に対応する前記段の高さ位置に移動させる入庫処理を行う入庫用昇降装置(例えば、入庫用昇降装置30)と、前記複数の格納ユニットのそれぞれに設けられ、出庫される物品を格納箇所に対応する前記段の高さ位置から出庫用の高さ位置に移動させる出庫処理を行う出庫用昇降装置(例えば、出庫用昇降装置40)と、前記複数の格納ユニットのそれぞれにおいて各前記段のそれぞれに配置され、前記入庫用昇降装置から前記棚に物品を移載すると共に、前記棚から前記出庫用昇降装置に物品を移載する物品移載装置(例えば、物品移載装置50)と、前記複数の出庫用昇降装置のそれぞれの状態を取得する状態取得部と、前記状態取得部からの出力データに基づいて前記複数の出庫用昇降装置の故障予兆の有無を判定し、前記複数の出庫用昇降装置のいずれかについて故障予知有りと判定されると、故障予兆有りと判定された前記出庫用昇降装置が配置される格納ユニットへの入庫処理を、故障予兆無しと判定された前記出庫用昇降装置に対応する前記入庫用昇降装置の入庫処理よりも制限するように、前記入庫用昇降装置の動作を制御して入庫処理の制限を行う制御ユニット(制御ユニット100、棚ユニット制御部110、統括制御ユニット116及びコンベヤ制御盤119)と、を備える自動倉庫として把握され得る。
【0140】
これらの場合において、上記実施形態において説明した故障予兆の有無判断処理、故障予兆のレベル分け等に関する処理が適用されてもよい。
【0141】
また、これらの変形例において、1つの格納ユニット18に入庫用昇降装置30が複数設けられる場合には、故障予兆有りと判定された入庫用昇降装置30の使用を停止してもよい。同様に、1つの格納ユニット18に出庫用昇降装置40が複数設けられる場合には、故障予兆有りと判定された出庫用昇降装置40の使用を停止してもよい。
【0142】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0143】
本明細書及び図面は下記各態様を開示する。
【0144】
第1の態様は、複数段の棚と、入庫される物品を入庫用の高さ位置から格納箇所に対応する前記段の高さ位置に移動させる入庫処理を行う入庫用昇降装置と、各前記段のそれぞれに配置され、前記入庫用昇降装置から前記棚に物品を移載する物品移載装置と、前記複数の物品移載装置それぞれの状態を取得する移載装置状態取得部と、前記移載装置状態取得部からの出力データに基づいて前記複数の物品移載装置それぞれの故障予兆の有無を判定し、前記複数の物品移載装置のいずれかについて故障予知有りと判定されると、故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段への入庫処理を、故障予兆無しと判定された前記物品移載装置の入庫処理よりも制限するように、前記入庫用昇降装置及び前記物品移載装置の少なくともいずれかの動作を制御して入庫処理の制限を行う制御ユニットと、を備える自動倉庫である。
【0145】
第1の態様によると、故障予兆有りと判定された物品移載装置については、入庫処理が制限されるため、稼働率が下がり、完全に故障し難くなる。このため、出庫動作が継続され易い。これにより、物品移載装置の故障によって自動倉庫からの物品出庫が困難となる事態を回避することができる。
【0146】
第2の態様は、第1の態様に係る自動倉庫であって、前記制御ユニットは、前記移載装置状態取得部からの出力に基づいて、第1レベルの故障予兆の有無と、前記第1レベルよりも故障の可能性が低い第2レベルの故障予兆の有無と、を判定し、第1レベルの故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段への前記入庫処理の制限を、第2レベルの故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段への前記入庫処理の制限よりも厳しくする、自動倉庫である。これにより、故障予兆の程度に応じて、物品移載装置の入庫処理の制限を変更することができる。
【0147】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る自動倉庫であって、出庫される物品を格納箇所に対応する前記段の高さ位置から出庫用高さ位置に移動させる出庫処理を行う出庫用昇降装置をさらに備え、前記物品移載装置は、前記棚から前記出庫用昇降装置に物品を移載し、前記制御ユニットが行う前記入庫処理の制限には、故障予兆有りと判定された前記物品移載装置が配置される段については入庫される物品を対象とする前記入庫処理を行わずに前記出庫処理を行う制御を含む、自動倉庫である。この場合、故障予兆有りと判定された物品移載装置が入庫処理を行わないため、当該物品移載装置がより完全に故障し難くなる。
【0148】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る自動倉庫であって、前記制御ユニットは、前記移載装置状態取得部からの出力データに対して、機械学習により生成された推測モデルを適用することで、前記複数の物品移載装置それぞれの故障予兆の有無を判定する、自動倉庫である。この場合、機械学習により生成された推測モデルの適用によって、故障予兆の有無を判定できる。
【0149】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る自動倉庫であって、前記移載装置状態取得部は、前記物品移載装置におけるモータの状態検出データを出力する、自動倉庫である。これにより、物品移載装置を動作させるモータの状態に基づいて物品移載装置の故障予兆の有無を判定できる。
【0150】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る自動倉庫であって、前記制御ユニットは、故障予兆を表示部に表示する、自動倉庫である。これにより、現場の管理者等は、表示部を見ることによって故障予兆を知ることができる。
【0151】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る自動倉庫であって、前記制御ユニットは、故障予兆を遠隔地の端末装置に送信する、自動倉庫である。これにより、遠隔地の端末装置によって、遠隔地の管理者、メンテナンス担当者等が故障予兆を知ることができる。
【0152】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0153】
10 物品
18 格納ユニット
20 自動倉庫
24 棚
30 入庫用昇降装置
40 出庫用昇降装置
50 物品移載装置
70 移載装置状態取得部
100 制御ユニット
102 プロセッサ
104 記憶部
104a プログラム
104b 位置データベース
108 表示部
110 棚ユニット制御部
112 プロセッサ
114 記憶部
114a プログラム
114b 位置データベース
114c 予兆通知情報
116 統括制御ユニット
117 プロセッサ
118 記憶部
119 コンベヤ制御盤
120 通信ネットワーク
122、124 外部端末装置
150 機械学習装置
150M 推測モデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11