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特許7503502テストステロン増強のための相乗的ハーブ組成物
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  • 特許-テストステロン増強のための相乗的ハーブ組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】テストステロン増強のための相乗的ハーブ組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/185 20060101AFI20240613BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240613BHJP
   A61P 5/24 20060101ALI20240613BHJP
   A61P 5/26 20060101ALI20240613BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240613BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20240613BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240613BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20240613BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240613BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 31/7024 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240613BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240613BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20240613BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240613BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240613BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20240613BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
A61K36/185
A61P43/00 121
A61P5/24
A61P5/26
A61P3/00
A61P3/02
A61P43/00 105
A61P21/00
A61P15/10
A61P3/04
A61P19/10
A61K31/7024
A61K31/522
A61K45/00
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/22
A61K47/14
A61K47/18
A61K47/42
A61K47/02
A61K47/10
A61K9/14
A61K9/08
A61K9/20
A61K9/48
A23L33/105
A23L2/00 F
A23L2/52
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020562212
(86)(22)【出願日】2019-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 IN2019050361
(87)【国際公開番号】W WO2019215755
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】201841017306
(32)【優先日】2018-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】510067980
【氏名又は名称】ライラ ニュートラシューティカルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴカラジュ,ガンガ ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴカラジュ,ラマ ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ビューパチラジュ,キラン
(72)【発明者】
【氏名】ゴラコチ,トリムーツル
(72)【発明者】
【氏名】ゴカラジュ,ヴェンカタ カナカ ランガ ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】サムパリ,ヴェンカテスワール
(72)【発明者】
【氏名】アルリ,ヴェンカタ,クリシュナ,ラジュ
【審査官】柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/141267(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
A61P 1/00-43/00
A61K 31/33-33/44
A61K 38/00-38/58
A61K 41/00-45/08
A61K 48/00
A61K 50/00-51/12
A61K 9/00-9/72
A61K 47/00-47/69
A23L 5/40-5/49
A23L 31/00-33/29
A23L 2/00-2/84
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
REGISTRY/CASREACT/MARPAT/KOSMET/GSTA/RDISCLOSURE/ReaxysFile/CHEMCATS/AGRICOLA/BIOTEHNO/CABA/SCISEARCH/TOXCENTER(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物から選択される第2成分と、の組み合わせを含み、
前記プニカ・グラナトゥムの植物部分は果実全体及び果皮から選択され、前記テオブロマ・カカオの植物部分は種子から選択され、前記抽出物が、C1-C5アルコール;水;酢酸エチル;アセトン、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの溶媒を使用して得られる、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能および心理的幸福を改善すること;ストレスを軽減させること;ならびにヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための相乗的ハーブ組成物。
【請求項2】
前記テストステロンの低レベルに関連する症状が、性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、記憶と集中力の低下から選択される、請求項1に記載の相乗的ハーブ組成物。
【請求項3】
前記第1成分の重量が、前記組成物の10%~90%の範囲で変動し、前記第2成分の重量が、90%~10%の範囲で変動する、請求項1に記載の相乗的ハーブ組成物。
【請求項4】
前記組成物の0.1重量%~20重量%の濃度範囲のプニカラギン、および前記組成物の0.1重量%~10重量%の濃度範囲のテオブロミンに標準化される、請求項1に記載の相乗的ハーブ組成物。
【請求項5】
生物学的作用物質;薬学的に許容される活性成分、ビタミン、ミネラル;薬学的に、または栄養補助食品的に、または食物的に許容される賦形剤、担体または希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を含有する、請求項1に記載の相乗的ハーブ組成物。
【請求項6】
前記薬学的に、または栄養補助食品的に、または食物的に許容される賦形剤、担体および希釈剤が、単糖類;二糖類;デンプンおよび加工デンプン、ならびに多糖質(Polycarbohydrate);デンプンまたはグリコーゲンの加水分解によって生成されるデキストリン;多価アルコールまたは糖アルコール;セルロース系誘導体;ケイ酸塩;金属ステアリン酸塩;有機酸;脂肪酸エステルおよびポリソルベートのエステル、天然ガム;ビタミンB群、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸、タンパク質;有機金属塩;天然色素、香味料、クラスIおよびクラスIIの防腐剤、ならびに上記の成分の単独または組み合わせの水溶液、アルコール溶液、含水アルコール溶液、有機溶液から選択される、請求項5に記載の相乗的ハーブ組成物。
【請求項7】
乾燥粉末形態、液体形態、飲料、食品、栄養補助食品、または錠剤、カプセル、軟質チュアブル錠もしくはグミベアから選択される剤形に製剤化することができる、請求項5に記載の相乗的ハーブ組成物。
【請求項8】
健康食品または特定の健康用途のための食品、半固形食品、またはゲルもしくは飲料、ドロップ、キャンディー、チューイングガム、グミキャンディー、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ソフト小豆ゼリー、ゼリー、クッキー、紅茶、ソフトドリンク、ジュース、牛乳、コーヒー、シリアル、スナックバーの剤形から選択される栄養的/食物的補助食品に製剤化することができる、請求項5に記載の相乗的ハーブ組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プニカ・グラナトゥム(Punica granatum)に由来する抽出物および画分から選択される少なくとも1つの成分と、テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao)に由来する抽出物および画分から選択される少なくとも1つの成分とを含む、ヒトのテストステロンレベルを改善するため、および/またはヒトのテストステロンホルモンが正常レベルより低いことに関連する少なくとも1つの症状/状態を緩和するための相乗的ハーブ組成物に関する。本発明はまた、ヒトのテストステロンレベルを改善する方法、および/またはヒトのテストステロンホルモンの低レベルに関連する少なくとも1つの症状を緩和する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テストステロンは、主に精巣のライディッヒ細胞によって産生されるホルモンの化学的メッセンジャーであり、男性の性的特徴の適切な発達に関与している。これは、精子形成のプロセスに不可欠なアンドロゲンの一種である。テストステロンは同化ホルモンであり、性衝動、骨量、筋成長、筋力、スタミナ、エネルギーの増加、気分など、精子の生成に加えて男性の多くの機能を調節することが知られている。男性は年をとるにつれて、血清テストステロンレベルが徐々に低下し、さまざまな身体的および精神的変化、例えば、性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量および筋力の低下、倦怠感、骨密度の低下、気分のむら、意欲の低下など、ならびに記憶力と集中力の低下をもたらす。
【0003】
テストステロン欠乏症に苦しむ男性を治療するために、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)やトリビュラス・テレストリス(Tribulus terrestris)などのハーブ製品を含む、多くのテストステロン補充療法が利用可能である。テストステロンの低レベルは、マグネシウム、鉄、亜鉛のレベルが大幅に低下することに関連していることがわかった。したがって、これらの栄養素を含有するサプリメントは、テストステロン増強剤としても利用可能である。
【0004】
特許文献1は、テストステロンレベルを増加させることによる勃起機能不全の治療のための、トリビュラス・テレストリスとレピディウム・メイエニイ(Lepidium meyenii)との抽出物を含む組成物を開示している。
【0005】
特許文献2は、男性のアンドロゲンレベルを正常化し、全身の健康を改善し、肥満を軽減するための生物学的に活性な栄養補助食品を開示しており、この栄養補助食品は、ホテンティラ・アルバ(white cinquefoil)の根および根茎、またはホテンティラ・アルバの地上部(aerial portion)またはそれらの混合物と、20~80wt%の重量割合の雄蜂の幼虫(drone brood)とを含む。
【0006】
別の特許文献3は、前立腺肥大に関連する症状を緩和するための、以下の成分を含む栄養補助食品を開示している:組成物の12.5~25重量%の量のカボチャ種子;組成物の1.875~18.75重量%の量のセレノア・レペンス(Serenoa repens)の抽出物;組成物の6.25~12.5重量%の量のピジウム・アフリカヌム(Pygeum africanum);組成物の3.125~6.25重量%の量のグリシン酸亜鉛、および賦形剤。
【0007】
男性のテストステロンレベルが低下する主な理由の1つは、エストラジオールへの変換である。アロマターゼは、アンドロゲンからエストロゲンへの変換、特にテストステロンからエストラジオールへの変換に関与する酵素である。体重増加および老化は、この変換によってテストステロンの損失を増加させることが公知である。さらに、男性の過剰なエストラジオールは、前立腺、女性化乳房、および勃起/性欲/ホルモンバランスに関連する健康問題の原因であることが公知であった。アロマターゼ阻害剤は、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、およびテストステロンのレベルを増加させることが公知である。したがって、アロマターゼ阻害剤は、テストステロンレベルを高めるためのツールとして使用することができる。
【0008】
上記から明らかなように、精嚢および血流中のテストステロンの濃度を改善するための非常に効果的なハーブ抽出物を含む、費用効果の高い代替治療を提供することが当技術分野において継続的に必要とされている。さらに、最小限の副作用を提供し、それによってヒトの摂取にとって安全なものとなる、テストステロンレベルを改善するためのより良い治療選択肢が当技術分野で必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許公報国際公開第2011026500号A1パンフレット
【文献】特許公報米国特許出願第20140086999号A1明細書
【文献】特許公報米国特許第5543146号A明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの成分とを含む、血流および/または精嚢中のテストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、骨密度の低下、意欲の低下、記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための相乗的で安全なハーブ組成物を提供して、幸福感を改善することである。
【0011】
本発明の別の目的は、テストステロンレベルを増加させ、テストステロンの低レベルに関連する症状を治療/緩和するための、本発明の相乗的ハーブ組成物の使用を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、血流および/または精嚢中のテストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ならびに性欲減退、勃起機能不全、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、骨密度の低下、意欲の低下、記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得る方法を提供して、幸福感を改善することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、本発明の相乗的ハーブ組成物を使用して、哺乳動物または温血動物において、自然エネルギーレベル、身体活動、エネルギーの発動および増加/着実な維持、持久力、精神的覚醒、筋肉量および筋力を増加させる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含む、血流および/または精嚢中のテストステロンレベルを改善すること、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を増加させること;ストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、および記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための相乗的ハーブ組成物を提供して、幸福感を改善する。
【0015】
一態様では、本発明は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含み、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容される希釈剤、および薬学的に許容される担体から選択される少なくとも1つのさらなる成分を任意選択で含有する、血流および/または精嚢中のテストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ストレスを軽減させること;ならびにヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための相乗的ハーブ組成物を提供する。
【0016】
本発明の他の態様は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分とを含む相乗的ハーブ組成物の、血流および/または精嚢中のテストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ヒトのストレスを軽減させること;ならびにヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための使用を提供する。
【0017】
本発明の別の態様は、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ヒトのストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能不全、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、骨密度の低下、意欲の低下、およびヒトの記憶と集中力の低下など、テストステロンの低レベルに関連する症状を治療/緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得る方法であって、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分とを含み、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容される希釈剤、及び薬学的に許容される担体から選択される少なくとも1つのさらなる成分を任意選択で含有する組成物の有効量を、それを必要とするヒトに補給することを含む方法を提供する。
【0018】
本発明のさらに別の態様は、哺乳動物または温血動物において、自然エネルギーレベル、身体活動、エネルギーの発動および増加/着実な維持、持久力、精神的覚醒、筋肉量および/または筋力を増加させる方法であって、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分とを含み、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容される希釈剤、および薬学的に許容される担体から選択される少なくとも1つのさらなる成分を任意選択で含有する組成物の有効量を、哺乳動物または温血動物に補給することを含む方法を提供する。
【0019】
さらなる態様では、本発明は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分とを含み、テストステロン増強活性またはアロマターゼ阻害活性/または亜硝酸増強活性を有する植物に由来する抽出物/画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物と任意選択で組み合わせた、相乗的ハーブ組成物を提供する。
【0020】
さらなる態様では、本発明は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分とを含み、元素形態のマグネシウム、亜鉛およびホウ素、もしくはこれらの元素を含有する化合物などの微量栄養素、またはD-アスパラギン酸などのアミノ酸と任意選択で組み合わせた、相乗的ハーブ組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】対照群(G1)ならびに処置群、G2(組成物-77:100mg/kg;p.o)およびG3(組成物-78:100mg/kg;p.o)における22日目の血清テストステロンレベル(ng/mL)を表わす棒グラフである;各バーは平均±S.E.Mを表し、n=7である。
図2】対照群(G1)ならびに処置群、G2(組成物-77:100mg/kg;p.o)およびG3(組成物-78:100mg/kg;p.o)における22日目の精子数を表わす棒グラフである;各バーは平均±S.E.Mを表し、n=7である。データは、ANOVAとそれに続くダネットの事後検定を使用して分析した。正常対照に対して*P<0.05、***P<0.001。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
テストステロンは重要なアンドロゲン性男性ホルモンであり、主に精巣によってライディッヒ細胞で産生される。テストステロンは男性の生殖組織の発達と第二次性徴の促進に関与している。成人の場合、テストステロンは、筋肉量、筋力、エネルギーレベルおよび骨量、性的機能および心理的幸福の維持に重要な役割を果たす。テストステロンのレベルの増加は、筋肉量と筋力を増強し、エネルギーレベルを増加させ、性欲、勃起機能を改善し、幸福感を改善する。テストステロンのレベルは男性が年をとるにつれて徐々に低下し、「男性更年期」と呼ばれるこの状態に関連する望ましくない影響が近年ますます注目を集めている。望ましくない影響としては、性的欲求(性欲)の低下、特に夜間の勃起に対する勃起の質の低下、気分の変化、知的および認知機能の低下、倦怠感、鬱病および怒り、筋肉量と筋力の低下、エネルギーレベルの低下、体毛の減少、皮膚の変化、勃起機能不全、腹部肥満、記憶と集中力の低下、骨量/骨密度(mineral density)の低下、腹部脂肪量の増加が挙げられる。
【0023】
テストステロン欠乏症に苦しむ男性を治療するために多くのテストステロン補充療法が利用可能であるが、それぞれに独自の欠点を有する(The benefits and risks of testosterone replacement therapy:a review.Nazem Bassil,Saad Alkaade,John E Morley Ther Clin Risk Manag.2009;5:427-448。2009年6月22日、オンラインで公開)。
【0024】
したがって、本出願の発明者らは、マウスMA-10ライディッヒ細胞株およびELISAベースのテストステロンEIAアッセイキット(Cayman chemicals、米国)を使用して、インビトロ細胞モデルにおけるそれらのテストステロン増強活性について多数の植物抽出物および画分をランダムにスクリーニングし、プニカ・グラナトゥムおよびテオブロマ・カカオに由来する抽出物および画分が、強力な用量依存性テストステロン増強活性を示すことを発見した。
【0025】
プニカ・グラナトゥム:プニカ・グラナトゥムLinn.(ザクロ)は、地元ではアナール(Anar)として知られているザクロ科の果実植物種である。5、000年以上前に中東で栽培された非常に古い植物である。この植物はインドおよびバングラデシュのいたるところに見られる。アーユルヴェーダ医学では、この植物はサンスクリット語で「ダリマ」(果物)という名称で、「血液浄化剤」として記載されており、寄生虫感染症、アフタ(口内炎)、下痢および潰瘍の治療に使用される。P.グラナトゥム(P.granatum)の果皮は、ベータカロチン、カリウム、リン、カルシウム、ならびにエラグ酸、エラジタンニン、プニン酸、フラボノイド、アントシアニジン、アントシアニンおよびフラボンなどのさまざまな化学成分が豊富である。ザクロの皮(rindまたはpeel)の潜在的な幅広い治療特性としては、癌、心血管疾患、糖尿病、歯の状態および勃起機能不全の治療と予防、紫外線からの保護、ならびに止瀉薬および抗菌剤が挙げられる。他の潜在的な用途には、乳児の脳虚血、アルツハイマー病、男性不妊症、関節炎、皮膚の創傷、肥満などが含まれる。
【0026】
テオブロマ・カカオ:テオブロマ・カカオL.は小さいが、経済的に重要な木である。南北アメリカの熱帯地域に自生するアオギリ科の常緑樹である。ココア種子は、ポリフェノールおよびテオブロミンの重要な供給源である。種子は、ココアマス、ココアパウダー、菓子、ガッシュおよびチョコレートを作るために使用される。ココア抽出物またはその植物化学物質は、血小板凝集、高血圧、アテローム性動脈硬化症、高血糖症および高コレステロール血症、炎症、肝発癌、DNA損傷および染色体異常誘発効果に対していくつかの有益な効果を示した。
【0027】
本発明で使用されるハーブの供給源は以下の通りである:
1)プニカ・グラナトゥムの皮の原料は、アーンドラ・プラデーシュ(Andhra Pradesh)州アナンタプラム(Ananthpur)地区のコタチェルブマンダル(Kothacheruvu mandal)のコタチェルブ(Kothacheruvu)村で収集された。
2)テオブロマ・カカオ種子の原料は、テランガーナ(Telangana)州アスワラオペット(Aswaraopet)における自家栽培により得た。
【0028】
プニカ・グラナトゥムの果皮を粉砕し、エタノール、90%水性エタノール、80%水性エタノール、70%水性エタノール、50%水性エタノール、水、メタノール、50%水性メタノール、アセトン、50%水性アセトンおよび酢酸エチルなどのさまざまな溶媒で粉末を抽出し、それぞれ、エタノール抽出物(P.G-1)、90%水性エタノール抽出物(P.G-2)、80%水性エタノール抽出物(P.G-3)、70%水性エタノール抽出物(P.G-4)、50%水性エタノール抽出物(P.G-5)、水抽出物(P.G-6)、メタノール抽出物(P.G-7)、50%水性メタノール抽出物(P.G-8)、アセトン抽出物(P.G-9)、50%水性アセトン抽出物(P.G-10)および酢酸エチル抽出物(P.G-11)を得た。プニカ・グラナトゥムの果皮の抽出物を、分析用HPLC法によってプニカラギン(Punicalgins)(I)対して標準化し、結果を表1に要約した。プニカラギン(Punicalgins)(I)はエラジタンニンであり、その化学構造を以下に示す。
【0029】
【化1】
【0030】
テオブロマ・カカオの果皮を粉砕し、水、エタノール、50%水性エタノール、90%水性エタノール、70%水性エタノール、メタノール、50%水性メタノール、アセトン、50%水性アセトンおよび酢酸エチルなどのさまざまな溶媒で粉末を抽出し、それぞれ、水抽出物(T.C-1)、50%水性エタノール抽出物(T.C-2)、エタノール抽出物(T.C-3)、90%水性エタノール抽出物(T.C-4)、70%水性エタノール抽出物(T.C-5)、メタノール抽出物(T.C-6)、50%水性メタノール抽出物(T.C-7)、アセトン抽出物(T.C-8)、50%水性アセトン抽出物(T.C-9)および酢酸エチル抽出物(T.C-10)を得た。テオブロマ・カカオ種子の上記抽出物を、分析用HPLC法によってテオブロミン(II)対して標準化し、結果を表2に要約した。テオブロミン(II)は、テオブロマ・カカオの主要アルカロイドであり(Donald L.Pavia,Journal of Chemical Education,1973,50,791-792)、その化学構造を以下に示す。
【0031】
【化2】
【0032】
プニカ・グラナトゥムおよびテオブロマ・カカオの抽出物は、対照で処理した細胞と比較した場合、マウスMA-10ライディッヒ細胞中のテストステロンレベルを強力に増加させた。プニカ・グラナトゥムの果皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)は、例えば、5μg/mLの処理濃度で、対照よりも34.15%のテストステロン増加を示した。同様に、5μg/mLの処理濃度のテオブロマ・カカオ種子の水抽出物(T.C-1)および50%水性エタノール抽出物(T.C-2)は、それぞれ対照よりも20.44%および48.24%のテストステロンレベルの増加を示した。
【0033】
組成物-1~組成物-76は、プニカ・グラナトゥムの果皮に由来する抽出物から選択された第1成分と、テオブロマ・カカオの種子原料に由来する抽出物から選択された第2成分とを異なる比率でランダムに組み合わせることによって調製した。そのようにして得られた組成物(組成物-1~76)を、対応する個々の成分と比較して、テストステロン増強活性について評価した。インビトロテストステロンアッセイからのデータは、これらの組成物が、対応する個々の成分と比較した場合、テストステロンレベルを増加させるのに予想外により良い効力を有することを示し、プニカ・グラナトゥムに由来する個々の抽出物または画分が、テオブロマ・カカオに由来する抽出物または画分と組み合わされたときに相乗作用を示す傾向があることを示唆している。
【0034】
例えば、0.16μg/mLのプニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)および0.04μg/mLのテオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)は、細胞アッセイでそれぞれ7.10%および0.86%のテストステロン濃度の増加を示した。これら2つの抽出物を4:1の比率で含有する組成物-1は、0.2μg/mLの濃度で18.3%のテストステロン増加を示し、これは、これら2つの成分による相加効果(7.10%+0.86%=7.96%)よりも大幅に優れており、テストステロンレベルの向上における、プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)とテオブロマ・カカオ水抽出物(T.C-1)との相乗効果を示唆している。これらの2つの成分をそれぞれ3:1、2:1、1:1、1:2、1:3および1:4の比率で組み合わせたときに得られた組成物-2、3、4、5、6および7も、表3に要約されているように、対応する個々の成分と比較した場合相乗作用を示した。
【0035】
別の例では、0.16μg/mLのプニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)および0.04μg/mL濃度のテオブロマ・カカオ50%水性エタノール抽出物(T.C-2)は、それぞれ、細胞アッセイにおいて7.10%および3.85%のテストステロン濃度増加を示した。これら2つの抽出物を4:1の比率で含有する組成物-8は、0.2μg/mLの濃度で25.74%のテストステロン増加を示し、これは、これら2つの成分による相加効果(7.10%+3.85%=10.95%)よりも大幅に優れており、プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)とテオブロマ・カカオ50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とによるテストステロンレベルの向上において相乗効果を示唆している。これらの2つの成分は、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3および1:4の比率で組み合わせた場合もまた、それぞれ表4に要約されている組成物-9、10、11、12、13および14によって示される優れたテストステロン向上効果によって示されるように相乗効果を示した。同様に、プニカ・グラナトゥムとテオブロマ・カカオとの他の抽出物を含有する組成物(C-15~C-76)もテストステロン増強活性について試験され、表5~8に要約されるように相乗的であることがわかった。
【0036】
アロマターゼ阻害によるテストステロン増強
テストステロンのレベルが低い主な理由には、下垂体および視床下部腺の障害、精神的および肉体的ストレス、老化、投薬、併発疾患などが含まれる。性的衝動、性欲を高め、筋力と筋肉量を向上させるには、通常よりも高いレベルのテストステロンが必要である。男性のテストステロンのレベルが低下する他の主な理由は、エストラジオールへの変換である。アロマターゼは、アンドロゲンからエストロゲンへの変換、特にテストステロンからエストラジオールへの変換に関与する酵素である。したがって、アロマターゼ阻害剤は、テストステロンの変換を阻害するためのツールとして使用することができ、それによって生体系におけるそのレベルを向上させることができる。アロマターゼ阻害剤の補給は、LH、卵胞刺激ホルモン(FSH)およびテストステロンのレベルを増加させることが公知である。
【0037】
したがって、本出願の発明者らは、プニカ・グラナトゥムの皮およびテオブロマ・カカオ種子の抽出物を、それらのアロマターゼ阻害活性についてスクリーニングした。興味深いことに、両方の植物材料に由来する抽出物は、強力な用量依存性アロマターゼ阻害活性を示した。プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)は、例えば、25μg/mLの処理濃度で、40.15%のアロマターゼ阻害を示した。同様に、テオブロマ・カカオ種子の50%水性エタノール抽出物(T.C-2)は、25μg/mLの処理濃度で、20.9%のアロマターゼ阻害を示した。したがって、プニカ・グラナトゥムの皮およびテオブロマ・カカオの抽出物/画分は、アロマターゼを阻害することによってテストステロンのレベルを改善する可能性があることは明らかである。
【0038】
次に、それぞれがプニカ・グラナトゥムまたはテオブロマ・カカオに由来する2つの抽出物を含有する組成物-1~76(C-1~C-76)を評価して、アロマターゼ酵素活性を阻害する相乗効果を得る可能性を調査した。これらの組成物のインビトロアロマターゼアッセイからのデータは、それらの対応する個々の成分と比較した場合、アロマターゼ酵素活性を阻害する上でより優れた有効性を予想外に示した。
【0039】
例えば、20.0μg/mLのプニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)および5.0μg/mLのテオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)は、細胞アッセイでそれぞれ22.15%および4.18%のアロマターゼ阻害を示した。これら2つの抽出物を4:1の比率で含有する組成物-8は、25.0μg/mLの濃度で35.2%のアロマターゼ阻害を示し、これは、これら2つの成分による相加効果(22.15%+4.18%=26.33%)よりも大幅に優れており、プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)とテオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とによるアロマターゼ酵素活性の阻害において相乗効果を示唆している。これらの2つの成分を3:1、2:1、1:1、1:2、1:3および1:4の比率で組み合わせて、それぞれ組成物9、10、11、12、13および14を得た場合、表9に要約されているように、対応する個々の成分と比較した場合に相乗的アロマターゼ阻害を示した。同様に、プニカ・グラナトゥムとテオブロマ・カカオとの抽出物を含有する他の組成物(C-15~C-76)をアロマターゼ阻害活性について試験し、相乗作用の結果を表10から13にて要約する。
【0040】
身体能力、エネルギーレベル、筋肉量および筋力の向上
エネルギーの存在と維持は、ヒトの生活のすべての活動の背後にある基本的な要件および条件である。ATPは、細胞輸送、生体分子の生成および高分子の機能化など、細胞の存在および生存に不可欠な多くの細胞機能に化学エネルギーを供給する役割を果たす。ATPは、心筋(血液循環用)と骨格筋(全身の動きに必要な筋肉の収縮用)にエネルギーを供給する。筋肉細胞にすでに存在するATPのプールは、ランニングや筋肉活動などの激しい身体的行動の最初の5~6秒間に適している。この時間を超えて、新しいATPは主に嫌気性プロセス(解糖)と好気性代謝(解糖による細胞呼吸、クエン酸回路、および電子伝達/酸化的リン酸化)とによって生成される。全体として、ATPは、より長く、より活発な身体活動をサポートするために必要な筋肉収縮の活性化を可能にする。したがって、持久運動中および身体活動のより長く激しい期間の間、細胞内エネルギー源またはATP含有量を増加させることが不可欠である。
【0041】
ミトコンドリアは、酸化的リン酸化を介した細胞内のエネルギー産生(ATP)の部位であり、しばしば細胞の発電所と呼ばれる。ミトコンドリアは、正常な細胞機能および恒常性を維持するために必要な総ATPの大部分を提供する。ATPはまた、運動の力発生器として骨格筋機能において重要な役割を果たす。ミトコンドリア生合成は、既存のミトコンドリアの増殖を通じて細胞内に新しいミトコンドリアが形成されるプロセスである。ミトコンドリア生合成は、数の増加だけでなく、サイズと質量の増加も伴う。ミトコンドリア生合成は、身体活動およびハーブ成分を含む薬理学的介入によって誘発される可能性がある。PGC-1α[PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)-γコアクチベータ-1α]は、ミトコンドリア生合成の主要な調節因子である。
【0042】
ミトコンドリアは、有酸素運動やその他の身体活動中に、ほとんどのエネルギーをATPの形で筋肉細胞に提供する。したがって、より多くのより機能的なミトコンドリアを生成するミトコンドリア生合成は、細胞内のエネルギーレベルと持続エネルギーの増加にプラスの効果を有し得る。ミトコンドリアは、主要な生体エネルギー機構であり、細胞内の酸化ストレスの原因であるため、加齢に伴う損傷や喪失の影響を受けやすくなっている。さらに、ミトコンドリア生合成の能力も年齢とともに減少することが示されている。このように、ミトコンドリア生合成の効果的な制御は、エネルギー産生の維持だけでなく、健康的な老化の促進にとっても重要である。したがって、ミトコンドリア生合成(増殖、サイズおよび質量)を誘発する可能性のある植物抽出物は、エネルギー、持続エネルギー、持久力、筋肉量、筋力、および筋肉構築を向上させることができ、健康的な老化を促進することができる。
【0043】
タンパク質は、筋肉、骨および軟骨の主要な構成要素であり、筋肉の成長および修復に不可欠である。タンパク質は、アミノ酸を利用したmRNAの翻訳プロセスを通じて細胞内で合成される。したがって、筋肉タンパク質合成の刺激は、筋肉量を増やすための重要な要素である。セリン/スレオニンプロテインキナーゼであるmTOR(哺乳類のラパマイシン標的)は、タンパク質合成の中心的な調節因子である。活性化されたmTORは、mRNA翻訳およびリボソーム合成の主要な調節因子をリン酸化することによってタンパク質合成をアップレギュレートする。さらに、mTORの活性化は、MyoDやミオゲニンなどの筋肉特異的転写因子の産生を増加させる。したがって、mTORシグナル伝達を活性化する植物抽出物または栄養補助食品は、筋肉の発達、筋肉量、筋力および持久力を向上させる可能性がある。
【0044】
上記の情報に基づいて、本発明者らは、骨格筋細胞におけるタンパク質合成/mTORシグナル伝達およびミトコンドリア生合成を活性化できるハーブ抽出物、画分、またはそれらの組成物/製剤が、エネルギー、持続エネルギー、持久力レベル、筋肉組織量および筋力の増加に理想的に有望であるという仮説を立てた。したがって、本出願の発明者らは、m-TORおよびミトコンドリア生合成の活性について多数の植物抽出物をランダムにスクリーニングした。
【0045】
ミトコンドリア生合成アッセイを、ラット骨格筋(L6)細胞において細胞内ELISAキットを使用して実施した。プニカ・グラナトゥムの皮およびテオブロマ・カカオ種子に由来する抽出物は、用量依存的にミトコンドリア生合成を増加させた。プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)は、例えば10ng/mL用量の処理濃度で、5.17%のミトコンドリアの生合成(biognesis)増加を示した。同様に、テオブロマ・カカオ種子の水抽出物(T.C-1)および50%水性エタノール抽出物(T.C-2)は、10ng/mLの処理濃度で、それぞれ6.04%および9.54%のミトコンドリア生合成の増加を示した。
【0046】
プニカ・グラナトゥムの皮とテオブロマ・カカオ種子とに由来する抽出物を含有する選択された組成物C-1~C-7、C8、C9、C-11、C-13、C-16およびC-17を、対応する個々の抽出物と比較して評価した。そして、表14に要約されるように、組成物が相乗効果を示すことを見出した。
【0047】
個々の抽出物および組成物は、ラットL6筋芽細胞におけるmTORリン酸化アッセイを使用して評価した。ウエスタンブロットにおけるホスホ-mTORおよびmTORタンパク質バンドのバンド強度を計算した。ホスホ-mTOR/mTOR比によって得られた相対指数(任意の値)は、ビヒクル対照(未処理)と比較した、各処理条件に対するmTORのリン酸化またはmTORの活性化の程度を示した。データは、表15に要約されているように、プニカ・グラナトゥムの皮およびテオブロマ・カカオ種子に由来する抽出物およびそれらの組成物がmTORを活性化する可能性があることを示している。
【0048】
Sprague Dawley系ラットにおける選択された組成物のテストステロン増強活性:本発明のいくつかの選択された組成物、すなわち、プニカ・グラナトゥムの皮の70%エタノール抽出物(PG-4)およびテオブロマ・カカオ種子の水抽出物(T.C-1)に加えてUltrasperseA、微結晶セルロースおよび賦形剤としてのシロイドを含有する組成物-77(C-77)、ならびにプニカ・グラナトゥムの皮の70%エタノール抽出物(PG-4)およびテオブロマ・カカオ種子の50%水性エタノール抽出物(T.C-2)に加えてマルトデキストリンおよび賦形剤としてのシロイドを含有する組成物-78(C-78)を、雄ラットのテストステロンレベルを増加させるインビボでのそれらの有効性について評価した。簡潔には、健康な雄のSprague Dawley系ラットを順化させ、3つの群(G1~G3)にランダム化した。処置群の動物には、C-77(G2;100mg/kg)またはC-78(G3;100mg/kg;p.o.)を0.5%CMC水溶液中で1日1回、3週間補給した。対照群(G1)の動物には、ビヒクル(0.5%CMC水溶液)のみを補給した。
【0049】
22日目にすべての動物から血液サンプルを採取した。血清を分離し、市販の酵素免疫測定キットを使用してテストステロンレベルを分析した。22日目に、動物を安楽死させ、尾側精巣上体と輸精管(vast deferens)(両側)とを解剖し、精液サンプルを精液分析のためにダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水に絞り出した。精液分析には、総精子数、生存精子、運動性精子および正常な形態の精子細胞の割合が含まれていた。組成物-77(G2)および組成物-78(G3)を補給したラットは、22日目に血清テストステロンレベルの有意な(<0.05)増加を示し、それぞれ対照群(G1)より57%および155%改善した。さまざまな処置群の血清テストステロンレベルを表16に要約し、図Iに示した。同様に、対照群と比較した場合に精液パラメーターの改善をさらに示した処置群を表17に要約し、図IIに示した。これらの観察は、本発明の組成物C-77およびC-78が実験ラットにおいてアンドロゲン活性および精巣機能を増加させたことを明確に示唆している。
【0050】
したがって、前述のことがらは、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含む本発明の相乗的ハーブ組成物が、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を増加させること;ヒトのストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能不全、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、骨密度の低下、意欲の低下、および記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和することの可能性を有することを実証している。
【0051】
したがって、重要な実施形態では、本発明は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含む、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ヒトのストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、および記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための相乗的ハーブ組成物を提供する。
【0052】
他の重要な実施形態では、本発明は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含み、生物学的作用物質;薬学的に許容される活性成分、ビタミン、ミネラル;薬学的に、または栄養補助食品的に、または食物的に許容される賦形剤、担体または希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を任意選択で含有する、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ヒトのストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、および記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための相乗的ハーブ組成物を提供する。
【0053】
別の実施形態では、本発明は、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ヒトのストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、および記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための上記組成物であって、この組成物に使用される抽出物および画分の調製に使用される溶媒が、限定するものではないが、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコールなどのC1-C5アルコール;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、二塩化メチレンおよびクロロホルムなどの塩化溶媒、水及びそれらの混合物;ヘキサンなどのC1-C7炭化水素;酢酸エチルなどのエステルなど、ならびにそれらの混合物から選択することができる組成物を提供する。
【0054】
別の実施形態では、本発明は、生物学的作用物質;薬学的に許容される活性成分、ビタミン、ミネラル;薬学的に、または栄養補助食品的に、または食物的に許容される賦形剤、担体または希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を任意選択で含有する、上記相乗的組成物を提供する。
【0055】
別の実施形態では、本発明は、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ヒトのストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、および記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための上記組成物であって、抽出物の調製に使用される植物部分が、葉、茎、柔らかい茎(tender stem)、柔らかい小枝(tender twig)、地上部、果実全体、果皮、種子、頭花、根、樹皮、広葉樹もしくは植物全体またはそれらの混合物から選択することができる組成物を提供する。
【0056】
他の実施形態では、本発明は、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ヒトのストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、および記憶と集中力の低下など、ヒトのテストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得るための上記組成物であって、抽出物または画分が、該抽出物または画分中の少なくとも1つの植物化学物質参照マーカー化合物または生物学的活性マーカーに対して標準化されている組成物を提供する。
【0057】
さらなる実施形態では、本発明は、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、およびヒトの記憶と集中力の低下など、テストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得る方法であって、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含む相乗的ハーブ組成物の有効量をヒト対象に補給することを含む方法を提供する。
【0058】
さらなる実施形態では、本発明は、テストステロンレベル、エネルギーレベル、持続エネルギー、活力、スタミナ、健康的な老化、細胞の寿命、筋肉量、筋力、性的機能(性欲と勃起機能)および心理的幸福(気分と集中力)を改善すること;ストレスを軽減させること;ならびに性欲減退、勃起機能の喪失、腹部肥満、筋肉量と筋力の低下、倦怠感、気分のむら、骨密度の低下、意欲の低下、および哺乳動物または温血動物の記憶と集中力の低下など、テストステロンの低レベルに関連する症状を緩和すること、から選択される、体内の同化作用活性およびアンドロゲン活性の向上に関連する少なくとも1つの健康上の利益を得る方法であって、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含み、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容される希釈剤、及び薬学的に許容される担体から選択される少なくとも1つのさらなる成分を任意選択で含有する相乗的ハーブ組成物の治療有効量を哺乳動物または温血動物に補給すること、またはそれらを用いて哺乳動物または温血動物を治療することを含む方法を提供する。
【0059】
別の例示的実施形態では、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含む本発明の相乗的ハーブ組成物は、生物学的作用物質、および以下から選択される1または複数の薬学的に、または食物的に許容される賦形剤、担体および希釈剤と任意選択でさらに組み合わせることができる:グルコース、デキストロース、フルクトース、ガラクトースなどの単糖類;限定するものではないが、スクロース、マルトース、ラクトース、ラクツロース、トレハロース、セロビオース、キトビオースなどの二糖類;デンプンおよびデンプングリコール酸ナトリウム、可溶性デンプンなどの加工デンプン、ならびに限定するものではないが、UltrasperseAおよびUltra-tex4などの他の加工デンプンなどの多糖質(Polycarbohydrate);デンプンまたはグリコーゲンの加水分解によって生成されるデキストリン、例えば、黄色デキストリン、白色デキストリン、マルトデキストリン;限定するものではないが、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、キシリトール、イソマルトなどの多価アルコールまたは糖アルコール;限定するものではないが、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系誘導体;限定するものではないが、ニューシリン、ビーガム、タルク、コロイド状二酸化ケイ素などのケイ酸塩;限定するものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などの金属ステアリン酸塩;クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L-アスコルビン酸などの有機酸;脂肪酸エステルおよびポリソルベートのエステル、限定するものではないが、アカシア、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガムなどの天然ガム;ビタミンB群、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸、限定するものではないが、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天などのタンパク質;限定するものではないが、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などの有機金属塩;天然色素、香味料、クラスIおよびクラスIIの防腐剤、ならびに上記の成分の単独または組み合わせの水溶液、アルコール溶液、含水アルコール溶液、有機溶液。
【0060】
別の実施形態では、本発明の組成物は、乾燥粉末形態、液体形態、飲料、食品、栄養補助食品、または錠剤、カプセルもしくは軟質チュアブル若しくはグミベアなどの任意の適切な形態から選択される剤形に製剤化することができる。
【0061】
本発明の別の実施形態では、上記に開示された組成物は、健康食品または特定の健康用途のための食品、例えば、チョコレートまたは栄養バーなどの固形食品、クリームまたはジャムなどの半固形食品、または清涼飲料、インスタント飲料、スポーツ選手用および個人向けの運動と筋肉増強用機能性飲料、乳酸菌飲料などのゲルおよび飲料、ドロップ、キャンディー、チューイングガム、グミキャンディー、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ソフト小豆ゼリー、ゼリー、クッキー、紅茶、ソフトドリンク、ジュース、牛乳、コーヒー、シリアル、スナックバーなどの剤形に企図/製造することができる栄養的/食物的補助食品に製剤化することができる。
【0062】
さらに別の実施形態では、本発明は、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含み、第1成分の重量が組成物の10%~90%の範囲で変動し、第2成分の重量が90%~10%の範囲で変動する相乗的ハーブ組成物を提供する。
【0063】
さらに別の実施形態では、本発明は、組成物の0.1重量%~20重量%の濃度範囲のプニカラギン、および組成物の0.1重量%~10重量%の濃度範囲のテオブロミンに標準化される相乗的なハーブ組成物を提供する。
【0064】
さらなる態様では、プニカ・グラナトゥムの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第1成分と、テオブロマ・カカオの植物部分に由来する抽出物、画分、活性化合物および植物化学物質またはそれらの混合物から選択される第2成分との組み合わせを含む本発明の相乗的ハーブ組成物は、元素形態のマグネシウム、亜鉛およびホウ素、もしくはこれらの元素を含有する化合物などの微量栄養素、またはD-アスパラギン酸などのアミノ酸と任意選択で組み合わせることができる。
【0065】
別の実施形態では、本発明の組成物は、ナノテクノロジー、マイクロカプセル化、コロイド担体システム、および所望の治療効果を得るための他の薬物送達システムを含む技術による制御放出ポリマーベースのコーティングを使用して、制御放出錠剤の形態で送達することができる。
【0066】
当業者は、その広範な発明の概念から逸脱することなく、上述の実施形態に変更を加え得ることを理解すると思われる。したがって、本発明が、本明細書に開示される特定の実施形態または実施例に限定されず、本明細書で定義される本発明の目的および範囲内の変更の包含が意図されることは理解されよう。提示された実施例は本発明を例示するものであるが、それらは決して本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【実施例
【0067】
実施例1:プニカ・グラナトゥムのエタノールおよび水性エタノール抽出物の調製
プニカ・グラナトゥムの果皮(100g)を粉砕し、粉末をエタノール(700mL)でRTにおいて1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、エタノール(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、エタノール抽出物の残留物(P.G-1;17.5g)を得た。
【0068】
プニカ・グラナトゥムの果皮の90%水性エタノール抽出物(P.G-2;16.5g)、80%水性エタノール抽出物(P.G-3;27.0g)、70%水性エタノール抽出物(P.G-4;35.7g)および50%水性エタノール抽出物(P.G-5;38.0g)は、抽出溶媒としてそれぞれ90%水性エタノール、80%水性エタノール、70%水性エタノールおよび50%水性エタノールを使用して上記と同様の抽出手順を採用することにより得た。
【0069】
実施例2:プニカ・グラナトゥム水抽出物の調製
プニカ・グラナトゥムの果皮(100g)を粉砕し、粉末を水(700mL)で室温において1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、水(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、水抽出物の残留物を得た(P.G-6;38.5g)。
【0070】
実施例3:プニカ・グラナトゥムのメタノールおよび水性メタノール抽出物の調製
プニカ・グラナトゥムの果皮(100g)を粉砕し、粉末をメタノール(700mL)でRTにおいて1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、メタノール(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、メタノール抽出物の残留物(P.G-7;25.0g)を得た。
【0071】
プニカ・グラナトゥムの果皮の50%水性メタノール抽出物(P.G-8;34.4g)は、抽出溶媒として50%水性メタノールを使用した同様の手順を採用することによって得た。
【0072】
実施例4:プニカ・グラナトゥムのアセトンおよび水性アセトン抽出物の調製
プニカ・グラナトゥムの果皮(100g)を粉砕し、粉末をアセトン(700mL)で室温において1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、アセトン(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、アセトン抽出物の残留物を得た(P.G-9;4.2g)。
【0073】
プニカ・グラナトゥムの果皮の50%水性アセトン抽出物(P.G-10;47.6g)は、抽出溶媒として50%水性アセトンを使用した同様の手順を採用することによって得た。
【0074】
実施例5:プニカ・グラナトゥムの酢酸エチル抽出物の調製
プニカ・グラナトゥムの果皮(100g)を粉砕し、粉末を酢酸エチル(700mL)でRTにおいて1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、酢酸エチル(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、酢酸エチル抽出物の残留物を得た(P.G-11;1.1g)。
【0075】
実施例6:プニカ・グラナトゥム抽出物の標準化
プニカ・グラナトゥムのさまざまな抽出物を、分析用HPLC法によってプニカラギンに標準化し、結果を表1に要約した。
【0076】
【表1】
【0077】
実施例7:テオブロマ・カカオ種子の水抽出物の調製
テオブロマ・カカオ種子(100g)を粉砕し、粉末を水(700mL)でRTにおいて1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、水(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、水抽出物の残留物を粉末として得た(T.C-1;11.3g)。
【0078】
実施例8:テオブロマ・カカオ種子のエタノールおよび水性エタノール抽出物の調製
テオブロマ・カカオの種子(100g)を粉砕し、粉末を50%水性エタノール(700mL)でRTにおいて1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、50%水性エタノール(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、50%水性エタノール抽出物(T.C-2;9.9g)の残留物を得た。
【0079】
テオブロマ・カカオ種子のエタノール抽出物(T.C-3;4.4g)、90%水性エタノール抽出物(T.C-4;4.5g)、および70%水性エタノール抽出物(T.C-5;8.3g)は、抽出溶媒としてそれぞれ90%水性エタノール、および70%水性エタノールを使用して同様の抽出手順を採用することにより得た。
【0080】
実施例9:テオブロマ・カカオ種子のメタノールおよび水性メタノール抽出物の調製
テオブロマ・カカオ種子(100g)を粉砕し、粉末をメタノール(700mL)でRTにおいて1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、メタノール(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、メタノール抽出物の残留物(T.C-6;5.8g)を得た。
【0081】
テオブロマ・カカオ種子の50%水性メタノール抽出物(T.C-7;10.0g)は、抽出溶媒として50%メタノールを使用した同様の手順を採用することによって得た。
【0082】
実施例10:テオブロマ・カカオ種子のアセトンおよび水性アセトン抽出物の調製
テオブロマ・カカオ種子(100g)を粉砕し、粉末をアセトン(700mL)でRTにおいて1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、アセトン(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、アセトン抽出物の残留物(T.C-8;27.5g)を得た。
【0083】
テオブロマ・カカオ種子の50%水性アセトン抽出物(T.C-9;13.5g)は、抽出溶媒として50%アセトンを使用した同様の手順を採用することによって得た。
【0084】
実施例11:テオブロマ・カカオ種子の酢酸エチル抽出物の調製
テオブロマ・カカオ種子(100g)を粉砕し、粉末を酢酸エチル(700mL)でRTにおいて1時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済みの原料を同様の条件下で、酢酸エチル(2×500mL)で2回再抽出した。合わせた抽出物をろ過し、真空下で濃縮して、酢酸エチル抽出物(T.C-10;28.5g)を得た。
【0085】
実施例12:テオブロマ・カカオ種子の抽出物の標準化
テオブロマ・カカオ種子のさまざまな抽出物を、分析用HPLC法によってテオブロミンに標準化し、結果を表2に要約した。
【0086】
【表2】
【0087】
実施例13:プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物と、テオブロマ・カカオ種子の水抽出物とを含有する組成物の調製。
【0088】
組成物-1(C-1):組成物-1は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを4:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0089】
組成物-2(C-2):組成物-2は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを3:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0090】
組成物-3(C-3):組成物-3は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0091】
組成物-4(C-4):組成物-4は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0092】
組成物-5(C-5):組成物-5は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0093】
組成物-6(C-6):組成物-6は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:3の比率で組み合わせることによって調製した。
【0094】
組成物-7(C-7):組成物-7は、プニカ・グラナトゥムの70%エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:4の比率で組み合わせることによって調製した。
【0095】
実施例14:プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物と、テオブロマ・カカオ種子の50%水性エタノール抽出物とを含有する組成物の調製。
【0096】
組成物-8(C-8):組成物-8は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを4:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0097】
組成物-9(C-9):組成物-9は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを3:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0098】
組成物-10(C-10):組成物-10は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0099】
組成物-11(C-11):組成物-11は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0100】
組成物-12(C-12):組成物-12は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0101】
組成物-13(C-13):組成物-13は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:3の比率で組み合わせることによって調製した。
【0102】
組成物-14(C-14):組成物-14は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:4の比率で組み合わせることによって調製した。
【0103】
実施例15:プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物と、テオブロマ・カカオ種子の90%水性エタノールまたは70%水性エタノール抽出物とを含有する組成物の調製。
【0104】
組成物-15(C-15):組成物-15は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの90%水性エタノール抽出物(T.C-4)とを4:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0105】
組成物-16(C-16):組成物-16は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの90%水性エタノール抽出物(T.C-4)とを3:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0106】
組成物-17(C-17):組成物-17は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの90%水性エタノール抽出物(T.C-4)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0107】
組成物-18(C-18):組成物-18は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの90%水性エタノール抽出物(T.C-4)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0108】
組成物-19(C-19):組成物-19は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの90%水性エタノール抽出物(T.C-4)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0109】
組成物-20(C-20):組成物-20は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの90%水性エタノール抽出物(T.C-4)とを1:3の比率で組み合わせることによって調製した。
【0110】
組成物-21(C-21):組成物-21は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの90%水性エタノール抽出物(T.C-4)とを1:4の比率で組み合わせることによって調製した。
【0111】
組成物-22(C-22):組成物-22は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの70%水性エタノール抽出物(T.C-5)とを4:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0112】
組成物-23(C-23):組成物-23は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの70%水性エタノール抽出物(T.C-5)とを3:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0113】
組成物-24(C-24):組成物-24は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの70%水性エタノール抽出物(T.C-5)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0114】
組成物-25(C-25):組成物-25は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの70%水性エタノール抽出物(T.C-5)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0115】
組成物-26(C-26):組成物-26は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの70%水性エタノール抽出物(T.C-5)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0116】
組成物-27(C-27):組成物-27は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの70%水性エタノール抽出物(T.C-5)とを1:3の比率で組み合わせることによって調製した。
【0117】
組成物-28(C-28):組成物-28は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの70%水性エタノール抽出物(T.C-5)とを1:4の比率で組み合わせることによって調製した。
【0118】
実施例16:プニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物と、テオブロマ・カカオ種子のメタノールもしくは50%水性メタノールまたはアセトンもしくは50%水性アセトンまたは酢酸エチル抽出物とを含有する組成物の調製。
【0119】
組成物-29(C-29):組成物-29は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオのメタノール抽出物(T.C-6)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0120】
組成物-30(C-30):組成物-30は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオのメタノール抽出物(T.C-6)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0121】
組成物-31(C-31):組成物-31は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオのメタノール抽出物(T.C-6)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0122】
組成物-32(C-32):組成物-32は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%メタノール抽出物(T.C-7)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0123】
組成物-33(C-33):組成物-33は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%メタノール抽出物(T.C-7)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0124】
組成物-34(C-34):組成物-34は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%メタノール抽出物(T.C-7)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0125】
組成物-35(C-35):組成物-35は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオのアセトン抽出物(T.C-8)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0126】
組成物-36(C-36):組成物-36は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオのアセトン抽出物(T.C-8)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0127】
組成物37(C-37):組成物-37は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオのアセトン抽出物(T.C-8)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0128】
組成物-38(C-38):組成物-38は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性アセトン抽出物(T.C-9)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0129】
組成物-39(C-39):組成物-39は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性アセトン抽出物(T.C-9)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0130】
組成物-40(C-40):組成物-40は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの50%水性アセトン抽出物(T.C-9)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0131】
組成物-41(C-41):組成物-41は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの酢酸エチル抽出物(T.C-10)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0132】
組成物-42(C-42):組成物-42は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの酢酸エチル抽出物(T.C-10)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0133】
組成物-43(C-43):組成物-43は、プニカ・グラナトゥムの70%水性エタノール抽出物(P.G-4)と、テオブロマ・カカオの酢酸エチル抽出物(T.C-10)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0134】
実施例17:プニカ・グラナトゥムの皮のエタノールまたは50%水性エタノールまたは水抽出物と、テオブロマ・カカオ種子のエタノールまたは水または50%水性エタノール抽出物とを含有する組成物の調製。
【0135】
組成物-44(C-44):組成物-44は、プニカ・グラナトゥムのエタノール抽出物(P.G-1)と、テオブロマ・カカオのエタノール抽出物(T.C-3)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0136】
組成物-45(C-45):組成物-45は、プニカ・グラナトゥムのエタノール抽出物(P.G-1)と、テオブロマ・カカオのエタノール抽出物(T.C-3)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0137】
組成物-46(C-46):組成物-46は、プニカ・グラナトゥムのエタノール抽出物(P.G-1)と、テオブロマ・カカオのエタノール抽出物(T.C-3)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0138】
組成物-47(C-47):組成物-47は、プニカ・グラナトゥムのエタノール抽出物(P.G-1)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0139】
組成物-48(C-48):組成物-48は、プニカ・グラナトゥムのエタノール抽出物(P.G-1)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0140】
組成物-49(C-49):組成物-49は、プニカ・グラナトゥムのエタノール抽出物(P.G-1)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0141】
組成物-50(C-50):組成物-50は、プニカ・グラナトゥムの50%水性エタノール抽出物(P.G-5)と、テオブロマ・カカオのエタノール抽出物(T.C-3)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0142】
組成物-51(C-51):組成物-51は、プニカ・グラナトゥムの50%水性エタノール抽出物(P.G-5)と、テオブロマ・カカオのエタノール抽出物(T.C-3)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0143】
組成物-52(C-52):組成物-52は、プニカ・グラナトゥムの50%水性エタノール抽出物(P.G-5)と、テオブロマ・カカオのエタノール抽出物(T.C-3)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0144】
組成物-53(C-53):組成物-53は、プニカ・グラナトゥムの50%水性エタノール抽出物(P.G-5)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0145】
組成物-54(C-54):組成物-54は、プニカ・グラナトゥムの50%水性エタノール抽出物(P.G-5)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0146】
組成物-55(C-55):組成物-55は、プニカ・グラナトゥムの50%水性エタノール抽出物(P.G-5)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0147】
組成物-56(C-56):組成物-56は、プニカ・グラナトゥムの水抽出物(P.G-6)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0148】
組成物-57(C-57):組成物-57は、プニカ・グラナトゥムの水抽出物(P.G-6)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0149】
組成物-58(C-58):組成物-58は、プニカ・グラナトゥムの水抽出物(P.G-6)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0150】
組成物-59(C-59):組成物-59は、プニカ・グラナトゥムの水抽出物(P.G-6)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0151】
組成物-60(C-60):組成物-60は、プニカ・グラナトゥムの水抽出物(P.G-6)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0152】
組成物-61(C-61):組成物-61は、プニカ・グラナトゥムの水抽出物(P.G-6)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0153】
実施例18:プニカ・グラナトゥムの皮のメタノールもしくは50%水性メタノールまたはアセトンもしくは50%水性アセトンまたは酢酸エチル抽出物と、テオブロマ・カカオ種子の50%水性エタノールまたは水抽出物とを含有する組成物の調製。
【0154】
組成物-62(C-62):組成物-62は、プニカ・グラナトゥムのメタノール抽出物(P.G-7)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0155】
組成物-63(C-63):組成物-63は、プニカ・グラナトゥムのメタノール抽出物(P.G-7)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0156】
組成物-64(C-64):組成物-64は、プニカ・グラナトゥムのメタノール抽出物(P.G-7)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0157】
組成物-65(C-65):組成物-65は、プニカ・グラナトゥムの50%水性メタノール抽出物(P.G-8)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0158】
組成物-66(C-66):組成物-66は、プニカ・グラナトゥムの50%水性メタノール抽出物(P.G-8)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0159】
組成物-67(C-67):組成物-67は、プニカ・グラナトゥムの50%水性メタノール抽出物(P.G-8)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0160】
組成物-68(C-68):組成物-68は、プニカ・グラナトゥムのアセトン抽出物(P.G-9)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0161】
組成物-69(C-69):組成物-69は、プニカ・グラナトゥムのアセトン抽出物(P.G-9)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0162】
組成物-70(C-70):組成物-70は、プニカ・グラナトゥムのアセトン抽出物(P.G-9)と、テオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0163】
組成物-71(C-71):組成物-71は、プニカ・グラナトゥムの50%水性アセトン抽出物(P.G-10)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0164】
組成物-72(C-72):組成物-72は、プニカ・グラナトゥムの50%水性アセトン抽出物(P.G-10)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0165】
組成物-73(C-73):組成物-73は、プニカ・グラナトゥムの50%水性アセトン抽出物(P.G-10)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0166】
組成物-74(C-74):組成物-74は、プニカ・グラナトゥムの酢酸エチル抽出物(P.G-11)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを2:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0167】
組成物-75(C-75):組成物-75は、プニカ・グラナトゥムの酢酸エチル抽出物(P.G-11)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:1の比率で組み合わせることによって調製した。
【0168】
組成物-76(C-76):組成物-76は、プニカ・グラナトゥムの酢酸エチル抽出物(P.G-11)と、テオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)とを1:2の比率で組み合わせることによって調製した。
【0169】
実施例19:組成物の製剤化。
【0170】
組成物-77(C-77):組成物-77は、60gのプニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)、15gのテオブロマ・カカオの水抽出物(T.C-1)、10gのUltrasperse A、13gの微結晶性セルロース、および2gのシロイドを、エタノール/水の存在下で組み合わせることによって調製し、次いで乾燥させることによって該組成物を得た。
【0171】
組成物-78(C-78):組成物-78は、60gのプニカ・グラナトゥムの皮の70%水性エタノール抽出物(P.G-4)、15gのテオブロマ・カカオの50%水性エタノール抽出物(T.C-2)、23gのマルトデキストリン、および2gのシロイドを、エタノール/水の存在下で組み合わせることによって調製し、次いで乾燥させることによって該組成物を得た。
【0172】
実施例20:テストステロンアッセイの一般的手順
ハーブ抽出物およびその組成物を、MA-10マウスライディッヒ細胞株(ATCC、Manassas、VA、USA)でテストステロン産生を誘導する能力について評価した。細胞を、0.1%ゼラチンコーティングフラスコ中で、15%のウマ血清と20mMのHEPESとを添加したDMEM:F12培地(ATCC、Manassas、VA、USA)の存在下で、COインキュベーター内において37℃で培養した。同数の細胞を、ゼラチンコーティング96ウェル細胞培養プレートの各ウェルにプレーティングし、一晩付着させた。洗浄した細胞に無血清DMEM:F12培地を補充し、異なる濃度の試験サンプルで処理し、さらに48時間インキュベートした。0.2%DMSOを入れた培養ウェルをビヒクル対照と見なし、黄体形成ホルモンを陽性対照として使用した。培養上清を収集し、10000gで5分間、4℃において清澄化し、特定の市販のELISAキットを使用してテストステロンの推計に使用した。
【0173】
ELISAを、テストステロンEIAキット(Cayman chemicals、Ann Arbor、MI、USA)を使用して、製造元のプロトコルに従って実施した。このアッセイは、限られた量のテストステロン抗体をめぐるテストステロンとテストステロン-アセチルコリンエステラーゼ(AchE)コンジュゲート(テストステロントレーサー)との競合に基づいている。AchEの基質を含むエルマン試薬は、酵素活性を検出するために使用される。酵素反応の生成物は黄色で、412nmにおいて強く吸収する。色の強度は、ウェルに結合したテストステロントレーサーの量に比例し、試験サンプルで利用可能なテストステロンに反比例する。無細胞培養上清の50マイクロリットルのサンプルを使用して、テストステロン含有量を推計した。標準曲線を、一連の既知の濃度のテストステロン標準を用いて、プロトコルに従ってプロットした。アッセイキットの報告された感度は6pg/mlであった。結果を表3~8に要約した。
【0174】
【表3】
【0175】
【表4】
【0176】
【表5】
【0177】
【表6】
【0178】
【表7】
【0179】
【表8】
【0180】
実施例21:アロマターゼ阻害アッセイの一般的手順
アロマターゼ阻害は、Samsonらにより記載の培養(Samson M.et al.,J.Steroid Biochem.Mol.Biol.2009,116,154-159)に改変を加えて、無傷の細胞を使用して決定した。簡潔には、胎盤性絨毛癌(JEG-3)細胞(ATCC;カタログ番号HTB-36)を培養フラスコから回収し、40000細胞/ウェルを96ウェルプレート中の、200μLのEMEM(Hi-Media;カタログ番号AL047S)+5%チャコール処理済みFBS(Thermo Fisher;カタログ番号12676011)培地に播種し、COインキュベーター内において48時間インキュベートした。インキュベーション後、古い培地に150μLの新鮮なEMEM+5%チャコール処理済みFBS培地を補充した。細胞をさまざまな濃度の試験サンプルで処理し、COインキュベーター内において1時間インキュベートした(前処理)。インキュベーション後、ビヒクル対照(細胞+0.2%DMSO)を除くすべての細胞を、50nMのアロマターゼの基質である4-アンドロステン-3,17-ジオン(誘導;Sigmaカタログ番号46033-250MG)で処理し、COインキュベーター内において48時間インキュベートした。48時間後、培養プレートを270×gで10分間遠心分離し、無細胞上清を収集して、分析まで-80℃の冷凍庫で保存した。酵素免疫測定法(EIA)を、製造元のプロトコルに従って、Arbor assaysのEIAキット(カタログ番号K031-H5)を使用してエストロンに対して実施した。アロマターゼの阻害率は、次式で計算した:
【0181】
アロマターゼ阻害%=[(誘導におけるエストロンの正規化濃度)-(試験サンプル中のエストロンの正規化濃度)]/(誘導におけるエストロンの正規化濃度)×100。結果を表9~13に示す。
【0182】
【表9】
【0183】
【表10】
【0184】
【表11】
【0185】
【表12】
【0186】
【表13】
【0187】
実施例22:ミトコンドリア生合成アッセイ
ミトコンドリア生合成アッセイは、Abcamから入手した細胞内ELISAキット(Cambridge、UK;カタログ番号ab110217)を使用して、製造元のプロトコルに従って実施した。2つのミトコンドリアタンパク質のレベルを各ウェルで同時に測定した。2つのタンパク質はそれぞれ異なる酸化的リン酸化酵素複合体のサブユニットであり、1つのタンパク質はミトコンドリアDNA(mtDNA)によりコードされる複合体IV(COX-I)のサブユニットIであり、他方は、核DNA(nDNA)によりコードされる複合体IIの70kDaサブユニット(SDH-A)である。アッセイのために、10%FBSを添加したDMEM培地(Sigmaカタログ番号D7777)中のラット骨格(L6)細胞(ATCC、Manassas、VA;カタログ番号CRL-1458)を96ウェルポリL-リジンコーティングプレートに播種し(10000細胞/ウェル)、COインキュベーター内において37℃で一晩インキュベートした。翌日、培地を除去し、細胞を異なる濃度のそれぞれの試験サンプルで処理した。処理を3日目まで毎日繰り返した。0.2%DMSOを入れた培養ウェルをビヒクル対照と見なした。処理期間後、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、一次抗体(COX-1およびSDH-A)でプローブした。SDH-AおよびCOX-1には、それぞれアルカリホスファターゼ(AP)および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識された二次抗体を使用した。最後に、AP/HRP発色液を添加し、マルチモード分光光度計(Spectramax2e)で405nmおよび600nmにおける吸光度を測定した。(COX-I)対(SDH-A)のシグナル比を、処理の効果を分析するためにすべての処理について計算した。対照に対するミトコンドリア生合成の増加率は、次式を使用して計算した。
【0188】
【数1】
【0189】
結果を表14に示す。
【0190】
【表14】
【0191】
実施例23:mTORリン酸化アッセイの一般的手順
ウエスタンブロットアッセイにおけるmTORリン酸化の評価:ラットL6筋芽細胞(6×10細胞/ウェル、2mL)を60mmの細胞培養皿に播種し、10%FBSを含有するDMEM培地中で37℃、5%COの加湿雰囲気において維持した。翌日、細胞を無血清DMEM培地に移し、さらに18時間維持した。細胞を無血清DMEM培地中の異なる濃度の試験サンプル(総量1mL)で処理し、37℃でCOインキュベーター内において120分間インキュベートした。0.2%DMSO処理細胞はビヒクル対照として機能した。
【0192】
ウエスタンブロット法:インキュベーション後、細胞培養皿を氷皿上に置き、1×PBSで2回洗浄した。70マイクロリットルの溶解バッファー(10mM Tris-HCl pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、1mM PMSF、10μg/mLアプロチニン、10μg/mLロイペプチン、1%TritonX-100、1mM NaF、1mM NaVO、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、1μMペプスタチン)を各培養皿に加え、30秒間超音波処理した。ホモジナイズした後、サンプルを16128×gで4℃において10分間遠心分離し、壊れていない細胞および核を沈殿させた。上清を収集し、Pierce BCAタンパク質アッセイキット(Thermo Scientificカタログ番号23225)を使用してタンパク質を定量した。タンパク質サンプルに対してSDS-PAGEを実施し、ウェットブロッティング法を使用して、分離したタンパク質をニトロセルロース膜に転写した。簡潔には、22μgのタンパク質をアクリルアミドゲル(7.5%分離)にロードし、100Vで約1時間40分間泳動させた。泳動後に、転写システムを4℃のチャンバー(100Vで2時間)に配置することにより、タンパク質をニトロセルロース膜に転写した。転写後、膜を0.05%Tween20を含有する0.1M Tris緩衝生理食塩水(TBST)で洗浄し、Superblockブロッキングバッファー(Thermo Scientificカタログ番号37535)で、絶えず撹拌しながら30分間ブロックした。膜を、ホスホ-mTORを認識する一次抗体(リン酸化部位:Ser2448;Cell Signaling Technologyカタログ番号2971)、およびmTORタンパク質を認識する一次抗体(Cell Signaling Technologyカタログ番号2983)と共にTBST中で4℃において16時間、撹拌しながらインキュベートした。膜を3回洗浄し、ペルオキシダーゼアフィニピュアヤギ抗ウサギ二次抗体(Jackson Immunoresearch Cat#111-035-045;1:10000希釈)と共に室温で1時間撹拌しながらインキュベートした後、TBSTで各5分間、3回洗浄した。免疫反応性バンドを、化学発光基質(Thermo Scientific カタログ番号34080)を使用して検出し、画像をBio-Rad Molecular Imager(モデル:ChemiDOC XRS+)を使用して得た。ホスホ-mTOR(phosphor-mTOR)およびmTOR抗体の膜を剥がし、室温で1時間インキュベートすることにより、抗β-アクチン抗体(Sigma カタログ番号A4700-100uL;1:10000希釈)で再プローブし、画像を得た。ホスホ-mTORおよびmTORタンパク質バンドの強度を、Carestream MIソフトウェアを使用して計算し、β-アクチンを使用して正規化した。mTORの活性化を、ホスホ-mTOR(pmTOR)およびmTORのバンド強度の比率によって計算した。個々の成分または組成物による相対的なmTOR活性化を、ビヒクル対照で得られたpmTOR/mTOR比に対して計算した。mTOR活性化(pmTOR/mTOR)の増加を表15に示す。
【0193】
【表15】
【0194】
実施例24:Sprague Dawley系ラットにおけるテストステロン増強に関する組成物-77(C-77)および組成物-78(C-78)のインビボ評価。
【0195】
方法:雄のSprague Dawley系ラットを順化させ、21匹の動物を3つの群(G1~G3)にランダム化した。処置群の動物には、C-77(G2;100mg/kg)またはC-78(G3;100mg/kg;p.o.)を、すべて10mlのビヒクル(0.5%CMCナトリウム水溶液)中で1日1回、3週間補給した。対照群(G1)の動物には、10mLのビヒクルのみを補給した。すべての動物から血液サンプルを採取した。血清を分離し、22日目にELISAによってテストステロンレベルを分析した。
【0196】
犠牲にした日、すなわち22日目に、動物を安楽死させ、輸精管と一緒に尾側精巣上体(両側)を解剖し、精液分析のために精液をダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水に絞り出した。
【0197】
結果は平均±S.E.M.として表す。データを、ANOVAとそれに続くダネットの事後検定を使用して統計分析にかけ、GraphPad Prism v5.01(GraphPad Software、Inc.、CA、USA)を使用して、すべての群と正常対照(G1)との比較を行った。P<0.05を統計的に有意であると見なす。処置期間中、すべての群で異常な臨床徴候や体重差は観察されなかった。これは、試験品目C-77およびC-78の安全性を示している。処置群は、対照群よりも22日目の血清サンプル中のテストステロンレベルの増加を示した。異なる処置群によって示されたテストステロンレベルを表16に要約し、図Iに示す。同様に、すべての処置群は、表17に要約し、図IIに示すように、対照群と比較して精液パラメーターの改善を示した。
【0198】
【表16】
【0199】
【表17】
図1
図2