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特許7503531仲介装置、プログラム、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】仲介装置、プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240613BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240613BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240613BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q30/0601 312
G06Q50/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021159853
(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公開番号】P2023049857
(43)【公開日】2023-04-10
【審査請求日】2022-01-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】堀口 智也
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】田中 寛人
【審判官】相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】“新規事業者にも既存の店舗にも- コロナ禍の危機を救い得るゴーストレストランの可能性”,センチュリー,株式会社USPマネジメント,2021年03月01日,第24巻,第11号,pp.10~13
【文献】“Good market & shopsがつくる 新しいフランチャイズの在り方 「RE:STORE」が導くフランチャイズ2.0時代”,飲食店経営,株式会社アール・アイ・シー,2021年08月15日,第48巻,第9号,pp.30~33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物のメニューの調理方法を提供するメニュー提供者が使用する提供者装置から、前記メニューの調理方法を含むメニュー情報を取得するメニュー取得部と、
前記メニュー情報に基づいて、前記メニューを消費者に提供する飲食サービスのブランドを設定する設定部と、
飲食事業者が使用する飲食事業者装置から、前記飲食事業者の現実の飲食店に関する現実飲食店情報であって前記現実の飲食店が備える調理環境の情報を含む現実飲食店情報を取得する飲食店取得部と、
前記現実飲食店情報および前記メニュー情報に基づいて、前記現実の飲食店に対して前記メニューの調理方法を実行可能な調理環境があるか判定し、前記実行可能な調理環境があると判定された場合、前記ブランドと前記現実の飲食店とを対応付ける対応付け部と、
前記飲食事業者装置に、前記現実の飲食店に対応付けた前記ブランドと、前記ブランドが提供する前記メニューの前記メニュー情報と、を出力させる事業者出力部と、を備える、
仲介装置。
【請求項2】
前記仲介装置は、
前記消費者が使用する消費者装置に、前記ブランドと、前記ブランドが提供可能な前記メニューのメニュー情報と、を出力させるメニュー出力部と、
前記消費者装置から、前記ブランドに対する注文情報であって、配達場所および注文された前記メニューを含む注文情報を受け付ける注文受付部と、
前記ブランドに対応付けられた前記現実の飲食店の飲食店装置に、前記注文情報を出力させる店舗出力部と、を備える、
請求項1に記載の仲介装置。
【請求項3】
前記現実飲食店情報は、前記現実の飲食店が前記ブランドに対する注文を受け付け可能な日時を示す受注可能日時を含み、
前記対応付け部は、前記ブランドに複数の現実の飲食店を対応付け、
前記仲介装置は、前記受注可能日時および前記注文情報に基づいて、前記ブランドに対する注文情報を、前記複数の現実の飲食店の中から1つの現実の飲食店に割り当てる割り当て部を備え、
前記店舗出力部は、前記割り当てられた現実の飲食店の前記飲食店装置に、前記注文情報を出力させる、
請求項2に記載の仲介装置。
【請求項4】
前記仲介装置は、前記提供者装置から、前記ブランドが提供するメニューの種類および前記ブランドのコンセプトの少なくともいずれかを示すブランド情報を取得するブランド取得部を備え、
前記設定部は、前記ブランド情報にさらに基づいて、前記ブランドを設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の仲介装置。
【請求項5】
前記現実飲食店情報は、前記現実の飲食店の位置を示す飲食店位置情報を含み、
前記ブランド取得部は、前記提供者装置から、前記ブランドの出店対象の地域を示す出店地域情報を取得し、
前記対応付け部は、前記飲食店位置情報および前記出店地域情報にさらに基づいて、前記ブランドと前記現実の飲食店とを対応付ける、
請求項4に記載の仲介装置。
【請求項6】
前記仲介装置は、
前記メニュー情報に基づいて、前記ブランドの候補を生成する候補生成部と、
前記提供者装置に、前記ブランドの候補を出力させる候補出力部と、
前記提供者装置から、前記ブランドの候補の中から採用するものの選択を受け付ける第1選択受付部と、を備え、
前記設定部は、前記選択された候補にさらに基づいて、前記ブランドを設定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の仲介装置。
【請求項7】
前記仲介装置は、
外部装置から、地域ごとの飲食店の売上実績に関する売上実績情報を取得する情報取得部と、
前記ブランドの候補における出店対象の候補地域を示す出店候補地域情報を記憶するブランド記憶部を参照して、前記出店候補地域情報に基づいて、前記ブランドの候補に関連付ける前記売上実績情報を特定する実績特定部と、
前記特定された売上実績情報に基づいて、前記ブランドの候補の売上を予測する売上予測部と、を備え、
前記候補出力部は、前記予測の結果に基づいて、前記提供者装置に、前記ブランドの候補と併せて、前記ブランドの候補の売上予測を出力させる、
請求項6に記載の仲介装置。
【請求項8】
前記仲介装置は、前記現実の飲食店について、前記現実飲食店情報および前記メニュー情報に基づいて、前記現実の飲食店との対応付け候補とする前記ブランドを特定するブランド特定部を備え、
前記事業者出力部は、前記飲食事業者装置に、前記特定された前記ブランドの対応付け候補を出力させ、
前記仲介装置は、前記飲食事業者装置から、前記出力された前記ブランドの対応付け候補の中から採用するものの選択を受け付ける第2選択受付部を備え、
前記対応付け部は、前記選択の結果に基づいて、前記ブランドと前記現実の飲食店とを対応付ける、
請求項1から7のいずれか一項に記載の仲介装置。
【請求項9】
前記現実飲食店情報は、前記現実の飲食店の諸経費を示す諸経費情報を含み、
前記仲介装置は、前記ブランドの売上予測を示す売上予測情報を記憶する予測記憶部を参照して、前記売上予測情報および前記諸経費情報に基づいて、前記ブランドの対応付け候補の利益を予測する利益予測部を備え、
前記事業者出力部は、前記予測の結果に基づいて、前記飲食事業者装置に、前記特定された前記ブランドの対応付け候補と併せて、前記ブランドの対応付け候補の利益予測を出力させる、
請求項8に記載の仲介装置。
【請求項10】
前記ブランドは複数存在し、
前記仲介装置は、
前記メニュー情報および前記売上予測情報に基づいて、複数のブランドそれぞれの前記メニューを調理するための材料の需要を予測する需要予測部と、
前記予測の結果に基づいて、前記ブランドそれぞれにおける、前記材料を発注するための1以上の発注データを生成するデータ生成部と、
発注先ごとに、前記生成された発注データを統合し、前記材料を発注するための発注処理を行う発注処理部と、を備える、
請求項9に記載の仲介装置。
【請求項11】
コンピュータに、
飲食物のメニューの調理方法を提供するメニュー提供者が使用する提供者装置から、前記メニューの調理方法を含むメニュー情報を取得するメニュー取得機能と、
前記メニュー情報に基づいて、前記メニューを消費者に提供する飲食サービスのブランドを設定する設定機能と、
飲食事業者が使用する飲食事業者装置から、前記飲食事業者の現実の飲食店に関する現実飲食店情報であって前記現実の飲食店が備える調理環境の情報を含む現実飲食店情報を
取得する飲食店取得機能と、
前記現実飲食店情報および前記メニュー情報に基づいて、前記現実の飲食店に対して前記メニューの調理方法を実行可能な調理環境があるか判定し、前記実行可能な調理環境があると判定された場合、前記ブランドと前記現実の飲食店とを対応付ける対応付け機能と、
前記飲食事業者装置に、前記現実の飲食店に対応付けた前記ブランドと、前記ブランドが提供する前記メニューの前記メニュー情報と、を出力させる事業者出力機能と、を実現させる、
プログラム。
【請求項12】
コンピュータが、
飲食物のメニューの調理方法を提供するメニュー提供者が使用する提供者装置から、前記メニューの調理方法を含むメニュー情報を取得し、
前記メニュー情報に基づいて、前記メニューを消費者に提供する飲食サービスのブランドを設定し、
飲食事業者が使用する飲食事業者装置から、前記飲食事業者の現実の飲食店に関する現実飲食店情報であって前記現実の飲食店が備える調理環境の情報を含む現実飲食店情報を取得し、
前記現実飲食店情報および前記メニュー情報に基づいて、前記現実の飲食店に対して前記メニューの調理方法を実行可能な調理環境があるか判定し、
前記実行可能な調理環境があると判定された場合、前記ブランドと前記現実の飲食とを対応付け
前記飲食事業者装置に、前記現実の飲食店に対応付けた前記ブランドと、前記ブランドが提供する前記メニューの前記メニュー情報と、を出力させる、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仲介装置、プログラム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットなどで食事の注文を受け付けて配達する、いわゆるフードデリバリーサービスを実現する技術が存在する。例えば、下記特許文献1には、複数のブランドそれぞれの複数の調理施設(中央キッチン施設。いわゆる、クラウドキッチン)を備える仮想レストランシステムが開示されている。この仮想レストランシステムでは、専用のアプリケーションを介して配達場所とメニューから選択された食事を含む注文を受け取り、注文ごとに配達場所に基づいて調理施設が選択される。次に、選択された調理施設で注文された食事が生産されるよう指示する。そして、完成された食事は、注文積み込みゾーンに移動され、配達車両に積み込まれて配達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2020-529074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、フードデリバリーサービスの需要はますます増加している。ここで、フードデリバリーサービスの需要が増加することに伴い、現実の飲食店における店内飲食サービスの需要が減少することが考えられる。このため、飲食事業者は、店内飲食サービスの需要が減少する分、それ以外のサービスに現実の飲食店を活用させたいという要望がある。しかしながら、上記従来技術では、ブランドごとに調理施設を専用に備えてそこで調理させるため現実の飲食店の活用はなされていない。また、現実の飲食店が単にデリバリーサービスに対応するだけでは新たな収益源の獲得までは難しい。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、現実の飲食店での店内飲食サービス以外のサービスにおいて、現実の飲食店の活用を促進することができる仲介装置、プログラム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る仲介装置は、飲食物のメニューの調理方法を提供するメニュー提供者が使用する提供者装置から、メニューの調理方法を含むメニュー情報を取得するメニュー取得部と、メニュー情報に基づいて、メニューを消費者に提供する飲食サービスのブランドを設定する設定部と、飲食事業者が使用する飲食事業者装置から、飲食事業者の現実の飲食店に関する現実飲食店情報であって現実の飲食店が備える調理環境の情報を含む現実飲食店情報を取得する飲食店取得部と、現実飲食店情報およびメニュー情報に基づいて、ブランドと現実の飲食店とを対応付ける対応付け部と、飲食事業者装置に、現実の飲食店に対応付けたブランドと、ブランドが提供するメニューのメニュー情報と、を出力させる事業者出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、飲食物のメニューの調理方法を提供するメニュー提供者が使用する提供者装置から、メニューの調理方法を含むメニュー情報を取得するメニュー取得機能と、メニュー情報に基づいて、メニューを消費者に提供する飲食サービスのブランドを設定する設定機能と、飲食事業者が使用する飲食事業者装置から、飲食事業者の現実の飲食店に関する現実飲食店情報であって現実の飲食店が備える調理環境の情報を含む現実飲食店情報を取得する飲食店取得機能と、現実飲食店情報およびメニュー情報に基づいて、ブランドと現実の飲食店とを対応付ける対応付け機能と、飲食事業者装置に、現実の飲食店に対応付けたブランドと、ブランドが提供するメニューのメニュー情報と、を出力させる事業者出力機能と、を実現させる。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、飲食物のメニューの調理方法を提供するメニュー提供者が使用する提供者装置から、メニューの調理方法を含むメニュー情報を取得し、メニュー情報に基づいて、メニューを消費者に提供する飲食サービスのブランドを設定し、飲食事業者が使用する飲食事業者装置から、飲食事業者の現実の飲食店に関する現実飲食店情報であって現実の飲食店が備える調理環境の情報を含む現実飲食店情報を取得し、現実飲食店情報およびメニュー情報に基づいて、ブランドと現実の飲食店とを対応付け、飲食事業者装置に、現実の飲食店に対応付けたブランドと、ブランドが提供するメニューのメニュー情報と、を出力させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現実の飲食店での店内飲食サービス以外のサービスにおいて、現実の飲食店の活用を促進することができる仲介装置、プログラム、および情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るバーチャルキッチンシステムのシステム構成例を説明するための図である。
図2】本実施形態に係るバーチャルキッチンシステムの概要を説明するための図である。
図3】本実施形態に係るバーチャルキッチンシステムの概要を説明するための図である。
図4】本実施形態に係るバーチャルキッチンシステムの概要を説明するための図である。
図5】本実施形態に係るバーチャルキッチンシステムの概要を説明するための図である。
図6】本実施形態に係るバーチャルキッチンシステムの概要を説明するための図である。
図7】本実施形態に係るバーチャルキッチンシステムの概要を説明するための図である。
図8】本実施形態に係る仲介装置の機能構成の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る仲介装置の動作例を示す図である。
図10】本実施形態に係る仲介装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
<1.システム構成>
図1を参照して、本実施形態に係るバーチャルキッチンシステム1のシステム構成の例を説明する。
【0014】
バーチャルキッチンシステム1は、現実の飲食店の活用を促進するために、飲食物のメニューの調理方法を含むメニュー情報を提供する提供者(以下、「メニュー提供者」ともいう)と、現実の飲食店を所有する飲食事業者とをつなげるためのシステムである。バーチャルキッチンシステム1では、メニュー提供者からブランド情報やメニュー情報を提供してもらい、専用の店舗、設備および料理人を持たない飲食サービスのブランド(以下、「飲食サービスブランド」または単に「ブランド」ともいう)を新規に立ち上げることができる。そして、立ち上げた飲食サービスブランドと現実の飲食店とをマッチングして(対応付けして)、マッチングされた現実の飲食店は、この飲食サービスブランドの名で、提供されたメニュー情報により消費者にメニュー(飲食物)を提供する。
【0015】
「現実の飲食店」とは、現実に存在する飲食店をいう。現実の飲食店は、既存の店舗であってもよいし、将来出店する予定の店舗であってもよい。
【0016】
「メニュー情報」とは、1以上の飲食物のメニューを示す情報である。メニュー情報は、例えば、メニューごとに、メニュー名、メニューの調理方法、メニューの単価、および/またはメニューの原価率などを含む。メニューの調理方法は、例えば、メニューを調理するための材料と材料ごとの分量、使用する調理器具、調理工程、および/または盛り付け方法などを含む。
【0017】
「ブランド情報」とは、飲食サービスブランドに関する情報である。ブランド情報は、例えば、飲食サービスブランドごとに、各ブランドを識別するための識別情報(ブランドID)、ブランド名、提供するメニューの種類(例えば、和食、中華、洋食またはイタリアンなど)、ブランドの独自性またはポジションを表すコンセプト(例えば、「辛いものが好きな人向けの本格中華」や「小さい子も喜ぶオムライス専門店」など)、顧客ターゲット(例えば、学生向けまたは家族向けなど)、および/または価格帯(例えば、昼:下限〇〇円~上限〇〇円、夜:下限〇〇円~上限〇〇円など)などを含む。ブランド情報は、例えば、飲食サービスブランドごとに、主要なメニューのメニュー情報を含んでもよい。
【0018】
ブランド情報は、例えば、出店地域情報を含んでもよい。出店地域情報は、飲食サービスブランドごとに、出店対象の地域を示す情報である。この出店対象の地域とは、例えば、飲食サービスブランドが配達サービスを行う場合には、配達対象の地域であってもよい。なお、出店地域情報は、ブランド情報に含まれず、個別の情報として提供者装置200から取得されてもよい。
【0019】
図1に示すように、バーチャルキッチンシステム1は、仲介事業者が使用する仲介装置100と、メニュー提供者が使用する提供者装置200と、飲食事業者が使用する飲食事業者装置300と、消費者が使用する消費者装置400と、を含む。
【0020】
仲介装置100と、提供者装置200と、飲食事業者装置300と、消費者装置400とは、ネットワークNを介して互いに接続されている。また、仲介装置100は、外部システム500と、ネットワークNを介して互いに接続されている。また、飲食事業者装置300は、飲食事業者が所有する現実の飲食店が使用する飲食店装置410とネットワークを介して接続されている。なお、飲食事業者が現実の飲食店の責任者(店長や料理長)を兼ねている場合など、飲食事業者装置300と飲食店装置310とは、同じ情報処理装置であってもよい。なお、以下、提供者装置200と、飲食事業者装置300と、消費者装置400とを総称して、「関係者装置」ともいう。この関係者とは、例えば、メニュー提供者、飲食事業者、デリバリー事業者、および/または発注先などである。
【0021】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394などに準拠したネットワークがある。
【0022】
[仲介装置]
仲介装置100は、提供者装置200と飲食事業者装置300と消費者装置400との通信が可能な情報処理装置である。仲介装置100は、例えば、バーチャルキッチンシステム1を運営する者(以下、単に「運営者」ともいう)が使用する装置である。仲介装置100は、所定のプログラムを実行することにより、提供者装置200からメニュー情報を取得して、現実の飲食店を営む飲食事業者の飲食事業者装置300に連携する。仲介装置100は、例えば、Webサーバとして、Webアプリを介して、バーチャルキッチンシステム1を利用するためのWebサイトをユーザに提供してもよい。ユーザとは、例えば、運営者、メニュー提供者、飲食事業者、飲食店の店員、および消費者などである。
【0023】
仲介装置100は、提供者装置200、飲食事業者装置300、および消費者装置400それぞれからのユーザ認証の要求(各ユーザのアカウントIDとパスワードを含む)、いわゆるログイン要求を受け付ける。仲介装置100は、受け付けたログインが成功した場合に、それぞれが許可されたバーチャルキッチンシステム1の機能が利用可能となる。このログインに必要な各ユーザのアカウントは、各ユーザがバーチャルキッチンシステム1に予め登録したアカウントによって行われる。
【0024】
[提供者装置]
提供者装置200は、例えば、スマートフォンやラップトップなどの情報処理装置であり、メニュー提供者からのブランド情報やメニュー情報の受け付けや、仲介装置100との通信を行うことが可能である。提供者装置200は、所定のプログラムを実行することにより、仲介装置100と連携して各種情報を送受信したり、飲食サービスブランドに関する画面を表示したり、依頼者の要求を受け付けたりする。
【0025】
[飲食事業者]
飲食事業者装置300は、例えば、スマートフォンやラップトップ、サーバ装置(クラウドサーバも含む)などの情報処理装置であり、飲食事業者からの現実飲食店情報の入力の受け付けや、仲介装置100との通信を行うことが可能である。飲食事業者装置300は、所定のプログラムを実行することにより、仲介装置100と連携して各種情報を送受信したり、飲食サービスブランドや現実の飲食店に関する画面を表示したり、飲食事業者の要求を受け付けたりする。
【0026】
「現実飲食店情報」とは、現実の飲食店に関する情報である。現実飲食店情報は、例えば、現実の飲食店ごとに、それぞれが備える調理環境を含んでもよい。また、現実飲食店情報は、例えば、現実の飲食店ごとに、店名、提供するメニューの種類(ジャンル)、連絡先、住所、配達可能地域、営業日時、価格帯、および/または顧客ターゲットなどを含んでもよい。
【0027】
調理環境は、例えば、現実の飲食店ごとに、調理を担当する人材に関する情報(例えば、シェフの人数やシェフそれぞれのスキルなど)、調理スペースの面積、調理設備、および/または調理器具などを含む。また、この調理設備は、食品営業基準に定められている設備などであり、例えば、シンクの槽の数、調理台・作業台、コールドテーブル、食器棚、冷凍冷蔵庫、製氷機、ガステーブル・ガスレンジ、および/または空調設備などである。
【0028】
調理器具は、例えば、包丁・まな板、鍋・フライパン、レードル、および/またはボウル・ザル・バットなどである。
【0029】
現実飲食店情報は、例えば、ブランドに対する注文を現実の飲食店が受け付け可能な日時を示す受注可能日時を含んでもよい。
【0030】
現実飲食店情報は、例えば、飲食店位置情報を含んでもよい。飲食店位置情報は、現実の飲食店の位置(例えば、住所または緯度経度など)を示す情報である。
【0031】
現実飲食店情報は、例えば、諸経費情報を含んでもよい。諸経費情報は、現実の飲食店の諸経費を示す情報である。諸経費情報は、例えば、現実の飲食店の家賃、人件費、材料費(食材・ドリンク原価)、水道光熱費、通信費、減価償却費、備品補充費などを含む。また、この材料費に関しては、飲食事業者装置200からではなく、外部システム500の外部装置から取得されて、諸経費情報に追加されてもよい。
【0032】
[消費者装置]
消費者装置400は、例えば、スマートフォンやラップトップなどの情報処理装置であり、消費者からの飲食サービスブランドに対する注文入力の受け付けや、仲介装置100との通信を行うことが可能である。消費者装置400は、所定のプログラムを実行することにより、仲介装置100と連携して各種情報を送受信したり、飲食サービスブランドに関する画面を表示したり、消費者の要求を受け付けたりする。
【0033】
提供装置200、飲食事業者装置300および/または消費者装置400には、例えば、所定のプログラムとして、バーチャルキッチンシステム1専用のアプリケーションプログラム(以下、「バーチャルキッチンアプリ」という)がインストールされてもよい。
【0034】
バーチャルキッチンアプリは、例えば、各ユーザに対してバーチャルキッチンシステム1を利用するためのユーザIFを提供するネイティブアプリであってもよい。各装置は、アプリケーションストアや仲介装置100などからインストールしてバーチャルキッチンアプリを利用する。
【0035】
所定のプログラムは、例えば、バーチャルキッチンアプリの他に、Webアプリ、またはバーチャルキッチンシステム1用に提供されたホワイトレーベルを利用して実装されたサードパーティによるアプリなどであってもよい。また、例えば、バーチャルキッチンシステム1では、バーチャルキッチンアプリとWebアプリとがどちらもユーザIFとして利用できるようにしてもよい。
【0036】
[外部システム]
外部システム500は、いわゆるサードパーティシステムである。外部システム500は、例えば、市場調査を行うための市場調査システムや決済インフラなどである。この決済インフラは、例えば、銀行のシステムやクレジットカードシステムなどである。
【0037】
<2.概要>
図2~7を参照して、本実施形態に係るバーチャルキッチンシステム1の概要の一例を説明する。
【0038】
<2-1.サービスモデル>
図2を参照して、バーチャルキッチンシステム1が提供するサービスモデルの一例を説明する。図2(a)に示すように、バーチャルキッチンシステム1では、メニュー提供者と現実の飲食店とを仲介する仲介サービスを提供する。
【0039】
本例では、メニュー提供者を、特定の地域で飲食事業を行っているレストランのオーナーシェフとする例を説明するが、これに限る趣旨ではない。メニュー提供者は、例えば、飲食事業を行っていない個人(例えば、主婦や主夫、または会社員など)であってもよい。また、本例では、説明を簡単にするために、1つの飲食サービスのブランドに対して1人のメニュー提供者がメニュー情報を提供する例を説明するが、1つの飲食サービスのブランドに対して複数のメニュー提供者がメニュー情報を提供してもよい。
【0040】
例えば、特定の地域(本例では、九州地域とする)で飲食店(本例では、卵料理専門店とする)を展開するオーナーシェフが自店の味を幅広い地域に届けたいと考えている場合において、バーチャルキッチンシステム1を利用することで、このような飲食店と他の地域に存在する現実の飲食店とを仲介することで、このオーナーシェフの要望に応えることができる。
【0041】
(1)具体的には、オーナーシェフ(メニュー提供者)は、幅広い地域にも届けたいとする自店のメニューのミルフィーユ風オムライスについて、提供者装置200から、ミルフィーユ風オムライスのメニュー情報を仲介装置100に提供する。また、オーナーシェフは、このメニューを提供するための飲食サービスブランドを立ち上げるためのブランド情報の少なくとも一部を、メニュー情報と併せて仲介装置100に提供することもできる。仲介装置100は、この提供されたブランド情報とメニュー情報とを取得する。本例では、ブランド情報に含まれるブランドのコンセプトとして、「ふわふわした食感が楽しめるオムライス」、「ミルフィーユ風オムライス専門店」および「女性向け」が設定されているものとする。また、ブランド情報に含まれる出店地域情報として、出店対象の地域に、「東京都」と「名古屋市」が設定されているものとする。
【0042】
(2)仲介装置100は、取得されたブランド情報およびメニュー情報に基づいて、メニューを消費者に提供する飲食サービスブランド(本例では、「ふわミルオムライス」とする)を設定する。ふわミルオムライスブランドは、ブランドのコンセプトやメニューに基づいて、ふわふわした食感であることとミルフィーユ風であることそれぞれを略して掛け合わせた女性向けのブランド名にして、ミルフィーユ風オムライス専門のブランドとして設定されたものとする。バーチャルキッチンシステム1では、このように飲食サービスブランドを設定して、飲食サービスブランドを立ち上げることができる。
【0043】
(3)仲介装置100は、ふわミルオムライスブランドのメニューが調理できる現実の飲食店であって出店対象の地域(本例では、東京都および名古屋市とする)にある現実の飲食店と、ふわミルオムライスブランドと、を対応付ける。本例では、この現実の飲食店を、東京都墨田区に存在する現実の飲食店Aと名古屋市中区に存在する現実の飲食店Bとする。仲介装置100は、この対応付けにあたって、例えば、ふわミルオムライスブランドのメニューの調理方法を実行可能な調理環境があるか判定し、判定の結果調理環境があると判定された現実の飲食店を特定し、ふわミルオムライスブランドと対応付ける。
【0044】
上記構成によれば、バーチャルキッチンシステム1は、メニュー提供者が提供したメニューによる飲食サービスブランドと現実の飲食店とをマッチングさせることができる。このマッチングにより、メニュー提供者は、専用の人材や調理設備などを用意することなく、自身が考えたメニューを提供するための飲食サービスブランドを幅広い地域で展開させることができる。また、このマッチングにより、飲食事業者は、現実の飲食店を活用して、これまで店内飲食などで提供していたメニューとは異なる新しいメニューをデリバリーや持ち帰りなどで提供することができる。したがって、現実の飲食店の店内飲食サービス以外のサービスにおいて、現実の飲食店の活用を促進することができる。
【0045】
(4)図2(b)に示すように、消費者は、消費者装置400から、バーチャルキッチンアプリに出力されたふわミルオムライスブランドのメニューであるミルフィーユ風オムライスに対する注文を行うための注文情報を、仲介装置100に送信する。(5)仲介装置100は、この注文情報を取得して、注文を受け付ける。
【0046】
「注文情報」とは、飲食サービスブランドに対する注文を示す情報であって、配達場所および注文されたメニューを含む情報である。また、注文情報は、例えば、注文の代金(各メニューの金額および注文されたメニューの合計金額)、注文の受注日時を含んでもよい。また、注文情報は、配達により消費者にメニューを提供する場合は、配達するデリバリー事業者を識別するための情報(例えば、事業者名など)、配達時間、デリバリー事業者によるメニューのピックアップ時間などが追加されてもよい。
【0047】
(6)仲介装置100は、現実の飲食店の受注可能日時および注文情報に基づいて、上記(5)で受け付けたふわミルオムライスブランドに対する注文を、複数の現実の飲食店の中から1つの現実の飲食店に割り当てる。仲介装置100は、例えば、注文日時をPM8:00とした場合、受注可能日時がPM8:00を含み、配達可能地域がこの注文の配達場所を含む現実の飲食店Aにこの注文を割り当てる。(7)仲介装置100は、割り当てた現実の飲食店Aの飲食店装置310に注文情報を出力させる。
【0048】
(8)現実の飲食店Aは、注文されたメニューを調理して、注文情報で指定された配達場所にデリバリー事業者などに配達させる。
【0049】
上記構成によれば、バーチャルキッチンシステム1は、設定した飲食サービスブランドに対する注文を対応付けた現実の飲食店に連携して注文のメニューを調理させて消費者に提供させることができる。このため、立ち上げた飲食サービスブランドのメニューを提供するための専用の店舗や人材を用意することなく、アジャイルに、このブランドによる飲食サービスを消費者に提供開始することができる。このため、飲食サービスブランドの展開にかかる初期費用を抑えながら、飲食サービスの提供による収益を生み出すエコシステムを構築することができる。
【0050】
<2-3.開発プロセスの全体像>
図3を参照して、飲食サービスブランドの開発プロセスにおいて、バーチャルキッチンシステム1全体が実現する機能の一例を説明する。図3に示すように、バーチャルキッチンシステム1全体が実現する機能は、「A)ブランド開発機能」、「B)ブランド提案機能」、「C)仕入れ管理機能」の3つのセクションに分類される。バーチャルキッチンシステム1では、それぞれのセクションが互いに連携して、仲介サービスを提供する。また、それぞれのセクションは、外部システム500とも連携を行う。
【0051】
3つのセクションは、以下のとおり1以上のサブセクションを有する。バーチャルキッチンシステム1では、それぞれのサブセクション間においても互いに連携を行う。以下、各セクションおよび各サブセクションについて、それぞれに割り振られた番号を<>内に示して説明する。
A)ブランド開発機能:「A1)ブランド情報登録機能」、「A2)メニュー開発機能」、「A3)ブランド開発機能」、「A4)売上予測機能」および「A5)DB機能」の5つのサブセクションを有する。
B)ブランド提案機能:各現実の飲食店にマッチする可能性の高い飲食サービスブランドを提案する。本セクションは、「B1)候補ブランド提案機能」、「B2)利益予測機能」、「B3)マーケティング活用機能」および「B4)DB機能」の4つのサブセクションを有する。
C)仕入れ管理機能:売上予測情報に基づいて材料を仕入れるために、材料の需要を予測して、発注を行う。本セクションは、「C1)ボリューム予測機能」、「C2)発注機能」「C3)仕入れ時期通知機能」および「C4)DB機能」の4つのサブセクションを有する。
【0052】
<2-3-1.A)ブランド開発機能>
図4を参照して、A)ブランド開発機能セクションの一例を説明する。本例では、図2の例を用いて説明する。
【0053】
<A1)ブランド情報登録機能>
(1)図4に示すように、提供者装置200は、バーチャルキッチンアプリなどを介して、飲食サービスブランドを立ち上げるために、ブランド情報を仲介装置100に提供する。(2)仲介装置100のブランド取得部111cは、提供装置200から、ブランド情報を取得する。(3)ブランド取得部111cは、取得したブランド情報をブランド記憶部141に登録する。
【0054】
<A2)メニュー開発機能>
(4)提供者装置200は、バーチャルキッチンアプリなどを介して、立ち上げる飲食サービスブランドのメニューを登録するために、メニュー情報を仲介装置100に提供する。(5)仲介装置100のメニュー取得部111aは、提供装置200から、メニュー情報を取得する。(6)メニュー取得部111aは、取得したメニュー情報をブランド記憶部141に登録する。
【0055】
<A3)ブランド開発機能>
(7a)仲介装置100の候補生成部116aは、ブランド記憶部を参照して、ブランド情報およびメニュー情報に基づいて、飲食サービスブランドの候補を生成する。候補生成部116aは、例えば、ミルフィーユ風オムライスのメニューを提供するふわミルオムライスブランドを候補として生成し、また、ふわっとした食感ととろっとした食感を備える親子丼のメニューのメニュー情報が追加で提供された場合、ふわとろ親子丼ブランドも候補として生成してもよい。(8a)仲介装置100の候補出力部114dは、提供者装置200に、生成されたブランドの候補(ふわミルオムライスブランドとふわとろ親子丼ブランド)を出力させる。
【0056】
<A4)売上予測機能>
(7b-1)情報取得部111dは、外部システム500に含まれる外部装置から、地域ごとの売上実績情報を取得する。(7b-2)実績特定部112bは、出店候補地域情報を記憶するブランド記憶部141を参照して、出店候補地域情報に基づいて、飲食サービスブランドの候補に対して、関連付ける売上実績情報を特定する。例えば、飲食サービスの候補をふわミルオムライスブランドとする場合、実績特定部112bは、東京都と名古屋市それぞれのオムライス専門店の昨年度の売上実績を示す売上実績情報を特定する。(7b-3)売上予測部117aは、特定された売上実績情報に基づいて、飲食サービスブランドの候補の売上を予測する。売上予測部117は、予測した結果を売上予測情報として予測記憶部142に登録する。(8b)仲介装置100の候補出力部114dは、この予測の結果に基づいて、提供者装置200に、飲食サービスブランドの候補と併せて、ブランドの候補の売上予測を出力させる。例えば、飲食サービスの候補をふわミルオムライスブランドとする場合、候補出力部114dは、提供者装置200に、ふわミルオムライスブランドと、ふわミルオムライスブランドにおける1年間の売上予測と、を並べて出力させる。
【0057】
「売上実績情報」とは、地域ごとの飲食店の売上実績に関する情報である。
【0058】
「出店候補地域情報」とは、飲食サービスブランドの候補における出店対象の候補地域を示す情報である。
【0059】
(9)メニュー提供者は、提供者装置200に出力させたブランドの候補の中から採用するものの選択をする。提供者は、例えば、提供者装置200に出力させたブランドの候補のふわミルオムライスとふわとろ親子丼の中から、ふわミルオムライスを新規に立ち上げるブランドとして選択する。また、メニュー提供者は、例えば、提供者装置200に出力させたブランドの候補のブランド情報に対して更新することができる。(10)仲介装置100の第1選択受付部115bは、提供者装置200から、ブランド情報に対する更新やブランド候補の採用の選択を受け付ける。
【0060】
(11)仲介装置100の設定部113は、選択された候補にさらに基づいて、飲食サービスブランドを設定する。設定部113は、例えば、選択されたふわミルオムライスを飲食サービスブランドとして設定する。また、設定部113は、メニュー提供者からの飲食サービスブランドの更新が受け付けられた場合には、更新されたブランド情報をもって飲食サービスブランドを設定する。
【0061】
<A5)DB機能>
ブランド記憶部131は、各部から登録された、メニュー情報、ブランド情報、売上実績情報および売上予測情報を記憶する。
【0062】
<2-3-2.B)ブランド提案機能>
図5を参照して、B)ブランド提案機能セクションの一例を説明する。本例では、図2の例を用いて説明する。
【0063】
<A1)ブランド情報登録機能>
(1)図5に示すように、仲介装置100のブランド特定部112cは、記憶部140(ブランド記憶部141)を参照して、現実の飲食店について、現実飲食店情報およびメニュー情報に基づいて、現実の飲食店との対応付け候補とする飲食サービスブランドを特定する。ブランド特定部112cは、例えば、現実の飲食店Aについて、現実飲食店情報およびメニュー情報に基づいて、対応付け候補としてふわミルオムライスブランドを特定する。
【0064】
(2a)仲介装置100の事業者出力部114aは、飲食事業者装置300に、特定されたブランドの対応付け候補を出力させる。
【0065】
<B2)利益予測機能>
(2b-1)利益予測部117bは、売上予測情報を記憶する記憶部140(予測記憶部142)を参照して、売上予測情報および現実飲食店情報に含まれる諸経費情報に基づいて、ブランドの対応付け候補の利益を予測する。利益予測部117bは、例えば、売上予測部117aが予測した月間の予測売上高から、月間の諸経費の合計を差し引いて、ブランドの対応付け候補の月間の利益を予測してもよい。利益予測部117bは、予測した結果を利益予測情報として記憶部130に登録する。(2b-2)事業者出力部114aは、この予測の結果に基づいて、飲食事業者装置300に、特定されたブランドの対応付け候補と併せて、ブランドの対応付け候補の利益予測を出力させる。
【0066】
(3)飲食事業者は、飲食事業者装置300に出力された飲食サービスブランド対応付け候補の中から、現実の飲食店に対応付ける飲食サービスブランドの選択をする。飲食事業者は、飲食サービスブランド対応付け候補としてふわミルオムライスブランドが出力されていた場合、現実の飲食店Aと対応付けるブランドに採用するものとして、ふわミルオムライスブランドを選択する。(4)仲介装置100の第2選択受付部115cは、飲食事業者装置300から、この選択を受け付ける。(5)対応付け部112は、第2選択部115cで受け付けられた選択の結果に基づいて、飲食サービスブランドと現実の飲食店とを対応付ける。対応付け部112は、例えば、第2選択部115cで受け付けられた選択の結果に基づいて、ふわミルオムライスブランドと現実の飲食店Aとを対応付ける。
【0067】
<B3)マーケティング活用機能>
(6)飲食事業者は、仲介装置100に対して、飲食事業者装置200から、マーケティングに活用するために、マーケティングに関する情報(以下、「マーケティング情報」)を照会する。(7)仲介装置100の受付部115は、飲食事業者装置200から、この照会を受け付ける。(8)事業者出力部114aは、照会されたマーケティング情報を記憶する記憶部130を参照して、照会対象のマーケティング情報を飲食事業者装置200に出力させる。
【0068】
マーケティング情報は、例えば、現実の飲食店ごとに、出店地域における統計情報、各メニューの受注実績、過去に注文した消費者の属性情報、および/または人気メニューのトレンドなどを含む。この出店地域における統計情報は、例えば、地域ごとかつ提供するメニューの種類(ジャンル)ごとの店舗総数、地域ごとの消費者の注文単価の統計値(例えば、平均値や中央値、最頻値など)、および/または地域ごとの売上実績情報を含んでもよい。
【0069】
<B4)DB機能>
記憶部130は、外部システム500の外部装置などから取得したマーケティング情報を記憶する。また、記憶部130は、利益予測部117bから登録された利益予測情報を記憶する。
【0070】
<2-3-3.C)仕入れ管理機能>
図6を参照して、C)仕入れ管理機能セクションの一例を説明する。本例では、図2の例を用いて説明する。
【0071】
<C1)仕入れ管理機能>
(1)図6に示すように、仲介装置100の需要予測部117cは、記憶部130(予測記憶部132)を参照して、メニュー情報および売上予測情報に基づいて、複数のブランドそれぞれのメニューを調理するための材料の需要を予測する。なお、この材料とは、例えば、メニューを調理するための原材料と調理済み食材(食品)を含む。
【0072】
<C2)発注機能>
(2)仲介装置100データ生成部116bは、上記(1)の予測の結果に基づいて、1回の発注当たりの発注対象とする材料と、材料ごとの仕入れ量および仕入れ価格とを特定する。データ生成部116bは、特定した材料ごとの仕入れ量および仕入れ価格に基づいて、複数の飲食サービスブランドそれぞれにおける、材料を発注するための1以上の発注データを生成する。データ生成部116bは、生成した発注データを記憶部130に登録する。
【0073】
(3)発注処理部118は、発注先ごとに、上記(2)で生成された発注データを統合し、材料を発注するための発注処理を行う。この発注先とは、例えば、原材料を販売している飲食店向けの卸売り業者や調理済みの食品を製造し提供する製造工場などである。なお、発注処理部118は、発注処理の前に、現実の飲食店に対応付けられた飲食サービスブランドの発注データを飲食事業者装置200に出力させて、この発注データに基づいて発注処理を行ってよいかの飲食事業者からの承諾を要求してもよい。発注処理部118は、飲食事業者の承諾を飲食事業者装置200から受け付けた場合にはじめて、発注処理を行ってもよい。
【0074】
<C3)仕入れ時期通知機能>
(4)仲介装置100の発注処理部118は、例えば、過去の発注実績を示す発注実績情報や過去の注文実績を示す注文実績情報に基づいて、飲食事業者装置300に対して、材料ごとに仕入れが必要となるタイミング(以下、「仕入れタイミング」ともいう)を判定してもよい。発注処理部118は、判定されたタイミングが到来した場合、データ生成部116bに発注データの候補を生成させる。そして、発注処理部118は、飲食事業者装置200に対して、生成された発注データの候補を出力させて仕入れタイミングであることを通知し、この発注データの候補に基づいて発注処理を行ってよいかの飲食事業者からの承諾を要求してもよい。(5)飲食事業者は、飲食事業者装置300から、この要求に対する応答(本例では、発注処理に対して承諾したものとする)を行う。(6)受付部115は、この応答を受け付ける。(7)発注処理部118は、承諾の応答を受け付けた場合、発注データの候補を採用して、材料を発注するための発注処理を行う。発注処理部118は、発注処理の実績を発注実績情報として記憶部130に登録する。
【0075】
<C4)DB機能>
記憶部130は、各部から登録された、発注データ、発注実績情報を記憶する。
【0076】
上記構成によれば、新たに飲食サービスブランドを立ち上げて、この飲食サービスブランドが提供するメニューの材料を新たに発注することで、発注先の製造工場などに受注拡大の機会を提供することができる。
【0077】
<2-4.運営プロセスの全体像>
図7を参照して、飲食サービスブランドの運営プロセスにおいて、バーチャルキッチンシステム1全体が実現する機能の一例を説明する。図7に示すように、バーチャルキッチンシステム1全体が実現する機能は、「D)注文処理機能」および「E)精算処理機能」の2つのセクションに分類される。バーチャルキッチンシステム1では、それぞれのセクションが互いに連携して、飲食サービスを提供する。また、それぞれのセクションは、外部システム500とも連携を行う。本例では、図2の例を用いて説明する。
【0078】
運営プロセスにおける上記2つのセクションは、以下のとおり1以上のサブセクションを有する。
D)注文処理機能:消費者から受け付けた注文情報を、担当する飲食事業者(現実の飲食店)へ自動連携する。本機能は、「D1)注文受付機能」、「D2)注文処理機能」および「D3)DB機能」の3つのサブセクションを有する。
E)精算処理機能:バーチャルキッチンシステム1における関係者間の精算金額の算出及び処理を行う。本セクションは、「E1)精算金額算出機能」、「E2)精算レポート作成機能」、「E3)精算処理機能」および「E4)DB機能」の4つのサブセクションを有する。
【0079】
<2-4-1.D)注文処理機能>
D)注文処理機能セクションの一例を説明する。
【0080】
<D1注文受付機能>
(1)仲介装置100のメニュー出力部114bは、消費者装置400に、飲食サービスブランドと、飲食サービスブランドが提供可能なメニューのメニュー情報と、をデリバリー事業者のデリバリーサービスのWebサイト(以下、「デリバリーサイト」ともいう)を介して出力させる。メニュー出力部114bは、例えば、消費者装置400に、ふわミルオムライスブランドと、ふわミルオムライスブランドが提供可能なメニューのメニュー名(ミルフィーユ風オムライス)と単価とを出力させる。(2)消費者は、飲食サービスブランドに対する注文情報であって配達場所および注文されたメニューを含む注文情報を消費者装置400からデリバリーサイトに対して入力して、注文を行う。(3)仲介装置100の注文受付部115aは、消費者装置400から、デリバリーサイトを介して、この注文情報を受け付ける。注文受付部115aは、複数の異なるデリバリー事業者から入ってくる注文情報を集約して受注する。
【0081】
(4)仲介装置100の割り当て部112aは、現実飲食店情報の受注可能日時および上記(3)で受け付けた注文情報に基づいて、飲食サービスブランドに対する注文情報を、この飲食サービスブランドに対応付けた1つの現実の飲食店に割り当てる。(5)店舗出力部114cは、この割り当てられた現実の飲食店の飲食店装置310(本例では、飲食事業者装置を兼ねているものとする)に、注文情報を出力させる。
【0082】
(6)上記(5)で注文情報が出力された現実の飲食店の店員は、注文されたメニューを調理する。(7)店員は、調理したメニューをデリバリー事業者に受け渡す。(8)デリバリー事業者は、調理されたメニューを、注文主である消費者が指定した配達場所に配達する。注文受付部115aは、配達が完了した注文の注文情報を示す注文実績情報を記憶部130に登録する。
【0083】
上記構成によれば、飲食サービスブランドを立ち上げることでこのブランドに対するデリバリー注文が新たに増えることにより、デリバリー事業者に対して、デリバリー注文の拡大の機会を提供することができる。
【0084】
<2-4-2.E)精算処理機能>
E)精算処理機能セクションの一例を説明する。
【0085】
<E1)精算金額算出機能>
(10)仲介装置100の精算処理部119は、デリバリーサイトを介して受領処理した注文取引を日次または週次で集約し、デリバリー事業者および飲食事業者との精算金額を算出する。精算処理部119は、注文を受けたメニューの注文実績情報に基づき、各メニューの売上実績を算出する。精算処理部119は、算出した売上実績に基づいて、メニュー提供者へ支払うべきロイヤリティ金額を算出する。また、精算処理部119は、メニューの材料の発注先(製造工場など)に対する発注実績に基づき、発注先との精算金額を算出する。
【0086】
<E2)精算レポート生成機能>
(11)仲介装置100の精算処理部119は、各関係者との間の取引・精算の内容を掲載した精算レポートを関係者ごとに生成する。(12)精算処理部119は、生成した精算レポートを、関係者が使用する装置に提供する。
【0087】
<E3)精算処理機能>
(13)仲介装置100の精算処理部119は、上記(10)で算出した精算金額に基づいて、各関係者に対する支払い決済のために、外部システム500である決済インフラにこの支払い決済の指示を行う。決済インフラは、この支払い決済を行った結果を精算処理部119に応答する。精算処理部119は、この精算金額の算出から支払い決済指示までの一連の精算処理の実績を精算実績情報として、記憶部130に登録する。
【0088】
<3.機能構成>
図8を参照して、本実施形態に係る仲介装置100の機能構成を説明する。図8に示すように、仲介装置100は、制御部110と、記憶部130と、通信部140と、を備える。
【0089】
制御部110は、取得部111と、対応付け部112と、設定部113と、出力部114と、受付部115と、生成部116と、予測部117と、発注処理部118と、精算処理部119と、を備える。
【0090】
[取得部]
取得部111は、提供者装置200、飲食事業者装置300および消費者装置400から、各種情報を取得する。取得部111は、メニュー取得部111aと、飲食店取得部111bと、ブランド取得部111cと、情報取得部111dと、を備える。
【0091】
[メニュー取得部]
メニュー取得部111aは、メニュー提供者が使用する提供者装置200から、メニュー情報を取得する。
【0092】
[飲食店取得部]
飲食店取得部111bは、飲食事業者が使用する飲食事業者装置300から、この飲食事業者の現実の飲食店に関する現実飲食店情報を取得する。
【0093】
[ブランド取得部]
ブランド取得部111cは、提供者装置200から、飲食サービスブランドが提供するメニューの種類および飲食サービスブランドのコンセプトの少なくともいずれかを示すブランド情報を取得する。
【0094】
[情報取得部]
情報取得部111dは、外部システム500などに含まれる外部装置から、地域ごとの飲食店の売上実績に関する売上実績情報を取得する。
【0095】
[対応付け部]
対応付け部112は、現実飲食店情報およびメニュー情報に基づいて、飲食サービスのブランドと現実の飲食店とを対応付ける。
【0096】
対応付け部112は、例えば、飲食サービスのブランドが提供するメニューの中から1つ以上のメニューのメニュー情報(調理方法)に含まれる調理器具を備え、かつ調理工程が実行できる調理環境を備える現実の飲食店を特定する。対応付け部112は、特定した現実の飲食店をこの飲食サービスブランドと対応付ける。
【0097】
上記構成によれば、対応付け部112は、メニュー提供者が提供したメニューによる飲食サービスブランドと現実の飲食店とをマッチングさせることができる。このマッチングにより、メニュー提供者は、専用の人材や調理設備などを用意することなく、自身のメニューを幅広い地域で提供することができる。また、このマッチングにより、飲食事業者は、現実の飲食店を活用して、これまで店内飲食などで提供していたメニューとは異なる新しいメニューをデリバリーや持ち帰りなどで提供することができる。したがって、対応付け部112は、現実の飲食店の店内飲食サービス以外のデリバリーサービスや持ち帰りサービスにおいて、現実の飲食店の活用を促進することができる。
【0098】
対応付け部112は、例えば、1つの飲食サービスブランドに複数の現実の飲食店を対応付けてもよい。
【0099】
対応付け部112は、例えば、割り当て部112aと、実績特定部112bと、ブランド特定部112cと、を備えてもよい。
【0100】
対応付け部112は、例えば、飲食店位置情報および出店候補地域情報にさらに基づいて、飲食サービスブランドと現実の飲食店とを対応付けてもよい。対応付け部112は、例えば、現実の飲食店の位置から半径1km圏内に飲食サービスブランドの出店対象の地域の少なくとも一部が含まれるか否か判定する。対応付け部112は、出店対象の地域の少なくとも一部が含まれると判定した場合、この現実の飲食店とこの飲食サービスブランドとを対応付ける。このような構成によれば、対応付け部112は、飲食サービスブランドを、メニュー提供者などが出店したい(配達対象としたい)と希望する地域に存在する現実の飲食店と対応付けることができる。例えば、図2の例のようにメニュー提供者が自ら現実の飲食店を経営する場合、自分が経営する現実の飲食店と競合してしまう地域を回避して、飲食サービスブランドを展開することもできる。
【0101】
対応付け部112は、例えば、第2選択受付部115cが受け付けた選択の結果に基づいて、飲食サービスブランドと現実の飲食店とを対応付けてもよい。このような構成によれば、対応付け部112は、飲食事業者の意向にそった現実の飲食店と飲食サービスブランドとのマッチングを実現させることができる。
【0102】
[割り当て部]
割り当て部112aは、受注可能日時および注文情報に基づいて、飲食サービスブランドに対する注文情報を、この飲食サービスブランドに対応付けられた複数の現実の飲食店の中から1つの現実の飲食店に割り当てる。このような構成によれば、現実の飲食店は、受注可能な時間帯にのみ飲食サービスブランドに対する注文を受けることができる。このため、現実の飲食店の都合により合わせた注文の割り当てを実現することができる。
【0103】
[実績特定部]
実績特定部112bは、飲食サービスブランドの候補における出店対象の候補地域を示す出店候補地域情報を記憶するブランド記憶部131を参照して、出店候補地域情報に基づいて、飲食サービスブランドの候補に関連付ける売上実績情報を特定する。
【0104】
[ブランド特定部]
ブランド特定部112cは、現実の飲食店について、現実飲食店情報およびメニュー情報に基づいて、現実の飲食店との対応付け候補とする飲食サービスブランドを特定する。ブランド特定部112cは、例えば、現実の飲食店が備える調理環境や飲食店位置情報と、飲食サービスブランドが提供するメニューの調理方法や出店対象地域情報と、が合致する現実の飲食店と飲食サービスブランドを組み合わせる。ブランド特定部112cは、このように現実の飲食店に組み合わせた飲食サービスブランドを、対応付け候補として特定してもよい。
【0105】
[設定部]
設定部113は、メニュー取得部111aにより取得されたメニュー情報に基づいて、メニューを消費者に提供する飲食サービスのブランドを設定する。具体的には、設定部113は、各飲食サービスのブランドを識別するためのブランドIDを新規発行し、ブランドIDごとに、ブランド名、提供するメニューの種類および提供するメニューなどを特定し、この特定の結果に基づいてブランド情報を生成する。設定部113は、生成したブランド情報をブランド記憶部131に登録することにより飲食サービスブランドを新規に設定する。
【0106】
設定部113は、例えば、ブランド取得部111cにより取得されたブランド情報にさらに基づいて、飲食サービスブランドを設定してもよい。具体的には、設定部113は、取得されたブランド情報にこのブランドでメインに提供するメニューのみ設定されていた場合、ブランド名や提供するメニューの種類はメニュー情報に基づいて設定部113が自動で設定し、取得された情報とこのように設定した情報とを組み合わせて1つの飲食サービスブランドのブランド情報として設定してもよい。このような構成によれば、設定部113は、メニュー提供者の意向にそった飲食サービスブランドの立ち上げを実現させることができる。
【0107】
設定部113は、例えば、第1選択受付部115bにより受け付けられた選択されたブランドの候補にさらに基づいて、飲食サービスブランドを設定してもよい。このような構成によれば、複数の飲食サービスブランドの候補の中からより良いものをメニュー提供者に選択させて新規に立ち上げる飲食サービスブランドを決めることができる。このため、メニュー提供者の意向をくみ取りつつ、メニュー提供者の考えに偏り過ぎない飲食サービスブランドの立ち上げを実現させることができる。
【0108】
[出力部]
出力部114は、提供者装置200、飲食事業者装置300および消費者装置400に、各種情報を出力させる。出力部114は、例えば、バーチャルキッチンアプリを介して消費者装置400に飲食サービスブランドのメニュー情報を出力(画面表示)させるための出力情報を生成し、消費者装置400にこの出力情報を送信してもよい。出力部114は、事業者出力部114aと、メニュー出力部114bと、店舗出力部114cと、候補出力部114dと、を備える。
【0109】
[事業者出力部]
事業者出力部114aは、飲食事業者装置300に、現実の飲食店に対応付けた飲食サービスブランドと、この飲食サービスブランドが提供するメニューのメニュー情報と、を出力させる。
【0110】
事業者出力部114aは、例えば、飲食事業者装置300に、ブランド特定部112cにより特定された飲食サービスブランドの対応付け候補を出力させてもよい。
【0111】
事業者出力部114aは、例えば、利益予測部117bによる予測の結果に基づいて、飲食事業者装置300に、ブランド特定部112cにより特定された飲食サービスブランドの対応付け候補と併せて、この対応付け候補の利益予測を出力させてもよい。このような構成によれば、飲食事業者は、飲食サービスブランドの対応付け候補それぞれの利益予測を確認して、現実の飲食店とマッチングさせる対応付け候補を採用することができる。このため、飲食事業者は利益がより見込める対応付け候補を選ぶことができるため、飲食事業者の新たな収益源確保に貢献することができる。
【0112】
[メニュー出力部]
メニュー出力部114bは、消費者が使用する消費者装置400に、飲食サービスブランドと、この飲食サービスブランドが提供可能なメニューのメニュー情報と、を出力させる。
【0113】
[店舗出力部]
店舗出力部114cは、注文受付部115aにより注文情報が受け付けられた飲食店サービスブランドに対応付けられた現実の飲食店の飲食店装置310に、注文情報を出力させる。
【0114】
上記構成によれば、店舗出力部114cは、設定した飲食サービスブランドに対する注文を、対応付けた現実の飲食店に連携させることができる。このため、立ち上げた飲食サービスブランドのメニューを提供するための専用の店舗や人材を用意することなく、アジャイルに、このブランドによる飲食サービスを消費者に提供開始することができる。
【0115】
店舗出力部114cは、例えば、割り当て部112aにより割り当てられた現実の飲食店の飲食店装置310に、注文情報を出力させる。
【0116】
[候補出力部]
候補出力部114dは、提供者装置200に、候補生成部116aにより生成された飲食サービスブランドの候補を出力させる。
【0117】
候補出力部114dは、例えば、売上予測部による予測の結果に基づいて、提供者装置200に、飲食サービスブランドの候補と併せて、飲食サービスブランドの候補の売上予測を出力させてもよい。このような構成によれば、メニュー提供者は、飲食サービスブランドの候補の売上予測をふまえて採用する候補を選択することができる。また、例えば、メニュー情報を提供した対価として、各メニューの売上高に応じたロイヤリティをメニュー提供者に支払う場合、売上が低いとロイヤリティも低くなってしまう。このような場合、メニュー提供者は、予測された売上が相対的によい候補を選択することができるため、メニュー提供者の新たな収益源の確保や自店のメニューの幅広い地域での展開に貢献することができる。
【0118】
[受付部]
受付部115は、提供者装置200、飲食事業者装置300および消費者装置400から、各種情報や選択などを受け付ける。受付部115は、注文受付部115aと、第1選択受付部115bと、第2選択受付部115cと、を備える。
【0119】
[注文受付部]
注文受付部115aは、消費者装置400から、飲食サービスブランドに対する注文情報であって、配達場所および注文されたメニューを含む注文情報を受け付ける。
【0120】
[第1選択受付部]
第1選択受付部115bは、提供者装置200から、飲食サービスブランドの候補の中から採用するものの選択を受け付ける。
【0121】
[第2選択受付部]
第2選択受付部115cは、飲食事業者装置300から、事業者出力部114aにより出力された飲食サービスブランドの対応付け候補の中から採用するものの選択を受け付ける。
【0122】
[生成部]
生成部116は、バーチャルキッチンシステム1で処理される各種情報を生成する。生成部116は、候補生成部116aと、データ生成部116bと、を備える。
【0123】
[候補生成部]
候補生成部116aは、メニュー情報に基づいて、飲食サービスブランドの候補を生成する。候補生成部116aは、例えば、自然言語処理を用いて、メニュー情報を解析してもよい。候補生成部116aは、例えば、形態素解析を行い、メニュー情報に含まれる各単語(形態素)を抽出する。候補生成部116aは、例えば、機械学習の手法を用いて学習データにより学習された学習モデルなどを利用して、抽出された各単語の中から、メニュー情報の特徴となる(例えば、メニューの売上と一定の相関性のある)単語をさらに抽出する。候補生成部116aは、この特徴となる単語を組み合わせてブランド名を生成してもよい。また、候補生成部116aは、提供されたメニュー情報が示すメニューの中から、閾値以上の数存在するメニューの種類を、飲食サービスブランドが提要するメニューの種類(ジャンル)として特定する。候補生成部116aは、このように生成したブランド名と特定した1つ以上のメニューの種類を組み合わせて飲食サービスブランドの候補を生成してもよい。
【0124】
学習モデルは、例えば、ディープラーニング(深層学習)の手法により学習されたモデルであってもよいし、SVM(Support Vector Machine)や決定木等の他のアルゴリズムを利用したモデルであってもよい。学習モデルは、例えば、ディープラーニングの手法を用いたモデルとして、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)であってもよい。
【0125】
学習モデルを学習させるための学習データは、例えば、メニュー情報を入力データとし、このメニュー情報に含まれる単語のうちメニュー検索に利用された単語を正解データとするデータセットであってもよい。
【0126】
候補生成部116aは、例えば、ブランド情報にさらに基づいて、複数の飲食サービスブランドの候補を生成してもよい。候補生成部116aは、例えば、ブランド情報の指定による飲食サービスブランドの候補と、上記のようにメニュー情報に基づいて自ら生成した飲食サービスブランドの候補との両方を交えて生成してもよい。
【0127】
[データ生成部]
データ生成部116bは、予測の結果に基づいて、複数の飲食サービスブランドそれぞれにおける、それぞれが提供するメニューを調理するための材料を発注するための1以上の発注データを生成する。
【0128】
[予測部]
予測部117は、飲食サービスブランドの運営における将来の各種予測を行う。予測部117は、売上予測部117aと、利益予測部117bと、需要予測部117cと、を備える。
【0129】
[売上予測部]
売上予測部117aは、実績特定部112bにより特定された売上実績情報に基づいて、飲食サービスブランドの候補の売上を予測する。売上予測部117aは、例えば、飲食サービスブランドの候補ごとに、現時点から、数日後、1週間後、四半期後、半年後、または1年後までの将来の期間における売上を予測する。
【0130】
売上予測部117aは、例えば、飲食サービスブランドと同じジャンルかつ同じ地域の飲食店の過去の月間の売上高を算出して、この算出した売上高に基づいて、月間の売上を予測してもよい。
【0131】
[利益予測部]
利益予測部117bは、飲食サービスブランドの売上予測情報を記憶する予測記憶部132を参照して、売上予測情報および対応付け先の現実の飲食店の諸経費情報に基づいて、飲食店サービスブランドの対応付け候補の利益を予測する。利益予測部117bは、例えば、飲食店サービスブランドの対応付け候補ごとに、売上予測部117aに予測された年間の売上高から年間の諸経費の合計を差し引いた金額を年間の利益として予測してもよい。
【0132】
[需要予測部]
需要予測部117cは、飲食サービスブランドが複数存在する場合、メニュー情報および売上予測情報に基づいて、複数の飲食サービスブランドそれぞれのメニューを調理するための材料の需要を予測する。需要予測部117cは、例えば、材料の需要として、予測された各メニューの月間の売上数により各メニューそれぞれを調理するための材料と各材料の月間に消費するボリュームを予測してもよい。
【0133】
[発注処理部]
発注処理部118は、発注先ごとに、データ生成部116bにより生成された発注データを統合し、複数の飲食サービスブランドのメニューの材料を発注するための発注処理を行う。発注処理部118は、例えば、発注先の特定の製造工場に対する調理済み食材の発注を統合し、統合した発注の発注伝票を示す発注データを生成してもよい。発注処理部118は、この製造工場のサーバ(不図示)に、生成した発注データを送信する。このような構成によれば、発注処理部118は、バーチャルキッチンシステム1で立ち上げた複数の飲食サービスブランドのメニューの材料を発注先ごとにまとめて発注することができる。このため、いわゆるまとめ発注を行うことができ、それによる発注工数や発注のための手数料などのコストを削減することができる。
【0134】
[精算処理部]
精算処理部119は、飲食サービスブランドの運営に関する精算金額を算出する。精算処理部119は、注文を受けたメニューの注文実績情報に基づき、各メニューの売上実績を算出する。精算処理部119は、算出した売上実績に基づいて、メニュー提供者へ支払うべきロイヤリティ金額を算出する。また、精算処理部119は、メニューの材料の発注先(製造工場など)に対する発注実績に基づき、発注先との精算金額を算出する。
【0135】
精算処理部119は、例えば、各関係者との間の取引・精算の内容を掲載した精算レポートを関係者ごとに生成してもよい。精算処理部119は、生成した精算レポートを、関係者が使用する関係者装置に提供する。
【0136】
精算処理部119は、例えば、上記算出した精算金額に基づいて、各関係者に対する支払い決済のために、外部システム500である決済インフラにこの支払い決済の指示を行う。決済インフラは、この支払い決済を行った結果を精算処理部119に応答する。
【0137】
[記憶部]
記憶部130は、バーチャルキッチンシステム1で処理される各種情報を記憶する。記憶部130は、例えば、これらの情報を相互に関連付けて記憶してもよい。記憶部130は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を利用して各種情報を記憶してもよいし、ファイルシステムを利用して各種情報を記憶してもよい。DBMSを利用する場合は、情報ごとにテーブルを設けて、このテーブル間を関連付けて各種情報を管理してもよい。記憶部130は、例えば、ブランド記憶部131と、予測記憶部132と、を備える。
【0138】
ブランド記憶部131は、ブランド情報、メニュー情報、および/または現実飲食店情報などを記憶する。予測記憶部132は、売上予測情報、利益予測情報、および/または需要予測情報などを記憶する。
【0139】
[通信部]
通信部140は、ネットワークNを介して、関係者装置や外部システム500との間で、各種情報を送受信する。
【0140】
<4.動作例>
図9を参照して、仲介装置100の動作例を説明する。なお、以下に示す処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0141】
図9(a)は、バーチャルキッチンシステム1の開発プロセスにおける仲介装置100の処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0142】
図9(a)に示すように、仲介装置100のメニュー取得部111aは、飲食物のメニューの調理方法を提供するメニュー提供者が使用する提供者装置200から、このメニューの調理方法を含むメニュー情報を取得する(S10)。また、ブランド取得部111cは、このメニュー情報の取得と併せて、提供者装置200から、ブランド情報を取得してもよい。設定部113は、上記取得されたメニュー情報とブランド情報とに基づいて、飲食サービスのブランドを設定する(S11)。
【0143】
飲食店取得部111bは、飲食事業者が使用する飲食事業者装置300から、この飲食事業者の現実の飲食店に関する現実飲食店情報を取得する(S12)。対応付け部112は、現実飲食店情報、メニュー情報およびブランド情報に基づいて、飲食サービスブランドと現実の飲食店とを対応付ける(S13)。事業者出力部114aは、飲食事業者装置300に、現実の飲食店に対応付けた飲食サービスブランドと、この飲食サービスブランドが提供するメニューのメニュー情報と、を出力させる(S14)。
【0144】
図9(b)は、バーチャルキッチンシステム1の運営プロセスにおける仲介装置100の処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0145】
図9(b)に示すように、仲介装置100のメニュー出力部114bは、消費者が使用する消費者装置400に、飲食サービスブランドと、この飲食サービスブランドが提供可能なメニューのメニュー情報と、を出力させる(S20)。注文受付部115aは、消費者装置400から、出力された飲食サービスブランドに対する注文情報であって、配達場所および注文された前記メニューを含む注文情報を受け付ける(S21)。割り当て部112aは、受注可能日時および注文情報に基づいて、飲食サービスブランドに対する注文情報を、この飲食サービスブランドに対応付けられた1つ以上の現実の飲食店の中から1つの現実の飲食店に割り当てる(S22)。店舗出力部114cは、割り当て部112aにより割り当てられた現実の飲食店の飲食店装置310に、注文情報を出力させる(S23)。
【0146】
<5.ハードウェア構成>
図10を参照して、上述してきた仲介装置100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0147】
図10に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0148】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、仲介装置100の制御部110が備える各機能部などは、メモリ803に一時記憶されたプログラムを、プロセッサ801が実行することにより実現可能である。
【0149】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0150】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、ブランド情報やメニュー情報などの各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0151】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0152】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0153】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線または無線により、ネットワークNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0154】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0155】
なお、上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、上記に述べる各要素を均などなものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0156】
また、上記実施形態で記載された仲介装置が備える構成要素は、記憶装置805に格納されたプログラムがプロセッサ801によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0157】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0158】
[変形例1]
上記実施形態に係る仲介装置100が備える各構成の少なくとも一部は、関係者装置が備えていてもよい。関係者装置は、例えば、インストールされたバーチャルキッチンアプリを実行することでこれらの構成を実現させてもよい。
【0159】
[変形例2]
上記実施形態では、ブランド記憶部および予測記憶部を仲介装置100の記憶部が備える例を示したが、本発明をこれに限る趣旨ではない。例えば、これらの記憶部の少なくとも一部は、外部システム500の外部装置、または関係者装置が備えてもよい。また、これらの記憶部で記憶する情報の少なくとも一部を、例えば、分散型台帳技術(ブロックチェーン技術)を用いて複数の装置で分散管理してもよい。
【符号の説明】
【0160】
1…バーチャルキッチンシステム、100…仲介装置、110…制御部、111…取得部、111a…メニュー取得部、111b…飲食店取得部、112…対応付け部、113…設定部、114…出力部、114a…事業者出力部、115…受付部、116…生成部、117…予測部、118…発注処理部、119…精算処理部、130…記憶部、140…通信部、200…提供者装置、300…飲食事業者装置、400…消費者装置、500…外部システム、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10