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特許7503545粒子及び着色剤を含むポリマー組成物、その調製方法及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】粒子及び着色剤を含むポリマー組成物、その調製方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20240613BHJP
   C08J 3/20 20060101ALI20240613BHJP
   C08J 3/22 20060101ALI20240613BHJP
   C08K 5/08 20060101ALI20240613BHJP
   C08K 5/23 20060101ALI20240613BHJP
   C08L 33/04 20060101ALI20240613BHJP
   C08L 83/00 20060101ALI20240613BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20240613BHJP
   F21V 3/06 20180101ALI20240613BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240613BHJP
【FI】
C08L101/00
C08J3/20 C CEY
C08J3/22
C08K5/08
C08K5/23
C08L33/04
C08L83/00
F21V3/00 320
F21V3/06 110
F21V3/06 130
F21Y115:10
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2021522365
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2019079147
(87)【国際公開番号】W WO2020084108
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】1859963
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510288530
【氏名又は名称】トリンゼオ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ, ブノワ
(72)【発明者】
【氏名】キュルエル, シルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ブロッテス, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ブティリエ, ジャン-マルク
【審査官】宮内 弘剛
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-111612(JP,A)
【文献】特開2012-208465(JP,A)
【文献】特開2016-103017(JP,A)
【文献】特開2018-095722(JP,A)
【文献】特開2004-050607(JP,A)
【文献】特表2019-523326(JP,A)
【文献】特表2020-517756(JP,A)
【文献】特開2005-267971(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0267891(US,A1)
【文献】国際公開第02/00772(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K
C08L
C08J 3/20
C08J 3/22
F21V 3/00
F21V 3/06
F21Y 115/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であること及び着色剤CA からCA が、2,4-ジヒドロ-5-メチル-2-フェニル-4-(フェニルアゾ)-3H-ピラゾール-3-オン;12H-フタロペリン-12-オン、CAS番号[6925-69-5];8,9,10,11-テトラクロロ-12H-フタロペリン-12-オン;3-ヒドロキシ-N-(o-トリル)-4-[(2,4,5-トリクロロフェニル)アゾ]ナフタレン-2-カルボキサミド;1,4-ジアミノ-2,3-ジフェノキシアントラキノン;1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラセン-9,10-ジオン;1,4-ビス(2,4,6-トリメチルアニリノ)-9,10-アントラキノン;1,4-ビス(p-トリルアミノ)アントラキノンから選択されることを特徴とするポリマー組成物PC1。
【請求項2】
ポリマーP1が、(メタ)アクリルポリマーAP1であることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項3】
着色剤の混合物が灰色を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項4】
着色剤の混合物が、CIELABシステムにおける以下の値:20<L<80、-20<a<20、-20<b<20を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項5】
着色剤の混合物がポリマーP1又は(メタ)アクリルポリマーAP1のみとブレンドされた場合、400nm-700nmの波長間隔において均質な規格ASTMD1003に従って測定される光透過率を得ることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項6】
着色剤の混合物がポリマーP1又は(メタ)アクリルポリマーAP1のみとブレンドされた場合、400nm-700nmの波長間隔において10%から30%の間の規格ASTMD1003に従って測定される光透過率を得るように、前記組成物中の着色剤の混合物の量が選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項7】
着色剤CAからCAが着色剤CAからCAの混合物であり、値nが1<n<10であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項8】
着色剤CAからCAが、メタン、ピラゾロン、キノフタロン、ペリノン、アゾ、アントラキノン、クマリンの誘導体であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項9】
光透過率が、着色剤CAからCAを含み、厚さ2mmを有する(メタ)アクリルポリマーAP1のシートでは、400nm-700nmの波長間隔において、5%から40%の間であるように、着色剤CAからCAが選択されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項10】
光透過率の変動が、絶対値の30%未満の間隔で変動することを特徴とする、請求項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項11】
着色剤CAからCAは、1つの着色剤CAが、赤又は黄色又はオレンジ又は緑又は青又は紫であり、他の着色剤CAが、赤又は黄色又はオレンジ又は緑又は青又は紫であるが、着色剤CAとは異なる色を有するように選択され;可能性のあるさらに別の着色剤CAが、赤又は黄色又はオレンジ又は緑又は青又は紫であるが、着色剤CA及びCAとは異なる色を有するように選択され;着色剤Cnまで同様に選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項12】
nがから9の間であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項13】
nが2から6の間であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項14】
ポリマー組成物PC1中の着色剤CAからCAの量が、ポリマーP1に対して10重量ppmから10000重量ppmの間であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項15】
ポリマー組成物PC1が、ポリマー組成物PC1中にすでに存在する着色剤CAからCAのいずれかとも異なる、少なくとも1つの追加の着色剤CBを含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項16】
着色剤が顔料と染料の混合物であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項17】
着色剤が染料の混合物であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項18】
着色剤が顔料の混合物であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項19】
(メタ)アクリルポリマーAP1が、(メタ)アクリルブロックコポリマーMBC又は(メタ)アクリルポリマー組成物MP1であることを特徴とする、請求項2に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項20】
ポリマー粒子PP1が、シリコーン粒子、(メタ)アクリル粒子、スチレン粒子、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項21】
ポリマー粒子PP1が、1μmから100μmの間の重量平均粒径を有することを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1。
【請求項22】
方法が、
i)
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を提供する工程、
ii)3つの成分a)、b)、c)をブレンドする工程
を含むことを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1を製造するための方法。
【請求項23】
ブレンドが配合又は混合によって行われることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
着色剤CAからCAのマスターバッチが使用されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
請求項1から21のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1を変形及び/又は加工することによって物体を作製するための方法。
【請求項26】
変形が、射出成形、共射出成形、表面成形と組み合わせた射出成形、押出成形、共押出成形又は押出/ブロー成形によって行われることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
方法が、
i)請求項1から21のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1を提供する工程
ii)ポリマー組成物PC1を備える照明装置用のカバーを作製する工程
iii)前記カバーを光源と組み合わせる工程
を含む、照明装置を製造するための方法。
【請求項28】
照明用途又は照明装置における請求項1から21のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1の使用。
【請求項29】
物体を作製するための、請求項1から21のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1の使用。
【請求項30】
物体が発光装置用のカバー又はプレートであることを特徴とする、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
請求項1から21のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1から作製された物体。
【請求項32】
請求項1から21のいずれか一項に記載のポリマー組成物PC1を備える照明装置。
【請求項33】
光源としてLEDを備える、請求項32に記載の照明装置。
【請求項34】
LEDが白色LEDであることを特徴とする、請求項33に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー粒子及び着色剤を含むポリマー組成物に関する。
【0002】
特に、本発明は、ポリマー粒子及び着色剤の混合物を含むポリマー(メタ)アクリル組成物に関する。
【0003】
本発明はまた、照明用途における、ポリマー粒子及び着色剤の混合物を含むそのようなポリマー組成物又はポリマー(メタ)アクリル組成物の使用に関する。
【0004】
本発明はまた、ポリマー粒子及び着色剤の混合物を含むポリマー組成物又は(メタ)アクリル組成物を作製するための方法に関する。
【0005】
[技術的課題]
熱可塑性ポリマー、特に(メタ)アクリルポリマーは、照明用途を含め、広く使用されている。これは主に、紫外線や耐候性に優れた、透明度の高いポリマー材料としての特性によるものである。そのため、(メタ)アクリルポリマーは、例えば、ランプ、照明器具、照明カバー、ディスプレイ、照明付き棚、表面、照明標識に使用される。
【0006】
照明用途には、光透過率、拡散力としての(メタ)アクリルポリマー又は(メタ)アクリルポリマーをベースにした組成物に対する様々な要求がある。(メタ)アクリルポリマーをベースとするこれらの組成物は、一般的に、多かれ少なかれ球状粒子を含み、それらはまた、ポリマー粒子又は他の有機粒子又は無機粒子である。
【0007】
さらに、光源を隠し、光源がオンになったときに光又は着色光が透過し、拡散する、光透過率と拡散特性との間に良好な妥協性を有するポリマー組成物を有することも興味深い。最後のポイントは、例えば、光源がオフになっているか、必ずしもオンになっていない昼間だけでなく、光源がオンになっている場合、夜間、又は薄暗がりでも、標識が見えることが要求される、照明用途にとって特に重要である。
【0008】
この妥協点は、ポリマー組成物中のそれぞれの粒子及びポリマー組成物中の着色剤の正しい又は最適な量に基づいている。
【0009】
したがって、光源を隠すことができ、光源がオンになっているときに光又は着色光が透過及び拡散するLEDを備える照明装置において使用することができるポリマー粒子及び着色剤を含むポリマー組成物を有することが重要である。
【0010】
本発明の目的は、照明用途に適したポリマー粒子及び着色剤を含むポリマー組成物を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、同じポリマー組成物を使用することにより、照明源の色とは無関係なアスペクトコントラスト及び/又は色コントラストを与える、照明用途のためのポリマー粒子及び着色剤を含むポリマー組成物を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、組成物が、照明用途で使用され、光源が点灯される場合、前記組成物を備える照明装置が、可視光の波長の全範囲にわたって光を透過させることができる、ポリマー粒子及び着色剤を含むポリマー組成物を提供することである。
【0013】
再び、本発明のさらに別の目的は、光源と、光源が点灯しているときに隠され、可視光の波長の全範囲にわたって光を透過させることができるポリマー粒子及び着色剤を含むポリマー組成物とを備える、発光装置を提供することである。
【背景技術】
【0014】
先行技術
相対拡散力及び隠蔽力を増加させる光の拡散は、通常、組成物に散乱粒子を加えることによって増加する。
【0015】
文献EP1864274は、LEDと拡散シートとを組み合わせた照明装置を開示している。発光装置は、少なくとも1つの発光ダイオードと、発光ダイオードによって放射された光を散乱する粒子が分散されている透明なプラスチックから作製された少なくとも1つのカバーとを備える。
【0016】
文献EP1927098は、白色LEDと拡散シートとを組み合わせた照明装置を開示している。発光装置は、少なくとも1つの白色発光ダイオードと、発光ダイオードによって放射された光を散乱する粒子が分散されている透明なプラスチックから作製された少なくとも1つのカバーとを備える。
【0017】
文献米国特許出願公開第2016/0245954号は、LED照明用の光拡散ブレンド材料を開示している。拡散ブレンドは、無機粒子と有機粒子の混合物を含む。
【0018】
文献国際公開第2004/098857号は、光拡散成形品を製造するための射出成形法を開示している。成形材料は、ポリメチルメタクリレートのマトリックスと、粒子サイズが1から24μmの球形プラスチック粒子を含む。
【0019】
従来技術は、ポリマー粒子と着色剤の混合物を同時に含むポリマー組成物を開示していない。
【発明の概要】
【0020】
驚くべきことに、
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1が、
照明用途において十分な隠蔽力を有し、均質な光拡散を提供することが見いだされている。
【0021】
驚くべきことに、
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1が、
十分な隠蔽力と均質な光拡散を提供する照明用途におけるカバーに適していることが見いだされている。
【0022】
驚くべきことに、
a)ポリマーAP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1が、
十分な隠蔽力と均質な光拡散を提供するための照明用途に使用することができることが見いだされている。
【0023】
また、
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、ポリマー組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1を得るための方法は、
i)
a)(メタ)アクリルポリマーAP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を提供する工程、
ii)3つの成分a)、b)、c)をブレンドする工程
を含み、
前記方法により、照明用途において十分な隠蔽力と均質な光拡散を提供するポリマー組成物を得ることが見いだされている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】光透過率を示す。
図2】正規化された光強度を示す。
図3】正規化された光強度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
第1の態様によれば、本発明は、
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1に関する。
【0026】
第2の態様によれば、本発明は、
a)(メタ)アクリルポリマーAP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1に関する。
【0027】
第3の態様によれば、本発明は、
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、ポリマー組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1を製造するための方法が、
i)
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を提供する工程、
ii)3つの成分a)、b)、c)をブレンドする工程
を含む方法に関する。
【0028】
第4の態様によれば、本発明は、
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
照明用途において、ポリマー組成物PC1において、着色剤が、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1の使用に関する。
【0029】
第5の態様によれば、本発明は、
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1を備える照明装置に関する。
【0030】
さらに別の態様によれば、本発明は、照明装置を製造するための方法であって、
i)
a)ポリマーP1
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1
c)着色剤CAからCA
を含むポリマー組成物PC1であって、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とするポリマー組成物PC1を提供する工程
ii)ポリマー組成物PC1を備える照明装置用のカバーを作製する工程
iii)前記カバーを光源と組み合わせる工程
を含む方法に関する。
【0031】
使用される用語「アルキル(メタ)アクリレート」は、アルキルアクリレートとアルキルメタクリレートの両方を意味する。
【0032】
使用される用語「コポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマーからなるポリマーを意味する。
【0033】
本明細書で使用される用語「部」は、「重量部」を意味する。
【0034】
使用される用語「熱可塑性ポリマー」は、加熱時に、液体に変化するか、又はより多くの流動性若しくはより少ない粘度を有するポリマー、及び熱と圧力の適用により新しい形状をとることができるポリマーを意味する。
【0035】
本発明で使用される用語「(メタ)アクリルポリマー」は、(メタ)アクリルポリマー内部のアクリル又はメタクリルモノマーの重量比が少なくとも50重量%であるポリマーを意味する。
【0036】
本発明で使用される用語「PMMA」は、メチルメタクリレート(MMA)のホモポリマー又はコポリマーを意味し、MMAのコポリマーの場合、PMMA内部のMMAの重量比は少なくとも50重量%である。
【0037】
使用される用語「マスターバッチ」は、担体材料中に高濃度の添加剤を含む組成物と理解される。添加剤は、担体材料中に分散している。
【0038】
本発明においてxからyの範囲とは、この範囲の上限及び下限が含まれることを意味し、少なくともxからyまでと等しい。
【0039】
本発明においてxからyの間の範囲とは、この範囲の上限及び下限が除外されることを意味し、x超y未満と等しい。
【0040】
本発明によるポリマー組成物PC1に関して、それは、ポリマーP1、1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、及び着色剤CAからCAを含み、該着色剤は、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とする。言い換えれば、ポリマー組成物PC1には、少なくとも2つの異なる着色剤CA及びCAが存在する。
【0041】
ポリマーP1は、(メタ)アクリルポリマー、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル(PCV)、環状オレフィンコポリマー、スチレンメチルメタクリレート(SMMA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びそれらの混合物から選択できる。
【0042】
好ましくは、ポリマーP1は、(メタ)アクリルポリマーから選択され、その結果、ポリマーP1は、(メタ)アクリルポリマーAP1である。
【0043】
第1の好ましい実施態様では、ポリマー組成物PC1は、a)(メタ)アクリルポリマーAP1、b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1及びc)着色剤CAからCAを含み、粒子PP1が、成分a)、b)及びc)を含むポリマー組成物PC1の0.05重量%から50重量%の間を占めることを特徴とする。しかしながら、成分b)の粒子の重量比は、2つの成分a)とb)のみの合計に基づいて計算される。より好ましくは、第1の好ましい実施態様によれば、粒子PP1は、2つの成分a)とb)のみの合計に基づいて計算される、組成物PC1の0.1重量%から40重量%の間、さらにより好ましくは0.7重量%から30重量%の間、有利には0.8重量%から20重量%の間を占める。
【0044】
a)及びb)を含む組成物の厚さ3mmのシートの光透過率は、少なくとも80%である。光透過率は、規格ASTMD1003に従って測定される。
【0045】
第2の好ましい実施態様では、ポリマー組成物PC1は、ポリマー組成物PC1中にすでに存在する着色剤CAからCAのいずれかと異なる場合、少なくとも1つの追加の着色剤CBを含む。
【0046】
第3の好ましい実施態様では、ポリマー組成物PC1は、a)(メタ)アクリルポリマーAP1、b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、及びc)着色剤CAからCA及び、ポリマー組成物PC1中にすでに存在する着色剤CAからCAのいずれかと異なる場合、少なくとも1つの追加の着色剤CBを含み、粒子PP1は、2つの成分a)及びb)のみの合計に基づいて計算される、成分a)、b)及びc)を含むポリマー組成物PC1の0.05重量%から50重量%の間を占めることを特徴とする。
【0047】
(メタ)アクリルポリマーAP1に関しては、それは(メタ)アクリルブロックコポリマーMBC又は(メタ)アクリルポリマーMP1である。
【0048】
第1の好ましい実施態様では、(メタ)アクリルポリマーAP1は、(メタ)アクリルポリマー組成物MP1である。
【0049】
(メタ)アクリルポリマー組成物MP1は、アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー由来の、少なくとも50重量%のモノマーを含む重合ポリマー鎖を含む。(メタ)アクリルポリマーはまた、2つ以上の(メタ)アクリルポリマーMP1からMPxの混合物であり得る。
【0050】
アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、アルキルアクリルモノマー、アルキルメタクリルモノマー及びそれらの混合物から選択される。
【0051】
好ましくは、モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アルキルアクリルモノマー、アルキルメタクリルモノマー及びそれらの混合物、直鎖状、分枝状又は環状のいずれかの1から22個の炭素を有するアルキル基;好ましくは、直鎖状、分枝状又は環状のいずれかの1から12個の炭素を有するアルキル基から選択される。
【0052】
有利には、(メタ)アクリルモノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート及びこれらの混合物から選択される。
【0053】
(メタ)アクリルポリマーAP1が、そのポリマー鎖中にアクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー由来の、少なくとも50重量%のモノマーを含む限り、他のコモノマーをアクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーと共重合させることができる。他のコモノマーは、スチレン又はスチレン誘導体などのスチレン系モノマー、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどのビニルエステルから選択することができる。これらのコモノマーの量は、0重量%から50重量%、好ましくは0重量%から40重量%、より好ましくは0重量%から30重量%、有利には0重量%から20重量%である。
【0054】
第1の好ましい実施態様では、(メタ)アクリルポリマー組成物MP1は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、有利には少なくとも70重量%、より有利には少なくとも80重量%のメチルメタクリレートを含む、メチルメタクリレート(MMA)のホモポリマー又はコポリマーである。
【0055】
メチルメタクリレート(MMA)のコポリマーは、50重量%から99.9重量%のメチルメタクリレートと、0.1から50重量%の、メチルメタクリレートと共重合することができる少なくとも1つのエチレン不飽和を有する少なくとも1つのモノマーを含む。
【0056】
これらのモノマーはよく知られており、アクリル酸及びメタクリル酸、並びに、特にアルキル基が1から12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。例として、メチルアクリレート、エチル、ブチル又は2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートを挙げることができる。好ましくは、コモノマーは、アルキル基が1から4個の炭素原子を有するアルキルアクリレートである。
【0057】
第1のより好ましい実施態様によれば、メチルメタクリレート(MMA)のコポリマーは、80重量%から99.8重量%、有利には90重量%から99.7重量%、より有利には90重量%から99.5重量%のメチルメタクリレート、及び0.2重量%から20重量%、有利には0.3重量%から10重量%、より有利には0.5重量%から10重量%の、メチルメタクリレートと共重合可能な少なくとも1つのエチレン性不飽和を有する少なくとも1つのモノマーを含む。好ましくは、コモノマーは、メチルアクリレート又はエチルアクリレート又はこれらの混合物から選択される。
【0058】
(メタ)アクリルポリマー組成物MP1は、ISO 1133によるメルトフローインデックス(MFI)(230℃/3.8kg)が、0.1g/10分から20g/10分の間である。好ましくは、メルトフローインデックスは0.2g/10分から18g/10分の間であり、より好ましくは0.3g/10分から16g/10分の間であり、有利には0.4g/10分から13g/10分の間である。
【0059】
(メタ)アクリルポリマー組成物MP1は、1.46から1.52の間、好ましくは1.47から1.52の間、より好ましくは1.48から1.52の間の屈折率を有する。
【0060】
(メタ)アクリルポリマー組成物MP1は、ASTM D-1003(厚さ3mmのシート)による光透過率が少なくとも85%、好ましくは86%、より好ましくは87%である。
【0061】
(メタ)アクリルポリマー組成物MP1は、少なくとも90℃のビカット軟化温度を有する。ビカット軟化温度は、ISO 306:2013(B50法)に従って測定される。
【0062】
本発明による組成物は、(メタ)アクリルポリマーMP1のほかに、(メタ)アクリルポリマーMP2も含むことができる。(メタ)アクリルポリマーMP1と(メタ)アクリルポリマーMP2は、混合物又はブレンドを形成する。この混合物又はブレンドは、MMAの少なくとも1つのホモポリマーと少なくとも1つのコポリマーからなるか、又は異なる平均分子量を有するMMAの少なくとも2つのホモポリマー若しくはコポリマーの混合物、又は異なるモノマー組成を有するMMAの少なくとも2つのコポリマーの混合物からなる。
【0063】
第2の好ましい実施態様によれば、(メタ)アクリルポリマーAP1は、(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCである。
【0064】
(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは、アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー由来の、少なくとも50%のモノマーを含む。
【0065】
(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは、20℃未満、好ましくは10℃未満、より好ましくは0℃未満、有利には-5℃未満、より有利には-10℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1つのブロックを含む。
【0066】
好ましくは、(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは、(メタ)アクリルブロックである少なくとも1つのブロックを含む。これは、このブロック内部のモノマーの少なくとも50重量%が、重合されたアルキル(メタ)アクリレートモノマーであることを意味する。
【0067】
最も好ましくは、(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは、(メタ)アクリルブロックコポリマーMBC内部に、少なくとも50重量%の、重合されたアルキル(メタ)アクリレートモノマーであるモノマーを含む。
【0068】
(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは、一般式(A)Bを有し、式中、
・ nは1以上の整数であり、
・ Aは、50℃を超える、好ましくは80℃を超えるTgを有するアクリル若しくはメタクリルホモ-又はコポリマー、又はポリスチレン、又はアクリル/スチレン若しくはメタクリル/スチレンコポリマーである。好ましくは、Aは、メチルメタクリレート(MMA)、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート又はイソボルニルメタクリレートから選択される。好ましくは、ブロックAは、アクリル又はメタクリルコモノマーで修飾されたPMMA又はPMMAである;
・ Bは、20℃未満のTgを有するアクリル若しくはメタクリルホモ又はコポリマーであり、好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート(BuA)、エチルヘキシルアクリレート、スチレン(Sty)又はブチルメタクリレート、より好ましくはブチルアクリレートから選択されるモノマーを含み、前記モノマーは、Bの少なくとも50重量%、好ましくは70重量%を構成する。
【0069】
有利には、(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは非晶質である。
【0070】
好ましくは、ブロックAにおいて、モノマーは、メチルメタクリレート(MMA)、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、スチレン(Sty)若しくはアルファ-メチルスチレン又はそれらの混合物から選択される。より好ましくは、ブロックAは、アクリル若しくはメタクリルコモノマー又はポリスチレン(PS)又はスチレンコモノマーで修飾されたPSと共重合されたPMMA又はPMMAである。
【0071】
好ましくは、ブロックBは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート(BuA)、エチルヘキシルアクリレート又はブチルメタクリレート及びそれらの混合物、より好ましくはブチルアクリレートから選択されるモノマーを含み、前記モノマーは、ブロックBの少なくとも50重量%、好ましくは70重量%を構成する。
【0072】
さらに、ブロックA及び/又はBは、当業者に知られている様々な化学官能基、例えば、酸、アミド、アミン、ヒドロキシル、エポキシ又はアルコキシ官能基を有する他のアクリル又はメタクリルコモノマーを含むことができる。ブロックAは、その温度安定性を高めるために、アクリル酸又はメタクリル酸(MAA)などの基を組み込むことができる。
【0073】
ブロックAの屈折率を不一致にするために、スチレンのようなコモノマーをブロックBに組み込むこともできる。
【0074】
好ましくは、前記熱可塑性アクリルブロックコポリマーは、ABA、AB、AB及びABから選択される構造を有する。
【0075】
(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは、例えば、以下のトリブロックコポリマーうちの1つであり得る:pMMA-pBuA-pMMA、p(MMAcoMAA)-pBuA-p(MMAcoMAA)、p(MMAcoMAA)-p(BuAcoSty)-p(MMAcoMAA)及びp(MMAcoAA)-pBuA-p(MMAcoAA)。第1の好ましい実施態様では、(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは、p(MMAcoMAA)-p(BuAcoSty)-p(MMAcoMAA)である。
【0076】
当業者には、PMMAタイプのポリマーは、その温度安定性を改善するために、少量のアクリレートコモノマーを含むことができることが知られている。小量とは、ポリマーの9重量%未満、好ましくは7重量%未満、より好ましくは6重量%未満を意味する。
【0077】
ブロックBは、ブロックコポリマーMBCの総重量の10%から85%、好ましくは15%から80%を占める。
【0078】
ブロックBは、10000g/モルから500000g/モルの間、好ましくは20000g/モルから300000g/モルの間の重量平均モル質量を有する。重量平均モル質量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定することができる。
【0079】
(メタ)アクリルブロックコポリマーは、制御ラジカル重合(CRP)によって、又はアニオン重合によって得ることができ;製造されるコポリマーの種類に応じて最適な方法が選択されるであろう。
【0080】
好ましくは、(A)Bタイプの(A)Bタイプの(メタ)アクリルブロックコポリマーの場合は、特に窒素酸化物の存在下でのCRP、トリブロックコポリマーMAMなどのABAタイプの構造体の場合は、アニオン性又はニトロキシドラジカル重合となるであろう。制御ラジカル重合は、ブロックコポリマーを得るための文書、すなわち国際公開第03/062293号に記載されている。
【0081】
(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCは、押出成形又は射出成形によって物体の形に変形させることができる。
【0082】
第3の好ましい実施態様によれば、(メタ)アクリルポリマーAP1は、(メタ)アクリルブロックコポリマーMBCと(メタ)アクリルポリマーMP1とのブレンドである。
【0083】
ポリマー粒子PP1に関して、それは、1μmから100μmの間の重量平均粒径、好ましくは1μmから90μmの間、より好ましくは1μmから80μmの間、有利には1μmから70μmの間、最も有利には1μmから60μmの間の重量平均粒径を有する。
【0084】
ポリマー粒子PP1はまた、異なる種類の粒子の混合物であり得る。いずれも、重量平均粒径が1μmから100μmの範囲内にある限り、異なる重量平均粒径を有する同じ化学的性質の粒子であってもよい。また、いずれも、重量平均粒径が1μmから100μmの範囲内にある限り、同じ又は異なる重量平均粒径を有する異なる化学的性質の粒子であってもよい。
【0085】
ポリマー粒子PP1に関して、それらは、シリコーン粒子、(メタ)アクリル粒子、スチレン粒子及びそれらの混合物から選択することができる。粒子は、架橋されていてもよいし、部分的に架橋されていてもよい。ポリマー粒子PP1は、異なる種類の粒子の混合物であり得る。
【0086】
ポリマー粒子PP1としてのポリマーシリコーン粒子に関して、それは1μmから20μmの間の重量平均粒径を有する。第1の好ましい実施態様では、シリコーン粒子PP1は、シリコーン-酸素骨格鎖を有するポリシロキサン鎖を含む。
【0087】
ポリマーシリコーン粒子PP1は、1.30から1.45の間、好ましくは1.35から1.45の間、有利には1.36から1.44の間の屈折率を有する。
【0088】
第1の好ましい実施態様では、ポリマーシリコーン粒子PP1の重量平均粒径は、好ましくは1μmから15μmの間であり、より好ましくは1μmから8μmの間、さらにより好ましくは1μmから7μmの間、さらにより好ましくは1μmから6μmの間、有利には1μmから5μmの間、より有利には1μmから4μmの間である。
【0089】
ポリマーシリコーン粒子PP1の粉末のかさ密度は、0.1g/mlから0.5g/mlの間、好ましくは0.151g/mlから0.47g/mlの間である。
【0090】
ポリマーシリコーン粒子PP1は、例えば、米国特許出願公開第2008/124549号に従って調製することができる。
【0091】
ポリマーシリコーン粒子はまた、全てのシリコーン粒子が前述の特性を有する限り、2つ以上の異なるシリコーン粒子PP1a、PP1b…のブレンドであり得る。
【0092】
ポリマー粒子PP1としてのポリマー(メタ)アクリル粒子に関して、それらは、1μmから100μmの間の重量平均粒径を有し、ポリマー粒子PP2のポリマー鎖中にアクリル及び/又はメタクリルモノマーに由来するモノマーを少なくとも50重量%含む。
【0093】
第1の好ましい実施態様では、ポリマー(メタ)アクリル粒子PP1は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、有利には少なくとも65重量%、及びより有利には少なくとも70重量%のメチルメタクリレートを含む、メチルメタクリレート(MMA)のホモ又はコポリマーである。
【0094】
ポリマー(メタ)アクリル粒子PP1の重量平均粒径は、好ましくは1μmから90μmの間、より好ましくは2μmから80μmの間、有利には2μmから60μmの間である。
【0095】
好ましくは、ポリマー(メタ)アクリル粒子PP1は架橋されている。(メタ)アクリル粒子PP1中の架橋剤の重量比は5重量%未満である。架橋剤は、好ましくは、少なくとも1つのアクリル又はメタクリル官能基と、同様に重合することができる第2の二重結合とを有する有機化合物から選択される。
【0096】
ポリマー(メタ)アクリル粒子PP1は、1.49から1.56の間、好ましくは1.50から1.55の間の屈折率を有する。
【0097】
ポリマー(メタ)アクリル粒子PP1は、懸濁重合に従って調製することができる。
【0098】
ポリマー(メタ)アクリル粒子はまた、全ての粒子が前述の特性を有する限り、2つ以上の異なる(メタ)アクリル粒子PP1a、PP1b…のブレンドであり得る。
【0099】
着色剤CA又はCAからCAに関して、それは、顔料又は染料、或いは顔料と染料の混合物であり得る。顔料は、無機顔料又は有機顔料であり得る。
【0100】
第1の好ましい実施態様では、着色剤CA又はCAからCAは、顔料と染料の混合物である。
【0101】
第2の好ましい実施態様では、着色剤CA又はCAからCAは、染料の混合物である。
【0102】
第3の好ましい実施態様では、着色剤CA又はCAからCAは、顔料の混合物である。
【0103】
着色剤CAは、n>1である着色剤CAからCAの混合物である。好ましくは、値nは1<n<10であり、より好ましくは1<n<9であり、より好ましくは、nは自然数である。
【0104】
第1のさらにより好ましい実施態様では、値nは1<n<8である。
【0105】
第2のさらにより好ましい実施態様では、値nは2<n<9である。
【0106】
第3のさらにより好ましい実施態様では、値nは2<n<8である。
【0107】
第4のさらにより好ましい実施態様では、値nは1<n<6である。
【0108】
第5のさらにより好ましい実施態様では、値nは2<n<6である。
【0109】
着色剤CAからCAは、1つの着色剤CAが、赤又は黄色又はオレンジ又は緑又は青又は紫であり、他の着色剤CAが、赤又は黄色又はオレンジ又は緑又は青又は紫であるが、着色剤CAとは異なる色を有するように選択され;可能性のあるさらに別の着色剤CAが、赤又は黄色又はオレンジ又は緑又は青又は紫であるが、着色剤CA及びCAとは異なる色を有するように選択され;着色剤Cnまで同様に選択される。
【0110】
第1の好ましい実施態様では、着色剤CAからCAは、全て異なる色を有する。
【0111】
着色剤CAからCAの混合物は、好ましくは灰色を生じる。着色剤CAからCAの混合物は、好ましくは、以下の値:20<L<80、-20<a<20、-20<b<20、より好ましくは30<L<70、-10<a<10、-10<b<10、さらにより好ましくは30<L<70、-5<a<5、-5<b<5を有する。
【0112】
3つの値L、a、bは、CIELABシステムにおける主色を特徴づけるために使用される。Lは明度を表し、0(黒)から100(白)に及ぶ。値aは、色の赤及び緑を測定し、緑に向かう色は負のa値を有し、赤に向かう色は正のa値を有する。b値は、色の青及び黄色を測定し、黄色に向かう色は正のb値を有し、青に向かう色は負のb値を有する。L、a、b値は、スペクトル比色計(特に規格ASTM E308による)を使用して測定される。
【0113】
着色剤CAからCAの混合物は、ポリマーP1としての透明材料とブレンドされたときに、着色剤を含む透明材料から作製されたシートが、400nmから700nmの可視光の全スペクトルにわたって均質に吸収するように選択される。均質とは、光透過率の変動が小さく、絶対値の30%未満の間隔でのみ変動することを意味する。好ましくは、この変動は25%未満、有利には20%未満である。これは、例えば(メタ)アクリルポリマーAP1について図1に示されている。最高値は19%、最低値は9%であり、これにより、光透過率の絶対値の10%の変動をもたらす。
【0114】
好ましくは、光透過率は、着色剤CAからCAを含み、厚さ2mmを有する(メタ)アクリルポリマーAP1のシートでは、400nm-700nmの波長間隔において、5%から40%の間、より好ましくは10%から30%の間である。
【0115】
ポリマー用の着色剤は知られており、例えば、Lanxess、Clariant、Synthesia、又はBASFの顔料及び染料用の製品ラインから選択することができる。LanxessのMACROLEX(登録商標)染料には、Yellow 6G Gran、Yellow 3G Gran、Yellow G Gran、Yellow E2R Gran、Orange 3G Gran、Orange R Gran、Red E2G Gran、Red A、Red EG Gran、Red B、Red 5B Gran、Violet、3R Gran、Violet B Gran、Blue 3R、Blue RR Gran、Green 5B Gran及びGreen Gがある。ClariantのSolvaperm(登録商標)染料とPolysynthren(登録商標)ポリマー着色剤には、Yellow 3G、Yellow 2G、Orange 3G、Red 2G、Red G、RED PFS、RED BB、Red Violet R、Violet RSB、Blue 2B、Green、GSB、Green G、Yellow GG、Yellow NG、Red GFP、Violet G、Blue R、Blue RLS、Brown 3RL及びBrown Rがある。
【0116】
着色剤は、例えば、メタン、ピラゾロン、キノフタロン、ペリノン、アゾ、アントラキノン、クマリンの誘導体である。
【0117】
着色剤は、例えば、
2,4-ジヒドロ-5-メチル-2-フェニル-4-(フェニルアゾ)-3H-ピラゾール-3-オン、CAS番号[4314-14-1];
12H-フタロペリン-12-オン、CAS番号[6925-69-5];
8,9,10,11-テトラクロロ-12H-フタロペリン-12-オン、CAS番号[20749-68-2];
3-ヒドロキシ-N-(o-トリル)-4-[(2,4,5-トリクロロフェニル)アゾ]ナフタレン-2-カルボキサミド、CAS番号[6535-46-2];
1,4-ジアミノ-2,3-ジフェノキシアントラキノン、CAS番号[6408-72-6];
1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラセン-9,10-ジオン、CAS番号[81-48-3];
1,4-ビス(2,4,6-トリメチルアニリノ)-9,10-アントラキノン、CAS番号[116-75-6];
1,4-ビス(p-トリルアミノ)アントラキノン[128-80-3]
であり得る。
【0118】
ポリマー組成物PC1中の着色剤CAからCAの量は、ポリマーP1に対して10重量ppmから10000重量ppmの間、好ましくは20重量ppmから8000重量ppmの間、より好ましくは50重量ppmから5000重量ppmの間である。それぞれの着色剤の量は、着色剤CAからCAの混合物が、前に定義したように、好ましくは灰色を有し、着色剤CAからCAの混合物をポリマーP1としての透明材料とブレンドされたときに、着色剤を含む透明材料から作られたシートが、前に定義したように、400nmから700nmの可視光の全スペクトルにわたって均質に吸収するように選択される。
【0119】
着色剤の量は、その相対的な色(色合い)の強さの関数に基づいて選択される。この値は、市販のパンフレット又は材料データシート(DIN 53235に準拠し、SD1/3-国際標準の深さ1/3に縮小した色合いで表される)に見出すことができる。
【0120】
着色剤CBに関して、第2の好ましい実施態様のポリマー組成物PC1又は第3の好ましい実施態様のポリマー組成物PC1は、顔料若しくは染料、又は顔料と染料の混合物であり得る。顔料は、無機顔料又は有機顔料であり得る。着色剤CBは、着色剤CAからCAと同じ着色剤から選択することができる。
【0121】
本発明によるポリマー組成物PC1を調製するための方法に関して、それは、成分a)、b)及びc)を提供し、ブレンドする工程を含む。
【0122】
より詳細には、ポリマー組成物PC1を製造するための方法であって、前記組成物PC1が、
a)ポリマーP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、
c)着色剤CAからCA
を含み、
着色剤が、組成物PC1において、n>1である着色剤CAからCAの混合物であることを特徴とし;
前記方法が、
i)
a)ポリマーAP1、
b)1μmから100μmの間の重量平均粒径を有するポリマー粒子PP1、及び
c)着色剤CAからCA
を提供する工程、
ii)3つの成分a)、b)、c)をブレンドする工程
を含む方法に関する。
【0123】
ブレンドは、化合物b)を最初に化合物a)に添加し、その後に化合物c)を添加するか、又は化合物c)を最初に化合物a)に添加し、その後に化合物b)を添加するか、又は化合物b)とc)を同時に一緒に添加するかのうちの任意の順序で行うことができる。
【0124】
任意選択で、着色剤CBを添加する。
【0125】
好ましくは、本方法のブレンド工程ii)は、配合又は混合によって行われる。
【0126】
成分a)、b)及びc)並びにそれらの好ましい実施態様は、前に定義したものと同じである。
【0127】
ポリマー組成物PC1を製造するための前記方法は、好ましくは、着色剤CAからCAのマスターバッチ又は液体色を使用する。マスターバッチ又は液体色は、100重量ppmから50重量%の着色剤を含む。
【0128】
ポリマー組成物PC1を調製するための方法の第1の好ましい実施態様では、マスターバッチが使用される。
【0129】
ポリマー組成物PC1を調製するための第2の好ましい実施態様では、液体色が使用される。液体色濃縮物の例は、文献米国特許出願公開第2009/0156732号に記載されている。
【0130】
さらなる態様によれば、本発明は、本発明によるポリマー組成物PC1を変形及び/又は加工することによって物体を作製するための方法に関する。
【0131】
変形は、射出成形、共射出成形、表面成形と組み合わせた射出成形、押出成形、共押出成形又は押出/ブロー成形によって行うことができる。好ましくは、変形は、射出成形又は押出成形によって行われる。
【0132】
変形方法は、同じポリマー組成物を使用することにより、ポリマー粒子及び着色剤を含むポリマー組成物の発光効果、すなわち、照明源の色とは無関係なアスペクトコントラスト及び/又は色コントラストに影響を及ぼさない。
【0133】
物体を作製するための方法の第1の好ましい実施態様では、射出成形によって作製される。成形物体が得られる。
【0134】
本発明による成形物体を作製するための方法は、以下の工程
- ポリマーP1、ポリマー粒子PP1及び着色剤を含むポリマー組成物PC1を溶融する工程
- 溶融組成物を鋳型に注入する工程
- 少なくとも鋳型が溶融組成物で完全に満たされるまで、鋳型に圧力を加える工程
を含む。
【0135】
物体を作製するための方法の第2の好ましい実施態様では、変形方法は、押出成形によって行われる。
【0136】
本発明による成形物体を作製するための方法は、以下の工程
- ポリマーP1、ポリマー粒子PP1及び着色剤を含むポリマー組成物PC1を押出機に供給する工程、
- 押出機中で(メタ)アクリルコポリマーを含む組成物を溶融する工程
- 溶融組成物を押し出す工程
を含む。
【0137】
物体を作製するための方法の第3の好ましい実施態様では、オーバーモールドを含む射出成形によって作製される。
【0138】
さらに別の態様によれば、本発明は、物体又は成形物体を作製するためのポリマー組成物PC1の使用に関する。
【0139】
本発明による組成物PC1は、物体若しくは成形物体若しくは物品を作製するために使用することができ、又は物品の一部として使用することができる。好ましくは、本発明による組成物から作製された成形物体若しくは物品、又は物品の一部として使用されるものは、50μmを超える、より好ましくは100μmを超える、さらにより好ましくは500μmを超える厚さを有する。
【0140】
本発明による方法によって得られた組成物PC1は、物品若しくは物体に直接変形するために使用することができ、又は物品若しくは物体の一部であり得る。
【0141】
さらに別の態様によれば、本発明は、本発明によるポリマー組成物PC1から作製される物体又は成形物体に関する。
【0142】
本発明の物体又は成形物体は、シート、ブロック、フィルム、チューブ、又はプロファイル要素の形態であり得る。好ましくは、成形された物体は、平坦であっても、わずかに曲がっていても、湾曲していてもよいシートである。
【0143】
物体又は成形物体又は物品の例は、発光装置用のカバー又はプレートである。
【0144】
一実施態様では、成形物体は、光源用のカバーである。カバーは、一般に、0.001cmから15cmの間、好ましくは0.01cmから10cmの間、より好ましくは0.05cmから7cmの間、より好ましくは0.1cmから5cmの間、さらにより好ましくは0.2cmから4cmの間の厚さを有する。
【0145】
さらに、本発明の別の態様によれば、本発明によるポリマー組成物PC1から得られる組成物は、点光源のためのカバーとして使用することができる。光源とカバーは、照明装置を形成する。カバーは、単層であってもよいし、多層構造であってもよい。カバーは、0.1cmから50cmの間、好ましくは1から40cmの間、好ましくは2から20cmの間、さらにより好ましくは3から20cmの間の距離だけ光源から分離されている。
【0146】
さらに別の実施態様では、照明装置は、本発明によるポリマー組成物PC1を備える。
【0147】
発光装置又は照明装置は、光源を備える。好ましくは、光源はLEDである。光源は、白色又は着色LEDとすることができる。
【0148】
組成物PC1の第1の好ましい実施態様によるポリマー組成物PC1を備える照明装置の場合、光源は、白色であっても着色されていてもよい。
【0149】
組成物PC1の第2又は第3の好ましい実施態様によるポリマー組成物PC1を備える照明装置の場合、光源は、好ましくは白色光源である。
【0150】
本発明による照明装置は、例えば、以下のような様々な用途を有する:
- 屋内照明(アンビエント照明、リビングルームランプ、オフィスランプなど);
- 屋外照明(街灯、公園又は庭のランプ);
- 家電用照明又はディスプレイ;
- 電気用品及び電子用品用の照明又はディスプレイ
- 広告表示;
- 照明標識(この場合、カバーは、特に、文字、数字、記号又は任意の他の標識の形態を有し得る);
- 産業用照明;
-自動車の室内照明(シグネチャー照明、アンビエント照明、表示標識、インストルメントパネル、インテリアディスプレイ);
-自動車の外部照明、例えば、発光装置は、ヘッドランプ、デイランニングライト(DRL)、フォグランプ、リアランプ、方向指示器、ストップライト、シグネチャーライト、又は外部ディスプレイであり得る。
【0151】
方法
ポリマーの光学特性は、以下の方法に従って測定される:光透過率及びヘイズは、規格ASTM D1003に従い、成形サンプルについて厚さ2mmのシートで測定される。BYK-Gardnerのヘイズガードプラス装置を使用する。光沢は、ASTM D523に従って測定される。
【0152】
屈折率は、屈折計を用いて測定される。
【0153】
粒子サイズ:粒子径は、コールターカウンターを用いてレーザー回折によって測定される。
【0154】
3つの値L、a、bは、光源がオフの場合は反射法により、光源がオンの場合は透過法により、色分光法により測定される。BYK-Gardnerの色分光計「Color Sphere」を使用する。
【実施例
【0155】
ポリマーP1の(メタ)アクリルポリマーAP1として、メルトフローインデックスが8g/10分のメチルメタクリレートのコポリマーを使用する。
【0156】
第1のポリマー粒子PP1bとして、Rohm and HaasのParaloid EXL5137を使用する。重量平均粒径は4μmから6μmであり、5μmの重量平均粒径を有するバッチを使用した。
【0157】
実施例における第2のポリマー(メタ)アクリル粒子PP1aとして、一般に35μmから60μmの間の重量平均粒径を有するALTUGLAS BS110からの市販品を使用し、50μmの重量平均粒径を有するバッチを使用した。
【0158】
着色剤:着色剤はマスターバッチ:MBgris及びMB Red 18242の形態で添加される。MBgrisは、3つの着色剤CAからCAを含む灰色を有するマスターバッチである。
【0159】
着色剤CA1:BASFのRedSolvent 135、CAS[20749-68-2]、8,9,10,11-テトラクロロ-12h-フタロペリン-12-オン
【0160】
着色剤CA2:BASFのSolvent Green 28、CAS[28198-05-2]、1,4-ビス[(4-ブチルフェニル)アミノ]-5,8-ジヒドロキシ-アントラセン-9,10-ジオン
【0161】
着色剤CA3:Violet solvent 13、CAS[81-48-3]、1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラセン-9,10-ジオン
【0162】
着色剤CB1は、赤色マスターバッチRED18242である。
【0163】
着色剤CA1からCA3は、マスターバッチMB1中に、総着色剤2500ppmの重量レベルで一緒にブレンドされる。このマスターバッチMB1は灰色であり、3.7phrで(メタ)アクリルポリマーAP1とブレンドされた場合、厚さ3mmのシートは、400nm-700nmの波長間隔にわたって10%から20%の間の光透過率を有する。これを図1に示す。
【0164】
例1及び2は、3.7phrの灰色マスターバッチMB1とブレンドした表1に示す組成を有する。例3及び4は、それぞれ1及び2と同じ組成を有するが、さらに1phrの着色剤CB1のマスターバッチを含む。比較例は、任意の着色剤を含まない。
【0165】
【0166】
それぞれのサンプルの組成物を、100mm*100mm、厚さ2mm及び3mmを有するシートに変形する。
【0167】
これらのシートは、4つのLED光源を含む100mm*100mm*100mmの立方体内の拡散シートとして使用され、LED光源は拡散プレートから30mmの距離を有するように配置される。輝度又は発光を測定する。
【0168】
図2は、例1(ひし形)と例2(三角形)の3mmのシートの光透過スペクトルと、ピークで100に正規化されたLED(正方形)のスペクトルの比較を示す。この図は、LEDのスペクトルが拡散シートによって影響されないこと、及び拡散光の色が、白色又は着色LEDを使用した場合、光源の色と同一であることを証明している。
【0169】
図3は、例3(ひし形)と例4(三角形)の3mmのシートの光透過率のスペクトルと、ピークで100に正規化されたLED(正方形)のスペクトルの比較を示す。この図は、白色LEDを使用した場合、拡散シートによって赤色光が透過することを証明している。
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
例1及び2では、明度値Lの有意な変動が、色成分a及びbの非常に低い変動と共に観察される。これは、暗から明への変化に対応する。
【0174】
赤色着色剤を含む例3及び4では、明度値Lの非常に低い変動が、色成分a及びbの非常に大きな変動と共に観察される。これは、光源がない状態では色がほとんど見えず、光源をオンにすると赤色が見えることに対応する。
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
例1から4は、厚さ2mmのシートと同じ性能を示す。3mmの比較例はすでに高い輝度を示しているので、暗から明への変化は得られない。
【0179】
また、例1から4までの組成物の2mmのシートを、押出成形、射出成形、及びオーバーモールド射出成形によって調製した。オーバーモールドは、ALTUGLASからの1mmの純粋な(メタ)アクリル樹脂V825Tを用いて行った。
【0180】
規格ASTM D523に基づく60°での光沢を測定する。
【0181】
【0182】
表8の例は、本発明による組成物の変形方法に従って光沢を変化させることができることを示す。押出成形により低光沢、射出成形により中光沢。高光沢を得るためには、サンプルをオーバーモールドする必要がある。
図1
図2
図3