(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】真空ポンプ用シール
(51)【国際特許分類】
F16J 15/10 20060101AFI20240613BHJP
F16J 15/40 20060101ALI20240613BHJP
F16L 23/08 20060101ALI20240613BHJP
F16L 23/02 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
F16J15/10 C
F16J15/10 G
F16J15/10 B
F16J15/40 Z
F16L23/08
F16L23/02 D
(21)【出願番号】P 2021526798
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(86)【国際出願番号】 GB2019053205
(87)【国際公開番号】W WO2020099859
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-11-09
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】グラハム インゴ スティーブン
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-500496(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0130881(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/10
F16J 15/40
F16L 23/08
F16L 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側シールキャリアと外側シールキャリアとの間に位置決めされたシール要素を含む真空ポンプに使用されるシールであって、前記内側シールキャリア及び前記外側シールキャリアは、前記シール要素の内面及び外面にそれぞれ位置付けられ、前記シール要素並びに内側及び外側シールキャリアの各々は、実質的にドーナツ形状であり、前記外側シールキャリアは、前記シール要素を適切な位置に保持する保持手段を含み、前記内側シールキャリアは、前記シール要素に隣接する表面に位置付けられた少なくとも1つの凹部を含み、前記シール要素は、内面に
複数の突起部を含み、前記突起部は、前記内側シールキャリアの少なくとも1つの凹部の中に延びる、ことを特徴とするシール。
【請求項2】
前記シール要素は、少なくとも3つの突起部を含む、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記少なくとも1つの凹部は、前記シール要素に隣接する前記内側シールキャリアの外面の周りに延びる連続溝を含む、請求項1から
2のいずれかに記載のシール。
【請求項4】
前記
複数の突起部及び前記少なくとも1つの凹部の寸法は、使用時、前記シールが圧縮される場合に、前記
複数の突起部が、前記少なくとも1つの凹部の中に更に延びるようになっている、請求項1から
3のいずれかに記載のシール。
【請求項5】
前記シール要素並びに前記内側及び外側シールキャリアの各々は、少なくとも約190℃
又は約200℃~約250℃の温度に耐える材料で構成される、請求項1から
4のいずれかに記載のシール。
【請求項6】
前記シール要素は、エラストマー
又はシリコーン系ポリマーで構成される、請求項1から
5のいずれかに記載のシール。
【請求項7】
前記内側シールキャリアは、セラミック又は金属材料で構成される、請求項1から
6のいずれかに記載のシール。
【請求項8】
真空ポンプステータシール
又は乾燥真空ポンプステータシールである、請求項1から
7のいずれかに記載のシール。
【請求項9】
真空ポンプに使用されるシールシステムであって、前記シールシステムは、請求項1~
8のいずれかで定義したようなシール及び前記シールの両側に位置決めされた第1及び第2のフランジを含む、シールシステム。
【請求項10】
ガスを供給するための手段をさらに含み、前記第1のフランジは、入口ポートを備え、使用時、前記ガスが、前記入口ポートを通って、前記シール要素、内側シールキャリア、並びに第1及び第2のフランジの表面によって定められた前記シールシステム内の空洞の中に給送される、請求項
9に記載のシールシステム。
【請求項11】
前記ガスは、不活性ガスである、請求項
10に記載のシールシステム。
【請求項12】
請求項1~
8のいずれかで定義されるようなシール又は請求項
9~
11のいずれかで定義されるようなシールシステムを含む真空ポンプであって、前記真空ポンプは、乾燥真空ポンプである、真空ポンプ。
【請求項13】
真空ポンプに使用されるシールシステムの耐薬品性を高めるための方法であって、請求項1~
8のいずれかで定義されるようなシール又は請求項
9~
11のいずれかで定義されるようなシールシステムを真空ポンプに適合する段階を含
む、方法。
【請求項14】
前記真空ポンプの使用時に不活性ガスを前記シールシステムに供給する段階を更に含み、前記不活性ガスは、窒素である、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプに使用されるシール及びシールシステム、シール又はシールシステムを含む真空ポンプを含む機器、及びシールシステムの耐薬品性を高めるための、詳細には真空ポンプに使用される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプのための、詳細には半導体、フラットパネル、及び太陽電池パネル製造業界における新しい用途の継続的な開発は、要求されている増加の一途をたどる作動温度の原因になっている。詳細には、新しい用途及び製品は、ポンプ排ガス温度を上昇させている。真空ポンプの部品が到達した温度は非常に高く、例えば、場合によっては300℃まで高くなる可能性がある。温度は、ポンプ自体の作動によって発生する熱だけでなく、例えば、能動的加熱及び断熱の両方の影響を受ける可能性があるポンプの場所での周囲温度の影響を受ける。従って、真空ポンプの全ての部品は、広範囲に及びかつ非常に高くなる可能性がある温度で有効かつ確実に作動する必要がある。
【0003】
加えて、機器が用いられるプロセスの種類に応じて、良好な耐薬品性を有することが必要とされる場合がある。例えば、ポンプが半導体製造工程で用いられる場合、半導体を作るのに用いる原料に対して耐性を示すだけでなく、システムを洗浄するのに用いる化学物質、例えば浄化ガスにも耐性を示す必要がある。
【0004】
フッ素化「FKMタイプ」のエラストマーは、真空ポンプ内のシール材料として広く用いられているが、これらは、より高い温度で許容できない寿命を有することが分かっている。過フッ素化「FFKMタイプ」のエラストマーシールは、典型的には、例えば、最大約240℃の許容可能な温度抵抗を有する。しかしながら、低濃度の侵食性プロセスエッチング又は洗浄ガスの追加であっても、これらの特性を、従ってシール性能を損なう可能性がある。従って、FFKMタイプの材料はまた、1年を超える寿命のシールを提供することが望ましいが、これらが典型的には3~6ヶ月毎に交換を必要とするので、高温真空ポンプの用途に対して長期の商業的に実行可能な解決策を提供するには短すぎる耐用年数を有する。また、金属シールは、高温用途に使用するために提案されているが、これらの使用に関連する欠点がある。例えば、典型的には、金属シールを締め付けるのに必要なクランプ力は非常に高い。加えて、シールは、典型的には、クランプ力を加える方法に敏感であり、一般的に、段階的な時間がかかる締め付け方法は、プロセス内の何らかの段階でシールの締め過ぎを回避するために用いる必要がある、このような締め過ぎは、金属シールの性能を損なう可能性があり、従って、効果が低いシール能力につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、真空ポンプなどの機器に使用される、高い耐薬品性の、詳細には、より高い温度で有効なシールシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内側シールキャリアと外側シールキャリアとの間に位置決めされたシール要素を含む真空ポンプに使用されるシールを提供し、内側シールキャリア及び外側シールキャリアは、シール要素の内面及び外面にそれぞれ位置付けられる。シール要素並びに内側及び外側シールキャリアの各々は、実質的にドーナツ形状であり、外側シールキャリアは、シール要素を適切な位置に保持する保持手段を含む。内側シールキャリアは、シール要素に隣接する表面に位置付けられた少なくとも1つの凹部を含み、一方で、シール要素は、内面に少なくとも1つの突起部を含み、その突起部は、内側シールキャリアの少なくとも1つの凹部の中に延びる。
【0007】
また、本発明は、上述のようなシールを含む真空ポンプに使用されるシールシステム、及びシールの両側に位置決めされた第1及び第2のフランジを提供する。
【0008】
本発明の更なる態様は、上述のようなシール又はシールシステムを含む真空ポンプを提供する。
【0009】
本発明の更なる態様は、真空ポンプに使用されるシールシステムの耐薬品性を高めるための方法を提供し、上述のようなシール又はシールシステムは、真空ポンプに適合される。
【0010】
本発明の更なる態様は、上述のシール又はシールシステムを含む機器を提供し、シール又はシールシステムは、第1のパイプを第2のパイプに接続する。また、第1のパイプを第2のパイプに接続するシール又はシールシステムの使用も提供される。
【0011】
本発明の他の好ましい態様は、特許請求の範囲で定義される。
【0012】
本開示によるシール及びシールシステムは、様々な産業機器、詳細には真空ポンプに非常に効果的なシールを与え、これは、高温で、多くの場合は過酷な化学的条件下で作動する。同様に、しかしながら、本明細書で開示するシール及びシールシステムの使用は、その作動温度に無関係に何らかのシール要素の効果的な耐薬品性を有益に増大させる。
【0013】
本開示によるシールは、内側シールキャリアと外側シールキャリアとの間に位置決めされたシール要素を含む。内側及び外側シールキャリアは、シール要素の内面及び外面にそれぞれ位置付けられる。例えば、略円形又は環状の断面を有するシールの場合、シール要素の内面は、環状体の内側に位置付けられた円形面又は縁部であるが、外面又は縁部は、環状体の外側に位置付けられる。従って、シール構造全体は、シールキャリアの間にサンドイッチされたシール要素を含む同心サンドイッチ体と考えることができる。シール要素並びに内側及び外側シールキャリアの各々は、典型的には、実質的にドーナツ形状である。従って、これらの部品の各々は、典型的には、円形のリング状の形状を有するが、上述のように、同心に配列することができる他の形状を使用できることも想定される。例えば、部品は楕円形の断面を含むことができる。もしくは、例えば、少なくともシール要素は、中心に空隙の有無にかかわらず、十字形の断面を含むことができる。このようなシール要素は、例えば、従来方式で形作られた、例えば、円形又は楕円形の断面を有するシールキャリアと併せて用いることができる。例えば、何らかの同心状に形作られた(例えば、丸い、正方形、矩形、楕円形)シールキャリアは、それ自体が、例えば、円形、正方形、矩形、楕円形、十字形、L字形、V字形とすることができる断面を有するシール要素と併せて用いることができることが想定される。
【0014】
本開示によるシールにおいて、外側シールキャリアは、適切な位置に、詳細には組立時にシール要素を保持する保持手段を含む。例えば、外側シールキャリアは、シール要素に隣接して位置決めされた外側シールキャリアの表面から延びる1つの、好ましくは少なくとも2つの突起部又はリップを含むことができる。従って、シール要素は、好ましくは、リップの間の適所に保持される。より好ましくは、突起部又はリップは、実質的に平行な配列で外側キャリアの表面の周りに連続的に延び、シール要素の外縁が着座する凹部又は溝を形成するようになっている。また、本技術分野で公知の他のシール要素の保持配列は、本開示のシールに使用可能である。保持手段は、真空ポンプの作動時に、機器が所定の温度にある場合に、局所応力を引き起こす及び/又はシール内の劣化部位を引き起こす可能性があるピンチポイント(pinch points)を導入しないようにする必要がある。本開示による代表的なシールは、約2~3mm、例えば、約2.5mmの高さの保持手段又はリップを含むことができる。
【0015】
典型的には及び好ましくは、保持手段及び外側シールキャリアは統合される。すなわち、これらは、単一ユニットで構成され、典型的には及び好ましくは、同じ材料から形成される。もしくは、シール要素は、例えば、接着剤などの接合手段によって外側シールキャリアに取り付けることができる。適切な接着剤は、本技術分野で広く利用可能であり、接着剤の選択は、例えば、接合される材料の性質及び/又は例えば、接合部品が受ける作動条件に基づいて容易に行うことができる。
【0016】
本開示のシールでは、内側シールキャリアは、シール要素に隣接する表面に位置付けられた少なくとも1つの凹部又は溝を含み、シール要素は、内面に少なくとも1つの突起部を含み、この突起部は、内側シールキャリアの少なくとも1つの凹部の中に延びる。
【0017】
好ましくは、凹部は、シール要素に隣接する内側シールキャリアの外面の周りに延びる連続する凹部又は溝を含む。しかしながら、内側シールキャリアは、代わりに、2以上の凹部を含むことができ、その各々は、シール要素の内面上の少なくとも1つの突起部の場所に対応する内側シールキャリアの外面の所定の位置に位置付けられる。好ましくは、このような配列では、凹部は、互いに実質的に等距離に位置付けられる。
【0018】
シール要素上に存在する少なくとも1つの突起部は、内側シールキャリアの半径方向及び軸方向の位置を決定するが、シール要素は、典型的には、本開示によるシールシステムの外側シールキャリア及び/又はフランジによって半径方向(及び軸方向に)位置付けられる。本開示によるシールは、少なくとも1つの突起部を含み、少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つの突起部を含むことができる。最も好ましくは、シールは、3つの突起部を含む。もしくは、少なくとも1つの突起部は、シール要素の内面の周りに延びる単一の連続突起部を含むことができる。
【0019】
本開示による好ましい配列では、シール要素又は内側シールキャリアは、複数の(例えば、3又はそれ以上の)突起部又はスポークを含み、これらは、内側シールキャリアの表面に位置付けられた単一の連続凹部の中に延びる。より好ましくは、複数の突起部又はスポークは、これらが位置付けられた表面の周りに実質的に等距離に位置決めされる。特に好ましい配列は、内側シールキャリアの表面の単一の連続溝の中に延びる3つのスポークを有するシール要素を含む。典型的には及び好ましくは、少なくとも1つの突起部又はスポーク及びシール要素は統合される。すなわち、これらは、単一ユニットを構成し、典型的には及び好ましくは同じ材料から作られる。
【0020】
単一連続突起部を含む本開示による配列では、突起部に少なくとも1つの孔又はオリフィスを提供することが望ましい。これは、使用中及びガスがシールシステムに供給される場合に、シール要素、内側シールキャリア及びフランジの表面の間に形成された空洞の全体へのガスの効率的な供給は、突起部内の少なくとも1つの孔を通るガスの流れに起因して容易にすることができる。
【0021】
少なくとも1つの突起部又はスポークは、典型的には、シール全体の非圧縮状態にある場合、内側シールキャリアを支持するために十分に堅牢性があるようなものである。少なくとも1つの突起部及び少なくとも1つの凹部の寸法は、好ましくは、使用時、シールが圧縮される場合に、好ましくは所望の作動温度において、少なくとも1つの突起部が、少なくとも1つの凹部の中に更に延びるようになっている。従って、非圧縮状態では、典型的には、少なくとも1つの突起部の前縁と凹部内部の基部との間に位置付けられた空隙があり、その中に突起部は、シールの圧縮時に移動することができる。好ましくはこの状況では、スポークは、何らかのかなりの程度まで圧縮されないままである。換言すると、作動時にスポークの凹部の中への更なる突出は、スポークに、又は結果としてシール配列全体に望ましくない応力を与えない。
【0022】
もしくは、少なくとも1つの突起部又はスポークは、例えば、材料及び/又は寸法の選択によって設計することができるので、突起部又はスポークは、シールの圧縮時に屈曲することになる。しかしながら、何らかのこのような屈曲力は、シールの性能に何らかのかなりの程度まで悪影響を与えるべきではない。
【0023】
真空ポンプが作動する必要がある高い温度を考慮すると、本明細書で開示するシールの部品の各々は、関連する作動温度で十分な温度耐性を有することが望ましい。従って、適切な材料は、少なくとも約150℃の温度に対して耐性を示す必要がある。より好ましくは、材料は、少なくとも約170℃、少なくとも約190℃、少なくとも約200℃、又は少なくとも約220℃の温度に対して耐性を示す。特に好ましい材料は、約150℃~約300℃又はそれ以上、より好ましくは約170℃~約270℃、更により好ましくは約190℃~約260℃、更により好ましくは約200℃~約250℃の温度に対して耐性を示す。
【0024】
加えて上述のように、もちろん一部の実施形態では必要でないが、シール部品を形成するのに用いる材料が化学物質に対して耐性を示すことが望ましい場合があり、これらは、シールと接触状態になる、例えば、原料、化学製品、及び洗浄剤の使用時に遭遇することになる。
【0025】
シール要素及びシールキャリアのための好ましい材料は、金属、セラミック、及びポリマー材料を含む。好ましくは、シール要素は、より好ましくはエラストマー材料であるポリマー材料を含む。さらに好ましくは、シール要素は、シリコーン系、フッ素化シリコーン系、フルオロエラストマー系、又はペルフルオロエラストマー系ポリマーで構成され、本技術分野では、ポリマーのタイプは、それぞれVMQ、FVMQ、FKM及びFFKMタイプとして公知である。本開示に従って使用するのに適する市販のポリマーグレードの例は、例えば、James Walker UK Ltd(クルー、英国)から入手可能なSil 80/2及びFR 10/80ポリマーグレード;ERIKS UK(ヘールズオーエン、英国)から入手可能なポリマーグレード714534;Trelleborg Sealing Solutions UK Ltd(ソリフル、英国)から入手可能なVCT(登録商標)及びISOLASTポリマーレンジ(polymer range)、DuPont(UK) Ltd(スティーブニッジ、英国)から入手可能なKalrez(登録商標)ポリマーレンジ;、Greene Tweed UK(ノッティンガム、英国)から入手可能なChemraz(登録商標)ポリマーレンジ;Freudenberg Sealing Technologies(ラッターワース、英国)から入手可能なSimriz(登録商標)ポリマーレンジ;及びPPE(ブラックバーン、英国)から入手可能なPerlast(登録商標)ポリマーレンジを含む。上述のように、本発明のシールの様々な部品が作られる材料の特有の選択は、例えば、所要の温度性能に依存することになる。
【0026】
本開示が、高温真空シール要素のために、又は実際にはシールの温度性能が適切な用途のために(しかし耐薬品性がない)、これらのタイプの材料の使用を助長することは特に好都合であるが、このような用途で典型的に用いられるFFKMタイプの材料は、例えば、シリコーン系材料よりも10倍を超える程度で高価である。それでもFKM及びFFKMタイプの材料は、本開示のシール要素で使用することもできる。
【0027】
内側シールキャリアは、典型的には、標準(例えば、NW40)Oリングシールの内側リングを形成するのに用いられる何らかの材料から形成することができ、その温度耐性がプロセスに適している限り、シールは使用されることになる。加えて、内側シールキャリア材料の耐薬品性は、その使用目的に適していることが望ましい。内側シールキャリアは、好ましくは、金属又はセラミック材料で構成される。より好ましくは、内側シールキャリアに用いる材料は、例えば、半導体の製造に用いる気体及び湿潤ハロゲン、ハロゲン間化合物、ハロゲン化水素、及び他の化学物質である、真空ポンプによって圧送される物質によって引き起こされる腐食に対して耐性を示す。内側シールキャリアに適した材料の好ましい例としては、例えばタイプ316Lなどオーステナイト系ステンレス鋼及び超オーステナイト系ステンレス鋼などのステンレス鋼、インコネル合金、及び無電解ニッケルメッキ(ENP)被膜を有する材料などの耐食性高温被膜を挙げることができる。
【0028】
内側シールキャリアは、典型的には、シールが追加的にフランジを含むシールシステムに組み込まれる場合、内側シールキャリアがフランジ表面と良好な接触を形成するような大きさにされる。より詳細に、内側シールキャリアとフランジ表面との間の接触は、使用時、内側シールキャリア、シール要素、及びフランジ表面によって形成された空洞に供給されるガスが、内側シールキャリアとフランジ表面との間で徐々に漏出するが自由に流れないようにすべきである。内側シールキャリア(及びフランジ)の表面は、好ましくは、研削されて所望の幾何学形状(表面仕上げ)をもたらす。切削、施削、又はフライス加工などの他の公知の技術を用いることができるが、一般的に、研削よりも管理可能性に劣るのであまり望ましくない。
【0029】
外側シールキャリアは、この場合も同様に、耐熱性が使用目的に適している限り、一般的に標準のOリングシールの外輪を形成するのに用いられる何らかの材料から形成することができる。外側シールキャリアは、金属、ポリマー(例えば、高温ポリマー)又はセラミック材料で構成することができる。好ましくは、外側シールキャリアは金属材料で構成される。外側シールキャリアに適した材料の好ましい例は、アルミニウム及びステンレス鋼、例えば316Lステンレス鋼を含む。
【0030】
上述のシールは、真空ポンプのためのシールシステムに効果的に組み込まれ、これは、シールの両側に位置決めされた第1及び第2のフランジを追加的に含む。
【0031】
シールシステムの構成要素は、シール要素、内側シールキャリア、並びに第1及び第2のフランジの表面が、シールシステムの中に空洞又は空隙を定めるように位置決めされる。また、シールシステムは、好ましくは、空洞にガスを供給するための手段を含む。好ましくは、少なくとも1つのフランジ、例えば第1のフランジは、入口ポート、すなわちポート又はボアを含み、これは、フランジの外面からシールに隣接する表面まで延び、真空ポンプの使用時、ガスはここを通ってシールシステム構成要素の表面によって定められた空洞の中に送り込まれる。ガスは、一般的に真空ポンプ内のパージガスとして利用可能な窒素などの不活性ガスであることが特に好ましい。
【0032】
シールシステムへのガスの導入は、シール要素を横切る圧力差(ΔP)(PID-POD、PIDはシール要素の内面又は内径上の圧力であり、PODは要素の外面又は外径上の圧力である)を常に正になるようにする。対照的に、従来技術のシールシステムでは、圧力差は、一般にシール要素の内径上のガス圧の変動を受け、これは、例えば、一般に排気管配列に使用される場合に大気圧よりも少し低く、又は真空ポンプの行程容積内で実質的に大気圧よりも低い。従って、本開示のシールシステムでは、一定の正の圧力差は、外側シールキャリアの内径又は内面上のシール要素の周囲位置を与え、これはシール要素とシールキャリアとの間の所望の対応関係を助長する観点から有用である(上述のように)。
【0033】
ガス入口ポートは、第1のフランジに接触する地点での圧縮シール要素と第1のフランジに接触する地点での内側シールキャリアとの間でほぼ同じ距離にある場所に位置決めされる、すなわち、第1のフランジを出て空洞の中に入ることが望ましい。例えば、代表的なシールシステムでは、シール要素及び内側シールキャリアの各々と、入口ポートまでの間の距離は、約0.5~3mm、例えば、約1.5mmとすることができる。代表的なシステムは、典型的に、約0.5mm~約1.5mm、例えば、約1mmの直径を有する入口ポートを含む。
【0034】
上述のように、使用時に本開示のシールシステムに供給されるガスは、不活性ガスであることが好ましく、窒素であることがより好ましい。窒素は、一般に、多くの場合パージガスとして用いられるので真空ポンプ内に利用できる。従って、使用時、ガスは、フランジによって境界付けられた、シール要素と内側シールキャリアとの間の空洞の中に直接送り込まれる。ガスで満たされた空洞の形状は、シール要素及びシールキャリアの形状に対応し、従って、典型的には実質的にドーナツ形状であるが、シール要素及びシールキャリアに関して上述したように、本開示では他の幾何学形状も適用できる。
【0035】
本開示のシールシステムにおいて、少なくとも1つのフランジ入口ポート又はボアは、半径方向ボスを組み込むことができ、このボスに対して、標準窒素ガス継手(典型的には、直径約6mm)を取り付けることができる。フランジへのガスの分配は、中央ガス分配システム又はマニホールドによって達成すること、又はガス供給がシールシステムを含む機器から独立しているように独立して達成することができる。
【0036】
使用時に本開示のシールシステムに封じ込められるガスは、比較的小さな正圧、例えば、約1.3~約1.6バール絶対圧に維持されるのが好ましいが、これを超えること又は下回ることもできる。圧力は、典型的には、標準圧力調整装置、例えば、マニホールド上又は独立ガス供給装置上に位置する圧力調整器によって設定されて監視される。
【0037】
使用時、上述のように、ガスは、シールシステム内の空洞から内側シールキャリアとフランジとの間の境界面を通って放出される。この境界面を通るガスの漏出率は、一般に比較的低く、例えば、「NW40サイズの」シールに対して1分当たり約1標準リットル(slm)未満のオーダー、及び典型的にはこれよりも非常に小さく、例えば、約0.1sccm又はさらに小さく、その結果、ガスは、空洞からの流出ではなく徐々に漏出すると考えられる。漏出率は、一般にフランジ上の表面仕上げ特性に依存する。空洞へのガスの供給によって相殺されるガスの漏出のために、空洞内のガスの圧力は、比較的一定のままであり、何らかのかなりの程度まで変動する傾向がない。
【0038】
本明細書で開示するシールシステムに含まれるフランジは、一般に、既存の真空ポンプ内のフランジの製造に従来から用いられている材料から作られるので、適切な耐温度性及び耐薬品性を有するはずである。上記でシールキャリア、詳細には内側シールキャリアに適していると説明された材料は同様にフランジに適している。従って、適切な材料の例としては、例えば、アルミニウム及びステンレス鋼、詳細にはタイプ316Lステンレス鋼などの金属材料、ポリマー材料、詳細には高温ポリマー、及びセラミック材料を挙げることができる。
【0039】
シール、内側シールキャリア、及びフランジによって定められた空間の中への直接的なガスの供給は、プロセスガスの障壁を生み出し、シールシステム、詳細には真空ポンプ用途で使用されるシールシステムの耐薬品性を効果的に高める。従って、本発明は、より高い温度に対して耐性を示すが、その高い耐薬品性(FKM及びFFKMタイプの材料など)の理由から現在使用されている又は使用が提案されている材料よりも、化学的安定性が低いシール要素材料の使用を容易にする。好都合には、従って、本発明は、より広範なシール材料、重要なことには上述のシリコーン系材料などのより安価なシール材料の使用を可能にする。
【0040】
本開示は、結果として、現在より高い温度用途に利用可能なものよりも長い寿命を有するシール及びシールシステムを好都合に提供する。加えて、このようなシール及びびシールシステムのコストは、何らかの温度で何らかの所与のプロセス課題のためにより安価なシール材料を使用する能力によって大幅に低減される。
【0041】
従って、本開示は、本明細書で説明したようなシール又はシールシステムを真空ポンプに適合させることによって、真空ポンプで用いるシール及びシールシステムの耐薬品性、従って寿命を高めるための方法も提供する。真空ポンプは、新しく製造したポンプ又は既存のポンプとすることができ、これらは、寿命の終わりに達すると交換が必要なシール又はシールシステムを含む。従って、本開示は、開示されたシール又はシールシステムを既存の真空ポンプへ組み込むこともカバーする。好ましくは、本方法は、使用時に、より好ましくは窒素である不活性ガスをシールシステムへ供給することを更に必要とする。
【0042】
従って、本開示によるシール及びシールシステムは、例えば、半導体、フラットパネル、及び太陽電池パネル製造業を含む広範な用途で用いる真空ポンプに特に使用される。このような真空ポンプは、典型的には、約60℃又はそれよりも高い温度で作動する。シール及びシールシステムは、半導体製造で用いる真空ポンプに特に好ましい。より好ましくは、シール及びシールシステムは、乾燥真空ポンプに特に使用される。より好ましくは、シール及びシールシステムは、真空ポンプ、詳細には乾燥真空ポンプ内のステータシール及びステータシールシステムとして特に使用される。また、本開示のシール及びシールシステムは、圧縮機に用いることができる。
【0043】
また、本開示によるシール及びシールシステムは、効果的なシールを必要とする他の機器、例えば、配管を含む機器に使用される。例えば、本開示によるシール又はシールシステムは、シール又はシールシステムが第1のパイプを第2のパイプに接続する機器に含まれることができる。このような機器にシール又はシールシステムを使用すると、高い作動温度で高い耐薬品性をもつ接続手段を提供する。従って、これらは、例えば、排出管で用いるのに特に適しており、従って、特に排ガス処理システムに使用される。シール及びシールシステムは、配管などの新しく製造された機器に適用することができ、また、配管内の、詳細には寿命の終わりに達している排ガス処理システム及び他のこのような機器内の既存のシール又はシールシステムを置き換えるために好都合に使用することができる。
【0044】
本開示は、以下に添付の図を参照してより詳細に説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本開示によるシールシステムの断面側面図である。
【
図2】本開示によるシールシステムの部分断面図である。
【
図3】本開示によるシールシステムの断面図である。
【
図4】ガス供給装置を示す本開示によるシールシステムの部分断面側面図である。
【
図5】ガス供給装置を示す本開示によるシールシステムの断面側面図である。
【
図6】本開示によるシールシステムの位置を示す組立体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示は、真空ポンプに使用されるシール及びシールシステムを提供する。
図1を参照すると、一実施例において、シールシステムは、内側シールキャリア(2)と外側シールキャリア(3)との間に位置決めされたシール要素(1)を含む。シール要素(1)、内側シールキャリア(2)、及び外側シールキャリア(3)の各々は、形状が実質的にドーナツ形であり、同じ中心軸(A、
図3を参照)を共有する。内側シールキャリア(2)及び外側シールキャリア(3)は、シール要素の内面及び外面にそれぞれ位置付けられ、内面は中心軸(A)に最も近い表面であり、外面は中心軸(A)から半径方向に最も遠い表面である。
【0047】
使用時、シール要素の外面は、外側シールキャリアの内面(4)と係合する。本実施例では、外側シールキャリアの内面(4)は、シール要素の外面の形状に相補的な形状を有し(それが軸方向に位置付けられる、すなわち適所に保持される限り、そうである必要はない)、本実施例では、外側シールキャリアの内面(4)は凹形部分を有し、本実施例では、凹形部分の半径は、シール要素の半径と同じである。シール要素の断面の半径は、約1mm~約10mm、例えば、約5mmとすることができる。
【0048】
また、シール要素は、第1及び第2のフランジ(5)及び(6)が係合し、各々は、シールシステムによって橋渡しされた2つの構成要素(例えば、
図4の13及び14)の一部をそれぞれ形成する。第1及び第2のフランジ(5、6)は、互いに実質的に平行であり、シール要素(1)はその間に挟まれている。内側シールキャリア(2)は、第1及び第2のフランジ(5、6)がそれぞれ係合する軸方向外面を含む。外側シールキャリア(3)は、第1及び第2のフランジ(5、6)のための相対的な半径方向位置決めを可能にする第1及び第2の肩部を含む。外側シールキャリアの軸方向の厚さは、内側シールキャリアよりも常に小さいことが必要であり、内側シールキャリアは、第1及び第2のフランジ(5、6)と係合することができる。
【0049】
シール要素(1)は、シール要素の内面上に突起部(9)を更に含む。内側シールキャリア(2)の外面は、凹部(10)を含む。凹部(10)は、突起部(9)を受け取るように構成される。「非圧縮」状態で示す
図1の実施例において、突起部(9)は、凹部(10)の中に完全には延びていない。その代わりに、隙間が、凹部の上部で凹部内に残り、突起部(9)は、シールが更に圧縮された場合にその中に延びることができる。凹部と突起部との関係は、シール要素(1)に対する内側シールキャリア(2)の位置を決定する。凹部(10)が内側シールキャリア(2)の外面に接合するコーナー部は、典型的には、例えば
図1に示すように形作られて、突起部(9)が凹部(10)の中に移動する時の突起部(9)の損傷を阻止する。また、突起部が膨張及び収縮するのを可能にする十分な軸方向の隙間が存在するはずである。
【0050】
空洞(11)は、シール要素(1)、内側シールキャリア(2)、並びに第1及び第2のフランジ(5、6)の表面によって定められたシールシステム内にもたらされる。シールシステムは、(例えば、
図4及び5に示すように)空洞にガスを供給するための手段を更に含む。このガスは、不活性ガス、例えば窒素であることが好ましい。ガスは、空洞(11)に流入して、空洞(11)とシールシステムの外側との間に小さな正の圧力差があるように空洞を満たす。ガスは、それぞれ内側シールキャリア(2)と第1及び第2のフランジ(5、6)との間の接続面(12)で空洞(11)から徐々に漏出する。
【0051】
図2は、中心軸(A)に沿って見たシールの部分断面を示す。シール要素(1)の外面は、その円周全体の周りで外側シールキャリア(3)の内面(4)と係合する。シール要素(1)は、その内面上に突起部(9)を更に含む。本実施例では、突起部(9)は、内側シールキャリア(2)の凹部(10)の中に挿入されたスポークの形態にある。スポーク(9)は、例えば、0.55mmの厚さ、2mmの長さ、9mmの幅である。
【0052】
図2は、本開示の本実施例では、凹部(10)が内側シールキャリア(2)の直径のほぼ中間まで広がることを示す。スポーク(9)の長さは、凹部(10)の深さよりも大きい。従って、スポーク(9)の端部が凹部(10)の基部と接触状態になるように、スポーク(9)が凹部(10)の中に完全に延びた場合でも、空洞(11)が、内側シールキャリア(2)の外面に依然として存在する。スポークの主な目的は、内側シールキャリアの半径方向位置決めであり、シール要素及び内側SCの軸が完全に一致していない場合でも位置決めされることを保証する。
【0053】
突起部が単一の連続した突起部ではなく1又は2以上のスポーク(9)として構成される場合、これは、ガスがスポーク間の空間を通って流れて空洞(11)全体を満たすことを可能にする。一方で、突起部が単一の連続突起部として構成される場合、突起部の一方側から他方側へのガス流を容易にするために、この突起部には、ガスが流れて空洞(11)全体を満たして、結果的に突起部の両側の間に圧力差がないことを保証するのを可能にするために、少なくとも1つのオリフィスを設ける必要がある。
【0054】
図3は、本開示によるシールシステムの中心軸(A)に沿った断面図を示す。より具体的には、突起部(9)は、シール要素(1)の内周の周りに等間隔に間隔を空けた3つのスポークとして構成される。スポーク(9)の各々は、内側シールキャリア(2)の外面内の凹部(10)の中に突出する。本実施例では、凹部(10)は、内側シールキャリア(2)の外周全体の周りを延びる単一の連続流路である。
【0055】
図4は、本発明によるシールシステムの部分断面図を示す。本実施例では、第1及び第2のフランジ(5、6)は、それぞれ第1及び第2の構成要素(13、14)の一体部品であり、その上にシールシステムが取り付けられる。
【0056】
また、第1の構成要素(13)は、第1の端部においてガス入口ポート(16)に接続し、第2の端部においてシールシステムの空洞(11)に接続するチャネル(15)を有する。空洞(11)に供給されるガスは、プロセスガスの障壁として機能し、シールシステムの耐薬品性を効果的に高める。ガスは、正の圧力差(ΔP)を維持するのに十分な速度で供給される、すなわち、ガス供給速度は、少なくとも第1及び第2のフランジ(5、6)と内側シールキャリア(2)との間のガス漏出速度に等しくする必要がある。
【0057】
第1及び第2の構成要素(13、14)は、クランプなどの保持手段(17)によって軸方向に保持される。保持手段(17)は、第1及び第2のフランジ(5、6)の外側に圧力を加えてこれらをシール要素(1)に圧縮する。この実質的に軸方向圧力は、第1及び第2のフランジ(5、6)の間でシール要素(1)の圧縮、従って改良されたシールをもたらす。保持手段(17)によって加えられる圧縮力は、シール要素(1)に機械的に損傷を与えないことが重要であり、この機械的損傷は、生成されたシールの完全性を低下させる可能性がある。また、熱膨張差が損傷を引き起こしてシールの完全性を危うくする可能性があるので、シールシステムに対する熱膨張及び収縮の影響を考慮してそれに応じて材料を選択することも重要である。
【0058】
図5は、
図4に類似しており、本開示のシールシステムの軸方向断面を示し、例えば、シールシステムが取り付けられる配管の両側でのシールシステムの相互作用を示す。従って、シール要素(1)、内側及び外側シールキャリア(2、3)、第1及び第2のフランジ(5、6)、及び保持手段(17)の全ては、中心軸(A)の周りに連続的に延びる。
【0059】
図6は、本開示によるシールシステムの位置決めを示す組立体の外観図である。ガスは、シールシステムの外部に装着されたパイプ(18)を通して空洞に供給される。保持手段(17)は、
図6に示す実施例では「NW40クランピングリング」であるクランプを含む。クランプは、第1及び第2のフランジ(5、6)の外周の少なくとも約半分、好ましくは、少なくとも約4分の3を取り囲む、第1及び第2のフランジ(5、6)の外部の周りに延びる金属リボン(19)を含む。金属リボン(19)の両端の間の隙間は、締結具(20)によって橋渡しされ、これにより締め付け圧力は、ねじ込み操作によって変えることができる。
【0060】
種々の修正は、特許法の下で解釈される特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、示された実施形態に対して行うことができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0061】
1 シール要素
2 内側シールキャリア
3 外側シールキャリア
4 外側シールキャリア
5 第1のフランジ
6 第2のフランジ
9 突起部
10 凹部
11 空洞