(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】車両の速度を調節するための方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/14 20060101AFI20240613BHJP
B60W 40/076 20120101ALI20240613BHJP
【FI】
B60W30/14
B60W40/076
(21)【出願番号】P 2021554702
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 EP2020056723
(87)【国際公開番号】W WO2020187708
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-13
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィン-ヴァイダウラ, ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】クヴィエスカ, ペドロ
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-182886(JP,A)
【文献】特開2014-046713(JP,A)
【文献】国際公開第2013/190652(WO,A1)
【文献】特開2012-219986(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0151951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定点速度の辺りに車両の速度を調節するための方法であって、必要条件のセットの決定(E01、E02、E03)と、必要条件の前記セットに応じた、エンジンをオフにして走行するステップのトリガリング(E04)とを含む方法において、必要条件の前記セットが、前記設定点速度よりも大きい現在の速度での上り勾配への前記車両の進入
、および前記上り勾配のドリフト(diff(θ%))の値がドリフトしきい値(s
drift_1
)を超えることを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
設定点速度の辺りに車両の速度を調節するための方法であって、必要条件のセットの決定(E01、E02、E03)と、必要条件の前記セットに応じた、エンジンをオフにして走行するステップのトリガリング(E04)とを含む方法において、必要条件の前記セットが、前記設定点速度よりも大きい現在の速度での上り勾配への前記車両の進入を含み、
前記エンジンをオフにして走行する前記ステップのトリガリング(E04)の後に、前記車両が前記上り勾配を離れ、前記設定点速度よりも大きい勾配エグジット速度で平坦区間に入った場合、前記エンジンをオフにして走行するとき液圧ブレーキ適用ステップのトリガリング(E08)が行われることを特徴とする、方法。
【請求項3】
必要条件の前記セットが、前記現在の速度(v
veh)と前記設定点速度(v
setpoint)との間の差が速度しきい値(s
speed)を超えることを含む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
前記速度しきい値(s
speed)が、15km/hと25km/hとの間にある、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
必要条件の前記セットが、前記上り勾配の値(θ%)
に依存する条件を含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
必要条件の前記セットが、前記上り勾配の前記値(θ%)が勾配しきい値(s
slope_1)を超えることを含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記勾配しきい値(s
slope_1)が、2.5%と3.5%との間にある、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記ドリフトしきい値(s
drift_1)が、前記現在の速度(v
veh)
を考慮して決定される、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記ドリフトしきい値(s
drift_1)が、1.5%/sと2.5%/sとの間にある、請求項
1または8に記載の方法。
【請求項10】
前記エンジンをオフにして走行する前記ステップ
のトリガリング(E04)の後に、前記車両が
前記上り勾配を離れ、前記設定点速度よりも大きい勾配エグジット速度で平坦区間に入った場合、前記エンジンをオフにして走行するとき液圧ブレーキ適用ステップのトリガリング(E08)が行われる、請求項1
、8および9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンをオフにして走行するステップを備える、車両の速度を調節するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車両は、頭字語「ACC」によっても知られている自動巡航制御管理システムを、ますます備えるようになっている。
【0003】
たとえば、熱機関をもつ自動車両の速度を調節するための方法は、下るとき、エンジンをオフにして走行するステップを含む。本出願では、「エンジンをオフにすること」という表現は、熱機関の動作が、たとえば点火システムの停止によって停止され、ピストンが、それゆえ、シリンダーにおいて不動にされることを意味する。エンジンをオフにして走行するステップは、一般に、「航行」という表現でも呼ばれ、車両の速度がゼロでないとき、車両のエンジンをオフにすることにある。下るとき、エンジンをオフにして走行するステップを実装することによって、重力は、空気抵抗をオフセットし、車両の速度vvehは、一定にとどまる。そのような方法は、それゆえ、燃料消費を制限しながら、車両の速度の調節を実装する。
【0004】
そのような方法は、全体的に、満足を提供するが、方法は、数個の極めて特定の場合においてのみ使用され得るという欠点を呈する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、燃料消費を低減しながら、車両の速度を調節することを目的とする。
【0006】
この目的で、設定点速度の辺りに車両の速度を調節するための方法が提案され、必要条件のセットの決定と、必要条件のセットに応じて、エンジンをオフにして走行するステップのトリガリングとを含む。
【0007】
この方法の一般的な特徴によれば、必要条件のセットは、設定点速度よりも大きい現在の速度での上り勾配への車両の進入を含む。
【0008】
そのような方法は、液圧ブレーキまたはエンジンブレーキの代わりに、車両を減速させるために重力を使用するために、上るとき、エンジンをオフにして走行することによって速度を調節することを可能にする。これにより、車両のブレーキパッドの摩耗は制限され、燃料は節約される。
【0009】
有利には、必要条件のセットは、現在の速度と設定点速度との間の差が速度しきい値を超えることを含む。
【0010】
これにより、エンジンをオフにして走行するステップが短すぎないことを保証するように、残りの制動時間を決定することが可能である。短すぎる時間の間エンジンをオフにして走行することを回避することによって、燃料は、より効率的に節約される。
【0011】
好ましくは、速度しきい値は、作業者によっておよび/または車両のユーザによってパラメータ化可能である。
【0012】
有利には、速度しきい値は、15km/hと25km/hとの間にある。
【0013】
別の実施形態によれば、必要条件のセットは、上り勾配の値に、および/または上り勾配のドリフトの値に依存する条件を含む。
【0014】
これにより、エンジンをオフにして走行するステップが短すぎないことを保証するように、勾配上で走行する残り時間を推定し、コンテキスト情報の不在下でそのようにすることが可能である。
【0015】
好ましくは、必要条件のセットは、上り勾配の値が勾配しきい値を超えることを含む。
【0016】
勾配しきい値は、道路の勾配変動が概して遅いので、残りの上り勾配時間の推定の精度を改善することを可能にする。
【0017】
有利には、勾配しきい値は、2.5%と3.5%との間にある。
【0018】
別の実装形態によれば、必要条件のセットは、上り勾配のドリフトの値がドリフトしきい値を超えることを含む。
【0019】
ドリフトしきい値は、勾配が常に連続的に変動するので、残りの上り勾配時間の推定の精度を改善することを可能にする。勾配しきい値およびドリフトしきい値が使用される場合、この精度は、なお一層改善される。
【0020】
本出願の意味内で、勾配のドリフトは、時間に関するドリフト、または移動距離に関するドリフトを意味することができる。特に、勾配のドリフトが、時間に関するドリフトを意味する場合、ドリフトしきい値は、たとえば、車両の速度に比例する変数であり得る。時間に関する勾配のドリフトは、速度に正比例し、ゆっくり走行する車両は、勾配がゆっくり変動するのを経験し、極めて速く走行する車両は、勾配が急速に変動するのを経験する。このパラメータは、試験またはシミュレーションにおいてチューンアップされ得る。
【0021】
好ましくは、ドリフトしきい値は、現在の速度に依存して決定される。
【0022】
このようにして決定されたドリフトしきい値は、車両によって経験される勾配力が、現在の速度に直接依存するという事実が考慮に入れられるので、極めて特に適切である。
【0023】
有利には、ドリフトしきい値は、1.5%/sと2.5%/sとの間にある。
【0024】
値の上述の範囲内にある勾配しきい値および/またはドリフトしきい値は、エンジンをオフにして走行するステップの持続時間が、従来の自動車両内燃機関を用いて燃料を効率的に節約するのに短すぎることを回避しながら、ステップのトリガリングを可能にする。
【0025】
別の実施形態によれば、エンジンをオフにして走行するステップは、その後に、車両が、上り勾配を離れ、設定点速度よりも大きい勾配エグジット速度をもって平坦区間に入った場合、エンジンをオフにして走行するとき、液圧ブレーキの適用のステップのトリガリングが行われる。
【0026】
そのようなステップのトリガリングは、車両が上り勾配を離れるとき、エンジンをオフにして走行するときの調節を続けることを可能にする。
【0027】
本発明の他の目的、特徴および利点が、純粋に非限定的な例として与えられる以下の説明を読むことで、および添付の図面を参照すると明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態による方法を図示する図である。
【
図2】勾配を有する道路形状を概略的に図示する図である。
【
図4】
図2の勾配のドリフトを図示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1を参照すると、自動車両の速度を調節するための方法が、概略的に図示されている。方法は、より詳細には、内燃機関を備える車両における実装のために提供される。方法は、設定点速度v
setpointの辺りにできるだけ一定に車両の速度を維持することを目的とする。
図1の方法は、下るとき、エンジンをオフにして走行するステップを含む方法など、速度を調節するための方法の代替物として、または補足物として使用され得る。
【0030】
図1中に図示されている方法は、一定の間隔で、たとえば、1秒毎に(図示されていない)調節装置によって実装され得る。以下で、方法の特定の実装形態が説明される。
【0031】
方法は、3つの連続するテストステップE01、E02およびE03を含む。
【0032】
ステップE01中に、車両の現在の速度vvehと設定点速度vsetpointとの間の差が、速度しきい値sspeedよりも大きいかどうかに関する決定が行われる。しきい値sspeedは、15km/hと25km/hとの間にあり、好ましくは、20km/hに実質的に等しい。
【0033】
ステップE02中に、車両が、勾配しきい値sslope_1よりも大きい勾配値θ%を有する勾配に入ったかどうかに関する決定が行われる。しきい値sslope_1は、2.5%と3.5%との間にあり、好ましくは、3%に等しい。
【0034】
ステップE03中に、時間に関する勾配のドリフトdiff(θ%)が、ドリフトしきい値sdrift_1よりも大きいかどうかに関する決定が行われる。しきい値sdrift_1は、1.5%/sと2.5%/sとの間にあり、好ましくは、2%/sに等しい。本出願では、符号「diff()」は、時間に関するドリフトの関数を意味する。
diff(θ%)=θ%
【0035】
しきい値sdrift_1は、車両によって経験される勾配の力が、現在の速度に直接依存するので、この値に依存し得る。実際、所与の勾配について、距離に関する勾配のドリフトは、同じであるのに対して、時間に関する勾配のドリフトは、現在の速度が高い場合、より大きくなる。しきい値sdrift_1と現在の速度との間の関係は、テストまたはシミュレーション中にチューンアップされ得る。
【0036】
ステップE01、E02およびE03のうちのいずれか1つに対する応答が、「いいえ」である場合、ステップE09が、方法をエグジットするために適用される。この場合、方法は、次の実装まで非アクティブである。ステップE01、E02およびE03の各々に対する応答が「はい」である場合、ステップE04が適用される。
【0037】
ステップE04中に、エンジンをオフにしての車両の走行がトリガされる。エンジンをオフにしての車両の走行がトリガされると、車両のエンジンは停止される。車両が、上り勾配上にあり、エンジンによってもはや推進されないとき、車両の速度vvehは、設定点速度に向かって減少する。ステップE04の終わりに、車両は、エンジンをオフにして走行し続ける。
【0038】
次に、テストステップE05が実装される。ステップE05中に、速度vvehと速度vsetpointとの間の差が、しきい値sspeedよりも大きいかどうかに関する決定が行われる。
【0039】
ステップE05に対する応答が「いいえ」である場合、ステップE06が適用され、ステップE06中に、エンジンをオフにして走行することは終了される。言い換えると、車両のエンジンは再始動される。ステップE09が、ステップE06に続いて実装される。
【0040】
ステップE05に対する応答が「はい」である場合、テストステップE07が実装される。ステップE07中に、勾配の値θ%が、勾配しきい値sslope_2を下回るかどうか、および勾配のドリフトの値diff(θ%)が、ドリフトしきい値sdrift_2を下回るかどうかに関する決定が行われる。勾配と勾配のドリフトの両方を、それぞれのしきい値sslope_2およびsdrift_2と比較することは、ゼロ勾配再始動の場合を、下り勾配または上り勾配と区別することを可能にする。しきい値sslope_2およびsdrift_2は、好ましくは、しきい値sslope_1およびsdrift_1の1/10程度である。この特定の場合では、しきい値sslope_2は、0.4%と0.6%との間にあるのに対して、しきい値sdrift_2は、0.25%/sと0.35%/sとの間にある。
【0041】
ステップE07に対する応答が「いいえ」である場合、ステップE05に戻る。ステップE07に対する応答が「はい」である場合、ステップE08が適用される。
【0042】
ステップE08中に、液圧ブレーキが、エンジンをオフにして走行するときに適用される。言い換えると、自動車両のエンジンは、停止されたままであるのに対して、液圧ブレーキは、車両を減速させるために作動させられる。
【0043】
ステップE08に続いて、方法は、テストステップE10を含む。ステップE10中に、速度vvehと速度vsetpointとの間の差が、しきい値sspeedよりも大きいかどうかに関する決定が行われる。
【0044】
ステップE10に対する応答が「はい」である限りは、ステップE10に戻り、ステップE10は適用され続ける。ステップE10に対する応答が「いいえ」である限りは、ステップE11が適用され、ステップE11中に、エンジンをオフにして走行しながらの液圧ブレーキの適用は、終了される。言い換えると、車両のエンジンは再始動され、液圧ブレーキは解除される。ステップE09が、ステップE11に続いて実装される。
【0045】
図2~
図4を参照しながら説明されるように、しきい値s
slope_1およびs
drift_1の範囲は、エンジンをオフにして走行することが実装される場合、エンジンが、ある最小時間の前に再始動されないことを保証しながら、設定点v
setpointに向かう速度v
vehの有効な制御を可能にするように選択された。この特定の場合では、しきい値s
slope_1およびs
drift_1のための上述の範囲は、エンジンをオフにして走行することのトリガリングの後の、3秒よりも少ないエンジンの再始動を回避することを可能にする。実際、エンジンの再始動は、エネルギーを消費し、従来の自動車両内燃機関の場合、3秒よりも少ない持続時間の間エンジンをオフにして走行することは、有利ではない。
【0046】
しきい値sspeedとの比較のステップE01は、速度vvehが速度vsetpointよりもずっと大きく、車両が上り勾配に入った、特定の場合を識別することを可能にする。たとえば、上りによって、車両が、市街地に到着する2次ハイウェイ上で移動することに対応する特定の場合が識別される。この瞬間において、設定点速度は、90km/hから50km/hに変化する。別の例によれば、車両は上っており、適応速度調節器が、より遅いターゲットの出現を検出する。
【0047】
テストステップE02およびE03は、コンテキスト情報を有することなしに、上りの長さをロバストに識別することを可能にする。上りの長さを決定することによって、短すぎる上りについてエンジンをオフにして走行することを許可することが回避される。
【0048】
明らかに、方法は、測位衛星装置(GNNS)によって、または路側読取り手段によって与えられる情報など、コンテキスト情報を使用する方法の補足物として、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0049】
図2は、道路形状を示す。より詳細には、道路形状は、車両の長手方向軸上の位置xに応じた道路の高度zに対応する。
【0050】
図2を参照すると、上り勾配2は、点線4および6の間の第1の段階、ならびに点線6および8の間の第2の段階を含む。第1および第2の段階は、勾配2の確立に対応する。より詳細には、第1の段階中に、勾配θ%は増加し、勾配のドリフトdiff(θ%)は増加する。第2の段階中に、勾配θ%は増加し、勾配のドリフトdiff(θ%)は減少する。第2の段階の終わりに、勾配2が確立され、勾配2のドリフトdiff(θ%)はゼロである。
【0051】
勾配は、点線8および10の間にある第3の段階を含む。第3の段階は、確立された勾配に対応する。言い換えると、勾配θ%は一定のままであり、勾配のドリフトdiff(θ%)はゼロである。
【0052】
勾配2の終わりに、第4の段階が、点線10および12の間にあり、第5の段階が、点線12および14の間にある。第4および第5の段階は、平坦路への復帰すなわち、勾配の確立の逆に対応する。より詳細には、第4の段階中に、勾配θ%は減少し、勾配のドリフトdiff(θ%)は減少する。第5の段階中に、勾配θ%は減少し、勾配のドリフトdiff(θ%)は増加する。第5の段階の終わりに、勾配θ%および勾配のドリフトdiff(θ%)は、ゼロである。
【0053】
図2~
図4は、第1の段階が時間tの間続く場合、第2、第4および第5の段階の力が同等であると、および勾配が、時間tよりも4倍長い総時間t
totalの間続くと合理的に仮定され得るという事実をハイライトする。
t
total≧4×t
【0054】
たとえば、第1の段階が5秒の間続く場合、勾配は、第3の段階の持続時間がゼロである場合、約20秒続き、第3の段階の持続時間が非ゼロである場合、より長く続くと合理的に考えられ得る。
【0055】
これにより、しきい値sslope_1およびsdrift_1のための値の上述の範囲の選定は、上り勾配、ならびに車両を減速させるのに、および短すぎる時間の間エンジンをオフにして走行し続けないのに十分である、移動されるべき距離をも伴うものを識別することを可能にする。
【0056】
しきい値sspeedのための値の上述の範囲の選定も、短すぎる時間の間エンジンをオフにして走行することを回避することを可能にする。実際、ステップE04に続いて、車両は減速する。エンジンをオフにして走行することからあまりに急速にエグジットしないのに十分である、方法の開始時の速度vvehと速度vsetpointとの間の差を有することが重要である。
【0057】
以下の例によれば、自動車両は、50km/hの設定点vsetpointに対して90km/hの速度vvehで移動する。同時に、車両は、5.7度の傾きに対応する10%の勾配に入り、勾配のドリフトは、正であり、5%/sに等しい。
【0058】
図1の方法のステップE01~E03の適用は、エンジンをオフにしての効率的な走行を可能にするのに十分に長い長さの勾配を識別することを可能にする。これにより、設定点速度に向かう車両の速度の調節が実装される。その上、燃料消費は、十分に長い時間にわたってエンジンをオフにして走行することの実装によって低減される。その上、車両のブレーキパッドが節約される。燃料の、およびブレーキパッドの節約は、液圧ブレーキまたはエンジンブレーキではなく、車両を引きずるような重力の使用を通して得られる。
【0059】
ステップE07、E08、E10およびE11によって、車両が、上り勾配を離れ、平坦区間に入るとき、減速が、設定点速度に到達するのに十分でなかった場合、エンジンをオフにして走行することは維持され、液圧ブレーキは適用される。エンジンをオフにして走行することが維持され、液圧ブレーキが適用されると、速度の調節は、燃料消費をさらに低減しながら、実装され続ける。