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特許7503568熱的に最適化されたアーキテクチャを有する飲料調製デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】熱的に最適化されたアーキテクチャを有する飲料調製デバイス
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A47J31/36 120
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021558558
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2020059475
(87)【国際公開番号】W WO2020201469
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】19167543.8
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】モーザー, レンゾ
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-516740(JP,A)
【文献】特表2016-503670(JP,A)
【文献】特表2016-502437(JP,A)
【文献】特公平7-22552(JP,B2)
【文献】国際公開第2018/158179(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/56
A23F 3/16
A23F 5/24
A23G 1/56
A23C 9/152
A23L 23/10
A23L 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
味原材料を収容した本体を有するカプセル(2)から飲料(3)を調製するためのカプセル処理マシン(1)であって、前記カプセル処理マシン(1)は、前記カプセル内の前記風味原材料と混合されるように水を前記カプセルに通すことによって前記飲料を調製し、前記カプセル処理マシン(1)は、
飲料処理ユニット(10、20)であって、
前記カプセル(2)を受け入れるための受け入れ空間(11)を画定しているホルダ(10)と
前記ホルダ(10)を覆うためのカバー(20)であって、前記カバー(20)と前記ホルダ(10)が、前記カプセル(2)を前記受け入れ空間(11)に配置するためのかつ/又は前記カプセル(2)を前記受け入れ空間(11)から取り出すための開放位置から、前記受け入れ空間(11)において前記カプセル(2)から前記飲料を調製するための閉鎖位置へと相対的に移動可能である、カバー(20)と、
前記飲料(3)を前記飲料処理ユニット(10、20)から送出するように構成された、前記ホルダ(10)と前記カバー(20)との間にかつ/又は前記カバー(20)を通って延びている飲料出口機構(21)と
前記受け入れ空間(11)に水(4)を案内するように構成された、前記カバー(20)を通って延びている水入口部(22)であって、前記受け入れ空間(11)において、前記水(4)が前記カプセル(2)内の前記風味原材料と混合されて前記飲料(3)が生成される、水入口部(22)と、を有する飲料処理ユニット(10、20)と、
前記飲料出口機構(21)から送出された前記飲料(3)を収集しかつ熱的に調節するように構成された熱的に調節され飲料収集面(35)を形成する本体(31)を有する熱調節器(30)であって、前記熱調節器(30)の前記本体(31)が、前記水入口部(22)に送出するための前記水(4)を前記本体(31)内で熱的に調節するように構成されている、熱調節器(30)と、備えるカプセル処理マシン(1)において、
前記熱調節器(30)の前記本体(31)が、少なくとも部分的に前記カバー(20)の範囲を定めるか又は前記カバー(20)を収容する、調節器空洞(31)を形成していることを特徴とする、マシン。
【請求項2】
前記受け入れ空間(11)において前記カプセル(2)から前記飲料(3)が調製されているときに静止しているフレーム又は外側ハウジング(16)を有し、前記カバー(20)が、前記開放位置と前記閉鎖位置との間で前記フレーム又は前記ハウジング(16)に対して移動可能である、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記熱調節器(30)が、前記フレーム又は前記外側ハウジング(16)に対して、前記カバー(20)と共に移動可能である、請求項2に記載のマシン。
【請求項4】
前記カバー(20)が、案内構造部(25)に沿って、前記フレーム又は前記外側ハウジング(16)に対して枢動可能かつ/又は水平移動可能である、請求項2又は3に記載のマシン。
【請求項5】
能ブロック(40)を備え、前記カバー(20)が、前記熱調節器(30)から離れた枢動軸(25)を中心として前記フレーム又は前記外側ハウジング(16)に対して枢動可能であり、前記機能ブロック(40)又は前記機能ブロック(40)へのアクセスが、前記枢動軸(25)と前記受け入れ空間(11)との間隔を空けている空間(41)に位置している、請求項4に記載のマシン。
【請求項6】
前記カバー(20)が、前記熱調節器(30)から離れた枢動軸(25)を中心として前記フレーム又は前記外側ハウジング(16)に対して枢動可能であり、前記カバー(20)が、接続部材(26)によって前記枢動軸(25)に接続されている、請求項4又は5に記載のマシン。
【請求項7】
前記ホルダ(10)及び前記カバー(20)のうちの少なくとも一方が、前記ホルダ及び前記カバーが前記閉鎖位置にあるときに前記ホルダ及び前記カバー(20)を回転駆動するように構成されたドライバに接続されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項8】
前記マシン(1)からの前記飲料(3)を収集するためのユーザ容器を受け入れるように構成された注出領域(5)へと、前記飲料収集面(35)から前記飲料(3)を案内するように構成された放出装置(36、37)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項9】
前記マシンが、前記飲料収集面(35)から離れるときの前記飲料(3)と、前記水入口部(11)によって案内されるときの前記水(4)とが、10℃未満の温度差を有するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項10】
前記熱調節器(30)が、
前記熱調節器の前記本体を形成する塊状の金属ブロック(31)を有するサーモブロックと
前記水入口部(22)に送出する前記水(4)を案内しかつ熱的に調節するように構成された、前記熱調節器の前記本体(31)内のダクト(32)と
熱発生器(33)と
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項11】
水源(6)と、前記水(4)を前記給水源(6)から前記熱調節器(30)に案内するために前記給水源(6)と前記熱調節器(30)とに流体接続している上流側水案内部(24)と、を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項12】
前記ホルダ(10)と前記カバー(20)が、案内構造部(25)に沿って前記開放位置と前記閉鎖位置との間で相対的に移動可能であり、前記上流側水案内部(24)が、前記案内構造部又は前記案内構造部の傍を通過している、請求項11に記載のマシン。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のマシン(1)と、前記マシン(1)において飲料(3)を調製するためのカプセル(5)との組み合わせ。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載のマシン(1)において前記カプセル(2)から前記飲料(3)を調製する方法であって、
前記カプセル(2)を前記受け入れ空間(11)に配置する工程と、
前記ホルダ(10)及び前記カバー(20)を前記閉鎖位置にする工程と、
前記熱調節器(30)によって調節された前記水(4)を前記カバー(20)の前記水入口部(22)に送出する工程であって、前記熱調節器(30)が、前記カバー(20)の範囲を定めるか又は前記カバー(20)を収容する調節器空洞(31)を形成している、工程と、
前記カプセルの風味原材料を前記調節された水(4)と混合することによって、前記飲料(3)を調製する工程と、
前記飲料出口機構(21)を経て前記飲料(3)を送出し、送出された前記飲料(3)を、前記熱調節器(30)の熱的に調節された前記飲料収集面(35)で収集する工程と、を含む、方法。
【請求項15】
求項1~12のいずれか一項に記載のマシンにおいて前記飲料(3)を調製するため、又は請求項13に記載の組み合せを実施するため、又は請求項14に記載の方法によって前記飲料(3)を調製するための、カプセル(5)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、加熱及び/又は冷却された液体など熱的に調節された液体を使用する飲料調製マシンに関する。液体は、典型的には水又は水性である。マシンは、コーヒー、茶、カカオ、ミルク、砂糖、及び/又はスープ原材料のうちの少なくとも1つなどの、調製する飲料の原材料を収容したカプセルに液体を通すことによって、飲料を調製するように構成され得る。例えば、液体は、液体がカプセルを通過している間にカプセルに遠心作用を及ぼすことによって、カプセル内に収容された原材料と混合される。
【0002】
本明細書の目的に関して、「飲料」は、茶、コーヒー、温かい又は冷たいチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの、人が飲食可能な任意の液体物質を含むことを意図している。「カプセル」は、例えば、風味原材料などの、予めポーション化された飲料原材料を収容するためのパッケージなど、任意の容器を含むことを意図され、該パッケージは、任意の材料、特に気密性又は透過性材料、多孔性又は非多孔性材料(例えば、プラスチック、アルミニウム、リサイクル可能及び/又は生分解性のパッケージ)、並びに原材料を収容する軟質ポッド又は硬質カートリッジを含む任意の形状及び構造の、エンクロージャを形成するものである。
【背景技術】
【0003】
ある種の飲料調製マシンはカプセルを使用しており、カプセルは、抽出若しくは溶解される原材料、及び/又はマシン内にて保管され自動的に投入される、若しくは飲み物の調製時に添加される原材料を収容している。いくつかの飲料マシンは充填手段を有し、充填手段は、通常は水である液体用のポンプを含み、ポンプは水の供給源から、冷水、又は例えばサーモブロック等の加熱手段により実際には加熱された液体を圧送する。
【0004】
特に、コーヒー調製の分野では、飲料原材料を収容したカプセルが淹出デバイスに挿入されるマシンが広く開発されてきた。淹出デバイスはカプセルの周囲で密閉されており、カプセルの第1の面に水を注入し、カプセルの密閉された内容積部で飲料を生成し、淹出された飲料をカプセルの第2の面から排出し、カップ又はグラスなどの容器内に収集することができる。
【0005】
遠心作用を用いることによる飲料の調製は知られている。このような飲料調整は、例えば、粉末及び/又は茶葉などの、カプセルに入った飲料(風味)原材料を提供するステップと、カプセル内に液体を流通させ、カプセル内で液体の圧力勾配を生成しながら液体の原材料との相互作用を確保するのに十分な速度でカプセルを回転させるステップとを含む。このような圧力は、カプセルの中心から周縁に向かって徐々に増加する。液体がコーヒー層などの原材料を通過するにつれて、コーヒー混合物などの原材料の抽出が起こり、カプセルの周縁にて流出する液体抽出物が得られる。このようなシステムの例が、国際公開第2008/148601号、同第2013/007776号、同第2013/007779号、及び同第2013/007780号に開示されている。
【0006】
適切な対策を取らない場合、遠心作用システムは、デバイスから排出された液体抽出物が環境との著しい熱交換に曝されるという不都合を抱え、これは、飲料が所望されるよりも著しく低温又は高温になり得ることにつながる。具体的には、液体抽出物は、デバイスの収集装置の広い表面との熱交換によって、収集デバイス内で冷却(液体が事前に加熱されている場合)又は加熱(液体が事前に冷却されている場合)され得る。これは、淹出ユニットが中心軸線に沿って回転され、実質的に管状の衝突面に衝突する、液体の薄層又は噴流を形成することから生じる。この液体は、表面と接触してそこから滴り落ち、この表面は、例えば、円筒状である場合には、少なくとも約500mmの表面積を有し得る第1の衝突面に等しくなり得る。更に、液体が、次いで、注出ダクトにつながる略U字形の空洞内に収集される場合、そのような空洞もやはり、抽出された液体との広範囲の接触領域を形成する。更に、カップなどの容器は、液体を受けるためにデバイスの下に配置される前に加熱されていない限り、液体を更に冷却する。
【0007】
更に、焙煎して挽いたコーヒー又は茶などのある飲料原材料は、所望のアロマ化合物の捕捉を含む原材料の完全な抽出を確実にするために、特定の温度範囲内の加熱された液体、例えば、熱湯で抽出される必要がある。したがって、抽出物の品質に悪影響を与えるため、抽出後の液体による温度損失を補償するために抽出ユニットに供給される液体を過熱することはできない。最終的な飲料の最高品質を確保するために、コーヒー又は茶などの最適な淹出の温度範囲を尊重する必要がある。更に、コーヒー飲料の他の品質特性、例えば、「クレマ」と呼ばれる泡の上部は、調製中に保持される必要がある。
【0008】
上述したようにデバイスにおける温度損失を追加の加熱要素を使用することによって補償することは欧州特許第2393404(A1)号から既知であるが、これらのデバイスは非常に複雑である。
【0009】
飲料風味原材料と混合する前の液体の温度及び結果として得られた飲料の温度を管理するための好都合なシステムは、国際公開第2010/089329号及び同第2014/090850号に開示されている。
【0010】
飲料風味原材料と混合する前及び混合した後の液体の熱管理を最適化する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、少なくとも1種類の原材料から飲料を調製するためのカプセル処理マシンに関する。通常、このような飲料は、その後、例えば、ユーザのカップ又はユーザのマグなどユーザに対して注出される。
【0012】
例えば、本マシンは、コーヒー、茶、チョコレート、カカオ、ミルク、又はスープ調製マシンである。例えば、本マシンは、ホルダ内に保持された、挽いたコーヒー、茶、チョコレート、カカオ、又は乳粉末などの調製する飲料の風味原材料などの原材料を収容するカプセルを通して、熱湯若しくは冷水又は他の液体を通すことにより、カプセルホルダを含む飲料処理モジュール内で飲料を調製するように構成されている。
【0013】
そのような飲料調製は、典型的には、複数の飲料原材料、例えば、水及び乳粉末の混合、及び/又は挽いたコーヒー又は茶などの水による浸出などの、飲料原材料の浸出、を含む。例えば、1杯に対応するユーザの要求に基づいて、所定の量の飲料が生成されて注出される。このような1杯の量は、飲料の種類に応じて、例えば、カップ又はマグを満たす量である、25~600mL(例えば、40~250mL)など、15~1000mLの範囲内であってもよい。形成されて注出される飲料は、リステロット、エスプレッソ、ルンゴ、カプチーノ、カフェラッテ、アメリカーノコーヒー、茶などから選択することができる。例えば、コーヒーマシンは、例えば、1杯当たり20~60mLの調整可能な量のエスプレッソ、及び/又は、例えば、1杯当たり70~200mLの範囲の量のルンゴ、及び/又は、例えば、150~750mLの範囲の量のアメリカーノを注出するように構成され得る。
【0014】
本発明の一態様は、コーヒー又は茶又はカカオ又はミルクなどの風味原材料を収容した本体を有するカプセルから、飲料を、このようなカプセル内の風味原材料と混合されるように水をカプセルに通すことによって調製するためのカプセル処理マシンに関する。例えば、混合は、このようなカプセルを遠心駆動することによって達成される。
【0015】
カプセルは、原材料を収容した本体と、周方向に突出したフランジとを有し得る。
【0016】
カプセルは、「技術分野」の見出しの下で上記したタイプのカプセルであってもよい。カプセルは、フランジを有する容器本体(例えば、略カップ形、半球体、又は半楕円体の本体)を有するカプセルであってもよく、フランジにはカバー蓋が取り付けられ、特に密封されている。典型的には、カプセルは飲料原材料を収容している。
【0017】
カプセルは、対称若しくは非対称、円錐形若しくは円錐台形、角錐形若しくは角錐台形、円筒形若しくは角柱形、球体若しくは半球体若しくは切頭球体、ドーム状若しくは切頭ドーム状であり、原材料、例えば、挽いたコーヒー、茶、又はカカオ、又は別の飲料原材料を収容している本体又上記本体を有し得る。
【0018】
マシンは、飲料処理ユニットを有する。
【0019】
このユニットは、カプセルを受け入れるための受け入れ空間を画定しているホルダを含む。例えば、受け入れ空間はホルダ空洞を画定しており、ホルダ空洞は、上方又は側方又は斜め(上方と側方との間)に向いた口部を有し、この口部を経てカプセルがホルダ内(例えば、ホルダの縁部によって画定される開口部)に受け入れられ、例えば、口部は概ね水平面内に含まれる。カプセルは、口部に概ね平行に延びる、カプセルフランジ又は上記カプセルフランジを有してもよい。ホルダ空洞は、例えば、カプセルの形状と一致するように、概ねカップ状に成形されてもよい。
【0020】
ユニットは、ホルダをカバーするための蓋などのカバーを有する。カバーとホルダは、上記カプセルを受け入れ空間内に配置するためのかつ/又はカプセルを受け入れ空間から取り出すための開放位置から、受け入れ空間において上記カプセルから上記飲料を調製するための閉鎖位置へと相対的に移動可能である。
【0021】
カプセルホルダ及び/又はカバーは、例えばカプセルに遠心作用を及ぼすために、電動駆動軸によって回転駆動可能であってもよい。
【0022】
例えば、マシンは、国際公開第2008/148604号、同第2009/106598号、同第2014/096122号、又は同第2014/096123号に開示されている特徴を組み込んでいる。
【0023】
ユニットは、ホルダとカバーとの間にかつ/又はカバーを通って延びている飲料出口機構を有する。飲料出口機構は、処理ユニットから飲料を送出するように構成されている。飲料出口機構は、ホルダとカバーとの間の複数の隙間によって形成することができる。例えば、隙間は、カバーの周縁部分と、対向するカプセルの境界面(例えば、カプセルの周縁フランジ)とによって画定される。例えば、飲料出口機構は、カバー及びホルダの閉鎖位置において、ホルダに対向するカバーの周縁部に略水平かつ/又は平面状に配置される。
【0024】
飲料出口機構の例は、国際公開第2009/106175号、同第2012/100836号、同第2013/020939号、及び同第2017/068134号に開示されている。
【0025】
このユニットは、カバーを通って延びている水入口部を含む。入口部は、受け入れ空間内に水を案内するように構成され、この受け入れ空間において、水がカプセル内の風味原材料と混合されて飲料が生成される。
【0026】
入口部は、国際公開第2010/063644号に開示されている特徴を含み得る。
【0027】
カプセルホルダ及びカバーは、例えば、欧州特許第2000062号、同第2155020号、同第2152128号、国際公開第2008/148646号、同第2008/148650号、同第2008/148834号、同第2009/106175号、同第2009/106589号、同第2010/026045号、同第2010/026053号、同第第2010/063644号、同第2010/066705号、同第2010/066736号、及び同第2011/023711号に開示されているような、(典型的には遠心作用タイプの)飲料調製デバイスの原材料処理モジュールに組み込むことができる。
【0028】
カプセルホルダ及びカバーは、例えば国際公開第2012/007293号及び同第2014/102048号に開示されているような対応する装置によって、閉鎖位置で一緒に固定されてもよい。
【0029】
マシンは、例えば、国際公開第2012/041605号、同第2017/046294号、及び同第2017/202746号に開示されているようなカプセル移送デバイスを有してもよい。
【0030】
処理ユニットには、例えば、国際公開第2008/148656号、同第2010/026045号、及び同第2010/066736号に開示されているような、カプセルを開放するための装置が取り付けられてもよい。
【0031】
処理ユニットは、例えば、国際公開第2011/023711号に開示されているように、異なるサイズのカプセルを受け入れるように構成されてもよい。
【0032】
マシンは、熱的に調節された飲料収集面を形成する本体を有する、加熱器及び/又は冷却器などの熱調節器を有する。この収集面は、飲料出口機構に対向する(例えば、飲料出口機構を取り囲む)環状空洞の少なくとも一部を画定し得る。
【0033】
例えば、空洞は断面が略U字形である。環状空洞は、外側飲料衝突壁、内側飲料閉じ込め壁、及び下部底部を有し得る。例えば、衝突壁及び/又は閉じ込め壁は、調節器の本体によって形成される。底部は、調節器の本体によって、又は本体とは熱的に実質的に異なっており、かつ調節器の本体よりも熱伝導性が著しく低い構成要素によって、形成され得る。
【0034】
収集面は、国際公開第2013/020940号に開示されている特徴を含み得る。
【0035】
熱的に調節された飲料収集面は、飲料出口機構から送出された飲料を収集しかつ熱的に調節するように構成されている。
【0036】
熱調節器の本体は、熱調節器と入口部とを流体接続する水導管を経て、上記水入口部などの入口部内に送出するための水を本体内で熱的に調節するように構成される。
【0037】
マシンは、選択装置を有し得、この選択装置は、制御ユニット並びに制御ユニットに接続されたユーザインターフェース及びカプセル認識装置のうちの少なくとも1つなどであり、上記水入口部に供給される複数の選択可能な利用可能な量のうち特定の水量を、それに対応して結果として生じる特定の量の上記飲料を調製するために、選択するように構成されている。例えば、選択可能な利用可能な量としては、約15mL、約20mL、約25mL、約30mL、約35mL、約40mLなどであり、約200、400、700、又は更には1000mLまでが含まれる。調製の調節の例は、国際公開第2010/026053号、同第2014/090965号及びPCT/EP18/085737号に開示されている。
【0038】
自動カプセル認識システムを使用して、原材料の種類に応じて自動的に原材料の処理をパラメータ化し、調節することができる。そのような技術及び関連する特徴の例は、国際公開第2011/141532号、同第2011/141535号、同第2012/010470号、同第2013/072239号、同第2013/072297号、同第2013/072326号、同第2013/072351号、及び同第2015/044400号に開示されている。
【0039】
ユーザインターフェースの例は、国際公開第2015/096998号に開示されている。
【0040】
熱調節器本体は、少なくとも部分的にカバーの範囲を定めるか又はカバーを収容する調節器空洞を形成する。
【0041】
調節器空洞は、ホルダ及びカバーが閉鎖位置にあるとき、及びホルダ及びカバーが開放位置にあるときに、カバーの範囲を定めるか又はカバーを収容し得る。
【0042】
熱調節器本体は、ユニットの飲料出口機構の高さで飲料処理ユニットを完全に取り囲んでもよい。
【0043】
したがって、飲料処理ユニットから流出する飲料を熱調節し、飲料ユニットに流入する水を熱的に調節する熱調節器は、飲料処理ユニットの入口部及び飲料出口機構に近接して配置され、そのため熱調節器と飲料処理ユニットとの間の液体経路(水経路及び飲料経路)は小さくすることができ、それに応じてこれらの経路に沿った熱変動を低減することができる。有益な効果は、飲料処理ユニットの同じ部分(すなわちカバー)の上に及び/又は同じ部分に入口部及び飲料出口機構の両方を設けることによって増大される。
【0044】
一実施形態では、マシンは、受け入れ空間においてカプセルから飲料が調製されているときに静止しているフレーム又は外側ハウジングを有し、カバーは、開放位置と閉鎖位置との間でフレーム又はハウジングに対して移動可能である。例えば、ホルダは、カバーとホルダが開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動されるときに、フレーム又は外側ハウジングに対して静止している。
【0045】
熱調節器は、フレーム又は外側ハウジングに対して、カバーと共に移動可能とすることができる。
【0046】
カバーは、案内構造部に沿って、フレーム又は外側ハウジングに対して枢動可能かつ/又は水平移動可能であってもよい。
【0047】
カバーは、熱調節器から離れた枢動軸を中心としてフレーム又は外側ハウジングに対して枢動可能とすることができる。枢動軸と熱調節器とは、受け入れ空間の最大寸法よりも大きい間隔距離だけ間隔を空けていてもよい。したがって、間隔は、例えば処理ユニット内でカプセルを使用した後の、カプセルの通過を可能にするような間隔であることができる。
【0048】
例えば、マシンは、使用済みカプセルリザーバ及び/又は水リザーバなどの機能ブロックを有する。カバーは、熱調節器から離れた枢動軸を中心としてフレーム又は外側ハウジングに対して、枢動可能であり得る。機能ブロック又は機能ブロックへのアクセスは、枢動軸と受け入れ空間との間隔を空けている空間内に位置してもよい。
【0049】
カバーは、熱調節器から離れた枢動軸を中心としてフレーム又は外側ハウジングに対して、枢動可能であり得る。カバーは、接続部材によって枢動軸に接続されてもよい。接続部材は、カバー及びホルダが閉鎖位置にあるときに、機能ブロック又は上記機能ブロックを覆ってもよく、カバー及びホルダが開放位置にあるときに機能ブロックを覆わなくてもよい。例えば、接続部材は、上部ハウジング部分を形成する。
【0050】
ホルダ及びカバーのうちの少なくとも一方が、ホルダ及びカバーが閉鎖位置にあるときにホルダ及びカバーを回転駆動するように構成されたドライバに接続されてもよい。例えば、ドライバは、カプセル内の風味原材料及び熱調節器によって受け入れ空間内に送出された水を収容した受け入れ空間に遠心作用を及ぼして、飲料を調製する、かつ/又は飲料出口機構を経て飲料を送出するように構成されている。
【0051】
マシンは、典型的には、このようなマシンからこのような飲料を収集するためのユーザ容器を受け入れるように構成された注出領域へと、飲料収集面から飲料を案内するように構成された放出装置を有する。注出領域は、外側直立マシン面及び/又はカップ支持体によって画定され得る。
【0052】
放出装置は、ホルダとカバーとが開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動されるときに、カバーに対して静止している上流部分を有し得る。
【0053】
放出装置は、ホルダとカバーとが開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動されるときに、ホルダに対して静止している下流部分を有することができる。
【0054】
放出装置は、管状部分を有してもよい。例えば、管状部分は、上流部分又は上記上流部分を形成する。
【0055】
放出装置は、下流部材を含み得る。下流部材は、飲料に含まれる泡を、例えば、1つ以上の泡分割器などの微細化構造部によって、微細化するための下流チャンバ、及び/又は飲料を注出領域にかつ廃棄液を廃棄物収集装置に選択的に導くように構成された液体導流部材などであってもよい。例えば、下流部材が、下流部分又は上記下流部分を形成する。
【0056】
放出装置は、洗浄及び/又は整備のためにユーザによって取り外し可能な下流部分又は上記下流部分などの少なくとも1つの部分を含むことができる。
【0057】
放出装置は、上流部分又は上記上流部分などである第1の部分と、下流部分又は上記下流部分などである第2の部分とを有することができる。第2の部分は、飲料が受け入れ空間においてカプセルから調製されているときに静止している外側ハウジング又は上記外側ハウジングの中に又はそのハウジングに取り付けることができる。第1の部分は、カバーを案内構造部に接続している接続部材内に又は接続部材に取り付けられており、案内構造部は、ホルダとカバーが例えば案内構造部に沿って開放位置と閉鎖位置との間で、例えば、枢動かつ/又は水平移動など、相対的に移動することを可能にするように構成されているため、ホルダ及びカバーが閉鎖位置にあるとき、第1の部分が外側ハウジング内に突出し、かつ/又は第2の部分が接続部材内に突出する。
【0058】
放出装置は、国際出願PCT/EP18/085359号、国際出願PCT/EP18/085360号、及び国際出願PCT/EP18/085763号に開示されている構成を含み得る。
【0059】
マシンは、飲料収集面から離れるときの飲料と、水入口部によって案内されるときの水とが、10℃未満の温度差(例えば、4℃未満など7℃未満の差)を有するように構成することができる。例えば、飲料収集面は、熱調節器内の上流側水流部分に隣接して、熱調節器内の下流側水流部分に隣接して、又は、上流側水流部分と下流側水流部分との間に隣接して配置されている。
【0060】
熱調節器は、熱調節器の本体を形成する塊状の金属ブロックを有するサーモブロックを含んでもよい。例えば、塊状の金属ブロックは、遠心作用軸線などの飲料処理ユニットの中心軸線を中心として延びている。
【0061】
熱調節器は、熱調節器の本体内にダクトを有してもよい。このようなダクトは、水入口部内に送出する水を案内しかつ熱的に調節するように構成され得る。ダクトは、例えば、遠心作用軸線などの飲料処理ユニットの中心軸線又は上記中心軸線を中心として螺旋状に延びている、1つ以上の周縁ループを形成してもよい。ダクトは、飲料収集面に実質的に平行にかつ/又は隣接して延びていてもよい。
【0062】
熱調節器は、熱発生器を含むことができる。例えば、熱発生器は、熱電対などの(冷気発生器としての)熱除去器、及び/又は抵抗性若しくは誘導性加熱器(例えば、個別抵抗器及び/又は厚膜ヒータ)などの熱発生器である。
【0063】
熱発生器は、遠心作用軸線などの飲料処理ユニットの中心軸線又は上記中心軸線を中心として延びている周縁ループを形成してもよい。熱発生器は、飲料収集面に実質的に平行にかつ/又は隣接して延びている構造部を形成してもよい。
【0064】
熱発生器は、外側厚膜抵抗器など、熱調節器の本体の外側層を形成することができる。熱発生器は、個別部品(例えば、電気抵抗器及び/又は誘導加熱経路)などの熱調節器の本体内の内部埋没部品を形成し得る。
【0065】
マシンは、水タンクなどの給水源と、水を給水源から熱調節器に案内するために給水源と熱調節器とに流体接続している可撓性案内部などの上流側水案内部と、を含み得る。例えば、水案内部は、ポンプなど、案内部を経て水を給水源から熱調節器に駆動するためのポンプなどの水ドライバに関連付けられている。案内部は、1つ以上の部分で作製されてもよい。案内部はまた、流量計、温度センサ、及び圧力センサのうちの1つ以上などの、1つ以上の機能部品を含んでもよく、又はそれに関連付けられてもよい。
【0066】
ホルダとカバーは、案内構造部に沿って開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動可能(例えば、水平移動可能かつ/又は枢動可能)であり得る。上流側水案内部は、案内構造部又は案内構造部の傍を通過してもよい。例えば、上流側水案内部は、案内構造部及び水案内部支持体によって固定されている。
【0067】
本発明はまた、上述のマシンと、そのようなマシン内で飲料を調製するためのカプセルとの組み合わせにも関する。
【0068】
本発明の更なる態様は、上記マシン内でカプセルから飲料を調製する方法に関する。
【0069】
本方法は、
カプセルを受け入れ空間内に配置する工程と、
ホルダ及びカバーを閉鎖位置にする工程と、
熱調節器によって調節された水をカバーの水入口部内に送出する工程であって、熱調節器が、カバーの範囲を定めるか又はカバーを収容する調節器空洞を形成している、工程と、
カプセルの風味原材料を調節された水と混合することによって、飲料を調製する工程と、
飲料出口機構を経て飲料を送出し、送出された飲料を、熱調節器の熱的に調節された飲料収集面上で収集する工程と、を含む。
【0070】
本発明の別の態様は、上記マシンで飲料を調製する、又は上記の組み合わせを実施する、又は上記の方法によって飲料を調製する、ためのカプセルの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
ここで、本発明を概略図を参照して説明する。
図1】ホルダ及びカバーが閉鎖位置にあるときの、本発明によるマシンの一部の斜視図である。
図1a】ホルダ及びカバーが開放位置にあるときの、図1に示されるマシンの側面図である。
図2】マシンのホルダ及びカバーが閉鎖位置にあるときの、マシンの熱調節器(マシンの上部ハウジング部分の取り外し後)を示す、図1に示されるマシンの一部の斜視図である。
図2a】マシンのホルダ及びカバーが開放位置にあるときの、マシンの熱調節器(マシンの上部ハウジング部分の取り外し後)を示す、図1に示されるマシンの一部の斜視図である。
図3図1に示されるマシンの一部の部分概略断面図である。
図4】ホルダ及びカバーが閉鎖位置にある、図1に示すマシンの熱調節器及び放出装置の一部の拡大断面図である。
図4a】ホルダ及びカバーが開放位置と閉鎖位置との間で移動されるときの図4に示される部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1図4aは、本発明によるカプセル処理マシン1及びその一部の例示的な実施形態を示し、同じ参照番号は概ね同じ部分を示している。
【0073】
マシン1は、コーヒー又は茶又はカカオ又はミルクなどの風味原材料を収容した本体を有するカプセル2から飲料3を調製するように構成され、このようなカプセル2を遠心駆動することなどによって、カプセル内の風味原材料と混合されるように水をカプセルに通すことによって飲料を調製する。
【0074】
マシン1は、飲料処理ユニット10、20を含む。
【0075】
ユニット10、20は、カプセル2を受け入れるための受け入れ空間11を画定しているホルダ10を有する。例えば、受け入れ空間11はホルダ空洞11を画定しており、ホルダ空洞11は、上方又は側方又は斜めに向いた口部を有し、この口部を経てカプセル2がホルダ10内に受け入れられる。例えば、カプセル2は、口部に概ね平行に延びるカプセルフランジを有する。
【0076】
ユニット10、20は、ホルダ10を覆うための蓋などのカバー20を含む。カバー20とホルダ10は、カプセル2を受け入れ空間11内に配置するためのかつ/又はカプセル2を受け入れ空間11から取り出すための開放位置から、受け入れ空間11においてカプセル2から飲料を調製するための閉鎖位置へと相対的に移動可能である。
【0077】
ユニット10、20は、ユニット10、20から飲料3を送出するように構成された、ホルダ10とカバー20との間にかつ/又はカバー20を通って延びている飲料出口機構21を備える。例えば、飲料出口機構21は、ホルダ10とカバー20との間の複数の隙間によって形成される。隙間は、カバー20の周縁部分と、対向するカプセル2の境界面(例えば、カプセル2の周縁フランジ)とによって画定されることができる。例えば、飲料出口機構は、カバー20及びホルダ10の閉鎖位置において、ホルダ10に対向するカバー20の周縁部に略水平かつ/又は平面状に配置される。
【0078】
ユニット10、20は、受け入れ空間11内に水4を案内するように構成された、カバー20を通って延びている水入口部22を有し、この受け入れ空間11において、水4がカプセルの風味原材料と混合されて飲料3が生成される。
【0079】
マシン1は、熱的に調節された飲料収集面35を形成する本体31を有する加熱器及び/又は冷却器などの熱調節器30を含み、飲料収集面35は、飲料出口機構21に対向する(例えば、飲料出口機構21を取り囲む)環状空洞の少なくとも一部を画定する表面35である。
【0080】
例えば、空洞は、断面が略U字形である。空洞は、環状であってもよく、外側飲料衝突壁、内側飲料閉じ込め壁、及び下部底部を有し得る。例えば、衝突壁及び/又は閉じ込め壁は、調節器の本体31によって形成されている。底部は、調節器の本体31によって、又は本体とは熱的に実質的に異なっており、かつ調節器の本体31よりも熱伝導性が著しく低い構成要素によって、形成され得る。
【0081】
飲料収集面35は、飲料出口機構21から送出された飲料3を収集しかつ熱的に調節するように構成されている。熱調節器30の本体31は、熱調節器30と入口部22とを流体接続する水導管23を経て、水入口部22などの入口部22内に送出するための水4を本体31内で熱的に調節するように構成される。
【0082】
マシン1は、選択装置7を含み得、この選択装置は、制御ユニット並びに制御ユニットに接続されたユーザインターフェース7及びカプセル認識装置のうちの少なくとも1つなどである。選択装置7は、水入口部22に供給される複数の選択可能な利用可能な量のうち特定の水量を、それに対応して結果として生じる所望の量の飲料4を調製するために、選択するように構成され得る。
【0083】
熱調節器30の本体31は、少なくとも部分的にカバー20の範囲を定めるか又はカバーを収容する調節器空洞31を形成してもよい。
【0084】
調節器空洞31は、ホルダ10及びカバー20が閉鎖位置にあるとき、及びホルダ10及びカバー20が開放位置にあるときに、カバー20の範囲を定めてもよく又はカバーを収容してもよい。
【0085】
熱調節器の本体31が、飲料処理ユニット10、20の飲料出口機構21の高さで飲料処理ユニット10、20を完全に取り囲んでもよい。
【0086】
マシン1は、飲料3が受け入れ空間11においてカプセル2から調製されているときに静止しているフレーム又は外側ハウジング16を有することができる。カバー20は、開放位置と閉鎖位置との間でフレーム又はハウジング16に対して移動可能であってもよい。ホルダ10は、カバー20とホルダ10が開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動するときに、フレーム又は外側ハウジング16に対して静止していてもよい。
【0087】
熱調節器30は、フレーム又は外側ハウジング16に対して、カバー20と共に移動可能とすることができる。
【0088】
カバー20は、案内構造部25に沿って、フレーム又は外側ハウジング16に対して枢動可能かつ/又は水平移動可能であってもよい。カバー20は、熱調節器30から離れた枢動軸25を中心としてフレーム又は外側ハウジング16に対して枢動可能であってもよい。枢動軸25と熱調節器30とは、受け入れ空間11の最大寸法よりも大きい間隔距離だけ間隔を空けることができる。
【0089】
マシン1は、使用済みカプセルリザーバ及び/又は水リザーバなどの機能ブロック40を含んでもよい。カバー20は、熱調節器30から離れた枢動軸25を中心としてフレーム又は外側ハウジング16に対して枢動可能とすることができる。機能ブロック又は機能ブロックへのアクセスは、枢動軸と受け入れ空間との間隔を空けている空間内に位置することができる。
【0090】
カバー20は、熱調節器30から離れた枢動軸25を中心としてフレーム又は外側ハウジング16に対して枢動可能であり得る。カバー20は、接続部材26によって枢動軸25に接続され得る。例えば、接続部材26は、カバー20及びホルダ10が閉鎖位置にあるときに、機能ブロック40又は上記機能ブロック40を覆い、カバー及びホルダ10が開放位置にあるときに機能ブロック40を覆わない。接続部材は、上部ハウジング部分26を形成してもよい。
【0091】
ホルダ10及びカバー20のうちの少なくとも一方は、ホルダ及びカバーが閉鎖位置にあるときにホルダ10及びカバー20を回転駆動するように構成されたドライバに接続されていてもよい。例えば、ドライバは、カプセル2内の風味原材料及び熱調節器30によって受け入れ空間11内に送出された水4を収容した受け入れ空間11に遠心作用を及ぼして、飲料3を調製する、かつ/又は飲料出口機構21を経て飲料3を送出するように構成されている。
【0092】
マシン1は、マシン1からの飲料3を収集するためのユーザ容器を受け入れるように構成された注出領域5へと、飲料収集面35から飲料3を案内するように構成された放出装置36、37を有し得る。注出領域5は、外側直立マシン面51及び/又はカップ支持体52によって画定され得る。
【0093】
放出装置36、37は、ホルダ10とカバー20とが開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動されるときに、カバー20に対して静止している上流部分36を有し得る。
【0094】
放出装置36、37は、ホルダ10とカバー20とが開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動されるときに、ホルダ10に対して静止している下流部分37を有することができる。
【0095】
放出装置36、37は、管状部分36を含み得る。例えば、管状部分36は、上流部分又は上記上流部分を形成する。
【0096】
放出装置36、37は、上記飲料3に含まれる泡を微細化するための下流チャンバ37などの下流部材37を有することができる。下流部材37は、1つ以上の泡分割器37a、37b、37c、37dなどの微細化構造部を含み得る。下流部材37は、飲料3を注出領域5に、かつ廃棄液を廃棄物収集装置40に、選択的に導くように構成された液体導流部材37などであり得る。部材37は、下流部分又は上記下流部分を形成し得る。
【0097】
放出装置36、37は、洗浄及び/又は整備のためにユーザによって取り外し可能な下流部分37又は上記下流部分37など、少なくとも1つの部分を有し得る。
【0098】
放出装置36、37は、上流部分又は上記上流部分36などである第1の部分と、下流部分又は上記下流部分37などである第2の部分とを有し得る。第2の部分は、飲料3が受け入れ空間11においてカプセル2から調製されているときに静止している外側ハウジング16又は上記外側ハウジング16の中に又はそのハウジングに取り付けられ得る。第1の部分は、カバー20を案内構造部25に接続している接続部材26内に又は接続部材26に取り付けられることができ、案内構造部25は、ホルダ10とカバー20が、案内構造部25に沿って開放位置と閉鎖位置との間で、例えば、枢動かつ/又は水平移動など、相対的に移動することを可能にするように構成されているため、ホルダ10及びカバー20が閉鎖位置にあるとき、第1の部分が外側ハウジング内に突出し、かつ/又は第2の部分が接続部材26内に突出する。
【0099】
マシン1は、飲料収集面35から離れるときの飲料3と、水入口部11によって案内されるときの水4とが、10℃未満の温度差(例えば、4℃未満など7℃未満の差)を有するように構成することができる。例えば、飲料収集面35は、熱調節器30内の上流側水流部分に隣接して、熱調節器30内の下流側水流部分に隣接して、又は、上流側水流部分と下流側水流部分との間に隣接して配置されている。
【0100】
熱調節器30は、熱調節器の本体を形成する塊状の金属ブロック31を有するサーモブロックを含んでもよい。例えば、塊状の金属ブロックは、遠心作用軸線19などの飲料処理ユニット10、20の中心軸線19を中心として延びている。
【0101】
熱調節器30は、熱調節器の本体31内にダクト32を有してもよい。ダクト32は、水入口部22内に送出する水4を案内しかつ熱的に調節するように構成することができる。例えば、ダクト32は、遠心作用軸線19などの飲料処理ユニット10、20の中心軸線19又は上記中心軸線19の周りに螺旋状に延びている、1つ以上の周縁ループを形成しており、かつ/又は飲料収集面35に実質的に平行にかつ/若しくは隣接して延びているように構成される。
【0102】
熱調節器30は、熱発生器33を有してもよい。このような発生器33は、熱電対などの熱除去器(冷気発生器)、及び/又は抵抗性若しくは誘導性加熱器(例えば、個別抵抗器及び/又は厚膜ヒータ)などの熱発生器であり得る。
【0103】
熱発生器33は、遠心作用軸線19などの飲料処理ユニット10、20の中心軸線19又は上記中心軸線19を中心として延びている周縁ループを形成し、かつ/又は飲料収集面35に実質的に平行にかつ/若しくは隣接して延びる構造部を形成し得る。
【0104】
発生器33は、外側厚膜などの、熱調節器30の本体31の外側層、及び/又は個別部品(例えば、電気抵抗器及び/又は誘導加熱経路)などの熱調節器30の本体31内の内部埋没部品を形成し得る。
【0105】
マシン1は、水タンクなどの給水源6と、例えば、水4を給水源6から熱調節器30に案内するために給水源6と熱調節器30とに流体接続している可撓性案内部24などの上流側水案内部24と、を有し得る。例えば、水案内部24は、上流側水案内部24を経て水を給水源6から熱調節器30に駆動するためのポンプなどの水ドライバに関連付けられている。
【0106】
ホルダ10とカバー20は、案内構造部25に沿って開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動可能(例えば、水平移動可能かつ/又は枢動可能)であり得る。上流側水案内部24は、案内構造部25又は案内構造部25の傍を通過してもよい。上流側水案内部24は、案内構造部25及び水案内部支持体25’によって固定されることができる。
【0107】
上記マシン及びカプセルを用いて飲料を調製するために、以下の工程を実行することができる。
カプセル2を受け入れ空間11内に配置する。
ホルダ10及びカバー20を閉鎖位置にする。
熱調節器30によって調節された水4をカバー20の水入口部22内に送出する(熱調節器30が、カバー20の範囲を定めるか又はカバーを収容する調節器空洞31を形成している)。
カプセルの風味原材料を調節された水4と混合することによって、飲料3を調製する。
飲料出口機構21を経て飲料3を送出し、送出された飲料3を、熱調節器30の熱的に調節された飲料収集面35上で収集する。
【0108】
飲料3は、飲料収集面35から、マグ又はカップなどのユーザ容器に直接又は間接的に送出することができる。
【0109】
上述したように、カプセル2は、フランジと、対称若しくは非対称、円錐形若しくは円錐台形、角錐形若しくは角錐台形、円筒形若しくは角柱形、球体若しくは半球体若しくは切頭球体、ドーム状若しくは切頭ドーム状であり得、原材料、例えば、挽いたコーヒー、茶、又はカカオ、又は別の飲料原材料を収容している本体と、を有し得る。
図1
図1a
図2
図2a
図3
図4
図4a