(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】部分的に途切れたねじ山付き部分を有する頬骨インプラント
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
(21)【出願番号】P 2021564901
(86)(22)【出願日】2019-04-05
(86)【国際出願番号】 BR2019050125
(87)【国際公開番号】W WO2020150795
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】BR2020190011330
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(73)【特許権者】
【識別番号】516269386
【氏名又は名称】ジョータジョータジェーセー・インドゥストゥリア・エ・コメルシオ・デ・マテリアイス・デンタリオス エスィ・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】トメ ジェニニョ
(72)【発明者】
【氏名】メルティン フェリックス アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】デ ケイロス ティアゴ ヌネス
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/063958(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/079697(WO,A1)
【文献】特開平06-205795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分的に途切れたねじ山付き部分を有する頬骨インプラントであって、前記インプラント(10)は、
二条ねじ山である第1ねじ山(111)を備えた細長い円筒形本体(11)を有し、
第2ねじ山(121)を備えた表面を含む円錐形尖部領域(12)を有し、前記円錐形尖部領域(12)は、少なくとも3つの螺旋チャンバ(13)及び半球形端部(14)を有し、
縁が周囲に直交して取り付けられた滑らかな非ねじ山の頸部表面(15a)、及び六角形(18)断面を有する少なくとも1つの内部領域を備えた人工インターフェースの開口を画定する平坦なプラットホーム(16)によって構成された頸部領域(15)を有する、頬骨インプラントにおいて、
前記細長い円筒形本体(11)は、実質的に滑らかな非ねじ山の表面を備えた少なくとも1つの長手方向ストリップ(112)を有し、
前記滑らかな非ねじ山の長手方向ストリップ(112)は、頬骨インプラント(10)の前記頸部領域(15)内に配置され、
前記第1ねじ山(111)の端部と前記滑らかな非ねじ山の長手方向ストリップ(112)との連結部は、前記長手方向ストリップ(112)と前記第1ねじ山(111)との間
の移行曲率部(113)によって作られ、
前記滑らかな非ねじ山の長手方向ストリップ(112)は、前記インプラントの人工インターフェースの六角形(18)の内部領域の平坦な側部のうちの1つと整列している、頬骨インプラント。
【請求項2】
前記滑らかな非ねじ山の長手方向ストリップ(112)は、前記滑らかな非ねじ山の頸部表面(15a)から始まって前記頬骨インプラント(10)の中央領域まで延びている、請求項1記載の頬骨インプラント。
【請求項3】
前記滑らかな非ねじ山の長手方向ストリップ(112)は、前記頬骨インプラント(10)の中央領域までかつこれを越えて延びている、請求項1記載の頬骨インプラント。
【請求項4】
前記人工インターフェースは、前記プラットホーム(16)から前記頬骨インプラント(10)の尖部に向かって直径が次第に減少したテーパ付き領域(17)と、六角形領域(18)と、雌ねじ(19)を備えた円筒形領域とを有する、請求項1記載の頬骨インプラント。
【請求項5】
前記人工インターフェースは、以下のインターフェース、すなわち、モールステーパ、外六角形又は内六角形のうちの1つを含む、請求項1記載の頬骨インプラント。
【請求項6】
前記滑らかな非ねじ山の長手方向ストリップ(112)の表面は、前記第1ねじ山(111)の周囲に対して距離(r)だけ凹んでいる、請求項1記載の頬骨インプラント。
【請求項7】
頬骨インプラントは、前記頬骨インプラント(10)内に配置された少なくとも1つのマーカー手段を有し、前記マーカー手段は、前記滑らかな非ねじ山の長手方向ストリップ(112)の位置決めに対応した前記インプラントの人工インターフェースの六角形(18)の内部領域の前記平坦な側部の位置を指示している、請求項1記載の頬骨インプラント。
【請求項8】
前記マーカー手段は、以下の頬骨インプラント(10)の配置場所、すなわち、人工インターフェースプラットホーム(16)、前記滑らかな非ねじ山の頸部表面(15a)、又はテーパ付き領域(17)のうちの1つに配置されている、請求項7記載の頬骨インプラント。
【請求項9】
前記マーカー手段は、カラーマーカー、刻印、突起又は凹部のうちの少なくとも1つを含む、請求項7又は8記載の頬骨インプラント。
【請求項10】
前記頬骨インプラントの長手方向軸線に対する前記第2ねじ山(121)の角度(α1)は、前記頬骨インプラント(10)の前記円錐形尖部領域(12)の主要部角度(α2)よりも大きく、前記第1ねじ山(111)は、このねじ山が配置されている前記円筒形本体(11)の主要部に平行である、請求項1記載の頬骨インプラント。
【請求項11】
前記円錐形尖部領域(12)の前記第2ねじ山(121)は、実質的に台形の幾何学的形状を有し、尖ったクレストを備えたいくつかのねじ山を有し、前記円筒形本体(11)のねじ山(111)は、台形の幾何学的形状を有する、請求項1記載の頬骨インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科器具、より詳細には、患者から失われた上顎歯に取って代わるために用いられる多数の補綴装置(プロテーゼ又は人工装具)の支持体となるよう設計されたインプラントに関する。特に、本発明は、従来技術で知られている類似の頬骨インプラントと比較して、良好な取り付け条件、高い機械的安定性、及び使用中における良好な快適性を提供する目的で開発された頬骨インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
当業者には知られているように、歯科インプラントは、生体適合性材料(例えば、とりわけチタンやジルコニア)を用いて作られたオッセオインテグレーテッド(osseointegrated)コンポーネントであり、かかるオッセオインテグレーテッドコンポーネントは、これらが経時的に最後には一体化する骨組織内に挿入/固定される。かかるインプラントの取り付けは、これが適当な一次及び二次安定性を促進する場合には、(i)一次安定性がインプラント/骨セットの機械的安定性を表し、これがインプラント取り付け時に達成された場合に補綴装置の即時配置を可能にする(即時装填と呼ばれる技術)、及び(ii)二次安定性がある特定の期間後におけるインプラントの適当なオッセオインテグレーションによって得られる安定性を表すという点で、好結果を生むであろう。
【0003】
頬骨インプラントの特定の場合において、頬骨インプラントは、上顎骨領域において深刻な骨量の減少が見られる患者において多数の歯科補綴装置固定(通常、プロトコル)のために採用される医用器具である。注目されるべきこととして、これら条件下において、頬骨インプラントの使用の代替手段は、既存の骨グラフトを実施することであり、これには、補綴装置の実際の取り付けまでに長い治療時間が必要なことに加えて、一連の複雑な手技が必要になる。
【0004】
しかしながら、従来型インプラントで起こることとは別に、頬骨インプラントは、二重の固定方式で取り付けられ、近位側での固定は、患者の残りの上顎骨内で行われ、尖部側の固定は、眼窩の一部をなす顔面の頬骨で行われる。
【0005】
図1.1及び
図1.2は、頬骨固定の実施例を示しており、この場合、上顎洞(SM)と通称されている窩は、上顎骨(M)と頬骨(OZ)との間に位置していることを観察することができる。したがって、インプラントの尖部分は、頬骨中に挿入され、他方、その頸部分は、取り付け後に残りの上顎骨/歯槽堤内に挿入されたままである。しかしながら、インプラントの中間部分を添付の
図1.1のプラント1,1′の場合に起こるように骨内に埋め込むことができ、このインプラント中間部分は、この図のインプラント2,2′で起こるように上顎洞を通過することができ、又は、
図1.2のインプラント3の場合に起こるように頬骨の外部に位置することができ、この技術は、外部取り付けと呼ばれている。
【0006】
従来型頬骨インプラントは、添付の
図2に示されているようにその本体の全体を覆うねじ山(R)を有する。しかしながら、主として外部取り付け技術が用いられる(この場合、インプラントの一部が骨構造の外部に位置する)場合では、この手技の終了後、上顎洞を横切る本体中間部分のねじ山(R)が顔面の軟組織と最終的に直接相互作用することが起こり、それにより、組織に対する刺激及び/又は組織の炎症が引き起こされる場合がある。加うるに、患者は、理由が何であれ、自分の顔面が上顎洞の付近で触れられ又は押される場合はいつでも、インプラントねじ山を感じる場合があり、これは、著しく不快な場合がある。
【0007】
かかる不都合を軽減しようとして、互いに異なる外部特徴を備えた頬骨インプラント、例えばブラジル国実用新案出願公開第9101211-2号明細書(
図3)に示された頬骨インプラントが開示され、この頬骨インプラントは、快適さを増し、しかも細菌の定着を阻止するために全体として滑らかでありかつ研磨された周囲を備えた中間部分(PI)を備えており、というのは、表面粗さがこれらインプラントのサイズよりも劣っているからである。この場合、ねじ山は、インプラントの頸部領域及び尖部領域に配置される。
【0008】
米国特許第5,564,926号明細書はまた、ねじ山が設けられていない中央部分を備えたインプラントを記載しており、この本体は、別々の断面を備えた2つの円筒形セグメントから成り、頬骨内に取り付けられる遠位部分は、直径が近位側の部分よりも小さい。
【0009】
ブラジル国実用新案出願公開第9101211-2号明細書に記載されたインプラントと、米国特許第5,564,926号明細書に記載されたインプラントの両方において、ねじ山付きの尖部分を上顎骨口中に通した後、滑らかな表面の存在に起因して、挿入は、インプラントを取り付け方向に向かって単に押すことによって続行されるが、このプロセス中、正確なインプラント軸方向位置のゆがみによる変化は、その中間部分にねじ山が存在していないことによって提供される可動性に起因して起こることがあり、それにより、頬骨内のすぐ前にあらかじめ形成される穴の設置が阻止される場合があり、したがって、取り付けができなくなる場合がある。加うるに、頬骨内における最終的なインプラントの尖位置決め及び取り付け上の不正確さにより、頸部ねじ山が最終的に甚だしく上顎骨口を広げる場合があり、それによりその最終的な配置の適切な一次安定性が損なわれる場合がある。
【0010】
米国特許第9,125,708号明細書に開示されたインプラント(これは、金属又はセラミック材料で作ることができる)は、ドリルの助けにより頬骨にあらかじめ形成された口内へのインプラント識別及び侵入を容易にするために円錐形端部(添付の
図4参照)を備えたねじ山付きの尖部分(PA)を有する。他方、インプラントの中間及び頸部分(PIC)は、全体として滑らかな表面を有すると共にねじ山付き部分の直径以下の直径を有し、滑らかな表面の目的は、隣接の軟組織に対する刺激又は損傷の発生を回避することにある。しかしながら、インプラントのねじ山付き尖部分直径が頸部領域の直径よりも大きい場合、小さな隙間がインプラントの滑らかな部分に対して下顎骨穴内に現れることになり、かくして、インプラント頸部領域にねじ山が全く存在していないことに加えて、最終的に適切かつ所望の取り付け上の一次安定性が損なわれることが生じる。
【0011】
国際公開第2011/063958号(添付の
図5に示されている)に開示されたインプラントは、のっぺりとしていて実質的に滑らかな円筒形「案内部分」(PG)を有し、というのは、この案内部分が尖端部のところでのオッセオインテグレーションを容易にする微細構造を備えることができるからであり、この案内部分は、取り付けの際のゆがみによる変化を阻止するために骨内へのインプラントの初期挿入のための簡単な案内としての役目を果たす。したがって、このインプラントは、高い位置決め正確度を要求する場合に適用となるインプラントである。この案内部分(PG)の次に、インプラントは、骨基部内へのインプラント取り付け及び固定を可能にするセルフタッピンねじ山(RAC)を備え、ねじ山セルフタッピン特性は、かかるねじ山がインプラント中間-尖部分に提供する長手方向途切れ部(IL)に起因しており、というのは、かかる途切れにより、その取り付けのための回転中、骨切断を助けるテーパ付き末端部の形成を可能にするからである。したがって、インプラントのかかる途切れ部のあるねじ山領域は、常に、第1のユニークなねじ山がセルフタッピン(RAC)であり、それによりこの部分の取り付け及び骨内のその適切な固定を可能にするためにその尖部分に配置されなければならない。
【0012】
また、頬骨への固定のためのかかる構成を備えたインプラントの使用により、主として、セルフタッピンねじ山(RAC)が長手方向途切れ部(IL)を境界付ける末端部でテーパしているということに起因して、患者に対する相当大きな後からの不快感を生じさせる場合があり、長手方向途切れ部は、この末端部が取り付けの終了後に配置される位置に応じて、ユーザによって容易に感じ取られる恐れがあり、さらに、被刺激性及び/又は望ましくない外傷を生じさせる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】ブラジル国実用新案出願公開第9101211-2号明細書
【文献】米国特許第5,564,926号明細書
【文献】米国特許第9,125,708号明細書
【文献】国際公開第2011/063958号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、従来技術では、ユーザが皮膚に触れると共に/或いは押さえたときにその部分を知覚することができないが、それと同時に、良好な取り付け条件及び適正な最終的な安定性を提供する形成物を有する頬骨インプラントが存在しないことが注目される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明は、特に頬骨インプラントが外部からの取り付け技術の使用後に軟組織に直接相互作用し、それにより組織に対する刺激及び/又は炎症を生じさせる場合がありかつユーザの顔面に触れたときに容易に気が付くということにつき、従来技術において知られている頬骨インプラントで観察される欠点を解決することを目的としている。
【0016】
したがって、本発明の目的のうちの1つは、汎用頬骨インプラントを開示することにより、というのは、取り付け状態とは無関係に、すなわち骨内に外部から埋め込まれた状態又は上顎洞に対して内部の状態とは無関係に用いることができるからである。
【0017】
加うるに、本発明の主目的のうちの1つは、滑らかでありかつその中間-頸部分の長手方向区分に、特に取り付け後に骨構造の内部に最終的に位置決めされない本体領域内にねじ山のない(すなわち、ねじ山が
図1.2に示されているように上顎洞に対して外部に配置される)が、たとえそうであっても、歯槽骨内のインプラントの適切な積み重ねを促進することができ、かくして、望ましい取り付け上の一次安定性を保証することができる頬骨インプラントを提供することにある。
【0018】
また、本発明の目的のうちのもう1つは、上述の滑らかな長手方向区分とは反対側の長手方向領域内を含む長さに沿ってねじ山を備えた頬骨インプラントを開示することにある。
【0019】
加うるに、本発明の主目的のうちの1つは、取り付けの終了時に、オペレータが頬骨インプラントの滑らかな部分を患者の前(前庭)に向くよう位置決めしてこれを軟組織から遠ざけたままにし、それにより、接触に対する低感度を促進することに加えて組織に対する刺激及び/又は炎症の恐れを著しく軽減することができるようにする手段を提供することにある。
【0020】
最後に、本発明の目的のうちのもう1つは、インプラントの滑らかな部分とねじ山付き部分との移行部に完全に刃縁がないようにし、しかも、使用中におけるユーザの快適さ及び安全性を向上させることを目的とする手段を提供することにある。
【0021】
したがって、本発明は、部分的に途切れたねじ山付き部分を有する頬骨インプラントであって、インプラントは、ねじ山111を備えた細長い円筒形本体11と、ねじ山121を備えた表面を含む円錐形尖部領域12とを有し、円錐形尖部領域12は、少なくとも3つの螺旋チャンバ13及び半球形端部14を有し、インプラントは、縁が周囲に直交して取り付けられた滑らかな頸部表面15a、及び六角形18断面を有する少なくとも1つの内部領域を備えた人工インターフェースの開口隙間を画定する平坦なプラットホーム16によって構成された頸部領域15をさらに有する形式の頬骨インプラントに関する。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によれば、細長い円筒形本体11は、実質的に滑らかな表面を備えた少なくとも1つの長手方向ストリップ112を有し、滑らかな長手方向ストリップ112は、頬骨インプラント10の頸部分内に配置され、ねじ山111と滑らかな長手方向ストリップ112との連結部は、移行曲率部113によって作られ、滑らかな長手方向ストリップ112は、インプラント10の人工インターフェースの六角形18断面を有するインプラントの人工インターフェース10の内部領域の平坦な側部のうちの1つと整列している。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、滑らかな長手方向ストリップ112は、滑らかな頸部表面15aから始まって頬骨インプラント10の中央領域まで延び、或いは、変形例として、滑らかな長手方向ストリップ112は、頬骨インプラント10の中央領域までかつこれを越えて延びる。
【0024】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、頬骨インプラント10の人工インターフェースは、プラットホーム16からインプラント尖部に向かって直径が次第に減少した切頭円錐形領域17と、六角形領域18と、雌ねじ19を備えた円筒形領域とを有する。オプションとして、この人工インターフェースは、以下のインターフェース、すなわち、モールステーパ、外六角形又は内六角形のうちの1つを含む。
【0025】
今提供される好ましい実施形態では、滑らかな長手方向ストリップ112の表面は、ねじ山111の周囲に対して距離rだけ凹んでいることが注目されるべきである。
【0026】
さらにまた、本発明の好ましい実施形態によれば、頬骨インプラント10上には少なくとも1つのハーフマーカー(マーカー手段)が設けられるのが良く、マーカー手段は、滑らかな長手方向ストリップ112の位置決めに対応したインプラント10の人工インターフェースの六角形18の内部領域の平坦な側部の位置を指示する。注目されるべきこととして、マーカー手段は、以下の頬骨インプラント10の配置場所、すなわち、人工インターフェースプラットホーム16、滑らかな頸部表面15a、又は切頭円錐形領域17のうちの1つに配置されるのが良く、かつマーカー手段は、カラーマーカー、刻印、突起又は凹部のうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
さらに、好ましくは本発明の頬骨インプラント10の尖部領域12では、ねじ山121の角度α1は、主要部角度α2よりも大きく、ねじ山111は、円筒形であり、このねじ山が配置されている円筒形本体11の主要部に平行な隆起部を有する。注目されるべきこととして、尖部領域12のねじ山121は、幾つかのテーパ付きクレストの特徴的なねじ山を有する実質的に台形の幾何学的形状(逆のこ歯ねじとも呼ばれている)を有し、円筒形本体11のねじ山111は、台形の幾何学的形状を有する。
【0028】
添付の図に示された例示の実施形態に基づいて本発明を以下において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1.1】頬骨、上顎洞の窩及び多数の補綴装置(プロトコル、
図1.1参照)が従来技術の頬骨インプラントによって適正に取り付けられた上顎骨を示す顔面の内部構造の略図である。
【
図1.2】頬骨、上顎洞の窩及び多数の補綴装置(プロトコル、
図1.1参照)が従来技術の頬骨インプラントによって適正に取り付けられた上顎骨を示す顔面の内部構造の略図である。
【
図2】本体全体にわたってねじ山を備えた従来技術の頬骨インプラントだけを取り出して示す図である。
【
図3】本体の滑らかな中央部分を有しかつねじ山のない別の従来技術のインプラントの斜視図である。
【
図4】尖部分にのみねじ山を備えた従来技術のインプラントの別の斜視図であり、その本体の残部(中央領域及び頸部領域)が完全に滑らかでありかつねじ山がない状態を示す図である。
【
図5】テーパ付きのタッピンねじによって境界付けられた本体の尖領域の長手方向途切れ部を示す別の従来技術のインプラントの側面図である。
【
図6】部分的に途切れたねじ山部分を備えていて、本発明の目的である頬骨インプラントの好ましい実施形態の斜視図である。
【
図7】
図6に示された頬骨インプラント頸部分の拡大部分断面詳細図であり、結合インターフェースの内六角形と部分的に途切れたねじ山付きの領域との整列状態を観察することができるようにする図である。
【
図8】
図6の頬骨インプラント本体の頸部分の側面図であり、部分的に途切れたねじ山がインプラント部分の頸端部内側部分を観察することができる平面図に対して完全位置合わせかつ突出状態に配置されている状態を示す図である。
【
図9】本発明の目的の側面図であり、ねじ山の拡大細部がその尖部分及び頸部分に存在している状態を示す図である。
【
図10.1】本発明の目的である頬骨インプラントの尖端部を示す底面図である。
【
図10.2】
図6に示された頬骨インプラントの尖部分の側面図であり、インプラント主要部とそのねじ山との角度の差を強調して示す図である。
【
図11】本発明において提供された頬骨インプラント頸端部の拡大詳細図である。
【
図12】本発明の頬骨インプラントの拡大側面詳細図であり、部分的に途切れたねじ山の結果として生じるその滑らかな領域を観察することができるようにする図である。
【
図13】本発明の頬骨インプラントの断面図であり、2つの形態の滑らかな領域とねじ山付き領域との間の移行部の差を比較することができるようにする図である。
【
図14】国際公開第2011/063958号に示された従来技術のインプラントの断面図であり、2つの形態の滑らかな領域とねじ山付き領域との間の移行部の差を比較することができるようにする図である。
【
図15】本願の目的である頬骨インプラントの頸部分の拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付の図面に基づいて本発明の目的を図示すると共に詳細に説明し、添付の図面は、単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、というのは、クレーム請求された保護範囲を変えることなく変形及び改造を行うことができるからである。
【0031】
上述したように、
図1~
図5は、従来技術の頬骨インプラントを示しており、これら頬骨インプラントは、本明細書の冒頭において「背景技術」という項に記載されている。
【0032】
図6は、本発明の頬骨インプラント10の好ましい実施形態を示しており、この頬骨インプラント10は、
細長い円筒形本体11を有し、
ねじ山121によって覆われた円錐形尖部領域12を有し、円錐形尖部領域12は、少なくとも3つの螺旋チャンバ13及び半球形端部14を有し、
周囲で終わる滑らかな表面15
a及び真っ直ぐなインターフェース特徴部をインプラントに追加する平坦なプラットホーム16によって構成された頸端部を有する。
【0033】
細長い円筒形本体11は、実質的に滑らかな表面を備えた部分、すなわち、ユニークなねじ山111が通っていない長手方向ストリップ112を除き、ねじ山111をさらに備え、というのは、ねじ山は、その領域の周囲上で途切れているからである。注目されるべきこととして、本願に添付の例示の図面では、好ましい実施形態としての頬骨インプラント10は、滑らかな長手方向ストリップ112を1本だけ有する状態で示されていたが、当業者であれば理解されるように、少なくとも1本又は2本以上の滑らかなストリップをストリップ112に関して対称位置で本体に設けて用いることが明らかに可能であるが、これは、従来技術の欠点を解決する最終目的が維持されることを条件とする。
【0034】
この点において、台形の輪郭形状を示す二条であるねじ山111が滑らかに途切れており、すなわち、移行曲率113にわたって途切れており、その結果、添付の
図13及び
図15で理解できるように、滑らかな長手方向ストリップ112とねじ山111を備えた部分との間に鋭利なコーナー部又は刃縁が存在しないようになっていることが明らかにされるべきである。さらに、好ましくは、この長手方向ストリップ112の半径は、2.5mmであり、インプラント10の軸線に対してずらされた軸線を持ち、それにより、長手方向ストリップ112の表面は、ねじ山111の周囲に対して距離rだけ凹んだ状態に保たれ、したがって、患者の顔面の内部組織からさらに遠ざけられる。
【0035】
図13と
図14の比較分析の実施により、従来技術のねじ山の中断部が穿刺及び鋭利な先端部(RAC)をどのように生じさせるかが明らかに観察でき、他方、本発明の提案するねじ山の中断部は、徐々に行われ、したがって、鋭利なかつ/或いはのっぺりとした頂点が存在しない。さらに、従来技術のねじ山の中断部の形は、実際には、インプラントの残部と同一の周囲領域を維持し、これに対して、本発明により提供される頬骨インプラントでは、この領域は、著しく減少しかつ凹んでいて、それにより滑らかな長手方向ストリップ112を上述したようにユーザの顔面の軟組織から離隔させていることを観察することが可能である。
【0036】
本明細書に添付された例示の図面では、かかる滑らかな長手方向ストリップ112は、インプラント10の滑らかな頸部表面15に続いて真っ直ぐに開始していることを強調することが重要である。しかしながら、当業者であれば理解されるように、かかる滑らかな長手方向ストリップ112は、長さ方向に延びてインプラント10の中央領域を越えて進み、或いは、その頸部分にのみ、しかしながら、滑らかな頸部表面15aから遠ざかって配置される。かかる位置は、インプラント10の適当な固定条件を妨害せず、というのは、患者の骨領域とのその有効相互作用が円錐形尖部領域12のねじ山111及び尖部領域12に連続して位置する円筒形本体11の当初のユニークなねじ山111によって既に保証されるからである。
【0037】
かかる頬骨インプラント10の端の滑らかな頸部表面15
aは、周囲で終わり、好ましくは、その表面プラットホーム16と直交して終わる。かかる周囲プラットホーム16は、補綴装置のインターフェース開口隙間を境界付け、この境界隙間は、添付の
図7及び
図15の図面に従ってインプラント軸方向軸線と一致した長手方向軸線を有する。プラットホーム16から尖部領域に向かって、かかる補綴装置インターフェースは、直径がプラットホーム16からインプラント尖部に向かって次第に減少する切頭円錐形領域17、六角形領域18、及び適当な補綴装置コンポーネント(図示せず)の結合及び固定のための雌ねじ19を備えた円筒形領域で構成されている。
【0038】
明らかにされるべきこととして、上述の好ましい補綴装置インターフェースは、例示であり、これに代えて従来技術において知られている他形式のインターフェース、例えばモールステーパ、外六角形又は内六角形を用いることができ、これは、本明細書においてクレーム請求されている保護範囲から逸脱することはない。
【0039】
図7及び
図8は、インプラント10の長手方向ストリップ112が、取り付け者が取り付けの終了時に、上述した不都合及び不快感を生じさせないようにするため、長手方向ストリップ112を患者の前庭に向けられるねじ山がない状態になるような仕方で配置することができるようにするため、その結果、従来技術において知られている類似の長手方向ストリップに関する使用を改良するために補綴装置のインターフェース六角形領域18の真っ直ぐな側部のうちの1つに対して整列/割送りがされていることを示している。既知のように、先行技術の頬骨インプラントの使用により、ユーザは、ユーザの顔面に圧力が加えられると、ねじ山を感じ取ることが可能であり、それにより、不快感、刺激及び悪い印象を生じさせる場合がある。ねじ山に鋭利な中断部を有するインプラント、例えば、国際公開第2011/063958号に開示されているインプラント(この断面は、添付の図面14に示されている)の場合、ねじ山中断場所に形成されたねじ山ののっぺりとした縁部は、考えられる強力な外部圧力がかかったとき、上顎洞領域を覆う顔面区分の内部領域に対する外傷を引き起こす場合があるといういら立ちが生じる。したがって、本明細書において提供されている形態は、インプラント取り付け後、ユーザが自分の顔面に圧力が加えられたとき、内部外傷の恐れがなく或いは不快感を生じないようにすることを目的としている。加うるに、本明細書において開示される形態では、凹部rは、インプラント表面10上に作られ、この凹部は、ユーザの前庭に向くことになり、それにより、従来型インプラントと比較して「深い」位置に保たれ、その結果、顔面に作用する穏やかな圧力に対して近づきがたい状態に保つ。
【0040】
滑らかな長手方向ストリップ112に対して割送りされる六角形領域18のフェースの識別は、既に取り付けられたインプラントの可視化(頬骨インプラントの取り付けプロセスが上顎洞を可視化する隙間の先の開きを予測することを思い起こして)を患者の前庭に対してインプラント10の滑らかな長手方向ストリップ112の整列/割送りが行われる六角形の側部に対応したマーカーを単に位置決めすることによって、真っ直ぐな側部に対応した位置にマーカー要素を備えた六角形取り付けドライバ(図示せず)の使用と関連付けることによって実施できる。
【0041】
オプションとして、滑らかな長手方向ストリップ112に割送りされる六角形領域18の側部は、例えば、カラーマーカー、刻印、突起又は凹部であるのが良い任意のマーカーによってインプラント10それ自体上で識別でき、かかるマーカー手段をプラットホーム16上、滑らかな頸部表面15a上、又は補綴装置インターフェースの切頭円錐形17内に配置するのが良い。
【0042】
頬骨インプラント10をその部分的な使用上の機能に適した任意の直径で製造でき、というのは、本明細書において提供する好ましい実施形態では、この直径は、4.0mmであるからである。加うるに、滑らかな頸部表面15
aのすぐ隣に設けられている2つの入口を有する雄ねじ111は、好ましくは、添付の
図9で理解できるように、台形の輪郭形状を有し(すなわち、これは、鋭利な特徴部を備えていない)、円筒形本体部分11内では、ユニークなねじ山111の高さh1は、好ましくは、0.20mmのものである。尖部領域12のねじ山121もまた、実質的に台形の幾何学的形状(逆のこ歯ねじともよばれている)を有し、
図9の拡大詳細図に示されているように、他のねじ山よりもきついテーパ付きクレストを備えた幾つかのユニークなねじ山を有するのが良く、その目的は、取り付け中、骨に良好に入り込むことにある。
【0043】
上述したように、尖部領域12は、その周囲に等しく分布して設けられた(
図10.1参照)半球形端部14及び3つの螺旋チャンバ13を示す実質的にテーパ付きの輪郭形状を有する。加うるに、この尖部領域12のねじ山121は、深さ又は高さh2が次第に増大しており、この深さ又は高さは、好ましくは、頸部方向において最大0.4mmの値に達することになる。
【0044】
さらに、添付の
図10.2では、ねじ山121の角度α1は、尖部領域12のインプラント主要部角度α2よりも顕著であることに注目することが可能であり、この形成の仕方は、インプラントの挿入及びインプラントと頬骨の相互作用を助けることを意図している。したがって、円錐形尖部輪郭形状と半球形端部14、螺旋チャンバ13及びねじ山121の深さh2の漸増との組み合わせは、適切な尖部固定の促進及びその結果としてのインプラントの一次安定性に寄与する。
【0045】
このインプラントが頬骨上への固定のためのインプラントであることに起因して、このインプラントを広範な長さの状態に、例えば、好ましくは純チタン等級4(ASTM F67規格「外科用インプラント用途の非合金化チタン」)において、30.0/35.0/37.5/40.0/42.5/45.0/47.5/50.0/52.5及び55.0mmの状態で、そして変形例として、他の製造材料、例えばジルコニア又は生体適合性ポリマー材料を用いて製造できる。加うるに、インプラント10は、オプションとして、
図10.2に示された実施例に従って半球形端部14の中央領域141に識別された幾何学的形状を提供することができ、それにより、これを含む包装材料への結合に適したインプラントの使用を可能にし、注目されるべきこととして、この図に示された好ましい実施形態では、中央領域141が平坦であるが、これが使用されるべき包装材の要求に従って他の特徴を提供することができる。
【0046】
本体11の滑らかな長手方向ストリップ112は、本明細書において提供される好ましい実施形態では、添付の
図12(この図は、ねじ山111のない本体11の主要部だけを示している)にしたがって、1.60mmの距離d1のところで始められ、そしてインプラント10のプラットホーム16から16.0mm~16.5mmの距離d2のところで終わる。頸部領域
15を補うねじ山111は、プラットホーム16から好ましくは2.0mmの距離d3のところで終わらなければならず、ねじ山のピッチPは、約0.65mmである(
図9参照)。
【0047】
滑らかな長手方向ストリップ112を所望の位置に、すなわち、患者の前庭位置に向けて位置決めするためには、トルク方向又は半トルク方向に追加の運動を実施することが最終的に必要であることに注目することが重要である。
図13の断面に示された点Oが取り付けの終了時に前庭の方へ向いているときに最も望ましくない位置決めが起こることを考慮すると、最悪の場合においては、相補半回転運動を行って患者の前庭に対して長手方向ストリップ112を適正に位置決めすることが必要な場合がある。
【0048】
したがって、ねじ山ピッチPについて0.65mmという優先的な値を用いると、このインプラントが好ましくは二条ねじ山付きで製造されるので、インプラントの各360゜回転時、進み距離(リード)は、1.30mmである。かくして、最悪の場合、据え付けの終了時、半回転の相補トルク又は半トルクを及ぼす必要があり、その結果、今検討している実施例では、最大の相補変位が0.65mmになる。したがって、長手方向ストリップ112を患者の前庭位置に位置決めするのに必要な最大変位値は、インプラントの進み距離の半分に相当する。
【0049】
本発明の目的であるインプラント10の製造方法は、(i)原料の寸法変換ステップ、(ii)機械加工ステップ、(iii)クリーニングステップ、(iv)包装ステップから成り、この製造方法は、横方向フライス(図示せず)の使用を必要としてねじ山の内長手方向ストリップ112の幾何学的形状を保証し、この工具は、
図13に示されているように長手方向ストリップ12とユニークなねじ山111との間の曲線の移行輪郭形状113を繰り返すことができるべきである。
【0050】
頬骨インプラント10の使用のため、上顎洞及びその結果として取り付けられるべきインプラントそれ自体の可視化をもたらす隙間をあけることを含む取り付け部位を適正に準備したあと、オペレータは、インプラントをその補綴装置インターフェースに結合されたトルクドライバの助けによりその包装材から取り出さなければならず、すわなち、滑らかな長手方向ストリップ112と整列している六角形領域18の位置に対応した位置にドライバのマーク付け要素のうちの1つを自動的に位置決めする行為を行わなければならない。次に、インプラント10を適当なドリルの助けによりあらかじめ形成された口内に位置決めし、トルク印加を開始してインプラントの挿入を促進する。
【0051】
この時点において、インプラント取り付け全体の間、部分的に途切れたねじ山を備えるインプラント部分を上顎骨中に挿入した場合であっても、インプラントを回転させる必要がある。これは、滑らかな長手方向ストリップ112が配置されている領域に対して後方に位置する領域にねじ山111が存在することに起因している(従来技術において知られているインプラントの使用では、ねじ山のない部分がインプラントの周囲全体にわたって配置され、その結果、その取り付けに関し、オペレータが骨にあらかじめ形成された口を通ってこの領域をちょうど摺動させるだけで十分である)。本明細書に提供された頬骨インプラント10の外部形成は、これが手技全体の間、取り付け軸方向軸線と整列したままであり、したがって、望ましくない位置合わせ不良の恐れがなく、それにより、計画された補綴装置の配置のための完全な位置決めを保証することに加えて、操作が容易になる。
【0052】
取り付けの終了時、すなわち、インプラント10の尖端部が頬骨に取り付けられてその本体全体が既に患者の上顎骨中に挿入されて、ついには、プラットホーム16が歯槽堤に向くようになった後、オペレータは、滑らかな長手方向ストリップ112が前庭に向いた状態でインプラントを位置決めしなければならず、これは、取り付けドライバ上の既存の視覚的マーカーの位置とインプラント10の位置の接合可視化によって行われ、すなわち、インプラント10は、わずかにさらに時計回り又は反時計回りにねじ回され、ついには、取り付けドライバ上の適切なマーカーが患者の前庭に向くようになり、それにより滑らかな長手方向ストリップ112もまた前庭に向くようになる。このプロセスを終了した後、選択された補綴装置コンポーネント及びその後の補綴装置を単に取り付けるだけで患者の上顎歯リハビリテーション手技を完了させることができる。
【0053】
好ましい実施形態としての実施例を説明したが、理解されるべきこととして、本発明の範囲は、他の考えられる変形例を含み、その範囲は、添付の特許請求の範囲の内容によってのみ定められ、かかる内容は、その考えられる均等範囲を含む。