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特許7503614液体トラップタンク及び液体トラップタンク用液体供給ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】液体トラップタンク及び液体トラップタンク用液体供給ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20240613BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H01L21/306 R
H01L21/304 648K
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022180920
(22)【出願日】2022-11-11
(65)【公開番号】P2023099466
(43)【公開日】2023-07-13
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194305
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ウ シン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヘ キョン
(72)【発明者】
【氏名】パク、トンウン
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-058499(JP,A)
【文献】実開平03-015396(JP,U)
【文献】特開2016-117235(JP,A)
【文献】特開2011-022189(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2008-0065453(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2011-0091314(KR,A)
【文献】特開2007-035733(JP,A)
【文献】特開昭63-305905(JP,A)
【文献】特開平07-232004(JP,A)
【文献】特開2018-200392(JP,A)
【文献】特開2004-250747(JP,A)
【文献】特開2001-332528(JP,A)
【文献】特開平03-052665(JP,A)
【文献】特開2001-085294(JP,A)
【文献】特開2011-129676(JP,A)
【文献】特開2009-241056(JP,A)
【文献】特開2005-274147(JP,A)
【文献】特開2005-103453(JP,A)
【文献】特開2020-059005(JP,A)
【文献】特開2015-182039(JP,A)
【文献】特開2006-349683(JP,A)
【文献】特開2018-061947(JP,A)
【文献】特開2013-193753(JP,A)
【文献】特開2014-043250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体を収容することができる収容空間が形成され、一側に流入部が形成され、他側に排出部が形成されるタンク胴体と、
前記タンク胴体の前記流入部に結合されて、前記タンク胴体の外部から前記収容空間に前記液体を供給するための液体供給ユニットと、を含み、
前記液体供給ユニットは、
前記液体を前記収容空間内に流入するように、前記流入部に結合された流入配管部と、
前記流入配管部に連結され、前記流入配管部を通過した前記液体の落下による気泡発生を抑制するように、前記液体の流れを誘導するための流動誘導部と、
を含
前記流入配管部は、側面が全体として閉鎖されたフル配管であり、
前記流動誘導部は、少なくとも一部で内部が側方向に部分開放された形態の部分配管を含み、
前記流動誘導部の下端は、前記タンク胴体の底面に接触された、液体トラップタンク。
【請求項2】
前記部分配管は、前記流動誘導部の少なくとも上端に形成された、請求項に記載の液体トラップタンク。
【請求項3】
前記流動誘導部は、前記タンク胴体の上方から下方に垂直に延び、
前記部分配管は、前記流動誘導部の上端から下端まで全体として形成された、請求項に記載の液体トラップタンク。
【請求項4】
前記流動誘導部は、前記流入配管部と連結される上端部分に段差を除去するための傾斜連結部をさらに含む、請求項に記載の液体トラップタンク。
【請求項5】
前記部分配管は、その側方向に半分が露出されたハーフ配管であり、
前記流動誘導部は、前記流入配管部を通じた前記液体が層流を形成するようにガイドする、請求項に記載の液体トラップタンク。
【請求項6】
前記部分配管は、前記流動誘導部の長手方向に沿って複数個が離隔して形成される、請求項に記載の液体トラップタンク。
【請求項7】
前記流動誘導部は、前記液体の流動速度を減らすために内面の少なくとも一部に穿孔ホール及び突起パターンのうちの何れか1つまたはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項に記載の液体トラップタンク。
【請求項8】
前記流入部は、前記タンク胴体のトップ部に形成され、
前記排出部は、前記タンク胴体の底部に形成され、
前記流入配管部は、前記液体が前記排出部を通じて排出される量ほど前記流入部を通じて自然流入されるように、前記タンク胴体の前記トップ部を貫通して前記タンク胴体の満水位の下まで延びた、請求項1に記載の液体トラップタンク。
【請求項9】
前記流動誘導部は、前記流入配管部を通じて流入された気泡が前記排出部に向かわず、前記タンク胴体の上部に上昇するように、前記タンク胴体の中間よりも上で前記流入配管部に連結された、請求項に記載の液体トラップタンク。
【請求項10】
前記排出部は、基板処理装置で前記液体をポンピングするためのポンピング部に連結され、
前記流入部は、前記液体を貯蔵している液体貯蔵ボトルに連結される、請求項1に記載の液体トラップタンク。
【請求項11】
前記液体は、フォトレジスト薬液を含む、請求項1に記載の液体トラップタンク。
【請求項12】
内部に液体を収容することができる収容空間が形成され、トップ部に液体貯蔵ボトルと連結された流入部が形成され、底部にポンピング部と連結された排出部が形成されるタンク胴体と、
前記タンク胴体の前記流入部に結合されて、前記タンク胴体の外部から前記収容空間に前記液体を供給するための液体供給ユニットと、を含み、
前記液体供給ユニットは、
前記流入部に結合され、前記液体を前記収容空間内に流入するように、前記収容空間内に延び、側面が全体として閉鎖されたフル配管を含む流入配管部と、
前記収容空間内で前記流入配管部に連結され、前記タンク胴体の上方から下方に垂直に延び、前記流入配管部を通過した前記液体の落下による気泡発生を抑制するように、前記液体の流れを誘導するように上端から下端まで全体として内部が側方向に部分開放された形態の部分配管を含む流動誘導部と、を含み、
前記流入配管部は、前記液体が前記排出部を通じて排出される量ほど前記流入部を通じて自然流入されるように、前記タンク胴体の前記トップ部を貫通して前記タンク胴体の満水位の下まで延び、
前記流動誘導部は、前記流入配管部を通じて流入された気泡が前記排出部に向かわず、前記タンク胴体の上部に上昇するように、前記タンク胴体の中間よりも上で前記流入配管部に連結され
前記流動誘導部の下端は、前記タンク胴体の底面に接触された、液体トラップタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に係り、さらに詳細には、液体トラップタンク及び液体トラップタンク用液体供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造のために、多様な基板処理装置が使われている。このような基板処理装置には、多様な液体が使われている。例えば、基板の洗浄、エッチングなどのために、洗浄液、蒸留水、エッチング液などが使われ、基板上にフォトレジストコーティングのためのフォトレジストなどの薬液(chemical)が使われている。
【0003】
半導体素子の製造時に、このような液体は、製造工場内の別途の液体貯蔵装置や、または液体貯蔵ボトルを通じて供給されうる。このように、液体を基板処理装置または基板上に提供時に、気泡が含まれうる。しかし、半導体素子のパターンが次第に微細化されることによって、このような気泡は、半導体素子の品質に悪影響を及ぼしている。したがって、液体供給システム内で液体内の気泡発生を抑制するか、または基板上に供給前に気泡を除去する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述した問題点を解決するためのものであって、気泡発生を抑制するか、または気泡が除去される液体トラップタンク及び液体トラップタンク用液体供給ユニットを提供することを目的とする。しかし、このような課題は、例示的なものであって、これにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点による液体トラップタンクは、内部に液体を収容することができる収容空間が形成され、一側に流入部が形成され、他側に排出部が形成されるタンク胴体;及び前記タンク胴体の前記流入部に結合されて、前記タンク胴体の外部から前記収容空間に前記液体を供給するための液体供給ユニット;を含み、前記液体供給ユニットは、前記液体を前記収容空間内に流入するように、前記流入部に結合された流入配管部;及び前記流入配管部に連結され、前記流入配管部を通過した前記液体の落下による気泡発生を抑制するように、前記液体の流れを誘導するための流動誘導部;を含む。
【0006】
前記液体トラップタンクによれば、前記流入配管部は、側面が全体として閉鎖されたフル配管(full pipe)であり、前記流動誘導部は、少なくとも一部で内部が側方向に部分開放された形態の部分配管(partial pipe)を含みうる。
【0007】
前記液体トラップタンクによれば、前記部分配管は、前記流動誘導部の少なくとも上端に形成されうる。
【0008】
前記液体トラップタンクによれば、前記流動誘導部は、前記タンク胴体の上方から下方に垂直に延び、前記部分配管は、前記流動誘導部の上端から下端まで全体として形成されうる。
【0009】
前記液体トラップタンクによれば、前記流動誘導部は、前記流入配管部と連結される上端部分に段差を除去するための傾斜連結部をさらに含みうる。
【0010】
前記液体トラップタンクによれば、前記流動誘導部は、前記タンク胴体の底面に接触される。
【0011】
前記液体トラップタンクによれば、前記部分配管は、その側方向に半分が露出されたハーフ配管であり、前記流動誘導部は、前記流入配管部を通じた前記液体が層流を形成するようにガイドすることができる。
【0012】
前記液体トラップタンクによれば、前記部分配管は、前記流動誘導部の長手方向に沿って複数個が離隔して形成されうる。
【0013】
前記液体トラップタンクによれば、前記流動誘導部は、前記液体の流動速度を減らすために内面の少なくとも一部に穿孔ホール及び突起パターンのうちの何れか1つまたはこれらの組み合わせをさらに含みうる。
【0014】
前記液体トラップタンクによれば、前記流入部は、前記タンク胴体のトップ部(top portion)に形成され、前記排出部は、前記タンク胴体の底部(bottom portion)に形成され、前記流入配管部は、前記液体が前記排出部を通じて排出される量ほど前記流入部を通じて自然流入されるように、前記タンク胴体の前記トップ部を貫通して前記タンク胴体の満水位(full level)の下まで延びる。
【0015】
前記液体トラップタンクによれば、前記流動誘導部は、前記流入配管部を通じて流入された気泡が前記排出部に向かわず、前記タンク胴体の上部に上昇するように、前記タンク胴体の中間よりも上で前記流入配管部に連結される。
【0016】
前記液体トラップタンクによれば、前記排出部は、基板処理装置で前記液体をポンピングするためのポンピング部に連結され、前記流入部は、前記液体を貯蔵している液体貯蔵ボトルに連結される。
【0017】
本発明の他の観点による液体トラップタンク用液体供給ユニットは、内部に液体を収容することができる収容空間が形成され、一側に流入部が形成され、他側に排出部が形成されるタンク胴体の前記流入部に結合されて、前記タンク胴体の外部から前記収容空間に前記液体を供給するためのものであって、前記液体を前記収容空間内に流入するように、前記流入部に結合された流入配管部;及び前記流入配管部に連結され、前記流入配管部を通過した前記液体の落下による気泡発生を抑制するように、前記液体の層流を誘導することができる流動誘導部;を含む。
【0018】
本発明のさらに他の観点による液体トラップタンクは、内部に液体を収容することができる収容空間が形成され、一側に液体貯蔵ボトルと連結された流入部が形成され、他側にポンピング部と連結された排出部が形成されるタンク胴体;及び前記タンク胴体の前記流入部に結合されて、前記タンク胴体の外部から前記収容空間に前記液体を供給するための液体供給ユニット;を含み、前記液体供給ユニットは、前記流入部に結合され、前記液体を前記収容空間内に流入するように、前記収容空間内に延び、側面が全体として閉鎖されたフル配管を含む流入配管部;及び前記収容空間内で前記流入配管部に連結され、前記タンク胴体の上方から下方に垂直に延び、前記流入配管部を通過した前記液体の落下による気泡発生を抑制するように、前記液体の流れを誘導するように上端から下端まで全体として内部が側方向に部分開放された形態の部分配管を含む流動誘導部;を含み、前記流入配管部は、前記液体が前記排出部を通じて排出される量ほど前記流入部を通じて自然流入されるように、前記タンク胴体の満水位の下まで延び、前記流動誘導部は、前記流入配管部を通じて流入された気泡が前記排出部に向かわず、前記タンク胴体の上部に上昇するように、前記タンク胴体の中間よりも上で前記流入配管部に連結される。
【発明の効果】
【0019】
前記のようになされた本発明の一実施形態によれば、気泡発生を抑制するか、または気泡が除去される液体トラップタンク及び液体トラップタンク用液体供給ユニットを提供することができる。もちろん、このような効果によって、本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による液体トラップタンクを示す概略的な断面図である。
図2図1の液体トラップタンク内の液体供給ユニットを通じた液体の流れを示す概略図である。
図3図1の液体トラップタンクで満水位で液体供給を示す概略的な断面図である。
図4A】本発明の実施形態による液体トラップタンク用液体供給ユニットを示す概略図である。
図4B】本発明の実施形態による液体トラップタンク用液体供給ユニットを示す概略図である。
図4C】本発明の実施形態による液体トラップタンク用液体供給ユニットを示す概略図である。
図4D】本発明の実施形態による液体トラップタンク用液体供給ユニットを示す概略図である。
図4E】本発明の実施形態による液体トラップタンク用液体供給ユニットを示す概略図である。
図5】本発明の他の実施形態による液体トラップタンクを示す概略的な断面図である。
図6】本発明のさらに他の実施形態による液体トラップタンクを示す概略的な断面図である。
図7】本発明の実施形態による液体トラップタンクを利用した液体供給システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい多様な実施形態を詳しく説明する。
【0022】
本発明の実施形態は、当業者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施形態は、さまざまな他の形態に変形され、本発明の範囲が、下記の実施形態に限定されるものではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示を、さらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面で、各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものである。
【0023】
以下、本発明の実施形態は、本発明の理想的な実施形態を概略的に図示する図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術及び/または公差(tolerance)によって、示された形状の変形が予想される。したがって、本発明の思想の実施形態は、本明細書に示された領域の特定形状に制限されたものと解釈されてはならず、例えば、製造上招かれる形状の変化を含まねばならない。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による液体トラップタンク100を示す概略的な断面図である。
【0025】
図1を参照すれば、液体トラップタンク100は、タンク胴体110及び液体供給ユニット120を含みうる。
【0026】
より具体的に説明すれば、液体トラップタンク100は、外部から液体50を供給されて収容し、再び外部に液体50を排出することができる。液体50は、半導体処理用として用いられる洗浄液、エッチング液、フォトレジストなど多様な薬液を含みうる。一部の実施形態において、液体50は、薬液外の蒸留水などをさらに含むものと理解される。
【0027】
タンク胴体110には、その内部に液体50を収容することができる収容空間106が形成されうる。タンク胴体110は、内部が空いている筒状を有することができ、このような筒の内部が収容空間106になりうる。例えば、タンク胴体110は、円筒状を有するか、または三角筒、四角筒などの多角筒状を有しうる。
【0028】
さらに、タンク胴体110には、一側に流入部102が形成され、他側に排出部104が形成されうる。流入部102を通じて外部から液体50が流入され、排出部104を通じて液体50が排出される。例えば、流入部102がタンク胴体110のトップ部111に形成され、排出部104がタンク胴体110の底部112に形成されうる。
【0029】
一部の実施形態において、流入部102は、トップ部111に形成された流入ホールを意味し、排出部104は、底部112に形成された排出ホールを意味することもある。
【0030】
付加的に、タンク胴体110には、液体50の空き水位(empty level)表示部132と満水位表示部134とが備えられうる。例えば、空き水位表示部132は、タンク胴体110の側部113の下端部に形成され、満水位表示部134は、タンク胴体110の側部113の上端部に形成されうる。さらに、空き水位表示部132と満水位表示部134には、水位を感知するための水位センサー(図示せず)がそれぞれ形成されうる。
【0031】
液体供給ユニット120は、タンク胴体110に液体50を供給するようにタンク胴体110に結合される。例えば、液体供給ユニット120は、タンク胴体110の流入部102に結合されて、タンク胴体110の外部から収容空間106に液体50を供給することができる。
【0032】
より具体的に説明すれば、液体供給ユニット120は、流入配管部122と流動誘導部124とを含みうる。例えば、流入配管部122は、液体50を収容空間106内に流入するように流入部102に結合され、流動誘導部124は、流入配管部122に連結され、流入配管部122を通過した液体50の落下による気泡発生を抑制するように液体50の流れを誘導することができる。
【0033】
一部の実施形態において、流入配管部122は、側面が全体として閉鎖されたフル配管を含むか、またはフル配管である。例えば、流入配管部122は、円筒状の配管である。他の例として、流入配管部122は、内部が空いている多様な形状の配管構造を有してもよい。一部の実施形態において、トップ部111には、流入部102に流入ホールが形成され、流入配管部122は、このような流入ホールを通じてトップ部111を貫通するように設けられる。但し、本実施形態の変形された例で、流入部102には、外部配管と連結のための基本配管が設けられ、流入配管部122は、このような基本配管に連結されても良い。
【0034】
さらに、流動誘導部124は、少なくとも一部で内部が側方向に部分開放された形状を有しうる。例えば、流動誘導部124は、流入配管部122に連結された配管の一面に沿って延びたバー状、または部分曲面状を有しうる。流動誘導部124は、液体50の流動をガイドするために多様な形状を有することができ、これについては、後述する。
【0035】
一部の実施形態において、液体供給ユニット120は、タンク胴体110の上方から下方に垂直に延設されうる。例えば、流入配管部122は、トップ部111を貫通してタンク胴体110内に垂直に延び、流動誘導部124は、流入配管部122からタンク胴体110の下方に垂直に延びる。このような液体供給ユニット120の垂直配置は、液体50の流動を単純にする。
【0036】
一方、本実施形態の変形された例で、液体供給ユニット120は、タンク胴体110の上方から下方に傾斜して延びても良い。但し、この場合にも、流動誘導部124の延長線が側部113に触れない線で液体供給ユニット120が所定の角度で傾斜して配置される。したがって、流動誘導部124に沿って流れる液体50が側部113に流れず、表面水位に到達することができる。
【0037】
以下、流動誘導部124を通じた流体の流れについてより具体的に説明する。
【0038】
図2は、図1の液体トラップタンク内の液体供給ユニット120を通じた液体の流れを示す概略図である。
【0039】
図2を参照すれば、理想的な状況で流入配管部122内では、壁面に隣接したエッジ部では液体50が壁面に沿って流れる層流領域(A)が形成され、中央部には、液体50が一方向に流れない乱流領域(B)が形成されうる。一方、流動誘導部124では、内部が閉鎖されず、開放されているために、全体として壁面に沿って層流領域(C)が形成されうる。流入配管部122と流動誘導部124との境界では、乱流領域(B)が漸次的に消滅しうる。但し、このような層流領域(A、C)と乱流領域(B)は、理想的な状況を代弁し、実際状況では、層流領域(A、C)にも部分的に乱流が形成されることを排除しない。
【0040】
このような層流領域(A、C)の形成は、液体50の粘度、流速などと関連する。例えば、液体50の粘度が高く、流速が低いほど層流領域(A、C)の面積が広くなり、乱流領域(B)の面積が狭くなる。逆に、液体50の粘度が低く、流速が高いほど層流領域(A、C)の面積が狭くなり、乱流領域(B)の面積が広くなる。このような点で、流動誘導部124の形状は、液体50の粘度または流速を考慮して選択されても良い。
【0041】
したがって、流動誘導部124は、液体50の水位が低くなる時、液体50の流動をガイドする役割を行い、理想的な状況で液体50の層流流動を誘導することができる。流動誘導部124によれば、液体50が壁面に沿って流れるために、液体50内の気泡発生が抑制され、さらに液体50内の既生成された気泡も、壁面に沿って流れながら消滅しうる。
【0042】
図1及び図2を共に参照すれば、流入配管部122を通じた液体50が流動誘導部124に乗って流れながら層流を形成しながら収容される液体50の表面に供給されるために、液体50が直ちに落下することを防止して、液体50内の気泡発生を抑制することができる。さらに、収容される液体50の水位が流入配管部122よりも低くなる場合、既生成された気泡が流入配管部122を通じて流動誘導部124に供給され、流動誘導部124に沿って流れながら気泡が相当部分消滅しうる。
【0043】
一方、図3に示したように、一部の実施形態において、流入配管部122は、タンク胴体110のトップ部111を貫通してタンク胴体110の満水位の下まで延びる。これにより、満水位の状況、例えば、液体50が満水位表示部134の下端まで満たされた状況で、流入配管部122の下端が液体50内に浸漬され、流動誘導部124は、全体として液体50内に浸漬される。
【0044】
このような構造は、液体50が排出部104を通じて排出される時、排出部104に伝達される吸入力が液体50を通じて流入配管部122に伝達させることにより、排出部104から排出される量ほど液体50が流入配管部122を通じて外部から収容空間106内に自然流入させる。
【0045】
付加的に、液体50がタンク胴体110内の満水位まで収容された場合、既生成された気泡が流入配管部122を通過した後、流動誘導部124の露出部分を通じて直ちに液体50内に噴射される。液体50内に噴射された気泡は、所定の深さまで浸透した後、直ちに表面に上昇して除去される。したがって、このような構造で流入配管部122を通じて液体50内に噴射された既生成された気泡が排出部104の方向に向かわず、タンク胴体110の上部に上昇させるために流入配管部122の高さが制御される必要がある。
【0046】
例えば、流入配管部122の下端は、少なくともタンク胴体110の中間よりも上に配され、これにより、流動誘導部124は、タンク胴体110の中間よりも上で流入配管部122に連結される。より具体的な場合、流入配管部122は、タンク胴体110の満水位の真下まで延び、流動誘導部124は、タンク胴体110の中間よりも満水位に近い部分で流入配管部122に連結される。
【0047】
一部の実施形態において、液体50が初期にタンク胴体110に充填される時、流動誘導部124は、液体50がその面に沿って層流を形成しながら流動させて、気泡発生を抑制することができる。さらに、液体50が満水位表示部134まで収容されれば、充填が止まり、排出部104を通じて液体50が排出される。この場合、液体50が排出される量ほど再び液体供給ユニット120を通じて自然吸気方式で液体50がタンク胴体110内に充填され、既生成された気泡は、流入配管部122から液体50内に噴射されて液体50の表面に排気されて除去される。
【0048】
以下、液体トラップタンク100用液体供給ユニット120についての多様な変形例を説明する。
【0049】
図4Aないし図4Eは、本発明の実施形態による液体トラップタンク用液体供給ユニット120a、120b、120c、120d、120eを示す概略図である。液体供給ユニット120a、120b、120c、120d、120eは、図1の液体供給ユニット120で一部の構成を変形するか、付加したものであって、互いに参照されるので、実施形態で重複説明は、省略する。
【0050】
図4Aを参照すれば、液体供給ユニット120aは、流入配管部122と流動誘導部124aとを含みうる。流入配管部122は、側面が全体として閉鎖されたフル配管であり、流動誘導部124aは、少なくとも一部で内部が側方向に部分開放された形態の部分配管125aを含みうる。
【0051】
より具体的に説明すれば、液体供給ユニット120aで、流動誘導部124aは、全体として部分配管125aで構成することができる。すなわち、部分配管125aは、流動誘導部124aの上端から下端まで全体として形成されうる。例えば、部分配管125aは、フル配管から一部を除去して内部が部分的に開放されるように形成されうる。
【0052】
一部の実施形態において、部分配管125aは、その側方向に半分が露出されたハーフ配管である。例えば、部分配管125aは、円筒状のフル配管から半分を除去して残った半分の配管で形成されうる。一方、部分配管125aは、液体50の層流形成の程度、例えば、粘性などを考慮して開放部分の幅を調節しても良い。
【0053】
このような液体供給ユニット120aの構造によれば、タンク胴体110内の液体50の水位が低くなる時、流入配管部122を通じた液体50が流動誘導部124aの部分配管125aの曲面に沿って層流を形成しながら流れる。したがって、液体供給ユニット120aは、液体トラップタンク100に結合されて気泡発生を抑制し、既生成された気泡の除去に効果的に用いられる。
【0054】
図4Bを参照すれば、液体供給ユニット120bは、流入配管部122と流動誘導部124bとを含みうる。流入配管部122は、側面が全体として閉鎖されたフル配管であり、流動誘導部124bは、なくとも一部で内部が側方向に部分開放された形態の少なくとも1つの部分配管125bを含みうる。一部の実施形態において、図3で説明したように、気泡を表面から除去するために、部分配管125bは、動誘導部124bの少なくとも上端に形成されうる。
【0055】
より具体的に説明すれば、液体供給ユニット120bで、部分配管125bは、動誘導部124bの長手方向に沿って複数個が離隔して形成されうる。例えば、流動誘導部124bは、複数のフル配管121と複数の部分配管125bとを含みうる。複数のフル配管121と複数の部分配管125bは、交互に配列される。各部分配管125bの長さは、液体50の粘度を考慮して層流を誘導するに十分な長さに設定しうる。例えば、流動誘導部124bは、フル配管121を複数の部分から部分的に除去して形成されうる。
【0056】
このような液体供給ユニット120bの構造によれば、流入配管部122を通じた液体50が流動誘導部124bの部分配管125aの曲面に沿って層流を形成しながら流れ、このような層流が中間のフル配管121を通りながらも、ある程度保持される。
【0057】
図4Cを参照すれば、液体供給ユニット120cは、流入配管部122と流動誘導部124cとを含みうる。流動誘導部124cで部分配管125cは、図4Aの部分配管125aと類似し、但し、流動誘導部124cには、液体50の流動速度を減らすために内面の少なくとも一部に穿孔ホール126が形成されうる。例えば、穿孔ホール126は、部分配管125cの長手方向に沿って複数個形成されうる。このような穿孔ホール126は、部分配管125cを通じた液体50の流動速度をさらに遅らせて、層流を安定して保持させる。
【0058】
図4Dを参照すれば、液体供給ユニット120dは、流入配管部122と流動誘導部124dとを含みうる。流動誘導部124dで部分配管125dは、図4Aの部分配管125aと類似し、但し、流動誘導部124dには、液体50の流動速度を減らすために内面の少なくとも一部に突起127が形成されうる。例えば、突起127は、部分配管125dの壁面にパターンを成しながら形成されうる。このような突起127は、部分配管125dを通じた液体50の流動速度をさらに遅らせて、層流を安定して保持させる。
【0059】
一方、本実施形態の変形された例で、液体供給ユニット120dには、突起127の代わりに、溝がパターンを成して形成されうる。
【0060】
図4Eを参照すれば、液体供給ユニット120eは、流入配管部122と流動誘導部124eとを含みうる。流動誘導部124eで部分配管125eは、流入配管部122と連結される上端部分に段差の除去のための傾斜連結部128を含みうる。このような傾斜連結部128は、流入配管部122を通過した液体50が落下せず、部分配管125eに緩やかに連結されるように助ける。
【0061】
一方、一部の実施形態において、前述した液体トラップタンク用液体供給ユニット120a、120b、120c、120d、120eで穿孔ホール126、突起127、傾斜連結部128などの構成などは、他の実施形態に互いに組み合わせられて構成することもできる。
【0062】
図5は、本発明の他の実施形態による液体トラップタンク100aを示す概略的な断面図である。液体トラップタンク100aは、図1の液体トラップタンク100で一部の構成を変形したものであり、互いに参照されるので、重複説明は、省略する。
【0063】
図5を参照すれば、液体トラップタンク100aで液体供給ユニット120は、タンク胴体110の底面に接触される。例えば、流動誘導部124がタンク胴体110の底面まで延びて、その下端が底面に接触される。この場合、液体供給ユニット120は、タンク胴体110内の液体50が最低水位まで下がっても、液体50の層流を保持させうる。
【0064】
図6は、本発明のさらに他の実施形態による液体トラップタンク100bを示す概略的な断面図である。液体トラップタンク100bは、図1の液体トラップタンク100で一部の構成を変形したものであり、互いに参照されるので、重複説明は、省略する。
【0065】
図6を参照すれば、液体トラップタンク100bで液体供給ユニット120fは、流体流入部122aと流動誘導部124とを含みうる。流入部102aは、タンク胴体110の側部113に形成され、これにより、流体流入部122aは、タンク胴体110の側部113に結合される。流体流入部122aは、タンク胴体110の側部113を貫通してタンク胴体110の内部に延びた後、下方に折り曲げられて延びる。
【0066】
液体トラップタンク100bによれば、流体流入部122aの構造が多少複雑になるが、依然として流動誘導部124を通じて液体50が層流を形成しながら流れるために、気泡生成を抑制するか、既生成された気泡を除去することができる。
【0067】
図7は、本発明の実施形態による液体トラップタンクを利用した液体供給システム200を示す概略図である。
【0068】
図7を参照すれば、液体供給システム200は、液体貯蔵ボトル210、液体トラップタンク220及びポンピング部230を含みうる。
【0069】
より具体的に説明すれば、液体貯蔵ボトル210は、液体50を貯蔵しており、使用後、ボトル単位で置き換えられる。選択的に、液体貯蔵ボトル210には、液体50を加圧して排出するためにガス注入ライン212が連結される。
【0070】
液体トラップタンク220は、前述した図1ないし図6の液体トラップタンク100、100a、100bのうち何れか1つである。ポンピング部230は、液体貯蔵ボトル210から基板処理装置250で液体50をポンピングするために提供されうる。例えば、液体トラップタンク220の排出部(図1の104)は、基板処理装置250で液体50をポンピングするためのポンピング部230に連結され、液体トラップタンク220の流入部(図1の102)は、液体50を貯蔵している液体貯蔵ボトル210に連結される。
【0071】
液体トラップタンク220は、液体貯蔵ボトル210及びポンピング部230の間に介在されて液体貯蔵ボトル210から供給された液体50をポンピング部230に供給する前に保管することができる。例えば、液体トラップタンク220は、液体貯蔵ボトル210から初期に液体50を供給されるか、または液体貯蔵ボトル210内の液体50が全部使われ、置き換えられる時、気泡生成を抑制するか、気泡を除去することができる。これにより、液体貯蔵ボトル210内の液体50を最後まで使用することができて、その残量を最小化することができる。
【0072】
ポンピング部230と基板処理装置250との間には、弁242とフローメーター244とが介在される。例えば、弁242は、液体50の定量吐出を制御するためのサックバック(suck-back)弁で提供されうる。ポンピング部230が動作すれば、吸入力が液体トラップタンク220を経て液体貯蔵ボトル210に伝達されうる。これにより、液体トラップタンク220で液体50がポンピングされて基板処理装置250に伝達されれば、液体トラップタンク220の水位が減少しながら排出される量ほど液体貯蔵ボトル210から液体トラップタンク220に液体50が自然的に提供されうる。
【0073】
一部の実施形態において、液体トラップタンク220内の水位が低くなって、このような吸入力の伝達が弱くなれば、液体貯蔵ボトル210は、ガス注入ライン212を通じて不活性ガス、例えば、窒素ガスを注入して液体貯蔵ボトル210から液体トラップタンク220に液体50を供給することができる。
【0074】
一部の実施形態において、液体トラップタンク220には、空気または液体50の排出のためのベンティングライン222が連結されても良い。このようなベンティングライン222は、前述した液体トラップタンク100、100a、100bにも付加されうる。付加的に、このようなベンティングライン222は、ポンピング部230にも連結される。
【0075】
基板処理装置250は、液体50を用いて基板を処理するための多様な装置が提供されうる。例えば、基板処理装置250は、液体50でフォトレジスト薬液を基板にスピンコーティングするためのフォトトラック設備を含みうる。但し、本発明の範囲は、このようなフォトトラック設備に制限されず、液体50を利用した基板処理に多様に用いられる。
【0076】
前述した液体供給装置200は、前述した液体トラップタンク220を用いて基板処理装置250に気泡発生が抑制されるか、気泡が除去された液体50を供給して、基板処理性能を向上させうる。
【0077】
本発明は、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【符号の説明】
【0078】
100、100a、100b、220:液体トラップタンク
110:タンク胴体
120、120a、120b、120c、120d、120e、120f:液体供給ユニット
122:流入配管部
124:流動誘導部
200:液体供給システム
210:液体貯蔵ボトル
230:ポンピング部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7