(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】ガス圧容器からガスが濃縮された飲料を配分する方法および装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/12 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
B67D1/12
(21)【出願番号】P 2022500824
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2020069055
(87)【国際公開番号】W WO2021005028
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-05-10
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512218854
【氏名又は名称】フランケ・カフェーマシーネン・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】FRANKE KAFFEEMASCHINEN AG
【住所又は居所原語表記】FRANKE‐STRASSE 9, 4663 AARBURG, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ジモン
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-191771(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0221833(US,A1)
【文献】特開2015-067326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0237283(US,A1)
【文献】米国特許第10182587(US,B2)
【文献】独国実用新案第202017005461(DE,U1)
【文献】米国特許第05842600(US,A)
【文献】国際公開第2009/037879(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00-3/04
G07F 13/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力下でガスが貯蔵されたガス圧容器からガスが飲料に混合される、飲料を配分するための方法において、
前記飲料がポンプ(3)によってリザーバ(2)から搬送され、前記ガスが、周囲圧よりも0.5bar未満だけ
高い圧力に膨張し、前記ポンプ(3)の吸引側で吸引された飲料に供給される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記飲料は、抽出されたアイスコーヒー飲料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記飲料に水および/またはアイスが添加され、特に前記飲料は、前記リザーバ(2)に飲料濃縮物の形態で保存され、前記ポンプの上流または下流で前記飲料濃縮物に水が添加される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ガスは窒素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記リザーバ(2)は冷却され、前記飲料はコールドドリンクとして配分される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ポンプ(3)としてギヤポンプが使用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ガスが濃縮された前記飲料は、搬送方向で前記ポンプ(3)の下流に配置された背圧要素(6)を介して飲料出口(7)に搬送される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
背圧要素(6)として、チョークまたは静的ミキサ、とりわけ螺旋ミキサが使用される
、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
吸引された前記飲料に供給される前記ガスのための供給管(12)にはガス調量弁(13)、とりわけクロック制御される閉鎖弁が配置されており、前記閉鎖弁により前記飲料
に供給されるガス量が調量される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ガスが濃縮された飲料を飲料出口(7)で配分するための飲料配分装置であって、前記ガスが圧力下で貯蔵されたガス圧容器に接続するための高圧接続部(19)を有する飲料配分装置において、
前記飲料を、吸引管(4)を介してリザーバ(2)から前記飲料出口(7)に搬送するためのポンプ(3)と、
入口側で前記高圧接続部(19)に接続された減圧器(17)であって、前記減圧器は
、前記ガスが、周囲圧よりも0.5bar未満だけ
高い圧力に膨張するように構成されており、かつ膨張したガスを吸引された前記飲料に前記ポンプ(3)の吸引側で供給するために、前記吸引管(4)に合流する
ガス供給管(12,12’)に出口側で接続されている減圧器と、を備えることを特徴とする飲料分配装置。
【請求項11】
搬送方向で前記ポンプ(3)の下流に背圧要素(6)が配置されており、該背圧要素を
介して前記ガスの濃縮された前記飲料が前記飲料出口(7)に搬送される、請求項10に
記載の飲料配分装置。
【請求項12】
背圧要素(6)として、チョークまたは静的ミキサ、とりわけ螺旋ミキサが使用される
、請求項11に記載の飲料配分装置。
【請求項13】
ポンプ(3)としてギヤポンプが使用される、請求項10から12のいずれか一項に記
載の飲料配分装置。
【請求項14】
ガス供給管(12)には、ガス調量弁(13)、とりわけクロック制御される閉鎖弁が、前記飲料に供給されるガス量を調量するために配置されている、請求項10から13のいずれか一項に記載の飲料配分装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を配分する方法に関し、この方法では、圧力下でガスが貯蔵されたガス圧容器からガスが飲料に混合される。さらに本発明は、ガスが濃縮された飲料を飲料出口で配分するための飲料配分装置に関し、この装置は、圧力下でガスが貯蔵されたガス圧容器の出口に接続するための高圧接続部を有する。
【背景技術】
【0002】
最近は、エスプレッソ、カプチーノまたはフィルタコーヒーのような淹れ立ての古典的なコーヒー飲料の他に、保存された完成飲料または濃縮物をベースにしたコーヒー飲料が提供されている。これには、特に、抽出されたアイスコーヒー、いわゆるコールドブリューコーヒーが含まれ、このコーヒーは、冷水により数時間かけて調製され、冷えたまま飲用される。特別の変形例では、このようなアイスコーヒー飲料には、配分時に窒素が混合される。これにより、華麗な泡頭並びに濃いクリーミーな口当たりが生まれ、これは窒素が濃縮された黒いヘビービール(ギネス)に類似する。市場ではこのようなコーヒー飲料は、英語名のニトロコールドブリューコーヒー(Nitro Cold Brew Coffee)として定着している。
【0003】
現在、実際に行われている方法によれば、そのために、配分時にコーヒー飲料に高圧ガスボトルから窒素が、一種の配分装置を介して注入される。そのために使用される“ディスペンサ”は、単一機器として提供され、販売スタンドに付加的に保管および設置しなければならない。これにはスペースが必要であり、コストが掛かる。この場合、レストラン業界向けの既存の全自動コーヒーマシンへの統合は不可能であるか、あるいは検討されない。
【0004】
イングリッシュパブで典型的に使用されるような手動の配分装置は、特許文献1に記載されている。そこに開示された配分装置では、ビールが手動のピストンポンプを介して搬送され、ビールにはピストンポンプの吸引側で空気がエアバルブを介して供給される。コックにある発泡ディスクによって、吸引されたビール/空気混合物が発泡される。
【0005】
特許文献2は、アイスコーヒー飲料を含む飲料がガス圧によって搬送され、選択的にガスを濃縮(ガス注入)することのできるディスペンサ装置を開示する。ガスの濃縮は発泡室で行われ、発泡室では、圧力下で搬送された飲料が噴霧器を介して噴霧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】英国特許出願公開第2129775号明細書
【文献】米国特許第10182587号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の課題は、ガス圧容器からガスが濃縮された飲料を配分するための択一的で簡単な方法および対応の装置を提供することであり、これにより特に飲料を、従来の、またはそのために装備された全自動コーヒーマシンに提供できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、方法に関しては請求項1の特徴によって、装置に関しては請求項10の特徴によって解決される。有利な構成は、従属請求項から得られる。
【0009】
圧力下で貯蔵されたガスがガス圧容器から飲料に混合される、飲料を配分するための方法では、本発明により、飲料がポンプによってリザーバから搬送され、ガスが、周囲圧に近い圧力まで、特に周囲圧よりも0.5bar未満だけ、さらに好適には100mbar未満、最も好ましくは50mbar未満だけ高い圧力に膨張し、ポンプの吸引側で吸引された飲料に供給される。飲料は、特にコーヒー飲料とすることができる。しかし前記方法は、ティー飲料のような他の飲料に対しても適用することができる。
【0010】
したがって、ポンプの上流で行われるコーヒー飲料へのガスの導入は、実質的に無圧で行われる。ガスと完成飲料との混合は、実質的にポンプ内で行われる。ガスとして特に窒素が使用される。窒素は、飲料、特にコーヒー飲料に心地よいクリーミーな味わい、あるいは心地よいクリーミーな舌触りを付与する。
【0011】
このようにしてポンプだけを使用して、リザーバに保存された完成飲料または濃縮物から、ガスが濃縮されたコーヒー飲料を配分することができる。必要な構成群は、簡単かつスペースを節約して既存の機器、例えば全自動コーヒーマシンまたは完成飲料を冷却するために設けられた冷蔵庫に格納することができる。冷蔵庫は、ミルク、クリーム、クラッシュアイスなどの他の添加物にも使用することができる。このようにして統合型飲料配分装置を創出することができる。
【0012】
特に本発明の枠内で、コーヒー飲料は、抽出されたアイスコーヒー飲料である。調製のために、挽かれたコーヒー粉末に冷水が数時間かけて調合され、または冷水が非常に緩慢に数時間にわたり、いわゆるコールドウォータドリッパを介して挽かれたコーヒー粉末を通してろ過される。このいわゆるコールドブリューコーヒーは、非常に香りが強く、消化しやすく、ホットブリューコーヒーとは異なり、暑い気候では非常に優れた代替品である。
【0013】
付加的にリザーバを冷却することができ、これによりコーヒー飲料がコールドドリンクとして配分される。
【0014】
もちろん配分の際にコーヒー飲料を加熱することも可能であり、例えば通流方向でポンプの下流に配置されたサーモブロックによって行われる。
【0015】
コーヒー飲料がコールドドリンクとして配分される場合、配分の際、コーヒー飲料に付加的に氷を添加することができる。完成飲料が濃縮された形態で保存される場合、配分の際、付加的に水を添加することができる。これは、ポンプの上流またはポンプの下流で行うことができる。同様に水を別個に飲料出口で添加することができる。例えばシロップ、シェリー、リキュール、ミルクフォームなどのさらなる飲料添加物を添えることも考えられる。
【0016】
好適な一実施形態では、ガスが濃縮された飲料が、搬送方向でポンプの下流に配置された背圧要素を介して飲料出口に搬送される。背圧要素は通流抵抗であり、この通流抵抗に対してポンプは、コーヒー飲料と空気からなる吸引された混合物を圧送しなければならず、それによりポンプの出口で圧力が上昇する。この圧力上昇によって、コーヒー飲料/空気混合物がポンプ内でさらに強力に混合され、これによりコーヒー飲料のクリーミーな、あるいは泡のような濃厚さが得られる。
【0017】
ポンプとして、とりわけギヤポンプが考えられる。このポンプ形式により、最高にクリーミーな、あるいは泡のような濃厚さが生み出されることが判明した。これは、ポンプのギアによる空気/飲料混合物のとりわけ基本的に完全な混合によるものであろう。
【0018】
背圧要素として、狭窄個所、すなわち絞りのような断面狭窄部とそれに続く拡張部、またはチョークを使用することができる。背圧要素は、内断面が低減された単純な圧力チューブによっても形成することができる。しかし好適には本発明の枠内で、ミキサ、とりわけ螺旋ミキサが使用され、ミキサは、断面狭窄部を有するのではなく、多重の方向変化によって通流抵抗として作用する。さらにこのようなミキサは、ガスの濃縮された流体の流れを複数の部分流に多重分割し、そして合流させる。これにより、クリーミーなコーヒー/空気混合物のさらなる混合と微細化が達成される。本発明の枠内で適切な通流抵抗のさらなる形態は、いわゆる抵抗通過要素である。これは、迷路状に分岐した複数の流路から形成され、同様に流体の流れを部分流に多重分割し、合流させ、新たに分割する。
【0019】
さらなる好適な一実施形態では、供給されるガス量をガス調量弁によって調量することができる。ガス調量弁として、例えば単純なニードルバルブが用いられ、これにより空気量を、吸引開口部の調節によって調量することができる。しかし好適には本発明の枠内で、クロック制御される閉鎖弁が、固定の絞りとの組み合わせで使用される。閉鎖弁は、急速に連続して開閉し、したがって吸引開口部を開放し、再び閉鎖する。この場合は調量のために、デューティ比、すなわち開放時間と復帰期間との比を変化させることができる。これによりガス調量弁は、より少ない、あるいはより多くの空気を混合するために、平均してより短くまたはより長く開放する。空気量を介して、特に配分されるコーヒー飲料の濃厚さを変更することができる。
【0020】
ガスが濃縮された飲料を飲料出口で配分するように構成されており、ガスが圧力下で貯蔵されたガス圧容器に接続するための高圧接続部を有する本発明の飲料配分装置では、本発明により、吸引管を介して飲料をリザーバから飲料出口に搬送するためのポンプと、入口側で高圧接続部に接続された減圧器とが設けられており、減圧器は、ガスが周囲圧に近い圧力まで、特に周囲圧よりも0.5bar未満だけ、さらに好適には100mbar未満、最も好ましくは50mbar未満だけ高い圧力に膨張するように構成されており、減圧器は、膨張したガスを吸引された飲料にポンプの吸引側で供給するために、吸引管に合流するガス供給管と出口側で接続されている。
【0021】
搬送方向でポンプの下流には、好適には背圧要素が配置されており、背圧要素を介してガスが濃縮された飲料が飲料出口に搬送される。背圧要素として、好適にはチョークまたは静的ミキサ、とりわけ螺旋ミキサを使用することができる。ポンプとして好適にはギヤポンプが用いられる。
【0022】
さらに、好適な一実施形態では、ガス供給管にはガス調量弁、とりわけクロック制御される閉鎖弁が、コーヒー飲料に供給されるガス質量流を調量するために配置されている。
【0023】
本発明のさらなる利点および特質は、図面に基づく一実施例の以下の説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】ガスが濃縮された飲料を配分するための装置の水流のスキームを示す図である。
【
図2】実施例で使用される、螺旋ミキサの形態の背圧要素の部分切除等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に水流線図の形態で示した装置は、抽出されたアイスコーヒー飲料を備えるリザーバ2、吸引側で吸引管4を介してリザーバ2と接続された電気ポンプ3、および出口管5を介してポンプ3の圧力側に接続された、螺旋ミキサの形態の背圧要素6を含む。螺旋ミキサ6から出口管5’が飲料出口7に至り、飲料出口でガスが濃縮されたアイスコーヒー飲料がその下に位置する飲料容器8に配分される。飲料出口は、ここでは全自動コーヒーマシンの出口ヘッドに組み込みことができ、したがってガスが濃縮された、あるいは泡立てられたコーヒー飲料を、さらなる飲料オプションとして全自動コーヒーマシンを介して配分することができる。
【0026】
吸引管4には流量計9と閉鎖弁10が存在し、流量計により飲料量を調量することができる。閉鎖弁は、飲料シーケンスの開始時に開放され、飲料シーケンスの終了後に閉鎖され、これにより管4にまだ存在する液体が逆流するのを阻止する。吸引管4にはガス供給管12が合流する。ガス供給管12にはガス調量弁13、固定の絞り14、および逆止弁15が存在する。ガス調量弁13は、実施例ではクロック制御されるエアバルブとして、すなわち急速に連続して間欠的に開放および閉鎖作動される切替弁として構成されている。エアバルブが作動される周波数は、ここでは10~30Hzの範囲とすることができる。逆止弁15は、流体が空気供給管に混入するのを制限あるいは阻止するためにだけ用いられる。
【0027】
ポンプ3、背圧要素6、流量計9、およびガス調量弁13は、ポンプモジュールないしポンプ構成群1にまとめられている。これはさらに、供給管4にある閉鎖弁10、並びに逆止弁15と、ガス供給管12にある絞り14とを含む。
【0028】
ポンプモジュール1とリザーバ2は、冷蔵庫16内に配置されている。リザーバ2は、ここでは カートン内に存在するチューブを備える使い捨て容器(BiB:バッグインボックス)として構成されている。冷蔵庫16の外部では、ポンプモジュール1に至るガス供給管12’に減圧器17と閉鎖弁18が接続されている。減圧器17を介して入口側で、ここに図示しないガス圧容器、例えば約200barのガス圧の従来のガスボンベを接続することができる。減圧器17は、本実施例では、圧力下にあるガスを入口で単に50mbarの出口圧力に減圧するように構成ないし調節されている。この出口圧力をもってガスはポンプの吸引側で供給管4に導入される。減圧器(または圧力低減弁)では出口圧力が制御入力端に供給され、圧力センサを介して圧力弁が、所定の目標出口圧力を上回る際に閉じ、下回る際に再び開放するようにする。これにより出口圧力は、この予め調節された値を超えて上昇することができない。圧力センサとして、ここではピストンまたはダイヤフラムを用いることができる。
【0029】
最後に本実施例では、洗浄接続部20が示されている。洗浄接続部は、閉鎖弁21および洗浄管22を介して、逆止弁15の上流でガス供給管12に合流する。製造シーケンスの後に、この洗浄管22を介して冷水または温水により洗浄過程を実行することができる。そのために弁10が製品入口に接続され、洗浄水給水部20にある弁21が開放し、ポンプ3が作動される。飲料出口7の下方には、洗浄水を受け止めるために受け容器が配置される。洗浄過程は、特に逆止弁15を洗浄し、これが詰まったり塞がれたりしないようにするために行われる。本実施例で弁21に対して並列に接続されたさらなる洗浄弁21’は、冷蔵庫16内に場合により格納されたさらなるポンプモジュール(ここには図示しない)を洗浄接続部20に接続するために設けられている。
【0030】
泡立てられたコールドブリューコーヒー飲料を配分するために、製品入口4’にある弁10が開放され、ポンプ3が作動される。これによりリザーバ2からそこに保存された完成飲料が吸引され、螺旋ミキサ6を介して飲料出口7まで搬送される。
【0031】
同時にガス入口19にある閉鎖弁18が開放され、ガス接続部19に接続されたガス圧容器から窒素が、供給されるガス量を調量することのできるガス調量弁13、絞り14および逆止弁15を介して、吸引管4に合流するガス供給管12に流入する。したがってポンプ3は、リザーバ2からの完成飲料の他に、付加的にガス接続部19からガスを吸引する。螺旋ミキサ6に基づき、ポンプ出口で、あるいはポンプ3内で高圧が形成される。これにより、空気飲料混合物がポンプ内で完全に混合され、このようにしてクリーミーな、あるいは泡のような、ガスで濃縮された流体が形成され、これが飲料出口7で配分される。
【0032】
図2には、背圧要素として
図1で使用された螺旋ミキサ6が図示されている。螺旋ミキサは、いわゆる静的ミキサであり、パイプ状のケーシング61内に順番に複数の、互いにそれぞれ90゜だけずらされた180°螺旋体62,63が配置されている。さらに順番に並んだ螺旋体は、それぞれ相反する回転方向を有する。各螺旋体は、通流する流体の流れを2つの部分流に分割する。この部分流は、それぞれ後続の螺旋体に移行するたびに再び2つの部分流に分割され、それぞれ先行の螺旋体からの部分流と合流される。このようにして液体流の完全な混合が行われる。さらに螺旋ミキサは、ほぼ層状の通流抵抗であり、ここでは通流断面を低減する必要はない。
図2ではミキサ6のケーシング61が、部分的に切除して図示されており、内部に存在する、それぞれ90゜だけずらされた螺旋部分62,63が見られる。