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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240613BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240613BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240613BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
A24F40/40
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022521185
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 GB2020052364
(87)【国際公開番号】W WO2021074586
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】1914831.1
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ, スティーブ
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-504132(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0071260(US,A1)
【文献】特表2019-527064(JP,A)
【文献】特開平09-229252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給システムのためのカートリッジであって
気化させるためのエアロゾル化可能材料を収容するリザーバと、
気化されたエアロゾル化可能材料を生成するためにエアロゾル化可能材料を気化させる気化器であって、エアロゾル生成領域内に配置された気化器と、
当該カートリッジの空気入口からマウスピース出口まで延びる空気チャネルであって、前記マウスピース出口から延びる、気化されたエアロゾル化可能材料を受け入れるための第1の部分を備える空気チャネルと、
前記空気チャネルの前記第1の部分とエアロゾル生成領域との間に配置された封止部であって、前記空気チャネルの前記第1の部分と前記気化器との間に配置された封止部と
を備え、
前記リザーバが環状であり、前記空気チャネルの前記第1の部分が前記リザーバによって少なくとも部分的に囲まれており、
前記空気チャネルの前記第1の部分が前記エアロゾル生成領域と前記マウスピース出口との間で延び、前記空気チャネルの前記第1の部分が前記マウスピース出口と一体的に形成されており、
当該カートリッジは、ユーザが前記リザーバ内のエアロゾル化可能材料のレベルを観察することを可能にするエアロゾル化可能材料レベル観察手段をさらに備え、
前記エアロゾル化可能材料レベル観察手段が、当該カートリッジの一部分を含み、
当該カートリッジの前記一部分が、前記リザーバ内を見るための複数の窓を備え、
前記カートリッジは、前記マウスピース出口を含むマウスピースを更に備え、前記マウスピースは前記複数の窓を有し、前記複数の窓は前記マウスピース出口に向かって傾斜している、カートリッジ。
【請求項2】
前記窓の各々が、前記マウスピース出口の近傍にある第1の位置から前記気化器の近傍にある第2の位置まで延びている、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記第1の部分が実質的に直線状である、請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第1の部分が管状である、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記空気チャネルの前記第1の部分が、前記リザーバの対応する寸法に等しい少なくとも第2の距離に対応する前記マウスピース出口からの第1の距離だけ延びている、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記リザーバが、前記カートリッジの前記マウスピース出口の近傍にある第1の端部と、前記気化器の近傍にある第2の端部とを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記空気チャネルの前記第1の部分が、前記気化器と前記マウスピース出口との間に配置されている、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記封止部が、前記空気チャネルの前記第1の部分の周りで延伸されている、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記封止部が、前記空気チャネルの前記第1の部分に対して係合する1つ以上の内周リッジを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記リザーバが楕円形断面を有する、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記リザーバが、気化させるための前記エアロゾル化可能材料を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のカートリッジと、コントロールユニットとを備えるエアロゾル供給システムであって、前記コントロールユニットが、前記カートリッジを前記コントロールユニットに取外し可能に結合するように前記カートリッジと協働的に係合するよう構成されたインターフェースを含むカートリッジ受容セクションを備え、前記コントロールユニットが、電源及び制御回路をさらに備える、エアロゾル供給システム。
【請求項13】
気化させるためのエアロゾル化可能材料を収容するリザーバと、
気化されたエアロゾル化可能材料を生成するためにエアロゾル化可能材料を気化させる気化器であって、エアロゾル生成領域内に配置された気化器と、
エアロゾル生成領域を経て空気入口からマウスピース出口まで延びる空気チャネルであって、気化されたエアロゾル化可能材料を受け入れるための、前記エアロゾル生成領域から前記マウスピース出口まで延びる第1の部分を備える空気チャネルと、
前記空気チャネルの前記第1の部分とエアロゾル生成領域との間に配置された封止部であって、前記空気チャネルの前記第1の部分と前記気化器との間に配置された封止部とを備える、エアロゾル供給システムであって、
前記リザーバが環状であり、前記空気チャネルの前記第1の部分が前記リザーバによって少なくとも部分的に囲まれており、
前記空気チャネルの前記第1の部分が前記エアロゾル生成領域と前記マウスピース出口との間で延び、前記空気チャネルの前記第1の部分が前記マウスピース出口と一体的に形成されており、
当該エアロゾル供給システムは、ユーザが前記リザーバ内のエアロゾル化可能材料のレベルを観察することを可能にするエアロゾル化可能材料レベル観察手段をさらに備え、
前記エアロゾル化可能材料レベル観察手段が、当該エアロゾル供給システムの一部分を含み、
前記エアロゾル供給システムの前記一部分が、前記リザーバ内を見るための複数の窓を備え、
前記エアロゾル供給システムは、前記マウスピース出口を含むマウスピースを更に備え、前記マウスピースは前記複数の窓を有し、前記複数の窓は前記マウスピース出口に向かって傾斜している、エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチン送達システム(例えば、電子タバコ等)のようなエアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)等の電子エアロゾル供給システムは、一般に、例えば典型的にはニコチンを含む製剤を含有する原料液体(source liquid)のリザーバのようなエアロゾル前駆材料、又はタバコに基づく製品等の固体材料を含有し、この材料からエアロゾルが、例えば熱気化を通して、ユーザによる吸引のために生成される。したがって、エアロゾル供給システムは、典型的には、エアロゾル供給システムを通る空気チャネルのエアロゾル生成領域においてエアロゾルを生成するために前駆材料の一部を気化するように配置構成された気化器を備える。ユーザがデバイスを吸い、電力が気化器に供給されると、空気が一つ以上の入口穴を通ってデバイス内に引き込まれ、空気チャネルに沿ってエアロゾル生成領域に至り、ここで空気が気化した前駆体材料と混合し、凝縮エアロゾルを形成する。エアロゾル生成領域を通って引き込まれた空気は、空気チャネルに沿ってマウスピース開口部まで進み、それと共にエアロゾルの一部を運び、ユーザによる吸引のためにマウスピース開口部を通って流出する。
【0003】
エアロゾル供給システムは、二つの主要な機能部分、すなわち多くはコントロールユニットと使い捨て/交換可能なカートリッジ部分とを有するモジュール式アセンブリを備えることが一般的である。典型的には、カートリッジ部分は、消費可能なエアロゾル前駆材料及び気化器(アトマイザ)を備え、コントロールユニット部分は、再充電可能なバッテリー、デバイス制御回路、起動センサ、及びユーザインターフェース特徴部のような、より長い寿命のアイテムを備える。コントロールユニットは、再使用可能な部品又はバッテリセクションとも呼ばれ、交換可能なカートリッジは、使い捨て部品又はカトマイザとも呼ばれる。
【0004】
コントロールユニットとカートリッジは、例えば、ねじ式、バヨネット式、ラッチ式又は摩擦嵌め式の固定手段を使用して、使用のためにインターフェース(境界部)にて機械的に一体的に結合される。カートリッジ内のエアロゾル前駆材料が使い尽くされたとき、又はユーザが異なるエアロゾル前駆材料を有する異なるカートリッジに交換したいと望むとき、カートリッジはコントロールユニットから取り外され、交換カートリッジをその場所でデバイスに取り付けることができる。
【0005】
液体エアロゾル前駆体(eリキッド)を収容するカートリッジの潜在的な問題点は、漏れがあるかもしれないということである。電子タバコのカートリッジは、典型的には、エアロゾル化可能材料をエアロゾル化可能材料リザーバから、カートリッジの空気入口とエアロゾル出口との間を接続する空気経路/空気チャネル内に配置される気化器に引き込むための機構、例えば毛細管ウィックを有する。エアロゾル化可能材料リザーバからカートリッジを通って開放された空気チャネル内への流体移送経路が存在するので、エアロゾル化可能材料がカートリッジから漏れる相応の恐れがある。コントロールユニットに接続されたカートリッジの端部からの漏れが、例えば、腐食に起因して、コントロールユニットを損傷し得るため、eリキッドを手又は他のアイテム上に付くことを当然のこととして望まないエンドユーザの観点、及び信頼性の観点の両方から、漏れは望ましくない。漏れのおそれを低減するためのいくつかの手段は、例えば、エアロゾル化可能材料が空気チャネルに入る場所でウィックをしっかりとクランプすることによって、気化器へのエアロゾル化可能材料の流れを制限することを含み得る。通常の使用では、ウィックによって吸収されたエアロゾル化可能材料は、気化器を低温(すなわち、理想的な動作温度)に保つのに十分であるが、吸収されたエアロゾル化可能材料が不十分である場合(例えば、リザーバ内のエアロゾル化可能材料が少なくなった場合)、これは、いくつかの想定において、過熱及び望ましくない香味を生じさせる可能性がある。
【0006】
本書では、上述した問題のいくつかに対処するか又は軽減するのを支援しようとする様々な手段について記載する。また、気化されたエアロゾル化可能材料と、エアロゾル化可能材料リザーバ内のエアロゾル化可能材料との間のある程度の断熱を得るカートリッジについても本書において記載する。さらに、本書では、ユーザがエアロゾル化可能材料リザーバ内のエアロゾル化可能材料のレベルを観察することを可能にするためのエアロゾル化可能材料レベル観察手段を備えるカートリッジについても記載する。
【発明の概要】
【0007】
特定の実施形態の第1の態様によれば、エアロゾル供給システムのためのカートリッジが提供され、このカートリッジは、
気化させるためのエアロゾル化可能材料を収容するリザーバと、
当該カートリッジの空気入口から出口まで延びる空気チャネルであって、出口から延びる、気化されたエアロゾル化可能材料を受け入れるための第1の部分を備える空気チャネルと
を備え、リザーバは、空気チャネルの第1の部分から少なくとも部分的に熱的に絶縁される。
【0008】
特定の実施形態の第2の態様によれば、第1の態様によるカートリッジと、コントロールユニットとを備えるエアロゾル供給システムが提供され、コントロールユニットは、カートリッジをコントロールユニットに取外し可能に結合するようにカートリッジと協働的に係合するように配置構成されたインターフェースを含むカートリッジ受容セクションを備え、また、コントロールユニットは、電源と、制御回路とをさらに備える。
【0009】
特定の実施形態の第3の態様によれば、エアロゾル供給システムが提供され、このエアロゾル供給システムは、
気化させるためのエアロゾル化可能材料を収容するリザーバと、
エアロゾル生成領域を経て空気入口から出口まで延びる空気チャネルであって、気化されたエアロゾル化可能材料を受け入れるための、エアロゾル生成領域から出口まで延びる第1の部分を備える空気チャネルと
を備え、リザーバは、空気チャネルの第1の部分から少なくとも部分的に熱的に絶縁される。
【0010】
本発明の様々な態様に関連して上述した本発明の特徴及び態様は、本書に記載の特定の組合せだけでなく、必要に応じて本発明の別の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、それらと組み合わせることができることは理解されよう。
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の特定の実施形態による、カートリッジ及びコントロールユニット(別個に示される)を備えるエアロゾル供給システムを斜視図で概略的に示している。
図2図1のエアロゾル供給システムのカートリッジの構成要素を分解斜視図で概略的に示している。
図3A図1のエアロゾル供給システムのカートリッジのハウジング部分を断面図で概略的に示している。
図3B図1のエアロゾル供給システムのカートリッジのハウジング部分を別の断面図で概略的に示している。
図3C図1のエアロゾル供給システムのカートリッジのハウジング部分をさらに別の断面図で概略的に示している。
図4A図1のエアロゾル供給システムのカートリッジの隔壁要素を斜視図で概略的に示している。
図4B図1のエアロゾル供給システムのカートリッジの隔壁要素を平面図で概略的に示している。
図5A図1のエアロゾル供給システムのカートリッジの弾性プラグを斜視図で概略的に示している。
図5B図1のエアロゾル供給システムのカートリッジの弾性プラグを別の斜視図で概略的に示している。
図5C図1のエアロゾル供給システムのカートリッジの弾性プラグを平面図で概略的に示している。
図6A図1のエアロゾル供給システムのカートリッジの底部キャップを斜視図で概略的に示している。
図6B図1のエアロゾル供給システムのカートリッジの底部キャップを平面図で概略的に示している。
図7】本開示の特定の実施形態に従ってエアロゾル供給システムを形成するために、図1に示されるコントロールユニットと共に使用するための変更型のカートリッジを対応の断面図で概略的に示している。
図8A】本開示の特定の実施形態に従ってエアロゾル供給システムを形成するために、図1に示されるコントロールユニットと共に使用するためのもう一つの変形型カートリッジを概略的に示す正面図である。
図8B図8Aのカートリッジを概略的に示す第1の斜視図である。
図8C図8Aのカートリッジを概略的に示す第2の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特定の例及び実施形態の態様及び特徴について、本書にて論じ説明する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は、従来どおり実施することができ、これらについては、話を簡潔にする目的で、詳細には論ぜず説明もしない。したがって、本書にて言及するが詳細には説明していない装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を実施するための任意の従来の手法によって実施できることは理解されよう。
【0014】
本開示は、eシガレットのようなエアロゾル供給システムとも称されることがある非燃焼式エアロゾル供給システムに関する。本開示によれば、「非燃焼式」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)の構成成分たるエアロゾル化可能材料が、ユーザへの送達を促すために燃焼されず又は燃やされないものである。本書においてエアロゾル生成材料又はエアロゾル前駆材料とも呼ばれることがあるエアロゾル化可能材料とは、例えば、加熱、照射又は任意の他の方法でエネルギーが与えられると、エアロゾルを生成することができる材料をいう。
【0015】
以下の説明全体にわたって、「eシガレット」又は「電子タバコ」という用語を使用することがあるが、この用語は、蒸気供給システム/デバイス及び電子蒸気供給システム/デバイスと互換的に使用することができることは理解されよう。また、電子タバコは、ベイピング装置又は電子ニコチン送達システム(electronic nicotine delivery system:END)としても知られるが、エアロゾル化可能材料中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0016】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、一つ又は複数が加熱され得るエアロゾル化可能材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。くつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル状のエアロゾル化可能材料及び固体のエアロゾル化可能材料を含む。固体のエアロゾル化可能材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含み得る。
【0017】
典型的には、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品とを備える。しかしながら、それ自体がエアロゾル生成構成要素に電力供給するための手段を備える物品は、それ自体が非燃焼エアロゾル供給システムを形成し得ると考えられている。
【0018】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品は、エアロゾル化可能材料(又はエアロゾル前駆材料)、エアロゾル生成構成要素(又は気化器)、エアロゾル生成エリア、マウスピース、及び/又はエアロゾル化可能材料を受容するためのエリアを含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料から一つ以上の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するように、エアロゾル化可能材料と相互作用することができるヒータである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素は、熱をエアロゾル化可能材料に加えることなく、例えば振動、機械的手段、加圧又は静電的手段のうちの一つ以上によって、エアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。
【0020】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、活性成分、担体(carrier)成分、及び任意の一つ以上の他の機能性成分を含み得るエアロゾル化可能材料であり得る。
【0021】
活性成分は、ユーザにおいて生理学的反応及び/又は嗅覚的反応を達成するためにエアロゾル化可能材料に含まれる一つ以上の生理学的活性成分及び/又は嗅覚的活性成分を含み得る。活性成分は、例えば、栄養補助食品、向知性薬及び精神活性物質から選択され得る。活性成分は、天然に存在するものでも、合成的に得られるものでもよい。活性成分は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12若しくはCのようなビタミン、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの成分、誘導体若しくはそれらの組合せを含み得る。活性成分は、タバコ又は別の植物の成分、誘導体又は抽出物を含み得る。いくつかの実施形態では、活性成分は、生理学的活性成分であり、ニコチン、ニコチン塩(例えば、ニコチン酒石酸塩/ニコチン酒石酸塩)、ニコチンを含まないタバコ代替物、カフェイン等の他のアルカロイド、又はそれらの混合物から選択され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、活性成分は、嗅覚的活性成であり、当地の規則で許可される場合に所望の風味、香り又は他の身体感覚を作り出すために成人消費者向けの製品に使用され得る「香料」及び/又は「香味料」から選択され得る。いくつかの例では、そのような成分は、香料、香味料、冷却剤、加温剤、及び/又は甘味剤と称されることがある。それらには、天然に生じる香料材料、植物性材料、植物の抽出物、合成的に得られる材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、カエデ、抹茶、メンソール、和種ハッカ、アニシード、シナモン、ターメリック、インド品種、アジア品種、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、桃、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、セイヨウハッカ、ラベンダー、バルバドスアロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワー(naswar)、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ジンジャー、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意の種からのミント油、ユーカリ、ダイウイキョウ、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテチャノキ、オレンジ皮、バラ、緑茶又は紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、ニワトコの花、バジル、月桂葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン果皮、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、エゾネギ、カルビ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及びチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質又は息清涼剤等の他の添加物が含まれ得る。これらは、模造品、合成若しくは天然の成分、又はこれらの混合品としてもよい。これらは、任意の適切な形、例えば、油等の液体、粉末等の固体、又はガス状の一つ以上の抽出物(例えば、リコリス、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、和種ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、桃、リンゴ、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、セイヨウハッカ、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属の任意の種からのミント油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及びチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質又は息清涼剤等の他の添加物であり得る。これらは、模造品、合成若しくは天然の成分、又はこれらの混合品としてもよい。これらは、任意の適切な形、例えば、油、液体又は粉末であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、香料はメンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は感覚惹起剤を含むことがあり、この感覚惹起剤は、香り又は味覚の神経に加えて、又はその代わりに、第5脳神経(三叉神経)を刺激することによって、通常は化学的に誘導及び知覚される身体感覚を得ることが意図されており、また、温まる、冷える、ひりひりする、麻痺するという効果をもたらす薬剤を含み得る。適切な加温効果剤は、それだけには限らないが、バニリルエチルエーテルとしてもよく、適切な冷却剤は、それだけには限らないが、ユーカリプトールWS-3としてもよい。
【0024】
担体成分は、エアロゾルを形成することができる一つ以上の成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、担体成分は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、ベンジルフェニルアセテート、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの一つ以上を含み得る。
【0025】
一つ以上の他の機能性成分は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの一つ以上を含み得る。
【0026】
上述したように、エアロゾル供給システム(eシガレット)は、再使用可能な部分(コントロールユニット)と、交換可能な(使い捨ての)カートリッジ部分の両方を含むモジュール式アセンブリを備えることが多い。この種の2パートモジュール式の構成に適合するデバイスは、概して、2パートデバイスと称され得る。電子タバコが概して細長い形状を有するのも一般的である。具体例を提供するために、本書において説明される本開示の特定の実施形態は、使い捨てカートリッジを利用するこの種の概して細長い2パートデバイスを含む。しかし、本書において説明される基本原理は、他の電子タバコ構成、例えば、二つのを超える部分を備えるモジュール式デバイス、並びに例えば、通例、より箱状の形状を有する、いわゆるボックスモッド(box-mod)高性能デバイスに基づく、他の全体形状に適合するデバイスのために等しく採用され得ることは理解されよう。
【0027】
図1は、本開示の特定の実施形態による例示的なエアロゾル供給システム/デバイス(eシガレット)1の概略的な斜視図である。電子タバコの様々な態様の相対位置に関する用語(例えば、上方、下方、上、下、上部、下部等の用語)は、本書では、図1に示された電子タバコの向きを基準として用いられる(特にことわらない限り)。しかし、これは単に説明をしやすくするためであり、使用の際に何か必要とされる向きが電子タバコにあることを示すものではないことを理解されたい。
【0028】
eシガレット1は、二つの主要な構成要素、すなわちカートリッジ2及びコントロールユニット4を備える。コントロールユニット4及びカートリッジ2は、図1では分離して示されているが、使用時に結合される。
【0029】
カートリッジ2とコントロールユニット4は、これらの間に機械的及び電気的接続を確立することによって結合される。機械的及び電気的接続部が確立される特定の方法は、本書に記載の原理には第一義的に重要なものではなく、従来の技法によって、例えば、二つの部分間の電気的接続を必要に応じて確立するための適切に配置された電気接点/電極を有する、ねじ式、バヨネット式、ラッチ式又は摩擦嵌め式の機械的固定手段に基づいて確立することができる。図1に示された例示的な電子タバコ1では、カートリッジは、マウスピース端52及びインターフェース端54を備え、カートリッジのインターフェース端にてインターフェース端部分6をコントロールユニットの対応するレセプタクル8/受容セクションに挿入することによって、コントロールユニットに結合される。カートリッジのインターフェース端部分6は、レセプタクル8に対する締まり嵌め部であり、突起56を含み、この突起は、カートリッジとコントロールユニットの間の解除可能な機械的係合部を形成するようにレセプタクル8を画定するレセプタクル壁12の内面の、対応する戻り止め部と係合する。電気的接続が、カートリッジの下部の1対の電気接点(図1には示されていない)と、レセプタクル8の基部における対応のばね式接点ピン(図1には示されていない)とを介して、コントロールユニットとカートリッジの間に確立される。上記のように、電気的接続が確立される特定の態様は、本書に記載の原理には重要ではなく、実際いくつかの実施態様では、例えば、再使用可能部分からカートリッジへの電力の送出を無線にすることができるので(例えば、電磁誘導技法に基づいて)、カートリッジとコントロールユニットとの間に電気的接続が全くないこともある。
【0030】
電子タバコ1は、長手方向軸線Lに沿って延びる実質的に細長い形状を有する。カートリッジがコントロールユニットに結合されているとき、この例における電子タバコの(長手方向軸線に沿った)全長は約12.5cmになる。コントロールユニットの全長は約9cmであり、カートリッジの全長は約5cmである(すなわち、これらが結合されているとき、カートリッジのインターフェース端部分6とコントロールユニットのレセプタクル8の間に約1.5cmの重なりがある)。電子タバコは、実質的に楕円形の、電子タバコの中間付近で最大である断面を有し、端部に向かって湾曲したように先細になっている。電子タバコの中間付近の断面は、約2.5cmの幅及び約1.7cmの厚さを有する。カートリッジの端部は、約2cmの幅及び約0.6cmの厚さを有するのに対し、電子タバコの他方の端部は、約2cmの幅及び約1.2cmの厚さを有する。電子タバコの外側ハウジングは、この例ではプラスチックから形成されている。電子タバコの特定のサイズ及び形状と、これを作るための材料とは、本書に記載の原理には第一義的に重要なものではなく、別の実施態様では異なり得ることを理解されたい。すなわち、本書に記載の原理は、異なるサイズ、形状及び/又は材料を有する電子タバコにも同様に採用することができる。
【0031】
本開示の特定の実施形態によるコントロールユニット4は、その機能及び一般的な構築技法の点で概して従来型としてもよい。図1の例では、コントロールユニット4は、レセプタクル壁12を含むプラスチック製の外側ハウジング10を備え、このレセプタクル壁は、上記のようにカートリッジの端部を受けるためのレセプタクル8を画定する。この例のコントロールユニット4の外側ハウジング10は、カートリッジ2の形状及びサイズに一致する実質的に楕円形の断面をそのインターフェース部に、これら二つの部分間が滑らかに遷移するように有する。レセプタクル8とカートリッジ2の端部6が180°回転させたときに対称であるので、カートリッジは、二つの異なる向きでコントロールユニットに挿入することができる。レセプタクル壁12は、二つのコントロールユニット空気入口開口部14(すなわち、壁の穴)を含む。これらの開口部14は、カートリッジがコントロールユニットに結合されるときにカートリッジについての空気入口50と整列するように配置される。開口部14の別の一つは、様々な向きにおいてカートリッジの空気入口と整列する。いくつかの実施態様では、カートリッジが一つの向きでしかコントロールユニットと結合可能にならないように、いかなる度合いの回転対称性もないとすることができるが、別の実施態様では、カートリッジがより多くの向きでコントロールユニットと結合可能になるように、高い度合いの回転対称性があり得ることを理解されたい。
【0032】
コントロールユニットは、電子タバコに動作電力を供給するバッテリー16、電子タバコの動作を制御し監視するためのコントロール回路18、ユーザ入力ボタン20、インジケータ灯22、及び充電ポート24をさらに備える。
【0033】
この例におけるバッテリー16は再充電可能であり、従来型のもの、例えば、電子タバコ、及び比較的短い期間にわたって比較的高い電流の供給を必要とする他の用途において通常用いられる種類のものとすることができる。バッテリー16は、充電ポート24を介して再充電することができ、この充電ポートは、例えばUSBコネクタを備えることができる。
【0034】
この例における入力ボタン20は、例えば、下層の回路の電気的な接触を行うためにユーザによって押圧され得る、ばね取付式の構成要素を備える従来の機械式ボタンである。この点に関して、入力ボタンは、例えばエアロゾル生成を開始するためのユーザによる入力を検出する入力デバイスと考えてもよく、ボタンが実装される特定の方法は重要でない。例えば、他の形の機械式ボタン、又はタッチ感知ボタン(例えば、容量式若しくは光学式感知技法に基づく)が、別の実施態様で用いられてもよく、或いはボタンがなくてもよく、デバイスは、エアロゾル生成を開始するのにパフ検出器に依拠することもできる。
【0035】
インジケータ灯22は、電子タバコに関連する様々な特性の視覚表示、例えば、動作状態(例えば、オン/オフ/スタンバイ)、及びバッテリー寿命又は故障状態等の、他の特性の表示をユーザに与えるために設けられている。様々な特性が、例えば、一般的な従来の技法による、様々な色及び/又は様々な点滅順序によって表示され得る。
【0036】
制御回路18は、電子タバコを制御するための確立された技法に従って従来の動作機能を実現するように電子タバコの動作を制御するために、適切に構成/プログラムされる。制御回路(プロセッサ回路)18は、電子タバコの動作の色々な態様に関連する様々なサブユニット/回路要素を論理的に備えると考えることができる。例えば、異なる実施態様で提供される機能によっては、制御回路18は、ユーザによる入力に応じてバッテリー/電源からカートリッジへの電力供給を制御するための電源制御回路と、ユーザによる入力に応じて構成設定(例えば、ユーザ定義電力設定)を確立するためのユーザプログラミング回路と、並びに本書に記載の原理による機能に関連する他の機能ユニット/回路と、インジケータ灯表示駆動回路及びユーザ入力検出回路等の電子タバコの従来の動作態様とを含む。制御回路18の機能は、例えば、適切にプログラムされた一つ以上のプログラム可能コンピュータ、及び/又は所望の機能を提供するように構成されている適切に構成された一つ以上の特定用途向け集積回路/回路/一つ以上のチップ/一つ以上のチップセットを用いて、様々な異なる方法で提供できることを理解されたい。
【0037】
図2は、カートリッジ2の分解斜視図である(長手方向軸線Lに沿って分解されている)。カートリッジ2は、ハウジング部分32と、空気チャネル封止部34と、隔壁要素36と、出口管38と、気化器/加熱要素40と、エアロゾル化可能材料移送要素42と、プラグ44と、接触電極46を有するエンドキャップ48とを備える。図3図6は、これらの要素のいくつかをより詳細に、概略的に示している。
【0038】
図3Aは、ハウジング部分32の、ハウジング部分32が最も薄いところでの、長手方向軸線Lに沿っての概略断面図である。図3Bは、ハウジング部分32の、ハウジング部分32が最も幅広いところでの、長手方向軸線Lに沿っての概略断面図である。図3Cは、長手方向軸線Lに沿って見たハウジング部分の、インターフェース端54からの(すなわち、図3A及び図3Bの向きで下から見た)概略図である。
【0039】
図4Aは、下から見た隔壁要素36の概略斜視図である。図4Bは、下から見た隔壁要素36の上部の概略断面図である。
【0040】
図5Aは、プラグ44を上から見た概略斜視図であり、図5Bは、プラグ44を下から見た概略斜視図である。図5Cは、カートリッジのマウスピース端52から見た(すなわち、図1及び図2の向きで上から見た)、長手方向軸線Lに沿ってのプラグ44の概略図である。
【0041】
図6Aは、上から見たエンドキャップ48の概略斜視図である。図6Bは、カートリッジのマウスピース端52から見た(すなわち、上から見た)長手方向軸線Lに沿ってのエンドキャップ48の概略図である。
【0042】
この例のハウジング部分32は、この例ではポリプロピレンの単一の成形品から形成されているハウジング外壁64及びハウジング内側管62を備える。ハウジング外壁64はカートリッジ2の外観を画定し、ハウジング内側管62は、空気チャネルがカートリッジを貫通する部分を画定する。ハウジング部分は、カートリッジのインターフェース端54では開いており、カートリッジのマウスピース端52では、ハウジング内側管62と流体連通しているマウスピース開口部/エアロゾル出口60を除いて閉じている。ハウジング部分32は、カートリッジのための空気入口50を提供する側壁に開口部を有する。この例における空気入口50は、約2mmの面積を有する。ハウジング部分32の外壁64の外面は上述した複数の突起56を含み、これらの突起56は、レセプタクル8を画定するレセプタクル壁12の内面の対応する戻り止め部と係合して、カートリッジとコントロールユニットとの間の取外し可能な機械的係合を可能とする。ハウジング部分の外壁64の内面は複数のさらなる突起66を含み、これらの突起66は、カートリッジが組み立てられたときに長手方向軸線Lに沿って隔壁要素36を位置決めするための当接式ストッパを提供するように機能する。ハウジング部分32の外壁64はさらに穴を備え、この穴は、カートリッジが組み立てられるときにエンドキャップの対応するラッチ凸部70を受けてハウジング部分に対してエンドキャップを固定するように構成されたラッチ凹部68を提供する。
【0043】
ハウジング部分32の外壁64は、空気入口50と流体連通する間隙76を画定する二重壁セクション74を含む。間隙76は、カートリッジを通る空気チャネルの一部を形成する。この例では、ハウジング部分32の二重壁セクション74は、間隙が長手方向軸線に対して平行にハウジング外壁64内で延びる空気チャネル(長手方向軸線に対して垂直な平面内の断面は約3mm)を画定するように構成されている。ハウジング部分の二重壁セクションによって画定される空気チャネル76の間隙/部分は、ハウジング部分32の開放端まで下方に延びる。
【0044】
空気チャネル封止部34は、貫通穴80を有する実質的に管の形のシリコーン成形品である。空気チャネル封止部34の外壁は、環状のリッジ(隆起部)84及び上部カラー82を含む。空気チャネル封止部34の内壁も環状のリッジを含むが、これらは図2では見えない。カートリッジが組み立てられると、空気チャネル封止部34は、ハウジング内側管62の一端が空気チャネル封止部34の貫通穴80の中に一部延びている状態で、ハウジング内側管62に取り付けられる。空気チャネル封止部の貫通穴80は、その弛緩状態で約5.8mmの直径を有するのに対し、ハウジング内側管62の端部は約6.2mmの直径を有し、それにより、ハウジング内側管62を受け入れるよう空気チャネル封止部34が延伸されると封止がもたらされる。この封止は、空気チャネル封止部34の内面のリッジによって助長される。
【0045】
出口管38は、例えば、内径が約8.6mmで壁厚が約0.2mmであるANSI 304ステンレス鋼又はポリプロピレンの管状セクションを備える。出口管38の下端は、直径方向に互いに対向する1対のスロット88を含み、各スロットの端部は半円形凹部90を有する。カートリッジが組み立てられるとき、出口管38は、空気チャネル封止部34の外面に嵌まる。空気チャネル封止部の外径は、その弛緩状態で約9.0mmであり、それにより、空気チャネル封止部34が圧縮されて出口管38の内部に嵌合すると、封止部が形成される。この封止部は、空気チャネル封止部34の外面のリッジ84によって助長される。空気チャネル封止部34のカラー80は、出口管38のストッパになる。
【0046】
エアロゾル化可能材料移送要素42は毛細管ウィックを含み、気化器40は、毛細管ウィックに巻かれた抵抗線ヒータを含む。毛細管ウィックに巻かれた抵抗線の部分に加えて、気化器は電気リード線41をさらに備え、この電気リード線は、プラグ44の貫通穴を通ってエンドキャップ54に取り付けられた接触電極46に至り、カートリッジがコントロールユニットに連結されたときに確立される電気的インターフェースを介して、電力が気化器に供給されることを可能にする。気化器のリード線41は、毛細管ウィックに巻かれた抵抗線と同じ材料を含んでもよく、又は毛細管ウィックに巻かれた抵抗線に接続された異なる材料(例えば、より低い抵抗の材料)を含んでもよい。この例では、ヒータコイル40はニッケル鉄合金ワイヤを含み、ウィック42はガラス繊維束を含む。気化器及びエアロゾル化可能材料移送要素は、任意の従来技術に従って設けられてもよく、異なる形態及び/又は異なる材料を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ウィックは、繊維状又は固体のセラミック材料を含んでもよく、ヒータは、異なる合金を含んでもよい。他の例では、ヒータ及びウィックは、例えば多孔性材料及び抵抗材料の形態で組み合わされてもよい。より一般的には、特定の性質のエアロゾル化可能材料移送要素及び気化器は、本書に記載される原理にとって主要な意味を持たないことは理解されよう。
【0047】
カートリッジが組み立てられるとき、ウィック42は出口管38の半円形凹部90で受けられ、その結果、加熱コイルが巻き付けられているウィックの中心部が出口管の内側にあり、ウィックの端部が出口管38の外側にあるようになる。
【0048】
この例のプラグ44は、シリコーンの単一の成形品からなり、弾性を有するとよい。プラグは、外壁102を有する基部部分100を備え、外壁102は、そこから上方に(すなわち、カートリッジのマウスピース端の方に)延びている。また、プラグは内壁104を備え、この内壁は、基部部分100から上向きに延びると共に、基部部分100を通る貫通穴106を取り囲む。
【0049】
プラグ44の外壁102はハウジング部分32の内面と合致し、それにより、カートリッジが組み立てられると、プラグ44はハウジング部分32と封止部を形成する。プラグ44の内壁104は出口管38の内面と合致し、それにより、カートリッジが組み立てられると、プラグ44は出口管38ともまた封止部を形成する。内壁104は、直径方向に対向する1対のスロット108を含み、各スロットの端部は半円形凹部110を有する。カートリッジが組み立てられたときに、エアロゾル化可能材料移送要素42の一セクションを受けるように形作られたクレードルセクション112が、内壁104の各スロットの下部から外向き(すなわちカートリッジの長手方向軸線から遠ざかる方向)に延びる。プラグ44の内壁に設けられたスロット108及び半円形凹部110と、出口管38のスロット88及び半円形凹部90とが位置合わせされ、それにより、出口管38のスロット88は、クレードル112のそれぞれを出口管及びプラグのそれぞれの半円形凹部と対応させて、エアロゾル化可能材料移送要素42が通過する穴を画定するように協働する。エアロゾル化可能材料移送要素が通る半円形凹部によって形成される穴のサイズは、エアロゾル化可能材料移送要素のサイズ及び形状と緊密に対応するが、わずかに小さいのでプラグ44の弾性によってある程度押し縮められる。これにより、エアロゾル化可能材料が毛細管作用によってエアロゾル化可能材料移送要素をたどって移送されることが、毛細管作用によって移送されないエアロゾル化可能材料が開口部を通過できる程度を制限しながら、可能になる。上記のように、プラグ44は、カートリッジが組み立てられたときに気化器の接触リード線41が通るさらなる開口部を基部部分100に含む。プラグの基部部分の下部は、基部部分の下部の残りの面とエンドキャップ48との間のオフセット状態を維持するスペーサ116を含む。これらのスペーサ116は、気化器の電気接触リード線41が通る開口部114を含む。
【0050】
エンドキャップ48は、1対の金メッキ銅電極ポスト46が取り付けられているポリプロピレン成形品を含む。
【0051】
エンドキャップの下部側の電極ポスト44の端部は、エンドキャップ48によって形成されたカートリッジのインターフェース端54とほぼ同一平面にある。これらの端部は、カートリッジが組み立てられコントロールユニットと連結されたときに、対応して位置合わせされたコントロールユニットのばね式接点が接続する電極の部分になる。カートリッジの内側の電極ポストの端部はエンドキャップ48から、接触リード線41が通るプラグ44の穴114の中に延びる。電極ポストは、穴114に対してわずかに大きくなっており、電極ポストがプラグにより気化器の接触リード線との加圧接触状態に維持されるところの、プラグ44の穴114に挿入しやすくするために、その上端部に面取りを含む。
【0052】
エンドキャップは、基部セクション124と、ハウジング部分32の内面と合致する直立壁120とを有する。エンドキャップ48の直立壁120はハウジング部分32に挿入されるので、カートリッジが組み立てられたときに、ラッチ凸部70はハウジング部分32のラッチ凹部68と係合して、エンドキャップ48がハウジング部分にスナップ嵌めされる。エンドキャップ48の直立壁120の上部は、プラグ44の周辺部分に当接し、プラグのスペーサ116の下面もまたプラグの基部セクション124に当接し、それにより、エンドキャップ48は、ハウジング部分に取り付けられるとプラグ44を加圧して、これをわずかに圧縮したまま維持する。
【0053】
エンドキャップ48の基部部分124は、カートリッジのインターフェース端でのハウジング部分の外壁の厚さと一致する厚さがある直立壁112の基部を越える、周辺リップ126を含む。エンドキャップはまた、直立した位置決めピン122を含み、この位置決めピンは、プラグの対応する位置決め穴128と整列して、組立て中にそれらの相対位置を確立するのに役立つ。
【0054】
隔壁要素36は、ポリプロピレンの単一の成形品からなり、隔壁130と、カートリッジのインターフェース端に向かう方向への隔壁130からの凸部によって形成されたカラー132とを含む。隔壁要素36は、出口管38が通る中央開口部134を有する(すなわち、隔壁は、出口管38の周りに配置される)。いくつかの実施形態において、隔壁要素36は出口管38と一体的に形成されてもよい。カートリッジが組み立てられると、プラグ44の外壁102の上面が隔壁130の下面と係合し、隔壁130の上面がハウジング部分32の外壁64の内面の突起66と係合する。したがって、隔壁130は、プラグがハウジング部分32内に深く押し込まれ過ぎることを防止する。すなわち、隔壁130は、ハウジング部分内の突起66によってカートリッジの長手方向軸線に沿って固定的に配置され、したがって、プラグに押し付けられる固定面を提供する。隔壁からの凸部によって形成されるカラー132は、プラグ44の外壁102の内面上の対応する凹部と係合する第1の対の互いに対向する凸部/舌部134を含む。隔壁130からの突起は、エアロゾル化可能材料移送要素が通る開口部をさらに画定するように、カートリッジが組み立てられたときに、部分44内のクレードル部分112の対応するものと係合するように構成された1対のクレードル部分136をさらに提供する。
【0055】
カートリッジが組み立てられると、空気入口50からカートリッジを通ってエアロゾル出口60まで延びる空気チャネルが形成される。ハウジング部分32の側壁における空気入口50から始まり、空気チャネルの第1のセクションが、ハウジング部分32の外壁64における二重壁セクション74によって形成される間隙76によって提供され、空気入口50からカートリッジのインターフェース端54の方に延び、プラグ44を超える。空気チャネルの第2の部分が、プラグ44の基部とエンドキャップ48との間の間隙によって形成される。空気チャネルの第3の部分は、プラグ44を貫通する穴106によって形成される。空気チャネルの第4の部分は、プラグ44の内壁104内の領域、及び気化器40まわりの出口管によって形成される。この空気チャネルの第4の部分もエアロゾル/エアロゾル生成領域と呼ばれることがあり、使用中にエアロゾルが生成される主要な領域である。空気入口50からエアロゾル生成領域までの空気チャネルは、空気チャネルの空気入口セクションと呼ばれることがある。空気チャネルの第5の部分は、出口管38の残り部分によって形成される。空気チャネルの第6の部分は、空気チャネルをエアロゾル出口60につなぐ外側ハウジング内側管62によって形成される。エアロゾル生成領域からエアロゾル出口までの空気チャネルは、空気チャネルのエアロゾル出口セクションと呼ばれることがある。
【0056】
また、カートリッジが組み立てられると、エアロゾル化可能材料のリザーバ31が、空気チャネルの外側及びハウジング部分32の内側の空間によって形成される。このリザーバは製造中に、例えば、後で封止される充填穴から、又は別の手段によって充填することができる。エアロゾル化可能材料の、例えばその組成に関する特定の性質は、本書に記載の原理には第一義的に重要なものではなく、一般には、電子タバコに通常使用されるタイプの任意の従来のエアロゾル化可能材料が使用されてよい。本開示は、上述したような従来のeリキッドであり得るエアロゾル化可能材料としての液体について言及している。しかしながら、本開示の原理は、流動する能力を有する任意のエアロゾル化可能材料であって、液体、ゲル又は固体を含み得る任意のエアロゾル化可能材料に適用される。なお、固体に関しては、複数の固体粒子が、バルクと見なされるとき、流動する能力を有すると見なされ得る。
【0057】
リザーバは、カートリッジのインターフェース端でプラグ44によって閉じられる。リザーバは、隔壁130の上方の第1の領域と、隔壁130の下方の第2の領域とを、空気チャネルとプラグの外壁との間な形成された空間内に有する。エアロゾル化可能材料移送要素(毛細管ウィック)42は、上で論じたように互いに係合する隔壁要素36、プラグ44及び出口管38の半円形凹部108、90とプラグ44のクレードルセクション112、136とによって形成される、空気チャネルの壁の開口部を貫通する。したがって、エアロゾル化可能材料移送要素の端部はリザーバの第2の領域内に延びており、このリザーバから液体移送要素は、後に続く気化のために、エアロゾル化可能材料を空気チャネルの開口部を通して気化器40へ引き込む。
【0058】
通常使用の際、カートリッジ2はコントロールユニット4に結合され、コントロールユニットが起動されて電力がカートリッジに、エンドキャップ48の接触電極46を介して供給される。次に、電力は接続リード線41を通って気化器40に達する。気化器は、こうして電気加熱されるのでエアロゾル化可能材料移送要素からのエアロゾル化可能材料の一部分を気化器の近傍で気化する。この気化により、空気経路のエアロゾル生成領域においてエアロゾルが生成される。エアロゾル化可能材料移送要素から気化されるエアロゾル化可能材料は、毛細管作用によってリザーバから引き込まれる追加のエアロゾル化可能材料によって後を継ぐ。気化器が作動されている間、ユーザはカートリッジのマウスピース端52を吸う。これにより、カートリッジの空気入口50と位置合わせされたコントロールユニット空気入口14のいずれか(カートリッジがコントロールユニットレセプタクル8に挿入された向きに依存する)を通して空気が引き込まれる。次いで、空気は、空気入口50を通ってカートリッジに入り、ハウジング部分32の二重壁セクションの間隙76に沿って通過し、プラグ44の基部部分100内の穴106を通って気化器40を囲むエアロゾル生成領域に入る前に、プラグ44とエンドキャップ48との間を通過する。入って来る空気は、気化器により生成されたエアロゾルと混合して凝縮エアロゾルを形成し、このエアロゾルは次に、出口管38及びハウジング内側管62に沿って引き込まれた後に、ユーザの吸引のためにマウスピース出口/エアロゾル出口60から流出する。
【0059】
図7を参照すると、本開示の特定の実施形態によるエアロゾル供給システムを形成するために、図1に示されるコントロールユニット4と共に使用するための変更されたカートリッジ200が断面図で概略的に示されている。図7に示されるカートリッジ200は、図1図6Bに示されるカートリッジ2の構造に基づいており、両図に共通する参照符号によって示されるような類似の構成要素を備える。例えば、カートリッジ200は、出口管38及びハウジング内側管62の周りに延びるリザーバ31を画定する。出口管38及びハウジング内側管62は、カートリッジ200の空気入口50からその出口60まで延びる空気チャネルの一部を形成する。そのような実施形態によれば、リザーバ31は環状であってもよく、エアロゾル化するためのエアロゾル化可能材料を収容するように構成される。カートリッジ200のいくつかの実施形態、例えば図7に示されるカートリッジの実施形態等では、隔壁要素36は、出口管38と一体的に形成されて、カートリッジ200内の部品の総数を低減してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、リザーバ31は、カートリッジ200のエアロゾル出口60の近傍にある第1の端部31Aと、気化器40/エアロゾル生成領域の近傍にある第2の端部31Bとを含み得る。いくつかの実施形態によるカートリッジは、(図7に示されるように)カートリッジ200の長手方向軸線Lに垂直であり得る楕円形断面205を備えてもよい。図7に示されるように、楕円形断面205は、カートリッジ200の長手方向軸線Lに垂直である軸である長軸及び短軸を画定する。
【0061】
図7に示されるカートリッジ200を参照すると、図1図6Bに示されるカートリッジ2に対する第1の変更点は、カートリッジ200からの空気チャネルであって、出口60からエアロゾル生成領域に向かって延びる、気化したエアロゾル化可能材料を受け入れるためのハウジング内側管62の形態の第1の部分204を備える、カートリッジ200からの空気チャネルに関する。カートリッジ200によるエアロゾル生成領域は、気化器40(図7には示されていないが、図2に示されている)を取り囲んでいる。この第1の部分204に関して、カートリッジ200は、リザーバ31が空気チャネルの第1の部分204から少なくとも部分的に断熱されるように構成されている。このようにして、断熱は、リザーバ31内に配置された比較的低温のエアロゾル化可能材料と比較して比較的高温であり得る気化したエアロゾル化可能材料が、リザーバ31内に配置されたより低温のエアロゾル化可能材料によって第1の部分204内で凝縮する程度を低減する。同様に、空気チャネルの第1の部分204及び断熱材の存在は、第1の部分204内の任意の高温の気化したエアロゾル化可能材料からの熱が、リザーバ31内に配置されたエアロゾル化可能材料に伝達されることを防止するのに役立つ。
【0062】
図7に示されるようないくつかの実施形態によれば、第1の部分204は、リザーバ31によって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。いくつかの特定の実施形態では、リザーバ31は、第1の部分204の周りに同心円状に配置することができる。より一般的には、いくつかの実施形態では、リザーバ31(又はより一般的にはエアロゾル化可能材料を収容するための容器)は、空気チャネルの第1の部分204を取り囲む。これらの実施形態では、気化されるべき比較的低温のエアロゾル化可能材料(例えば、液体)は、空気チャネルを取り囲むと言える。図7に示されるようないくつかの実施形態では、第1の部分204は管状である。
【0063】
いくつかの実施形態では、リザーバ31は、空気チャネルの第1の部分204から完全に断熱されてもよい。これを達成する1つの手段は、例えば、リザーバ31の対応する寸法(長さ等)に等しい少なくとも第2の距離に対応する出口31から第1の距離だけ延びる第1の部分204又は第1の部分の長さ部分を有することである。
【0064】
本開示によれば、断熱材の少なくとも一部は、リザーバ31と空気チャネルの第1の部分204との間に設けられる。このようにして、一般にエアロゾル化可能材料(例えば、気化される液体)よりも比較的低い熱伝導率を有する断熱材は、エアロゾル生成構成要素(例えば、ヒータ)によって生成した比較的高温のエアロゾルからエアロゾル生成材料へのエネルギーの移動を低減するのに役立つ。上述したように、これは、相対的に高温のエアロゾルが空気チャネルの第1の部分204内で凝縮する程度及び/又はエアロゾル発生材料が加熱される程度を低減するのに役立ち得る。
【0065】
カートリッジ200のいくつかの実施形態によれば、第1の部分204における凝縮液の蓄積を低減するのをさらに助けるために、第1の部分204は、例えば図7に示すように、実質的に直線状であってもよい。これは、エアロゾル生成領域と出口60との間に多数の角部及び屈曲部(数が少なければ第1の部分204内の凝縮形成のための部位の数を増加させるよう機能するかもしれない)を含む及び/又は蛇行経路を形成する第1の部分204とは対照的である。
【0066】
カートリッジ200は、空気チャネルの第1の部分204とリザーバ31との間の断熱を改善するために、いくつかの異なる態様で構成され得ることは理解されよう。
【0067】
例えば、図7に示されるもののようないくつかの実施形態によると、カートリッジ200は、空気チャネルの第1の部分204からリザーバを少なくとも部分的に断熱するために、空気チャネルの第1の部分204とリザーバ31との間に空洞(キャビティ)206を備えてもよい。空洞206は、リザーバ31と空気チャネルの第1の部分204との間に断熱をもたらす任意の材料を含むことができ、及び/又はそのような材料で満たすことができる。例えば、空洞は、空気、真空、又は適切に断熱性である別の材料を含んでもよい。
【0068】
空洞によってもたらされる断熱効果をさらに向上させるために、いくつかの実施形態によれば、空洞は、閉じた空洞、すなわち、図7に示されるように全ての面で壁によって囲まれる空洞を備えてもよい。
【0069】
空洞の特定の実施形態では、空洞206の第1の壁208は、空気チャネルの第1の部分204の壁の少なくとも一部を形成することができ、空洞206の第2の壁210は、リザーバ31の壁の少なくとも一部を形成する。図7のカートリッジに示されるような、これらの実施形態のいくつかにおいて、第2の壁210は、第1の壁208の周りに延在し得る。このようにして、空洞は、空気チャネルの第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むことができる。いくつかの特定の実施形態では、第1の壁208及び第2の壁210のいずれか又は両方は、管状であってもよいし、及び/又は同心状であってもよい(すなわち、図7に示されるカートリッジの実施形態の場合において、カートリッジの長手方向軸線Lである同じ中心軸線を共用することとしてもよい)。
【0070】
空洞の長さ全体にわたってより均一な断熱効果をより確実にするよう、第1の壁と第2の壁との間の均一な分離を確保にするために、カートリッジ200のいくつかの実施形態では、第1の壁208は、第2の壁210に実質的に平行であるとするとよい。
【0071】
カートリッジ200のいくつかの実施形態では、空洞206は細長くてもよい。図7に示されるカートリッジの実施形態を含む特定の実施形態では、空洞206は、カートリッジ200の長手方向軸線Lに平行である長手方向軸線(空洞206の長手方向に沿う軸線)を備えてもよい。
【0072】
気化器40がカートリッジ200内にある実施形態(エアロゾル供給システムのコントロールユニット内に配置されているものとは対照的に)において、そのような実施形態では、リザーバ31の第1の端部31Aはカートリッジ200の出口60の近傍にあり、リザーバ31の第2の端部31Bは気化器40/エアロゾル生成領域の近傍にあるとすることができる。これにより、カートリッジ200内の空間を効率的に利用することができる。
【0073】
また、気化器40がカートリッジ200内にある実施形態において、これらの実施形態のいくつかでは、空気チャネルの第1の部分204は、気化器40/エアロゾル生成領域と出口60との間に位配置されてもよい。
【0074】
図7に示されるカートリッジの実施形態を参照する。いくつかの実施形態によるカートリッジ200は、空気チャネルの第1の部分204とカートリッジ200からのエアロゾル生成領域との間に配置される封止部34を備えてもよい。気化器40がある場合、封止部34は、空気チャネルの第1の部分と気化器40との間に配置することができる。特定の実施形態では、封止部34は、空洞206の壁を形成し、及び/又はこの空洞206の端部を塞いで、図7に示すカートリッジ200の特定の実施形態における閉じた空洞206の形成を助けることができる。非常に特定の実施形態では、封止部34から延びる上部カラー82は、エアロゾル生成領域に近接する空洞206の端部を塞ぐことができる。封止部34を所定位置に収容するのを助けるために、封止部34は、空気チャネルの第1の部分204の周りで延伸されてもよい。封止部34の封止効果をさらに向上させるために、封止部は、封止部が空気チャネルの第1の部分204の周りで延伸されたときに空気チャネルの第1の部分204に対して係合する1つ又は複数の内周リッジ212を備えるとよい。
【0075】
これらの構成では、封止部34は、気化したエアロゾル化可能材料がエアロゾル生成領域/気化器40からリザーバ31に向かって空洞206内を通過する程度を下げることによって、空洞206によって生じる断熱効果をさらに向上させる。
【0076】
カートリッジ200は、必要に応じて多くの形状及び構成をとり得ることは理解されよう。しかしながら、カートリッジ200の実施形態に示されるような、特に有効なカートリッジ200の形状は、環状であるリザーバ、及び/又は楕円形断面を伴うリザーバを備えてもよい。これらの形状は、カートリッジ200のサイズをコンパクトにし、ユーザによる保持及び操作を容易にするのに役立つ。特に、リザーバ31の楕円形状により、カートリッジ200は、カートリッジ200の使用時にユーザの口の内側にぴったりとフィットするという点で好都合な形状をとることを可能とする。
【0077】
カートリッジ200の製造を補助するために、いくつかの実施形態では、空気チャネルの第1の部分204は、出口60と一体的に形成されてもよい。換言すれば、出口60、空洞206の第1の壁208、及び空洞206の第2の壁210は、例えば図7に示されるカートリッジ200の実施形態に示されるように、一体的に形成されてもよい。
【0078】
図8A図8Cに示されるカートリッジ200を参照する。本書に記載される上記カートリッジに対する追加の変更点は、ユーザがリザーバ31内のエアロゾル化可能材料のレベルを観察することを可能にするためのエアロゾル化可能材料レベル観察手段219の導入である。エアロゾル化可能材料レベル観察手段205は、1つ又は複数の特徴を有することができ、これらについて以下に説明する。いくつかの実施形態によれば、エアロゾル化可能材料レベル観察手段219は、カートリッジ200の一部分221を備える。いくつかの実施形態によれば、カートリッジの部分221は、リザーバ31内を見るための少なくとも1つの窓223又は複数の窓223を備えてもよい。そのような窓223は、図8B図8Cに明示されており、各窓223は、ユーザがリザーバ31内のエアロゾル化可能材料のレベルを観察することを可能にするように機能する。リザーバ内のエアロゾル化可能材料の視認を補助するために、カートリッジの部分221及び/又は窓223は、半透明又は透明であるとよい。
【0079】
カートリッジの部分221は、カートリッジ200の任意の部分又は部分の組合せに配置され得ることが考えられる(そのような部分は、互いに隣接して配置されてもされなくてもよいことに留意されたい)。いくつかの特定の実施形態では、カートリッジ200の部分221は、カートリッジ200の任意の可視表面(複数の場合もある)及び/又は可視縁部(複数の場合もある)上に配置されてもよい。
【0080】
少なくとも1つの窓223を備えるのではなく、カートリッジ200の部分221は、厚さが減じられたリザーバ31の壁部分を形成してもよい。このようにして、減じられた厚さは、ユーザがリザーバ31内のエアロゾル化可能材料のレベルを観察することができるのを助けることができる。
【0081】
ユーザがリザーバ31内のエアロゾル化可能材料のレベルを観察することを可能にするエアロゾル化可能材料レベル観察手段219は、いくつかの実施形態では、カートリッジ200のこの部分がより容易に透けて見えるようにカートリッジ200の一部分の着色レベルを変化させることによって達成されてもよい。
【0082】
カートリッジ200のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル化可能材料レベル観察手段219は、リザーバ31の内容物を照らすための少なくとも1つの光源を備えてもよい。いくつかの実施形態では、光源は、リザーバ31内に配置されてもよく、及び/又はリザーバ31の壁に取り付けられてもよい。
【0083】
カートリッジ200のいくつかの実施形態によれば、カートリッジ200の部分221の光学特性は、カートリッジ200のユーザによって変更されるように機能するようにしてもよい。このように、カートリッジ200の部分221の光学特性を変化させることによって、リザーバ31内のエアロゾル化可能材料のレベルをユーザが選択的に観察することを可能にするようエアロゾル化可能材料レベル観察手段219を構成してもよい。例えば、変化させることができる光学特性は、いくつかの実施形態では、カートリッジ200の部分221の透光性及び/又は透明性であるとしてもよい。
【0084】
エアロゾル化可能材料レベル観察手段219を備える上記の実施形態のいくつかによれば、カートリッジ200の部分221/各窓223は、例えば図8A図8Cに示されるカートリッジ200の実施形態に示されるように、出口60の近傍である第1の位置から気化器40の近傍である第2の位置まで延設してもよい。
【0085】
カートリッジ200のいくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料レベル観察手段205は、カートリッジ200上に複数の印を備えてもよく、ユーザがこれらの複数の印に対してリザーバ31内のエアロゾル化可能材料のレベルを測定することを可能にすることが考えられる。いくつかの実施形態では、例えば、複数の印は、ハウジング内側管62の表面上、又はリザーバ31の壁(第2の壁210等)上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の印は複数の平行線であってもよい。複数の印の視認性を向上させるために、いくつかの実施形態によれば、複数の印は、透明及び/又は半透明であるカートリッジ200の一部分によって囲まれてもよい。その点に関しては、複数の印は不透明であってもよい。
【0086】
したがって、本開示の特定の実施形態によれば、エアロゾル供給システムのためのカートリッジは、概して、マウスピース端及びインターフェース端を有するハウジング部分を備えてもよく、マウスピース端は、カートリッジのためのエアロゾル出口を含み、インターフェース端は、カートリッジをコントロールユニットに結合するためのインターフェースを含む。(カートリッジの様々な構成要素によって形成され得る)空気チャネルの壁は、カートリッジのための空気入口から、気化器の近傍のエアロゾル生成領域を経てエアロゾル出口まで延びる。カートリッジは、エアロゾル化のためのエアロゾル化可能材料を収容するリザーバをハウジング部分内に有する。リザーバは、空気チャネルの外側にあるハウジング部分内の領域によって画定され、ハウジング部分のインターフェース端におけるリザーバの端部は、ベース部分及び外壁を備える弾性プラグによって封止され、弾性プラグの外壁は、ハウジング部分の内面との封止を形成する。エアロゾル化可能材料移送要素のそれぞれの端部は、エアロゾル化可能材料をリザーバから気化器に移送するよう、空気チャネル内の開口部を通って、又はリザーバ内に入る。
【0087】
本開示の特定の実施形態によるいくつかの特定のカートリッジ構成の一態様は、弾性プラグ44がハウジング部分32に封止部を提供する方法である。特に、いくつかの例示的な実施形態によれば、エアロゾル化可能材料リザーバの端部を形成するためにハウジング部分32の内面に封止する弾性プラグ44の外壁102は、カートリッジの長手方向軸線に平行な方向に、エアロゾル化可能材料移送要素/気化器よりもカートリッジのインターフェース端から遠い位置まで延びる。すなわち、エアロゾル化可能材料移送要素の端部は、弾性プラグの外側封止壁によって囲まれた領域内のエアロゾル化可能材料リザーバ内に延びる。これは、リザーバを漏れに対して封止をするのに役立つだけでなく、エアロゾル化可能材料移送要素にエアロゾル化可能材料を供給する領域内のリザーバの幾何学的形状が、弾性プラグの幾何学的形状によって規定されることを可能にする。例えば、この領域におけるリザーバの半径方向厚さは、空気チャネルに沿った他の長手方向位置における半径方向厚さよりも容易に小さくすることができ、これは、エアロゾル化可能材料移送要素の近傍にてエアロゾル化可能材料を捕らえるのに役立つことができ、それによって、使用中のカートリッジの色々な向きに対しても乾燥のおそれを低減するのに役立つ。
【0088】
弾性プラグの外壁は、例えば、インターフェース端からマウスピース端に延びる方向に(すなわち、長手方向軸線に平行に)少なくとも5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、及び10mmの距離にわたる複数の位置でハウジング部分の内面に接触してもよい。弾性プラグの外壁は、この距離の大部分にわたってハウジングの内面と接触していてもよく、又は弾性プラグの外壁は、封止を向上させるために、複数の(例えば、四つの)円周方向リッジ140を含んでもよい。弾性プラグは、ハウジング部分の開口部に対してわずかに大きめにして、わずかに圧縮するように付勢することができる。例えば、図3Bに示される実施形態では、この図の平面において弾性プラグが挿入されるハウジング部分の内部の幅は約17.5mmであるが、弾性プラグの対応する幅は約18mmであり、それにより、ハウジング部分に挿入されたときに弾性プラグが圧縮される。図5A図5Cで最も容易に分かるように、カートリッジハウジング部分の外側断面は180°回転で対称となっているが、弾性プラグ44は、ハウジング部分の二重壁セクション74によって提供される空気チャネル間隙76を収容するために片側に平坦部142を含むので、同じ対称性を有さない(すなわち、弾性プラグは、ハウジング部分の二重壁セクションを収容するためにカートリッジの長手方向軸線に垂直な平面において非対称である)。
【0089】
エアロゾル化可能材料移送要素がリザーバ内に延びる環状領域におけるリザーバの半径方向サイズ/幅に関して、この領域における空気チャネル壁と弾性プラグの外壁との間の距離は、例えば、3mm~8mmの範囲としてもよい。略楕円形のハウジング部分と略円形の空気チャネルとを有する上述の例示的なカートリッジでは、リザーバの厚さは、空気チャネルの周りの様々な位置で異なることは理解されよう。この例では、エアロゾル化可能材料移送要素は、軸線方向に最も広い領域でリザーバ内に、すなわち空気チャネルの周りの楕円形リザーバの「ローブ(lobe)」内に延びるように配置される。リザーバ内に延びるエアロゾル化可能材料移送要素の部分は、例えば、空気チャネル壁の内部から測定して、2mm~8mmの範囲、例えば3mm~7mmの範囲、又は4mm~6mmの範囲の長さを有するものとしてもよい。この点に関して(及び構成の他の態様に関して)特定の幾何学的形状は、エアロゾル化可能材料移送の所望の速度を考慮して、例えば、エアロゾル化可能材料移送要素の毛細管強度及びエアロゾル化可能材料の粘度等を考慮して選択することができ、モデリング又は経験的試験によって所与のカートリッジ設計に対して確立することができる。
【0090】
本開示の特定の実施形態によるいくつかの特定のカートリッジ構成の別の態様は、空気チャネルがカートリッジを通って、特に空気入口から気化器(エアロゾル生成領域)の近傍まで経路が定められるという形態である。特に、従来のカートリッジでは、空気入口は、典型的には、カートリッジのインターフェース端に設けられるが、本開示の特定の実施形態によれば、カートリッジ用の空気入口は、リザーバの端部を封止する弾性プラグの少なくとも一部よりもインターフェース端から離れた位置で、ハウジング部分の側壁に配置される。したがって、カートリッジ内の空気チャネルは、最初に空気入口からインターフェース端に向かうよう経路が定められ、方向を変えて弾性プラグを通ってエアロゾル生成チャンバに入る前に弾性プラグを迂回する。これは、気化器に最も近いインターフェース端におけるカートリッジの外面を閉鎖することを可能にし、それによって、(例えば、飽和/撹拌に起因して)空気チャネル内のエアロゾル化可能材料移送要素によって滞留しない空気チャネル内の開口部を通って入るエアロゾル化可能材料、又は使用中に気化されたが空気チャネル内のエアロゾル化可能材料に凝縮して戻るエアロゾル化可能材料の両方に関して、カートリッジからの漏れのおそれを低減することに役立つことができる。いくつかの実施形態では、空気入口からハウジング部分のインターフェース端までの距離は、少なくとも5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mmとすることができる。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態では、吸収要素、例えば、スポンジ材料の一部分又は毛細管トラップを形成する一連のチャネルが、空気入口とエアロゾル生成チャンバとの間、例えば、弾性プラグの基部とエンドキャップとの間に形成された空気チャネルの領域内に設けられて、空気チャネル内に形成されるエアロゾル化可能材料を吸収することによって漏出のおそれを低減することにさらに役立ち、したがって、エアロゾル化可能材料が空気入口を通って空気チャネルの周囲を移動すること、又はエアロゾル出口に向かって移動することを防止することに役立つことができる。
【0092】
いくつかの例示的な実施形態では、空気入口からエアロゾル出口までの空気チャネルは、弾性プラグ内の穴106を通過する部分で最小断面積を有する場合がある。すなわち、弾性プラグの穴は、電子タバコの吸引に対する全体的な抵抗を支配することに主に関与し得る。
【0093】
本開示の特定の実施形態によるいくつかの特定のカートリッジ構成の別の態様は、隔壁要素が空気リザーバを二つの領域、すなわち、隔壁の上方の(すなわち、カートリッジのマウスピース端に向かう方向の)主領域と、隔壁の下方の(すなわち、エアロゾル化可能材料移送要素が気化器からリザーバ内に延びるのと同じ隔壁の側の)エアロゾル化可能材料供給領域とに分割するという形態である。隔壁は、主領域上のエアロゾル化可能材料がエアロゾル化可能材料供給領域に流れるのを定める開口を含む。隔壁は、例えば電子タバコが様々な向きに傾けられたときに、リザーバのエアロゾル化可能材料供給領域内にエアロゾル化可能材料を保持するのに役立ち、これは乾燥を回避するのに役立ち得る。隔壁はまた、組立て中に弾性プラグを正確に位置決めするのに役立ち、カートリッジが組み立てられるときに隔壁とエンドキャップとの間で弾性プラグをわずかに圧縮した状態に維持するように、弾性プラグが当接/押圧するための機械的ストッパを好適に提供することができる。
【0094】
上述の例では、隔壁は、ハウジング部分とは別個独立の要素として形成され、ハウジング部分の内面は、カートリッジの長手方向軸線に沿って隔壁を配置するために、カートリッジのマウスピース端に面する隔壁の側部に接触するように構成された一つ以上の突起を含むが、他の例では、図7に示されるカートリッジ200の実施形態に関して例として述べたように、隔壁はハウジング部分と一体的に形成されてもよい。
【0095】
上述の例では、隔壁は、空気チャネルの周りの環状バンドの形態であり、バンドのそれぞれの象限に位置する四つの流体連通開口部150を備える。しかしながら、異なる実施形態では、隔壁を貫通するより多くの又はより少ない開口部が設けられてもよい。個々の開口部は、例えば、4mm~15mmの面積を有するものとすることができる。
【0096】
リザーバ領域におけるエアロゾル化可能材料供給領域に露出した隔壁の総面積の一部としての少なくとも一つの開口部の合計面積は、例えば、20%~80%範囲、30%~70%の範囲又は40%~60%の範囲とすることができる。
【0097】
上記の説明は、いくつかの異なる特徴を備えるいくつかの特定のカートリッジ構成に焦点を当てているが、本開示の他の実施形態によるカートリッジは、これらの特徴の全てを含まなくてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、概して上述の種類の空気経路、すなわち、カートリッジの側壁にあり、気化器よりもカートリッジのマウスピース端に近い空気入口を有する空気経路は、気化器の周りに延びる外側封止壁を有する弾性プラグを含まないカートリッジ内、及び/又は上述の種類の隔壁要素を含まないカートリッジ内に設けられ得る。同様に、気化器の周りに延びる外側封止壁を有する弾性プラグを含むカートリッジは、カートリッジのインターフェース端にあるが、側壁にはないカートリッジ内への空気入口を有してもよく、また、上述の種類の隔壁要素を有しなくてもよい。さらに、隔壁要素を含むカートリッジは、気化器及び/又は上述のような弾性プラグのための延長された外側封止壁よりもカートリッジのインターフェース端から遠くに位置する空気入口を含まないものであってもよい。
【0098】
また、本開示の特定の実施形態に従って本書に記載されているものは、エアロゾル供給システム用のカートリッジであり、カートリッジは、気化させるためのエアロゾル化可能材料を収容するためのリザーバと、カートリッジの空気入口からエアロゾル生成領域を経て出口まで延びる空気チャネルとを備え、空気チャネルは、エアロゾル生成領域と出口との間に延びる、気化されたエアロゾル化可能材料を受け入れるための第1の部分を備え、リザーバは、空気チャネルの第1の部分から少なくとも部分的に熱的に絶縁される。
【0099】
本開示の特定の実施形態に従って本書に記載されているものはまた、任意の前述のカートリッジ及びコントロールユニットを備えるエアロゾル供給システムであり、コントロールユニットは、カートリッジをコントロールユニットに取外し可能に結合するようにカートリッジと協働的に係合するように配置されたインターフェースを含むカートリッジ受容セクションを備え、コントロールユニットは、電源及び制御回路をさらに備える。
【0100】
本書に記載されるエアロゾル供給システムに関して、これらは、より一般的なタイプのエアロゾル供給システムにも関連し得るように、必ずしもカートリッジ2、200とコントロールユニット4との組合せに明確に限定される必要はないことは理解されよう。したがって、その点において、本開示の特定の実施形態に従って本書に記載されているものは、気化させるためのエアロゾル化可能材料を収容するためのリザーバと、エアロゾル生成領域を経て空気入口から出口まで延びる空気チャネルとを備え、空気チャネルは、エアロゾル生成領域から出口まで延びる、気化されたエアロゾル化可能材料を受け入れるための第1の部分を備え、リザーバは、空気チャネルの第1の部分から少なくとも部分的に熱的に絶縁される。
【0101】
上述の実施形態では、一部の特定の例示的な蒸気供給システムにいくつかの点で注目しているが、同じ原理が、他の技術を用いるエアロゾル供給システムに適用できることを理解されたい。すなわち、エアロゾル供給システムの様々な態様が機能する特定の方法は、例えば、気化器又は用いられる気化器技術の基本的な形態に関して、本書に記載の諸例の根源的な原理に直接には関連していない。
【0102】
その点に関し、本書に記載されるエアロゾル供給システムの実施形態に対して様々な変更がなされ得ることも理解されるであろう。例えば、気化器40は、カートリッジ内に配置されるものとして上記実施形態のいくつかで説明したいが、いくつかの実施形態では、気化器は、エアロゾル供給システムのコントロールユニット内に配置されてもよいことは理解されよう。
【0103】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示では例示によって、特許請求された(複数の場合もある)本発明を実践できる様々な実施形態を示す。本開示の利点及び特徴は、諸実施形態の単なる代表例であり、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらの利点及び特徴は、特許請求された(複数の場合もある)本発明を理解することを助け教示するためにだけ提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本開示に対する限定、又は特許請求の範囲の等価物に対する限定と解釈されるべきものではないこと、並びに、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、また変更を加えることができることを理解されたい。様々な実施形態は、本書に特に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部材、ステップ、手段等の様々な組合せを適切に含むか、これらからなるか、これらから本質的に成ることができ、したがって、従属項の特徴は、請求項に明示されているもの以外に、独立項の特徴と組み合わせて一緒にされ得ることを理解されたい。その点に関して、例えば、次に記載されるような独立請求項に関連する特徴は、任意選択的に、以下に記載されるような第1の独立請求項及びその従属請求項に記載される特徴の任意の組合せを含み得ることは理解されよう。本開示は、現在は特許請求されていないが将来は特許請求される可能性のある他の発明を含み得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A-8C】