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特許7503631クロック障害を特定するための方法とネットワーク・デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】クロック障害を特定するための方法とネットワーク・デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
H04L7/00 120
H04L7/00 810
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022531505
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2020132816
(87)【国際公開番号】W WO2021104522
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】201911206257.1
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010023012.1
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ヤーウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ルゥー,ジーンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】チュヨン,ヨーン
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-004321(JP,A)
【文献】特開平06-029914(JP,A)
【文献】特開2013-110523(JP,A)
【文献】登録実用新案第3069983(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0187481(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1578197(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック障害を特定するための方法であって、
物理層クロック同期をサポートするネットワーク・デバイスによって、少なくとも2つのクロックと前記ネットワーク・デバイスのローカル・クロックとの間の周波数オフセットを取得することと、
第1の条件が満たされるときに、前記ローカル・クロックに障害があると決定することであって、前記第1の条件は、第1の数が第2の数より大きいこと、前記第1の数が、前記少なくとも2つのクロックのうち、前記ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数であること、及び前記第2の数が、前記少なくとも2つのクロックのうち、前記ローカル・クロックに対する周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数であることを含む、決定すること、及び/又は
第2の条件が満たされるときに、前記ネットワーク・デバイスによって、前記少なくとも2つのクロックのうちの第1のクロックに障害があると決定することであって、前記第2の条件は、前記第1のクロックと前記ローカル・クロックとの間の周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えること、及び前記ローカル・クロックと前記第1のクロック以外の前記少なくとも2つのクロックの各クロックとの間の周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えないことを含む、決定することと、
前記ローカル・クロックに障害があると決定することに応答して、記ローカル・クロックに障害があることを示すアラームを前記ネットワーク・デバイスによって生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
第1の数が第2の数より大きいことは、前記第2の数が0であり、前記第1の数が前記少なくとも2つのクロックの数であることである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つのクロックは、3つ以上のクロックを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記周波数オフセットしきい値は、±4.6百万分率(ppm)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
物理層クロック同期をサポートする、クロック障害を特定するためのネットワーク・デバイスであって、取得ユニットを含み、第1の決定ユニット及び/又は第2の決定ユニットと、アラーム・ユニットと、をさらに含み、
前記取得ユニットは、少なくとも2つのクロックと前記ネットワーク・デバイスのローカル・クロックとの間の周波数オフセットを取得するように構成されており、
前記第1の決定ユニットは、第1の条件が満たされるときに、前記ローカル・クロックに障害があると決定するように構成されており、前記第1の条件は、第1の数が第2の数より大きいこと、前記第1の数が前記少なくとも2つのクロックのうち、前記ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数であること、及び前記第2の数が前記少なくとも2つのクロックのうち、前記ローカル・クロックに対する周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数であることを含み、
前記第2の決定ユニットは、第2の条件が満たされるかどうかを決定するように構成されており、前記第2の条件は、前記ローカル・クロックと前記少なくとも2つのクロックのうちの第1のクロックとの間の周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えること、及び前記ローカル・クロックと、前記第1のクロック以外の前記少なくとも2つのクロックの各クロックとの間の周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えないことを含み、
前記アラーム・ユニットは、前記ローカル・クロックに障害があると決定することに応答して、前記ローカル・クロックに障害があることを示すアラームを生成するように構成されている、ネットワーク・デバイス。
【請求項6】
第1の数が第2の数より大きいことは、前記第2の数が0であり、前記第1の数が前記少なくとも2つのクロックの数であることである、請求項5に記載のネットワーク・デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも2つのクロックは、3つ以上のクロックを含む、請求項5又は6に記載のネットワーク・デバイス。
【請求項8】
前記周波数オフセットしきい値は、±4.6百万分率(ppm)である、請求項5~7のいずれか一項に記載のネットワーク・デバイス。
【請求項9】
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体は、命令を記憶し、前記命令がプロセッサ上で動作されるときに、前記プロセッサは、
第1の条件が満たされるときに、物理層クロック同期をサポートするネットワーク・デバイスのローカル・クロックに障害があると決定することであって、前記第1の条件は、第1の数が第2の数より大きいこと、前記第1の数が、少なくとも2つのクロックのうち、前記ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数であること、及び前記第2の数が、前記少なくとも2つのクロックのうち、前記ローカル・クロックに対する周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数であることを含む、決定すること、及び/又は
第2の条件が満たされるときに、前記少なくとも2つのクロックのうちの第1のクロックに障害があると決定することであって、前記第2の条件は、前記第1のクロックと前記ローカル・クロックとの間の周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えること、及び前記ローカル・クロックと前記第1のクロック以外の前記少なくとも2つのクロックの各クロックとの間の周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えないことを含む、決定することと、
前記ローカル・クロックに障害があると決定することに応答して、前記ローカル・クロックに障害があることを示すアラームを前記ネットワーク・デバイスに生成させることと、を実行することが可能となる、
コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
第1の数が第2の数より大きいことは、前記第2の数が0であり、前記第1の数が前記少なくとも2つのクロックの数であることである、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記少なくとも2つのクロックは、3つ以上のクロックを含む、請求項9又は10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記周波数オフセットしきい値は、±4.6百万分率(ppm)である、請求項9~11のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、「METHOD AND NETWORK DEVICE FOR LOCATING CLOCK FAULT」と題する2019年11月29日付けの中国特許出願第201911206257.1号、及び「METHOD FOR LOCATING CLOCK FAULT AND NETWORK DEVICE」と題する2020年1月9日付けの中国特許出願第202010023012.1号の優先権を主張し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、通信分野に関係し、特に、クロック障害を特定するための方法及びネットワーク・デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
移動通信の分野では、無線基地局のクロックは、サービスが正常に動作することを保証するために周波数同期を必要とする。無線サービスによって必要とされる周波数同期の精度は、±0.05百万分率(part per million、ppm)である。図1に示すように、移動ベアラ・ネットワークにおいて、クロック・サーバは、移動ベアラ・デバイス1、移動ベアラ・デバイス2、及び移動ベアラ・デバイス3を介して、周波数同期のためにクロックを基地局に転送する。現在、物理層同期技術又は精密時間プロトコル(Precision Timing Protocol、PTP)同期技術を使用して、基地局に周波数同期解決策を提供することがある。
【0004】
前述の解決策では、クロックに障害がある場合、障害のあるクロックを決定することは難しい
【発明の概要】
【0005】
この出願は、複数のクロックの受信した周波数オフセットに基づいて障害クロックを特定するために、クロック障害を特定するための方法を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、クロック障害を特定するための方法が提供され、方法は、ネットワーク・デバイスが少なくとも2つのクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットを取得することを含む。第1の条件が満たされるときに、ネットワーク・デバイスは、ローカル・クロックに障害があると決定することであって、第1の条件は、第1の数が第2の数より大きいこと、第1の数が、少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数であること、及び第2の数が、少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数であることを含む、決定すること、及び/又は
第2の条件が満たされるときに、ネットワーク・デバイスは、少なくとも2つのクロックのうちの第1のクロックに障害があると決定することであって、第2の条件は、第1のクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えること、及びローカル・クロックと第1のクロック以外の少なくとも2つのクロックの各クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないことを含む、決定することを行う。
【0007】
第1の態様で提供されるクロック障害を特定するための方法によれば、ネットワーク・デバイスは、受信した少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数が、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数より大きいことを決定することによって、ローカル・クロックに障害があると決定する。ネットワーク・デバイスは、受信した少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超え、ローカル・クロックに対する他のクロックの周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないクロックを決定することによって、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックに障害があると決定する。ローカル・クロックは、ネットワーク・デバイス内のローカル水晶発振器によって生成されるクロックであってもよい。受信した少なくとも2つのクロックは、ネットワーク・デバイスによって受信された全てのクロックであってもよいし、ネットワーク・デバイスによって受信された全てのクロックの一部であってもよい。例えば、ネットワーク・デバイスは合計50個のクロックを受信すると仮定される。受信した少なくとも2つのクロックは、50個のクロックのうち40個、又は50個のクロックの全てであってもよい。このようにして、ネットワーク・デバイスは、障害源を特定し、具体的には、ローカル・クロックに障害があるか、受信したクロックに障害があるかを決定することができる。
【0008】
第1の態様の可能な実装では、第1の条件において第1の数が第2の数より大きいことは、第2の数が0であり、第1の数が少なくとも2つのクロックの数であることである。ローカル・クロックとネットワーク・デバイスによって受信された各クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超える場合、ネットワーク・デバイスは、ローカル・クロックに障害があると決定するとも理解されよう。
【0009】
第1の態様の可能な実装では、少なくとも2つのクロックは、3つ以上のクロックを含む。ネットワーク・デバイスは、一般に複数のポートを有し、各ポートは、他のデバイスによって送信されたクロックを受信してもよい。
【0010】
第1の態様の可能な実装では、周波数オフセットしきい値は、±4.6ppmである。国際電気通信連合電気通信標準化部門ITU-T G.8262の要件によれば、標準クロック(GPSクロックなど)に対する移動ベアラ・デバイスの周波数オフセットは±4.6ppmを超えるべきではない。第1の態様における周波数オフセットしきい値は、ネットワーク・デバイスの周波数オフセットしきい値と呼ばれていし、移動ベアラ・デバイスの周波数オフセット検出しきい値と呼ばれてもよい。
【0011】
第1の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスである。このようにして、第1の態様で提供される方法は、物理層クロック同期又は精密な時間プロトコル同期を必要とするネットワーク、例えば、移動ベアラ・ネットワーク又は電力ネットワークに広く適用されてもよい。
【0012】
第1の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、アラームを生成し、アラームはクロック障害源を示す。クロック障害源を特定した後、ネットワーク・デバイスはアラームを生成して、クロック障害の原因をネットワーク管理システムに通知する。
【0013】
第2の態様によれば、クロック障害を特定するための方法が提供され、方法は、条件が満たされるときに、ネットワーク・デバイスは、第1のクロックに障害があると決定することを含む。条件は、第1のクロックと複数のクロックのうちの他のクロックの各々との間の周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えること、及び第1のクロックが複数のクロックのうちの1つであることを含む。
【0014】
第2の態様に提供される方法によれば、ネットワーク・デバイスは、少なくとも3つのクロックのうち、他のクロックの各々に対する周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えるクロックを決定することによって、他のクロックの各々に対する周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えるクロックに障害があると決定する。受信した少なくとも3つのクロックは、ネットワーク・デバイスによって受信された全てのクロックであってもよいし、ネットワーク・デバイスによって受信された全てのクロックの一部であってもよいと理解されたい。例えば、ネットワーク・デバイスは合計50個のクロックを受信すると仮定される。受信した少なくとも3つのクロックは、50個のクロックのうち40個、又は50個のクロックの全てであってもよい。
【0015】
このようにして、ローカル・クロックとネットワーク・デバイスによって受信された複数のクロックの各々との間の周波数オフセットがネットワーク・デバイスの周波数オフセットしきい値を超えない場合でも、ネットワーク・デバイスは、依然として、障害源が受信したクロックであると特定できる。本明細書における「複数のクロック」とは、3つ以上のクロックを意味すると理解されたい。
【0016】
第2の態様の可能な実装では、条件は、さらに、他のクロック間の周波数オフセットのいずれも相対周波数オフセットしきい値を超えないことを含む。本明細書における「他のクロック間の周波数オフセット」とは、他のクロックのうち任意の2つのクロック間の周波数オフセットを意味する。このようにして、第1のクロックに障害があることをより正確に決定することができる。
【0017】
第2の態様の可能な実装では、相対周波数オフセットしきい値は、±4.44十億分率(parts per billion、ppb)である。相対周波数オフセットしきい値は、基準クロック源の周波数オフセット検出しきい値、又はクロック源の周波数オフセット検出しきい値と呼ばれてもよい。1ppm=1000ppbであるため、この解決策は、基準クロック源の周波数オフセットを検出する精度を大幅に改善しながら、障害源を特定することができる。
【0018】
第2の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスである。このようにして、第2の態様で提供される方法は、物理層クロック同期又は精密な時間プロトコル同期を必要とするネットワーク、例えば、移動ベアラ・ネットワーク又は電力ネットワークに広く適用されてもよい。
【0019】
第2の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、アラームを生成し、アラームは第1のクロックに障害があることを示す。受信したクロックに障害があると決定した後、ネットワーク・デバイスは、アラームを生成して、クロックに障害があることをネットワーク管理システムに通知する。
【0020】
第3の態様によれば、クロック障害を特定するためのネットワーク・デバイスが提供される。ネットワーク・デバイスは、取得ユニットを含み、さらに、第1の決定ユニット及び/又は第2の決定ユニットを含む。取得ユニットは、少なくとも2つのクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットを取得するように構成されている。第1の決定ユニットは、第1の条件が満たされるときに、ローカル・クロックに障害があると決定するように構成されている。第1の条件は、第1の数が第2の数より大きいこと、第1の数が、少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数であること、及び第2の数が、少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数であることを含む。第2の決定ユニットは、第2の条件が満たされるかどうかを決定するように構成されている。第2の条件は、少なくとも2つのうちの第1のクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えること、及びローカル・クロックと、第1のクロック以外の少なくとも2つのクロックの各クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないことを含む。
【0021】
第3の態様の可能な実装では、第1の数が第2の数より大きいことは、第2の数が0であり、第1の数が少なくとも2つのクロックの数であることである。
【0022】
第3の態様の可能な実装では、少なくとも2つのクロックは、3つ以上のクロックを含む。
【0023】
第3の態様の可能な実装では、周波数オフセットしきい値は、±4.6ppmである。
【0024】
第3の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスである。
【0025】
第3の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、さらに、アラームを生成するように構成されているアラーム・ユニットを含み、アラームはクロック障害源を示す。
【0026】
第3の態様又は第3の態様の可能な実装のうちのいずれか1つの有益な効果については、第1の態様又は第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つの有益な効果の対応する説明を参照のこと。
【0027】
第4の態様によれば、クロック障害を特定するためのネットワーク・デバイスが提供される。ネットワーク・デバイスは、決定ユニットを含む。判定ユニットは、条件が満たされるかどうかを決定するように構成されている。条件は、第1のクロックと複数のクロックのうちの他のクロックの各々との間の周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えること、及び第1のクロックが複数のクロックのうちの1つであることを含む。ネットワーク・デバイスは、さらに、条件が満たされると判定ユニットが決定するときに、第1のクロックに障害があると決定するように構成されている決定ユニットを含む。
【0028】
第4の態様の可能な実装では、条件は、さらに、他のクロック間の周波数オフセットのいずれも相対周波数オフセットしきい値を超えないことを含む。
【0029】
第4の態様の可能な実装では、相対周波数オフセットしきい値は、±4.44ppbである。
【0030】
第4の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスである。
【0031】
第4の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、アラームを生成し、アラームは第1のクロックに障害があることを示す。
【0032】
第4の態様又は第4の態様の可能な実装のうちのいずれか1つの有益な効果については、第2の態様又は第2の態様の可能な実装のうちのいずれか1つの有益な効果の対応する説明を参照のこと。
【0033】
第5の態様によれば、クロック障害を特定するためのネットワーク・デバイスが提供される。ネットワーク・デバイスは、インターフェース、クロック回路、及びプロセッサを含む。インターフェースは、少なくとも2つのクロックを受信するように構成されている。クロック回路は、少なくとも2つのクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットを取得するように構成されている。プロセッサは、
第1の条件が満たされるときに、ローカル・クロックに障害があると決定することであって、第1の条件は、第1の数が第2の数より大きいこと、第1の数が、少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数であること、及び第2の数が、少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数であることを含む、決定すること、及び/又は
第2の条件が満たされるときに、少なくとも2つのクロックのうちの第1のクロックに障害があると決定することであって、第2の条件は、第1のクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えること、及びローカル・クロックと第1のクロック以外の少なくとも2つのクロックの各クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないことを含む、決定することを行うように構成されている。
【0034】
第5の態様の可能な実装では、第1の数が第2の数より大きいことは、第2の数が0であり、第1の数が少なくとも2つのクロックの数であることである。
【0035】
第5の態様の可能な実装では、少なくとも2つのクロックは、3つ以上のクロックを含む。
【0036】
第5の態様の可能な実装では、周波数オフセットしきい値は、±4.6ppmである。
【0037】
第5の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスである。
【0038】
第5の態様の可能な実装では、プロセッサは、さらに、アラームを生成するように構成されており、アラームはクロック障害源を示す。
【0039】
第5の態様又は第5の態様の可能な実装のうちのいずれか1つの有益な効果については、第1の態様又は第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つの有益な効果の対応する説明を参照のこと。
【0040】
第6の態様によれば、インターフェース及びプロセッサを含む、クロック障害を特定するためのネットワーク・デバイスが提供される。インターフェースは、複数のクロックを受信するように構成されている。プロセッサは、第1の条件が満たされるときに、第1のクロックに障害があると決定するように構成されている。条件は、第1のクロックと複数のクロックのうちの他のクロックの各々との間の周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えること、及び第1のクロックが複数のクロックのうちの1つであることを含む。
【0041】
第6の態様の可能な実装では、条件は、さらに、他のクロック間の周波数オフセットのいずれも相対周波数オフセットしきい値を超えないことを含む。
【0042】
第6の態様の可能な実装では、相対周波数オフセットしきい値は、±4.44ppbである。
【0043】
第6の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスである。
【0044】
第6の態様の可能な実装では、プロセッサは、さらに、アラームを生成するように構成されており、アラームは第1のクロックに障害があることを示す。
【0045】
第6の態様又は第6の態様の可能な実装のうちのいずれか1つの有益な効果については、第2の態様又は第2の態様の可能な実装のうちのいずれか1つの有益な効果の対応する説明を参照のこと。
【0046】
第7の態様によれば、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体が提供される。命令がコンピュータ上で動作されるときに、コンピュータは、
第1の条件が満たされるときに、ネットワーク・デバイスのローカル・クロックに障害があると決定することであって、前記第1の条件は、第1の数が第2の数より大きいこと、前記第1の数が、少なくとも2つのクロックのうち、前記ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数であること、及び前記第2の数が、前記少なくとも2つのクロックのうち、前記ローカル・クロックに対する周波数オフセットが前記周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数であることを含む、決定すること、
第2の条件が満たされるときに、少なくとも2つのクロックのうちの第1のクロックに障害があると決定することであって、第2の条件は、第1のクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えること、及びローカル・クロックと第1のクロック以外の少なくとも2つのクロックの各クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないことを含む、決定すること、及び/又は
第3の条件が満たされるときに、第2のクロックに障害があると決定することであって、前記第3の条件は、前記第2のクロックと複数のクロックにおける他のクロックの各々との間の周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えること、及び前記第2のクロックが前記複数のクロックのうちの1つであることを含む、決定することのうちの少なくとも1つを実行することが可能となる。
【0047】
第7の態様の可能な実装では、周波数オフセットしきい値は、±4.6ppmであり、相対周波数オフセットしきい値は、±4.44ppbである。
【0048】
第7の態様の可能な実装では、第1の条件において第1の数が第2の数より大きいことは、具体的には、第2の数が0であり、第1の数が少なくとも2つのクロックの数であることである。
【0049】
第7の態様の可能な実装では、第3の条件は、さらに、他のクロック間の周波数オフセットのいずれも相対周波数オフセットしきい値を超えないことを含む。
【0050】
第7の態様の可能な実装では、ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスである。
【0051】
第7の態様の可能な実装では、命令は、クロック障害源を決定した後にコンピュータがアラームを生成することを可能にし、アラームはクロック源を示す。
【0052】
本出願に提供される解決策によれば、ネットワーク・デバイス(例えば、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイス)は、受信した少なくとも2つのクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセット値が周波数オフセットしきい値を超えているかどうかを決定するいくつかの場合に、ネットワーク・デバイスのローカル・クロックに障害があるかどうか、又は受信したクロックに障害があるかどうかを決定してもよい。代替的には、ネットワーク・デバイスは、受信した3つ以上のクロック間の周波数オフセットを比較することによって、受信したクロックにおけるクロックに障害があるかどうか決定してもよい。測定精度は、±4.6ppmをはるかに上回ってもよい。追加的に、クロック障害源が特定された後に、アラームがクロック障害源を示すために生成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】移動ベアラ・ネットワークにおけるクロック転送の概略図である。
【0054】
図2】標準組織によって規定されたクロック周波数オフセット精度の概略図である。
【0055】
図3】本出願の一実施形態によるアプリケーション・シナリオの概略図である。
【0056】
図4】本出願の一実施形態によるアプリケーション・シナリオの概略図である。
【0057】
図5】本出願の一実施形態によるアプリケーション・シナリオの概略図である。
【0058】
図6】本出願の一実施形態による概略フローチャートである。
【0059】
図7】本出願の一実施形態による概略フローチャートである。
【0060】
図8】本出願の一実施形態によるアプリケーション・シナリオの概略図である。
【0061】
図9】クロック周波数オフセットの出力要求の概略図である。
【0062】
図10】ネットワーク・デバイスの概略構造図である。
【0063】
図11】ネットワーク・デバイスの概略構造図である。
【0064】
図12】ネットワーク・デバイスの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明の技術的解決策をより明確に記載するために、以下、実施形態において使用される添付の図面を簡単に記載する。明らかに、以下の説明における添付図面は、単に本発明のいくつかの実施形態を示しているにすぎず、当業者であれば、創造的努力を要することなく、これらの添付図面から他の技術的解決策及び添付図面を導き出すことができる。
【0066】
デバイスAはデバイスBにクロックを送信し、デバイスAはデバイスBの基準クロック源である。ITU-T G.811標準の要件に基づき、標準クロックに対するクロック・サーバ・デバイスのクロックの長期周波数オフセット(例えば、GPSクロック)は、0.01ppb (すなわち±10-5ppm)を超えるべきではない。ITU-T G.8262標準の要件に基づき、標準クロック(例えば、GPSクロック)に対する移動ベアラ・デバイスのローカル・クロックの周波数オフセットは、±4.6ppmを超えない。したがって、移動ベアラ・デバイスに対して、周波数オフセット検出しきい値の精度は、±4.6ppmを超えないようにセットされている。ここで、「±」は、 範囲を示す。±4.6ppmが、例として使用される。+4.6ppmを超えるか、-4.6ppm未満の精度がしきい値を超えると考慮される。移動ベアラ・デバイスは、移動ベアラ・ネットワークにおけるデバイスであり、移動ベアラ・ネットワークは、一般に、移動バックホール・ネットワーク(mobile backhaul network)及び移動フロントホール・ネットワーク(mobile fronthaul network)を含んでもよい。
【0067】
図2に示すように、クロック・サーバ1~3は、別々に移動ベアラ・デバイスにクロックを送信し、クロック・サーバ1~3は、各々移動ベアラ・デバイスの基準クロック源である。標準クロックに対するクロック・サーバ1の長期周波数オフセットは、10-5ppmである(言い換えれば、移動ベアラ・デバイスの基準クロック源1の周波数オフセットは、10-5ppmである)。標準クロックに対するクロック・サーバ2のクロックの長期周波数オフセット及び標準クロックに対するクロック・サーバ3のクロックの長期周波数オフセットは、-10-5ppmである。標準クロックに対する3つのクロック・サーバの周波数オフセットは、しきい値を超えず、ITU-T G.811の要件を満たす。標準クロックに対する移動ベアラ・デバイスのクロックの周波数オフセットは、4.6ppmであり、ITU-T G.8262の要件を満たす。
【0068】
移動ベアラ・デバイスのローカル・クロックに対する移動ベアラ・デバイスのポートを通して受信されたクロック(又は入力クロックと呼ばれる)の周波数オフセットがしきい値(例えば、±4.6ppm)を超えることを移動ベアラ・デバイスが検出するときに、移動ベアラ・デバイスは、ポートを通したクロック入力に障害があるのか、又は移動ベアラ・デバイスのローカル・クロックに障害があるのかを決定することができない。ここで、ローカル・クロックは、移動ベアラ・デバイスのローカル水晶発振器によって生成されるクロックであってもよい。この出願では、クロックを送信することは、クロック信号を送信することを含み、クロックを受信することは、クロック信号を受信することを含む。
【0069】
本発明は、クロック障害を特定するための技術的解決策を提供する。一般的なシナリオでは、移動ベアラ・デバイスは、少なくとも2つの基準クロック源を有する。本発明のこの実施形態で提供される実装では、クロックに障害がある特定のデバイスは、多数決原理に従って決定されてもよい。この解決策は、移動ベアラ・デバイスに適用されるものに限定されないことに留意されたい。この解決策は、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイス(例えば、ルータ、スイッチ、又はパケット・スイッチング・デバイス)に適用されてもよい。移動ベアラ・デバイスは、デバイスの1つである。例えば、この解決策は、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は移動ベアラ・ネットワークにおける精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスに適用可能であるだけではなく、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は電力ネットワークにおける精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスにも適用可能である。解決策の設計アイデアは以下のようである。
【0070】
(1) 物理層クロック同期又は精密時間プロトコル同期をサポートするネットワーク・デバイスでは、受信した少なくとも2つのクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセット検出値が決定しきい値(しきい値は、周波数オフセットしきい値、ネットワーク・デバイスの周波数オフセットしきい値、又は移動ベアラ・デバイスの周波数オフセット検出しきい値と呼ばれてもよく、しきい値の範囲は、±4.6ppmである)を超える場合、ローカル・デバイスのクロックに障害があると考慮される。一般的なシナリオでは、2つ以上の基準クロック源に同時に障害がある可能性は比較的低い。図4に示すように、ローカル・クロックに対する基準クロック源1のクロックの周波数オフセット検出値offset1が4.7ppmであり、ローカル・クロックに対する基準クロック源2のクロックの周波数オフセット検出値offset2が4.7ppmである場合、offset1とoffset2の両方が周波数オフセットしきい値を超える。この場合に、移動ベアラ・デバイスは、ローカル・クロックに障害があると決定する。
【0071】
(2) 受信した少なくとも2つのクロックにおいて、基準クロック源1のクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるが、ローカル・クロックと他の基準クロック源の各クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えない場合、ネットワーク・デバイスは、基準クロック源1のクロックに障害があると決定する。ローカル・クロックと他の別のクロック源のクロックが同時に障害になる可能性は比較的低い。図5に示すように、移動ベアラ・デバイスは、2つのクロック・サーバのクロックを受信する。基準クロック源1のクロックと標準クロックとの間の周波数オフセットは-0.1ppmに劣化し、移動ベアラ・デバイスのローカル・クロックと標準クロックとの間の周波数オフセットは、4.6ppmである。この場合に、ローカル・クロックに対する基準クロック源1のクロックの周波数オフセット検出値offset1は、4.7ppm (周波数オフセットしきい値を超える)であり、ローカル・クロックに対する基準クロック源2の周波数オフセット検出値offset2は4.6ppm (周波数オフセットしきい値を超えない)である。ネットワーク・デバイスは、基準クロック源1の受信したクロックに障害があると決定する。
【0072】
ローカル・クロックに対する基準クロック源1のクロックの周波数オフセットは、基準クロック源1とローカル・クロックとの間の周波数オフセットと同じ意味を有すると理解されたい。図4では、例えば、offset1は、4.7-0=4.7ppmであってもよいし、offset1は、0-4.7=-4.7ppmであってもよい。4.7ppm及び-4.7ppmはいずれも±4.6ppmを超える。
【0073】
図4及び図5は、2つの基準クロック源のみを示しているが、2つの基準クロック源に限定されず、3つ以上の基準クロック源があってもよい。3つ以上の基準クロック源がある場合、ローカル・クロックと全ての基準クロック源のクロックの各々との間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるか、又はローカル・クロックとほとんどの基準クロック源のクロックの各々との間の周波数オフセット(例えば、基準クロックの50%を超える)が周波数オフセットしきい値を超えるときに、移動ベアラ・デバイスは、ローカル・クロックに障害があると決定する。
【0074】
以下、図6を参照して、前述の解決策を詳細に記載する。図6の方法は、ネットワーク・デバイスによって実行される。ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスであってもよい。ネットワーク・デバイスは、少なくとも2つの基準クロック源に接続される。
【0075】
S601:ネットワーク・デバイスは、少なくとも2つのクロックを受信する。
【0076】
ネットワーク・デバイスは、図4又は図5に示すように、少なくとも2つの基準クロック源からクロック信号を受信する。
【0077】
S602:ネットワーク・デバイスは、ローカル・クロックと受信したクロックのうちの少なくとも2つのクロックとの間の周波数オフセットを取得する。
【0078】
例えば、ネットワーク・デバイスが50個の基準クロック源に接続され、50個のクロック信号を受信する場合、クロック障害源を特定するときに、ネットワーク・デバイスは、ネットワーク・デバイスの処理能力に基づいて、50個のクロック信号の全てを考慮するか、50個のクロック信号の一部、例えば40個のクロック信号を考慮するかを決定してもよい。
【0079】
例えば、ネットワーク・デバイスが比較的強力な処理能力を有する場合、50個のクロックの全てが考慮される。この場合に、ネットワーク・デバイスは、ローカル・クロックと50個のクロックとの間の周波数オフセットを計算する、すなわち、offset1、offset2、...、及びoffset50を計算する。
【0080】
S603:ネットワーク・デバイスは、第1の条件が満たされるかどうかを決定する。第1の条件は、第1の数が第2の数より大きいこと、第1の数が、考慮された少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数であること、及び第2の数が、考慮された少なくとも2つのクロックのうち、ローカル・クロックに対する周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数であることを含む。第1の条件が満たされる場合、S604が実行される。
【0081】
S604:ネットワーク・デバイスは、ローカル・クロックに障害があると決定する。
【0082】
S603及びS604では、ネットワーク・デバイスは、計算された50個のオフセットの各々を周波数オフセットしきい値と比較して、50個のオフセットが周波数オフセットしきい値を超えるかどうかを決定してもよい。例えば、ネットワーク・デバイスがクロックの周波数オフセットを検出する期間が900秒であるときに、周波数オフセットしきい値は、±4.6ppmに設定されてもよい。例えば、考慮された50個のクロックのうち、周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数が48であり、周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数が2である場合、ネットワーク・デバイスは、ローカル・クロックに障害があると決定する。別の例では、50個のクロックのうち、周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えるクロックの数が50であり、周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないクロックの数が0である場合、言い変えれば、50個のクロックの全てとローカル・クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超える場合、ネットワーク・デバイスは、ローカル・クロックに障害があると決定する。
【0083】
S605:ネットワーク・デバイスは、アラームを生成し、アラームは、ローカル・クロックに障害があることを示す。
【0084】
例えば、ネットワーク・デバイスは、ネットワーク管理システムにアラームを送信し、アラームは、ネットワーク・デバイスのローカル・クロックに障害があることを示す。代替的には、ネットワーク・デバイスは、ローカル・クロックに障害があることをログに記録してもよい。
【0085】
S606:ネットワーク・デバイスは、第2の条件が満たされるかどうかを決定する。第2の条件は、第1のクロックとローカル・クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超え、ローカル・クロックと、第1のクロック以外の少なくとも2つのクロックの各クロックとの間の周波数オフセットが周波数オフセットしきい値を超えないことを含む。第2の条件が満たされる場合、S607が実行される。
【0086】
S607:ネットワーク・デバイスは、第1のクロックに障害があると決定する。
【0087】
S606及びS607では、ネットワーク・デバイスは、計算された50個のオフセットの各々を周波数オフセットしきい値と比較して、50個のオフセットが周波数オフセットしきい値を超えるかどうかを決定してもよい。説明を簡単にするために、考慮された50個のクロックは、1、2、3、...、及び50の番号が付けられている。クロック3のoffset3が周波数オフセットしきい値を超えるが、他の49のクロックのオフセットが周波数オフセットしきい値を超えない場合、ネットワーク・デバイスは、クロック3(すなわち、第1のクロック)に障害があると決定する。
【0088】
S608:ネットワーク・デバイスは、アラームを生成し、アラームは、第1のクロックに障害があることを示す。
【0089】
例えば、ネットワーク・デバイスは、アラームをネットワーク管理システムに送信し、アラームは、クロック3に障害があることを示す。代替的には、ネットワーク・デバイスは、クロック3に障害があることをログに記録してもよい。
【0090】
ネットワーク・デバイスが第1の条件が満たされているかどうかを決定することと、ネットワーク・デバイスが第2の条件が満たされているかどうかを決定することとの間には「又は」の関係があってもよいと留意されたい。具体的には、ネットワーク・デバイスは、第1の条件が満たされるかどうかのみを決定し、第2の条件が満たされるかどうかを考慮しないか、又は第2の条件が満たされるかどうかのみを決定し、第1の条件が満たされるかどうかを考慮しない。別の例では、第1の条件が満たされるかどうかを決定することと、第2の条件が満たされるかどうかを決定することとの間に「及び」関係があってもよい。例えば、第1の時点においては、ネットワーク・デバイスによって考慮される50個のクロックが、第1の条件を満たし、第2の時点においては、50個のクロック信号は変化し、第2の条件を満たす。ネットワーク・デバイスが、第1の条件が第1の時点で満たされていると決定し、第2の条件が第2の時点で満たされていると決定する場合、第1の条件が満たされるかどうかを決定することと、第2の条件が満たされるかどうかを決定することとの間に「及び」の関係がある。
【0091】
前述のローカル・クロックは、ローカル水晶発振器によって生成されるクロックであってもよい。
【0092】
図6に示す実施形態による解決策では、ネットワーク・デバイスは、クロック障害源を特定する、すなわち、ローカル・クロックに障害があるか、受信したクロックに障害があるかを決定することができ、さらに、クロック障害源を示すアラームを生成することができる。これは、クロック障害の迅速なトラブルシューティングに役立つ。
【0093】
本発明はさらに、基地局のサービス障害がネットワーク・デバイスの周波数オフセットしきい値(例えば±4.6ppm)の比較的低い精度によって引き起こされるという問題を解決するための別の実施形態を提供する。図3に示すように、移動ベアラ・デバイスは、クロック・サーバ1~3からクロックを受信する。クロック・サーバ1のクロックがわずかに劣化する(例えば、標準クロックに対するクロックの周波数オフセットが0.1ppm)ときに、移動ベアラ・デバイスは、ローカル・クロックに対する基準クロック源1のクロックの周波数オフセットが4.4ppm(offset1=4.5-0.1=4.4ppmと示されてもよい)であり、ローカルく・クロックに対する基準クロック源2のクロックの周波数オフセットと、ローカル・クロックに対する基準クロック源3のクロックの周波数オフセットが、両方とも4.5ppm (offset2=4.5-0=4.5ppm及びoffset3=4.5-0=4.5ppmと示されてもよい)であると検出する。この場合、移動ベアラ・デバイスは、基準クロック源1~3のクロックの周波数オフセットのいずれも、移動ベアラ・デバイスの周波数オフセットしきい値(例えば±4.6ppm)を超えないと決定する。クロック・サーバ1、クロック・サーバ2、及びクロック・サーバ3の品質レベルが、全て主基準クロック(primary reference clock、PRC)であるが、基準クロック源1のプライオリティは、基準クロック源2のプライオリティ及び基準クロック源3のプライオリティよりも高いと仮定される。移動ベアラ・デバイスは、基準クロック源1をトレースすることを選択する。したがって、移動ベアラ・デバイスによって基地局デバイスに送信されるクロックの、標準クロックに対する周波数オフセットも、約0.1ppmである。しかしながら、基地局はクロックの周波数オフセットが±0.05ppmを超えないことを必要とする。そのため、このシナリオでは基地局に障害があることなる。
【0094】
図3のシナリオでは、複数のクロックを受信した後、ネットワーク・デバイスは、複数の受信したクロック間の周波数オフセット(相対周波数オフセット(relativeoffset)又は相対基準オフセットと呼ばれてもよい)を計算してもよい。クロックと他の受信したクロックの各々との間の周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超える場合、クロックに障害があると決定されてもよい。
【0095】
以下、図7を参照して相対周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えるかどうかを決定することによって、クロック障害源を決定する前述のプロセスを記載する。図7の方法は、ネットワーク・デバイスによって実行される。ネットワーク・デバイスは、物理層クロック同期をサポートするデバイス、又は精密時間プロトコル同期をサポートするデバイスであってもよい。ネットワーク・デバイスは、少なくとも3つの基準クロック源に接続される。
【0096】
S701:ネットワーク・デバイスは、少なくとも3つのクロックを受信する。
【0097】
例えば、図3に示すように、ネットワーク・デバイスは、クロック・サーバ1~3(すなわち、基準クロック源1~3)からクロックを受信する。
【0098】
S702:ネットワーク・デバイスは、受信したクロックのうち少なくとも3つのクロック間の周波数オフセットを取得する。
【0099】
図6に示す実施形態に記載のように、クロック障害源を特定するときに、ネットワーク・デバイスは、ネットワーク・デバイスの処理能力に基づいて、受信したクロック信号の全てを考慮するか、受信したクロック信号の一部を考慮するかを決定してもよい。以下、3つのクロックが受信され、3つのクロック信号が考慮される例を使用して説明を提供する。
【0100】
ネットワーク・デバイスは、3つのクロック間の周波数オフセットを別々に計算してもよい(すなわち、3つの相対周波数オフセットを計算する)。
【0101】
例えば、ネットワークは、3つのクロック間の周波数オフセットを計算するために2つの方法を使用してもよい。
【0102】
方法1:図3のシナリオでは、ネットワーク・デバイスは、図6のS602に従って、offset1=4.4ppm、offset2=4.5ppm、及びoffset3=4.5ppmを別々に測定する。次に、ネットワーク・デバイスは、3つのクロック間の周波数オフセット(相対周波数オフセット)を以下のように計算する。
Relativeoffset12=Offset1-Offset2=-0.1ppm
Relativeoffset13=Offset1-Offset3=-0.1ppm
Relativeoffset23=Offset2-Offset3=0ppm
【0103】
ネットワーク・デバイスは、クロック間の周波数オフセットを代替的に以下のように計算してもよいと理解されたい。
Relativeoffset12=Offset2-Offset1=0.1ppm
Relativeoffset13=Offset3-Offset1=0.1ppm
Relativeoffset23=Offset3-Offset2=0ppm
【0104】
方法2:ネットワーク・デバイスは3つのクロック間の周波数オフセットを直接測定する。
Relativeoffset12=0.1-0=0.1ppm
Relativeoffset13=0.1-0=0.1ppm
Relativeoffset23=0-0=0ppm
【0105】
ネットワーク・デバイスは、クロック間の周波数オフセットを代替的に以下のように測定してもよいと理解されたい。
Relativeoffset12=0-0.1=-0.1ppm
Relativeoffset13=0-0.1=-0.1ppm
Relativeoffset23=0-0=0ppm
【0106】
S703:条件が満たされるかどうかを決定する。条件が満たされる場合、S704が実行される。条件は、第1のクロックと複数のクロックのうちの他のクロックの各々との間の周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えること、及び第1のクロックが複数のクロックのうちの1つであることを含む。
【0107】
S704:第1のクロックに障害があると決定する。
【0108】
S703及びS704では、Relativeoffset12、Relativeoffset13、及びRelativeoffset23の各々が、相対周波数オフセットしきい値と比較されて、Relativeoffsetが相対周波数オフセットしきい値を超えるかどうかを決定してもよい。相対周波数オフセットしきい値は、基準クロック源の周波数オフセット検出しきい値、又はクロック源の周波数オフセット検出しきい値と呼ばれてもよい。例えば、相対周波数オフセットしきい値がセットされるときに、以下の2つのシナリオが考慮されてもよい。
【0109】
シナリオ1:ネットワーク・デバイスが、図2図5に示すように、1つのホップを介してクロック・サーバに接続される場合、相対周波数オフセットしきい値は、±2×0.03ppb(対応する検出期間は900秒)又は±2×10-5ppm(長期検出期間に対応する)にセットされてもよい。ITU-T G.811標準の要件に基づき、基準クロック源がPRCである場合、PRCのクロック周波数オフセットの精度は、0.03ppb(対応する検出期間は900秒)又は±10-5ppm(長期検出期間に対応する)を超えるべきではない。したがって、相対周波数オフセットしきい値は、±0.06ppb(対応する検出期間は900秒)又は±2×10-5ppm(長期検出期間に対応する)にセットされてもよい。
【0110】
シナリオ2:移動ベアラ・ネットワークを介してネットワーク・デバイスがクロック・サーバに接続される場合、言い換えれば、別の移動ベアラ・デバイスがクロック・サーバと移動ベアラ・デバイスとの間にさらに存在する場合、相対周波数オフセットしきい値は±4.44ppbにセットされてもよい。図8に示すように、クロック・サーバ1と移動ベアラ・デバイス7との間には移動ベアラ・デバイス1及び移動ベアラ・デバイス4が存在し、クロック・サーバ2と移動ベアラ・デバイス7との間には移動ベアラ・デバイス2及び移動ベアラ・デバイス5が存在し、クロック・サーバ3と移動ベアラ・デバイス7との間には移動ベアラ・デバイス3及び移動ベアラ・デバイス6が存在する。移動ベアラ・デバイス7に対して、3つの基準クロック源(移動ベアラ・デバイス4、移動ベアラ・デバイス5、及び移動ベアラ・デバイス6)がある。ITU-T G.8261標準によれば、クロックレベルがPRCであるデバイス(例えば、クロック・サーバ1)をトレースする任意の移動ベアラ・デバイス(例えば、移動ベアラ・デバイス1と移動ベアラ・デバイス4の両方がクロック・サーバ1をトレースする)によるクロック出力の性能は、以下の最大時間間隔誤差(Maximum Time Interval Error、MTIE)の要件を満たすべきである(図9を参照のこと)。最大時間間隔誤差の要件は、以下のように周波数オフセットの要件に変換される。標準クロック(例えば、GPSクロック)に対する移動ベアラ・デバイスにより出力されるクロックの周波数オフセットは、±0.02ppm(対応する検出期間は100秒)を超えるべきではないか、±0.002ppm (対応する検出期間は100秒)を超えるべきではないか、又は±2.22ppb (対応する検出期間は900秒)を超えるべきではない。したがって、相対周波数オフセットしきい値は、2x±2.22ppb=±4.44ppb (対応する検出期間は900秒)にセットされてもよい。代替的には、相対周波数オフセットしきい値は、±4.44ppbである。
【0111】
相対周波数オフセットしきい値が±0.06ppbか、±2×10-5ppmか、±4.44ppbであるかにかかわらず、相対周波数しきい値の精度は、移動ベアラ・デバイスの周波数オフセットしきい値(例えば±4.6ppm)よりもはるかに高いことが分かる。基地局サービスによって要求される精度は0.05ppmであるため、前述の2つの相対周波数オフセットしきい値の精度は、基地局サービスの要求を満たすことができる。
【0112】
例えば、図3に示す例では、相対周波数オフセットしきい値は±0.06ppbに設定されてもよく、基準クロック源2のクロックに対する基準クロック源1のクロックの周波数オフセット、及び基準クロック源3のクロックに対する基準クロック源1のクロックの周波数オフセットが、両方とも相対周波数オフセットしきい値を超える。したがって、図3の移動ベアラ・デバイスは、基準クロック源1のクロック(すなわち、第1のクロック)に障害があると決定する。
【0113】
図8に示す例では、相対周波数オフセットしきい値は、±4.44ppbにセットされてもよい。前述の方法によれば、移動ベアラ・デバイス7は、依然として、基準クロック源1のクロックに障害があると決定してもよい。
【0114】
可能な実装では、S703における条件は、さらに、他のクロック間の周波数オフセットのいずれも相対周波数オフセットしきい値を超えないことを含む。さらに、条件は、他のクロックのうち任意の2つのクロック間の周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値を超えないときにのみ満たされる。図3に示すシナリオでは、他のクロックは、基準クロック源2及び基準クロック源3のクロックである。Relativeoffset23は、0ppmに等しく、相対周波数オフセットしきい値を超えない。このようにして、基準クロック源1のクロックのみに障害があることをより正確に決定することができる。
【0115】
S705:ネットワーク・デバイスは、アラームを生成し、アラームは、第1のクロックに障害があることを示す。
【0116】
詳細は、S608の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度記載されない。
【0117】
図8の実施形態の解決策では、ローカル・クロックに対する全ての入力クロックの周波数オフセットが移動ベアラ・デバイスの周波数オフセットしきい値(例えば±4.6ppm)を超えない場合でも、一方の入力クロックの他方の入力クロックに対する周波数オフセットが相対周波数オフセットしきい値(例えば±0.06ppb又は±4.44ppb)を超える場合、ネットワーク・デバイスは、依然として、障害源を特定し、時間的にアラームを生成することができる。これは、基地局障害の迅速なトラブルシューティングに役立つ。図8の実施形態における解決策に基づいて、ネットワーク・デバイスによるクロック入力の周波数オフセットを検出する精度が改善される。
【0118】
ネットワーク・デバイスは、設定を介して、図6の実施形態における解決策のみを実行するか、図8の実施形態における解決策のみを実行するか、又は図6及び図8の実施形態における解決策の両方を実行するかを選択してもよい。
【0119】
本発明の実施形態は、クロック同期を必要とする他の分野、例えば電力及び媒体にも適用される。分野はまた、クロック同期を必要とし、クロック同期解決策は、本発明の各実施形態におけるクロック同期解決策と整合してもよい。
【0120】
前述の実施形態における移動ベアラ・デバイスは、ルータ又はスイッチであってもよいし、光トランスポート・ネットワーク(OTN)デバイス又は同期ディジタル階層(SDH)デバイスであってもよいし、マイクロ波デバイスであってもよいし、受動光ネットワーク(PON)デバイス又はディジタル加入者線(DSL)デバイスであってもよい。
【0121】
図10は、ネットワーク・デバイス1000の概略構造図である。ネットワーク・デバイス1000は、図1図5及び図8の移動ベアラ・デバイスであってもよいし、図6及び図7のネットワーク・デバイスであってもよい。ネットワーク・デバイス1000は、取得ユニット1001を含み、さらに、第1の決定ユニット1002及び/又は第2の決定ユニット1003を含む。取得ユニット1001は、図6のS601及びS602を実行するように構成されてもよい。第1の決定ユニット1002は、図6のS603及びS604を実行するように構成されてもよい。第2の決定ユニット1003は、図6のS606及びS607を実行するように構成されてもよい。ネットワーク・デバイス1000は、さらに、図6のS605又はS608を実行するように構成されているアラーム・ユニット1004を含んでもよい。詳細な説明については、図6の実施形態の対応するステップの説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度記載されない。
【0122】
図11は、ネットワーク・デバイス1100の概略構造図である。ネットワーク・デバイス1100は、図1図5及び図8の移動ベアラ・デバイスであってもよいし、図6及び図7のネットワーク・デバイスであってもよい。ネットワーク・デバイス1100は、判定ユニット1101及び決定ユニット1102を含んでもよい。判定ユニット1101は、図7のS702及びS703を実行するように構成されている。決定ユニット1102は、図7のS704を実行するように構成されている。ネットワーク・デバイス1100は、さらに、図7のS705を実行するように構成されているアラーム・ユニット1103を含んでもよい。詳細な説明については、図6の実施形態の対応するステップの説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度記載されない。
【0123】
図12は、ネットワーク・デバイス1200の概略構造図である。ネットワーク・デバイス1200は、図1図5及び図8の移動ベアラ・デバイスであってもよいし、図6及び図7のネットワーク・デバイスであってもよい。ネットワーク・デバイス1200は、少なくとも2つのインターフェース、クロック回路、及びプロセッサを含む。ネットワーク・デバイスの複数のインターフェースは、複数のインターフェースカードに分散されてもよく、各インターフェースカードは、複数のインターフェースを有してもよい。1つ以上のプロセッサが存在してもよい。クロック回路は、ローカル水晶発振器を含んでもよい。代替的には、ローカル水晶発振器は、クロック回路から独立していてもよい。
【0124】
ネットワーク・デバイス1200は、複数の基準クロック源に接続され、複数の基準クロック源のクロックを受信する。このようにして、ネットワーク・デバイス1200のインターフェースは、図6又は図7のクロックを受信するアクションを実行する。S602又はS702の説明を参照すると、ネットワーク・デバイス1200は、受信したクロックの全ての処理を考慮してもよいし、受信したクロックの一部のみの処理を考慮してもよい。各インターフェースによって受信されたクロックは、クロック回路に送信される。クロック回路及びプロセッサは、以下のいくつかの任意選択のアクションを実行してもよい。
【0125】
1.クロック回路は、図6のS602を実行してもよい。すなわち、クロック回路は、受信したクロックのうちの少なくとも2つのクロックとローカル水晶発振器との間の周波数オフセットを取得し、次いで、周波数オフセットをプロセッサに送信する。プロセッサは、S603及びS604、及び/又はS606及びS607を実行してもよい。さらに、プロセッサは、S605又はS608を実行してもよく、生成されたアラームは、インターフェースを介してネットワーク管理デバイスに送信されてもよい。
【0126】
2.クロック回路は、図7のS702を実行してもよい。すなわち、クロック回路は、受信したクロックのうちの少なくとも3つのクロック間の周波数オフセットを取得し(S702の方法2の説明を参照のこと)、次いで、周波数オフセットをプロセッサに送信する。プロセッサは、S703及びS704を実行する。さらに、プロセッサは、S705を実行してもよく、生成されたアラームは、インターフェースを介してネットワーク管理デバイスに送信されてもよい。
【0127】
3.クロック回路は、図7のS702の方法1を実行してもよい。すなわち、クロック回路は、受信したクロックのうちの少なくとも3つのクロックとローカル水晶発振器との間の周波数オフセットを取得し、次いで、周波数オフセットをプロセッサに送信する。プロセッサは、受信したクロックのうちの少なくとも3つのクロック間の周波数オフセットを取得するために、S702の方法1の残りの部分を実行する。次いで、プロセッサは、S703及びS704を実行する。さらに、プロセッサは、S705を実行してもよく、生成されたアラームは、インターフェースを介してネットワーク管理デバイスに送信されてもよい。
【0128】
なお、上記のいずれの装置の実施形態も例に過ぎないと留意されたい。別々の部分として記載されたユニットは、物理的に別々であってもなくてもよいし、ユニットとして表示されている部分が、物理ユニットであってもなくてもよいし、1つの位置に位置していてもよいし、複数のネットワーク・ユニットに分散されていてもよい。モジュールの一部又は全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために実際の要件に基づいて選択されてもよい。追加的に、本発明で提供される第1のネットワークノード又はコントローラの実施形態の添付図面では、モジュール間の接続関係は、モジュールが互いに通信接続を有することを示し、通信接続は、1つ以上の通信バス又は信号線として具体的に実装されてもよい。当業者であれば、創造的努力なしに、本発明の実施形態を理解し、実装することがある。
【0129】
本発明の実施形態に開示された内容を組み合わせて記載された方法又はアルゴリズムは、ハードウェアによって実装されてもよいし、ソフトウェア命令を実行することによってプロセッサによって実装されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェア・モジュールを含んでもよい。ソフトウェア・モジュールは、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory、RAM)、フラッシュ・メモリ、リード・オンリー・メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(erasable programmable ROM、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、ハード・ディスク、リムーバブル・ハード・ディスク、コンパクト・ディスク、又は本技術分野で周知の任意の他の形式の記憶媒体に記憶されてもよい。例えば、記憶媒体はプロセッサに結合され、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出すか、又は記憶媒体に情報を書き込むことができるようにする。確かに、記憶媒体は、プロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に位置していてもよい。
【0130】
当業者は、前述の1つ以上の例において、本発明に記載の機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって実装され得ると理解されたい。本発明がソフトウェアによって実装されるときに、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に記憶されるか、又はコンピュータ可読媒体内の1つ以上の命令若しくはコードとして伝送されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含み、通信媒体は、1つの場所から別の場所へコンピュータ・プログラムを伝送することを可能にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。
【0131】
本出願の目的、技術的解決策、及び利益については、前述の具体的な実施形態においてさらに詳細に記載されている。前述の説明は、本発明の具体的な実施形態にすぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図していないと理解されたい。本出願の技術的解決策に基づいて行われる任意の修正、等価の置換又は改善は、本出願の保護範囲に含まれるものとする。
図1
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図12