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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】プラズマヘッド用の制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/24 20060101AFI20240613BHJP
   H05K 7/02 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H05H1/24
H05K7/02 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022541052
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 JP2020030242
(87)【国際公開番号】W WO2022029967
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土田 紘佑
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0083734(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03043628(EP,A1)
【文献】特開2008-047292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/24
H05K 5/02
H05K 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に設けられ前記筐体の外部に設けられるプラズマヘッドに電力を供給する電源装置と、
前記電源装置から前記電力が供給される内部ケーブルと、
前記筐体に設けられる第一引き込み口と、
一端側が前記プラズマヘッドに接続され他端側が前記第一引き込み口から前記筐体の内部に引き込まれ前記筐体の内部において引き回される外部ケーブルと、
前記筐体から絶縁する絶縁部材に設けられ前記内部ケーブルの一端側および前記外部ケーブルの前記他端側が接続される端子台と、
前記外部ケーブルを前記筐体の内部において案内するケーブルガイドと、
を備えるプラズマヘッド用の制御装置であって、
前記ケーブルガイドは、前記筐体の内部に設置されたときに、前記筐体に設けられる前記第一引き込み口から前記筐体の内部に引き込まれた前記外部ケーブルが前記筐体の内部において引き回される領域である第一領域と、前記外部ケーブルと干渉する可能性がある前記筐体の内部に設けられる干渉部材が配置される領域である第二領域とに隔てる隔壁部を備え、
前記筐体は、
前記第一引き込み口が設けられる第一面部と、
前記第一面部に対向する第二面部と、
を備え、
前記第二面部には、前記第一引き込み口から前記筐体の内部に引き込まれ前記筐体の内部において引き回された前記外部ケーブルの前記他端側と前記端子台との作業者による着脱作業が可能な開口部が形成されているプラズマヘッド用の制御装置。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体の内部に設けられ前記筐体の外部に設けられるプラズマヘッドに電力を供給する電源装置と、
前記電源装置から前記電力が供給される内部ケーブルと、
前記筐体に設けられる第一引き込み口と、
一端側が前記プラズマヘッドに接続され他端側が前記第一引き込み口から前記筐体の内部に引き込まれ前記筐体の内部において引き回される外部ケーブルと、
前記筐体から絶縁する絶縁部材に設けられ前記内部ケーブルの一端側および前記外部ケーブルの前記他端側が接続される端子台と、
前記外部ケーブルを前記筐体の内部において案内するケーブルガイドと、
を備えるプラズマヘッド用の制御装置であって、
前記ケーブルガイドは、前記筐体の内部に設置されたときに、前記筐体に設けられる前記第一引き込み口から前記筐体の内部に引き込まれた前記外部ケーブルが前記筐体の内部において引き回される領域である第一領域と、前記外部ケーブルと干渉する可能性がある前記筐体の内部に設けられる干渉部材が配置される領域である第二領域とに隔てる隔壁部を備え、
前記第一引き込み口、前記ケーブルガイド、前記内部ケーブルが引き込まれる第二引き込み口および前記端子台の順に前記筐体に配置され、
前記端子台は、前記外部ケーブルの前記他端側が接続される出力側端子部よりも前記内部ケーブルの前記一端側が接続される入力側端子部が前記ケーブルガイドに近いプラズマヘッド用の制御装置。
【請求項3】
前記ケーブルガイドは、前記筐体の内部に設置されたときに、前記第一引き込み口から前記筐体の内部に向かって前記外部ケーブルを案内する導入部を備える請求項1または請求項2に記載のプラズマヘッド用の制御装置
【請求項4】
前記ケーブルガイドのうちの少なくとも前記隔壁部は、樹脂製である請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のプラズマヘッド用の制御装置
【請求項5】
前記干渉部材には、前記内部ケーブルが含まれる請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のプラズマヘッド用の制御装置。
【請求項6】
前記ケーブルガイドは、前記筐体の内部に設置されたときに、前記第一引き込み口から前記筐体の内部に向かって前記外部ケーブルを案内する導入部を備え、
前記隔壁部は、前記干渉部材である前記内部ケーブルの引き回し方向に沿って、前記導入部に対して傾斜している請求項~請求項のいずれか一項に記載のプラズマヘッド用の制御装置。
【請求項7】
前記筐体は、
前記第一引き込み口が設けられる第一面部と、
前記第一面部に対向する第二面部と、
前記第一面部および前記第二面部と垂直に設けられ前記内部ケーブルが引き回される側と反対側に設けられる第三面部と、
を備え、
前記隔壁部は、前記第三面部の側に前記外部ケーブルの少なくとも一部を寄せるように形成されている請求項に記載のプラズマヘッド用の制御装置。
【請求項8】
前記電源装置は、
直流電力を供給する直流電源と、
前記直流電源から出力された前記直流電力を交流電力に変換する電力変換器と、
前記電力変換器から出力された前記交流電力を平滑する平滑器と、
前記平滑器によって平滑された前記交流電力を昇圧して前記電力を生成する昇圧器と、
を備え、
前記内部ケーブルの他端側は、前記昇圧器の出力側に接続されている請求項~請求項のいずれか一項に記載のプラズマヘッド用の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ケーブルガイドおよびプラズマヘッド用の制御装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の大気圧プラズマ装置は、ガイド部材を備えている。ガイド部材は、装置内外を連通する開口部から空気を吸気する吸気部に向かう空気の流れを形成する。また、ガイド部材は、プラズマを発生させる電極に通電するための給電線の通路を兼ねている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-033054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラズマ発生装置では、制御装置の筐体の内部に設けられる電源装置から筐体の外部に設けられるプラズマヘッドに外部ケーブルによって電力が供給される。外部ケーブルの一端側は、プラズマヘッドに接続される。外部ケーブルの他端側は、筐体の内部に引き込まれ筐体の内部において引き回される。そのため、筐体の内部において引き回される外部ケーブルと、筐体の内部に設けられる部材とが干渉する可能性がある。
【0005】
このような事情に鑑みて、本明細書は、制御装置の筐体の内部に設けられる電源装置から筐体の外部に設けられるプラズマヘッドに電力を供給する外部ケーブルと、筐体の内部に設けられる部材との間の干渉を抑制可能なケーブルガイドおよびプラズマヘッド用の制御装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、筐体と、前記筐体の内部に設けられ前記筐体の外部に設けられるプラズマヘッドに外部ケーブルによって電力を供給する電源装置と、を備えるプラズマヘッド用の制御装置に用いられるケーブルガイドを開示する。前記ケーブルガイドは、前記筐体の内部に設置されたときに、第一領域と第二領域とに隔てる隔壁部を備える。前記第一領域は、前記筐体に設けられる第一引き込み口から前記筐体の内部に引き込まれた前記外部ケーブルが前記筐体の内部において引き回される領域である。前記第二領域は、前記外部ケーブルと干渉する可能性がある前記筐体の内部に設けられる干渉部材が配置される領域である。
【0007】
また、本明細書は、筐体と、電源装置と、前記電源装置から電力が供給される内部ケーブルと、前記筐体に設けられる第一引き込み口と、外部ケーブルと、端子台と、前記外部ケーブルを前記筐体の内部において案内する前記ケーブルガイドとを備えるプラズマヘッド用の制御装置を開示する。前記電源装置は、前記筐体の内部に設けられ前記筐体の外部に設けられるプラズマヘッドに電力を供給する。前記外部ケーブルは、一端側が前記プラズマヘッドに接続され他端側が前記第一引き込み口から前記筐体の内部に引き込まれ前記筐体の内部において引き回される。前記端子台は、前記筐体から絶縁する絶縁部材に設けられ前記内部ケーブルの一端側および前記外部ケーブルの前記他端側が接続される。
【発明の効果】
【0008】
上記のケーブルガイドによれば、隔壁部を備える。よって、ケーブルガイドは、筐体の内部に設置されたときに、外部ケーブルが筐体の内部において引き回される領域(第一領域)と、筐体の内部に設けられる干渉部材が配置される領域(第二領域)とに隔てることができる。ケーブルガイドについて上述されていることは、ケーブルガイドを備えるプラズマヘッド用の制御装置についても同様に言える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】プラズマ発生装置の構成例を示す模式図である。
図2】外部ケーブルが接続される接続部の構成例を示す透視図である。
図3図2において第一フレームおよび第二フレームが取り外された状態を示す斜視図である。
図4】接続部における内部ケーブルおよび外部ケーブルの引き回し状態の一例を示す平面図である。
図5】ケーブルガイドの一例を示す斜視図である。
図6】比較形態に係り、内部ケーブルおよび外部ケーブルの引き回し状態の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
1-1.プラズマ発生装置100の構成例
プラズマ発生装置100は、原料ガス中で放電させることにより、プラズマを発生させる。プラズマ発生装置100は、例えば、部材の表面加工、洗浄、接着、殺菌、空気浄化などに用いられる。図1に示すように、プラズマ発生装置100は、プラズマヘッド90用の制御装置80と、プラズマヘッド90とを備えている。
【0011】
プラズマヘッド90は、プラズマヘッド90用の制御装置80から供給された電力を用いて、プラズマを発生させる。プラズマヘッド90は、本体部91と、一対の電極92,92と、置換部93とを備えている。本体部91は、一対の電極92,92および置換部93を収容し、外部からこれらを隔離する。一対の電極92,92は、本体部91の内部において、対向して配置される。
【0012】
一対の電極92,92に上記電力が供給されて、プラズマが発生する。つまり、一対の電極92,92の間に、プラズマの発生領域94が生じる。置換部93は、発生領域94に大気圧の原料ガスを導入すると共に、発生領域94において発生したプラズマを移動させる。プラズマは、本体部91の内部で使用されても良く、本体部91から移動されて使用されても良い。原料ガスは、プラズマを発生させることができれば良く、限定されない。例えば、酸素ガス、空気は、原料ガスに含まれる。
【0013】
1-2.プラズマヘッド90用の制御装置80の構成例
図1図5に示すように、プラズマヘッド90用の制御装置80は、筐体10と、電源装置20と、内部ケーブル30と、引き込み口40と、外部ケーブル50と、端子台60と、ケーブルガイド70とを備えている。図2に示すように、筐体10は、ベース板10aと、第一フレーム10bと、第二フレーム10cとを備えている。
【0014】
ベース板10aは、板状に形成されている。ベース板10aは、電源装置20が設けられる電源部PU0と、外部ケーブル50が接続される接続部JT0とに筐体10の内部を区画する。第一フレーム10bおよび第二フレーム10cは、ベース板10a側が開口する箱状に形成されている。ベース板10a、第一フレーム10bおよび第二フレーム10cによって囲まれる領域に接続部JT0が設けられている。
【0015】
電源装置20は、筐体10の内部に設けられ筐体10の外部に設けられるプラズマヘッド90に電力を供給する。電力は、外部ケーブル50によって供給される。図1に示すように、電源装置20は、直流電源21と、電力変換器22と、平滑器23と、昇圧器24とを備えている。直流電源21は、直流電力を供給する。電力変換器22は、直流電源21から出力された直流電力を交流電力に変換する。平滑器23は、電力変換器22から出力された交流電力を平滑する。昇圧器24は、平滑器23によって平滑された交流電力を昇圧して電力(プラズマヘッド90に供給する電力)を生成する。
【0016】
電源装置20は、プラズマヘッド90がプラズマを発生可能な電力を供給することができれば良く、公知の機器を用いることができる。例えば、平滑器23は、コイルおよびコンデンサを備える平滑器を用いることができる。また、昇圧器24は、トランスを用いることができる。図1に示すように、トランスは、一次側巻線24aと、二次側巻線24bとを備えている。
【0017】
トランスは、一次側巻線24aに入力された交流電力(平滑器23によって平滑された交流電力)を昇圧して、二次側巻線24bから昇圧した交流電力を出力する。例えば、二次側巻線24bから出力される交流電力の出力電圧は、最大15kV程度である。また、放電時には電圧が降下するため、二次側巻線24bから出力される交流電力の出力電圧は、8~9kV程度である。なお、本明細書では、上記の出力電圧に相当する電圧レベルを高電圧という。
【0018】
内部ケーブル30には、電源装置20から電力が供給される。図1に示すように、内部ケーブル30の一端側は、端子台60に接続されている。内部ケーブル30の他端側は、昇圧器24の出力側に接続されている。本実施形態では、内部ケーブル30の他端側は、トランスの二次側巻線24bに接続されている。内部ケーブル30は、高電圧を印加可能な公知のケーブルを用いることができる。内部ケーブル30は、例えば、キャブタイヤケーブルなどを用いることができる。
【0019】
引き込み口40は、第一引き込み口41と、二つの第二引き込み口42,42とを備えている。引き込み口40は、筐体10に設けられている。具体的には、図2に示すように、第一引き込み口41は、筐体10の第一フレーム10bに形成されている。第一引き込み口41は、二本の外部ケーブル50を引き込み可能に、二本の外部ケーブル50の直径より大径の円形状に形成されている。
【0020】
二つの第二引き込み口42,42は、筐体10のベース板10aに形成されている。二つの第二引き込み口42,42の各々は、内部ケーブル30を引き込み可能に、内部ケーブル30の直径より大径の円形状に形成されている。図2および図3に示すように、二本の内部ケーブル30の各々は、第二引き込み口42から引き込まれて、一端側が端子台60に接続されている。
【0021】
外部ケーブル50は、一端側がプラズマヘッド90に接続される。図1に示すように、外部ケーブル50の一端側は、プラズマヘッド90の電極92に接続される。また、図4に示すように、外部ケーブル50は、他端側が第一引き込み口41から筐体10の内部に引き込まれ筐体10の内部において引き回される。外部ケーブル50は、高電圧を印加可能な公知のケーブルを用いることができる。また、外部ケーブル50は、プラズマヘッド90の移動に伴って移動されるので、例えば、キャブタイヤケーブルなどを用いると良い。
【0022】
既述したように、内部ケーブル30および外部ケーブル50には、高電圧が印加される。そのため、例えば、内部ケーブル30と外部ケーブル50をコネクタによって接続する形態では、高電圧に対する絶縁性の確保の観点から、コネクタが高コスト化する可能性がある。そこで、本実施形態では、内部ケーブル30と外部ケーブル50との接続が端子台60によって行われる。
【0023】
端子台60は、筐体10から絶縁する絶縁部材IS0に設けられ、内部ケーブル30の一端側および外部ケーブル50の他端側が接続される。図2および図3に示すように、絶縁部材IS0は、円柱状に形成されている。端子台60は、絶縁部材IS0の上面部に設けられている。これにより、内部ケーブル30の一端側および外部ケーブル50の他端側は、端子台60に接続されたときに、筐体10のベース板10aから所定距離、離間される。
【0024】
端子台60は、入力側端子部61と、出力側端子部62とを備えている。入力側端子部61には、内部ケーブル30の一端側が接続される。出力側端子部62には、外部ケーブル50の他端側が接続される。図2図4に示すように、入力側端子部61は、出力側端子部62よりもケーブルガイド70に近い。
【0025】
ケーブルガイド70は、外部ケーブル50を筐体10の内部において案内する。図4に示すように、ケーブルガイド70は、第一引き込み口41から筐体10の内部に引き込まれた外部ケーブル50を端子台60の側方に向かって案内する。外部ケーブル50は、端子台60を迂回するように引き回されて、入力側端子部61よりも遠方に設けられている出力側端子部62に接続される。
【0026】
図2図5に示すように、ケーブルガイド70は、隔壁部71を備えている。ケーブルガイド70は、導入部72を備えることもできる。本実施形態のケーブルガイド70は、隔壁部71と、導入部72とを備えている。なお、ケーブルガイド70は、支持部材73によって筐体10のベース板10aに支持されている。
【0027】
隔壁部71は、筐体10の内部に設置されたときに、第一領域AR1と第二領域AR2とに隔てる。第一領域AR1は、筐体10に設けられる第一引き込み口41から筐体10の内部に引き込まれた外部ケーブル50が筐体10の内部において引き回される領域である。第二領域AR2は、外部ケーブル50と干渉する可能性がある筐体10の内部に設けられる干渉部材IF0が配置される領域である。これにより、ケーブルガイド70は、筐体10の内部に設置されたときに、外部ケーブル50と干渉部材IF0との間の干渉を抑制することができる。
【0028】
干渉部材IF0は、外部ケーブル50と干渉する可能性がある筐体10の内部に設けられる部材であれば良く、限定されない。例えば、筐体10の内部の柱部材、壁部材などの造営材は、干渉部材IF0になり得る。また、電気機器、ケーブルなどの筐体10の内部に設置されている物品は、干渉部材IF0になり得る。例えば、図4において、ケーブルガイド70が設置されていないと、第一引き込み口41から筐体10の内部に引き込まれた外部ケーブル50は、筐体10の中心部に向かって直進するように引き回され、内部ケーブル30と干渉する可能性がある。そのため、干渉部材IF0には、内部ケーブル30が含まれる。
【0029】
本実施形態のケーブルガイド70は、筐体10の内部に設置されたときに、外部ケーブル50が筐体10の内部において引き回される領域(第一領域AR1)と、干渉部材IF0である内部ケーブル30が配置される領域(第二領域AR2)とに隔てることができる。つまり、本実施形態のケーブルガイド70は、筐体10の内部に設置されたときに、外部ケーブル50と内部ケーブル30との間の干渉を、少なくとも抑制することができる。
【0030】
導入部72は、筐体10の内部に設置されたときに、第一引き込み口41から筐体10の内部に向かって外部ケーブル50を案内する。図2図4に示すように、第一フレーム10bのうち、第一引き込み口41が設けられる部位を第一面部11とする。図4に示すように、導入部72は、第一面部11に対して、垂直に配置されている。よって、第一引き込み口41から筐体10の内部に引き込まれた外部ケーブル50は、導入部72に沿って直進するように引き回される。
【0031】
なお、ケーブルガイド70は、支持部材73によって筐体10のベース板10aに支持されている。図2および図3に示すように、本実施形態の支持部材73は、L字形状に形成されている。また、図5に示すように、ケーブルガイド70には、ボルトなどの固定部材を挿通可能な複数の孔部70aが形成されている。ケーブルガイド70および支持部材73は、固定部材を用いてベース板10aに固定される。具体的には、L字形状の支持部材73の一の面が隔壁部71または導入部72に固定され、支持部材73の他の一の面が筐体10のベース板10aに固定される。
【0032】
既述したように、内部ケーブル30および外部ケーブル50には、高電圧が印加される。そのため、例えば、ケーブルガイド70が金属製であると、内部ケーブル30または外部ケーブル50と、ケーブルガイド70との間で、部分放電が生じ、オゾンが発生する可能性がある。部分放電およびオゾンの発生は、内部ケーブル30または外部ケーブル50との離間距離が短くなり易い隔壁部71において生じ易い。
【0033】
そこで、少なくとも隔壁部71は、樹脂製であると良い。これにより、内部ケーブル30または外部ケーブル50と、ケーブルガイド70との間で生じる部分放電およびオゾンの発生を抑制することができる。なお、本実施形態のケーブルガイド70は、隔壁部71および導入部72が樹脂製である。支持部材73は、隔壁部71と比べて、内部ケーブル30および外部ケーブル50から離間しているので、金属製である。
【0034】
図2および図4に示すように、筐体10は、第一面部11と、第二面部12と、第三面部13と、第四面部14とを備えている。第一面部11には、第一引き込み口41が設けられる。第二面部12は、第一面部11に対向する。第三面部13は、第一面部11および第二面部12と垂直に設けられ、内部ケーブル30が引き回される側と反対側に設けられる。第四面部14は、第一面部11および第二面部12と垂直に設けられ、内部ケーブル30が引き回される側に設けられる。
【0035】
外部ケーブル50は、プラズマヘッド90に接続されており、例えば、プラズマヘッド90のメンテナンスなどのために端子台60から取り外される場合がある。そのため、第二面部12には、第一引き込み口41から筐体10の内部に引き込まれ筐体10の内部において引き回された外部ケーブル50の他端側と端子台60との作業者による着脱作業が可能な開口部12aが形成されていると良い。
【0036】
本実施形態では、第二面部12に開口部12aが形成されている。具体的には、開口部12aは、第一フレーム10bに接する側と反対側の第二フレーム10cの端部によって形成されている。よって、作業者は、開口部12aを介して、外部ケーブル50の他端側と端子台60との着脱作業を行うことができる。つまり、作業者は、第二面部12に開口部12aが設けられていない場合と比べて、外部ケーブル50の他端側と端子台60との着脱作業を容易に行うことができる。
【0037】
既述したように、ケーブルガイド70は、筐体10の内部に設置されたときに、第一引き込み口41から筐体10の内部に向かって外部ケーブル50を案内する導入部72を備えている。また、図2図4に示すように、隔壁部71は、干渉部材IF0である内部ケーブル30の引き回し方向に沿って、導入部72に対して傾斜している。
【0038】
具体的には、図4に示すように、二本の内部ケーブル30,30のうちの隔壁部71に近い側の内部ケーブル30が、第二引き込み口42から端子台60に向かって引き回されている引き回し方向は、隔壁部71と平行になっている。これにより、干渉部材IF0である内部ケーブル30と、隔壁部71との間の離間距離を保持し易くなる。なお、本実施形態のケーブルガイド70は、隔壁部71と導入部72とのなす角度が135°に設定されている。導入部72に対する隔壁部71の傾斜角度は、干渉部材IF0の配置に合わせて適宜、変更することができる。
【0039】
また、導入部72に対する隔壁部71の傾斜方向は、次のように表すこともできる。図4に示すように、隔壁部71は、第三面部13の側に外部ケーブル50の少なくとも一部を寄せるように形成されている。これにより、干渉部材IF0である内部ケーブル30から外部ケーブル50が離間され易くなる。また、外部ケーブル50は、第三面部13に沿って案内され易くなる。
【0040】
図2図4に示すように、本実施形態では、第一引き込み口41、ケーブルガイド70、内部ケーブル30が引き込まれる第二引き込み口42および端子台60の順に筐体10に配置されている。また、端子台60は、外部ケーブル50の他端側が接続される出力側端子部62よりも内部ケーブル30の一端側が接続される入力側端子部61がケーブルガイド70に近い。
【0041】
つまり、第二引き込み口42がケーブルガイド70と端子台60の間に配置され、出力側端子部62よりも入力側端子部61がケーブルガイド70に近い。そのため、第二引き込み口42から引き込まれた内部ケーブル30を端子台60の入力側端子部61に接続し易い。また、第一引き込み口41から筐体10の内部に引き込まれた外部ケーブル50を、ケーブルガイド70によって端子台60を迂回するように引き回し易い。
【0042】
なお、図6に示す比較形態では、第一引き込み口41、端子台60および第二引き込み口42の順に筐体10に配置されている。この形態では、端子台60は、入力側端子部61よりも出力側端子部62が第一引き込み口41に近い。よって、同図に示すように、外部ケーブル50が内部ケーブル30と干渉し難い。そのため、図6に示す比較形態では、ケーブルガイド70を具備していない。
【0043】
しかしながら、例えば、筐体10の内部に設けられる機器の配置の都合などによって、第一引き込み口41、第二引き込み口42および端子台60の配置が制限される場合がある。この場合、干渉部材IF0が生じ易い。そのため、本実施形態のケーブルガイド70を具備すると好適である。
【0044】
2.実施形態の効果の一例
ケーブルガイド70によれば、隔壁部71を備える。よって、ケーブルガイド70は、筐体10の内部に設置されたときに、外部ケーブル50が筐体10の内部において引き回される領域(第一領域AR1)と、筐体10の内部に設けられる干渉部材IF0が配置される領域(第二領域AR2)とに隔てることができる。つまり、ケーブルガイド70は、筐体10の内部に設置されたときに、外部ケーブル50と干渉部材IF0との間の干渉を抑制することができる。ケーブルガイド70について上述されていることは、ケーブルガイド70を備えるプラズマヘッド90用の制御装置80についても同様に言える。
【符号の説明】
【0045】
10:筐体、11:第一面部、12:第二面部、12a:開口部、
13:第三面部、20:電源装置、21:直流電源、22:電力変換器、
23:平滑器、24:昇圧器、30:内部ケーブル、
41:第一引き込み口、42:第二引き込み口、50:外部ケーブル、
60:端子台、61:入力側端子部、62:出力側端子部、
70:ケーブルガイド、71:隔壁部、72:導入部、80:制御装置、
90:プラズマヘッド、AR1:第一領域、AR2:第二領域、
IF0:干渉部材、IS0:絶縁部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6