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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】光学システム及び仮想現実装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 17/08 20060101AFI20240613BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240613BHJP
   G02B 27/02 20060101ALN20240613BHJP
【FI】
G02B17/08
G02B13/18
G02B27/02 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022571272
(86)(22)【出願日】2020-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 CN2020127357
(87)【国際公開番号】W WO2021238079
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】202020940944.8
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523155456
【氏名又は名称】ゴアテック・オプティカル・テクノロジー・カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GOERTEK OPTICAL TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】NO. 1 Fab., Optical Park Phase 3, No. 3999, Huixian Road, Yongchun Community, Qingchi Sub-district Office, Weifang Hi-Tech Zone, Weifang, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン チー
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110308559(CN,A)
【文献】特開平10-010465(JP,A)
【文献】特表2019-505854(JP,A)
【文献】特開2019-053151(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0014504(US,A1)
【文献】欧州特許第01043619(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
G02B 27/00 - 30/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線の伝搬方向に沿って順に表示ユニットと第1のレンズとを含む光学システムであって、
前記第1のレンズは、前記表示ユニットの光出力側に設けられ、前記第1のレンズは前記表示ユニットに近い第1の表面と前記表示ユニットから離れた第2の表面とを含み、前記第2の表面は平面構成であり、
前記第1の表面と前記表示ユニットとの間には、分光器が設けられ、
前記第1のレンズの前記表示ユニットから離れた側には、第1の位相遅延器と偏光リフレクターが設けられ、前記第1の位相遅延器は、前記第1のレンズと前記偏光リフレクターとの間に設けられ、
前記表示ユニットより発光した光線は前記第1の表面から前記第1のレンズに入射し、順に前記第2の表面と前記第1の表面で反射し、前記第2の表面から前記光学システム外へ出射
関係式50mm<ABS(R1)<100mm、ABS(Conic1)<5、5mm<T1<10mm、10mm<T2<16mm、3mm<L1<5mmを満たし、
ここで、前記R1は前記第1の表面の曲率半径であり、前記ABS(R1)は前記R1の絶対値であり、前記Conic1は前記第1の表面のコーニック係数であり、前記ABS(Conic1)は前記Conic1の絶対値であり、前記T1は前記第1のレンズの光軸方向に沿った中心の厚さであり、前記T2は前記第1の表面から前記表示ユニットまでの距離であり、前記L1は前記第1のレンズのエッジの厚さであり、
前記光学システムは、全長が24mmより小さく、かつ、最大視野角度が100度以上である、
ことを特徴とする、光学システム。
【請求項2】
前記表示ユニットに接続され、前記表示ユニットと前記第1のレンズとの間の距離を調整する移動コンポーネントをさらに含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記第1のレンズの光出力側に設けられた第2のレンズをさらに含み、
前記第2のレンズは、平凸レンズ、平凹レンズ、メニスカスレンズのいずれか一つである、ことを特徴とする、請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
前記偏光リフレクターの前記位相遅延器から離れた側に設けられた偏光板をさらに含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
ハウジングと、前記ハウジング内に収容された請求項1~のいずれか1項に記載の光学システムとを含む、ことを特徴とする、仮想現実装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学イメージングの技術分野に関し、特に光学システム及び仮想現実装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実技術の発展に伴って、仮想現実装置の形態と種類もますます多様化しており、適用分野も広くなっていく。現在の仮想現実装置は、一般的に装置における表示画面を、光学システムを介して伝達および拡大してから、出力された画像が人の目に伝達されるため、人の目で受け取るのは表示画面を拡大した虚像であり、よって、仮想現実装置によって大画面視聴の目的を達成している。
【0003】
画像の拡大を実現するために、光学システムは一般的に複数のレンズの組み合わせによって実現され、複数のレンズの組み合わせの使用時の体積が大きくなるため、仮想現実装置の体積が大きくなって、仮想現実装置の携帯利便性が低減するのみならず、ユーザの装着時の快適性も低減している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術において光学システムの体積が大きいため、仮想現実装置の体積が大きくなって、携帯に不便であり、ユーザの装着時の快適性が低い問題点を解決するための光学システム及び仮想現実装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明は、光線の伝搬方向に沿って順に表示ユニットと第1のレンズとを含む光学システムであって、
第1のレンズは表示ユニットの光出力側に設けられ、第1のレンズは表示ユニットに近い第1の表面と表示ユニットから離れた第2の表面とを含み、第2の表面は平面構成であり、
第1の表面と表示ユニットとの間には分光器が設けられ、
第1のレンズの表示ユニットから離れた側には第1の位相遅延器と偏光リフレクターが設けられ、第1の位相遅延器は第1のレンズと偏光リフレクターとの間に設けられ、
表示ユニットより発光した光線は第1の表面から第1のレンズに入射し、順に第2の表面と第1の表面で反射し、第2の表面から光学システム外へ出射する、光学システムを提供する。
【0006】
光学システムは、表示ユニットに接続され、表示ユニットと第1のレンズとの間の距離を調整するための移動コンポーネントをさらに含んでもよい。
【0007】
光学システムは、関係式:50mm<ABS(R)<100mm、ABS(Conic)<5を満たしてもよい。ただし、Rは第の表面の曲率半径であり、ABS(R)はRの絶対値であり、Conicは第の表面のコーニック係数であり、ABS(Conic)はConicの絶対値である。
【0008】
光学システムは、関係式:5mm<T1<10mmを満たしてもよい。ただし、T1は第1のレンズの光軸方向に沿った中心の厚さである。
【0009】
光学システムは、関係式:10mm<T2<16mmを満たしてもよい。ただし、T2は第1の表面から表示ユニットまでの距離である。
【0010】
光学システムは、関係式:3mm<L1<5mmを満たしてもよい。ただし、L1は第1のレンズのエッジの厚さである。
【0011】
光学システムは、関係式:f=6.3*fを満たしてもよい。ただし、fは光学システムの焦点距離であり、f1は第1のレンズの焦点距離である。
【0012】
光学システムは、第1のレンズの光出力側に設けられた第2のレンズをさらに含み、
第2のレンズは、平凸レンズ、平凹レンズ、メニスカスレンズのいずれか一つであってもよい。
【0013】
光学システムは、偏光リフレクターの位相遅延器から離れた側に設けられた偏光板をさらに含んでもよい。
【0014】
上記した目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、ハウジング内に収容された上記のいずれかに記載の光学システムと、を含む、仮想現実装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本願で提供するソリューションにおいて、光学システムは第1のレンズを含み、第1のレンズは表示ユニットに近い第1の表面と表示ユニットから離れた第2の表面とを含み、第1の表面と表示ユニットとの間に分光器が設けられ、第1のレンズの表示ユニットから離れた側に第1の位相遅延器と偏光リフレクターが設けられ、第1の位相遅延器は、第1のレンズと偏光リフレクターとの間に設けられる。第1のレンズの両側にそれぞれ偏光リフレクターと、第1の位相遅延器と、分光器とを設けることで、表示ユニットより発光した光線を、第1のレンズに入るとき、第1のレンズの第1の表面と第2の表面との間でのみ折り返させることによって、光学システムの光路を増加させ、よって、光路を増加させる形態で光学システムの性能を変えることで、従来技術において光学システムの体積が大きいため、仮想現実装置の体積が大きくなって、携帯に不便であり、ユーザの装着する快適性が低かったという問題点を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、本発明の実施例又は従来技術のソリューションをさらに明確に説明するために、実施例又は従来技術の説明に必要となる図面に対して簡単に紹介するが、以下の説明における図面は単に本発明の一部の実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を費やすことのない前提で、これらの図面に示す構成によってその他の図面を得られる、ことはいうまでもない。
図1】本発明の光学システムの光路模式図である。
図2】本発明の光学システムの実施例1のスポットダイアグラムである。
図3】本発明の光学システムの実施例1の像面湾曲と歪曲図である。
図4】本発明の光学システムの実施例1の垂軸色収差図である。
図5】本発明の光学システムの他の実施例の光路模式図である。
図6】本発明の光学システムの他の実施例の光路模式図である。
図7】本発明の光学システムの他の実施例の光路模式図である。
図8】本発明の光学システムの他の実施例の光路模式図である。
図9】本発明の光学システムの他の実施例の光路模式図である。
【0017】
本発明の目的の達成、機能の特徴及び利点は、実施例と組み合わせ、図面を参照してさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面と組み合わせて、本発明における技術案に対して明確で完全に説明し、説明した実施例はただ本発明の一部の実施例であり、全部の実施例ではないことは当然である。本発明における実施例によって、当業者が創造的な労力を費やすことのない前提で得られたすべてのその他の実施例はいずれも本発明の保護の範囲に属するものである。
【0019】
本発明の実施例における全ての方向性の指示(上、下、左、右、前、後……のような)は、ただある特定の姿勢(図面に示すように)における各部材との間の相対的な位置関係、運動状況などを解説するためのものであり、当該特定した姿勢に変化が発生した場合、当該方向性の指示も伴って変化する、ことに対して説明する必要がある。
【0020】
また、本発明における「第1」、「第2」などのような説明はただ目的を説明するためのものであり、その相対的な重要性の指示や暗示又は暗黙的に指示された技術的特徴の数量を示すと理解してはいけない。よって、「第1」、「第2」が限定されている特徴は少なくとも1つの当該特徴を明示的に又は暗黙的に含む。本発明において、他に明確で具体的な限定がない限り、「複数」の意味は、例えば、2つ、3つ等のように、少なくとも2つである。
【0021】
本発明において、他に明確な規定や限定がない限り、用語「接続」、「固定」等を広く理解すべきであり、例えば、他に明確に限定されてない限り、「固定」は固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、一体化されてもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接に接続されてもよく、中間媒介を介して間接的に接続されてもよく、2つの部品の内部の連通又は2つの部品のお互いの作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況によって、上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0022】
また、本発明の各実施例との間のソリューションは互いに組み合わせることができるが、当業者が実現できることをもとにすべきであり、技術案の組み合わせに互いに矛盾が発生するか又は実現できない場合、このような技術案の組み合わせは存在せず、本発明の要求の保護範囲内に存在しないと認めるべきである。
【0023】
本発明は、光学システム及び仮想現実装置を提供する。
【0024】
図1に示すように、光学システムは、表示ユニット10と第1のレンズ20とを含み、第1のレンズ20は、表示ユニット10の光出力側に設けられ、第1のレンズ20は表示ユニット10に近い第1の表面21と表示ユニット10から離れた第2の表面22とを含み、第2の表面22は平面構成であり、
第1の表面21と表示ユニット10との間には分光器が設けられ、
第1のレンズ20の表示ユニット10から離れた側には第1の位相遅延器30と偏光リフレクター40が設けられ、第1の位相遅延器30は第1のレンズ20と偏光リフレクター40との間に設けられ、
表示ユニット10より発光した光線は第1の表面21から第1のレンズ20に入ってから、順に第2の表面22と第1の表面21で反射し、その後、第2の表面22から光学システムを出射する。
【0025】
その中で、第2の表面22が平面構成である場合、組立者が第2の表面22に対してフィルム貼付作業を実行しやすく、よって、フィルム貼付過程における工程コスト及び工程リスクを低減させることができる。
【0026】
本願で提供するソリューションにおいて、光学システムは第1のレンズ20を含み、第1のレンズ20は表示ユニット10に近い第1の表面21と表示ユニット10から離れた第2の表面22とを含み、第1の表面21と表示ユニット10との間には分光器が設けられ、第1のレンズ20の表示ユニット10から離れた側には第1の位相遅延器30と偏光リフレクター40が設けられ、第1の位相遅延器30は第1のレンズ20と偏光リフレクター40との間に設けられている。第1のレンズ20の両側にそれぞれ偏光リフレクター40と、第1の位相遅延器30と、分光器とを設けることで、表示ユニット10より発光した光線を、第1のレンズ20に入るとき、第1のレンズ20の第1の表面21と第2の表面22との間でのみ折り返させることによって、光学システムの光路を増加させ、よって、光路を増加させる形態で光学システムの性能を変えることで、従来技術において光学システムの体積が大きいため、仮想現実装置の体積が大きくなって、携帯に不便であり、ユーザの装着する快適性が低かったという問題点を解決する。
【0027】
光学システムは、表示ユニット10に接続され、表示ユニット10と第1のレンズ20との間の距離を調整するための移動コンポーネントをさらに含む。移動コンポーネントによって表示ユニット10と第1のレンズ20との間の距離を変え、近視の程度が異なるユーザに表示ユニット10をはっきりと観察させることができ、具体的に、ユーザが近視である場合、平行光線は人の目の屈折システムを介して屈折してから焦点が網膜の前に位置するため、ユーザが表示ユニット10より発光した画像を視認できないが、表示ユニット10と第1のレンズ20との間の距離を小さくすることによって、表示ユニット10より発光した光線をユーザの網膜に当てさせることで、ユーザに画像を視認させることができる。好ましい実施形態において、移動コンポーネントの表示ユニット10と第1のレンズ20との間の距離の調整範囲は140~2000mmであり、よって、異なる近視又は遠視のユーザが装着及び使用しやすい。
【0028】
本願で提供するソリューションにおいて、光学システムは第1のレンズ20を含み、第1のレンズ20は表示ユニット10に近い第1の表面21と表示ユニット10から離れた第2の表面22とを含み、第1の表面21と表示ユニット10との間には分光器が設けられ、第1のレンズ20の表示ユニット10から離れた側には第1の位相遅延器30と偏光リフレクター40が設けられ、第1の位相遅延器30は第1のレンズ20と偏光リフレクター40との間に設けられる。第1のレンズ20の両側にそれぞれ偏光リフレクター40と、第1の位相遅延器30と、分光器とを設けることで、表示ユニット10より発光した光線を、第1のレンズ20に入るとき、折り返させることができるようにして、光学システムの光路を増加させ、よって、光路を増加させる形態で光学システムの性能を変えることによって、従来技術において光学システムの体積が大きいため、仮想現実装置の体積が大きくなって、携帯に不便であり、ユーザの装着する快適性が低かった問題を解決する。
【0029】
表示ユニット10より発光した第1の光線は、順に分光器と、前記第1のレンズ20と、第1の位相遅延器30とを経由してから、第1の線偏光に変換し、第1の線偏光の偏光方向が偏光リフレクター40の反射方向と同じであるため、第1の線偏光は偏光リフレクター40により反射してから、再び順に第1の位相遅延器30を経由し、第1の線偏光は第1の位相遅延器30の作用によって第1の円偏光になり、第1の円偏光は第1のレンズ20を経由してから、分光器により反射されるとともに、第1の円偏光から第2の円偏光に変換し、第2の円偏光の偏光方向が第1の円偏光の旋回性と逆であり、第2の円偏光は第1のレンズ20と第2のレンズ50を一回経由してから、再び第1の位相遅延器30を経由し、第2の円偏光から第2の線偏光に変換し、第2の線偏光の偏光方向が偏光リフレクター40の透過方向と同じであるため、第2の線偏光は偏光リフレクター40を経由してから再び第2のレンズ50を経由して人の目に伝搬される。
【0030】
選択的な実施形態において、光学システムは、関係式:
50mm<ABS(R)<100mm、ABS(Conic)<5
を満たす。ただし、Rは第の表面2の曲率半径であり、ABS(R)はRの絶対値であり、Conicは第の表面2のコーニック係数であり、ABS(Conic)はConicの絶対値である。具体的に、曲率半径は、曲面の湾曲の程度を示すためのものであり、コーニック係数は、非球面構成の曲面関数における非球面の二次曲面の係数を示すためのものであり、具体的な実施形態において、曲率半径とコーニック係数によって非球面構成の形状を示す。
【0031】
選択的な実施形態において、光学システムは、関係式:5mm<T1<10mmを満たす。ただし、T1は第1のレンズ20の光軸方向に沿った中心の厚さである。
【0032】
選択的な実施形態において、光学システムは、関係式:10mm<T2≦16mmを満たす。ただし、T2は第1の表面21から表示ユニット10までの距離である。
【0033】
選択的な実施形態において、光学システムは、関係式:3mm<L1<5mmを満たす。ただし、L1は第1のレンズ20のエッジの厚さである。
【0034】
選択的な実施形態において、光学システムは、関係式:f=6.3*fを満たす。ただし、fは光学システムの焦点距離であり、f1は第1のレンズ20の焦点距離である。
【0035】
選択的な実施形態において、光学システムは、第1のレンズ20の光出力側に設けられた第2のレンズ50をさらに含む。具体的に、第2のレンズ50は第1のレンズ20と表示ユニット10との間に設けられてもよく、第1のレンズ20の表示ユニット10から離れた側に設けられてもよい。
【0036】
1つの具体的な実施形態において、第2のレンズ50は第1のレンズ20と表示ユニット10との間に設けられ、第2のレンズ50は、平凸レンズ、平凹レンズ、メニスカスレンズの何れか一つであってもよく、光学システムの焦点距離の要求によって、第2のレンズ50と第1のレンズ20とに合わせて、光学システムのフォーカルパワーを調整することができる。第2のレンズ50の表面構成は球面構成又は非球面構成又は自由曲面又はフレネル構成であってもよい、ことがわかる。
【0037】
図5図9を参照に、他の具体的な実施形態において、第2のレンズ50は第1のレンズ20の表示ユニット10から離れた側に設けられ、第2のレンズ50は、平凸レンズ、平凹レンズ、メニスカスレンズであってもよく、光学システムの焦点距離の要求によって、第2のレンズ50と第1のレンズ20とに合わせて、光学システムのフォーカルパワーを調整することができる。理解できるように、第2のレンズ50の表面構成は球面構成又は非球面構成又は自由曲面又はフレネル構成であってもよい、ことがわかる。
【0038】
好ましい実施形態において、第1のレンズ20と第2のレンズ50は離間して設置されても密着して設置されてもよく、第2のレンズ50はさらに第1のレンズ20と接着して接続されてもよいことがわかり、他の実施形態において、第2のレンズ50が第1のレンズ20と表示ユニット10との間に設けられた場合、第2のレンズ50の表示ユニット10に近い側の表面が表示ユニット10と接着して接続され、第2のレンズ50の第1のレンズ20に近い側が第1のレンズ20と接着して接続される。
【0039】
選択的な実施形態において、光学システムは、偏光リフレクター40と表示ユニット10の一側に設けられた偏光板をさらに含む。具体的に、表示ユニット10より発光した光線が屈折反射して第2の線偏光に変換した場合、第2の線偏光が偏光リフレクター40を経由してから、第2の線偏光の偏光純度を向上させるために、偏光リフレクター40の表示ユニット10から離れた側に偏光板を設け、偏光板の偏光方向と第2の線偏光の偏光方向が同じであり、よって、第2の線偏光におけるその他の偏光方向の迷光を遮光して、第2の線偏光の偏光純度を向上させることができる。
【0040】
[実施例1]
実施例1において、光学システムの設計データは表1に示す通りである。
【表1】
【0041】
その中で、第1の表面21は非球面構成であり、但し、A4、A6、A8、A10、A12は非球面レンズの高次係数であり、具体的に表2に示す通りである。
【表2】
【0042】
その中で、A4、A6、A8、及びA10は非球面の偶数次のコーニック係数を示すものである。
【0043】
その中で、第の表面21は偶数次の非球面構成であり、偶数次の非球面は関係式:
【数1】
を満たす。ただし、Yは鏡面の中心の高さであり、Zは非球面構成の光軸方向に沿って高さがYの位置で、表面の頂点を参考に光軸からの変位値であり、Cは非球面の頂点の曲率半径であり、Kはコーニック係数であり、αiは第i次の非球面係数を示す。
【0044】
他の実施例において、第2の表面22は奇数次の非球面構成であってもよく、その中で、奇数次の非球面は関係式:
【数2】
を満たす。ただし、Yは鏡面の中心の高さであり、Zは非球面構成の光軸方向に沿って高さがYの位置で、表面の頂点を参考に光軸からの変位値であり、Cは非球面の頂点の曲率半径であり、Kはコーニック係数であり、βiは第i次の非球面係数を示す。
【0045】
図2を参照すると、図2は実施例1のスポットダイアグラムであり、その中で、スポットダイアグラムは1点から発光した複数の光線が光学システムを経由してから、一定した範囲に散布された1つの拡散パターンを形成し、投影光学システムの像形成の質量を評価するために用いる。実施例1において、スポットダイアグラムにおける像点の最大値と最大視野が対応し、スポットダイアグラムにおける像点の最大値は80μmより小さい。
【0046】
図3を参照すると、図3は実施例1の像面湾曲と光学歪曲図であり、その中で、像面湾曲は異なる視野点のビーム像点が像面から離れた位置の変化を示すために用い、光学歪曲はある視野の主波長時の主光線と像面の交点が理想の像点から離れた垂軸距離を示し、実施例1において、接線面及びサジタル面の視野はいずれも±2mmより小さく、かつ、接線面とサジタル面の最大視野の差異が1mmより小さく、その中で、最大歪曲は最大視野であり、最大歪曲<32.4%である。
【0047】
図4を参照すると、図4は実施例1の垂軸色収差図であり、その中で、垂軸色収差は倍率色収差とも称し、主に、物側の1つの多色主光線が、屈折システムに分散が存在するため、像側で出射するとき複数の光線になり、水素青色光と水素赤色光の像面における焦点の位置の差値を示し、実施例1において、光学システムの最大分散が光学システムの視野の最大位置であり、光学システムの最大色収差値が198μmより小さく、後期のソフトウェア補正に配合して、ユーザの需要を満たすことができる。
【0048】
実施例1において、光学システムは、全長が24mmより小さく、かつ、最大視野角度が100度以上であり、よって、鮮明な画像形成の可能性を保証し、ユーザの視聴体験を満たす前提で、折り畳み光路の形式によって光学システムの体積を減少し、よって仮想現実装置の体積と重量を減少し、ユーザの使用体験を改善している。
【0049】
本発明はさらに仮想現実装置を提供し、仮想現実装置は上記した任意の実施形態に記述された光学システムを含み、当該光学システムの具体的な構成は上記した実施例を参照し、当該光学システムが上記した全実施例のすべてのソリューションを採用しているため、少なくとも上記した実施例のソリューションがもたらすすべての有益な効果を有し、ここでは説明を省略する。
【0050】
以上の記述はただ本発明の好ましい実施例であり、本発明の特許の範囲を限定するのではなく、本発明の構成において、本発明の明細書及び図面の内容を利用して出来上がった等価的な構成の変換、又は直接/間接的にその他の相関した技術分野に適用することはいずれも本発明の特許の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10 表示ユニット
20 第1のレンズ
21 第1の表面
22 第2の表面
30 第1の位相遅延器
40 偏光リフレクター
50 第2のレンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9