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特許7503701試料の分析のための医用診断デバイスおよびシステムにおいて用いるためのアセンブリ
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  • 特許-試料の分析のための医用診断デバイスおよびシステムにおいて用いるためのアセンブリ 図1
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  • 特許-試料の分析のための医用診断デバイスおよびシステムにおいて用いるためのアセンブリ 図6B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】試料の分析のための医用診断デバイスおよびシステムにおいて用いるためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
G01N35/04 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023500261
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 US2021039547
(87)【国際公開番号】W WO2022010693
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】63/048,398
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】モハメッド・アルファン
(72)【発明者】
【氏名】サディパ・バッタチャリヤ
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-510131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたはそれ以上の試料の分析のために構成された医用診断デバイスにおいて用いるためのアセンブリであって:
1つまたはそれ以上の試料を保持するように構成された少なくとも1つの試料トレイと;
少なくとも1つの試料トレイに結合され、較正マーカを保持するように構成される、少なくとも1つの保持ユニットと;
1つまたはそれ以上の試料の1つまたはそれ以上の画像を取り込むように構成された撮影ユニットと;
光源を含み、1つまたはそれ以上の試料を照明するように構成された照明ユニットと;を含み、
ここで、少なくとも1つの試料トレイおよび少なくとも1つの保持ユニットは、同じ平面内に配置され;
少なくとも1つの試料トレイは、医用診断デバイスが配置される表面の平面に平行な平面において、突出することができ;
少なくとも1つの試料トレイが突出されているとき、少なくとも1つの保持ユニットは撮影ユニットの視野内に入
試料トレイの閉鎖により、1つまたはそれ以上の試料が撮影ユニットの視野内に現れる、
前記アセンブリ。
【請求項2】
ケースユニットを更に含み、
前記少なくとも1つの保持ユニットは、前記ケースユニット内に巻回可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの試料トレイの突出により、巻回可能な前記少なくとも1つの保持ユニットが、前記ケースユニットから巻き出される、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ケースユニットの開口部に配置された植毛アタッチメントを更に含む、請求項2ま
たは3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの試料トレイの突出および前記少なくとも1つの保持ユニットの動きを実行するために前記少なくとも1つの試料トレイおよび前記少なくとも1つの保持ユニットに結合された1つまたはそれ以上の電動ギアを更に含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記撮影ユニットは、前記少なくとも1つの試料トレイおよび前記少なくとも1つの保持ユニットの平面に垂直な平面に位置する、請求項1~5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの試料トレイが前記撮影ユニットの視野内に入るとき、前記少なくとも1つの試料トレイ上の1つまたはそれ以上の試料が前記光源によって照明される、請求項1~6のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
1つまたはそれ以上の試料の分析のための医用診断デバイスであって:
請求項1~7のいずれか1項に記載のアセンブリと
つまたはそれ以上の試料を分析するように構成された分析器ユニットと;
処理ユニットと;
処理ユニットに結合されたメモリと、
を含み、該メモリはモジュールを含み、該モジュールは、少なくとも1つの試料トレイが突出されるとき、少なくとも1つの保持ユニットが撮影ユニットの視野内に入るように医用診断デバイス内の少なくとも1つの試料トレイの突出を行うように構成される、前記医用診断デバイス。
【請求項9】
1つまたはそれ以上の試料の分析のためのシステムであって:
1つまたはそれ以上のサーバと;
該1つまたはそれ以上のサーバに通信可能に結合された、請求項8に記載の医用診断デバイスと、
を含み、1つまたはそれ以上のサーバはコンピュータ可読命令を含み、該コンピュータ可読命令は、1つまたはそれ以上のサーバによって実行されると、少なくとも1つの試料トレイが突出されるとき、少なくとも1つの保持ユニットが医用診断デバイス内の撮影ユニットの視野内に入るように、1つまたはそれ以上のサーバに、医用診断デバイスにおける少なくとも1つの試料トレイの突出を実行させる、前記システム。
【請求項10】
サーバによって実行されると、少なくとも1つの試料トレイが突出されるとき、少なくとも1つの保持ユニットが、請求項8に記載の医用診断デバイス内の撮影ユニットの視野内に入るように、サーバに、医用診断デバイスにおける少なくとも1つの試料トレイの突出を実行させることを含む機械可読命令が記憶された、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月6日に出願された米国仮特許出願第63/048、398号の、米国特許法第119条(e)項の下での利益を主張する。上記で参照した特許出願の内容全体が参照によって本明細書に明示的に組み入れられる。
【0002】
本開示は、試料の分析のための医用診断デバイスおよびシステムの分野に関し、より詳細には、試料の分析のために医用診断デバイスおよびシステムにおいて用いるためのアセンブリの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
疾患の効率的で正確な診断が必要とされている。医用診断デバイスは、個人の疾患の存否を識別するために、所与の試料の分析を可能にする。医用診断デバイスが正しく機能するために、医用デバイスの較正が不可欠である。較正は、医用デバイスから得られる結果の信頼性を確保する。医用診断デバイス、特にバイオアナライザは、大部分が比色分析であり、したがって、バイオアナライザによって実行される試験から得られた色が結果の解釈に用いられる。そのような医用診断デバイスでは、試験される試料のこぼれや跳ねにより、医用デバイスが汚染し、結果の正確性を妨害し、または妨げる可能性があるため、較正ユニットの配置が重要である。加えて、医用診断デバイスは嵩張る場合があり、収納のための広い空間を必要とする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、較正ユニットが手を触れられず、清浄、無損傷のままの状態で較正ユニットを配置することができる医用診断デバイスが必要とされている。加えて、より小さな設置面積を有する医用診断デバイスを有することも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つまたはそれ以上の試料の分析のための医用診断デバイスにおいて用いるためのアセンブリが開示される。1つの態様では、アセンブリは、少なくとも1つの伸縮式試料トレイを含み、試料トレイは、1つまたはそれ以上の試料を保持するように構成することができる。アセンブリは、カラーチェッカカードを保持するように構成された少なくとも1つの保持ユニットを更に含む。少なくとも1つの保持ユニットは、少なくとも1つの伸縮式試料トレイに結合することができる。特に、少なくとも1つの試料トレイおよび少なくとも1つの保持ユニットは、少なくとも1つの試料トレイが伸長されるとき、少なくとも1つの保持ユニットが撮影ユニットの視野内に入るように同じ平面内に配置される。
【0006】
別の態様では、1つまたはそれ以上の試料の分析のための医用診断デバイスが開示される。医用診断デバイスは、医用診断デバイスにおいて用いるためのアセンブリと、1つまたはそれ以上の試料の1つまたはそれ以上の画像を取り込むように構成された撮影ユニットと、1つまたはそれ以上の試料を照明するように構成された照明ユニットと、1つまたはそれ以上の試料を分析するように構成された分析器ユニットとを含む。医用診断デバイスは、処理ユニットと、処理ユニットに結合されたメモリとを更に含む。加えて、メモリは、医用診断デバイスにおいて少なくとも1つの試料トレイの伸長を行うように構成することができるモジュールを含む。更に、少なくとも1つの伸縮式試料トレイが伸長されているとき、少なくとも1つの保持ユニットは撮影ユニットの視野内に入る。
【0007】
更に別の態様では、1つまたはそれ以上の試料の分析のためのシステムが開示される。システムは、請求項8に記載の1つまたはそれ以上のサーバおよび医用診断デバイスを含む。医用診断デバイスは、1つまたはそれ以上のサーバと通信可能に結合することができる。1つまたはそれ以上のサーバは、1つまたはそれ以上のサーバによって実行されると、少なくとも1つの伸縮式試料トレイが伸長されるとき、少なくとも1つの保持ユニットが医用診断デバイス内の撮影ユニットの視野内に入るように、1つまたはそれ以上のサーバに、医用診断デバイスにおける少なくとも1つの伸縮式試料トレイの伸長を実行させるコンピュータ可読命令を含むことができる。
【0008】
別の態様では、少なくとも1つの試料トレイが伸長されるとき、少なくとも1つの保持ユニットが医用診断デバイス内の撮影ユニットの視野内に入るように、医用診断デバイスにおける少なくとも1つの試料トレイの伸長を実行するための機械可読命令を有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体が開示される。
【0009】
本発明の概要は、以下の説明において更に後述される概念の抜粋を簡略化された形態で紹介するために提供される。これは、特許請求される主題の構成または本質的な構成を特定することを意図したものではない。更に、特許請求される主題は、本開示の任意の部分に示されるありとあらゆる不利点を解決する実施態様に限定されるものではない。
【0010】
添付の図面に示す例示の実施形態を参照して本発明を以下に更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態による、実世界オブジェクトの異なる部分を表すコンポーネントの形状モデリングを提供するクライアントサーバアーキテクチャのブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のための医用診断デバイスのブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のための医用診断デバイスのブロック図である。
図4A】本発明の第1の実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のために、医用診断デバイスにおいて用いるためのアセンブリの上面図である。
図4B】本発明の第1の実施形態による、医用診断デバイスにおいて用いるためのアセンブリの側面図である。
図5】本発明の第2の実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のために、医用診断デバイスにおいて用いるためのアセンブリである。
図6A】本発明の第3の実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のために、医用診断デバイスにおいて用いるためのアセンブリの複数の図である。
図6B】本発明の第3の実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のために、医用診断デバイスにおいて用いるためのアセンブリの複数の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これより、本発明を実行するための実施形態を詳細に説明する。様々な実施形態が図面を参照して説明され、類似の参照符号は、全体を通じて類似の要素を指すのに用いられる。以下の記述では、説明を目的として、1つまたはそれ以上の実施形態についての完全な理解をもたらすように多数の特定の詳細が示されている。そのような実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施できることが明らかであろう。他の事例において、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にすることを防ぐために、よく知られている材料または方法は詳細には記載されていない。本開示は、様々な変更および代替形式を受け入れる余地があるが、その特定の実施形態を、例として図に示し、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示を、開示される特定の形態に限定することは意図されておらず、それどころか、本開示は、本開示の趣旨および範囲内に入る全ての変更、等価物および代替形態を包含するものである。
【0013】
図1は、一実施形態による、実世界オブジェクトの異なる部分を表すコンポーネントの形状モデリングであるクライアントサーバアーキテクチャのブロック図の説明を提供する。クライアント-サーバアーキテクチャ100は、サーバ101と、複数のクライアントデバイス107.1~107.2とを含む。クライアントデバイス107.1~107.2の各々は、ネットワーク106、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、Wi-Fi等を介してサーバ101に接続されている。1つの実施形態では、サーバ101は、クラウドコンピューティング環境において展開される。本明細書において用いられるとき、「クラウドコンピューティング環境」は、構成可能なコンピューティング物理および論理リソース、例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービス等、ならびにネットワーク106、例えばインターネットを介して配信されるデータを含む処理環境を指す。クラウドコンピューティング環境は、構成可能なコンピューティング物理および論理リソースの共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを提供する。サーバ101は、1つまたはそれ以上の試料の取り込まれた画像を含むデータベース102を含むことができる。サーバ101は、医用診断デバイスにおいて少なくとも1つの試料トレイの伸長を行うように構成することができるモジュール103を含むことができる。加えて、サーバ101は、ネットワーク105を介してクライアントデバイス107.1~107.2と通信するためのネットワークインタフェース104を含むことができる。
【0014】
クライアントデバイス107.1~107.2は、1つまたはそれ以上の試料を分析するための医療診断デバイス107.1を含む。デバイス107.1は、1つまたはそれ以上の試料を分析し、1つまたはそれ以上の試料の画像を取り込むように構成することができる。そのような画像は、ネットワークインタフェースを介してサーバ101に送信することができる。クライアントデバイス107.1~107.2は、ユーザによって用いられるユーザデバイス107.2も含む。一実施形態では、ユーザによって、ユーザデバイス107.2を用いて、医用診断デバイス107.1から1つまたはそれ以上の情報を受信することができる。1つまたはそれ以上の情報は、ユーザによって、ユーザデバイス107.2上のエンドユーザウェブアプリケーションのグラフィックユーザインタフェースを介してアクセスすることができる。
【0015】
図2は、例えば、図2に記載のプロセスを実行するように構成された1つまたはそれ以上の試料の分析のためのシステムとして実施形態を実施することができるシステム200のブロック図である。サーバ101は、図2におけるシステムの例示的な実施態様であることが理解される。図2において、システム200は、処理ユニット201と、メモリ202と、記憶ユニット203と、入力ユニット204と、出力ユニット205と、ネットワークインタフェース104と、標準インタフェースまたはバス206とを含む。代替として、システム200は、コンピュータの実際のまたは仮想のグループとすることができる(コンピュータの実際のグループの技術用語は「クラスタ」であり、コンピュータの仮想グループの技術用語は「クラウド」である)。
【0016】
本明細書において用いられるとき、処理ユニット201は、限定ではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティングマイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティングマイクロプロセッサ、超長命令語マイクロプロセッサ、明示的並列命令コンピューティングマイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサまたは任意の他のタイプの処理回路等の任意のタイプの計算回路を意味する。処理ユニット201は、汎用またはプログラム可能論理デバイスまたはアレイ、特定用途向け集積回路、シングルチップコンピュータ等のような内蔵型コントローラも含むことができる。通常、処理ユニット201は、ハードウェア要素およびソフトウェア要素を含むことができる。処理ユニット201は、マルチスレッディングのために構成することができ、すなわち、処理ユニット201は、異なる計算プロセスを同時にホスティングし、アクティブ計算プロセスおよびパッシブ計算プロセスを並列にまたは切り替えて実行することができる。
【0017】
メモリ202は揮発性メモリおよび不揮発性メモリとすることができる。メモリ202は処理ユニット201と通信のために結合することができる。処理ユニット201は、メモリ202に記憶された命令および/またはコードを実行することができる。多岐にわたるコンピュータ可読記憶媒体をメモリに格納し、メモリ202からアクセスすることができる。メモリ202は、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ、電気的に消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ、ハードドライブ、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ディスケット、磁気テープカートリッジ、メモリカード等を扱うためのリムーバブルメディアドライブ等、データおよび機械可読命令を記憶するための任意の好適な要素を含むことができる。本実施形態において、メモリ202は、上述した記憶媒体のいずれかに機械可読命令の形態で記憶されたモジュール103を含み、処理ユニット201と通信し、処理ユニット201によって実行することができる。処理ユニット201によって実行されるとき、モジュール103は、処理ユニット201に、医用診断デバイス107.1における少なくとも1つの試料トレイの伸長を実行させる。
【0018】
記憶ユニット203は、データベース102を記憶する非一時的な記憶媒体とすることができる。データベース102は、医用診断デバイス107.1によって分析される1つまたはそれ以上の試料に関連付けられた画像および他の関連情報のリポジトリである。入力ユニット204は、入力信号を受信することが可能なキーパッド、タッチセンサー式ディスプレイ、カメラ等の入力手段を含むことができる。バス206は、処理ユニット201、メモリ202、記憶ユニット203、通信インタフェース107、入力ユニット204、および出力ユニット205の間の相互接続部として機能する。
【0019】
当業者であれば、図2に示すハードウェアが、個々の実現形態によって変化する場合があることを理解するであろう。例えば、光ディスクドライブなど、ローカルエリアネットワーク(LAN)/ワイドエリアネットワーク(WAN)/無線(例えば、Wi-Fi)アダプタ、グラフィックアダプタ、ディスクコントローラ、入出力(I/O)アダプタ、ネットワーク接続デバイス等の他の周辺デバイスも、示したハードウェアに加えてまたはこれらに代えて用いることができる。示した例は、説明のためだけに提供されるものであり、本開示に関するアーキテクチャを限定することを意味するものではない。
【0020】
本開示の実施形態によるシステムは、グラフィカルユーザインタフェースを採用するオペレーティングシステムを含む。オペレーティングシステムは、グラフィカルユーザインタフェースに複数の表示ウィンドウが同時に提示されることを可能にし、各表示ウィンドウは、異なるアプリケーションまたは同じアプリケーションの異なるインスタンスへのインタフェースを提供する。グラフィカルユーザインタフェース内のカーソルは、ポインティングデバイスを通じてユーザによって操作することができる。望ましい応答を引き起こすために、カーソルの位置を変更することができ、および/またはマウスボタンのクリック等のイベントを発生させることができる。
【0021】
市販されている様々なオペレーティングシステムの1つ、例えば、Microsoft Corporation(ワシントン州レッドモンド)の製品であるMicrosoft Windows(商標)のバージョン等を、適切に修正されていれば、採用することができる。オペレーティングシステムは、記述するような本開示に従って修正または作成される。
【0022】
本発明は、特定のコンピュータシステムプラットフォーム、処理ユニット、オペレーティングシステムまたはネットワークに限定されない。本発明の1つまたはそれ以上の態様は、1つまたはそれ以上のコンピュータシステム間で、例えば、1つまたはそれ以上のサービスを1つまたはそれ以上のクライアントコンピュータに提供するかまたは分散システムにおいて全体タスクを実行するように構成されたサーバ間で分散することができる。例えば、本発明の1つまたはそれ以上の態様は、様々な実施形態に従って複数の機能を実行する1つまたはそれ以上のサーバシステム間で分散される複数の構成要素を有するクライアントサーバシステムにおいて実行することができる。これらの構成要素は、例えば、通信プロトコルを用いてネットワークを通じて通信する実行可能コード、中間コードまたはインタプリタコードを含む。本発明は、任意の特定のシステムまたはシステムのグループにおいて実行可能であるようには限定されておらず、また任意の特定の分散アーキテクチャ、ネットワーク、または通信プロトコルに限定されていない。
【0023】
図3は、一実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のための医用診断デバイス107.1のブロック図を示す。デバイス107.1は、医用診断デバイス107.1に関連付けられた1つまたはそれ以上の構成要素を保持する筐体301を含むことができる。筐体301における1つまたはそれ以上の構成要素は、1つまたはそれ以上の構成要素のアセンブリを含むことができる。アセンブリは、1つまたはそれ以上の試料を保持するように構成された少なくとも1つの伸縮式試料トレイ302と、較正マーカを保持するように構成された少なくとも1つの保持ユニット303と、照明ユニット305と、撮影ユニット304と、分析器ユニット306とを含む。1つまたはそれ以上の試料は、例えば、尿検査カセットとすることができる。伸縮式試料トレイ302は、トリガを受信すると、医用診断デバイス107.1の筐体の外に突出するかまたは伸長することができる。トリガは、例えば、手動とするか、または医用診断デバイス107.1に関連付けられた処理ユニットから受信される信号とすることができる。手動トリガは、例えば、伸縮式試料トレイ302の伸長をトリガするように構成された医用診断デバイス107.1上の1つまたはそれ以上のボタンを押すことによって提供することができる。一実施形態において、伸縮式試料トレイ302のそのような伸長または突出は、医用診断デバイス107.1が配置される表面の平面に平行な平面において行うことができる。少なくとも1つの保持ユニット303は、伸縮式試料トレイ302の伸長により、少なくとも1つの保持ユニット303が撮影ユニット304の視野内に入るように伸縮式試料トレイ302に結合することができる。一実施形態では、伸縮式試料トレイ302は、1つまたはそれ以上の試料の平均幅に比例する幅を有することができる。伸縮式試料トレイ302の長さは、例えば、15cm~20cmの範囲をとることができる。
【0024】
更なる分析のために1つまたはそれ以上の試料を受けるように構成された伸縮式試料トレイ302の表面上に、1つまたはそれ以上のマーキングが存在することができる。1つまたはそれ以上のマーキングは、更なる分析のために1つまたはそれ以上の試料が配置されることになる伸縮式試料トレイ302上の位置のインジケーションとすることができる。したがって、1つまたはそれ以上の試料が1つまたはそれ以上のマーキング上に配置されるとき、伸縮式試料トレイ302の閉鎖により、1つまたはそれ以上の試料が撮影ユニット304の視野内に現れる。更なる実施形態において、伸縮式試料トレイ302は、1つまたはそれ以上の試料を伸縮式試料トレイ302の表面に固定するための1つまたはそれ以上の配置を有することができる。1つまたはそれ以上の試料を伸縮式試料トレイ302の表面に固定することにより、1つまたはそれ以上の試料が指定のエリアから離れて動くこと、またはアセンブリ上にこぼれることを防ぐことができる。撮影ユニット304の視野内に入ると、1つまたはそれ以上の試料は、医用診断デバイス107.1における照明ユニット305を用いて照明することができる。照明ユニット305は、1つまたはそれ以上の試料の効率的な分析のために1つまたはそれ以上の試料を均一に照明することができる。照明ユニット305は、例えば、所定の強度および波長の光を生成することが可能な1つまたはそれ以上のLED電球を含むことができる。
【0025】
一実施形態では、少なくとも1つの保持ユニット303は、較正マーカを保持するためのレセプタクルを含むことができる。較正マーカは、例えば、カラーチェッカカードを含むことができる。カラーチェッカカードは、医用診断デバイス107.1の較正を実行するために用いることができる。少なくとも1つの保持ユニット303は、伸縮式試料トレイ302と同じ平面内に位置することができる。少なくとも1つの保持ユニット303におけるレセプタクルは、較正マーカを配置することができる刻み目とすることができる。レセプタクルのサイズは、較正マーカのサイズに比例することができる。代替的な実施形態では、レセプタクルは、複数の較正マーカを保持することが可能である場合がある。別の実施形態では、保持ユニット303は、伸縮式試料トレイ302の一部とすることができる。更なる実施形態では、少なくとも1つの保持ユニット303は、試料がこぼれたことに起因して、1つまたはそれ以上の試料の任意の部分が較正マーカと接触することを防ぐ配置を有することができる。配置は、試料が較正マーカと接触することを防ぐことができる疎水性物質の層化を含むことができる。代替的に、較正マーカとの1つまたはそれ以上の試料接触を防ぐことができる植毛アタッチメントが保持ユニットの入口に位置することができる。
【0026】
撮影ユニット304は、少なくとも1つの伸縮式試料トレイ302および少なくとも1つの保持ユニット303の平面に垂直な平面内に位置することができる。撮影ユニット304は、少なくとも1つの保持ユニット303上の伸縮式試料トレイ302または較正マーカ上の1つまたはそれ以上の試料が、完全に撮影ユニット304の視野内にあるように位置することができる。撮影ユニット304は、1つまたはそれ以上の試料の画像を取り込むように構成された撮像レンズおよび撮像センサーを含むことができる。撮像センサーは、例えば、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)とすることができる。更なる実施形態では、撮影ユニット304によって取り込まれる画像は、分析器ユニット306によって分析することができる。分析器ユニット306は、1つまたはそれ以上の試料に関連付けられた1つまたはそれ以上の色を分析するように構成することができる。
【0027】
図4Aおよび図4Bはそれぞれ、第1の実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のために、医用診断デバイス107.1において用いるためのアセンブリ415、420の上面図および側面図を示す。本実施形態では、伸縮式試料トレイ401は、片側において電動ギア402に結合される。電動ギア402は、例えば、平歯車とすることができる。ラックギア403、405は、伸縮式試料トレイ401の両側に、すなわちその高さに沿って、伸縮式試料トレイ401に取り付けることができる。電動平歯車402は、電動平歯車402の歯が、伸縮式試料トレイ401に取り付けられたラックギア403の少なくとも1つのスロットに嵌まるように、伸縮式試料トレイ401に結合することができる。したがって、ラックピニオンギアのセットアップが達成される。伸縮式試料トレイ401は、電動平歯車402の反対側で非電動ギア404に結合することができる。非電動ギア404は、非電動ギア404の歯がラックギア405のスロットに嵌まるように伸縮式試料トレイ401に取り付けられたラックギア405と類似の配置を有することができる。非電動ギア404は、伸長アーム406に更に結合することができる。伸長アーム406は、較正マーカ409を保持する少なくとも1つの保持ユニット407に接続される。一実施形態では、電動平歯車402が時計回りに回るとき、非電動ギア404は反時計回りに回り、逆もまた同様である。したがって、例えば、アセンブリ420に示すように、電動平歯車402が半時計回りに回転するとき、伸縮式試料トレイ401は、医用診断デバイス107.1の外に伸長する。加えて、伸縮式試料トレイ401の伸長により、非電動ギア404が時計回りに回転する。このため、非電動ギア404に取り付けられた伸長アーム406は時計回りに動き、それによって、少なくとも1つの保持ユニット407が、伸縮式試料トレイ401に垂直な平面に配置することができる撮影ユニット410の視野408内に入る。電動平歯車402の時計回りの回転により、伸縮式試料トレイ401が医用診断デバイス107.1内に後退する。加えて、非電動ギア404が反時計周りに回転し、それによって、少なくとも1つの保持ユニット407に接続された伸長アーム406が撮影ユニット410の視野から離れて動く。
【0028】
図5は、1つまたはそれ以上の試料の分析のために医用診断デバイス107.1を用いるためのアセンブリの更に別の実施形態を示す。実施形態では、デバイス107.1の筐体501において、少なくとも1つの保持ユニット502が伸縮式試料トレイ503と接続される。したがって、少なくとも1つの保持ユニット502は、伸縮式試料トレイ503と同じ平面内にある。少なくとも1つの保持ユニット502は、伸縮式試料トレイ503が伸長されるとき、少なくとも1つの保持ユニット502が医用診断デバイス107.1の撮影ユニット505の視野504内に現れるように伸縮式試料トレイ503の一端に取り付けられる。撮影ユニット505は、分析器ユニット507に通信可能に結合することができる。更なる実施形態では、少なくとも1つの保持ユニット502は、コイルになるように巻回可能である。保持ユニット502は、巻かれた後、伸縮式試料トレイ503が伸長されるとき、保持ユニット502がケースユニット506から巻き出されるように、ケースユニット506内に配置することができる。保持ユニット502は、保持ユニット502の巻きを行うことができるように、可鍛性材料から作ることができる。例えば、保持ユニット502は巻回可能であるが、巻かれていないときは安定した形状を維持することができる合成ポリマー材料から作ることができる。例えば、保持ユニット502は、シリカファイバ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等から構成することができる。較正マーカは、保持ユニット502が撮影ユニット505の視野内にあるときに撮影ユニット505に面することができる保持ユニット502の表面上に埋め込むかまたは固定することができる。したがって、保持ユニット502の巻上げにより、ケースユニット506内へ較正マーカも巻上げられる。一実施形態では、ケースユニット506は開口部を有することができ、この開口部を通じて、保持ユニット502がローラユニットに入り、ローラユニットに径方向に巻き付く。保持ユニット502は、保持ユニット502の巻上げおよび繰出しを行うことができるようにローラユニットと係合可能とすることができる。一実施形態では、ケースユニット506内のローラユニットは、モータを使用して制御することができる。ケースユニット506の開口部は、保持ユニット502がケースユニット506内に巻かれる前に保持ユニット502を拭くことを可能にすることができる、植毛アタッチメント508を有することができる。植毛アタッチメント508は、ケースユニット506から繰り出されているとき、保持ユニット502を拭くこともできる。有利には、保持ユニット502上に存在する場合がある任意の塵は、植毛アタッチメント508によって除去される。
【0029】
図6Aおよび図6Bはそれぞれ、別の実施形態による、1つまたはそれ以上の試料の分析のために、医用診断デバイス107.1において用いるためのアセンブリの複数の図を示す。医用診断デバイス107.1は、互いに同じ平面内で一直線になった伸縮式試料トレイ601および少なくとも1つの保持ユニット602を含む。伸縮式試料トレイ601は、伸縮式試料トレイ601の伸長により、少なくとも1つの保持ユニット602が撮影ユニットの視野内に入るように少なくとも1つの保持ユニット602に結合される。少なくとも1つの保持ユニット602の上側表面は較正マーカ603を保持する。したがって、所与の時点において、伸縮式試料トレイ601または少なくとも1つの保持ユニット602のいずれかが撮影ユニットの視野内にある。図において、撮影ユニットは、伸縮式試料トレイ601および結合された保持ユニット602の上方に配置されたハウジング604内に存在する。実施形態では、アセンブリ610、620、630、640に示すように、トリガ時に、伸縮式試料トレイ601は、医用診断デバイス107.1内のスロットから出て伸長する。伸縮式試料トレイ601の伸長時に、少なくとも1つの保持ユニット602が撮影ユニットの視野内に入る。伸縮式試料トレイ601を医用診断デバイス107.1内に後退させることにより、アセンブリ610に示すように、伸縮式試料トレイ601は、少なくとも1つの保持ユニット602を撮影ユニットの視野から離して動かしながら、撮影ユニットの視野内に入る。スロット605は、伸縮式試料トレイ601および少なくとも1つの保持ユニット602を分離させることができる。更なる実施形態では、撮影ユニットの視野からの伸縮式試料トレイ601および少なくとも1つの保持ユニット602の伸長および後退をモータによって実行することができる。そのようなモータは、伸縮式試料トレイ601および/または少なくとも1つの保持ユニット602に結合することができる。
【0030】
本発明の利点は、検査室設定において医用診断デバイス107.1の全体設置面積が低減されることである。したがって、医用診断デバイス107.1は、より少ない空間を占有する。加えて、伸縮式試料トレイおよび保持ユニットは、保持ユニットが、伸縮式試料トレイ上に配置された1つまたはそれ以上の試料の画像取得中に視野をブロックすることができないように配置することができる。更に、伸縮式試料トレイおよび保持ユニットの動きが自動化されるため、デバイスを手動で扱い、手動で較正する必要性がなくなる。したがって、1つまたはそれ以上の試料の結果の事後解析の正確性が維持される。加えて、植毛アタッチメントの存在により、こぼれた試料が較正マーカと接触することが回避される。したがって、システムの任意の汚染が回避される。
【0031】
上述の実施例は、単に説明を目的として提供されており、本明細書に開示されている本発明を限定するものとは解釈されない。様々な実施形態を参照して本発明を説明したが、本明細書において用いられた表現は、限定の表現ではなく、むしろ記述および説明の表現であることを理解されたい。更に、本明細書では本発明を特定の手段、材料および実施形態を参照して説明したが、本発明は、本明細書に開示された特定事項に限定されることを意図しておらず;むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲にあるような機能的に等価な全ての構造、方法および使用に適用される。当業者は、この明細書の教示を享受すれば、本発明の態様において、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、これらに対する数多くの修正を行い、または変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B