(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】膨張可能な筋肉ポリマーを含む医療装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/08 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A61B18/08
(21)【出願番号】P 2023516087
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(86)【国際出願番号】 US2020050301
(87)【国際公開番号】W WO2022055491
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ハッファー,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ,ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】ライト,マーク・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】アラード・ロンダ
(72)【発明者】
【氏名】ヘバート,ケイシー
【審査官】近藤 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-538932(JP,A)
【文献】特表2015-508015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱膨張可能要素によって組織をアブレーションするための医療装置であって、
細長い支持体と、
前記細長い支持体に固定された前記熱膨張可能要素と、
電源に接続された加熱素子であって、前記熱膨張可能要素を前記加熱素子により加熱し、これにより、前記熱膨張可能要素を、静止位置からアブレーションすべき前記組織により近接した膨張位置へと膨張させるように構成された加熱素子と
を備え
、
前記熱膨張可能要素が、筋肉ポリマーから作成された本体を備える、医療装置。
【請求項2】
前記筋肉ポリマーが、液体/気体相変化材料のマイクロバブルを含むエラストマーポリマーを備える、請求項
1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記エラストマーポリマーが、シリコーン、熱可塑性エラストマー、スチレン系樹脂、およびこれらの組合せからなるエラストマーポリマーの群から選択される、請求項
2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記液体/気体相変化材料が、エタノール、ブタノール、およびこれらの組合せからなる液体/気体相変化材料の群から選択される、請求項
2または3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記筋肉ポリマーがシリコーンエタノールである、請求項
1から
4のいずれかに記載の医療装置。
【請求項6】
前記細長い支持体が、内腔を含まないシャフトである、請求項1から
5のいずれかに記載の医療装置。
【請求項7】
前記細長い支持体が少なくとも1つの内腔を含むカテーテルである、請求項1から
5のいずれかに記載の医療装置。
【請求項8】
前記細長い支持体が近位端部および遠位端部を含む、請求項1から
7のいずれかに記載の医療装置。
【請求項9】
前記近位端部がハンドルを含む、請求項
8に記載の医療装置。
【請求項10】
前記加熱素子の動作を制御する作動装置をさらに含み、前記作動装置は、前記ハンドルに取り付けられている、請求項
9に記載の医療装置。
【請求項11】
前記作動装置が押しボタン、トグルスイッチ、摺動スイッチ、およびツイストノブからなる群から選択される、請求項
10に記載の医療装置。
【請求項12】
前記ハンドルが前記電源を収容する、請求項
9から
11のいずれかに記載の医療装置。
【請求項13】
前記ハンドルが、遠隔の電源に接続するように構成された電源コードに接続されている、請求項
9から
12のいずれかに記載の医療装置。
【請求項14】
前記ハンドルが薬剤送達ポートを含む、請求項
9から
13のいずれかに記載の医療装置。
【請求項15】
前記加熱素子が前記熱膨張可能要素に埋め込まれた抵抗ワイヤである、請求項1から
14のいずれかに記載の医療装置。
【請求項16】
前記抵抗ワイヤが前記細長い支持体を通って前記熱膨張可能要素へと延在する、請求項
15に記載の医療装置。
【請求項17】
前記抵抗ワイヤが、前記熱膨張可能要素の中の前記細長い支持体の外周の周りに延在する抵抗ワイヤのアレイを含む、請求項
16に記載の医療装置。
【請求項18】
前記本体が前記細長い支持体上に3-Dプリントされたスリーブである、請求項
1から
17のいずれかに記載の医療装置。
【請求項19】
前記本体が前記細長い支持体上に成形されたスリーブである、請求項
1から
18のいずれかに記載の医療装置。
【請求項20】
前記本体が前記細長い支持体の周りに延在する、請求項
1から
18のいずれかに記載の医療装置。
【請求項21】
前記細長い支持体の前記遠位端部にワイヤ接続キャップをさらに含む、請求項1から
20のいずれかに記載の医療装置。
【請求項22】
前記筋肉ポリマーに保持されたスコアリング要素をさらに含む、請求項
1から
21のいずれかに記載の医療装置。
【請求項23】
前記スコアリング要素が少なくとも1つのワイヤである、請求項
22に記載の医療装置。
【請求項24】
前記筋肉ポリマーが横方向に波形のプロファイルを有する、請求項
1から
23のいずれかに記載の医療装置。
【請求項25】
前記筋肉ポリマーが長手方向に波形のプロファイルを有する、請求項
1から
23のいずれかに記載の医療装置。
【請求項26】
前記筋肉ポリマーが、前記筋肉ポリマーの第1の長手方向端部から前記筋肉ポリマーの第2の長手方向端部へと延在する少なくとも1つの流れチャネルを含む、請求項
1から
25のいずれかに記載の医療装置。
【請求項27】
前記筋肉ポリマーの外側表面の上に断熱膜をさらに含む、請求項
1から
26のいずれかに記載の医療装置。
【請求項28】
前記断熱膜がシリコーンポリマーコーティングである、請求項
27に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は一般に医療装置に関し、より詳細には、細長い支持体と、筋肉ポリマーから作成された熱膨張可能要素とを含む医療装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0002]静脈瘤は、拡張および湾曲した静脈である。静脈瘤は一般に脚に見られるが、他の部位に発生する場合もある。静脈瘤は隆起し、普通は青色および/または紫色であり、したがってこの状態に罹患した多くの人にとって静脈瘤が美容上の懸念になる場合がある。
【0003】
[0003]一部の人においては、静脈瘤は、罹患した脚のひりつき、ズキズキ、かゆみ、および重い感覚を含むが必ずしもこれらに限定されない当惑させる症状に関連付けられる。
【0004】
[0004]一般に、静脈瘤は血流を心臓に適切に戻す能力が損なわれることに関連付けられ、血液が静脈内に蓄積して隆起を生じさせることがある。より具体的には、静脈瘤は漏出する弁を含み、これにより血液が下肢および足に向かって逆流する。罹患した静脈の内壁の静脈炎または炎症が生じる場合があり、凝血塊が形成される場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本開示は、細長い支持体と、筋肉ポリマーから作成された熱膨張可能要素とを組み込む新規かつ改善された医療装置に関する。この医療装置は、経皮的血管形成術(PTA)、および静脈瘤に関連付けられた組織のアブレーションを含むが必ずしもこれらに限定されない複数の異なる用途に有用である。
【0006】
[0006]本開示は、治療を受ける特定の患者の脈管構造に合わせてこの医療装置をカスタマイズする新規な方法にも関する。こうしたカスタマイズされた医療装置により、より効率的かつ効果的な医療が可能になる。
【0007】
[0007]本明細書に記載の目的および利益に従って、新規かつ改善された医療装置が提供される。本開示の1つの態様によれば、細長い支持体と、細長い支持体に保持された熱膨張可能要素とを備える医療装置が提供される。1つまたは複数の実施形態では、この医療装置は熱膨張可能要素に関連付けられた加熱素子をさらに含む。加熱素子が作動させられると、熱膨張可能要素は膨張して、収縮位置からアブレーションすべき組織により近接した膨張位置へと熱膨張可能要素を変位させる。この文書の目的では、術語「より近接した」は、アブレーションすべき組織との直接的な接触を含む。
【0008】
[0008]熱膨張可能要素は、筋肉ポリマー(muscle polymer)から作成された本体でもよい。この文書の目的では、「筋肉ポリマー」は、40~100℃の間の相変化温度を有する埋め込まれた液体/気体相変化材料のマイクロバブルを含むエラストマーポリマーを指す。1つまたは複数の実施形態では、筋肉ポリマーは40~60℃の間の相変化温度を有する。
【0009】
[0009]筋肉ポリマーのエラストマーポリマーは、シリコーン、熱可塑性エラストマー、スチレン系樹脂(styrenic)(TPE-S)、およびこれらの組合せからなるエラストマーポリマーの群から選択されてもよい。筋肉ポリマーの液体/気体相変化材料は、エタノール、ブタノール、およびこれらの組合せからなる液体/気体相変化材料の群から選択されてもよい。
【0010】
[0010]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、筋肉ポリマーはシリコーン-エタノールである。
【0011】
[0011]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、本体は細長い支持体上に3-Dプリントされたスリーブでもよい。この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、本体は細長い支持体上に成形されてもよい。この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、本体は細長い支持体の周りに360°延在する。
【0012】
[0012]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、細長い支持体は内腔のないシャフトである。この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、細長い支持体はカテーテルである。このカテーテルは、1つまたは複数の内腔を含んでもよい。こうした内腔は、(a)ガイドワイヤを受けるように、(b)治療すべきプラークもしくは組織への薬剤送達を可能にするように、または(c)任意の他の有用な目的で機能することができる。
【0013】
[0013]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、細長い支持体は近位端部および遠位端部を含む。この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、近位端部はハンドルを含む。
【0014】
[0014]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、ハンドルは加熱素子の動作を制御する作動装置を含む。作動装置は、押しボタン、トグルスイッチ、摺動スイッチ、およびツイストノブからなる群から選択されてもよい。
【0015】
[0015]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、ハンドルは加熱素子に給電するように構成された電源を収容する。この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、ハンドルは遠隔の電源に接続するように構成された電源コードを含む。この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、ハンドルは薬剤送達ポートを含む。
【0016】
[0016]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、加熱素子は熱膨張可能要素に少なくとも部分的に埋め込まれた抵抗ワイヤである。この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、抵抗ワイヤはハンドルから細長い支持体を通って熱膨張可能要素へと延在する。この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、抵抗ワイヤは、熱膨張可能要素の中の細長い支持体の外周の周りに延在する抵抗ワイヤのアレイを含む。
【0017】
[0017]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、ワイヤ接続キャップが細長い支持体の遠位端部に提供される。
【0018】
[0018]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、この医療装置は筋肉ポリマーに保持されたスコアリング要素をさらに含む。このスコアリング要素は少なくとも1つのワイヤを備えることができる。
【0019】
[0019]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、筋肉ポリマーは波形のプロファイル(換言すれば、輪郭)を有し、つまり交互になる溝部および隆起部を含む。波形のプロファイルは横方向でもよく長手方向でもよい。
【0020】
[0020]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、筋肉ポリマーは、筋肉ポリマーの第1の長手方向端部から筋肉ポリマーの第2の長手方向端部へと延在する少なくとも1つの流れチャネルを含む。静脈内で膨張させられたとき、こうした流れチャネルにより、膨張させられた筋肉ポリマーを通り越して血液が流れることが可能になる。
【0021】
[0021]この医療装置の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、この医療装置は筋肉ポリマーの外側表面の上に断熱膜をさらに含む。この断熱膜は、たとえばシリコーンポリマーコーティングを備えることができる。
【0022】
[0022]追加の態様によれば、患者の静脈内の組織をアブレーションするための新規かつ改善された方法が提供される。この方法は、(a)静脈内に細長い支持体を位置決めするステップと、(b)細長い支持体に保持された熱膨張可能要素に関連付けられた加熱素子を作動させるステップと、(c)加熱素子からの熱に応じて熱膨張可能要素を膨張させ、それによってアブレーションすべき組織により近接するように加熱素子を変位させるステップとを含む。
【0023】
[0023]この方法の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、この方法は(a)加熱素子を作動停止させるステップと、(b)加熱素子の冷却に応じて熱膨張可能要素を収縮させるステップとを含む。
【0024】
[0024]この方法の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、この方法は、静脈内で細長い支持体を再位置決めするステップを含む。
【0025】
[0025]この方法の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、この方法は、(a)加熱素子を再作動させるステップと、(b)再作動させられた加熱素子からの熱に応じて熱膨張可能要素を再膨張させ、それによってアブレーションすべき追加の組織により近接するように加熱素子を変位させるステップとを含む。
【0026】
[0026]この方法の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、この方法は、筋肉ポリマーから作成された本体を熱膨張可能要素として使用するステップを含む。
【0027】
[0027]この方法の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、加熱素子を作動させるステップは、熱膨張可能要素に埋め込まれた抵抗ワイヤに電流を送り出すステップを含む。
【0028】
[0028]この方法の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、この方法は、熱膨張可能要素のエラストマーポリマーに埋め込まれた液体/気体相変化材料のマイクロバブルを液体から気体への相変化を生じさせるのに十分な温度まで加熱することにより、熱膨張可能要素を膨張位置へと膨張させるステップを含む。
【0029】
[0029]この方法の多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、この方法は、熱膨張可能要素のエラストマーポリマーに埋め込まれた液体/気体相変化材料のマイクロバブルを気体から液体への相変化を生じさせるのに十分な温度まで冷却することにより、熱膨張可能要素を収縮位置へと収縮させるステップを含む。
【0030】
[0030]以下の説明では、静脈瘤に関連付けられる特に問題となる組織を含む組織をアブレーションし、冠状動脈性心疾患に関連付けられるプラークおよび病変を取り除くためのこの医療装置および関連する方法のいくつかの実施形態が示され、説明される。認識されるべきであるように、この医療装置および方法は他の異なる実施形態が可能であり、それらのいくつかの詳細は、特許請求の範囲に規定および説明されるようなこの医療装置および方法から逸脱しない限り、種々の側面における修正が可能である。したがって、図面および説明は限定的なものではなく例示的なものであるとみなされるべきである。
【0031】
[0031]本明細書に組み込まれ、本特許明細書の一部を形成する添付図面の図は、この医療装置および関連する方法のいくつかの態様を示し、説明と共にそのいくつかの原理を説明するように機能する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】[0032]第1の静止位置または収縮位置にある熱膨張可能要素または熱膨張可能本体を示す、組織を熱アブレーションするための新規かつ改善されたこの医療装置の長手方向部分断面図である。
【
図2】[0033]
図1の線2-2での横断面図である。
【
図3】[0034]
図1の線3-3での横断面図である。
【
図4】[0035]細長い本体の近位端部に提供されるこの医療装置のハンドルの考えられる1つの実施形態の詳細概略図である。
【
図5A】[0036]
図5Aは(a)静止位置または収縮位置にある筋肉ポリマーの本体の詳細概略図である。
【
図5B】
図5Bは(b)膨張位置にある筋肉ポリマーの本体の詳細概略図である。
【
図6A】[0037]
図6Aは、筋肉ポリマーの熱膨張可能要素または熱膨張可能本体が静止位置または収縮位置にある状態の、静脈瘤内の
図1のこの医療装置を示す横断面図である。
【
図6B】[0038]
図6Bは、
図6Aに類似しているが、アブレーションすべき組織にごく近接した膨張位置での筋肉ポリマーの熱膨張可能要素または熱膨張可能本体を示す図である。
【
図7】[0039]この医療装置の一代替実施形態の横断面図であり、細長い支持体は、
図1~
図6Bの実施形態に示された内腔のないシャフトではなくカテーテルである。
【
図8】[0040]筋肉ポリマーの熱膨張可能要素に保持されたスコアリング要素を含むこの医療装置の一代替実施形態の側面図である。
【
図9】[0041]
図8の線9-9に沿って取られた横断面図である。
【
図10】[0042]
図8の線10-10に沿って取られた横断面図である。
【
図11】[0043]長手方向に波形のプロファイルを有する筋肉ポリマーの熱膨張可能要素に形成された溝部に薬剤を送達するように構成された、この医療装置のさらに別の代替実施形態の側面図である。
【
図12】[0044]
図11の線12-12に沿って取られた横断面図である。
【
図13】[0045]筋肉ポリマーの熱膨張可能要素が横方向に波形のプロファイルを有する別の代替実施形態の断面図である。
【
図14】[0046]熱膨張可能要素の外側表面の上に断熱コーティングまたは断熱膜を含むこの医療装置の一実施形態を示す詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0047]図面は必ずしも比例関係または一定の縮尺で描かれていない。たとえば、はっきりさせるために、いくつかの要素の寸法が他の要素と比較して誇張されている場合があり、またはいくつかの物理的構成要素が1つの機能ブロックまたは要素に含まれている場合がある。さらに、場合によっては、対応する要素または類似の要素を示すために参照符号が図面中で繰り返されることがある。
【0034】
[0048]以下の詳細な説明では、開示される概念の徹底的な理解を可能にするために、多くの具体的な詳細が述べられる。開示されるこの医療装置および方法はこれらの具体的な詳細なしに実践されてもよいことが当業者には知られよう。他の場合、新規なこの医療装置および方法の他の詳細を曖昧にしないために、よく知られている方法、手順、構成要素、または構造体については詳細に説明されない場合がある。
【0035】
[0049]以下に提供される各図に関する説明は、そうでないことが言及されていない限りすべての実施形態に当てはまり、それぞれの実施形態に共通の特徴は、同様に示されかつ番号付けされている。
【0036】
[0050]ここで、冠状動脈性心疾患に関連付けられるプラークおよび病変の治療、ならびに静脈瘤に関連付けられる問題となる組織のアブレーションのために適応される、新規かつ改善された医療装置10の考えられる1つの実施形態を示す
図1~
図4を参照する。医療装置10は、概して(a)細長い支持体12と、(b)細長い支持体に保持された熱膨張可能要素14と、(c)熱膨張可能要素に関連付けられた加熱素子16とを含む。加熱素子16が作動させられると、熱膨張可能要素14は静止位置または収縮位置からアブレーションすべき組織により近接した膨張位置へと膨張する。
【0037】
[0051]
図1~
図4の実施形態では、細長い支持体12は内腔を含まないシャフトの形態をとる。
図7に示されている代替実施形態では、細長い支持体12は内腔20を囲繞する管状壁18を含むカテーテルの形態をとる。内腔20は、静脈瘤に細長い支持体/カテーテルを配置するのを助けるガイドワイヤ22を受けるように構成され得る。
図7には内腔20が1つだけ示されているが、必要に応じて複数の内腔が提供されてもよい。
【0038】
[0052]示されている実施形態のいずれにおいても、細長い支持体12は、放射線不透過性材料と編まれても編まれていなくてもよく、または放射線不透過性材料が装填されてもよく装填されていなくてもよいPEBAX(登録商標)ブランドのポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ナイロン、ポリエチレンテレフタラート(PET)などのような押出し成形されたポリマー材料を含むが必ずしもこれらに限定されない任意の適当な材料から作成され得る。細長い支持体は、種々のタイプのプラスチック(PEBAX(登録商標)ブランドのPEBA、ナイロン、PETなど)でラミネーションされてもよくされなくてもよい、可撓性を高めるための切れ目を備えるかまたは備えないステンレス鋼またはニチノールのハイポチューブである場合もある。細長い支持体は、PTAまたは静脈瘤治療中に組織のアブレーションを可能にするのに適した、約3~16フレンチの間の直径を有する円形の断面、および約35~250cmの間の長さを有することができる。
【0039】
[0053]
図1~
図4に示されている実施形態では、熱膨張可能要素14は筋肉ポリマーから作成された本体の形態をとる。
図5Aおよび
図5Bに最もよく示されているように、筋肉ポリマーは、40~100℃の間の相変化温度を有する液体/気体相変化材料24の埋め込まれたマイクロバブルを含む、エラストマーポリマー材料23を含む。いくつかの実施形態では、相変化温度は40~60℃の間である。
【0040】
[0054]以下でより詳細に説明されるように、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14が相変化材料24の相変化温度を下回る温度に保たれているとき、相変化材料は液体状態であり、熱膨張可能本体は静止状態もしくは静止位置、または収縮状態もしくは収縮位置に保たれる(
図5Aを参照)。対照的に、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14が相変化温度を上回る温度まで加熱されたとき、相変化材料は気体状態へと段階的に移行して体積を増し、それによって熱膨張可能要素または熱膨張可能本体を膨張させる(
図5Bを参照し
図5Aと比較のこと)。
【0041】
[0055]熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14のエラストマーポリマーは、シリコーン、TPE-S、およびこれらの組合せを含むが必ずしもこれらに限定されないエラストマーポリマー材料の群から選択されてもよい。
【0042】
[0056]熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14の液体/気体相変化材料は、エタノール、ブタノール、およびこれらの組合せを含むが必ずしもこれらに限定されない液体/気体相変化材料の群から選択されてもよい。
【0043】
[0057]特に有用な筋肉ポリマーの1つは、シリコーン-エタノールである。こうした材料は最大900%の比較的高い歪み、最大1.3MPaの比較的高い応力、および約0.84g/cm3の比較的小さい密度を有する。
【0044】
[0058]熱膨張可能要素14は、細長い支持体12上に3-Dプリントされたスリーブを備えてもよい。他の実施形態では、熱膨張可能要素14は細長い支持体12上に型成形された(cast)または成形されたスリーブを備えてもよい。示されている実施形態では、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14は細長い支持体12の周りに360°延在する。他の実施形態では、熱膨張可能本体14は支持体12の周りに部分的にのみ延在してもよい。示されている実施形態では、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14は、細長い支持体12の外周の周りで等しい厚みになっている。他の実施形態では、熱膨張可能要素14の厚みは細長い支持体12の外周の周りで変動してもよい。
【0045】
[0059]
図1~
図4にさらに示されているように、細長い支持体は近位端部26および遠位端部28を含む。示されているように、遠位端部28は、患者の脈管構造への、また患者の脈管構造を通る医療装置10の挿入および変位を助けるために、丸くなった先端27を含むことができる。示されているように、近位端部26はハンドル30を含む。ハンドル30は、柔らかいシリコーンの取っ手で被覆されてもよくされなくてもよい種々のタイプのプラスチック(たとえばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリオキシメチレン、ポリカーボネートなど)から作成され得る。ハンドル30は形状が円筒形でもよく、起伏が付けられてもよい。
【0046】
[0060]
図1および
図4に示されているように、ハンドルは加熱素子16の動作を制御するように構成された作動装置32を含むことができる。示されている実施形態では、作動装置32は「オン」位置および「オフ」位置を有するトグルスイッチである。当技術分野ではよく知られているように、他の実施形態では、作動装置32は押しボタン、ダイヤル、摺動スイッチ、またはツイストノブの形態をとってもよい。
【0047】
[0061]
図1および
図4に示されているように、ハンドルは、標準的な壁面電気コンセントPOなどの遠隔の電源に接続するように構成された電気プラグ36をその端部に有する電源コード34を含むことができる。多くの考えられる実施形態のうちの1つまたは複数では、ハンドル30は加熱素子16に給電するように構成された電源38を収容することができる。この電源38は1つもしくは複数のバッテリ、または、1つもしくは複数のコンデンサなどを備えることができる。医療装置10のいくつかの実施形態は、電源コード34と内部電源38の両方を含むことができる。
【0048】
[0062]やはり
図1~
図4に示されているように、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14に関連付けられた加熱素子16は、ハンドル30内の作動装置32から細長い支持体12を通って熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14へと延在する抵抗ワイヤを備える。加熱素子または抵抗ワイヤ16は熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14に埋め込むことができ、そこで医療処置中に脈管構造と接触しないように封止される。
【0049】
[0063]
図3に示されているように、抵抗ワイヤは、細長い支持体12の外周および熱膨張可能要素14の周りに延在する抵抗ワイヤ16のアレイ(換言すれば、配列)を含む。当然、加熱素子16の形状および/または数は変動してもよい。たとえば、加熱素子16は、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14の内部で細長い支持体12の周りに巻き付けられたらせん形状のものでもよい。他の実施形態では、加熱素子16は、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14と密着した細長い本体12の外側表面のすぐ下、または細長い本体12の外側表面上などで、細長い本体12に埋め込まれてもよい。細長い本体12は薄く削がれて、上にある熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14に加熱素子16を少なくとも部分的に露出させてもよい。細長い支持体12の遠位端部28での金属ワイヤ接続キャップ42により、電気回路が完成する。
【0050】
[0064]医療装置10は、冠状動脈性心疾患または静脈瘤に関連付けられた問題となる組織を含む組織をアブレーションする方法において使用するのに特に適している。この方法は、アブレーションすべき組織Tの領域における静脈V内に細長い支持体12を位置決めするステップを含む(
図6Aを参照)。これは、熱膨張可能要素14が細長い支持体12の周りで堅く収縮した静止位置または収縮位置にある間になされる。細長い本体12の適切な位置決めは、当技術分野で知られている方式でハンドル30を操作することによって可能になる。静脈瘤の内部での位置決めを確認するために、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14に沿ってなど、エコーを発生させるマーキング44が装置10に提供されてもよい。
【0051】
[0065]静脈瘤Vに適切に位置決めされると、この方法は、細長い支持体12に保持された熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14に関連付けられた加熱素子16を作動させるステップを含む。これは、ハンドル30にある作動装置32を操作し、本体に埋め込まれた抵抗ワイヤ16に電流を印加することによってなされる。加熱素子16が、本体に埋め込まれた液体/気体相変化材料24のマイクロバブルの相変化温度を上回って熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14を加熱するように機能したとき、液体の相変化材料は気体へと段階的に移行して、
図6Aに示されている収縮位置から
図6Bに示されている膨張位置へと熱膨張可能要素または熱膨張可能本体を膨張させる。均衡状態が得られるまでこの方式で膨張させられると、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14はアブレーションすべき組織Tにごく近接し、さらには接触する。熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14が加熱素子16によって加熱され続けたとき、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体は組織Tをアブレーションするのに必要な温度に達する。
【0052】
[0066]
図1~
図6Bに示されている医療装置10の実施形態では内腔がないので、細長い支持体をより小さい直径で作成することが可能になり、それにより膝下を含めた下肢内の静脈を含むより細い静脈において機能するように構成されたより小さい直径を装置全体が有することが可能になるので有利である。
【0053】
[0067]従来の静脈瘤処置では通常はより大きい切開部または複数の切開部が必要とされる一方、医療装置10では細長い支持体12を脈管構造へと挿入するのに小さい切開部が1つだけ必要とされるので有利である。したがって、静脈瘤Vの組織Tをアブレーションする医療装置10および関連する方法により、治癒にかかる時間がより速くなる。
【0054】
[0068]筋肉ポリマーから作成された熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14により、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体で覆われた細長い支持体12の長さ全体にわたって組織Tを均一に加熱およびアブレーションすることが可能になるので有利である。したがって、外科医が静脈瘤内の組織アブレーションを必要とする領域の長さに対応する熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14の長手方向長さを備えた医療装置10を使用した場合、1度に装置を1回配置することで処置全体を完了することができる。
【0055】
[0069]組織アブレーションに続いて、作動装置32は加熱素子16を作動停止させるように操作される。これにより、加熱素子16および熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14が冷却される。熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14が相変化温度を下回るまで冷却されたとき、相変化材料は液体へと戻るように段階的に移行する。この液体は気体よりも小さい空間体積をとるので、エラストマーポリマー材料の弾性記憶(resilient memory)が熱膨張可能要素または熱膨張可能本体をその元のサイズに戻るように縮小させることが可能になる。つまり、本体はその元の静止位置または収縮位置へと戻る。次いで、アブレーション処置が完了した場合、医療装置10を静脈Vから容易に取り出すことができる。
【0056】
[0070]他方で、静脈Vの別の領域において組織Tのさらなるアブレーションが必要とされる場合、この方法は、アブレーションすべき追加の組織に隣接した静脈V内で細長い支持体12を再位置決めするステップを含んでもよい。次いで、(a)作動装置32の操作によって加熱素子16を再作動させるステップ、および(b)加熱素子によって生成される熱に応じて熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14を再膨張させるステップがこれに続く。その結果、熱膨張可能要素または熱膨張可能本体14、およびその中に収容された加熱素子16は、アブレーションすべき組織Tにより近くなるように細長い支持体から外方に変位させられる。
【0057】
[0071]この新しい領域での追加の組織Tの治療に続いて、医療装置10は別の領域における組織を治療するために静脈V内で再び再位置決めされてもよく、以前に説明した方式で静脈から取り出されてもよい。
【0058】
[0072]次に、遠位端部に熱膨張可能要素14を有し、近位端部にハンドル30を有する(内腔20を有するカテーテルの形態をとる)細長い本体12を含む医療装置10の一代替実施形態を示す
図8~
図10を参照する。複数の抵抗加熱ワイヤの形態をとる加熱素子16が熱膨張可能要素14の筋肉ポリマーに埋め込まれる。ハンドル30にある押しボタン作動装置32により、加熱素子16を作動させ、熱膨張可能要素14を熱膨張させることが可能になる。
【0059】
[0073]
図8および
図10に示されているように、スコアリング要素70が熱膨張可能要素の筋肉ポリマーに保持される。示されている実施形態では、スコアリング要素70は、熱膨張可能要素14を形成する筋肉ポリマーの外側表面72に保持され、そこから突出する複数のワイヤを備える。ワイヤは、金属、または組織スコアリング要素を構築するのに適当な任意の他の材料から作成されてもよい。
【0060】
[0074]次に、ガイドワイヤ内腔20と、別個の薬剤送達内腔21とを有するカテーテルの形態をとる細長い本体12を含む、医療装置10のさらに別の考えられる実施形態を示す
図11および
図12を参照する。筋肉ポリマーの熱膨張可能要素14が細長い本体12の遠位端部に提供される。ハンドル30が細長い本体12の近位端部に提供される。ハンドル30は、加熱素子16を作動させるための押しボタン作動装置32と、以下に説明する方式で薬剤送達内腔21に薬剤を注入するための薬剤送達ポート74とを保持する。
【0061】
[0075]
図11に示されているように、加熱素子16が作動させられ、熱膨張可能要素14が完全に膨張させられると、熱膨張可能要素は長手方向または長さ方向に波形の(換言すれば、ひだ状の)プロファイルを有し、つまり交互になる複数の溝部76および隆起部78を有する。示されている実施形態では、2つの溝部76および3つの隆起部78が存在する。他の数の溝部および隆起部が提供される場合があることを理解されたい。
【0062】
[0076]
図11に示されているように、隆起部78は静脈Vの壁Wに対して封止し、交互になる2つの溝部76は、静脈Vの壁Wと共に2つの環状ポケットPを形成する。プラークを溶解する、病変を取り除く、または問題となる組織Tをアブレーションするのに有用な薬剤をハンドル30での薬剤送達ポート74へと注入することができる。こうした薬剤は薬剤送達内腔21から細長い本体またはカテーテル12の長さに沿って、薬剤送達内腔21と2つのポケットPとの間の流体連通を可能にする薬剤送達チャネル80へと進む。
【0063】
[0077]ポケットPが薬剤で一杯になったとき、薬剤は所望の効果を生み出すのに所望される時間期間にわたって静脈Vの壁にあるプラーク、病変、または問題となる組織Tと接触するように保持される。プラーク、病変、および問題となる組織を治療するのに有用な薬剤は当業者によく知られており、数ある中でもパクリタキセル、ならびにたとえばトリクロサン、クロルヘキシジン、ニトロフラゾン、塩化ベンザルコニウム、銀塩などの抗菌剤、ならびにリファンピン、ゲンタマイシン、およびミノサイクリンなどの抗生物質、ならびにこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、トリクロサン、クロルヘキシジン、および塩またはその組合せを含むことができる。抗炎症剤は、ステロイド系および非ステロイド系の抗炎症剤を含む。非ステロイド系抗炎症薬の例は、アミノアリールカルボン酸誘導体、たとえばエンフェナム酸、エトフェナメート、フルフェナム酸、イソニキシン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミック酸、タルニフルマート、テロフェナマートおよびトルフェナム酸;アリール酢酸誘導体、たとえばアセメタシン、アルクロフェナック、アンフェナック、ブフェキサマック、シンメタシン、クロピラク、ジクロフェナックナトリウム、エトドラック、フェルビナック、フェンクロフェナック、フェンクロラック、フェンクロズ酸、フェンチアザク、グルカメタシン、イブフェナック、インドメタシン、イソフェゾラック、イソキセパク、ロナゾラク、メチアジン酸、オキサメタシン、プログルメタシン、スリンダック、チアラミド、トルメチンおよびゾメピラック;アリール酪酸誘導体、たとえばブマジゾン、ブチブフェン、フェンブフェンおよびキセンブシン;アリールカルボン酸類、たとえばクリダナック、ケトロラックおよびチノリジン;アリールプロピオン酸誘導体、たとえばアミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェノプロフェン、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、イブプロキサム、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピケトプロフェン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、スプロフェンおよびチアプロフェン酸;ピラゾール類、たとえばジフェナミゾールおよびエピリゾール;ピラゾロン類、たとえばアパゾン、ベンズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、モラゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピペブゾン、プロピフェナゾン、ラミフェナゾン、スキシブゾンおよびチアゾリノブタゾン;サリチル酸およびその誘導体、たとえばアセタミノサロール、アスピリン、ベノリラート、ブロモサリゲニン、アセチルサリチル酸カルシウム、ジフルニサール、エテルサラート、フェンドサール、ゲンチジン酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸イミダゾール、アセチルサリチル酸リシン、メサラミン、サリチル酸モルホリン、サリチル酸1-ナフチル、オルサラジン、パルサルミド、アセチルサリチル酸フェニル、サリチル酸フェニル、サラセタミド、サリシルアミンa-酢酸、サリチル硫酸、サルサレートおよびスルファサラジン;チアジンカルボキシアミド類、たとえばドロキシカム、イソキシカム、ピロキシカムおよびテノキシカム;その他のもの、たとえばE-アセトアミドカプロン酸、s-アデノシルメチオニン、3-アミノ-4-ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、ベンダザック、ベンジダミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾン、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、パラニリン、ペリソキサール、ピフォキシム、プロキアゾン、プロキサゾールおよびテニダップ;ならびにそれらの医薬的に許容可能な塩類を含む。
【0064】
[0078]ステロイド系抗炎症剤(糖質コルチコイド)の例は、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタソン、アルゲストン、アミシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニソン、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラソン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、エノキソロン、フルアザコルト、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニジン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、フォルモコルタール、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、酢酸ハロプレドン、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール、マジプレドン、メドリソン、メプレドニソン、メチルプレドニソロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルバート、プレドニソロン、プレドニソロン25-ジエチルアミノアセテート、プレドニソンリン酸ナトリウム、プレドニソン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チクソコルタール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベントニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、およびそれらの医薬的に許容可能な塩類を含む。
【0065】
[0079]鎮痛剤は、麻薬性および非麻薬性の鎮痛剤を含む。麻薬性鎮痛剤は、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、臭化コデインメチル、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン酢酸エノール、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ケトベミドン、レボルファノール、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン塩酸塩、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェオペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、ルミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、およびそれらの医薬的に許容可能な塩類を含む。非麻薬性鎮痛剤は、アセクロフェナック、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチルサリチル酸、アルクロフェナック、アルミノプロフェン、アロキシプリン、ビス(アセチルサリチル酸)アルミニウム、アミノクロロテノキサジン、2-アミノ-4ピコリン、アミノプロピロン、アミノピリン、サリチル酸アンモニウム、アムトルメチングアシル、アンチピリン、サリチル酸アンチピリン、アントラフェニン、アパゾン、アスピリン、ベノリレート、ベノキサプロフェン、ベンズピペリロン、ベンジダミン、ベルモプロフェン、ブロフェナク、p-ブロモアセトアニリド、5-ブロモサリチル酸アセテート、ブセチン、ブフェキサマック、ブマジゾン、ブタセチン、アセチルサリチル酸カルシウム、カルバマゼピン、カルビフェン、カルサラム、クロラルアンチピリン、クロルテノキサジン、サリチル酸コリン、シンコフェン、シラマドール、クロメタシン、クロプロパミド、クロテタミド、デキソキサドロール、ジフェナミゾール、ジフルニサール、アセチルサリチル酸ジヒドロオキサアルミニウム、ジピロセチル、ジピロン、エモルファゾン、エンフェナム酸、エピリゾール、エテルサラート、エテンザミド、エトキサゼン、エトドラック、フェルビナック、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルフェナム酸、フルオレソン、フルピルチン、フルプロクアゾン、フルルビプロフェン、フォスフォサール、ゲンチジン酸、グラフェニン、イブフェナック、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラック、イソラドール、イソニキシン、ケトプロフェン、ケトロラック、p-ラクトフェネチド、レフェタミン、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸リシン、アセチルサリチル酸マグネシウム、メトトリメプラジン、メトホリン、ミロプロフェン、モラゾン、サリチル酸モルホリン、ナプロキセン、ネフォパム、ニフェナゾン、5’-ニトロ-2’-プロポキシアセトアニリド、パルサルミド、ペリソキサール、フェナセチン、フェナゾピリジン塩酸塩、フェノコール、フェノピラゾン、アセチルサリチル酸フェニル、サリチル酸フェニル、フェニラミドール、ピペブゾン、ピペリロン、プロジリジン、プロパセタモール、プロピフェナゾン、プロキサゾール、サリチル酸キニン、ラミフェナゾン、メチル硫酸リマゾリウム、サラセタミド、サリシン、サリチルアミド、a-酢酸サリチルアミド、サリチル硫酸、サルサルテ、サルベリン、シメトリド、サリチル酸ナトリウム、スルファミピリン、スプロフェン、タルニフルマート、テノキシカム、テロフェナマート、テトラドリン、チノリジン、トルフェナム酸、トルプロニン、トラマドール、ビミノール、キセンブシン、ゾメピラック、およびそれらの医薬的に許容可能な塩類を含む。
【0066】
[0080]局所麻酔剤は、アムカイン、アモラノン、アミロカイン塩酸塩、ベノキシネート、ベンゾカイン、ベトキシカイン、ビフェナミン、ブピバカイン、ブタカイン、ブタベン、ブタニリカイン、ブテサミン、ブトキシカイン、カルチカイン、クロロプロカイン塩酸塩、コカエチレン、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン塩酸塩、ジメチソキン、ジメトカイン、ジペラドン塩酸塩、ダイクロニン、エクゴニジン、エクゴニン、塩化エチル、β-ユーカイン、ユープロシン、フェナルコミン、フォモカイン、ヘキシルカイン塩酸塩、ヒドロキシテトラカイン、p-アミノ安息香酸イソブチル、ロイシノカインメシレート、レボキサドロール、リドカイン、メピバカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン、塩化メチル、ミルテカイン、ナエパイン、オクタカイン、オルトカイン、オキセタザイン、パレトキシカイン、フェナカイン塩酸塩、フェノール、ピペロカイン、ピリドカイン、ポリドカノール、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、プロパノカイン、プロパラカイン、プロピオカイン、プロポキシカイン塩酸塩、偽コカイン、ピロカイン、ロピバカイン、サリチルアルコール、テトラカイン塩酸塩、トリカイン、トリメカイン、ゾラミン、およびそれらの医薬的に許容可能な塩類を含む。
【0067】
[0081]鎮けい剤は、アリベンドール、アンブセタミド、アミノプロマジン、アポアトロピン、メチル硫酸ベボニウム、ビエタミベリン、ブタベリン、臭化ブトロピウム、臭化n-ブチルスコポルアンモニウム、カロベリン、臭化シメトロピウム、シンナメドリン、クレボプリド、臭化水素酸コニイン、コニイン塩酸塩、ヨウ化シクロニウム、ジフェメリン、ジイソプロミン、ジオキサフェチルブチレート、臭化ジポニウム、ドロフェニン、臭化エメプロニウム、エタベリン、フェクレミン、フェナラミド、フェノベリン、フェンピプラン、臭化フェンピベリニウム、臭化フェントニウム、フラボキサート、フロプロピオン、グルコン酸、グアイアクタミン、ヒドラミトラジン、ヒメクロモン、レイオピロール、メベベリン、モキサベリン、ナフィベリン、オクタミルアミン、オクタベリン、塩化オキシブチニン、ペンタピペリド、フェナマシド塩酸塩、フロログルシノール、臭化ピナベリウム、ピペリラート、ピポキソラン塩酸塩、プラミベリン、臭化プリフィニウム、プロペリジン、プロピバン、プロピロマジン、プロザピン、ラセフェミン、ロシベリン、スパスモライトール、ヨウ化スチロニウム、スルトロポニウム、ヨウ化チエモニウム、臭化チキジウム、チロプラミド、トレピブトン、トリクロミル、トリフォリウム、トリメブチン、n,n-1トリメチル-3,3-ジフェニル-プロピルアミン、トロペンジル、塩化トロスピウム、臭化キセニトロピウム、およびそれらの医薬的に許容可能な塩類を含む。
【0068】
[0082]いくつかの実施形態では、疼痛または不快感を軽減するための治療薬は、ケトロラックおよびその医薬的に許容可能な塩類(たとえば、そのトロメタミン塩、商品名トラド(Torado)(登録商標)として販売されている)、4-ジエチルアミノ-2-ブチニルフェニルシクロヘキシルグリコレートおよびその医薬的に許容可能な塩類(たとえば、4-ジエチルアミノ-2-ブチニルフェニルシクロヘキシルグリコレート塩酸塩、塩化オキシブチニンとしても知られ、商品名ディトロパン(Ditropang)(登録商標)として販売されている)およびその組合せから選択されてよい。存在する治療薬の量は、たとえば、使用される治療薬の効力および放出速度などによって決まることになる。当業者は、所望の予後を実現するための適切な治療薬の装填量を容易に決定することができる。
【0069】
[0083]示されている実施形態の隆起部78および溝部76は規則的な繰り返すパターンであるが、それぞれの溝部76およびそれぞれの隆起部78のサイズおよび場所は、患者の脈管構造およびアブレーションすべき組織のその脈管構造の内部での位置に適合するようにカスタマイズされてもよいことを理解されたい。
【0070】
[0084]次に、静脈V内で膨張させられると横方向に波形のプロファイルまたは断面を有する熱膨張可能要素14を含む、医療装置10のさらに別の実施形態を示す
図13を参照する。示されている実施形態では、筋肉ポリマーの熱膨張可能要素14は、4つの隆起部78と交互になる4つの溝部76を含む。溝部76は、第1の長手方向端部から第2の長手方向端部へと熱膨張可能要素14の全長にわたって延在する。
【0071】
[0085]熱膨張可能要素14が完全に膨張させられると、それぞれの隆起部78は静脈Vの壁Wに対して封止し、それぞれの溝部76は、血液が膨張させられた熱膨張可能要素14を通り過ぎて静脈を通って進むことを可能にする流れチャネルCを形成する。
【0072】
[0086]次に、熱膨張可能要素14の筋肉ポリマーの外側表面84の上に断熱膜82を含む、医療装置10のさらに別の考えられる実施形態を示す
図14を参照する。断熱膜82は、たとえばシリコーンポリマーコーティングでもよい。断熱膜82は、医療装置10がいくつかのアブレーション処置中に44℃を上回る温度まで加熱されたとき、静脈Vの壁Wにいくらかの断熱をもたらすように構成される。
【0073】
[0087]上で簡潔に言及したように、医療装置10は患者の脈管構造に合わせてカスタマイズされ、それによってより効率的かつ効果的な治療を可能にすることができることを理解されたい。そこで、この目的のための新規な方法を提供する。
【0074】
[0088]医療装置をカスタマイズするこの方法は、概して、患者の脈管構造に適合する筋肉ポリマーの3D熱膨張可能要素を作成するステップと、その熱膨張可能要素を細長い支持体またはカテーテル12に固定するステップとを含む。言い換えれば、熱膨張可能要素14は患者の脈管構造に適合する特定のサイズ、長さ、および形状にされる。
【0075】
[0089]より具体的には、この方法は、患者の解剖学的構造または脈管構造をスキャンするステップと、その脈管構造の3D画像再構築物を生成するステップとを含むことができる。スキャンはCTスキャン、MRスキャン、超音波スキャン、およびこれらの組合せを含むことができるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0076】
[0090]次は、患者の脈管構造に適合する熱膨張可能要素14を生成するステップである。これは、患者の脈管構造の型を作り出すことによって行うことができる。より具体的には、これは模型として脈管構造を3Dプリントし、その模型の型を作成することによって実現され得る。
【0077】
[0091]また、この方法は、患者の脈管構造に適合するのに所望される長さの細長い支持体またはカテーテル12を用意するステップと、特定の箇所で細長い支持体またはカテーテルを薄く削いで、その長さに沿った選択された場所において抵抗加熱ワイヤ16を露出させるステップとを含む。細長い支持体またはカテーテル12は、次いで型の内部に適切に位置決めされ、熱膨張可能要素14が細長い支持体またはカテーテルの周りで型の中に成形される。次いで、完成した医療装置10が型から取り出される。
【0078】
[0092]代替の方法では、型は作成されない。代わりに、患者の脈管構造の3Dモデリングに基づいて、熱膨張可能要素14が所望の長さの薄く削がれたカテーテル12に直接3Dプリントされる。
【0079】
[0093]本開示は以下の項目に関すると考えることができる。
【0080】
[0094][項目1]
[0095]細長い支持体と、
[0096]細長い支持体に保持された熱膨張可能要素と
を備える、組織をアブレーションするための医療装置。
【0081】
[0097][項目2]
熱膨張可能要素が筋肉ポリマーから作成された本体である、項目1に記載の医療装置。
【0082】
[0098][項目3]
熱膨張可能要素に関連付けられた加熱素子をさらに含み、加熱素子が作動させられると、熱膨張可能要素が加熱され膨張して、静止位置からアブレーションすべき組織により近接した膨張位置へと加熱素子を変位させる、項目1または2に記載の医療装置。
【0083】
[0099][項目4]
筋肉ポリマーが、液体/気体相変化材料のマイクロバブルを含むエラストマーポリマーを備える、項目2または3に記載の医療装置。
【0084】
[00100][項目5]
液体/気体相変化材料が40~100°の間の相変化温度を有する、項目4に記載の医療装置。
【0085】
[00101][項目6]
エラストマーポリマーが、シリコーン、熱可塑性エラストマー、スチレン系樹脂、およびこれらの組合せからなるエラストマーポリマーの群から選択される、項目4または5に記載の医療装置。
【0086】
[00102][項目7]
液体/気体相変化材料が、エタノール、ブタノール、およびこれらの組合せからなる液体/気体相変化材料の群から選択される、項目4から6のいずれかに記載の医療装置。
【0087】
[00103][項目8]
筋肉ポリマーがシリコーンエタノールである、項目2から7のいずれかに記載の医療装置。
【0088】
[00104][項目9]
細長い支持体が内腔のないシャフトである、項目1から8のいずれかに記載の医療装置。
【0089】
[00105][項目10]
細長い支持体が少なくとも1つの内腔を含むカテーテルである、項目1から8のいずれかに記載の医療装置。
【0090】
[00106][項目11]
細長い支持体が近位端部および遠位端部を含む、項目1から10のいずれかに記載の医療装置。
【0091】
[00107][項目12]
近位端部がハンドルを含む、項目11に記載の医療装置。
【0092】
[00108][項目13]
ハンドルが加熱素子の動作を制御する作動装置スイッチを含む、項目12に記載の医療装置。
【0093】
[00109][項目14]
作動装置が、押しボタン、トグルスイッチ、摺動スイッチ、およびツイストノブからなる群から選択される、項目13に記載の医療装置。
【0094】
[00110][項目15]
ハンドルが電源を収容する、項目12から14のいずれかに記載の医療装置。
【0095】
[00111][項目16]
ハンドルが遠隔の電源に接続するように構成された電源コードを含む、項目12から15のいずれかに記載の医療装置。
【0096】
[00112][項目17]
ハンドルが薬剤送達ポートを含む、項目12から16のいずれかに記載の医療装置。
【0097】
[00113][項目18]
加熱素子が熱膨張可能要素に埋め込まれた抵抗ワイヤである、項目1から17のいずれかに記載の医療装置。
【0098】
[00114][項目19]
抵抗ワイヤが細長い支持体を通って熱膨張可能要素へと延在する、項目18に記載の医療装置。
【0099】
[00115][項目20]
抵抗ワイヤが、熱膨張可能要素の中の細長い支持体の外周の周りに延在する抵抗ワイヤのアレイを含む、項目19に記載の医療装置。
【0100】
[00116][項目21]
本体が細長い支持体上に3-Dプリントされたスリーブである、項目2から20のいずれかに記載の医療装置。
【0101】
[00117][項目22]
本体が細長い支持体上に成形されたスリーブである、項目2から20のいずれかに記載の医療装置。
【0102】
[00118][項目23]
本体が細長い支持体の周りに360°延在する、項目2から20のいずれかに記載の医療装置。
【0103】
[00119][項目24]
カテーテルの遠位端部にワイヤ接続キャップをさらに含む、項目1から23のいずれかに記載の医療装置。
【0104】
[00120][項目25]
筋肉ポリマーに保持されたスコアリング要素をさらに含む、項目2から24のいずれかに記載の医療装置。
【0105】
[00121][項目26]
スコアリング要素が少なくとも1つのワイヤである、項目25に記載の医療装置。
【0106】
[00122][項目27]
筋肉ポリマーが横方向に波形のプロファイルを有する、項目2から26のいずれかに記載の医療装置。
【0107】
[00123][項目28]
筋肉ポリマーが長手方向に波形のプロファイルを有する、項目2から26のいずれかに記載の医療装置。
【0108】
[00124][項目29]
筋肉ポリマーが、筋肉ポリマーの第1の長手方向端部から筋肉ポリマーの第2の長手方向端部へと延在する少なくとも1つの流れチャネルを含む、項目2から28のいずれかに記載の医療装置。
【0109】
[00125][項目30]
筋肉ポリマーの外側表面の上に断熱膜をさらに含む、項目2から29のいずれかに記載の医療装置。
【0110】
[00126][項目31]
断熱膜がシリコーンポリマーコーティングである、項目30に記載の医療装置。
【0111】
[00127][項目32]
静脈瘤の組織をアブレーションする方法であって、
[00128]
静脈瘤内に細長い支持体を位置決めするステップと、
[00129]
細長い支持体に保持された熱膨張可能要素に関連付けられた加熱素子を作動させるステップと、
[00130]
加熱素子からの熱に応じて熱膨張可能要素を膨張させ、それによってアブレーションすべき組織により近接するように加熱素子を変位させるステップと
を含む、方法。
【0112】
[00131][項目33]
(a)加熱素子を作動停止させるステップと、(b)加熱素子の冷却に応じて熱膨張可能要素を縮めるステップとをさらに含む、項目32に記載の方法。
【0113】
[00132][項目34]
静脈瘤内で細長い支持体を再位置決めするステップを含む、項目33に記載の方法。
【0114】
[00133][項目35]
(a)加熱素子を再作動させるステップと、(b)再作動させられた加熱素子からの熱に応じて熱膨張可能要素を再膨張させ、それによってアブレーションすべき追加の組織により近接するように加熱素子を変位させるステップとを含む、項目34に記載の方法。
【0115】
[00134][項目36]
筋肉ポリマーから作成された本体を熱膨張可能要素として使用するステップを含む、項目32から35に記載の方法。
【0116】
[00135][項目37]
加熱素子を作動させるステップが、熱膨張可能要素に埋め込まれた抵抗ワイヤに電流を送り出すステップを含む、項目36に記載の方法。
【0117】
[00136][項目38]
熱膨張可能要素のエラストマーポリマーに埋め込まれた液体/気体相変化材料のマイクロバブルを液体から気体への相変化を生じさせるのに十分な温度まで加熱することにより、熱膨張可能要素を膨張位置へと膨張させるステップを含む、項目32から37のいずれかに記載の方法。
【0118】
[00137][項目39]
熱膨張可能要素のエラストマーポリマーに埋め込まれた液体/気体相変化材料のマイクロバブルを気体から液体への相変化を生じさせるのに十分な温度まで冷却することにより、熱膨張可能要素を静止位置へと縮めるステップを含む、項目32から38のいずれかに記載の方法。
【0119】
[00138][項目40]
治療を受ける特定の患者の脈管構造に合わせて医療装置をカスタマイズする方法であって、
[00139]
特定の患者の脈管構造に適合する筋肉ポリマーの3D熱膨張可能要素を作成するステップと、
[00140]
3D膨張可能要素を細長い支持体に固定するステップと
を含む、方法。
【0120】
[00141][項目41]
特定の患者の脈管構造をスキャンするステップと、脈管構造の3D画像再構築物を生成するステップとを含む、項目40に記載の方法。
【0121】
[00142][項目42]
CTスキャン、MRスキャン、超音波スキャン、およびこれらの組合せを完了するステップをさらに含む、項目41に記載の方法。
【0122】
[00143][項目43]
特定の患者の脈管構造に適合する熱膨張可能要素を生成するステップをさらに含む、項目40から42に記載の方法。
【0123】
[00144][項目44]
熱膨張可能要素を生成するステップが、特定の患者の脈管構造の型を作り出すことによって実現される、項目43に記載の方法。
【0124】
[00145][項目45]
模型として脈管構造を3Dプリントするステップと、模型の型を作成するステップとを含む、項目44に記載の方法。
【0125】
[00146][項目46]
(a)脈管構造に適合する長さの細長い支持体を提供するステップと、(b)特定の箇所で細長い支持体を削ぎ、細長い支持体の長さに沿った選択された場所において少なくとも1つの抵抗加熱ワイヤを露出させるステップとをさらに含む、項目40から45に記載の方法。
【0126】
[00147][項目47]
型の内部に細長い支持体を位置決めするステップと、細長い支持体の周りで型の中に熱膨張可能要素を成形するステップとを含む、項目46に記載の方法。
【0127】
[00148][項目48]
型からこの医療装置を取り出すステップを含む、項目47に記載の方法。
【0128】
[00149][項目49]
(a)脈管構造に適合する長さの細長い支持体を提供するステップと、(b)特定の箇所で細長い支持体を削ぎ、細長い支持体の長さに沿った選択された場所において少なくとも1つの抵抗加熱ワイヤを露出させるステップとを含む、項目40から43に記載の方法。
【0129】
[00150][項目50]
削がれた細長い本体に熱膨張可能要素を直接3Dプリントするステップを含む、項目49に記載の方法。
【0130】
[00151]本明細書において使用されるように、単数形の文法形態:「a」、「an」、および「the」で書かれた以下の用語のそれぞれは、「少なくとも1つの」、または「1つまたは複数の」を意味する。本明細書において語句「1つまたは複数の」の使用は、「a」、「an」、または「the」のこの所期の意味を変更しない。したがって、そうでないことが本明細書に具体的に定義されるかもしくは述べられていない限り、または文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、本明細書において使用されるように、用語「a」、「an」、および「the」は、複数の述べられた主体または物体も指し、包含することができる。たとえば、本明細書において使用されるように、語句:「ユニット(a unit)」、「装置(a device)」、「組立体(an assembly)」、「機構(a mechanism)」、「構成要素(a component)」、「要素(an element)」、および「ステップまたは手順(a step or procedure)」は、複数のユニット、複数の装置、複数の組立体、複数の機構、複数の構成要素、複数の要素、および複数のステップまたは手順もそれぞれ指し、包含することができる。
【0131】
[00152]本明細書において使用されるように、以下の用語:「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」のそれぞれ、ならびにこれらの言語学的/文法的変異形、派生形、または/および活用形は、「含むが、~に限定されない」を意味し、述べられている構成要素、特徴、特性、パラメータ、整数、またはステップを明記していると解釈されるべきであり、1つまたは複数の追加の構成要素、特徴、特性、パラメータ、整数、ステップ、またはこれらの群の追加を妨げない。これらの用語のそれぞれは、語句「本質的に~からなる(consisting essentially of)」と意味が等価であると考えられる。本明細書において使用されるように、語句「~からなる(consisting of)」および「~からなる(consists of)」のそれぞれは、「~を含み、~に限定される」を意味する。語句「本質的に~からなる(consisting essentially of)」は、開示された本発明の例示的な一実施形態の全体もしくは一部であり、または/かつ開示された本発明の例示的な一実施形態を実施するために使用される、述べられた主体または項目(システム、システムユニット、システムサブユニット装置、組立体、サブ組立体、機構、構造体、構成要素、または周辺機器ユーティリティ、アクセサリ、または材料、方法もしくはプロセス、ステップもしくは手順、サブステップもしくはサブ手順)が、システムユニット、システムサブユニット装置、組立体、サブ組立体、機構、構造体、構成要素もしくは要素、または周辺機器ユーティリティ、アクセサリ、または材料、ステップもしくは手順、サブステップもしくはサブ手順)である少なくとも1つの追加の特徴または特性を含んでもよいが、それぞれのこうした追加の特徴または特性が特許請求された項目の基本的な新規かつ発明性のある特性または特別な技術的特徴を実質的に変更しない場合においてのみであることを意味する。
【0132】
[00153]本明細書において使用されるように、用語「方法」は、開示された本発明の関連分野の実務家に知られているか、または開示された本発明の関連分野の実務家により、知られているステップ、手順、やり方、手段、または/および技法から容易に開発されるステップ、手順、やり方、手段、または/および技法を含むがこれらに限定されない所与の作業を行うためのステップ、手順、やり方、手段、または/および技法を指す。
【0133】
[00154]本明細書において使用されるように、およそ、実質的に、約などの用語のような近似の用語は、述べられた数値の±10%を指す。平行または垂直という用語の使用は、そうでないことが指定されていなければ、この条件をほぼ満たしていることを意味することを意図されている。
【0134】
[00155]明確さのために複数の別個の実施形態の文脈または形式において実例として説明および提示されたこの医療装置および方法のいくつかの態様、特性、および特徴は、単一の実施形態の文脈または形式において任意の適した組合せまたはサブ組合せで実例として説明および提示される場合もあることを十分に理解されたい。反対に、単一の実施形態の文脈または形式において組合せまたはサブ組合せで実例として説明および提示されたこの医療装置および方法の種々の態様、特性、および特徴が、複数の別個の実施形態の文脈または形式において実例として説明および提示される場合もある。
【0135】
[00156]特定の例示的な実施形態およびそれらの例として本開示の医療装置および方法を実例として説明および提示してきたが、それらの多くの代替形態、修正形態、または/および変形形態が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、すべてのこうした代替形態、修正形態、または/および変形形態は添付の特許請求の範囲に記載の広範な範囲の趣旨に含まれ、それによって包含されることが意図されている。
【0136】
[00157]例示および説明の目的で前述のことを提示してきた。これは網羅的であること、または開示されたまさにその形態に実施形態を限定することを意図していない。上述の教示に照らして、明らかな修正形態および変形形態が考えられる。たとえば、当技術分野で知られているタイプのストレインリリーフが細長い本体12とハンドル30との間に提供されてもよい。ストレインリリーフは、PEBAX(登録商標)ブランドのPEBA、ナイロン、PETなどのような種々のタイプのプラスチックの押出し成形品でもよい。医療装置10は、治療ゾーンへと進むときに熱膨張可能要素を保護するために、熱膨張可能要素14の上に外部スリーブを含んでもよいことを理解されたい。このスリーブは、ステント留置装置で使用されるスリーブに類似していてもよい。すべてのこうした修正形態および変形形態は、それらが公正に、法的に、かつ正当に権利を与えられた幅に従って解釈されたとき、添付の特許請求の範囲に記載の範囲に含まれる。