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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】部品移載装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20240613BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20240613BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/02 A
H01L21/68 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023521983
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 JP2021018530
(87)【国際公開番号】W WO2022244033
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】岸本 洋平
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-295741(JP,A)
【文献】特開2007-40468(JP,A)
【文献】特開平9-92664(JP,A)
【文献】国際公開第2015/125646(WO,A1)
【文献】特開2013-117291(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0045914(US,A1)
【文献】特開2009-16673(JP,A)
【文献】特開2018-206843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の部品が配置された部品配置エリアを有する部品供給部から前記部品をピッキングして所定の部品移載部に移載する部品移載装置であって、
第1方向に延在する少なくとも一つの第1移動軸に沿って水平方向に移動可能な第1ビーム部材と、
前記第1ビーム部材に支持されて、当該第1ビーム部材と共に前記部品配置エリアと前記部品移載部との間の上方空間を移動する部品移載ユニットと、
前記第1移動軸と平行な少なくとも一つの第2移動軸に沿って水平方向に移動可能な第2ビーム部材と、
前記第2ビーム部材に支持されて、当該第2ビーム部材と共に前記部品配置エリアと所定の待機位置との間の上方空間を前記第2移動軸に沿って移動可能で、かつ前記部品配置エリアにおいて前記部品を撮像するカメラユニットと、
前記第1ビーム部材及び前記第2ビーム部材に各々備えられ、前記第1方向において前記部品移載ユニットと前記カメラユニットとが所定の干渉リミット距離まで接近したときに、互いに衝突するとともに当該衝突荷重を吸収するストッパ部材とを備え、
前記第2ビーム部材は、前記第1ビーム部材に対し下方にオフセットされており、
前記ストッパ部材は、前記第1ビーム部材の下部に設けられる第1ストッパ部材と、前記第2ビーム部材の上部に設けられる第2ストッパ部材とで構成され、
前記第1ストッパ部材は前記第1ビーム部材から下方に延びており、
前記第2ストッパ部材は前記第2ビーム部材から上方に延びており、
前記第1ストッパ部材と前記第2ストッパ部材とは、上下方向において前記第1ビーム側に偏った位置で互いに衝突する、部品移載装置。
【請求項4】
請求項1に記載の部品移載装置において、
前記第1ビーム部材は、互いに平行な一対の前記第1移動軸に沿って移動し、
前記第2ビーム部材は、互いに平行な一対の前記第2移動軸に沿って移動し、
前記一対の第1移動軸及び前記一対の第2移動軸のうち、一方側の移動軸対は、他方側の移動軸対の外側に配置されており、
前記ストッパ部材は、平面視において、前記一方側の移動軸対の内側に配置されている、部品移載装置。
【請求項5】
請求項4に記載の部品移載装置において、
前記第1ビーム部材及び前記第2ビーム部材は、共に、前記第1方向と交差する方向に延在しており、
前記ストッパ部材は、平面視において、前記第1ビーム部材及び前記第2ビーム部材の両端近辺にそれぞれ配置されている、部品移載装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の部品移載装置において、
前記ストッパ部材は、平面視において、前記一方側の移動軸対と前記他方側の移動軸対との間で互いに衝突するように配置されている、部品移載装置。
【請求項7】
請求項1、4乃至6の何れか一項に記載の部品移載装置において、
前記ストッパ部材は、ショックアブソーバを備えている、部品移載装置。
【請求項8】
請求項1、4乃至7の何れか一項に記載の部品移載装置において、
前記第1ストッパ部及び前記第2ストッパ部は、金属板のプレス成型部品である、部品移載装置。
【請求項9】
請求項1、4乃至7の何れか一項に記載の部品移載装置において、
前記部品配置エリアは、ダイシングされたウェハが配置されるエリアであって、前記部品はダイである、部品移載装置。
【請求項10】
請求項9に記載の部品移載装置において、
前記部品移載ユニットは、前記ダイを吸着するヘッドを有するヘッドユニットであり、
前記カメラユニットは、前記ウェハを撮像するウェハカメラであり、
前記部品移載部は、前記ダイが実装される基板が配置される基板配置部である、部品移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品配置エリアから部品をピッキングする部品移載ユニットと、前記部品エリアにおいて部品を撮像するカメラユニットとを備えた部品移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイシングされたウェハからダイ(ベアチップ)をピックアップして基板に実装する部品実装装置が知られている。この部品実装装置では、ウェハ供給機によって機内の所定位置(部品配置エリア)に搬入されたウェハを、ウェハカメラが撮像してウェハ認識を行い、次いでダイの保持機能を備えたヘッドでダイをピッキングするという動作が繰り返される。つまり、前記ウェハカメラと前記ヘッドとが、共に機内へ搬入されたウェハの上空で各々所要の動作を行う。
【0003】
ウェハカメラやヘッドは、例えば、各々直交座標型の駆動機構で駆動される。すなわち、ウェハカメラはカメラ用ビーム部材に移動可能に支持され、このカメラ用ビーム部材がウェハカメラの移動方向に対して直交方向に移動する。また、前記ヘッドを有するヘッドユニットが、カメラ用ビーム部材と平行なヘッド用ビーム部材に移動可能に支持され、このヘッド用ビーム部材がカメラ用ビーム部材と同方向に移動する。この構成により、ウェハカメラやヘッドが二次元的な範囲を任意の位置に移動する。
【0004】
ところで、一般的な機械装置では、ソフトウェアによる問題や、オペレータによる誤入力等に起因して、予期せぬ駆動力が働き、移動体が暴走することが起こり得る。既述の部品実装装置も例外ではない。万が一ウェハカメラとヘッドユニットとが干渉したり、前記ビーム部材同士が干渉すると、これらが損傷するばかりでなく、駆動機構の構成要素、例えばウェハカメラやヘッドユニットを移動可能に支持するレール(ガイド)等にも歪みが生じて、ウェハカメラやヘッドユニットの円滑な移動や位置精度が損なわれる。この場合には、復旧に過大な時間とコストを要するおそれがある。
【0005】
なお、特許文献1には、部品実装装置において、機械的な構造部位に衝撃吸収機構を設け、移動体が構造部位へ衝突した場合の損傷を抑制する技術が開示されている。しかし、この特許文献1には、上記のような移動体同士の干渉による損傷抑制に関する記載は見られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-40468号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、既述の課題に鑑みてなされてものであり、その目的は、部品配置エリアから部品をピッキングする部品移載ユニットと、前記部品エリアにおいて部品を撮像するカメラユニットとの干渉を回避しつつ、意図せぬ駆動力が働いた場合に駆動機構の各部がダメージを受けることを抑制することにある。
【0008】
本発明の一局面に係る部品移載装置は、複数個の部品が配置された部品配置エリアを有する部品供給部から前記部品をピッキングして所定の部品移載部に移載する部品移載装置であって、第1方向に延在する少なくとも一つの第1移動軸に沿って水平方向に移動可能な第1ビーム部材と、前記第1ビーム部材に支持されて、当該第1ビーム部材と共に前記部品配置エリアと前記部品移載部との間の上方空間を移動する部品移載ユニットと、前記第1移動軸と平行な少なくとも一つの第2移動軸に沿って水平方向に移動可能な第2ビーム部材と、前記第2ビーム部材に支持されて、当該第2ビーム部材と共に前記部品配置エリアと所定の待機位置との間の上方空間を前記第2移動軸に沿って移動可能で、かつ前記部品配置エリアにおいて前記部品を撮像するカメラユニットと、前記第1ビーム部材及び前記第2ビーム部材に各々備えられ、前記第1方向において前記部品移載ユニットと前記カメラユニットとが所定の干渉リミット距離まで接近したときに、互いに衝突するとともに当該衝突荷重を吸収するストッパ部材とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る部品実装装置(本発明の部品移載装置を備えた部品実装装置)の全体構成を示す、上面視の平面図である。
図2図2は、前記部品実装装置の側面図である。
図3図3(A)、(B)は、ヘッドユニット及びカメラユニットのY方向の移動エリアを説明するための部品実装装置の側面図である。
図4図4は、ストッパ部材の側面図である。
図5図5は、前記ストッパ部材の斜視図である。
図6図6(A)~(E)は、カメラユニットによるウェハの撮像から、ヘッドユニットによるダイのピッキング及び実装までの一連の工程を示す模式図である。
図7図7は、変形例に係る第2ストッパ部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
【0011】
[部品実装装置の説明]
図1は、本発明の実施形態に係る部品実装装置1(本発明に係る部品移載装置を備えた部品実装装置)の全体構成を示す、上面視の平面図である。また、図2は、部品実装装置1の側面図(一部省略)である。部品実装装置1は、ウェハ7からダイシングされたダイ7a(部品)を基板Pに実装する装置である。部品実装装置1は、基台2、コンベア3、ヘッドユニット4(部品移載ユニット)、部品供給部5(部品配置エリア)、ウェハ供給装置6、カメラユニット20及び図外の突き上げユニットを含む。
【0012】
基台2は、部品実装装置1が備える各種の機器の搭載ベースである。コンベア3は、基台2上にX方向に延びるように設置された、基板Pの搬送ラインである。コンベア3は、機外から所定の実装作業位置(部品移載部/基板配置部)に基板Pを搬入し、実装作業後に基板Pを前記実装作業位置から機外へ搬出する。コンベア3は、基板Pを上記実装作業位置で保持する図略のクランプ機構を有する。なお、図1中に示す基板Pの位置が、前記実装作業位置である。部品供給部5は、複数個のダイ7aを、ウェハ7からダイシングされた配置状態で供給する。
【0013】
ヘッドユニット4は、部品供給部5においてダイ7aをピッキングし、上記実装作業位置へ移動すると共に、基板Pにダイ7aを実装する。ヘッドユニット4は、前記ピッキングの際にダイ7aを吸着して保持し、前記実装の際に保持しているダイ7aをリリースする複数のヘッド4aを備える。ヘッド4aは、ヘッドユニット4に対するZ方向への進退(昇降)移動と、軸回りの回転移動とが可能である。
【0014】
部品実装装置1は、ヘッドユニット4を、少なくとも部品供給部5と前記実装作業位置で保持された基板Pとの間の上方空間を、水平方向(X及びY方向)に移動可能とする第1駆動機構D1を備える。
【0015】
第1駆動機構D1は、ヘッドユニット4をY方向に移動させるY方向駆動機構と、X方向に移動させるX方向駆動機構とを含む、直交座標型の駆動機構である。
【0016】
Y方向駆動機構として、それぞれ+X側及び-X側で一対のY軸固定レール11、第1Y軸サーボモータ13及びボールねじ軸12を備える。
【0017】
基台2上のX方向の両端に各々、Y方向に延在する第1高架フレーム2Hが設けられており、一対のY軸固定レール11は、第1高架フレーム2H上に固定されて、互いに平行にY方向に延びている。ボールねじ軸12は、第1高架フレーム2H上のY軸固定レール11に近接する位置においてY方向に延びるように配置されている。一対のボールねじ軸12は、X方向において、一対のY軸固定レール11の外側に配置されている。第1Y軸サーボモータ13は、ボールねじ軸12を回転駆動する。一対のY軸固定レール11間には、ヘッドユニット4を支持する第1ビーム部材10が架設されている。第1ビーム部材10の+X側端部及び-X側端部には、各ボールねじ軸12が螺合されるナット10aが組付けられている。
【0018】
X方向駆動機構として、第1ビーム部材10に搭載されたX軸固定レール14、第1X軸サーボモータ16及びボールねじ軸15を備える。X軸固定レール14は、ヘッドユニット4のX方向の移動をガイドする部材であり、第1ビーム部材10の-Y側面においてX方向に延びるように固定されている。ボールねじ軸15は、X軸固定レール14に近接して、X方向に延在するよう配設されている。第1X軸サーボモータ16は、ボールねじ軸15を回転駆動する。ヘッドユニット4には図略のナットが付設され、当該ナットにボールねじ軸15が螺合されている。
【0019】
以上の第1駆動機構D1の作動により、ヘッドユニット4が水平方向(X及びY方向)に移動する。つまり、第1Y軸サーボモータ13によりボールねじ軸12が回転駆動されることにより、ヘッドユニット4が第1ビーム部材10と一体にY方向に移動する。また、第1X軸サーボモータ16によりボールねじ軸15が回転駆動されることにより、ヘッドユニット4が第1ビーム部材10に対してX方向に移動する。なお、当例では、ボールねじ軸12及びY軸固定レール11が、本発明の「第1移動軸」に相当する。
【0020】
部品供給部5は、複数個のダイ7aをウェハ7の形態で、所定の部品取出作業位置(ウェハステージ)へ供給するウェハ供給装置6を備える。図1に示すウェハ7の位置が部品取出作業位置である。ウェハ7は、円盤形状の半導体ウェハであって、回路パターン等が既に形成されている。ウェハ7は、回路パターン毎に碁盤目状にダイシングされて形成された多数のダイ7a,7a…の集合体の状態でウェハシートに貼着されている。ウェハ供給装置6は、ウェハ7が貼着されたウェハシートを保持するウェハ保持枠8を入れ替える態様で、ダイ7aを前記部品取出作業位置へ供給する。なお、部品供給部5は、ウェハ供給装置6に加えて、電子部品を収容した部品収容テープの形態で部品供給するテープフィーダを備えていても良い。
【0021】
ウェハ供給装置6は、図外のウェハ収納エレベータ及びウェハコンベア6aを含む。ウェハ収納エレベータは、ウェハ7が貼着されたウェハシート8aをウェハ保持枠8に保持した状態で、上下多段に収納している。ウェハコンベア6aは、ウェハ収納エレベータに対して部品取出作業位置との間でウェハ保持枠8の出し入れを行う。
【0022】
カメラユニット20は、X方向及びY方向に移動可能なユニットであって、ウェハカメラ21を備えている。ウェハカメラ21は、部品取出作業位置に位置決めされたウェハ7の一部分、つまりカメラ視野内のダイ7aを撮像する。この撮像画像に基づいて、ピックアップ対象のダイ7aの位置認識が為される。部品実装装置1は、カメラユニット20を、少なくとも部品供給部5と所定の待機位置との間の上方空間を、水平方向(X及びY方向)に移動可能とする第2駆動機構D2を備える。この第2駆動機構D2は、ヘッドユニット4を駆動する第1駆動機構D1とは別個に独立した駆動系である。なお、本実施形態では、前記待機位置は、部品取出作業位置から+Y側に離間した位置である(図3(B)参照)。
【0023】
第2駆動機構D2も第1駆動機構D1と同様の直交座標型の駆動機構であり、カメラユニット20をY方向に移動させるY方向駆動機構と、X方向に移動させるX方向駆動機構とを含む。
【0024】
Y方向駆動機構は、+X側及び-X側で一対のY軸固定レール23、第2Y軸サーボモータ25及びボールねじ軸24を備える。
【0025】
基台2上であって前記一対の第1高架フレーム2Hの内側には各々、Y方向に延在する第2高架フレーム2Lが設けられており、一対のY軸固定レール23は各々、第2高架フレーム2L上に固定されて、互いに平行にY方向に延びている。ボールねじ軸24は、第2高架フレーム2L上のY軸固定レール23に近接する位置においてY方向に延びるように配置されている。一対のボールねじ軸24は、X方向において、一対のY軸固定レール23の外側に配置されている。第2Y軸サーボモータ25は、ボールねじ軸24を回転駆動する。一対のY軸固定レール23間には、カメラユニット20を支持する第2ビーム部材22が架設されている。第2ビーム部材22の+X側端部及び-X側端部には、各ボールねじ軸24が螺合されるナット22aが組付けられている。
【0026】
X方向駆動機構は、第2ビーム部材22に搭載された一対のX軸固定レール26、第2X軸サーボモータ28及びボールねじ軸27を備える。X軸固定レール26は、カメラユニット20のX方向の移動をガイドする部材であり、第2ビーム部材22の上面においてX方向に延びるように固定されている。ボールねじ軸27は、一対のX軸固定レール26の間に、X方向に延在するよう配設されている。第2X軸サーボモータ28は、ボールねじ軸27を回転駆動する。カメラユニット20には図略のナットが付設され、当該ナットがボールねじ軸27に螺合されている。
【0027】
以上の第2駆動機構D2の作動により、カメラユニット20が水平方向(X及びY方向)に移動する。つまり、第2Y軸サーボモータ25によりボールねじ軸24が回転駆動されることにより、カメラユニット20が第2ビーム部材22と一体にY方向に移動する。また、第2X軸サーボモータ28によりボールねじ軸27が回転駆動されることにより、カメラユニット20が第2ビーム22に対してX方向に移動する。なお、当例では、ボールねじ軸24及びY軸固定レール23が、本発明の「第2移動軸」に相当する。
【0028】
なお、図2に示す通り、第2高架フレーム2Lにおける、第2駆動機構D2の配置面の高さは、第1高架フレーム2Hにおける、第1駆動機構D1の配置面の高さH1よりも低い。つまり、第2ビーム部材22は、第1ビーム部材10と干渉しないように、当該第1ビーム部材10に対して下方にオフセットされている。また、カメラユニット20の上面高さは、当該カメラユニット20が第1ビーム部材10と干渉しないように、第1ビーム部材10の下面よりも低く設定されている。
【0029】
突き上げユニットは、部品供給部5の下方に配置されており図示を省略している。突き上げユニットは、ヘッド4aが吸着すべきダイ7aを、ウェハシート8aの下面側から突き上げる。突き上げユニットは、部品取出作業位置(ウェハステージ)に対応する程度の範囲にわたってXY方向に移動可能に、基台2上に配置されている。突き上げユニットは、ピン昇降モータにより昇降する突き上げピンを備えており、ヘッド4aによるダイ7aの吸着時に、突き上げピンを上昇させて、ウェハシート8aを通してダイ7aを突き上げる。
【0030】
[各ユニット4、20の移動エリアとストッパ-部材の説明]
図3は、ヘッドユニット4及びカメラユニット20のY方向の移動エリアを説明するための部品実装装置1の側面図である。図3(A)は、ヘッドユニット4及びカメラユニット20が可動エリアの最も-Y側に配置された状態を示し、図3(B)は、ヘッドユニット4及びカメラユニット20が可動エリアの最も+Y側に配置された状態を示す。
【0031】
ヘッドユニット4及び第1ビーム部材10はY方向に延びるボールねじ軸12の架設範囲に対応した、ヘッドユニット移動エリアA1を有している。同様に、カメラユニット20及び第2ビーム部材22は、Y方向に延びるボールねじ軸24の架設範囲に対応した、カメラユニット移動エリアA2を有している。
【0032】
ヘッドユニット移動エリアA1は、部品供給部5(ウェハステージ)の上方空間から、コンベア3上を通って図外の部品認識カメラの上方空間に至るサイズを有している。これは、ヘッドユニット4が、ウェハステージ上のウェハ7からダイ7aをピッキングし、部品認識カメラで部品認識を行った後、コンベア3上の基板Pにダイ7aを実装する動作を行うためである。一方、カメラユニット移動エリアA2は、部品供給部5の上方空間から、+Y側の図外のウェハ収納エレベータの手前の上方空間に至るサイズを有している。これは、ウェハカメラ21が、ウェハステージ上のウェハ7の撮像動作と、ウェハステージ上から+Y側への退避動作とを行うためである。
【0033】
このように、ヘッドユニット4及びカメラユニット20は、共に部品供給部5(ウェハステージ)のウェハ7に対して作業を行うので、ヘッドユニット移動エリアA1とカメラユニット移動エリアA2とは、部品供給部5の上方空間において、Y方向に互いに重なり合う干渉エリアCAを含む。干渉エリアCAは、ヘッドユニット4とカメラユニット20とが並存した場合に、両者に干渉が生じるエリアである。従って、干渉エリアCAにおいてヘッドユニット4とカメラユニット20とが干渉しないように、第1ビーム部材10及び第2ビーム部材22の移動が制御される。
【0034】
しかし、ソフトウェアによる問題や、オペレータによる誤入力等に起因して、予期せぬ駆動力が働いた場合には、第1ビーム部材10や第2ビーム部材22が暴走して、ヘッドユニット4とカメラユニット20との干渉が起こり得る。そこで、この部品実装装置1では、図1及び図2に示すように、第1ビーム部材10及び第2ビーム部材22に、各々、ストッパ部材30が備えられている。
【0035】
ストッパ部材30は、第1ビーム部材10に備えられる第1ストッパ部材32と、第2ビーム部材22に備えられる第2ストッパ部材34とで構成される。第1ストッパ部材32及び第2ストッパ部材34は、ヘッドユニット4とカメラユニット20とのY方向の距離(間隔)Inが、所定の干渉リミット距離InL(InL>0)まで接近したときに互いに衝突するように設けられている。
【0036】
既述の通り、カメラユニット20及び第2ビーム部材22は、第1ビーム部材10に対して下方にオフセットされており、カメラユニット20及び第2ビーム部材22と第1ビーム部材10とは基本的には干渉しない。しかし、カメラユニット20が第1ビーム部材10の下方に潜り込んだ場合には、カメラユニット20とヘッドユニット4とが干渉し得る。そこで、干渉リミット距離InLは、Y方向において、ヘッドユニット4とカメラユニット20とが干渉しない距離であって、かつ可及的にヘッドユニット4とカメラユニット20とが接近し得る距離に設定されている。
【0037】
なお、この干渉リミット距離InLは、ヘッドユニット4とカメラユニット20とのX方向の位置関係に拘わらず、これらの干渉が回避され得るように、ヘッドユニット4とカメラユニット20とのY方向の位置関係のみに基づいて設定される。
【0038】
第2ストッパ部材34は、第2ビーム部材22上のX方向両端の対称な位置であって、かつ-Y側の端部に各々配置されている。これら一対の第2ストッパ部材34は、X方向において、第1ビーム部材10をガイドするY軸固定レール11と第2ビーム部材22をガイドするY軸固定レール23との中間、又はその近辺に配置されており、当例では、前記一対のボールねじ軸24の上方に位置している。つまり、第2ストッパ部材34は、X方向における、Y軸固定レール11とY軸固定レール23との間で第1ストッパ部材32と衝突する。
【0039】
第2ストッパ部材34は、図4及び図5に示すように、第2ビーム部材22から上方に延びるように設けられている。第2ストッパ部材34は、ストッパ本体35と、これに組付けられるショックアブソーバ36(ダンパーとも呼ばれる)とを含む。ストッパ本体35は、板金のプレス成型部品であり、第2ビーム部材22の上面に起立姿勢で固定されている。ストッパ本体35は、-Y側を向いて上下(Z方向)に延びる衝突面部35aと、衝突面部35aのX方向両端から各々+Y方向に延びる側面部35bと、側面部35bの下端から各々X方向内向きに延びる脚部35cとを備えている。各脚部35cはビス等で第2ビーム部材22に締結されている。これにより、第2ストッパ部材34が第2ビーム部材22に固定されている。
【0040】
ショックアブソーバ36は、緩衝部材の1つである。ショックアブソーバ36は、-Y方向に突出するように、ストッパ本体35の前記衝突面部35aに組付けられた円筒状の金属製部材であり、後記第1ストッパ部材32との衝突により縮小変形(塑性変形)することにより衝突荷重を吸収する。このような、塑性変形により衝突荷重を一度だけ吸収するタイプのショックアブソーバは、ワンショット型と呼ばれる。
【0041】
第1ストッパ部材32は、第1ビーム部材10の下部に下方に延びるように設けられている。第1ストッパ部材32は、ストッパ本体35と同様の板金のプレス成型部品であり、当該ストッパ本体35と類似した形状を有している。すなわち、第1ストッパ部材32は、第2ストッパ部材34の前記衝突面部35aに対向する衝突面部36aと、この衝突面部36aのX方向両端から各々-Y方向に延びる側面部36bと、側面部36bの下端から各々X方向外向きに延びる脚部36cとを備えており、脚部36cが第1ビーム部材10にビス等で締結されている。
【0042】
なお、ヘッドユニット4とこれを支持する第1ビーム部材10の総重量は、カメラユニット20とこれを支持する第2ビーム部材22の総重量よりも重く、また、ヘッドユニット4に要求される位置精度は、カメラユニット20に要求される位置精度に比べて高い。従って、ヘッドユニット4及び第1ビーム部材10に働く衝突時のモーメント荷重(X軸回りのモーメント荷重)を軽減するとともに、カメラユニット20側の第2ストッパ部材34を積極的に変形させて衝突荷重を吸収する方が望ましい。そのため、第1ストッパ部材32の上下方向長(Z方向長)は、第2ストッパ部材34の上下方向長(Z方向長)よりも短く設定され、かつ、第1ストッパ部材32と第2ストッパ部材34(ショックアブソーバ36)とは、上下方向(Z方向)において第1ビーム部材10に偏った位置で互いに衝突する。すなわち、図4に示すように、第1ビーム部材10の下面から衝突位置(一点鎖線で示す位置)までの距離をH1、第2ビーム部材22の上面から衝突位置までの距離をH2としたとき、H1<H2となるように各ストッパ部材32、34が設けられている。
【0043】
[部品実装装置1の動作と作用効果]
図6(A)~(E)は、既述の部品実装装置1の基本動作、すなわち、カメラユニット20によるウェハ7の撮像から、ヘッドユニット4によるダイ7aのピッキング及び実装までの基本動作を示す模式図である。図6(A)は、ヘッドユニット4が、ヘッドユニット移動エリアA1の最も-Y側に位置した状態(図3(A)の状態)、カメラユニット20が、カメラユニット移動エリアA2の最も+Y側に位置している状態(図3(B)の状態)を示している。
【0044】
図6(B)は、カメラユニット20が干渉エリアCA内でウェハ7の撮像を行い、ヘッドユニット4のヘッド4aが基板Pにダイ7aの実装動作を行っている状態を示している。ここでのカメラユニット20の撮像は、次回のピッキング動作でヘッド4aが吸着するダイ7a群の認識のための撮像である。一方、ここでのヘッド4aによる実装動作は、今回のピッキング動作で吸着したダイ7aを基板Pに実装するための動作である。
【0045】
図6(C)は、カメラユニット20が干渉エリアCAから退出する退避移動を行う一方、ヘッドユニット4が干渉エリアCAへ入る進入移動を行っている状態を示している。ヘッドユニット4の進入移動は、直前にカメラユニット20による撮像で認識したダイ7a群を、ウェハ7からピッキングするための移動である。カメラユニット20の退避移動は、ヘッドユニット4との干渉を回避するための移動である。図6(D)は、ヘッド4aがダイ7aをピッキングしている状態である。
【0046】
図6(E)は、ヘッドユニット4が干渉エリアCAから退避移動を行う一方、カメラユニット20が干渉エリアCAへ進入移動を行っている状態を示している。ヘッドユニット4の退避移動は、図6(D)のピッキング動作で吸着したダイ7a群を基板Pに実装するための動作である。カメラユニット20の進入移動は、次回のピッキング動作でヘッド4aが吸着するダイ7a群を撮像するための移動である。
【0047】
以上の通り、部品実装装置1では、ダイ7aの認識~ピッキング~実装のサイクルが、干渉エリアCAにヘッドユニット4とカメラユニット20とが順次入れ替わるようにして実行される。このような基本動作が実行されることにより、ヘッドユニット4とカメラユニット20との干渉が確実に回避される。
【0048】
また、干渉エリアCAにおいて、ヘッドユニット4とカメラユニット20とが互いに接近した場合でも、これらの距離(間隔)Inが前記干渉リミット距離InLに達した場合には、第1ストッパ部材32と第2ストッパ部材34とが衝突し、ヘッドユニット4とカメラユニット20との干渉が回避される。従って、ソフトウェアによる問題等に起因して、万が一干渉エリアCAにおいて第1ビーム部材10や第2ビーム部材22が暴走した場合でも、ヘッドユニット4とカメラユニット20との干渉が回避される。
【0049】
この場合、衝突荷重の大きさに応じてショックアブソーバ36が縮小変形(塑性変形)することにより、当該衝突荷重が吸収される。そのため、第1ストッパ部材32と第2ストッパ部材34との衝突により、ヘッドユニット4及びカメラユニット20や、第1、第2ビーム部材10、22を含む駆動機構D1、D2がダメージを受けることが抑制される。
【0050】
特に、ストッパ部材30(32、34)は、X方向において、ビーム部材10、22の両端近辺に各々配置されているため、衝突荷重が分散されてショックアブソーバ36で吸収される。そのため、衝突荷重が効果的に低減される。
【0051】
また、第1ストッパ部材32の上下方向長が、第2ストッパ部材34の上下方向長よりも短く設定され、さらに第1ビーム部材10側に偏った位置で互いに衝突するように両ストッパ部材32、34が設けられている(図4のH1<H2)。そのため、衝突時にヘッドユニット4及び第1ビーム部材10に作用するモーメント荷重を軽減できるとともに、第2ストッパ部材34がさらに変形して当該衝突荷重を吸収する。従って、カメラユニット20に比して高い位置精度が要求されるヘッドユニット4へのダメージが効果的に抑制される。
【0052】
また、ストッパ部材30(32、34)は、第1ビーム部材10をガイドするY軸固定レール11と第2ビーム部材22をガイドするY軸固定レール23との中間、又はその近辺に位置している。この構造によると、第1ビーム部材10に関しては、衝突荷重が入力する第1ストッパ部材32からY軸固定レール11(スライダの位置)までの距離が短くなり、また、第2ビーム部材22に関しては、衝突荷重が入力する第1ストッパ部材32からY軸固定レール11(スライダの位置)までの距離が短くなる。つまり、第1ビーム部材10の鉛直軸周りのモーメント荷重、及び第2ビーム部材22の鉛直軸周りのモーメント荷重が共に比較的小さく抑えられる。そのため、ストッパ部材30(32、34)の衝突によってY軸固定レール11、23等が変形(歪む)することが抑制される。
【0053】
また、既述の通り、ストッパ部材30(32、34)は、X方向において、ビーム部材10、22の両端近辺の互いに対称な位置に各々配置されているため、ストッパ部材30(32、34)の衝突時に第1、第2ビーム部材10,22の挙動が不安定になり難い。そのため、この点でも、Y軸固定レール11、23等が変形(歪む)することが抑制される。
【0054】
[変形例等]
以上説明した部品実装装置1は、本発明に係る部品移載装置を備えた部品実装装置の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような構成を採用することも可能である。
【0055】
実施形態では、ストッパ部材30のうち、第2ビーム部材22側の第1ストッパ部材32にショックアブソーバ36が備えられているが、ショックアブソーバ36は、第1ストッパ部材32側に備えられていてもよい。但し、ヘッドユニット4は、カメラユニット20に比べて、高速及び高精度での移動が要求されるため、重量軽減の観点からは第2ストッパ部材34に備えられている方が好適である。
【0056】
また、ショックアブソーバ36は、塑性変形により衝突荷重を吸収するワンショット型のショックアブソーバ以外に、ばね、ゴム、エア圧等により衝突荷重を繰り返し吸収可能なショックアブソーバであってもよい。また、緩衝部材として、ショックアブソーバ36に代えて発泡樹脂等の成型体を設けてもよい。例えば図7に示すように、ウレタン等からなる直方体形状の緩衝部材37を衝突面部35aに備えた第2ストッパ部材34を用いてもよい。
【0057】
実施形態では、ストッパ部材30は、X方向において、第1ビーム部材10をガイドするY軸固定レール11と第2ビーム部材22をガイドするY軸固定レール23との中間、又はその近辺に配置されているが、これ以外の位置に配置することも可能である。この場合、ストッパ部材30(32、34)は、1箇所のみに設けられていてもよいし、X方向における3箇所以上の箇所に設けられていてもよい。
【0058】
実施形態では、ストッパ部材32、34(ストッパ本体35)は、板金のプレス成型部品で構成されているが、例えば金属や樹脂のブロック状構造体で構成されていてもよい。但し、板金のプレス成型部品によれば、ストッパ部材30(32、34)を安価に設けることができ、また、衝突時のストッパ部材30(32、34)自体の変形によって衝撃吸収を行うことができる、という利点がある。
【0059】
実施形態では、本発明に係る部品移載装置が部品実装装置に適用された例について説明したが、本発明に係る部品移載装置は、例えばウェハからダイシングされたダイをテープに収容するテーピング装置、或いは前記ダイを基板に実装する部品実装装置などの各種装置に適用することができる。
【0060】
[上記実施形態に含まれる発明]
本発明の一局面に係る部品移載装置は、複数個の部品が配置された部品配置エリアを有する部品供給部から前記部品をピッキングして所定の部品移載部に移載する部品移載装置である。この部品移載装置は、第1方向に延在する少なくとも一つの第1移動軸に沿って水平方向に移動可能な第1ビーム部材と、前記第1ビーム部材に支持されて、当該第1ビーム部材と共に前記部品配置エリアと前記部品移載部との間の上方空間を移動する部品移載ユニットと、前記第1移動軸と平行な少なくとも一つの第2移動軸に沿って水平方向に移動可能な第2ビーム部材と、前記第2ビーム部材に支持されて、当該第2ビーム部材と共に前記部品配置エリアと所定の待機位置との間の上方空間を前記第2移動軸に沿って移動可能で、かつ前記部品配置エリアにおいて前記部品を撮像するカメラユニットと、前記第1ビーム部材及び前記第2ビーム部材に各々備えられ、前記第1方向において前記部品移載ユニットと前記カメラユニットとが所定の干渉リミット距離まで接近したときに、互いに衝突するとともに当該衝突荷重を吸収するストッパ部材とを備える。
【0061】
この部品移載装置によれば、第1方向において部品移載ユニットとカメラユニットとが干渉リミット距離まで接近すると、各ビーム部材に備えたれたストッパ部材同士が衝突し、部品移載ユニットとカメラユニットとの干渉が回避される。この場合、ストッパ部材によって衝突荷重が吸収されることにより、部品移載ユニット及びカメラユニット、第1、第2ビーム部材及び移動軸等が損傷することが抑制される。
【0062】
上記の部品移載装置において、前記第2ビーム部材は、前記第1ビーム部材に対し下方にオフセットされており、前記ストッパ部材は、前記第1ビーム部材の下部に設けられる第1ストッパ部材と、前記第2ビーム部材の上部に設けられる第2ストッパ部材とで構成されるのが望ましい。
【0063】
この部品移載装置によれば、第1ビーム部材に対して第2ビーム部材が下方にオフセットされているので、第1ビーム部材と第2ビーム部材との干渉を回避しながら、ストッパ部材同士(第1ストッパ部材と第2ストッパ部材)を衝突させることができる。
【0064】
この部品移載装置において、前記第1ストッパ部材は前記第1ビーム部材から下方に延びており、前記第2ストッパ部材は前記第2ビーム部材から上方に延びており、前記第1ストッパ部材と前記第2ストッパ部材とは、上下方向において前記第1ビーム側に偏った位置で互いに衝突するのが好適である。
【0065】
この部品移載装置によれば、部品移載ユニットに作用する衝突時のモーメント荷重を軽減することが可能となり、カメラユニットに比して一般に高重量で、かつ高い位置決め精度が要求される部品移載ユニットがダメージを受けることを抑制できる。
【0066】
上記の部品移載装置において、前記第1ビーム部材は、互いに平行な一対の前記第1移動軸に沿って移動し、前記第2ビーム部材は、互いに平行な一対の前記第2移動軸に沿って移動し、前記一対の第1移動軸及び前記一対の第2移動軸のうち、一方側の移動軸対は、他方側の移動軸対の外側に配置されており、前記ストッパ部材は、平面視において、前記一方側の移動軸対の内側に配置されているのが好適である。
【0067】
この部品移載装置によれば、平面視において、一方側の移動軸対の内側にストッパ部材が配置されているので、一方側の移動軸対の外側にストッパ部材が配置される場合に比べて装置全体のコンパクト化に寄与する。
【0068】
この部品移載装置において、前記第1ビーム部材及び前記第2ビーム部材は、共に、前記第1方向と交差する方向に延在しており、前記ストッパ部材は、平面視において、前記第1ビーム部材及び前記第2ビーム部材の両端近辺にそれぞれ配置されているのが好適である。
【0069】
この部品移載装置によれば、ストッパ部材同士の衝突時の衝突荷重が二箇所に分散される。そのため、ストッパ部材同士の衝突時の第1、第2ビーム部材の挙動を安定させて、第1移動軸及び第2移動軸が変形することを抑制することができる。
【0070】
上記の部品移載装置において、前記ストッパ部材は、平面視において、前記一方側の移動軸対と前記他方側の移動軸対との間で互いに衝突するように配置されているのが好適である。
【0071】
この部品移載装置によると、ストッパ部材同士の衝突位置から各移動軸までの距離が比較的近くなる。そのため、ストッパ部材同士の衝突時に、第1ビーム部材の鉛直軸周りのモーメント荷重による第1移動軸の変形や、第2ビーム部材の鉛直軸周りのモーメント荷重による第2移動軸の変形が抑制される。
【0072】
上記の部品移載装置において、前記ストッパ部材は、ショックアブソーバを備えているのが好適である。
【0073】
この部品移載装置におれば、ショックアブソーバにより、ストッパ部材同士の衝突時の衝突荷重を効果的に吸収することが可能となる。
【0074】
上記の部品移載装置において、前記第1ストッパ部及び前記第2ストッパ部は、金属板のプレス成型部品であるのが好適である。
【0075】
この部品移載装置によれば、低廉なストッパ部材の構成で、既述の作用効果を享受することが可能となる。
【0076】
上記の部品移載装置において、前記部品配置エリアは、ダイシングされたウェハが配置されるエリアであって、前記部品はダイであってもよい。また、前記部品移載ユニットは、前記ダイを吸着するヘッドを有するヘッドユニットであり、前記カメラユニットは、前記ウェハを撮像するウェハカメラであり、前記部品移載部は、前記ダイが実装される基板が配置される基板配置部であってもよい。
【0077】
この部品移載装置によれば、ダイシングされたウェハからダイを吸着し、基板に前記ダイを実装する部品実装装置において、既述の作用効果を享受することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7