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▶ 仲嶺 真栄の特許一覧

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  • 特許-型枠製造装置のフレーム 図1
  • 特許-型枠製造装置のフレーム 図2
  • 特許-型枠製造装置のフレーム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】型枠製造装置のフレーム
(51)【国際特許分類】
   E04G 19/00 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
E04G19/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024039504
(22)【出願日】2024-03-13
【審査請求日】2024-03-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524096381
【氏名又は名称】仲嶺 真栄
(74)【代理人】
【識別番号】100166073
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 秀治
(72)【発明者】
【氏名】仲嶺 真栄
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-270027(JP,A)
【文献】特開平2-36032(JP,A)
【文献】特開昭61-8241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 9/00-19/00
B23P 19/00-21/00
B23Q 3/00
B23Q 5/00
B23Q 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎フレームと、
該基礎フレームとスライド自在に組み合わせられ、引き出し位置で回転可能なスライド回転フレームとからなることを特徴とする、型枠製造装置のフレーム。
【請求項2】
部材同士の接触箇所が固定されて一体化した基礎フレームと、
該基礎フレームとスライド自在に組み合わせられ、引き出し位置で回転可能なスライド回転フレームとからなり、
前記基礎フレームが、両側に各々位置する基礎長手部材と、該基礎長手部材より外側で上方に各々位置する基礎側面部材とを有し、
前記スライド回転フレームが、基礎長手部材上をスライド自在に組み合う回転長手部材と、該回転長手部材の端部に鈍角を形成するように取り付けられた端部傾斜部材とを有することを特徴とする、型枠製造装置のフレーム。
【請求項3】
前記基礎フレームの基礎長手部材の上面側に、スライド回転フレームの回転長手部材がスライド自在に接触することを特徴とする、請求項2に記載の型枠製造装置のフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は型枠製造装置のフレームに関し、詳細には、建築現場で使用するコンクリート打設用の型枠を製造する打設枠製造装置のフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の型枠製造装置として、特開平5-146926号公報に記載の装置が知られている。
【0003】
該装置は、型枠データに基づいて、自動的に、合板、縦桟木、及び横桟木を切断して釘打ちし、その後セパレータの取付孔を穿設及び配置番号を印字するものである。
【0004】
詳細は、制御装置で型枠データを型枠を構成する各部材を加工するための加工データに変換し、この加工データに基づいて型枠製造装置が制御されており、桟木供給装置10が、桟木26を所定の寸法に切断し、移動台座12の上に組付け、移動台座12を合板加工装置16まで移動し、合板供給装置14が、適切な大きさの合板40を選別して切断ヤード58の上まで搬送する。
【0005】
そして、合板加工装置16が、合板40を所定の形状に切断加工し、移動台座12に組付けられた桟木の上に載置し、次に、移動台座12を釘打ち装置18まで移動させ、桟木26と合板40を固定することで、所定の部位に使用される型枠140の製造を完了するものである。
【0006】
ここで、移動台座12は、2本で一組となる直線状のレール部材によるフレームを移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平5-146926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の2本で一組となる直線状のレール部材によるフレームが組み込まれた型枠製造装置は、セパレータの取付孔を穿設及び配置番号を印字するものであるが、セパレータの取り付け自体は、現場で行う必要があった。
【0009】
現場でのセパレータの取り付けは、原則として二人の作業員が、一人が型枠を浮かせた状態を保持しつつ、もう一人が多数の取付孔の各々に取り付け作業を行う必要があるので、非常に手間がかかるものであった。
【0010】
現在、建設業界は人手不足で、特に、型枠を扱う作業員の人手不足が深刻な問題であり、作業員の手間の軽減が大きな課題となっている。
【0011】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、型枠製造装置を用いて型枠を製造する際に、セパレータの取り付けまでを行うことができる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
【0013】
第1に、
部材同士の接触箇所が固定されて一体化した基礎フレームと、
該基礎フレームとスライド自在に組み合わせられ、引き出し位置で回転可能なスライド回転フレームとからなることを特徴とする、型枠製造装置のフレーム。
【0014】
第2に、
部材同士の接触箇所が固定されて一体化した基礎フレームと、
該基礎フレームとスライド自在に組み合わせられ、引き出し位置で回転可能なスライド回転フレームとからなり、
前記基礎フレームが、両側に各々位置する基礎長手部材と、該基礎長手部材より外側で上方に各々位置する基礎側面部材とを有し、
前記スライド回転フレームが、基礎長手部材上をスライド自在に組み合う回転長手部材と、該回転長手部材の端部に鈍角を形成するように取り付けられた端部傾斜部材とを有することを特徴とする、型枠製造装置のフレーム。
【0015】
第3に、
前記基礎フレームの基礎長手部材の上面側に、スライド回転フレームの回転長手部材がスライド自在に接触することを特徴とする、第2に記載の型枠製造装置のフレーム。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0017】
スライド可能箇所の末端位置である引き出し位置において、端部横断部材側が下側に下がるように回転することで、スライド回転フレームの他端側が上方に回転して跳ね上がるので、型枠を作業員が支える必要がなく、現場ではなく、型枠製造の際に、セパレータの取り付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の型枠製造装置のフレームについて、スライド回転フレームを回転させた状態の斜視図である。
図2】本発明の型枠製造装置のフレームの斜視図である。
図3】本発明の本発明に係るフレームを組み込んだ型枠製造装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ここで、添付図面において同一の部材には同一符号を付しており、また重複した説明は省略されている。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
本実施例の型枠製造装置のフレームは、部材同士の接触箇所が固定されて一体化した基礎フレーム1と、該基礎フレーム1とスライド自在に組み合わせられ、引き出し位置で回転可能なスライド回転フレーム2とからなる。
【0021】
基礎フレーム1は、両側に各々位置する基礎長手部材11と、該基礎長手部材11より外側で上方に各々位置する基礎側面部材12と、基礎長手部材11間に各々位置する、基礎第1横断部材13、基礎第2横断部材14、基礎第3横断部材15と、4本の基礎支柱16と、側面側の基礎支柱16間に各々位置する土台長手部材17と、横断側の基礎支柱16間に各々位置する、土台第1横断部材18、土台第2横断部材19とで構成されている。
【0022】
基礎長手部材11は、基礎支柱16の上部の内側面に接触するように取り付けられている。
【0023】
基礎側面部材12は、基礎支柱16の上端に接触するように取り付けられている。
【0024】
各部材及び各支柱は、スチールやステンレス等の金属部材によって構成され、各々の接触箇所を溶接によって固定することで、全体が固定されて一体化したものとなる。
【0025】
スライド回転フレーム2は、基礎長手部材11上をスライド自在に組み合う回転長手部材21と、該回転長手部材21の端部に鈍角を形成するように取り付けられた2本の端部傾斜部材22と、該2本の端部傾斜部材の他端側の端部に位置する端部横断部材23と、回転第1横断部材24と、回転第2横断部材25とで構成されている。
【0026】
なお、基礎フレーム1及びスライド回転フレーム2には、図示は省略するが、必要に応じて、型枠を保持するための補助部材が取り付けられている。
【0027】
基礎フレーム1の基礎長手部材11の上面側に、スライド回転フレーム2の回転長手部材21がスライド自在に接触することで、基礎フレーム1に対してスライド回転フレーム2がスライド可能となる。
【0028】
そして、スライド可能箇所の末端位置である引き出し位置において、端部横断部材23側が下側に下がるように回転することで、スライド回転フレーム2の他端側が上方に回転して跳ね上がる。
【0029】
この状態では、図2に示す型枠3も跳ね上がり、作業員が支える必要がないので、孔31へのセパレータの取り付けが容易となる。
【0030】
すなわち、本発明のフレームを組み込んだ型枠製造装置によると、現場ではなく、型枠製造の際に、セパレータの取り付けまですることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 基礎フレーム
11 基礎長手部材
12 基礎側面部材
13 基礎第1横断部材
14 基礎第2横断部材
15 基礎第3横断部材
16 基礎支柱
17 土台長手部材
18 土台第1横断部材
19 土台第2横断部材
2 スライド回転フレーム
21 回転長手部材
22 端部傾斜部材
23 端部横断部材
24 回転第1横断部材
25 回転第2横断部材
3 型枠
31 孔
【要約】
【課題】型枠製造装置を用いて型枠を製造する際に、セパレータの取り付けまでを行うことができる手段を提供する。
【解決手段】固定された基礎フレーム1と、該基礎フレーム1とスライド自在に組み合わせられ、引き出し位置で回転可能なスライド回転フレーム2とからなり、基礎フレーム1の基礎長手部材11の上面側に、スライド回転フレーム2の回転長手部材21がスライド自在に接触することで、基礎フレーム1に対してスライド回転フレーム2がスライド可能となり、スライド可能箇所の末端位置である引き出し位置において、端部横断部材23側が下側に下がるように回転することで、スライド回転フレーム2の他端側が上方に回転して跳ね上がり、セパレータの取り付けが可能となる。
【選択図】図1
図1
図2
図3