(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】コンベア装置
(51)【国際特許分類】
B07C 5/34 20060101AFI20240614BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240614BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20240614BHJP
B07C 5/02 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B07C5/34
G02F1/13 101
G01M11/00 T
B07C5/02
(21)【出願番号】P 2022196655
(22)【出願日】2022-11-21
(62)【分割の表示】P 2018234903の分割
【原出願日】2018-11-28
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】518446905
【氏名又は名称】橋本 雄二
(72)【発明者】
【氏名】橋本 雄二
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101566752(CN,A)
【文献】特開平07-261719(JP,A)
【文献】国際公開第2012/133890(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/128616(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/128617(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0110666(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00-99/00
B65G 47/34-47/51
G02F 1/13
G09G 3/00- 5/42
H04N 5/66- 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を選別するための複数のコンベアを有するコンベア装置において、
前記コンベア装置の少なくとも一つのコンベアを
メインコンベアとし、
前記メインコンベアは、
前記機器の複数の制御対象の動作状態を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づき、前記複数の制御対象のユニフォーミティを得るためのデータを生成するデータ生成手段とを備えた調整手段と、前記データを累積した累積データを生成する累積手段と、前記累積データを使用して前記調整手段の制御を実行するフィードバック手段と、設定条件を満足するか否かを判定し、前記フィードバック手段の制御を継続するか否かを判定する判定手段とを備え、前記調整手段は更に、前記動作状態の前記検出結果の品質評価値を決定する品質評価値生成手段と、前記品質評価値に基づいて、品質グレードを決定する品質グレード決定手段とを備え、前記設定条件は、前記フィードバック手段の実行回数及び前記品質グレードの目標グレードであり、前記判定手段は、前記フィードバック手段の実行回数に合致したか否か、および前記品質グレード決定手段で決定された品質グレードが前記目標グレードに合致したか否かを判定する調整システムと、
前記調整システムからの品質グレード情報に基づいて、前記機器に品質グレード情報の識別を可能とするタグコードを付加するタグ付け手段および/またはRFIDリーダ/ライタと、
前記タグ付け手段および/またはRFIDリーダ/ライタの品質グレード情報に基づいて、前記メインコンベア上の前記機器を複数の品質グレードに仕分ける仕分け手段と、
前記仕分けされた機器の一部を前記
メインコンベアからサブコンベアに移送するための移送コンベアと、
前記移送された機器を一方向に搬送するための前記サブコンベアと、
を備
え、
前記メインコンベアは、ある所望の品質グレードの機器の生産ラインとし、かつ、それ以外の品質グレードの機器を、前記移送コンベアを介して前記サブコンベアに移送し、
前記サブコンベアにも前記調整システム、前記タグ付け手段および/またはRFIDリーダ/ライタを配置して、前記サブコンベア上の機器の品質グレードをより品質の高い品質グレードまでアップグレードすることを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベア装置において、
前記調整システムは、前記判定手段で継続しないと判定した場合、前記フィードバック手段で最後に使用された前記累積データを最終累積データとして記憶手段に保存する
ことを特徴とするコンベア装置。
【請求項3】
請求項
1に記載のコンベア装置において
、
前記サブコンベア上の機器
の品質グレードを前記メインコンベアの所望の品質グレードまでアップグレードすることを特徴とするコンベア装置。
【請求項4】
請求項
1に記載のコンベア装置において、
前記仕分け手段は、前記機器に付与される識別用タ
グを用いて、前記機器を仕分けることを特徴とするコンベア装置。
【請求項5】
表示パネルを選別するための複数のコンベアを有するコンベア装置において、
前記コンベア装置の少なくとも一つのコンベアを
メインコンベアとし、
前記メインコンベアは、
画像パターンが表示された前記表示パネルを撮影する撮影手段と、前記撮影により得られた画像に基づき、ムラを補正するためのデータを生成するデータ生成手段とを有する補正手段と、前記データを累積した累積データを生成する累積手段と、前記累積データを使用して前記補正手段の制御を実行するフィードバック手段と、設定条件を満足するか否かを判定し、前記フィードバック手段の制御を継続するか否かを判定する判定手段とを備え、前記補正手段は更に、前記撮影により得られた画像から品質評価値を計算する品質評価値生成手段と、前記品質評価値に基づいて、品質グレードを決定する品質グレード決定手段とを備え、前記設定条件は、前記フィードバック手段の実行回数及び前記品質グレードの目標グレードであり、前記判定手段は、前記フィードバック手段の実行回数に合致したか否か、および前記品質グレード決定手段で決定された品質グレードが前記目標グレードに合致したか否かを判定するムラ補正システムと、
前記ムラ補正システムからの品質グレード情報に基づいて、前記表示パネルに品質グレード情報の識別を可能とするタグコードを付加するタグ付け手段および/またはRFIDリーダ/ライタと、
前記タグ付け手段および/またはRFIDリーダ/ライタの品質グレード情報に基づいて、前記メインコンベア上の前記表示パネルを仕分ける仕分け手段と、
前記仕分けされた表示パネルの一部を前記
メインコンベアからサブコンベアに移送するための移送コンベアと、
前記移送された表示パネルを一方向に搬送するための前記サブコンベアと、
を備
え、
前記メインコンベアは、ある所望の品質グレードの表示パネルの生産ラインとし、かつ、それ以外の品質グレードの表示パネルを、前記移送コンベアを介して前記サブコンベアに移送し、
前記サブコンベアにも前記
ムラ補正システム、前記タグ付け手段および/またはRFIDリーダ/ライタを配置して、前記サブコンベア上の表示パネルの品質グレードをより品質の高い品質グレードまでアップグレードすることを特徴とするコンベア装置。
【請求項6】
請求項
5に記載のコンベア装置において、
前記ムラ補正システムは、前記判定手段で継続しないと判定した場合、前記フィードバック手段で最後に使用された前記累積データを最終累積データとして記憶手段に保存す
ることを特徴とするコンベア装置。
【請求項7】
請求項
5に記載のコンベア装置において
、
前記サブコンベア上の表示パネル
の品質グレードを前記メインコンベアの所望の品質グレードまでアップグレードすることを特徴とするコンベア装置。
【請求項8】
請求項
5に記載のコンベア装置において、
前記仕分け手段は、前記表示パネルに付与される識別用タ
グを用いて、前記表示パネルを仕分けることを特徴とするコンベア装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネル等の機器において、表示パネルのムラ等のように複数の素子や部材からのアウトプットのばらつきを均一化してユニフォーミティを得るための調整方法、調整システムおよびコンベア装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されているように、表示パネル等のムラ補正処理として、テストパターンを表示パネルに表示してカメラで撮影し、撮影データから補正量を計算してムラ補正データを生成することが知られている。
【0003】
また、特許文献2に記載されているように、表示パネル等のムラ補正処理として、例えば、画面中央部での重み付けを大きく周辺部での重み付けを小さく設定して領域別での重み付けを変更すること等によって、より目視検査に近い補正を行うことが可能となることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-9891号公報
【文献】特開2005-43174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の表示パネル等のムラ補正処理は、テストパターンを表示パネルに表示してカメラで撮影し、撮影データから補正量を計算してムラ補正データを生成する工程を1回しか行っていないため、満足するムラ補正処理が行えないケースが存在した。
また、ムラ補正処理の目標値を設定することも行っていないため、ムラ補正処理を行った結果が満足のいくものであるか否かも不明であり、ケースに応じて異なってしまう。
また、ムラ補正処理を効率的に行い生産性を上げるための設備も提案されていない。
従って、従来より満足のいく精度の高いムラ補正処理等の調整処理を行い、更に、調整処理の生産性を上げるためのコンベア装置により調整処理を効率的に行うことが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態における機器の複数の制御対象のユニフォーミティを得るための調整方法は、以下のステップを有することを特徴とする。
複数の制御対象の動作状態を検出し、前記動作状態の検出結果に基づき、前記複数の制御対象のユニフォーミティを得るためのデータを生成する調整ステップ。前記データを累積した累積データを生成する累積ステップ。前記累積データを使用して前記調整ステップを実行するフィードバックステップ。前記フィードバックステップを継続するか否かを判定する判定ステップ。
【0007】
本発明の一実施形態における機器の複数の制御対象のユニフォーミティを得るための調整システムは、以下の手段を有することを特徴とする。
複数の制御対象の動作状態を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づき、前記複数の制御対象のユニフォーミティを得るためのデータを生成するデータ生成手段とを備えた調整手段。前記データを累積した累積データを生成する累積手段。前記累積データを使用して前記調整手段の制御を実行するフィードバック手段。前記フィードバック手段の制御を継続するか否かを判定する判定手段。
【0008】
本発明の一実施形態におけるムラ補正方法は、以下のステップを有することを特徴とする。
画像パターンが表示された表示パネルを撮影し、前記撮影により得られた画像に基づき、前記ムラを補正するためのデータを生成する補正ステップ。前記データを累積した累積データを生成する累積ステップ。前記累積データを使用して前記補正ステップを実行するフィードバックステップ。前記フィードバックステップを継続するか否かを判定する判定ステップ。
【0009】
本発明の一実施形態におけるムラ補正システムは、以下の手段を有することを特徴とする。
画像パターンが表示された表示パネルを撮影する撮影手段と、前記撮影により得られた画像に基づき、前記ムラを補正するためのデータを生成するデータ生成手段とを有する補正手段。前記データを累積した累積データを生成する累積手段。前記累積データを使用して前記補正手段の制御を実行するフィードバック手段。前記フィードバック手段の制御を継続するか否かを判定する判定手段。
【0010】
本発明の一実施形態におけるムラ補正等の調整用のコンベア装置は、以下の手段を有することを特徴とする。
前記コンベア装置の少なくとも一つのコンベアを、
前記調整システムと、
前記調整システムからの品質グレード情報に基づいて、前記機器に品質グレード情報の識別を可能とするタグコードを付加するタグ付け手段および/またはRFIDリーダ/ライタと、
前記タグ付け手段および/またはRFIDリーダ/ライタの品質グレード情報に基づいて、前記メインコンベア上の前記機器を仕分ける仕分け手段と、
前記仕分けされた機器を前記メインコンベアからサブコンベアに移送するための移送コンベアと、
前記移送された機器を一方向に搬送するためのサブコンベアと、
を備えるメインコンベアとしたことを特徴とするコンベア装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示パネルのムラ等のように複数の素子や部材からのアウトプットのばらつきを均一化してユニフォーミティを得るために、より満足のいく精度の高いムラ補正等の調整処理を行い、更に、調整処理の生産性を上げて効率的に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正システム等の調整システムの全体構成を説明するブロック図である。
【
図2】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正方法等の調整方法を説明するフローチャートである。
【
図3】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正方法等の調整方法を説明するフローチャートである。
【
図4】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正方法等の調整方法を説明するフローチャートである。
【
図5】 従来のムラ補正方法等の調整システムの全体構成を説明するブロック図である。
【
図6】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正システム等の調整システムにコンベア装置を付加した構成を説明するシステム図である。
【
図7】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正システム等の調整システムにコンベア装置を付加した構成を説明するシステム図である。
【
図8】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正システム等の調整システムにコンベア装置を付加した構成を説明するシステム図である。
【
図9】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正システム等の調整システムにコンベア装置を付加した構成を説明するシステム図である。
【
図10】 本発明の一実施形態にかかるムラ補正システム等の調整システムにコンベア装置を付加した構成を説明するシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態にかかる、複数の素子や部材からのアウトプットのばらつきを均一化してユニフォーミティを得るための調整方法、調整システムおよびコンベア装置等について、表示パネルのムラ補正を一例として図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図5に、従来の表示パネルのムラ補正システムの全体構成を示す。典型的には、機器(表示パネル等)600と調整システム(ムラ補正システム等)100とからなり、調整システム100は、調整手段(補正手段)200および記憶手段500を含む。
【0015】
機器(表示パネル等)600は、液晶パネルや有機ELパネル等の様々なパネルや、これら表示パネルを搭載した機器を採用することができる。表示パネルを搭載した機器としては、テレビ、ディスプレイ、プロジェクタ型ディスプレイ、スマートフォン、電子辞書等の様々な機器を採用することができる。
【0016】
調整手段(補正手段)200は、パターン発生器からの画像パターンが表示された表示パネル600を撮影するCCDカメラ等の検出手段(撮影手段)300と、撮影された画像からムラを補正するための補正量を計算して補正データを生成するデータ生成手段400とを含む。
なお、撮影画像のサンプリングサイズは、画素単位でも複数の画素からなるブロック単位(4×4、16×16等)でも任意に採択できる。
また、ムラとしては、輝度ムラや色ムラ等に対して適用できるものである。
【0017】
記憶手段500は、ROM等の様々な記憶媒体を採用することができ、データ生成手段400で生成された補正データを記憶する。また、記憶手段500は、表示パネル600とは別体であっても、表示パネル600に内蔵されていてもよい。
【0018】
最終的に、補正データが記憶された記憶媒体を機器(表示パネル等)600に搭載して、機器(表示パネル等)600に入力される画像信号を補正データにより補正することにより、ムラ補正された機器(表示パネル等)600を得ることができる。
【0019】
しかしながら、従来のムラ補正システムは、調整手段(補正手段)200による補正データの生成を1回しか行っていないため、補正データによりムラ補正された機器(表示パネル等)600を再度検査したところ、完全にムラが除去されておらず満足のいくものでないケースが存在した。
【0020】
(実施形態1)
本発明は、そのような不具合を除去したムラ補正システム等の調整システムを提供するものであり、
図1に、本発明のムラ補正システム等の調整システムの全体構成を示す。典型的には、機器(表示パネル等)9と調整システム(ムラ補正システム等)1とからなり、調整システム(ムラ補正システム等)1は、フィードバック手段2、判定手段7および記憶手段8を含む。
【0021】
フィードバック手段2は、調整手段(補正手段)3および累積手段6を含み、調整手段(補正手段)3および累積手段6を繰り返し実行させるための制御手段である。なお、調整手段(補正手段)3は、
図5で説明した調整手段(補正手段)200と同様の構成のため、その詳細は割愛する。
累積手段6は、調整手段(補正手段)3で生成された補正データを累積するもので、調整手段(補正手段)3が2回実行された場合は、1回目の補正データに2回目の補正データを加算して累積データを生成する。調整手段(補正手段)3が3回実行された場合は、前回の累積データに3回目の補正データを加算して累積データを生成する。以後、実行回数が増えた場合は、同様に累積データを生成する。
判定手段7は、フィードバック手段2による調整手段(補正手段)3および累積手段6の繰り返し制御を継続するか否かを判定する制御手段である。
【0022】
次に、実施形態1の動作を
図2のフローチャートを用いて説明する。
調整システム(ムラ補正システム等)1の制御をスタートすると、調整手段(補正手段)3において、パターン発生器からの画像パターンが表示された機器(表示パネル等)9をカメラ等の検出手段(撮影手段)4で撮影し、撮影された画像からムラを補正するための補正量を計算してデータ生成手段5で補正データを生成する(調整ステップS1)。
次に、データ生成手段5で生成された補正データを加算して、累積手段6で累積データを生成することになるが、1回目の調整手段(補正手段)3の実行時は、前回の調整手段(補正手段)3による補正データは存在しないので、1回目の調整手段(補正手段)3の実行により生成された補正データが累積データとして生成される(累積ステップS2)。
次に、フィードバック手段2による調整手段(補正手段)3および累積手段6の繰り返し制御を継続するか否かを判定手段7で判定する(判定ステップS3)。
判定手段7で継続すると判定された場合は、調整手段(補正手段)3および累積手段6の2回目の制御を実行することになるが、1回目の調整手段(補正手段)3および累積手段6により生成された累積データを用いてパターン発生器からの画像パターンを補正し、補正された画像パターンが表示された機器(表示パネル等)9をカメラ等の撮影手段4で撮影し、撮影された画像からムラを補正するための補正量を計算してデータ生成手段5で補正データを生成する。そして、累積手段6で、1回目の累積データに2回目の補正データを加算して累積データを生成する(フィードバックステップS4)。
このように、判定手段7で継続すると判定されると、フィードバック手段2により上記制御を繰り返し行うことになる。
判定手段7で継続しないと判定されると、最後に生成された累積データを最終累積データとして記憶手段8に保存して、機器(表示パネル等)9に適用するための補正データとする。
【0023】
判定手段7でフィードバック手段2を継続するか否かの判定は、設定条件を満足するか否かを判断することにより判定される。設定条件は、調整システム(ムラ補正システム等)1で固有の条件でも、任意に設定可能な条件でもよい。
【0024】
(実施形態2)
実施形態2の動作を
図3のフローチャートを用いて説明する。
実施形態2は、実施形態1における設定条件を、フィードバック手段2の実行回数とするものである。この実行回数は調整システム(ムラ補正システム等)1のユーザーが任意に設定可能なもので、判定手段7は、フィードバック手段2の実行回数が設定された実行回数に到達したか否かを判定し、設定された実行回数に到達するまでフィードバック手段2の制御を継続する(判定ステップS13)。
【0025】
実施形態2では、フィードバック手段2の実行回数を任意に設定するものであるが、その設定方法として経験則や得られた調整データ(補正データ)から設定する。つまり、あるメーカー製のパネル、ある生産ロットで製造されたパネルには傾向的なムラが生じるケースが多い。その傾向的なムラに応じて、例えばある生産ロットのムラがひどいと想定される場合は、フィードバック手段2の実行回数を多い目に設定することもできるため、より効率の良いムラ補正ができる。
【0026】
(実施形態3)
実施形態3の動作を
図4のフローチャートを用いて説明する。
実施形態2のように、設定条件をフィードバック手段2の実行回数とした場合、回数を増やすことにより満足のいくムラ補正が行える確率が高くなるが、ムラ補正の目標値がないため、設定した回数で本当に満足のいくムラ補正が行えているのかが不明である。
実施形態3は、実施形態1における設定条件を、ムラ補正の目標グレードとするものである。例えば、パターン発生器からの画像パターンが均一な白色光とすると、均一な白色光が表示された機器(表示パネル等)9を撮影した画像の輝度値が、各領域(画素単位又はブロック単位等)で全て等しければムラのない機器(表示パネル等)9であり、各領域で輝度値が異なるとムラのある機器(表示パネル等)9ということになる。しかし、特許文献2等に記載されているように、人間が目視検査をした場合、ムラの大きさ(各領域での輝度値の差)や種類、各領域の場所(画面中央部や周辺部)等に応じて、許容できるムラの範囲というものが存在する。
そこで、一例として、ムラの大きさ(各領域での輝度値の差)にグレードを設定して、特定のグレードを目標グレードとすることが考えられる。例えば、各領域における輝度値の最小値と最大値の差の大小に応じて、差が小さい範囲をグレード1、差が中程度の範囲をグレード2、差が大きい範囲をグレード3と設定する。グレード1が人間の目視検査で許容できるムラとすると、設定条件として目標グレードをグレード1と設定する。
一方、調整ステップ(補正ステップ)S21は、実施形態1に加えて品質評価値ステップS21aおよび品質グレード決定ステップS21bを更に含む。品質評価値ステップS21aは、画像パターンが表示された機器(表示パネル等)9を撮影した画像から、各領域における輝度値の最小値と最大値の差を品質評価値として計算する。品質グレード決定ステップS21bは、計算された品質評価値がグレード1、グレード2又はグレード3のいずれに属するかを判断して撮影画像の品質グレードを決定する。
判定ステップS34は、品質グレード決定ステップS21bで決定された品質グレードと、設定条件として設定された目標グレードとを比較して、品質グレードが目標グレードに合致したか否かを判定する。目標グレードに合致していない場合は、目標グレードに到達するまでフィードバック手段2の制御を継続する。これによって、目標とするムラ補正の品質を満足する補正データを得ることができる。
【0027】
なお、機器(表示パネル等)9の品質が悪くて、フィードバック手段2の制御を何回繰り返しても、目標とする品質が得られない場合も考えられる。その場合は、実施形態2のフィードバック手段2の実行回数も設定条件として設定し、設定された実行回数に到達した場合は、目標グレードに到達していなくてもフィードバック手段2の制御を終了する構成とし、補正しても満足する品質が得られない再製不良品として扱う。
【0028】
更に、人間の目視検査に近い種々の重みづけを用いて、目標グレードおよび品質グレードを決定してもよい。例えば、機器(表示パネル等)9の画面中央部での重み付けを大きく、周辺部での重み付けを小さく設定して、目標グレードおよび品質グレードを決定すれば、より人間の目視検査に近い品質の補正データを得ることができる。
【0029】
(実施形態4)
実施形態4の構成は、本発明における制御対象のユニフォーミティを得るための調整方法を、表示パネルの輝度ムラ等の補正に適用するとともに、その補正制御および生産を効率的に行うためのコンベア装置の一実施例である。
【0030】
先ず、本実施例の目的は、本発明の主目的である調整方法(本実施例の場合はムラ補正方法)を駆使して、不良品とみなされた表示パネルを一定レベルの良品に再製することで、これまで不良品となっていた表示パネルを再利用可能とすることである。これに加えて、表示パネルを再利用するためにムラ補正システムでのムラ品質グレードのアップグレードや効率の良い生産システムを提供するものである。
【0031】
また、上記目的達成のためには、次のようなステップを経る必要があり、一種のビジネスモデルとしても成立する可能性がある。最初に、一例として表示パネルのユーザーから不良パネルの補正業務を委託して該パネルを再製するケースで説明する。
最初に、表示パネルのユーザーから不良品を良品に再製する委託を受け、その委託契約成立後にユーザーから供給される不良品の表示パネルの供給を受ける。
次に、委託契約締結後にユーザーから不良品の表示パネルの供給を受け、その表示パネルを本実施例のコンベア装置にて搬送し、その搬送の間にムラ補正やムラの品質グレードの識別を行う。
そして、表示パネルの品質グレードの識別の結果で、ユーザーの所望する再製された表示パネルを仕分け手段で選別、集約する。
その後、集約された表示パネルを出荷または保管する。
【0032】
上記でいうムラの品質グレードの一例としては以下のことが考えられ、本発明で使用する品質グレードは以下のことを前提にしている。
グレードA:
テレビ、大型ディスプレイ用、PCモニター用としてほとんどムラが見えない品位の高い表示パネルに採用される。小型ディスプレイであっても、高品位の画質が必要とされる場合やユーザーの要求がある場合は、グレードAの範疇になる。本実施例において、この品質グレードAの表示パネルは、パネルAとする。
グレードB:
スマートフォン、電子辞書、小型ディスプレイ(カーナビ用等)などの小型ディスプレイに採用するもので、高品位の映像を鑑賞する必要がない機器が対象となる。本実施例において、この品質グレードBの表示パネルは、パネルBとする。
グレードC:
玩具用ディスプレイなどで、さほど画質にこだわらなくても良い機器に採用される。本実施例において、この品質グレードCの表示パネルは、パネルCとする。
不良品:
上記に該当しない表示パネルは、図面中において不良品と表示する
【0033】
以下、本実施形態4のユニフォーミティ調整用のコンベア装置について、
図6のシステム図を用いて説明する。
なお、コンベア装置の説明においては、表現の煩雑さを抑制するために前出および既述された装置・手段について「前記」という慣用句を用いないこととする。
図6のメインコンベアA700は、表示パネルを一方向に搬送しながら、主にそのムラ補正および/またはその品質グレードの識別を行うものである。そのための手段として、例えば、メインコンベアA700の周辺に少なくとも次の装置/手段が配置される。
▲1▼調整手段(補正手段)3と累積手段6等からなるフィードバック手段2
▲2▼設定条件に対応して、フィードバック手段2の制御を実行するか否かを判定する判定手段7
▲3▼RFIDリーダ/ライタ(タグ付け手段702)や吸着盤704などを装備した表示パネル9を移送コンベアやサブコンベアに移送する仕分け手段701
▲4▼仕分け手段701からの仕分けされた表示パネル9を載置または移送するための移送コンベア705
▲5▼メインコンベアA700、または、移送コンベア705から振り分けられる表示パネル9を搬送するサブコンベア706
なお、本発明の説明で使用されるコンベアは、従前から使用されている硬化樹脂製やゴム製のベルトと、それを回動させる多数のローラーから構成されるもので、メインコンベアA700、移送コンベア705、サブコンベア706は、コンベアの構造としてはすべて同じ構成である。
【0034】
次に、上記の各装置/手段につき以下に詳細に説明する。
仕分け手段701:
仕分け手段701で仕分けされる表示パネル9にはRFタグ703が取り付けられている。表示パネル9がメインコンベアA700上を通過している間にRFタグ703の情報を読み取り、その行き先を判断して適当な移送手段705やサブコンベア706に移送する。本発明のパネル移送手段705の例としては、吸着盤704を利用する装置で説明すると、まず表示パネルを把持する吸着盤704からなるパネル把持部と、パネル把持部を移動させる移動機構とを備え、パネル把持部は表示パネルを吸着するパネル吸着部703を備える。詳しくは図示はしないが、パネル吸着部703は表示パネル9の厚さ方向と鉛直方向とが一致するように表示パネル9を吸着し、その後に移送すべき適当な移送手段705やサブコンベア706に合わせて移動方向を決めて移動させる。そして、所望の移送手段やサブコンベア上で、パネルの水平性を維持しながら該吸着盤703の吸引を解除する。
タグ付け手段702:
本発明のコンベア装置においては、種々の信号処理が可能なムラ補正システムであるため、製品を仕分けるための識別信号を該ムラ補正システム内で生成し、該信号により仕分け手段を制御して仕分けることも可能であるが、説明の便宜上RFID(Radio Frequency Identification)を用いる表示パネルの管理システムとして説明する。
生産ラインにおいて、製品を仕分けるために識別用タグとして、RFタグ、QRコード、ICチップ、若しくは、バーコードなどがあり、これらは従来より在庫管理等などの分野で広く用いられている技術である。
先ず、コンベアに載置され順次移動するムラ補正の対象となる表示パネルに、ユーザーや生産者およびムラの品質グレードを特定するIDが記載されたRFタグ703を取り付けて、コンベアの通過地点でRFIDリーダ/ライタでユーザーや生産者の情報を読み込んだり、あるいはRFタグ703に補正後の累積データや品質グレードデータを書き込み、コンベア上を搬送される表示パネル9を仕分ける。そのため、品質グレード管理、出荷管理、在庫管理等をコンベアを利用して容易に行うことができる。
RFタグ703は、詳細には図示はしないが、内蔵アンテナとICチップ等を備えて形成されている。このアンテナによって、RFIDリーダ/ライタ間での電波の送受信を行うことができる。ICチップは、受信した電波により電力を発生する電源回路、タグコードを書き込むための記憶回路、応答電波を発信するための無線処理回路、さらにはユーザーや生産者の情報、品質グレード管理のための制御回路等を備えている。
本実施形態4において、タグ付け手段702を説明の便宜上、本発明のムラ補正を行うための調整手段や判定手段とは別に記載しているが、このタグ付け手段102はRFIDリーダ/ライタ部分に内蔵されても良いし、調整手段3や判定手段7を有するムラ補正システム1内に配置されても良い。
移送コンベア705:
移送コンベア705は、仕分け手段701によってムラ品質グレードごとに仕分けられた表示パネル9をメインコンベアA700から排出したり(いわゆるライン落ち)、サブコンベア706に移送するためのものである。
メインコンベアA700から排出される表示パネル9は、いくらムラ補正をしても補正不能な表示パネル9であって、例えば画素欠陥による輝線や輝点を生じるものである。これらの表示パネル9は、ムラの品質グレードを上げることは不可能であるから廃棄処理するしかないものである。
一方、サブコンベア706に移送される前記表示パネル9は、ムラの品質グレードごとに、および/またはユーザー、生産メーカーごとに仕分けされたものである。原則として、品質グレードに差はあるもののムラ補正をかける余地のある表示パネル、または、特定された品質グレードの表示パネルを搬送する。
サブコンベア706:
移送コンベア705から移送をされた表示パネル9を一定方向に搬送するもので、この搬送過程でムラの品質グレードごとに品質グレードを上げる補正制御を行うことや、複数のコンベアで単に品質グレードごとに分割して搬送する場合もある。このサブコンベア706の利用方法は多岐にわたるので、以下の図面により説明する。
【0035】
(実施形態5)
図7は、ユーザーから供給を受けた種々の品質グレードの表示パネルをメインコンベアA700で搬送するもので、搬送中に品質グレードの異なる表示パネル9を移送コンベア705を経由してサブコンベア706B,C,Dに移送する構成である。
さらに、品質グレードA、B、Cの各グレードの表示パネルを同時に生産するもので、次に示すように、単に品質グレードA,B,CごとにパネルA、B、C、不良品とに仕分けるシステムである。
▲1▼メインコンベアA700で品質グレードAのパネルAだけを得る。
▲2▼サブコンベアB706で品質グレードBのパネルBだけを得る。
▲3▼サブコンベアC706で品質グレードCのパネルCだけを得る。
▲4▼サブコンベアD706で不良品のパネルだけを排出する。
従って、
図7の実施例は、メインコンベアA700だけに本発明のムラ補正システムを装備し、該メインコンベアA700で搬送される種々の品質グレードの表示パネルを順次補正制御し、その結果得られた表示パネルの品質グレードを識別して仕分ける。それを移送コンベア705を経由してサブコンベア706に移送するという構成になっている。本実施例は、種々のユーザー向け、種々の品質グレードごとの多品種生産に適した構成である。
【0036】
(実施形態6)
図8は、サブコンベアB706にもムラ補正システム1を設けて、所望の1種類の品質グレード、例えばグレードAに統一してパネルをアップグレードするものである。
メインコンベアA700は、ある所望の品質グレード、例えばグレードAの表示パネルのための専用の生産ラインとする。グレードA以外の品質グレードの表示パネル、例えばグレードB,Cは移送コンベア705を介してサブコンベアB,C706に移送する。そいて、サブコンベア706に装備されているムラ補正システム1、タグ付け手段702で、表示パネルを所望の品質グレード、例えばグレードBパネルをグレードAパネルまで、または、グレードCパネルをグレードAパネルまでアップグレードする。この生産方法によりパネルAやパネルBなどを大量に生産することが可能となる。
【0037】
(実施形態7)
図9は、
図8と同様にサブコンベア706にもムラ補正システム1を設けて所望のグレードA(または、BでもCでも良い)の表示パネルのための生産ラインとするものである。
図8と異なる点は各サブコンベア706もメインコンベアA700と同等の構成として、各コンベアごとに生産ラインが完結するシステムである。各コンベアで仕分けされる表示パネルは、所望のグレード以外のものはそれぞれの移送コンベア705でメインおよびサブコンベアから排出される。
つまり、サブコンベアB、C706においても所望の一つの品質グレード単位で仕分けすることである。従って、所望の品質グレードであるグレードAだけ、または、グレードBだけ、グレードCだけを複数のコンベアで臨機応変に生産できる。本実施形態7は、例えば、グレードA以外と判定された表示パネルは各コンベアから移送コンベア上に排出される。排出されたグレードA以外のグレード表示パネルは、後日別途補正制御をすることになる。本実施形態7は、複数のコンベアを用いて特定の品質グレードのパネルを量産するのに好適である。
【0038】
(実施形態8)
図10は、コンベアの配置を十字型にしたもので、一つの変形の実施形態8である。
その特徴は、移送コンベア705、または、サブコンベア706をメインコンベアA700の長手方向に対して直交して設けたことで、メインコンベアA700と並列に設置されるサブコンベア706を不要としたものである。工場のレイアウトをコンパクト、かつ、作業性を向上させることができる利点がある。
メインコンベアA700では、グレードAの表示パネルだけを仕分けするようにし、グレードA以外の表示パネルは、直角に位置する移送コンベア705、または、サブコンベア706に移送される。当該移送コンベア705、または、サブコンベア706の一部には、ムラ補正システム1、タグ付け手段702が配置され、メインコンベアA700から仕分けられる所望の品質グレード以外の表示パネル9を、例えば、所望のグレードAのパネルまでアップグレードする。グレードAと不良品パネルは移送コンベア705、または、サブコンベア706に排出されるだけであるが、グレードB,Cの表示パネルは、ムラ補正システム1、タグ付け手段702が配置された移送コンベアB、D705、または、サブコンベア706に仕分けられたのちにグレードAとなるようなムラ補正制御がなされる。
【0039】
(実施形態9)
以上、実施形態1から8で説明した表示パネルのムラ等のように、複数の素子や部材からのアウトプットのばらつきを均一化してユニフォーミティを得るための調整方法や調整システムにおいては、機械学習を行う人工知能を活用する方法もある。
表示パネルのムラ補正システムにおいては特に有効で、その理由は以下のようになる。
【0040】
<課題>
▲1▼大量生産の対象となる表示パネルは、生産効率を高める必要がある。
▲2▼特に、有機ELパネルのように、生産歩留まりの非常に悪いパネルについては不良品が多数出てしまう。
▲3▼この大量の不良品を、せめてB級品(グレードB)とかC級品(グレードC)のほぼ良品レベル(再製パネル)にまでアップグレードしたい。
【0041】
<課題の解決>
本発明におけるムラ補正システムは以下の構成を備えており、上記の課題を解決できるとともに、以下のように機械学習を適用するのに好適な要因を備えている。
▲1▼ムラ補正データを累積して保存する仕組みがあり、さらにフィードバック手段によるムラ補正の反復制御は、機械学習そのものともいえる。
▲2▼この反復制御においては、輝度ムラを含め色ムラ等の種々のムラが生じるが、それらに対応する種々のムラ補正データを累積保存することができる。
▲3▼この種々の補正データをムラの形状や発生場所に応じて、それぞれ大分類、中分類、小分類などに分類分けをしてムラ補正データとして保存する。かつ、
▲4▼補正される前の生のムラデータそのものも、生のムラデータとしてムラの形状や発生場所に応じて、それぞれ大分類、中分類、小分類などに分類分けをして生のムラデータとして保存する。
▲5▼上記▲3▼と▲4▼のそれぞれの保存データを比較してその近似性を瞬時に判定することで、ムラ補正制御のスピードアップを図ることができる。判定スピードは、学習対象のデータが多ければ多いほどアップする。
▲6▼上記▲3▼と▲4▼のデータは、機械学習アルゴリズムに応じた価値関数を、近似関数や、配列、またはニューラルネットワーク等の教師あり学習などにより記憶するようにすれば良い。強化学習のアルゴリズムとしては、Q学習、SARSA法、TD学習、AC法など様々な手法が周知となっているが、いずれの強化学習アルゴリズムを採用しても良い。
▲7▼上記機械学習において報酬条件を設定することまでは必要ないが、本ムラ補正システム1で設定されている設定条件と、フィードバックステップ2で得られる補正データと、撮影手段4で得られる生のムラデータとの比較結果による判定に基づいて機械学習を行うことで、最も近似して最適なムラ補正条件を迅速に見出すことができる。
▲8▼一例としては、ムラ補正システム1で設定されている設定条件を「指定回数」とした場合、あるユーザー、または生産者のパネルは、パネルのムラ品質が良いとの判定結果であれば(例えば、グレードB)、その指定回数を少ない部類に属する「2回」と設定してグレードAのパネルを得ることができる可能性がある。通常の指定回数が「数回」であったとしたらならば、ムラ補正制御にかかる補正時間を短縮できることになる。
▲9▼また、
図8のコンベア装置においては、メインコンベアA700のムラ補正システム1で得られた機械学習途上または終了後の情報を、サブコンベアB,C706に配置されている補正システム1に供給する。
▲10▼この供給情報により、サブコンベアB706はパネルBをパネルAにアップグレードするための最も評価の高い指定回数を設定して最短時間でパネルAにアップグレードする。
▲11▼サブコンベアC706はパネルCをパネルBへ、そして、そのパネルBをパネルAに段階的にアップグレードするための最も評価の高い指定回数をそれぞれの補正システム1に設定して、段階的ではあるがその範疇での最短時間でパネルAにアップグレードする。
上記の▲11▼では、2つのムラ補正システム1等を使って段階的にパネルCをパネルBへ、そして、そのパネルBをパネルAにアップグレードするが、一つのムラ補正システム1でパネルCをパネルAにアップグレードすることも可能である。
【0042】
以上のように強化学習を組込んだムラ補正システムにおいては、学習する主体となる機械学習器(図示はしないが
図4のフィードバックステップS24内に組込まれる)と、撮影手段4で得られる生のムラデータと、補正ステップS21で得られるムラ補正データとのやりとりにより機械学習が行われる。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。また、本明細書(特許請求の範囲、要約および図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0044】
本発明は以上の構成であるので、表示パネルのムラ等のように複数の素子や部材からのアウトプットのばらつきを均一化してユニフォーミティを得るために、より満足のいく精度の高いムラ補正等の調整処理を行い、更に、調整処理の生産性を上げて効率的に行うことができるという利点を有する。
【符号の説明】
【0045】
1 調整システム(ムラ補正システム等)
2 フィードバック手段
3 調整手段(補正手段)
4 検出手段(撮影手段)
5 データ生成手段
6 累積手段
7 判定手段
8 記憶手段
9 機器(表示パネル等)
10 設定条件(実行回数、目標グレード等)
700 メインコンベアA
701 仕分け手段
702 タグ付け手段(RFIDリーダ/ライタ)
703 RFIDタグ
704 吸着盤
705 移送コンベア
706 サブコンベア
707 アンテナ