(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20240614BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G06Q40/08
G08G1/00 D
(21)【出願番号】P 2022030623
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2021074655の分割
【原出願日】2021-04-27
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】元垣内 広毅
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-222301(JP,A)
【文献】特表平11-511581(JP,A)
【文献】国際公開第2021/002368(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0089101(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0137914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G06Q 40/00 - 40/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムにより実行される情報処理方法であって、
複数の移動体の走行情報に基づいて、前記複数の移動体に関する集計データを生成することと、
前記集計データに対応する第一の保険料情報を算出することと、
前記集計データの少なくとも一部に関する情報であって前記第一の保険料
情報に影響をもたらす第一の情報、及び、前記第一の保険料情報を出力することと、
前記第一の情報の第一の要素を変更することと、
前記集計データに対して前記変更後の前記第一の情報を反映したデータに対応する第二の保険料情報を算出することと、
前記第二の保険料情報を出力することと、
を含み、
前記第一の情報は、前記複数の移動体の運転スコアに関する情報であり、
前記第一の要素は、前記運転スコアの分布であり、
前記変更することは、前記変更の前後で、前記第一の情報の
前記運転スコアの出現頻度の合計値を実質的に変動させ
ないように前記分布における階層の頻度を変更することを含む、
情報処理方法。
【請求項2】
情報処理装置であって、
複数の移動体の走行情報に基づいて、前記複数の移動体に関する集計データを生成する生成部と、
前記集計データに対応する第一の保険料情報を算出する算出部と、
前記集計データの少なくとも一部に関する情報であって前記第一の保険料
情報に影響をもたらす第一の情報、及び、前記第一の保険料情報を出力する出力部と、
前記第一の情報の第一の要素を変更する変更部と、
を備え、
前記算出部は、前記集計データに対して前記変更後の前記第一の情報を反映したデータに対応する第二の保険料情報を算出し、
前記出力部は、前記第二の保険料情報を出力し、
前記第一の情報は、前記複数の移動体の運転スコアに関する情報であり、
前記第一の要素は、前記運転スコアの分布であり、
前記変更部は、前記変更の前後で、前記第一の情報の
前記運転スコアの出現頻度の合計値を実質的に変動させ
ないように前記分布における階層の頻度を変更する、
情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータに、
複数の移動体の走行情報に基づいて、前記複数の移動体に関する集計データを生成することと、
前記集計データに対応する第一の保険料情報を算出することと、
前記集計データの少なくとも一部に関する情報であって前記第一の保険料
情報に影響をもたらす第一の情報、及び、前記第一の保険料情報を出力することと、
前記第一の情報の第一の要素を変更することと、
前記集計データに対して前記変更後の前記第一の情報を反映したデータに対応する第二の保険料情報を算出することと、
前記第二の保険料情報を出力することと、
を実行させるためのプログラムであって、
前記第一の情報は、前記複数の移動体の運転スコアに関する情報であり、
前記第一の要素は、前記運転スコアの分布であり、
前記変更することは、前記変更の前後で、前記第一の情報の
前記運転スコアの出現頻度の合計値を実質的に変動させ
ないように前記分布における階層の頻度を変更することを含む、
プログラム。
【請求項4】
システムにより実行される情報処理方法であって、
複数の移動体の走行情報に基づいて、前記複数の移動体に関する集計データを生成することと、
前記集計データに対応する第一の保険料情報を算出することと、
前記集計データの少なくとも一部に関する情報であって前記第一の保険料
情報に影響をもたらす第一の情報、及び、前記第一の保険料情報を出力することと、
前記第一の情報の第一の要素を変更することと、
前記集計データに対して前記変更後の前記第一の情報を反映したデータに対応する保険料情報と前記第一の保険料情報との差異に対応する差異保険料情報を算出することと、
前記差異保険料情報を出力することと、
を含み、
前記第一の情報は、前記複数の移動体の運転スコアに関する情報であり、
前記第一の要素は、前記運転スコアの分布であり、
前記変更することは、前記変更の前後で、前記第一の情報の
前記運転スコアの出現頻度の合計値を実質的に変動させ
ないように前記分布における階層の頻度を変更することを含む、
情報処理方法。
【請求項5】
情報処理装置であって、
複数の移動体の走行情報に基づいて、前記複数の移動体に関する集計データを生成する生成部と、
前記集計データに対応する第一の保険料情報を算出する算出部と、
前記集計データの少なくとも一部に関する情報であって前記第一の保険料情報に影響をもたらす第一の情報、及び、前記第一の保険料情報を出力する出力部と、
前記第一の情報の第一の要素を変更する変更部と、
を備え、
前記算出部は、前記集計データに対して前記変更後の前記第一の情報を反映したデータに対応する保険料情報と前記第一の保険料情報との差異に対応する差異保険料情報を算出し、
前記出力部は、前記差異保険料情報を出力し、
前記第一の情報は、前記複数の移動体の運転スコアに関する情報であり、
前記第一の要素は、前記運転スコアの分布であり、
前記変更部は、前記変更の前後で、前記第一の情報の前記運転スコアの出現頻度の合計値を実質的に変動させないように前記分布における階層の頻度を変更する、
情報処理
装置。
【請求項6】
コンピュータに、
複数の移動体の走行情報に基づいて、前記複数の移動体に関する集計データを生成することと、
前記集計データに対応する第一の保険料情報を算出することと、
前記集計データの少なくとも一部に関する情報であって前記第一の保険料
情報に影響をもたらす第一の情報、及び、前記第一の保険料情報を出力することと、
前記第一の情報の第一の要素を変更することと、
前記集計データに対して前記変更後の前記第一の情報を反映したデータに対応する保険料情報と前記第一の保険料情報との差異に対応する差異保険料情報を算出することと、
前記差異保険料情報を出力することと、
を実行させるためのプログラムであって、
前記第一の情報は、前記複数の移動体の運転スコアに関する情報であり、
前記第一の要素は、前記運転スコアの分布であり、
前記変更することは、前記変更の前後で、前記第一の情報の
前記運転スコアの出現頻度の合計値を実質的に変動させ
ないように前記分布における階層の頻度を変更することを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車保険等の移動体に対して掛けられる保険(以下、「移動体保険」という)の契約には、例えば、車両毎に掛けられるタイプの契約、管理または保有する複数台の車両に対して一括に掛けられるタイプの契約(例えば、所定の要件を満たした10台以上の車両に対して掛けられるもの(いわゆる「フリート契約」))などがある。近年、自動車保険の保険料を最適化することにより、保険契約者(個人及び法人)の車両の運用コストを低減するニーズが高まっている。このような保険契約者にとっては、車両の運用内容に応じて、保険料がどのように変化するかを知ることが重要である。
保険料の変化を予測する技術として、例えば、特許文献1には、自動車の運転スキルに応じて顧客別保険料を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、運転スキルに連動し、その運転される一車両についての保険料を算出するにとどまる。したがって、特許文献1の技術では、複数台の車両を管理する場合において、どのように個々の車両を運用すると、保険料がどのように変化するかがわからない。そのため、複数の移動体の管理を効率化することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、
複数の移動体のそれぞれに関する運転スコアを取得することと、
前記運転スコアに基づいて、前記複数の移動体に関する第一の集計データを取得することと、
前記第一の集計データの少なくとも一部を提示することと、
前記第一の集計データを変更することと、
前記変更後の第一の集計データに対応する第一の保険料情報を取得することと、
を含む情報処理方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の移動体の管理の効率化に有用な情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態の顧客情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図5】本実施形態の乗務員情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図6】本実施形態の移動体情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図7】本実施形態の保有運転スコアログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図8】本実施形態の乗務ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図9】本実施形態の運転スコアの算出処理のシーケンス図である。
【
図10】
図9の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図11】本実施形態の集計処理の第1例のシーケンス図である。
【
図16】本実施形態の集計処理の第2例のシーケンス図である。
【
図20】変形例1の損害予測処理のシーケンス図である。
【
図21】
図20の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図23】変形例2の保険シミュレーションのシーケンス図である。
【
図24】
図23の情報処理において表示される第1画面例を示す図である。
【
図25】
図23の情報処理において表示される第2画面例を示す図である。
【
図26】変形例2の保険シミュレーションの第2例において表示される第1画面例を示す図である。
【
図27】変形例2の保険シミュレーションの第2例において表示される第2画面例を示す図である。
【
図28】変形例2の保険シミュレーションの第2例において表示される第3画面例を示す図である。
【
図29】変形例2の保険シミュレーションの第3例において表示される第1画面例を示す図である。
【
図30】変形例2の保険シミュレーションの第3例において表示される第2画面例を示す図である。
【
図31】変形例2の保険シミュレーションの第4例のシーケンス図である。
【
図32】変形例2の保険シミュレーションの第4例において表示される第1画面例を示す図である。
【
図33】変形例2の保険シミュレーションの第4例において表示される第2画面例を示す図である。
【
図34】変形例2の保険シミュレーションの第5例において表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成を説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2は、
図1の情報処理システムの機能ブロック図である。
【0010】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30と、センサユニット50と、を備える。
クライアント装置10、サーバ30、及び、センサユニット50は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0011】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信するコンピュータ(「情報処理装置」の一例)である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0012】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供するコンピュータ(「情報処理装置」の一例)である。サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。
【0013】
センサユニット50は、移動体に配置される。センサユニット50は、移動体の走行に関する走行情報をサーバ30に送信するように構成される。
センサユニット50は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・車両に配置されたセンサユニット50
・車両に配置された端子(例えば、シガーソケット)に接続されたセンサユニット50
・車両内に持ち込まれたデバイス(一例として、スマートフォン)に配置されたセンサユニット50
【0014】
センサユニット50は、例えば、以下の何れかを介して、サーバ30、又は、走行情報を収集するように構成された外部サーバ(一例として、公的機関又は民間企業によって運営されるサーバ)に接続される。
・センサユニット50に配置された通信インタフェース
・センサユニット50と接続されたデバイス(一例として、スマートフォン)
・センサユニット50と接続された通信機(一例として、道路等に配置された通信アンテナ(例えば、ITSスポット))
・センサユニット50と有線(例えば、USB(Universal Serial Bus))又は無線(例えば、Bluetooth又はWiFi)を介して接続されたコンピュータ端末
【0015】
移動体は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・四輪車
・二輪車
・パーソナルモビリティ
・船舶
・飛行体(ドローン及び航空機の少なくとも1つ)
【0016】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置10の構成を説明する。
【0017】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。
【0018】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0019】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0020】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0021】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせである。
【0022】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0023】
通信インタフェース14は、クライアント装置10と、サーバ30及びセンサユニット50との間の通信を制御するように構成される。
【0024】
(1-2)サーバの構成
サーバ30の構成を説明する。
【0025】
図2に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0026】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0027】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0028】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0029】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、例えば、CPU、ASIC、FPGA、又は、これらの組み合わせである。
【0030】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0031】
通信インタフェース34は、サーバ30と、クライアント装置10及びセンサユニット50との間の通信を制御するように構成される。
【0032】
(1-3)センサユニットの構成
センサユニット50の構成を説明する。
【0033】
図2に示すように、センサユニット50は、走行センサ51と、通信端末52と、を備える。
【0034】
走行センサ51は、センサユニット50が配置された車両の走行情報を取得するように構成される。走行センサ55は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・加速度センサ
・GPS(Global Positioning System)レシーバ
【0035】
通信端末52は、走行センサ51によって取得された走行情報をサーバ30に送信するように構成される。通信端末52は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、通信機能を有するモバイル端末である。
【0036】
(2)実施形態の概要
本実施形態の概要を説明する。
図3は、本実施形態の概要の説明図である。
【0037】
図3に示すように、本実施形態は、クライアント装置10と、サーバ30と、センサユニット50と、を含む。
【0038】
クライアント装置10は、顧客が使用する装置である。顧客は、保険会社が提供する保険の保険契約を締結している保険契約者(例えば、自然人または法人)を意味する。保険は、顧客が管理または保有する複数の移動体MBにつき、各移動体MBを対象として、又は、複数の移動体MBを対象として締結される。
【0039】
サーバ30は、クライアント装置10及びセンサユニット50に接続される。
【0040】
センサユニット50は、乗務員が運転する移動体MBに配置される。センサユニット50は、移動体MBの走行に関する走行情報(例えば、時系列に沿って取得される加速度情報、速度情報などが挙げられるが、これらに限られない)を取得し、且つ、当該走行情報をサーバ30に送信する。
【0041】
サーバ30は、センサユニット50から送信された走行情報を参照して、移動体MBに関する運転スコアを取得し、且つ、当該運転スコアを蓄積する。運転スコアは、例えば、走行品質をスコア化したものが挙げられるが、これに限られず、移動体MBに係る情報であって、移動体保険に影響しうる情報(例えば、移動体保険の保険料の算定の際に考慮される情報)であれば、特にその内容は限定されない。
【0042】
クライアント装置10は、サーバ30に対して、運転スコアの集計を要求するための運転スコア集計リクエストを送信する。
【0043】
サーバ30は、運転スコア集計リクエストに応じて、蓄積された運転スコアを集計し、且つ、運転スコアの集計結果をクライアント装置10に送信する。
【0044】
クライアント装置10は、サーバ30から送信された運転スコアの集計結果を顧客に対して提示する。
【0045】
(3)データベース
本実施形態のデータベースを説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0046】
(3-1)顧客情報データベース
本実施形態の顧客情報データベースを説明する。
図4は、本実施形態の顧客情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0047】
図4の顧客情報データベースには、顧客情報が格納されている。顧客情報は、顧客に関する情報である。顧客は、例えば、法人である。
顧客情報データベースは、「顧客ID」フィールドと、「顧客名」フィールドと、「顧客属性」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0048】
「顧客ID」フィールドには、顧客識別情報が格納される。顧客識別情報は、顧客を識別する情報である。
【0049】
「顧客名」フィールドには、顧客名に関する情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0050】
「顧客属性」フィールドには、顧客属性情報が格納される。顧客属性情報は、顧客の属性に関する情報である。「顧客属性」フィールドは、「業種」フィールドと、「社員数」フィールドと、「保有移動体数」フィールドと、を含む。
【0051】
「業種」フィールドには、顧客の業種に関する情報が格納される。
【0052】
「社員数」フィールドには、顧客が雇用する社員の人数に関する情報が格納される。
【0053】
「保有移動体数」フィールドには、顧客が管理または保有する移動体(以下「保有移動体」という)の数に関する情報が格納される。
【0054】
(3-2)乗務員情報データベース
本実施形態の乗務員情報データベースを説明する。
図5は、本実施形態の乗務員情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0055】
図5の乗務員情報データベースには、乗務員情報が格納されている。乗務員情報は、乗務員に関する情報である。
乗務員情報データベースは、例えば、「乗務員ID」フィールドと、「乗務員」フィールドと、「乗務員属性」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
乗務員情報データベースは、顧客識別情報に関連付けられる。
【0056】
「乗務員ID」フィールドには、乗務員識別情報が格納される。乗務員識別情報は、乗務員を識別する情報である。
【0057】
「乗務員名」フィールドには、乗務員名情報が格納される。乗務員名情報は、乗務員名に関する情報(例えば、テキスト)である。
【0058】
「乗務員属性」フィールドには、乗務員属性情報が格納される。乗務員属性情報は、乗務員の属性に関する情報である。「乗務員属性」フィールドは、例えば、「性別」フィールドと、「年齢」フィールドと、「入社日」フィールドと、「所属部門」フィールドと、を含む。
【0059】
「性別」フィールドには、乗務員の性別に関する情報が格納される。
【0060】
「年齢」フィールドには、乗務員の年齢に関する情報が格納される。
【0061】
「入社日」フィールドには、乗務員の入社日に関する情報が格納される。
【0062】
「所属部門」フィールドには、顧客の部門のうち、乗務員が所属する部門に関する情報が格納される。
【0063】
(3-3)移動体情報データベース
本実施形態の移動体情報データベースを説明する。
図6は、本実施形態の移動体情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0064】
図6の移動体情報データベースには、移動体情報が格納されている。移動体情報は、顧客の保有移動体に関する情報である。
移動体情報データベースは、「移動体ID」フィールドと、「月額保険料」フィールドと、「保険内容」フィールドと、「移動体属性」フィールドと、「リース」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
移動体情報データベースは、顧客識別情報に関連付けられる。
【0065】
「移動体ID」フィールドには、移動体識別情報が格納される。移動体識別情報は、移動体を識別する情報である。
【0066】
「月額保険料」フィールドには、移動体に掛けられた保険契約の月額保険料に関する情報が格納される。「月額保険料」フィールドは、移動体に掛けられた保険契約の更新の度に更新される。なお、複数の移動体に対して一括で掛けられるタイプの契約の場合、保険契約の対象となる全ての移動体の合計月額保険料、又は、移動体1台あたりの平均月額保険料に関する情報が格納される。
【0067】
「保険内容」フィールドには、当該保険契約のカバー範囲(一例として、補償内容)が格納される。補償内容は、例えば、以下の少なくとも1つを含むが、これらに限られない。
・移動体が事故にあった際の相手方への補償(対人賠償、対物賠償等、及びその保険金額上限)
・ドライバや同乗者への補償(人身傷害、搭乗者傷害等、及びその保険金額上限)
・移動体への補償(車両保険、新車買替特約等、及びその保険金額上限)
・オプション補償(弁護士特約等、及びその上限)
【0068】
「移動体属性」フィールドには、移動体属性情報が格納される。移動体属性情報は、移動体の属性に関する情報である。「移動体属性」フィールドは、「車種」フィールドと、「用途」フィールドと、「管理部門」フィールドと、を含む。
【0069】
「車種」フィールドには、移動体の車種に関する情報が格納される。車種に関する情報は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・移動体のカテゴリ(一例として、四輪乗用車の場合、「セダン」、「軽自動車」、「ワンボックスカー」等、建機の場合、「油圧ショベル」、「ホイールローダ」、「ブルドーザ」等)
・移動体の車名(一例として、モデル名)
・移動体が属する何らかの集団又は種類
【0070】
「用途」フィールドには、移動体の用途に関する情報が格納される。
【0071】
「管理部門」フィールドには、顧客の部門のうち、移動体の管理部門に関する情報が格納される。
【0072】
(3-4)運転スコアログ情報データベース
本実施形態の運転スコアログ情報データベースを説明する。
図7は、本実施形態の保有運転スコアログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0073】
図7の運転スコアログ情報データベースには、運転スコアログ情報が格納されている。運転スコアログ情報は、運転スコアの履歴に関する情報である。本実施形態においては、運転スコアは、例えば、移動体の走行品質に関する情報である。
運転スコアログ情報データベースは、「運転スコアログID」フィールドと、「日付」フィールドと、「走行情報」フィールドと、「運転スコア」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
運転スコアログ情報データベースは、移動体識別情報に関連付けられる。
【0074】
「運転スコアログID」フィールドには、運転スコアログ識別情報が格納される。運転スコアログ識別情報は、運転スコアログを識別する情報である。
【0075】
「日付」フィールドには、運転スコアの対象となる走行の日付に関する情報が格納される。
【0076】
「走行情報」フィールドには、走行情報が格納される。「走行情報」フィールドは、「急加速回数」フィールドと、「急減速回数」フィールドと、「急ハンドル回数」フィールドと、「加速度分布」フィールドと、「累積走行距離」フィールドと、「累積走行時間」フィールドと、を含む。
【0077】
「急加速回数」フィールドには、急加速の回数に関する情報が格納される。急加速回数は、例えば、センサユニット50から所定のセンシング間隔(一例として、0.5秒毎)で取得した加速度情報において、移動体の進行方向におけるベクトルの大きさが所定の閾値を超えた場合、又は、所定の閾値を連続して所定回数越えた場合にカウントされる。
【0078】
「急減速回数」フィールドには、急減速の回数に関する情報が格納される。急減速回数は、例えば、センサユニット50からセンシング間隔で取得した加速度情報において、移動体の進行方向とは逆方向におけるベクトルの大きさが所定の閾値を超えた場合、又は、所定の閾値を連続して所定回数越えた場合にカウントされる。
【0079】
「急ハンドル回数」フィールドには、急ハンドルの回数(例えば、右方向への急ハンドルの回数、及び、左方向の急ハンドルの回数のそれぞれの値、又は、合算値)に関する情報が格納される。急ハンドル回数は、例えば、センサユニット50からセンシング間隔で取得した加速度情報において、移動体の進行方向に対して垂直方向におけるベクトルの大きさが所定の閾値を超えた場合、又は、所定の閾値を連続して所定回数越えた場合にカウントされる。説明簡略化の観点から、急ハンドルの方向となりうる左右のいずれかの区別をしない記載としているが、左右それぞれの急ハンドル回数についてフィールドを用意することとしてももちろんよい。
【0080】
「加速度分布」フィールドには、加速度の分布に関する情報が格納される。加速度の分布は、例えば、センサユニット50からセンシング間隔で取得した加速度情報のそれぞれにつき、そのベクトル情報(つまり、方向及び大きさ)の分布を意味する。加速度の分布に関する情報は、テーブル、分布図、又は、それらの情報に関連付けられたリンク情報(一例としてURL(Uniform Resource Locator))によって、ユーザに提供される。
【0081】
「累積走行距離」フィールドには、累積走行距離に関する情報が格納される。
【0082】
「累積走行時間」フィールドには、累積走行時間に関する情報が格納される。
【0083】
「運転スコア」フィールドには、運転スコアに関する情報が格納される。
【0084】
(3-5)乗務ログ情報データベース
本実施形態の乗務ログ情報データベースを説明する。
図8は、本実施形態の乗務ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0085】
図8の乗務ログ情報データベースには、乗務ログ情報が格納されている。乗務ログ情報は、乗務員による移動体の乗務の履歴に関する情報である。
乗務ログ情報データベースは、「乗務ログID」フィールドと、「乗務開始日時」フィールドと、「乗務終了日時」フィールドと、「乗務員ID」フィールドと、「センサID」フィールドと、「乗務目的」フィールドと、「運転スコア」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
乗務ログ情報データベースは、移動体識別情報に関連付けられる。
【0086】
「乗務ログID」フィールドには、乗務ログ識別情報が格納される。乗務ログ識別情報は、乗務ログ情報を識別する情報である。
【0087】
「乗務開始日時」フィールドには、乗務開始日時情報が格納される。乗務開始日時情報は、乗務員が移動体の乗務を開始した日時に関する情報である。
【0088】
「乗務終了日時」フィールドには、乗務開始終了情報が格納される。乗務終了日時情報は、乗務員が移動体の乗務を終了した日時に関する情報である。
【0089】
「乗務員ID」フィールドには、移動体に乗務した乗務員の乗務員識別情報が格納される。
【0090】
「センサID」フィールドには、センサ識別情報が格納される。乗務員が移動体に乗務したときに移動体に配置されたセンサユニット50を識別する情報である。
【0091】
「乗務目的」フィールドには、乗務員の移動体の乗務の目的に関する情報(例えば、「配送」、又は「顧客訪問」というテキスト)が格納される。
【0092】
「運転スコア」フィールドには、乗務員が当該移動体に乗務したときの運転スコアに関する情報が格納される。
【0093】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理を説明する。
【0094】
(4-1)運転スコアの算出処理
本実施形態の運転スコアの算出処理を説明する。
図9は、本実施形態の運転スコアの算出処理のシーケンス図である。
図10は、
図9の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0095】
図9に示すように、センサユニット50は、乗務開始リクエスト(S150)を実行する。
具体的には、通信端末52は、ディスプレイ(不図示)に、画面P10(
図10)を表示する。
【0096】
画面P10は、操作オブジェクトB10と、フィールドオブジェクトF10a~F10cと、を含む。
【0097】
フィールドオブジェクトF10aは、乗務員識別情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
フィールドオブジェクトF10bは、乗務員が乗務する移動体の移動体識別情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
フィールドオブジェクトF10cは、乗務目的に関する情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0098】
操作オブジェクトB10は、乗務の開始の指示を受け付けるオブジェクトである。
【0099】
乗務員が、センサユニット50を移動体(例えば、車両のシガーソケット)に接続すると、通信端末52は、走行センサ51からセンサ識別情報を取得する。
乗務員が、フィールドオブジェクトF10aに自身の乗務員識別情報を入力し、フィールドオブジェクトF10bに移動体識別情報を入力し、フィールドオブジェクトF10cに乗務目的に関する情報を入力し、且つ、操作オブジェクトB10を操作すると、通信端末52は、乗務開始リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0100】
乗務開始リクエストデータは、以下の情報を含む。
・乗務員識別情報
・移動体識別情報
・センサ識別情報
・乗務目的に関する情報
・ステップS150の実行日時に関する情報
【0101】
ステップS150の後、サーバ30は、乗務ログの更新(S130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS150で送信された乗務員識別情報に関連付けられた乗務ログ情報データベース(
図8)に新規レコードを追加する。新規レコードには、以下の情報が格納される。
・「乗務ログID」フィールド:新規の乗務ログ識別情報
・「乗務開始日時」フィールド:乗務開始リクエストデータに含まれるステップS150の実行日時に関する情報
・「移動体ID」フィールド:乗務開始リクエストデータに含まれる移動体識別情報
・「センサID」フィールド:乗務開始リクエストデータに含まれる移動体識別情報乗務開始リクエストデータに含まれるセンサ識別情報
・「乗務目的」フィールド:乗務開始リクエストデータに含まれる乗務目的に関する情報
【0102】
センサユニット50は、走行情報の取得(S151)を実行する。
具体的には、走行センサ51は、移動体MBの走行情報を取得する。
【0103】
ステップS151の後、センサユニット50は、走行情報の送信(S152)を実行する。
具体的には、通信端末52は、以下の情報をサーバ30に送信する。
・走行センサ51によって取得された走行情報
・移動体MBの乗務員の乗務員識別情報(例えば、送信機に予め登録された乗務員識別情報、又は、携帯電話のアプリケーションに予め登録された乗務員識別情報)
・センサユニット50が配置された移動体MBの移動体識別情報
【0104】
ステップS151~S152は、乗務期間中に繰り返し実行される。
【0105】
センサユニット50は、乗務終了リクエスト(S153)を実行する。
具体的には、通信端末52は、ディスプレイ(不図示)に、画面P11(
図10)を表示する。
【0106】
画面P11は、操作オブジェクトB11を含む。
操作オブジェクトB11は、乗務の開始の指示を受け付けるオブジェクトである。
【0107】
乗務員が、操作オブジェクトB11を操作すると、通信端末52は、乗務終了リクエスト(S153)を実行する。
具体的には、通信端末52は、乗務終了リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0108】
乗務終了リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ステップS153の実行日時に関する情報
【0109】
ステップS153の後、サーバ30は、運転スコアの算出(S131)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、運転スコア算出モデルが記憶されている。運転スコア算出モデルには、走行情報と運転スコアの相関関係が規定されている。
プロセッサ32は、運転スコア算出モデルを参照して、ステップS152で送信された走行情報に基づく運転スコアを算出する。
【0110】
ステップS131の後、サーバ30は、データベースの更新(S132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS152で送信された移動体識別情報に関連付けられた運転スコアログ情報データベース(
図7)に新規レコードを追加する。新規レコードには、以下の情報が格納される。
・「運転スコアログID」フィールド:新規の運転スコアログ識別情報
・「日付」フィールド:ステップS131が実行された日付に関する情報
・「走行情報」:ステップS152で送信された走行情報
・「運転スコア」:ステップS131で得られた運転スコアに関する情報
【0111】
プロセッサ32は、ステップS152で送信された移動体識別情報に関連付けられた乗務ログ情報データベース(
図8)の「運転スコア」フィールドにステップS131で得られた運転スコアに関する情報を格納する。
【0112】
プロセッサ32は、ステップS130で更新された乗務ログデータベース(
図8)の新規レコードに、以下の情報を格納する。
・「乗務終了日時」フィールド:乗務終了リクエストデータに含まれるステップS153の実行日時に関する情報
【0113】
上述した例では、ステップS153の後にステップS131~S132が実行されることとしているが、S131~S132の実行はこのタイミングに限られない。ステップS131~S132は、例えば以下の何れかのタイミングで実行されてもよい。
・顧客の所望のタイミング(例えば、入出力インタフェース13がユーザにより操作され、タイミングが指定される)
・毎日または毎営業日の所定時刻(この場合、ステップS131~S132は1日に1回、または営業日ごとに1回実行される)
・毎月の所定日(この場合、ステップS131~S132は、1ヶ月に1回実行される)で実行される。
【0114】
(4-2)集計処理
本実施形態の集計処理を説明する。集計処理は、例えば、顧客が管理する移動体に関する保険のあり方または保険料の適切化を目的として、移動体の運用を変化させる検討を行うべく、顧客の所望のタイミングで実行される。
【0115】
(4-2-1)集計処理の第1例
本実施形態の集計処理の第1例を説明する。
図11は、本実施形態の集計処理の第1例のシーケンス図である。
図12は、
図11に続く処理のシーケンス図である。
図13は、
図11~
図12の情報処理において表示される画面例を示す図である。
図14は、
図11~
図12の情報処理において表示される画面例を示す図である。
図15は、
図11~
図12の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0116】
図11に示すように、クライアント装置10は、顧客集計リクエスト(S210)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P20(
図13)をディスプレイに表示する。
【0117】
画面P20は、操作オブジェクトB20aと、フィールドオブジェクトF20と、を含む。
【0118】
フィールドオブジェクトF20は、顧客識別情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0119】
操作オブジェクトB20は、フィールドオブジェクトF20への入力を確定させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0120】
ユーザがフィールドオブジェクトF20に顧客識別情報を入力し、且つ、操作オブジェクトB20を操作すると、プロセッサ12は、顧客集計リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0121】
顧客集計リクエストデータは、以下の情報を含む。
・フィールドオブジェクトF20に入力された顧客識別情報(以下「対象顧客識別情報」という)
【0122】
ステップS210の後、サーバ30は、顧客集計(S230)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、顧客情報データベース(
図4)を参照して、顧客集計リクエストデータに含まれる対象顧客識別情報に関連付けられたレコードに格納された対象顧客情報を特定する。
プロセッサ32は、対象顧客識別情報に関連付けられた移動体情報データベース(
図6)の「移動体ID」フィールドの情報(つまり、保有移動体の移動体識別情報)を特定する。
プロセッサ32は、特定した全ての保有移動体識別情報に関連付けられた運転スコアログ情報データベース(
図7)の「日付」フィールドを参照して、所定の対象期間(例えば、ステップS230の実行日から遡って1年間)に対応するレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードの「運転スコア」フィールドを参照して、運転スコアの出現頻度をカウントする。
【0123】
ステップS230の後、サーバ30は、比較(S231)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、顧客情報データベースを参照して、対象顧客識別情報に関連付けられた「業種」フィールドの情報(つまり、対象顧客の業種)を特定する。
プロセッサ32は、顧客情報データベースを参照して、現在(例えば、ステップS231が実行されるとき)の顧客の性質に対して所定条件を満たす特定の個人、法人、またはそれらの集合体(以下、「特定顧客」という)に対応する顧客識別情報(以下「特定顧客識別情報」という)を比較対象として特定する。特定顧客は、例えば、対象顧客の業種と同一又は類似の業種である顧客や、過去のある時点(つまり、ステップS231が実行される前のある時点)の対象顧客自身である。特定顧客が過去のある時点の対象顧客自身である場合、ステップS230では、過去のある時点の対象顧客の顧客情報と、現在の対象顧客の顧客情報とが比較される。過去のある時点は、例えば、所定の時点又はユーザによって指定された時点である。
プロセッサ32は、特定顧客識別情報に関連付けられた移動体情報データベース(以下「特定顧客移動体情報データベース」という)(
図6)を特定する。
プロセッサ32は、特定顧客移動体情報データベースの「移動体ID」フィールドの情報(つまり、特定顧客が管理または保有する移動体の移動体識別情報(以下「特定移動体識別情報」という))を特定する。即ち、顧客が管理または保有する移動体群と、特定顧客が管理または保有する少なくとも1つの移動体は、所定の条件を満たす。
プロセッサ32は、特定移動体識別情報に関連付けられた運転スコアログ情報データベース(
図7)の「日付」フィールドを参照して、対象期間(例えば、ステップS230の実行日から遡って1年間)に含まれるレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードの「運転スコア」フィールドを参照して、運転スコアの情報(つまり、比較対象としての特定顧客の運転スコア)を取得する。
プロセッサ32は、ステップS230の実行結果(つまり、対象顧客の運転スコア)及び特定顧客の運転スコアの分布(以下「比較分布」という)を算出する。この際、より適切な比較対象とすべく、例えば、プロセッサ32は、所定の移動体の単位(一例として、100台)、及び、所定期間(一例として、1ヶ月)に正規化した、特定顧客の運転スコアの分布を比較分布として算出することが好ましい。
【0124】
ステップS231の後、サーバ30は、顧客集計レスポンス(S232)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、顧客集計レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
【0125】
顧客集計レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS230の実行結果(つまり、対象期間における顧客が管理する移動体全てに関する運転スコアの分布)
・ステップS231の実行結果(つまり、対象期間における比較分布)
【0126】
ステップS232の後、クライアント装置10は、顧客集計結果の提示(S211)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P21(
図13)をディスプレイに表示する。
【0127】
画面P21は、画像オブジェクトIMG21と、操作オブジェクトB21a~B21dと、と、を含む。
【0128】
画像オブジェクトIMG21は、顧客集計レスポンスデータに含まれる対象顧客の運転スコアの分布及び比較分布を示すグラフである。
【0129】
操作オブジェクトB21aは、移動体の運転スコアの集計結果を提示させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB21bは、保険料金の集計結果を提示させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB21cは、事故が発生したときの損害の予測結果を提示させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB21dは、運転スコアの分布を変更したときの保険シミュレーションを実行させるためユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0130】
ステップS211の後、クライアント装置10は、移動体集計リクエスト(S212)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB21aを操作すると、プロセッサ12は、移動体集計リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0131】
ステップS212の後、サーバ30は、移動体集計(S233)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、保有移動体の移動体識別情報に関連付けられた運転スコアログ情報データベース(
図7)の「日付」フィールドを参照して、対象期間に対応するレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定されたレコードの「運転スコア」フィールドを参照して、保有移動体毎の運転スコアの分布(以下「運転スコア分布」という)を算出する。
プロセッサ32は、保有移動体の移動体識別情報に関連付けられた乗務ログ情報データベース(
図8)の「乗務開始日時」フィールド及び「乗務終了日時」フィールドを参照して、対象期間に対応する保有移動体の稼働時間を算出する。
プロセッサ32は、当該稼働時間を合計することにより、累積稼働時間を算出する。
【0132】
ステップS233の後、サーバ30は、移動体集計レスポンス(S234)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、移動体集計レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。移動体集計レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS233の実行結果(つまり、対象期間における保有移動体毎の運転スコアの分布及び各保有移動体の累積稼働時間)
・保有移動体の移動体識別情報に関連付けられた「管理部門」フィールドの情報
【0133】
ステップS234の後、クライアント装置10は、移動体集計結果の提示(S213)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P22(
図14)をディスプレイに表示する。
【0134】
画面P22は、画像オブジェクトIMG22a~IMG22cと、操作オブジェクトB22a~B22cと、を含む。
【0135】
画像オブジェクトIMG22aは、保有移動体毎の運転スコアの分布及び管理部門に関する情報を示す。
画像オブジェクトIMG22bは、保有移動体毎の稼働比率(各保有移動体の累積稼働時間と、全保有移動体の累積稼働時間との比率)を示すグラフである。
画像オブジェクトIMG22cは、保有移動体の管理部門毎の稼働比率(各保有移動体の累積稼働時間と、全保有移動体の累積稼働時間との比率)を示すグラフである。
【0136】
操作オブジェクトB22a~B22bは、対応する移動体に関する乗務ログの集計(S235)を実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB22aには、対応する移動体の移動体識別情報(M01)が割り当てられている。
操作オブジェクトB22bには、対応する移動体の移動体識別情報(M02)が割り当てられている。
【0137】
操作オブジェクトB22cは、移動体毎の稼働比率又は管理部毎の稼働比率を変更したときの保険シミュレーションを実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0138】
ステップS213の後、クライアント装置10は、乗務ログ集計リクエスト(S214)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB22aを操作すると、プロセッサ12は、乗務ログ集計リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0139】
連携処理リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザが操作した操作オブジェクトB22aに割り当てられた移動体識別情報(M01)
【0140】
ステップS214の後、サーバ30は、乗務ログの集計(S235)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、乗務ログ集計リクエストデータに含まれる移動体識別情報に関連付けられた乗務ログ情報データベース(
図8)を参照して、「乗務終了日時」フィールドの情報及び「乗務開始日時」フィールドの情報の組み合わせから特定される乗務期間が対象期間に含まれるレコードを特定する。
プロセッサ32は、乗務員ID毎に、「乗務終了日時」フィールドの情報及び「乗務開始日時」フィールドの情報の差の累積値(以下「累積乗務時間」という)を算出する。
記憶装置31には、運転指導判定モデルが記憶されている。運転指導判定モデルには、運転スキルと、運転スキルを改善するための指導内容と、の相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、乗務員が移動体MBに乗務したときの運転スコアログ情報を参照して、乗務員の運転スキルを判定する。
プロセッサは、運転スキルを運転指導判定モデルに入力することにより、当該運転スキルに応じた指導内容を決定する。指導内容は、例えば、所定レベル以下の運転スコアを向上させるための指導内容(一例として、急加速や急減速が多く発生する乗務員に対して、アクセルやブレーキについて推奨される利用方法)である。
【0141】
ステップS235の後、サーバ30は、乗務ログ集計レスポンス(S236)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、乗務ログ集計レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
【0142】
乗務ログ集計レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS235の実行結果(つまり、対象期間における乗務員毎の累積乗務時間及び指導内容)
【0143】
ステップS236の後、クライアント装置10は、乗務ログの集計結果の提示(S215)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P23(
図15)をディスプレイに表示する。
【0144】
画面P23は、画像オブジェクトIMG23a~IMG23bと、メッセージオブジェクトA23と、操作オブジェクトB23と、を含む。
【0145】
画像オブジェクトIMG23aは、対象移動体に乗務した乗務員毎の累積乗務時間及び運転スコアの分布に関する情報(
図15に示す例では、平均運転スコア)を示す。
画像オブジェクトIMG23bは、当該乗務員毎の累積乗務時間比率を示すグラフである。
メッセージオブジェクトA23は、当該乗務員のうち、運転スコアの分布が所定条件(限定ではなく例として、運転スコアが所定値以下である日が所定数以上ある、等)を満たす乗務員に対する指導内容を示すメッセージである。当該メッセージは、例えば、指導内容に応じた動画(一例として、レクチャー映像)を視聴するための情報(一例として、動画ファイル又は当該動画ファイルへアクセスするためのURL)を含んでもよい。
【0146】
操作オブジェクトB23は、乗務員毎の累積乗務時間比率を変更したときの保険シミュレーションを実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0147】
(4-2-2)集計処理の第2例
本実施形態の集計処理の第2例を説明する。集計処理の第2例は、保険料金の集計結果を提示する例である。
図16は、本実施形態の集計処理の第2例のシーケンス図である。
図17は、
図16に続く処理のシーケンス図である。
図18は、
図16~
図17の情報処理において表示される画面例を示す図である。
図19は、
図16~
図17の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0148】
図16に示すように、クライアント装置10は、
図11と同様に、顧客集計(S210)を実行する。
ステップS210の後、サーバ30は、
図11と同様に、顧客集計(S230)~顧客集計レスポンス(S232)を実行する。
ステップS232の後、クライアント装置10は、
図11と同様に、顧客集計結果の提示(S211)を実行する。
【0149】
ステップS211の後、クライアント装置10は、保険集計リクエスト(S310)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB21bを操作すると、プロセッサ12は、保険集計リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0150】
ステップS310の後、サーバ30は、顧客保険集計(S330)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、対象顧客識別情報に関連付けられた移動体情報データベース(
図6)の「月額保険料」フィールドを参照して、保有移動体毎の月額保険料に関する情報を特定する。
プロセッサ32は、全ての保有移動体の月額保険料の合計値(以下「顧客月額保険料」という)を算出する。
【0151】
ステップS330の後、サーバ30は、業種保険集計(S331)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、同業種移動体情報データベース(
図6)の「月額保険料」フィールドの情報の平均値(以下「業種平均月額保険料」という)を集計値として算出する。
【0152】
ステップS331の後、サーバ30は、保険集計レスポンス(S332)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、保険集計レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
【0153】
保険集計レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・保有移動体毎の月額保険料に関する情報
・顧客月額保険料に関する情報
・業種平均月額保険料に関する情報
【0154】
ステップS332の後、クライアント装置10は、保険集計結果の提示(S311)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P30(
図18)をディスプレイに表示する。
【0155】
画面P30は、メッセージオブジェクトA30と、操作オブジェクトB30a~B30bと、画像オブジェクトIMG30a~IMG30cと、を含む。
【0156】
メッセージオブジェクトA30は、顧客月額保険料及び業種平均月額保険料を示すメッセージである。
【0157】
画像オブジェクトIMG30aは、保有移動体毎の月額保険料及び管理部門に関する情報を示す。
画像オブジェクトIMG30bは、保有移動体毎の月額保険料の占有比率を示すグラフである。
画像オブジェクトIMG30cは、保有移動体の管理部門毎の月額保険料の占有比率を示すグラフである。
【0158】
操作オブジェクトB30a~B30bは、対応する移動体の運転スコアの分布の集計(S333)を実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB30aには、対応する移動体の移動体識別情報(M01)が割り当てられている。
操作オブジェクトB30bには、対応する移動体の移動体識別情報(M02)が割り当てられている。
【0159】
図17に示すように、ステップS311の後、クライアント装置10は、運転スコアの分布集計リクエスト(S312)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、運転スコアの分布集計リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0160】
運転スコアの分布集計リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザが操作した操作オブジェクトB30aに割り当てられた移動体識別情報(M01)
【0161】
ステップS312の後、サーバ30は、運転スコアの分布の集計(S333)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、運転スコアの分布集計リクエストデータに含まれる移動体識別情報に関連付けられた運転スコアログ情報データベース(
図7)の「運転スコア」フィールドを参照して、対象期間における運転スコアの分布を集計する。
【0162】
ステップS333の後、サーバ30は、車種運転スコアの分布の集計(S334)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、移動体情報データベース(
図6)を参照して、運転スコアの分布集計リクエストデータに含まれる移動体識別情報に関連付けられた「車種」フィールドの情報(つまり、対象車種)を特定する。
プロセッサ32は、対象顧客以外の顧客の顧客識別情報に関連付けられた移動体情報データベースを参照して、対象車種に対応する移動体識別情報(以下「同車種移動体識別情報」という)を特定する。
プロセッサ32は、同車種移動体識別情報に関連付けられた運転スコアログ情報データベース(
図7)の「日付」フィールドを参照して、対象期間に含まれるレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードの「運転スコア」フィールドを参照して、運転スコアの分布(以下「同車種比較運転スコア」という)の分布を集計する。
【0163】
ステップS334の後、サーバ30は、運転スコアの分布集計レスポンス(S335)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、運転スコアの分布集計レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
【0164】
運転スコアの分布集計レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・対象期間における運転スコアの分布
・対象期間における同車種運転スコアの分布
【0165】
ステップS335の後、クライアント装置10は、連携処理結果の提示(S313)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P31(
図18)をディスプレイに表示する。
【0166】
画面P31は、画像オブジェクトIMG31を含む。
画像オブジェクトIMG31は、対象期間における運転スコアの分布及び同車種運転スコアの分布を示すグラフである。
【0167】
(5)本実施形態の小括
本実施形態によれば、移動体MBのる運転スコアの集計結果が提示され、またこの集計結果に係る情報を変更することで保険料がどのように変わりうるかも提示される。これにより、移動体を管理または保有する顧客は、保険料を適切化するための移動体MBの運用に資する情報を得ることができる。
【0168】
また、本実施形態によれば、保有移動体MBの運転スコアの分布の集計結果が提示される。これにより、顧客は、過去の運転スコアの分布に応じた移動体の運用によって保険料がどのように変化するかを知得することができる。
【0169】
また、本実施形態によれば、顧客の保有移動体MBの運転スコアの分布と、当該顧客の性質に対して所定の条件を満たす特定顧客の保有移動体MBの運転スコアの分布と、が提示され、またこの運転スコアの分布に係る情報を、比較分布を参照して変更することで保険料がどのように変わりうるかも提示される。これにより、顧客は、比較対象を参照した運転スコアに応じた移動体MBの運用によって、保険料の適切化の余地を知得することができる。
【0170】
また、本実施形態によれば、保有移動体MB毎の稼働比率、及び、移動体MBを管理する管理部門毎の稼働比率の少なくとも1つの集計結果が提示され、またこの集計結果に係る情報を変更することで保険料がどのように変わりうるかも提示される。これにより、顧客は、移動体MB毎、及び、管理部門毎の少なくとも1つを基準として、運転スコアに応じた移動体MBの運用によって保険料がどのように変化するかを知得することができる。
【0171】
また、本実施形態によれば、移動体MBに乗務した乗務員の運転スコアの分布が提示され、また当該乗務員の運転スコアの分布に係る情報を変更することで保険料がどのように変わりうるかも提示される。これにより、顧客は、乗務員毎の運転スコアの分布に応じた乗務員の人材管理によって保険料がどのように変化するかを知得することができる。
【0172】
また、本実施形態によれば、移動体MBに乗務した乗務員の累積乗務時間が提示され、また当該乗務員の累積乗務時間に係る情報を変更することで保険料がどのように変わりうるかも提示される。これにより、顧客は、乗務員毎の累積乗務時間に応じた乗務員の人材管理によって保険料がどのように変化するかを知得することができる。
【0173】
また、本実施形態によれば、運転スコアが低い乗務員、または、顧客が考える保険料の適切化内容に対応して運転内容の改善が求められる乗務員に対する指導内容が提示される。これにより、顧客は、当該乗務員の運転スコアを改善することができる。その結果、顧客にとってより適切な保険料とすることができる。
【0174】
また、本実施形態によれば、保有移動体MB毎の月額保険料が提示される。これにより、顧客は、運転スコアに応じた移動体MBの運用によって保険料がどのように変化するかに関する指標を知得することができる。
【0175】
また、本実施形態によれば、保有移動体MB毎の月額保険料の占有比率、及び、保有移動体MBの管理部門毎の月額保険料の占有比率の少なくとも1つが提示される。これにより、顧客は、移動体MB毎の月額保険料の占有比率、及び、移動体MBの管理部門毎の月額保険料の占有比率の少なくとも1つに応じた移動体MBの運用によって保険料がどのように変化するかを知得することができる。
【0176】
また、本実施形態によれば、保有移動体MBの車種と同車種の運転スコアの分布が提示される。これにより、移動体MBの車種と同車種の運転スコアの分布に応じた移動体MBの運用によって保険料がどのように変化するかに関する指標を知得することができる。
【0177】
また、本実施形態によれば、顧客の月額保険料、及び、顧客の業種と特定顧客の平均月額保険料の集計結果が提示される。これにより、顧客の月額保険料と、顧客の業種と特定顧客の平均月額保険料とを対比することで、自身の適切な保険料を知得することができる。
【0178】
図13では、比較対象として、一特定顧客の比較分布を提示する例を示したが、本実施形態の範囲は、これに限られない。本実施形態においては、例えば、頻度に幅を有する分布(一例として、複数の特定顧客の分布を重畳的に表示したもの)を比較対象として提示してもよい。
【0179】
図15では、特定の乗務員に対する指導内容を提示する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。本実施形態においては、例えば、運転スコアが所定値以上である日が所定数以上ある乗務員、すなわち、優良乗務員を特定し、そのような乗務員に対して何らかの表彰や褒賞を行ったり、顧客に所属する複数の乗務員に対する指導内容を提示したりしてもよく、特定する乗務員の性質や特定乗務員に対する対応は特に限定されない。
【0180】
(6)変形例
本実施形態の変形例を説明する。
【0181】
(6-1)変形例1
変形例1を説明する。変形例1は、事故が発生したときの例である。
【0182】
(6-1-1)変形例1の情報処理
変形例1の情報処理を説明する。
図20は、変形例1の損害予測処理のシーケンス図である。
図21は、
図20の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0183】
図20に示すように、クライアント装置10は、本実施形態(
図11)と同様に、顧客集計(S210)を実行する。
ステップS210の後、サーバ30は、本実施形態(
図11)と同様に、顧客集計(S230)~顧客集計レスポンス(S232)を実行する。
ステップS232の後、クライアント装置10は、本実施形態(
図11)と同様に、顧客集計結果の提示(S211)を実行する。
【0184】
ステップS211の後、クライアント装置10は、損害予測リクエスト(S410)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB21cを操作すると、プロセッサ12は、損害予測リクエストデータをサーバ30に送信する。
【0185】
ステップS410の後、サーバ30は、損害予測(S430)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、損害予測モデルが記憶されている。損害予測モデルには、運転スコアと損害額との相関関係が記述されている。損害予測モデルは、例えば、学習済モデル(例えば、運転スコアに応じた損害額の確率分布を出力するモデル)である。 プロセッサ32は、運転スコアを損害予測モデルに与えることにより、損害額の予測値(以下「予測損害額」という)を算出する。
【0186】
予測損害額は、例えば、以下のいずれかのうち少なくとも一つを含む。
・対人損害賠償額の予測値
・対物損害賠償額の予測値
・移動体の損害額(例えば、車両の修理費用)の予測値
・事故に起因する営業機会損失の予測値
・事故処理に要する人件費の予測値
【0187】
ステップS430の後、サーバ30は、損害予測レスポンス(S431)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、損害予測レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
【0188】
損害予測レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS430の実行結果(つまり、予測損害額)
【0189】
ステップS431の後、クライアント装置10は、シミュレーション結果の提示(S411)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P40(
図21)をディスプレイに表示する。
【0190】
画面P40は、メッセージオブジェクトA40を含む。
メッセージオブジェクトA40は、損害予測レスポンスデータに含まれる予測損害額に関するメッセージである。
【0191】
なお、変形例1では、記憶装置31には、事故発生率予測モデルが記憶されてもよい。事故発生率予測モデルには、運転スコアと、事故発生率との相関関係が記述されている。
この場合、損害予測モデルには、事故発生率と損害額との相関関係が記述される。
プロセッサ32は、運転スコアを事故発生率予測モデルに与えることにより、推定事故発生率を算出する。
プロセッサ32は、推定事故発生率を損害予測モデルに与えることにより、予測損害額を算出する。
【0192】
また、変形例1では、プロセッサ32は、ステップS430において、以下の少なくとも1つを算出してもよい。
・推定事故発生率の分布
・保有移動体数に応じた推定事故台数の分布
・予測損害額の分布
【0193】
一例として、プロセッサ32は、1台あたりの事故による損害(例えば、顧客が法人である場合には、休業損害も含む損害)が顧客に与える影響のレベル(以下「損害額インパクト」という)と、推定事故発生率と、保有移動体数と、を乗算することにより、予測損害額を算出してもよい。
【0194】
また、変形例1では、プロセッサ32は、所定の入力フォームに与えられたユーザ指示に応じた以下の指標を用いて、予測損害額を算出してもよい。
・1台あたりの事故による損害額インパクト
・1台あたりの1日の収益性
・1台あたりの復旧日数
【0195】
また、変形例1では、記憶装置31には、損害額インパクト予測モデルが記憶されてもよい。損害額インパクト予測モデルには、以下の少なくとも1つの相関関係が記述される。
・顧客の業種と損害額インパクトの相関関係
・移動体の用途と損害額インパクトの相関関係
・移動体の走行情報と損害額インパクトの相関関係
この場合、プロセッサ32は、顧客の業種、移動体の用途、及び、移動体の走行情報の少なくとも1つを損害額インパクト予測モデルに与えることにより、1台あたりの事故に対応する損害額インパクトを算出する。
【0196】
変形例1によれば、損害額の予測値が提示される。これにより、顧客は、移動体の事故に起因するコストを知得することができる。
【0197】
(6-2)変形例2
変形例2を説明する。変形例2は、ユーザが指定した条件に応じた保険シミュレーションを実行する例である。
【0198】
(6-2-1)変形例2の概要
変形例2の概要を説明する。
図22は、変形例2の概要の説明図である。
【0199】
図22に示すように、サーバ30は、
図3と同様に、センサユニット50から送信された走行情報を参照して、移動体MBの運転スコアを取得し、且つ、当該運転スコアを蓄積する。
【0200】
クライアント装置10は、サーバ30に対して、保険シミュレーションを要求するための保険シミュレーションリクエストを送信する。
【0201】
サーバ30は、保険シミュレーションリクエストに応じて、顧客が指定した条件と、蓄積された運転スコアと、を用いて、保険シミュレーションを実行し、且つ、保険シミュレーションの結果をクライアント装置10に送信する。
【0202】
クライアント装置10は、サーバ30から送信された保険シミュレーションの結果を顧客に対して提示する。
【0203】
(6-2-2)変形例2の情報処理
変形例2の情報処理を説明する。
【0204】
(6-2―2-1)変形例2の保険シミュレーションの第1例
変形例2の保険シミュレーションの第1例を説明する。変形例2の保険シミュレーションの第1例は、運転スコアの出現頻度について変動があったときの保険料を予測する例である。
図23は、変形例2の保険シミュレーションのシーケンス図である。
図24は、
図23の情報処理において表示される第1画面例を示す図である。
図25は、
図23の情報処理において表示される第2画面例を示す図である。
【0205】
図23に示すように、クライアント装置10は、保険シミュレーションリクエスト(S510)を実行する。
具体的には、ユーザが、画面P21(
図13)において操作オブジェクトB21dを操作すると、プロセッサ12は、画面P50(
図24)をディスプレイに表示する。
【0206】
画面P50は、画像オブジェクトIMG21と、表示オブジェクトA50と、を含む。
表示オブジェクトA50には、現時点保険料、想定保険料、及び、差異額が表示される。
現時点保険料は、現時点での移動体の状況に基づき算出される保険料であって、現時点での移動体の状況が維持された場合に将来的に顧客が実際に支払うこととなる保険料である。現時点保険料は、現時点の移動体の状況に基づき、後述する保険シミュレーションによって算出される。または、移動体情報データベース(
図6)の「保険料」フィールドの情報に基づいて算出してもよい。その算出タイミングは特に限定されないが、例えば、S131~S132の実行タイミングに合わせて行われてもよい。
想定保険料は、現時点保険料に対応する移動体の状況に対し変動があった条件下で想定される保険料である。想定保険料は、現時点の移動体の状況に何らかの変動を適用した状況に基づき、後述する保険シミュレーション(S510)によって得られた値である。
図24の画面P50では、何らの変動を適用してはいないので、現時点保険料と同一である。
差異額は、現時点保険料と想定保険料の差である。
【0207】
なお、顧客は、何らの変動を適用していなければ、想定保険料の表示により現時点保険料を確認でき、変動を適用した後は、想定保険料と差異額から現時点保険料を推定できることから、現時点保険料を表示しなくともよい。このようにすることで、画面上で表示オブジェクトが占める割合を減らすことができる。
【0208】
ユーザが画像オブジェクトIMG21の運転スコア「1」~「10」の出現分布の少なくとも1つに対して所定の操作(一例として、マウス操作やタッチパネル上でのタップ、ドラッグ等の操作により、顧客の運転スコア「2」を指定し、その出現頻度を変動させる操作)を実行すると、プロセッサ12は、対応する出現頻度の変動に応じたシミュレーション条件を決定する。
【0209】
ステップS510の第1ケースでは、プロセッサ12は、ユーザが所定の操作、例えば、運転スコア「2」に対応する部分をダブルクリック、またはダブルタップ、を行ったことを探知すると、対応して運転スコア「2」の出現頻度を比較対象の出現頻度を基準とした値(本例では、同一の値)に変更し、且つ、運転スコア「2」の周辺の運転スコア(例えば、運転スコア「3」)の出現頻度に運転スコア「2」の出現頻度の変化量を配分する。一例として、運転スコア「2」の変化量が-1であった(つまり、出現頻度が1減少する)場合、運転スコア「3」の出現頻度に1が加算される。ここで、比較対象として算出された値が、平均値等の統計値であったり、正規化処理に基づく値であったりすることから、小数点以下の値を含むことがある。この場合、その算出した値と同一としてもよいし、算出した値に近似する値(例えば整数値)としてもよい。以降の例においても同様である。これにより、対象とする移動体の運転スコアの出現頻度の合計値を実質的に変動させることなく運転スコアの出現頻度の分布が変動する。
【0210】
ステップS510の第2ケースでは、プロセッサ12は、ユーザが所定の操作、例えば、第1例とは異なり、運転スコア「2」に対応する部分をシングルクリック、またはシングルタップ、を行なったことを探知すると、対応して運転スコア「2」の出現頻度を所定の値(本例では、ゼロ)に変更し、且つ、運転スコア「2」の周辺の運転スコア(例えば、運転スコア「3」)の出現頻度に変更前の運転スコア「2」の出現頻度を配分する。一例として、変更前の運転スコア「2」が3である(つまり、出現頻度が3減少する)場合、運転スコア「3」の出現頻度に3が加算される。これにより、対象とする移動体の運転スコアの出現頻度の合計値を変動させることなく運転スコアの出現頻度の分布が変動する。
【0211】
好ましくは、プロセッサ12は、より高い運転スコア(例えば、運転スコア「3」)の出現頻度が、より低い運転スコア(例えば、運転スコア「1」)の出現頻度より多くなるように、運転スコアの出現頻度の分布を変動させる。これは、運転スコアの改善を前提とした保険シミュレーションを実行するためである。
【0212】
好ましくは、プロセッサ12は、ユーザの操作に対応する運転スコア(例えば、運転スコア「2」)に近い運転スコア(例えば、運転スコア「4」ではなく運転スコア「3」)の出現頻度を変化させる。これは、一般的に、ドライバの運転スコアは、急激に変動するのではなく、緩やかに変動する傾向があるためである。
【0213】
プロセッサ12は、保険シミュレーションリクエストデータをサーバ30に送信する。保険シミュレーションリクエストデータは、変更後の運転スコアの出現頻度を含む。
【0214】
ステップS510の後、サーバ30は、保険シミュレーション(S530)を実行する。
【0215】
具体的には、記憶装置31には、保険シミュレーションモデルが記憶されている。保険シミュレーションモデルには、運転スコアと保険料との相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、例えば、現時点及び変更後の運転スコアの出現頻度の分布を保険シミュレーションモデルに入力することにより、変更後の運転スコアの出現頻度の分布に対応する保険料(以下「想定保険料」という)の値(例えば、当該分布における2σ区間端または3σ区間端に該当する値や、最大値及び最小値が挙げられるが、これらに限られない)を決定する。
プロセッサ32は、現時点保険料と想定保険料との差(以下「差異額」という)を算出する。
プロセッサ32は、移動体情報データベース(
図6)の「保険料」フィールドの情報と想定保険料との差(つまり、差異額)を算出する。
【0216】
ステップS530の後、サーバ30は、特定乗務員の抽出(S531)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、乗務ログ情報データベース(
図7)及び運転スコアログ情報データベース(
図8)を参照して、乗務員毎に、運転スコアの出現頻度を算出する。
プロセッサ32は、所定の条件を満たす乗務員の乗務員識別情報を特定する。所定の条件を満たす乗務員(以下「特定乗務員」という)とは、限定ではなく例として、好ましくない運転をしばしば行っている乗務員であって、次の何れかの条件を満たす乗務員である。
・運転スコアが所定の運転スコア「2」以下である乗務員
・運転スコアがユーザにより任意に指定されたスコア以下である乗務員
・出現頻度の分布からプロセッサ32によって特定される運転スコア(一例として、出現頻度の下位10%に該当する運転スコア)以下の出現頻度が所定数以上である乗務員
プロセッサ32は、乗務員情報データベース(
図5)を参照して、特定された乗務員識別情報に関連付けられた乗務員名情報を特定する。
【0217】
ステップS531の後、サーバ30は、保険シミュレーションレスポンス(S532)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、保険シミュレーションレスポンスデータをクライアント装置10に送信する。保険シミュレーションレスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS530で得られた変更後の運転スコアの出現頻度の分布
・ステップS530で得られた想定保険料及び差異額
・ステップS531で得られた乗務員名情報
【0218】
ステップS532の後、クライアント装置10は、保険シミュレーション結果の提示(S511)を実行する。
【0219】
ステップS510の第1ケースに対応するステップS511では、プロセッサ12は、画面P51(
図24)をディスプレイに表示する。
【0220】
画面P51は、画像オブジェクトIMG21及びIMG51と、表示オブジェクトA51と、操作オブジェクトB51と、を含む。
【0221】
画像オブジェクトIMG51は、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる変更後の運転スコアの出現頻度の分布のうち、変更前の運転スコアの出現頻度の分布との相違点(つまり、ステップS530で変更された運転スコア「2」~「3」の出現頻度)を示す画像である。
【0222】
表示オブジェクトA51には、現時点保険料、想定保険料、差異額、及び、特定乗務員名と、が表示される。
現時点保険料は、表示オブジェクトA50と同一である。
想定保険料は、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる想定保険料である。
差異額は、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる差異額である。
特定乗務員は、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる乗務員名情報である。
【0223】
操作オブジェクトB51は、特定乗務員の乗務に関する集計結果を提示させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0224】
ステップS510の第2ケースに対応するステップS511では、プロセッサ12は、画面P52(
図25)をディスプレイに表示する。
【0225】
画面P52は、画像オブジェクトIMG21及びIMG52と、表示オブジェクトA51と、操作オブジェクトB51と、を含む。
【0226】
画像オブジェクトIMG52は、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる変更後の運転スコアの出現頻度の分布のうち、変更前の運転スコアの出現頻度の分布との相違点(つまり、ステップS530で変更された運転スコア「2」~「3」の出現頻度)を示す画像である。
【0227】
変形例2の保険シミュレーションの第1例は、ユーザが任意に指定(例えば、任意のスコアをクリックし、頻度の増減をドラッグ等する操作より指定する)した運転スコアの出現頻度の分布に応じた想定保険料を算出する例にも適用可能である。
【0228】
(6-2-2-2)変形例2の保険シミュレーションの第2例
変形例2の保険シミュレーションの第2例を説明する。変形例2の保険シミュレーションの第2例は、移動体毎の稼働条件を変更したときの保険料を予測する例である。
図26は、変形例2の保険シミュレーションの第2例において表示される第1画面例を示す図である。
図27は、変形例2の保険シミュレーションの第2例において表示される第2画面例を示す図である。
図28は、変形例2の保険シミュレーションの第2例において表示される第3画面例を示す図である。
【0229】
図23に示すように、クライアント装置10は、保険シミュレーションリクエスト(S510)を実行する。
【0230】
変形例2の保険シミュレーションの第2例に係るステップS510の例では、ユーザが、画面P22(
図14)において操作オブジェクトB22cを操作すると、プロセッサ12は、画面P53(
図26)をディスプレイに表示する。
【0231】
画面P53は、画像オブジェクトIMG22a~IMG22bと、操作オブジェクトB22a~B22bと、表示オブジェクトA53と、を含む。
【0232】
画像オブジェクトIMG22a~IMG22cは、操作可能に構成される。
【0233】
表示オブジェクトA53には、現時点保険料、想定保険料、及び、差異額が表示される。
【0234】
図27に示すように、ユーザが画面P53において、画像オブジェクトIMG22a(円グラフ)の各移動体の稼働比率の境界線IMG22aaを動かす操作(一例として、移動体「M02」の稼働比率を増やす操作)を行うと、プロセッサ12は、ユーザの操作に応じて、対象とする移動体の総稼働時間を変動させることなく各移動体の稼働比率を変更する。
ここで、変化量として得られる値は、コンピュータ処理または表示桁数などの都合上、他の要素に対して正確に配分することが困難な場合がある。そのような場合においては、変化量の近似値を他の要素に配分することとしてもよい。係る場合においては、プロセッサ12は、ユーザの操作に応じて、対象とする移動体の総稼働時間を実質的に変動させることなく各移動体の稼働比率を変更する。以降の例においても同様である。
プロセッサ12は、保険シミュレーションリクエストデータをサーバ30に送信する。この場合、保険シミュレーションリエクストデータは、変更後の各移動体の稼働比率を含む。
【0235】
図28に示すように、ユーザが画面P53において、画像オブジェクトIMG22a(円グラフ)の円周線IMG22abを動かす操作(一例として、円グラフの面積を拡げる操作)を行うと、プロセッサ12は、ユーザの操作に応じて、各移動体の稼働比率を実質的に変動させることなく対象とする移動体全体に係る総稼働時間を変更する。
プロセッサ12は、保険シミュレーションリクエストデータをサーバ30に送信する。この場合、保険シミュレーションリエクストデータは、変更後の各移動体の稼働時間を含む。
【0236】
ステップS510の後、サーバ30は、保険シミュレーション(S530)を実行する。
【0237】
記憶装置31には、保険シミュレーションモデルが記憶されている。保険シミュレーションモデルには、移動体の稼働(一例として、稼働比率及び稼働時間)、管理部門毎の稼働(一例として、稼働比率及び稼働時間)、移動体の運転スコア、及び、保険料との相関関係が記述されている。
【0238】
図27に示すように、ユーザが境界線IMG22aaを動かす操作を行った場合、プロセッサ32は、変更後の各移動体の稼働比率及び各移動体の運転スコアを保険シミュレーションモデルに入力することにより、変更後の各移動体の稼働比率に対応する想定保険料の値(例えば、2σ区間端の値)を算出する。
プロセッサ32は、現時点保険料と想定保険料との差(つまり、差異額)を算出する。
【0239】
図28に示すように、ユーザが円周線IMG22abを動かす操作を行った場合、プロセッサ32は、変更後の各移動体の稼働時間及び各移動体の運転スコアを保険シミュレーションモデルに入力することにより、変更後の各移動体の稼働時間に対応する想定保険料の値(例えば、2σ区間端の値)を算出する。
プロセッサ32は、移動体情報データベース(
図6)の「保険料」フィールドの情報と想定保険料との差(つまり、差異額)を算出する。
【0240】
保険シミュレーションの第2例では、ステップS531は省略される。
【0241】
ステップS530の後、サーバ30は、保険シミュレーションレスポンス(S532)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、プロセッサ32は、保険シミュレーションレスポンスデータをクライアント装置10に送信する。保険シミュレーションレスポンスデータは、ステップS530で得られた想定保険料及び差異額を含む。
【0242】
ステップS532の後、クライアント装置10は、保険シミュレーション結果の提示(S511)を実行する。
【0243】
図27に示すように、ユーザが境界線IMG22aaを動かす操作を行った場合、プロセッサ12は、画面P54をディスプレイに表示する。
画面P54では、画像オブジェクトIMG22aにおいて、境界線IMG54の位置は、画面P53におけるユーザの操作に応じた位置である。したがって、境界線IMG54の位置が境界線22aaの位置とは異なる。
表示オブジェクトA54には、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる想定保険料及び差異額が表示される。
【0244】
図28に示すように、ユーザが円周線IMG22abを動かす操作を行った場合、プロセッサ12は、画面P55をディスプレイに表示する。
画面P55では、画像オブジェクトIMG22aに加えて、画像オブジェクトIMG55と、画像オブジェクトIMG22aに対する画像オブジェクトIMG55の大きさの比が表示される。画像オブジェクトIMG55の大きさは、画面P53におけるユーザの操作に応じた大きさである。したがって、画像オブジェクトIMG55の大きさは、画像オブジェクトIMG22aの大きさとは異なる。画像オブジェクトIMG22aに対する画像オブジェクトIMG55の大きさの比は、ユーザの操作に応じた円周線IMG22abの変化量(つまり、稼働比率の変化量)に相当する。
表示オブジェクトA55には、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる想定保険料及び差異額が表示される。
【0245】
保険シミュレーションの第2例は、移動体毎の稼働比率及び稼働時間の両方を変更する例(例えば、ユーザが境界線IMG22aa及び円周線IMG22abの両方を操作する場合)にも適用可能である。
【0246】
保険シミュレーションの第2例は、管理部門毎の稼働比率及び総稼働時間の少なくとも1つを変更する例(例えば、ユーザが画像オブジェクトIMG22bの境界線及び円周線の少なくとも1つを操作する場合)にも適用可能である。
【0247】
(6-2-2-3)変形例2の保険シミュレーションの第3例
変形例2の保険シミュレーションの第3例を説明する。変形例2の保険シミュレーションの第3例は、乗務員の乗務条件を変更したときの保険料を予測する例である。
図29は、変形例2の保険シミュレーションの第3例において表示される第1画面例を示す図である。
図30は、変形例2の保険シミュレーションの第3例において表示される第2画面例を示す図である。
【0248】
図23に示すように、クライアント装置10は、保険シミュレーションリクエスト(S510)を実行する。
ユーザが、画面P23(
図15)において操作オブジェクトB23を操作すると、プロセッサ12は、画面P56(
図29)をディスプレイに表示する。
【0249】
画面P56は、画像オブジェクトIMG23a~IMG23bと、メッセージオブジェクトA23及びA56と、を含む。
【0250】
画像オブジェクトIMG23a~IMG23bは、操作可能に構成される。
【0251】
表示オブジェクトA56には、現時点保険料、想定保険料、及び、差異額が表示される。
【0252】
図30に示すように、ユーザが画面P56において、画像オブジェクトIMG23b(円グラフ)の各乗務員の乗務比率の境界線IMG23baを動かす操作(一例として、乗務員「D02」の稼働比率を増やし、対応して乗務員「D01」の稼働比率を減らす操作)を行うと、プロセッサ12は、ユーザの操作に応じて、対象とする移動体の総稼働時間を実質的に変動させることなく各乗務員の乗務比率を変更する。
プロセッサ12は、保険シミュレーションリクエストデータをサーバ30に送信する。この場合、保険シミュレーションリエクストデータは、変更後の各乗務員の乗務比率を含む。
【0253】
ステップS510の後、サーバ30は、保険シミュレーション(S530)を実行する。
【0254】
記憶装置31には、保険シミュレーションモデルが記憶されている。保険シミュレーションモデルには、乗務員の乗務情報(一例として、乗務時間比率及び乗務時間)、移動体の運転スコア、及び、保険料との相関関係が記述されている。
【0255】
図30に示すように、ユーザが境界線IMG23baを動かす操作を行った場合、プロセッサ32は、変更後の各乗務員の乗務比率及び各乗務員の運転スコア又は平均運転スコアを保険シミュレーションモデルに入力することにより、変更後の各乗務員の乗務比率に対応する想定保険料の値(例えば、2σ区間端の値)を算出する。
プロセッサ32は、移動体情報データベース(
図6)の「保険料」フィールドの情報と想定保険料との差(つまり、差異額)を算出する。
【0256】
保険シミュレーションの第3例では、ステップS531は省略してもよい。
【0257】
ステップS530の後、サーバ30は、保険シミュレーションレスポンス(S532)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、プロセッサ32は、保険シミュレーションレスポンスデータをクライアント装置10に送信する。保険シミュレーションレスポンスデータは、ステップS530で得られた想定保険料及び差異額を含む。
【0258】
ステップS532の後、クライアント装置10は、保険シミュレーション結果の提示(S511)を実行する。
【0259】
図30に示すように、ユーザが境界線IMG23baを動かす操作を行った場合、プロセッサ12は、画面P57をディスプレイに表示する。
画面P57では、画像オブジェクトIMG23bにおいて、境界線IMG57の位置は、画面P56におけるユーザの操作に応じた位置である。したがって、境界線IMG57の位置が境界線23baの位置とは異なる。
表示オブジェクトA57には、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる想定保険料及び差異額が表示される。
【0260】
保険シミュレーションの第3例は、対象の移動体について乗務員毎の稼働比率及び稼働時間の両方を変更する例(例えば、ユーザが境界線IMG23ba及び円周線IMG23bbの両方を操作する場合)にも適用可能である。
【0261】
保険シミュレーションの第3例は、対象の移動体について乗務員毎の稼働比率及び稼働時間の両方を変更する例にも適用可能である。
【0262】
(6-2-2-4)変形例2の保険シミュレーションの第4例
変形例2の保険シミュレーションの第4例を説明する。変形例2の保険シミュレーションの第4例は、乗務員の乗務条件及び走行情報の少なくとも1つを変更したときの保険料を予測する例である。
図31は、変形例2の保険シミュレーションの第4例のシーケンス図である。
図32は、変形例2の保険シミュレーションの第4例において表示される第1画面例を示す図である。
図33は、変形例2の保険シミュレーションの第4例において表示される第2画面例を示す図である。
【0263】
図31に示すように、クライアント装置10は、
図23と同様に、保険シミュレーションリクエスト(S510)を実行する。
ステップS510の後、サーバ30は、
図23と同様に、保険シミュレーション(S530)~保険シミュレーションレスポンス(S532)を実行する。
ステップS532の後、クライアント装置10は、
図23と同様に、保険シミュレーション結果の提示(S511)を実行する。
【0264】
ステップS511の後、クライアント装置10は、乗務員集計リクエスト(S610)を実行する。
具体的には、ユーザが、画面P51(
図23)の操作オブジェクトB51又は画面P52(
図24)の操作オブジェクトB52を操作すると、プロセッサ12は、保険集計リクエストデータをサーバ30に送信する。保険集計リクエストデータは、特定乗務員の乗務員識別情報を含む。
【0265】
ステップS610の後、サーバ30は、乗務員集計(S630)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、集計の対象となる移動体識別情報に関連付けられた乗務ログ情報データベース(
図8)を参照して、「乗務員ID」フィールドに、保険集計リクエストデータに含まれる乗務員識別情報を含むレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定されたレコードの「乗務開始日時」フィールド、「乗務終了日時」フィールド、及び、「運転スコア」フィールドの情報を特定する。
プロセッサ32は、移動体識別情報毎に、特定された「乗務開始日時」フィールドの情報及び「乗務終了日時」フィールドの情報の差の合算値(つまり、累積乗務時間)を算出する。
プロセッサ32は、移動体識別情報毎に、その移動体に係る運転スコアの評価値として、特定された「運転スコア」フィールドの情報に基づく値(「運転スコア評価値」という)、例えば、平均値を算出する。
【0266】
ステップS630の後、サーバ30は、乗務員集計レスポンス(S631)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、乗務員集計レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。乗務員集計レスポンスデータは、ステップS630で得られた移動体識別情報毎の累積乗務時間及び参照運転スコアを含む。
【0267】
ステップS631の後、クライアント装置10は、乗務員集計結果の提示(S611)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P60(
図32)をディスプレイに表示する。
【0268】
画面P60は、画像オブジェクトIMG60a~IMG60bと、表示オブジェクトA60と、操作オブジェクトB60a~B60bと、を含む。
【0269】
画像オブジェクトIMG60aは、乗務員集計レスポンスデータに含まれる移動体毎の累積乗務時間及び参照運転スコアに関する情報を示す。ここで、
図32では、参照運転スコアとして運転スコアの平均値(平均運転スコア)を表示することとする。
画像オブジェクトIMG60bは、乗務員集計レスポンスデータに含まれる移動体毎の乗務比率を示すグラフである。
【0270】
操作オブジェクトB60aは、特定乗務員の乗務条件を変更したときの保険シミュレーションを実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB60bは、特定乗務員の走行情報を提示させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB60bには、移動体識別情報が割り当てられている。
【0271】
ステップS611の後、クライアント装置10は、保険シミュレーションリクエスト(S612)を実行する。
【0272】
図33に示すように、ユーザが画面P60において、画像オブジェクトIMG60b(円グラフ)の各移動体の乗務比率の境界線IMG60aを動かす操作(一例として、移動体「M02」の乗務比率を増やす操作)を行うと、プロセッサ12は、ユーザの操作に応じて、対象とする乗務員の総乗務時間を実質的に変動させることなく各移動体の乗務比率を変更する。
プロセッサ12は、保険シミュレーションリクエストデータをサーバ30に送信する。この場合、保険シミュレーションリエクストデータは、変更後の各移動体の乗務比率を含む。
【0273】
ステップS612の後、サーバ30は、保険シミュレーション(S632)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、保険シミュレーションモデルが記憶されている。保険シミュレーションモデルには、移動体の乗務時間、乗務員の運転スコア、及び、保険料との相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、保険シミュレーションリクエストデータに含まれる乗務時間と、ステップS630で得られた移動体毎の運転スコアを保険シミュレーションモデルに入力することにより、変更後の各移動体の乗務比率に応じた想定保険料の値(例えば、2σ区間端の値)を算出する。
プロセッサ32は、移動体情報データベース(
図6)の「保険料」フィールドの情報と想定保険料との差(つまり、差異額)を算出する。
【0274】
ステップS632の後、サーバ30は、保険シミュレーションレスポンス(S633)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、保険シミュレーションレスポンスデータをクライアント装置10に送信する。保険シミュレーションレスポンスデータは、ステップS632で得られた想定保険料及び差異額を含む。
【0275】
ステップS633の後、クライアント装置10は、保険シミュレーション結果の提示(S613)を実行する。
【0276】
図33に示すように、ユーザが境界線IMG60aを動かす操作を行った場合、プロセッサ12は、画面P61をディスプレイに表示する。
画面P61では、画像オブジェクトIMG60において、境界線IMG61の位置は、画面P60におけるユーザの操作に応じた位置である。したがって、境界線IMG61の位置が境界線60aの位置とは異なる。
表示オブジェクトA61には、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる想定保険料及び差異額が表示される。
【0277】
変形例2の保険シミュレーションの第4例は、乗務員毎の稼働比率及び稼働時間の両方を変更する例にも適用可能である。
【0278】
(6-2-2-5)変形例2の保険シミュレーションの第5例
変形例2の保険シミュレーションの第5例を説明する。変形例2の保険シミュレーションの第5例は、乗務員の走行情報を変更したときの保険料を予測する例である。
図34は、変形例2の保険シミュレーションの第5例において表示される画面例を示す図である。
【0279】
クライアント装置10は、
図31と同様に、保険シミュレーションリクエスト(S510)を実行する。
ステップS510の後、サーバ30は、
図31と同様に、保険シミュレーション(S530)~保険シミュレーションレスポンス(S532)を実行する。
ステップS532の後、クライアント装置10は、
図31と同様に、保険シミュレーション結果の提示(S511)~乗務員集計リクエスト(S610)を実行する。
ステップS610の後、サーバ30は、
図31と同様に、乗務員集計(S630)~乗務員集計レスポンス(S631)を実行する。
ステップS631の後、クライアント装置10は、
図31と同様に、乗務員集計結果の提示(S611)を実行する。
【0280】
ステップS611の後、クライアント装置10は、保険シミュレーションリクエスト(S612)を実行する。
ユーザが画面P60(
図32)の操作オブジェクトB60bを操作すると、プロセッサ12は、サーバ30から、操作オブジェクトB60bに割り当てられた移動体識別情報に関連付けられた特定乗務員の走行情報を取得する。
プロセッサ12は、画面P63(
図34)をディスプレイに表示する。
【0281】
画面P63は、画像オブジェクトIMG63と、表示オブジェクトA63と、操作オブジェクトB63と、を含む。
【0282】
画像オブジェクトIMG63は、特定乗務員の走行情報(例えば、急加速回数、急減速回数、及び、急ハンドル回数)と、比較対象の走行情報と、を示すグラフである。
【0283】
ここで、変形例2の保険シミュレーションの第5例における比較対象は、例えば、特定顧客における全乗務員の走行情報の平均値または中央値、もしくは上位スコア20%の平均値または中央値などの統計値や、更には所定の条件を満たす一乗務員(例えば、社歴が最も長いベテラン乗務員)の走行情報を比較対象としてもよく、その対象者や計算手法は特に限定されない。
【0284】
表示オブジェクトA63には、現時点保険料、想定保険料、及び、差異保額が表示される。
【0285】
ユーザが画像オブジェクトIMG63(例えば、急加速回数のグラフ)を操作すると、プロセッサ12は、保険シミュレーションリクエストデータをサーバ30に送信する。保険シミュレーションリクエストデータは、ユーザが操作した走行情報(例えば、急加速回数)を識別する情報を含む。
【0286】
ステップS612の後、サーバ30は、保険シミュレーション(S632)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、保険シミュレーションモデルが記憶されている。保険シミュレーションモデルには、走行情報と保険料との相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、保険シミュレーションリクエストデータに含まれる走行情報を識別する情報に対応する走行情報(例えば、急加速回数)の値を比較対象の値に変更する。
プロセッサ32は、変更後の走行情報を保険シミュレーションモデルに入力することにより、変更後の走行情報に対応する想定保険料の値(例えば、2σ区間端の値)を算出する。
プロセッサ32は、移動体情報データベース(
図6)の「保険料」フィールドの情報と想定保険料との差(つまり、差異額)を算出する。
【0287】
ステップS632の後、サーバ30は、保険シミュレーションレスポンス(S633)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、保険シミュレーションレスポンスデータをクライアント装置10に送信する。保険シミュレーションレスポンスデータは、ステップS632で得られた想定保険料及び差異額を含む。
【0288】
ステップS633の後、クライアント装置10は、保険シミュレーション結果の提示(S613)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P64(
図34)をディスプレイに表示する。
【0289】
画面P64は、画像オブジェクトIMG64と、表示オブジェクトA64と、を含む。
【0290】
画像オブジェクトIMG64は、変更後の走行情報を示すグラフである。
【0291】
表示オブジェクトA64には、保険シミュレーションレスポンスデータに含まれる想定保険料及び差異額が表示される。
【0292】
変形例2の保険シミュレーションの第5例は、ユーザが任意に指定した走行情報の値(例えば、急加速回数)に応じた想定保険料を算出する例にも適用可能である。
【0293】
また、変形例2の保険シミュレーションの第5例では、S531にて抽出された特定乗務員の乗務条件を変更する例を説明したが、変更対象は特定乗務員に限られず、任意の乗務員の乗務条件を変更することとしてもよい。この場合、対象となる乗務員は、例えば、乗務員情報データベースを参照し所定の条件を満たす乗務員(例えば、入社日から一年経過していない新入社員)、ユーザによって任意に指定された乗務員等、S531とは異なる処理に基づいて行なってよく、特にその指定方法及び選定方法は限定されない。
【0294】
(6-2-3)変形例2の小括
【0295】
変形例2によれば、ユーザが指定したシミュレーション条件に応じた想定保険料の予測値が提示される。これにより、ユーザは、自身が指定したシミュレーション条件に応じた保険料の変化を容易に把握することができる。
【0296】
変形例2では、ユーザが指定したシミュレーション条件(例えば、運転スコアの出現頻度、移動体毎の稼働条件、管理部門毎の稼働条件、乗務員毎の稼働条件、及び、乗務員の走行情報の少なくとも1つ)に応じた想定保険料を算出する例を示したが、本実施形態の適用範囲はこれに限られない。本実施形態は、ユーザが指定した保険料に応じた条件(例えば、運転スコアの出現頻度、移動体毎の稼働条件、管理部門毎の稼働条件、乗務員毎の稼働条件、及び、乗務員の走行情報の少なくとも1つ)を算出する例にも適用可能である。
これにより、ユーザは、自身が指定した保険料を実現するための条件を容易に把握することができる。
【0297】
変形例2では、保険シミュレーションのために与えられる条件(以下「保険シミュレーション条件」という)は上述の例に限られるものではない。保険シミュレーション条件は、保険料に直接又は間接に影響しうる要素に関する条件であって、且つ、移動体及び乗務員の少なくとも1つの運用によって当該要素の変更(品質改善に限られない)を図ることができるものであれば、特に限定されない。
【0298】
変形例2では、顧客に提示するものは、想定保険料である例を示したが、本実施形態の範囲は、これに限られるものではない。本実施形態においては、例えば、想定保険料が所定の条件を満たす場合(例えば、想定保険料の中央値が現時点保険料の150%以上または50%以下である、想定保険料が顧客等によりあらかじめ指定された閾値を上回る、など)には、移動体MBの管理方法の変更内容を示唆する情報として、例えば、想定保険料の提示に追加してまたは想定保険料の提示に代わって、以下の少なくとも1つを提示してもよい。
・保険内容の拡充又は縮小の提案
・移動体のリースの解約、追加、又は変更の提言
・顧客のビジネスモデルの変更または撤退の提言
【0299】
本実施形態においては、想定保険料を実現するために乗務員が改善すべきスキル(例えば、急加速回数を減少させること)、及び、当該スキルを改善するための指導内容の少なくとも1つを提示してもよい。
【0300】
変形例2では、ユーザが指定した保険シミュレーション条件に基づく保険シミュレーションを実行する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。本実施形態は、例えば、クライアント装置10又はサーバ30が、推奨される保険シミュレーション条件を決定し、且つ、当該保険シミュレーション条件に基づく保険シミュレーションを実行する例にも適用可能であり、保険シミュレーションを実行する装置及び位置は特に限定されない。
【0301】
(7)その他の変形例
その他の変形例を説明する。
【0302】
ステップS150では、乗務員が、自身の乗務員識別情報と、移動体識別情報と、乗務目的に関する情報と、を入力した場合に、通信端末52が、乗務開始リクエストデータをサーバ30に送信する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。本実施形態は、例えば、以下の例にも適用可能である。
記憶装置31には、予め、乗務員識別情報、センサ識別情報、移動体識別情報、及び、乗務目的に関する情報とが関連付けて記憶されている。
乗務員が、業務開始時に乗務員が所定のセンサユニット50を移動体MBに接続すると、通信端末52は、乗務開始リクエストデータをサーバ30に送信する。乗務開始リクエストデータは、乗務員識別情報と、ステップS150の実行日時に関する情報と、を含む。
サーバ30は、乗務開始リクエストデータを受信すると、乗務開始リクエストデータに含まれる乗務員識別情報に関連付けられたセンサ識別情報、移動体識別情報、及び、乗務目的に関する情報と、を特定する。
その後、サーバ30は、乗務ログの更新(ステップS130)を実行する。
これにより、画面P10(
図10)における乗務員による操作(つまり、乗務開始時の登録作業)を省略することができる。
【0303】
本実施形態では、ステップS231において、対象顧客の業種を基準として、比較を実行する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。本実施形態における比較対象は、何らかの観点で顧客、または顧客が管理または保有する移動体MBと関連性があったり、移動体の管理品質が所定の条件を満たしていたりすればよく、例えば、以下の少なくとも1つを基準として特定される集合体である例にも適用可能である。
・規模(一例として、株価に基づく企業価値、売上高、乗務員の数、及び、利益)が顧客と同一であるまたは類似する企業またはその集合体
・管理または保有する移動体が主に走行する地域の性質(一例として、都市部又は山間部などのエリア種別、一般道路の利用頻度、及び、高速道路の利用頻度)が顧客と同一であるまたは類似する個人または企業もしくはそれらの集合体
・管理または保有する移動体の数が顧客と同一であるまたは類似する個人または企業もしくはそれらの集合体
・契約する保険契約の内容(一例として、月額保険料及び補償内容)が顧客と同一であるまたは類似する個人または企業もしくはそれらの集合体
・乗務員の労務品質(一例として、乗務員の乗務時間)が顧客と同一であるまたは類似する個人または企業もしくはそれらの集合体
・所定領域(例えば、全国規模、顧客と同じ地域、等)での運転スコア値(例えば、管理対象の全移動体の運転スコア平均値)についてのランキング上位10社(企業数は特に限られない)に含まれる個人または企業もしくはそれらの集合体
・乗務員の労務品質(一例として、乗務員の総乗務時間)が同一であるまたは類似する個人または企業もしくはそれらの集合体
・顧客自身(例えば、過去のある時点における顧客が管理または保有する移動体群、顧客が管理または保有する移動体群の一部(例えば、顧客のある部門のみを比較対象とする)など)
【0304】
本実施形態では、平均値を集計値として算出する例を示したが、本実施形態における集計値は、特に限定されず、例えば以下の少なくとも1つを集計値として算出する例にも適用可能である。
・月額保険料のレンジ(最大値と最小値)
・運転スコアのレンジ(最大値と最小値)
・偏差値(例えば、全業種全企業を母集団として算出する)
【0305】
本実施形態では、運転スコアの算出(S131)を乗務終了リクエスト(S153)の後に実行する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。本実施形態は、以下の何れかの処理の後に運転スコアの算出(S131)を実行する例にも適用可能である。
・顧客集計リクエスト(S211)
・運転スコア分布集計リクエスト(S311)
【0306】
本実施形態では、運転スコアは、10段階で表現する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。本実施形態においては、運転スコアをどのような段階で表現してもよく、例えば、100段階で表現する例にも適用可能である。
【0307】
本実施形態の各種モデルは上記説明されたものには特に限定されず、例えば、以下のモデルの少なくとも1つを含んでもよい。
・所定の計算手法(例えば、移動平均法)により生成される線形モデル
・教師データに基づいて学習された算出器によって想定値を出力する非線形モデル
【0308】
本実施形態では、シミュレーション条件を決定するためのユーザによる操作を受け付ける前に、現時点保険料、想定保険料、及び、差異額を提示するための表示オブジェクトA50、A53、A56、A60、及び、A63をユーザに提示する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。表示オブジェクトA50、A53、A56、A60、及び、A63の提示は省略可能である。この場合、シミュレーション条件を決定するためのユーザによる操作を受け付けた後に、現時点保険料、想定保険料、及び、差異額を提示するための表示オブジェクトA51、A54、A57、A61、及び、A64がユーザに提示されることが好ましい。
【0309】
本実施形態では、想定保険料の値として、想定保険料に係る分布の2σ区間端の値を算出する例を示したが、本実施形態における想定保険料の算出方法は特に限定されず、例えば、想定保険料に係る分布の任意の区間端の値や、一意の値を算出することとしてもよい。
【0310】
本実施形態では、保険料をどのように適切化できるかを顧客、即ち、保険契約者に提示する例を示したが、これに限られない。本実施形態における保険料の適切化に関する情報の提示先は、例えば、当該保険契約者に関する保険契約内容の適切化を検討する者(例えば、当該保険契約を提供する保険会社自身やそのエージェント、別途の保険会社やそのエージェント、友人、親族等)としてもよい。
【0311】
本実施形態では、運転スコアの分布、保険対象の移動体群における総稼働時間、移動体毎の稼働比率及び管理部門毎の稼働比率、一移動体における総稼働時間及び乗務員毎の乗務比率、並びに一乗務員における総乗務時間、移動体毎の乗務比率及び走行情報のいずれかを変更することにより、変更後の想定保険料を提示する例を示したが、本実施形態における変更対象はこれらに限られない。変更対象は、例えば、移動体の車種などでもよく、保険料情報に直接的または間接的に影響をもたらす要素であればよい。
【0312】
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0313】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10及びサーバ30の何れでも実行可能である。
例えば、クライアント装置10が上記の情報処理の全てのステップを実行可能である場合、クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信することなく、スタンドアロンで動作する情報処理装置として機能する。
【0314】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0315】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
50 :センサユニット
51 :走行センサ
52 :通信端末
55 :走行センサ