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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】スイベルの共回り防止装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
E02D3/12 101
E02D3/12 102
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023178654
(22)【出願日】2023-10-17
【審査請求日】2023-10-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593199345
【氏名又は名称】東陽商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】野澤 直記
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-111791(JP,U)
【文献】特開2013-050643(JP,A)
【文献】実開平03-099039(JP,U)
【文献】実開平02-136131(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドを回転させて削孔するときや引き抜くときに、前記ロッドの回転に伴って、上端に備えられたスイベルの注入ホースが接続された部分が共回りするのを防止して非回転状態を保持するための前記スイベルの共回りを防止する装置であって、
前記スイベルの非回転部に固定され、そこから下方に延びる固定金具と、前記固定金具の下端部に固定され、前記ロッドの回転軸に平行して配置された軸部材と、前記軸部材に回動自在に設けられ、前記スイベルの回転部の外面又は前記ロッドの外面に接することにより、前記ロッドの回転に従動して回転する従動回転体とから構成され、前記ロッドの回転に従動して前記従動回転体が回転している間は、前記従動回転体の回転速度が前記ロッドの回転速度と同一となり、前記従動回転体が同位置に保持されることを特徴とするスイベルの共回り防止装置。
【請求項2】
前記軸部材を固定する部材と前記固定金具との間にバネ部材が介在されることによって、又は前記スイベルの非回転部と前記固定金具との間にバネ部材が介在されることによって、前記従動回転体が前記スイベルの回転部の外面又は前記ロッドの外面に圧接されている請求項1記載のスイベルの共回り防止装置。
【請求項3】
前記従動回転体がローラである請求項1記載のスイベルの共回り防止装置。
【請求項4】
前記従動回転体が歯車であり、前記従動回転体が接する前記スイベルの回転部の外面又は前記ロッドの外面に、前記歯車に噛合する歯車部が形成されている請求項1記載のスイベルの共回り防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上端にスイベルを備えたロッドを回転する際の前記スイベルの共回り防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、削孔機械によってロッドを回転させながら地中に貫入し、地盤改良材を注入して柱状の改良地盤を形成する地盤改良工法が知られている。この種の地盤改良工法としては、地盤の間隙に注入材を浸透させ、間隙水または空気を注入材で置換することにより、注入材で土粒子を結合させ土の粘着力を高める薬液注入工法や、硬化材を地盤中に高圧噴射することによって、その噴射体の持つ運動エネルギーによって地盤を破壊し切削すると同時に、硬化材と原地盤とを置き換え、あるいは混合し硬化させる高圧噴射注入工法がある。
【0003】
前記薬液注入工法や高圧噴射注入工法で用いられるロッドの上端には、注入ホースが接続されたスイベルが備えられ、注入ポンプから送り出される注入材や硬化材が注入ホースを通ってロッドに供給されるようになっている。
【0004】
回転するロッドに対して、前記注入ホースが接続されたスイベルの非回転部が共回りして、注入ホースがロッドに絡まって巻き付くのを防止するため、種々のスイベルの共回り防止装置が開発されている。
【0005】
このような共回り防止装置として、例えば下記特許文献1には、スイベルの固定側部材の側方に反力受アームを延設し、この反力受アームにワイヤーの一端を接続して垂下させるとともに、駆動部にワイヤの途中部をチャックするワイヤチャック装置を設けた構造が開示され、下記特許文献2には、ロッドの上部に配置するスイベルに対して横木部材を取り付け、前記横木部材の両端部からワイヤによる張力を付与する機構を配置し、前記ワイヤに対して張力を付与することにより、スイベルの回転を防止した装置が開示され、下記特許文献3には、回転駆動装置とは独立して移動するガイド部材をリーダに設け、スイベルに伸縮自在なテレスコ部材を固定し、このテレスコ部材を中間支持体を介してガイド部材と一体化することにより共回りを防止する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平10-220158号公報
【文献】特開平5-239983号公報
【文献】実用新案登録第3109482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1~3記載の共回り防止装置ではいずれも、スイベルからアームや横木部材、テレスコ部材などを長く延ばして、これを固定された物体に支持することにより、機械的に共回りを防止しているが、スイベルにアームなどが長く突出していると、アームなどに他の機械が衝突してアームなどが破損しやすく、その場合には共回り防止機能が作用しなくなるおそれがある。また、組立作業や施工作業中に長く延びたアームなどが邪魔になり、安全性が低下するなどの問題があった。
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、スイベルの共回りを確実に防止し、作業中の安全性が確保できるスイベルの共回り防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、ロッドを回転させて削孔するときや引き抜くときに、前記ロッドの回転に伴って、上端に備えられたスイベルの注入ホースが接続された部分が共回りするのを防止して非回転状態を保持するための前記スイベルの共回りを防止する装置であって、
前記スイベルの非回転部に固定され、そこから下方に延びる固定金具と、前記固定金具の下端部に固定され、前記ロッドの回転軸に平行して配置された軸部材と、前記軸部材に回動自在に設けられ、前記スイベルの回転部の外面又は前記ロッドの外面に接することにより、前記ロッドの回転に従動して回転する従動回転体とから構成され、前記ロッドの回転に従動して前記従動回転体が回転している間は、前記従動回転体の回転速度が前記ロッドの回転速度と同一となり、前記従動回転体が同位置に保持されることを特徴とするスイベルの共回り防止装置が提供される。
【0010】
上記請求項1記載の発明では、スイベルの非回転部に固定金具が固定されるとともに、この固定金具の下端部にロッドの回転軸に平行して配置された軸部材が固定され、この軸部材に回動自在に設けられた従動回転体が、スイベルの回転部の外面又はロッドの外面に接することにより、ロッドの回転に従動して回転するようになっている。ロッドの回転に従動して従動回転体が回転している間は、従動回転体の接点位置が同位置に保持されるため、スイベルの非回転部がロッドの回転に共回りして回転するのが確実に防止できる。また、スイベルの非回転部から固定金具が下方に延び、その先端部に従動回転体が備えられた構造を有しているため、スイベルから大きく突出する部位がなく、作業時に邪魔にならずに済み、作業中の安全性が確保できる。
【0011】
請求項2に係る本発明として、前記軸部材を固定する部材と前記固定金具との間にバネ部材が介在されることによって、又は前記スイベルの非回転部と前記固定金具との間にバネ部材が介在されることによって、前記従動回転体が前記スイベルの回転部の外面又は前記ロッドの外面に圧接されている請求項1記載のスイベルの共回り防止装置が提供される。
【0012】
上記請求項2記載の発明では、所定の位置にバネ部材を介在させることによって、従動回転体をスイベルの回転部の外面又はロッドの外面に圧接し、従動回転体の滑りや空回りなどを防止し、従動回転体の接点位置を同位置に保持しやすくしている。
【0013】
請求項3に係る本発明として、前記従動回転体がローラである請求項1記載のスイベルの共回り防止装置が提供される。
【0014】
上記請求項3記載の発明では、前記従動回転体として、ゴムやプラスチックなどからなるローラを用いている。
【0015】
請求項4に係る本発明として、前記従動回転体が歯車であり、前記従動回転体が接する前記スイベルの回転部の外面又は前記ロッドの外面に、前記歯車に噛合する歯車部が形成されている請求項1記載のスイベルの共回り防止装置が提供される。
【0016】
上記請求項4記載の発明では、前縦従動回転体として歯車を用いており、この歯車が噛合するスイベルの回転部の外面又はロッドの外面に歯車部を設けている。
【発明の効果】
【0017】
以上詳説のとおり本発明によれば、スイベルの共回りが確実に防止でき、作業中の安全性が確保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るスイベルの共回り防止装置1を備えた改良装置2の側面図である。
図2】地盤改良工法の手順図である。
図3】本発明に係るスイベルの共回り防止装置1の拡大断面図(図1のIII部拡大図)である。
図4図3の上面図である。
図5図3のV-V線矢視図である。
図6】従動回転体22の接点位置における横断面図である。
図7】変形例に係るスイベルの共回り防止装置1の拡大断面図である。
図8図7の上面図である。
図9図7のIX-IX線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0020】
本発明に係るスイベルの共回り防止装置1は、図1に示されるように、薬液注入工法や高圧噴射注入工法などの地盤改良工法に用いられる改良装置2に用いられるものである。
【0021】
前記改良装置2としては、地中を削孔するための通常のボーリングマシン(削孔機械)を広く採用することができる。図1に示される改良装置2は、先端(下端)にビットを備えたロッド3と、このロッド3を把持するチャックが設けられたスピンドル4と、歯車群やクラッチを有する駆動伝達部5と、油圧のエネルギーにより回転する油圧モータ6と、前記油圧モータ6を駆動する油圧を供給する油圧ユニット7及び動力盤8を備え、油圧モータ6の回転により駆動伝達部5でスピンドル4を回転させるとともに上下方向に移動を行い、ロッド3を回転させて、先端に取り付けたビットによって地中を掘進するものである。ビットによって掘進する際、ビットの冷却や掘削した土砂の地上への搬出などのため、泥水タンク(図示せず)から圧送される泥水を、ロッド3上端部のスイベル9に設けられた注入用ホースが接続される継手部10又は11からスイベル9及びロッド3を経由してビット先端より噴出している。
【0022】
ここで前記改良装置2を用いた地盤改良工法の手順について、図2に基づいて説明する。図2は、地盤改良工法の一例として薬液注入工法の施工手順を示したものである。ここでは薬液注入工法を例に挙げて説明するが、高圧噴射注入工法についても常用の手順により施工することが可能である。
【0023】
図2では、薬液注入工法の中でも二重管ストレーナ工法(複相式)の施工手順を示している。二重管ストレーナ工法は、先ず瞬結性の薬液を圧送することで、人為的に乱れた薬液の送りやすい箇所などを塞ぎ、このパッカ効果により次に注入する薬液の拡散を防いだ後、緩結性の薬液を注入して、必要箇所における土粒子の間隙への均質な浸透を可能にしている。
【0024】
具体的な施工手順は、第1のステップとして、図2(A)に示されるように、ロッド3の先端から削孔水を噴出しつつ、所定の深度まで削孔する。
【0025】
次いで第2ステップとして、同図2(B)に示されるように、ロッド3の上端に備えられたスイベル9の継手部10に接続された注入ホースから瞬結性の薬液(A液)を注入する一次注入を行う。これによって注入管周囲のシール及び粗詰め注入が行われる。
【0026】
その後第3ステップとして、同図2(C)に示されるように、スイベルの継手部11に接続された注入ホースから緩結性の薬液(B液)を注入する二次注入を行う。これによって、土粒子の間隙部への均質な薬液の浸透が可能になる。
【0027】
第4ステップとして、同図2(D)に示されるように、ロッド3を20~50cmの範囲で段階的に引き抜く度毎に、上記第2ステップ及び第3ステップを繰り返し、所定領域の薬液注入を行う。
【0028】
本発明に係るスイベルの共回り防止装置1は、前記ロッド3を回転させて削孔するときや引き抜くときなどに、ロッド3の回転に伴って、上端に備えられたスイベル9の注入ホースが接続された部分が共回りするのを防止して非回転状態を保持するための装置である。
【0029】
前記共回り防止装置1は、図3図5に示されるように、スイベル9の非回転部に固定され、そこから下方に延びる固定金具20と、前記固定金具20の下端部に固定され、ロッド3の回転軸に平行して配置された軸部材21と、前記軸部材21に回動自在に設けられ、スイベル9の回転部の外面に接することにより、ロッド3の回転に従動して回転する従動回転体22とから構成される。
【0030】
図6に示されるように、前記共回り防止装置1では、ロッド3の回転に伴ってこれに連動して回転するスイベル9の回転部9A外面に接する従動回転体22が、ロッド3の回転方向と反対方向に回転する。このとき、ロッド3の回転に従動して従動回転体22が回転している間は、スイベル9の回転部9Aと非回転部9Bとの間の抵抗力や従動回転体22と軸部材21との間の抵抗力が大きくならない限り、従動回転体22の回転速度がロッド3の回転速度と同一となり、従動回転体22が同位置に保持される。このように、従動回転体22の接点が常に同位置に保持されるため、スイベル9の非回転部9Bが一定の位置に保持され、共回りによって注入ホースがロッド3に絡まって巻き付くのが確実に防止できる。
【0031】
また、本発明に係る共回り防止装置1では、スイベル9の外周から大きく突出する部材や、スイベル9から大きく垂下する部材などがなく、前記固定金具20に軸部材21及び従動回転体22が取り付けられた構造であるため、作業中に邪魔になることがなく、安全に作業を進めることができる。
【0032】
更に、本発明に係る共回り防止装置1では、外部の定着体に対して固定する構造ではないため、スイベル9の非回転部9Bに備えられた注入ホースが接続する継手部10、11を任意の方向に向けた位置で定着させることができる。このため、注入ホースを延在させる方向と改良装置2の設置位置との関係を予め決めておく必要がなく、現場の状況に合わせて柔軟な作業計画が可能となり、作業性が向上する。
【0033】
前記スイベル9は、ロッド3の上端に同軸状態で連結されロッド3と一体となって回転する回転部9Aと、その上部に配置され、前記回転部9Aとの間にベアリング12が設けられることによって回転部9Aからの回転力の伝達が大幅に軽減された非回転部9Bとから構成されている。前記非回転部9Bには、それぞれ薬液(A液、B液)を注入する注入ホースが接続する継手部10、11が設けられている。
【0034】
前記固定金具20は、金属板を鉤型に折り曲げ加工して成形した金具であり、一端がスイベル9の非回転部9Bの外面に固定され、他端が垂下した自由端となっている。スイベル9との固定側の端部には固定ボルト23を挿通するための挿通孔がロッド3の周方向に離隔して2つ設けられるとともに、他端の自由端側には、軸部材21を固定する部材の連結用固定ボルト24を挿通するための挿通孔がロッド3の周方向に離隔して2つ設けられている。
【0035】
前記軸部材21及び従動回転体22は、引戸の戸車のような構造を有しており、断面コの字形に形成された枠体25の対向する二面間に軸部材21が跨設されるとともに、この軸部材21に従動回転体22が回動自在に設けられている。
【0036】
前記軸部材21を固定する枠体25は、前記固定ボルト24によって固定金具20に直接固定してもよいが、図3及び図5に示されるように、前記枠体25と固定金具20との間にバネ部材26を介在することによって、従動回転体22がスイベル9の回転部9Aの外面に圧接されるようにするのが好ましい。さらに詳細に説明すると、固定ボルト24の軸部を延在させて前記枠体25を固定金具20から離隔して配置するとともに、この離隔部に固定ボルト24の軸部に外嵌するコイルバネ(バネ部材26)を設けることにより、枠体25と固定金具20との間にバネ部材26を介在させている。従動回転体22をスイベル9の回転部9A外面に圧接した状態で配置するには、前記枠体25を前記バネ部材26の付勢力に抗して外側に押し込みながら、従動回転体22をスイベル9の回転部9A外面に当接させるようにした後、固定ボルト24の先端に螺合するナットを調節して圧接の圧力を調整する。
【0037】
このように、従動回転体22が前記バネ部材26の付勢力によりスイベル9の回転部9A外面に圧接されているため、従動回転体22とスイベル9の回転部9A外面との間の摩擦力が増して、従動回転体22とスイベル9の回転部9A外面との間の滑りや空回りが生じにくくなり、従動回転体22が同位置に保持されやすくなる。また、スイベル9の回転部9A外面に突起部が形成されたり、従動回転体22とスイベル9の回転部9A外面との間に異物が介在したりして、従動回転体22が外側に飛び跳ねるような動きが生じた場合でも、バネ部材26の付勢力により衝撃を吸収するとともに、従動回転体22がスイベル9の回転部9A外面に圧接した状態に素早く復元できるようになる。
【0038】
このような従動回転体22をスイベル9の回転部9A外面に圧接する機構は、図7図9に示されるように、スイベル9の非回転部9Bと固定金具20との間にバネ部材26を介在させることによっても成すことができる。より詳細には、図7及び図8に示されるように、固定金具20をスイベル9の非回転部9Bの外面から離隔して配置した上で、中央部に固定ボルト23を設けるとともに、その両側にガイド軸27、27をそれぞれ配置し、このガイド軸27の固定金具20とスイベル9の非回転部9Bの外面との間に、ガイド軸27に外嵌してコイルバネ(バネ部材26)を設置する。このとき、前記枠体25と固定金具20とは直接固定ボルト24によって固定されている。本実施形態例では、前記固定金具20、枠体25、軸部材21及び従動回転体22が一体となって前記バネ部材26の付勢力を受けることにより、従動回転体22がスイベル9の回転部9A外面に圧接されるようになる。
【0039】
図示例の従動回転体22は、ゴムやプラスチック、金属などからなるローラが用いられている。この従動回転体22は、スイベル9の回転部9A外面との接触により摩耗が生じるため、定期的なメンテナンスを行い、必要に応じて新しいものに交換する。
【0040】
前記従動回転体22としては、歯車(ギア)を用いてもよい。この歯車は、前記軸部材21を回動軸として回動する外歯歯車であり、この歯車が接するスイベル9の回転部9A外面には、この歯車に噛合する歯車部が形成される。従動回転体22として歯車を用いることにより、スイベル9の回転部9A外面との滑りやずれが生じることなく、従動回転体22が回転部9Aの回転に従動して確実に回転するようになる。
【0041】
〔他の形態例〕
上記形態例では、従動回転体22がスイベル9の回転部9Aの外面に接するように配置されていたが、ロッド3の外面に接するように配置してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…スイベルの共回り防止装置(共回り防止装置)、2…改良装置、3…ロッド、4…スピンドル、5…駆動伝達部、6…油圧モータ、7…油圧ユニット、8…動力盤、9…スイベル、10・11…継手部、12…ベアリング、20…固定金具、21…軸部材、22…従動回転体、23・24…固定ボルト、25…枠体、26…バネ部材
【要約】
【課題】スイベルの共回りを確実に防止し、作業中の安全性を確保する。
【解決手段】上端にスイベル9を備えたロッド3を回転する際の前記スイベル9の共回り防止装置1である。前記スイベル9の非回転部9Bに固定され、そこから下方に延びる固定金具20と、前記固定金具20の下端部に固定され、前記ロッド3の回転軸に平行して配置された軸部材21と、前記軸部材21に回動自在に設けられ、前記スイベル9の回転部9Aの外面に接することにより、前記ロッド3の回転に従動して回転する従動回転体22とから構成される。軸部材21を固定する枠体25と固定金具20との間にバネ部材26を介在することによって、従動回転体22をスイベル9の回転部9Aの外面に圧接させる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9