(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ラベル剥離機
(51)【国際特許分類】
B29B 17/02 20060101AFI20240614BHJP
C08J 11/06 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B29B17/02
C08J11/06
(21)【出願番号】P 2020073535
(22)【出願日】2020-04-16
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八島 一樹
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-001325(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102581983(CN,A)
【文献】特開2014-226819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0271982(US,A1)
【文献】特開2007-030462(JP,A)
【文献】特開2016-087952(JP,A)
【文献】特開2018-024210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 17/00- 17/04
C08J 11/00- 11/28
B09B 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状にされる剥離筒と、
前記剥離筒内に配置され、ラベルが装着された可撓性を有するボトルが前記剥離筒との間に供給されると共に回転されてボトルからラベルが剥離される剥離ロールと、
前記剥離筒に設けられ、ボトル及びラベルの通過を制限すると共にボトルのキャップ及びボトル内からの液体の通過を許容する通過部と、
前記通過部の前記剥離ロールとは反対側に設けられ、キャップ及び液体から液体が排出される排出部と、
前記通過部と前記排出部との間に設けられ、作動されてキャップを搬送する搬送機構と、
を備えるラベル剥離機。
【請求項2】
前記剥離筒と前記剥離ロールとの間へのボトルの供給位置の下側に前記排出部が配置される請求項1記載のラベル剥離機。
【請求項3】
前記通過部の前記剥離ロール側に圧力風を送風する風圧機構を備える請求項1又は請求項2記載のラベル剥離機。
【請求項4】
前記通過部が設けられ、ボトルとラベルとを選別する選別部を備える請求項1~請求項3の何れか1項記載のラベル剥離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルからラベルが剥離されるラベル剥離機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のラベル剥離機では、剥離筒内に剥離ロールが配置されており、剥離筒と剥離ロールとの間にボトルが供給されると共に、剥離ロールが回転されて、ボトルからラベルが剥離される。
【0003】
ここで、このラベル剥離機では、ボトル及びラベルから他のものを適切に分離できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、ボトル及びラベルから他のものを適切に分離できるラベル剥離機を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のラベル剥離機は、筒状にされる剥離筒と、前記剥離筒内に配置され、ラベルが装着された可撓性を有するボトルが前記剥離筒との間に供給されると共に回転されてボトルからラベルが剥離される剥離ロールと、前記剥離筒に設けられ、ボトル及びラベルの通過を制限すると共にボトルのキャップ及びボトル内からの液体の通過を許容する通過部と、前記通過部の前記剥離ロールとは反対側に設けられ、キャップ及び液体から液体が排出される排出部と、前記通過部と前記排出部との間に設けられ、作動されてキャップを搬送する搬送機構と、を備える。
【0010】
請求項2に記載のラベル剥離機は、請求項1に記載のラベル剥離機において、前記剥離筒と前記剥離ロールとの間へのボトルの供給位置の下側に前記排出部が配置される。
【0011】
請求項3に記載のラベル剥離機は、請求項1又は請求項2に記載のラベル剥離機において、前記通過部の前記剥離ロール側に圧力風を送風する風圧機構を備える。
【0012】
請求項4に記載のラベル剥離機は、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のラベル剥離機において、前記通過部が設けられ、ボトルとラベルとを選別する選別部を備える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載のラベル剥離機では、剥離筒内に剥離ロールが配置されており、ラベルが装着された可撓性を有するボトルが剥離筒と剥離ロールとの間に供給されると共に、剥離ロールが回転されて、ボトルからラベルが剥離される。
【0014】
ここで、剥離筒の通過部が、ボトル及びラベルの通過を制限すると共に、ボトルのキャップの通過を許容する。このため、ボトル及びラベルからキャップを適切に分離できる。
【0015】
さらに、通過部の剥離ロールとは反対側に搬送機構が設けられており、搬送機構がキャップを搬送する。このため、キャップを収集できる。
【0017】
また、剥離筒の通過部が、ボトル及びラベルの通過を制限可能にされると共に、ボトル内からの液体の通過を許容する。このため、ボトル及びラベルから液体を適切に分離できる。
【0018】
さらに、通過部の剥離ロールとは反対側に排出部が設けられており、排出部から液体が排出される。このため、ボトル及びラベルから液体を一層適切に分離できる。
【0019】
請求項2に記載のラベル剥離機では、剥離筒と剥離ロールとの間へのボトルの供給位置の下側に排出部が配置される。このため、液体を早期に排出できる。
【0020】
請求項3に記載のラベル剥離機では、風圧機構が通過部の剥離ロール側に圧力風を送風する。このため、通過部の剥離ロール側におけるボトル及びラベルから他のものを適切に離間させることができる。
【0021】
請求項4に記載のラベル剥離機では、選別部がボトルとラベルとを選別する。
【0022】
ここで、選別部に通過部が設けられる。このため、ボトル及びラベルから他のものを一層適切に分離できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係るラベル剥離機を示す右方から見た断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るラベル剥離機の主要部を示す後斜め上方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るラベル剥離機の主要部を示す後斜め下方から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るラベル剥離機の選別部を示す前側から見た断面図である。
【
図5】(A)及び(B)は、ボトルを示す側面図であり、(A)は、処理前を示し、(B)は、処理後を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、本発明の実施形態に係るラベル剥離機10が右方から見た断面図にて示されており、
図2には、ラベル剥離機10の主要部が後斜め上方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、ラベル剥離機10の前方を矢印FRで示し、ラベル剥離機10の右方を矢印RHで示し、上方を矢印UPで示す。
【0025】
本実施形態に係るラベル剥離機10は、
図5(A)に示す略筒形容器状のボトル12(特にペットボトルであり、例えば500mlの液体を収容可能なもの)に装着された筒形フィルム状のラベル14を剥離するものである。
【0026】
ボトル12は、樹脂製にされて、可撓性を有しており、ボトル12は、基端が板状の底部16にされ、基端及び先端以外が筒状の本体部18にされ、先端が略円筒状の縮径部20(首部及び開口部)にされている。縮径部20は、本体部18に比し径が小さくされており、縮径部20及び底部16は、本体部18に比し剛性が高くされている。また、ラベル14は、樹脂製又は紙製にされて、本体部18外周の周方向全体に装着されている。
【0027】
ボトル12の縮径部20外周には、円環板状のフランジ20Aが同軸上に一体形成されており、フランジ20Aは、縮径部20の径方向外側に突出されている。縮径部20には、フランジ20Aよりボトル12先端側において、有底円筒状のキャップ22が着脱可能にされており、縮径部20にキャップ22が装着(特に螺合)されてボトル12が封止される(ボトル12内が閉塞される)と共に、縮径部20からキャップ22が離脱されてボトル12が開封される(ボトル12内が開放される)。フランジ20Aとキャップ22との間には、円筒状のリング22Aが配置されており、リング22Aは、縮径部20に係止されている。ボトル12が一度も開封されていない際(縮径部20からキャップ22が一度も離脱されてない際)には、リング22Aがキャップ22と一体にされており、ボトル12が初めて開封される際(縮径部20からキャップ22が初めて離脱される際)に、リング22Aが、縮径部20への係止によって、キャップ22から分離される。
【0028】
また、後述の如く、ラベル剥離機10では、投入されたボトル12が圧縮部26において圧縮される。このため、ラベル剥離機10に投入されるボトル12は、どのような状態のものでもよく、ボトル12(特に本体部18)が径方向に圧縮されていても圧縮されていなくてもよい。さらに、ボトル12の縮径部20にキャップ22が装着されていても装着されていなくてもよく、ボトル12内に液体が収容(特に残留)されていても収容されていなくてもよい。
【0029】
図1に示す如く、ラベル剥離機10の後部には、左側部分の上端部において、筒状の投入ホッパ24が設けられており、投入ホッパ24の一端(上側端)は、内部が右方に開口されている。このため、投入ホッパ24の一端開口から投入ホッパ24内にボトル12が投入(供給)されて、ラベル剥離機10にボトル12が投入される。また、投入ホッパ24の他端(下側端)は、内部が下方に開口されている。
【0030】
図1及び
図2に示す如く、ラベル剥離機10の後部には、投入ホッパ24の下側において、供給部を構成する排液部としての圧縮部26が設けられている。
【0031】
圧縮部26には、略矩形筒状の圧縮筒28が設けられており、圧縮筒28の上端は、投入ホッパ24の他端に接続されている。このため、投入ホッパ24内に投入されたボトル12が圧縮筒28内に流下される。
【0032】
圧縮筒28の上下方向中間部内には、中空円柱状の圧縮ロール30が一対回転可能に支持されており、圧縮ロール30の軸方向は、左右方向に平行に配置されている。一対の圧縮ロール30は、前後方向に並べられており、一対の圧縮ロール30間の最小隙間寸法は、例えばボトル12のキャップ22の径寸法に比し小さくされている。また、一対の圧縮ロール30は、それぞれの上部が間の隙間へ向かう方向に回転される。
【0033】
圧縮ロール30の外周面には、略矩形柱状の圧縮柱30Aが複数固定されており、複数の圧縮柱30Aは、それぞれ圧縮ロール30の軸方向に延伸されると共に、圧縮ロール30の周方向に等間隔で並べられている。圧縮柱30Aは、圧縮ロール30の径方向外側に突出されており、一対の圧縮ロール30が回転される際には、一対の圧縮ロール30間において、一方の圧縮ロール30の圧縮柱30Aが他方の圧縮ロール30の圧縮柱30A間を回転される。
【0034】
一対の圧縮ロール30が回転される際には、圧縮筒28内に流下されたボトル12が、各圧縮ロール30によって一対の圧縮ロール30間に搬送されて、一対の圧縮ロール30間を通過されることで、ボトル12が、一対の圧縮ロール30(圧縮柱30Aを含む)間に挟まれて、径方向において圧縮される(
図5(B)参照)。このため、ボトル12内の液体が排出される。さらに、ボトル12のキャップ22及びリング22Aの少なくとも一方が、破壊されて、ボトル12から離脱される場合がある。
【0035】
ラベル剥離機10の後部には、投入ホッパ24の下側において、供給部を構成する搬送選別部32が設けられている。
【0036】
搬送選別部32には、円筒状の供給筒34が設けられており、供給筒34は、左右方向に延伸されると共に、長手方向両端が閉鎖されている。供給筒34の左端部には、圧縮筒28の下端が接続されており、圧縮筒28内からのボトル12が供給筒34の左端部内に流下される。供給筒34の右端部の下側部分には、平面視矩形状の供給孔34Aが貫通形成されており、供給孔34Aは、供給筒34の右端部内を下側に開放している。
【0037】
供給筒34内には、供給スクリュー36が同軸上に設けられており、供給スクリュー36の右端部を除く部分には、螺旋板状の供給螺旋36Aが同軸上に設けられている。供給スクリュー36の右端部には、略矩形板状の供給板36Bが設けられており、供給板36Bは、供給スクリュー36の径方向外側に突出されると共に、供給スクリュー36の周方向に垂直に配置されている。このため、供給スクリュー36が回転されることで、供給螺旋36A及び供給板36Bが一体回転されて、供給筒34内のボトル12が、供給螺旋36Aによって右側に搬送されると共に、供給板36Bによって供給孔34Aから下側に排出される。
【0038】
供給筒34の左側かつ下側の部分は、第1選別手段(除去部)としての除去スクリーン38にされており、除去スクリーン38には、円状の除去孔38Aが多数貫通形成されている。除去孔38Aの径は、例えば20mmにされており、供給筒34の左側部分内をボトル12が搬送される際には、ボトル12とボトル12からのキャップ22及びリング22Aとが除去孔38Aを通過されないと共に、ボトル12と共に投入ホッパ24内に投入された小石及びガラス片等の異物とボトル12内からの液体とが除去孔38Aを通過される。このため、ボトル12から異物及び液体が除去される。
【0039】
供給筒34の左側部分の下側には、第2選別手段(分離部)としての平板状の異物スクリーン40が設けられている。異物スクリーン40の全体には、多数の小孔(図示省略)が貫通形成されており、異物スクリーン40の小孔は、供給筒34(除去スクリーン38)の除去孔38Aを通過された異物が通過されないと共に、除去孔38Aを通過された液体が通過される。異物スクリーン40は、左側へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されて、上側がラベル剥離機10の外側に連通されており、異物スクリーン40の小孔を通過されない異物が、異物スクリーン40上を左側かつ下側に流下されて、ラベル剥離機10の外側に排出される。さらに、異物スクリーン40の小孔を通過された液体がラベル剥離機10の外側の液体収集部(図示省略)に収集される。
【0040】
ラベル剥離機10には、搬送選別部32の右側部分の下側かつ前側において、剥離部42(
図3参照)が設けられている。
【0041】
剥離部42には、正7角形筒状の剥離筒44(
図1~
図3では上端部及び下端部のみが図示されている)が設けられており、剥離筒44は、軸方向が前後方向に平行に配置されると共に、下端が上下方向に垂直に配置されている。剥離筒44の後端部の上側かつ右側の部分には、搬送選別部32の供給筒34の供給孔34Aが接続されており、供給孔34Aから下側に排出されたボトル12が剥離筒44の後端部内に供給(流下)される。
【0042】
剥離筒44の各角部及び下端を除く各側壁の内側には、剥離筒44の後端部の上側かつ右側の部分を除き、それぞれ長尺板状のライナ46が所定数(本実施形態では2個又は3個)固定されており(
図2及び
図3では一部のライナ46が図示を省略されている)、所定数のライナ46は、それぞれ長手方向が剥離筒44の軸方向に平行に配置されると共に、剥離筒44の軸方向に並べられている。ライナ46の幅方向両端部には、刃部としての三角形板状のライナ刃46Aが複数形成されており、複数のライナ刃46Aは、ライナ46の長手方向(剥離筒44の軸方向)に連続して配置されている。
【0043】
剥離筒44の各角部におけるライナ46には、幅方向中央において、突出部としての略円柱状の剥離ピン46Bが所定数(本実施形態では2個)固定されており、所定数の剥離ピン46Bは、ライナ46の長手方向に並べられている。剥離ピン46Bは、剥離筒44の径方向内側に突出されており、剥離ピン46Bの突出先端部は、三角錘状にされている。
【0044】
剥離筒44内には、略6角柱状(12角柱状)の剥離ロール48が同軸上に配置されており、剥離ロール48の外周面と剥離筒44の内周面との間には、剥離室50が形成されている。剥離ロール48の外周面には、長尺矩形状の幅広面と幅狭面とが周方向に交互に配置されており、剥離ロール48の幅広面は、剥離ロール48の幅狭面に比し幅方向寸法を大きくされている(例えば2倍以上にされている)。また、剥離ロール48は、
図2及び
図3の矢印A方向に回転される。
【0045】
剥離ロール48の外周面には、各幅広面において、突起部としての矩形柱状の搬送翼48Aが複数固定されており、搬送翼48Aは、剥離ロール48の径方向外側に突出されている。搬送翼48Aは、剥離ロール48外周の二条螺旋上に配置されており、複数の搬送翼48Aは、剥離ロール48の軸方向(前後方向)及び周方向に等間隔で並べられると共に、それぞれ長手方向が矢印A方向へ向かうに従い後方へ向かう方向に傾斜されている。剥離ロール48(搬送翼48Aを含む)が矢印A方向に回転される際には、剥離筒44の剥離ピン46Bが、剥離ロール48外周の回転最外軌跡の外側に配置されると共に、剥離ロール48外周の螺旋方向において隣接される一対の搬送翼48A間を通過される。
【0046】
また、剥離ロール48が矢印A方向に回転される際には、剥離筒44の後端部内に供給されたボトル12が剥離室50を搬送翼48Aによって前側に搬送される。このため、ボトル12のラベル14が、ライナ刃46A、剥離ピン46B又は搬送翼48Aに引っ掛かってライナ刃46A、剥離ピン46B又は搬送翼48Aによって引っ張られ又は切断されると共に、剥離ロール48の外周面又は剥離筒44の内周面との摩擦力によって引っ張られることで、ラベル14がボトル12から剥離される(
図5(B)参照)。さらに、ボトル12のキャップ22及びリング22Aの少なくとも一方が、ライナ刃46A、剥離ピン46B又は搬送翼48Aに引っ掛かって、ライナ刃46A、剥離ピン46B又は搬送翼48Aによって引っ張られ又は破壊されることで、キャップ22及びリング22Aの少なくとも一方がボトル12から離脱される。
【0047】
ラベル剥離機10には、剥離部42の前側において、選別部52(
図4参照)が設けられている。
【0048】
選別部52には、選別箱54が設けられており、選別箱54内は、剥離部42における剥離筒44内に連通されている。このため、剥離筒44内の剥離室50を前側に搬送されたボトル12及びラベル14が選別箱54内に搬送(供給)される。選別箱54の下側壁は、剥離筒44の径方向外側に配置されており、選別箱54の下側壁は、剥離筒44の周壁に沿った形状にされて、選別箱54の下端は、上下方向に垂直に配置されている。選別箱54の上側壁は、剥離筒44の径方向外側に配置されており、選別箱54の上側壁は、上側に凸状に湾曲されると共に、左側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されている。
【0049】
選別箱54の上下方向中間部の右側には、矩形筒状のボトル筒56が一体に設けられており、ボトル筒56内は、選別箱54内に連通されている。ボトル筒56の軸方向は、略L字状に屈曲されており、ボトル筒56の基端側部分は、右側へ向かうに従い下側へ向かう方向に延伸されると共に、ボトル筒56の先端側部分は、下方に延伸されている。
【0050】
選別箱54の上部の左側には、矩形筒状のラベル筒58が一体に設けられており、ラベル筒58内は、選別箱54内に連通されている。ラベル筒58の軸方向は、略J字状に屈曲されており、ラベル筒58の基端側部分は、左側へ向かうに従い上側へ向かう方向に延伸されて上側壁が選別箱54の上側壁に滑らかに連続されると共に、ラベル筒58の先端側部分は、下方に延伸されている。ラベル筒58の中間部分(基端側部分と先端側部分との間の部分)は、左側へ向かうに従い下側へ向かう方向に延伸されており、ラベル筒58の中間部分の上側壁には、多数の通過孔58Aが貫通形成されている。
【0051】
選別箱54内には、略6角柱状(12角柱状)の選別ロール60が配置されており、選別ロール60は、剥離部42の剥離ロール48と同軸上に一体にされて、剥離ロール48と一体に矢印A方向に回転可能にされている。選別ロール60の外周面の外形は、剥離ロール48の外周面の外形と同一にされており、選別ロール60の外周面には、長尺矩形状の幅広面と幅狭面とが剥離ロール48の外周面の幅広面と幅狭面とにそれぞれ連続されて配置されている。選別ロール60の選別箱54上側壁との径方向における隙間寸法は、選別ロール60の選別箱54下側壁との径方向における隙間寸法に比し、大きくされており、選別箱54内には、選別箱54の上側壁と選別ロール60との間において、選別室62が形成されている。
【0052】
選別ロール60の外周面には、各幅広面の矢印A方向とは反対側の端部において、三角形板状の選別翼60A(排出翼)が固定されており、選別翼60Aは、選別ロール60の径方向外側に突出されている。選別翼60Aの突出方向は、選別ロール60の径方向に対し矢印A方向とは反対側へ傾斜されており、選別翼60Aの突出寸法は、後側へ向かうに従い小さくされている。
【0053】
上記ボトル筒56基端の下壁には、選別機構としてのブロワ64が連絡されており、ブロワ64は、駆動されて、選別風(空気)をボトル筒56の基端内及び選別室62(選別箱54の上側壁と選別ロール60との間)を介してラベル筒58内へ送出する。さらに、ラベル筒58内へ送出された選別風は、ラベル筒58の中間部分の多数の通過孔58Aを介してラベル筒58外へ排出される。
【0054】
ここで、選別ロール60が矢印A方向に回転されて、選別翼60Aが一体回転されることで、選別箱54内に搬送されたボトル12及びラベル14が、選別翼60Aによって選別ロール60の外周を矢印A方向に回転されて、選別室62に矢印A方向に放出される。一方、ブロワ64からの選別風が選別室62を矢印A方向とは反対側に通過される。このため、選別室62において、ボトル12及びラベル14と選別風とが互いに反対側から衝突されることで、ラベル14に比し重量が大きいボトル12は選別風に抗して矢印A方向に移動されると共に、ボトル12に比し重量が小さいラベル14は選別風によって矢印A方向とは反対側に移動されて、ボトル12とラベル14とが分離される。これにより、ボトル12が選別風に抗して選別室62からボトル筒56内に移動されてボトル筒56の先端から排出(流下)されると共に、ラベル14が選別風によって選別室62からラベル筒58内に移動されてラベル筒58の先端から排出(流下)されることで、ボトル12とラベル14とが選別される。
【0055】
ラベル剥離機10には、剥離部42及び選別部52の下側において、中間選別部68(
図3~
図5参照)が設けられている。
【0056】
中間選別部68には、第3選別手段(通過部)としてのラベルスクリーン70が設けられており、ラベルスクリーン70は、剥離部42の剥離筒44の下端及び選別部52の選別箱54の下端が構成している。ラベルスクリーン70には、円状の落下孔70Aが多数貫通形成されており、落下孔70Aの径は、例えば50mmにされている。このため、剥離筒44内及び選別箱54内におけるボトル12とラベル14とが落下孔70Aを通過されないと共に、剥離筒44内及び選別箱54内におけるボトル12からのキャップ22及びリング22Aとボトル12内からの液体とが落下孔70Aを通過される。
【0057】
ラベルスクリーン70の後側には、風圧機構としての風圧ブロワ72が設けられており、風圧ブロワ72は、ラベルスクリーン70の上側に連絡されている。このため、風圧ブロワ72が、駆動されて、圧力風(空気、選別風)をラベルスクリーン70の上側において前側に送風することで、ラベルスクリーン70の上側におけるボトル12、ラベル14、キャップ22、リング22A及び液体に前側への圧力風が送風される。
【0058】
ラベルスクリーン70の下側には、断面略U字形状の搬送樋74が固定されており、搬送樋74は、前後方向に延伸されると共に、長手方向両端が閉鎖されている。搬送樋74は、内部が上側に開放されて、ラベルスクリーン70の多数の落下孔70Aの下側を被覆しており、搬送樋74内には、落下孔70Aを通過されたキャップ22、リング22A及び液体が落下される。搬送樋74の下側部分は、断面逆台形状にされており、搬送樋74の下端は、上下方向に垂直に配置されている。搬送樋74の前後方向中間部には、矩形筒状の排出筒74Aが形成されており、排出筒74A内は、搬送樋74内を下側に開放している。
【0059】
搬送樋74の下端の後部は、第4選別手段(排出部)としてのキャップスクリーン76にされている。キャップスクリーン76の全体には、多数の小孔(図示省略)が貫通形成されており、キャップスクリーン76の小孔は、搬送樋74内に落下されたキャップ22及びリング22Aが通過されないと共に、搬送樋74内に落下された液体が通過(流下)される。また、キャップスクリーン76の小孔を通過された液体は、上記液体収集部に収集される。
【0060】
搬送樋74内には、搬送スクリュー78が同軸上に設けられており、搬送スクリュー78は、搬送樋74に沿って前後方向に延伸されている。搬送スクリュー78には、前後方向中間部を除き、螺旋板状の搬送螺旋78Aが同軸上に設けられており、前側の搬送螺旋78A及び後側の搬送螺旋78Aは、それぞれ搬送樋74の排出筒74Aの前側及び後側に配置されている。前側の搬送螺旋78Aと後側の搬送螺旋78Aとは、螺旋方向が互いに反対にされており、搬送スクリュー78が回転されて、各搬送螺旋78Aが一体回転されることで、搬送樋74内に落下されたキャップ22及びリング22Aが、前側の搬送螺旋78Aによって搬送樋74を後側に搬送されると共に、後側の搬送螺旋78Aによって搬送樋74を前側に搬送されて、排出筒74A内からラベル剥離機10の外側に排出(流下)される。
【0061】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0062】
以上の構成のラベル剥離機10では、投入ホッパ24からボトル12が投入されることで、圧縮部26の圧縮筒28内において、回転される一対の圧縮ロール30間をボトル12が通過されて、ボトル12が径方向において圧縮されると共に、ボトル12内の液体が排出される。
【0063】
次に、搬送選別部32において、圧縮筒28内からボトル12が供給筒34の左端部内に流下されると共に、供給スクリュー36が回転されることで、供給筒34内のボトル12が、供給スクリュー36の供給螺旋36Aによって右側に搬送されると共に、供給スクリュー36の供給板36Bによって供給筒34の供給孔34Aから下側に排出される。
【0064】
次に、剥離部42において、供給筒34内(供給孔34A)からボトル12が剥離筒44の後端部内に供給されると共に、剥離ロール48が矢印A方向に回転されることで、ボトル12が剥離室50を剥離ロール48の搬送翼48Aによって前側に搬送される。このため、ボトル12のラベル14が、剥離筒44のライナ刃46A、剥離ピン46B又は搬送翼48Aによって引っ張られ又は切断されると共に、剥離ロール48の外周面又は剥離筒44の内周面との摩擦力によって引っ張られることで、ラベル14がボトル12から剥離される。さらに、ボトル12のキャップ22及びリング22Aの少なくとも一方が、ライナ刃46A、剥離ピン46B又は搬送翼48Aによって引っ張られ又は破壊されて、ボトル12から離脱される。
【0065】
次に、選別部52において、剥離室50からボトル12及びラベル14が選別箱54内に搬送されると共に、選別ロール60が矢印A方向に回転され、かつ、ブロワ64が選別風を送出することで、選別室62(選別箱54の上側壁と選別ロール60との間)において、ボトル12及びラベル14が選別ロール60の選別翼60Aによって矢印A方向に放出される一方、選別風が矢印A方向とは反対側へ通過される。このため、選別室62において、ボトル12が選別風に抗して矢印A方向に移動されると共に、ラベル14が選別風によって矢印A方向とは反対側に移動されることで、ボトル12がボトル筒56の先端から排出されると共に、ラベル14がラベル筒58の先端から排出されて、ボトル12とラベル14とが選別される。
【0066】
ここで、中間選別部68において、剥離筒44内及び選別箱54内におけるボトル12及びラベル14がラベルスクリーン70(剥離筒44の下端及び選別箱54の下端)の落下孔70Aを通過されないと共に、剥離筒44内及び選別箱54内におけるボトル12からのキャップ22及びリング22Aとボトル12内からの液体とが、落下孔70Aを通過されて、搬送樋74内に落下される。このため、ボトル12及びラベル14からキャップ22、リング22A及び液体を適切に分離でき、選別部52においてボトル12とラベル14とに適切に選別できて、ボトル12のリサイクル性を向上できる。
【0067】
さらに、風圧ブロワ72がラベルスクリーン70の上側(選別ロール60側及び選別ロール60側)におけるボトル12、ラベル14、キャップ22、リング22A及び液体に圧力風を送風する。このため、ラベルスクリーン70の上側において、圧力風によってボトル12及びラベル14からキャップ22、リング22A及び液体を効果的に離間させることができて、キャップ22、リング22A及び液体がラベルスクリーン70の落下孔70Aを効果的に通過でき、ボトル12及びラベル14からキャップ22、リング22A及び液体を効果的に分離できて、選別部52においてボトル12とラベル14とに効果的に選別できる。しかも、ラベルスクリーン70の上側において、圧力風によって軽量のラベル14を前側の選別部52に圧送できて、ラベル14からキャップ22、リング22A及び液体を一層効果的に離間させることができ、ラベル14からキャップ22、リング22A及び液体を一層効果的に分離できて、選別部52においてボトル12とラベル14とに一層効果的に選別できる。
【0068】
また、搬送樋74内に落下された液体が、キャップスクリーン76(搬送樋74の下端)の小孔を通過されて、液体収集部に収集される。このため、搬送樋74内の液体が増加してラベルスクリーン70の上側に落下孔70Aを介して到達することを抑制でき、ボトル12及びラベル14から液体を一層適切に分離できて、選別部52においてボトル12とラベル14とに一層適切に選別できる。しかも、搬送樋74内に落下されたキャップ22及びリング22Aがキャップスクリーン76の小孔を通過されないため、液体をキャップ22及びリング22Aから分離でき、液体を純度が高い状態で収集できて、液体を処理(例えば廃棄)する費用を低減できる。
【0069】
さらに、剥離部42の剥離筒44の後端部内にボトル12が供給されると共に、搬送樋74の下端後部がキャップスクリーン76にされて、剥離筒44内へのボトル12の供給位置の下側にキャップスクリーン76が配置されている。このため、剥離筒44内にボトル12と共に供給される液体を剥離筒44内及び搬送樋74内からキャップスクリーン76の小孔を介して早期に排出でき、ボトル12及びラベル14から液体を効果的に分離できて、選別部52においてボトル12とラベル14とに効果的に選別できる。
【0070】
また、搬送樋74内に落下されたキャップ22及びリング22Aが、搬送スクリュー78の搬送螺旋78Aによって前側又は後側に搬送されて、搬送樋74の排出筒74A内から排出される。このため、1つの排出筒74Aからキャップ22及びリング22Aを収集でき、キャップ22及びリング22Aを容易に収集できる。
【0071】
さらに、ラベル14がラベルスクリーン70の落下孔70Aを通過されないと共に、キャップ22及びリング22Aが落下孔70Aを通過されて、キャップ22及びリング22Aからラベル14から分離される。このため、キャップ22及びリング22Aと共にラベル14が搬送樋74の排出筒74A内から排出されることを抑制できる。これにより、キャップ22及びリング22Aを純度が高い状態で収集できて、キャップ22及びリング22Aを処理(廃棄又はリサイクル)する費用を低減できると共に、排出筒74A内からの排出物の量を少なくできて、当該排出物の処理作業を容易にできる。
【0072】
また、ラベル剥離機10の作動後には、風圧ブロワ72がラベルスクリーン70の上側において圧力風を送風可能にされている。このため、剥離筒44内及び選別箱54内を圧力風によってクリーニングできる。
【0073】
なお、本実施形態では、ラベルスクリーン70の後側に風圧ブロワ72が設けられて、風圧ブロワ72が圧力風をラベルスクリーン70の上側において前側に送風する。しかしながら、ラベルスクリーン70の後側に選別部52のブロワ64(風圧機構)が連絡されて、ブロワ64が選別風をラベルスクリーン70の上側において前側に送風してもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 ラベル剥離機
12 ボトル
14 ラベル
22 キャップ
44 剥離筒
48 剥離ロール
40 異物スクリーン(分離部)
52 選別部
70 ラベルスクリーン(通過部)
72 風圧ブロワ(風圧機構)
74 搬送樋(搬送機構)
76 キャップスクリーン(排出部)
78 搬送スクリュー(搬送機構)