IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 不二精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図1
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図2
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図3
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図4
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図5
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図6
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図7
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図8
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図9
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図10
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図11
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図12
  • 特許-非接触センサを用いた飯盛付装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】非接触センサを用いた飯盛付装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20240614BHJP
   A47J 39/02 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A23L7/10 E
A47J39/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020130308
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022026713
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
【審査官】吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-196382(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2018-0092570(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2018-0024242(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2017-0007573(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2017-0136176(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2011-0131409(KR,A)
【文献】特開2005-237236(JP,A)
【文献】特開2005-087024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
A47J 39/02
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択された飯の重量に対応して、載置された容器内に飯を供給すると共に上記容器内の飯の重量を計測し、飯の重量が選択された重量になった時点で飯の供給を停止する非接触センサによる飯盛付装置において、
前面の操作パネルに複数の非接触センサが設けられ、上記各非接触センサは各々飯の異なる重量に対応するものであり、
上記各非接触センサの何れかのオンを検知して飯搬送部の動作を行う制御部が設けられ、
上記制御部は、何れかの上記非接触センサの非接触でのオンを検知して、上記非接触センサに対応する飯の重量を認識する重量認識手段と、
選択された何れかの上記非接触センサのオンに基づいて上記飯搬送部を駆動して上記容器内に飯を供給する駆動手段と、
上記容器内に供給する飯の重量を秤部からの計測値に基づいて計測する計測手段とが設けられており、
上記重量認識手段は、上記計測手段による飯の重量の計測値が上記非接触センサにて選択された重量になったとき、上記駆動手段に対して停止信号を送出し、上記飯搬送部の動作を停止するものである非接触センサによる飯盛付装置において、
上記制御部には、上記容器の重量が十分であるか否かを検知する容器重量判別手段が設けられており、
上記駆動手段は、上記容器重量判別手段の判別にて上記容器の重量が一定以上の重量である場合にのみ上記飯搬送部を駆動し、
上記駆動手段は、上記容器重量判別手段の判別にて上記容器の重量が一定未満の重量である場合は、上記飯搬送部の駆動を行わないものである
非接触センサによる飯盛付装置。
【請求項2】
上記制御部にはオン時間判別手段が設けられており、
上記オン時間判別手段は、何れかの上記非接触センサの各検出可能範囲内に手又は指をかさずことにより、選択された上記非接触センサのオン状態が所定時間継続したか否かを判別するものであり、
上記駆動手段は、上記オン時間判別手段におけるオン状態が上記所定時間継続したときにのみ、上記飯搬送部を駆動するものである
請求項1記載の非接触センサによる飯盛付装置。
【請求項3】
上記各非接触センサは、複数の非接触センサが並列配置されると共に、各々上記非接触センサ毎の検出可能範囲を有しており、上記制御部には単独判別手段が設けられており、上記駆動手段は、上記単独判別手段の判別による2以上の上記非接触センサが同時にオンした状態では上記飯搬送部の動作を開始しないものであり、
上記駆動手段は、上記単独判別手段の判別による単独の上記非接触センサがオンした状態でのみ上記飯搬送部の動作を開始するものである
請求項1又は2記載の非接触センサによる飯盛付装置。
【請求項4】
上記操作パネルの複数の上記非接触センサの近傍には、上記各非接触センサに対応する飯の重量が表示されており、
上記操作パネルには表示部が設けられており、
上記制御部には、上記非接触センサの上記検出可能範囲内に手又は指をかざした場合、当該非接触センサに振り分けられた重量を上記表示部に表示させる表示制御手段が設けられているものである
請求項2に記載の非接触センサによる飯盛付装置。
【請求項5】
上記操作パネルには、複数の上記非接触センサに対応した複数の接触式の選択ボタンが設けられ、
上記各選択ボタンは、それに対応する上記非接触センサの重量と同一の重量が割り振られており、
上記制御部は、何れかの上記選択ボタンが押されたことを検出したときは、上記飯搬送部を駆動して、上記選択ボタンに対応する重量の飯の容器への供給動作を行うものである
請求項2に記載の非接触センサによる飯盛付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば飯盛付装置における選択ボタンを非接触センサとすることで、選択ボタンに触れずに飯を盛り付けることができる非接触センサを用いた飯盛付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば飯盛付装置において、茶碗を容器載置部に設置し、操作パネルの所定の選択ボタン(飯の重量毎に複数の選択ボタンが存在している、例えば150gの選択ボタン)をオンすると、食材送り羽根が中心軸を中心に回転し、上記中心軸を中心とする固定円盤上の飯が該固定円盤の外周縁から下段の回転円筒体に設けられた複数の食材室に落下し、上記中心軸を中心とする回転円筒体が回転することで、上記中心軸を中心とする固定底板上で食材室が回転し、上記固定底板上に設けられた開口を上記食材室が通過することで、上記開口から飯が落下し、上記開口の下側に設けられた一対の解しローラが対向方向に回転することで、飯が解されながら下方に移行され、下方の容器載置部に載置された上記茶碗に飯が落下供給され、電子秤で軽量した重量が150gになったところで、上記食材送り羽根、回転円筒体の回転を停止する装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-14981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記飯盛付装置は、例えば社員食堂等に設置され、多くの人がその選択ボタンに触れることになるが、最近の新型ウイルスの流行により、多数の人が装置に触れることをできるだけ回避する必要性が高まっている。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、選択ボタンを非接触センサとすることで、選択ボタンに触れずに、希望の盛付量の飯の盛り付けが可能な非接触センサを用いた飯盛付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、選択された飯の重量に対応して、載置された容器内に飯を供給すると共に上記容器内の飯の重量を計測し、飯の重量が選択された重量になった時点で飯の供給を停止する非接触センサによる飯盛付装置において、前面の操作パネルに複数の非接触センサが設けられ、上記各非接触センサは各々飯の異なる重量に対応するものであり、上記各非接触センサの何れかのオンを検知して飯搬送部の動作を行う制御部が設けられ、上記制御部は、何れかの上記非接触センサの非接触でのオンを検知して、上記非接触センサに対応する飯の重量を認識する重量認識手段と、選択された何れかの上記非接触センサのオンに基づいて上記飯搬送部を駆動して上記容器内に飯を供給する駆動手段と、上記容器内に供給する飯の重量を秤部からの計測値に基づいて計測する計測手段とが設けられており、上記重量認識手段は、上記計測手段による飯の重量の計測値が上記非接触センサにて選択された重量になったとき、上記駆動手段に対して停止信号を送出し、上記飯搬送部の動作を停止するものである非接触センサによる飯盛付装置であって、上記制御部には、容器の重量が十分であるか否かを検知する容器重量判別手段が設けられており、上記駆動手段は、上記容器重量判別手段の判別にて容器の重量が一定以上の重量である場合にのみ上記飯搬送部を駆動し、上記駆動手段は、上記容器重量判別手段の判別にて上記容器の重量が一定未満の重量である場合は、上記飯搬送部の駆動を行わないものである非接触センサによる飯盛付装置により構成される。
【0007】
上記飯搬送部は飯搬送部(9)にて構成することができる。上記飯搬送部(9)は、例えば、食材送り羽根(9)、固定円形テーブル(15)、回転円筒体(16)、食材室(18)、開口(23)、解しローラ(24a,24b)等により構成することができる。上記秤部は例えば電子秤(28)により構成することができる。このように構成すると、非接触センサにより飯の重量を選択することができるため、選択ボタンには一切触れることなく飯の重量を選択することができ、新型ウイルスの感染予防対策として極めて有効である。このように構成すると、例えば暖かい飯、飯の重量等に十分に耐えられない容器(例えば紙の容器)等が載置された場合の誤動作を防止することができ、飯の温度、飯の重量等に十分に耐えられる容器が載置された場合にのみ飯搬送部を駆動することで、誤動作を防止することができる。
【0008】
第2に、上記制御部にはオン時間判別手段が設けられており、上記オン時間判別手段は、何れかの上記非接触センサの各検出可能範囲内に手又は指をかさずことにより、選択された上記非接触センサのオン状態が所定時間継続したか否かを判別するものであり、上記駆動手段は、上記オン時間判別手段におけるオン状態が上記所定時間継続したときにのみ、上記飯搬送部を駆動するものである第1の記載の非接触センサによる飯盛付装置により構成される。
【0009】
上記所定時間は例えば0.5秒である。このように構成すると、非接触センサであるが故に、何らかの他の動作により、オン状態になることもあるが、オン時間判別手段によれば、オン状態が所定時間継続したときのみ飯搬送部が駆動するものであるから、非接触センサの誤動作を有効に防止することができる。
【0010】
第3に、上記各非接触センサは、複数の非接触センサが並列配置されると共に、各々上記非接触センサ毎の検出可能範囲を有しており、上記制御部には単独判別手段が設けられており、上記駆動手段は、上記単独判別手段の判別による2以上の上記非接触センサが同時にオンした状態では、上記飯搬送部の動作を開始しないものであり、上記駆動手段は、上記単独判別手段の判別による単独の上記非接触センサがオンした状態でのみ上記飯搬送部の動作を開始するものである第1又は2記載の非接触センサによる飯盛付装置により構成される。
【0011】
このように構成すると、非接触センサであるが故に、例えば隣接する非接触センサの両方の検出可能範囲に手等をかざすこともできるため、このような場合は動作を開始せず、単独の非接触センサのみがオン状態になったときにのみ飯搬送部の動作を開始するようにして、非接触センサの誤動作を有効に防止することができる。
【0014】
に、上記操作パネルの複数の上記非接触センサの近傍には、上記各非接触センサに対応する飯の重量が表示されており、上記操作パネルには表示部が設けられており、上記制御部には、上記非接触センサの上記検出可能範囲内に手又は指をかざした場合、当該非接触センサに振り分けられた重量を上記表示部に表示させる表示制御手段が設けられているものである上記第2に記載の非接触センサによる飯盛付装置により構成される。
【0015】
このように構成すると、非接触センサを選択した場合に、その非接触センサの飯の重量が何グラムであるかを、表示部にも表示するため、飯盛付装置側が選択した飯の重量を認識したことを操作者に知らせることができる。
【0016】
に、上記操作パネルには、複数の上記非接触センサに対応した複数の接触式の選択ボタンが設けられ、上記各選択ボタンは、それに対応する上記非接触センサの重量と同一の重量が割り振られており、上記制御部は、何れかの上記選択ボタンが押されたことを検出したときは、上記飯搬送部を駆動して、上記選択ボタンに対応する重量の飯の容器への供給動作を行うものである上記第2に記載の非接触センサによる飯盛付装置により構成される。

【0017】
このように構成すると、非接触センサと、接触型の選択ボタンの両方を設置することができ、操作者の任意に選択が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように、非接触センサにより飯の重量を選択することができるため、選択ボタンには一切触れることなく飯の重量を選択することができ、新型ウイルスの感染予防対策として極めて有効である。
【0019】
また、非接触センサであるが故に、何らかの他の動作により、オン状態にあるこもあるが、オン時間判別手段によれば、オン状態が所定時間継続したときのみ飯搬送部が駆動するものであるから、非接触センサの誤動作を有効に防止することができる。
【0020】
また、非接触センサであるが故に、例えば隣接する非接触センサの両方の検出可能範囲に手をかざすこともできるため、このような場合は動作を開始せず、単独の非接触センサのみがオン状態になったときにのみ飯搬送部の動作を開始するようにして、非接触センサの御堂さを有効に防止することができる。
【0021】
また、例えば暖かい飯、飯の重量に十分に耐えられない容器(例えば紙の容器)等が載置された場合の誤動作を防止することができ、飯の温度、飯の重量等に十分に耐えられる容器が載置された場合にのみ飯搬送部を駆動することで、誤動作を防止することができる。
【0022】
また、非接触センサを選択した場合に、その非接触センサの飯の重量が何グラムであるかを、表示部にも表示するため、飯盛付装置側が選択した飯の重量を認識したことを操作者に知らせることができる。
【0023】
また、非接触センサと、接触型の選択ボタンの両方を設置することができ、操作者の任意に選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る非接触センサを用いた飯盛付装置の斜視図である。
図2】同上装置の非接触センサの検出可能範囲を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
図3】同上装置の側面側の縦断面図である。
図4】同上装置の内部のホッパ及び飯搬送部の斜視図である。
図5】同上装置の内部の飯搬送部の斜視図である。
図6】同上装置の飯搬送部の裏面側斜視図である。
図7】同上装置の飯搬送部の平面図である。
図8】同上装置の正面側の縦断面図である。
図9】同上装置の解しローラの駆動系の平面図である。
図10】同上装置の制御部の電気的ブロック図である。
図11】同上装置の制御部の機能ブロックである。
図12】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
図13】同上装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るについて詳細に説明する。
【0026】
本発明に係る飯盛付装置1は、図1に示すように、正面に操作パネル2、及び、表示部3が設けられ、操作パネル2には、飯の重量毎に、選択ボタン4a(飯50g)、選択ボタン4b(飯100g)、選択ボタン4c(飯150g)、選択ボタン4d(飯200g)が横方向に並設けられ、各選択ボタンの下側に、各選択ボタンと同一の飯の重量毎に、非接触のボタンとしての、非接触センサ5a(飯50g)、非接触センサ5b(飯100g)、非接触センサ5c(飯150g)、非接触センサ5d(飯200g)が設けられている。
【0027】
また、上記選択ボタン4a~4dの上部には、LEDによる点灯部6が各々設けられており、選択ボタン4a~4dの何れかが押されたとき、又は、非接触センサ5a~5dの何れかがオンしたとき、点灯部6が点灯するように構成されている。また、上記非接触センサ4a~4dの近傍、或いは、上記選択ボタン5a~5dの近傍の操作パネル2には、各ボタンの対応する飯の重量、即ち、50g、100g、150g、200gが印刷等により表示されている。
【0028】
また、操作ボタン4a~4dの何れかが押されたとき、又は、非接触センサ5a~5dの何れかがオンしたとき、選択された飯の重量(例えば非接触センサ5bがオンしたときは100g)が上記表示部3に表示されるように構成されている。
【0029】
上記非接触センサ5a~5dは、光電センサによる非接触センサ又は静電容量型の非接触センサ等(他の形式の非接触センサでも良い)であり、図2(a)(b)に示すように、非接触センサ5a~5dの前方の距離T1の範囲、及び、非接触センサ5a~5dを中心Pとする直径T2の円形範囲の略円錐型の検出エリア(検出可能範囲)Eを有しており、この検出エリアEに手、指をかざすことにより(実際は検出エリアEに手等をかざして、例えば0.5秒経過時に)非接触センサ5a~5bの何れかがオン状態となるように構成されている。
【0030】
上記飯盛付装置1は、上部に開閉扉7が設けられており、開閉扉7を開けると、内部に飯(炊いた米飯)Rを収納する収納ホッパ8が設けられており(図3図4参照)、収納ホッパ8の円形の下端開口8aの下側に飯搬送部9が設けられている。
【0031】
上記飯搬送部9は(図3図4図8図9参照)、上記下端開口8a(円形)の中心としての中心軸Qを中心として、直立回転軸10(図3参照)が回転可能に機枠11に立設され、上記直立回転軸10の先端部にキャップ12が嵌合され、該キャップ12の周囲には、回転方向(矢印A方向)に凸状に湾曲した食材送り羽根13(4枚)(図5参照)が設けられ、駆動モータM1(図6参照)にてベルト14を介して矢印A方向に回転駆動されるように構成されている。
【0032】
上記食材送り羽根13の下側には、上記中心軸Qを共通中心軸とする固定円形テーブル15が固定管15b(図3参照)を介して機枠11に固定されている。上記固定円形テーブル15の上面と上記食材送り羽根13の下縁との間隔は極めて僅かであり、収納ホッパ8から供給された飯は、上記食材送り羽根13の回転により、上記固定円形テーブル15上を外周部方向に送られ、固定円形テーブル15の外周部15aの略全周から下方に均等に落下供給されるように構成されている。上記食材送り羽根13の先端は、上記固定円形テーブル15の外周部15aより若干突出する長さに形成されている(図7参照)。
【0033】
上記固定円形テーブル15の下方には、上記中心軸Qを共通中止軸とし、上記固定円形テーブル15より外径の大の上下開口の回転円筒体16が設けられている。この回転円筒体16の上縁16aは、上記収納ホッパ8の下端開口8aの高さよりも上位水準位置に位置しており(図3参照)、上記ホッパ8の下端開口8aより下方に供給される飯が、回転円筒体16の外部に出ないように構成されている。
【0034】
この回転円筒体16は、上記中心軸Qを中心とする内部円筒体16b(上記固定円形テーブル15より小径)と、外部円筒体16c(本回転円筒体16の直径)と、上記外部円筒体16cの内面と上記内部円筒体16bの外面を結ぶ複数の仕切板17(実際には8枚)が設けられており、各仕切板17間には食材室18(実際には8個の食材室18)が設けられている(図5図7参照)。
【0035】
上記回転円筒体16の上記内部円筒体16bの中心軸Q側は回転軸19(図3参照)に接続されており、この回転軸19はベルト20を介して駆動モータM2により上記食材送り羽根13とは逆方向(矢印B方向)に回転し得るように構成されている(図6参照)。
【0036】
上記回転円筒体16の下側には、円形固定底板21が機枠22に設けられている。尚、上記回転円筒体16の仕切板17の下縁と上記円形固定底板21の上面との間隔は極めて僅かであるが、上記回転円筒体16が回転し得るよう構成されている。そして、上記固定円形テーブル15の外周部15aと、上記回転円筒体16(外部円筒体16c)との間の空間S(図7参照)から、飯が落下し、下方の複数の上記食材室18内に飯が収納されるように構成されている。
【0037】
上記円形固定底板21の1箇所には、飯の落下用の開口23が設けられており(図5図7参照)、上記回転円筒体16の回転により、上記開口23の上部を上記複数の食材室18が通過することにより、食材室18内の飯が上記開口23から下方に落下供給されるように構成されている。
【0038】
上記開口23の下方には、2つの解しローラ24a,24bが、飯の落下方向(矢印D方向)とは直交する回転軸を以って近接配置されている(図8図9参照)。これらの解しローラ24a,24bは外周に複数の凸状体を有しており、互いに対向する方向(矢印C,C’方向)に回転することにより、上方から落下してくる飯を上記凸状体で解しながら、飯出口25から下方の容器26に落下供給するものである。これらの解しローラ24a,24bは、各々駆動モータM3,M4により回転駆動されるものである(図9参照)。
【0039】
上記飯出口25の下方には、容器載置部27が設けられている。上記容器載置部27の内部には電子秤28が設けられており、電子秤28にて、容器26の重量、及び、容器26内に供給された飯の重量を計測するものである(図8参照)。
【0040】
次に、本発明に係る制御部29の構成について説明する(図10図11参照)。
上記制御部29には、選択ボタン4a~4dが接続されていると共に、非接触スイッチ5a~5dが接続されている。また、上記制御部29には、食材送り羽根13の駆動モータM1、回転円筒体16の駆動モータM2、解しローラ23a,23bの駆動モータM3,M4、表示部3、電子秤28が接続されている。
【0041】
上記制御部29は、CPUを有するコンピュータであり、図12図13に示す動作手順を有するプログラムを記憶しており、当該プログラム(図12図13に示す動作手順)に従って、容器26への所定量の飯の供給動作を行う。尚、図11は上記制御部29の機能ブロックであるが、具体的には、以下の動作説明に沿って説明する。
【0042】
本発明は上述のように構成されるものであるから、以下、図12図13の動作手順、及び、図11の機能ブロックに従って、動作を説明する。
【0043】
まず、上記飯盛付装置1の収納ホッパ8内には、暖かい炊いた飯(米飯)が収納されており、内部の飯Rは固定円形テーブル15上にまで至っているものとする(図3参照)。また、制御部29は、全ての非接触センサ5a~5dがオフであることを確認しているものとする(図13P1参照)。
【0044】
このとき、食堂等の操作者が、容器26を容器載置部27に載置し、例えば非接触センサ5c(150g)の検出可能範囲E内において、手又は指等をかざしたとする(図12、P1参照)。
【0045】
すると、非接触センサ5cはこれを検出してオンとなり、オン信号を制御部29(図11、重量認識手段29a、単独判別手段29d、オン時間判別手段29e)に送信する(図12、P2参照)。非接触センサ5cの場合は、制御部29(図11、重量認識手段29a)は非接触センサであることを認識し、図13のステップP1に移行する。上記制御部29(図11、重量認識手段29a)は非接触センサ5cからオン信号が入力したことを認識する(図13、P4参照)。
【0046】
上記制御部29(図11、単独判別手段29d)は、非接触センサ5cのみがオン状態であることを認識し(図12、P8参照)、重量認識手段29aに単独判別信号を送出する。尚、複数の非接触センサ(例えば非接触センサ5cと隣の非接触センサ5d)が同時にオンしている場合は、図13のステップP8において、スタート(図13のステップP1)に戻り、待機状態となる。このように、上記駆動手段29bは、上記単独判別手段29dによる2以上の上記非接触センサが同時にオンした状態では、上記飯搬送部9の動作を開始しないように構成されている。そして、上記駆動手段29bは、上記単独判別手段29dによる単独の上記非接触センサがオンした状態でのみ、上記飯搬送部9の動作を開始するように構成されている。
【0047】
上記制御部29(図11、オン時間判別手段29e)は、非接触センサ5cのオン状態が例えば0.5秒継続していることを検出し、オン時間判別信号を重量認識手段29aに送出する(図12、P12参照)。尚、オン時間が0.5秒未満の場合は、図13のステップP12において、スタート(図13のステップP1)に戻り、待機状態となる。このように、結果として、上記駆動手段29bは、上記オン時間判別手段29eにおけるオン状態が上記所定時間(例えば0.5秒)継続したときにのみ、上記飯搬送部9を駆動するように制御される。尚、所定時間(0.5秒)は、設定変更可能である。
【0048】
図13のステップP12においてYESの場合は、制御部29(図11、重量認識手段29a)は、非接触センサ5cに対応する飯の重量である「150g」を認識し、一次記憶エリア30に記憶し(図13、P16参照)、計測手段29cに飯の重量である「150g」を示す信号を送出する。
【0049】
その後、制御部29(図11、容器重量判別手段29f)は、電子秤28からの計測信号の入力を受け、容器重量をチェックする(図13、P18参照)。ここで、容器26の重量が十分(例えば容器重量が30g以上)であることを検出すると(図13、P19参照)、制御部29(図11、容器重量判別手段29f)は、駆動手段29bに対して容器重量は十分である旨の信号(駆動開始信号)を送出する(図13、P19参照)。尚、容器26の重量が十分でない場合(例えば、容器26が紙等で軽すぎて、飯の温度、飯の重量に耐えられない場合)は図13のステップP19において、図13のステップP1に戻って待機状態となる。このように、上記駆動手段29bは、上記容器重量判別手段29fにて容器26の重量が一定以上の重量であることを認識したときのみ上記飯搬送部9を駆動するように構成されている。また、上記駆動手段29bは、上記容器26の重量が一定未満の重量であることを認識した場合は、上記非接触センサのオンを検知しても、上記飯搬送部9の駆動を行わないように構成されている。
【0050】
上記制御部29(図11、駆動手段29b)は、上記容器重量判別手段29fからの駆動開始信号を受けると、駆動モータM1,M2,M3,M4の駆動を開始し、飯搬送部9の動作を開始する(図12、P6参照)。
【0051】
すると、食材送り羽根13が矢印A方向に回転し、固定円形テーブル15の外周部15aから均等に飯が下段の食材室18に落下供給される。上記回転円筒体16は逆方向(矢印B方向)に回転しているので、外周部15aから落下してくる飯は、複数の食材室18内に投入され、食材室18内の飯は、仕切板17によって矢印B方向に搬送され、開口23から下方に落下供給される。
【0052】
上記開口23の直下には解しローラ24a,24bが対向方向(矢印C,C’方向)に回転しているので、上記開口23から落下する飯は解されながら、直下の容器26内に落下供給されていく。そして、電子秤28は、飯の重量(容器26の重量+飯の重量―容器26の重量)の計測値を計測し、計測信号を計測手段29cに送出する(図12、P7参照)。
【0053】
上記制御部29(図11、計測手段29c)は、計測値が「150g」になったところで、重量認識手段29aに到達信号を送出する。すると、制御部29(図11、重量認識手段29a)は、駆動手段29bに対して停止信号を送出する(図12、P8参照)。これにより、駆動モータM1,M2,M3,M4が停止され、飯搬送動作は中止される。かかる動作により、容器26内には、150gの飯が供給されることになる。
【0054】
その後、操作者は、飯の盛り付けられた容器26を、容器載置部27から取り出す。上記制御部29(図11、重量認識手段29a)は、電子秤28の計測値が「0」になったことを計測手段29cを介して検出し、容器26が容器載置部27から取り出されたことを検出し(図12P9)、図12のステップP1に戻る。
【0055】
上記操作者が他の非接触センサ5a,5b,5dを選択した場合の動作も同様であり(図13、非接触センサ5aの場合はP2,P6,P10,P14、非接触センサ5bの場合はP3,P7,P11,P15、非接触センサ5dの場合はP5,P9,P13,P17)、各々選択された重量の飯が容器26内に供給される。
【0056】
また、フローチャートには表れていないが、非接触センサ5a~5dの何れかが選択された場合は、制御部29(図11、重量認識手段29a)は、選択された非接触センサに対応する重量を認識し、表示制御手段29gに選択された重量を表示するように指令する。上記表示制御手段29gは、選択された重量を表示部3に表示するように制御を行う。その結果、表示部3には非接触センサにて選択された飯の重量(例えば非接触センサ5aであれば50g)が表示される。
【0057】
このように、操作者は、選択ボタン4a~4dに全く触ることなく、非接触センサ5a~5dの検出可能範囲Eに手又は指をかざすことにより、飯の重量を選択することができ、新型ウイルスの感染予防対策として極めて有効である。
【0058】
尚、接触式の選択ボタン4a~4dの何れかが押された場合の動作は、略同様であり(図12、P1参照)、図12のステップP2にてNOとなり、選択ボタン4a~4dに対応する飯の重量が制御部29(図11、重量認識手段29a)にて一次記憶メモリ30に記憶され(図12,P3参照)、その後、制御部29(図11、容器重量判別手段29f)にて容器重量が十分であるか否かをチャックし(図12、P4,P5参照)、その後の動作は、非接触センサが選択された場合の、図12のステップP6以降と同様であるので、詳細は省略する。
【0059】
このように、上記制御部29は、何れかの上記選択ボタン4a~4dが押されたことを検出したときは、上記飯搬送部9を駆動して、上記選択ボタンに対応する重量の飯の容器26への供給動作を行う。
【0060】
本発明は以上のように、非接触センサ5a~5dにより飯Rの重量を選択することができるため、選択ボタン4a~4dには一切触れることなく飯Rの重量を選択することができ、新型ウイルスの感染予防対策として極めて有効である。
【0061】
また、非接触センサであるが故に、何らかの他の動作により、オン状態になることもあるが、オン時間判別手段29eによれば、オン状態が所定時間継続したときのみ飯搬送部9が駆動するものであるから、非接触センサの誤動作を有効に防止することができる。
【0062】
また、非接触センサであるが故に、例えば隣接する非接触センサの両方の検出可能範囲Eに手をかざすこともできるため、このような場合は動作を開始せず、単独の非接触センサのみがオン状態になったときにのみ飯搬送部9の動作を開始するようにして、非接触センサの誤動作を有効に防止することができる。
【0063】
また、暖かい飯、飯の重量に十分に耐えられない容器(例えば紙の容器)等が載置された場合の誤動作を防止することができ、飯の温度、飯の重量に十分に耐えられる容器が載置された場合にのみ飯搬送部9を駆動することで、誤動作を防止することができる。
【0064】
また、非接触センサを選択した場合に、その非接触センサの飯の重量が何グラムであるかを、表示部3にも表示するため、飯盛付装置側が選択した飯の重量を認識したことを操作者に知らせることができる。
【0065】
また、非接触センサと、接触型の選択ボタンの両方を設置することができ、操作者の任意に選択が可能となる。
【0066】
上記の飯搬送部9は、食材送り羽根13、回転円筒体16等を使用した実施形態を説明したが、飯搬送部9の形式は上記に限定されない。従って、飯送りローラ或いはスクリューコンベア等にて飯を一方向に搬送し、一方向の端部より下方に落下して、一対の解しローラにて下方に解しながら、下方の容器内に落下供給するものであっても良く、飯搬送部9の形式は限定されない。
【0067】
また、上記非接触センサは、単独判別手段により1つのみセンサが検知した場合にのみ飯搬送部を駆動する事例を説明したが、例えば複数の非接触センサを並列し、連続する3つの非接触センサがオン状態になった場合は、その真ん中の非接触センサがオン状態になったものとして、真ん中の非接触センサに対応する飯の重量(例えば100g)を重量認識手段が認識するように構成しても良い。このように構成すると、非接触センサをオンさせるには、空中での手又は指の操作が必要となるが、1つの非接触センサをオン状態にするより、比較的ラフな手又は指の操作にて、非接触センサをオンさせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係る非接触センサによる飯盛付装置によると、新型ウイルスの感染予防対策として非常に効果的な装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 飯盛付装置
2 操作パネル
3 表示部
4a~4d 選択ボタン
5a~5d 非接触センサ
9 飯搬送部
26 容器
28 電子秤
29 制御部
29a 重量認識手段
29b 駆動手段
29c 計測手段
29d 単独判別手段
29e オン時間判別手段
29f 容器重量判別手段
29g 表示制御手段
E 検出可能範囲
R 飯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13