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特許7503846偏心重錘装置及び偏心重錘装置の起振力制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】偏心重錘装置及び偏心重錘装置の起振力制御方法
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/16 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
B06B1/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021206331
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2023091538
(43)【公開日】2023-06-30
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】391040397
【氏名又は名称】エクセン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】弁理士法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 浩
(72)【発明者】
【氏名】松末 凌
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-296445(JP,A)
【文献】特開2004-174473(JP,A)
【文献】特開平09-221753(JP,A)
【文献】特開2015-080757(JP,A)
【文献】特開平10-028933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーター駆動で回転する回転軸に一対の偏心重錘が軸方向に対向配設された偏心重錘装置において、
前記一対の偏心重錘の一方を前記回転軸に対して回動不能に取り付けた固定偏心重錘とし、他方を前記回転軸に対して回動可能に取り付けた可動偏心重錘とし、
前記固定偏心重錘又は前記可動偏心重錘の何れか一方に、モーター駆動時には前記固定偏心重錘の回転力を前記可動偏心重錘に機械的に伝達して前記可動偏心重錘を前記固定偏心重錘とともに回転させる第1回転制御桿と、モーター制動時には回転中の前記固定偏心重錘と前記可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置に前記可動偏心重錘を保持しながら前記固定偏心重錘とともに回転させる第2回転制御桿とを設けた、
偏心重錘装置。
【請求項2】
第1回転制御桿は、配設位置を回転軸の軸回り方向に調整可能に設けた、請求項の偏心重錘装置。
【請求項3】
モーター駆動で回転する回転軸に一対の偏心重錘が軸方向に対向配設された偏心重錘装置の起振力制御方法であって、
前記一対の偏心重錘の一方を前記回転軸に対して回動不能に取り付けた固定偏心重錘とし、他方を前記回転軸に対して回動可能に取り付けた可動偏心重錘とし、
前記固定偏心重錘又は前記可動偏心重錘の何れか一方に、前記可動偏心重錘の回転を制御する第1回転制御桿と第2回転制御桿とを設け、
モーター駆動時には、前記第1回転制御桿が前記固定偏心重錘の回転力を前記可動偏心重錘に機械的に伝達して前記可動偏心重錘を前記固定偏心重錘とともに回転させ、
モーター制動時には、前記第2回転制御桿が回転中の前記固定偏心重錘と前記可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置に前記可動偏心重錘を保持しながら前記固定偏心重錘とともに回転させ、
もって、モーター駆動時においては振動を発生させ、モーター制動時においては振動の発生を抑制するようにした、
偏心重錘装置の起振力制御方法。
【請求項4】
第1回転制御桿は配設位置を回転軸の軸回り方向に調整可能に設け、前記第1回転制御桿の配設位置を調整することにより、モーター駆動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の合成偏心量を調整できるようにした、
請求項の偏心重錘装置の起振力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、偏心重錘の回転により振動を発生させる振動モーターに用いられる偏心重錘装置及び偏心重錘装置の起振力制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
振動テーブルや振動フィーダー、振動スクリーンといった各種振動機器は、偏心重錘を回転させることによって振動を発生する振動モーターが取り付けられた上枠(振動部)を防振ゴムなどの防振装置を介して下台(土台部)に取り付けて支持することにより構成されており、振動モーターの起振力を利用して上枠(振動部)を振動させている。
【0003】
このような振動機器にあっては、振動モーターの駆動を停止して動作を停止する際、振動モーターが取り付けられた振動機器の防振装置が共振し、それに伴い振動機器に予期せぬ振動が発生してしまうという問題がある。すなわち、振動モーターは、モーターの駆動を停止しても、すぐには偏心重錘の回転が停止せず、回転速度を徐々に下げながらしばらく惰性回転を続けた後に停止する。このため、偏心重錘の回転が完全に停止するまでの間、振動モーターは振動周波数を徐々に下げながら振動し続けることになる。他方、振動モーターが取り付けられた振動機器の防振装置にはそれぞれ固有振動数があり、偏心重錘の惰性回転による振動周波数が防振装置の固有振動数を通過する際、振動機器の防振装置が共振を起こすという問題がある。
【0004】
また、モーターの駆動停止後に偏心重錘が惰性回転を続けると、その間、振動機器の振動も続くこととなり、モーターの駆動停止操作と振動機器の動作停止との間にタイムラグが生じるという問題もある。特に、定量供給が求められる振動フィーダーなどの供給装置にあっては、このようなタイムラグが生じると定量供給を行うことが難しくなるため、モーターの駆動停止操作後、直ちに振動機器の振動が停止されるようにする必要がある。
【0005】
この点、特開平10-28993号公報には、1本の回転軸で固定偏心重錘と可動偏心重錘とを支持し、双方の偏心重錘の位相差を変化させることにより双方の偏心重錘の総合偏心モーメントを変化させる方式の起振力制御方法において、運転を停止する際に可動偏心重錘よりも強い制動力を固定偏心重錘に与えて固定偏心重錘を相対的に遅相させることにより固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相関係に釣合状態を生じさせ、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが釣合状態になった時、可動偏心重錘が固定偏心重錘に対してそれ以上進相しないよう可動偏心重錘にストッパーを設けて機械的に拘束し、かつ、この釣合状態におけるよりも可動偏心重錘が固定偏心重錘に対して遅相することを機械的に拘束せず、さらに遅相して双方の偏心重錘の位相関係が起振状態となる動作を許容することを特徴とする起振力の制御方法が開示されている。
【0006】
この発明によれば、運転を停止する際に、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相関係を釣合状態とすることができるので、固定偏心重錘と可動偏心重錘とによる総合偏心モーメントがゼロとなり、運転を停止する際に起振力が生じることがない。すなわち、運転を停止する際に、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが惰性回転しても、釣合状態で回転することとなるため振動が発生せず、振動装置の運転停止操作時における共振の発生を防止することができる。また、可動偏心重錘には、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが釣合状態になった時に、可動偏心重錘が固定偏心重錘に対してそれ以上進相しないよう機械的に拘束するためのストッパーが設けられているので、可動偏心重錘がオーバーランして釣合状態を行き過ぎる(釣合状態に比して可動偏心重錘が進相してしまう)おそれもない。
【0007】
しかしながら、この発明にあっては、固定偏心重錘と可動偏心重錘は、それぞれがモーターによって個別に回転駆動されるものであり、減速時において固定偏心重錘と可動偏心重錘とを釣合状態ならしめる際にも、それぞれのモーターの回転トルクを制御することによって行う必要がある。
【0008】
また、この発明は、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転軸の軸廻り方向に配設されたものであって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転軸の軸方向において対向して配設されたものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平10-28933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転軸の軸方向に対向配設された偏心重錘装置において、固定偏心重錘の回転トルクの制御のみで固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相関係を釣合状態と起振状態とに切り替えることができる偏心重錘装置を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項の発明は、モーター駆動で回転する回転軸に一対の偏心重錘が軸方向に対向配設された偏心重錘装置において、前記一対の偏心重錘の一方を前記回転軸に対して回動不能に取り付けた固定偏心重錘とし、他方を前記回転軸に対して回動可能に取り付けた可動偏心重錘とし、前記固定偏心重錘又は前記可動偏心重錘の何れか一方に、モーター駆動時に前記固定偏心重錘の回転力を前記可動偏心重錘に機械的に伝達して前記可動偏心重錘を前記固定偏心重錘とともに回転させる第1回転制御桿と、モーター制動時に回転中の前記固定偏心重錘と前記可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置に前記可動偏心重錘を保持しながら前記固定偏心重錘とともに回転させる第2回転制御桿とを設けた偏心重錘装置として構成する。
【0012】
請求項の発明は、前記第1回転制御桿の配設位置を前記回転軸の軸回り方向に調整可能に設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項の発明は、モーター駆動で回転する回転軸に一対の偏心重錘が軸方向に対向配設された偏心重錘装置の起振力制御方法であって、前記一対の偏心重錘の一方を前記回転軸に対して回動不能に取り付けた固定偏心重錘とし、他方を前記回転軸に対して回動可能に取り付けた可動偏心重錘とし、前記固定偏心重錘又は前記可動偏心重錘の何れか一方に、前記可動偏心重錘の回転を制御する第1回転制御桿と第2回転制御桿とを設け、モーター駆動時には、前記第1回転制御桿が前記固定偏心重錘の回転力を前記可動偏心重錘に機械的に伝達して前記可動偏心重錘を前記固定偏心重錘とともに回転させ、モーター制動時には、前記第2回転制御桿が回転中の前記固定偏心重錘と前記可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置に前記可動偏心重錘を保持しながら前記固定偏心重錘とともに回転させ、もって、モーター駆動時においては振動を発生させ、モーター制動時においては振動の発生を抑制するようにしたことを特徴とする。
【0014】
前記第1回転制御桿は、前記固定偏心重錘又は前記可動偏心重錘の何れか一方の、モーター駆動時に前記固定偏心重錘の回転力を前記可動偏心重錘に機械的に伝達して前記可動偏心重錘を前記固定偏心重錘とともに回転させることができる位置に設けてあればよいが、配設位置を前記回転軸の軸回り方向に調整可能に設けることもできる(請求項)。
【0015】
前記第2回転制御桿は、前記第1回転制御桿が設けられた前記固定偏心重錘又は前記可動偏心重錘の、モーター制動時に回転中の前記固定偏心重錘と前記可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置(前記可動偏心重錘の重心が前記固定偏心重錘の重心に対して前記回転軸の軸心回りにほぼ180°相対する位置)に前記可動偏心重錘を保持しながら前記固定偏心重錘とともに回転させることができる位置に設けてあればよい。
【0016】
前記固定偏心重錘及び前記可動偏心重錘は、一方の偏心重錘の重心が他方の偏心重錘の重心に対して前記回転軸の軸心回りに180°相対する位置関係にあるときには前記固定偏心重錘と前記可動偏心重錘とによる合成偏心量が0となり、それ以外の位置関係にあるときには合成偏心量が得られるように構成されていればよく、種々の形状のものが考えられる。また、前記回転制御桿、第1回転制御桿、第2回転制御桿は、何れも硬質素材で構成されていればよいが、その表面をゴム等の緩衝素材で被覆するものとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
請求項ないしの発明によれば、モーター駆動で回転する回転軸に軸方向に対向配設された一対の偏心重錘の一方を前記回転軸に対して回動不能に取り付けた固定偏心重錘とし、他方を前記回転軸に対して回動可能に取り付けた可動偏心重錘とし、前記固定偏心重錘又は前記可動偏心重錘の何れか一方に、モーター駆動時には前記固定偏心重錘の回転力を前記可動偏心重錘に機械的に伝達して前記可動偏心重錘を前記固定偏心重錘とともに回転させる第1回転制御桿と、モーター制動時には回転中の前記固定偏心重錘と前記可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置に前記可動偏心重錘を保持しながら前記固定偏心重錘とともに回転させる第2回転制御桿を設けたので、回転制御桿の機能を第1回転制御桿と第2回転制御桿とに分けることができる。これにより、モーター駆動時に固定偏心重錘の回転力を可動偏心重錘に伝達する第1回転制桿を所望の位置に配設することが可能となり、モーター駆動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘とによる合成偏心量を所望の偏心量とすることができるような位置に第1回転制御桿を設けることができる。
【0018】
請求項及びの発明によれば、前記第1回転制御桿は、前記回転軸の軸心回り方向に配設位置を調整可能に設けるものとしたので、第1回転制御桿の配設位置を回転軸の軸心回り方向に調整することで、モーター駆動時に固定偏心重錘と可動偏心重錘とによって得られる合成偏心量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の第1の参考例の概要を示す図
図2】同じくモーター駆動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図
図3】同じくモーター制動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図(可動偏心重錘が相対的に高速回転する状態を示す図)
図4】同じくモーター制動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図(固定偏心重錘と可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置で保持されたまま固定偏心重錘とともに惰性回転する状態を示す図)
図5】この発明の第2の参考例のモーター駆動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図
図6】同じくモーター制動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図(可動偏心重錘が相対的に高速回転する状態を示す図)
図7】同じくモーター制動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図(固定偏心重錘と可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置で保持されたまま固定偏心重錘とともに惰性回転する状態を示す図)
図8】この発明の第3の参考例のモーター駆動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図
図9】同じくモーター制動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図(可動偏心重錘が相対的に高速回転する状態を示す図)
図10】同じくモーター制動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図(固定偏心重錘と可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置で保持されたまま固定偏心重錘とともに惰性回転する状態を示す図)
図11】この発明の第4の参考例のモーター駆動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図
図12】同じくモーター制動時における固定偏心重錘及と動偏心重錘の位置関係を示す図(可動偏心重錘が相対的に高速回転する状態を示す図)
図13】同じくモーター制動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の位置関係を示す図(固定偏心重錘と可動偏心重錘とによる合成偏心量がほぼ0となる位置で保持されたまま固定偏心重錘とともに惰性回転する状態を示す図)
図14】この発明の第の実施例において合成偏心量を最大とした場合の概要を示す図
図15】この発明の第の実施例において合成偏心量を1段階小さく調整した場合の概要を示す図
図16】この発明の第の実施例において合成偏心量を2段階小さく調整した場合の概要を示す図
図17】この発明の第の実施例において合成偏心量を最大とした場合の概要を示す図
図18】この発明の第の実施例において合成偏心量を最大とした場合の概要を示す図
図19】この発明の第の実施例において合成偏心量を最大とした場合の概要を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1ないし4は、この発明の第1の参考例の概要を示す図である。この参考例の偏心重錘装置は、図示しないモーター(以下同じ。)の回転力で回転する回転軸1に、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3とが回転軸1の軸方向に対向して配設されており、回転軸1に対して、固定偏心重錘2は回動不能に、可動偏心重錘3は回動可能にそれぞれ取り付けられて構成されている。固定偏心重錘2と可動偏心重錘3は、何れも略扇形でほぼ同形状、ほぼ同じ重量のものとしてある。図中の矢印は、固定偏心重錘2及び可動偏心重錘3の回転方向を示し、符号21は固定偏心重錘2が回転する方向の前方側端縁、符号22は後方側端縁であり、符号31は可動偏心重錘3が回転する方向の前方側端縁、符号32は後方側端縁である。
【0021】
固定偏心重錘2の可動偏心重錘3との対向面側には、円柱状の硬質部材の表面をゴム等の緩衝素材で被覆して構成した回転制御桿4が可動偏心重錘3側に突出して設けられ、可動偏心重錘3の固定偏心重錘2との対向面側には、固定偏心重錘2又は/及び可動偏心重錘3の回転時に回転制御桿4が挿脱される回転制御桿受け部としての溝5が後方側端縁32側に開口して設けられている。この回転制御桿4と溝5は、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3とによる合成偏心量が最大となる位置関係にあるときに回転制御桿4の前方側が溝5の先端に当接し、かつ、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り方向においてほぼ相対する位置(180°の位置)にあるときに可動偏心重錘3の前方側端縁31が回転制御桿4の後方側に当接するように設けられている。
【0022】
次いで、この参考例の動作について説明する。モーターを駆動させると回転軸1が回転し、回転軸1に対して回動不能に取り付けられた固定偏心重錘2が矢印方向に回転する。固定偏心重錘2が回転すると、固定偏心重錘2に設けられた回転制御桿4が可動偏心重錘3の溝5に嵌挿されてその先端に当接する。この状態で固定偏心重錘2が回転を続けると、その回転力が回転制御桿4を介して可動偏心重錘3に伝達され、固定偏心重錘2とともに可動偏心重錘3が矢印方向に回転する。回転制御桿4が溝5の先端に当接している状態にあっては、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量が最大となる位置関係にあるので、起振力を最大とすることができる(図2参照)。
【0023】
他方、モーター駆動に制動をかけると、回転軸1の回転にブレーキがかかるので、回転軸1に回動不能に取り付けられた固定偏心重錘2の回転にもブレーキがかかる。これに対し、可動偏心重錘3は回転軸1に対して回動可能に取り付けられているので、回転軸1の回転にブレーキがかかっても可動偏心重錘3にはブレーキがかからず、従前の回転速度のまま惰性回転して急激に回転速度を落としている固定偏心重錘2に次第に追いつく形となる(図3参照)。そして、可動偏心重錘3の重心位置Gが固定偏心重錘2の重心位置Gと相対する位置(可動偏心重錘3の重心位置Gと固定偏心重錘2との重心位置Gが回転軸1の軸心回り方向に180°の位置)に達すると、可動偏心重錘3の前方側端縁31が回転制御桿4の後方側に衝突する。このとき、回転制御桿4の表面がゴム等の緩衝素材で被覆されているので、衝突時の衝撃が吸収されるとともに、衝突音の発生も抑制することができる。可動偏心重錘3の前方側端縁31が回転制御桿4の後方側に衝突すると、可動偏心重錘3はそれ以上固定偏心重錘2に対して進相することができず、可動偏心重錘3の前方側端縁31が回転制御桿4の後方側に当接した状態を保ちながら固定偏心重錘2とともに回転することとなる。可動偏心重錘3の前方側端縁31が回転制御桿4に当接している状態にあっては、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り方向においてほぼ相対位置(180°の位置)にあるので、固定偏心重錘2の重心と可動偏心重錘3の重心とが180°ずれた位相で回転する。これにより、これら2つの偏心重錘による合成偏心量(総合偏心モーメント)がゼロとなり、惰性回転中の振動の発生を抑制することができる(図4参照)。
【0024】
以上のように、この偏心重錘装置にあっては、固定偏心重錘2の回転トルクを制御するだけで、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3との釣合状態・起振状態を即座に切り替えることができる。
【0025】
図5ないし7は、この発明の第2の参考例の概要を示す図である。この参考例は、第1の参考例の変形例であり、回転制御桿4を可動偏心重錘3側に設け、溝5を固定偏心重錘2側に設けたものである。この参考例においても、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3とが回転軸1の軸方向に対向配設され、回転軸1に対して固定偏心重錘2が回動不能に、可動偏心重錘3が回動可能にそれぞれ取り付けられている点は、第1の参考例と同様である。
【0026】
この参考例にあっては、可動偏心重錘3の固定偏心重錘2との対向面側に、円柱状の回転制御桿4が固定偏心重錘2側方向に突出して設けられ、固定偏心重錘2の可動偏心重錘3との対向面側には、固定偏心重錘2又は/及び可動偏心重錘3の回転時に回転制御桿4が挿脱される溝5が前方側端縁21側に開口して設けられている。この回転制御桿4と溝5は、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3とによる合成偏心量が最大となる位置関係にあるときに回転制御桿4の後方側が溝5の先端に当接し、かつ、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り方向においてほぼ相対する位置(180°の位置)にあるときに回転制御桿4の前方側が固定偏心重錘2の後方側端縁22に当接するように設けられている。
【0027】
この参考例にあっても、モーターを駆動させると回転軸1が回転し、回転軸1に対して回動不能に取り付けられた固定偏心重錘2も矢印方向に回転する。固定偏心重錘2が回転すると、可動偏心重錘3に設けられた回転制御桿4が固定偏心重錘2の溝5に嵌挿されてその先端に当接する。この状態で固定偏心重錘2が回転を続けると、その回転力が回転制御桿4を介して可動偏心重錘3に伝達され、固定偏心重錘2とともに可動偏心重錘3が矢印方向に回転する。回転制御桿4が溝5の先端に当接している状態にあっては、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量が最大となる位置関係にあるので、起振力を最大とすることができる(図5参照)。
【0028】
他方、モーター駆動に制動をかけると、回転軸1の回転にブレーキがかかり、それに伴い固定偏心重錘2の回転にもブレーキがかかる。このとき、回転軸1に対して回動可能に取り付けられた可動偏心重錘3にはブレーキがかからないため、可動偏心重錘3は従前の速度で惰性回転を続け、ブレーキがかかって急激に回転速度を落としている固定偏心重錘2よりも速く回転するので、相対的に回転速度の遅い固定偏心重錘2に次第に追いつく形となる(図6参照)。そして、可動偏心重錘3の重心位置Gが固定偏心重錘2の重心位置Gと相対する位置(可動偏心重錘3の重心位置Gと固定偏心重錘2の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り方向に180°の位置関係となる位置)に達すると、固定偏心重錘2の後方側端縁22に可動偏心重錘に設けられた回転制御桿4の前方側が当接して可動偏心重錘3がそれ以上固定偏心重錘2に対して進相することができなくなるので、回転制御桿4が固定偏心重錘2に当接した状態を保ちながら固定偏心重錘2とともに回転することとなる。固定偏心重錘2の後方側端縁22が回転制御桿4に当接している状態にあっては、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとは回転軸1の軸心回り方向においてほぼ相対位置(180°の位置)にあるので、固定偏心重錘2の重心と可動偏心重錘3の重心とが180°ずれた位相で回転することとなり、これら2つの偏心重錘による合成偏心量(総合偏心モーメント)がゼロとなって、惰性回転中の振動の発生を抑制することができる(図7参照)。
【0029】
以上のように、この参考例にあっても、固定偏心重錘2の回転トルクを制御するだけで、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3との釣合状態・起振状態を即座に切り替えることができる。
【0030】
図8ないし10は、この発明の第3の参考例の概要を示す図である。この参考例は、第1の参考例における回転制御桿4の配設位置を変更した場合の例である。すなわち、この参考例にあっては、固定偏心重錘2の後方側端縁22に円柱状の回転制御桿4が可動偏心重錘3側方向に突出するようにして設けられている。この回転制御桿4は、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3とによる合成偏心量が最大となる位置関係にあるときに回転制御桿4の前方側が可動偏心重錘3の後方側端縁32に当接し、かつ、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り方向においてほぼ相対位置(180°の位置)にあるときに回転制御桿4の後方側が可動固定偏心重錘3の前方側端縁31に当接するように設けられている。
【0031】
この参考例にあっても、モーターを駆動させると回転軸1が回転し、回転軸1に対して回動不能に取り付けられた固定偏心重錘2が矢印方向に回転する。固定偏心重錘2が回転すると、固定偏心重錘2に設けられた回転制御桿4の前方側が可動偏心重錘3の後方側端縁32に当接する。この状態で固定偏心重錘2が回転を続けると、その回転力が回転制御桿4を介して可動偏心重錘3に伝達され、固定偏心重錘2とともに可動偏心重錘3が矢印方向に回転する。回転制御桿4が可動偏心重錘3の後方側端縁32に当接している状態にあっては、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量が最大となる位置関係にあるので、起振力を最大とすることができる(図8参照)。
【0032】
他方、モーター駆動に制動をかけると、回転軸1の回転にブレーキがかかり、固定偏心重錘2の回転にもブレーキがかかる。このとき、回転軸1に対して回動可能に取り付けられた可動偏心重錘3にはブレーキがかからないため、可動偏心重錘3は従前の速度で惰性回転を続け、相対的に回転速度の遅い固定偏心重錘2に次第に追いついていく形となる(図9参照)。そして、可動偏心重錘3の重心位置Gが固定偏心重錘2の重心位置Gの相対位置(可動偏心重錘3の重心位置Gと固定偏心重錘32の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り方向に180°となる位置)に達すると、可動偏心重錘3の前方側端縁31が回転制御桿4の後方側に当接して可動偏心重錘3がそれ以上固定偏心重錘2に対して進相することができなくなり、可動偏心重錘3の前方側端縁31が回転制御桿4に当接した状態を保ちながら固定偏心重錘2とともに回転することとなる。可動偏心重錘3の前方側端縁31が回転制御桿4に当接している状態にあっては、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り軸方向においてほぼ相対位置(180°の位置)にあるので、固定偏心重錘2の重心と可動偏心重錘3の重心とが180°ずれた位相で回転することとなり、これら2つの偏心重錘による合成偏心量(総合偏心モーメント)がゼロとなって、惰性回転中の振動の発生を抑制することができる(図10参照)。
【0033】
以上のように、この参考例にあっても、固定偏心重錘2の回転トルクを制御するだけで、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3との釣合状態・起振状態を即座に切り替えることができる。
【0034】
図11ないし13は、この発明の第4の参考例の概要を示す図である。この参考例は、第3の参考例の変形例であり、回転制御桿4を可動偏心重錘3側に設けたものである。すなわち、この参考例にあっては、可動偏心重錘3の前方側端縁31に円柱状の回転制御桿4が固定偏心重錘2側方向に突出して設けられている。この回転制御桿4は、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3とによる合成偏心量が最大となる位置関係にあるときに回転制御桿4の後方側が固定偏心重錘2の前方側端縁21に当接し、かつ、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り方向においてほぼ相対位置(180°の位置)にあるときに回転制御桿4の前方側が固定偏心重錘2の後方側端縁22に当接するように設けられている。その他の構成は、第3の参考例と同様である。
【0035】
この参考例にあっては、固定偏心重錘2が回転すると、可動偏心重錘3に設けられた回転制御桿4の後方側が固定偏心重錘2の前方側端縁21に当接するので、この状態で固定偏心重錘2が回転を続けると、その回転力が回転制御桿4を介して可動偏心重錘3に伝達され、固定偏心重錘2とともに可動偏心重錘3が矢印方向に回転する。回転制御桿4が固定偏心重錘2の前方側端縁21に当接している状態にあっては、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量が最大となる位置関係にあるので、起振力を最大とすることができる(図11参照)。
【0036】
他方、モーター駆動に制動をかけると、回転軸1の回転にブレーキがかかり、固定偏心重錘2の回転にもブレーキがかかる。一方、回転軸1に対して回動可能に取り付けられた可動偏心重錘3にはブレーキがかからないため、可動偏心重錘3は従前の速度で惰性回転を続けることとなり、急激に回転速度を落としながら回転する固定偏心重錘2よりも速く回転し、相対的に回転速度の遅い固定偏心重錘2に次第に追いついていく形となる(図12参照)。そして、可動偏心重錘3の重心位置Gが固定偏心重錘2の重心位置Gと相対する位置(可動偏心重錘3の重心位置Gと固定偏心重錘2の重心位置Gとが回転軸1の軸心回り方向に180°の位置関係となる位置)に達すると、固定偏心重錘2の後方側端縁22に可動偏心重錘3に設けられた回転制御桿4の前方側が当接して可動偏心重錘3がそれ以上固定偏心重錘2に対して進相することができなくなり、回転制御桿4が固定偏心重錘2の後方側端縁に当接した状態を保ちながら固定偏心重錘2とともに回転することとなる。固定偏心重錘2の後方側端縁22に回転制御桿4が当接している状態にあっては、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとは回転軸1の軸心回り方向においてほぼ相対位置(180°の位置)にあるので、固定偏心重錘2の重心と可動偏心重錘3の重心とが180°ずれた位相で回転し、これら2つの偏心重錘による合成偏心量(総合偏心モーメント)がゼロとなるので、惰性回転中の振動の発生を抑制することができる(図13参照)。
【0037】
以上のように、この参考例にあっても、固定偏心重錘2の回転トルクを制御するだけで、固定偏心重錘2と可動偏心重錘3との釣合状態・起振状態を即座に切り替えることができる。
【0038】
図14ないし16は、この発明の第の実施例の概要を示す図である。この実施例は、第1の参考例の更なる変形例であり、モーター駆動時に固定偏心重錘と可動偏心重錘とによって得られる合成偏心量を調整できる機構を備えた実施例である。この実施例にあっては、参考例1における固定偏心重錘2の可動偏心重錘3との対向面側に、後述する第1回転制御桿41を装着するための孔4H,4Hが追加的に設けられており、孔4Hは回転制御桿4と、孔4Hは孔4Hと、それぞれ回転軸1の軸心回りに30°間隔となる位置に配設されている。
【0039】
図14に示すように、この実施例において、孔4H、4Hに第1回転制御桿41を装着しない場合には、孔4H、4Hの有無の差異がある以外は第1の参考例と同様の構成のものとなる(ただし、回転制御桿受け部としての溝5は、この実施例にあっては抉り部として設けてある。)から、第1の参考例と同様、モーター駆動時における固定偏心重錘と可動偏心重錘の合成偏心量を最大とすることができる。
【0040】
図15は、この実施例において、孔4Hに第1回転制御桿41を装着した場合の例である。この場合、第1の参考例における回転制御桿4の機能は、第1回転制御桿41と第2回転制御桿42とに分けられることとなる。すなわち、第1回転制御桿41がモーター駆動時に固定偏心重錘2の回転力を可動偏心重錘3に機械的に伝達する機能を果たし、第2回転制御桿42がモーター制動時に固定偏心重錘2と可動偏心重錘3とによる合成偏心量がほぼ0となる位置に可動偏心重錘3を保持しながら固定偏心重錘2とともに回転させる機能を果たすこととなる。そして、第1回転制御桿41は、回転制御桿4に対して回転軸1の軸心回りに30°の間隔で設けられた孔4Hに装着されているので、可動偏心重錘3が固定偏心重錘2に対して30°進相した状態で第1回転制御桿41が溝5の先端に当接して固定偏心重錘2の回転力を可動偏心重錘3に伝達することとなる。このため、モーター駆動時における固定偏心重錘2と可動偏心重錘3との合成偏心量は、実施例1と比較して小さくなるので、起振力を小さくすることができる。他方、モーター制動時には、第2回転制御桿42の後方側に可動偏心重錘3の前方側端縁31が当接した状態を保ちながら可動偏心重錘3が固定偏心重錘2とともに惰性回転するところ、このとき、固定偏心重錘2の重心位置Gと可動偏心重錘3の重心位置Gとは回転軸1の軸心回り方向においてほぼ相対位置(180°の位置)にあるので、固定偏心重錘2の重心と可動偏心重錘3の重心とが180°ずれた位相で回転することとなり、これら2つの偏心重錘による合成偏心量(総合偏心モーメント)がほぼゼロとなって、惰性回転中の振動の発生を抑制することができる。
【0041】
図16は、この実施例において、孔4Hに第1回転制御桿41を装着した場合の例である。この場合、第1回転制御桿41は、孔4Hに対して回転軸1の軸心回りに30°の間隔で設けられた孔4Hに装着されているので、孔4Hに第1回転制御桿41を装着したときよりも可動偏心重錘3が固定偏心重錘2に対してさらに30°進相した状態で第1回転制御桿41が溝5の先端に当接して固定偏心重錘2の回転力を可動偏心重錘3に伝達することとなる。このため、モーター駆動時における固定偏心重錘2と可動偏心重錘3との合成偏心量を、孔4Hに第1回転制御桿41を装着した場合よりもさらに小さくすることができる。他方、モーター制動時には、第2回転制御桿42の後方側に可動偏心重錘3の前方側端縁31が当接した状態を保ちながら固定偏心重錘2の重心と可動偏心重錘3の重心とが180°ずれた位相で惰性回転することなり、これら2つの偏心重錘による合成偏心量(総合偏心モーメント)がほぼゼロとなって、惰性回転中の振動の発生を抑制することができる点は孔4Hに第1回転制御桿41を装着した場合と同様である。
【0042】
図17は、この発明の第の実施例の概要を示す図であり、第の実施例において説明した固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量の調整機構を第2の参考例に適用したものである。この実施例にあっては、可動偏心重錘3の固定偏心重錘2との対向面側に、第1回転制御桿41を装着するための孔4H,4Hを追加的に設け、この孔4H,4Hに対して選択的に第1回転制御桿41(図示は省略)を着脱可能に装着することによりモーター駆動時における固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量を調節できるようにした点以外は、参考例2及び実施例と同様である。
【0043】
図18は、この発明の第の実施例の概要を示す図であり、第の実施例において説明した固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量の調整機構を第3の参考例に適用したものである。この実施例にあっては、固定偏心重錘2の可動偏心重錘3との対向面側に第1回転制御桿41を装着するための孔4H,4Hを追加的に設け、この孔4H,4Hに対して選択的に第1回転制御桿41(図示は省略)を着脱可能に装着することによりモーター駆動時における固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量を調節できるようにした点以外は、参考例3及び実施例と同様である。
【0044】
図19は、この発明の第の実施例の概要を示す図であり、第の実施例において説明した固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量の調整機構を第4の参考例に適用したものである。この実施例にあっては、可動偏心重錘3の固定偏心重錘2との対向面側に第1回転制御桿41を装着するための孔4H,4Hを追加的に設け、この孔4H,4Hに対して選択的に第1回転制御桿41(図示は省略)を着脱可能に装着することによりモーター駆動時における固定偏心重錘2と可動偏心重錘3の合成偏心量を調節できるようにした点以外は、第4の参考例及び第の実施例と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明は、偏心重錘の回転により振動を発生させる振動モーターに用いられる偏心重錘装置及び偏心重錘装置の起振力制御方法にに関するものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0046】
1 回転軸
2 固定偏心重錘
21 前方側端縁
22 後方側端縁
3 可動偏心重錘
31 前方側端縁
32 後方側端縁
4 回転制御桿
41 第1回転制御桿
42 第2回転制御桿
4H,4H
5 溝(回転制御桿受け部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図17
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図19